【新着】野々下由香里/桐山建志/小倉貴久子の歌曲集(ハイドン)

今日は最近仕入れた珍しいアルバム。

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浜松市楽器博物館コレクションシリーズ52「スクエアピアノとイギリス家庭音楽の愉しみ」と題されたアルバム。収録曲目はハイドンの歌曲3曲、クラヴィーアソナタ1曲、他にクレメンティ、ヨハン・クリスチャン・バッハのクラヴィーアソナタ、モーツァルトの歌曲、キラキラ星変奏曲などを収めたアルバム。収録は2013年1月2日から4日、アクトシティ浜松音楽工房ホールでのセッション録音。浜松市楽器博物館オリジナルプロダクション。

もちろんハイドンの曲目当てということで手に入れたアルバムです。まずはこのアルバムをリリースしている浜松市楽器博物館について調べてみます。

浜松市楽器博物館

浜松といえヤマハ、カワイ、ローランドなど音楽に関係する企業の本社があるため、浜松市も「音楽のまち」として音楽で町おこしをしています。浜松駅前のアクトシティには立派なコンサートホールが2つもあり、また、この楽器博物館もそうした音楽振興の一環でつくられたものでしょう。浜松駅の北口からすこしのところに博物館があるそうで今年で20周年とのこと。今日取り上げるアルバムジャケットの右上にも楽器博物館20周年と誇らしげに記されています。ウェブサイトを見てみると収集している楽器はヨーロッパのみならずアジアやオセアニア、もちろん日本のものもあり、雅楽器から現代の洋楽器、電子楽器までと幅広いコレクション。そしてお気づきだと思いますが、今日取り上げるアルバムは浜松市楽器博物館コレクションシリーズのなんと52巻目ということで、楽器収集のみならず、こうしたプロダクションにもかなり力を入れていることがわかります。

このアルバムは楽器博物館の所蔵品である1805年クレメンティ社によって発売されたトーマス・ラウド(Thomas Loud)制作のスクエアピアノを演奏したもの。1806年といえばまだハイドンが存命、と言っても最晩年ですが、同じ時代のもの。スクエアピアノは現代のグランドピアノのような大型のものと異りリーズナブルな価格やコンパクトな形状からこの頃以降、イギリスの中産階級の家庭で大流行したとのことで、このピアノで歌曲などを楽しむというのは誠に理にかなったもの。所有する楽器の楽しみ方を心得たプロダクションですね。ライナーノーツには楽器の詳細な解説、演奏者の情報、曲目解説、歌詞まできちんと載せられ、しっかりとしたプロダクションであることがわかります。

演奏者について触れておきましょう。
スクエアピアノは小倉貴久子さん。コンサートや録音でご存知の方も多いでしょう。芸大、アムステルダム音楽院を卒業後、1993年ブルージュ国際古楽コンクールのアンサンブル部門、1995年同フォルテピアノ部門で1位となり、以後国際的に活躍しています。
ヴァイオリンの桐山建志さんは、芸大、フランクフルト音楽大学を卒業後、1998年同じくブルージュ国際古楽コンクールソロ部門で1位となった人。
そしてソプラノの野々下由香里さんは、芸大、パリのエコール・ノルマル音楽院を卒業、バッハ・コレギウム・ジャパンのソプラノソリストとして多くのアルバムの録音に参加しているのでご存知の方も多いでしょう。

Hob.XXXIa:112bis - JHW XXXII/3 No.262 "Green sleeves" (Robert Burns)
古楽器のヴァイオリン特有の鋭い音色と、フォルテピアノのような音色のスクエアピアノによる伴奏から入ります。ハイドンの編曲によるスコットランド歌曲集では本来チェロが入るのでしょうが、このアルバムではヴァイオリンが加わるのみ。ヴァイオリンの桐山建志さんは非常に存在感のある音色。メロディはシンプルなのにぐっと沁みるヴァイオリン。よく聴くとスクエアピアノはフォルテピアノと比べて特に低音部の迫力は抑え気味、楽器の大きさからでしょうか、優しい音色ですね。ただ驚くのは音色のピュアさ。よほど調律が追い込まれているのでしょう、響きに濁りがなく、高音から低音まで、実に気持ちよく響きます。録音はこうした楽器に焦点を合わせたプロダクションとしてはちょっと異例で、ホールでゆったり音楽を楽しむような残響が比較的多めの録音。もう少しスクエアピアノの音色をオンマイクで拾っても良いかもしれませんが、ゆったりと音楽を楽しむには絶好のもの。
ここまで歌に触れずにきましたが、このアルバムの聴きどころは野々下由香里さんの歌でしょう。出だしから素晴らしい歌唱。日本人の歌唱だと言われなければ気づかないほど自然な英語で、しかも古楽器に合う透明感のある声。私は野々下さんは初めて聴く人、と思ってバッハ・コレギウム・ジャパンの手元のアルバムを何枚か見てみたら、野々下さんの参加しているアルバムがありました。ということで、私は野々下さんは「意識して」聴くのは初めて、ということになります(笑)
このグリーン・スリーブスはおなじみのヴォーン・ウィリアムスのメロディーのものとは違う曲ですが、スコットランド歌曲集の特徴である郷愁を感じさせる独特な雰囲気を持っています。小倉貴久子さんのスクエアピアノは実に端正。最初はちょと踏み込み不足に聴こえなくもありませんが、聴きなおすと、清々しさを感じさせるような心地良さがあり、リズム感も抜群、そして音の粒が揃って、理想的な演奏。完璧な自然さとでも言ったらいいでしょうか。1曲目から素晴らしい演奏に酔います。

Hob.XXVIa:25 6 Original Canzonettas 1 No.1 "The Mermaid's Song" 「人魚の歌」 [C] (1794)
おなじみの曲。この曲の伴奏はスクエアピアノのみ。小倉貴久子さんの華麗な伴奏に乗って野々下さんも気持ち良さそうに歌います。スクエアピアノの音階が宝石のように光り輝き、美しく躍動します。この曲の伴奏の中ではピカイチ。前曲同様、非常に楽器の響きが澄んでいますね。3分少々の曲ですが既にうっとり。

Hob.XVI:41 Piano Sonata No.55 [B] (c.1783)
2曲の歌曲の後に2楽章のピアノソナタが入りますが、このあたりでスクエアピアノの音色を純粋に楽しめということでしょう。ここでも小倉貴久子さんのタッチは冴え渡って、まるで自分が所有する楽器のように馴染んでます。非常に演奏しやすそう。先日生で聴いたクラヴィコードもそうでしたが、家庭などの少人数で楽しむには必要十分というより、むしろ、この身近さがよりふさわしいと言ったほうがよいのでしょう、ほどほどのダイナミクスに透明な響き、楽器のそばで演奏を楽しむという意味ではピアノやフォルテピアノよりもふさわしいと思わせる説得力がある音色。それにしてもコピーではなく実際に1806年に製造された楽器ということで、この楽器のコンディションは驚異的。高音から低音までの音の素晴らしい音のバランス。ビリつきは皆無。実に澄んだ音色と三拍子そろっています。そして小倉さんの素晴らしい演奏で、楽器も喜んでいることでしょう。まさに自宅でハイドンのソナタを楽しむ境地。絶品。

この後、クレメンティ、クリスチャン・バッハ、モーツァルトの曲が挟まりますが、中でもクリスチャン・バッハのクラヴィーアソナタ(Op.5-3)のスクエアピアノから繰り出される色彩感豊かな響きと、モーツァルトのおなじみのキラキラ星変奏曲の純粋無垢な音色は秀逸。スクエアピアノのニュアンス豊かな響きに引き込まれます。

Hob.XXXIa:218 - JHW XXXII/5 No.388 "Auld lang syne" (Robert Burns)
アルバムの最後に置かれたスコットランド歌曲集から蛍の光。ヴァイオリンとスクエアピアノに乗って野々下さんの歌う、スコットランド風の蛍の光。いやいや、スコットランドの草原に立って風を浴びているような心境になりますね。名手3人が繰り出す自然な音楽の浸透力の素晴しさに打たれます。音楽の力とはすごいものですね。日本では卒業式の合唱か閉店のBGMのメロディでしょうが、こうしてソプラノとヴァイオリン、スクエアピアノでハイドンの手による伴奏で聴く蛍の光の深さはまったく異なる力をもっていることがわかります。いやいや、いいアルバムです。

