カンブルラン/読響:メシアン「彼方の閃光」(サントリーホール)

1月31日は楽しみにしていたコンサートに出かけました。

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読売日本交響楽団:第566回定期演奏会

シルヴァン・カンブルランの振る読響の演奏で、プログラムはメシアンの晩年の大作「彼方の閃光」。当ブログの読者の方ならご存知の通り、カンブルランが特別ご贔屓というわけではありませんが、カンブルランのコンサートには今まで結構な数通ってます。

2015/04/11 : コンサートレポート : カンブルラン/読響のリーム、ブルックナー(サントリーホール)
2014/04/18 : コンサートレポート : カンブルラン/読響のマーラー4番(サントリーホール)
2012/12/21 : コンサートレポート : カンブルラン/読響の第九(サントリーホール)
2012/04/16 : コンサートレポート : カンブルラン/読響の牧神の午後、ペトルーシュカ
2010/11/22 : コンサートレポート : カンブルラン/読売日響の朝、昼、晩
2010/07/14 : コンサートレポート : カンブルランのデュティユー
2010/05/01 : コンサートレポート : カンブルランのハルサイ爆演

カンブルランはこれまでにハイドンも振っていますが、カンブルランのコンサートのお目当はやはり現代物。最初に聴いた春の祭典も良かったんですが、そのあとのデュティユー、ペトルーシュカ、シェーンベルク、リームなどどれも素晴らしい出来でした。ということで、カンブルランがメシアンを振るとのことで楽しみにしていたコンサートです。

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今週は仕事がお休み。年に2度の長期休暇をとならくてはいけないんですが、年度末を前に1月末に2度目のお休みを消化です。せっかくのお休みなのにちょっと風邪気味ということで、この日は車でサントリーホールに出かけました。だいぶ早めについたので、ホールの向かいのオー・バカナルでサンドウィッチで腹ごしらえ。

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のんびり開場時間を待っているうちに、ホールの前に人が集まり始めたのでお店を出ます。いつも通り入り口上のからくり付きのパイプオルゴールが鳴って会場時刻を知らせると、ホールの前の人がホールに吸い込まれていきます。この日はメシアン1曲というハードなプログラムでしたが、かなりの人出。現代音楽でもこれだけの人を集められるあたり、カンブルランの功績でしょうね。

チケットを取るのが遅かったので好きなRA席は取れず、少し高いRB席。RA席がオケの真横からなのに対し、少し客席よりからのため、眺めはいいですね。

メシアンの「彼方の閃光(Éclairs sur L'au-delà)」は1992年のニューヨーク・フィルの創立150周年を記念してズービン・メータとニューヨーク・フィルの委嘱により作曲されたもの。1987年から91年にかけて作曲され、初演は1992年10月5日、メータ指揮のニューヨーク・フィルによってされましたが、メシアンは初演を聴くことなくその年の4月に亡くなりました。曲のテーマは神の地、彼岸とエルサレムへの瞑想とのこと。

手元には、リリース時に話題となったラトルの振るベルリンフィル盤と、DGのメシアンの32枚組全集のチョン・ミョンフンの振るバスティーユオペラ座管の2組がありますが、どちらも聴いたのはだいぶ前。メシアンの独特の音楽は現代音楽の中でも我々日本人には理解しにくい音楽ではないでしょうか。武満やブーレーズ、デュティユーなどはなんとなく作曲の動機というかやりたいことがなんとなく想像できるのですが、メシアンの音楽の展開はこちらの想像をかなり超えたところにあり、それが面白さでもあるように感じます。全11楽章で、随所にメシアンが採譜した鳥の鳴き声が散りばめられ、晩年の作品らしく内省的、静的な深みに溢れた曲です。

難曲だからか、会場直後でもステージ上には多数の奏者が練習中。始まる前からホールに鳥の声が満ち溢れていました。

開演時刻となり、オケがステージ上に勢ぞろい。もちろん大編成ですが、特徴的だったのがグランカッサはあるのにティンパニはなし。パーカッションはかなりの数に上り、ウィンドマシーンもありました。また木琴のような楽器が3台登場しますが、これはシロフォン、シロリンバ、マリンバとのこと。音色的にもこのシロフォン、シロリンバ、マリンバがオケに加わることで独特の響きを産むことがわかりました。

カンブルランがステージ上に現れ、第1楽章のトロンボーンなどを主体としたコラールをゆったりとしたテンポで紡いでいきます。刷り込みはラトル盤ですが、ラトルが現代音楽らしい冷静な透明感でコントロールしていたのとは異なり、カンブルランはやはり色彩感を大事にしているのか、透明感よりはハーモニー重視でしっかりと管を鳴らして入ります。11楽章の構成は下記の通り。

1.栄光あるキリストの出現 (Apparition du Christ glorieux)
2.射手座 (La Constellation du Sagittaire)
3.コトドリと神と婚姻した都 (L'Oiseau-lyre et la Ville-fiancée)
4.刻印された選ばれし人々 (Les Élus marqués du sceau)
5.愛の中に棲む (Demeurer dans l'Amour)
6.トランペットを持った7人の天使 - Les Sept Anges aux sept trompettes)
7.神は人々の目から涙をあまさず拭いたもう (Et Dieu essuiera toute larme de leurs yeux)
8.星たちと栄光 (Les Étoiles et la Gloire
9.生命の樹に棲む多くの鳥たち (Plusieurs Oiseaux des arbres de Vie)
10.見えざる道 (Le Chemin de l'Invisible)
11.キリスト、天国の栄光 (Le Christ, lumière du Paradis)

やはり眼前で大オーケストラが緻密な音楽を奏でていくのは迫力があります。この日の読響は精度抜群。ミスらしいミスはなく、カンブルランの棒に完全に集中できていました。ラトルが作品からちょっと距離を置いて冷静なコントロールに終始していたのとは異なり、カンブルランは積極的に音色をコントロールして丁寧に曲のメロディーを拾い上げ、フレーズの意味をかみしめるようにコントロールしていきます。大振りなアクションはいつも通りですが、メシアンのこの曲でも表情付けは緻密。同じフランス人だからでしょうか、音楽に共感したような踏み込んだところも多々あり、濃いめの演奏。素晴らしかったのが、フルートと木琴3台を中心とした鳥の鳴き声。鳥の鳴き声はあの世ではこう聴こえるのかと一瞬あちら側に行ったような気になります。楽章ごとに大きく表情を変え、特に5楽章の弦楽合奏の透明感、7楽章の木琴による鳥の描写の精妙さ、そして最終11楽章のトライアングルの微かなトレモロに乗った弦楽器による天上に昇りつめるような上昇感が印象に残りました。

約75分の大曲の最後にカンブルランのタクトが下され、ホールが静寂に包まれてしばし。そっと顔をあげると、暖かい拍手が降り注ぎ、カンブルランも読響の熱演を称えます。いやいや、この日の読響は上手かった。完璧な出来と言っていいでしょう。客席も満員とはいきませんが、9割方埋まり、しかもカンブルランのメシアンの熱演を皆称えるという、上質な観客でした。日頃はメジャー曲ばかりが取り上げられがちですが、このようなコンサートが埋まること自体、日本のコンサート文化も捨てたもんではありませんね。個人的には非常に感銘を受けたコンサートとなりました。



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終演後は皆笑顔で帰途につきます。私たち夫婦は、もちろん、いつも通り食事をして帰ります。最近お気に入りのホールの入り口向かいにあるスペインバル。

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食べログ:スペイン バレンシアナバル ブリーチョ

この日はちょっと風邪気味だったことから車で来ましたので、いつものようにワインガブリとはいきません。私はザクロジュース(涙)、嫁さんはサングリアを注文。

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いつも通り、入るとすぐに注文して、テキパキと運ばれて来ます。コンサート後なのでさらりといきたいところに、ピタリ。こちらはズッキーニのグラタン。

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最近いつも頼むムール貝のワイン蒸し。岩手産のムール貝がたっぷり。身も大きく食べ応えがあります。スープをパンに浸して食べるとなお旨し。

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そしてこちらはレンズ豆とチョリソの煮込み。こちらもお気に入りでいつも頼みます。チョリソの独特の風味が癖になる味なんですね。小一時間でお腹も満ちて、いい気分。本来ならワインをクイッといきたいところですが、車なのでそうもいきませんね。



さて、カンブルランは、今度はメシアンの「アッシジの聖フランチェスコ」を取り上げるそう。調べてみると4時間超のオペラとのことで、これはどうしようかと、、、(笑)

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コルネリウス・マイスター/読響の「朝」「悲劇的」(サントリーホール)

一昨日7月14日は、チケットを取ってあったコンサートに行ってきました。

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読売日本交響楽団:第560回定期演奏会

指揮者のコルネリウス・マイスターは今まで知らなかった人ですが、今回はプログラムにハイドンの交響曲6番「朝」が含まれていたということでチケットを取ったもの。もちろん「朝」は前座で、メインディッシュはマーラーの交響曲6番「悲劇的」。ハイドンにマーラーを組み合わせるというプログラムの妙に加え、ハイドンもマーラーもいくらでも交響曲がある中、6番と6番をもってくる語呂合わせとも思える企画ながら、ハイドンの交響曲の中でも一際爽やかな「朝」と、マーラーの中でもこれまた重苦しい「悲劇的」を組み合わせてくるあたり、一夜のコンサートで音楽の表現出来るコントラストを極めようという粋な企画と見抜きました。チラシの情報ではコルネリウス・マイスターはヨーロッパで最近頭角を現している若手ということでチケットを取った次第。

コルネリウス・マイスターの略歴をあたっておくと、1980年、ドイツのハノーヴァー生まれの指揮者ということでまだ36歳。父はピアニストでハノーヴァー音楽大学の教授、母もピアニストという音楽一家の出身です。ハノーヴァー音楽演劇大学でピアノと指揮を学び、師事した中には大植英次さんも含まれます。またザルツブルクのモーツァルテウムではデニス・ラッセル・デイヴィスに師事しています。2001年からのエアフルト(Erfurt)歌劇場のアシスタント、ハノーヴァー州立歌劇場の首席指揮者を経て2005年にはハイデルベルク州立劇場の音楽監督、2010年からはウィーン放送交響楽団の首席指揮者兼音楽監督に就任するなど飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍しています。コンサートのチラシによると読響を振るのは今回が2度目とのことです。



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このところ仕事がバタバタで連日遅い帰りでしたが、強引にひと段落させて仕事を切り上げ(笑)、サントリーホールに向かいます。東京はなんとなくはっきりしない天気でしたが、幸い雨に当たらずにホールに到着。向かいのオーバカナルで嫁さんと待ち合わせをしていましたので、ビールとサンドウィッチでお腹を落ち着かせて開場を待ちます。

席はいつものステージ右横のRA席。見下ろすとステージ上にはマーラーのために楽器と椅子が所狭しと並べられていますが、そこにハイドンの演奏用にチェンバロが並んでいるのが微笑ましいところ。ステージ上で楽器の調整をする音をBGMに、いつものようにもらったチラシから興味のあるものだけ抜き出したりしてのんびり過ごします。開演時刻になると、客席の明かりがスッとおちて団員がステージ上に登壇。配置された大オーケストラ用の椅子の前の方に弦楽器奏者を中心に少人数のオケが着席してチューニング。この日のコンサートマスターは小森谷さん。ほどなく指揮者のコルネリウス・マイスターが颯爽と登場します。ポスターのイメージとは少々異なり、ミッチー(及川光博)風の明るくコミカルなキャラ。服装もハイドンを意識してか、なんか侯爵風です(笑)。

