ユベール・スダーン/東京交響楽団のオール・ハイドン・プログラム(東京オペラシティ)

先日ブログのコメントでSOSさんから情報をいただたハイドンのコンサート、行ってきました!

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コンサート情報 | 東京交響楽団 TOKYO SYMPHONY ORCHESTRA

3月22日(土)東京オペラシティで行われた東京交響楽団による「東京オペラシティシリーズ 第78回」。指揮は東京交響楽団の音楽監督ユベール・スダーン(Hubert Soudant)、フォルテピアノがピート・クイケン(Piet Kuijken)、コンサートマスターはグレブ・ニキティン(Greb Nikitin)。プログラムは下記のとおり。

ハイドン:交響曲 第1番 ニ長調 Hob.I:1
ハイドン:ピアノ協奏曲 ハ長調 Hob.XVIII:5
ハイドン:ピアノ協奏曲 ニ長調 Hob.XVIII:11 op.21
ハイドン:交響曲 第104番 ニ長調 Hob.I:104 「ロンドン」

ということで、日本では非常に珍しいオール・ハイドン・プログラム。プログラム構成も企画意図を感じさせる、交響曲の父と呼ばれるハイドンの交響曲1番ではじまり、最後はハイドン最後の交響曲104番で終わるというもの。間にクラヴィーアのための協奏曲2曲を挟んだという、まさにハイドンファン向けのプログラム。

普段はあまり熱心にコンサート情報をチェックしていないため、コンサートに出かけるときも、行き当たりばったりですが、ブログに寄せられた情報を見て、これは行かねばならないコンサートであるとピンときたもの。というのも、東京交響楽団ははじめて聴くオケ(当初東京都交響楽団と勘違いしていました)、そして指揮者のユベール・スダーンもはじめて聴く人ながら、このハイドン愛に満ちたプログラムを組むとあっては、ハイドンマニアを自負する私が聴きにいかないわけにはいきません。加えて、東京交響楽団の音楽監督を2004年から続けてきたユベール・スダーンは今月でその座を降り、後任のジョナサン・ノットに譲るとのこと。自身の10年のキャリアを終える時期にオール・ハイドン・プログラムを組むと言う事はよほどのこと。ユベール・スダーンと言う人がハイドンをどう振るのか興味は尽きません。

ユベール・スダーンは1946年、オランダの南端、マーストリヒト生まれの指揮者。当初ホルンを学びホルン奏者として活躍していましたが指揮者に転向。ブサンソン国際指揮者コンクールで優勝、カラヤン国際指揮者コンクール2位、グイド・カンテルリ国際コンクール優勝などの受賞歴があります。1994年から2004年まで、フランス国立ペイ・ドゥ・ラ・ロワール管弦楽団の音楽監督、同じく1994年から2004年まで、ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の音楽監督などをつとめ、2004年から東京交響楽団の音楽監督に就任しています。2004年7月にはザルツブルク市名誉市民となり、またオーストリア・ザルツブルク州ゴールデン勲章を授与されているそうです。ハイドンやモーツァルトなど古典を得意とするのはザルツブルクでの経験があってのことと想像されます。まさに本場もののハイドンを知る人ということでしょう。

まさに、今日のハイドンは古典の矜持を守るハイドンという趣でした。



今日はもともと歌舞伎に行く予定だったため、急遽歌舞伎のチケットを嫁さんの友人に譲り、私のみこのコンサートへ。ということで、通い慣れた東京オペラシティに向かいます。開演は14:00。幸い天気も良く、不幸にして花粉飛びまくりのなか、小田急線の参宮橋駅から歩いてオペラシティに向かいます。

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参宮橋駅から10分くらいなので開場時刻ちょうどのタイミングでオペラシティのタケミツメモリアルホールに到着します。

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一人だったのと、車ではないので、安心してワインを楽しめます(笑)

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今日の入りは9割強。私ははじめてですが、東京交響楽団も常連さんが多いようで、ここ10年親しんだユベール・スダーンの最後とあって、お客さんも名残り惜しそう。

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今日の席は2回席右奥。そう、サントリーホールでお気に入りの位置ですが、先日デニス・ラッセル・デイヴィス/読響の第九に母親連れで来た時にはじめてこのホールの2階の席をとり、こちらも1階席よりも見やすく、音もダイレクトに響くということで、狙っていた席です。ご覧のようにステージを直下に見下ろすなかなかいい眺めの席。



さて、定刻の14:00となり、奏者が入場してきます。こちらもはじめて聴く指揮者とオケへの期待で、ちょっといい緊張感。グラス一杯のワインで、聴覚も鋭敏になっています。スダーン入場で、開場からは割れんばかりの拍手が降り注ぎます。

Hob.I:1 / Symphony No.1 [D] (before 1759)
コンサートでは滅多に演奏されないであろう、交響曲1番。頭のなかではやはりドラティの快活な演奏が刷り込まれています。指揮棒をもたずにスダーンがさっと手をあげると、オケから、ドラティ以上の快活さでリズミカルな1楽章が流れ出します。クッキリとリズムの線を明確した折り目正しい演奏。流石モーツァルテウムで鍛えられた人の音楽と腑に落ちます。オーソドックスな演奏ながら、そこここにアクセントをつけて、スタティックな躍動感と言えばいいのでしょうか、カッチリしながらも推進力をもったバランスの良い演奏でした。特にヴァイオリンパートはコンサートマスターのニキティンがリードしてクッキリとしたアクセントを効かせます。つづくピアノ協奏曲でソロを務めるピート・クイケンが通奏低音を担当し、要所で装飾をかなり施し、華を添えますが、若干リズムが重くオケの快活さとすこし方向が違う感じを残します。管楽器陣はホルンが少し音をはずしたのと、オーボエが少し固い他、安定していい演奏。1番は流石の出来で、ハイドンらしい快活さとバランスの良さが印象的な演奏でした。

Hob.XVIII:5 / Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [C] (before 1763)
つづく協奏曲は、ステージ上から奏者が何人か下がり、ぐっと小編成となります。この曲はオルガンソロで演奏されることが多い曲ですが、どれも快活な印象でした。スダーンはテンポをかなり落とし、また表情をかなり磨いて、快活さよりもあえてしっとりとした表情を出そうとしているようでした。ソロのピート・クイケンはヴィオラ・ダ・ガンバ奏者のヴィーラント・クイケンの次男とのこと。クイケン兄弟といえば竹を割ったような直裁なリズム感と淡々と語るなかから滲み出る音楽が特徴ですが、息子世代のピート・クイケンの音楽はかなり異なり、即興的にばらつくタッチと重めのリズムで、じっくりと音楽を奏でるもの。交響曲1番での快活さを考えると、スダーンはこの曲ではピート・クイケンに合わせてしっとりしたコントロールに振ったのかもしれません。クイケンはこうした音楽性からか、オケとすこし合わずに指がまわっていないように聴こえる部分もあるなど、本調子でなかったかもしれません。

Hob.XVIII:11 / Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [D] (1784)
ステージ上に先程下がったオケの団員が戻り、編成が少し大きくなります。ハイドンのピアノ協奏曲と言えばこの曲。冒頭のオケは一転して鮮烈かつリズミカルな入り。やはりスダーンのコントロールは芯がしっかりとした快活な部分の華やかさに特徴があります。オケがしっかりとリズムを刻むなか、ピート・クイケンが独特のタッチでしっとりとソロを刻みますが、オケがつくった推進力に乗り切れていない印象を残してしまう部分もあり、この辺は個性のぶつかり合いといえるほどの存在感をクイケンが残せていない印象でした。ただ、会場からあ割れんばかりの拍手が降り注ぎ、フォルテピアノソロのアンコールが演奏されました。アンコールは私の好きなアダージョ(XVIII:9)。こちらは独特の即興的なタッチで静かに弾き散らかすような演奏。演奏によっては香り立つような詩情を発する曲ですが、訥々とした別の魅力が浮かび上がったのも事実。こちらは悪くありませんでした。




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休憩を挟んで、最後はハイドン最後の交響曲。

Hob.I:104 / Symphony No.104 "London" 「ロンドン」 [D] (1795)