まことに失礼ながら、浜松市楽器博物館コレクションシリーズというプロダクションから想像される出来とは異なり、まことに素晴らしいプロダクションでした。貴重なコレクションであろうこのスクエアピアノの素晴らしさを完璧に伝える好企画。しかも演奏者、選曲、楽器のコンディション、調律、録音、すべてお見事。公共の仕事でここまでレベルの高い仕事はそうあるものではありませんね。評価は全曲[+++++]です。これはこのシリーズの他のハイドンの録音、聴かなくてはなりません。

期待を込めてあえて一つだけ課題をあげればジャケットでしょうか。タイトルもスクエアピアノの写真をメインとしたデザインも悪いわでではありませんが、このアルバムの中身の素晴しさ、演奏者の素晴しさを伝え切れていない感じも残ります。このプロダクションにデザインの力が加われば世界で勝負できると思います。今後に期待です。

そして、この楽器博物館、一度訪れてみなくてはなりませんね。このアルバムから伝わる制作者の心意気、しっかり受け止めました。当ブログの読者のハイドン好きな皆さん、このアルバムは買いです。ハイドンの時代の空気を吸ったような気持ちになります。

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tag : スクエアピアノ スコットランド歌曲 英語カンツォネッタ集 ピアノソナタXVI:41

【新着】ドロテー・ミールズの歌曲集

実に久しぶりのレビュー。先月末から約1ヶ月、関西への旅行をきっかけに旅行記にかまけて、レビュー記事をアップしておりませんでした。純粋にハイドンファンの皆様には大変ご無沙汰をしておりました。しばらくはハイドンのレビューに集中したいと思います。

さて、今日は最近手に入れたアルバムから、お気に入りの一枚を取りあげたいと思います。

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ドロテー・ミールズ(Dorothee Mields)のソプラノ、レサミ・ド・フィリッペ(Les Amis de Philippe)の伴奏による、ハイドンの英語カンツォネッタ集から6曲、スコットランド歌曲集から12曲のあわせて18曲を収めたアルバム。収録は2013年2月18日から21日にかけて、ドイツ,ブレーメンの放送ホールでのセッション録音。レーベルはマイナーな曲を網羅的に録音している独cpo。

ドロテー・ミールズは1971年、ドイツのエッセン近郊の街、ゲルゼンキルヒェン生まれのソプラノ。バロック及び現代音楽をレパートリーとしているそうです。子供のころピアノとヴァイオリンを習い、歌をエッセンで習うとその後、いくつもの合唱団で経験を積み、ブレーメン芸術大学で声楽を学ぶようになります。大学では17世紀、18世紀の音楽に対する興味が増し、ハリー・ファン・デル・カンプ等に師事、卒業後はシュツットガルトでユリア・ハマリについて声楽を学びました。その後は古楽、現代音楽のコンサートで経験を積み、レパートリーはモンテヴェルディからブーレーズまでとかなり広く、手元のアルバムではヘンゲルブロックの天地創造でエヴァを歌っていました。

伴奏のレサミ・ド・フィリッペは、ヴァイオリン、ヴィオラ、フォルテピアノの3人から成る団体。メンバーは下記のとおり。

ヴァイオリン:エヴァ・サロネン(Eva Salonen)
チェロ:グレゴール・アンソニー(Gregor Anthony)
フォルテピアノ:ルドガー・レミー(Ludger Rémy)

この歌曲集、好きなハイドンの歌曲集ということで、注文を入れておりましたが、到着して聴いてみると、清透なドロテー・ミールズのソプラノの美しさのみならず、しっとりとした伴奏の美しさ、特に遅いテンポの曲に宿る静けさのようなものの表現の美しさにぐっときました。ハイドンが最晩年に手がけたスコットランド民謡への伴奏づけという仕事の面白さが手に取るようにわかる、実に見事な演奏。ちょっと旅ボケしていた私の、ハイドンの音楽の素晴しさを感じる脳の中枢のスイッチを入れ直してくれるような癒し系のアルバムです。

18曲もの曲が収められているので、曲ごとに簡単にメモを残しておきましょう。

Hob.XXVIa:32 / 6 Original Canzonettas 2 No.2 "The Wanderer" 「さすらい人」 [g] (1795)
カンツォネッタ集からの曲はフォルテピアノのみの伴奏。ルドガー・レミーのフォルテピアノは歌曲の伴奏ということを踏まえた雄弁すぎないサポート。清らかで良く延びるドロテー・ミールズのソプラノに対し、訥々と語りかけるようなタッチで寄り添います。切々としたほの暗い表情の美しさ際立つ曲。

Hob.XXVIa:41 / "The Spirit's Song" 「精霊の歌」 [f] (c.1795)
名曲ですが、時折消え入るような伴奏の表現の幅の大きさが素晴しく、これまでの演奏の中でも、曲の劇性が際立って、特に静けさの表現が秀逸。歌曲における伴奏の重要さを再認識。しっとりとしているのに、素晴しい立体感を感じます。

Hob.XXVIa:34 / 6 Original Canzonettas 2 No.4 "She never told her love" 「彼女は決して愛を語らなかった」 [A sharp] (1795)
つづく名曲。この曲も入りの伴奏から、グッと惹き付けられます。ミールズの歌はそれに応えるように、しっとりと艶やかで、一貫して清楚。発音もドイツ人とは思えない自然さ。ここまでの3曲が英語カンツォネッタ集からの曲。

Hob.XXXIa:9 - JHW XXXII/1 No.9 / "The waefu' heart"
ここからはスコットランド歌曲。伴奏にヴァイオリンとチェロが加わりますが、フォルテピアノの雄弁さがヴァイオリンとチェロにも乗り移っているような、見事なしっとり感。スコットランド歌曲集といえば、Brilliant Classicsからリリースされているアイゼンシュタット・トリオの全集が決定盤ではありますが、キレのいいカッチリとした伴奏の魅力で聴かせるもの。こちらはそれにたいし陰りのようなものを実に旨く表現していて、スコットランド歌曲集の別の魅力を引き立てます。

Hob.XXXIa:2 - JHW XXXII/1 No.2 / "John Anderson" (Robert Burns)
徐々に、ミールズの歌と、レサミ・ド・フィリッペの伴奏の醸し出すえも言われぬ世界に魅力に引き込まれます。

Hob.XXXIa:1 - JHW XXXII/1 No.1 / "Mary's dream" (Alexander Lowe)
感極まったのがこの曲。以前聴いたスーザン・ハミルトン盤もすばらしかったのですが、再びノックアウト。スコットランドの魂に触れるような素晴しい曲。美しすぎるメロディー。スコットランドの鉛のような空の魅力をたっぷり含んだ名曲。ハイドンのつけた伴奏はこの曲の美しさを余すところ無く伝えます。

Hob.XXXIa:246 - JHW XXXII/3 No.230 / "The boatman" (Allan Ramsay)
前曲の余韻を昇華するように、さらりと明るい歌が脳の別の中枢を刺激。歌っている歌手、伴奏を担当する演奏者自身が微笑みながら演奏を楽しんでるようすが手に取るように伝わる素朴な音楽。音楽の楽しみの真髄はこうした素朴な音楽にあるのだとハイドンが微笑んでいるよう。

Hob.XXXIa:235 - JHW XXXII/3 No.257 / "Langolee" (John Tait)
聴き進むごとに、どっぷりとスコットランド歌曲の魅力に浸かっていきます。ドロテー・ミールズの豊かな表情づけの魅力を堪能。ヴァイオリンとチェロはくだけた表現で、ミールズの素朴な魅力をさらにもり立てます。

