絶品 ラグナ・シルマーのピアノソナタ集(ハイドン)

すでにドイツは優勝してしまいましたが、ドイツ国歌がらみでもう一枚。

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ラグナ・シルマー(Ragna Schirmer)のピアノによるハイドンのピアノソナタなど9曲を収めた2枚組のアルバム。曲目は各曲のレビューをご覧下さい。収録は2007年8月1日から9日にかけて、ドイツのライプツィヒ近郊のハレ(ザーレ)のフランケ財団スタジオでのセッション録音。レーベルは独BERLIN Classics。

ラグナ・シルマーのハイドンはこれが2セット目で、最近ようやく手に入れたもの。手元には同じくBERLIN Classicsによる1995年録音の2枚組のアルバムがあり、それがなかなか良かったので探していたもの。

ラグナ・シルマーは1972年、ドイツのハノーファーの南にあるヒルデスハイム(Hildesheim)生まれのピアニスト。容姿端麗、人気ピアニストのようでBERLIN Classicsからは10枚以上のアルバムがリリースされています。幼少のころから才能が開花し、すでに9歳でピアノコンクールに優勝したそう。また、ライプツィヒで開催されている国際ヨハン・セバスチャン・バッハ・コンクールに1992年と1998年の2度優勝しているという経歴の持ち主。おそらくデビュー盤はバッハのゴールドベルク変奏曲で、このアルバムが話題となって広く知られるようになったということです。

最近印象にのこった女性ピアニストのハイドンといえば、ダリア・グロウホヴァのショパンのように詩的なハイドン。ラグナ・シルマーのハイドンはかなり正統的なもの。清透な清水の流れのような透明感溢れる響きが特徴。タッチのキレも良く、ハイドンのソナタをフレッシュに再生して弾いているような演奏。甘いマスクに華麗な経歴の持ち主のラグナ・シルマーのハイドンのソナタ集の第2弾、曲ごとにかいつまんでレビューしておきましょう。

Hob.XVI:37 / Piano Sonata No.50 [D] (c.1780)
挨拶代わりといった配置でしょう。1楽章の演奏はアルゲリッチの鬼気迫るようなキレではなく才女のキレのような印象。快活なリズムを刻んで行きます。ドラマティックな2楽章のラルゴも、ぐっと音楽は沈み込みますが、さらりとした爽やかな余韻の残るもの。そしてフィナーレもヴォルビックの口当たりのようななんともいえない透明感をはらみます。ハイドンのソナタの面白さを爽やかにまとめた演奏。

Hob.IX:11 / 12 Menuets arranged for clavier "Katharienentänze" "Redout Menuetti" (1792)
次の曲は12のメヌエットですが、4曲づつに3分割されて、ソナタの間に配置するという珍しい構成。全曲で透明感を基調とした響きで魅せたシルマーですが、このメヌエット集では、ゆったりと語るように曲を置いていきます。くだけたタッチで曲のメリハリを描くだけでなくどこか儚い色気が滲むあたりが流石です。

Hob.III:77 / String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
もちろん、2楽章の「神よ、皇帝フランツを守り給え」の変奏曲。意外に訥々と入ります。磨かれた表現というよりむしろ枯れた表現と言っていいでしょう。枯れた印象のなか右手の音階のきらめきの美しさをさりげなく感じさせます。変奏を聴き進むうちにシルマーの自然体のアプローチに引き込まれます。ピアノの美しい響きで純粋に聴かせる音楽。ドイツ国歌のメロディーが次々に変化を遂げ、音楽の芯がしっかりと響きながら力がすっと抜けて行くあたり、素晴しいコントロール。

つづいて先の12のメヌエットの中間の4曲を挟みます。

Hob.XVI:49 / Piano Sonata No.59 [E flat] (1789/90)
1楽章のリズムと展開の面白さが印象的な曲。タッチの上品なキレはやはりシルマーの特徴でしょう。この曲には名演盤が多いですが、シルマーの演奏は、バランスよく曲をまとめながら、タッチ、リズム、アクセントに微妙にアイデアがあり、しかも音楽が自然にながれるというところ。かなり玄人好みの演奏です。決して凡庸な演奏ではありません。2楽章のアダージョ・カンタービレでは、右手の美しいタッチをさりげなく際立たせながら、音楽は深く沈んでいくというなかなかの表現。そしてフィナーレでは軽やかなリズムの跳躍から少しづつ重みを増して行くあたりの微妙な変化が味わえます。

