【新着】ジョヴァンニ・アントニーニの交響曲全集第6巻(ハイドン)

全集に向けた取り組みが順調に進んでいます。

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ジョヴァンニ・アントニーニ(Giovani Antonini)指揮のバーゼル室内管弦楽団(Kammerorchester Basel)の演奏で、ハイドンの交響曲3番、26番「ラメンタチオーネ」、79番、30番「アレルヤ」の4曲を収めたCD。このアルバムはアントニーニによるハイドンの交響曲全集の第6巻。収録は2017年3月2日から7日にかけてスイスのバーゼル近郊のリーエンという街にあるランドガストホフ・リーエンでのセッション録音。レーベルはレーベルはouthereグループのALPHA-CLASSICS。

このシリーズはこれまでに全巻取り上げています。

2017/11/22 : ハイドン–交響曲 : 【新着】ジョヴァンニ・アントニーニの交響曲全集第5巻(ハイドン)
2017/04/18 : ハイドン–交響曲 : 【新着】イル・ジャルディーノ・アルモニコの交響曲全集第4巻(ハイドン)
2016/10/09 : ハイドン–交響曲 : 【新着】イル・ジャルディーノ・アルモニコの交響曲全集第3巻(ハイドン)
2015/06/08 : ハイドン–交響曲 : 【新着】イル・ジャルディーノ・アルモニコの交響曲全集第2巻(ハイドン)
2014/11/08 : ハイドン–交響曲 : 【新着】イル・ジャルディーノ・アルモニコの交響曲全集第1巻(ハイドン)

リリースは安定して続いていますが、今回取り上げる第6巻からアルバムの輸入元がマーキュリーからナクソスジャパンに変わっています。輸入元が変わると何が変わるかというと、以前のマーキュリーのパッケージには白沢達生さんの非常に詳しい解説の翻訳が付いていて、それが魅力だったんですね。ナクソスジャパンのパッケージはタイトルととアルバム内容が書かれたカバーがつけられているだけ。このシリーズは装丁、アートワーク、解説が充実しているだけに、今回の変更は資本の論理でしょうが残念なものですね。どうして変更されたのかと調べてみると旧輸入元のマーキュリーのウェブサイトを確認してみると、サイトが繋がらなくなっていますね。充実した訳と解説が気に入っていただけに残念ですね。

さて、このシリーズについてと奏者についてはこれまでの巻の記事をご覧ください。前巻からオケがバーゼル室内管に変わり、今回もバーゼル室内管。アントニーニの圧倒的なコントロールはオケの違いを感じさせないもので、演奏はキレキレで変わらず。

Hob.I:3 Symphony No.3 [G] (before 1762)
いきなり耳をつんざくようなヴァイオリンの響きにびっくり。この初期の曲から鋭利な響きを引き出すセンスに驚きます。先日のアルトシュテットの振るハイドンフィルもそうですが、古典期の曲をアヴァンギャルドなセンスでまとめる見事な手腕。アルバムの1曲目に挨拶がわりに置く選曲も見事です。けたたましい響きながらスリリングさが勝る1楽章のアレグロ。そして続くアンダンテ・モデラートは厳かささえ感じるほどにレガートを効かせて抑えてきます。メヌエットは舞踊より覇気が勝るキレキレなもの。弦のキレ味にホルンのリズム感の良さが印象的。そしてフィナーレは速いパッセージの連続波状攻撃に痺れ気味。この小曲が見事な仕上がり。

Hob.I:26 Symphony No.26 "Lamentatione" 「ラメンタチオーネ」 [d] (before 1770)
アルバムタイトルもラメンタチオーネということで、メインとなる曲。予想通り1楽章はかなり速めのテンポで、仄暗さが勢いで吹き飛びそう。そう、このスリリングさがハイドンに生気を吹き込んでいるんですね。伴奏に回るヴァイオリンの音階が控え目ながらクッキリと浮かび上がる精緻なアンサンブル。そして波が繰り返し寄せてくるように盛り上がります。速いばかりではなく、フレーズの彫り込みの深さでこの1楽章の魅力を浮かび上がらせます。そして聴きどころのアダージョはこちらも予想通り抑えてきました。独特の雰囲気のあるメロディをあえて平板に表現することでアルカイックな印象が強まります。狭い音量さの中でも耳を澄ますとこのメロディー自体の美しさが心にじわりと沁みてきます。そしてメヌエットも前曲の覇気とは異なり八分のキレで優雅さを残し、最後に仄暗さのうっすらとした余韻を残す巧みな設計。

Hob.I:79 Symphony No.79 [F] (before 1784)
だいぶ時代は下って、朗らかな明るさを持った曲ですが、ただ朗らかに演奏するわけもなく、明るく屈託のないメロディにキレ味鋭い装飾を施してきます。パリセット直前の目立たぬ存在だったこの曲の面白さを再発見した気分。ワクワクするような見事な推進力をちりばめ、千変万化する表情を繰り出す手腕に魔法にかかったよう。転調しながら次々展開していく曲想を追いながらいつも通りハイドンのアイデアにも感心しきり。かなり大胆な音量コントロールが実に効果的。色彩感と躍動感が溢れる秀演。続くアダージョ・カンタービレはつぶやくようにトボトボとしたメロディーの面白さを強調するためかメロディを抑えて木管やホルンの柔らかい音色でアクセントを浮かび上がらせ、ヴァイオリンの繊細さを引き立てるコントラスト。後半のウン・ポコ・アレグロで弦のソリッドな音色が出てくることを想定した演出でしょう。3楽章のメヌエットはこれまでの曲で最も舞曲らしいもの。そしてフィナーレは実に軽やかな入り、と思った瞬間展開部に入ると牙を剥き、弦の表情の使い分けの多彩さを印象付けます。ハイドン自身もこれだけの表現の幅は想像できなかったでしょう。見事です。

