ホーネック/紀尾井ホール室内管の受難など(紀尾井ホール)

コンサート記事が続きます。

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紀尾井ホール室内管弦楽団 第112回定期演奏会

ライナー・ホーネック(Reiner Honeck)指揮の紀尾井ホール室内管弦楽団による、紀尾井ホールでのコンサート。ホーネックもこのオケも紀尾井ホールも初めて。プログラムにハイドンが入っていたので、お手並み拝見と言うことでチケットをとってあったもの。プログラムは下記の通り。

ハイドン:交響曲第49番「受難」
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番
ピアノ:アレクセイ・ヴォロディン(Alexei Volodin)、トランペット:古田俊博(Toshihiro Furuta)
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」

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紀尾井ホールは四谷から中央線と上智大学の間を歩いてニューオータニに突き当たるちょっと前にあります。運営は新日鉄住金文化財団ということで、トッパンホール同様企業の文化施設のようですね。いつものように開場時間にはホールについて、一杯やって聴覚神経にスイッチを入れます。
サントリーホールで赤ワインを頼むとよく冷えて(笑)でてきますが、こちらは赤ワインと頼んだら冷えたものと常温のどちらが好みか尋ねてくれる親切さ。もちろん常温でとお願いして、適温のワインを楽しむことができました。飲み終わったグラスを気配を察して取りにきてくれるなど、ほかのホールでも見習って欲しいですね。

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この日の席はステージ上手の2階席で、ちょうどステージを見下ろす好みの席。紀尾井ホールは客席数が800と言うことで、小規模オケにはぴったりのサイズ。内装も綺麗でなかなかいい感じですが、2階席の手すりがちょうど視線を遮るところにあって、ちょっと鬱陶しいのが惜しいところ。

先日のレ・シエクルが開演前からステージ上で盛大に練習してたのとは対照的に、オケは定刻に皆そろって登壇。入場時に拍手が起こるもの一部のオケでは定番なのでしょう。

さて、ホーネックが登壇して、期待のハイドン。ホーネックは短めの指揮棒を持っての指揮。1楽章のアダージョはちょっとリズムが重い感じで入ります。1曲目なので、まだオケがちょっと硬い感じ。演奏は現代楽器によるオーソドックスなもので、安心して聴いていられるものですが、ハイドンのこの時期の曲に特有な仄暗い感じはあまりせず、オケの鮮明な響きでくっきりとした表情。先日聴いたマルクス・シュテンツが振った哲学者の演奏では、パート間のやり取りにスポットライトを当ててハイドンの曲の面白さを際立たせていたのと比べると、ちょっと工夫がない感じ。テンポが上がる2楽章のアレグロでもキレ味を感じさせるほどではなく、終楽章になってようやくオケが目覚めた感じ。ハイドン目当てでとったチケットでしたが、ハイドンは前座な感じでした。

驚いたのが続くショスタコーヴィチのピアノ協奏曲1番。奏者であるアレクセイ・ヴォロディンにも馴染みはありませんが、曲はアルゲリッチのハイドンのピアノ協奏曲のCDに含まれていて、聴いたことはなくはないと言うレベル。いつものように虚心坦懐に聴きましたが、ピアノのアレクセイ・ヴォロディンはロシア出身だけあって、力強いタッチでこの曲は得意としているよう。オケの方は先ほどのハイドンの時とは冴え方が段違いでキレキレ。もちろん曲の違いもありますが、このオケが名手揃いであることがわかりました。ホーネックはなんとなく古典が得意なのではと言う先入観がありましたが、さにあらず。このショスタコーヴィチは見事でした。ちなみにこの曲はピアノに加えてトランペットもピアノの横に座ってソロ扱いになる珍しい曲。

休憩時間にプログラムのオケのメンバー表をしげしげと眺めると、国内著名オケの首席奏者クラスがずらり。どおりで上手いわけです。

休憩後の田園は、実にオーソドックスな演奏。ハイドンの時よりもしっくりとくるフレージングで、ホーネックも得意としているように見受けました。聴きなれた田園の聴きなれた演奏に安堵感に包まれる感じ。この観客もこの田園はゆったりと楽しんで聴いていたように思います。4楽章の雷雨、嵐の荒れ狂う表情から5楽章の牧歌の幸福感に満ちたメロディーに至る展開も流石の盛り上げ方。実に完成度の高い演奏で終えるかと思いきや、ホーネック、肝心の最後でタクトを落とすハプニング。高雅に締まるはずが、最後は微笑ましい終わり方でした。もちろん観客も一瞬のハプニングに驚いたものの、それまでの素晴らしい演奏を称えて盛大な拍手で迎えました。