ステージ上からフォルテピアノが搬出され、オケの人数がぐっと増えます。またティンパニはバロックティンパニ。ロンドンはオーソドックスながら、やはりユベール・スダーンの折り目正しさとオーケストラコントロールの素晴らしさが良く出た秀演でした。オケの規模が大きくなって、ティンパニなどが加わったせいか、冒頭から大迫力の序奏。バランス良くクッキリとメロディーを描いていくスダーンの特徴が良く出た演奏。オケの集中力に会場も固唾をのむように聴き入っているのがわかります。1楽章の終盤の怒濤の盛り上がりもバランスを崩すことなく古典の均衡を保ったもので、構築感を上手く表現していました。
素晴らしかったの続くアンダンテ。規律をたもちながらじわりじわりと盛り上がってくる曲ですが、途中から躍動する部分でのオケの音を重ねて行く部分の立体感は鳥肌がたつほど。ロンドンはどうしても1楽章と終楽章に耳がいきますが、このスダーンのアンダンテのコントロールは見事。今日一番の聴き所でした。
そしてメヌエットとフィナーレは期待通りの盛り上がり。冒頭に聴いた1番から35年以上あと、2度目のロンドン旅行の際に書かれたハイドンの交響曲の総決算たる曲ですが、構成、スケール感、メロディーラインの複雑なからまりなど、第1番交響曲とは次元の異なる仕上がり。一日のコンサートの中でハイドンの交響曲創作の歴史の始点と終点の双方を並べるあたり、ユベール・スダーンの企画意図がしっかりつたわりました。この曲ではティンパニが活躍しますが、バロックティンパニの直裁な響きが鋭い迫力につながっていました。最後はスダーンに嵐のような拍手が降り注ぎました。このオケを10年間振ってきたスダーンに対する観客の暖かい拍手が印象に残りました。

普段N響や読響はたびたび聴きに行っているのですが、はじめて聴く東京交響楽団の響きは新鮮でした。安定感のある折り目正しい弦楽器、管楽器群も総じて優秀ですが、読響などに比べると、すこし潤いに欠けるところもありました。やはりスダーンによるこの10年の取り組みの成果でしょうか、クッキリとした表情は流石に上手く、古典的な曲ではその部分はかなりのレベルにあると思います。

今日は聞き慣れたホールで、聴き慣れたハイドンの曲を、はじめての指揮者とオケで聴くと言う得難い経験でした。やはり生で聴く音楽には録音されたものとは異なる力があります。自身の最後の一連のコンサートにオール・ハイドン・プログラムをもってきたユベール・スダーンと言う人。やはりハイドンの素晴しい音楽の価値を知る人でした。ホールに鳴り響くロンドンの終楽章がもつ力、会場内の多くの人の心に、スダーンと言う人の記憶とともに残りましたね。いいコンサートでした。

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tag : 東京オペラシティ 交響曲1番 ピアノ協奏曲 ロンドン ワイン

ブダペスト室内響のヴァイオリン協奏曲、ピアノ協奏曲、迂闊者(ハイドン)

東京は天気予報通り昨夜から大雪。朝起きた時には5cmくらい積もっているだけだったんですが、夕方には2〜30cmになってます。久しぶりの大雪に、自宅でのんびりしております。

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イムレ・ローマン(Imre Rohmann)指揮のブダペスト室内交響楽団(Budapest Chamber Symphony)の演奏で、ハイドンのヴァイオリン協奏曲(Hob.VIIIa:3)、ピアノ協奏曲(XVIII:11)、交響曲60番「迂闊者」の3曲を収めたアルバム。ヴァイオリン独奏はクリストーフ・バラーティ(Kristóf Baráti)、ピアノ独奏は指揮のイムレ・ローマンです。収録は2007年9月、ハンガリアン・ラジオの22スタジオでのセッション録音。レーベルはハンガリーのBMC。

このアルバムは現役盤ですが、まだコレクションにないのを見越して湖国JHさんから貸していただいたもの。アルバムタイトルは「ヨゼフ・ハイドン2009年アニヴァーサリーアルバム」とあり、ハイドン没後200年の2009年にリリースされたものでしょう。レーベルのBMCは先日ヴェーグの凱旋公演ライヴというすばらしいアルバムが記憶に新しいところ。ハイドンの地元ハンガリーのレーベルですので、この記念アルバム素晴しく気合いの入った造り。音楽を聴く前から迫力を感じます。

2013/09/15 : ハイドン–交響曲 : ヴェーグ/カメラータ・アカデミカのブダペストライヴ

アルバムジャケットもヴェーグ盤同様凝った造りです。

指揮者でピアノ独奏を担当するイムレ・ローマンですが、以前に同じくハイドンのピアノ協奏曲(XVIII:11)のソロを担当したアルバムを一度取りあげています。

2013/06/24 : ハイドン–協奏曲 : イムレ・ローマン/ザルツブルク・モーツァルト・アンサンブルのピアノ協奏曲など

今日取り上げる演奏が2007年の録音、上の以前取りあげたアルバムは2003年の録音と、あまり間を置かずに2回録音しています。以前のアルバムはOVPP(One Voice Per Part)によるスッキリとした響きが特徴でした。イムレ・ローマンについては前記事をご参照ください。

ヴァイオリン協奏曲でヴァイオリンを弾くクリストーフ・バラーティは、1979年ブダペスト生まれのヴァイオリニスト。子供のころはヴェネズエラで過ごし、8歳のころヴェネズエラのマラカイボ交響楽団と演奏したとのこと。ヴァイオリンは母親から学びはじめ、その後カラカス、しそてブダペストのフランツ・リスト音楽アカデミーで学びました。1996年に開催されたジャック・ティボー・コンクールでストラディバディウス・ソサイアティのエドゥアルド・ウルフソン教授に見いだされ、以降はハンガリー及びヨーロッパで活躍しているそうです。

ハイドンの地元ハンガリーのレーベルによるハイドン没後200年を記念する特別なアルバム。その出来はどうでしょうか。

Hob.VIIa:3 / Violin Concerto "Merker Konzert" 「メルク協奏曲」 [A] (c.1765/70)
超鮮明な録音。スタジオでの録音らしい鮮明さ。残響も思ったほど少ない訳ではありません。この曲としてはテンポは遅めでしょう。オケはかなりシャープに伴奏を刻み、バラーティのヴァイオリンは切れ込み鋭いこちらもシャープなもの。ヴァイオリンの低音の分厚い響きと、浸透力の高い高音の澄み渡った響きがストラディヴァリウスらしいですね。ローマンのコントロールが優先しているのか、曲の流れよりも骨格をシャープに表現することを優先したような分析的な演奏スタイル。ただバラーティのヴァイオリンの美音によって響きの美しさも聴き所になっています。良く聴くとバラーティのヴァイオリンの響きの多彩さはかなりのもの。オケがどちらかというと辛口の表現なのに対し、ヴァイオリンは艶やかで色っぽさをもったものが、かえって緊張感を生んでいるよう。カデンツァはバラーティ自身のもので、ストラディヴァリウスの艶やかな美音を思う存分聴かせるもの。
続くアダージョに入ってもオケのテンションはあまりゆるまず、辛口のまま進みます。音量はソロが特に大きい訳ではないのですが、演奏のテンションでヴァイオリンがかなり前に打ってきています。
フィナーレはオケのキレが戻り、かなり分析的な表現も聴かせます。空気感を感じるほどキレのある少し長い伴奏にヴァイオリンソロが加わります。ヴァイオリンはもはや麻薬的に美音を轟かせ、現代音楽のようなエクスタシーを感じさせるほど。ハイドンのヴァイオリン協奏曲としてかなり個性的な演奏ですが、ちょうどクレーメルとアーノンクールによるモーツァルトのヴァイオリン協奏曲の演奏と似た立ち位置の演奏といえば伝わりますでしょうか。音楽表情は一貫してシャープなんですが、音楽の流れもそこそこ良く、個性的な名演奏です。