CD2に移ります。

Hob.XVI:47bis / Piano Sonata No.19 [e] (c.1765)
シュトルム・ウント・ドラング期まで遡る曲。冒頭のアダージョはぐっと沈み込むメロディーライン。その反動のように堂々としたアンダンテ。この対比を自然な流れを保ちながら表現。これは上手い。リズミカルなアンダンテになぜかほんのりと陰りがあり、音楽が深い。そして、実に自然なフィナーレへの展開。なにも迷いのない純粋な心境で弾いているのでしょう。さりげない演奏なのにゾクッとします。

Hob.XVII:5 / Tema con 6 variazioni "Faciles et agreables" 「やさしく快適」 [C] (1790)
有名なアンダンテと変奏曲(Hob.XVII:6)の一つ前の番号の演奏曲。落ち着いた主題が提示されたあと、そのテーマの6つの変奏が続きます。メロディーの変化だけではなく、タッチをかなり明確に変えて奏でられます。最初の変奏ではメロディーが複雑になり、次の変奏でテンポを上げ、さらに次の変奏で左手のタッチが冴え、こんどはゆったりとテーマを噛み締めるような変奏、そしてさらに沈み込み、最後は華麗、壮麗な変奏で結びます。この変奏ごとのタッチの変化が鮮明で聴き応え十分。基本的なテクニックの高さを見せつけます。

このあと12のメヌエットの最後の4曲が続きます。

Hob.XVI:11 / Piano Sonata No.5 [G] (1750's)
2楽章のアンダンテのみの演奏。ここだけ取り出して弾くと、まるでバッハのようなアンダンテ。短い曲ですが、神々しささえ感じる演奏。

Hob.XVII:10 / Allegretto [G]
音楽時計の曲から編曲された小曲。途中から時計のリズムのような不思議な伴奏が独特の雰囲気を醸し出します。こうしたさりげない小曲を、さりげなく深い印象を残すあたり、やはり流石な手腕です。

Hob.XVI:48 / Piano Sonata No.58 [C] (1787/9)
最後は有名曲。音の間に詩情が宿る、シルマーの美点が良く出た演奏。クッキリとメロディーの芯をきらめくような音で描き、また、ピアノの響きが消え入る瞬間の美しさでも聴かせるなど、かなりコントラストをハッキリつけた演奏が秀逸。このスリムなのに陰影の深い美しさはなかなか出せるものではありません。ピアノ音の厚さは男声ピアニストには敵いませんが、逆に凛としたメロディーの粒立ちとデリカシーは女性ピアニストならでは。2楽章のロンドもスリムな音色で実にクッキリと音楽を聴かせ、終盤左手のアタックでは、ピアノを鳴らしきる迫力も垣間見せます。聴けば聴くほど味わい深い演奏ですね。

ラグナ・シルマーによるハイドンのピアノソナタなど9曲を収めた2枚組のアルバム。最初はかいつまんで数曲取りあげて終わろうかと思っていましたが、聴き進むうちにシルマーの魅力に引き込まれ、全曲じっくり聴く事になりました。一聴すると小綺麗な演奏という印象でしたが、良く聴くと実に深い演奏。さっぱりとした雰囲気ながらクッキリと彫り込まれたメロディーに、ピアノの美しい余韻を織り交ぜ、しかもかなり表情をつけながらくどくならないセンスも持ち合わせています。洗練されたハイドンのソナタです。これは聴き応え十分。ハイドンのピアノソナタをじっくり味わうに足る素晴しいアルバムです。評価は全曲[+++++]としました。

