カラヤン/ベルリンフィルのロンドン旧録

今日はメジャーどころです。twitterでカラヤンのロンドンがちょっと話題になっていたのを見て、カラヤンのロンドンで取り上げていないEMI盤を取り上げようと思った次第。

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こちらが手元のアルバム。EMIの初期のCDの廉価盤シリーズ。このデザインのCDはもう見なくなりましたね。

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こちらは現行盤。現行盤は国内盤でHi Quality CDのようですので、手持ちのアルバムより音質面ですぐれているかもしれません。手持ちのものも音が悪いと言うレベルではありません。

ヘルベルト・フォン・カラヤン(Herbert von Karajan)指揮のベルリンフィルの演奏でハイドンの交響曲83番「雌鶏」、101番「時計」、104番「ロンドン」を収めたアルバム。今日は時間の関係で恐縮ですが、このなかからロンドンのみ取り上げます。後年のDeutsche Grammophoneの録音と同様ベルリンフィルの演奏ですが、こちらは1975年1月、12月にベルリン・フィルハーモニーでのセッション録音。

カラヤン自体はきらいではないため、これまで交響曲の演奏についていろいろ取り上げてきています。

2010/02/10 : ハイドン–交響曲 : カラヤンのハイドン再考
2010/12/16 : ハイドン–交響曲 : カラヤン/ウィーフィルの太鼓連打
2011/01/18 : ハイドン–交響曲 : カラヤン/ウィーフィルのロンドン

カラヤンのハイドンの名演はと聞かれれば、Deutsche Grammophoneの天地創造の素晴らしい録音について触れない訳にはいきません。天地創造もいろいろ取り上げました。

2010/05/22 : ハイドン–オラトリオ : カラヤンの天地創造比較1
2010/05/22 : ハイドン–オラトリオ : カラヤンの天地創造比較2
2010/05/22 : ハイドン–オラトリオ : カラヤンの天地創造比較3

これらの演奏から見えてきているのは、カラヤンの演奏は晩年になるほど、カラヤンの磨き抜かれた人工的な感触が強くなってくるというもの。今回取り上げる75年の演奏は、時期としては既に晩年のレガートを効かせたスタイルの萌芽がみられる演奏ですが、晩年の行き過ぎたカラヤンスタイルの弱点を感じる寸前の演奏といって良いでしょう。

1楽章の入りはベルリンフィルの分厚い音響が印象的。これ以上堂々とした演奏が難しいほどに覇気にあふれた響き。序奏は壮大さに溢れてます。主題に入ると巨大な音塊が転がり出すような迫力ある展開。抑えた部分のデリケートさと音塊の噴出の繰り返しのような1楽章。ただ、リズムのキレが若干重く最近多く見られる鮮烈なキレをみせる演奏と比べると若干スタイルに古さを感じさせるのも正直なところ。
2楽章はカラヤンの演出の巧さを素直に味わえる楽章。曲全体を構造的にとらえ、楽章間の対比を巧みに表すところはカラヤンの真骨頂。穏やかなアンダンテの優しい表情の中、盛り上がる部分の堂々としたダンディズムは流石。レガートを効かせた分厚いベルリンフィルの弦セクションがゆったりと安定したテンポで描くメロディーは大きな視点でのメリハリが見事。
3楽章は2楽章がゆったり目のテンポに感じたのに対し、少し速めに感じるテンポ設定でスピード感で聴かせるメヌエット。颯爽としたメヌエットと言った趣。
4楽章はベルリンフィルの音響の迫力を味わえる楽章。精度はほどほどながら特に低音弦の唸るような迫力ある音響はカラヤン時代のベルリンフィルの魅力のひとつ。ハイドンの交響曲をこれほどまでに堂々とした大理石の彫像のように仕上げるあたりは、カラヤンだから出来ることでしょう。ただの迫力とは異なり、帝王の余裕と美学を感じさせるところは他の指揮者と一線を画すところですね。

