ジャン=クロード・ペヌティエの「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」(ラ・フォル・ジュルネ)

このところゴールデンウィークには毎年出かけているラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン。東京のゴールデンウィークの風物詩として定着しています。今年のテーマは、これまでの特定の作曲家、特定の時代などをテーマとしていた流れから変わり、PASSIONS(パシオン)「恋と祈りといのちの音楽」ということです。

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」2015公式サイト

ここ数年聴いたプログラムは下記のとおり。なかでもアンサンブル・アンテルコンタンポランのブーレーズはライヴにもかかわらず超精密な演奏に衝撃を受けるほどのすばらしさでした。

2014/05/06 : コンサートレポート : トリオ・カレニーヌのピアノトリオ(ハイドン)、アンヌ・ケフェレックの「ジュノム」(ラ・フォル・ジュルネ)
2014/05/04 : コンサートレポート : アルゲリッチ、クレーメルによる動物の謝肉祭(ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン)
2013/05/05 : コンサートレポート : 【番外】ラ・フォル・ジュルネで衝撃のブーレーズライヴ

さて、今年チケットを取ったのは1つだけです。

公演番号:252 “受難曲の傑作~ハイドンの劇的受難曲(ピアノ独奏版)”

今年のプログラムでハイドンが含まれるのはいくつかありましたが、日程があったのがこれ。祈りのパシオンということで、ハイドンの傑作「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」のピアノ演奏版です。他に弦楽四重奏曲版、珍しいハープ独奏版のコンサートプログラムも入っていましたが、ハイドンの祈りはこの曲ばかりではないんですが、それでも今やメジャーとなったラ・フォル・ジュルネでハイドンが取り上げられるだけでもよしとしましょう。

奏者はフランスのピアニスト、ジャン=クロード・ペヌティエ。以前にソナタ集を取り上げています。奏者の情報はこちらをごらんください。

2010/11/24 : ハイドン–ピアノソナタ : ジャン=クロード・ペヌティエのピアノソナタ集



さて、昨日5月3日は快晴。汗ばむほどの陽気でした。毎年ゴールデンウィークに開催されるラ・フォル・ジュルネの時期は暑い日が多いですね。

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東京国際フォーラムの中庭に植えられた欅は新緑の緑が濃くなり、葉が鬱蒼と茂り始めてます。

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コンサートの始まる12:15より少し前について、会場をうろうろ。プログラムを見るとほとんどの公園が売り切れで、会場はすでに多くのお客さんで賑わっています。

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お昼時とあって中庭では食事を楽しむ人たちでごった返していました。この陽気、もちろんコンサート前に一杯煽らずにはいられません(笑)

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屋台でプレミアムモルツと白ワインを手に入れ、グビッと一杯。いやいやキンキンに冷えた生ビールを青空の下で飲むというのはいいものです。そうこうしているうちに開場時間となります。

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開場は有楽町から東京国際フォーラムに入ってすぐ左のD7ホール。エレベーターに乗り、ホールに入ると、席はピアノの正面の絶好の席でした。

ステージを見ると、ピアノとは別に譜面台が置かれています。ハイドンの「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」は、1786年、スペインのカディス大聖堂からの依頼によって作曲された曲で、聖金曜日の礼拝において、福音書のキリストの十字架上での七つの言葉をそれぞれ読み、瞑想する時間に演奏されるための音楽ということ。ヨーロッパの録音では曲間にこの福音書の朗読が入るものもあります。ということで、今日の演奏は、音楽祭のテーマである「祈りのパシオン」らしく、福音書の朗読が入るものと想像されました。

定刻となり、ピアニストのペヌティエがのそのそと登場。すると、ピアノを弾く前に自ら譜面台の前に立ち、ドスの効いたフランス語の低い声で朗読を始めます。壁面に字幕が投影され、この十字架上のキリストの最後の七つの言葉の語りの意味を噛み砕いて始めて聴くという機会となりました。

ペヌティエの語りは、語り役としても素晴らしいほどのもの。暗闇の中でスポットライトを浴び、オーソン・ウェルズのような鋭い眼光で会場をギラリとにらみながらの語りは雰囲気抜群。ピアノより語りの方が印象的といったら怒られますでしょうか。

序奏から生のピアノの力感はかなりのもの。演奏は虚飾を配して、ゆったり訥々と進めるものですが、やはり左手から繰り出される図太い低音はかなりのもの。時折タッチが乱れることもありましたが、図太い音楽の一貫性は流石なところ。そして各ソナタの間に語りが挟まれ、かなりゆったりとした進行。キリストが磔にされ、絶命するまでの様子が語られ、その物語の余韻に浸りながら聴く音楽ということがよくわかりました。プログラムでは12:15から13:25までと70分の予定でしたが、終わったのは13:30過ぎ。ゆったりとした音楽と、ゆったりとした語りを存分に楽しめました。特に第5ソナタから第7ソナタに至る後半の曲調の変化の演出は流石というところ。そして最後の地震はタッチはかなり乱れたものの、迫力で押し切る気迫の演奏。

最後は会場から拍手が降り注ぎ、何度も呼び戻され嬉しそうにそれに応えるペヌティエの笑顔が印象的でした。

ラ・フォル・ジュルネではこれも恒例ですが、コンサートが伸びると、次のプログラムの始まりに間に合わない方が席を立ち、そそくさと出ていく姿が見られました。幸いこのプログラムでは語りが挟まれるので、演奏中に離席するひとがいなかったのが幸い。これもこの音楽祭の風物詩でしょう。



会場から出るのはエレベーターのみということで少々待ってから外に出ると、先ほどよりさらに気温が上がって汗ばむほど。お昼の時間ということで、となりの旧読売会館、今はビックカメラの上にあるタイ料理、コカレストランに向かいました。

食べログ:コカレストラン&マンゴツリーカフェ 有楽町

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なにはともあれシンハービール(笑) 先ほどビールを飲んだのですが、暑い日は喉が乾くのです(笑)

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そしてトムヤムヌードルに蟹チャーハン。トムヤムヌードルは酸味とピリッとした辛味が流石。スープの完成度高いです。実に旨味の濃いスープでした。蟹チャーハンもタイ風の味付けでこれも絶品。これはおすすめですね。

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そして嫁さん注文のデザート。マンゴプリンにタロイモケーキ。こちらも美味しかった。ここは2度目ですがリーズナブルで美味しいいい店です。



さてお腹も未知たので、この日最後の行き先は上野の西洋美術館。

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国立西洋美術館:グエルチーノ展 よみがえるバロックの画家

こちらは本題から外れてしまいますので、紹介だけ。日本ではイマイチマイナーな存在のグエルチーノですので、連休中でも比較的ゆったり観られます。おすすめです。

ということで連休後半は文化的に始まりました。

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【番外】関西・四国・中国大紀行(その9)

(つづき) その1

出雲大社を参拝後、出雲の親戚の家を3カ所廻って、予定時間を大幅にオーバー。今夜の宿は出雲から約200kmはなれた島根県の三朝温泉です。もうすこしゆっくりしたい気持ちもありましたが、これから徐々に東京に近づいていかないと帰りも大変な長距離ですので、余裕はありません。本当は時間に余裕があれば、日御碕か、前日定休日で行き損ねた奥出雲ワイナリーでも寄りたかったのですが、そうも言ってられない状況。

最後の親戚宅で、皆さんとの別れを惜しみながら、いざ出発です。親戚の方にインターまでの行き方を教わり、医大の近くから山陰自動車道斐川インターに向かいます。途中いつものようにカーナビに三朝温泉をセット、この距離なので休まず、一発で行くつもりです。前日尾道から北上してきた松江自動車道との宍道ジャンクションをすぐに越えて、松江玉造インターを過ぎ、東出雲、米子西と過ぎて、前回来た時と同様、日本海沿いを倉吉まで進むと思いきや、カーナビの指示は米子インターから南下、米子自動車道に入る指示。予想外の南下指示にちょっとあわてて、ナビの地図で広いエリアを確認すると、どうやら海沿いは高速ではなく、南下する高速道路を通る戦略のようです。海沿いは通ったことがありますので、またもや世界の裏側に出てしまうリスク覚悟でカーナビの指示に従い、米子自動車道を南下し、どんどん山の中に入っていきます。

目の前には大山の勇姿。やはりこのあたりでは抜群の存在感。富士山に似た風格をもつ山です。なんと走っている間にナビからいつものお姉さんの優しい声で「オカヤマケンニハイリマシタ」とのアナウンス。なんと鳥取県から飛び出てしまいました。ナビから降りるように指示が合ったのは蒜山(ひるぜん)インター。インターを降りると蒜山高原ということで、避暑地のような穏やかな景色が広がり、道も一般道ながらスイスイ進むいい道。途中国道482号から北に折れ、国道313号に入ります。流れの良い道なのでさらにスイスイ進みますが、そろそろ休憩ということで、目に入った道の駅犬挟(いぬばさり)で停まります。

少し休憩して、再び車を走らせ、30分ほどで倉吉市街に入ります。平日の夕刻なので少々渋滞気味ですが、のんびり走る車窓から、ちょっとユニークな形の建物が目に入ります。

鳥取に十世紀梨記念館 なしっこ館

倉吉の名物は梨なのでしょうか(笑) 梨といえば最近ではフナッシーが圧倒的な存在感。梨のテーマパークとは今ひとつピンと来ませんが、とりあえず「倉吉=梨」とのイメージは明確になりましたので、この施設の宣伝効果は無くはないでしょう。

市街を過ぎると道もすいて再びスイスイ。川沿いの道を進むと、三朝温泉の方向へ誘導する看板が見えて、いよいよ温泉街に入ります。この日にとった宿はこちら。

鳥取県三朝温泉 旅館大橋

三朝温泉も私は玉造温泉と同様、3度目の訪問。最初は学生の時、泊まったのはこの奥にあった国民宿舎だった記憶しています。学生時代の貧乏旅行、そして当時はじゃらんも食べログもなく、電話帳などで調べて料金を聞いて恐る恐る宿をとったという流れ。東京から今は懐かしい「青春18切符」で京都まで来て、最初の夜は天橋立のたもとにある文殊堂のバス停で寝袋でビバーク。翌日このあと訪れる投入堂を見たあと、三朝温泉の国民宿舎に泊り、温泉街の真ん中にある橋のたもとの河原の露天風呂に入った覚えがあります。この露天風呂は橋から丸見えの男らしいロケーションが魅力なんです。翌日は、出雲まで進み、前に書いたように玉造温泉の駅でビバークしたわけです。すでにそれから30年くらいたっていますね。2度目はやはり2009年、このときは三朝に泊まらず立ち寄っただけですが、共同浴場の株湯に入り、しみわたるようなラジウム泉の素晴らしさが印象に残りました。そうした記憶から、今回の旅では旅程が合えば三朝の素晴しいお湯に再び入ろうということで、計画していました。

今回はじゃらんの評価が高いということで、この旅館大橋を選んだのですが、この宿、木造の古い建物で、国登録有形文化財の宿というのも気になったもの。

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宿の玄関に車を乗り付け、いつも通り、5名6泊分の大荷物を下ろし、ロビーでおかしと抹茶をいただきながらチェックイン。ここ三朝でもおもてなしのお茶の文化は健在でした。到着したのは予定より1時間ほどおくれて18時頃。出雲での長居の影響を取り戻すことはできませんでしたが、宿には事前に連絡入れておいたため、なんとかなりました。