Hob.XVIII:11 / Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [D] (1784)
こちらも録音は超鮮明。テイストは同じ印象ながら、ヴァイオリン協奏曲よりも自然な流れに修正してきました。ローマンのピアノはやはり分析的な思考が現れて、クリアそのもの。タッチも鮮明で一音一音が光り輝いています。このスタイルが伝統的な演奏の印象をはぎ取り、現代風のイメージを構成しているようですね。音楽の流れは前曲同様特に悪いところはなく、まるでジャズのセッションのようにスリリング。驚くのが1楽章のカデンツァ。これはローマンのものであるとのことですが、かなり音数の多い、しかも現代風のカデンツァ。聴き慣れたこの曲が、実に新鮮に聴こえます。
2楽章は予想通りしなやかな表情が加わり、ローマンのピアノも主旋律をクッキリと強調してキリリとメリハリの効いた音楽をつくってゆきます。音楽が華やかで、現代風の涼やかさも加わり、非常に新鮮な響き。
フィナーレは予想通りオケがキレキレ。テンポが急くことはなく、鋭い響きで落ち着いた進行。どこまでもクリアでシャープな響きを徹底しようとするローマンの意図が伝わります。最後までキレ味は最高。

Hob.I:60 / Symphony No.60 "Il disrratto" 「迂闊者」 [C] (before 1774)
前2曲を聴いて、どうして迂闊者をこのアルバムにもってきたのか、何となくわかりました。イムレ・ローマンのコントロールするオーケストラのキレ味抜群の響きに最も合いそうなのがこの迂闊者であろうと想像がつきます。
この曲はシュトルム・ウント・ドラング期直後の1774年にエステルハーザで、ジャン・フランソワ・ルニャール作の「迂闊者」という戯曲を上演した際の劇付随音楽(XXX:3)と幕間音楽を交響曲に仕立てたもの。まさに劇中音楽のような劇的な音楽で、ハイドンの交響曲中唯一の6楽章構成の曲。作曲当時はハイドンのユーモア溢れる曲想が人気を集めたとのこと。
予想通り冒頭から鮮度の高いオケの響き炸裂。ローマンのキレ味鋭いコントロールがもっとも合った曲。機知に富んだ旋律をスリリングに奏で、しかも鋭い響きが錠に流される事なくアーティスティックに響き渡り、この交響曲の面白さを際立たせています。アーノンクールより響き自体にこだわらず、音楽的な変化の面白さも表現しきっているあたりは流石なところ。協奏曲ではかなりタイトに攻め込んでいましたが、この曲のメヌエットでは、穏やかな表情もきちんとこなして、楽章間のメリハリを効かせています。交響曲では楽章間の変化や間の取り方が曲の締まりに大きく影響することを踏まえて、表現の幅を一段と大きく取っているようです。
普通の交響曲のような前半4楽章とこの曲の聴き所の5楽章ののアダージョと6楽章のフィナーレの描き分けも見事。5楽章は可憐なヴァイオリンソロを引き立てる静けさ表現、そして6楽章はまさにオペラの一場面のようなユーモラスな情景描写。有名なチューニングの場面はかなり抑えた表現でハッとさせられます。最後は純音楽的な透明感ある響きでどんちゃん騒ぎをまとめるような上手い捌きで終えます。

イムレ・ローマン指揮のブダペスト室内交響楽団の演奏による、ハイドン没後200年を記念したアルバム。ハンガリーのオーケストラの素晴しい響きを思い知らせるような素晴しい出来でした。2009年にはハイドンのアニヴァーサリーに合わせて多くのアルバムがリリースされましたが、このアルバムはその中でもきらりと光る存在でしょう。イムレ・ローマンのキリリと引き締まった個性的な解釈によって、ハイドンの2つの協奏曲と迂闊者というユニークな交響曲が新鮮な姿で蘇るような演奏でした。評価は3曲とも[+++++]とします。このアルバム、録音も秀逸でハイドンの名曲を最上の響きで楽しめる名盤でしょう。

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アンスネス/ノルウェー室内管のピアノ協奏曲集

今日も好きなアルバム。

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レイフ・オヴェ・アンスネス(Leif Ove Andsnes)のピアノとノルウェー室内管弦楽団(Norwegian Chamber Orhestra)によるハイドンのピアノ協奏曲3曲(Hob.XVIII:3、XVIII:4、XVIII:11)を収めたアルバム。アンスネスの弾き振りです。収録は1998年6月、ノルウェーの首都オスロのロメンダーレン教会でのセッション録音。レーベルは名門EMI CLASSICS。

アンスネスは1970年のノルウェーの南西端に近い街、カルモイ(Karmøy)生まれのピアニスト。ノルウェーのベルゲン音楽院で学び、1987年に地元オスロでデビューし、イギリスではその翌々年オスロフィルハーモニーとの共演でエジンバラ音楽祭に登場、そしてアメリカではネーメ・ヤルヴィの指揮によるクリーヴランド管弦楽団との共演でデビューするなど華々しい経歴の持ち主。

お国柄かグリークを得意としているようですが、この人の他のアルバムを聴いた事はありません。ノルウェーらしいかどうかわかりませんが、氷の結晶のような独特の透明感をもったピアノのが印象的な人。以前取りあげたベルグルンドのハイドン同様、北欧の澄んだ空気のような素晴らしい透明感を感じる演奏で、好んで聴いてきたアルバムです。

Hob.XVIII:3 / Concerto per il clavicembalo(l'organo) [F] (1765)
十分に彫りの深い現代楽器オケによる序奏。切れ味抜群の入りです。弾き振りならではのオケとソロが引き締まった響きを構成。ピアノはアンスネスらしい純度の高い氷の結晶のような響き。溜めはなくキビキビとした推進力に溢れた演奏です。ピアノのリズムの正確さはもとより、オケのコントロールも非常に緻密。オケ自体も俊敏な反応で、アバドの振るヨーロッパ室内管のような切れ味。特に低音弦群の引き締まった響きがオケのキレを一層タイトな印象にしています。きらめくピアノを鮮度の高いオケが支える理想的な演奏。
アダージョはゆったりしたというよりは純水のような純度の高さを感じさせる演奏。オケは抑え気味にしてピアノの響きの美しさに音楽を語らせるような展開。
フィナーレは期待どおり、クリアな響きによる爽快なもの。相変わらずのクッキリとしたメリハリと純度の高いピアノの響きが一気に吹き抜けるような楽章。1曲目からアンスネスらしさが非常に色濃く出た演奏です。

Hob.XVIII:4 / Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [G] (c.1770)
曲の成熟にあわせてオケも鮮度重視から、すこししなやかさを増した印象。ピアノのクリアな響きは変わらず、おケも鮮度は相当な物。1998年の演奏ですが、オケの弦楽器はヴィブラートはかなり抑え気味なことが鮮度の高い響きにつながっているのでしょう。ノルウェー室内管、相当なテクニシャン揃いと見受けました。この曲ではピアノとオケの掛け合い的スリリングさも楽しめる演奏になってます。
2楽章のラルゴは詩情溢れる曲想ですが、アンスネスのコントロールは終始ピアノの淡々としたきらめきできかせようというもの。純音楽的な美しさで通します。決して緩まず、まさに透き通った氷の結晶のような音楽。2楽章の終わりは静けさに吸い込まれるように終わります。
フィナーレはその静けさを突き破るように切り込み、フルスロットルのオケとピアノの掛け合い。オケのプレゼンスはあくまでも引き締まったもの。ここまで緊張感をたもっているのはやはりアンスネスのコントロールが行き渡っているからでしょう。この曲も完璧。

Hob.XVIII:11 / Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [D] (1784)
そして最後は名曲XVIII:11。どうしても過去の演奏の影響を感じさせてしまう演奏が多い中、アンスネスは純度の高いピアノの響きに加えてタイトなオーケストラをかなり禁欲的に引き締ることで、アンスネスの演奏という印象をきっちり作っています。ここでもオーケストレイションは見事。ピアノよりも指揮者としての腕前の方をほめたくなるくらいしっかりした伴奏。ピアノも清流のごときどこも引っかかりのない見事なタッチで流します。まさに音楽の純度を極めたような演奏。ハイドンの楽譜から磨き抜かれた音楽がクッキリと浮かび上がります。
緩徐楽章は抑制の美学の極み。どの音を抑えるかを巧みにコントロールして響きを削ぎ落しながらも、音楽は継続していきます。深みのあるフレージングではありませんが、磨き抜かれた響き自体に語らせるスタイル。美音に包まれる快感にどっぷり浸かる感じです。
フィナーレは言わずもがなです。自在に転がるピアノ美音と、コントロールが行き渡ったオーケストラによる澄み切った境地。決して勢いまかせにならないところが流石です。

