ロベルト・ゲルレのメルク協奏曲世界初録音(ハイドン)

珍しいLPを手に入れました。

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ロベルト・ゲルレ(Robert Gerle)のヴァイオリン、ロベルト・ツェラー(Robert Zeller)指揮のウィーン放送管弦楽団(Vienna Radio Orchestra)の演奏で、ミヒャエル・ハイドンのヴァイオリン協奏曲変ロ長調(MH36)、ヨゼフ・ハイドンのヴァイオリン協奏曲(Hob.VIIa:3)の2曲を収めたLP。収録は1965年6月、ウィーンのコンツェルトハウスのモーツァルト・ザールでのセッション録音。

このLPは未入手のものということで何気なくオークションで落札したものですが、ジャケットを見てびっくり。タイトルは"HAYDN:VIOLIN CONCERTOS"ということで、ヨゼフとミヒャエルの二人のハイドンのヴァイオリン協奏曲を並べたアルバムとしては別に当たり前のものですが、問題はその下。”FIRST RECORDINGS FROM NEWLY DISCOVERED SCORES”、つまり「新たに発見された楽譜による新録音」というもの。ということで所有盤リストと見比べて見ると、収録されているメルク協奏曲では手元にある26種のアルバムでも最も古いものが1967年の録音ということで、1965年に録音されたこのアルバムが初録音盤というのも頷けます。

手元の中野博詞さんの「ハイドン復活」を紐解いて見ると、もともとメルク協奏曲はハイドンがエステルハージ家の副学長だった時期に楽団のヴァイオリニストだったルイジ・トマシーニのために書かれたもので、楽譜自体は1949年にオーストリアのメルク修道院で発見されましたが、その楽譜は弦楽合奏にオーボエとホルンが加わったものでした。ところが1965年にはハイドン研究所のフェーダーが弦楽合奏のみによる伴奏の筆写譜をヴェネツィアで発見し、その後の研究にてこの弦楽合奏による伴奏のものが元々の姿であるということになったとのこと。ということで、このLPはまさにその1965年の6月の録音ということで発見したての楽譜での録音ということになります。また、解説によると、ミヒャエル・ハイドンの曲の方も、ブダペストの国立博物館で直近に発見された楽譜による録音とのことです。

ヴァイオリンのロベルト・ゲルレはアドリア海沿いの現クロアチアのオパティア(Opatija)に1924年に生まれたヴァイオリニスト。フランツ・リスト音楽院でヴァイオリンを学び、1942年にフバイ賞に輝きましたが、戦時中はユダヤ人ということでブダペストの強制労働収容所に収容されてしまいました。戦後はパリやルクセンブルクの放送局でヴァイオリン奏者として働き、1950年に渡米。音楽大学で教鞭をとりながら演奏活動を行い、1972年からはメリーランド大学などでオーケストラ教育プログラムを始めて指揮活動を行うようになったとのこと。晩年はパーキンソン病に悩まされ2005年に亡くなりました。

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このLPですが、いただけないのがラベルの誤り。両面ともミヒャエル・ハイドンと記載されている明らかな誤り。しかもside1とside2のラベルが逆に貼られている始末。しかもLPの表面に盛大に擦り傷があるんですが、傷は表面のみのようで、針を落としてみるとほとんど傷の影響はありません。驚くのがヴァイオリンのリアルさ。超鮮明にキレキレのヴァイオリンが刺さるような音で収録されているんですね。この時期の米盤の素晴らしいクォリティを味わえます。