Hob.XXXIa:173 - JHW XXXII/3 No.181 / "Sensibility" (Robert Burns)
ミールズの高音の素朴な伸びの美しさが際立ちます。録音は最新のものですので、適度に控え目な残響のなかにしっかりと奏者が浮かびあがり、実体感溢れる安定したもの。

Hob.XXVIa:42 / "O tuneful Voice" 「おお美しい声よ」 [E flat] (c.1795)
つづく3曲は再び英語カンツォネッタ集から。伴奏もフォルテピアノのみに戻ります。民謡から歌曲に戻ったことを印象づけるフォーマルな雰囲気に変わり、歌もタイトな表情に変わります。高音の音階の美しさを真摯に表現して、コントロール力を印象づけます。

Hob.XXVIa:27 / 6 Original Canzonettas 1 No.3 "A Pastoral Song" 「牧歌」 [A] (1794)
伴奏がシンプルになったことで、ミールズの歌に集中。あまりヴィブラートをかけないのびのびとした歌唱で、声の透明感が強調されますが、しなやかさが欠ける場合も多いものですが、ミールズの声質はもともとやわらかさをもっており、じつにしっとりと響きます。

Hob.XXVIa:30 / 6 Original Canzonettas 1 No.6 "Fidelity" 「誠実」 [f] (1794)
間に挟まれた3曲のカンツォネッタ集からの曲はいずれもフォーマルな佇まいをもつ曲。アルバムの中間において、変化をつけるという趣旨でしょう。なかなかいい発想です。

Hob.XXXIa:91 - JHW XXXII/1 No.91 / "Jockie and Sandy" (Robert Burns)
やはり、このアルバムの主役はスコットランド歌曲集。ヴァイオリン、チェロ、フォルテピアノの伴奏の饒舌さは素晴しいもの者があります。1分少しの曲なのに雰囲気を変えるインパクトをもっています。

Hob.XXXIa:3 - JHW XXXII/1 No.3 / "I love my love in secret" (Robert Burns)
語るような歌い口に伴奏もくだけて応じ、じつに楽しげな演奏。

Hob.XXXIa:13bis - JHW XXXII/3 No.214 / "Gramachree" (Said to have been written in Bedlam by a Negro)
終盤の名曲。再びスコットランドの魂にふれるような郷愁溢れるメロディーにぐっときます。繰り返し以降のすこし力を抜いた歌のはかない美しさは秀逸。伴奏は明らかに曲のメリハリを意識して、かなり弱音を緻密にコントロールしています。

Hob.XXXIa:168 - JHW XXXII/3 No.161 / "Auld Robin Gray"
そうとう考えた選曲なんでしょう。アルバムの終盤の曲にふさわしい、名残惜しさと機転を感じさせる曲。途中での短調への転調のキレ。そして静けさに徐々に包まれるような気配。

Hob.XXXIa:134 - JHW XXXII/2 No.134 / "What can a young lassie do" (Robert Burns)
そして、ヘザー・ハニーのような独特の芳香を放つ曲。

Hob.XXXIa:252 - JHW XXXII/3 No.232 / "Jenny's bawbee" (Alexander Boswell)
最後はコケティッシュなドロテー・ミールズの表現の幅の広さを印象づけます。ヴァイオリンは音程を狂わせるほどの演出で、このアルバムが皆を楽しませるための音楽であることを気づかせます。なかなか粋な演出です。

いやいや、このアルバム奥が深い。歌曲のアルバムは歌手の特徴がわかってしまうと、その個性をずっと引きずる単調さをはらむリスクがありますが、このアルバムでは、曲を変え、表現を変えて、ハイドンの歌曲の面白さと、ドロテー・ミールズの表現力を存分に楽しめる構成になっています。スコットランド歌曲集の面白さが際立ち、特にマリーの夢は名唱。伴奏もテクニックではなく味わいで聴かせる秀逸なもの。ハイドンの歌曲の入門盤としてもオススメです。評価は全曲[+++++]とします。

目の前には未聴盤の山。しばらくがんばります!

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アン・マッケイ/イギリスピアノ三重奏団のスコットランド歌曲集

今日は久々の歌曲。

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アン・マッケイ(Ann Mackay)のソプラノ、イギリスピアノ三重奏団の演奏でハイドンのスコットランド歌曲集から11曲とイギリスピアノ三重奏団によるピアノ三重奏曲2曲(Hob.XV:19、XV:21)を収めたアルバム。収録はPマークが1991年、ロンドンのモッティンガムにあるエドワード懺悔王教会でのセッション録音。レーベルは英Meridian。

Meridianは素晴らしい録音が多いレーベル。これまで取りあげたアルバムは、どれも非常に味わい深い名演奏です。また、録音も非常に良いのもいいですね。

2011/09/04 : ハイドン–声楽曲 : キャサリーン・ボット/メルヴィン・タンの歌曲集
2011/04/24 : ハイドン–ピアノソナタ : 【新着】フー・ツォンのピアノ・ソナタ集-2 やはり絶品!
2011/04/23 : ハイドン–ピアノソナタ : 【新着】フー・ツォンのピアノ・ソナタ集 絶品!
2010/09/25 : ハイドン–ピアノソナタ : ジュリア・クロードのピアノソナタ集

今日取り上げるこのアルバムは「ロンドンのハイドン」というタイトルがつけられ、ロンドン滞在時にハイドンが作曲、編曲した曲を集めたアルバム。ライナーノーツからアルバムのコンセプトに触れる部分を訳して紹介しておきましょう。

ハイドンは1791年と1794年の2度にわたってロンドンを訪れています。当時ハイドンの名は広くヨーロッパ中に知られており、ロンドンでは彼の来訪に大きな感心が集まっていたとの事。ハイドンはロンドンでの圧倒的な人気を受け、王室や貴族にたびたび招待されました。イギリス滞在中は、ウィンザー、ハンプトン・コート、ポーツマス、ワイト島、バース、ブリストルなど巡り、オックスフォードでは1791年7月に音楽博士を授与されました。ロンドンでのハイドンの創作活動は非常に印象深く、ザロモンの主催するコンサートのための作曲は多忙を極め、加えて多くの室内楽曲を作曲しました。ハイドン自身が手紙の中で「作曲から解放される日は1日たりともなかった」と書いたほどでした。
ロンドン滞在に関連して9曲のピアノ三重奏曲が作曲され、このアルバムに収録された2曲のピアノ三重奏曲は1794年、95年にかけてロンドンで出版されたものです。

ハイドンは、スコットランド民謡の編曲のうち最初の100曲を、破産しかけの音楽家であり出版社を営んでいたウィリアム・ネイピア(William Napier)への支援として作曲しました。出版からしばらくでネイピアの経済状況は好転しました。ハイドンはまたスコットランドの芸術と工芸を振興する評議会の代表であるジョージ・トムソン(Georg Thomson)からも編曲を依頼されました。この依頼はスコットランド民謡の保存・保護を目的としたものでした。当時の慣例に従い、鍵盤楽器とヴァイオリン、チェロの伴奏がつけられました。
1795年8月15日、ハイドンはイギリスに別れを告げました。伝記作家のグリージンガーによれば、ハイドンはたびたび「イギリス訪問があったからこそドイツで有名になった」と語っていたとのこと。ハイドンはイギリスでの生活は人生で最も幸せであったと感じていました。


アン・マッケイはイギリスのソプラノ歌手。ギルドホール音楽演劇学校出身で、あのエリザベート・シュワルツコップに師事。イギリスを中心に活動している人のようです。

またイギリスピアノ三重奏団もロンドンを活動拠点としている団体。メンバーは下記のとおり。

ピアノ:ティモシー・ラヴェンスクロフト(Timothy Ravenscroft)
ヴァイオリン:ジェーン・フォークナー(Jane Faulkner)
チェロ:マーク・シェリンデン(Mark Sherinden)

今日は歌曲の方を取りあげましょう。ピアノ三重奏曲はまたの機会に。

このアルバムに収められた歌曲はウィリアム・ネイピアのための編曲ということで、ハイドンの1回目のロンドン旅行の際、1791年から92年にかけて手がけられたものです。歌詞はロバート・バーンズによるものがほとんど。ロバート・バーンズ(Robert Burns)は1759生まれのスコットランドの国民的詩人。スコットランド語を使った詩作で知られ、スコットランド民謡の収集、普及にもつとめた人。ハイドンの27歳年下ですがが亡くなったのは1796年で、ハイドンよりだいぶ早くになくなっています。