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ジョアンナ・リーチのスクエアピアノ2枚目

以前取り上げて、雅な音色がとても良かったジョアンナ・リーチのハイドンのピアノソナタ。前回取り上げたアルバムの他にもう1枚ハイドンのソナタの録音があることを知り注文しておいたもの。だいぶかかりましたが無事入荷したのでレビューしておきましょう。

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http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=3789533

以前の記事はこちらをご覧ください。

ハイドン音盤倉庫 : ハイドン時代のスクエアピアノの音

本アルバムの収録曲目はソナタ5曲(XVI:37、36、23、34、51)とカブリッチョ(XVII:1)の6曲。前回取り上げたアルバムは曲ごとに違った楽器で弾いていたのがアルバムの演出でしたが、今回のアルバムは1823年製のスクエアピアノ(Stodart square piano)で通しています。修復者の名前もありアンドリュー・ランカスターという人。ついでに調律者はマーティン・ネスと言う人。収録年月日は記載がありませんが、2001年制作のアルバムとなっています。レーベルはイギリスのATHENE RECORDS。

出だしは非常にオーソドックスな古楽器でのソナタの演奏という感じ。フォルテピアノの音色と比べると、中音、高音域の音色が中心となり、低音域の伸びは今一つ。音色としての特徴というとやはり中高音の不思議な響きにあると言っていいでしょう。大正琴のようなというか何か不思議な雰囲気がします。XVI:37の1楽章はは律儀なテンポに乗って、まずは雅な音色で聴かせます。2楽章はぐっとテンポを落として、詩的な表情を際立たせます。3楽章は再び律儀な展開。1曲目から音色の魅力が十分発揮されます。クラヴィコードやチェンバロの場合、強弱の変化がなかなかつけられず平板な演奏になりがちですが、スクエアピアノの強弱の変化は思ったほど弱くなく、メリハリも十分ですね。

続くXVI:36は、低音弦のアタック感に特徴のある曲。意外に悪くありません。左手のアタック感は箱庭的な限界もありますが、箱庭ならではの緊密感がなくもありません。ただしフォルテッシモの音はちょっとビリ付き気味。楽器の限界を早くも感じさせてしまってもいます。2楽章、3楽章はちょっと大人しめの演奏と聴こえました。

XVI:23は、シンプルな曲調がスクエアピアノの音色にぴったり。1楽章からハイドンのメロディーをクッキリ生かすなかなかの緊張感。強弱の付け方もそれなりの巧さを感じます。2楽章も緊張感が続き、シンプルな音階の中から素晴しい叙情性を引き出していますね。3楽章のさらっとした感触も秀逸。この曲はこのアルバムの白眉。素晴しい集中力と音楽性。

XVI:34はどうしてもブレンデル盤の響きが耳についてしまいます。前曲同様演奏は悪くないんでしょうが、この曲の調性と調律の関係か、響きが濁るというか、特に高音の混濁感が最後まで耳にのこってしまいます。また、左手のアクセントも前曲ほどのキレもなくすこし流されているような演奏。2楽章はそれほど悪くありません。3楽章もジプシー風?の特徴あるメロディーが雅な雰囲気で奏でられますが、若干リズムが重くキレは今ひとつ。一聴してそれほどムラがあるようには聴こえないんですが、よく聴くと曲ごとにだいぶ善し悪しが分かれますね。

XVI:51は作曲年代からするとハイドン最後期のピアノソナタで2楽章の短い曲。アンダンテとプレストの構成でハイドンが力を抜いて作曲した気楽な曲との印象です。演奏もさっぱりとした曲調をそのまま再現したような演奏で曲調を生かしています。楽器の特徴に合っていますね。

最後はカプリッチョXVII:1。副題は「8人のへぼ仕立屋に違いない」ということですが、あんまり意味はよくわかりません。カプリッチョは奇想曲とのことで軽快な器楽曲などにつけられるものとのことで、前曲同様、演奏もさっぱりしたもの。

評価は、XVI:37、51が[++++]、3曲目の23が[+++++]、残りのXVI:36、34、カプリッチョが[+++]としました。企画もの好きの私としては、スクエアピアノでのピアノソナタ演奏という本アルバムは基本的に好きな種類のもの。このアルバムも曲による出来に差はあるものの、それも音楽を聴く楽しみの一つと理解しています。このアルバムをリリースすること自体、ハイドンの曲にまた新しいスポットライトを当てようと言う素晴しい試み。この心意気を買わぬ訳にはいきませんね。