Hob.VIIa:3 Violin Concerto "Merker Konzert" 「メルク協奏曲」 [A] (c.1765/70)
針を落とした途端、あまりに鮮明な音に仰け反ります。現代の録音からもCDからもSACDからもこれほどリアルなヴァイオリンの音は出てきません。残響は少なめなんですが、聴きずらいことはなく逆にあまりにリアルなヴァイオリンの迫力に圧倒されます。ゲルレのヴァイオリンは巨匠風というか楽器を思い切りならし、特に高音は張り詰めた素晴らしい浸透力で迫ってきます。オケとヴァイオリンの録音上のバランスもヴァイオリン重視ですね。オケは音量は控えめながら典雅が雰囲気漂ういい伴奏。聴きなれたハイドンの協奏曲ですがヴァイオリンの緊張感からかパガニーニでも聴いているのような気になります。特に圧倒的だったのがカデンツァの妙技。完全にヴァイオリンのテクニックのショーピースとなってます。1楽章はまずはヴァイオリンの迫力で聴かせる演奏。
続くアダージョに入るとオケもソロもしっとりと濡れたような表情に変わり、実に丁寧にハイドンのメロディーを紡いていきます。ゲルレのヴァイオリンは気高さに溢れた見事なもの。シゲティやシェリングよりも神々しいです。伴奏のウィーン放送管も弱音器付きの柔らかく深い音色でゲルレのヴァイオリンを引き立てます。弦楽合奏のみの伴奏ならではの音色と納得です。
フィナーレは再びオケも華やかな響きを取り戻し、ゲルレの妙技と相待って素晴らしい高揚感に包まれます。糸を引くように浸透力のあるヴァイオリンの音色が眼前に飛び散ります。最後のカデンツァも美音炸裂。いやいや素晴らしい演奏、録音でした。

ロベルト・ゲルレというヴァイオリニストは初めて聴きましたが、奇跡的とも言える素晴らしい録音によって、1965年と50年以上前のコンツェルトハウスで至近距離で聴いているような極上の演奏でした。演奏スタイルとしては古いものですが、古さという表現が当てはまらないほど普遍的な力を持つ演奏と言っていいでしょう。もちろんハイドンの新発見の楽譜による演奏というアルバムの企画通りの演奏ですが、ゲルレの芸術というタイトルの方がふさわしい演奏でした。これは至宝ですね。評価は[+++++]とします。

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tag : ヴァイオリン協奏曲

エリザベス・ウォルフィッシュのヴァイオリン協奏曲など(ハイドン)

ようやくCDに戻ります。最近手に入れた協奏曲のアルバム。これもいい。

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TOWER RECORDS(別装丁盤) / amazon / amazon(別装丁盤) / ローチケHMVicon(別装丁盤)

エリザベス・ウォルフィッシュ(Elizabeth Wallfisch)の指揮とヴァイオリン、エイジ・オブ・エンライトゥンメント管弦楽団の演奏による、ハイドンの協奏交響曲、ヴァイオリン協奏曲2曲(Hob.VIIa:4、VIIa:1)の3曲を収めたアルバム。収録は1990年2月、ロンドンのアビーロードスタジオの第1スタジオでのセッション録音。レーベルは英Virgin classics。

このアルバム、リリースされたのはだいぶ前のものですが、コレクションの穴になっていたもの。最近その存在に気づき入手しました。ジャケットのデザインが同じくVirginからリリースされているクイケン指揮のエイジ・オブ・エンライトゥンメント管によるパリセットとテイストが似ていて懐かしい感じ。クイケンのハイドンの交響曲はVirginからいろいろリリースされているのですが、他は手兵のラ・プティット・バンドでパリセットだけがエイジ・オブ・エンライトゥンメント管なんですね。しかもパリセットが抜群にいい出来だった上に録音時期も同じ頃のもということで、エイジ・オブ・エンライトゥンメント管のこの頃の演奏は悪かろうはずもないとの期待で入手です。

指揮とヴァイオリンのエリザベス・ウォルフィッシュについて、簡単にさらっておきましょう。

エリザベス・ウォルフィッシュは1952年オーストラリア生まれの古楽器ヴァイオリン奏者。12歳でABC(オーストラリア放送)のコンクールでデビュー。ロンドンの王立音楽アカデミーで学び、いくつかのコンクールで優勝して頭角を現しました。1974年にはカール・フレッシュコンクールで入賞し、ソリストとしてや、ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズ、王立リヴァプール・フィルなどのオケのリーダーとして主にイギリスで活躍したとのこと。その後は古楽器奏者として活躍しており、このアルバムのオケであるエイジ・オブ・エンライトゥンメント管やハノーヴァー・バンドなどのリーダーを務めるとともに、祖国オーストラリアでもオーストラリア室内管、オーストラリア・ブランデンブルク管などのリーダーとして活躍。近年は教職にあり、王立ハーグ音楽院やロンドンの王立音楽アカデミーでバロック・ヴァイオリンを教えているとのことです。