Hob.I:30 Symphony No.30 "Alleluja" 「アレルヤ」 [C] (1765)
最後の曲。どの曲も新鮮に響きますが、このリズミカルなアレルヤの入り、古楽器の演奏は数あれど、このニュアンス豊かな表現は新時代のもの。楽器の音色で聞かせた初期の古楽器演奏とは異なり、古楽器の音色の幅を駆使して、色彩感も推進力もキレも伴い実に豊かなイメージを描いていきます。弦楽器の表現力は前曲同様。特に木管とホルンの巧みなコントロールは神業レベル。おまけに構成感も完璧で引き締まった1楽章。アンダンテは抑えた弦とクッキリと浮かび上がる木管などによるコントラストが再来。木管の響きの美しさ、とりわけフルートが見事な演奏。そしてフィナーレは比較的おおらかな響きで入りますが、徐々にキレを垣間見せ、語り口の巧さを見せつけます。最後はオーソドックスにまとめてきました。

ジョヴァンニ・アントニーニ指揮のバーゼル室内管によるハイドンの交響曲全集の第6巻。この巻も非常にレベルの高い仕上がり。アントニーニのキレ味鋭いコントロールと、多彩な表現力で時代をまたぐ4曲を巧みに料理して、どの曲も抜群に面白い出来。素晴らしい才能の持ち主ですね。このシリーズは冒頭にも書いたように、アートワークも装丁も素晴らしく所有欲を満たすもの。次の巻のリリースが待ち遠しいですね。もちろん評価は全曲[+++++]とします。



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tag : 交響曲3番 ラメンタチオーネ 交響曲79番 アレルヤ 古楽器

【新着】飯森範親/日本センチュリー響の交響曲集第3巻(ハイドン)

飯森範親と日本センチュリー交響楽団が取り組むハイドンマラソン。第3巻がリリースされました。

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飯森範親指揮の日本センチュリー交響楽団の演奏で、ハイドンの交響曲96番「奇跡」、18番、99番、30番「アレルヤ」の4曲を収めたSACD。収録は99番とアレルヤが2015年11月20日、その他2曲が2016年2月26日、大阪のいずみほホールでのライヴ。レーベルは日本のEXTON。

ハイドンマラソンと名付けられた日本センチュリー交響楽団のいずみ定期演奏会の第3回、第4回のコンサートのライブ収録。ハイドンの全交響曲を演奏するというプロジェクトの壮大さと、アルバムにはどこにも全集を目指すと書かれていないスリリングさ(笑)から注目を集める本シリーズも、無事第3巻までリリースにこぎつけました。もちろん当ブログはこれまでの2巻同様注目のプロジェクトゆえ、重大な関心を持って取り上げます。

2017/07/19 : ハイドン–交響曲 : 【新着】飯森範親/日本センチュリー響の交響曲集第2巻(ハイドン)
2016/11/19 : ハイドン–交響曲 : 【新着】飯森範親/日本センチュリー響の交響曲集第1巻(ハイドン)

そしてもちろん、当ブログの読者の皆さんにとっても関心は高かろうということで、その出来が気になるところでしょう。前2巻については、記事に書いた通り、手放しで賞賛したわけではありません。第1巻ではライブらしくはありますが、かなり力みを感じる演奏もあり、第2巻では肝心の時計が若干一本調子な印象がありました。そして注目の第3巻ですが、ここにきて、飯森範親と日本センチュリー響の精緻なコントロールが素直に楽しめる演奏を揃えてきました。ライヴ収録という面と全集の記録という両面からのバランスが取れてきたと言っていいでしょうか。

Hob.I:96 Symphony No.96 "The Miracle" 「奇跡」 [D] (1791)
比較的残響をたっぷりと残した録音。会場ノイズは全くといっていいほど聴こえません。演奏の方は肩の力が抜けて、このコミカルな交響曲のメロディーをキレ良く演奏することを楽しむような余裕があります。適度な推進力に乗って小気味好く吹け上がるオケが心地良いですね。一糸乱れぬオケの精度もなかなかのもの。
続くアンダンテもキビキビとした歩みを重視した引き締まった演奏。キビキビしたところと少し手綱を緩めるところ、そして全奏部分の対比の面白さを上手くまとめてきます。ハイドンの面白さをしっかりと踏まえた見事な構成。
さり気なく堂々とした響きの迫力を聴かせるメヌエット。トリオのオーボエのソロの愉悦感溢れる演奏も見事。
そして、この曲の最大の聴きどころであるミラクルなフィナーレ。オケはここぞとばかりに前のめりで攻めに入りますが、均整を保ちながらのキレ味充分なクライマックスは素晴らしい出来。拍手が来ないのが不思議なくらい。

