ジョナサン・ノット/東響のマーラー10番、ブルックナー9番(サントリーホール)

新年度が始まって、いつもながら仕事でドタバタしており、レビューも進まぬ中、チケットをとってあったコンサートに行ってきました。

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東京交響楽団:第659回 定期演奏会

このところお気に入りのジョナサン・ノット(Jonathan Nott)率いる東京交響楽団のコンサート。古典から現代まで幅広いレパートリーを誇るノットですが、マーラーや現代音楽の素晴らしさは体験済み。アルバムでは評判が良さそうだったブルックナーはどうかということでチケットをとった次第。ノットのこれまでのコンサートのレポートは下記の通り。

2017/12/10 : コンサートレポート : ジョナサン・ノット/東響の「ドン・ジョヴァンニ」(ミューザ川崎)
2017/10/15 : コンサートレポート : ジョナサン・ノット/東響の86番、チェロ協奏曲1番(東京オペラシティ)
2017/07/23 : コンサートレポート : ジョナサン・ノット/東響の「浄められた夜」、「春の祭典」(ミューザ川崎)
2017/07/17 : コンサートレポート : ジョナサン・ノット/東響のマーラー「復活」(ミューザ川崎)
2016/12/12 : コンサートレポート : ジョナサン・ノット/東響の「コジ・ファン・トゥッテ」(東京芸術劇場)

初めて聴いた「コジ・ファン・トゥッテ」が滅法面白かったので色々聴きましたが、モーツァルトもマーラーも春祭も見事なコントールで楽しめましたが、肝心のハイドンはちょっと演出過剰でゴテゴテした印象になり、ハイドンを演奏する難しさを感じさせた次第。そのノットがブルックナーの9番をどう料理するのかが聴きどころ。

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この日は土曜で前日夜は札幌泊の出張に出ておりましたゆえ、若干疲れ気味の中、夕刻いつも通り、開場少し前にサントリーホールに到着。事前情報ではNHKのカメラが入ることになっているということで、注目のコンサートなんでしょう、ホールの前はかなりの人で賑わってました。

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すぐに開場となり、まずはこちらもいつも通りホワイエで軽く腹ごしらえ。いつもはワインですが、この体調でワインをいただくと深い眠りに落ちてしまいかねないというリスクを回避するため、ビールをセレクト。結果的には正しい選択でしたね(笑)

この日の席は珍らしく1階席で中央後ろから2列目。オケが正面に見える席ですね。お気に入りのRA席は埋まっていたため高い席を取ったんですね。RA席だと指揮者の指示やパート間のフレーズのやりとりが克明にわかるんですが、この日の席はアルバムやテレビで聴くのと同様、オケの音とともにホールの響きを遠くから聴く席。各パートの響きよりもオケの音量バランスを聴く感じですね。

プログラムは2曲とも大編成の曲ということでステージいっぱいに団員席が広がる中、定刻となり団員がステージ上に並び、いつものようにちょっと小柄なノットが颯爽と登場。ほぼ満席の客席に向かってにこやかに会釈してすぐにマーラーの10番が始まります。最初のヴィオラのメロディーから息を飲むようなただならぬ緊張感が漂い、いきなりヴィオラの孤高の響きに釘付けになります。この曲の刷り込みはアバドがウィーンフィル振ったアルバムですが、アバドらしいしなやかなメロディーの流れの美しさをを極めた演奏に対して、ノットはやはりフレーズごとの表情の変化と現代音楽的な響きの峻厳さ、そしてオケのダイナミクスを極限まで追い込むようにコントラストを明確につけていきます。どちらかというとマゼールに近い感じ。マゼールは灰汁の強い印象がありますが10番はかなり洗練された演奏です。昨年にミューザで聴いた復活と同様の手法。全てのパートをコントロールするようなノットの細かい指示に対し、東響もノットの棒に完璧に応える精緻な演奏でノーミスの熱演。特に素晴らしかったのがヴィオラをはじめとする弦楽陣。弦の奏でるメロディーのニュアンスの豊富さが音楽に深みを与え、弱音のコントロールがこのマーラー最後の曲の孤高感を際立たせていました。静寂の中に消え入るような最後も見事。全ての余韻が消え去り、ノットがタクトをゆっくりと下ろすと客席から拍手が湧き上がります。オケの熱演に惜しみない拍手が送られました。この曲に込められたマーラーの諦観のようなものまで見事に描ききった名演でした。

休憩中にステージ上の座席配置が若干修正され、ハープがかたずけられて後半のブルックナーに移ります。

ノットのブルックナーは以前の8番のコンサートを収録したアルバムがリリースされており、評判はなかなか良いように聞いていますが、私は未聴です。ノットはキビキビ爽快にモーツァルトを描き、マーラーではニュートラルなダイナミックさ、現代音楽では峻厳な透明感を描いてきますが、ブルックナーをどう料理するのかあまりイメージできませんでした。この日のコンサートを聴いた結果から言うと、マーラーと同様なスタイルで現代的なダイナミックなブルックナーでした。ブルックナーの演奏には画家で言う画風がかなり重要な要素かと思いますが、ノットの画風は正攻法でブルックナーの演奏にはもう一歩踏み込みが欲しい印象を残しました。もちろん演奏は素晴らしいもので、3楽章終盤に金管が少し安定度を欠いた以外はオケは見事なパフォーマンス。特にスケルツォ楽章の怒涛の迫力は素晴らしいものがありました。マーラー同様弦楽陣は素晴らしいコントロール。そしてフレーズごとに表情を彫り込んでいくノットのコントロールも見事。ただ滔々と流れるブルックナーの音楽を少し微視的に捉えすぎてもう少し流れの良さがあるとよかった。コンサートではこのところスクロヴァチェフスキの描く大伽藍に圧倒されてきましたが、ノットの大伽藍はコンクリート製で意匠は凝らしているものの、ブルックナーらしさからちょっと離れてしまったといえばわかるでしょうか。この曲も3楽章の終結部は弱音で終わりますが、この日の観客は見事に静寂を保ち、オケの熱演を盛大な拍手で讃えており、お客さんの反応は極めて良いものでした。ノットもオケの熱演を讃え、コンサートは盛況のうちに終了。

マーラーはノットと東響のコンビの底力を見せつける素晴らしい演奏、ブルックナーも機能的には同様かと思いますが音楽の本質を考えさせらる演奏でした。



終演後は、サントーホール向かいの最近お気に入りのお店で反省会。ここ数日は母親がショートステイでお泊りのため、帰って介護の心配がありません。

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バレンシアナバル ブリーチョ

ワインとサングリアで喉を潤し、小皿を色々注文。この小皿が皆絶妙に旨いんですね。

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桜海老のアヒージョに、マグロの生ハムとトマト。アヒージョにはニンニクが丸ごとゴロゴロ入っているんですが、これがまた旨い。海老の香りも良く出ていて見事。そして生ハムに添えられたトマトが甘くて絶品。

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いつも必ず頼むレンズ豆とチョリソの煮込み。チョリソの独特の香りがこれまた絶妙。

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初めて頼んでみたホワイトアスパラのフリット。ナツメグで香りづけしたソースがこれまたいい香り。

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最後はジャガイモとタコのグリル。これとパンで2人でお腹いっぱいです。コンサートの余韻を楽しみながら美味しいお酒と料理でいい気分。

さて、レビューせねば、、、(笑)

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インバル/都響のマーラー「大地の歌」(東京芸術劇場)

前日のジョナサン・ノットの「復活」に続き連日のマーラー! 別にハイドンに愛想を尽かした訳ではありません(笑)

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東京都交響楽団:都響スペシャル

プログラムはエリアフ・インバル(Eliahu Inbal)指揮の東京都交響楽団の演奏で、マーラーの交響詩「葬礼」と「大地の歌」の2曲。コントラルトにアンナ・ラーション(Anna Larsson)、テノールにダニエル・キルヒ(Daniel Kirch)。

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こちらも最近行ったコンサートでチラシを見てチケットを取りました。インバルのマーラーはDENONのワンポイント録音の4番、5番あたりが話題になった時に5番のアルバムを手に入れ、その後かなり後に8番千人を手に入れたくらいで、その後はほとんど聴いていません。手元の5番のアルバムがリリースされたのが1986年ということで、かれこれ30年以上前のことになりますね。この頃のインバルのマーラーは非常に見通しの良い透明感に溢れた演奏。世の中ではバーンスタインの濃厚なマーラーが話題をさらっていました。私はこの頃までに、実演では小澤/新日本フィルの8番、カラヤン/ベルリンフィルの6番、アバド/ロンドン響の5番などを聴いていましたが、インバルのマーラーはちょっとアクがなさすぎて録音という面以外ではあんまり印象に残っていなかったのが正直なところ。ところが最近リリースされているアルバムやコンサートはなかなかいい評判ではありませんか。ということで、最近の充実ぶりを聴いてみようということでチケットを取った次第。都響はつい前週にミンコフスキのハイドンとブルックナーを聴いていますので2週連続ですね。

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最近東京は猛暑続き。ということで、池袋の東京芸術劇場に着くと、すでに汗だく。1階エスカレーターの裏にあるカフェでビールを煽って、クールダウンしながら開場時刻を待ちます。