さて、肝心の演奏ですが、ソロとオケが一体となって溶け合う素晴らしい演奏でした。

Hob.I:105 Sinfonia Concertante 協奏交響曲 [B] (No.105) (1792)
こちらのヴァイオリン以外のソロは次のとおり。

チェロ:デヴィド・ワトキン(David Watkin)
オーボエ:アンソニー・ロブソン(Anthony Robson)
バスーン:フェリックス・ワーノック(Felix Warnock)

この曲の優雅な入りの雰囲気が実にいい。古楽器オケですが響きが溶け合い、厚みもある聴きやすい録音。自然な定位感が心地よいですね。アビーロードスタジオの録音は何気にいい録音が多いんですね。ヴァイオリンをはじめとするソロ4人はことさら自己主張することもなく自然な演奏で、この曲を聴かせどころを踏まえているよう。特にヴァイオリンとオーボエの音色の美しさが一歩抜けている感じ。オケは非常にリズム感がよく、曲がいきいきと流れ、ソロも演奏しやすそう。ソロの間のメロディーの受け渡しの面白さと、ソロ陣とオケの呼応の双方の面白さに自然に酔える演奏。カデンツァも実に素直な演奏。祝祭感満点の1楽章を存分に楽しめます。
2楽章に入るとオーボエの妙技にヴァイオリンやチェロが寄り添い、メロディーを引き継いでいく手作りの素朴な音楽楽しみに包まれます。そして終楽章はソロとオケのスリリングな掛け合いが聴きどころですが、ソロもオケも実にリズム感がよく、ウォルフィッシュがそろだけでなくオーケストラコントロール能力でも類い稀な力をもっていることがわかります。ヴァイオリンも表現は控えめながらそつなく美音を聴かせます。この曲ではソロのバランスが悪いと流れが悪く聴こえてしまいますが、そうした心配も微塵もなく安定感抜群。オケが軽々と吹き上がる快感。これぞハイドン!

Hob.VIIa:4 Violin Concerto [G] (c.1765/70)
今度はヴァイオリン協奏曲ですが、一聴して以前高評価だったマルク・デストリュベ盤に非常に似たタイプの演奏。デストリュベ盤ではデストリュベのヴァイオリンの妙技も聴きどころだったんですが、いい意味でこちらはソロとオケの一体感が聴きどころ。ウォルフィッシュのヴァイオリンは上手いんですが、オケに溶け込むような上手さ。これはこれで非常にいい感じです。ソロもオケも非常に美しい音色で心地よさ満点。美音に癒されます。ウォルフィッシュはソリストでもありますが、オケのリーダーとしての役割りを踏まえたソリストといった立ち位置でしょう。オケの音色の調和を重視しソロの個性は少し弱める独特のバランス感覚ですね。どう個性を表現しようかというソロが多い中、逆に非常に新鮮に感じます。
その良さが光るのが続く2楽章。この演奏はハイドンのヴァイオリン協奏曲のアダージョ楽章の美しさをもっともいい形で表現した演奏の一つと言っていいでしょう。ソロとオケの素晴らしい一体感からハイドンの曲の美しさが素直に浮かび上がります。純粋無垢なヴァイオリンのメロディーが折り目正しく踊り、華やかさをふりまいていきます。
フィナーレは躍動感とキレが折り目正しく穏やかなテイストにまとまった秀逸なもの。古典期の曲にふさわしい器の中でスリリングさや起伏、変化を聴かせる実に座りのいいもの。ハイドンの協奏曲の理想的な演奏と言っていいでしょう。