ハイドンを愛好する方には是非聴いてほしいアルバムですね。こうゆうアルバムは手に入るときに手に入れておかないと二度と手に入らないことになってしまいますよ~(笑)

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ピノックのソロ、ウィグモアホールライヴ

今日はHMV ONLINEから届いたばかりの新着アルバム。

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http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=3782760

ピノックは私自身がハイドンへ興味をもつきっかけとなった演奏家。現在はピノックのハイドンの演奏を高く評価している訳ではないのですが、思い入れは深いんですね。刷り込みの原点といったところです。このあたりの経緯はブログを開設して間もなく記事にしていますので、当時の記事へのリンクを張っておくことにします。

ハイドン音盤倉庫 - 私はなぜハイドンにはまったのか?
ハイドン音盤倉庫 - 私はなぜハイドンにはまったのか?-2
ハイドン音盤倉庫 - 私はなぜハイドンにはまったのか?-3

そのピノックのハイドンのソナタを含むコンサートライヴ盤ということで、早速手に入れた訳です。以前の若々しい姿とはうってかわり、笑顔の初老紳士と行った風情のなかなかいいジャケット写真。ピノック自身は1946年生まれということで、今年64歳ということになりますね。

2009年5月10日、ロンドンのウィグモアホールでのライヴです。レーベルはWIGMORE HALL LIVEということでホールの自主制作盤のようですが、HMV ONLINEにも流通しているため、手に入れやすいと思います。
調べたところ、ロンドンのウィグモアホールはいろいろ活動をしておりアルバムのリリースにも熱心ですね。サイトのリンクを張っておきましょう。

WIGMORE HALL(英文)

収録曲はハイドンのピアノソナタからXVI:14、XVI:27の2曲と、アンコールにXVI:D1のフィナーレの計3曲。他にパーセル、ヘンデルの曲をあしらったもの。私の好きな拍手入りの収録です。

2曲目に配されたXVI:14はハイドン最初期のピアノソナタで1950年代の作曲。ピノックのハープシコードは安心して聴いていられます。先日のダントーネの前衛的ハープシコードの反動でしょうか、落ち着いた演奏を聴くと心が安らぎます。3楽章で10分少しの小曲ですが、スタジオ録音と言われても少しも疑う余地のない完成度の高い演奏。曲の終わりの拍手がなければ気づかないほどです。こういった小曲を名手が味わい深くさらりと弾いているというのはいいですね。特色は2楽章の音色の変化。なんという奏法か知りませんが、2楽章中間部で弱音器をつけたような音色に変化。ハイドンの創意が生きていますね。さらりと終わったのに会場は拍手喝采で盛り上がってます。

そして6曲目に配されたXVI:27。こちらは1776年の作曲。曲の構造もより明確にになり、ハープシコードによるハイドンのソナタの理想的な演奏といっていいでしょう。明らかにXVI:14より表現が深くなっており、また生気も増しています。こちらも2楽章の途中に音色に変化をもたせ、最高音域の音色をうまく使って印象的な響きを造り出せています。3楽章の快速な展開も見事。こちらも最後は割れんばかりの会場の拍手を誘い、アンコールにつなげます。

そして2曲演奏されるアンコールの1曲目がハイドンのXVII:D1のフィナーレ。リズミカルな曲想を十分に反映したこちらも快速な演奏。ショーピース的アンコールですが、2曲目はパーセルの落ち着いた3分少々の小曲。演奏が終わり消え入る余韻としばしの静寂、そして暖かく長く続く拍手にブラヴォー。当日の会場の興奮がつたわるいいライヴアルバムと言えるでしょう。台風の影響で各地で災害のニュース。痛ましい限りですが、季節が変わる節目でもありますね。秋の夜長にふさわしい大人の1枚ですね。