Hob.I:18 Symphony No.18 [G] (before 1766)
打って変わってハイドンのごく初期の交響曲。理知的というか冷静にリズムを刻む面白さを味わえと言われているような曲。ヴァイオリンのフレージングが活き活きとしていてリズムの面白さが際立ちます。この曲でも実にリラックスしての演奏だとすぐにわかります。指揮者も奏者もハイドンのユーモラスな曲の演奏を楽しんでいるよう。
快活な2楽章はやはりキレ味充分。ヴァイオリンパートの鮮やかなボウイングにホルンのタンギンングの鮮やかさがワクワクするような音楽のキレをもたらします。これは見事。
終楽章のメヌエットも鮮度の高いキレ味を聴かせます。短調の中間部の可憐な美しさが音楽に深みをもたらします。両端部の鮮度の高さとの組み合わせがこれも見事。

Hob.I:99 Symphony No.99 [E flat] (1793)
とろけるような柔らかな音色を狙ってくる演奏が多い中、ざっくりとした響きをベースにオーボエが一際鮮やかに彩りを加える序奏。主題に入るとキビキビとしたリズムに乗って推進力は充分。非常に引き締まったいい響きに身をゆだねます。アクセントがしっかり効いているので立体感も見事な本格派の演奏。この曲をこれだけ引き締めた表現でまとめてくるとは思いませんでした。
美しいメロディーの宝庫たるアダージョでも感傷的になることなく、冷静にオーケストラをコントロールして音楽のフォルムの美しさを淡々と描いていきます。この楽章の穏やかな起伏を鮮明なライティングで見事な陰影をつけて描き切る匠の技。
メヌエットは俊敏なオケの反応を試すように吹き上がり、オケも俊敏な反応の聴かせどころとばかりに軽々と演奏。そしてフィナーレの最初はかなり抑えて入りますが、すぐに堂々としたピラミッドバランスのオケの迫力に圧倒されるようになります。最後にふっと力を抜いて余裕を見せて終わります。この曲も見事。

Hob.I:30 Symphony No.30 "Alleluja" 「アレルヤ」 [C] (1765)
最後に軽めの曲を持ってきました。18番同様、演奏するオケのメンバーがリラックスして弾いているのが良くわかる演奏。まさにハイドン初期の交響曲の見本のような愉悦感満点の楽しい指揮ぶり。美しいメロディーと美しい響きに包まれる幸せ。ここでも曲の美しさを信じて淡々とコントロールして、適度なメリハリと適度な起伏の面白さが充分に味わえる演奏に仕立てます。
中間楽章のアンダンテではキーになるメロディを即興的な装飾をちりばめながら繰り返していくことで実に楽しげな雰囲気を重ねていきます。終楽章は力をかなり抜いて流すように入りますが、次々と変化するメロディに合わせて表情を変える見事な技でまとめました。

飯森範親指揮の日本センチュリー交響楽団によるハイドンの交響曲集も第3巻になって、ようやく本領発揮といったところでしょう。やはりハイドンに力みは禁物。この巻に収録された4曲はどの曲もリラックスして曲の面白さを的確に捉えた名演奏。ハイドンの交響曲に仕込まれたユーモアや美しいメロディーをしっかりと拾ってイキイキと楽しくまとめ、しかもしっかりとメリハリがついたフォーマル感もある理想的な演奏と言っていいでしょう。これはこの先のリリースが楽しみになりましたね。評価は全曲[+++++]といたします。

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tag : 奇跡 交響曲18番 交響曲99番 アレルヤ

井上道義/オーケストラ・アンサンブル金沢の「アレルヤ」(ハイドン)

4月に入って相変わらずドタバタと仕事が忙しくなかなかレビューが進みません。ようやく3本目の記事。

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井上道義(Michiyoshi Inoue)指揮のオーケストラ・アンサンブル金沢(Orchestra Ensemble Kanazawa)の演奏で、ハイドンの交響曲30番「アレルヤ」他を収めたアルバム。ハイドンの収録は2007年9月21日、金沢駅前にある石川県立音楽堂コンサートホールでのライヴ。レーベルはWarner Classics。

普段はあまり国内盤には手を出さない方ですが、売り場で見かけてハイドンの曲が入っているので入手した次第。ハイドンは交響曲30番という渋めの1曲ですが、その他にはニコライの「ウィンザーの陽気な女房たち」、オーケストラ・アンサンブル金沢の創設者でこのコンサートの前年に亡くなった岩城宏之の追悼のために書かれた一柳慧の交響曲7番「イシカワ・パラフレーズ」、武満徹の3つの映画音楽よりワルツ、チャイコフスキーの弦楽のためのセレナードからワルツ、ヨハン・シュトラウスII世の「芸術家カドリーユ」と多彩なプログラム。なんとなく統一感のない曲の並びだと思ったら、ハイドン以外の曲は2008年1月8日とまったく別の日のコンサートでの収録でした。ネットで調べてみると、ハイドンが演奏された2007年9月21日には、ハイドンに続きベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲に交響曲5番「運命」と古典派の曲を並べたコンサートということで、この配曲はアルバムの都合ということでした。