Hob.XXXIa:45 - JHW XXXII/1 No.45 / "The gard'ner wi' his paidle" (Robert Burns)
アン・マッケイはイギリス人らしい透明感ある英語の発音と素直に響く伸びのいい高音をもつソプラノ。このスコットランド曲集にぴったりの声。歌は癖のない美しい声で、特に高い音の透き通るような魅力で聴かせるもの。イギリスピアノ三重奏団はピアノのラヴェンスクロフトの落ち着いた美しい響きによる伴奏が秀逸。ヴァイオリンとチェロは自己主張せず、寄り添うような演奏。Meridianらしく録音は非常に自然で我が家に奏者がやってきたようなプレゼンス。流石Meridianと思わせるまとまりですね。1曲目からスコットランドへの郷愁をかき立てる曲調にうっとり。

Hob.XXXIa:33 - JHW XXXII/1 No.33 / "Pentland Hills"
2曲目はエジンバラ近郊のペントランド丘陵のことを歌った曲。素朴なメロディーを几帳面に歌うアン・マッケイ。本格的な歌曲とは異なり、この素朴さが魅力でしょう。安定した歌と演奏故、あとは曲目と曲の特徴を紹介しておきましょう。

Hob.XXXIa:81 - JHW XXXII/1 No.81 / "Raving winds" (Robert Burns)
「荒れ狂う風」とか「嵐」とでも訳すのでしょうか。ただ曲はそのような言葉が似つかわしくない、しっとりとしたもの。

Hob.XXXIa:57 - JHW XXXII/1 No.57 / "The banks of Spey" (Robert Burns with Mrs McLehose)
シングル・モルトのスペイサイドで有名なスペイ川の「スペイ河岸」と題された恋の歌。ゆったりした伴奏に陰りのある美しいメロディーが朗々と歌われる曲。マッケイのソプラノが沁みます。

Hob.XXXIa:28 - JHW XXXII/1 No.28 / "Up in the morning early" (Robert Burns)
雪に覆われた冬の朝早くの空気を歌った曲。なんとなく寒い朝の空気を感じさせるリリカルな曲。

Hob.XXXIa:87 - JHW XXXII/1 No.87 / "I dream'd I lay" (Robert Burns)
花畑に横たわり夢を見る、、という歌詞からはじまるしっとりした曲。

Hob.XXXIa:30 - JHW XXXII/1 No.30 / "I'm o'er young to marry yet" (Robert Burns)
一転コミカルなメロディーの曲。

Hob.XXXIa:2 - JHW XXXII/1 No.2 / "John Anderson" (Robert Burns)
ジョン・アンダーソンという人への恋歌。ピアノの微妙な響きの変化と歌のえも言われぬアンサンブル。

Hob.XXXIa:48 - JHW XXXII/1 No.48 / "O can you sew cushions" 「クッションを作れるか」
短い曲ですが、なぜか非常に郷愁をそそる特徴的な曲。特に後半の”Hee o, wee o, what would I do wi' you?”というところの独特の響きが耳に残ります。

Hob.XXXIa:91 - JHW XXXII/1 No.91 / "Jockie and Sandy" (Robert Burns)
明るさの中に陰り、快活さの中に静けさのある不思議な曲。ソプラノの透明な響きが映えます。

Hob.XXXIa:22 - JHW XXXII/1 No.22 / "The white cockade" (Robert Burns)
しっとりした曲が続いた後で、このアルバム最後の曲は、快活な調子の曲。「白い帽子飾り」。ヴァイオリンの特徴的な伴奏が独特の雰囲気を醸し出しています。アルバムの最後にこの曲を持ってきた意図はなんでしょうか。

アン・マッケイのソプラノとイギリスピアノ三重奏団によるスコットランド歌曲集から11曲などを収めたアルバム。Meridianのプロダクションは、イギリスっぽさというかスコットランドぽさ満点で、純粋にスコットランドの民謡をくつろいで楽しめる素晴らしいもの。イギリスピアノ三重奏団の演奏は非常に自然で豊かな音楽。そしてソプラノのアン・マッケイはほんの少し単調さを感じさせなくもありませんが、その歌は民謡の真髄をとらえた非常に素朴でピュアな高音の魅力に溢れたもの。アルバムとしては必要十分というか、かなり完成度の高い企画でしょう。歌曲が好きな方にはおすすめのアルバムです。評価は歌曲は全曲[++++]としておきます。歌曲に挟まれたピアノ三重奏曲2曲もかなりいい演奏なので、あらためてまた取りあげようと思います。

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tag : スコットランド歌曲

ハイドンとアビンドン卿

前記事でアップしたクイケン・アンサンブルのロンドン・トリオがあまりに良かったので、ロンドン・トリオがらみの未聴のアルバムを取りあげます。

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デレク・マカロック(Derek McCulloch)カフェ・モーツァルト(Cafe Mozart)の演奏による、ハイドンとハイドンの友人でもあったのアビンドン卿の室内楽や歌曲まとめた企画もの。収録は2007年5月31日と6月1日、ロンドンの北約50キロのヒッチン(Hitchin)近郊の街プレストン(Preston)にあるテンプル・ディンスレー(Temple Dinsley)でのセッション録音。ご覧のとおりレーベルはNAXOS。

アルバムタイトルは「ハイドンのアビンドン卿」。アビンドン卿とは、第4代アビンドン伯爵、ウィロービー・バーティという人で1740年生まれのイギリスの貴族。イギリス中部のマンチェスター東方のゲインズバラ(Gainsborough)生まれで、政治記者をしていた上、音楽家にとってのパトロンであった他、自身も作曲をしていた人。義理の父の縁でクリスチャン・バッハなどと親交があった他、ハイドンの友人でもあったようで、作曲はハイドンがすすめたとされています。

このアルバムには30曲が収められていますが、約半数がアビンドン卿が作曲したもの。もちろんハイドンと比べると作品の質に差のあるのは当然のことながら、こうして200年以上経過してから録音されアルバムになるとはアビンドン卿自身も想像だにしなかった事でしょう。

今日はそのなかから、もちろんハイドンの曲を選んでレビューしましょう。

Hob.XXVIa:31 / 6 Original Canzonettas 2 No.1 "Sailor's Song" 「船乗りの歌」 [A] (1795)
テノールはロジャーズ・カーヴィー=クランプ(Rogers Cobey-Crump)、伴奏はスクエア・ピアノでキャサリン・メイ(Katharine May)。イギリスっぽい発音の艶のあるテノールによる聴き慣れた曲。スクエア・ピアノの音はチェンバロっぽい音ですが、チェンバロとも少し違い箱っぽい音に感じます。朗々とした声の魅力で聴かせる歌ですが、スクエア・ピアノのリズムがちょっと重いのが惜しいところ。録音は鮮明で比較的オンマイクの音。前後に置かれたアビンドン卿の曲のリコーダーの音色が実に手作り感ある音楽だけに、この曲が逆に引き立つ感じなのが微笑ましいところ。

Hob.IV:9 / Op.38-4 Trio für Violine (oder Flöte), Violine und Violincello Nr.4 [G] (1784)
バリトン・トリオの曲に由来するフルート三重奏曲。ロンドン・トリオ同様1794年に書かれた曲。演奏はフルートはエドウィナ・スミス(Edwina Smith)、ヴァイオリンがオリヴァー・センディグ(Oliver Sändig)、バス・ヴィオールがイアン・ガミー(Ian Gammie)の3人。バリトンの精妙な音色のイメージが濃い曲ですが、フルートの清涼な音色に変わり、曲のイメージも変わってきます。アンサンブルの精度はそれほど悪くありませんが、やはりリズムの重さが少々気になるところ。知り合いの演奏会のようなカジュアルな感じに聴こえます。ハイドンの演奏当時はみんなで演奏をこのように楽しんだのだと言われているような演奏。