レイフ・オヴェ・アンスネスとノルウェー室内管弦楽団によるハイドンのピアノ協奏曲はまるでダイヤモンドのような素晴らしい輝きのピアノと引き締まったオーケストラが渾然一体となった、極めて純度の高い演奏でした。ハイドンらしさ、古典らしさとはちょっと異なる印象。やはり北欧の澄んだ空気のようなものを感じさせるのが不思議なところです。我々の想像なのか、それともアンスネスの育った音楽環境の影響なのかはわかりませんが、この演奏には明らかに北欧を感じます。ハイドンのピアノ協奏曲の定番になりうるスタンダードなものではありませんが、ハイドンのピアノ協奏曲の演奏の一つの姿を極めた演奏である事に異論はありません。評価は3曲とも[+++++]とします。

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【新着】オリヴァー・シュニーダー/イギリス室内管のピアノ協奏曲集

いや、今週は仕事が忙しかったです。4日に分けてようやく書いた記事。
最近HMV ONLINEから届いたアルバム。

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オリヴァー・シュニーダー(Oliver Schnyder)のピアノ、アンドリュー・ワトキンソン(Andrew Watkinson)指揮のアカデミー室内管弦楽団(Academy of St Martin in the Fields)の演奏で、ハイドンのピアノ協奏曲3曲(Hob.XVIII:3、XVIII:4、XVIII:11)を収めたアルバム。収録は2011年12月15日、16日、ロンドンのヘンリー・ウッド・ホールでのセッション録音。レーベルは今やSONY MUSICグループとなったRCA RED SEAL。

ピアノのオリヴァー・シュニーダーは1973年、スイス、チューリッヒの北西の街、ブルック生まれの若手ピアニスト。チューリッヒ芸術大学でオメロ・フランセシュに、またマンハッタン音楽院でルース・ラレードに、ボルチモアでレオン・フライシャーにピアノを学びました。アメリカ、ワシントンD.C.のジョン・F・ケネディー・センターでのデビューを皮切りに世界中で活躍するピアニストです。

Oliver Schnyder Piano | Offical Site of Pianist Oliver Schnyder

私ははじめて聴く人。HMV ONLINEでは他に数枚のアルバムがあるのみで、このアルバムが看板アーティストとしての本格的なアルバムのようです。ここでハイドンを持ってくるあたりに、いわくがありそうですね。

指揮のアンドリュー・ワトキンソンはイギリス室内管弦楽団、ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズ、ロンドン・シンフォニエッタなどロンドンに拠点をもつほとんどの室内オーケストラを振っている指揮者。このアルバムのオケであるアカデミー室内管弦楽団の音楽監督だった時期もありました。また、彼自身が設立したシティ・オブ・ロンドン・シンフォニアの音楽監督として15年以上にわたって演奏を続けているとのこと。実力派の一人でしょう。ワトキンソンもはじめて聴く人。

ということで、はじめて聴く2人の組み合わせによる協奏曲、どう響くでしょうか。

Hob.XVIII:3 / Concerto per il clavicembalo(l'organo) [F] (1765)
最新のものらしくキレの良い録音。オケは現代楽器による弾むような響き。音符を切り気味にして爽快感を表現。シュニーダーのピアノはタッチの軽さ、打鍵のキレの良さに神経が行き届いたもの。落ち着いていながらもリズム感のよさはかなりのもの。小編成オケとキレのいいピアノのアンサンブルで表現されたハイドンのピアノ協奏曲。シュニーダーなりの古典の表現でしょう。ワトキンソンの指揮は低音弦の音階に独特の雰囲気のあるこの曲を上手く表現しています。オーソドックスながら今風のキレの良い響きでまとめる手腕はかなりの実力とみました。シュニーダーも後半になるにつれて恍惚感のようなものがにじみ出てきます。驚くのはカデンツァ。ハイドンの協奏曲のカデンツァとは思えない不思議な響き。まるでチックコリアのよう。はっきり言って違和感がある程変わったカデンツァですが、面白い事は面白いもの。
2楽章はラルゴ・カンタービレ。ここはシュニーダーのテンポ感の良さが最良の形で発揮されます。オケのピチカートとピアノの掛け合いは孤高の響宴。これは見事。
フィナーレはもちろんテンポを上げますが、古典の均衡は崩れず、むしろ速いテンポの爽快感の上に古典の造形美を感じさせる、非常に美しい演奏。基本的に音楽に華があり、ちょっとしたフレーズにもきっちりとメリハリがついて見事な構成感。ピアノもオケも素晴らしいテクニックと音楽性を持ち合わせていることがわかりました。1曲目からグロッキーです。

Hob.XVIII:4 / Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [G] (c.1770)
この曲でもリズムが活き活きと弾んで入り、前曲同様、古典の均衡を感じさせながらディテールはキレキレ。シュニーダーの意図がわかってきました。軽いタッチ、しっかりしたタッチと変幻自在、鮮度抜群のピアノ。やはりカデンツァではかなり踏み込んだ表現をして個性をアピール。それに合わせて、ワトキンソンのコントロールするオケも引き締まった響きでサポート。前曲よりも楽章間の緩急の対比が鮮明。躍動する1楽章、なだらかな丘を散策しながらきらめきを感じる2楽章。力感極まるフィナーレと続きます。ピアノのキレの極致を感じるほどの見事なタッチ。フィニッシュも素晴らしい勢い。

Hob.XVIII:11 / Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [D] (1784)
最後は名曲XVIII:11です。数多の演奏のイメージの交錯する曲ですが、先人の演奏の垢をすべて洗い流したような純粋な響き。オケの鮮度は抜群、ピアノのキレも素晴らしく、このアルバムの最後に相応しい演奏。速めのテンポでグイグイ攻めていきます。ピアノは左手の力感と右手のきらめき感が抜群のリズム感で結びついたもの。クッキリと浮かび上がるメロディーの面白さがうまく表現できています。カデンツァは意表をついたもので、もはやシュニーダーのトレードマークですね。
2楽章は、聴き慣れたこの曲から静けさを引き出し、ピアノ表情をよりクッキリ表しています。オケの表情は素朴でニュアンス豊かというより、響きの純粋さをベースとしたもの。その上でピアノは緩む事なくキリッとした引き締まった響きで規律あるアダージョ。
フィナーレは前曲よりも軽さを意識してメロディーが転がるような流麗さ。ピアノはまさにコロコロ転がるようなタッチです。敢えてすこしメリハリを抑えて流れの良さを強調しているよう。最後はすこし盛り上げてフィニッシュ。

はじめて聴くオリヴァー・シュニーダーのピアノでしたが、かなりの実力者と聴きました。演奏スタイルは、まさにハイドンにピタリと合ったもので、タッチの鮮やかさ、軽やかさはかなりのもの。決してコンセプチュアルなアプローチではありませんが、邪心もなく純粋に音楽を奏でようといういともしっかり伝わります。これからが楽しみなピアニスト。カデンツァで個性を印象づけることも怠らないあたりも、なかなかです。指揮のアンドリュー・ワトキンソンのコントロールもタイトで見事。最近のハイドンのピアノ協奏曲の中ではオススメのアルバムと言えるでしょう。評価は[+++++]とします。

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ルドルフ・ブッフビンダー/ウィーン響のピアノ協奏曲XVIII:11

東京は昨日までの雨が上がり、ようやく晴れ間が。府中は朝から大国魂神社のくらやみ祭りの太鼓が鳴り響いています。腰にくるような巨大な太鼓を野球のバットほどのバチで両側から交互に叩き続けます。