井上道義さんはおなじみでしょうが、1946年生まれで桐朋学園で斎藤秀雄に師事。1971年にミラノ・スカラ座でのグィド・カンテルリ指揮者コンクールで優勝し、活躍するようになります。これまでニュージーランド国立管弦楽団首席客演指揮者や新日本フィルの音楽監督などを歴任しています。2007年からオーケストラ・アンサンブル金沢の音楽監督に就任して、この9月21日のコンサートが就任後初の指揮だったとのこと。

このアルバムを取り上げたのは、もちろんハイドンの演奏が良かったからに他なりません。

Hob.I:30 Symphony No.30 "Alleluja" 「アレルヤ」 [C] (1765)
冒頭からキビキビとした進行で入ります。石川県立音楽堂コンサートホールは響きがいいのでしょう。小編成のオケが程よい残響につつまれながらスピーカーの少し奥に定位して、オケの響きは厚みもあって実に理想的。1楽章はコミカルなメロディが次々と顔を出すのですが、驚いたのがその表情付けの面白さ。ユーモラスな表情の演出が実に上手い。オケも見事に指揮に合わせて、この初期の曲の軽快な面白さにあわせて吹き上がります。アクセントも実に軽快。このメロディーラインをクッキリと浮かび上がらせて陽気で弾むような演出、井上道義さんの天性のものがあるのでしょう。オーケストラ・アンサンブル金沢の奏者の腕もなかなかです。録音が良いので生のオケをホールの最上の席で聴いているよう。
つづくアンダンテではリズミカルに刻む弦楽器に合わせて木管楽器が代わる代わるメロディーをつないでいきますが、とりわけフルートが絶妙な巧さ。ホールに響きわたるフルートの音が実に爽快。そして弦楽器もメリハリがきちんとついて表情豊かな演奏。
フィナーレも自然に弾む美しいメロディーの宝庫。アンサンブルの精度も高く、またフレーズごとの表情の変化も絶品。実に聴き応えがあります。

アルバムの最後に収められたハイドンの小交響曲ですが、この1曲のためにこのアルバムを買う価値があります。大変失礼なことにさして期待せず手にいれたアルバムですが、あまりのすばらしさに驚いた次第。先に書いたようにハイドンの収録日は井上道義さんがオーケストラ・アンサンブル金沢の音楽監督に就任してから最初のコンサートの1曲目ということで、もっとも集中して臨んだコンサートに違いありません。このハイドンの演奏、オーケストラ・アンサンブル金沢率いる井上道義さんの演奏の素晴らしさを伝えるばかりではなく、ハイドンの交響曲の真髄を突く見事な演奏といっていいでしょう。レビューのために何度か聴きましたが、聴けば聴くほどに味わいのある名演奏です。評価は[+++++]をつけます。なお、ハイドン以外の曲も井上道義さんの聴かせ上手な演奏が楽しめますので念のため。いつもながらですが、交響曲好きな方、手にはいるうちにどうぞ!

熊本では連夜の大地震。今も余震が絶え間なく不安な状況が続いています。音楽を聴く余裕などないかもしれませんね。謹んでお見舞い申し上げます。早く地震が収まりますように。

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tag : アレルヤ

ホグウッド/AAMのアレルヤ、ホルン信号

今日はついにホグクッド盤。しかも全集第一弾としてリリースされた第4巻からの2曲。

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クリストファー・ホグウッド(Christpher Hogwood)指揮のアカデミー室内管弦楽団(The Academy of Ancient Music)の演奏でハイドンの交響曲30番「アレルヤ」、31番「ホルン信号」の2曲。この2曲はホグウッドのハイドン交響曲全集の第4巻から。収録は1988年11月、1989年4月、ロンドンののウォルサムストウ・アッセンブリー・ホールでのセッション録音。レーベルはL'OISEAU-LYRE。

ホグウッドはこれまで何回か取りあげていますが、ハイドンの交響曲は1度だけ取りあげたのみです。

2011/11/03 : コンサートレポート : 【サントリーホール25周年記念】ホグウッド/N響の第九
2011/06/08 : ハイドン–交響曲 : ホグウッド/AAMの校長先生
2011/04/02 : ハイドン–声楽曲 : 【新着】ホグウッドの伴奏による歌曲集、室内楽
2010/09/21 : ハイドン–協奏曲 : ホグウッドのトランペット協奏曲
2010/09/15 : ハイドン–協奏曲 : コワン/ホグウッドのチェロ協奏曲

これまで書いた通り、ホグウッドのハイドンはどちらかというと協奏曲の伴奏のほうが気に入ってます。ホグウッドの交響曲の演奏は、どちらかというと均衡と洗練を旨としたもの。最近評判のいいトーマス・フェイやマルク・ミンコフスキなどのダイナミックな演奏と比べるとスタティックなものですが、ハイドンの機知の表現としてはなかなか趣深いものです。今日取りあげる2曲はハイドンの交響曲でも、古楽器の音色の魅力を十分に表したもの。久しぶりに聴くホグウッドの交響曲はどう聴こえるでしょうか。

両曲ともハイドンがエステルハージ家の楽長ヴェルナーの死により楽長に昇進する前年の1765年の作曲。シュトルム・ウント・ドラング期前夜のハイドン充実の時代の曲です。