さっと指揮棒を振り上げ、期待の「朝」が始まります。コルネリウス・マイスターの振る「朝」、絶品でした。もちろんゆったりとした序奏から入りますが、すぐにハイドンらしい快活なメロディーが乱舞。大きめのアクションで各楽器に次々と指示を出して響きを完璧にコントロール。すべてのパートに躍動感を感じさせる大胆なデフォルメを仕込み、インテンポで畳みかけるように疾走するハイドン。特に速い音階のキレに徹底的にこだわり、朝にふさわしい爽快感に満ちた響きを創り出していきます。読響もマイスターの指示に完璧に応じて見事な演奏。特にフルートの音階のキレ、艶やかなファゴットの響き、ホルンのリズムの正確さ、小気味良い小森谷さんのヴァイオリンソロともに絶品でした。音楽は完全にコルネリウス・マイスターのもので、かなり大胆なコントラストをつけての演奏ながら、自然なハイドンの音楽の美しさを乱さぬもので、これほど快活かつ爽快な朝はこれまで聴いたことが無いほど。コンサート会場に駆けつけた観客のほとんどはマーラー目当でしょうが、ハイドン目当ての私には、この「朝」でコルネリウス・マイスターの非凡さを見抜きました。この音楽の構成力とオケの掌握力は只者ではありませんね。もちろん前座のハイドンで会場にただならぬ興奮をもたらしたコルネリウス・マイスターに拍手の嵐が降り注ぎました。いやいや本当に素晴らしかった。

15分の休憩を挟んで、今度はマーラー。しかも最も暗澹たる6番です。

私も若い頃は(笑)マーラーは好きでしたが、最近家でマーラーを聴くことは滅多にありません。マーラーやブルックナーはコンサートで爆音を浴びる快感に浸るための音楽という感じ。特にこの6番は1979年のカラヤン、ベルリンフィルのコンサートを聴きにいったのが懐かしく思い出されます。方南町の巨大な普門館でのコンサートでしたが、ベルリンフィルをもってしても、このホールの巨大な空間は広すぎる感じで、予習のために買ったLPで刷り込んだ機械仕掛けのような精密な演奏を頭のなかで響かせながら生のコンサートを聴くような不思議な体験でした。当時はアンダンテ・モデラートが3楽章に配置され、カラヤンの繰り出すビロードのような弦の響きが印象に残っています。以降、6番はよく知る曲ですが、あんまり集中して聴いた覚えの無い曲です。

前半のハイドンで圧倒的な存在感をみせたコルネリウス・マイスターですが、後半のマーラーも制御力は圧巻でした。冒頭から大きめのアクションでオケを制御するのはハイドンと同様でしたが、楽器の数と楽譜の複雑さは桁違い。音楽の方向性は全く異なりますが、制御能力はマゼールを思わせる緻密なもの。1楽章はやはりフレーズごとにところどころに大胆なデォルメを効かせて、精緻さと、ほのかなグロテスクさと、深い彫りを感じさせる演奏。基本的にきっちりとした制御が行き届いているので、バーンスタインのようなおどろおどろしい感じはせず、ディティールはダイナミッックですが全体的にスタティックな感じを受ける演奏。この辺はマーラー好きな方から好き嫌いが分かれるところかもしれませんね。ただ、このマーラーでも読響の演奏精度は素晴らしかった。ミスらしいミスは全くなく、完全にコルネリウス・マイスターの棒に応えていました。前半のハイドンで脳内に満ちていた幸福物質が、マーラーの分裂的音楽の大音響によってかき消され、両曲が作曲された間の140年間に音楽というものがたどった変化の大きさを改めて感じた次第。マーラーが音符と楽器と規模を変えて繰り出す音楽は、我々の脳の「音を楽しむ」中枢ではないところに大きく働きかけ、全く異なる衝撃をもたらします。ステージ奥でカウベルが鳴り、ハープやチェレスタがメロディーではなく響きを置いていくように配されることもハイドンの時代とは全く異なるもの。コルネリウス・マイスターの指揮は、マーラーの音楽の深層心理的側面ではなく、複雑に折り重なる響きのコントロールの快感に訴えるものと言っていいでしょう。それを象徴するのが時折はっとさせる大胆なデフォルメ。特にヴィオラには印象的なボウイングを度々指示して、マーラーの音楽の複雑な響きに特徴的な個性を与えるのに貢献していました。

そして、この日の音楽の深さを印象づけたのが楽章間の長い間。1楽章最後の音の余韻が消えさると、客席の緊張も解け、咳ばらいが聞こえますが、その咳払いが静まってもコルネリウス・マイスターはしばらく微動だにしません。観客の視点がマイスターの動きに集中して完全な無音が訪れ、しばらくその無音に吸い込まれるような時間を皆が共有したところで、すっとタクトが上がり、マーラーの天上の音楽に入ります。ヴァイオリンの奏でる微音が静寂にすっと浮かび上がる絶妙な入り。ホールの観客ごと制御するマイスターの手腕に驚きます。

ハッとさせられるような美しいヴァイオリンの響きで始まるアンダンテ・モデラートですが、音楽が進むにつれてマイスターによる響きの制御が行きわたり、音楽の一音一音のディティールにフォーカスを合わせた展開。カラヤンの流麗さとは対極にある演奏です。ちょっと思い出したのが、以前聴いたデニス・ラッセル・デイヴィスの振る読響での惑星。

2015/07/27 : コンサートレポート : デニス・ラッセル・デイヴィス/読響の惑星(みなとみらいホール)

このディティールへの執着は、師事していたデニス・ラッセル・デイヴィスと同じようなものを感じます。デニス・ラッセル・デイヴィスの方がより灰汁の強い感じがしますが、パートごとに巧みに表情を変えていくあたりはディヴィスの手法を受け継いているのでしょう。このアンダンテ・モデラートでは、マーラーの音楽の持つ天上的美しさと分裂的展開の拮抗に対して、マイスターの制御過剰的側面が分裂よりに音楽をシフトしてしまった印象もありました。続くスケルツォへの間も同じく長くとり、最初の1音へ集中。このスケルツォと終楽章は逆にマイスターの制御によってマーラーの複雑な音楽を解き解しながら進める快感を味わえました。カラヤンは曲全体の構造を見据えた大局を踏まえた展開を得意としていますので、大波のような盛り上がりに力点を置いていましたが、マイスターはディテールの彫りの深さに集中しているよう。それだけにオーケストラコントロールは圧倒的な迫力を帯び、大編成の金管楽器群、ハープやチェレスタなどの特殊な音色をもたらす楽器、カウベル、ドラ、ハンマー、2台のティンパニなどの打楽器群が大活躍。読響も完璧な仕事で応えていました。生のコンサートゆえ、終楽章で打楽器奏者がハンマーを振り上げステージを揺るがすような一撃を加えるところは圧巻。バックスイングがステージ裏のお客さんの目の前だったのも迫力十分。フレーズの離合集散を繰り返しながらフィナーレに至る長大な終楽章を見事に制御しきって、最後の一音がサントリーホールの静寂の中に消え、やはり微動だにしないコルネリウス・マイスターがすっと力を抜いた瞬間、拍手が降り注ぎました。この日の観客はマイスターの躾が行き届いていたので、最後の余韻を十分に堪能できました。



コルネリウス・マイスターのオーケストラコントロールは圧巻でしたので、観客も大編成のマーラーを堪能したことでしょう。私はもちろん、前半のハイドンの素晴らしさでコルネリウス・マイスターという人の音楽が心に刻まれました。マーラーについても素晴らしい演奏でしたが、私のハイドンに対する姿勢同様、マーラー好きな人からは意見が分かれる演奏だったかもしれませんね。なにしろマーラー好きの日本人はアバドやバーンスタイン、インバルらの名演奏が刷り込まれ、最近も多くの名演奏が都内のコンサートで聴ける環境にありますので(笑)。

コンサートのパンフレットによると、コルネリウス・マイスターは2018年のシーズンから読響の首席客演指揮者に就任するとのこと。また、カンブルランの後を受けて、同じく2018年のシーズンからシュツットガルト歌劇場の音楽監督になるとのこと。これからが楽しみな人ですね。今後、読響でのコンサートプログラムは注目要です。

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ロト/読響の十字架上のキリストの最後の7つの言葉(サントリーホール)

昨日7月1日は、読響のコンサートにサントリーホールへ行ってきました。

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読売日本交響楽団:第550回定期演奏会

昨年末N響で第九を振って、日本でもちょっとメジャーになったフランソワ=グザヴィエ・ロト。その話題のロトが読響に客演しハイドンの十字架上のキリストの最後の七つの言葉を振るということでチケットをとってあったもの。もちろんハイドン目当てもあってこのコンサートのチケットをとったんですが、実はハイドン以外もブーレーズのノタシオンにベルクのバイオリン協奏曲と魅力的なプログラムということで、正直にいうと本当はブーレーズ目当てでとったもの。

当ブログのコアな読者の皆さんならご存知のことと想いますが、ブーレーズとかデュティユーとかメシアンとか嫌いではありません。数年前のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンで来日したアンサンブル・アンテル・コンテンポランの精緻な演奏に圧倒されて以来、ブーレーズにも目がありません。ハイドンは録音でもそこそこ楽しめますが、ブーレーズの生の演奏の衝撃は録音とは異次元でした。キリスト教徒が実は仏像も大好きみたいな変な流れになってしまいましたが、もちろんロトのハイドンとはいかなるものかという興味もあります。

いつもながらギリギリまで会社で仕事と奮闘しつつ、エイやと仕事をぶん投げサントリーホールに向かいます。こうした流れが定着しているせいか、嫁さんがホール内のドリンクコーナーでサンドウィッチと赤白ワインを注文して待っててくれます。

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開演まであまり間がないのでサンドウィッチをワインでさらりとかきこんで、いざ座席へ。

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座席は最近定番のRA席の1列目。オケを上から俯瞰できるお気に入りの席です。ステージ上には1曲目のブーレーズのノタシオンに合わせて大オーケストラの布陣。特に後方にパーカッション群がずらりと並び壮観です。

ほどなく開演時間となり、オケのメンバーが入場してきます。この日の観客の入りは6割ほどでしょうか、読響にしては珍しく空席が目立ちます。スクロヴァチェフスキのブルックナーなどでは満席となりますので、やはり現代音楽とハイドンでは興行的にはなかなか厳しいのでしょうか。

オケと大勢のパーカッション担当が入場したところで、フランソワ=グザヴィエ・ロト登場。気のいいフランスのおじさんという感じ。派手な色のネクタイにスーツというあんまり指揮者っぽくないいでたちで、ブーレーズの超巨大な指揮者用楽譜の前に立ち、指揮棒無しで振り始めます。