今日は今まで取りあげていなかったブッフビンダーのアルバム。

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ルドルフ・ブッフビンダー(Rudolf Buchbinder)のピアノと指揮、ウィーン交響楽団(Wiener Symphoniker)の演奏でハイドンのピアノ協奏曲(Hob.XVIII:11)と、シューマンの序奏とアレグロ・アパッショナータ、ラヴェルのピアノ協奏曲、モーツァルトのきらきら星変奏曲、シューマンの交響的練習曲、幻想曲ハ長調を収めた2枚組のアルバム。ハイドン以外の演奏者などは上のHMV ONLINEのリンク先をご覧ください。ハイドンの収録は、1994年6月26日、ウィーンのムジークフェラインの大ホールでのライヴ。

ルドルフ・ブッフビンダーはオーストリア人かと思っていましたが、Wikipediaを調べてみるとチェコ生まれです。1946年、チェコのプラハの北方の街、リトムニェジツェ(Litomĕřice)の生まれ。5歳でウィーン国立音楽大学に入学し、8歳でマスタークラスを履修して同大学の最年少記録となったという神童ぶりでした。9歳で最初の公開演奏会を開き、1966年にヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで特別賞、1967年にはベートーヴェン・ピアノコンクールで1等を獲得するなど若い時から才能が開花しました。その後は室内楽やピアニストとして活躍。1976年にはハイドンのピアノ曲全曲録音によってグランプリ・デュ・ディスクを受賞したとのこと。ブッフビンダー本人のサイトがありましたので紹介しておきましょう。

RUDOLF BUCHBINDER - The Official Website

ブッフビンダーのハイドンのピアノ曲全集は、ちょっと肌合いが悪いというか、ハイドンのピアノソナタの深遠な響きに到達していない印象があって、あまり評価はしていなかったので、あまり聴き込んでいませんでしたが、このアルバムの協奏曲は指揮を含めて悪くありません。

Hob.XVIII:11 / Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [D] (1784)
ウィーン響の透き通るようなヴァイオリンによる序奏。ムジークフェラインの柔らかく美しい響きが乗ったウィーン響の序奏が穏やかなテンポで入ります。木質系の美しい響き。非常にオーソドックスなオケの響き。これぞ古典的なハイドンの響きです。ブッフビンダーのピアノも中庸なテンポなからクッキリとメリハリがついて、俊敏な反応を楽しめるもの。ライヴならではの緊張感に包まれた演奏。オーソドックスなハイドンの協奏曲の演奏ながら、音楽の喜びに溢れた演奏です。盤石の安定感を見せるオケの伴奏に乗ってブッフビンダーは軽々と転がすようにピアノを弾き進めていきます。推進力は十分。愉悦感も十分。緩急の変化も適度についた秀演です。
2楽章はこの曲のもつ暖かい表情を十分表現したもの。分厚いオケの響きと高音を主体としたきらめくようなピアノの掛け合いから醸し出される素晴らしい情感。この曲の美しさを存分に味わえます。とろけるようなムジークフェラインの響きに包まれてゆったりと音楽を楽しむひと時。至福とはこの事でしょう。ハイドンのピアノ協奏曲の最も正統な演奏と思わせる説得力があります。
この演奏では曲全体で豊かな音楽を狙っていると思われ、楽章間の表情の変化はほとんどなく、テンポも演奏スタイルも一貫したもの。テンポやスタイルではなく楽譜に込められたメロディーの意図をフレーズごとに拾って再現していくよう。オケとピアノの美しい響きが織りなす音楽をただただ楽しむべき演奏といえるでしょう。フィナーレは適度な力感の盛り上がりと、終結に向かう音楽構成に身を任せるような演奏。最後はムジークフェラインの観客から万来の拍手で迎えられます。

ハイドンのご当地ウィーンで開かれたコンサートの模様を収めたこのアルバム。なぜかハイドンらしさ、ウィーンらしさを存分に感じる演奏でした。奏者の表現意図もあるのでしょうが、自然なオーケストラと自然なピアノがハイドンの名曲XVIII:11の美しさを浮き彫りにするようです。コンサートを聴く楽しみも合わせて感じる素晴らしいライヴ録音。ブッフビンダーのピアノ音楽全集の方は、なぜか平板な響きが魅力を削いでいるようにも感じますので、録音は重要ですね。評価はもちろん[+++++]とします。

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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : ピアノ協奏曲 ライヴ録音

ハインツ・シュレーター/ギュンター・ヴァントのピアノ協奏曲

前記事のスワロフスキーの演奏を聴いて、ヒストリカルな演奏をもう少し。

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ハインツ・シュレーター(Heinz Schröter)のピアノ、ギュンター・ヴァント(Günter Wand)指揮のケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団の演奏によるシューベルトの交響曲6番、8番「未完成」、ハイドンのピアノ協奏曲(Hob.XVIII:11)の3曲を収めたアルバム。収録は1956年6月11日、ドイツのケルンの北東約10キロの街レバークーゼンでの録音。おそらくセッション録音です。

ヴァントのハイドンはこれまで2度取りあげていますが、何れもヴァントが得意としていた交響曲76番。

2011/10/15 : ハイドン–交響曲 : ギュンター・ヴァント/ベルリン交響楽団の交響曲76番ライヴ
2010/12/27 : ハイドン–交響曲 : ギュンター・ヴァントの交響曲76番DVD

今日は最近手に入れた、ヴァントが伴奏を担当するピアノ協奏曲。ヴァントのハイドンには何か惹き付けられる華があります。このアルバムの演奏にも期待した華が聴かれますでしょうか。

ピアノのハインツ・シュレーターはちょっと情報があまりありませんので、いつもの紹介は割愛です。

Hob.XVIII:11 / Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [D] (1784)
前2曲のシューベルトの交響曲はステレオ録音なのに対し、この曲は1956年のモノラル録音。音質はそれほど悪くありません。ヴァントらしい古典的な立体感溢れる伴奏。彫りの深い彫刻ながらバランスの良いプロポーション。じっくりしたテンポと抜群の生気でピアノの入りを待ちます。ピアノはかなり大きめの音像で前に定位。高音がすこしつまり気味なので鼻をつまんだような音色なんですが、リアリティは十分。シュレーターのピアノの表情は若干単調で、むしろヴァントのコントロールするオケの方が雄弁に聴こえます。それでもテンポの正確さと転がるように滑らかな音色でオーソドックスな演奏。ちょっとピアノが弱いかなと思ったところ、1楽章のカデンツァは、聴いたことのない変わったもの。短いフレーズごとに転調や変化を多用したユニークなもの。あっさりしながらも、ちょっと個性的なカデンツァ。1楽章は基本的にヴァントペースで進み、カデンツァでシュレーターがちょっぴり自己主張という感じ。
2楽章のアダージョは、ヴァントのコントロールする優しく息の長いフレーズの序奏からはじまります。当たり前ですが抜群の安定感。ピアノはあっさりした雰囲気のまま、コロコロと転がるようにオーケストラに絡み、1楽章とは異なり意外と深みも感じさせる演奏。ソリストと指揮者の息が徐々に合ってきて、なかなかいい掛け合いにになってきました。あまりオケに引きずられずに淡々と弾き進めるのがかえっていい感じになっています。2楽章のカデンツァは非常にシンプルなもの。
3楽章はソロとオケが一体となった演奏。ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団の音色はいい意味で粗さもあり、ざっくりした生成りの布のような風合いを感じさせるもの。ピアノは推進力に溢れ、バリバリ弾き進めていきます。ほどよい感興をともなってリズミカルにピアノがリードして、オケが間の手を入れていくような展開。協奏曲の醍醐味をじわりと味わえる演奏。最後までピアノはハッタリもなく誠実な演奏。程よい盛り上がりで終了です。

やはりヴァントの古典的均整のとれたオーケストラコントロールは見事。緻密なものではありませんが、手慣れた手腕は見事の一言。一方ピアノはヴァントの均整に対して、ちょっと地味な存在ですが、それほど悪くはありません。以前取りあげた76番に見られる、カジュアルなのに輝きにみちた完成度までには至りませんが、ヴァントのハイドンはハイドンの曲の真髄をとらえた説得力があり、このバランス感覚が貴重なものだと思います。ピアノ協奏曲ゆえ、やはりピアノにはもうひと踏み込み欲しいのが正直なところです。評価は[++++]としたいと思います。