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この日のコンサートは発売開始後しばらくしてから取ったものなので、あまりいい席は取れませんでした。2階席のいつもの右側ですが、3階席が庇のように張り出た下ということで、オケへの視線は確保できるものの、ちょっと圧迫感のある席。

1曲目は前日にジョナサン・ノットと東響の素晴らしい演奏の興奮さめやらん、マーラーの「復活」の1楽章の原曲。細かい部分はともかく、ほぼ「復活」の1楽章そのままの曲ということで、前日の演奏との嫌が応にも比較してしまいます。

ジョナサン・ノットのオケの配置は左右に第一、第二ヴァイオリンが別れコントラバスが第一ヴァイオリンのすぐ横にくる編成なのに対し、この日のインバルはオーソドックスに右にチェロ、その後ろにコントラバスというもの。席がオケから遠いのでその違いを視覚的に感じるのが精一杯でしたが、ノットがコントラバスを重要視していたのに対し、インバルはバランスを重視していたよう。

1曲目は、ジョナサン・ノットが新鮮なフレージングで常に緊張感を保っていたのに対し、インバルは流石に王道を行く安定感とバランスの良さ。オケの風圧は座席の影響を受けますが、1楽章中程の爆発は流石に大迫力。昔ほど透明感重視ではなく、オケをよく鳴らし、迫力も流石と思わせる演奏。私の印象ではこの曲では前日のノットの新鮮な解釈に分がありました。もちろん観客は拍手喝采でインバルを讃えます。この時点で私のインバルの演奏への印象は昔の演奏からは大分深みを感じられるようになったというもの。

ところが、休憩後の「大地の歌」を聴いてその印象も吹き飛びました。この大地の歌には心底驚きました。まさに奇跡の名演と言っていいでしょう。ワルターやクレンペラーの録音はそれこそ擦り切れるほど聴きましたが、今日のインバルの演奏はそれをはるかに超えるこの曲の凄みと深みの淵を見せてくれる圧倒的なものでした。大地の歌の特徴的な響きの中にも艶やかで流麗な響きをうまく救いあげて、晩年のカラヤンを上回る耽美的な美しさ、ジュリーニやアバドらのイタリアの指揮者の伸びやかさを、節度あるコントロールでまとめ上げ、響きの一つ一つを非常にデリケートに扱いながら、この曲に潜む厭世観を見事に表現仕切っていました。

オケは上手いというレベルではなく、インバルの流麗な棒に乗って妖艶な響きを聴かせ、ソロや静けさには凄みを感じさせるほど。何と言ってもホルンやトロンボーンのブワッっと響く大地の歌特有の響きの迫力も素晴らしいものがありました。これが日本のオケとはとても思えない素晴らしい響き。私は生で大地の歌を聴くのはこれがはじめてですが、これほどの演奏に出会うとは思ってもみませんでした。庇の下の席は横にお客さんがいないことを見計らって、休憩後はちょっと横にスライドしたせいか、響きも良く聴こえるようになったのも良かったですね。

コントラルトのアンナ・ラーションはまさに絶唱。アバドとルツェルン祝祭管と2番と3番のブルーレイに登場していますのでマーラーは得意としているのでしょうが、膨よかで艶やかな声は絶品。特に最後の告別はキャスリーン・フェリアの絶唱を過去のものとする現代の深みを感じさせました。テノールのダニエル・キルヒもアンナ・ラーションとは格が違うものの見事な歌唱でこなしていましたね。

告別の最後の一音が消え、インバルがタクトを下ろすと、ジワリと盛り上がる拍手。この大地の歌も都響の演奏史上に残る演奏として語り継がれる価値のある演奏でしょう。インバルという指揮者、今回の演奏会でその素晴らしさがしっかりと刷り込まれました。最近の評判が良いのが良くわかりました。

前日のジョナサン・ノットといい、この日のインバルといい、現在の日本のオケの素晴らしさは一昔前とは隔世の感がありますね。ここまでの演奏を聞ければ、高いチケットを買ってウィーンフィルやベルリンフィルの演奏を聴く価値も揺らごうというもの。インバルのコンサートは要注目ですね。

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ジョナサン・ノット/東響のマーラー「復活」(ミューザ川崎)

7月16日(土)は以前からチケットを取ってあったコンサートに出かけました。

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東京交響楽団:川崎定期演奏会 第61回

このチケットを取ったのも、昨年12月に聴いたモーツァルトの「コシ・ファン・トゥッテ」が非常に面白かったからに他なりません。ジョナサン・ノットはフォルテピアノを弾きながらの指揮でしたが、実にイキイキとした音楽を繰り出し非常に引き締まった舞台を作っていたのが印象的でしたが、そのジョナサン・ノットがマーラーを振ったらどうなるのかというのが今回の聞きどころということでチケットを取った次第。

2016/12/12 : コンサートレポート : ジョナサン・ノット/東響の「コジ・ファン・トゥッテ」(東京芸術劇場)

この日のプログラムは下記の通り。

細川俊夫:「嘆き」 ~メゾ・ソプラノとオーケストラのための〜
グスタフ・マーラー:交響曲2番 「復活」

指揮:ジョナサン・ノット(Jonathan Nott) 東京交響楽団
ソプラノ:天羽明恵
メゾ・ソプラノ:藤村実穂子
合唱:東響コーラス

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会場は東響のホームグラウンドで、響きのとても良いミューザ川崎シンフォニーホール。この日の席は2階のオケの真右で上から指揮者とオケを俯瞰できる好きな席。ミューザ川崎は客席が螺旋状にオケを取り囲む座席配置なので、奏者との一体感もあり、サントリーホールや東京オペラシティよりも響きに癖がないのでお気に入りのホールです。1曲目の細川俊夫の曲も大編成のようで、ステージいっぱいに座席が設けられ、ホールに入った時には一部の奏者が音出しをしているのはいつもの通り。この時点でホールの響きの良さがわかります。

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1曲目の細川俊夫の「嘆き」は解説によればこの東日本大震災の津波の犠牲者、特に子供を失った母親に捧げられる哀悼歌とのこと。歌詞はザルツブルクの表現主義の詩人ゲオルク・トラークルによる2通の手紙と嘆きという構成。ザルツブルク音楽祭の委嘱により2011年から12年にかけて作曲され、2013年の同音楽祭でデュトワ指揮のN響、アンナ・プロハスカの独唱で初演。今回はメゾ・ソプラノの藤村実穂子のために書き下ろされた改訂版ということで、2015年5月に京都市交響楽団のヨーロッパ公演の壮行演奏会で広上淳一指揮で初演されたとのこと。私は現代音楽も嫌いではないんですが、細川俊夫の作品は初めて聴きます。手元にもアルバムはありません。

定刻になり、団員が登場。チューニングを終えるとジョナサン・ノットと真っ赤なドレスの藤村実穂子が登壇。ジョナサン・ノットがタクトを下ろすと、精緻な弱音での序奏が始まります。藤村実穂子は最初は手紙の朗読が中心、歌わないかと思いきや、途中から美声を轟かせ、会場の視線を釘付けにします。解説の歌詞対訳を見ながら聴きますが、「最近、恐ろしい出来事があり、私はもはやその影から逃れることができない。(訳:細川俊夫)」と始まるテキストの深い心の傷を表すような暗澹たる印象を感じますが、静寂に響きが浮かび上がるような現代音楽特有の感覚が続き、時折トラアングルやタムタム、風鈴など響きが印象的な打楽器を織り交ぜて色彩感を巧みに表現していきます。響きの精緻さ、美しさは武満に迫るものがあり、日本人らしい清透な感覚に貫かれた素晴らしい響きに満たされます。ジョナサン・ノットは非常に丁寧に響きを作っていき、この曲に込められた心情をしっかりと表現できていたと思います。素晴らしかったのは藤村実穂子のメゾ・ソプラノ。流石に一流どころだけあって圧倒的な存在感でした。最後の一音の余韻が静寂に吸い込まれて沈黙が続き、ノットがタクトをすっと下ろすと万雷の拍手。これは素晴らしかった! 会場が完全にのまれた感じでした。東響も完璧な演奏で最後まで集中力を保ってノットの指示に見事に応えていました。

休憩を挟んで、マーラーの復活。これまた素晴らしかった!