Hob.XXVIa:39 / "Trachten will ich nicht auf Erden" 「この世で何も得ようとは思わない」 [E] (1790)
1曲目と同様テノールのカーヴィー=クランプとスクエア・ピアノのキャサリン・メイの組み合わせの歌曲。カーヴィー=クランプの声はハイドンの歌曲にぴったりの声。朗々としかし叙情的なニュアンスも感じさせるデリケートな歌唱。ここではスクエア・ピアノの箱庭的な音色も雅な感じがしてなかなか盛り上げます。訥々とつぶやくようなスクエア・ピアノがようやく本領発揮。

Hob.XXVIa:34 / 6 Original Canzonettas 2 No.4 "She never told her love" 「彼女は決して愛を語らなかった」 [A sharp] (1795)
歌手がソプラノのレイチェル・エリオット(Rachel Elliott)に替わります。非常に透明感のある伸びの良い声。ハイドンの歌曲のイメージにドンピシャで絶妙の美しさ。短い曲ながらこのアルバムの聴き所でもあります。

Hob.IV:2 / Trio für 2 Floten (oder Flöte, Violine) und Violincello "London Trio" Nr.2 「ロンドン・トリオ」; [G] (1794)
ロンドン・トリオの2番の「貴婦人の姿見」のメロディーをフルート三重奏曲にしたものですが、ここでは最初のフレーズをテノールのカーヴィー=クランプ、指揮のデレク・マカロック、ヴァイオリンのミカエル・サンダーソンの3人が歌った導入という凝った演出。その後はフルートはジェニー・トーマス(Jenny Thomas)、エドウィン・スミス(Edwin Smith)とバス・ヴィオールがイアン・ガミーの3人の演奏。もちろん前記事のクイケン・アンサンブルの演奏の完成度には及びませんがなぜか手作り感のある演奏がとても印象に残ります。技術的な完成度だけが音楽を印象づけるものではないことを示してるような演奏。ハイドンの美しいメロディーを一生懸命演奏している汗を感じるような演奏。チェロではなくバス・ヴィオールの音色が変化を加えていますね。

Hob.XXVIa:16 / 12 Lieder No.4 "Gegenliebe" 「かなえられた恋」 [G] (1781)
先程美声に酔ったレイチェル・エリオットのソプラノに今度はイアン・ガミーのギターが伴奏を担当。やはり美しい声にうっとり。気に入りました。

Hob.IV:1 / Trio für 2 Floten (oder Flöte, Violine) und Violincello "London Trio" Nr.1「ロンドン・トリオ」 [C] (1794)
こちらは声の入らないフルート三重奏曲。2番のメンバーと同じメンバー。この演奏を聴くと逆にクイケン・アンサンブルの超自然的演奏の素晴らしさが際立ちます。もちろんこちらの演奏が悪い訳ではく、先程来の手作り感を感じるなかなかの演奏。

Hob.XXVIa:41 / "The Spirit's Song" 「精霊の歌」 [f] (c.1795)
名曲「精霊の歌」をレイチェル・エリオットの透明な声とスクエア・ピアノの組み合わせで。表現の幅はそこそこながら、透明感溢れる声の美しさは絶品。特に高音域の自然な響きと伸びは素晴らしいもの。

Hob.XXXIa:180 - JHW XXXII/3 No.173 / "Tak your auld cloak about ye"
この曲は作品番号ではこれなんですが、アルバムの曲には"When icicles hang on the wall"とあり、スコットランド歌曲集には同名の作品が見当たりません。カーヴィー=クランプのテノールにヴァイオリン、スクエア・ピアノ、バス・ヴィオールの組み合わせ。1分少々の小品。不思議と叙情的な語るような歌。アルバムの最後に置かれた曲。

カフェ・モーツァルトという団体の「ハイドンとアビンドン卿」という企画もの。アビンドン卿の曲にはちゃんと触れませんでしたが、ハイドンの時代に同時代で聴いているようなくつろいだ雰囲気が味わえる好企画と言ってよいでしょう。どの曲も技術的にはまだまだ上があるような演奏ですが、不思議に懐かしい感じと技術の欠点が粗と映らないない素朴な音楽の楽しみを感じるアルバム。ハイドンが好きな方には一度聴かれる事をお薦めします。評価は全曲[++++]とします。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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キャサリーン・ボット/メルヴィン・タンの歌曲集

今日は最近手に入れた歌曲のアルバム。

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キャサリーン・ボット(Catherine Bott)のソプラノによるハイドンの歌曲をまとめたアルバム。伴奏はメルヴィン・タン(Melvyn Tan)のフォルテピアノ、ヴァイオリンがアリソン・バリー(Alison Bury)、チェロがアンソニー・プリース(Anthony Pleeth)、フルートがリザ・ベズノシウク(Lisa Beznosiuk)、ハープがフランシス・ケリー(Frances Kelly)。収録曲目はスコットランド歌曲集から7曲、英語によるカンツォネッタ集から3曲、天地創造の第一部のガブリエルのレチタティーヴォとアリア、そしてナクソスのアリアンナと名曲ぞろい。収録年、場所の記載がないのですが、Pマークは1985年なのでその前の録音でしょう。レーベルは先日フー・ツォンの素晴らしいピアノソナタの録音で存在感を示した英Meridian。

このアルバムは最近手に入れたものでが、気になったのは上のジャケット写真の右上の25という数字。よく見るとMeridianレーベルの25周年を記念して再発されたうちの何枚かの1枚。レーベルのアニヴァーサリーを記念して再発されるということは、マイナーで廃盤となりながらも再発、しかも記念碑的な価値を持つ演奏であるとの読み。

実は手に入れてちょい聴きしたときにはあまり印象に残らなかったんですが、この週末に所有盤リストに登録すべくライナーノーツなどを眺めながら聴き直してみたところ、これが素晴らしい演奏でした。やはりきちんとした演奏には音楽に向き合って真剣に聴かなくてはなりませんね。ご存知のようにこのブログを書き始めてから歌曲の魅力にハマり、ハイドンの歌曲は結構集めてます。人の声の魅力の素晴らしさを再認識。

このアルバムは今まで聴いてきた歌曲の聴き方に対する認識を改めさせるような演奏でした。詳しくは各曲のレビューで。

キャサリーン・ボットは1952年イギリス生まれの古楽と現代音楽もこなすソプラノ歌手。古楽のレコーディングも多くイギリスでは有名な人のよう。BBCのラジオ3でEarly Music Showという番組を持っているようですね。聴くとキリッと良く通るイギリスらしい美しい声。彼女自身のサイトへのリンクを張っておきましょう。超シンプルなサイト。

Catherine Bott(英文)

メルヴィン・タンは先日アンネ・ゾフィー・フォン・オッターの歌曲の伴奏者としてレビューで紹介したばかり。シンガポール生まれのフォルテピアノ奏者です。彼のサイトも張っておきましょう。

Melvyn Tan - 2011(英文)



さて、肝心の演奏。

最初の7曲はスコットランド歌曲集から。全曲歌かと思いきや、歌なしの曲もあり、意外と歌のない曲も素晴らしい演奏なんですね。

Hob.XXXIa:10 - JHW XXXII/1 No.10 / "The ploughman" (Robert Burns)
最初はタンのフォルテピアノとガット弦のヴァイオリンの伴奏に乗ったボットの歌。録音の良さを売りにしているMeridianレーベルらしく鮮明な録音。近くに鮮明に定位するソプラノとヴァイオリン。比較的デッドな音場なのでゆったり感があんまり感じられないんですが、ヴォリュームを上げて聴くと素晴らしい迫力。ボットの歌はイギリスならではの発声で歌曲の上手い歌い方というより、まさに民謡のような素朴なもの。高音の伸びと芯のある美声が特徴。