解説によればノタシオンはもともと1945年にピアノのための12のノタシオンが作曲され、それから31年後の1976年、バイロイトで指輪を振ったブーレーズはノタシオンにオーケストレーションを施すことを思い立ち、1978年に1番から4番を完成、その後1984年に改定、また最後に7番が加わり5曲となったもの。作曲者により1、7、4、3、2あるいは1、3、4、7、2の順番で演奏されるよう推奨され、この日は前者での演奏。

ロトは大きな身振りでオケに指示を出しながらブーレーズの精緻すぎる楽譜を巧みに音にしていきますが、冒頭から読響はちょっとリズムが重め。ただしRA席とオケを上から俯瞰するように眺めながら各楽器が巧みに音を紡いでゆく様子を見るのはまことにスペクタクルで、実に興味深い。各楽器が決して同じフレーズを演奏しないのにリズムの骨格だけは共有しながら巨大な音楽を作っていく、ブーレーズ独特の音楽の人間離れした造りは圧巻。音だけで聴くのとは別格の面白さです。やはりアンサンブル・アンテル・コンテンポランの研ぎたてのカミソリのような超精緻な演奏の印象が耳に残っているので、各奏者のわずかな入りのばらつきやキレきらないところが耳についてしまいます。それでも曲が進むにつれて、熱気と殺気のようなものをロトが引き出し、最後の曲を終えるクライマックスでは風圧のような迫力を伴ってオケが炸裂。生演奏ならではの迫力を味わえました。

もちろん少々入りの悪い会場からも万雷の拍手。ブーレーズがわかるコアなお客さんだからでしょうか、読響メンバーの熱演をたたえていました。いやいや、この曲を演奏するのは並のことではありません。ロトも読響には前月、幻想交響曲で初登場とのことですが、続いてブーレーズを持ってくるとはあっぱれです。

ステージ上は次のベルクのヴァイオリン協奏曲に向けて配置をかなり修正します。ヴァイオリン独奏は郷古廉(ごうこ すなお)さん。この曲も生で聴くのは初めて。録音ではクレーメル/コリン・デイヴィス盤、スターン/バーンスタイン盤、ブラッハー/アバド盤などを愛聴しています。録音ではかなり静謐で精緻な印象を持っていたのに対し、意外と大きな音量でグイグイいくのに最初は面食らいました。精緻さという狙いではなくかなり雄弁。ソロの郷古さんも悪くありませんが、オケの雄弁さにちょっとインパクト負けしていなくもない感じ。透き通るような高音の音色で最後は天上に昇華していく様子は流石なところ。もちろん拍手喝采に包まれますが、ロトはさらりとかわして引っ込んでしまいます。

休憩を挟んで、いざハイドンです。

前半のステージいっぱいに配置されたオケとたくさんのパーカッションが休憩時間いっぱいを使って片付けられ、休憩終了間際に、ステージ中央部に小さくまとまった小編成オーケストラに配置が修正されます。よく考えるとプログラムの前半に大編成オケによる難曲2曲、そして休憩後は小編成オケによるハイドンと、普通はあまり組まないプログラム。後半迫力不足に感じるリスク大な構成です。

しかし、その心配は杞憂でした。ロトが組んだこのプログラムの真意に観客もすぐに気付いたでしょう。

序奏が始まるとすぐに、実に濃密なロトの音楽に釘付けになります。大きなアクションでオケを巧みに操りながら、このハイドンの名作を劇的に、かつ洗練されたモダンな表現も織り交ぜながらグイグイ煽っていきます。この曲を完全に掌握して、音楽は迫力のみではないとでも言いたげにオケを実に巧みに操ってイキイキとした音楽を作っていくではありませんか。これには観客もいきなり引き込まれ、みなさんオケのリズムに乗りながらハイドンの書いた名旋律を味わっていました。すべて緩徐楽章の7つのソナタを緊張感を保ちながら、やはり雄弁にデュナーミクの幅を大きくとりながら描いていきます。先日聴いてよかったテルプシコルド四重奏団の演奏などは、抑えた表現の中に音楽が息づいていましたが、こちらは大きな抑揚によって陰影の濃いわかりやすい表情の音楽。くどい感じはなく、上品な深い色を主体としたダイナミックな構図の油彩のような表現。面白かったのはピチカートの印象的な第5ソナタ。ピチカートの音量を抑えると同時にテンポも落とし、その間に鳴るメロディーがくっきりと印象的に浮かびあがるところ。音色に関する鋭敏な感覚を垣間見せる表現でした。終盤の第6、第7ソナタでは大波のうねりのような盛り上がりを見せ、そして最後の地震では、炸裂ではなく古典の均衡の中での感興で聴かせるあたり、流石なセンスでした。この曲でもオケを俯瞰しながらき、金管、木管がどこで音を重ねてくるのか手に取るようにわかり非常に勉強になりました。地震の場面のみ活躍するティンパニも渾身の演奏。今日はいつもの岡田さんではありませんでしたね。

ロト渾身の十字架に会場は割れんばかりの拍手。いやいや素晴らしかった。前半のブーレーズ、ベルクはもっと素晴らしい演奏はあるでしょうが、後半のハイドンは滅多に聴く事ができない素晴らしい感動を味わわせてくれました。かなり個性的な音楽をつくってくる人ですが、フランス人らしい、カンブルランとはまた違ったエスプリを感じさせながらも、古典期としてもふさわしいバランス感覚があり、この人のハイドンは期待できます。放送で見た第九もよかったので、今度は天地創造か四季を聴かせてほしいものです。

正直ブーレーズ目当てでチケットをとりましたが、ハイドンに圧倒されたコンサートでした。

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演奏の余韻を楽しみながら外に出ると、涼しい風が吹いていました。いつものようにホール向かいのplatesでパスタセットを楽しんで帰りました。

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食べログ:プレーツアーク森ビル店

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カジュアルで美味しい良いお店です!

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tag : ブーレーズ ベルク サントリーホール

イェンセン/読響/シュタイアーのモーツァルト、ショスタコーヴィチ(サントリーホール)

昨日は仕事山積みのなか、そそくさと切り上げてチケットをとってあったコンサートにでかけました。

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読売日本交響楽団:第548回定期演奏会

お目当てはフォルテピアノで自在な演奏を聴かせるアンドレアス・シュタイアー。あまりよく考えずにシュタイアーのフォルテピアノを生で聴いてみたいと思ってチケットをとったんですが、ホールに入ってステージに準備されていたのはフォルテピアノではなくピアノ! 先入観からシュタイアーはフォルテピアノを弾くイメージしかなかったため、ちょっと裏をかかれた感じ。プログラムはよく見てチケットを買わなくてはいけませんね(笑)

曲目はモーツァルトのピアノ協奏曲17番とショスタコーヴィチの交響曲7番「レニングラード」。まあ、このコンサートの来場者の半分以上はショスタコーヴィチ目当てかと思われますが、私はあまりそちらに関心はありませんでした。ハイドンやモーツァルト、ベートーヴェンは好きですし、ブルックナー、マーラー、ファリャ、プロコフィエフ、ストラヴィンスキー、デティユー、メシアン、ブーレーズも守備範囲ですが、正直ショスタコーヴィチは守備範囲外です(笑) 唯一好きなのは交響曲9番とショスタコーヴィチでは変り種。ということで、事前の関心はもっぱらモーツァルト。ショスタコーヴィチは完全にオマケあつかいでした。

奏者についても、この日の指揮者、エイヴィン・グルベルグ・イェンセンは読響初登場ということで、未知の若手指揮者を聴くのも悪くないという程度。

しかし、この日のコンサートで衝撃を受けたのはエイヴィン・グルベルグ・イェンセンのショスタコーヴィチでした。



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いつもどおり、仕事を切り上げてサントリーホールについたのは開演15分前くらい。先に入っていた嫁さんが首尾よくドリンクコーナーでサンドウィッチとワインを注文して待ってましたので、軽く腹ごしらえして、いざホールに入ります。座席はお気に入りのRA席。この日は前から2列目でした。

1曲目のモーツァルトの17番。全く未知のイェンセンでしたが、モーツァルトの序奏からいきなりしなやかな響きを聴かせ、引き込まれます。読響がまるでウィーンフィルのように柔らかに、しかも非常に美しい音色に響きます。優雅にのびのび、しかも要所でクッキリ緩急とアクセントをつける見事なコントロール。イェンセンの略歴を見ると直前までハノーファー北ドイツ放送フィルの首席指揮者を務め、また多くの歌劇場でオペラを振ってきただけにオケを実に巧みにコントロールします。かなりアクションは大きいのですが、動作が流麗なので指示が非常にわかりやすいです。ピアノソロは、ピアノの蓋が正面に向けて開けられていたのでRA席からだと直接音があまり聴こえず、ホールに響くピアノの音を聴く感じ。ピアノ協奏曲の時はRA席ではない方がいいかもしれません。肝心のシュタイアー、手元にある多くのフォルテピアノの録音では鮮烈なキレと自在な緩急による素晴らしい演奏が多く、やはりそんな演奏を期待して聴いてしまうのですが、ピアノでのシュタイアーは、そうしたキレの片鱗を感じさせるものの、演奏スタイルはリズムを少し砕いて、力を抜いた大人な表現。まるで自宅でピアノを前に指慣らしをしながら軽くオケに合わせていくよう。モーツァルトを自身で楽しむような演奏でした。
1曲目のモーツァルトですが、印象に残ったのはイェンセンの繰り出すしなやかな音楽。読響もイェンセンに応えて素晴らしい出来。お客さんも万雷の拍手で演奏を称えました。シュタイアーも快心の出来だったようで、アンコールでモーツァルトのソナタK.330の1楽章が演奏され、こちらも力の抜けた流して弾くようなタッチで聴かせる大人の技。フォルテピアノの冴え渡るキレとは全く別のシュタイアーを楽しむことができました。

休憩の間にピアノが下げられ、ステージ上は大オーケストラ用の配置に転換されます。

オケが入場して、笑顔のイェンセンが颯爽と登場。守備範囲外のショスタコーヴィチをどう料理してくるのか恐る恐る聴き始めます。ショスタコーヴィチ独特の散らかり感ですが、イェンセンの非常に丹念な描写に、あっという間に引き込まれます。長大な(本当に長大!)な1楽章、中間部にラヴェルのボレロを丸ごとショスタコーヴィチ流にアレンジしたような曲が挟まりますが、オケの精度が素晴らしく、特に小太鼓が極度の緊張感の中一定のテンポでリズムを刻み続ける姿を観客も固唾を飲んで見守ります。のけぞるようにバックスイングをともなってオケを煽るイェンセンですが、紡ぎ出される音楽は素晴らしい精度。1楽章はパーカッション郡も金管も大活躍。そして何より素晴らしかったのが各パートの音色の美しさ。途中ヴィオラが奏でるメロディーには鳥肌がたつような美しさ。木管、弦楽器、そしてピアノまでが響きの美しさの限りを尽くした演奏。戦争をテーマにした抑圧された心情のこの曲のなかの一瞬のきらめきのような瞬間がそこここに降り注ぎ、不協和音のなかに虹が浮かぶような不思議な美しさがちりばめられます。読響は私が聴いたなかでは一番の精度。この難曲なのに完璧な演奏で指揮者の期待に応えました。圧倒的な1楽章から普通の長さの2楽章、3楽章、そして間をおかずにフィナーレに続き、最後はブルックナーばりの大伽藍。ホールを揺るがすような大音響がイェンセンに巻き取られて、しばしの沈黙。イェンセンがタクトを下ろした途端にブラヴォーの嵐が降り注ぎました。正直ショスタコーヴィチの真価を初めて身をもって浴びた感じです。もちろんショスタコーヴィチなど詳しいわけもない嫁さんも圧倒され、ワナワナしてました。