冒頭の唸るような低音弦から東響のコントラバス奏者の迫真の演奏に釘付け。鬼気迫るとはこのこと。ノットのマーラーは初めてですが、フレーズごとに非常に丁寧に曲を描いていくセンスとここぞという時の鋭いアクセントが絶妙。モーツァルトでも感じたフレッシュさを感じさせる音楽づくりがマーラーでもいきていました。その上、この日のオケの集中力は素晴らしく、オーボエのくっきり浮かび上がるようなソロをはじめとして、2台のティンパニ、トランペットなど金管陣も絶品。弦楽器の迫力、特にコントラバスは往時のベルリンフィルのような地響きを伴うようなうねりを感じるほど。1楽章半ばのクライマックスの炸裂で観客の度肝を抜き、完全にノットペースに。これは録音では味わえないもの。そして思った以上にバンダ隊の演奏箇所が多いこともわかりました。
1楽章のほとぼりを冷ますように、ゆっくりとコーラスが入場する間、しばらくノットもオケも静止。2楽章はゆったりとした音楽。こうした音楽でもジョナサン・ノットは華やかさをしっかり感じさせ、くっきりとした印象を保ちます。そして3楽章の「魚に説教するパドヴァの聖アントニウス」は各パートの音色の変化を巧みに強調していきます。ここでもコントラバスとティンパニが大活躍。フレーズごとに変化をさせながらバランス良く統一感を保っているのがノットの非凡なところでしょう。時折グランカッサが微弱音で不気味な気配を感じさせるのも実演で初めてわかること。
4楽章からメゾソプラノの藤村実穂子が入ります。1楽章終わりのコーラスの入場時にもソロの入場がないなと思っていたところに、いきなり藤村実穂子の声が轟きびっくりしますが、どうやら指揮者から見てオケの右側にいたらしく、私の席から死角になっていたようです。やはり艶やかで見事な歌。
最後の長大な5楽章は4楽章の響きが消えかかるところにノットが振りかぶって渾身の一撃から始まります。オケもこれまでノットのタクトに俊敏に反応して大音響を轟かせてきましたが、この静寂を断ち切るような大音響こそマーラーの真髄。このキレ味はこのコンビの現在の調子を物語るようですね。そしてそれに続いて美しい牧歌的なメロディーが流れ、曲が進みます。ここでもバンダ隊の金管陣とステージ上のピッコロとの掛け合いが見事にキマリます。終楽章でようやくコーラスが登場しますが、思ったより終盤の出でしたね。そして最初は座ったまま精妙な弱音のハーモニーを聴かせます。このコーラスの純度の高い響きも素晴らしかった。そしてソプラノの天羽明恵とメゾ・ソプラノの藤村実穂子も加わり、壮大なクライマックスへノットが最後の煽りをかけていきます。驚いたのはそれまでトライアングルやグロッケンシュピールを担当していたパーカッションの女性が終盤ティンパニの横に移動し、2台のティンパニを3人で同時に演奏する場面があること。これが楽譜の指示かはわかりませんが、巧みに書かれた大曲にも意外に細かい工夫があることがわかりました。最後は未曾有の迫力で鐘が打ち鳴らされながらのフィナーレ。観客もこのクライマックスには我慢できず、最後の音が消える前に大拍手に包まれました。これは致し方ないでしょう。

私が聴いたマーラーの演奏では間違いなく一番素晴らしかった演奏。昔小澤征爾が新日本フィルを振った千人も素晴らしかったですが、ジョナサン・ノットは見事なコントロールでこの大曲の真髄に迫る圧倒的な迫力と情感溢れる美しい響きをバランス良くまとめ上げました。拍手は弱まる気配を見せず、何度もジョナサン・ノットと歌手、合唱指揮者が呼び戻され、この日の素晴らしい体験を共有した観客と喜びを分かち合っていました。ノットは定年退団するメンバーを讃え、観客もひときわ大きい拍手を送っていたのが印象的でした。これは東響の演奏史に残る名演と言っていいでしょう。

これは東響とジョナサン・ノット、今後も楽しみですね。

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tag : マーラー ミューザ川崎

エサ=ペッカ・サロネン/フィルハーモニア管のマーラー「悲劇的」(東京オペラシティ)

5月18日(木)は、以前からチケットを取ってあったコンサートに行ってきました。

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東京オペラシティコンサートホール エサ=ペッカ・サロネン指揮 フィルハーモニア管弦楽団

エサ=ペッカ・サロネン(Esa-Pekka Salonen)指揮のフィルハーモニア管弦楽団の演奏で、プログラムはストラヴィンスキーの「葬送の歌」とマーラーの交響曲6番「悲劇的」の2曲。

1曲目のストラヴィンスキーの「葬送の歌」とは聞き覚えのない曲でしたが、それもそのはず。解説によれば、長らく紛失とされていた曲で、2015年にサンクトペテルスブルク音楽院の図書館で発見されたばかりのものとのこと。もともとストラヴィンスキーの師であった、リムスキー・コルサコフが1908年に亡くなった際に書かれた曲とのことで、ストラヴィンスキー26歳の頃の作品。

もちろん、この日のお目当は2曲目のマーラー。サロネンはあまり馴染みがなかったので一度聴いてみようと思っていたところしかも難曲のマーラー6番。日頃はハイドンばかり聴いていますが、ご存知のとおり、コンサートではマーラーやブルックナーは結構聴いています。逆に家でマーラーを1曲聴き通す忍耐力もあまりなくなってきていますので、コンサート以外ではなかなか聴くことができません。もちろん、大編成オケの迫力は実演に限りますね。

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この日は仕事を早々に切り上げ、勤務先からも近い東京オペラシティに向かいます。いつものように嫁さんが先に着いていて、サンドウィッチとワインを買って待っていたので、軽く腹ごしらえをして準備万端。

この日の席は、海外オケでチケットも高いので、ちょっと節約して3階席。ステージの右側で、指揮者とオケを真上から見下ろす感じの席でした。ステージ右側の低音弦やトロンボーンやチューバなどは見えませんが、指揮者の表情やアクションがよく見えて視覚的にはなかなかいい席でした。

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ステージ上は、1曲目のストラヴィンスキーもかなりの大編成の曲ということで、タケミツメモリアルホールのステージいっぱいにオケの席が配置され、かなりの数の団員が音出しをしています。定刻になりオケのメンバーが登壇しますが、日本のオケと異なり、演奏しないスタッフ(マネジメント?)の人もステージ上でメンバーと何やら談笑していて、緊張感のレベルが違うのが微笑ましいところ。

客席のライトが暗くなって、チューニングが始まり、程なくサロネン登場。1曲目のストラヴィンスキーが始まります。葬送の曲だけにゆったりとした曲調で暗澹、雄大な響きの曲。リズムが爆発することもないですが、調性には緊張感が伴います。解説にはストラヴィンスキー自身の言葉が引用されていました。

「巨匠の墓の周りを、オーケストラのソロ楽器の奏者たちが、皆で列をなして、進んでゆく。低い声で歌われる合唱の震え声を模倣するかのようにざわめくトレモロ。その深遠なる後景とともに、花輪を捧げるかのごとく旋律がかけめぐる。」

サロネンはかなり丁寧に奏者に指示を出しながらオケを緻密にコントロール。静かな葬儀の様子を描くような指揮ぶり。オケも緻密さを保って15分くらいの曲をまとめました。もちろん聴きなれぬ曲なのでサロネン自身の音楽がどのようなものかを感じ取るほどには至りませんが、響きの中には日本人同様の透明感が漂い、フレーズの一つ一つを練るようなヨーロッパの伝統とは別のものを感じました。フィンランド出身ということもそんなイメージにつながっているのかもしれませんね。日本初演との触れ込みも手伝って、観客も温かい拍手でサロネンを称えます。そしてサロネンは指揮台の楽譜を高く持ち上げ作曲者を称えました。

この曲の初演はついこの間の2016年12月にゲルギエフ指揮のマリインスキー歌劇場管弦楽団によるもので、一部が下記のリンク先で見られます。
Grammphone Live Streaming

一旦サロネンが袖に下がり、団員が一部入れ替わった後、休憩なしでマーラーに入ります。

サロネンは拍手が鳴り止まぬうちに、タクトを振り上げ演奏を始めます。1楽章のチェロとコントラバスによるリズムが始まりますが、速い。しかもその後のオケの入りのタイミングが乱れて聴こえます。これは後でわかったんですが席の問題でしょう。オケ直上の3階席で、ご存知のようにこのタケミツメモリアルホールは天井が非常に高い。そしてオケの真上には大きな反射板。直接音と反射板による間接音、そしてホールの残響が音域によって異なったタイミングで到着することに原因がありそうです。これが2階席だったら明らかに直接音がメインとなるでしょうが、3階席ということで直接音と間接音の差が少なくなります。金管の音も派手に滲んだ響きに聴こえるので嫁さんはずいぶん迫力があったとの感想。このホールの3階席ははじめてでしたが注意が必要ですね。
演奏に戻ると、サロネンは最初から超ハイテンションでオケを煽ります。一貫して早めのテンポを保ち、しかも所々でテンポをさらに上げたり独特のコントロール。先日聴いたカンブルランの巨人では強奏以外の部分を非常に丁寧に描いてしっとりとした旋律の美しさでハッとさせられましたが、そう言った意図は皆無。むしろ細かい点に気をとられることなくグイグイオケを煽ってマーラーのこの曲に仕込まれた分裂症的連鎖爆発をあぶり出すかのようにエネルギッシュな指揮。フレージングもあっさりというより淡白に近い割り切り方で逆に畳み掛けるようなエネルギーで聴かせます。オケはサロネンの煽りに懸命に合わせている感じ。精度は最近の日本のオケの方が上かもしれませんが、逆にこの割り切り方は日本のオケにはない響きかもしれません。日本のオケだともう少し行儀よくなってしまいそうですね。長い1楽章でサロネンの意図がハッキリと伝わりました。1楽章の指揮だけでボクシングの試合12ラウンド分のカロリーを消費した感じ。聴く方にもそのエネルギーが伝わります。
続くスケルツォは弦のキレとリズムのキレが印象的。相変わらずサロネンはテンポを速める煽りを随所に挟んで曲を引き締めます。特徴的なサロネンの解釈の中でも最もオーソドックスだったでしょうか。直裁なサロネンのコントロールが最もマッチしたというところでしょう。
そして天上の音楽のような3楽章はタクトを置いての指揮。やはりすっきりとした速めのテンポで見通しの良さが信条のような演奏。この曲の刷り込みは1979年の来日公演の予習用に買ったカラヤン/ベルリンフィルのLP。磨き抜かれたベルリンフィルの弦楽セクションの響きにうっとりとしたものです。サロネンはこれまでの楽章とは変わってフレージングは丁寧にこなしフィルハーモニア管の弦の美しさを印象に残します。ただチェレスタやハープはキリリとしたリズムを保つことでサロネンらしい引き締まった音楽が展開します。
そしてこの日の演奏を決定的に印象付けた終楽章。1楽章の演奏から予想はしていましたが、その予想を上回るエネルギー。もうハチャメチャに煽る。もちろん秩序が乱れることはありませんが高速道路フルスロットルでぶっ飛ばすような激演。やはり背景にはマーラーの分裂症的連鎖爆発があるのでしょう。サロネンも超ハイテンションで終楽章を通します。感動的だったのは最後の一撃がホールに消え入り、静寂をサロネンがゆったりと顔を上げるまで続いたこと。もちろんブラヴォーが降り注ぎ、最近聴いたコンサートの中では一番の嵐のような拍手に包まれました。