部屋に案内されると目の前には三朝川が流れ、鴨や鷺が水浴びをしています。

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左に目をやると、上流の三朝橋の方。その橋の下に河原風呂があります。今回は大人の旅行なため、無理はやめておきましょう(笑)

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この宿、重要有形文化財というだけあって、館内は木造でふるびたもの。歩くと建物が軋む感じがなんともいえません。ただし、歴史ある老舗旅館だけあって、そこここに生け花があり、目を楽しませてくれます。これは玄関ロビーから部屋に行く廊下に生けられていた大輪の百合。花のバランスも良く、何とも華やかなお点前。

着いたのは遅かったですが、やはり食事の前に、あの染み渡るような三朝の湯に浸かるべきでしょう。ということで私は旅館の大浴場のうち、この時間男性用だった、ふくべの湯へ。風呂のようすはこちらをご覧ください。

鳥取県三朝温泉 旅館大橋 温泉

旅館のウェブサイトによれば、温泉は含弱放射能泉-ナトリウム-塩化物泉で、ラジウム含有量が世界一と言われているもの。特に免疫力上昇などにも効果があると言われているとのこと。温度も42度程度でしょうか。のんびりと体を沈めて、ゆったりと時間のながれるのを楽しめる温度。窓の外の景色を楽しみながら、ぼおっとひと時をすごしました。いやいや、これだから温泉はやめられません。魂が抜け、放射能が充填され、お腹も減って、夕食を受け入れられる体になりました。

母親一行は部屋の風呂に交代で入っていたらしく、夕食の時間に間に合いそうもないという連絡。すでに脳細胞の生ビール中枢にかなりの電流が走っていたため、叔父と2人で、先に行っちゃいました!

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仲居さんも母親一行がすこし遅くなると知り、促してくれたので、スイッチオン(笑) いやいや風呂上がりかつ長距離ドライブのあとの一杯はウマイ! 喉にグビリときます。

母親と叔母もほどなく合流して夕食に。

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この宿はじゃらんの評価でも料理の評価が非常に高かった料理自慢の宿。その上。宿について部屋に置いてあったパンフレットには、気になる新聞記事がありました。この旅のちょっと前の5月1日の日本海新聞の記事で、日本旅行の2013年度お客さま宿泊アンケートの旅館食事部門でここ大橋が全国で1位に輝いたとのこと。この記事を見て、俄然期待が高まります。

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ここも達筆のお品書きが添えられていたのですが、達筆かつアーティスティック過ぎて読めません(苦笑) 旬の魚や野菜をつかった会席。
最初は八寸でしょうか。中央にグラスに串を竿にしてかけられた烏賊そうめん。串を抜くと出汁に烏賊が落ちて味がつくと言う趣向。兜の器や兜型に造られたお料理が5月の季節感を感じさせます。見た目の創意もともかく、味もしっかり、それぞれ一品ずつの変化がしっかりついて、最初から料理長の術中にはまった感じ。ベテランの仲居さんがさりげなく説明してくれる感じも含めて、風格すら感じさせる夕食のはじまり。

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続いて供されたのがアワビ、ユバ、おもちのしゃぶしゃぶ。つけだれにはアワビの肝とポン酢が添えられ、もはや脳内に香りの事前シュミレーション映像が先走ります。烏賊そうめんからアワビのしゃぶしゃぶという展開は刺激十分。まずは野菜を投入し、鍋の出汁に甘みを加えたところに、やおらアワビを投入れ、しゃぶ、しゃぶ。そして肝のタレにくぐらせて一口。ん~~ん。これはいいですね。アワビの香りと肝の余韻が混ざり合って舌に届きます。

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このあたりでお酒を注文。奥の日本酒は巌窟と名付けられた酒。これはこの宿のオリジナルのお酒とのこと。純米酒らしい芳醇な旨味で料理を引き立てます。それに手前は白ワイン。こちらは鳥取の北条ワイン製で旅館大橋のラベルを貼ったオリジナル。料理があまりに創意に溢れているので、迎え撃つ酒も、日本酒に白ワインで香りの変化に対応しようというコンセプト。

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つづいて出されたのがお造りで鬼海老がメイン。ちなみに私にも出てきましたので、生のエビはアレルギーで駄目だとつたえると、火を通してくるのではなく、貝に変わって出てきたのがこちら。貝の他はマグロにタコ、平目など。氷にのって出てきたのでどれも身が締まっていて美味。

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いちおう記念なので鬼エビの写真もとっておくと言ったら、嫁さんがピントがずれるくらいズームで鬼海老を近づけてきました。大変甘く美味しいエビだったとのこと。エビをしゃぶる一行を尻目にやはり平常心で貝をつまんで、日本酒をグビリ(笑)

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なぜか品書きにはない椀もの。穴子をあしらった糝薯。なぜか純米酒よりもスッキリした飲み口の白ワインに合います。どの料理にも花が添えられ、華やかな気分になりますね。料理長のもてなしの気持ちが伝わってきます。

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こちらも品書きにないうなぎの寿司。そろそろ満腹中枢にきていますが、味に変化があるので、いけてしまいます。

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ここで、肉好きの皆さん期待の一品。鳥取和牛の炙りステーキ。焼き加減も添えらたソースも最高。そして南天の花のつぼみがあしらわれる風流さ。目から涼しい気持ちがつたわり、私はぺろり。まわりを見渡すと、母親はすでに難儀してました(笑)

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そしてとどめの一発。のどくろの煮付け。お品書きにもあったことから予想はできてましたが、まさか丸一匹くるとは思ってませんでした。これがのどくろの淡い美味しさを引き立てるためか、薄味の煮付け。これは旨かった。身をつつきながら日本酒をちびる至福のひと時。のどくろさんには骨だけになっていただきました。このデリケートな旨味が木の芽の香りで引き立ちます。

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最後はご飯にみそ汁、卵焼きまで。私以外の一同はのどくろにかなり苦戦。満腹中枢が許容範囲を越えてしまい、本日のメインイベントののどくろを残してました。帰ってきてから母親が、「あののどくろをいただけなかったのは痛恨事」と3回言ってました。

最後に抹茶に甘いものまで出されて、この旅一番の夕食が終了。いやいや、料理自慢の宿とは聞いていましたが、この料理は図抜けていました。料理長の創意が溢れ出してくるような渾身の品の数々。目にも舌にも肝臓にも刺さる素晴しいものでした。

食後はちょっと休んで、なぜかブログ執筆。旅が進むスピードとブログを書くスピードがまったくシンクロせず、なんかのどくろの余韻の中で道後温泉の記事を書いたりして、なんだかよくわからない状態に(笑) 旅の疲れもたまってそうこうしているうちに休みました。



翌朝目覚めるとまだ5時前。外は晴天、この日も天気に恵まれました。部屋の川縁にあるソファーでブログを少し書いてから、昨夜とは入れ替わった大浴場に向かいます。

こんどは巌窟の湯。先程貼った宿のウェブサイトの巌窟の湯の写真をみていただくとわかるように、まさに石がゴロゴロした河原そのままのような風呂。もと河原に沸いていた温泉をそのまま湯船として建物を建てたという感じ。湯船ではなく川に入っているような気分になります。浴槽は3つで2つがラジウム泉、もう一つは大橋だけに湧くトリウム泉とのこと。いちおう3つ入ってみましたが、お湯の違いよりもゴロゴロころがる石で転ばないようにするのが大変で、いまひとつ泉質の違いを感じることに集中できませんでした。お湯は三朝独特の染み込むような柔らかな肌あたりであるのは変わりません。温泉に入り部屋に戻って、いつものように荷造りなどをして、朝食会場に向かいます。

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朝食もなかなか豪華。魚は鯵ではなく鰯の丸干し。この塩気がいいですね。みな口々に昨夜のどくろにたどり着けなかったことを言ってましたが、なぜか朝はよく食べてました。

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足の悪い母親には、少し高めの座椅子を用意していてくれていました。このあたりが流石なところ。

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そして外を見ると三朝川の流れに朝日があたって輝いていました。この日もいい天気になりそうです。

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朝食帰りの廊下に貼ってあったポスター。この日はこれからこのポスターに写った投入堂に行きますが、このポスターのキャッチコピーがキレてます。「日本一危ない国宝鑑賞」とあり、まさにその通り。この三徳山三仏寺投入堂は山を登らないと近づけません。過去2度の訪問でも上まで上がる時間がなく、国宝投入堂に近づけず、近くの細道から遠望したのみ。もちろん今回も登山をできるメンバーではありませんので遠望のみの予定です。

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さて荷造りも終わり、チェックアウトを済ませて出発の時間です。川をみると先程よりだいぶ陽が高くなり、この日も暑くなりそうですね。

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当家一行を世話していただいたベテランの仲居さんなどに見送られて宿を後にします。旅館大橋、食事もサービスも良い心に残る宿でした。また、来る機会があるといいですね。

旅はもう少しつづきます。

その10へ)

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【番外】関西・四国・中国大紀行(その4)

(つづき) その1

2泊目の宿はこちら。

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道後温泉 大和屋別荘

ここは、叔母が何度か泊まって、とても良かったということで予約した宿。坊ちゃん湯のある道後温泉本館から歩いて数分のところですが、ちょっと奥まったところにある旅館。細い路地を車ですすむと、小さな入り口。まさに隠れ家っぽい造りです。

目の前に車を停めて、5名様6泊分の大荷物を車から降ろして、部屋で一休み。旅館で温泉のことを聞くと、この旅館の温泉はすぐ横にある道後温泉の椿の湯から引泉とのことでです。おそらく同じお湯なんでしょうが、やはり道後温泉本館に行ってみようということで、私と嫁さんは浴衣姿に、宿が用意してくれた湯籠をぶら下げて、本館に向かいます。

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四国松山 道後温泉物語|道後温泉旅館協同組合公式サイト

やはり、長年の歴史からくる風情はなかなかのもの。本館前には人力車がおいてあり、結構な人が乗って温泉街の探索を楽しまれていました。残念ながら母親は宿でひとやすみ。お昼の金毘羅さんの籠につづき、人力車も乗せてあげたいところでしたが、これはまたの機会に。

入り口でお風呂のみの入館料を払って、中に。道後温泉は単純アルカリ泉。男風呂は東の湯と西の湯に分かれていますが、前回訪問時に同じお湯とわかっているので、落ち着いてのんびりお湯に体をしずめてしばし目をとじてお湯を楽しみます。お湯の温度は熱くはありませんので、のんびりとお湯につかってドライブの疲れを癒やしました。こういった観光地の温泉ですが、どうやら地元の人も多いようで、世間話に興じる人もあり、こうした雰囲気も含めてのんびれ楽しみました。

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あがって嫁さんを待つ間、外の涼しい風を楽しみます。空を見上げると、本日の道中の激しい雨がうそだったかのように穏やかな夕刻の空。温泉街のお土産屋さんなどを素見しながら宿に戻ります。この宿はお風呂の前に生ビールサーバーがあり、風呂上がりにビールを楽しむことができます。旅館の風呂ではなく外湯を楽しんできたのですが、もちろんお風呂前に立寄り、さも内湯に入った雰囲気を醸し出しながら、やおら冷えた陶製のグラスにサーバーからビールを注ぎ冷えたビールを楽しみます。もちろん極楽浄土に渡った気分。最高です。