Hob.I:30 / Symphony No.30 "Alleluja" 「アレルヤ」 [C] (1765)
入りはホグウッドらしい非常に透明感高い洗練された響きと、キビキビとしたテンポが特徴。録音は引き締まった音像が素晴らしいタイトな響き。弦よりも木管の存在感を強めに録っています。きりりと引き締まった響きが痛快な演奏。
アンダンテはゆったりした楽章でも練らず、というホグウッドの特徴をはっきりと出してさっぱりと進めます。このさっぱり感がホグウッドの真骨頂でしょう。まさにアンダンテ。フルート・トラヴェルソの素朴な音色が沁みます。ヴァイオリン・パートが活き活きと弾み、フレーズの切れ目の間も絶妙。
リズムのキレの良さを保ちながら流れよくフィナーレに入ります。フィナーレは途中に短調の特徴的なメロディーがクザビのように入りますが、その部分のキレも絶妙。3楽章構成の短い曲ですが、鮮やかなリズム感と古楽器のタイトな響きで一気呵成に聴かせてしまいます。この曲はホグウッドのツボにはまってます。

Hob.I:31 / Symphony No.31 "Hornsignal" 「ホルン信号」 [D] (1765)
つづいて名曲ホルン信号。冒頭のホルンの炸裂、最高ですね。これほどの演奏だったとは記憶の中のホグウッドの演奏とは異なります。前曲同様、洗練された響きとキレのいいリズムが、まさに痛快。ホルンを中心に鋭いアクセントと弦楽器の流麗さが絶妙のコンビネーション。各メンバーのテクニックは素晴らしいものがあり、アンサンブルの精度は非常に高いです。なによりホルンが最高。ライナーノーツをみるとアンソニー・ホールステッドをはじめとする4人ですが、このホルンのテクニックはナチュラルホルンのしては超絶的なもの。完璧です。
アダージョはやはり、テンポ良く流麗に。穏やかな表情の曲を節度を保ちながら、古楽器のクッキリとした響きで淡々とこなしていきます。ここでもホルンのとろけるようなアンサンブルが最高。ヴァイオリンソロののびのびとした美しい音色も聴き所。ゆったりした楽章はテンポが重くなりがちですが、ホグウッドのコントロールはリズムの重さとは対極にあるようなキリッとしたキレのいいもの。後半ホルンのアンサンブル音程が少し不安定になる瞬間がありますが、ホルンの難しさにふと気づかされるような感じ。
メヌエットは最もホグウッドの良さが出た楽章でしょう。まさに自然な感興。ハイドンの書いた構成感溢れる曲を切れ味良く、しかも自然で、そして古楽器の絶妙の響きでまとまりよく聴かせる秀逸なコントロール。
フィナーレは、これまでの曲を振り返るようなフレーズをさっぱりしているのに、ちょっと深い印象を与えるように奏でていきます。ユーモラスでかつ素朴で美しいメロディーを弦楽器から、フルート、ホルン、ヴァイオリン、コントラバスなどに次々とつないでいきます。このあたりの折目正しいコントロールがホグウッドの魅力でしょう。最後はホルンの号砲で曲を閉じます。

久しぶりに取り出した、ホグウッドの美しい装丁の全集ボックス。記憶の中のイメージはもう少しスタティックなものでしたが、あらためて聴いた印象は記憶の中の印象がいい意味で裏切られました。特にアレルヤの方はホグウッドの美点が理想的に出た秀演。古楽器の美しい響きとキレが絶妙。ホルン信号の方もその勢いを汲んでなかなかの秀演。ということで評価はアレルヤが[+++++]、ホルン信号は[++++]とします。

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今日は久々に、LPを取り出してのんびり聴きました。アルバムはラヴィ・シャンカールのシタール協奏曲。やはりLP独特のダイレクトなサウンドと深い奥行きは絶妙。CDでは出せない音ですね。

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tag : アレルヤ ホルン信号 古楽器 オーディオ

ヘスス・ロペス=コボス/ローザンヌ室内管のアレルヤ、ラメンタチオーネ、ホルン信号

今日は東京は昼間は気温が上がったんですが、夜は再び寒くなってきました。何の脈絡もありませんが、久しぶりに「ラメンタチオーネ」が聴きたくなり、ラックから取り出した1枚。

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ヘスス・ロペス=コボス(Jesús López-Cobos)指揮のローザンヌ室内管弦楽団の演奏で、ハイドンの交響曲30番「アレルヤ」、26番「ラメンタチオーネ」、31番「ホルン信号」の3曲を収めたアルバム。収録は1995年2月8日~10日、スイスのラ・ショー=ド=フォンで。レーベルはDENON。現役盤と思いきや、そうではないようです。

