カンブルラン/読響のリーム、ブルックナー(サントリーホール)

相変わらず忙しい日が続いておりますが、本日は以前からとってあったチケットを持ってコンサートに出かけました。

20150410-12_cambreling.jpg
読売日本交響楽団:第547回定期演奏会

シルヴァン・カンブルラン(Sylvain Cambreling)指揮の読売日本交響楽団の演奏で、プログラムはリームの「厳粛な歌」−歌曲付き、とブルックナーの交響曲7番の2曲。実は数日前の同じくカンブルランと読響のコンサートプログラムにはハイドンの驚愕が入っていたんですが、物の見事に見逃していました。

ここ数日東京は真冬のように寒く、この日はあいにくの雨。いつもはコンサートの開演前に外でのんびりお茶でも飲んでから入るのですが、仕事もいろいろあってサントリーホールに着いたのは開演15分前。嫁さんが先に到着していて、すでにサンドウィッチとワインを注文済みでした。

IMG_1582.jpg

ワインをちょいといただいて落ち着いたところで、席へ。

IMG_1583_201504110822095bb.jpg

この日はお気に入りのRA席の最前列。同じRAでも最前列だとよりオケに近く響きもダイレクトさが増しますね。着席時にはオケのメンバー数人がステージ上で慣らし運転(笑)してました。私が行く読響のコンサートは満席に近い事が多いのですが、この日は8割ほどの入りでしょうか。けっこう空席が目立ちました。

1曲目のリームの「厳粛な歌」−歌曲付きは日本初演ということです。日頃ハイドンばかり聴いてはいても、現代音楽はわりと好きで、ベルクあたりからリゲティ、メシアン、デュティユー、ブーレーズくらいまで手元にもいろいろなアルバムがあり、たまに聴いていますが、リームはアバドがウィーンフィルを振った演奏会のライヴである「ウィーン・モデルン」というアルバムに収録されている「出発」という曲以外聴いたことがありません。ただこのアバドのアルバムに収められた「出発」という曲は空間に打楽器とコーラスが響きわたる素晴らしいもの。アルバム自体も現代音楽の息吹に圧倒されるような素晴らしいものということで、実はこの日のコンサートはブルックナーではなく1曲目のリーム目当てでとったもの。

WienModern.jpg
Wien Modern

リームは1952年、ドイツ・カールスルーエに生まれた作曲家。Wikipediaで調べてみると上記のアバドのコンサート後、アバドつながりでベルリンフィルのコンポーザー・イン・レジデンスとなったとのこと。リームはほぼ即興的に曲を書くため多作で編成の大きな曲が多いこと、ドイツ文学への造詣が深く、ドイツ語の歌詞を伴う曲が多いため、ドイツ語圏では圧倒的な評価を得ているそうですが、非ドイツ語圏との評価にギャップがあるとのこと。プログラムの広瀬大介さんの解説によると録音も十分に揃っていず、まだまだ作品研究は緒(いとぐち)に就いたばかりとのこと。

この曲はウォルフガング・サバリッシュの委嘱により作曲され、ブラームスの没後100年の1997年に初演され(作曲は前年)、ブラームスの後期ピアノ作品、歌曲を研究した末誕生した作品とのこと。ヴァイオリン、フルート、オーボエ、トランペットなどの高音楽器が奏でる叙情性を排した断片的なメロディーが特徴とのこと。終盤ゲオルク・ビューヒナーの最晩年のテキストによる歌が入りります。



開演時刻になり、1曲目のリームの曲にあわせた中規模なオケの配置にメンバーが揃うとカンブルランとバリトンの小森輝彦さんが入場。リームはウィーン・モデルンで聴かれたパーカッションの活躍のようなキレ主体ではなく、静寂と微妙な響きの変化、意外性を狙ったような旋律の変化と楽器間の掛け合いなどが主体の曲。20分弱ぐらいの曲でしょうか。カンブルランはいつもどおり、体全体でかなり大きなアクションで各パートに指示を出しながら全体をコントロール。流石に現代音楽を得意としているだけあって、表現は見事でしたが、曲のせいでしょうか、あまり緻密な印象を受けませんでした。これはウィーン・モデルンに収録された「出発」と比べての印象かもしれませんね。終盤登場するバリトンの小森輝彦さんは声量、声の張り、現代音楽らしい峻厳さもあわせもって素晴らしい歌唱でした。リームの作品の国内初演ということで、観客も盛んにブラヴォー連発。なかなかいい演奏でした。