1975年とカラヤンが名声を欲しいままにしていた時代のロンドン。帝王として君臨していたベルリンフィルを自身の美学に合わせて磨き込んだスタイルを徐々にみせていっているように感じます。交響曲を自身の美学に合わせて素晴らしい迫力で聴かせるという部分については、素直に素晴らしいと思います。ただ、この後の同じベルリンフィルとのDeutsche Grammophoneとの録音ではカラヤンのスタイルの弱点も感じさせてしまうところもあるだけに、この演奏はベルリンフィルとのハイドンという意味では、カラヤンの覇気を感じさせる貴重な録音ということができるでしょう。あらためて聴き直して、評価は[+++++]と以前と同様の評価としました。以前とりあげたウィーンフィルとの1959年の演奏に次いでおすすめといったところでしょうか。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : ロンドン カラヤン おすすめ盤

カラヤン/ウィーフィルの太鼓連打

今日は一般によく知られた演奏を取り上げましょう。

振り返って見ると、本ブログで取り上げるアルバムは比較的マイナーなアルバムが多いことに気づきました。もちろん私が聴きたいアルバムを取り上げているからに他なりませんが、ハイドンの音楽の再評価をもくろむ当ブログの主旨からすると、メジャーなアルバムの情報が少ないのは改めるべきと思うように至りました。ということで、今後はメジャー盤の比率も少し増やしていこうと思ってます。

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早速今日はDECCAレーベルでのカラヤンとウィーフィルの演奏を収めた9枚組のボックスから、交響曲103番「太鼓連打」を。このアルバム自体は現行盤ではないため、現行盤も紹介しておきましょう。

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今回紹介する太鼓連打を収めた現行盤。

カラヤンのハイドンの交響曲はDeutsche Grammophoneにはベルリン・フィルとのザロモンセット、パリセット、そしてEMIにはベルリン・フィルとの交響曲83番「雌鶏」、101番「時計」、104番「ロンドン」などの録音がありますが、以前にも触れたとおり、最晩年をのぞくと、カラヤンの録音は古いもの程よいのではないかとの印象を持っています。この辺は以前に触れた記事にも触れてあります。

ハイドン音盤倉庫:カラヤンのハイドン再考

ということで、このアルバムはカラヤンのハイドンの交響曲のセッション録音の中では古いもの。「太鼓連打」が1963年4月、同じボックスに含まれる「ロンドン」が1959年3月、ウィーンのソフィエン・ザールでのセッション録音です。

今日は「太鼓連打」の方を取り上げます。

印象的な非常に押さえた音量での太鼓連打。非常に遠い遠雷のよう。他の演奏の太鼓を大きくならす入りのすべてを流行遅れと感じさせてしまうほどの粋な入りと感じさせるところは流石カラヤン。荘重なのに柔らかいウィーンフィルの弦楽器による序奏。後年のカラヤンのレガートを効かせた純度の高い弦とは異なり、覇気溢れるという言葉がぴったりの堂々たる主題。進むにつれだんだん力が入り、オケの厚みも増してくるという、カラヤンらしい大局的な全体設計にそった演奏。フレーズレベルのデュナーミクと大きな波の盛り上がりの両方のメリハリを考えていることがよくわかります。久しぶりに聴いて感じたのは、十分良い録音なんですが、音がちょっと古びて感じること。以前聴いたときにはあまり感じなかったので、最近良い録音の演奏を多く聴いていることからそう感じるようになっているんでしょう。1楽章の最後は再び抑えた遠雷に荘重な序奏の繰り返し。
2楽章は、1楽章の伸びやかさと展開の面白さから一転、非常に抑制された入り。対比を鮮明に演出しているように聴こえます。半ばを過ぎてからの展開部に入り、オケ全開の大波が襲います。カラヤンらしくコントロールが行き届いたクライマックス。何事もなかったように波が静まり、ふたたび押し寄せと繰り返します。最後の和音を少し延ばして変化をつけます。
3楽章メヌエットは堂々としたもの。後年のカラヤンに特徴的なレガートの芽生えを感じる演奏。テープの関係か途中で微妙にチューニングがズレているように聴こえてしまいます。
フィナーレは期待通りの盛り上がり。途中の短いフルートのメロディーが異様に美しいのにビックリ。濃いめのレガートのアクセントも意表をつくもの。最後は低音弦から畳み掛けスイッチオン! オケ全体に全開前の気合いが漲ります。最後にカラヤンがまくる低音弦の大波がおしよせ、興奮の坩堝に!