Hob.VIIa:1 Violin Concerto [C] (c.1765)
ヴァイオリン協奏曲をもう1曲。普通はこちらを先にまわす曲順が多いんですが、こちらの方がメロディーが明快で明るく聴き映えがするということで最後にもってきたのでしょう。前曲以上にソロもオケもキレていて申し分なし。1楽章の晴朗な展開、2楽章の癒しに満ちた絶妙な美しさ、3楽章のそよ風のようなヴァイオリンのボウイングということなし。こればかりは聴いていただかなくてはわからないでしょう。

エリザベス・ウォルフィッシュの振る、エイジ・オブ・エンライトゥンメント管による協奏曲集ですが、これは名盤です。ソロもオケも隅々までウォルフィッシュのコントロールが行き渡り、リズミカルに音楽が弾みます。ハイドンの曲の楽しさ、美しさ、センスの良さが全てつまった演奏と言っていいでしょう。オケのエイジ・オブ・エンライトゥンメント管は非常に反応がよく、ハイドンの音楽のツボを完全に掌握。やはりハイドンのヴァイオリン協奏曲はモーツァルトの曲以上に魅力がありますね。評価はもちろん全曲[+++++]とします。

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tag : ヴァイオリン協奏曲 協奏交響曲 古楽器

【新着】ハリー・クリストファーズ/ヘンデル&ハイドン・ソサエティの昼、雌鶏など(ハイドン)

5月の最初のアルバム。

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ハリー・クリストファーズ(Harry Christophers)指揮のヘンデル&ハイドン・ソサエティ(Handel and Haydn Society)の演奏によるハイドンの交響曲7番「昼」、ヴァイオリン協奏曲(Hob.VIIa:1)、交響曲83番「雌鶏」の3曲を収めたアルバム。収録は2015年1月23日、25日、ボストンのシンフォニー・ホールでのセッション録音。レーベルはCORO。

ちょっと前にリリースされたアルバムですが、最近になって他のアルバムと一緒に手に入れたもの。3年前にリリースされた同じ奏者による交響曲集を取り上げていますが、そのアルバムの延長の企画。

2013/09/26 : ハイドン–交響曲 : 【新着】ハリー・クリストファーズ/ヘンデル&ハイドン・ソサエティの朝、熊など

どちらのアルバムも配曲は一夜のコンサートのように構成されていて、1曲目が「朝」と「昼」、2曲目がヴァイオリン協奏曲のHob.VIIa:4とVIIa:1、3曲目が「熊」と「雌鶏」とまったく相似形のプログラム。これでまとめてリリースされているならいざ知らず、2枚のアルバムの間に3年を置いてるところが、雄大というかおおらかな企画。察しのいい読者の方なら、次はまた3年後に「晩」、ヴァイオリン協奏曲VIIa:1、「王妃」が来ると想像していることでしょう。パリセットは6曲構成なので名前付きの3曲を組み合わせると読みました(笑)

このアルバムを取り上げたのは、このアルバムのリリースによってシリーズものとしての企画の面白さに気づいたことと、3年前のアルバムがほどよくいい演奏ながら、少々の硬さと力みを感じるもので、3年の歳月が音楽をほぐしてくれるかどうかを知りたかったから。奏者の情報などは前記事をご覧ください。

Hob.I:7 Symphony No.7 "Le midi" 「昼」 [C] (1761?)
最新の録音だけあって、ボストン・シンフォニー・ホールに響き渡る古楽器オケの鮮烈なサウンドが鮮明に録られています。ハリー・クリストファーズのコントロールは予想通り、迫力十分の力感みなぎるもの。アメリカのオケらしくしっかりと機能美を誇る精緻な演奏。そして前録音よりもしなやかさを増して、音楽の硬さは少し和らいでいます。
快活な1楽章から、短調による劇的な展開のレチタティーヴォを経てアダージョに入ります。このレチタティーヴォの迫力ある描写がこのオケの力量を示しています。そしてアダージョも大きな起伏をうまく表現して、緊張感を保った安らぎを伝えます。古楽器から雅さではなく機能美を引き出してくるあたりがアメリカのオケ。演奏はテンポを落とし気味にしてじっくり精緻な響きを作っていきます。終盤のヴァイオリンとチェロのじっくりと進む掛け合いのクッキリとした表情は聴きどころの一つ。
つづくメヌエットは覇気に満ちた充実の響き。精緻でダイナミックですが、ほどよく力も抜けていていい感じ。そしてフィナーレですが、ここは力が入ってリズムが少々重いのが惜しいところ。クリストファーズはこの小交響曲のフィナーレに迫力を求めているようです。