Hob.XXXIa:59 - JHW XXXII/1 No.59 / "The bonny brucket lassie" 「すてきな彼女、とてもやさしく」 (James Tytler)
2曲目を聴いてビックリ。歌はなくフルートとハープによる絶妙に美しい曲。地元の人がイギリスというかスコットランドへの郷愁を感じるのかはわかりませんが、我々日本人にはスコットランドへの憧れを感じる素晴らしいメロディー。2分少しの間に心はスコットランドにトリップ。何という素朴な美しさ。

Hob.XXXIa:73 - JHW XXXII/1 No.73 / "Logie of Buchan"
前曲で郷愁スイッチがオン。続く曲はヴァイオリン、チェロ、フルート、ハープば伴奏に加わり、ボットの良く通る声で歌われる素朴なスコットランド民謡。Meridianがこのアルバムを創立25周年に再発した理由が何となくわかりました。イギリス人はこれを聴いてどう思うのか聞いてみたいですね。

Hob.XXXIa:77 - JHW XXXII/1 No.77 / "My heart's in the Highlands" (Robert Burns)
再び器楽のみ。ヴァイオリンとチェロとタンのフォルテピアノによるスコットランド民謡の素朴なメロディー。2曲目と同様その素朴な美しさに心を奪われます。技術をベースとした音楽だけではない音楽の素晴らしさ。

Hob.XXXIa:44 - JHW XXXII/1 No.44 / "Sleepy bodie"
普通の編成にもどり、ヴァイオリン、チェロ、フォルテピアノの伴奏による歌曲。ボットの歌は先日聴いたアンネ・ゾフィー・フォン・オッターの素晴らしい歌唱も良かったんですが、ボットの歌唱こそスコットランド民謡の本流のように感じるようになってきました。なんでしょうか、この素晴らしい説得力。スコットランドの魂が曲になったようです。

Hob.XXXIa:48 - JHW XXXII/1 No.48 / "O can you sew cushions" 「クッションを作れるか」
冒頭のフルートの音色から痺れます。ハープが加わり彩りが増し、ボットと弦楽陣も加わって聞き覚えのある曲を、語るように歌い上げていきます。冒頭のスコットランド歌曲集から深い深いじわりと心に響く感動。

Hob.XXXIa:22 - JHW XXXII/1 No.22 / "The white cockade" (Robert Burns)
スコットランド歌曲集からの最後はヴァイオリンとチェロによってバグパイプの音色を模したような不思議な曲。まさに本場の響きでしょう。この曲がオーストリアの片田舎から来たハイドンの編曲によるものというだけで驚き。素晴らしい7曲でした。

つづいては英語によるカンツォネッタ集から3曲。

Hob.XXVIa:25 / 6 Original Canzonettas 1 No.1 "The Mermaid's Song" 「人魚の歌」 [C] (1794)
聴き慣れた人魚の歌。既に耳はボットの素朴な歌とメルヴィン・タンのグランドマナーとは対極にある古めの音色のフォルテピアノによる軽い響きに十分に慣れています。歌の技術、録音、フォルテピアノの音色への視点がインターナショナルなものではなく、イギリスの民謡であることを今更ながらに思い知る演奏。素晴らしい素朴さ。

Hob.XXVIa:27 / 6 Original Canzonettas 1 No.3 "A Pastoral Song" 「牧歌」 [A] (1794)
前曲同様、スコットランド民謡とは異なり、少々フォーマルな歌曲ではありますが、にじみ出る郷愁。タンの伴奏は変化の幅はそこそこながら自在にテンポを動かして、非常にパーソナルな雰囲気で伴奏に徹します。曲の最後の装飾音はボットが遊びを効かせて。

Hob.XXVIa:31 / 6 Original Canzonettas 2 No.1 "Sailor's Song" 「船乗りの歌」 [A] (1795)
テンポの速い曲。ボットもタンも表現の幅が極まってます。迫真のライヴを聴くような素晴らしい盛り上がり。歌曲の真髄にせまるような迫力。このアルバムの聴かせどころでもあります。

Hob.XXI:2 / "Die Schöpfung" 「天地創造」 (1796-1798)
天地創造の第一部のハイライト。ガブリエルのアリアとその前のレチタティーヴォの1フレーズ。こちらは原曲の壮大な構造の中で癒しを感じられる曲ゆえ、オペラティックな歌唱が刷り込まれているので、聴き始めは違和感を感じましたが、このアルバムの中で聴くと不思議と、違う座標のなかに浮かび上がるこの曲の魅力が見えてくるような気がします。ボットの透き通るようなヴィブラートのほとんどかからない声を堪能。フォルテピアノ伴奏で自宅でガブリエルのアリアを楽しめる感じ。

Hob.XXVIb:2 / Cantata "Arianna a Naxos" 「ナクソスのアリアンナ」[E flat] (c.1789)
最後は歌曲の大曲、ナクソスのアリアンナ。メルヴィン・タンの伴奏は最高。歌は先日のオッターとは全く異なる歌唱ながら、こちらも素晴らしい歌唱。歌手としての格はまったくちがいますが、例えて言うと「木綿のハンカチーフ」は太田裕美でなくちゃというくらいの説得力。美空ひばりが歌うと流石に絶品の上手さというのがオッターでしょう。なんだかめちゃくちゃな例えになっちゃいました。実はあんまりいいアルバムなので、先程からシングルモルトを少々。今日は先日ハイボール用に買ったスペイサイドのThe Glenlivet 12年。ちょっと効いてきましたね(笑)



ふとしたきっかけで手に入れたこのアルバム。素晴らしい出来です。歌曲が好きな人には絶対のおすすめ盤。ただし上に書いたように一聴するとさっぱりしたさりげない演奏に聞こえるかもしれません。歌曲をいろいろ聴いた違いのわかる方にすすめたいですね。評価は全曲[+++++]としました。この評価は視点がスコットランド民謡としてという明確な視点からのもの。演奏の質、歌の技術などの点からはまた異なる評価があるとは思いますが、心に響くという点では最近聴いたなかでもピカイチです。いいアルバムと出会いました。

テーマ : クラシック
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【新着】ホグウッドの伴奏による歌曲集、室内楽

今日はホグウッドの室内楽と歌曲などを集めたアルバム。

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クリストファー・ホグウッド(Christopher Hogwood)指揮のエンシェント室内管弦楽団の演奏によるハイドンの室内楽と歌曲。ハイドンがイギリスを訪問した際に作曲した曲を集めたアルバム。DECCAオーストラリアによる廉価盤のシリーズであるELOQUENCEシリーズの2枚組です。収録曲目は収録順にスコットランド歌曲5曲、ピアノ三重奏曲(Hob.XV:18)、弦楽四重奏曲曲Op.71 No.3、英語による歌曲「貴婦人の鏡台」(Hob.XXXIc:17a)、ロンドン・トリオNo.2(Hob.IV:2)、英語による歌曲「牧歌」、「人魚の歌」、フォルテピアノのための小品、ロンドン・トリオNo.3(Hob.IV:3)、英語によるカンツォネッタ「おお、美しい声よ」(Hob.XXVIa:42)、そして最後は交響曲94番「驚愕」の室内楽編曲版。収録は1978年9月にロンドンのロスリン・ヒル教会で。

アルバムにはこの組み合わせでの初CD化との記載があります。今日はこのアルバムから歌曲を中心にいくつかの曲を取り上げましょう。歌はソプラノがユディス・ネルソン(Judith Nelson)、テノールがポール・エリオット(Paul Elliott)です。

ユディス・ネルソンは1939年アメリカシカゴ生まれのソプラノ。ミネソタ州ノースフィールドのSt. Olaf Collegeで音楽を学び、1979年ブリュッセルでモンテベルディの「ポッペアの戴冠」でオペラ界にデビュー、その後は欧米で活躍。ポール・エリオットは、1950年生まれのイギリスのテノール。最初はロンドンのセント・ポール寺院の合唱隊で歌っていたが、その後声楽のトレーニングを受けて実力をつけ古楽の世界で活躍するようになったとのこと。

CD1-4 「エジンバラの花」(Hob.XXXIa:90)
CD1枚目の冒頭に置かれたスコットランド歌曲5曲の中で抜群に美しい曲。ヴァイオリン、チェロ、フォルテピアノの伴奏による序奏は郷愁に溢れたメロディー。伴奏は落ち着いた響き。ユディス・ネルソンの歌は非常に艶やかで表情豊か。この録音時39歳ということになりますが、非常に若々しい張りのある声。