やはり録音で聴くのとはレベルの違うエネルギーに圧倒されたというのが正直なところでしょう。おそらく録音でこの演奏を聴いてもその凄さは伝わらないかもしれませんね。ホールにいた人だけが味わえるたぐいまれな完全燃焼の瞬間。拍手はオケが退場しても続きサロネンはスタンディングオベイションを続ける観客に深々とこうべを垂れ、拍手に応えていました。

細かいことにこだわらず、この曲の表現を一点絞ったサロネンの戦略が功を奏したということでしょう。

ホールを去る観客の興奮気味の笑顔が印象に残った一夜でした。

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tag : 東京オペラシティ マーラー ストラヴィンスキー

カンブルラン/読響:太鼓連打、巨人(東京芸術劇場)

4月8日土曜は以前からチケットを取ってあったコンサートに出かけました。

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読売日本交響楽団:第196回土曜マチネーシリーズ

現在読響の常任指揮者として活躍しているシルヴァン・カンブルランが、ハイドンの太鼓連打を取り上げるということでチケットを取ったもの。組み合わされる曲はマーラーの巨人。上のチラシのデザインを見ても明らかなとおり、メインディッシュはマーラーですが、もちろん私の興味は太鼓連打。

カンブルランが特別に好きなわけではありませんが、これまで随分コンサートに行っています。

2017/02/01 : コンサートレポート : カンブルラン/読響:メシアン「彼方の閃光」(サントリーホール)
2015/04/11 : コンサートレポート : カンブルラン/読響のリーム、ブルックナー(サントリーホール)
2014/04/18 : コンサートレポート : カンブルラン/読響のマーラー4番(サントリーホール)
2012/12/21 : コンサートレポート : カンブルラン/読響の第九(サントリーホール)
2012/04/16 : コンサートレポート : カンブルラン/読響の牧神の午後、ペトルーシュカ
2010/11/22 : コンサートレポート : カンブルラン/読売日響の朝、昼、晩
2010/07/14 : コンサートレポート : カンブルランのデュティユー
2010/05/02 : ハイドン–交響曲 : カンブルランのハイドン
2010/05/01 : コンサートレポート : カンブルランのハルサイ爆演

これまで読響のコンサートにはいろいろなプログラムが取り上げられましたが、私の聴いたなかでよかったのはやはり現代音楽。先日聴いたメシアンも素晴らしかったし、デュティユー、リームも絶品。最初にカンブルランを聴いたのが春の祭典でしたが、そのあと火の鳥もペトルーシュカも聴いて、こうしたプログラムでのカンブルランの色彩感豊かなコントロールが現代曲に華やかさを加え、フランス人らしいキレを感じさせているんですね。

逆にあまり良くなかったのはブルックナー。読響でブルックナーといえばスクロヴァチェフスキですが、カンブルランの演奏はフレーズがせかせかして明らかにブルックナーには合わない感じがしました。

やはりカンブルランは現代音楽で、独墺系の音楽に合わないのかといえば、さにあらず。2010年にはハイドンの朝、昼、晩を聴いていますが、これがなかなか良かったんですね。その記憶があって、今回は太鼓連打目的でチケットを取ったわけです。



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会場は池袋の東京芸術劇場。前日に母親が骨折の治療のため入院したのでバタバタしていましたが、前日中に手続きまで含めて終わりましたので、コンサートに行ける余裕ができました。

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マチネーということで開演は14時。いつもどおり少し早めについて、バーラウンジでワインを飲みながら腹ごしらえです。

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席は2階のステージ右脇。サントリーホールならRAあたりです。15分前くらいに席についてもらったチラシなど眺めながら開演時刻を待ちます。ステージ上は1曲目のハイドンに合わせて小編成のオーケストラ用の配置、、ですが、ハイドンの演奏に使うティンパニの後ろにはさらにティンパニが2台用意されており、後半のマーラー用のパーカッション群もちらほら見えます。

程なく開演時刻になり、オケのメンバーが登壇。コンサートマスターは荻原尚子さん。4月1日付でコンサートマスターに就任とのことで、このコンサートがデビューのようです。チューニングが終わり、カンブルランが登場。最初の入りはタクトで指示せず、ティンパニに任せます。遠雷のように入るものの最近の流行りか、途中から乱打に。1楽章は非常にシャープな演奏。ノンヴィブラート気味な弦の透明な響きをベースに、テンポよく各パートがクッキリ鮮明にメロディーを重ねます。カンブルランが首席指揮者になってからかなり演奏を重ねているので、各楽器もカンブルランの指示どおりに鮮やかな演奏。木管のニュアンスの豊かさに、金管群も非常に緻密な演奏で応えます。1楽章の構成感の見事さは惚れ惚れするほど。一部トランペットが音を外したところがある他は完璧な演奏でした。
素晴らしかったのが2楽章。一定のテンポでサクサク進めますが、音楽自体は非常に豊か。特に新コンサートマスターの荻原尚子さんのソロヴァイオリンのゆったりとした美音は別格。いい人をコンサートマスターに迎えましたね。
そしてメヌエットも見通しの良い展開。音量をスッと落としたり、気持ちよく吹き上がったりとスロットルコントロールの面白さが存分に活かされた演奏。
フィナーレは、この曲の総決算とばかり、古典の枠の中で自在に吹き上がるオケの小気味好いキレ味と、実にニュアンス豊かに鳴り響くメロディーの交錯に、最後は分厚く響き渡るオケの迫力を存分に聴かせて終了。やはりカンブルランの抑制を効かせながらも巧みにオケをコントロールするハイドンは素晴らしいですね。充実した演奏に会場からも万雷の拍手が降り注ぎます。

休憩中にステージ上は大オーケストラ用の配置に様変わり。休憩後もコンサートマスターは萩原さん。マーラーも実演では色々聴いていますが、1番「巨人」は初めて。カンブルランが登壇し、最初のフラジオレットの弱音が鳴り出し、遅めのテンポで入ります。カンブルランは弱音部を実にニュアンス豊かに丁寧に描いていくので、録音ではなかなかニュアンスが伝わりにくいところがしっかりと描かれていきます。1楽章ではステージ下手の扉を開け舞台裏からファンファーレが鳴り響く箇所が何箇所かありますが、扉の開き具合を微妙に変えて音量をコントロールしているのが印象的でした。太鼓連打同様、木管楽器の柔らかな響きと、金管陣の安定感は素晴らしいものがありました。流石にハイドンとは規模が異なる大オーケストラゆえ迫力はかなりのもの。静寂からオケの爆発に至るコントロールも見事に決まり1楽章を終えます。
2楽章はヴィオラやヴァイオリン、チェロ、コントラバスなどの弦楽器が大活躍。特にヴィオラの力感漲るボウイングは見事。オケを俯瞰できる席だったので、メロディーをパートごとに受け継いでいくやり取りの面白さが視覚的に入って来ます。タイトに引き締まったオケの響きがグイグイ迫ってくる快感。暗澹たる3楽章も実に丁寧なコントロールで聴きごたえ十分。3楽章までは冷静さも緊張感も保ち続けて見事な展開でした。
そしてフィナーレはオケの爆発に始まり、何度かの爆発を経て壮麗な最後に至りますが、このフィナーレの最後が少し力みが見られてちょっとくどい感じを残してしまいました。ここがマーラーの難しいところでしょう。4楽章の中盤までは理性的にコントロールが行き渡っていましたが、最後はゴリ押しした感じで惜しかったですね。もちろん会場のお客さんからはブラヴォーの嵐。ほおがびりつくほどの迫力でのフィナーレは素晴らしい迫力でした。読響も素晴らしい精度でカンブルランの指示に応じていましたので、カンブルランも満足そうに奏者を讃えていました。

