クイケン・アンサンブルによる「ロンドン・トリオ」

今日は好きなアルバム。

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クイケン・アンサンブル(The Kuijken Ensemble)の演奏で、ハイドンのフルート三重奏曲「ロンドン・トリオ」の4曲とおそらくハイドンの作ではないフルート四重奏曲Op.5の6曲を収めた2枚組のアルバム。収録は1992年の1月と3月、アムステルダムの西方10キロほどの街、ハールレムにあるVereenigde doopsgezinde Kerkという教会でのセッション録音。レーベルはベルギーのACCENT。今日はハイドンの室内楽の名曲ロンドン・トリオ4曲を取りあげます。ロンドン・トリオの演奏はフルート・トラヴェルソがバルトルド・クイケン(Barthold Kuijken)とマルク・アンタイ(Marc Hantaï)、チェロがヴィーラント・クイケン(Wielaand Kuijken)の3人。

ACCENTは私にとって憧れの神聖なレーベル。LP全盛期の1980年代はじめに代々木のジュピターレコードのご主人に教えていただいた当時は知る人ぞ知るレーベル。センスのいいジャケットと透明感溢れる素晴らしい録音のLPを何枚か薦められて手に入れました。穏やかな朱を少しさしたベージュのような微妙な色の地にギリシャ雷紋模様の縁取りがえもいわれぬ高貴な感じを与えて何とも所有欲を満たすレーベルでした。

その当時そのACCENTの代表的なアーティストがクイケン3兄弟でした。クイケンのアルバムは今でこそいろいろなレーベルからリリースされ人気のほどが窺えますが、このレーベルの雰囲気の良いジャケットとクイケンの清楚な音楽が非常に新鮮に感じられたものです。

ロンドン・トリオは1794年、ハイドンがロンドンに滞在している間に作曲したもの。2本のフルート・トラヴェルソとチェロのための4曲の三重奏曲。第1番と第2番は歌曲のHob.XXXIc:17「貴婦人の姿見」のメロディをもとにした変奏曲。ベルリンに保管されている自筆譜に「ロンドン、1794年」との注記があるとのこと。3番と4番も他の場所で発見されたが前2曲と明らかに同じシリーズのもの。

貴婦人の姿見の演奏は下記をご覧ください。

Hob.XXXIc:17a / "Lady's Looking Glass" 「貴婦人の姿見」 [D] (1791/95)

前置きはこのくらいにしてレビューに入りましょう。

Hob.IV:1 / Trio für 2 Floten (oder Flöte, Violine) und Violincello "London Trio" Nr.1「ロンドン・トリオ」 [C] (1794)
1番は3楽章構成。1楽章は2本のフルート・トラヴェルソの音階の織りなす素晴らしい音楽。クイケンとアンタイの息がピタリと合って、素朴なフルート・トラヴェルソの美音を満喫。チェロはキリッとしたリズムでサポートします。たった3本の楽器のアンサンブルですが、その奏でる音楽の豊かさは素晴らしいもの。ハイドンは楽器の音色に対する鋭敏な感覚をもっていたと思いますが、まさにフルート・トラヴェルソの音色の特色を存分に発揮した曲。
2楽章はアンダンテ。ぐっと沈み込む情感。3人の奏者が互いの奏でるメロディーをよく聴いて演奏しているような、完璧な音の重なり。
フィナーレはフルート・トラヴェルソの音階によってトランス状態に達しそうな独特の旋律。究極的な自然さ。各楽器のテンポの刻みの正確さと弾むようなリズム、自然なデュナーミク。そしてワンポイント録音のような極上の自然な響き。まさに室内楽の最高の楽しみを味わえる曲ですね。

Hob.IV:2 / Trio für 2 Floten (oder Flöte, Violine) und Violincello "London Trio" Nr.2 「ロンドン・トリオ」; [G] (1794)
2番はアンダンテとアレグロの2楽章構成。アンダンテは上記の「貴婦人の姿見」のメロディーそのままの曲。最近聴いたカークビーの美声の記憶が蘇ります。ハイドンのつくったメロディーの中でも最高に美しい曲の一つでしょう。フルート・トラヴェルソの奏でるメロディーもソプラノに劣らず素晴らしいもの。意識が天上に吸い寄せられていくような快感。脳内に静かにアドレナリンが広がる感じ。至福の一時です。雅な音色、完璧な演奏、技巧を超えた祈りにも似た純粋さ。アレグロは前楽章の変奏のようなフルート・トラヴェルソの音階を主体とした短い曲。前曲の興奮を鎮めるような曲。