久しぶりに聴くカラヤンの太鼓連打旧盤はカラヤン全盛期の覇気とダンディズムが香る素晴しい演奏でした。もちろん評価は[+++++]といたします。

ロンドンに入るには夜も更けましたゆえ、またの機会に(笑)

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : 太鼓連打 ヒストリカル カラヤン ウィーンフィル ハイドン入門者向け

2001年宇宙の旅

ラトルのハイドンの記事を書いたので一段落。
今日は、府中のTOHO CINEMASというシネコンに朝からでかけ、キューブリックの不朽の名作「2001年宇宙の旅」を観ました。DVDのキューブリック全集もあり、何度も見た映画なんですが、嫁さんが上映スケジュールから見つけて久しぶりに映画館に。

Wikipedia:2001年宇宙の旅

午前十時の映画祭

午前十時の映画祭と称して、昔の名作映画を1000円で楽しめるという粋な企画です。2001年といえば圧倒的な映像美にくわえて想いもかけない音楽の使い方がキューブリックの天才ぶりを思い知らせる映画。カラヤンの「美しく青きドナウ」、ベームの「ツァラトウストラ」に加えて、リゲティやハチャトウリアンなどを堪能できます。

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これは昔、六本木WAVEで手に入れたサウンドトラック(輸入盤)。いま流通しているものとはジャケットの出来がちがいます。

わざわざ映画館に出かけたのは、この素晴らしいサウンドトラックを迫力の大画面とともに大迫力で楽しみたかったからに他なりません。

冒頭何も写る前の暗黒のスクリーンにリゲティのレクイエムが延々と流れるところが尋常ならざる迫力。宇宙空間に宇宙船が踊る映像でのドナウ、そして、孤独感を際立たせるハチャトウリアンなど素晴らしい効果。
映画自体の素晴らしさは言わずもがな。最後はまた字幕も流れ終わった暗黒のスクリーンに流れる、カラヤンのドナウをたっぷり楽しんで終演。会場からは自然に拍手が。

日曜の昼間の最高の過ごし方ですね。

今日はそれからひと泳ぎして、ラトルのレビューと相成った訳です。夜は先日の山形旅行の土産の板蕎麦と秋刀魚の塩焼きで一献。

明日からまた仕事ですな。まだ暑いので残暑ばてしないよう、みなさん頑張りましょう(笑)

テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : 映画 府中 カラヤン

カラヤンの天地創造比較3

ちょっとスポーツクラブで泳いで、気分一新、カラヤンの天地創造の本命、スタジオ録音盤です。
今日3回目の更新!(こんなこと初めてです!)

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こちらは、66年から69年にかけて録音されたスタジオ録音盤。

こちらは、超豪華ソリスト陣。ドイツ・グラモフォンの威信をかけたプロダクツといってもいいような絢爛豪華な布陣です。

ヤノヴィッツにヴンダーリッヒ、フィッシャー・ディースカウ、ワルター・ベリー、そして34曲のソロになんとクリスタ・ルートヴィッヒ! ヴンダーリッヒが録音の完了を待たずに急逝したため、ウェルナー・クレンがあとを継いで歌っています。