おなじみのカンブルランの振ったハイドンの太鼓連打とマーラーの巨人。大迫力の巨人を楽しんだ人も多かったと思いますが、私はカンブルランの太鼓連打が深く印象に残りました。交響曲の父が書いた古典の完成形としての交響曲の秩序と機知と美しいメロディーが溶け合った曲に対し、その100年近く後に交響曲がたどり着いた、世紀末の成熟と退廃。演奏の方も。古典の名曲を現代音楽の奇才がきっちり料理しきった演奏と、マーラーという作曲家の作品を丹念に描きつつも、その演奏の難しさも感じさせたコンサートでした。

この秋、カンブルランはメシアンの歌劇「アッシジの聖フランチェスコ」を取り上げるとのこと。まずは手元のメシアン全集のケント・ナガノの演奏でも聴いて、どうするか決めようと思います。CD4枚分は長いですからね〜(笑)

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tag : 東京芸術劇場 マーラー 太鼓連打

パーヴォ・ヤルヴィ/N響のマーラー交響曲3番(サントリーホール)

昨日10月6日は以前からチケットを取ってあったN響のコンサートへ行ってきました。

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ここ数年コンサートは適度に通ってますが、なぜか読響のコンサートが多かったですね。あんまり理由はないんですが、スクロヴァチェフスキなどのコンサートチケットをとった勢いでいろいろコンサートのチケットをとっているというのが正直なところ。N響もホグウッドの第九とか、デュトワのマーラー千人などを聴いていますが、読響ほどの頻度ではありません。

この日のコンサートは7月に行った読響のコンサートでもらったチラシを見て、N響の音楽監督に就任し、ヨーロッパでもすこぶる評判の良いパーヴォ・ヤルヴィがマーラーでも好きな3番を振るということで、久々に行く気になったもの。

また、先週の放送でヤルヴィ武満と「展覧会の絵」を放送していたのをたまたま見る機会があり、特に武満が存外にすばらしかったので、このコンサートを楽しみにしていました。

N響:N響90周年&サントリーホール30周年 パーヴォ・ヤルヴィ指揮NHK交響楽団特別公演

この日のコンサートはN響の定期公演ではなくサントリーホールの30周年とN響の90周年を記念した特別公演とのこと。出演者は下記のとおり。

パーヴォ・ヤルヴィ指揮
NHK交響楽団
メゾ・ソプラノ:ミシェル・デ・ヤング
東京音楽大学合唱団
NHK児童合唱団

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この日はいつも通り仕事を早めに切り上げ、溜池山王のサントリーホールに向かいます。こちらもいつも通り嫁さんが向かいのオーバカナルでワインとサンドイッチを注文して待ってましたので、軽く一杯あおって開場時間を待ちます。

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席はいつものライトスタンドにあたるRA席ではなく、少し高いRB席の一番前。AよりB席の方が高いというわかりにくい席名ですが、指揮者を右真横からみる絶好の席。ステージではかなりの奏者が練習に励んでおり、開演前にしては賑やか。とくに長大な交響曲中出番の多いトロンボーン奏者は最後まで響きを確認するように音出ししていました。

流石にマーラーの大交響曲、ステージ一杯に椅子が並び、正面奥のパイプオルガン前の席は合唱団の席。開演時間になると児童合唱団から入場、オケの奏者まで揃うと見た目だけでも圧巻のステージ。そしてヤルヴィの登壇で拍手喝采。この特別公演への期待の大きさが伺えます。

俊敏なヤルヴィのアクションでタクトが振り下ろされるとトロンボーンの象徴的なメロディーが轟きますが、意外と速めでサクサク入ります。入りからしばらくは期待したほどキレの良さはきかれず、マーラーでは個性が出し切れないのかと危惧させましたが、曲が進むにつれて徐々にオケも覚醒。そこここにキリリと鋭いアクセントをつけることで、マーラーの深層心理をえぐるような曲想が明るいライトに照らされて超鮮明に解像しクッキリと浮かび上がります。特にチェロやコントラバスのかき鳴らすような激しいアクセントがマーラー特有のドロドロとした響きではなく、峻厳さを帯びた険しい響きとなって襲い掛かり、非常にコントラストの強い音楽になっていきます。オケの方もヤルヴィのタクトに見事に反応し、特に金管群の安定感は見事なもの。静寂と爆発を繰り返えしながらもマーラーにしては楽天的な展開のこの長大な1楽章が超タイトに引き締まり、幾度かの強音の炸裂を経て、最後はビッグバンのように炸裂した響きをタクトがブラックホールのように吸い取る見事なもの。オケの集中力は尋常なレベルではありませんでした。
続くメヌエットは、直前の放送で聴いた武満の演奏の、豊かに響きながらも透明感を保った弦楽器の魅力で聴かせる演奏。楽章間の変化をかなりしっかりとつけてきます。好きなアバド盤はイタリア人らしい流麗さに溢れたコントロールですが、ヤルヴィは流れの良さはよりはフレーズごとの変化の巧みさで聴かせてきます。
3楽章のスケルツァンドは「子供の不思議な角笛」からの引用で、ここでもフレーズごとにキリリとまとめながら軽々とオケを吹き上がらせ、まるでオケの反応を楽しむような指揮ぶり。中間部に入ると1階席L側の扉がすっと開き、廊下の奥からトランペットによる見事なポストホルンが響き、ステージ上のオーケストラと一糸乱れぬアンサンブルを繰り広げます。このポストホルンは絶品でした。
そして4楽章に入るといよいよメゾ・ソプラノのミシェル・デ・ヤングが立ち上がり、深々とした美声を披露。この楽章は雄大な流れのように聴かせるかと思いきや、やはり響きを磨きコントラストで聴かせるヤルヴィ独特の音楽を色濃く感じさせるもの。フレーズのあちこちにエキセントリックな響きの面白さをまぶしてマーラーをリヒャルト・シュトラウスのように感じさせます。
5楽章の児童合唱団による有名なメロディーに入りますが、場内が若干ざわつきます。児童合唱の前列の一人が4楽章の入りから一人だけ立ち上がらず、5楽章の歌唱に入る場面でも一人だけ歌いません。まわりも心配そうにする中、清らかなコーラスは進み、鐘やトライアングルがちりばめられた祝祭的な音楽が終わります。
そして、この曲最大の聴かせどころの6楽章に入ります。これまでヤルヴィらしいアクセントをちらばめた音楽が、マーラーらしいというよりヤルヴィらしいと感じさせていて、この6楽章はどうくるかと構えていると、ここは響きの深みとしなやかさを前面に出してきました。武満できかせた弦の透明感あふれる響かせ方が活きて、実に美しいメロディーが重なります。終盤に入ると再び俊敏なヤルヴィの棒が目を覚まし、オケをぐいぐい煽りますが、オケの方も40キロ過ぎのマラソンランナーが最後の力を振り絞ってラストスパートをかけるがごとき様相。長大なこの曲最後の踏ん張りどころを管、弦、パーカッションなど全員が総力を振り絞ってクライマックスに向けてじっくり歩みを進めます。寄せては返すような大波の連続を経て、ティンパニ2台が揃って強打する終結への歩み。最後はホールを揺るがすような風圧を伴ってフィニッシュ。

ヤルヴィのタクトが降ろされると同時にブラヴォーと拍手が降り注ぎました。N響のメンバーも皆熱演。アクシデントはありましたが、児童合唱も女声合唱も完璧と言って良い出来でした。やはりヤルヴィの超鮮明、ハイレゾ的コントロールにオケが応えたということでしょう。特に金管の安定感は素晴らしいものがありましたし、個人的にはコントラバスやチェロの存在感のある演奏が印象に残りました。

ヤルヴィのマーラーは複雑な楽譜に記された音楽を微視的に、そしてアーティスティックにデフォルメして聴かせるもので、余韻に精神分裂的、あるいは暗澹たるマーラーらしさを感じさせることなく、純粋にアーティスティックなもの。そして、最近の演奏らしくコントロールを隅々まで行き渡らせ、その圧倒的なコントロール力で聴かせるもの。サヴァリッシュの音楽にはドイツの香りが、デュトワにはフランスの香りが感じられましたが、ヤルヴィの音楽にはには新時代の息吹が感じられました。現代の一流シェフを招き、欧米に引けを取らない素晴らしい音楽を楽しめるようになったと思わせるコンサートでした。

この日はNHKのカメラが多数客席に配置されてましたので、近日中に放送されることになるのではないかと思います。皆さんの目と耳で新時代の息吹を感じてみてください。



終演後は最近お気に入りのサントリーホール向かいのスペインバルで反省会。

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食べログ:バレンシアナバル ブリーチョ

2時間休憩なしの長丁場は聴き手も喉がカラカラ。ということでテンプラニーリョとサングリアを注文。このサングリアが美味い。

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ここは少なめの料理をいろいろ頼んでつまめるのでコンサートの後のちょい飲みに最適。いつも頼むレンズ豆とチョリソの煮込み。チョリソの濃厚な香りでワインが進みます。

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そしてムール貝のワイン蒸し。これはたっぷり出てきました。プリプリのムール貝も美味いんですが、パンを残ったスープに浸していただくのがグー。