評価はピノックへの敬意を表して、3曲とも[+++++]としました。最近最高評価を乱発し過ぎですかね(笑)
所有盤リストを見ていただくと、悪い評価もかなりしているので、乱発ではないんですね。できるだけいい演奏をブログで紹介しているということとご理解ください。

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絶品、ブレンデルのピアノソナタ

今日から9月。初秋というには暑すぎますが、気分だけでも芸術の秋にするため、本格派の演奏を。ブレンデルのピアノによるピアノソナタ集を。

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このアルバムは私がハイドンのピアノソナタの魅力にハマるきっかけとなったアルバム。ブレンデルはスタジオ録音でこれ以外に3枚、都合4枚の録音を残していますが、どれも非常にいい演奏。ただし、私にとって他の3枚と比べて、このアルバムが一番のお気に入り。録音はロンドンのヘンリーウッドホールで1984年3月4日~10日のもの。

他の3枚に比べ、録音が明らかに良く、空間にピアノが浮かぶような見事な音響。そしてブレンデルのピアノの磨き抜かれた響きの美しさが際立ってます。鍵盤とペダルからこれだけ多彩な響きを生み出せるということだけで驚愕の演奏。
普段は先入観を避けるため、聴く前に雑誌やネットの情報を見ないようにしているんですが、聴き慣れたこのアルバムを紹介するために現役盤のHMV ONLINEの情報をみたところ、ドンピシャなキャッチコピーが。「巨匠ブレンデルの絶頂期を記録した究極のハイドン」とはまさにこの演奏のことでしょう。

1曲目はXVI:34。アルバムの出だしに相応しい曲。1楽章は左手の探るような音階から始まり右手の特徴的なきらめくようなメロディーラインが美しい曲。2楽章もひとつひとつの音の宝石のような粒立ちが見事。つぶやくような表情で表現の深さを際立たせます。3楽章は軽やかさが加わりロンド風の曲想をまとめます。

2曲目のXVI:32も1曲目とにた曲想。左手のアクセントにたいして右手のメロディーを乗せていく感じの曲。右手の一音一音のきらめきが見事の一言。

3曲目のXVI:42は右手のきらめきが絶頂に! なんという響き、なんという余韻。ハイドンのピアノソナタの至福の瞬間が満ちあふれてます。

4曲目はファンタジア。これまでの曲とは曲想が変わり、速いパッセージの魅力を堪能。

そして最後に私の最も好きな小品、XVII:9のアダージョ。アルバムの最後におくのに絶好の作品。5分ちょっとの小品で、ハイドンのピアノ曲のなかでは録音も多くないんですが、これは名曲。自分の葬式で流してほしいくらいの音楽の結晶のような作品。もちろん、ブレンデルの演奏が最高です。

評価はファンタジアが[++++]、それ以外が[+++++]としました。

フィリップスのアルバムはレーベルのデッカへの統合で、当初のリリースのものはほぼ廃盤。現行盤は4枚組で廉価になってリリースされてます。

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今晩は仕事のからみで都市対抗野球の応援に東京ドームへ。七十七銀行対NTT東日本。仕事の絡みはもちろん、仙台在住経験と駐在時のメインバンク、そして家の目の前に支店があったなど、数々のよしみで七十七銀行を全力で応援しました。

最初は打ち込まれるかと思いましたがピッチャーの小林が力投。守備も鉄壁の守りでなんと10回まで1-1の同点。都市対抗野球の特別ルール「タイブレーク」で11回から1アウト満塁から始まるという展開。最後は後攻のNTT東日本に外野フライを打たれ、タッチアップでのタッチの差でサヨナラ負け。
負けたものの応援のし甲斐がありました。久々の野球観戦でしたが、非常に充実した試合内容で大満足。七十七銀行の皆様、心から楽しませていただきありがとうございました。

球場ではもちろんビール、銘柄はもちろんサントリーのプレミアムモルツ。エビスの売り子さんが幅を利かせる中、探してサントリーを注文。野球を観ながらアロマホップののどごしを堪能。府中工場製のプレミアムモルツに拘ってます。

そうです、私は義理堅いんですね(笑)