Hob.IV:3 / Trio für 2 Floten (oder Flöte, Violine) und Violincello "London Trio" Nr.3 「ロンドン・トリオ」 [G] (1794)
第3番は再び3楽章構成。1楽章はスピリトーソ。快活なメロディーを2本のフルート・トラヴェルソが交互に押し寄せるさざ波ように呼応するように響宴。このメロディーのやり取りは録音で聴くのは惜しいですね。実演でのやりとりを実際に見てみたいです。美しいメロディーなのにスリリングな音楽的魅力もある演奏。
つづくアンダンテは前楽章の溌剌とした演奏を冷ますようにゆったりと落ち着いた音楽。フルート・トラヴェルソの中低域の美音を満喫できます。深い深い呼吸と吸い込まれるような間の織りなす究極のリラックス。フルート・トラヴェルソの持続音が永遠に続きそうな響き。
3楽章はアレグロ。今度は色彩感を鮮明にしようとするように吹き上がる音階の魅力。良く聴くと速いパッセージのメリハリのついた音量コントロールが非常に巧みで、自然な音楽が技術に裏付けられている事がわかります。

Hob.IV:4 / Trio für 2 Floten (oder Flöte, Violine) und Violincello "London Trio" Nr.4 「ロンドン・トリオ」 [G] (1794)
最後の曲は1楽章構成。アレグロでソナタ形式の構成。この曲でも冒頭からフルート・トラヴェルソの美音に耳を奪われます。交互に吹き上がるフルート・トラヴェルソの音階の美しさが絶妙。途中チェロのリズムがすこし練るように変化して変化をつけているのがわかります。

クイケン・アンサンブルの演奏によるハイドンの「ロンドン・セット」は室内楽を聴く最高の悦びに溢れた演奏。自然な感興、雅な音色、超自然な録音と素晴らしいプロダクションです。今更ながらハイドンの全盛期に書かれたこの曲の素晴らしさを再認識した次第。もちろん評価は[+++++]としています。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : ロンドン・トリオ ジュピターレコード

【500記事記念】ミハエル・ディトリッヒ/ウィーン・ベラ・ムジカ・アンサンブルの小品集

おかげさまをもちまして当ブログの記事も本記事で500件となりました。ということで今日は思い出のアルバム。

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このアルバム、何を隠そう私が自分で一番最初に買ったハイドンのアルバム。もちろんLPで、今でも手元にありますが、同一曲を収録したCDも先日ディスクユニオンで見かけてもちろんゲットしました。もとのLPは予備校生だったころ、代々木のジュピターレコードの奥さんにハイドンの良さを教えられて購入したもの。今思い返してみれば私のハイドンへの傾倒の原点たるアルバム。ブログの500件目の記事に何を取りあげようかと逡巡しましたが、やはり原点に帰るべきとの思いでこのアルバムを選びました。久しぶりに聴いて、涙がちょちょぎれそうです(笑)

今となっては、マニアックなアルバムからハイドンに入門したものです。一応ちゃんと紹介しておきましょう。

ミハエル・ディトリッヒ(Michael Dittrich)指揮のウィーン・ベラ・ムジカ・アンサンブルの演奏でハイドンの珍しい室内楽曲を集めたアルバム。収録曲目は下記を参照ください。収録は1980年8月、場所は記載されていません。レーベルはharmonia mundi FRANCE。

このアルバムの聴き所はharmonia mundi FRANCEの素晴らしい録音。聴くのはCDが手軽でいいんですが、このLPはいまでも素晴らしい録音を味わえます。当時は長岡鉄男的興味もあり、フランスの香りのするLPを手に入れ大事に針を通したものです。

LP、CDともに演奏者の解説などないため今更演奏者についておさらいです。

ミハイル・ディトリッヒはポーランド南西部のシレジア地方の生まれで、ドイツ北部の街デトモルトおよびウィーンの音楽学校で音楽を学んだ人。学生時代ドイツ南部の街のチュービンゲンの室内オーケストラで、副コンサートマスター及び複指揮者を経験、またウィーン交響楽団のヴァイオリニストでもありました。指揮者としてのキャリアはハンス・スワロフスキー、オトマール・スイトナーなどによって鍛えられ、ジュリーニとも親交があったよう。このアルバムで演奏を担当するウィーン・ベラ・ムジカ・アンサンブルは1977年に彼の設立した団体で、歴史に忠実な演奏を旨とした団体。録音は多くの賞を受賞しており、NAXOSやMarco Poloにもヨハン・シュトラウスなどの録音を多数残しているようですね。

このアルバムではヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスにフルート、ホルン、ハープシコードにツィンバロムという打弦楽器を加えた不思議な響きのアンサンブル。ツィンバロムについてはリンク先をご覧ください。

Wikipedia:ツィンバロム

このアルバム、評価をするというスタンスにはなりません。ハイドンのことさら珍しい曲しか収められていないのに、不思議と溢れ出す音楽。そしてharmonia mundiの素晴らしい録音で捉えられた飛び切り鮮度の高い室内楽アンサンブルの響き。今聴いてもその素晴らしさは図抜けています。ジュピターレコードの奥さんの笑顔がまぶたに浮かびます。ただし、曲自体が作品表から特定できないものもあるなど、当ブログとしては難物として曲の登録が完了してません。今日は記念で取りあげたので判明した曲のみを取りあげるということでご容赦ください。アルバムとしては聴く価値十分なおすすめアルバムです。