CD2-1「貴婦人の鏡台」(Hob.XXXIc:17a)1794/5年作曲
先日取り上げたエマ・カークビーのアルバムにも取り上げられていた曲。フォルテピアノの伴奏による短い曲ですが、ネルソンの声の美しさが堪能できる曲。カークビーとはまた違った良さがありますね。驚くのは次の曲。

CD2-2 フルート3重奏曲「ロンドン・トリオ」No.2(Hob.IV:2)1794年作曲
これは「貴婦人の鏡台」と同じメロディー。2本のフルートとチェロによる美しいメロディのアンサンブル。声も良いのですが、美しいフルートの音色によるメロディーもいいもの。えも言われぬ至福感。つぎつぎと訪れるメロディーのさざ波。チェロの雅な響きとフルートの音色が醸し出す優しい響きが静かな感動を呼び起こします。

CD2-3 「牧歌」(Hob.XXVIa:27)「人魚の歌」(Hob.XXVIa:25)1794年作曲
こんどは英語によるカンツォネッタ集から2曲。ホグウッドのフォルテピアノによる伴奏にのってまたユディス・ネルソンの若々しい声の魅力を味わえる歌。ホグウッドは特に雄弁でもなく、さっぱりとした伴奏。

このアルバムに含まれる曲はライナーノーツによればすべて1978年9月の収録ということで、バラバラに収録されたものを集めたアルバムではなさそうです。「貴婦人の鏡台」「エジンバラの花」「おお、美しい声よ」がいい出来で[+++++]としました。その他の曲は[++++]です。ピアノ三重奏曲、弦楽四重奏曲もなかなか聴き応えがあります。ハイドンがイギリスを訪問したときに作曲したものをまとめた企画ものという意味でも良いアルバムですですので、歌曲好き、室内楽好きの方にはおすすめの良いアルバムです。

(追記)後日聞き直したところ、ザロモンによる交響曲94番「驚愕」の室内楽編曲版も素晴らしい演奏ということで評価を[+++++]にしました。

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tag : スコットランド歌曲 英語カンツォネッタ集 ピアノ三重奏曲 ロンドン・トリオ 弦楽四重奏曲Op.71 古楽器

ホルツマイア/トリオ・ヴァンダラーのスコットランド歌曲

先日素晴らしいピアノ三重奏曲を聴かせたトリオ・ヴァンダラー。別のアルバムが手に入りました。

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ヴォルフガング・ホルツマイア(Wolfgang Holzmair)のバリトンとトリオ・ヴァンダラー(Trio Wanderer)の演奏による、歌曲集。ベートーヴェン12曲、プレイエル3曲、ハイドン11曲の歌曲を収めたアルバム。ハイドンはスコットランド歌曲集からの選曲です。収録は2007年12月18~21日、これまたスイス、シオンのティボール・ヴァルガ・スタジオにて。レーベルはおそらくこのアルバムで初めて目にするcypresというベルギーのブリュッセルに本拠を置く会社。ただし輸入元がマーキュリーですので、丁寧な解説がついて、いつも通りいい仕上がりです。

トリオ・ヴァンダラーのことは前記事を参照いただくことにして、今日は歌手のヴォルフガング・ホルツマイアについて触れておきましょう。当初トリオ・ワンダラーと表記していましたが、濁るようなので過去の記事もトリオ・ヴァンダラーと修正しました。

ハイドン音盤倉庫:トリオ・ヴァンダラーのピアノ三重奏曲集

ヴォルフガング・ホルツマイアはオーストリア西部、ザルツブルクの近くのフェックラブルック郡の生まれ。ウィーン音楽舞台芸術アカデミーで声楽を学び、リートを中心に活動。ピアニストのイモージェン・クーパーと組んでリサイタルを開いたり、オペラでも活躍しているとのこと。

マーキュリーの輸入したアルバムにつけられる帯のキャッチは、いつもながら気が利いてます。ちょっと引用してみましょう。

「(前略)ヨーロッパ大陸から様々な音楽家たちが押し寄せた英国には、音楽都市ウィーンからも多くの大作曲家たちが立ち寄りました。ベートーヴェン、ハイドン、プレイエル・・・それぞれの事情で英国と関係をもった彼ら三人のオーストリア人は、皆一様に英国各地で歌い継がれた民謡を愛し、祖国で鍛えられた室内楽書法を駆使して、ピアノ三重奏という豊かな伴奏をともなう民謡編曲を多数残しました。」

まさに、このアルバムの狙いを見事にとらえたキャッチですね。続きがまたすばらしい文章。

「彼ら随一の室内楽にも劣らない充実度満点の響きが。民謡独特の素朴なメロディ、胸打つハーモニーと重なり合うときの至福・・・ヨーロッパ最前線で活躍する多忙なヴェテラン集団トリオ・ヴァンダラーは、そうした濃やかな音響世界を贅沢すぎるほどの的確さで見事「いま」を息づかせていくのです。」

下手にブログで解説するよりもよほど的を射た素晴らしい文章ですね。アルバム自体の企画も素晴らしい上にこういった丁寧な輸入者の仕事が加わり、我が家に素晴らしいハイドンやベートヴェンの歌曲が届くわけです。

今日はハイドンの曲を取り上げます。トラック番号と曲名は次のとおり。

16「すてきな彼女、とても優しく」Hob.XXXIa:59
17「奴隷の嘆き」Hob.XXXIa:137
18「ダンカン・グレイ」Hob.XXXIa:34
19「グリーンスリーヴス」Hob.XXXIa:112
20「クッションを作れるか」Hob.XXXIa:48
21「スコットランドの青い瞳」Hob. XXXIa:176
22「ビールのつまみにバノックを」Hob.XXXIa:171
23「キリクランキー」Hob. XXXIa:169
24「マギー・ロウダー」Hob.XXXIa:35bis
25「父を見なかったかい」Hob.XXXIa:5bis
26「好きなあの娘はまだ小娘」Hob.XXXIa:-

全部で11曲。すべてBrilliant Classicsのスコットランド歌曲集に含まれる曲ですね。ほとんどが1800年以降に民謡を編曲したもの。ハイドンが最晩年にたどりついた純粋無垢な世界です。シュトルム・ウント・ドラング期のほの暗さとはまた異なる、郷愁を感じる曲やあまりにも純粋なさっぱりと明るさを感じる曲が続き、ハイドンの歌曲のエッセンスを楽しめる選曲。

このアルバムはこうした企画の素晴らしさ以上に、その演奏の仕上がりが絶品。上にリンクを張ったピアノ三重奏曲でトリオ・ヴァンダラーが素晴らしい腕前なのは把握してましたが、バリトンのホルツマイアもリート向きの素晴らしい声。声量はほどほどながら精妙なリズム感、リラックスしたフレージング、端正な声色。シンプルな曲だけにごまかしは一切効かないわけで、力量がきっちり発揮された演奏ということができるでしょう。

演奏はピアノが主導権を握りますが、ピアノ三重奏曲の録音とは異なりバランスがピアノを重視し過ぎることはなく適度な音像。録音自体は新しいもので、収録も響きのよいティヴォール・ヴァルガ・スタジオゆえ音の鮮度は抜群。リヴィングルームにバリトンとピアノトリオが出現したかのようなリアリティ。

このアルバムの歌曲はBrilliant Classicsのスコットランド歌曲集と並んで、歌曲の素晴らしさをつたえる名盤。Brilliant Classicsの方が明るさとノリの良さを感じますが、演奏の精度と律儀さはこちらの方が上と聴きました。よって全曲[+++++]とします。

歌曲の新たな名盤ということで、好きな方は必聴のアルバムですね。おそらくハイドンの時代はこう言った曲の演奏を、我々の時代にダイアナ・クラールを聴くように聴いていたんじゃないかと想像しています。これはこれで深い感動をもたらす音楽。時代を超えて人の声の魅力は尽きないものですね。