イェンセンも会心の出来に満足したようで、小太鼓を皮切りに全奏者を丁寧に指名して祝福。やはり奏者の努力があっての名演奏であることをよくわきまえているようで、なかなかの人柄であることもわかりました。スクロヴァチェフスキからカンブルランときている首席指揮者ですが、つぎはこのイェンセンなどいいかもしれません。

イェンセン、ショスタコーヴィチ、そしてシュタイアーを目一杯楽しめたコンサートでした。今後イェンセンからは目が離せませんね。



ということで、モーツァルトとショスタコーヴィチに酔いしれたコンサートでした。サントリーホールを出るといつものように目の前のアークヒルズのなかの適当なお店で夕食をとって帰ります。この日はおなじみのカレー。

食べログ:フィッシュ

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ここは遅くまでやっているのでコンサート帰りにたまに寄るのでですが、前より味が良くなってますね。まずはビールとコンビネーションサラダ。

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こちらが定番白身魚のカリーライス。揚げた白身魚の旨みがカレーにいい香りを加えていて、癖になる味。

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こちらはキーマカリーライス。なんでしょう、日本のカレーとはかなり異なる香辛料の強烈な香りをベースとしたカレー。こちらも旨いです。

ショスタコーヴィチに酔ったところでカレーを食べながら反省会。このあとの読響のスケジュールを見るとハイドンも幾つかあります。どうしようかな~(笑)

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tag : サントリーホール モーツァルト ショスタコーヴィチ

カンブルラン/読響のリーム、ブルックナー(サントリーホール)

相変わらず忙しい日が続いておりますが、本日は以前からとってあったチケットを持ってコンサートに出かけました。

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読売日本交響楽団:第547回定期演奏会

シルヴァン・カンブルラン(Sylvain Cambreling)指揮の読売日本交響楽団の演奏で、プログラムはリームの「厳粛な歌」−歌曲付き、とブルックナーの交響曲7番の2曲。実は数日前の同じくカンブルランと読響のコンサートプログラムにはハイドンの驚愕が入っていたんですが、物の見事に見逃していました。

ここ数日東京は真冬のように寒く、この日はあいにくの雨。いつもはコンサートの開演前に外でのんびりお茶でも飲んでから入るのですが、仕事もいろいろあってサントリーホールに着いたのは開演15分前。嫁さんが先に到着していて、すでにサンドウィッチとワインを注文済みでした。

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ワインをちょいといただいて落ち着いたところで、席へ。

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この日はお気に入りのRA席の最前列。同じRAでも最前列だとよりオケに近く響きもダイレクトさが増しますね。着席時にはオケのメンバー数人がステージ上で慣らし運転(笑)してました。私が行く読響のコンサートは満席に近い事が多いのですが、この日は8割ほどの入りでしょうか。けっこう空席が目立ちました。

1曲目のリームの「厳粛な歌」−歌曲付きは日本初演ということです。日頃ハイドンばかり聴いてはいても、現代音楽はわりと好きで、ベルクあたりからリゲティ、メシアン、デュティユー、ブーレーズくらいまで手元にもいろいろなアルバムがあり、たまに聴いていますが、リームはアバドがウィーンフィルを振った演奏会のライヴである「ウィーン・モデルン」というアルバムに収録されている「出発」という曲以外聴いたことがありません。ただこのアバドのアルバムに収められた「出発」という曲は空間に打楽器とコーラスが響きわたる素晴らしいもの。アルバム自体も現代音楽の息吹に圧倒されるような素晴らしいものということで、実はこの日のコンサートはブルックナーではなく1曲目のリーム目当てでとったもの。

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Wien Modern

リームは1952年、ドイツ・カールスルーエに生まれた作曲家。Wikipediaで調べてみると上記のアバドのコンサート後、アバドつながりでベルリンフィルのコンポーザー・イン・レジデンスとなったとのこと。リームはほぼ即興的に曲を書くため多作で編成の大きな曲が多いこと、ドイツ文学への造詣が深く、ドイツ語の歌詞を伴う曲が多いため、ドイツ語圏では圧倒的な評価を得ているそうですが、非ドイツ語圏との評価にギャップがあるとのこと。プログラムの広瀬大介さんの解説によると録音も十分に揃っていず、まだまだ作品研究は緒(いとぐち)に就いたばかりとのこと。

この曲はウォルフガング・サバリッシュの委嘱により作曲され、ブラームスの没後100年の1997年に初演され(作曲は前年)、ブラームスの後期ピアノ作品、歌曲を研究した末誕生した作品とのこと。ヴァイオリン、フルート、オーボエ、トランペットなどの高音楽器が奏でる叙情性を排した断片的なメロディーが特徴とのこと。終盤ゲオルク・ビューヒナーの最晩年のテキストによる歌が入りります。



開演時刻になり、1曲目のリームの曲にあわせた中規模なオケの配置にメンバーが揃うとカンブルランとバリトンの小森輝彦さんが入場。リームはウィーン・モデルンで聴かれたパーカッションの活躍のようなキレ主体ではなく、静寂と微妙な響きの変化、意外性を狙ったような旋律の変化と楽器間の掛け合いなどが主体の曲。20分弱ぐらいの曲でしょうか。カンブルランはいつもどおり、体全体でかなり大きなアクションで各パートに指示を出しながら全体をコントロール。流石に現代音楽を得意としているだけあって、表現は見事でしたが、曲のせいでしょうか、あまり緻密な印象を受けませんでした。これはウィーン・モデルンに収録された「出発」と比べての印象かもしれませんね。終盤登場するバリトンの小森輝彦さんは声量、声の張り、現代音楽らしい峻厳さもあわせもって素晴らしい歌唱でした。リームの作品の国内初演ということで、観客も盛んにブラヴォー連発。なかなかいい演奏でした。

休憩を挟んでブルックナー。休憩中にステージいっぱいに席がひろげられ、大オーケストラに変わります。読響でブルックナーといえば、もちろんスクロヴァチェフスキ。このところ来日の度にスクロヴァチェフスキのブルックナーを聴き、昨年も0番を聴きに行きましたがそのたびにスクロヴァチェフスキの構築する巨大なブルックナー伽藍に圧倒されるのですが、今日はフランス人シェフのカンブルラン。こちらは、どうなるかという興味本意で聴きにきたといいうところ。

カンブルランのブルックナーは弦楽器を一貫して滑らかに磨き込み、一貫して力感重視、そして強音部のダイナミクス重視というところ。1楽章はよく磨き込まれた金属細工のように流麗かつ全音符に艶がのったような造り。おそらく休符で音楽をくぎるところが流麗なつながりを重視するがためにちょっと平板な印象を与えてしまっている印象。ブルックナーの音楽の骨格のようなものよりも表面の響きの美しさを重視しているという印象でした。オケは金管陣がちょっと不揃いなところが散見されましたが、徐々に調子もあがって、1楽章の最後はホールを揺るがすような大音響で観客を圧倒しました。
アダージョはフレーズの息の長さよりも起伏を重視した設計。フレーズ単位で磨き込むカンブルランの作法が徹底していて、深遠さよりも音色の変化、表情の変化を際立たせようとしているよう。
よかったのが続くスケルツォ。ブルックナーの楽章のなかでカンブルランの作法に一番マッチしていたようです。逆にフィナーレはブルックナーの意図した混濁と秩序の行き来の妙のようなものがちょっと平板に力づくでむすびつけられているようでちょっと落ち着きませんでした。クライマックスへもあっという間に到達して、じっくり頂点に向かうような荘厳な印象というよりは、響きの起伏という感じで、4楽章の素晴らしい構築感が弱かったという印象。それでもフルオーケストラの大音響は素晴らしく最後はブラヴォーの嵐が降り注いでいました。

やはり今日のブルックナーは心のなかではスクロヴァチェフスキの演奏と比べて聴いてしまっていたというのが正直なところ。あの陶酔感、あの静寂、そしてうなるようなメロディーをくっきりと浮かび上がらせるスクロヴァ爺の神業の刷り込みが深く刻まれているということでしょう。観客の反応は非常によかったので、私の個人的な感想ということでご理解いただきたいと思います。



さてさて、コンサートも終わって外に出るとまだ冷たい雨が降っていました。いつも寄るサントリーホールの周りのレストランは貸切や満席ということで、珍しくコンサート後にラーメンです(笑)

食べログ:博多豚骨たかくら赤坂店

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瓶ビール!(笑)

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こちらがあっさり豚骨一番釜スープ。麺は固め。

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こちらが濃厚豚骨二番釜スープ。なんとなく勢いで「かえだま」いっちゃいました(笑) 2人で1玉ですが。隣の若い女性2人組は1人1玉注文してました!

寒かったのでラーメンで温まってちょうどよかったです。激辛高菜をちょっとまぜるとスープにさらにコクが加わりよかったです。博多ラーメンは久しぶりでしたが、ここは美味いです。おすすめですね。

さてさて、またレビューにもどりませんと、、、

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スクロヴァチェフスキ/読響のブルックナー&ベートーヴェン!(サントリーホール)

書きかけの記事がいくつかあるんですが、10月9日はコンサートに出かけましたので、レポートしときます。

読響とその桂冠名誉指揮者、スタニスラフ・スクロヴァチェフスキのコンサート。毎回これが最後かもとの不安がよぎるなか、このところ毎年コンサートに出かけています。今年も読響にやってくるということでチケットとってありました。今回のプログラムはブルックナーの交響曲0番にベートーヴェンの交響曲7番。まずはコンサート情報を。

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読売日日本交響楽団:第541回定期演奏会

スクロヴァチェフスキは1923年10月3日生まれ。つまりこのコンサートの時には91歳ということになります。この日もその年齢が信じられないほどのキビキビとした指揮でサントリーホールを陶酔の坩堝と化してしまう素晴しい指揮ぶり。これまで何度もスクロヴァチェフスキのコンサートに通っていますが、間違いなく過去最高の出来でした。これは事件といってもいいほどの素晴しい出来。この日の聴衆はもの凄いエネルギーを発するスクロヴァチェフスキから、得難い音楽体験を受け取ったことでしょう。

2013/10/13 : コンサートレポート : 90歳のスクロヴァチェフスキ/読響/サントリーホール
2012/09/30 : コンサートレポート : 東京オペラシティでスクロヴァチェフスキ/読響の英雄に打たれる
2011/12/27 : コンサートレポート : スクロヴァチェフスキ/N響の第九(サントリーホール)
2011/10/19 : コンサートレポート : スクロヴァチェフスキ、オペラシティでのブルックナー爆演
2010/03/25 : コンサートレポート : 読響最後のスクロヴァチェフスキ



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コンサートの開演はいつもどおり19:00。仕事を17:30ごろ切り上げ一路サントリーホールに向かいます。先についていた嫁さんとホール前のカフェでで合流して開演を待ちます。流石にスクロヴァチェフスキの公演だけあって、開演前にはホールの前はかなりのお客さん。読響のスクロヴァチェフスキの公演の素晴らしさを知ってか、一様に笑顔で開演前の時間を楽しんでいます。いつものように開演を知らせるパイプオルゴールが広場に鳴り響き、開演を待っていたお客さんがホールに吸い込まれます。