ヘスス・ロペス=コボスは1940年スペインのマドリードの北西約200キロの街トロ生まれのスペイン人指揮者。マドリード・コンプルテンセ大学にて哲学を学び、ウィーン国立音楽大学にてフランコ・フェラーラやハンス・スワロフスキーに指揮を学びました。その後の経歴は、1981年から1990年までベルリン・ドイツ・オペラの総監督、1984年から1988年までスペイン国立管弦楽団の音楽監督、1986年から2000年までシンシナティ交響楽団の首席指揮者、1990年から2000年までローザンヌ室内管弦楽団の首席指揮者、そして2003年からはマドリード王立劇場の音楽監督となっています。ヨーロッパを中心に主要なオケや歌劇場のトップを歴任してきたことになります。このアルバムを録音した95年頃はちょうどローザンヌ室内管弦楽団のトップとして5年が経過し、オケを掌握していた時期でしょう。

これまでロペス=コボスはDENONからアルバムが多くリリースされているので、名前は知っていますが、ちゃんと聴いたのは、このブログで以前取りあげたナカリャコフのトランペット協奏曲の伴奏がはじめて。前記事のリンクを張っておきましょう。

2011/01/10 : ハイドン–協奏曲 : ナカリャコフのトランペット協奏曲

鮮度が高く端正なコントロールが心情の人でしょう。このアルバムを手に入れたのはおそらく10年以上前。もちろん演奏の印象もあまりはっきりとしません。それゆえ久々に取り出した次第。

Hob.I:30 / Symphony No.30 "Alleluja" 「アレルヤ」 [C] (1765)
流石DENONの録音。しかも響きの良さで知られるラ・ショー=ド=フォンでの収録。適度な残響に適度な実体感、1995年録音ですが、鮮明かつ穏やかさもあるほぼ完璧な録音。冒頭から非常に端正な演奏。小編成オケのクリアな響きでテンポ良くハイドンの楽譜を音にしていきます。傾向としてはデニス・ラッセル・デイヴィスの演奏に近いですが、デイヴィスの演奏が端正さに極度に向いた演奏であるのに対し、ロペス=コボスのコントロールはバランス重視というところでしょう。
2楽章のアンダンテも鮮明な響きで穏やかというよりは、几帳面な感じもするもの。教科書的なオーソドックスさと言えばいいでしょうか。ただ、ここの楽器の表情は豊かで、悪い意味で教科書的というのではなく正統的、標準的な名演奏という感じ。これはこれでなかなかいい感じです。
この曲は3楽章構成。フィナーレはメヌエット。フィナーレに入り、わずかですが力感のレベルを上げ、メリハリを強くし、隈取りをつけるような演出。リズムを少し強調しながら曲を終える感じをうまく表現しています。教科書的な演奏としては、骨格がしっかりして、癖がなく、響きもいい演奏。

Hob.I:26 / Symphony No.26 "Lamentatione" 「ラメンタチオーネ」 [d] (before 1770)
期待のラメンタチオーネ。速めの一貫したテンポでなかなかいい入り。曲の骨格をしっかり表現しており、細かいところもいいのですが、ボリューム感をしっかり捉えたデッサンのような堅実な演奏。曲が進むにつれて畳み掛けるような感じも感じさせて迫力も十分。立体感を感じさせるいい演奏ですね。
アダージョは情感と知性のバランスのよい演奏という趣。抑制された中にメロディーラインの美しさが光ります。訥々と弾かれる旋律に素朴な美しさ宿り、徐々に心に沁みてくる感じ。ラメンタチオーネの演奏では以前取りあげたNAXOSのニコラス・ウォードのアダージョが絶品ですが、ロペス=コボスのより抑えた表現も秀逸ですね。
この曲も3楽章構成。フィナーレは端正な悲しみといえばわかりますでしょうか。やはりフィナーレは力強さが増して立体感が見事。ここに来て弦楽器のキレも増し、管弦楽の醍醐味も少し味わえます。

Hob.I:31 / Symphony No.31 "Hornsignal" 「ホルン信号」 [D] (1765)
意外と言っては失礼ですが、このホルン信号の入りはこのアルバム一番の出来。肝心のホルンはことさら強調することなく、むしろ控えめですが、これが非常にいいセンス。ロペス=コボス流の端正で一貫したリズムにのって、この曲の純粋な魅力がよくわかる演奏。特にヴァイオリンパートの美しさが印象的。ダイナミクスは抑え気味で、キレの良いリズム感で聴かせるという設計でしょう。この曲では教科書的という表現から、抑制の美学というような領域に入り、完成度もかなり上がってます。ホルンは目立ちませんが、音程、リズム感、デュナーミク、どれをとっても言うことなし。非常に高いテクニックをもっているのでしょう。
2楽章のアダージョは音楽に情感が宿りはじめ、音楽が濃密さを帯びてきました。ところどころ音を切りアクセントをつけますが、抑えた音量で淡々と音楽をこなして聴き所をつくっていきます。大人の音楽。ホルンの演奏もとろけるような響きを聴かせるようになり、この楽章は一段踏み込んだ表現。
続くメヌエットは弦楽器の鋭敏な反応が素晴らしいですね。キレてます。やはりオケのメンバーも集中力が上がり、一人一人のフレージングが明らかに綿密になってます。ここでも力ではなくキレで聴かせる演奏。玄人好みの演奏。
フィナーレは、セッション録音とはいえ、ここまでの楽章でリスナーの心をしっかりつかんでいるので、流したような演奏ながら、勘所がピタリと定まり実に愉悦感ある演奏。各変奏では木管楽器の美しさも絶品。チェロのリズムが若干重いのが少々気になりますがそれ以外は節度あるゆったり感、のんびり感をしっかり感じさせて完璧な演奏。音量を抑えたところもしっかり沈んで表現の幅を広げます。最後のコーダも力みなく終えるのが秀逸。