そんなことをしているうちに夕食の時間となり母親一行の部屋に集まります。老舗旅館らしく、質実正統派の懐石です。叔母からここの食事は旨いと聞いていたので、期待大ですね。

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食前酒に、先付のたこのたらこ和え。最近は旅館では甘めの食前酒がつくことが多いですね。ビールを飲んでいるのに食前酒がしみます。もちろんビールもいつものプレミアムモルツを頼んでます。

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八寸は鰻のカステラ、メロンの粕漬け、海老のベーコン巻きです。鰻の味の乗ったカステラ然としたものが美味。

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そしてお椀は鯛の真薯。冬瓜と木の芽が乗せられ、鯛の穏やかな味に木の芽の香りが加わり、香りの変化に酔います。このあたりから日本酒にチェンジ。地酒の冷酒を一本たのんだら、きれいな冷酒よう急須と切り子のおちょこで供され、いい雰囲気。

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絶品だったのがお造り。縞鰺と鯛、トロですが、どれもうっとりするほどの旨味。このあたりは魚が旨いのでしょうが、前日に続き、鯛はほんのりとした旨味、縞鰺はプリプリで日本酒が進みました。

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そして焚合せで、油目沢煮。油目とは調べたところアイナメのことのようです。これを沢山の野菜と煮たものとのこと。だんだん、ヴォリュームがおなかに効いてきますが、穏やかな味と香りの変化はなかなか。

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家喜物(やきもの)は新じゃがを使った鋳込み焼きというもの。

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蒸し物は鱸(すずき)の飯蒸し。焚合せから家喜物、蒸し物までの3品はどれも穏やかな味でしたが、この3品で相当なヴォリューム。この3品のヴォリュームが控えめだといいですね。

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ご飯と、赤だし。特に赤だしのコクの深さはかなりのものでしたが、皆さんかなり満腹状態ゆえ苦しそうでした(笑)

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そしてフルーツは琵琶とスイカ。この季節ならでは。

母親兄弟三人が一緒に旅行に出かけるのは何十年ぶりかでしょうか。料理とお酒がベテランの中居さんによって阿吽の呼吸で供され、皆、にぎやかに食事を楽しむことができました。旅の話題や、食事、素材、器などの話題であっという間のひとときでした。ほろ酔加減のいい気分で、今度は旅館の大浴場に向かいます。

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お湯は先ほどの道後温泉本館と同様でしょうが、夜の人のいない時間にゆったりと浸かるお湯は格別。またまたお湯に体を浸してのんびり。脳の癒し中枢にお湯が回っていい気分。

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露天風呂。風が気持ちよいですね。虫の声と、温泉街の喧噪に耳を傾けていると、酔いが少し醒めてきました。

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ひとしきり温泉を楽しみながら、人気のない旅館の廊下を通って部屋に戻ろうとすると、片隅にライトを浴びて美しく輝く花が。こういうさりげないところに老舗旅館の魅力があるんですね。花を楽しむ心をもったひとが、客人をもてなすために花を生けるわけですが、こうした心のつながりが旅人を癒やすのですね。

二日目の夜は更けていきます。

その5へ)

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トリオ・カレニーヌのピアノトリオ(ハイドン)、アンヌ・ケフェレックの「ジュノム」(ラ・フォル・ジュルネ)

昨日5日は再び東京国際フォーラムに出かけ、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンを楽しみました。

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ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」2014公式サイト

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この日は早朝から千代田区が震度5弱の地震に見舞われ、ちょっと心配しましたが、交通機関もさして乱れることなく、順調に有楽町までやってこれました。取ったプログラムは10:45開演のものと14:00開演のものの2つ。最初のプロブラムがホールではなくG棟での開催だったので、まずはG棟に入ってみます。

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まだまだ10時台なので人出はそれほどでもありませんでした。G棟の吹き抜けはまだ席が残っているプログラムのチケットを販売しています。1時間弱の短いコンサートとはいえ、いくつも聴くには体力がいります。ということで、追加でチケットを買うのはやめにしました。

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東京国際フォーラムは新宿に移転した東京都庁跡地に1997年に完成したコンサートホール、国際会議場などのコンプレックス。国際コンペで勝ったのは当時無名だったラファエル・ヴィニオリ。これを建てている間に日本のバブルは崩壊し、バルブルの象徴と見られていた時期もありましたが、今は純粋に素晴しい空間を楽しめる東京の名建築というところでしょう。巨大な吹き抜け空間と、恐竜の骨格のような露出した構造はいつ見てもスペクタクル。ラ・フォル・ジュルネも今年で10階目ということで、ここでやるのがすっかり定着しているようですね。最初のコンサートがG409という4階の会場ですので、エレベーターで4階に向かいます。

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まだ、開場まで間があるので、吹き抜けに面した廊下でのんびりと開場を待ちます。

最初のプログラムはこちら。

公園番号:361(ホールG409)
ハイドン:ピアノ三重奏曲 ホ長調(Hob.XV:28)
ラヴェル:ピアノ三重奏曲 イ短調
トリオ・カレニーヌ (ピアノ三重奏)

やはりハイドンのプログラムは聴かない訳には参りません。演奏者のトリオ・カレニーヌ(Trio Karenine)ももちろんはじめて聴く人たちゆえ、興味津々です。メンバーは次のとおり。

ヴァイオリン:アナ・ゲッケル(Anna Göckel)
チェロ:ルイ・ロッドゥ(Louis Rodde)
ピアノ:パロマ・クーイデル(Paloma Kouider)

若手の美女2人にイケメンチェリストの組み合わせでした。トリオの設立は2009年と比較的最近で、トリオ名はトルストイの「アンナ・カレーニナ」に因んだものとのこと。メンバーはパリ国立音楽院、エコールノルマル音楽院の卒業生で、イザイ弦楽四重奏団に師事したそうです。第5回ハイドン室内楽コンクールで特別賞、プロ・ムジチス協会賞を受賞。また2013年にミュンヘン国際音楽コンクールで1位無しの第2位となった若手実力派といったところでしょう。

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会場はG棟の会議室に椅子を並べた簡易的なもの。会議室の中央にステージが設定され、5列の客席で囲んでいます。東京国際フォーラムは場所、ホールはいいのですが、会議室は残響が極端に少なく、演奏者にはちょっと酷な会場ですね。キャンドルスタンド風の照明がピアノの左右におかれ、雰囲気が会議室然としないよう配慮しているのでしょうか。

さて、定刻になりトリオ・カレニーヌのメンバーが登場。デッドな空間に1曲目のハイドンのトリオが響き始めます。抑えたピアノにピチカートを合わせたこの曲独特の入り。間近で聴くとやはりトリオの中でもピアノの音の存在感が際立ちます。1曲目のせいか、ピアノのリズムが少し重く、ヴァイオリンも弓のキレが今ひとつ。チェロの男性のみ最初から活き活きとした演奏を聴かせていました。それでもピアノの響きのデリケートな変化にハイドンが晩年に到達した澄みきった音楽の素晴らしさを感じざるを得ません。トリオ・カレニーヌも徐々にリラックスしてきて、2楽章の暗い中にもきらめきのある名旋律、そして3楽章の軽快な音楽を演奏していきます。それでもどこか少しギクシャクとした固さを残していました。このまま終わったらトリオ・カレニーヌの名前は記憶に残らなかったと思いますが、つづくラヴェルのピアノトリオは圧巻の出来でした。
やはり、得意としていたのはラヴェルでしょう。冒頭から神がかったようなキレ味。特に先程ハイドンでは今ひとつノリが良くなかったヴァイオリンのアナ・ゲッケルが別人のようにキレキレ。演奏技術的にはよほどラヴェルのほうが難しいのでしょうが、音楽として演奏するのはハイドンの方が難しいのでしょうか。前曲をハイドンが作曲したのが1796年、このラヴェルのピアノトリオは1914年ということで、120年の時を経た音楽。同じピアノ、ヴァイオリン、チェロという楽器での音楽ながら、ラヴェルの書法は精緻を極め、色彩感と楽器から引き出す音色の多彩さは比べるべくもありません。トリオ・カレニーヌはまるでラヴェルが乗り移ったような素晴しいキレ味で音楽を演奏していきます。デッドな会場にもかかわらず、観客はトリオ・カレニーヌの演奏に釘付け、素晴しい演奏でした。

会場は拍手の渦。しかしながら、皆さんこの後続くコンサートのチケットをとっているらしく、そそくさと会場を後にします。これもラ・フォル・ジュルネの風物詩ですね(笑)

時間は11:30をまわったところ。ということでG棟の下まで降りて、丸の内側の出口の方に行ってみると、何やら銅像が建っています。これは今まで気づきませんでした。

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台座を見ると太田道灌像とあります。太田道灌といえば室町時代の武将で江戸城築城の主ということで、以前ここにあった東京都庁の敷地内にあったものをここに移転したものとのこと。戦国武将の像が時代を超えて現代建築のなかに雄々しく立ちはだかる姿は、さしずめテルマエ・ロマエさながらのキッチュな存在ですね(笑)

お昼の時間ということで、東京国際フォーラムの中庭の屋台は多くの人でにぎわっていました。なにか屋台で買ってベンチで食べても良かったのですが、生憎多くの人でベンチは満席。ということで有楽町のガードの方に出て、どこかにはいろうかと歩き始めると、最初にあるのが長崎ちゃんぽん、リンガーハット。脳内の記憶中枢に電流が走り、ここしばらく長崎ちゃんぽんは食べていませんし、脳内に長崎ちゃんぽんという記憶領域も薄れかけている事に気づき、嫁さんに「ちゃんぽんでも食うか?」と聞くと、「最近食べてないからいいわよ」と同様の脳の構造、入ってみる事にしました。

食べログ:長崎ちゃんぽんリンガーハット 有楽町店

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ということで、お休みかつ車ではありませんので、ビールです(笑) 店内はお昼時なので満員ですが、注文後すばやくビールが供される風流を解する店でした。うま~。

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そして定番長崎ちゃんぽんに餃子をたのみました。個人的にはチェーン店はあまり好きな方ではありませんが、ここはいいですね。チャンポンも出汁たっぷり。そして箸の袋に餃子に柚子胡椒をつけて食べると美味しいとの記載があり、店側のマーケティングにマルノリして、ちょっと柚子胡椒をつけていただくと、、、 これは美味い!
お手軽にお昼をすませて、すこしまわりをうろうろして午後のプログラムまでの時間を過ごします。

午後とったプログラムはこちら。

公演番号:343(ホールC)
モーツァルト:ディヴェルティメント ニ長調 K.136
モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調 K.271 「ジュノム」
アンヌ・ケフェレック (ピアノ)
横浜シンフォニエッタ
ジョシュア・タン (指揮)

ケフェレック目当てでとったプログラムです。ケフェレックは過去に2ほど演奏を取りあげています。

2013/04/03 : ハイドン–協奏曲 : アンヌ・ケフェレック/アルマン・ジョルダンのピアノ協奏曲(XVIII:11)
2011/02/06 : ハイドン–ピアノソナタ : アンヌ・ケフェレックのピアノソナタ集