Hob.IX:28 / 8 Zingarese ジプシー舞曲 (????)
今聴くと恐ろしく鮮明な弦楽器とツィンバロムの奏でるジプシー風舞曲。ディトリッヒの編曲によるものですが、ハイドンらしいというよりは音楽性豊かな舞曲として聴こえます。演奏者自身が楽しむために弾いているような曲。この曲は聴いていただかないとわからないと思います。ハイドンらしいという感じが不思議としない曲。ツィンバロムの鮮烈な響きがここ地位よい音楽。8曲の舞曲を次々とこなしていきます。

続く曲はライナーノーツをそのまま訳すと四季からのレンドラー。このアルバム以外に演奏がないと思われる曲。この曲は割愛(笑)

Hob.IX:29 / 6 Kontertänze (????)
つづいて5曲のコントラダンスとカドリール。この曲もこのアルバム以外に演奏がないと思われる曲。小規模なアンサンブルの魅力溢れる演奏。交響曲やオラトリオなど堅苦しい音楽とは無縁のくつろいだ音楽。おそらく宴席の食事の際に弾かれるような音楽。純粋に場を楽しむために書かれたBGMのような曲。演奏もそのような曲の位置づけを知ってか肩肘張らない演奏。

つづいて6曲のメヌエット。この曲もBGM風ののどかなメヌエット。2本のフルートのアンサンブルの美しい響きが聴き所。

5曲目はノットゥルノ。フルートとホルンのアンサンブルの妙。そして最後は6曲の舞曲。このアルバムのみで聴ける曲を収めているようで、最初に出会ったアルバムがハイドンの奥行きも示していたことになります。

今日は評価というより、私がハイドンを好きになる遥か前に後の趣向を決定づけることになった不思議なアルバムの紹介と言う図式です。誰しもいろいろなアルバムに様々な影響を受けていると思うとことさら珍しいことではありませんが、このアルバムの存在を知って、その価値がわかってくると貴重さがよくわかります。

さて、以前に特集を予告したお盆の集に入ったので、特集を決めなくてはいけませんね。また明日をお楽しみに!

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : 管弦楽曲 おすすめ盤 ジュピターレコード

クイケン/ラ・プティット・バンド1982年の天地創造ライヴ

今日は先週末、ブランデンブルク協奏曲を聴きにいってとてもいい印象を得たクイケンのアルバム。

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シギスヴァルト・クイケン(Sigiswald Kuijken)指揮のラ・プティット・バンド(La Petitte Bande)、コレギウム・ヴォカーレ(Collegium Vocale)の合唱によるハイドンのオラトリオ「天地創造」。収録は1982年10月7日、ベルギー東部の街、リエージュにあるリエージュ王立音楽院でのライヴ。今から29年前の演奏。ソロはソプラノがクリスティーナ・ラキ(Krisztina Laki)、テノールがネイル・マッキー(Neil Mackie)、バスがフィリップ・ハッテンロッハー(Philippe Huttenlocher)、そして合唱指揮にはフィリップ・ヘレヴェッへ(Philippe Herreweghe)の名が。レーベルはベルギーのACCENT(アクサン)。私がACCENTのアルバムを知ったのは、以前触れた代々木にあったジュピターレコードのご主人から教わって。思い入れのあるレーベルです。幸い古い演奏にもかかわらず現役盤のようです。

今はバッハの曲などでパートあたり一人などと極限まで絞った編成での演奏や、チェロの代わりにスパッラを用いるなど響きの軽さと透明感に対するこだわりのある演奏をしているクイケン。この約30年も前のアルバムでは、古楽器として標準的な編成でしょう。ライナーノーツのメンバー表を見ると、ヴァイオリンが15人、ヴィオラが5人
、チェロが4人、ベースが2人、トロンボーンが3人、コントラバスーンが1人の他は木管、金管は2人づつという構成です。

クイケンの指揮の特徴はさりげない、さらっとした演奏の中から滲み出る深い音楽性。淡々とすすめながらも徐々に音楽に巻き込まれていく感じが素晴らしいところです。先週のコンサートでも、クイケンのさりげないコントロールのマジックに引っかかりました。なんとなくクイケンを生で聴いて、芸術性の背景がつかめたような気がしたので、家に帰ってまず取り出したのがこのアルバム。手に入れたのは少し前。聴いたときは何となく迫力不足に聴こえたんですが、クイケンの真髄を聴けていなかったかもしれません(笑)