ホールに入るとまずは2階のドリンクコーナにまっしぐら(笑)。 

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まずはワインにサンドウィッチで腹ごしらえというところですが、開場直後にもかかわらずサンドウィッチが売り切れ! どうゆうことでしょう。なぜか嫁さんが鞄から大きなオリーブ入りフォカッチャを出して、勧めます。なんとなく気が引けましたが、サンドウィッチを切らしたサントリーホールのドリンクコーナーに明白な落ち度有りと妙に納得して、ワインとともにフォカッチャをがぶり。もちろん写真は撮りませんでしたが、2階のドリンクコーナーで巨大なフォカッチャをほおばる客を発見した皆さん、それは私です(笑)

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この日はいつものRA席。指揮者もオケもよく見えて、音もダイレクトに響くお気に入りの席。

1曲目は、あんまり馴染みのないブルックナーの0番交響曲。家に帰ってからザールブリュッケン放送響とのブルックナーの交響曲全集のCDを確認してみると、こちらにも0番は収録されており、他の指揮者はあまり取り上げないもののスクロヴァチェフスキは得意としている曲のようです。いづれにせよコンサートで聴く機会は滅多になかろうということで、聴く側も若干緊張気味。

定刻少し前にオケのメンバーがステージ登場。そして拍手に迎えられてコンサートマスターが登場しチューニング。この日のコンサートマスターは長原幸太さん。チューングを終えたステージ上に袖からスクロヴァチェフスキが登場すると、まさに嵐のような拍手。皆さん91歳にもなる指揮者の登場に早くも興奮気味。興奮と暖かさの入り交じった拍手の嵐にスクロヴァチェフスキも笑顔で応えます。いつもどおり脚をすこし引きずりながら指揮台に向かいますが、体調は悪くはなさそうです。前回コンサートの時より少し痩せたでしょうか。そして指揮台にあがり、いつもどおり極端に短い指揮棒を振り上げた途端、水をうったような静寂からブルックナー独特の弱音からの開始。リズミカルに音階を進めるとすぐに吠える金管。この日の読響、特に前半のブルックナーは完璧なアンサンブル。よほど練習を重ねたのか、弦楽セクションのボウイングは見事の一言。コンサートマスターの長原さんにピタリと従うように全員の弓がそろうところは圧巻。スクロヴァチェフスキが頬を膨らませながら振るタクトにもピタリとついて、しかも分厚い、まるでベルリンフィルのような深い響きをホールに轟かせていました。こちらが曲になじみが無い分、音楽が記憶を通りこしてダイレクトに脳髄に響きます。ブルックナーは習作として、番号をつけなかったこの曲ですが、スクロヴァチェフスキの手にかかると、いつものような巨大な伽藍が出現し、圧倒的な迫力。1楽章のアレグロは時折現れるもの凄い推進力のメロディーと静寂、深い呼吸が交錯する見事な構成。これほどのスケールの曲であると実演ではじめて知りました。
爆音の響きに酔えた1楽章に続いてアンダンテは、深い淵を思わせる沈みこみ。一転して精妙なオケの音の重なりによって荘重なメロディーが奏でられます。研ぎすまされたヴァイオリンの美しいメロディーを木管が響きを華やかに隈取り、幽玄な転調を加えながら独特の神々しさを感じさせます。このへんのスクロヴァチェフスキのコントロールは他の曲での演奏の通り、弦の深々としたフレーズと独特の唸りによって常人には表現できない世界観に至ります。まさにスクロヴァ節。
続くスケルツォはまさにオケが轟きまくります。速めのテンポで極端なアクセントを多用しながらも非常に流れの良い音楽。いつものようにティンパニの岡田さんが渾身の一撃を加え、頬がびりつくような轟音で音楽を引き締めます。ティンパニの岡田さん、これもいつも通り頻繁にマレットを変え微妙に響きを変えています。
フィナーレは癒されるような響きからはじまり、轟音を織り交ぜながらオケをグイグイと煽って音楽を創っていきます。指揮台に登るまでの足腰の弱さはどこにいったのか、指揮台のスクロヴァチェフスキの動きの機敏さと、リズムの正確さは驚くほど。ブルックナーの長大な曲を渾身の力で降り続けていますが、まったく疲れらしきものは見えず、クライマックスに向けてひたすらオケを煽っていく姿は、すでに神がかってます。ホール中がスクロヴァチェフスキの造り出す音楽と発散するエネルギーに圧倒されっぱなし。終盤のクライマックスは観客も身を乗り出してエネルギーを浴びるよう。最後の一音を轟かせ、スクロヴァチェフスキがタクトを下ろすと、場内から嵐のような拍手が降り注ぎます。スクロヴァチェフスキもオケの素晴しい出来に満足したのかオケを讃えながら拍手に応えていました。プログラムの前半から場内は異様な興奮につつまれていました。観客も脚の悪い爺を気遣ってか、カーテンコールは2度ほどで休憩に入ります。

あまりに素晴しい出来のオケに、後半のベートーヴェンにも期待が高まりますが、後半のベートーヴェンの7番、その予想を遥かに上回る怒濤の演奏でした。ベートーヴェンの7番といえば私の世代の刷り込みはもちろんカルロス・クライバー。熱狂の坩堝に叩き込まれる舞舞踏の聖化ですが、最初はクライバーの演奏と脳内で比べながら聴いてしまっていました。しかし、2楽章以降は完全にスクロヴァチェフスキの術中にハマりました。

1楽章は思いのほかオーソドックスに攻めてきます。テンポは予想したほど速くなく荘重な印象。前半のブルックナーの轟音が耳に残る中、逆に古典の矜持をあらためて保とうとする意図か、スクロヴァチェフスキもあえて少し抑え気味の1楽章の入り。印象が一変したのは2楽章。それまでどこかでクライバーの演奏をイメージしながら聴いていましたが、一楽章の最後の一音が鳴り終わるとアタッカですぐに2楽章に入り、そのフレージングはまさにスクロヴァチェフスキの真骨頂。さざ波のようにざわめく弦。現代風のあっさりした演奏とは対極にあり、しなやかにメロディーを刻みながらも、かなりはっきりとしたコントラストをつけて媚びない劇性を表現。ベートーヴェンの音楽がスクロヴァチェフスキによってちょっとブルックナーチックに響きます。そして、3楽章のスケルツォにもアタッカで入りますが、指揮棒を振り下ろす瞬間の気合いが凄い。鬼気迫るとはこのこと。ここからグイグイオケを煽ってフルスロットルの連続。スクロヴァチェフスキのエネルギーがオケに乗り移ってホールを揺るがすような迫力。フィナーレに入る時にはスクロヴァチェフスキの気合いが声になって注がれ、フルスロットルどころかオーバーヒート寸前の気合いの嵐。読響もスクロヴァチェフスキの煽りに見事についていき、ティンパニは皮が張裂けんばかりの打撃で応えます。この音楽と煽り、エネルギーが91歳の老指揮者から生み出されているとは信じられません。最後のリズムがカオスに包まれるところのコントロールも盤石。爆風のようなクライマックスを迎え最後の一音がなり終わると、今まで聴いた事のないようなブラヴォーの嵐が降り注ぎます。すぐにスタンディングオヴェーションになり、オケも一緒に老指揮者に惜しみない拍手を送ります。まさに奇跡のような音楽。ホールの全観客がスクロヴァチェフスキに打ちのめされた、心地よい脱力感。奇跡の瞬間に立ち会った観客の興奮したようすがホール内に満ち、脚を引きずりながらも何度かのカーテンコールに応じますが、爺が握手でコンサートマスターに退場を促します。オケのいなくなった広いステージに再び呼び戻されたスクロヴァチェフスキの快心の笑顔に観客も満足したのか、拍手が止んで素晴しいコンサートが終わりました。

ここ数年スクロヴァチェフスキのコンサートには通ってますが、いつも最高の演奏。今回はこれまでで最高の出来だと思います。ただ力任せな演奏ではなく、オケがクッキリとコントラストがついて格調高く響き、そして振り切れんばかりに鳴らせきってしまう手腕は見事。演奏に老いの影はなく、溌剌としてダイナミック、そして深い響き。この高みはどこまで行くのでしょうか。ほんとうに素晴しいコンサートでした。



心地よい興奮のなか、この日はサントリーホールの並びのカフェで反省会。

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食べログ:ARK HiLLS CAFE

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グラスワインに前菜盛り合わせ、パスタなどをいただきましたが、カジュアルな割に美味しいお店。料理が出てくるのも速いのでコンサートの反省会に向いています。

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サントリーホールのコンサートチケットを見せるとデザートがついてくるというサービスもいいですね。

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コンサートの余韻を楽しみながらゆっくり食事をして帰りました。

この至福の時間、再び味わう事ができるでしょうか。もちろん、スクロヴァチェフスキのコンサートの予定が発表されれば、次の機会もぜひ聴きたいものです。

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tag : サントリーホール ブルックナー ベートーヴェン

ワシリー・シナイスキー/読響定期演奏会(サントリーホール)

昨日5月17日は読響の定期公演を聴きにサントリーホールへ。この日の指揮はワシリー・シナイスキーということでチケットをとった次第。学生時代にFM放送で聴いたプロコフィエフの5番の演奏があまりにも素晴しかったので覚えていた人ですが、そのシナイスキーが生で聴けると言う事に加えて、プログラムはプロコフィエフにリヒャルト・シュトラウスということで、ハイドンではないのにグッときたという次第。

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読売日本交響楽団:第537回定期演奏会

ワシリー・シナイスキー(Vassily Sinaisky)は1947年、ロシア東北部のコミ共和国生まれの指揮者。レニングラード音楽院出身で、卒業後、モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団でキリル・コンドラシンの助手として指揮をはじめたとの事。1973年に西ベルリンで開催されたカラヤン・コンクールで金メダルを受賞し、その後、1991年から96年までモスクワフィルの音楽監督、2000年から2002年までロシア国立交響楽団(ソ連国立交響楽団の後身)の音楽監督、2007年から2011年までスウェーデンのマルメ交響楽団の首席指揮者、2010年から2013年までボリショイ劇場の音楽監督として活躍しています。読響には2007年、2011年と過去2回客演しているそうです。

協奏曲のヴァイオリンソロはワディム・グルズマン(Vadim Gluzman)という人。こちらははじめて聴く人。1973年、現在紛争地になってしまったウクライナ生まれのヴァイオリニスト。米ジュリアード音楽院の出身で、日本での評判は知りませんが、世界の有名オケとの共演歴は錚々たるものです。楽器はシカゴのストラディヴァリ協会から貸与された1690年製のストラディヴァリウスということでした。

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この日は土曜だったので開演は18:00。平日ではないので、早めにアークヒルズに到着し、向かいのオーバッカナルのテラス席で風を楽しみながら一杯。夕方の爽やかな風が気持ちよい時間帯です。程なくサントリーホールの開場を知らせるパイプオルゴールが鳴り、ホール前が賑わいます。

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人の流れが一段落したところで入場。席はお気に入りのRA席です。この日のプログラムは下記のとおり。

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
リヒャルト・シュトラウス:歌劇「ばらの騎士」組曲

今日は8割すこしくらいの席の埋まり具合でしょうか。日本での知名度は今ひとつなのでしょう。今日来られなかった方は惜しいことをしました!