Hob.VIIa:1 Violin Concerto [C] (c.1765)
続いてヴァイオリン協奏曲。ヴァイオリン独奏は前アルバムと同じくアイスリン・ノスキー(Aisslinn Nosky)。ハリー・クリストファーズ率いるヘンデル&ハイドン・ソサエティのちょっと重めリズムによる精緻な演奏という傾向がわかってきました。もう少しリズムに軽さがあればスリリングな印象なんでしょうが、ちょっとリズムの重さが気になってしまいます。アイスリン・ノスキーのヴァイオリンは特に高音部が張りのあるいい音を鳴らしていますが、演奏自体はオケの重さにひきづられて少々平板な印象。ヴァイオリンの美音とオケの迫力はかなりのものですが、掛け合いの妙というかスリリングさが感じられず曲が単調に響いてしまいます。
つづく2楽章に入るとノスキーのヴァイオリンがさらさらと奏でるヴァイオリンの美音が心地よく響きます。これまでの楽章とは逆に、このアダージョ、速めであっけないほどサラサラと進めるので逆にびっくり。カデンツァではノスキーのヴァイオリンの高音の抜けるような美音を堪能できます。
そしてフィナーレは再び力感みなぎる精緻な響きに満たされます。1楽章ほど重みは感じず、ヴァイオリンとオケの適度な掛け合いを楽しませてくれます。

Hob.I:83 Symphony No.83 "La Poule" 「雌鶏」 [C] (1785)
やはりかなり力の入った入り。独特の曲想の入りを速めのテンポで畳み掛けるようにきました。音量を上げるとちょっとキンキンするほどの迫力。ただ、これまでの2曲がちょっとスタティックな印象だったのに対し、この曲では流麗でダイナミック。アクセントもしなやかさが加わり、曲の流れがよくなりました。
そしてアンダンテに入るとさらに表情がしなやかさを増し、曲自体の良さに近づいてきた感じ。自然な陰影と力感はやはり大事ですね。このアンダンテがこのアルバム一の聴きどころでしょう。
メヌエットでも爽やかさが保たれ、そしてフィナーレは1曲目でのちょっとくどい感じとは異なり、流れの良さを保ちます。最後の曲が一番しなやかな演奏でした。

アメリカ最古の古楽器オーケストラであるヘンデル&ハイドン・ソサエティによるハイドンの交響曲などを収めた好企画のアルバム。ヨーロッパのオケとは全く異なる文化をもったオケという印象で、精緻でクリアな響きで緻密に演奏することを狙っているようですが、ハイドンの交響曲の真髄にはちょっと届かないのかもしれません。前アルバムよりは力が抜けてきたものの、音楽の流れの面白さはもう一超えほしいところ。オケのテクニックは確かなものがあるだけに、これは指揮者の器の問題なのかもしれませんね。企画自体は興味をそそられるものゆえ、次のリリースを待ちたいと思います。評価は交響曲2曲が[++++]、ヴァイオリン協奏曲は[+++]とします。

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tag : 雌鶏 ヴァイオリン協奏曲 古楽器

【新着】イル・ポモ・ドーロの協奏曲集-1(ハイドン)