休憩を挟んでブルックナー。休憩中にステージいっぱいに席がひろげられ、大オーケストラに変わります。読響でブルックナーといえば、もちろんスクロヴァチェフスキ。このところ来日の度にスクロヴァチェフスキのブルックナーを聴き、昨年も0番を聴きに行きましたがそのたびにスクロヴァチェフスキの構築する巨大なブルックナー伽藍に圧倒されるのですが、今日はフランス人シェフのカンブルラン。こちらは、どうなるかという興味本意で聴きにきたといいうところ。

カンブルランのブルックナーは弦楽器を一貫して滑らかに磨き込み、一貫して力感重視、そして強音部のダイナミクス重視というところ。1楽章はよく磨き込まれた金属細工のように流麗かつ全音符に艶がのったような造り。おそらく休符で音楽をくぎるところが流麗なつながりを重視するがためにちょっと平板な印象を与えてしまっている印象。ブルックナーの音楽の骨格のようなものよりも表面の響きの美しさを重視しているという印象でした。オケは金管陣がちょっと不揃いなところが散見されましたが、徐々に調子もあがって、1楽章の最後はホールを揺るがすような大音響で観客を圧倒しました。
アダージョはフレーズの息の長さよりも起伏を重視した設計。フレーズ単位で磨き込むカンブルランの作法が徹底していて、深遠さよりも音色の変化、表情の変化を際立たせようとしているよう。
よかったのが続くスケルツォ。ブルックナーの楽章のなかでカンブルランの作法に一番マッチしていたようです。逆にフィナーレはブルックナーの意図した混濁と秩序の行き来の妙のようなものがちょっと平板に力づくでむすびつけられているようでちょっと落ち着きませんでした。クライマックスへもあっという間に到達して、じっくり頂点に向かうような荘厳な印象というよりは、響きの起伏という感じで、4楽章の素晴らしい構築感が弱かったという印象。それでもフルオーケストラの大音響は素晴らしく最後はブラヴォーの嵐が降り注いでいました。

やはり今日のブルックナーは心のなかではスクロヴァチェフスキの演奏と比べて聴いてしまっていたというのが正直なところ。あの陶酔感、あの静寂、そしてうなるようなメロディーをくっきりと浮かび上がらせるスクロヴァ爺の神業の刷り込みが深く刻まれているということでしょう。観客の反応は非常によかったので、私の個人的な感想ということでご理解いただきたいと思います。



さてさて、コンサートも終わって外に出るとまだ冷たい雨が降っていました。いつも寄るサントリーホールの周りのレストランは貸切や満席ということで、珍しくコンサート後にラーメンです(笑)

食べログ:博多豚骨たかくら赤坂店

IMG_1584_201504110822103d3.jpg

瓶ビール!(笑)

IMG_1585_20150411082212ed6.jpg

こちらがあっさり豚骨一番釜スープ。麺は固め。

IMG_1586_201504110822139db.jpg

こちらが濃厚豚骨二番釜スープ。なんとなく勢いで「かえだま」いっちゃいました(笑) 2人で1玉ですが。隣の若い女性2人組は1人1玉注文してました!

寒かったのでラーメンで温まってちょうどよかったです。激辛高菜をちょっとまぜるとスープにさらにコクが加わりよかったです。博多ラーメンは久しぶりでしたが、ここは美味いです。おすすめですね。