ウィーンフィルのコンサートマスターだったライナー・ホーネックの振る紀尾井ホール室内管ですが、ハイドンやベートーヴェンが良かろうとの期待でチケットをとりましたが、意外にも最も良かったのはショスタコーヴィチ。ベートーヴェンは流石に見事でしたが、ハイドンにはひらめきが少し足りませんでした。オケの方は名手揃いで素晴らしい実力。これはもう一度聴かねばなりませんね。



コンサート終了後、外に出てみると霧雨が降っていましたので、向かいのニューオータニの馴染みのとんかつ屋さんに寄ろうかと思って行ってみると、すでに暖簾が降りていたので、仕方なく赤坂見附方面に歩いて、こちらも馴染みのオーバカナルの紀尾井町店に寄ってみることに。

AUX BACCHANALES

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オススメのオランダグロールシュビールなどで乾杯。

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ニース風サラダを頼んだら、巨大なサラダが出てきてびっくり(笑) どこがニース風かと調べてみると生野菜にオリーブを使ったサラダがニース風とのことで、名に偽りなし(笑)

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オムレツも巨大でした(笑)

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ハウスワインをお代わりして、、、

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最後はカツオのグリエ。皆ポーションが大きいのでこれでお腹いっぱいでした。昔は頼んでから料理が出てくるまで時間がかかった記憶があるのですが、今回はサクサク出てきてお酒もワインも楽しめました。





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イェンセン/読響/シュタイアーのモーツァルト、ショスタコーヴィチ(サントリーホール)

昨日は仕事山積みのなか、そそくさと切り上げてチケットをとってあったコンサートにでかけました。

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読売日本交響楽団:第548回定期演奏会

お目当てはフォルテピアノで自在な演奏を聴かせるアンドレアス・シュタイアー。あまりよく考えずにシュタイアーのフォルテピアノを生で聴いてみたいと思ってチケットをとったんですが、ホールに入ってステージに準備されていたのはフォルテピアノではなくピアノ! 先入観からシュタイアーはフォルテピアノを弾くイメージしかなかったため、ちょっと裏をかかれた感じ。プログラムはよく見てチケットを買わなくてはいけませんね(笑)

曲目はモーツァルトのピアノ協奏曲17番とショスタコーヴィチの交響曲7番「レニングラード」。まあ、このコンサートの来場者の半分以上はショスタコーヴィチ目当てかと思われますが、私はあまりそちらに関心はありませんでした。ハイドンやモーツァルト、ベートーヴェンは好きですし、ブルックナー、マーラー、ファリャ、プロコフィエフ、ストラヴィンスキー、デティユー、メシアン、ブーレーズも守備範囲ですが、正直ショスタコーヴィチは守備範囲外です(笑) 唯一好きなのは交響曲9番とショスタコーヴィチでは変り種。ということで、事前の関心はもっぱらモーツァルト。ショスタコーヴィチは完全にオマケあつかいでした。

奏者についても、この日の指揮者、エイヴィン・グルベルグ・イェンセンは読響初登場ということで、未知の若手指揮者を聴くのも悪くないという程度。

しかし、この日のコンサートで衝撃を受けたのはエイヴィン・グルベルグ・イェンセンのショスタコーヴィチでした。



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いつもどおり、仕事を切り上げてサントリーホールについたのは開演15分前くらい。先に入っていた嫁さんが首尾よくドリンクコーナーでサンドウィッチとワインを注文して待ってましたので、軽く腹ごしらえして、いざホールに入ります。座席はお気に入りのRA席。この日は前から2列目でした。

1曲目のモーツァルトの17番。全く未知のイェンセンでしたが、モーツァルトの序奏からいきなりしなやかな響きを聴かせ、引き込まれます。読響がまるでウィーンフィルのように柔らかに、しかも非常に美しい音色に響きます。優雅にのびのび、しかも要所でクッキリ緩急とアクセントをつける見事なコントロール。イェンセンの略歴を見ると直前までハノーファー北ドイツ放送フィルの首席指揮者を務め、また多くの歌劇場でオペラを振ってきただけにオケを実に巧みにコントロールします。かなりアクションは大きいのですが、動作が流麗なので指示が非常にわかりやすいです。ピアノソロは、ピアノの蓋が正面に向けて開けられていたのでRA席からだと直接音があまり聴こえず、ホールに響くピアノの音を聴く感じ。ピアノ協奏曲の時はRA席ではない方がいいかもしれません。肝心のシュタイアー、手元にある多くのフォルテピアノの録音では鮮烈なキレと自在な緩急による素晴らしい演奏が多く、やはりそんな演奏を期待して聴いてしまうのですが、ピアノでのシュタイアーは、そうしたキレの片鱗を感じさせるものの、演奏スタイルはリズムを少し砕いて、力を抜いた大人な表現。まるで自宅でピアノを前に指慣らしをしながら軽くオケに合わせていくよう。モーツァルトを自身で楽しむような演奏でした。
1曲目のモーツァルトですが、印象に残ったのはイェンセンの繰り出すしなやかな音楽。読響もイェンセンに応えて素晴らしい出来。お客さんも万雷の拍手で演奏を称えました。シュタイアーも快心の出来だったようで、アンコールでモーツァルトのソナタK.330の1楽章が演奏され、こちらも力の抜けた流して弾くようなタッチで聴かせる大人の技。フォルテピアノの冴え渡るキレとは全く別のシュタイアーを楽しむことができました。