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この日のパエリアはエスカルゴとウサギ肉。うちでも最近パエリアは作るのですが、ウサギ肉とエスカルゴは手に入りませんので無理。やはりプロの料理は違いますね。ひとしきりコンサートの余韻とおしゃべりを楽しんで帰途につきました。

これからはN響のプログラムもチェックしておかなくてはなりませんね。

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コルネリウス・マイスター/読響の「朝」「悲劇的」(サントリーホール)

一昨日7月14日は、チケットを取ってあったコンサートに行ってきました。

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読売日本交響楽団:第560回定期演奏会

指揮者のコルネリウス・マイスターは今まで知らなかった人ですが、今回はプログラムにハイドンの交響曲6番「朝」が含まれていたということでチケットを取ったもの。もちろん「朝」は前座で、メインディッシュはマーラーの交響曲6番「悲劇的」。ハイドンにマーラーを組み合わせるというプログラムの妙に加え、ハイドンもマーラーもいくらでも交響曲がある中、6番と6番をもってくる語呂合わせとも思える企画ながら、ハイドンの交響曲の中でも一際爽やかな「朝」と、マーラーの中でもこれまた重苦しい「悲劇的」を組み合わせてくるあたり、一夜のコンサートで音楽の表現出来るコントラストを極めようという粋な企画と見抜きました。チラシの情報ではコルネリウス・マイスターはヨーロッパで最近頭角を現している若手ということでチケットを取った次第。

コルネリウス・マイスターの略歴をあたっておくと、1980年、ドイツのハノーヴァー生まれの指揮者ということでまだ36歳。父はピアニストでハノーヴァー音楽大学の教授、母もピアニストという音楽一家の出身です。ハノーヴァー音楽演劇大学でピアノと指揮を学び、師事した中には大植英次さんも含まれます。またザルツブルクのモーツァルテウムではデニス・ラッセル・デイヴィスに師事しています。2001年からのエアフルト(Erfurt)歌劇場のアシスタント、ハノーヴァー州立歌劇場の首席指揮者を経て2005年にはハイデルベルク州立劇場の音楽監督、2010年からはウィーン放送交響楽団の首席指揮者兼音楽監督に就任するなど飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍しています。コンサートのチラシによると読響を振るのは今回が2度目とのことです。



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このところ仕事がバタバタで連日遅い帰りでしたが、強引にひと段落させて仕事を切り上げ(笑)、サントリーホールに向かいます。東京はなんとなくはっきりしない天気でしたが、幸い雨に当たらずにホールに到着。向かいのオーバカナルで嫁さんと待ち合わせをしていましたので、ビールとサンドウィッチでお腹を落ち着かせて開場を待ちます。

席はいつものステージ右横のRA席。見下ろすとステージ上にはマーラーのために楽器と椅子が所狭しと並べられていますが、そこにハイドンの演奏用にチェンバロが並んでいるのが微笑ましいところ。ステージ上で楽器の調整をする音をBGMに、いつものようにもらったチラシから興味のあるものだけ抜き出したりしてのんびり過ごします。開演時刻になると、客席の明かりがスッとおちて団員がステージ上に登壇。配置された大オーケストラ用の椅子の前の方に弦楽器奏者を中心に少人数のオケが着席してチューニング。この日のコンサートマスターは小森谷さん。ほどなく指揮者のコルネリウス・マイスターが颯爽と登場します。ポスターのイメージとは少々異なり、ミッチー(及川光博)風の明るくコミカルなキャラ。服装もハイドンを意識してか、なんか侯爵風です(笑)。

さっと指揮棒を振り上げ、期待の「朝」が始まります。コルネリウス・マイスターの振る「朝」、絶品でした。もちろんゆったりとした序奏から入りますが、すぐにハイドンらしい快活なメロディーが乱舞。大きめのアクションで各楽器に次々と指示を出して響きを完璧にコントロール。すべてのパートに躍動感を感じさせる大胆なデフォルメを仕込み、インテンポで畳みかけるように疾走するハイドン。特に速い音階のキレに徹底的にこだわり、朝にふさわしい爽快感に満ちた響きを創り出していきます。読響もマイスターの指示に完璧に応じて見事な演奏。特にフルートの音階のキレ、艶やかなファゴットの響き、ホルンのリズムの正確さ、小気味良い小森谷さんのヴァイオリンソロともに絶品でした。音楽は完全にコルネリウス・マイスターのもので、かなり大胆なコントラストをつけての演奏ながら、自然なハイドンの音楽の美しさを乱さぬもので、これほど快活かつ爽快な朝はこれまで聴いたことが無いほど。コンサート会場に駆けつけた観客のほとんどはマーラー目当でしょうが、ハイドン目当ての私には、この「朝」でコルネリウス・マイスターの非凡さを見抜きました。この音楽の構成力とオケの掌握力は只者ではありませんね。もちろん前座のハイドンで会場にただならぬ興奮をもたらしたコルネリウス・マイスターに拍手の嵐が降り注ぎました。いやいや本当に素晴らしかった。

15分の休憩を挟んで、今度はマーラー。しかも最も暗澹たる6番です。

私も若い頃は(笑)マーラーは好きでしたが、最近家でマーラーを聴くことは滅多にありません。マーラーやブルックナーはコンサートで爆音を浴びる快感に浸るための音楽という感じ。特にこの6番は1979年のカラヤン、ベルリンフィルのコンサートを聴きにいったのが懐かしく思い出されます。方南町の巨大な普門館でのコンサートでしたが、ベルリンフィルをもってしても、このホールの巨大な空間は広すぎる感じで、予習のために買ったLPで刷り込んだ機械仕掛けのような精密な演奏を頭のなかで響かせながら生のコンサートを聴くような不思議な体験でした。当時はアンダンテ・モデラートが3楽章に配置され、カラヤンの繰り出すビロードのような弦の響きが印象に残っています。以降、6番はよく知る曲ですが、あんまり集中して聴いた覚えの無い曲です。

前半のハイドンで圧倒的な存在感をみせたコルネリウス・マイスターですが、後半のマーラーも制御力は圧巻でした。冒頭から大きめのアクションでオケを制御するのはハイドンと同様でしたが、楽器の数と楽譜の複雑さは桁違い。音楽の方向性は全く異なりますが、制御能力はマゼールを思わせる緻密なもの。1楽章はやはりフレーズごとにところどころに大胆なデォルメを効かせて、精緻さと、ほのかなグロテスクさと、深い彫りを感じさせる演奏。基本的にきっちりとした制御が行き届いているので、バーンスタインのようなおどろおどろしい感じはせず、ディティールはダイナミッックですが全体的にスタティックな感じを受ける演奏。この辺はマーラー好きな方から好き嫌いが分かれるところかもしれませんね。ただ、このマーラーでも読響の演奏精度は素晴らしかった。ミスらしいミスは全くなく、完全にコルネリウス・マイスターの棒に応えていました。前半のハイドンで脳内に満ちていた幸福物質が、マーラーの分裂的音楽の大音響によってかき消され、両曲が作曲された間の140年間に音楽というものがたどった変化の大きさを改めて感じた次第。マーラーが音符と楽器と規模を変えて繰り出す音楽は、我々の脳の「音を楽しむ」中枢ではないところに大きく働きかけ、全く異なる衝撃をもたらします。ステージ奥でカウベルが鳴り、ハープやチェレスタがメロディーではなく響きを置いていくように配されることもハイドンの時代とは全く異なるもの。コルネリウス・マイスターの指揮は、マーラーの音楽の深層心理的側面ではなく、複雑に折り重なる響きのコントロールの快感に訴えるものと言っていいでしょう。それを象徴するのが時折はっとさせる大胆なデフォルメ。特にヴィオラには印象的なボウイングを度々指示して、マーラーの音楽の複雑な響きに特徴的な個性を与えるのに貢献していました。

そして、この日の音楽の深さを印象づけたのが楽章間の長い間。1楽章最後の音の余韻が消えさると、客席の緊張も解け、咳ばらいが聞こえますが、その咳払いが静まってもコルネリウス・マイスターはしばらく微動だにしません。観客の視点がマイスターの動きに集中して完全な無音が訪れ、しばらくその無音に吸い込まれるような時間を皆が共有したところで、すっとタクトが上がり、マーラーの天上の音楽に入ります。ヴァイオリンの奏でる微音が静寂にすっと浮かび上がる絶妙な入り。ホールの観客ごと制御するマイスターの手腕に驚きます。

ハッとさせられるような美しいヴァイオリンの響きで始まるアンダンテ・モデラートですが、音楽が進むにつれてマイスターによる響きの制御が行きわたり、音楽の一音一音のディティールにフォーカスを合わせた展開。カラヤンの流麗さとは対極にある演奏です。ちょっと思い出したのが、以前聴いたデニス・ラッセル・デイヴィスの振る読響での惑星。

2015/07/27 : コンサートレポート : デニス・ラッセル・デイヴィス/読響の惑星(みなとみらいホール)