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燻し銀 ナディア・ライゼンベルク

今日は古めの1枚、いや2枚です。

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ナディア・ライゼンベルクは1904年リトアニア生まれのピアニストで、この録音は1955年から58年にニューヨークで録音されたもの。ソナタ6曲と変奏曲などの小曲6曲を組み合わせた2枚組です。
もともとWestminsterレーベルが録音したものをIVORY CLASSICSというアメリカのレーベルが再リリースしたものです。もしかしたら年配の愛好家の方にはなじみのピアニストなのかもしれませんが、私は初めて聴く人です。
この盤を手に入れたのはもう10年くらい前になるでしょうか。これも再整理で久しぶりに手に取って聴き直したアルバムです。

ライナーノーツやネットを調べたら、いろいろ資料がありました。
まずはこの人の公式サイト。

http://www.nadiareisenberg-clararockmore.org/

ヴァイオリニストだった妹のClara Rockmoreとともに2人の業績をたたえる財団?の公式サイトで、貴重な写真やディスコグラフィなども公開されており、一見の価値有りです。(妹を最初ピアニストと紹介してましたが誤りだったので訂正しました)

もう一つはこのアルバムのレーベルであるIVORY CLASSICSのウェブサイト。

http://www.ivoryclassics.com/

音楽産業衰退の著しい昨今ですが、ピアノ音楽のみ60枚をリリースしている小レーベルです。
こうゆうレーベルは守らなくてはいけません!
ハイドンの録音も他に数枚あるようですので、今度直接注文をだしてみるべきでしょう。

さてさて、前置きが長くなりましたが、このアルバム、お気に入りの演奏です。
ノスタルジックな雰囲気が豊かな演奏ですが、古さを感じるというより気品の良さと絶妙の間が生きたすばらしい演奏でもあり、ハイドンのソナタの古い演奏の模範とも言えるものです。ライナーノーツにはLPとしての初出当時の新聞などの好評価のようすが紹介されていますが、それもうなずけるものです。

往事のジャケット写真の麗しい姿がそのまま音になったようなハイドンもいいものですね。

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今最も重要なレーベルは?

ハイドンの録音をリリースするレーベルの中で、今最も重要なレーベルはどこでしょう?

それはもちろんBRILLIANT CLASSICSです。

他のレーベルの録音を再リリースしたり、もちろん独自の新録音も多くリリースしてますが、特徴はなんといっても激安価格。そして、ハイドンについては安かろう悪かろうということはなく、むしろ、安いのに良い録音が目白押しです。

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なんといっても最近の目玉はバリトントリオをはじめとするバリトン曲集21枚組。
おそらくハイドンの膨大なバリトントリオが全曲録音されるとは誰も思わなかったでしょう。これまでもバリトントリオは様々なレーベルから数枚リリースされていましたが、断片まで含めての完璧な録音。そして演奏も極上。文句なしにおすすめ盤です。一枚一枚に室内楽の悦びが溢れています。

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そしてスコットランド歌曲全集。こちらも今まで録音が一部しかなかったスコットランド歌曲の全集。わたしは分売もので集めましたが全曲そろったものがリリースされてます。こちらも素朴な民謡をベースとしたハイドンの歌曲が存分に楽しめます。Vol.1の一枚目をかけた瞬間しびれました。18枚すべて濃いです。

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それからピアノ小品集。ピアノソナタ以外の小品などの5枚組。こちらもあまり録音のない曲までふくめてきちんと録音されており、演奏もフォルテピアノの古雅な響きを楽しめます。

これらの他にも先日紹介したアダム・フィッシャーの交響曲全集など、資料的価値の高い、きちんとしたプロダクツとして仕上がってます。このようなすばらしいCDが昔では考えられない価格で手に入ります。
これからもBRILLIANT CLASSICSからは目が離せません!

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プロフィール

Daisy


Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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ハイドン所有盤リスト
Joseph Haydn Discography at H. R. A.
所有盤をジャンル別にリスト化しています。基本的に録音年順とし、録音年不明のものは末尾に記載。演奏者名はジャケットなどの表記に合わせています。

2016年9月のデータ(2016年9月30日)
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