冒頭のオケから、ライヴとは次元の違う緻密な演奏。冒頭の一音から大地をたたき割るような迫力の音塊。スタジオ録音にありがちな整った音調とは一線を画す、気合いのこもったオーケストラの響き。ベルリンフィルの弦が切れまくってます。なんと言うすばらしい弦の厚み! 神様降りてきてます!
第1部のクライマックスである3日目(トラック12)に入る所から第1部の集結まで、極太の筆で一気に書き上げるような奇跡的な展開。霧の中から徐々に光が射してくるような序奏からヴンダーリッヒのビロードのような声で「いまや輝きに満ちて、陽は光を放ちながら昇る」とはいり(トラック13)、そしてクライマックスの「もろもろの天は神の栄光をあらわし」へ。完全にノックアウトです。

直前のライヴで打たれた、ヤノヴィッツもとろけそうになるほど絶品の出来。ヴンダーリッヒの気高さが際立ち、フィッシャーディースカウのアダムも完璧な抑制で終盤を引き締めます。

録音もオーケストラの一部が歌手であるようなオーケストラ主体の録音。この盤ではソリストのすばらしい輝きも、カラヤンの支配するベルリンフィルの圧倒的な音響、というより魂の響きにかすみがちです。これがカラヤンが目指したオーケストラ録音というプロダクツの金字塔ともいうべきものでしょう。

カラヤンが最も輝いていたすばらしい演奏の記録として、揺るぎない価値を持っていると思います。

この盤は、天地創造のベストチョイスというという位置づけのみならず、LP時代の録音芸術の最上の遺産、そして晩年は良い評価ばかりではなかったカラヤン、そしてベルリンフィルの真価をつたえる至宝として、広くお勧めできるすばらしいアルバムだと思ってます。
もちろん、この盤で演奏されたハイドンの最高傑作である天地創造の真価を伝えるアルバムであることは間違いありません。

レビューを書くにもエネルギーが要りますね(笑)
今日はカラヤンの天地創造を4種も聴いたのでくたくたです。

近所に一杯のみに行くこととしたいと思います。ひば。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : カラヤン おすすめ盤 天地創造 ベルリンフィル ハイドン入門者向け

カラヤンの天地創造比較2

つづけて、さきほど取り上げたグラモフォン正規盤の5年前の1977年の、同じくザルツブルク音楽祭のライヴ盤。(CD-R)

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ザルツブルク音楽祭1977年8月15日のコンサート記録

ソリストは、マティス、シュライアー、ファン・ダムにウィーン国立歌劇場合唱団、ウィーンフィルという顔合わせ。

基本的にはアライザとシュライアーの違いだけです。
録音は観客席のざわめき、咳などが入っていたり、ピークがちょっと歪んでたり、ノイズがわずかに入るなどの傷はあるものの、音楽を楽しむにはこちらの方がリアリティがあっていいです。ソリストの声も明瞭です。ライヴ盤は客席のノイズなどを除去しないほうがいいですね。

これは、カラヤンも見事。ソリストをしっかり支えながら、オケのダイナミックさで聴かせるところもポイントをおさえてます。第一部のフィナーレの頂点への持っていき方もすばらしい統率で盛り上がります。低音弦を中心に弦の厚みを感じさせるところともカラヤン風です。同じザルツブルク音楽祭ライヴの5年間の隔たりは大きなものと言わざるを得ません。
ソリストは、シュライアーの規律を感じさせる透明感のあるテナー、ファンダムの深みのあるバリトン。マティスが若干控えめながら、安定感のある歌唱。
ライヴの魅力も存分に感じさせるいい録音だと思います。


そして、さらにさかのぼること12年。同じくザルツブルク音楽祭、1965年のライヴ盤。

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ザルツブルク音楽祭1965年8月29日のコンサート記録

これはグラモフォンの正規盤。ヴンダーリッヒ急逝直前のライヴです。

これはカラヤン全盛期のライヴ。カラヤンがオーケストラを緻密に指示しようとしていながら、ライヴだけにオケが最初から少々混乱している感じもあります。特にオケを押さえる部分をかなり押さえて、コントラストをきっちり表現したいというところに力点がおかれているように聴こえます。進むにつれてオケの調子も上がり、統率を取り戻していきます。第一部のフィナーレの盛り上がりは振り切れてすばらしいフィニッシュ。カラヤンの演奏にも帝王の風格を感じます。