久々に聴いたロベス=コボスのハイドンのシュトルム・ウント・ドラング期の前夜から頂点に至る時期に作曲された3曲をまとめたアルバム。ロペス=コボス独特の端正なキレの良い演奏が基調ながら、アレルヤでは、曲の深みに依存するのかもしれませんが、すこし教科書的な演奏に聴こえ、ラメンタチオーネでは端正さが曲の新たな美しさを浮かび上がらせました。聴き所はホルン信号で表現が一段踏み込んだもの。やはり精緻、端正だででは音楽の深みにはたどり着かないという事でしょう。評価はアレルヤが[++++]、その他が[+++++]としました。

テーマ : クラシック
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tag : アレルヤ ラメンタチオーネ ホルン信号

シェファード/カンティレーナの交響曲24番、哲学者、アレルヤ

今日は初期交響曲です。

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エイドリアン・シェファード(Adorian Shepherd)指揮のカンティレーナの演奏でハイドンの交響曲24番、22番「哲学者」、30番「アレルヤ」の3曲を収めたアルバム。イギリスのChandosレーベルのアルバム。録音は1986年5月11日、12日、グラスゴーのSNOセンターでのセッション録音。

エイドリアン・シェファードはイギリスのロンドン東部の街エセックス生まれの指揮者。ロンドンで音楽を学んだ後スコットランド国立管弦楽団やBBCスコットランド管弦楽団の団員となり1966年に主席チェロ奏者としてスコットランド国立管弦楽団に戻り、その後はチェロ奏者として室内楽や協奏曲のソリストとして活躍したようです。1979年にこのアルバムのオケであるカンティレーナを創設し、音楽監督となっています。イギリスでは司会者や指導者としても知られているようですね。

まずは交響曲24番から。このアルバムに含まれる曲はすべて1764年から1765年頃の作曲で、ハイドンがエステルハージ家の副楽長時代のもの。

1楽章はこれ以上晴朗な音楽はないほどの素晴らしく明るく、推進力にあふれた音楽。小編成のオケの鮮明な響きと非常にクッキリとしたリズム感が素晴らしい音楽を作っています。ハイドンの初期交響曲の魅力的な音楽を完璧に表現。フレージングはカッチリ感を非常に意識したもの。Chandosレーベルらしいクッキリしながらも豊かで自然な響きの素晴らしい録音が華を添えています。抑制された部分もリズム感を維持して素晴らしい流れで、圧倒的な推進力。個性的な演奏ではないんですが、何もしないのに音楽が満ちあふれてくるという私の好きなタイプの演奏。音楽的な完成度は非常に高い演奏ですね。
2楽章アダージョは練ったり溜めたりは一切なく、ゆったりとした音楽を抑えた表現で一貫して奏でます。ハイドンの交響曲の魅力に取り付かれた人なら解ると思いますが、音符から音楽が浮き出てくるあの感じです。
3楽章のメヌエットも無為自然ながら素晴らしい音楽性。中間部のフルートやホルンのうまさは絶妙でとろけそう。
フィナーレは落ち着ききったテンポで入り、オケの楽器が次々と重なっていく様を絶妙のフレージングでコントロール。アレグロなのにむしろゆったり気味とも感じられる落ち着いたテンポで曲想の美しさを極限まで磨き込もうとするような演奏。テンポに関わらず推進力は維持して進めます。この演奏は素晴らしいですね。シェファードのアルバムは他にも所有しているんですが、あまり鮮明な印象はありませんでした。目から鱗の素晴らしさ。

つづいて交響曲22番「哲学者」。

哲学者の特徴的な1楽章のアダージョ。中庸なテンポでいきなり素晴らしいオケのフレージング。音の強弱のメリハリはほどほどながらひとつひとつの楽器のフレージングの表情が豊かなため全体のメロディーが非常に精妙に聴こえます。弦の音階による伴奏に乗って管楽器が同じメロディーの変奏を次々と受け継ぎ、音符上は非常にシンプルな曲を素晴らしく豊かな表現で進めていきます。圧巻の1楽章。
2楽章はプレスト。シェファードの特徴は速い楽章のスピードを上げず、音楽上の推進力で聴かせてしまうこと。この楽章も本来はもう少し速いんでしょうが、実際のスピードはそれほど速くないのに推進力に溢れた演奏。そのかわり音符を完璧に弾いていきますので鮮明に楽譜を分解しているような、大判カメラで撮った写真のような鮮明さ。それでいてスタティックではないところが流石。
3楽章のメヌエット。力の抜けたすばらしいコントロール。中間部のホルンと木管によるメロディーは非常に魅力的な響き。ハイドンの交響曲の素晴らしさに打たれる瞬間。
フィナーレは前曲同様、ほどほどのスピードで鮮明な演奏。力感もそこそこなのに不思議と聴き劣りしません。哲学者も一級品です。