1曲目のプロコフィエフの1番は好きな曲。父がよく聴いていたのを思い出します。前衛で知られたプロコフィエフが「もしもハイドンが今でも生きていたら書いたであろう作品」として作曲した曲。ワシリー・シナイスキーは、拍手に迎えられて入場すると、さっと手を上げ、指揮棒なしでさっと合図を出して入ります。この人がこれほど指揮が上手いとは知りませんでした。体全体をゆらして、次々と奏者に非常にわかりやすく指示を出していきます。特に第1ヴァイオリンへの指示は綿密。抑えるところをかなり明覚に指示してプロコフィエフの諧謔的なメロディーにクッキリとメリハリをつけていきます。ヴァイオリンの軽やかなフレーズはヴァイオリンパート全員がシナイスキーの指示に従って異次元の軽やかさで弓を運びます。遥か昔にFM放送で聴いた鮮烈なイメージそのままでした。実に巧みなオーケストラコントロール。読響も厳しい練習を経たのか、今日はいつもよりも精度が上がりリズムのキレは抜群。そしてロシア人らしくここぞというときの迫力は流石。1楽章の小気味良い展開、2楽章の穏やかな前衛、ハイドンがメヌエットを常用した3楽章はガヴォットも本質的に機転が利いて、古典的なものへのオマージュになってます。そしてハイドンが得意とした複雑にメロディーをからめたフィナーレは、その形骸を受け継ぎ、コミカルなメロディーをテクニカルにからめた面白さに昇華。最後の吹き上がるようなアタックのキレでホールが吹き飛ばんばかり。シナイスキーのクライバー張りの見事な指揮と、読響の見事な演奏でプロコフィエフ前衛がホールに充満。1曲目から、これからさらに盛り上がる素晴しいコンサートの幕開けにふさわしい興奮に酔います。

前半2曲目はプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲2番。個人的にはほとんどなじみのない曲ゆえ、かなり新鮮に聴く事ができました。作曲は1935年。先の古典交響曲が1916~17年ということで、だいぶ後の作曲。
1楽章はいきなりソロから入る珍しい入り。ソロのワディム・グルズマンはシナイスキーが連れてきた人でしょうか、派手さはありませんが大きな体を目一杯使って、楽器を非常に良く響かせる人。彼の使っているストラディヴァリウスは素晴しい音色。サントリー・ホールに楽器全体から発散される美しい胴鳴りが響き渡り、ちょっと聴いたことがないくらいいい音。
曲は難解というより、プロコフィエフ独特の象徴的な美しいメロディーをキーにした展開ではなく、様々な要素が渾然一体となって迫ってくるような曲。グランカッサ、トライアングル、カスタネットなどが使われ、特にグランカッサはかなり活躍。3楽章の最後には不思議なメロディーがグランカッサに乗って繰り返されプロコフィエフらしい前衛的な響きをつくっていました。グルズマンはこの難曲を軽々と弾きこなし、万来の拍手を浴びていました。何度かのカーテンコールの後、アンコールにはバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ1番の冒頭のアダージョを披露。響きの渦のようなプロコフィエフの興奮から一転、静謐な空間にストラディヴァリウスの惚れ惚れするような響きが満ちます。楽器の響きを活かして、鋭さはほどほど、バッハのメロディーを淡々と奏でるスタイル。堅実な演奏に好感を持ちました。なかなかいい感覚の持ち主ですね。

休憩の間に、ステージ上はこれからはじまるリヒャルト・シュトラウスに備えて席が増やされ、サントリーホールのステージが奏者席で埋め尽くされます。

後半最初の「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」は圧巻の出来でした。シナイスキーの巧みなコントロールで、細かいメロディーが複雑に交錯するこの変化に富んだ交響詩が一巻の絵巻物のような構築感でまとまりました。個々のフレーズのそれぞれ明解な表情を強弱硬軟織り交ぜながら組み上げていく手腕は見事というほかありません。そしてここぞというところでのティンパニの炸裂するような一撃が加わり大オーケストラから風圧のような大音響が轟き観客を圧倒しました。プロコフィエフ目当てで来たのですが、リヒャルト・シュトラウスは完全にそれを上回る出来。最後の爆発の風圧をブラヴォーがかき消します。いやいや、今まで聴いたどのアルバムのティルよりも見事な演奏。シナイスキーのオーケストラコントロールの腕前の見事さは素晴しいものがあります。

そして、ハープやチェレスタのメンバーが加わり、最後の薔薇の騎士組曲。前曲の興奮冷めやらぬ中、シナイスキーは登場の拍手が止まぬ前から、まるでカルロス・クライバーのようにいきなり曲をはじめます。バラの騎士はカルロス・クライバーのはじめの序曲から陶酔の絶頂にいきなり放り込まれる素晴しいDVDが刷り込みですが、めくるめく感じはクライバー以上。オケの精度も完璧で大オーケストラの迫力と相俟って、前曲を超える絢爛豪華な絵巻物のような陶酔感。前半のプロコフィエフ同様、抑えるところを効果的に使って力任せではない深い陰影と、ロシア人らしいヴァナキュラーな迫力、そして曲がもつ華やかさと陶酔感が高い次元でまとまった素晴しい演奏でした。ワシリー・シナイスキー、類いまれなバトンテクニックで大オーケストラを掌握して、ホールをびりつかせる弩迫力とリヒャルト・シュトラウスの陶酔で観客を魅了していました。もちろん最後はブラヴォーの嵐。気さくにカーテンコールに応じ、主だった奏者をにこやかに紹介する様も人柄がでているようで微笑ましかったです。気さくそうに見えて、読響をこれだけの精度でコントロールするあたり、そうとう練習には厳しいのではないかと想像しています。今日の読響は私の聴いた中ではオケの精度は最高の出来でした。シナイスキー、またの来日の際には行かねばなりませんね。



さてさて、コンサートも終わり、最近お気に入りのカジュアルなイタリアンで反省会です。

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食べログ:プレーツ アーク森ビル店

ここはサントリーホールの真向かいのお店。カジュアルなお店で、コンサートがはけたあとでもすぐに入れて、料理もすぐにでてきて、そこそこいい味。そのうえセットメニューはワインとコーヒーまでついてかなりカジュアルなお値段なので、コンサート後にぴったりなんですね。

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前菜盛り合わせ。鴨のハムがワインのつまみにいいですね。

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パスタはミートソースをチョイス。胡椒が利いてこれも悪くありません。

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ピッツァはマリナーラ。

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そして別に頼んだホエー豚のロースト。これは豚の旨味が濃厚で美味かった。

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そして嫁さんが頼んだデザートのプリンアラモード。ノックアウト(量)です(笑)

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ひとしきりのんびりと食事を楽しんで、サントリーホール前に戻ると、すでに人は捌け、静かな時間になっていました。いいコンサートにのんびりと食事を楽しんで、いい週末でした。

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カンブルラン/読響のマーラー4番(サントリーホール)

昨日4月17日は読響のコンサートのチケットをとってあったので、仕事をそそくさと終え、サントリーホールに向かいます。幸い会社からは30分少々で着きますので、19:00開演のコンサートに駆けつけることは問題ありません、

読売日本交響楽団:第536回定期演奏会

指揮はおなじみシルヴァン・カンブルラン(Sylvain Cambreling)でプログラムは下記のとおり。

シェーンベルク:弦楽のためのワルツ
リスト:ピアノ協奏曲第1番 ピアノ:ニコライ・デミジェンコ(Nikolai Demidenko)
(休憩)
マーラー:交響曲第4番 ソプラノ:ローラ・エイキン(Laura Aikin)

コンサートの情報をマメにチェックするほうではありませんので、わりと適当にプログラムを選びます。読響はスクロヴァチェフスキのコンサートに何回か行って以来、なんとなくいろいろ行っています。スクロヴァチェフスキのブルックナーやベートーヴェンも素晴しいのですが、カンブルランになってから、ストラヴィンスキーとかデティユーなど、ハイドンにこだわらず聴いています。

この日の目玉はもちろんマーラーの4番。カンブルランはフランス人らしい独特の色彩感を感じさせる演奏ゆえ、春にふさわしいマーラーが聴けるのではとの期待でチケットをとったという流れです。

さて、昨日の東京は春らしい好天。18時に仕事を終え、開演20分前にはホールに着きました。

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嫁さんと待ち合わせて、いつものようにホワイエでワインとサンドウィッチなどを戴き、開演前の喧噪を楽しみます。

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座席はこちらもいつも通りお気に入りの2階のRA席。今回は1列目がとれましたので、オケにかぶりつきです。サントリーホールはステージ正面の席よりもステージ横の2階席の方がオケと指揮の様子が手に取るようにわかり、お気に入りです。音も正面よりもダイレクトに聴こえるので、一等席よりもこちらの方が好みです。

プログラム上前半は前座のようなイメージですね。

1曲目目のシェーンベルクは弦楽器のみで10楽章構成のワルツ。解説によると、本来は11楽章構成とのことですが11曲目が未完だったため、通例10楽章の形で演奏されるとのこと。演奏はカンブルランらしく軽やかに弦楽器がワルツを刻むなかに、濃いめの色彩がつけられ、色彩過多なほどの芳香に満ちた華やかさ。オケも1曲目にしては良く磨かれて、かなり気合いの入った様子。コンサートマスターは超長身のクリスティアン・オスターターク。カンブルランが以前音楽監督を務めていた、バーデンバーデン&フライブルクSWR交響楽団のコンサートマスターのコンサートマスターをカンブルランがゲストとして読んだ人とのことです。力強いボウイングは流石と思わせるものがありますね。

2曲目はリストのピアノ協奏曲。私はリストはかなり苦手(笑) 普段は滅多にというかほとんど聴かないのですが、コンサートでは実演の迫力で聴けてしまいます。ハイドンの素朴な音楽に比べるとずいぶんと表現意欲の勝る音楽かと驚くばかり。ピアニストのニコライ・デミジェンコはロシアの人らしく、豪腕という言葉がぴったり。力強いタッチで難曲をこともなげに進めて行きますが、間のとりかたも上手く、落ち着いて音楽の表現の幅をフルに浸かった名演奏だったと思います。なお、鳴り止まぬ拍手に、メトネルの「おとぎ話」という曲がアンコールで演奏されました。こちらは小曲ながら音符の洪水のような難曲ですが、アンコールで演奏するだけあって得意としているよう。安定したテクニックで、しかも詩情も溢れ出す名演奏に会場は再び拍手喝采でした。