久しぶりに、このアルバムをCDプレイヤーにかけ、耳を峙てます。

Hob.XXI:2 / "Die Schöpfung" 「天地創造」 (1796-1798)
冒頭から、ちょっと聴くと大編成のオケと比べれば迫力不足には違いないのですが、良く聴くと非常に俊敏な各パート。現在のクイケンの演奏からすると、コントロールに若さがあり、十分ダイナミックで鋭さもあります。録音は若干音が固いと感じるところがなくはないんですが、十分にいい音。自然さを保ちながらもデュナーミクの幅が広く、また呼吸も深くフレーズをじっくり弾いていきます。驚くのはコーラスの透明感。さすがヘレヴェッへのコントロールと言うべきでしょう。
第2曲のウリエルのアリアは透明なマッキーの声が古楽器の演奏にドンピシャ。テンポ感も良くオケの推進力も手伝って快活な音楽に。
第4曲で登場するガブリエルのラキも古楽器に非常にマッチする透明かつ可憐な響きの声。ここでもコーラスが非常にキレのいいサポートで、オケ以上の存在感。
第6曲はラファエルのアリア。バスのハッテンロッハーは非常に柔らかい声。ちょっと声量不足にも聴こえますが、声の柔らかい響きは悪くありません。この辺にくるとオケが十分に暖まって、音楽がしっとりと落ち着いてきます。
第1部の聴き所、第8曲のガブリエルのアリア。ゆったりと進む伴奏に乗って非常に美しい声の余韻。十分にリラックスして伴奏に身を任せて歌うラキ。高音の自然な伸びは素晴らしい美しさ。
第10曲から13曲にかけての第一部締めくくりは、ことさら音響的な迫力ではなく、ゆったりと進める音楽的は迫力できかせる素晴らしい音楽性。余裕に溢れたコントロールでじんわり盛り上がる展開。流石クイケンというところでしょう。第12曲の輝かしい音楽では金管を朗々とならし、間をじっくりとって音楽を進めます。そして第13曲はクイケンにしては十分な起伏とメリハリ。メロディーに宿る光と影。単調におちいることなく、じっくりと歩みをすすめ、音響の迫力にたよらない素晴らしい精神的盛り上がり。最後に至って突然のギアチェンジでスピードアップ。ビックリしましたが、素晴らしい興奮。勢い余ってお客さんも拍手。

第二部は、じっくり、くっきりした入り。非常にテンポを落として、直前の興奮をなだめるような入り。通例CDの一枚目の後半に収録される第二部の前半部分。素晴らしい音楽を聴きながら徐々に盛り上がり、クライマックスで終わる天地創造の聴き所の一つ。ガブリエルのアリア、美しい3重唱、そして3重唱とコーラスと続きます。クイケンらしさが一番出た部分。さりげない演奏なんですが、じわりと味わい深く、音楽が湧き出てくるような一連の曲。最後のコーラスの迫力はなかなかのもの。
CDを変えてラファエルのレチタティーヴォから。抑えに抑えたテンポで静寂に消え入るような終わり。続く誉れ高いメロディーが噴出するラファエルのアリアのはじまりとの対比の効果を十分に狙った演出。ここでも音量ではなく曲想のメリハリでここまで聴かせる音楽性の深さに圧倒されます。レチタティーヴォをはさんで、またも誉れ高いウリエルのアリア。名曲の渦に次から次へと巻き込まれるような快感。レチタティーヴォをはさんで、コーラスと3重唱、コーラスとつづく第二部のクライマックス。曲ごとに非常に冷静にフレーズをゆったり刻み、まさに、クイケンのコントロールに完全に支配されている時間。素晴らしい濃密な時間。3重唱は圧巻の集中力。最後はハレルヤの寄せては返す波のようなコーラス。これほどまでに曲想をくっきりと落ち着きながら、しかも素晴らしい盛り上がりまで持っていくコントロール力は流石です。ここでも拍手喝采。

そして第三部。ウリエルのレチタティーヴォの入りから張りつめた緊張感。意外に大きなつくりの演出。カッチリメリハリをつけた入り。微風のようなウリエルの優しい語りかけるような入り。途中のホルンのメロディーの美しいこと。第三部は入魂の出来ですね。
有名なアダムとエヴァのデュエットは他の演奏では単調な入りが多いものですが、かなり表情を丹念につけた伴奏が非常に効果的。伴奏と歌の絡み方は最高。コーラスが絡み音楽的興奮は最高潮に。この曲の盛り上がりは凄まじい迫力。このアルバムの印象を決定的に心に刻み込む素晴らしい演奏。
レチタティーヴォをはさんで、ふたたびアダムとエヴァのデュエット。こんどは憂いを含んだ美しい歌の響宴。このデュエットもさりげなく表情豊かな伴奏に支えられてこの世のものとは思えない美しさ。伴奏によっていかに歌が生きるかを思い知らされる瞬間。そして最後のレチタティーヴォをはさんで、終曲。渾身の力でティンパニと金管が空間を震わします。神々しい光のなか音が天上に昇っていく姿をながめるような終曲。最後は再び渾身のアタックで終了。最後も盛大な拍手に包まれます。