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tag : スコットランド歌曲 おすすめ盤

ジェームズ・テイラーの歌曲集

しばらくセルの交響曲が続いたので、今晩は趣向を変えて、テノールによる歌曲集。

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このアルバムは廃盤の模様ですが、ORFEOレーベルはハイドンの歌曲集を何枚か出しています。ハイドンの歌曲をリリースするのは非常にめずらしいことなので、レーベルにはハイドンもしくは、ハイドンの歌曲に造詣の深い方がいるのではないでしょうか。

演奏はテノールがジェームズ・テイラー、伴奏がミュンヘンピアノトリオです。録音は2002年6月と比較的新しいもの。収録曲目はスコットランド/ウェールズ歌曲が12曲、英語によるオリジナルカンツォネッタ集から6曲、そしてピアノトリオから2曲(XV:35、XV:36)という組み合わせ。

ジェームズ・テイラーはポピュラー界の有名な人とはもちろん別人。例によってネットで調べてみました。

バッハ・カンタータ・ウェブサイト:ジェームズ・テイラー略歴(英文)

テイラーは1966年アメリカのダラス生まれのテノール。テキサスで音楽教育の勉強をした後、92年以降バイエルン国立歌劇場やシュトゥットガルト歌劇場などで活動、ルネサンスから現代音楽まで幅広いレパートリーを持っているそうです。中でもヘルムート・リリングとの共演が多いようですね。
声質は若々しく張りのある細身ながら透明感のあるもの。男性ですが清純派といった感じでしょう。容姿のことではありませんので誤解なきよう(笑)

アルバムへの収録順で、まずはスコットランド/ウェールズ歌曲から6曲。鮮明かつ端正なピアノ、ヴァイオリン、チェロの伴奏に乗ってテイラーの柔らかい声の魅力が十分でた歌唱。高音のキリッとした感じが特徴でしょう。テンポは比較的速めで、練らず。深みや味わいは薄めですが、模範的な演奏ですね。曲の良さを素直に味わえる佳演という感じです。録音は流石ORFEOレーベル、歌曲を楽しむツボ押さえて、歌とピアノ、ヴァイオリン、チェロの実体感に溢れた素晴らしい録音。

続いてピアノトリオのXV:36。ミュンヘンピアノトリオは現代楽器の極めてオーソドックスな演奏。ただし無味乾燥というわけでなく、生気もあり、適度なメリハリに、室内楽の悦びも感じられる堅実な演奏。ピアノの堅固な安定感に支えられてヴァイオリンとチェロがきっちり詰めていくという感じでしょうか。こちらも曲の良さを楽しむツボが押さえられていますね。

6曲のオリジナルカンツォネッタ(XXVIa:31-36)はハイドンの歌曲の中では最も録音が多い曲の一つでしょう。こちらはアメリングをはじめとしてソプラノで歌われることに慣れているせいか、新鮮な印象が強いですね。特に印象深いのはトラック11のThe Wanderer(さすらい人)。ピアノのテンポが落ちて、つぶやくような伴奏に弛緩しきったテノールの美声。途中のオクターヴ上昇の力の抜け方も印象的。それからトラック13のShe Never Told Her Love(彼女は決して愛を語らない)、トラック15のTransport of Pleasure(満足)など非常にいいですね。このアルバムの白眉。

後半はピアノトリオのXV:35と最後にスコットランド/ウェールズ歌曲から6曲は、前半と同様堅実な演奏。ピアノトリオもそれだけで聴く価値のあるいい演奏です。

最初聴いた時には少々固い印象を感じたんですが、レビューを書くためにいろいろ繰り返し聴いているうちにすっかりテイラーの張りのある声と堅実な伴奏の魅力にハマりました。

このアルバムはおそらく商業的に売上げに貢献するアルバムではないかもしれませんが(現に廃盤ですので、、、)手に入れた人の心に届く音楽がありますね。いいアルバムだと思います。流石ORFEOというべき玄人好みの1枚です。

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暑いですね。今日は明日からの旅行に備えて、家でのんびり。
懸案中の懸案である、膨大なスコットランド歌曲集のリスト作りに着手。

ブリリアントの全集の曲目をコピーして、それをリストの土台にしました。
今所有している歌曲をその曲目に書き込み始めました。まだまだ、お見せするのには忍びないですが、最近入手した素晴らしい歌曲のアルバムの評価も公開できないでいるのも忍びないので、まだ工事中にも関わらず公開することにしました。PC版のブログの右ペインの所有盤リストの末尾に「Opera & Vocal 4」として追記。

大項目はまだ、ブリリアント盤のCD番号にしてあります。昨日取り上げた「メリーの夢」の含まれるCD15についてはブリリアント盤の演奏も登録しました。
ハイドンのスコットランド歌曲集のアルバムには曲名のみの表記の盤も多いので、曲名で検索していただければ、ブリリアント盤に収録されている曲は引っかかると思います。

残りの演奏も徐々に登録していきますのでよろしくお願いいたします。

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tag : スコットランド歌曲

スコットランド歌曲集、マリーの夢

今日は、最近手に入れたスコットランド歌曲集のお気に入り盤を紹介しましょう。

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TOWER RECORDS

レーベルはハイドンのバリトントリオをリリースリリースしているフローラレーベル。

FLORA(英文)

収録曲はバリトントリオ3曲と、スコットランド歌曲から6曲、そして過去ハイドンの作曲とされていた曲、「プロシアのフリードリヒ大王の死に寄せるドイツの嘆き」が収められています。

演奏はソプラノがスーザン・ハミルトン、バリトンがフィリップ・ピエルロ、ヴィオラがフランソワ・フェルナンデス、チェロがライナー・ツィパーリング。ソプラノ以外のこのメンバーは、ラ・フォルジュネ・オ・ジャポンでモーツァルトを特集した年、東京国際フォーラムのなかの相田みつお美術館でハイドンのバリトントリオの演奏を生で聴いています。バリトンという不思議な楽器のときおり鳴らされる解放弦の繊細で不思議な響きを生で聴き、膨大なバリトン曲の作曲を求めたニコラウス候の気持ちが理解できた気がします。

バリトントリオについては、また別の機会に取り上げることとして、今日の目玉はスコットランド歌曲の方です。

ソプラノのスーザン・ハミルトン、声質、発音ともに曲にぴったり合ってます。調べたところスコットランド出身とのことで、合点がいきました。
なんと言っても素晴らしいのがトラック5におかれた「マリーの夢」と言う曲。短調の切ないメロディーで始まるこの曲、ハミルトンの透明なソプラノの声が心にぐさりと刺さります。なんと美しい曲でしょう。この曲は名曲ですね。たった5分のこの小曲一曲だけのために、このアルバムを買う価値があると断じます。

スーザン・ハミルトンはこのアルバムではじめて聴く人ですが(たしか、、)、私の一押しのヤノヴィッツより好きな声かも知れません。

スーザン・ハミルトンの略歴(英文)

フローラのアルバムはプロダクトとしても非常に凝っていて、このアルバムもセピア調の写真をあしらったデジパック仕様の品のいい仕立てで、プロダクションとしての完成度も非常に高い、いいアルバムになっています。

明日から1週間仕事は夏休みをとっています。
今日は昨日まで連夜のスターウォーズ鑑賞でちと寝不足気味ゆえ、スターウォーズは見ず。明日の昼にでもレコーダーで見ます。土曜から東北温泉三昧旅行に出かけますので、レビューがすこし留守になりますが、ご容赦のほどを。
そのかわり、東北の温泉と旨いもの情報を書いてみたいと思ってます。

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tag : スコットランド歌曲 バリトン三重奏曲 おすすめ盤 古楽器 ハイドン入門者向け

プロフィール

Daisy


Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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所有盤をジャンル別にリスト化しています。基本的に録音年順とし、録音年不明のものは末尾に記載。演奏者名はジャケットなどの表記に合わせています。

2016年9月のデータ(2016年9月30日)
登録曲数:1,361曲(前月比+3曲) 登録演奏数:9,608(前月比+87演奏)
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