この盤はジャケットに写真が載っていることからわかる通り、ヴンダーリッヒを聴くべき盤なんだと思いますが、ところがどっこい、ヴンダーリッヒ以上にプライとヤノヴィッツも激演です。特にヤノヴィッツにはノックアウトです。声質が好きなこともありますが、なんと可憐な歌声。ホールにピンと緊張感が張りつめるなか、ヤノヴィッツのソロが響き渡り、美しさに昇天です。
トラック5のガブリエルのソロが入った瞬間の清々しさ。トラック9のガブリエルのアリア、このような美しい音楽をここまで美しい声で歌われたら、、、この世のものとは思えないひと時です。

録音は65年ゆえ、流石に古さを感じさせ、オーケストラの音に厚みがたりず、その後の録音とくらべると若干聴きおとりするのは否めませんが、この盤はこの盤で、カラヤンの溢れんばかりの覇気と歌を来くべきすばらしい価値があると思います。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : カラヤン ライヴ録音 天地創造 ウィーンフィル CD-R ザルツブルク音楽祭

カラヤンの天地創造比較1

先日HMV ONLINEに注文しておいたカラヤンの天地創造の新盤の方が到着したので、早速レビュー。

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1982年のザルツブルク音楽祭のライヴからとの表記。
いつものようにザルツブルク音楽祭のサイトで調べてみました。

ザルツブルク音楽祭1982年8月18日のコンサート記録

契約の関係からか、カラヤンの名前やソリストの名前も表記がありませんが、ウィーンフィルとチェンバロ奏者の名前が一致していたり、その他のコンサート記録からみて、このコンサートで間違いないでしょう。

ソリストは、マティス、アライザ、ファン・ダムにウィーンフィルの演奏。

Wikipedia:カラヤン

カラヤン76歳の時の録音で、亡くなったのが89年ですので晩年の演奏の記録ということに。

これまで少しずつ触れてきましたが、手元にはカラヤンの天地創造が4種あります。録音年代順に並べると次のようになります。

Karajan, Gabriel/Eva:Janowitz(sop), Uriel:Wunderlich(ten), Adam:Prey(bas), Raphael:Borg(bas), Schmid(cho master), Singverein der Gesellschaft der Musikfreunde Wien, Wiener Philharmoniker (29 August 1965/Live) Deutsche Grammophon 474 955-2 [++++]

Karajan, Gabliel/Eva:Janowitz(sop), Uriel:Wunderlich(ten), Uriel:Krenn(ten), Adam:Fisher-Dieskau(bar), Raphael:Berry(bas), Ludwig(alt), Schmid(cho master), Froschauer(cho master), Wiener Singverein, Berliner Philharmoniker (February 1966, September & November 1968, April 1969) Deutsche Grammophon 449 761-2 [+++++]

Karajan, Gabriel/Eva:Mathis(sop), Uriel:Schreier(ten), Raphael/Adam:van Dam(bas), Wienna State Opera Chorus, Wienna Philharmonic (15 August 1977/Live) sardana records [+++++]

Karajan, Gabriel/Eva:Mathis(sop), Uriel:Araiza(ten), Raphael/Adam:van Dam(bas), Wiener Singverein, Wiener Philharmoniker (18 August 1982/Live) Deutsche Grammophone 410 718-2 [+++]

今回手に入れたのが最後4番目のものです。

ライヴだけに当時のカラヤンの状態がよくわかる演奏で、オケのダイナミックレンジは非常に大きく取っているものの、フレージングに全般に平板さがみられ、歌手とのタイミングのとりかたにも少々のぎこちなさが見えてしまいます。晩年のカラヤン風と言えばわかりますでしょうか。壮年期の覇気溢れる魅力は残念ながらのこっていません。
また、最晩年のブルックナー7番やモーツァルトの39番のような澄み切った透徹さをかいま見せるというような状態にまでは至っていません。
録音の特徴か、歌手よりオケの迫力を優先した音作りのため、歌を聴くというような演奏でもなく、良くも悪くもカラヤンの天地創造を聴くというような録音といえるでしょう。