いやいや、だれがどう聴いたら迫力不足なんでしょう。クイケンのコントロールには徐々に灯がともり、後半にいくに従って表現の幅と音楽が深くなります。第三部の最初のデュエットの出来は感動的。ハイドンの音楽が満ちあふれてくる至福の瞬間。音は時代なりにちょっと古いんですが、このライヴは後世に残すべき素晴らしい演奏であることは間違いありませんね。そしてヘレヴェッへが担当するコーラスの美しさも聴き所。評価は以前より上げて[+++++]としました。生のクイケンを聴いて、久しぶりに取り出してみたこのアルバム。聴き手の器をためすような、奥行きの深い名演でした。ちなみに、この演奏、「ハイドン入門者向け」タグも進呈です。すべての人に聴いていただきたい素晴らしい演奏です。

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tag : 天地創造 ライヴ録音 古楽器 ハイドン入門者向け ジュピターレコード

ヴンダーリヒの四季

今日はフリッツ・ヴンダーリヒの歌うハイドンのオラトリオ「四季」。

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このアルバムは最近手に入れたもの。2010年7月発売のものです。
指揮はハンス・ミュラー=クライ、オケは南ドイツ放送交響楽団(シュトゥットガルト放送交響楽団)、合唱はヘッセン州立放送合唱団。録音は1959年5月24日。今から51年以上前の録音ですね。
ソロは、ルーカスがフリッツ・ヴンダーリヒ、ハンネがアグネス・ギーベル、シモンがキース・エンゲン。もちろんアルバムのジャケットがヴンダーリヒであるように、このアルバムはヴンダーリヒを聴くべきアルバムでしょう。

ヴンダーリヒについて調べると、いくつかサイトがありました。

Wikipedia:フリッツ・ヴンダーリヒ
Fritz Wunderlich - The Great German Tenor(ファンサイト英文)

後者のディスコグラフィを調べると、ヴンダーリヒのハイドンは、四季については本アルバムの演奏のみ。天地創造は以前取り上げたカラヤンとの2組のアルバムの他に、58年にハイティンクとも演奏した記録があるようで、こちらはリリースされたことがない模様。他にテレジアミサ、戦時のミサなども同様演奏記録があるようですね。

ヴンダーリヒといえば、もちろんカラヤン/ベルリン・フィルとの天地創造ですが、私が一番聴き込んで来たのはクレンペラー、ルートヴィッヒとのマーラーの大地の歌。最初は代々木のジュピターレコードで購入した、仏パテ盤のLP。素晴らしくクリアな美音で、そしてヴンダーリヒの絶唱で大地の歌の神髄を堪能しました。このアルバムは特別音が良く、今でも手放せませんね。

さて、本アルバムの演奏ですが、放送用の録音とのことで、ミュラー=クライの四季は非常に安定したオーソドックスなもの。奇を衒ったところは微塵もなく、安定感重視の演奏。録音はモノラルで、少々眠い感じもありますが、音楽を楽しむのには支障はありません。

ヴンダーリヒ目当てでしたが、またもソプラノのギーベル、バスのエンゲンともにいいですね。ヴンダーリヒの夢のような美声、ギーベルの透明感溢れる可憐なソプラノ、エンゲンのバスは高域の伸びが非常に美しく、歌手は粒ぞろいですね。ギーベルは好きなタイプの声ですね。
トラック5のシモンのアリア(驚愕の2楽章がモチーフとなっている曲)、バスのソロながら非常に華があっていいですね。つづくトラック6のレシタティーヴォでヴンダーリヒの更なる美声に切り替わり、トラック7の3人の合唱に入り、ハンネが加わるまでの流れ、まさに美声の競演の趣。
トラック10の春のクライマックス、特徴的な低音弦のメロディーを迫力で聴かせるというより、バランス重視のまとまりのよいクライマックス。そういった意味ではミュラー=クライのコントロールはよく利いていることになりますね。

もしかしたら、ハイドンが天地創造で頂点を極めた後の,力を抜いて農民の日常の悦びを描いた四季の本質をついた表現なのかも知れませんね。

夏以降も基本的に同様の進行。評価は[++++]としました。歌なら文句なく[+++++]なんですが、オケと指揮の一段の覇気が欲しいところと少々古めの録音であることで、少々割り引きです。
タグにはおすすめ盤をつけました。ヒストリカルな演奏が好きな方にはおすすめです。


今日は仕事は所用にて午後半休。実家の用事をすませて、地元府中のなじみの韓国料理「陽だまり」へ。

食べログ:韓酔房 陽だまり

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実家でビールを飲んできたので、最初は柚子サワーから。

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手羽先。韓国風に辛いタレがからめてあり、美味。

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チャプチェ。味がしみていい感じ。

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カンジャのチヂミ。豚とジャガイモ。ここのチヂミはほくほく感があって絶品。