実演でも香り立つようなピアノが会場を圧倒しました。

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3日のホールAはかなり後ろの席だったのでアルゲリッチのピアノも遠くに聴こえましたが、今回のホールCでは前から5列目で、十分ダイレクトな音が楽しめる席です。先程のG棟とは違い、音楽専用ホールだけに残響も多めでいい響きです。昨年このホールで、アンサンブル・アンテルコンタンンポランの超絶の名演を聴いています。

さて、ケフェレック目当てと書きましたが、1曲目はモーツァルトのディヴェルティメントK.136。指揮者のジョシュア・タンはシンガポールの指揮者で中国、台湾、シンガポールなどで活躍している人。もちろんはじめて聴く人でしたが、1曲目のモーツァルトは素晴しい仕上がり。速めのテンポなんですが、オケを非常にふくよかに鳴らし、晴朗なモーツアルトの名曲を、実に伸びやかに演奏。横浜シンフォニエッタもはじめて聴きましたが、アンサンブルの精度も高く、かなりの腕利き揃いとみました。このオケの伴奏でケフェレックのモーツァルトを聴けるということで期待十分です。1曲目から拍手喝采。ホールも大いに盛り上がります。

そしてピアノをステージ中央にに動かして、ケフェレック登場。1948年生まれということで、もう70近いお歳にもかかわらず、優美な舞台姿は流石です。ジュノムの最初のピアノの一音から雰囲気のあるピアノにうっとりです。最初はちょっとオケとのやり取りのリズムが固いところもありましたがすぐに一体化。ふくよかに弾むオケに優美なピアノが乗って絶品の演奏。華やかな1楽章、沈む2楽章、そして華麗に展開するフィナーレと雰囲気満点。音楽はテクニックで聴かせるものではなく、溢れ出すような情感で聴かせるものですね。最後の一音がホールに響き渡ったあと、万来の拍手に包まれます。何度もカーテンコールに呼び出され、ジョシュア・タンに促されてアンコールで弾いたのがヘンデルのメヌエット。訥々と語られるような音楽にホール中がのまれているのがよくわかりました。これは絶品。音楽家という職業、楽器を演奏するのではなく、人の心を打つのが仕事だと言わんばかりの沁みる演奏。もちろんブラヴォーの嵐。文字通り香り立つようなモーツァルトとヘンデルに心を奪われたコンサートでした。

いやいや、やはり生はいいですね。横浜シンフォニエッタも流石の出来でした。

コンサートが終わって、時刻はちょうど15時頃。先程近くをうろついた時に向かいのビックカメラの中に結構な品揃えの酒屋さんがあることがわかり、そこで1本仕入れです。

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好きなニッカのモルトですが、12年は製造終了ということで、この機会にゲットです(笑) そして新宿経由で帰宅し、ゴールデンウィークのイベントごとは終了。

東京のゴールデンウィークの風物詩ですが、適当に楽しむにはいい企画。ラ・フォル・ジュルネ、来年はハイドン特集という、、、わけはないですね(笑) 

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【番外】国立西洋美術館でミケランジェロとル・コルビュジエの真髄に触れる

土曜の東京は雨模様。晴れていれば庭の木の枝きりなどいろいろ計画はあったものの、生憎の雨。ということで上野の国立西洋美術館にて開催されている「ミケランジェロ展」に出かけることに。

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国立西洋美術館:システィーナ礼拝堂500年祭記念 ミケランジェロ展―天才の軌跡

小雨がぱらつく中、上野駅公園口目の前の国立西洋美術館に行ってみると、なんと、ル・コルビュジエ展の看板もかかっているではありませんか。事前にちゃんと調べて行ったわけではないので、ちょっと得した気分です。

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国立西洋美術館常設展:ル・コルビュジエと20世紀美術

ミケランジェロ展は入場者数が15万人を超えたとのことで、混み合うような気がしていたので、天気の悪い日を狙っていました。流石に雨の夕方の上野の西洋美術館は混み合うほどではなく、適度な人ごみ程度。ミケランジェロ展は企画展ということで地下の展示スペース。

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展示はフィレンツェにあるミケランジェロの子孫が受け継ぐ「カーサ・ブオナローティ」の所蔵品が中心。ミケランジェロ15歳の頃の大理石へ浮き彫りを施した「階段の聖母」が目玉の展示のようで、展示の終盤にどんと置かれていました。個人的に感銘を受けたのが素描の数々。空間の中にごく一部が描かれ、闇の中からアルカイックなモデルの表情が浮かび上がるようなデッサン、システィーナ礼拝堂の天上画や正面の天地創造のフレスコ画の元になった生々しい筋骨を描いた独特の素描の数々、そしてそのシスティーナ礼拝堂を最近記録した10分ほどの超鮮明な4K映像など見所は沢山ありました。システィーナ礼拝堂は学生の時と、新婚旅行の時とで2度行っているのですが、学生のときは修復前の鮮明な色彩に蘇る前の姿、そして新婚旅行の時は修復中で足場に囲まれたときだったので、この映像は貴重でした。大きなスクリーンに映された4K映像は流石に迫力が違いました。博物館で流されている映像など通り過ぎることが多いんですが、皆さん圧倒的な映像の迫力に脚を停め、しげしげと見入ってました。終盤にローマやフィレンツェに建つミケランジェロの建築の図面なども展示があり盛りだくさん。絵画、彫刻、建築にいたるミケランジェロの実際の作品はローマやフィレンツェから持ち出せない物ばかりですが、持ち出せるものがかなり来ていたのは企画サイドの努力によるものでしょう。良い展示でした。

けっこうゆっくり見て適度に疲れたんですが、ここまで来てコルビュジエ展を見ない手はありません。続いて常設展も見る事に。企画展のチケットでそのまま入れます。

こちらは、まさにル・コルビュジエの設計した西洋美術館の本館の展示スペースの展示。普段、企画展を見る事が多く、久々に本館の空間を体験。中央の吹き抜けからスロープを上がって2階のメインの展示スペースに至る動線と空間の変化、モデュロールに従っているのか、ときおり狭いスペースや低い天井など、人間の落ち着く空間を配置しているあたり、そしてコルビュジエらしいコンクリートの独特の造形など、やはり世界中に影響を与え、時代を造った人の個性とエネルギーの凄さをあらためて感じました。

展示はコルビュジエの絵画、彫刻作品が中心でしたが、同時代の画家の作品も多数展示があり見応え十分。最初の吹き抜けに置かれた抽象的なのに有機的で、カラフルかつユーモラスな彫刻が置かれ、コルビュジエの造形力の才から見せるあたり、こちらも展示企画の上手さが光ります。この西洋美術館の歴代の展示の中で、もっとも展示された作品と空間がマッチした展示だったことは間違いないでしょう。同時代の画家の作品には親交の深かったレジェなどの作品もありますが、驚いたのはピカソの作品まであったこと。それから有名なロンシャン礼拝堂の模型があったり、チャンディガールの壮大な都市計画のモニュメントの「開いた手」の模型など、こちらも盛りだくさん。見応え十分でした。

国立西洋美術館の常設展示はこれにとどまらず、下記も同時開催。

国立西洋美術館:イタリア版画展―新収作品を中心に(11月17日まで)
国立西洋美術館:ソフィア王妃芸術センター所蔵 内と外―スペイン・アンフォルメル絵画の二つの『顔』(1月5日まで)

なんと、こちらも見てしまいました。両方ともなかなか面白い、最後に本当の常設展示物もあり、今更ながら充実した展示に驚きました。普段企画展を見に行っても常設展はなかなか見ませんので、良い刺激になりました。



この日は有楽町の東京国際フォーラムでインターナショナルオーディオフェアが開催されていて、こちらにも久しぶりに立ち寄ろうかと思っていましたが、西洋美術館のあまりの充実ぶりにフルにつきあったため、時間も体力もなく、こちらはパス。そろそろいいCDプレイヤーがとの邪心もあるのですが、、、

夜は友人と待ち合わせて、嫁さんと合わせて4人で焼肉(笑)

ぴょんぴょん舎:GINZA UNA店

仙台在住時に盛岡の本店もいったことがあるぴょんぴょん舎。ここのコースは量も適度でいろいろ楽しめるので気に入ってます。

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予約してあったので、すんなり入れました。冷えたグラスに完璧な泡の帽子。まずは生ビールで喉を潤します。良く歩いたので沁みます。

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キムチやサンチュのサラダなどとユッケのように見えるのは馬刺のユッケ風。

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タン塩。最初にタン塩のデリケートな旨味が効きます。

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肉はカルビにハラミ、ホルモンなど盛りだくさん。焼肉だけでも結構おなか一杯になります。それぞれ良いお肉ででみんな美味しいです。

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そして名物冷麺。爽やかながらコクも旨味もあり、なかなかです。冷麺か石焼ビビンパなど数種から選べる仕組み。

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そしてデザート。美味しい物が適度にタイミング良く出てくるので、いつも満足度高いですね。

ビールに予約特典のマッコリなどですっかりいい気分。楽しい夜でした。

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【番外】母親の喜寿に伊豆旅行-4

湯の国会館でゆっくりして、この日は中伊豆のイコンをいやと言うほど満喫しました。あとは車で10分くらいのところにある、本日予約してある宿を目指すだけ。



今日泊まる宿は、吉奈(よしな)温泉、東府や。この温泉紀行の最初の記事に書いた通り、妙高高原の赤倉観光ホテルと同じ系列のホテルです。

吉奈温泉 東府や Resort&Spa-Izu

ウェブサイトを見ていただくとわかるとおり、素晴しい造りの宿。

調べてみると、この地、吉奈温泉のお歴史は古く、724年、この温泉街にある善名寺を建立した僧行基が発見したと伝えられ、地元では子宝の湯として知られていたそう。地元での評判を聞いて徳川家康の側室お万の方が子宝祈願で滞在し2児を授かったことから全国的に有名になったという由緒正しい温泉です。

宿の東府やの前身は吉奈温泉の名主邸、そしてその後旅館となり東府屋と名付けられましたが、家康が晩年隠居した静岡市の駿府城(別名府中城)の東にあるころから、東府屋と名付けられたそうです。この旅館、明治時代には「唐人お吉」も晩年2年間逗留したとされ、館内には唐人お吉館という施設まであります。こちらももの凄い由緒正しい旅館のようです。

もうすこしネットを調べてみると、もともと東府屋という旅館はごく最近の2010年5月に破産したそうで、現東府「や」は赤倉観光ホテルの運営会社、R&Mリゾートと言う会社が破産後の東府屋を買い取って、再生させたものとのこと。どうりで綺麗な訳です。赤倉観光ホテルも同様、R&Mリゾートが再生させたものということで、その再生手腕の素晴しさは赤倉で実体験済みです。

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前振りが長くなりましたが、垢抜けた東府やの玄関に、色だけ派手な普通の大衆車で乗り付けると、中から宿の方がでてきてご挨拶。荷物を車から降ろして中に入ります。ここは玄関だけの玄関棟なのに広大な空間。和風の小屋組なんですが、ちょっとフランク・ロイド・ライト設計の邸宅を思い起こさせる、豊穣なテイストも重なり、最初から豪華な雰囲気に圧倒されます。

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ソファに座るように促され、チェックインの説明をまっていると、ウェルカムドリンクはスパークリングワイン。いろいろ選べるようでしたが、母親も迷わずワインをご発注(笑)