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カラヤンのハイドン再考

カラヤンのハイドンは昔から入門盤として日本では巷の評価は高いもの。

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私自身はカラヤンは嫌いな方ではありませんが、ハイドンに限らず、一般的に1950年代、60年代のものはいいと思うものがある一方、70年代以降のアルバムについて積極的に押す気になるものはあまり多くありません。カラヤンの魅力は壮年期の覇気にあふれる演奏というのが音楽好きの見方なんじゃないでしょうか。

ハイドンの交響曲については80年代にベルリンフィルを振ったザロモンセットやパリセット(独グラモフォン)や、その少し前のEMIの交響曲集、そしてウィーンフィルとのロンドンなど数曲が知られています。

今回整理の都合で、あらためてちょこちょこ聴き直してみました。
上に紹介したアルバムは、ハイドンをいろんな演奏で聞き込んできた立場でいうと、非常に個性的な、特殊な演奏というのが正直なところ。重厚長大な曲想、うなる低音弦、意外と強弱の幅は大きくなくレガートを多用した、まさに磨き抜かれたカラヤン風という趣。
演奏の根底にあるのはハイドンの曲想をどう表現しようかということではなく、ハイドンの楽譜をどうカラヤン風の音響で表現しようかということでしょう。

最近、ホグウッドやアダム・フィッシャーのロンドンの実演を聴いて、ハイドンの曲に対する私の見方も少し変わりました。
ハイドンの曲には、仕えてきたエステルハージ家の人々に音楽の喜びをどう伝えようとか、評価してくれるロンドンの聴衆へ最高の作品を届けるために、持てるアイデアをふんだんに練り込んだり、創意の限りを尽くすといったメッセージが込められています。
それゆえ、演奏ではそのメッセージがどれだけ感じられるかがポイントとなるわけです。

先のカラヤンの演奏からは残念ながらハイドンのそういった魅力が感じられないというのが正直なところでしょう。最近はカラヤンよりも、フィッシャーとハイドンフィルのような素朴な演奏の方がハイドンのこうした魅力がより伝わってくるように感じます。

ということで、ハイドンの交響曲の入門というセレクトをするなら、カラヤン盤はおすすめしません。
カラヤン盤は、ハイドンをよく聞き込んだマニアに、「こんな演奏もあるのだ」とうなっていただくべきアルバムであります。


と、これではカラヤンにスポットライトを当てたことにならないので、カラヤンのハイドンのおすすめ盤を紹介しておきます。
こちらは、入門者にもマニアにも広くすすめられる名盤です。天地創造の旧盤。カラヤンのハイドンの中ではお気に入りの一枚です。

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tag : カラヤン ザロモンセット パリセット 天地創造 おすすめ盤 ベルリンフィル

私はなぜハイドンにはまったのか?-3

新鮮でした。モーツァルトにちょっとあきた耳に疾風怒濤期のハイドンの交響曲集は。
天真爛漫の限りを尽くしたモーツァルトの初期の交響曲に対して、何かほの暗い響きの中に明確な構成を感じさせる簡潔なのに複雑でもあるメロディ。ラメンタチオーネ、受難、悲しみ、告別、そして火事、マーキュリー、マリアテレジア。

いきなり、すっかりはまりました(笑)