休憩を挟んで、ステージ上には所狭しと楽器が増え、マーラーの演奏に備えます。

マーラーの交響曲のなかでも優美な曲想で知られる曲で、冒頭の鈴の音が鳴った途端おとぎ話の世界に入ったような独特の雰囲気に包まれます。いつも通りオーバーアクションともとれる派手なアクションで奏者に指示を出して行くカンブルラン。予想通り、カンブルランのマーラーは速めのテンポで、やはり濃厚な色彩感に溢れたものでした。
私のこの曲の刷り込みはアバド/ウィーンフィルのLPですが、香しいメロディーが次々と楽器を変えて奏でられるこの曲を、アバドはクッキリとしながらも穏やかな暖かい音楽にしていきましたが、カンブルランの手にかかると、メロディを紡ぐ一本一本の糸が色も太さも違うところを面白く聴かせようとしているようで、2人の音楽の違いが実に興味深いですね。オケもかなり練習しているようで、かなりの精度でカンブルランの指示についていきます。よく見える位置にあるティンパニは今日も精緻、木管群の存在感のある演奏が秀逸でした。おだやかに刻む前半に対して、後半に入ると徐々にフルオーケストラが爆発し始め、ライヴならではの迫力溢れる響きに包まれていきます。ブルックナーやマーラーはやはりライヴに勝るものはありません。
2楽章に入るとコンサートマスターのオスタータークのヴァイオリンソロが冴えます。諧謔的とも思えるメロディと調の変化を繰り返しながら寄せては返す弦楽器の柔らかな波にもまれて行くような音楽。アバド盤では陰りのある優美な歌の存在を感じましたが、カンブルランの演奏では艶かしく反射する光沢のような楽器事の変化が印象的。闇のように静寂が存在するアバドとメロディーの変化のつながりの面白さに光をあてたカンブルランというところ。
この曲の聴き所のの3楽章。もう少し色を付けてくるかと思っていたのですが、かなり抑えて精妙なコントロール。やはり実演の迫力も手伝ってかアバドとウィーンフィルの天上の音楽のごとき洗練に精妙さ。帰ってアバド盤を実に久しぶりに聴き直してみましたが、ここはウィーンフィルの磨き抜かれた妙技に軍配でしょう。
つづく4楽章ではソプラノの歌があるのですが、3楽章が終わるまで、歌手が登場する気配がありません。間をおかず4楽章の序奏がはじまると袖からソプラノローラ・エイキンがようやく登場。静かに歩きながら歌の入るタイミング直前に指揮者の横に入ります。アバド盤のコケティッシュなフレデリカ・フォン・シュターデと比べると朗々としたコロラトゥーラゆえ、華やかさエイキンですね。歌手が違うと曲の印象がかなり変わりますね。4楽章はかなりの色彩感で鮮やかな印象が残ります。オケのコントロールは精妙さが上がり、静かに滔々と音楽が流れて行きます。春の泡沫の夢のような儚さ。これぞマーラーの世界でしょう。最後は本当に消え入るように儚くさを印象づけて終わります。カンブルランのタクトが降りるまで、ホールを静寂が包みます。そしてしばらくしてタクトが降りると静かに沸き上がる拍手。最後の余韻の消え入る瞬間のホールの張りつめた空気がこの日の演奏の素晴しさを物語っていました。そして徐々にブラヴォーのかけ声がこだまします。

やはりコンサートはいいですね。春のこの季節にカンブルランのフランス人らしい粋なマーラーを聴き、ゆったりと陶酔したように音楽を楽しむ事ができました。



さて、帰りは最近サントリーホールのコンサート後に良く寄るこのお店で食事をして帰りました。サントリーホールを出た正面にあるお店です。

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食べログ:ブレーツ アーク森ビル店

カジュアルなイタリアンですが、ここがいいのは、ワインなどの飲み物、前菜、パスタかピッツァ、コーヒーのセットメニューがあり、適度に美味しいこと。出てくるのクイックでコンサートの反省会に好適です。

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前菜は生ハム、サラミ、オリーブなど。

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パスタもピッツァもいくつかの中から指定できます。こちらは5種類のチーズのピッツァ。

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パスタはバジリコトマトソース。どちらもそこそこいい味でした。

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今宵も夜は更け、、、翌日も仕事なんですね(笑)

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90歳のスクロヴァチェフスキ/読響/サントリーホール

昨日まで、温泉旅行紀の更新にかまけておりましたゆえ、そろそろハイドンのレビューにとは思っているのですが、昨日は、チケットをとってあったコンサートに出かけました。タイトルどおりスクロヴァチェフスキと読響のコンサートです。

読売日本交響楽団:第530回定期演奏会

この秋にはアバドとルツェルン祝祭管の来日公演のチケットをとって楽しみにしていたのですが、先日書いた通り、アバドの体調不良により中止となってしまいました。それではということで、この秋のコンサートの情報をいろいろ見ていたら、スクロヴァチェフスキがまた来るではありませんか! この機を逃すまいということで急遽チケットをとった次第。

このところスクロヴァチェフスキのコンサートには毎年のように出かけています。

2012/09/30 : コンサートレポート : 東京オペラシティでスクロヴァチェフスキ/読響の英雄に打たれる
2011/12/27 : コンサートレポート : スクロヴァチェフスキ/N響の第九(サントリーホール)
2011/10/19 : コンサートレポート : スクロヴァチェフスキ、オペラシティでのブルックナー爆演
2010/03/25 : コンサートレポート : 読響最後のスクロヴァチェフスキ

もちろん高齢ゆえ、毎回これが最後かもとの思いを持ちながら聴いていますが、驚くなかれ、今回の来日時には90歳という年齢にもかかわらず、なぜか毎年エネルギッシュ度が上がっているようにも感じられるほどに元気です。しかも、毎回、毎回観客を興奮の渦に巻き込む素晴しい迫力。年齢なりの枯れた音楽ではなく、円熟を極めながらも、たたみかけるような素晴しく活気に満ちた演奏で、ブラヴォーの嵐を呼びます。

今回の来日でも、既に終わったショスタコーヴィチの5番を振ったコンサートに行かれた方の評判はすこぶる良好。今回も爆演間違いなしとの確信をもって出かけました。



曲目は、なんとスクロヴァチェフスキ自身が1995年にミネソタ管弦楽団の委嘱によって作曲した「パッサカリア・イマジナリア」と、ブルックナーの交響曲4番「ロマンティック」の2曲。「ロマンティック」は2011年10月の東京オペラシティでの公演で、ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニーとの演奏を聴いていますが、そのときもホールを揺るがすような迫力と、緩急自在なスクロヴァチェフスキのコントロールにノックアウトされたものです。



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土曜日ゆえ開演時間は平日より1時間早く18:00。10月にしてはかなり気温がたかく汗ばむ陽気でしたが、陽が陰るのは確実に早くなっています。サントリーホールの前についたのは開場の17:30の5分前くらい。

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見上げるとインターコンチネンタルホテルなど、アークヒルズのビル群のネオンが夕闇に包まれ始めています。

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いつものからくり時計のようなパイプオルゴールを合図で開場。昨日は開場と同時にホールに入り、2階のドリンクコーナーへ。いつも通り適度に鑑賞神経を鋭敏にするためにワインを発注(笑) ホールのドリンクコーナーでいただくワイン、特に赤は冷え過ぎが多いんですが、流石はサントリー、赤も適温で供されてます。こうゆう気づかい、大事ですね。早めに入って開演を待つ時間、ゆっくりできるのは貴重です。

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今日の席はRAの2列目。サントリーホールは1階正面も座ったんですが、このRA、RBあたりが一番好きな席です。低音楽器は音の回り込みに問題ないので、ヴァイオリンを正面で眺められ、1階席よりもダイレクトに響きを楽しめるのと、1番は指揮者の指示がよく見えること。スクロヴァチェフスキの怒濤の煽りもよく見えます。



さて、定刻どおりオケが入場。1曲目はスクロヴァチェフスキの自作。ステージいっぱいの大編成オケ。ピアノやタムタムのような普段見ない打楽器群が配され、ちょっとワクワクします。スクロヴァ爺登場と同時に、もうホールは割れんばかりの拍手。やはり膝が悪いのか指揮台まではたどたどしく歩いてきますが、指揮台に登って観客の方に挨拶すると、終演後のように拍手がどよめきます。90歳にもなって日本に来て、しかも自作を振るこの千載一遇の機会に対する観客の期待の大きさがわかります。

「パッサカリア・イマジナリア」、神秘的な曲でした。コントラバスによって最初奏でられる、魂の吐露のような暗澹たるメロディーの変奏。大きな波のように時折オケが爆発しながら、所々打楽器群が変化を添え、決して豊穣になることなく淡々と進む曲。自作ゆえ、スクロヴァチェフスキも楽器ごとに的確に指示を出しながらの渾身の指揮でした。最後ピアニッシモで終わり、指揮棒を譜面台に置いた直後に嵐のような拍手。スクロヴァチェフスキも出来に満足したようで、活躍した打楽器陣やコントラバスから読響メンバーを讃えていました。読響メンバーは素晴らしい仕上がり。難しい現代曲ですが、フレーズのひとつひとつの表情づけも誠に丁寧で、尊敬するスクロヴァチェフスキの曲に対する読み込みの深さが感じられました。前半から素晴しい出来に、後半への期待が高まります。

しかし、後半は、期待したレベルを遥かに超える驚愕の演奏でした。

ホールに前半の興奮の余韻が残る中、休憩が終わって、ティンパニを除く打楽器が片付けられ、ステージはすっきり。ホルンは5人(プログラムには4人と記載)、トランペット、トロンボーン各3人という編成。スクロヴァチェフスキの登場で、またホールは嵐のような拍手。

後半の読響は素晴しい仕上がりでした。霧の中からホルンが響き渡る導入部の磨き込まれた響き。1楽章は落ち着いたテンポでブルックナーの大伽藍の構築感を見事に表現。特に強奏部の迫力、轟く金管の号砲、そして全奏者が髪を振り乱さんばかりに楽器を鳴らしきってスクロヴァチェフスキの指示どうり盛り上がっていくところはやはり見事。サントリーホール中の観客にエネルギーがつたわったことでしょう。最後の一音をさっと切れよく収め、静寂が戻ります。もう少し煽ってくるかと思いきや、1楽章は水も漏らさぬ堅固な構築感。
続く2楽章はヴィオラやチェロのメロディーの深い呼吸が際立ちます。ピチカートに乗って奏でられるメロディーラインがフレーズごとにきっちり表情をつけられ、スクロヴァチェフスキの真骨頂である唸るような弦の響きが印象的でした。テンポは徐々に動きを見せ、スクロヴァチェフスキの指示もテンポをすこし動かすようになってきました。
圧巻がつづくスケルツォ。はじまりは普通のテンポでしたが前半半ばを過ぎたあたりから強烈な煽りで、一気にテンポを上げ、突風が吹くがごとき。オケも必死についていきますが、そのまま金管の号砲を交えてホールを吹き飛ばさんがごときクレッシェンド。一転抑えた表情の中間部をはさみ、再び前半部の繰り返しでまたまた途中でギアチェンジ。まさに怒濤の迫力。スケルツォでここまで煽るとは思いませんでした。最後は轟音を一瞬でかき消し、静寂との対比を見事に表現。この迫力、どう転んでも家でCDでは味わえません。
フィナーレは神々しいという言葉がぴったり。1楽章の落ち着いたテンポは聴かれなくなり、すこし足早にな展開で、そこここにテンポの変化を折り込みながら進みます。ティンパニのクッキリとしたアクセントも効果的。何度も迎える緩急の変化、その度に轟く轟音、そして轟音のあとの静寂。一貫したテンポで揺るぎない迫力を聴かせる演奏も多いなか、スクロヴァチェフスキは全く逆に、自身のインスピレーションに従って、オケのアクセルを自在にコントロールして炸裂する大音響とその余韻を情感溢れる深い呼吸のメロディーでつないでいきます。ブルックナーの書いた音楽に潜む神々しさと敬虔さの真髄に触れる解釈。終盤の感動的なクライマックスに向けては、オケを実に巧みにコントロールしての演出。再びブルックナーの大伽藍が出現。最後の一音もさっと切り上げます。長い静寂ののちに、拍手をかき消すようなブラヴォーの嵐。これだけのブラヴォーは聴いた事がありません。