最近リリーズされたばかりのアルバム。

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リッカルド・ミナーシ(Riccardo Minasi)とマクシム・エメリャニチェフ(Maxim Emelyanychev)の指揮するイル・ポモ・ドーロ(Il Pomo D'Oro)によるハイドンの協奏曲などを収めた2枚組のアルバム。収録曲によって指揮者と演奏者がいろいろなので、曲目は下記のレビューをご参照ください。収録は2014年2月7日から26日まで、イタリアヴェネト州ヴィツェンツァ県のロニーゴ(Lonigo)という街のヴィラ・サン・フェルモ(Villa San Fermo)でのセッション録音。

オケのイル・ポモ・ドーロは2012年に設立された若手中心の古楽器オーケストラ。活動はオペラが中心のようです。オケの名前は17世紀に活躍したイタリアのオペラ作曲家アントニオ・チェスティ(Antonio Cesti)のオペラ「黄金のリンゴ(Il Pomo D'Olo)」にちなんだものとのこと。

il pomo d'oro

オケのウェブサイトの写真を見ると本当に若いメンバーばかり。このアルバムは2枚組のCDですが、CD1がヴァイオリンソロも担当するリッカルド・ミナーシの指揮、CD2はハープシコードソロを担当するマクシム・エメリャニチェフの指揮と担当を分けています。ウェブサイトのオーケストラの略歴を見てみると、なんと2016年の1月までの首席指揮者がリッカルド・ミナーシで、新たな首席指揮者がマクシム・エメリャニチェフになるとのこと。このアルバムの録音は2014年ですが、この指揮者の円満な交代を象徴するように、交代の時期を狙ってアルバムを準備してリリースしてきたものと思われます。

リッカルド・ミナーシは1978年ローマ生まれのヴァイオリン奏者、指揮者。これまで、ジョルディ・サヴァール率いるル・コンセール・デ・ナシオン、アッカデミア・ビザンティーナ、コンチェルト・イタリアーノ、イル・ジャルディーノ・アルモニコなどのコンサートマスターを務めてきた実力派。また指揮者としてもリヨン国立歌劇場管弦楽団と合唱団、チューリッヒ室内管など多くのオケを振った経験がありますが、イル・ポモ・ドーロは設立された2012年から2015年まで首席指揮者を務めました。教育者としてもパレルモのベリーニ音楽院やニューヨークのジュリアード音楽院、ヘルシンキのシベリウス音楽院などでマスタークラスなどを開いています。

ハープシコードを弾くマクシム・エメリャニチェフは1988年ロシアのジェルジンスク生まれの鍵盤楽器奏者、指揮者。まだ若いですがロシア国内の多くのコンクールでの優勝経験があり、またロシアではかなりの数のオーケストラの指揮経験があるようです。最近話題のクルレンツィス指揮ムジカ・エテルナの「フィガロの結婚」で通奏低音フォルテピアノを担当しています。

では、CD1から。指揮はリッカルド・ミナーシ。

Hob.VIIa:4 Violin Concerto [G] (c.1765/70)
まずは、ミナーシ自身がヴァイオリンを弾くヴァイオリン協奏曲。若々しく溌剌とした序奏。古楽器オケですが表現はダイナミックでどちらかというと楽天的な響きが特徴。すぐにミナーシのヴァイオリンソロが入りますが、弾き振りだけにオケとまったく同じスタイルでの演奏。演奏は自由闊達なもので、かなり自在なボウイングで適度な節度をもちながらも随所にアドリブを利かせます。型にはまった音楽とは正反対に、創意を凝らします。録音は鮮明なんですが、ちょっとマイクセッティングが独特なのか、ソロの響きに濁りというかキリリと定位しないきらいがあります。カデンツァも即興性が溢れ出す感じ。なかなか面白い。
アダージョも実に新鮮。ミナーシのヴァイオリンはさすがに実力者だけあって、音色の美しさは格別。しかもしなやかに躍動しながら、音楽が豊かに膨らみます。リズムの角が滑らかに削られ、木質系のしなやかな響きとおおらかな盛り上がり。そしてふと気づくとミナーシの美音の余韻が消え入る美しさに気づきます。弱音のデリケートさ、音量のしなやかなコントロールにうっとり。
フィナーレは古楽器の豊かな響きが速いテンポで引き締められ、豊かな疾走感に溢れた演奏。録音会場に響きわたる強音の余韻と千変万化する響きに打たれます。いやいや、これは新時代の古楽器演奏。音楽が実に楽しく響きます。