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ソファに座りながら大きな窓の外を見ると、ウッドデッキに池、綺麗に手入れされた植栽、そして旅館の中を吉奈川が流れていくのが眺められ、リラックス感は言うことなし。

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ウェルカムドリンクを飲みながら、館内の説明をうけていると、敷地が恐ろしく広大で、富士山を眺められる富士見平というところまで1時間近く散歩できそうなほど。先ほど触れた唐人お吉館とかベーカリー&カフェ、足湯等まであり、館内を巡るだけでも相当時間がかかりそうです。ここまで大きいことを事前に把握していたら、湯の国会館をパスして早めにチェックインしていても良かったですね。まあ湯の国会館も寄るべき価値のある温泉でしたので良しとしましょう。

赤倉もそうですが、この広大さは旅館でもそうあるものではありません。玄関棟はほぼ新築なんでしょう、空間構成の巧みさと、日本建築の本質的な動線設計の良さを取り入れた建物構成は赤倉観光ホテルと共通するものを感じます。なかなか巧みです。

荷物を運んでもらいながら、部屋に向かいます。

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廊下には品の良い日本画がそこここに掛けられており、優雅なこと限り無し。要所の生け花も素人離れした華やかな設え。

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部屋は玄関棟から吉奈川を渡った本館の1階、水音テラスのすぐ脇の和室。和室と言っても数寄屋のような典雅な雰囲気の部屋。

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床の間には立派な掛け軸に生け花。旅館全体にセンスの良さが行き渡っています。

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そして部屋のお茶菓子は、このあたりでは有名なのでしょう、伊豆名物「猪最中」。調べてみたら、この宿の
すぐ近くに製造元があるようです。

小戸橋製菓:猪最中

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嫁さんが宿に母親の喜寿祝いでと伝えてあったので、机には宿からなのお祝いが置いてありました。ベーカリーで焼いたクッキーと祝いのメッセージ。もの凄い達筆です。母親もこれにはビックリ。こうゆうきめ細かい心配りはうれしいものですね。

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テラスに出ると、吉奈川のせせらぎが目の前。よく見ると鮎だかニジマスだかわかりませんが、魚が泳いでいるのがみえます。あちこち巡ってどたばたとここまで来ましたが、部屋に入ってようやく落ち着きました。女性陣はチェックイン時に浴衣をえらべますので、選んだ浴衣に着替えます。母親はお祝いなのでかなり派手目な浴衣で、ちょっと落ち着かない様子(笑)

普通だったら、ここでまず温泉にいくのですが、先程近くの温泉に入ったばかり、しかも夕食の時間もちかいので、風呂は夕食のあとにすることにしました。ただ、ここは部屋に半露天風呂があります。私だけちょっと入って汗をながします。ああ至福(笑)

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夕食は、部屋のすぐ目の前の「懐石茶や水音」で。深くいい雰囲気の軒があって、前のテラスから適度な距離感が感じられる落ち着いた配置。日本建築の最も象徴的な軒の佇まいがとても上手く活かされていて、設計者の良心を感じさせます。

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夕食は懐石料理なので凄い品数です。といってもどのお皿も適度な量で、味の変化を次々と楽しめます。うちの席を担当してくれた仲居さんも、物腰のやわらかな落ち着いた笑顔が素敵な方でした。一皿一皿丁寧に説明があり、料理をいただく前に脳の味覚中枢が全開になります。料理を楽しむには接客もポイントですね。

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もちろん、まずは生。ドライブで飲めなかった(ウェルカムドリンクはいただきました!)分、染み渡ります。絶妙な泡のクリーミーさが嬉しいですね。このシズル感、たまりません。

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前菜は、栗豆腐、松茸、秋刀魚の梅煮、サーモンの手鞠寿司と銀杏等。非常に繊細な味の変化。サーモンの手鞠寿司に添えられた山椒の葉の香りが柔らかい味の組み合わせを引き締めます。

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お椀はホタテ、冬瓜、白玉とこれまた絶妙に繊細な味ですが、こちらもスダチの香りがこの繊細さを引き立てます。ビールには繊細すぎるので、やはり日本酒を発注。

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日本酒は古今東西いろいろなお酒がそろえられていたんですが、リーズナブルな宿オリジナルの冷酒を薦めてくれましたので、まずはそれをいただきます。流石にオリジナルだけあって、料理の繊細さを引き立てる、穏やかな喉越しの冷酒。既に冴え渡った味覚中枢がさらにアドレナリン、もといアルコールで満たされます(笑)

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お造りのお刺身も言うことなし。女性に人気なんですと仲居さんが言う通り、ガラスの器に盛られたお刺身はどれも新鮮、目と舌からの刺激は十分。あまりに美味しそうなので、写真を撮る前に食べちゃいました。ガラスの器には良い色のマグロがあったんですが、既に嫁さんの腹の中(笑) 手前の器には海苔が添えられ、これも味の変化を感じさせるいいアイデア。次から次へと運ばれてくる料理に舌鼓連打です。

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煮物は胡麻だれでいただくしゃぶしゃぶ。愛鷹牛という牛。もちろんしゃぶしゃぶは美味なんですが、しゃぶしゃぶをいただいた後の水菜とレタス、しめじ、舞茸などの野菜が、甘みがでて最高。なんと母親から、「お肉少ないわね〜」とのコメント。このあとご飯やデザートまで食べきれないぞと指導(笑) よほどお肉が美味しかったのでしょう。まだまだやる気満点です。

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焼物はかますですが、柚子の香りをつけたもの。そして上には松茸。ここまできても多彩な香りが十分刺激的。最初にいただいた松茸が絶妙。香りのハーモニーに酔いしれます。ちょっと酔っぱらってもきましたが、冷酒をおかわり(笑)

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つづいて出てきたのは強肴(しいざかな)というお皿。強肴とは懐石で八寸の後に出す肴とのこと。先程のかますが杉の素木の四角い板に乗って出てきたので八寸でしょう。海老と芋でつくった軽羹風のものにカニの餡をからませたもの。やはりかにの風味がほどよく香ります。

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そしてようやくご飯と赤出汁。ご飯は入口にあった釜戸で炊いた伊豆のコシヒカリの新米だそうです。ご覧の通り完食。これだけの品数をいただいたのにお腹の張りはそうでもありません。旅館の夕食はともすると苦しいくらいにお腹いっぱいになってしまったりするものも多いですが、この適度な感じは、我々の年代や母親の年代にはいいですね。

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最後はデザート。デザートも余裕で楽しめる適度な腹具合。アイスクリームで酔いが覚め、穏やか気分になるんですね。

食事はご覧のとおりの素晴しさ。味は言う事なしですが、見た目にも非常に鮮やかで、接客も完璧。そしてゆったりと広い空間。外は夕闇に流れる吉奈川の静けさ。母親もとても楽しんでもらったようで何よりです。

ただし、これでは終わらないんですね(笑)

(スミマセン、まだつづきます)

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【番外】柿葺落六月大歌舞伎 菊五郎土蜘に化ける

番外続きでスミマセン。今日は3ヶ月に一度の歯の定期検診があり、いつものように半蔵門へ。

おくぞの歯科クリニック

先生、お元気そうで一安心。前回ちょっと冷たいものがしみるところがあったんですが、ちょっと調整してもらっていたのを忘れてました。そう、しみなくなってたんですね。今回もチェックしてもらって、グリグリ歯石とりしてもらって、クリーニングしてもらってすっきりです。

歯の定期検診のあとは、すぐ近くのエリオで食事をするのが楽しみです。

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エリオ ロカンダ イタリアーナ

今日は嫁さんと二人だけなので予約をせずいきましたが、ギリギリで入れないところ。危ないところでした。この後友人と歌舞伎で、夜も飲む予定でしたので、選んだのはビジネスランチコース。別にビジネスではないんですが、ランチの真ん中のコースです。

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車ではありませんので、堂々とワインが頼めます。いつもの微発泡のカラブリア州の白を頼みます。ビジネスランチはアンティパストかパスタをセレクトするコース。嫁さんがアンティパスト、私がパスタを選んでシェア。こちらはアンティパストのタスマニア産サーモンのカルパッチョ、小エビと押し麦のマリネ。なんとなく味付けが繊細になってます。

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パスタはトラパネーゼのキタッラ。これが絶妙。あとで調べてみたら、トラパネーゼとはシチリア島のトラパニのソースで、アーモンド、バジル、ニンニク、トマト、揚げ茄子をつかったソース。キタッラはギターの意で、ギターのように弦を張った道具でつくるパスタ。ラザニアのような薄く延ばした生地をキタッラで細めんに仕上げたもので、表面がざらついてソースが良く絡まるということ。エリオでは揚げ茄子をオブジェのように乗せて見事なフォルム。これが香ばしいのにトマトの旨味もしっかり出ていて、濃厚かつ繊細な素晴しい味でした。このところエリオで戴いたパスタの中でも抜群の出来でした。

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メインは宮崎鶏モモ肉のトマト煮込みローマ風。ジャガイモのペーストが、ボリュームたっぷり。色鮮やか。もちろんワインをいつものカラブリアの赤に変えて、いただきます。意外にさっぱりとした味。お肉を戴いたあとにペーストをパンにつけてお皿がピカピカになるまで堪能(笑)。

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次のお客さんの予約の隙間に入れていただいたので、メインを食べ終わるとすぐさまドルチェが。いつもながら機敏なカメリエレの皆さんの素晴しい連係プレー。しかも実際は急いでいるのに、満面の笑顔で「ドルチェをゆっくり召し上がっていただきたいので、お持ちしてもいいですか?」と、完璧なフォロー。いつもながらお客さんに楽しく食事をしてもらうことが徹底されていて、こちらも優雅な気分に。ドルチェもいつもながら美味しいんですね


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最後にエスプレッソでキリッと締めて、短時間でしたが、美味しいランチと素晴しい接客でいい時間を過ごさせていただきました。エリオの皆さん、いつもありがとうございます!