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少し飲み足りなかったので、生姜酒をオーダー。赤いふたの大瓶が生姜酒。大量の生姜を漬け込んだお酒。お湯割りをすすめられたので、素直にお湯割りに。飲む前から生姜の香りがすごい。暑い日にこうゆうのもいいものです。飲んだ後体中ぽかぽか。

ぽかぽかな余韻の中、四季の名演奏を聴きブログ執筆。
明日一日働けばまた土日ですね。お盆にお勤めのサラリーマンの皆様は、ハイドンの時代で言えば立場は農民。働く悦びを感じながら、お盆もともに働きましょう(笑)

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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買い物はどこで?(過去編)

LP時代は、ジュピターレコードで輸入盤の海に出会ったことから始まりました。

その後、LPを手に入れるのに通ったのは秋葉原の石丸電器ですね。輸入盤の圧倒的な在庫量に目もくらむ想いで通いました。

その後時代はCD時代へ変わり、タワーやHMV、Virgin、WAVEなどの大型店が次々に各所にできて、また、山野楽器や新星堂なんかも輸入盤を扱い始めました。その中で記憶に残るお店を。

まずは、インパクトからいくと新宿丸井の地下にあったころのヴァージンメガストアでしょうか。
クラシックの売り場面積はさして広くなかったんですが、とても魅力的なお店でした。なんといっても良かったのは乱れ飛ぶ手書きのポップ。次々とリリースされるライヴ盤の情報をつたえるポップに、つい手が伸びて、いろんな名盤に出会いました。カルロス・クライバーのライヴ盤や、珍盤奇盤の多くはここでポップをみて衝動買いでした。このお店ほどキレるポップが並ぶお店はありませんでしたので、ついつい寄ってしまうような不思議なお店でした。今はヴァージン自体に勢いがなくなってしまい残念です。

それから六本木WAVE。今の六本木ヒルズの入口あたり。六本木東京日産ビルの並びにありました。
モーツァルト専門のコーナーについては以前触れた通りですが、当時の職場から近かったこともあり、かなり通いました。クラシックだけじゃなく、現代音楽や1階のワールドミュージックのコーナーにもだいぶお世話になりました。モーツァルトの神髄はここで教わった気がします。

渋谷東急ハンズそばののフリスコもいいお店でした。とっても狭いお店でしたが、壁一杯にディスプレイされたCDに圧倒され、ずいぶん買い物させていただきました。ここで買い物して近くのゴールドラッシュや竜の髭、インドカレーのラージマハールによくいきました。こちらの店長はしばらく有楽町のHMVにいらっしゃった気がします。いろいろ教わりありがとうございました。

あとは、吉祥寺新星堂。駅横の31アイスクリームの上にあったクラッシック専門の売り場です。静かな売り場にいつもいい音楽が流れて、いろんなことを気軽に相談できる店員さんがいました。今新宿のユニオンにいる方がその方がそうだったんじゃないかなと思いますが、記憶違いかもしれません。ここでもいいアルバムをいろいろ教えてもらいました。感謝感謝です。

それから、渋谷宮益坂を登りきった先のマンションの2階にあった小さな輸入CD専門のお店、すいません名前が思い出せません。ここではクレンペラーやクナ、セル、カンテルリの古い録音をいろいろすすめてもらいました。

変わったところでは仙台の一番町のHMV。仕事で2000年から数年仙台に住んでた時に通いました。ほぼここしかクラシックが選べるお店がなく、東京とはやはり在庫量が違いますが、なぜか不満もなく、ずいぶんお世話になりました。
女性のスタッフがほぼ一人で仕切っていろいろやりくりしているようでしたが、少ないながらもそれなりに考えられた売り場はいつ通っても魅力がありました。仙台生活に潤いをもらった気がしてます。目のクリッとした小柄な女性のスタッフの方はまだいらっしゃいますでしょうか。よい思い出です。

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買い物はどこで?

最近CDを手に入れるのは専らネットショップになってます。最近はほとんどHMV ONLINEです。

クラッシックのCDだと、現状タワーやアマゾンと比較するといろんな点でHMVが便利なんじゃないかと思います。
以前は使いにくいと感じていましたが、少しずつ改良され、今はほとんど問題ありません。

ネットショップを利用するのは、

1.ダブり買いのリスク回避
2.物理的に買い物に行く暇がなかなかとれない
3.最近はショップよりネットの方が多少安い
4.ポイントの呪縛にハマった

というところでしょう。
ハイドンばかり集めてると、ダブり買いは結構なリスクで、おっとこれはいいなんて思って手に入れても、同じものが家にあったなんてことは1度や2度ではないため、結構重要なファクターです。