Hob.VIId:3 Concerto per il corno [D] (1762)
続いてホルン協奏曲。ホルンのソロはヨハンネス・ヒンターホルツァー(Johannes Hinterholzer)。ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス、ウィーン・アカデミー、ルーヴル宮音楽隊のホルンを務める人とのこと。オケは全曲同様、弾むリズムで楽天的かつ自在さに富んだ序奏を聴かせます。ヒンターホルツァーのホルンはあえてソロを浮き彫りにするというより、オケの1パートのような素朴な演奏。朗々という感じではなく、雅な音色を活かしてキレ良く聴かせるホルン。テクニックは確かで音が外れるような危うさはありません。実に楽しげなソロ。小気味良いテンポが古楽器ならでは。ホルンのカデンツァは古楽器のホルンから実に多彩な響きを聴かせ、テクニックも万全。
聴かせどころのアダージョは、素朴な古楽器の音色の魅力がしっかり伝わります。ホルンの音程が下がるところの響きのなんとスリリングなこと! 磨き抜かれた演奏とは真逆で、楽器それぞれの音色の微妙な響きの綾と、奏者それぞれの響きの違いを楽しめと言っているよう。これまで聴いた古楽器による演奏とはちょっと聴かせる角度が違います。結果的に実に豊かな音楽が流れます。再びホルンの音程が下がるところでオケの響きの中にホルンが吸い込まれていくような独特の雰囲気。ゾクゾクします。そしてカデンツァでは逆にオケの響きの中からホルンがすっと響いてくる面白さ。響きの変化に耳が集中。
そしてフィナーレもこのホルンとオケの響きの変化に引き込まれつづけます。一貫したリズムで落ち着いてテンポ刻みますが、ソロとオケが完全に一体化してめくるめく響きを繰り出してきます。これほど面白いホルン協奏曲は久しぶり。

Hob.XVIII:4 Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [G] (c.1770)
そして、指揮はミナーシ、ハープシコードソロは次期指揮者のエメリャニチェフの組み合わせ。この曲オケの刻むのリズムの面白さが聴きどころ。この曲、手元の所有盤を確認したところ、ピアノかフォルテピアノで弾かれるのが普通で、ハープシコードで弾いているのはコープマン盤ぐらい。ソロが聴き劣りするかと思いきや、まったくそうは感じさせません。エメリャニチェフはハープシコードの繊細な音色を活かしながら、しなやかに響きを変化させ、楽器の音量の限界などを感じさせず、逆に繊細な響きの魅力で聴かせてしまいます。エメリャニチェフはハープシコードのリズムも自在にコントロールして、表現密度でオケに負けません。オケの方も静かなハープシコード相手ということで、若干音量を控えながらも、起伏に富んだダイナミックなサポート。
アダージョは草書体のような筆使いのオケのん伴奏。エメリャニチェフのソロは1楽章以上に実に表現力豊か。しっとりと弾かれる美しいメロディーに静かに聴き入ります。ハープシコードのソロがここまで心に響くとは思いませんでした。
一転してキレのいいフィナーレ。オケに溶け込むように繊細な音色のハープシコードが鮮やかなタッチで飛び回ります。オケとの音色差が大きいのでしっかり分離して聴こえます。もちろん力感は完全にオケ優先ですが、音域のせいか浮かびあがるのはハープシコード。この響きの面白さこそ、ピアノやフォルテピアノでは出せない面白さでしょう。そして最後のカデンツァも素晴らしく鮮やかなハープシコードの音階の嵐に惚れ惚れ。迎えに来たオケとの掛け合いも見事に決まってフィニッシュ。いやいやこの曲の新たな魅力を発見したような新鮮な気持ちになりました。

変わってCD2。今度はハープシコードを弾くマクシム・エメリャニチェフが指揮をとりますが、記事が長くなってきたので、久々に記事を分けて次の記事とすることにしましょう。

ということでCD1の3曲の演奏は全曲[+++++]とします。続きをお楽しみに!