このディティールへの執着は、師事していたデニス・ラッセル・デイヴィスと同じようなものを感じます。デニス・ラッセル・デイヴィスの方がより灰汁の強い感じがしますが、パートごとに巧みに表情を変えていくあたりはディヴィスの手法を受け継いているのでしょう。このアンダンテ・モデラートでは、マーラーの音楽の持つ天上的美しさと分裂的展開の拮抗に対して、マイスターの制御過剰的側面が分裂よりに音楽をシフトしてしまった印象もありました。続くスケルツォへの間も同じく長くとり、最初の1音へ集中。このスケルツォと終楽章は逆にマイスターの制御によってマーラーの複雑な音楽を解き解しながら進める快感を味わえました。カラヤンは曲全体の構造を見据えた大局を踏まえた展開を得意としていますので、大波のような盛り上がりに力点を置いていましたが、マイスターはディテールの彫りの深さに集中しているよう。それだけにオーケストラコントロールは圧倒的な迫力を帯び、大編成の金管楽器群、ハープやチェレスタなどの特殊な音色をもたらす楽器、カウベル、ドラ、ハンマー、2台のティンパニなどの打楽器群が大活躍。読響も完璧な仕事で応えていました。生のコンサートゆえ、終楽章で打楽器奏者がハンマーを振り上げステージを揺るがすような一撃を加えるところは圧巻。バックスイングがステージ裏のお客さんの目の前だったのも迫力十分。フレーズの離合集散を繰り返しながらフィナーレに至る長大な終楽章を見事に制御しきって、最後の一音がサントリーホールの静寂の中に消え、やはり微動だにしないコルネリウス・マイスターがすっと力を抜いた瞬間、拍手が降り注ぎました。この日の観客はマイスターの躾が行き届いていたので、最後の余韻を十分に堪能できました。



コルネリウス・マイスターのオーケストラコントロールは圧巻でしたので、観客も大編成のマーラーを堪能したことでしょう。私はもちろん、前半のハイドンの素晴らしさでコルネリウス・マイスターという人の音楽が心に刻まれました。マーラーについても素晴らしい演奏でしたが、私のハイドンに対する姿勢同様、マーラー好きな人からは意見が分かれる演奏だったかもしれませんね。なにしろマーラー好きの日本人はアバドやバーンスタイン、インバルらの名演奏が刷り込まれ、最近も多くの名演奏が都内のコンサートで聴ける環境にありますので(笑)。

コンサートのパンフレットによると、コルネリウス・マイスターは2018年のシーズンから読響の首席客演指揮者に就任するとのこと。また、カンブルランの後を受けて、同じく2018年のシーズンからシュツットガルト歌劇場の音楽監督になるとのこと。これからが楽しみな人ですね。今後、読響でのコンサートプログラムは注目要です。

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tag : マーラー サントリーホール

カンブルラン/読響のマーラー4番(サントリーホール)

昨日4月17日は読響のコンサートのチケットをとってあったので、仕事をそそくさと終え、サントリーホールに向かいます。幸い会社からは30分少々で着きますので、19:00開演のコンサートに駆けつけることは問題ありません、

読売日本交響楽団:第536回定期演奏会

指揮はおなじみシルヴァン・カンブルラン(Sylvain Cambreling)でプログラムは下記のとおり。

シェーンベルク:弦楽のためのワルツ
リスト:ピアノ協奏曲第1番 ピアノ:ニコライ・デミジェンコ(Nikolai Demidenko)
(休憩)
マーラー:交響曲第4番 ソプラノ:ローラ・エイキン(Laura Aikin)

コンサートの情報をマメにチェックするほうではありませんので、わりと適当にプログラムを選びます。読響はスクロヴァチェフスキのコンサートに何回か行って以来、なんとなくいろいろ行っています。スクロヴァチェフスキのブルックナーやベートーヴェンも素晴しいのですが、カンブルランになってから、ストラヴィンスキーとかデティユーなど、ハイドンにこだわらず聴いています。

この日の目玉はもちろんマーラーの4番。カンブルランはフランス人らしい独特の色彩感を感じさせる演奏ゆえ、春にふさわしいマーラーが聴けるのではとの期待でチケットをとったという流れです。

さて、昨日の東京は春らしい好天。18時に仕事を終え、開演20分前にはホールに着きました。

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嫁さんと待ち合わせて、いつものようにホワイエでワインとサンドウィッチなどを戴き、開演前の喧噪を楽しみます。

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座席はこちらもいつも通りお気に入りの2階のRA席。今回は1列目がとれましたので、オケにかぶりつきです。サントリーホールはステージ正面の席よりもステージ横の2階席の方がオケと指揮の様子が手に取るようにわかり、お気に入りです。音も正面よりもダイレクトに聴こえるので、一等席よりもこちらの方が好みです。

プログラム上前半は前座のようなイメージですね。

1曲目目のシェーンベルクは弦楽器のみで10楽章構成のワルツ。解説によると、本来は11楽章構成とのことですが11曲目が未完だったため、通例10楽章の形で演奏されるとのこと。演奏はカンブルランらしく軽やかに弦楽器がワルツを刻むなかに、濃いめの色彩がつけられ、色彩過多なほどの芳香に満ちた華やかさ。オケも1曲目にしては良く磨かれて、かなり気合いの入った様子。コンサートマスターは超長身のクリスティアン・オスターターク。カンブルランが以前音楽監督を務めていた、バーデンバーデン&フライブルクSWR交響楽団のコンサートマスターのコンサートマスターをカンブルランがゲストとして読んだ人とのことです。力強いボウイングは流石と思わせるものがありますね。

2曲目はリストのピアノ協奏曲。私はリストはかなり苦手(笑) 普段は滅多にというかほとんど聴かないのですが、コンサートでは実演の迫力で聴けてしまいます。ハイドンの素朴な音楽に比べるとずいぶんと表現意欲の勝る音楽かと驚くばかり。ピアニストのニコライ・デミジェンコはロシアの人らしく、豪腕という言葉がぴったり。力強いタッチで難曲をこともなげに進めて行きますが、間のとりかたも上手く、落ち着いて音楽の表現の幅をフルに浸かった名演奏だったと思います。なお、鳴り止まぬ拍手に、メトネルの「おとぎ話」という曲がアンコールで演奏されました。こちらは小曲ながら音符の洪水のような難曲ですが、アンコールで演奏するだけあって得意としているよう。安定したテクニックで、しかも詩情も溢れ出す名演奏に会場は再び拍手喝采でした。



休憩を挟んで、ステージ上には所狭しと楽器が増え、マーラーの演奏に備えます。

マーラーの交響曲のなかでも優美な曲想で知られる曲で、冒頭の鈴の音が鳴った途端おとぎ話の世界に入ったような独特の雰囲気に包まれます。いつも通りオーバーアクションともとれる派手なアクションで奏者に指示を出して行くカンブルラン。予想通り、カンブルランのマーラーは速めのテンポで、やはり濃厚な色彩感に溢れたものでした。
私のこの曲の刷り込みはアバド/ウィーンフィルのLPですが、香しいメロディーが次々と楽器を変えて奏でられるこの曲を、アバドはクッキリとしながらも穏やかな暖かい音楽にしていきましたが、カンブルランの手にかかると、メロディを紡ぐ一本一本の糸が色も太さも違うところを面白く聴かせようとしているようで、2人の音楽の違いが実に興味深いですね。オケもかなり練習しているようで、かなりの精度でカンブルランの指示についていきます。よく見える位置にあるティンパニは今日も精緻、木管群の存在感のある演奏が秀逸でした。おだやかに刻む前半に対して、後半に入ると徐々にフルオーケストラが爆発し始め、ライヴならではの迫力溢れる響きに包まれていきます。ブルックナーやマーラーはやはりライヴに勝るものはありません。
2楽章に入るとコンサートマスターのオスタータークのヴァイオリンソロが冴えます。諧謔的とも思えるメロディと調の変化を繰り返しながら寄せては返す弦楽器の柔らかな波にもまれて行くような音楽。アバド盤では陰りのある優美な歌の存在を感じましたが、カンブルランの演奏では艶かしく反射する光沢のような楽器事の変化が印象的。闇のように静寂が存在するアバドとメロディーの変化のつながりの面白さに光をあてたカンブルランというところ。
この曲の聴き所のの3楽章。もう少し色を付けてくるかと思っていたのですが、かなり抑えて精妙なコントロール。やはり実演の迫力も手伝ってかアバドとウィーンフィルの天上の音楽のごとき洗練に精妙さ。帰ってアバド盤を実に久しぶりに聴き直してみましたが、ここはウィーンフィルの磨き抜かれた妙技に軍配でしょう。
つづく4楽章ではソプラノの歌があるのですが、3楽章が終わるまで、歌手が登場する気配がありません。間をおかず4楽章の序奏がはじまると袖からソプラノローラ・エイキンがようやく登場。静かに歩きながら歌の入るタイミング直前に指揮者の横に入ります。アバド盤のコケティッシュなフレデリカ・フォン・シュターデと比べると朗々としたコロラトゥーラゆえ、華やかさエイキンですね。歌手が違うと曲の印象がかなり変わりますね。4楽章はかなりの色彩感で鮮やかな印象が残ります。オケのコントロールは精妙さが上がり、静かに滔々と音楽が流れて行きます。春の泡沫の夢のような儚さ。これぞマーラーの世界でしょう。最後は本当に消え入るように儚くさを印象づけて終わります。カンブルランのタクトが降りるまで、ホールを静寂が包みます。そしてしばらくしてタクトが降りると静かに沸き上がる拍手。最後の余韻の消え入る瞬間のホールの張りつめた空気がこの日の演奏の素晴しさを物語っていました。そして徐々にブラヴォーのかけ声がこだまします。