お腹も満ちたところで、今日のメインイベント、歌舞伎を見に、東銀座、新歌舞伎座に向かいます。

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歌舞伎人:歌舞伎座新開場 柿葺落六月大歌舞伎

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今日は六月大歌舞伎の第二部。開演は2:40ですので、余裕があります。外が暑かったの歌舞伎座向かいの群馬県のアンテナショップ横の喫茶店でしばらく冷たいものを飲んでのんびりします。

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開場時間を過ぎたので、歌舞伎座へ。歌舞伎座前は相変わらずの大混雑。今月は大歌舞伎ですが来月から花形歌舞伎になり、ようやく杮葺落の熱気から平常に戻ります。

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今日の第二部の出し物は一幕目が片岡仁左衛門主演の壽曽我対面(ことぶきそがのたいめん)と二幕目が尾上菊五郎主演の新古演劇十種の内土蜘(つちぐも)。土蜘は昨年2月に新橋演舞場で中村勘九郎襲名披露公演で、もの凄い脇役陣の舞台を見ています。

2012/02/12 : お出かけ・お散歩・展覧会 : 【番外】新橋演舞場で二月大歌舞伎

勘九郎の襲名披露だけあって、ちょい役に中村勘三郎、中村吉右衛門、片岡仁左衛門が登場するなど、今となっては想い出に残る名舞台と鮮明に印象が残っています。

壽曽我対面は初めて見る舞台。日本三大仇討ちの一つとして知られる曽我兄弟の仇討ちの物語。明治18年に河竹黙阿弥がまとめた台本をもとにした物語。曽我兄弟の父を以前闇討ちにした主役の工藤左衛門祐経に片岡仁左衛門、曽我兄弟の十朗祐成に尾上菊之助、五郎時致に市川海老蔵と言う布陣。

舞台は、幕が上がると浅黄幕がおろされていて、いつもの演出かと思いきや、大薩摩と三味線の二人が脇から出てきて浅黄幕の前で一曲披露。昔からの演出でしょうが、一幕一幕観客を驚かせる演出が歌舞伎の伝統を感じさせます。二人が引っ込んで浅黄幕が落とされると、絢爛豪華の限りを尽くした舞台。工藤左衛門祐経邸での祝宴の場とはいえ、真ん中に富士山、金箔張り豪華な屋敷に工藤左衛門祐経の家来が勢揃いしてこれ以上祝祭的な舞台はないほどのしつらえに観客が息を飲みます。物語はそこに現れた曽我兄弟に対し、工藤左衛門祐経が父を討ったいきさつを語り、荒ぶる曽我兄弟に盃をあたえ、要職を務め終えたら潔く討たれると諭すと言うもの。演出は様式美の表現を極めた、極度にスタティックなもの。完全に決まった舞台の圧倒的な構図を崩すことなく、舞台上の動きは最小限で、物語りが進んでいき、まさに歌舞伎座新開場にふさわしいお祭り気分。仁左衛門の存在感ある演技に対して、菊之助と海老蔵はやはり、器を感じさせてしまいます。特に海老蔵は発声が奇抜さを狙い過ぎて明らかに不自然。この辺りは経験を積みながら味わいに変化していくのでしょう。

休憩をはさんで、二幕目の土蜘。こちらは、尾上菊五郎が土蜘の精に、吉右衛門、三津五郎などの配役ですが、昨年の公演で豪華な配役だった番卒太郎、次郎、藤内はそれぞれ、中村翫雀、尾上松緑、中村勘九郎と若手のエースで固めて、これが普通の配役でしょう。狂言をもとにした舞台なので松の描かれた狂言舞台風の舞台装置の前で進みます。最初の見所は吉右衛門扮する源頼光朝臣の屋敷。体調の悪い頼光を見舞う怪しい僧、実は土蜘の精、菊五郎とのやりとり。僧に扮する菊五郎の怪しさをちらりと感じさせるドスの効いた演技。昨年の舞台では勘九郎が演じましたが、ただでさえ貫禄ある菊五郎の燻し銀の演技は次元が違います。つづく石神様を囲んでの軽妙洒脱な場面は若手ですが、なかなか味のある演技。特に勘九郎が雰囲気ある演技で良かったですね。そして最後の土蜘の精との大立ち回りの場は、菊五郎の土蜘の精のグロテスク極まりない隈取り、キッチュを通り越してヴァナキュラーな迫力を帯びる衣装、スパイダーマンよろしく糸をはきまくる外連。実際には歌舞伎の定石どおり見栄を切りながら舞台配置上での構図の美しさを決めていく連続で動きは限られたものなんですが、次々と構図が変化していくので非常にダイナミックに見える舞台でした。やはり菊五郎の土蜘の迫力は並のものではありませんでした。昨年の土蜘蛛は脇の豪華さ、今年の土蜘は本来のおどろおどろしい土蜘の迫力を味わえ、それぞれ印象に残るもの。今日も存分に楽しめる舞台でした。

4月から豪華キャストで続いてきた歌舞伎座新会場の記念公演も6月で最後です。この時しか見られない豪華な配役ということで、貴重なものでしょう。



さて、別の席で見ていた友人と落ち合って、反省会ということで、三原橋交差点からちょっと入ったところにある九州料理のお店に入ります。

食べログ:九州黒太鼓 紅葉の里

以前、このあたりで飲んだ時に知人からいい店だと聞いていた店、と思って入ったんですが、どうやら違うお店でした。結果的にはいいお店だったので結果オーライです(笑)

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なんと、お通しから、凝った演出で、店員さんが竹のザルに乗せた九州各県の名産のお通しをもって現れ、この中から一人二品選ぶというシステム。私はメヒカリにキビナゴ(笑)メヒカリは竹串に刺さっていて、火鉢の上の陶板で暖めていただきます。なかなか憎い演出。とりあえず生ビールを飲んでいましたが、すぐに空けて、焼酎を注文するよう促されちゃった感じ。

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こちらは馬肉の馬フィレレアステーキ。いいですね(笑) クレソンを添えるあたりにセンスを感じます。

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ビールのお供の定番、博多鉄鍋餃子。

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焼き鳥。ネギマ、ハラミなど。七味唐辛子が手放せません(笑)

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半熟卵を乗せたサラダ。大盛りです。

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なぜか、デザートまで突入してます。

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コースターが粋なデザインだったので、もらってきました(笑)

生ビールのあと、料理につられて芋のロックをくいくい行って、実にいい酔い心地。歌舞伎話に花が咲きながら美味しい料理も堪能。店員さんも気さくでいいお店でしたね。またいきたいお店です。



ちょっと数えてみると、今月は番外が多いですね。後半はレビューで挽回しませんと、当ブログの存在意義にかかわります。まあ、好きな事をやってないと長続きしませんので無理は禁物なんですが、、、

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【番外】初夏の小野、那須、会津、新潟−3

この旅三日目の朝。嵐渓荘で目覚めると同時に水を一杯飲んで温泉に向かいます。昨夜は大浴場に入りましたが、朝は露天の石湯へ。少し温めですが、やはり風が気持ちいいですね。しばらくゆったりお湯につかってのんびり。露天の脇のエゴノキの花びらがそこここ落ちていい風情。

風呂からあがって身支度などしながら朝食の時間を待ちます。朝食は昨夜と同じく別に食事が用意された部屋でいただきます。

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朝食も前回同様、温泉で炊き込んだおかゆや山菜、茶碗蒸しなど。おかゆは塩分の濃い温泉で炊き込んでいるのでまろやかな塩味があってこれが美味しい。量も適量、いろいろなものの微妙な味の変化が楽しめていい朝食です。

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部屋に戻って守門川を見ると工事用のパワーショベルやダンプカーが忙しく行き来しはじめました。そう、この日は月曜日です。洪水の爪痕を直すため、護岸工事が急ピッチで進んでいるようですね。

ちょうど9時半を回ったところで宿の売店でお土産など買って、チェックアウト。嵐渓荘の庭には色とりどりの木々が花を咲かせていて、これだけでも楽しめます。ひめさゆりに鉄線、アヤメ、ヤマボウシなど初夏の美しい花々がそこここに咲いています。

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こちらは駐車場脇のエゴノキ。先程露天風呂の脇にあったものと同じ木。

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そして、前庭にあるアヤメでしょうか。紫と白のコントラストが美しいですね。

今回も嵐渓荘は満足の一泊でした。ロケーションよし、料理よし、温泉よし、そしてヒメサユリをはじめとして美しい花の数々。日頃の疲れを癒すことができました。体力を心配した母親も楽しく過ごすことができたようで何よりです。



宿を後にして、本来ならば近所のクラヴィコード製作者の高橋さんのところをたずねる予定でしたが、昨夜の連絡でキャンセルとなったため、嵐渓荘のある旧下田地区の名所を回ってみようということに。

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下田(しただ)は漢学の里とよばれていますが、それは大修館の大漢和辞典全15巻を75年かけて完成させた諸橋轍次博士の生まれ故郷だからとのこと。母親は以前、目の不自由な方向けに朗読のボランティアをしていたので、漢和大辞典には親しみがあるのでしょう、「諸橋先生にはお世話になったので、記念館に行ってみましょう」と、一歩踏み込んだ姿勢(笑)。それではということで、漢学の里の看板を目印に、諸橋轍次記念館に向かいます。

諸橋轍次記念館 - 三条市

iPhoneで開館時間をしらべて9時からやっていることは確認しましたが、大事なポイントが抜けてました。この日は月曜日。博物館、記念館にありがちな月曜は休館日でした。残念。

ということで、向かいの道の駅 漢学の里しただに方向転換。こちらはやってましたので、地元の野菜やら花やらを少し買って、一休み。あたりは田植えをしてしばらくした田んぼ。

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やまなみロードの入口付近から名勝八木ヶ鼻を望みます。実にのどかでいい雰囲気。こののどかな雰囲気をより楽しもうと、先程道の駅の前にあった地図に「北五百川の棚田」というのがあったのが気になっていたので、こちらも行ってみようということに。棚田を見に行くのはバリ島ウブドゥ以来(笑)

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棚田の近くに行っても一向にそれらしい雰囲気になりませんが、車でグルグル回っていると、「棚田歩行者入口」という看板を見つけました。その近くに車をおいて、農業用の坂道をてくてく登っていくと、ありました!

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あいにくこちらも農道の工事中で最上部まで上がれませんでしたが、母親の体力を考慮するとちょうどいいところまで上がり、田植えを終えたばかりの棚田を望む高台を楽しむ事ができました。

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写真やテレビで見るのとは異なり、実際の棚田は、草の香りと、田植えの大変さが想像できるリアルなものでした。張られた水の中をよく見ると、いますいます、オタマジャクシがわんさか! アメンボやゲンゴロウなども沢山。東京の狛江あたりも昔は田んぼが沢山あり、同じような風景が広がっていましたが、今の東京でこうはいきません。オタマジャクシの大群を見ながらここでものんびり。気持ちのいいそよかぜを感じながらの棚田見物でした。

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最後は名勝八木ヶ鼻の守り神、崖の麓にある八木神社へ。ここもこの一角だけ杉がうっそうと茂り、古くからの氏神様という風格がただよう構えでした。

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帰りの旅の安全を祈り、お賽銭をチャリン。何となく下田詣でを終えた気分になり、この旅の帰途につきます。あとは昼食をどこで戴くかですが、関越を通って東京に帰るとなると、越後湯沢のいつものところに寄らざるを得ませんね。



やまなみロードから栃尾、守門を経由して小出に出て、関越道に乗って湯沢インターで一旦降ります。向かったのはもちろんこちら。

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ピッツェリア ラ・ロカンダ・デル・ピットーレ岩原

この辺りに来る時には必ずと言っていいほど寄っているお気に入りのイタリアン。ついたのは13時頃でしたが、平日にも関わらずかなりの賑わい。あいかわらずの人気です。

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やはり、ここに寄らなくては旅がおさまりません。いつものようにオススメメニューを書いた黒板がやってきます。この時期はアスパラなどの野菜を使った品がオススメのようですね。

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とりあえず、私はノンアルコールビールで喉を潤します。嫁さんはノンアルコールのモヒート。ミントの香りが広がります。そしてなんと母親は生ビール。まだ戦闘力十分です(笑)

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そしてピットーレといえば、こちら。イカをワタごと窯で焼いたもの。行者ニンニクも効いてます。あとでパンに旨味の出たオイルをつけて食べるとこれまた美味。濃厚な味の一品。

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パスタは、こちらも行者ニンニク入りのリガトーニとフジッリのコンビネーション。こちらは爽やかな味。

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そして、ピットーレの名物石窯で焼いたピッツァはアスパラスペシャル。初夏ならではの組み合わせですね。卵のまろやかさと生ハムの塩気、アスパラのしゃきしゃき感がえも言われぬ組み合わせ。この季節はこれに限ります。やはりピッツァはピットーレならではの味。