さてさて、またレビューにもどりませんと、、、

にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : リーム ブルックナー サントリーホール

プロフィール

Daisy


Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

最新記事
カテゴリ
タグリスト
クリックするとそのタグに関する記事が表示されます。特定の曲に関する記事の表示ができます。

チェロ協奏曲ライヴピアノ協奏曲XVIII:11弦楽四重奏曲Op.2モーツァルト序曲軍隊バッハヴィヴァルディオペラ序曲ベートーヴェンアリア集パイジェッロ弦楽四重奏曲Op.76皇帝ヒストリカル日の出ピアノとヴァイオリンのための協奏曲XVIII:6すみだトリフォニーホールピアノソナタXVI:49ピアノソナタXVI:46ピアノソナタXVI:34ピアノソナタXVI:20ラヴェルブーレーズサントリーホール弦楽四重奏曲Op.74弦楽四重奏曲Op.71無人島アルミーダチマローザ騎士オルランド変わらぬまこと哲学者の魂、またはオルフェオとエウリディーチェ英語カンツォネッタ集ピアノ協奏曲XVIII:3ピアノ協奏曲XVIII:1ピアノ協奏曲XVIII:4弦楽四重奏曲Op.20交響曲79番交響曲3番アレルヤラメンタチオーネ古楽器驚愕交響曲88番チェロ協奏曲1番オックスフォード交響曲19番交響曲27番交響曲58番アンダンテと変奏曲XVII:6紀尾井ホールショスタコーヴィチストラヴィンスキードビュッシーピアノ三重奏曲ミューザ川崎オーボエ協奏曲協奏交響曲LPヴァイオリンとヴィオラのためのソナタピアノソナタXVI:50ピアノソナタXVI:40ピアノソナタXVI:32ピアノソナタXVI:38ピアノソナタXVI:29スタバト・マーテルピアノソナタXVI:48ピアノソナタXVI:37ピアノソナタXVI:39マーラーブルックナー十字架上のキリストの最後の七つの言葉交響曲90番交響曲97番告別交響曲18番奇跡交響曲99番弦楽四重奏曲Op.64ひばりフルート三重奏曲悲しみ交響曲102番交響曲86番ヴァイオリン協奏曲哲学者小オルガンミサニコライミサミサブレヴィス交響曲95番交響曲93番交響曲78番時計ピアノソナタXVI:23王妃ピアノソナタXVI:52ライヴ録音SACD武満徹交響曲81番交響曲全集交響曲80番交響曲21番マリア・テレジアクラヴィコード豚の去勢にゃ8人がかりBlu-ray東京オペラシティ交響曲9番交響曲10番交響曲11番交響曲12番ロンドン太鼓連打交響曲4番交響曲15番交響曲2番交響曲1番交響曲37番弦楽四重奏曲Op.54ピアノソナタXVI:25ピアノソナタXVI:12ピアノソナタXVI:8ピアノソナタXVI:2ピアノソナタXVI:14ピアノソナタXVI:42ピアノソナタXVI:5ピアノソナタXVI:4ピアノソナタXVI:1ピアノソナタXVI:3天地創造ディヴェルティメントリヒャルト・シュトラウス東京芸術劇場交響曲98番ピアノソナタXVI:36ピアノソナタXVI:7ピアノソナタXVI:35ロッシーニドニぜッティライヒャ弦楽三重奏曲シェーンベルク東京文化会館フルート協奏曲ホルン協奏曲弦楽四重奏曲Op.9弦楽四重奏曲Op.17剃刀弦楽四重奏曲Op.77弦楽四重奏曲Op.103ファンタジアXVII:4ピアノソナタXVI:31ピアノソナタXVI:26モンテヴェルディタリスパレストリーナバードアレグリピアノソナタXVI:6美人奏者四季迂闊者交響曲70番アコーディオンピアノ協奏曲XVIII:7バリトン三重奏曲スコットランド歌曲ヴェルナーガスマンシューベルト交響曲67番ピアノソナタXVI:24交響曲35番交響曲51番交響曲46番DVD交響曲47番テレジアミサピアノソナタXVI:21ピアノソナタXVI:28アリエッタと12の変奏XVII:3ラ・ロクスラーヌ帝国ハイドンのセレナードピアノソナタXVI:51ラルゴ五度ピアノソナタXVI:44ラウドン将軍弦楽四重奏曲Op.33弦楽四重奏曲Op.1騎士交響曲17番ピアノソナタXVI:27シベリウス時の移ろい交響曲42番ベルリンフィルホルン信号弦楽四重奏曲Op.55交響曲87番トランペット協奏曲リュートピアノソナタXVI:10ピアノ五重奏曲チェチーリアミサラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン東京国際フォーラム雌鶏交響曲39番冗談ナクソスのアリアンナピアノ協奏曲XVIII:5ピアノ協奏曲XVIII:9ヴァイオリンソナタ交響曲52番ピアノ協奏曲XVIII:2ロンドン・トリオカノンオフェトリウムモテットドイツ国歌弦楽四重奏曲Op.50よみうり大手町ホールパッヘルベルアダージョXVII:9受難交響曲84番パリセットベルク主題と6つの変奏オペラアリアピアノソナタXVI:41スクエアピアノ交響曲57番交響曲68番リラ・オルガニザータ協奏曲リーム交響曲89番交響曲50番CD-R偽作トビアの帰還ホルン三重奏曲薬剤師オルガン協奏曲交響曲38番火事リベラ・メピアノ協奏曲XVIII:10交響曲77番交響曲34番温泉フルートソナタドイツ舞曲誕生日校長先生ピアノソナタXVI:11ピアノ小品ピアノソナタXVI:47bis音楽時計曲カートリッジ雅楽プロコフィエフヘンデルサン=サーンス交響曲36番リストオーディオバリトン二重奏曲交響曲75番交響曲91番交響曲66番長岡鉄男歌舞伎おすすめ盤ピアノソナタXVI:47第九読売日響オペラ歌舞伎座スケルツァンド弦楽四重奏曲op.33ザルツブルク音楽祭変奏曲XVII:7ピアノソナタXVI:22天地創造ミサジャズネルソンミサ弦楽四重奏曲Op.42交響曲76番ピアノソナタXVI:43古楽器風東急文化村ノットゥルノヴェーベルン府中の森芸術劇場裏切られた誠実バリトン五重奏曲ハイドン入門者向け歌曲ピアノソナタXVI:G1ウィーンフィル月の世界交響曲72番建築ファリャ交響曲56番マリアテレジア2つのホルンのための協奏曲展覧会ピアノソナタXVI:19弦楽四重奏曲全集シャンゼリゼ劇場皇帝讃歌交響曲24番大オルガンミサ新橋演舞場交響曲5番テ・デウムサルヴェ・レジーナカッサシオン室内楽曲ピアノソナタXVI:45ベトナム料理国立新美術館高音質CD交響曲28番交響曲13番交響曲108番交響曲107番交響曲62番ジプシー・ロンドチェンバロ四重奏曲スカルラッティカンタータ声楽曲戦時のミサ珍盤ザロモンセットN響ハルモニーミサミサ曲全集NHKホールハインリッヒミサピアノソナタ全集ジュピターレコードマーキュリー管弦楽曲室内楽変奏曲XVII:5交響曲54番交響曲41番ギターピアノソナタXVI:33府中ピアノソナタXVI:30カラヤンスウェーリンク書籍交響曲65番交響曲71番アプラウスピアノソナタXVI:13魂の歌仙台ヤナーチェク現代音楽狩りピアノソナタ