やはりコンサートはいいですね。春のこの季節にカンブルランのフランス人らしい粋なマーラーを聴き、ゆったりと陶酔したように音楽を楽しむ事ができました。



さて、帰りは最近サントリーホールのコンサート後に良く寄るこのお店で食事をして帰りました。サントリーホールを出た正面にあるお店です。

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食べログ:ブレーツ アーク森ビル店

カジュアルなイタリアンですが、ここがいいのは、ワインなどの飲み物、前菜、パスタかピッツァ、コーヒーのセットメニューがあり、適度に美味しいこと。出てくるのクイックでコンサートの反省会に好適です。

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前菜は生ハム、サラミ、オリーブなど。

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パスタもピッツァもいくつかの中から指定できます。こちらは5種類のチーズのピッツァ。

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パスタはバジリコトマトソース。どちらもそこそこいい味でした。

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今宵も夜は更け、、、翌日も仕事なんですね(笑)

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デュトワ/NHK交響楽団のマーラー「一千人の交響曲」

今日はチケットを取ってあったN響のコンサートを聴きに渋谷のNHKホールへ。

NHK交響楽団:第1715回定期公演 Aプログラム

マーラー 交響曲第8番「一千人の交響曲」
シャルル・デュトワ指揮NHK交響楽団
ソプラノ:エリン・ウォール(Erin Wall)
ソプラノ:中嶋彰子
アルト:イヴォンヌ・ナエフ(Yvonne Neaf)
アルト:スザンネ・シェーファー(Susanne Schaeffer)
テノール:ジョン・ヴィラーズ(Jon Villars)
バリトン:青山 貴
バス:ジョナサン・レマル(Jonathan Lemalu)
合唱:東京混声合唱団
児童合唱:NHK東京児童合唱団
ソプラノ(オルガン横):天羽明惠

マーラー最大規模の交響曲で、マーラーのオラトリオとも言える大曲。この曲は1980年に小沢征爾と新日本フィルの演奏を東京文化会館で聴いて以来です。かれこれ30年以上前という事になりますね。当時小沢征爾と言えば大曲をスペクタクルに振るというイメージ。覇気に溢れた伸びのあるコントロールと晋友会の精度抜群のコーラス、そして何よりホールを吹き飛ばさんばかりの大迫力に圧倒されたものでした。今回はやはり老練の域に入ったデュトワの一千人ということで、珍しくマーラーのコンサートへ。

デュトワを生で聴くのは実ははじめてです。デュトワはモントリオール交響楽団とDECCAに大量の録音を残しており、N響の音楽監督を務めていたこともあり日本ではおなじみの人でしょう。私がデュトワに興味をもったのはDECCAではなくDeutsche Grammophonにロンドン交響楽団と入れたストラヴィンスキーのペトルーシュカ。抜群のキレと鮮明な録音で後年モントリオール交響楽団とのDECCAの録音よりもいいですね。イメージとしては大局的に曲をカッチリ仕上げていく人との印象。淡々とコントロールしながら色彩感あるオケを上手く鳴らしてあまり小細工はしない人ですね。マーラーの録音はあまり聴いた事がありませんが、デュトワの振るマーラーは如何なるものか興味があり、チケットを取った次第。

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今日は開演が6時で開場が5時と土曜日ならではの時間。5時過ぎにはNHKホールに到着。お昼まで降っていた雨は上がっていたんですが、湿度が高く蒸すような感じさえしました。

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いつものようにサンドウィッチで軽くお腹を満たします。今日はビールじゃなくて赤ワインにしました。開演まで余裕があるのでホワイエでのんびり過ごします。

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今日の席は2階右側奥の席。チケットの発売から少し経ってから取ったので後ろの方の席ですが、この席は今日の曲ではポイントになる席でした。

開演時刻の5分前くらいから合唱団が入場し始めます。ステージ上のひな壇の上から次々に入っていきますが、流石に大合唱団、男性、女性と入り、つづいて児童合唱団、その両脇に再び女性合唱が入り、ステージ裏の反響版の際までぎっしりの合唱団。続いてオケが入りチューニングに入るまで10分以上かかりました。広いNHKホールとはいえ、ステージ上はオケと合唱団が隙間なく入り壮観です。

チューニングが終わるとソリスト7名とデュトワが入り万来の拍手に包まれます。

第1部:讃歌「来たれ、創造主たる聖霊よ」
冒頭のオルガンの重低音からはじまる第1部。冒頭は迫力は感じるもののオケがまだ固く、また湿度が高かったせいか楽器の鳴りがまだ良くないような印象。デュトワは大オーケストラと大合唱団を掌握しようと、大きなアクションでオケを煽ります。今日はちょっと金管の安定感が今ひとつ。しばらくするとオケの音色も落ち着いてきて、精度も上がってきます。第1部の終結部のクライマックスに至り、ちょっとビックリ。ちょっと前の通路に譜面台がありましたが、それを演奏中にもかかわらずホールのスタッフの方が持ち上げ、楽譜を見るためのランプに灯を入れます。そこに金管奏者8人が現れ、第1部の最後に天から降り注ぐようなメロディーを演奏。そのやり取りをビックリしながら見ていたせいか、第1部のクライマックスはちょっと集中できませんでした。ホールを揺るがす大音響に会場内も手に汗握る状況。最後の一音の余韻が消え入るまで、ホールは静寂に包まれました。流石デュトワのコントロールと言うべきクライマックスへの盛り上げ方でした。

第2部:ファウストの終幕の場
第2部は圧巻の出来。素晴らしかったです。第1部でオケが暖まったのか、またデュトワもペースをつかんだのか、第2部は冒頭から緊張感が漲る絶妙のコントロール。長大な第2部ですが、抑えた部分のフレーズをくっきり描き、また適度にテンポを変化させながら闇の深さを表現していくような密度の濃い音楽が流れます。歌手は粒ぞろい。体格の良い外人の歌手に混ざって、日本人の歌手の方も決して劣るようなことはなく、張りのあるいい声でした。印象に残ったのはアルトのイヴォンヌ・ナエフ、バリトンの青山貴、バスのジョナサン・レマル。特にバリトンの青山さんは存在感のある非常にしっかりとした声で良かったです。合唱の東京混声合唱団も手堅い出来。入りがおくれたりテンポが乱れることもなく盤石の出来。ところどころ入る児童合唱は中学生中心のように見受けられましたが、児童合唱ならでは透明感ある響きがきっちり表現できていて良かったです。
第2部も後半に入るとデュトワの棒が冴え渡り、マーラーの叙情的な静かな美しい旋律を磨き抜かれた響きで表現。今まで聴いたこの曲の解釈の中では最も深くこの長大な曲の構造を彫り込んだような演奏でした。そして圧巻は第2部の終結部への盛り上げ方。どうしても間延びした部分が出来てしまうこの曲を、完璧に自分の音楽にした上で、フレーズひとつひとつを組み立てながら流麗な音楽を重ね、最後は宇宙が鳴動するような響きのカオスへ。
再び目の前に金管8人が現れ最後の爆発の響きをホールの奥から振りまきます。この第2部のコントロールは鳥肌が立たんばかりの見事なもの。デュトワ先生、圧巻でした。

もちろんホールは割れんばかりの拍手とブラヴォーの嵐。何度もカーテンコールが繰り返され、合唱団の最後の列が開場を去るまで暖かい拍手が続きました。

今日はデュトワの底力を知った気がしました。オケは前半粗かったものの徐々に調子をあげ、最後は渾身の演奏。ただ金管はもっと練習した方がいいですね、今日の素晴らしいコンサートに唯一水を差した形です。



コンサートが終わってお腹も減ったので、久しぶりにパルコのレストラン階へ。

食べログ:ニャーベトナム渋谷パルコ店

最近ベトナム料理づいています(笑) なんとなく美味しいフォーが食べたくなり飛び込みで入ってみました。

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ベトナムのビール、「サイゴンスペシャル」と嫁さんはグァバジュースベースのカクテル「サイゴン・サイゴン」。ベトナムビールは悪くありません(笑)

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フォーのセットについてくる生春巻き。

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同じくセットについてくる前菜3点。どれも穏やかな味付けで美味しくいただきました。

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こちらが蒸し鶏のフォー。意外にスープの出汁が濃いめでしっかりした味。鶏のスープが良く出て美味。

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こちらが海鮮のフォー。こちらの方がスープがあっさり目でフォーらしい爽やかさがありました。お米の麺ですが、これが日本ではなくベトナムのものというのが不思議なところ。さっぱりした味は日本人の舌にも良くあいますね。このあとココナッツミルクにアズキを浮かべたデザートがでて終了。

このお店も悪くありません。キビキビ働く店員さんがなかなか気が利いて楽しく食事が出来ました。

このあと久しぶりの渋谷なので、音楽の聖地、タワーレコード渋谷店にたちより、いろいろ仕入れました。このあたりは今後のレビューで取りあげたいと思います。

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Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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