ピノックの交響曲集がでる度に手に入れ、そして、大山脈のようなドラティの全集へ。
当時DECCAの輸入盤がCD4枚組がだいたい6400円くらいで店頭に並んでおり、1巻づつわくわくしながら買い集めました。ピノックの颯爽たる演奏とはうって変わって、古老の楷書の達筆のようなドラティの全集は、全く異なる魅力を放ってました。
そして、ウィーンコンツェルトハウスの四重奏曲集やリヒテルのピアノソナタ、カラヤンの天地創造などハイドンの様々な魅力を知るにつれ、ようやくジュピターレコードの奥さんが言われていたハイドンの魅力がわかった気がしました。

もとより、気に入るとのめり込む性格ゆえ、以降ハイドンの膨大な作品の膨大な演奏を少しずつ集め続けています。
モーツァルトでは一度明らかに飽きたんですが、ハイドンは不思議と飽きることなく、聴き続けてます。

おそらくモーツァルトに比べて作品の幅が広く、時代やジャンルにより曲調も変化があるのが一因じゃないかと思ってますが、一番大きいのは、素朴かつ暖かみ、人間味あふれ、几帳面かつ努力家であったであろうハイドンの本質的な魅力が、私にとってはモーツァルト以上に価値があると思えるからなんじゃないかと思ってます。

私がハイドンにはまるきっかけをいただいたジュピターレコードのご主人と奥さんはどうされているのやら。もう30年もまえのことでもあり、当時確か定年近い年齢でお店を開かれたようなお話だったゆえ、お元気だったとしてもかなりのお年だと思います。
どうか、お元気でいらっしゃいますように。

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私はなぜハイドンにはまったのか?

禅問答のような、来訪者の素朴な疑問のようなこの質問にこのBlogの著者として答えておくべきなんでしょう。質問への正直な答えを、時代をさかのぼりながらたどってみましょう。

親の影響もあり、クラシック自体への興味は小学生の頃からありました。家には普通の家庭にしては十分立派なオーディオセットと多数のLPがあり、見よう見まねでレコードを聴いたりしていました。

自分自身で一番最初に買ったLPはカラヤンのブルックナー4番の国内盤LPでした。
高校受験の帰りの開放感から、当時の小遣いからすると大枚はたいた感満点の買い物です。針を落とした瞬間の驚きは今でも忘れません。スピーカーの遥か奥からベルリンフィルの透明な弦のさざ波とホルンの旋律がきこえた瞬間、FMでエアチェックしたコンビチュニーの同曲との解釈の違いに腰を抜かしたものでした。
すぐに感化され、当時メジャーだった、カラヤンとかベームとかメータやらのLPを少しずつ買い集めて楽しんでいました。

そんなこんなで少しづつベートーベンやら、マーラーやらいろいろLPを買い集めるなか、大学受験で浪人し、代々木の予備校に1年間通うことになりました。
代々木に毎日通ううち、当時代々木駅のすぐ近くビルの2階にあった、クラシック輸入盤の専門店「ジュピターレコード」を知り、予備校帰りによく寄道するようになりました。それほど広くない店内でしたが、今まで見たこともない輸入盤の数々に目のくらむ想いでした。ほどなく店内のビクターSX-3から流れるモーツァルトの調べに魅せられるようになり、モーツァルトに感心を持つようになりました。
小さなレコード店の良さで、ジュピターレコードのご主人がお客さんに「これはいい」とか、「これも聴いてみてください」というように気さくに話してくれるので、このお店でいろいろ教えてもらいました。ショルティの魔笛のドイテコムの夜の女王のアリアや、オワゾリールからリリースされ始めたのホグウッドの初期交響曲集の新鮮な響きなど、すばらしい演奏を教えていただきました。店内ではハイドンの曲も時折流れており、奥さんがハイドンはとてもいいと言われていたのが、何かとても気になっていました。(つづく)

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プロフィール

Daisy


Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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所有盤をジャンル別にリスト化しています。基本的に録音年順とし、録音年不明のものは末尾に記載。演奏者名はジャケットなどの表記に合わせています。

2016年9月のデータ(2016年9月30日)
登録曲数:1,361曲(前月比+3曲) 登録演奏数:9,608(前月比+87演奏)
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