テーマ : クラシック
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tag : ピアノ協奏曲 ヒストリカル

サグレスターノ/ムジチ・デ・プラハのトランペット、ホルン協奏曲、ハープシコードとヴァイオリンのための協奏曲

室内楽の中休み第2弾です。かなり久しぶりの協奏曲。

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ルイジ・サグレスターノ(Luigi Sagrestano)指揮のムジチ・デ・プラハ(Musici de Praga)の演奏によるハイドンのトランペット協奏曲、ホルン協奏曲、ハープシコードとヴァイオリンのための協奏曲の3曲を収めたアルバム。ソロはトランペトはベルナルト・スーストロ(Bernard Soustrot)、ホルンがヨーゼフ・ブラズダ(Joseph Brázda)、ハープシコードがマーティン・ディラングス(Martin Derungs)、ヴァイオリンがヴァーツラフ・フデチェク(Václav Hudeček)。収録は1984年6月、チューリッヒのアルトシュテッテンでのセッション録音。レーベルはリステンパルトなどのアルバムをリリースしているACCORD。

ACCORDのアルバムにはなぜかいいものが多いので、見かけたら即ゲットです。昨日のアルバム同様ディスクユニオンで見つけたもの。長谷川等伯の幽玄な世界のような背景に音楽を楽しむ家族を描いたような絵のジャケット。ジャケットを見た途端霊気を感じました。

オケのムジチ・デ・プラハは1966年設立の室内管弦楽団。設立以来チェコでは指折りの室内オーケストラで、指揮はヴァーツラフ・スメターチェクやリボール・ペシェクなどチェコの名のある指揮者と共演してきました。最近のメンバーはプラハ交響楽団のメンバーがつとめ、バロック音楽から20世紀の現代音楽まで幅広いレパートリーを持っているようです。ソリストで知っている人はいませんが、名前からチェコのひとが多いようです。

まさに未知のアルバムですが、ジャケットから漂う霊気は只者ではないと予感させます。果たして予感は的中するでしょうか。

Hob.VIIe:1 / Concerto per il clarino [E flat] (1796)
年代なりの音響ですが、冒頭からとろけるようなオケの序奏。久々のトランペット協奏曲のメロディーに感情が高まります。ハイドンの古典の真髄をえぐるようななオケの響きがぐっときます。スーストロのトランペットは落ち着き払って、まずは伴奏と完全に一体化するようなマナーのいいトランペット。とろけるようなフレージングで名曲をさりげなく吹き抜いていきます。落ち着いて演奏を楽しむような余裕たっぷりの演奏。オケの方も力む事なく美しい響きに寄っているよう。流石ACCORDの録音。後半に来てオケの響きの刻みのキレが良くなってきます。スーストロのカデンツァは朗々と会場内に響き渡る堂々としたもの。トランペットの美音を欲しいままにするような孤高の響き。
2楽章のアンダンテはさらにリラックス。オケもトランペットも十分にリラックスしてゆったりと聴き慣れたメロディーを奏でていきます。赤く焼ける夕焼けのような情感を伴ったアンダンテ。ロマンティックというよりは古典的な優しさを感じる演奏。
ちょっと意外な入りなのがフィナーレ。なんととろけるような音色はそのまま、ザクザク刻むような荒々しい入り。テンポはこれまでオーソドックスでしたがフィナーレははっきりと遅めを狙っているよう。堂々としたオケと朗々と吹き抜けるトランペットがとろけるように絡み合う楽章。クライマックスは気品ある迫力を見せます。見事。

Hob.VIId:3 / Concerto per il corno [D] (1762)
トランペット協奏曲も見事でしたが、それを上回る出来。冒頭からワクワク感に包まれるような流麗さと緊張感。ホルンのブラズダは天才的なフレージング。もしかしたらデニス・ブレインよりもいいかもしれません。ブレインの図太い存在感にはかないませんが、緻密なテュナミークのコントロールと抑えた音量の部分のコントロールは絶品。カデンツァに至ってはアルペンホルンのような深い響きと軽々としたフレージング、そして心に触れるような低音域の音色。いやこれは凄い。オケも程よいテンポと推進力で万全のサポート。
2楽章のアダージョは磨き抜かれた究極の美しさ。ホルンの低音の安定感は恐ろしいほど。そしてオケの美しさも際立っています。ただただ美しい音色を楽しめと言っていっているよう。
フィナーレはトランペット協奏曲とは異なり、普通に速めのテンポで入ります。抜群の生気とキレ。ホルンはは既に神業の域に。速いパッセージのキレと抜群の安定感にオケも万全のサポートで応えます。カデンツァは神と戯れるような自在さ。完璧です。

Hob.XVIII:6 / Concerto per violino, cembalo e orchestra [F] (1766)
この曲でも生気抜群のオケの序奏。サグレスターノのコントロールは見事の一言。ディラングスのハープシコードはハープシコードの繊細な音色を生かした穏当な演奏。フデチェクのヴァイオリンは中音域に独特の響きが乗った個性的な音色。両者ともにテンポ感がいいので、オケのリズムに乗って非常に自然な曲の流れとなっています。この曲ではオケが完全に主導権を握っています。
2楽章のラルゴに入るとヴァイオリンの音色の美しさが際立ちます。ピチカートのオケに対してヴァイオリンが控えめながら磨き抜かれた演奏を披露。ハープシコードの音色が加わって雅さも引き立ちます。オケは慈しみ深い分厚い音色で支えます。
フィナーレは理性的でもあり耽美的でもあり、ハイドンの協奏曲の最高の演奏の一つでしょう。抜群の生気、覇気、迫力が冷静にコントロールされていると言えば良いでしょうか。この曲のベスト盤といっていいでしょう。

ふと出会ったACCORDの協奏曲を3曲収めたアルバム。期待に違わぬ名盤でした。どの曲も抜群の出来。有名なソリスト、有名オケの演奏ではありませんが、このアルバムの存在を考えると才能あふれる人はまだまだいるのでしょう。トランペットもホルンもヴァイオリンもハープシコードもすべて素晴らしい出来。評価は3曲とも[+++++]とします。ハイドンが好きな方は必聴の素晴らしさです。

テーマ : クラシック
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tag : トランペット協奏曲 ホルン協奏曲 ピアノ協奏曲 ハイドン入門者向け

ミケランジェリのピアノ協奏曲1959年ライヴ

7月最初のアルバムはミケランジェリのライヴです。

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アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(Aruro Bendetti Michelangeli)のピアノ、マリオ・ロッシ(MariRossi)指揮、トリノRAI交響楽団(Orchestra di Torrino della RAI)によるハイドンのピアノ協奏曲(Hob.XVIII:11)、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」を収めたアルバム。皇帝の方は指揮者がマッシモ・フレッチャでオケがローマRAI交響楽団。ハイドンの収録は1959年12月18日です。

Wikipediaによると、姓は正式にはベネディッティ・ミケランジェリとのことで、1920年生まれのイタリアのピアニスト。1939年のジュネーブ国際ピアノコンクールで優勝した際、審査員のアルフレット・コルトーから「リストの再来」と評されたとのこと。日本でも有名でしたので皆さんご存知でしょう。私はLPでDeutsche Grammophoneのドビュッシーのアルバムを何枚か聴きましたが、透徹した超スタティックなピアノの音色の美しさで聴かせる人という印象。クライバー同様キャンセルが多かったり、そもそも気まぐれで演奏会も少なかったことも手伝って、神格化された存在だったというところでしょう。亡くなったのが1995年、今日取り上げるアルバムの演奏時は39歳と全盛期の演奏でしょう。

このアルバムについては、以前yoshimiさんのブログでその存在を知ったものの、肝心のアルバムを入手したのはつい先日。その後入手しようとしていたのもののタイミングを逃しており、先日HMV ONLINEで在庫ありになっていたのに気づき他のものと一緒に注文。手に入れるのにずいぶんかかりました。yoshimiさんのブログのYoutubeでの音はちょうど良く色彩感豊かに聴こえたんですが、アルバムとして聴くと印象はまた少し異なりました。