ハイドン所有盤リスト
Joseph Haydn Discography at H. R. A.
所有盤をジャンル別にリスト化しています。基本的に録音年順とし、録音年不明のものは末尾に記載。演奏者名はジャケットなどの表記に合わせています。

2017年7月のデータ(2017年7月31日)
登録曲数:1,361曲 登録演奏数:10,291
月別(表示数指定)
リンク
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

カウンター
カレンダー
10 | 2018/11 | 12
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
ブログ内検索
Translation(自動翻訳)
ブログランキング等
当Blogへお越しの際は、下のバナーをクリックの上お仲間のBlogも是非お楽しみください。
クラシック音楽鑑賞の情報満載。
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ

クラシックの膨大なブログランキング。更新もクイック。
人気ブログランキングへ

大家さんFC2のクラシックブログランキング。


おすすめ(音楽)
当ブログが発掘した超名演盤
ViventeR.jpg
衝撃の爆演(記事1 記事2

PetersenQ.jpg
Op.1の超名演(記事

Destrube.jpg
美音の饗宴(記事

書籍もCDも送料1点から無料。配送クイック


クラシックの独自企画・復刻盤は要注目


クラシックのアルバム・日本語解説が一番充実
HMVジャパン
HMV & BOOKS ONLINEでハイドンのアルバムを検索icon
HMV & BOOKS ONLINEでハイドン関係書籍・楽譜を検索 icon

おすすめ(音楽以外)





アクセスランキング(FC2)
[ジャンルランキング]
音楽
135位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
クラシック
11位
アクセスランキングを見る>>
twitter
ブログの更新情報などをつぶやいています。
最新コメント
最新トラックバック
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

RSSリンクの表示
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