ただし、お店にいっていろいろ手に取って吟味するのも不可欠なので、やはりショップも利用します。

私は東京在住なので、現在でもいろんなお店にいきますが、最近では大規模チェーンが多くなり、個性的なお店が少なくなってきているんじゃないでしょうか。現在よく使うお店やこれまで利用したお店について少し触れておきましょう。

通勤などの都合で、今よく立ち寄るのはタワーレコードの新宿店です。

売り場の配置に慣れているので、買い物がしやすいのが一番の理由ですが、タワーレコードでも新宿店は私にとってはちょっと別格の存在です。新宿駅南口横のビルでクラシック売り場は9階にあるんですが、9階売り場のレジのスタッフの皆さんの対応はいつ買い物しても、ほんとにすばらしいです。別に夢のような接客をしてもらえる訳ではないんですが、どなたも非常に丁寧で、淡々とレジをうち、丁寧に袋につめてもらって、最後に深々と礼をされる、ただそれだけなんです。が、スタッフ全員の方から音楽のCDを買うお客さんに対する深いリスペクトの姿勢と言うか、何かを感じるんですね。これは私はとってもうれしい。だから私は同じCDをお店で買うならタワーの新宿でとなっちゃう訳です。きっとすばらしい管理者の方かキーマンの方がいて、音楽を売るという仕事の本質的なミッションにもとずいたスタッフ教育を徹底されているんじゃないかと想像してます。

同じタワーだとあとは渋谷店にもたまにいきます。品揃えは新宿店よりかなり充実してますので、たまにいって珍しいものをいくつか仕入れるという感じでしょうか。ただ、新宿店で感じるあの感じは、渋谷店では感じられない。どちらもごく普通の対応なんですが、何かが違います。結局、品揃えは多いのに、いく頻度と買う量は新宿店の方が多くなっちゃってます。

新宿だとあとは、紀伊国屋書店横のディスクユニオン。中古盤の宝庫ですしいつも混んでいて熱気があります。ただ、私自身は中古盤はあまり好きではないので、ごくたまに、隣のオーディオユニオンを覗いたついでにいく程度です。同じCDを買うなら、演奏者に印税が入るような買い方をしたいというのが本音です。音楽が好きなものとして、音楽を仕事にしている人はもちろんどんな方であってもリスペクトの対象です。だから、廃盤のものや珍しいもの以外は中古盤には手を出さないようにしてます。

HMVはネットではメインですが、お店は最近ほとんどいかなくなってしまいました。高島屋の新宿店もメトロポリタンプラザの池袋店も以前の活気が亡くなってしまい、品揃えなんかもタワーに比べて明らかに見劣りするようになってしまったからです。

秋葉原の石丸電器はLP時代からたまにいってましたが、最近はあまりいってません。客層が外資系のチェーン店とはちがうためか、輸入盤にすべてお店の背表紙がついていて、私なんかにはレーベルの背表紙が見えなくてかえって選びにくく、買い物しにくいのが大きいです。おそらく人によっては、とてもいいシステムなんだと思いますが、私に合わないだけだと思います。お店自体はとてもいい店だと思います。

あと、最近いかなくなったのは山野楽器ですね。銀座ではなく、調布とか府中とかの郊外店ですが、以前は輸入盤もいろいろおいて、結構安い値段で気軽に買い物できたんですが、今はほとんどのお店からクラシックの輸入盤がなくなってしまい、魅力がなくなってしまいました。

ハイドンにハマるきっかけとなったのが代々木のジュピターレコードだった話は以前しましたが、今はない特色あふれるお店にについても、少し触れておきたいんですが、時間も遅くなりましたので、また明日にでも。

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私はなぜハイドンにはまったのか?-3

新鮮でした。モーツァルトにちょっとあきた耳に疾風怒濤期のハイドンの交響曲集は。
天真爛漫の限りを尽くしたモーツァルトの初期の交響曲に対して、何かほの暗い響きの中に明確な構成を感じさせる簡潔なのに複雑でもあるメロディ。ラメンタチオーネ、受難、悲しみ、告別、そして火事、マーキュリー、マリアテレジア。

いきなり、すっかりはまりました(笑)

ピノックの交響曲集がでる度に手に入れ、そして、大山脈のようなドラティの全集へ。
当時DECCAの輸入盤がCD4枚組がだいたい6400円くらいで店頭に並んでおり、1巻づつわくわくしながら買い集めました。ピノックの颯爽たる演奏とはうって変わって、古老の楷書の達筆のようなドラティの全集は、全く異なる魅力を放ってました。
そして、ウィーンコンツェルトハウスの四重奏曲集やリヒテルのピアノソナタ、カラヤンの天地創造などハイドンの様々な魅力を知るにつれ、ようやくジュピターレコードの奥さんが言われていたハイドンの魅力がわかった気がしました。

もとより、気に入るとのめり込む性格ゆえ、以降ハイドンの膨大な作品の膨大な演奏を少しずつ集め続けています。
モーツァルトでは一度明らかに飽きたんですが、ハイドンは不思議と飽きることなく、聴き続けてます。