最後は交響曲30番「アレルヤ」

意外にこの曲は遅めで入ります。前2曲とは異なりちょっとリズムが重めです。このリズムの重さで曲の印象が大きく変わり、オケの鮮明さや演奏の精度は前曲同様素晴らしいのですが、推進力ががっくり落ちたため、前2曲とは明らかに差がついてしまいます。これは惜しい。ずいぶん静的な印象に。
2楽章のアンダンテも少々おそめに感じます。前楽章の印象を引きずってしまいますね。演奏自体は非常に美しいもの。途中のフルートのメロディーの美しさが際立ちます。
この曲は3楽章構成ゆえ、3楽章がフィナーレ。全般に遅めのテンポを選択したこの曲ですが、前2曲とは明らかに演奏のコンセプトが違います。じっくり聴かせる方に主眼を移し、爽快感や推進力はかなり抑えめになっています。フィナーレの中間部はオペラで不安な心情や誰かを探すような場面でつかわれそうなメロディーを配した面白い構成。最後は爽快に終わるのがハイドン交響曲の定番ですが、この曲はなんとなく終わります。演奏の結果からはわかりませんが、何らかの意図があってやったことだろうと思います。

シェファードのハイドンの初期交響曲を集めたこのアルバム。シェファードの抜群の音楽性を知らしめた素晴らしいアルバムです。評価は交響曲24番、哲学者は文句なしに[+++++]。アレルヤは[++++]としました。アレルヤの演奏がキレていて、このアルバムが現役盤であれば、「ハイドン入門者向け」タグも進呈するところですが、惜しいところですね。ただし、ハイドンの交響曲が好きな方には探してでも手に入れてほしい名演奏でもあります。オークションや中古屋さんを丹念にさがせば手に入るかと思いますので、お好きな方は探してみてください。

Chandosにはシェファードの交響曲集があと2組リリースされており、こちらは現役盤の模様ですので、またの機会にレビューしたいと思います。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : 交響曲24番 哲学者 アレルヤ おすすめ盤

アーノンクールの初期交響曲集

先日ブリュッヘンの交響曲集の記事で、古楽器のなかでも個性的なものだと紹介したんですが、個性的という意味では触れなくてはならないものがあることにアップ直後に気づきました。もちろんアーノンクールです。

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アーノンクールのハイドンはアムステルダムコンセルトヘボウとのザロモンセットをはじめとして、ミサ曲集などいろいろでていますが、最も特徴的なのは初期交響曲集じゃないかと思います。

上に取り上げたのは、31番ホルン信号、59番火事、73番狩を収めた1枚と、30番アレルヤ、53番帝国、69番ラウドン将軍を収めた1枚です。他に、45番告別、60番迂闊もの、そして6番朝、7番昼、8番晩を収めたものなど計4枚がリリースされてます。

久しぶりに取り出して、アーノンクール独特の金管のアクセントを効かせた祝祭的演奏を楽しみましたが、ここで気づくべきは選曲なんじゃないかと思ったわけです。ザロモンセットやパリセットは多くの指揮者が録音していますが、ハイドンの初期の交響曲のなかからここにあげた曲を選ぶというところからアーノンクールの好みが色濃く反映されていると思わざるを得ません。このあたりの曲を録音するときには、受難とか悲しみ、マリアテレジアなんかを選んでくるのが一般的だと思いますが、そうではなく、ある意味アーノンクールのアプローチが映える曲を並べてアルバムとしているのが面白いところ。

おそらく最もアーノンクールのアプローチが効果的なのはホルン信号で、冒頭のホルンの号砲から金管がはじけきってます。帝国や狩は終楽章のみが単独で取り上げられるほど盛り上がる曲ですし、告別や火事など残りの曲もハイドンの中ではユニークな曲想を持つ曲です。これらの曲をギョロ目をひんむいて、これでもかと言わんばかりにメリハリをつけて振られれば、個性的と言わざるを得ない演奏となります。

これらの曲をアーノンクールで最初に聴いてしまうと、強烈な印象が刷り込まれて普通の演奏では満足できない体になってしまうこと確実です(笑)
私自身はハイドンではいろんな演奏を聴いてからアーノンクールに至ったため、アーノンクールの呪縛にはまることはありませんでしたが、何を隠そうモーツァルトでは、どうしても20番の交響曲の強烈な印象があり、20番はアルーンクール以外の演奏を受け付けない体になっちゃってます(笑)
嘘だと思ったら一度モーツァルトの20番のアーノンクール盤を是非聴いてみてください。20番といわれてピンとくる方は少ないかもしれませんが、なかなか突き抜けた曲です。ちなみに同様の呪縛に23番のコープマンというのもあって、こちらはワクワク呪縛タイプの演奏です(モーツァルトねたばかりでスミマセン)

ハイドンの曲をいろいろな指揮者で聴いて20年くらいになりますが、まだまだ聴き飽きることはありません。自分だったらどう振るかなんて想像しながら聴くのは至福のひと時です。
今日はアーノンクールをつまみに、ラガヴーリンの16年を少々いただいてます。(ほんとはモルトで至福なだけです、、、、)

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tag : ホルン信号 火事 アレルヤ 帝国 ラウドン将軍 古楽器 おすすめ盤

プロフィール

Daisy


Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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2017年7月のデータ(2017年7月31日)
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