休憩の間にピアノが下げられ、ステージ上は大オーケストラ用の配置に転換されます。

オケが入場して、笑顔のイェンセンが颯爽と登場。守備範囲外のショスタコーヴィチをどう料理してくるのか恐る恐る聴き始めます。ショスタコーヴィチ独特の散らかり感ですが、イェンセンの非常に丹念な描写に、あっという間に引き込まれます。長大な(本当に長大!)な1楽章、中間部にラヴェルのボレロを丸ごとショスタコーヴィチ流にアレンジしたような曲が挟まりますが、オケの精度が素晴らしく、特に小太鼓が極度の緊張感の中一定のテンポでリズムを刻み続ける姿を観客も固唾を飲んで見守ります。のけぞるようにバックスイングをともなってオケを煽るイェンセンですが、紡ぎ出される音楽は素晴らしい精度。1楽章はパーカッション郡も金管も大活躍。そして何より素晴らしかったのが各パートの音色の美しさ。途中ヴィオラが奏でるメロディーには鳥肌がたつような美しさ。木管、弦楽器、そしてピアノまでが響きの美しさの限りを尽くした演奏。戦争をテーマにした抑圧された心情のこの曲のなかの一瞬のきらめきのような瞬間がそこここに降り注ぎ、不協和音のなかに虹が浮かぶような不思議な美しさがちりばめられます。読響は私が聴いたなかでは一番の精度。この難曲なのに完璧な演奏で指揮者の期待に応えました。圧倒的な1楽章から普通の長さの2楽章、3楽章、そして間をおかずにフィナーレに続き、最後はブルックナーばりの大伽藍。ホールを揺るがすような大音響がイェンセンに巻き取られて、しばしの沈黙。イェンセンがタクトを下ろした途端にブラヴォーの嵐が降り注ぎました。正直ショスタコーヴィチの真価を初めて身をもって浴びた感じです。もちろんショスタコーヴィチなど詳しいわけもない嫁さんも圧倒され、ワナワナしてました。

イェンセンも会心の出来に満足したようで、小太鼓を皮切りに全奏者を丁寧に指名して祝福。やはり奏者の努力があっての名演奏であることをよくわきまえているようで、なかなかの人柄であることもわかりました。スクロヴァチェフスキからカンブルランときている首席指揮者ですが、つぎはこのイェンセンなどいいかもしれません。

イェンセン、ショスタコーヴィチ、そしてシュタイアーを目一杯楽しめたコンサートでした。今後イェンセンからは目が離せませんね。



ということで、モーツァルトとショスタコーヴィチに酔いしれたコンサートでした。サントリーホールを出るといつものように目の前のアークヒルズのなかの適当なお店で夕食をとって帰ります。この日はおなじみのカレー。

食べログ:フィッシュ

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ここは遅くまでやっているのでコンサート帰りにたまに寄るのでですが、前より味が良くなってますね。まずはビールとコンビネーションサラダ。

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こちらが定番白身魚のカリーライス。揚げた白身魚の旨みがカレーにいい香りを加えていて、癖になる味。

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こちらはキーマカリーライス。なんでしょう、日本のカレーとはかなり異なる香辛料の強烈な香りをベースとしたカレー。こちらも旨いです。

ショスタコーヴィチに酔ったところでカレーを食べながら反省会。このあとの読響のスケジュールを見るとハイドンも幾つかあります。どうしようかな~(笑)

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なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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所有盤をジャンル別にリスト化しています。基本的に録音年順とし、録音年不明のものは末尾に記載。演奏者名はジャケットなどの表記に合わせています。

2017年7月のデータ(2017年7月31日)
登録曲数:1,361曲 登録演奏数:10,291
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