ホール中から降り注ぐまさに割れんばかりの拍手。もちろん最初にホルン奏者に立つように促し、金管をはじめとしてティンパニ、チェロ,ヴィオラなどの奏者をねぎらいます。スクロヴァチェフスキは拍手に誘われ何度もステージに呼び戻されますが、RA席からは舞台袖に引いた奥も見えてしまいます。2度目に戻った時に右ひざをなでて、付き人ににこりと微笑みます。膝が痛いのでしょうが、この拍手では出ない訳にいきません。何度もホール中の観客の拍手ににこやかに応じ、そして、自分ではなくオケを讃えるよう観客を促す姿がとても印象的でした。

人は90歳にもなって、これだけのエネルギーを発することができるのだと、あらためて感じ入った次第。出入りは疑ギクシャクしていたものの、指揮台に登ったあとは、年齢を全く感じさせない機敏かつエネルギッシュな動き。やはりスクロヴァチェフスキは凄かったです。ホールを後にする多くの人の興奮冷めやらぬ表情が印象的でした。また、来日の機会があれば是非聴きにいきたいですね。こころに触れる素晴しいコンサートでした。

今回のコンサートでよかったのは、いつもいただける読響の解説冊子。読響の10月のコンサートの曲目解説などを記した小冊子ですが、中の2つの記事が興味深い情報でした。1つはフレデリック・ハリスと言う人が書いた、「スクロヴァチェフスキ氏90歳のタクトに寄せて」という寄稿文。スクロヴァチェフスキ自身の言葉を含んだ冒頭の一節を紹介しておきましょう。

「指揮と言う行為は神秘的な作業だ」と、スクロヴァチェフスキ氏は語る。楽譜を完璧にに読み込むだけでは足りず、作曲家の精神まで探り当てて、読み解かねばならない、そのためには「とてつもなく堅固な信念を持って、瞬間瞬間を強力に解釈し、疑義のない状態にしなければならない」のだ。


この日の演奏を聴くと、スクロヴァチェフスキ自身の言葉の意味がよくわかります。

そしてもう一つは三男のニコラス・スクロヴァチェフスキが書いた「素顔の父・スクロヴァチェフスキ」。家族でとった普段の写真に写る気さくなスクロヴァチェフスキ。そして夕食はいつも18:00から、必ず一杯の赤ワインをともにするそうです、栄養学について詳しいらしく、自然素材の食事を好み、ポリフェノールの効果を信じて、毎日一杯の赤ワインを飲むそうです。それで90歳までこのエネルギッシュな仕事ができているというのは説得力があります。あやかりたいところですが、一杯で終わる勇気は当分もてそうにありません(笑)



さて、コンサートもはけたので、近くで食事です。先程一杯の赤ワインはいただいたのですが、上の文を読んで、もういちど一杯の赤ワインを飲みたくなりました。いつものように食べログで近くの高評価の店をさがすと、目の前にありました。

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食べログ:プレーツ アーク森ビル店

まさにサントリーホールの入口の目の前。カジュアルなイタリアンです。コンサートの反省会ということで嫁さんと入店。つくりはカジュアルでしたが、味はわるくありません。コンサート後に使えるお店ですね。紹介は簡単に。

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私は赤ワイン。嫁さんはスパークリングのロゼ。メニューからささっと適当に頼みましたが、どれもタイミングよく運ばれてきました。流石イタリアン。

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トリッパ!

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サルシッチャ!

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ピッツァ!

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パンチェッタのリングイネ!

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エスプレッソ!

カジュアルなわりに、意外と本格的な味。最後のパスタはイタリアの田舎で食べた味にちかく、パンチェッタの濃厚な油の旨味と塩味が染み込んだもの。コンサートの反省会にいいお店です。

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tag : サントリーホール

カンブルラン/読響の第九(サントリーホール)

今日はあらかじめチケットをとってあった読響のコンサートに行ってきました。

読売日本交響楽団:カンブルランの「第九」特別演奏会

なぜか最近、世の中のトレンドに乗って、年末は第九を聴いています。しかも昨年はN響を2回。

2011/12/27 : コンサートレポート : スクロヴァチェフスキ/N響の第九(サントリーホール)
2011/11/03 : コンサートレポート : 【サントリーホール25周年記念】ホグウッド/N響の第九

ホグウッドの第九は古楽器演奏のパイオニアとしてのイメージよりも諧謔性を帯びた新古典主義的演奏、そしてスクロヴァチェフスキの第九は部分的にはブルックナーを思わせる壮大な伽藍のようなところもあるものの引き締まったタイトな魅力も併せ持つすばらしい演奏で、両者ともにかなりインパクトのある演奏でした。今年も第九を聴きたくてチケットをとったというより、カンブルランの第九の公演情報をみつけて、いつもカンブルランが聴かせるフランスのエスプリのきいた色彩感豊かなオーケストレイションで聴く第九はどのようなものかとちょっと興味が湧いてきたのでチケットをとってみたというのが正直なところ。

当ブログの読者の方ならご存知でしょうが、カンブルラン/読響のコンサートには結構出かけています。

2012/04/16 : コンサートレポート : カンブルラン/読響の牧神の午後、ペトルーシュカ
2010/11/22 : コンサートレポート : カンブルラン/読売日響の朝、昼、晩
2010/07/14 : コンサートレポート : カンブルランのデュティユー
2010/05/01 : コンサートレポート : カンブルランのハルサイ爆演

スクロヴァチェフスキは別格としても、カンブルランのコンサートはこれまで、どれも期待を裏切らない素晴らしい充実ぶりで、毎回楽しめます。



今日は山ほど抱えた仕事があるにもかかわらず、定時で仕事を切り上げて、サントリーホールに向かいます。ストレス発散も重要ですから(笑)

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いつも通り開場直後にはホールに到着します。ホールの前の広場はクリスマスのイルミネーションで華やか。
いつも通りロビーでワインでも飲んでといきたいところですが、先日の観劇の際、ワインが効いてすっかり眠りこけてしまったのを思い出し、今日はぐっと我慢です(笑)

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今日の席は、オケのちょうど裏側。指揮者の表情がよく見える席です。テレビカメラが数台入っていたので、後日放送があるかもしれませんね。

プログラムは第九1曲のみ。合唱は新国立劇場合唱団。ソロはオール日本人。

ソプラノ:木下美穂子
メゾ・ソプラノ:林美智子
テノール:小原啓楼
バリトン:与那城敬

定刻になり、合唱団から入場してきますが、ステージ上だけでおさまります。サントリーホールでは合唱団がステージ後ろの客席にまで入る事も多いので意外とコンパクトな人数です。客席も9割5分とほぼ満員の入り。ソロの4人は最初から合唱団とオケの間に座りました。

1楽章はオケもちょっと緊張気味で、カンブルランの指示によるものでしょう、ヴァイオリンが押さえながらもインテンポでアクセントをつけながらメロディーを刻んでいきます。ヴィブラートは抑え気味で、テンポは速め。カンブルランらしくそこここに変化を付けてオケの色彩感を感じさせながら、ベートーヴェンの重厚な曲から重厚さを抑えて畳み掛けるように進みます。1楽章中盤にきて、オケがようやくフルスロットルになり、オケが炸裂し、ホール中に轟音が響き渡ります。いつものカンブルランの充実の響き。音楽の構造は前記事で取りあげたミヒャエル・ギーレンと似たものを感じますが、カンブルランの方がフランス人らしい華やかさを感じます。それもそのはず、カンブルランはギーレンが首席指揮者を務めていたバーデンバーデン・フライブルクSWR交響楽団のギーレンの後任の首席指揮者です。中盤以降はオケも落ち着き、カンブルランの指示に鮮やかに反応します。
2楽章は読響のティンパニ岡田さんの独壇場。独特のちょっと溜めのあるリズムでティンパニを打ち鳴らしまくります。冒頭から最後まで、速めのテンポでグイグイ攻め込みます。オケもティンパニも引き締まりまくって非常にタイトな演奏。素晴らしく充実したスケルツォでした。一度でいいので冒頭のティンパニの一撃を打ってみたいものです。
予想通りアダージョも速めで練る事はなく、全体の構造をクリアに表現することを狙っているよう。若干木管、金管の演奏に単調さが垣間見える瞬間もありましたが、まとまりは悪くありません。弦楽器はさざ波のような緻密な細かい波紋を美しく描くようでもあり、テンポの速さにも関わらず豊かな音楽を引き出していました。
そして、やはり終楽章は圧巻の出来でした。バリトンの与那城さんは日本人離れした声量と存在感。コーラスも非常にタイトな響きを聴かせ万全。なによりオケがキレキレ。普通はテンポを落としたり休符を長めにとるようなところも、あえて速めにつないで曲の一体感ある響きに拘ったカンブルランのコントロールによって、長大な終楽章がコラールのような重厚かつめくるめくような響きの波と鳴って次々に迫ってきます。ドイツ的重厚さとはかなり異なる夢見るような陶酔感すら感じる盛り上がり。もちろんカンブルラン流のフレージングでオーケストラの響きには色彩感が鮮やかに浮かび上がり、何より素晴らしいのが怒濤のエネルギー感。終楽章が進むにつれて音量は徐々に上がり、最後に至ってはホールを吹き飛ばさんばかりに炸裂。やはりオーケストラ曲としての迫力も素晴らしいものでした。もちろん観客からは割れんばかりの拍手が降り注ぎました。

同じ第九ながら聴かせどころはホグウッドともスクロヴァチェフスキとも全く異なり、期待したカンブルランらしい現代的でスタイリッシュかつ華やかな第九でした。やはり生はいいですね。



今日は第九1曲なので比較的早くホールから出たため、食事にはいろいろ選択肢がありました。ただ、良く寄るアークヒルズ内のオーバッカナルは満席で、なかなか料理が出てきそうにもないので、やむなく同じくアークヒルズ内のとんかつ和幸に入りました。

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まずは生で乾いた喉を潤します。

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そして私はおろしヒレカツ御前。嫁さんはカキフライ盛り合わせ。ステーキもとんかつもあまり食べませんが、食べる時は大根おろしと醤油のことが多いです(もう年ですから、、、)

程なく満腹となって、家路につきました。

東京は外はかなり冷え込むようになりましたが、電車の中が暑い! 暑い電車と寒い外気に繰り返し当たるのは体に良くなさそうですね。来週は仕事納めになりますが、無事納められるよう、風邪をひかないようにしなくてはなりませんね。

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プロフィール

Daisy


Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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2016年9月のデータ(2016年9月30日)
登録曲数:1,361曲(前月比+3曲) 登録演奏数:9,608(前月比+87演奏)
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