気ままな生活:ハイドン/ピアノ協奏曲 (ミケランジェリ、ピノック、フー・ツォン、レーゼル)

Hob.XVIII:11 / Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [D] (1784)
yoshimiさんのブログのYoutubeとおそらく同じ演奏。ただしYoutubeで聴いたときよりも音質の印象は良くありません。もともとチェトラのアルバムとtahraのリマスタリングの違いによるクォリティの差の可能性もありますが、いつもの我が家の装置で聴くと、やはり録音の古さは致し方のないところ。デッドなロケーションで録られ若干響きに潤いが欠け、オケの響きにも混濁感がありちょっと刺激的な成分も含みます。パソコンで聴くと適度な分解能で心地よく聴こえてしまうということでしょう。
オケは図太い音色でキビキビと推進力漲る序奏。ミケランジェリのピアノが登場するとダイナミックなオケと、ダイナミックながら峻厳な磨き込まれた美しさをもつピアノの掛け合いに。ピアノはかなり鮮明にアクセントをつけてクッキリとしたフレージング。録音は古いものの3Dテレビでコンサートを見るようなクッキリ感。完全にミケランジェリがイニシアチブをとって進めます。1楽章のカデンツァはハイドンの時代のものというイメージではなくめくるめく音階の上下による華麗なピアノの音色のショーケースのようなカデンツァ。
2楽章のウン・ポコ・アダージョ。若干速めなテンポのオケに乗って、ピアノは溜めなくさらりというか、ゴリッという音色感を残して淡々と弾き進めていきます。際立つ磨き込まれたピアノの音色の美しさ。特に高音域の輝きは流石ミケランジェリ。イタリア人のラテン的明るさと、孤高の険しさの高度な融合。意外にいいのがマリオ・ロッシのコントロールする弦楽器のデュナーミクの変化に富んだオケ。
フィナーレはこれまでの勢いに乗ったちょっと軽めの入り。途中から推進力十分なオケにのって、あっさりしながら輝きも失わないピアノがザクザクアクセントをつけて進めます。徐々にエネルギーを集中させながらフィニッシュに向かい、最後はじっくり溜めて終了。万来の拍手に迎えられます。

天才ミケランジェリの弾くハイドンのピアノ協奏曲は、ピアノの演奏自体、ミケランジェリにしか弾けない、輝きと威厳に満ちたものでした。マリオ・ロッシのコントロールするオケも素晴らしい出来。文句なしと言いたいところですが、アルバムとしてこの年代の録音としては、音質にやや難あり。音質にはあまり拘るつもりはないんですが、音楽を楽しむには少し難ありというところでしょう。評価はこの辺を考慮して[++++]としておきます。

ハイドンの曲の演奏のあり方という視点ではなく、ミケランジェリがどうハイドンの協奏曲を料理するかという意味で興味深い演奏でした。

明日は久しぶりにコンサートに出かけます。東京オペラシティへ、クイケンとラ・プティット・バンドのバッハです。それゆえ明日はコンサートレポートになる予定です。

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tag : ピアノ協奏曲 ヒストリカル ライヴ録音

ルイサダのピアノ協奏曲とピアノ作品集

しばらく交響曲が続いたので、今日はピアノ協奏曲など。

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ジャン=マルク・ルイサダ(Jean-Marc Luisada)のピアノ、ポール・メイエ(Paul Meyer)指揮のパドヴァ・ヴェネト管弦楽団の演奏で、ハイドンのピアノ協奏曲(Hob.XVIII:11)と、ピアノソナタ(Hob.XVI:6)、ファンタジア(Hob.XVII:4)、アンダンテと変奏曲(Hob.XVII:6)の4曲を収めたアルバム。収録は2001年9月8日から11日にかけてイタリア、ヴェネト州パドヴァのパラッツォ・ジウッツィ(Palazzo Giuzzi)でのセッション録音。アンダンテと変奏曲のみ別の収録で2000年8月のイギリス、オールドバラ(Aldeburgh)のスネイブ・モールティングスコンサートホールでのセッション録音。レーベルはRCA RED SEAL、国内盤でBMGファンハウスのものです。

ジャン=マルク・ルイサダは1958年チュニジア生まれのピアニスト。16歳でパリ国立高等音楽院に入り、ピアノ・室内楽を学ぶ。大学院ではニキタ・マガロフ、パウル・バドゥラ=スコダに師事し、1983年ミラノ・スカラ座で開催されたディーノ・チアーニ国際ピアノ・コンクールで2位に入賞、1985年のショパンコンクールでも5位に入り国際的に活躍するようになりました。RCAからリリースされているアルバムはショパンが多いので、ショパンを得意としているのでしょうね。

一方指揮者のポール・メイエは1965年、フランスのドイツ国境に近いアルザス地方ミュルーズ(Mulhouse)出身のクラリネット奏者。1982年にフランス・ユーロビジョン・ヤング・ミュージシャンズコンクールに優勝しデビュー、1984年にはニューヨーク新人演奏家コンクールを制覇。クラリネット奏者としては世界的に有名な人だそうです。近年は指揮者としての活動もしているそう。

ルイサダもメイエもはじめて聴く人。ルイサダは有名ですが、もともとショパンなどを苦手にしている私にとって、進んでアルバムを手に入れる機会がなかっただけなんですね。有名どころでもまだまだ未聴の人は多いですね。一聴して古典派の曲の演奏というよりショパンのようなハイドンといえるかもしれませんね。今日はこのアルバムの中からピアノ協奏曲とアンダンテと変奏曲の2曲を取り上げましょう。

ピアノ協奏曲(Hob.XVIII:11)1784年作曲
1楽章は色彩感豊かな推進力あるオケの序奏から。レガートを利かせた柔らかい弦の響きが新鮮ですね。独墺系のオケとは明らかに異なる音色。明るく屈託のない音色。ピアノは粒立ち音色が印象的な良い入り。オケとピアノの掛け合いは最初ちょっと呼吸が合わずテンポの決まりがわるいように聴こえます。ピアノは右手の高音の輝く音色が特徴。ピアノは溜めを多用して変化をつけますが、ちょっとリズムが鈍いようなところもあります。
2楽章は意外と無造作な入り。悪い意味ではなくすっと入るという感触。ピアノのメロディがバランス上かなり目立つ展開。静けさを表現する演奏も多い中、堂々としたピアノの美しいメロディーをオケが一貫した強さで支えるという感じの演奏。ピアノは意外とテンポを揺らさず弾き進めます。
3楽章はピアノとオケの掛け合いから始まります。オケはピアノとの掛け合い以外のところは力を抜いてみせる余裕があります。オケの安定した伴奏に乗ってきらめくようなピアノの音階の音色の魅力が楽しめます。ちょっと惜しいのはピアノのリズムが若干重いこと。協奏曲の速い楽章のソロのキレ具合はリズムのキレ具合でだいぶ変わるだけにこのほんの少しの重さが印象を左右しますね。ピアノは相変わらず変化とアクセントを利かせて個性的なフレージング。この曲はルイサダの自在なフレージングがよくも悪くも強く印象にのこる演奏。

アンダンテと変奏曲(Hob.XVII:6)1793年作曲
詩的なフレージングで始まります。音のつらなりの流れの美しさに焦点をあわせたようなはじまり。フレーズごとにかなり自由に表情をつけていきます。音色の変化を意図的つけ、短調の物憂げなメロディーラインを奏でていきます。特にアクセントになる速い音の動きを象徴的に強調して変化をつけます。左手のスタッカートもかなり意図的に強調します。ちょっと変化をつけることにとらわれて大きな視点での演奏のメリハリに感心が届いていないような感じもあります。普通のハイドンの演奏とは一線を画す印象ですね。変奏がすすむごとに次々と変化をみせるタッチですが、ダイナミクスの起伏があまりないのでちょっと薄っぺらく聴こえてしまうところもあります。ルイサダのピアノは音色の変化、フレーズの変化とダイナミクスの変化の連携が連携していないように聴こえるところが特徴でしょうか。そこが斬新さと聴こえることもあり、ちょっと弱みと聴こえることもあるのではないでしょうか。この曲は大曲だけに、全体の構造の表現は重要な要素。この辺が演奏の評価のポイントになるかもしれませんね。