おそらくモーツァルトに比べて作品の幅が広く、時代やジャンルにより曲調も変化があるのが一因じゃないかと思ってますが、一番大きいのは、素朴かつ暖かみ、人間味あふれ、几帳面かつ努力家であったであろうハイドンの本質的な魅力が、私にとってはモーツァルト以上に価値があると思えるからなんじゃないかと思ってます。

私がハイドンにはまるきっかけをいただいたジュピターレコードのご主人と奥さんはどうされているのやら。もう30年もまえのことでもあり、当時確か定年近い年齢でお店を開かれたようなお話だったゆえ、お元気だったとしてもかなりのお年だと思います。
どうか、お元気でいらっしゃいますように。

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私はなぜハイドンにはまったのか?-2

(昨日のつづき)
実はジュピターレコードでハイドンのレコードを買ったのは数枚で、それも今思うとずいぶん特殊なものだったので、奥さんが言われたハイドンの面白さを自ら実感することはありませんでした。
大学に入って代々木を離れた以降も、時折ジュピターレコードに通い、バイト代やら奨学金やらでモーツァルトなどを中心にずいぶんLPを集めました。しかし、その後時代は徐々にCD時代に突入。ジュピターレコードもLPの衰退とともにお店をたたまれる決断をされるなど、大きな変化の時代となりました。

会社に勤めるようになってからは、当時のクラシックの殿堂であった今は亡き六本木WAVEがジュピターレコードに代わるお気に入りの立寄りスポットに。当時はモーツァルトの盤のみあつめたモーツァルトコーナーやすぐ隣に現代音楽のコーナーがあり新たな刺激をうけるように。モーツァルト没後200年の1991年頃までには、モーツァルトのほとんどの曲のCDを手に入れ、まさにモーツァルト漬けの状態。特に以前数枚のLPでその素晴らしさを知ったホグウッドのモーツァルト交響曲全集や、ガーディナーとビルソンのピアノ協奏曲全集で、モーツァルトの初期の曲の面白さにめくるめく喜びを感じて聴きまくってました。何たる響きの変化!

しかし、その頃あまりにモーツァルトに偏って聴いていたためか、当然のごとく、反動で次第に飽きるようになってしまい興味も次第に薄れてしまいました。

そんな状態のなか、ふとした弾みで買ったアルヒーフのピノックのハイドンの疾風怒濤期の交響曲集の1枚が、その後ハイドンにのめり込む決定的なインパクトをもたらしました。(まだつづく)

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私はなぜハイドンにはまったのか?

禅問答のような、来訪者の素朴な疑問のようなこの質問にこのBlogの著者として答えておくべきなんでしょう。質問への正直な答えを、時代をさかのぼりながらたどってみましょう。

親の影響もあり、クラシック自体への興味は小学生の頃からありました。家には普通の家庭にしては十分立派なオーディオセットと多数のLPがあり、見よう見まねでレコードを聴いたりしていました。

自分自身で一番最初に買ったLPはカラヤンのブルックナー4番の国内盤LPでした。
高校受験の帰りの開放感から、当時の小遣いからすると大枚はたいた感満点の買い物です。針を落とした瞬間の驚きは今でも忘れません。スピーカーの遥か奥からベルリンフィルの透明な弦のさざ波とホルンの旋律がきこえた瞬間、FMでエアチェックしたコンビチュニーの同曲との解釈の違いに腰を抜かしたものでした。
すぐに感化され、当時メジャーだった、カラヤンとかベームとかメータやらのLPを少しずつ買い集めて楽しんでいました。

そんなこんなで少しづつベートーベンやら、マーラーやらいろいろLPを買い集めるなか、大学受験で浪人し、代々木の予備校に1年間通うことになりました。
代々木に毎日通ううち、当時代々木駅のすぐ近くビルの2階にあった、クラシック輸入盤の専門店「ジュピターレコード」を知り、予備校帰りによく寄道するようになりました。それほど広くない店内でしたが、今まで見たこともない輸入盤の数々に目のくらむ想いでした。ほどなく店内のビクターSX-3から流れるモーツァルトの調べに魅せられるようになり、モーツァルトに感心を持つようになりました。
小さなレコード店の良さで、ジュピターレコードのご主人がお客さんに「これはいい」とか、「これも聴いてみてください」というように気さくに話してくれるので、このお店でいろいろ教えてもらいました。ショルティの魔笛のドイテコムの夜の女王のアリアや、オワゾリールからリリースされ始めたのホグウッドの初期交響曲集の新鮮な響きなど、すばらしい演奏を教えていただきました。店内ではハイドンの曲も時折流れており、奥さんがハイドンはとてもいいと言われていたのが、何かとても気になっていました。(つづく)

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プロフィール

Daisy


Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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