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最後に珈琲等をたのんで締めます。目の前の岩原スキー場には山菜摘みと思われる人影がちらほら。スキー場ですが初夏にも楽しみがあるのですね。

お腹も一杯になってあとは帰るのみですが、ここに来たら一風呂入りたくなります。いつもの山の湯にいけばいいのですが、以前から時間が合わずに未踏となっていた、越後湯沢駅前の民間の共同浴場、江神温泉共同浴場へ行ってみる事に。

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越後湯沢駅の東口の目の前にある共同浴場ですが、営業時間が午後1時からということで、以前は時間が合わずに目の前まで来ながら入れなかった共同浴場。幸い人がいなかったため、浴室をパチリ。入ると温度は比較的温めで40度くらいでしょうか。温泉は越後湯沢の透明の温泉でかすかに卵臭がするもの。循環のようで塩素臭もわずかにしますが、気になるほどではありません。ここのいいのは清掃が行き届いて隅から隅までピカピカなこと。新しい施設ではありませんが、この維持管理は立派です。お湯にゆったりつかって帰りの運転の英気を養います。

これで越後湯沢の主立った共同浴場はほぼ制覇しましたが、やはり一番は山の湯、つぎはこの江神共同浴場としてもいいのではないかと思います。駒子の湯は観光客向けの循環でいまひとつ。あとは旅館高半の新鮮なお湯が記憶に残る良さでした。

この旅最後のドライブは湯沢インターから自宅まで。途中高坂サービスエリアで一休みしましたが、基本的に渋滞なく東京に無事帰着することができました。八木神社のご利益がありましたでしょうか(笑)

今回の「センチメンタル・ジャーニー」、今まで一度も聞いた事のなかった母親の疎開時代のことを聞けたと言う意味では私にとっても想い出深い旅になりました。私たち夫婦だけだったら、朝から晩まで日帰り温泉巡りというのが常套ですが、温泉も入り、観光地も適当に楽しみ、なにより、ゆったりとした旅程でのんびりと旅をすることができたのは大きな収穫。母親が元気なうちに、行きたいところにまた旅に出たいと思います。

そろそろハイドンのレビューに戻らないと、、、(笑)

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【番外】ラ・フォル・ジュルネで衝撃のブーレーズライヴ

5月4日、5日は有楽町の東京国際フォーラムに出かけ、久しぶりに「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」のいくつかのコンサートを聴きました。今年のテーマは「パリ、至福の時」。

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」2013公式サイト

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンには過去何度か出かけています。2007年のモーツァルトを特集した年には意外とハイドンもいろいろ取りあげられていたので、ミシェル・コルボのモーツァルトのレクイエム他、ハイドンのピアノトリオや、バリトントリオの演奏を生で聴く貴重な機会に恵まれました。残念ながらそのころブログをはじめていなかったのでレポートはありません。ブログに書いておくと自分にとっての記録にもなって意外と役立ちます。記憶は年々おぼろげになっていきますので(笑)。

最近は毎年行っている訳ではありませんが、ゴールデンウィークの都心でのイベントとしても定着しており、賑やかな雰囲気の中で音楽を楽しめるいいイベントです。

さて、今年のテーマはパリ。ハイドンのパリセットでもやればいいのにと思いつつも、そんなマニアックな設定があるはずもなく、特に出かける予定もありませんでした。ところがところが、ちょっと前の日経新聞にアンサンブル・アンテルコンタンポラン来日という記事をみてビックリ。日頃ハイドンを偏愛していることはもちろん、なぜかブーレーズも嫌いではなく(もちろん指揮ではなく曲の方)、アルバムもいろいろ集めています。これは聴かなくてはと、新聞記事を見た通勤電車の中から即座に嫁さんにメールを打って、取れるチケットを手配したという次第。ということで5月4日と5日は東京国際フォーラム巡礼となったわけです。

4日にチケットをとったのはこちら。

公演番号:243(ホールC 14:15〜15:00)
ブーレーズ:デリーヴ1(6つの器楽のための)
ドビュッシー:フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ
ミュライユ:セレンディブ(22人の音楽家のための)
スザンナ・マルッキ指揮 アンサンブル・アンテルコンタンポラン

アンサンブル・アンテルコンタンポランは1976年にピエール・ブーレーズが設立した、31人のソリストからなる団体。初代音楽監督がピエール・ブーレーズですが、現在の音楽監督はこのコンサートを指揮するスザンナ・マルッキ(Susanna Mälkki)。知らない人ですのでちょっと調べておきましょう。

スザンナ・マルッキは1969年ヘルシンキ生まれのフィンランドの指揮者です。ヘルシンキのシベリウス・アカデミーやロンドンの王立音楽アカデミーなどで学び、スウェーデンのイェーテボリ交響楽団の首席チェロ奏者などを務めた後、2006年からアンサンブル・アンテルコンタンポランの音楽監督を務めています。

アンサンブル・アンテルコンタンポランは、なんと今回18年振りの来日ということで、聴きにきた甲斐があるというもの。

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4日は定刻の少し前に東京国際フォーラムに到着。幸い天気に恵まれ東京国際フォーラムの中庭は大混雑。かなりの人出でした。

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今日の席はホールCの1階の左前の方。かなり左はじの方でしたが、音はダイレクトに届き、いい席でした。

ブーレーズ:デリーヴ1(6つの器楽のための)
1曲目からいきなりブーレーズ! 調べると1984年の作品。ピアノ、ヴィブラフォン、ヴァイオリン、チェロ、フルート、クラリネットのための曲。短い曲ですがブーレーズらしいきらめくようなめくるめく音の錯乱が印象的な名曲。ピアノとヴィブラフォンの透明感とフルートとクラリネットの鋭い響きが相俟って、細胞分裂の瞬間を音にしていくような響き。アンサンブル・アンテルコンタンポランのメンバーは流石に演奏し慣れている様子で、この難曲を精緻な響きで保ちます。家に帰ってブーレーズ自身の指揮のアルバムと比べても、ダイナミクスの多彩さ、響きの凝縮度、静寂感の表現が素晴しく、女流ながら精緻なスザンヌ・マルッキの指揮は見事なものでした。

ドビュッシー:フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ
つづいてドビュッシー。指揮はなし。アンサンブル・アンテルコンタンポランの3人のメンバーによる演奏。ドビュッシーの曲の中でも印象派的な部分と抽象的な響きの混じった曲。武満がドビュッシーを聴いて影響をうけたというのがわかるような曲。やはり現代曲の演奏で磨かれた3人の素晴しく精緻な演奏にホールの観衆は釘付け。濃密な音楽に酔いしれました。

ミュライユ:セレンディブ(22人の音楽家のための)
再びスザンヌ・マルッキが指揮台に立ちます。このプログラムのメインであろうミュライユと言う人の曲。解説によれば、1947年生まれのアメリカに拠点をおくフランスの現代作曲家。メシアンに師事していたそう。コンピュータによる音響分析により特定の音の倍音構成を和声に用いたり変調してポリフォニーに応用する「スペクトル楽派」の創始者の一人とのこと。打楽器群による多彩な響きとブーレーズを彷彿とさせる分裂と集散を繰り返しながらダイナミクスが波のように襲ってくる曲。ここでもアンサンブル・アンテルコンタンポランのライヴとは思えない精緻な響きに会場内が水を打ったように鎮まり、聴衆の脳髄に前衛が刺さりました。

お祭りムードのラ・フォル・ジュルネですが、Cホールの観客はアンサンブル・アンテルコンタンポランのあまりに見事な演奏にフランス現代音楽の底力に圧倒されたよう。素晴しい演奏でした。

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ホールの出口から中庭を望みます。ここはラファエル・ヴィニオリの素晴しい設計で空間構成も見事。ホールからの動線のスペクタクルさも楽しみの一つです。

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次にとったコンサートまでの間、中庭に出てみると、出店の一つの看板に「のび〜るアイス」と気になるコピーが。写真の右上に注目。

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これが「のび〜るアイス」。食べてみると確かに弾力があり、「のび〜る」に偽りなし(笑)

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私はもちろんHeineken。ブーレーズの余韻を楽しみます。

さて、もう一つチケットをとったのがこちら

公演番号224(ホールB7 16:00〜16:45)
トゥリーナ:交響的狂詩曲 op.66
ファリャ:恋は魔術師
アントニア・コントレラス (フラメンコ歌手)
海老彰子 (ピアノ)
オーヴェルニュ室内管弦楽団
ジャン=フランソワ・エッセール (指揮)

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こちらは、ファリャを生で聴いてみたくてとったもの。指揮者もオケも歌手もはじめて聴く人。ホールに来てみて思い出しましたが、ここは音楽用ではなく会議用のホールで音が全く響かず、ちょっと演奏者に気の毒。とくに情熱的なスペインの音楽を演奏するには向いていません。トゥリーナの曲はピアノ海老彰子さんの演奏が日本人離れしたラテン的な響きが印象的なものでした。オケと指揮は期待したほどホットではなく、むしろ理性的な演奏。そして恋は魔術師は圧倒的なプレゼンスのフラメンコ歌手登場で、独特のスペイン語の語りとクラシック歌手とはまったく異なる歌が面白かったです。ここでもエッセールの指揮はテンポ良くクッキリと理性的な演奏。ファリャ独特の闇の深さとゾクゾクするようなエキゾチックな魅力とは少々異なる演奏でしたが、やはりそこは生の魅力もあり、なかなか楽しめました。返す返すもこのホールで音楽をやるのは気の毒と感じたコンサートでした。

コンサートを満喫したところで、帰りは最近出来た東京駅前の旧東京中央郵便局を建替えたKITTEに寄ってみました。

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KITTE | キッテ オフィシャルホームページ

入ってビックリ。もの凄い人でした。2階以上に上がるエスカレータに長蛇の列。連休を手軽に都内で過ごす人たちの恰好のお出かけスポットだったわけですね。

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外から見るとこんな感じ。旧東京中央郵便局舎の部分が商業施設になり、上はJPのタワーオフィス。調べてみるとJPタワーは三菱地所設計。KITTEはなんと歌舞伎座を担当した隈研吾さんでした。隈さん流行ってますね。混んだエスカレーターに並ぶのもなんなので、1階でちょっとお土産を買っただけでしたが、巨大な吹き抜けを象徴的に設けて、商業施設としてはかなり大胆な空間構成のもの。透明感のあるミラーの反射や格子状のトップライトなど、光の扱いの上手い隈さんならではのところも見られ、商業施設としては流行りそうな感じがするいい施設。リンクを張ったホームページの方がちょっと魅力を伝えきれていない感じですね。

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そして4日の帰りは東京駅から。こちらも改装して綺麗になったんですね。最近東京駅に用事がなかったので、改装後の駅舎に入るのは初めての事。見上げて写真撮っちゃいました。



そして5日もアンサンブル・アンテルコンタンポラン目当てに東京国際フォーラムへ。この日は1つだけ。

公演番号342(ホールC 12:30〜13:45)
ラヴェル:序奏とアレグロ
ブーレーズ:シュル・アンシーズ(3台のピアノ、3台のハープ、3台の鍵盤打楽器のための)
スザンナ・マルッキ指揮 アンサンブル・アンテルコンタンポラン