一聴してロマンティックな印象をもったルイサダの演奏。しかしちょっと粗いと言うか、良い意味で荒れがあるというかわりと自在に弾き散らかすような印象のある人ですね。詩的な印象は強く、おそらくショパンなどには得難い味わいを表現できる人だと思いますが、ハイドンの印象は曲想と演奏の間の必然性というか、曲の神髄に迫っていないという印象がつきまとってしまうのが正直なところ。取り上げたのは最初面白い演奏だと聴こえたからなんですが、レビューをするよう聴き込むと印象が変わってしまいました。評価は両曲とも[+++]としました。これはあくまでも私の主観故、この演奏を非常に気に入る人もいるに違いありません。それが音楽というものでしょう。

テーマ : クラシック
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tag : ピアノ協奏曲 アンダンテと変奏曲XVII:6

デリアン四重奏団のピアノ協奏曲、弦楽四重奏曲Op.33-1

今日は朝方仕事のようすをみに出社。順調なのを確認して午前中には帰宅。ブログを書こうと思ったらスポーツクラブのプールとお風呂が営業再開とのことで、久しぶりに泳いできました。地震でしばらくプールもお風呂おやすみでした。久々にしっかり泳いで汗を流しました。

ということでおそくなりましたが昨日の実に素晴らしいデリアン四重奏団の演奏のつづきを。アルバムの情報は再掲しておきましょう。

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デリアン四重奏団(delian::quartett)の演奏によるハイドンの弦楽四重奏曲Op.76 No.4「日の出」(Hob.III:78)、ピアノ協奏曲(Hob.XVIII:4)、ヴァイオリンとピアノのための協奏曲(Hob.XVIII:6)、弦楽四重奏曲Op.33 No.1(Hob.III:37)の4曲を収めたアルバム。ピアノ協奏曲のピアノはアンドレアス・フレーリヒ(Andreas Frölich)、ヴァイオリンはジル・アパップ(Giles Apap)。収録は2008年9月4日、5日、10月6日、7日、フランクフルトのヘッセン放送ホールでのセッション録音。レーベルはスクロヴァチェフスキのブルックナーなどで知られるOHEMS CLASSICS。

今日は2曲目から。

ピアノ協奏曲(Hob.XVIII:4)1770年頃作曲
前の記事のナターシャ・ヴェリコヴィッチのアルバムにも含まれていた曲。1楽章は弦楽四重奏が伴奏なのでタイトで鮮明な伴奏。速めのテンポでエッジをきっちり立てたキリッとしたフレージング。速めと言ってもフレーズごとの表情の変化は前の「日の出」同様きっちりとつけられています。伴奏だけでも身を乗り出して聴くような緊張感。フレーリヒの弾くピアノはテンポのキレもよく、ダイナミックかつ軽やか。かなりの腕前ですね。最初の響きは協奏曲とピアノ三重奏曲の間のような響き。協奏曲のダイナミックさとピアノ三重奏曲のテンションの高い掛け合いの両方の魅力をもっているような演奏。全員が緩急自在のキレで非常にテンション高い演奏。
2楽章は、弦楽四重奏のアダージョのようなゆったりしたアンサンブルから入りピアノが加わり素晴らしい感興。音楽を聴く歓びの瞬間。ピアノと室内楽の響きを楽しむ極上のひととき。途中のピアノの特徴的な音階から先は、ピアノと弦のつぶやくようなメロディーのやりとりを進め、完璧にコントロールされた濃い時間。カデンツァは詩情満点。至福のひとときですね。
3楽章は再びタイトな響きに戻ります。メリハリをキリッとつけたピアノと弦楽四重奏の見事な掛け合いが痛快。途中テンポを自在にあやつり曲の面白さを際立たせます。最後は爽やかなスピードにのせてフィニッシュと思いきや、カデンツァで再び自在にテンポを操り、静寂も感興も織り交ぜて終了。いやいや、あまりの素晴らしさに脱帽。

ヴァイオリンとピアノのための協奏曲(Hob.XVIII:6)1766年作曲
今度はヴァイオリンとピアノがソロを担当する協奏曲。ヴァイオリンのプレゼンスが前曲とは全く異なり、ソロ楽器としての役割が濃くなります。ヴァイオリンソロはアパップ。デリアン四重奏団のヴァイオリンよりちょっと音色がきつい印象ですが楽器の違いでしょうか。ヴァイオリンが主導権を握りますが、若干固い感じ。ピアノは逆に伴奏にまわるような部分もあります。1楽章はヴァイオリンとピアノの拮抗する響きが聴き所。
2楽章は、弦のピチカートに乗ってヴァイオリンとピアノが交互に素朴で美しいメロディーを奏でていくシンプルな曲想。ヴァイオリンもだんだん調子が上がり、ヴァイオリンとピアノの醸し出す名旋律をただただ楽しむ楽章。
3楽章はヴァイオリンの音程が上がり、かなり高い音を中心としたメロディーを多用。クイックな掛け合いの妙。ピアノは依然キレまくってます。これも良い演奏。

弦楽四重奏曲Op.33 No.1(Hob.III:37)1781年作曲
再び弦楽四重奏曲へ。1楽章は昨日レビューした「日の出」と同様、しなやかかつ精緻な響きが特徴の完璧なアンサンブル。ヴァイオリンもヴィオラもチェロも単独の楽器としても素晴らしい演奏。音程とフレーズごとの表情づけが巧み。音程によって音色を使い分け、高音の伸びと少し抑えた音の影のある音色の対比。これらが非常に統一感がある響きを構成。というか抜群の一体感ということでしょう。
2楽章はスケルツォ。硬軟折りませた弦の響きが心地よい楽章。
3楽章はアンダンテ。ハイドンの弦楽四重奏曲の楽しみを存分に味わえる素朴なメロディーに溢れた楽章。伸びのあるヴァイオリンの音色の美しさ、深い響きのチェロの音色の美しさが際立ちます。
4楽章は快速テンポで一気に責め立てます。疾風のように速い入りからハイドン独特の終楽章の複雑な音符を音にしていきますが、まさに疾風のような速さ。弦楽四重奏の魅力をたっぷり味わえる名演奏です。

昨日から記事を分けて取り上げたデリアン四重奏団の弦楽四重奏曲、ピアノ協奏曲を集めたこのアルバムですが、今日取り上げた曲は、ピアノ協奏曲(Hob.XVIII:4)と弦楽四重奏曲Op.33 No.1(Hob.III:37)は[+++++]、ピアノとヴァイオリンのための協奏曲(Hob.XVIII:6)は[++++]としました。ピアノとヴァイオリンのための協奏曲のヴァイオリンがちょっと弱い他は完璧な演奏。

このアルバムはハイドンの室内楽を聴く歓びに溢れた名演奏。室内楽の最上の響き、音楽性、面白さを満喫できる素晴らしい演奏です。「日の出」を聴いたときにそのただならない完成度からビビっときました。このアルバムはハイドンの室内楽を聴くのに欠かせない素晴らしい録音であり、今後歴史に残るべき名演奏だと思います。2007年設立とまだまだ歴史の浅いこの四重奏団ですが、今後の録音に注目したいと思います。もちろんアルバムを通してハイドン入門者向けタグをつけました。これからハイドンの室内楽を聴く方には、絶好の一枚。このアルバムでハイドンの室内楽の素晴らしさを多くの人に知っていただきたいものですね。

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tag : ピアノ協奏曲 弦楽四重奏曲Op.33 ハイドン入門者向け ピアノとヴァイオリンのための協奏曲

プロフィール

Daisy


Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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所有盤をジャンル別にリスト化しています。基本的に録音年順とし、録音年不明のものは末尾に記載。演奏者名はジャケットなどの表記に合わせています。

2016年9月のデータ(2016年9月30日)
登録曲数:1,361曲(前月比+3曲) 登録演奏数:9,608(前月比+87演奏)
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