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コンサートが12:30からということで、ちょっと早めに東京国際フォーラムについて、ガラス棟のエスカレーターを降りたところにあるカフェでサンドウィッチなどをつまんで腹ごしらえ。

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今日も好天に恵まれ、東京国際フォーラムは大繁盛。ラ・フォル・ジュルネも5日が最終日ですが、まだチケットが残った公演もあり、カフェの向かいのチケット売り場は沢山の人で溢れていました。

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今日もホールは響きの良いホールC。今日は1階右寄り後方で、眺めは全体が見渡せていい席ですが、音は昨日の方がダイレクトでいいですね。昨日のコンサートがあまりに良かったので今日も期待できます。

ラヴェル:序奏とアレグロ
昨日のドビュッシーも良かったんですが、このラヴェル、絶品でした。ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、フルート、クラリネット、ハープという8人のアンサンブルで奏でられるラヴェル。やはり腕利き揃いだけあって精緻な演奏から素晴しい色彩感が浮かび上がります。特にハープの美しさは素晴しかったですね。ヴァイオリンも管楽器もフランス風というのではなく、現代音楽をこなす正確な演奏からラヴェルの書いた音楽が鮮明に浮かび上がるという美しさの限りを尽くしたものでした。自然でかつ厳しさもあるなかから音楽の力が湧いてくる感じと言えばいいでしょうか。

ブーレーズ:シュル・アンシーズ(3台のピアノ、3台のハープ、3台の鍵盤打楽器のための)
ラヴェルの演奏でうっとりした余韻の中、ステージ上には3台のハープ、3台のピアノ、3組ヴィブラフォンなど打楽器がつぎつぎと配置され、場内がざわめきます。3台のハープとピアノが並ぶ姿は圧巻。そして、この大曲シュル・アンシーズ、超絶的名演でした。ブーレーズの真骨頂である人間の意図するものとは思えない膨大な数の音符の散乱、閃光のような鋭い爆発、響きの余韻を点描したように尾を引くトレモロ、三方から予期せず次々と押し寄せる衝撃。30分少しだたでしょうか、ただただ響きに打たれる至福の時。やはりスザンナ・マルッキのコントロールは秀逸。指揮棒なしで手を振るようすはブーレーズそっくり。そして3人のハープ、ピアノ、パーカッションの演奏も精緻の限りを尽くした見事なものでした。最後の一音の余韻が消えてしばらく凍り付いたように静まるホール。マルッキが手をゆっくりおろし場内から嵐のような拍手とブラヴォーの声。いやいや、生の音楽のパワーの凄まじさをまざまざと見せつけられました。横を見ると普段現代音楽など聴かぬ嫁さんもあまりのスゴさにあんぐり。これはすごいと圧倒されたようでした。

現代最高の現代音楽のもつパワーを再認識した次第。ハイドンが聴いたらどう思ったでしょうか。

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興奮冷めやらぬ中、ホールを後にします。ホールCからも中庭のようすが手に取るようにうかがえます。今日はこのコンサートで終わり。せっかくの有楽町なので、交通会館で地方物産、ロフト、イトシアの地下などを散策。昼前にサンドウィッチだけだったのでちょっとお腹が減ったので、イトシアの地下で食事を。

食べログ:うまやの楽屋

まずは生ですが、ここは一番搾りのフローズンを注文。ちゃんと飲むのははじめて。

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飲んでみると上の凍った泡とビールの温度差がかなりあり、何となく想像していたものとは違いました。涼感はありますが、ビール本来の美味しさが上がるものではないと、何となく納得。

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そして戴いたのは牛タン定食。麦飯で。仙台でいろいろ牛タンの美味しいものを戴いたので、本場の牛タン自体の旨味溢れる感じには一歩譲るものの、意外とみそ汁が美味しかったり、生卵がついて変化がつけられるなど独自の工夫もあり、悪くありませんでした。

このあと新宿に寄って買い物をして、連休の都内お出かけイベントは終了。新宿ではもちろんディスクユニオンでちょっと仕入れしました(笑)

ハイドンのブログなのに、なぜかブーレーズにノックアウトされたゴールデンウィークでした。

(参考盤)
BoulezDelive1.jpg
HMV ONLINEicon / amazon / TOWER RECORDS

BoulezSurIncises.jpg
HMV ONLINEicon / amazon / TOWER RECORDS

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カンブルラン/読響の第九(サントリーホール)

今日はあらかじめチケットをとってあった読響のコンサートに行ってきました。

読売日本交響楽団:カンブルランの「第九」特別演奏会

なぜか最近、世の中のトレンドに乗って、年末は第九を聴いています。しかも昨年はN響を2回。

2011/12/27 : コンサートレポート : スクロヴァチェフスキ/N響の第九(サントリーホール)
2011/11/03 : コンサートレポート : 【サントリーホール25周年記念】ホグウッド/N響の第九

ホグウッドの第九は古楽器演奏のパイオニアとしてのイメージよりも諧謔性を帯びた新古典主義的演奏、そしてスクロヴァチェフスキの第九は部分的にはブルックナーを思わせる壮大な伽藍のようなところもあるものの引き締まったタイトな魅力も併せ持つすばらしい演奏で、両者ともにかなりインパクトのある演奏でした。今年も第九を聴きたくてチケットをとったというより、カンブルランの第九の公演情報をみつけて、いつもカンブルランが聴かせるフランスのエスプリのきいた色彩感豊かなオーケストレイションで聴く第九はどのようなものかとちょっと興味が湧いてきたのでチケットをとってみたというのが正直なところ。

当ブログの読者の方ならご存知でしょうが、カンブルラン/読響のコンサートには結構出かけています。

2012/04/16 : コンサートレポート : カンブルラン/読響の牧神の午後、ペトルーシュカ
2010/11/22 : コンサートレポート : カンブルラン/読売日響の朝、昼、晩
2010/07/14 : コンサートレポート : カンブルランのデュティユー
2010/05/01 : コンサートレポート : カンブルランのハルサイ爆演

スクロヴァチェフスキは別格としても、カンブルランのコンサートはこれまで、どれも期待を裏切らない素晴らしい充実ぶりで、毎回楽しめます。



今日は山ほど抱えた仕事があるにもかかわらず、定時で仕事を切り上げて、サントリーホールに向かいます。ストレス発散も重要ですから(笑)

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いつも通り開場直後にはホールに到着します。ホールの前の広場はクリスマスのイルミネーションで華やか。
いつも通りロビーでワインでも飲んでといきたいところですが、先日の観劇の際、ワインが効いてすっかり眠りこけてしまったのを思い出し、今日はぐっと我慢です(笑)

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今日の席は、オケのちょうど裏側。指揮者の表情がよく見える席です。テレビカメラが数台入っていたので、後日放送があるかもしれませんね。

プログラムは第九1曲のみ。合唱は新国立劇場合唱団。ソロはオール日本人。

ソプラノ:木下美穂子
メゾ・ソプラノ:林美智子
テノール:小原啓楼
バリトン:与那城敬

定刻になり、合唱団から入場してきますが、ステージ上だけでおさまります。サントリーホールでは合唱団がステージ後ろの客席にまで入る事も多いので意外とコンパクトな人数です。客席も9割5分とほぼ満員の入り。ソロの4人は最初から合唱団とオケの間に座りました。

1楽章はオケもちょっと緊張気味で、カンブルランの指示によるものでしょう、ヴァイオリンが押さえながらもインテンポでアクセントをつけながらメロディーを刻んでいきます。ヴィブラートは抑え気味で、テンポは速め。カンブルランらしくそこここに変化を付けてオケの色彩感を感じさせながら、ベートーヴェンの重厚な曲から重厚さを抑えて畳み掛けるように進みます。1楽章中盤にきて、オケがようやくフルスロットルになり、オケが炸裂し、ホール中に轟音が響き渡ります。いつものカンブルランの充実の響き。音楽の構造は前記事で取りあげたミヒャエル・ギーレンと似たものを感じますが、カンブルランの方がフランス人らしい華やかさを感じます。それもそのはず、カンブルランはギーレンが首席指揮者を務めていたバーデンバーデン・フライブルクSWR交響楽団のギーレンの後任の首席指揮者です。中盤以降はオケも落ち着き、カンブルランの指示に鮮やかに反応します。
2楽章は読響のティンパニ岡田さんの独壇場。独特のちょっと溜めのあるリズムでティンパニを打ち鳴らしまくります。冒頭から最後まで、速めのテンポでグイグイ攻め込みます。オケもティンパニも引き締まりまくって非常にタイトな演奏。素晴らしく充実したスケルツォでした。一度でいいので冒頭のティンパニの一撃を打ってみたいものです。
予想通りアダージョも速めで練る事はなく、全体の構造をクリアに表現することを狙っているよう。若干木管、金管の演奏に単調さが垣間見える瞬間もありましたが、まとまりは悪くありません。弦楽器はさざ波のような緻密な細かい波紋を美しく描くようでもあり、テンポの速さにも関わらず豊かな音楽を引き出していました。
そして、やはり終楽章は圧巻の出来でした。バリトンの与那城さんは日本人離れした声量と存在感。コーラスも非常にタイトな響きを聴かせ万全。なによりオケがキレキレ。普通はテンポを落としたり休符を長めにとるようなところも、あえて速めにつないで曲の一体感ある響きに拘ったカンブルランのコントロールによって、長大な終楽章がコラールのような重厚かつめくるめくような響きの波と鳴って次々に迫ってきます。ドイツ的重厚さとはかなり異なる夢見るような陶酔感すら感じる盛り上がり。もちろんカンブルラン流のフレージングでオーケストラの響きには色彩感が鮮やかに浮かび上がり、何より素晴らしいのが怒濤のエネルギー感。終楽章が進むにつれて音量は徐々に上がり、最後に至ってはホールを吹き飛ばさんばかりに炸裂。やはりオーケストラ曲としての迫力も素晴らしいものでした。もちろん観客からは割れんばかりの拍手が降り注ぎました。

同じ第九ながら聴かせどころはホグウッドともスクロヴァチェフスキとも全く異なり、期待したカンブルランらしい現代的でスタイリッシュかつ華やかな第九でした。やはり生はいいですね。



今日は第九1曲なので比較的早くホールから出たため、食事にはいろいろ選択肢がありました。ただ、良く寄るアークヒルズ内のオーバッカナルは満席で、なかなか料理が出てきそうにもないので、やむなく同じくアークヒルズ内のとんかつ和幸に入りました。

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まずは生で乾いた喉を潤します。

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そして私はおろしヒレカツ御前。嫁さんはカキフライ盛り合わせ。ステーキもとんかつもあまり食べませんが、食べる時は大根おろしと醤油のことが多いです(もう年ですから、、、)

程なく満腹となって、家路につきました。

東京は外はかなり冷え込むようになりましたが、電車の中が暑い! 暑い電車と寒い外気に繰り返し当たるのは体に良くなさそうですね。来週は仕事納めになりますが、無事納められるよう、風邪をひかないようにしなくてはなりませんね。

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プロフィール

Daisy


Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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所有盤をジャンル別にリスト化しています。基本的に録音年順とし、録音年不明のものは末尾に記載。演奏者名はジャケットなどの表記に合わせています。

2016年9月のデータ(2016年9月30日)
登録曲数:1,361曲(前月比+3曲) 登録演奏数:9,608(前月比+87演奏)
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