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tag : ヴァイオリン協奏曲 ホルン協奏曲 ピアノ協奏曲XVIII:4 古楽器

カール・ズスケ/スイトナー/ベルリン国立歌劇場管のヴァイオリン協奏曲(ハイドン)

最近手に入れたLPです。

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カール・ズスケ(Karl Suske)のヴァイオリン、オトマール・スイトナー(Otmar Suitner)指揮のベルリン国立歌劇場管弦楽団(Berlin Staatskapelle)の演奏で、ハイドンのヴァイオリン協奏曲2曲(Hob.VIIa:1、VIIa:4)を収めたLP。収録は1964年。レーベルはDEUTSCHE SCHALLPLATTENのETERNA。

最近は古いレコード鑑賞の三種の神器、VPIのレコードクリーナー超音波美顔ブラシモノラルカートリッジを手に入れたので、古めのLPをいろいろ物色しております。手に入れたLPは、まずVPIと超音波美顔ブラシできれいにクリーニング。つやつやになったところで、おもむろにステレオカートリッジで検盤、モノラル盤の場合には、ほくそ笑みながらモノラル用ターンテーブルに移してゆったりと音楽を楽しみます。ということで、今日取り上げるアルバムです。

カール・ズスケは年配の方には馴染みがあるでしょう。いつものように略歴をさらっておきましょう。1934年生まれのドイツのヴァイオリン奏者。父からヴァイオリンの手ほどきを受け、ヴァイマル音楽大学、ライプツィヒ音楽大学でゲルハルト・ボッセに師事。1954年には首席ヴァイオリン奏者としてライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団に1959年には第一コンサートマスターとなります。1964年には今日取り上げるアルバムのオケであるベルリン国立歌劇場管のコンサートマスターに転じますが、1977年には元のライプツィヒ・ゲヴァントハウス管に戻り、1991年から2000年まではバイロイト祝祭管のコンサートマスターを務めています。日本ではN響の客演コンサートマスターとしても活躍していたのをご記憶の方もあるでしょう。室内楽ではライプツィヒ時代にゲヴァントハウス四重奏団の第2ヴァイオリン、ベルリン時代にはズスケ四重奏団(後のベルリン四重奏団)を結成し多くの録音を残しました。今日取り上げる演奏はベルリンに移った直後の演奏ということになります。

オトマール・スイトナーも懐かしい人。N響の名誉指揮者として度々振っていましたので、おなじみの人も多いでしょう。2010年に亡くなられていたんですね。私はN響時代の放送をいろいろ見た覚えがありますが、鮮烈な印象が残っているのはドレスデン・シュターツカペレとのモーツァルトの交響曲。スイトナーの録音をまとめた10枚組のボックスに納められた中に後期交響曲の録音がありますが、これが皆素晴らしい。ワルターとはまたちがう慈しみ深さを感じる名演奏です。
1922年、オーストリアのインスブルック生まれで、指揮はクレメンス・クラウスに師事。インスブルック歌劇場を皮切りに西ドイツ各地の歌劇場で活躍後、1960年にドレスデン国立歌劇場、1964年にベルリン国立歌劇場の音楽監督に就任しました。日本には1971年に来日してN響を振り、1973年には名誉指揮者に就任、以後数多く客演し、テレビでもおなじみでしたね。

ということで、今日取り上げるアルバムが録音された1964年にスイトナーが音楽監督、ズスケがコンサートマスターと顔をそろえたわけで、その直後にこのハイドンのヴァイオリン協奏曲を録音したというのは、実は素晴らしいハイドンのヴァイオリン協奏曲の価値を物語るものでしょう。

Hob.VIIa:1 Violin Concerto [C] (c.1765)
針を落としたとたん、1964年録音とは思えない瑞々しいオケの序奏に驚きます。LPのコンディションも極上。演奏は少々時代ががった雰囲気はあるものの、オケが良く鳴ってベルリン国立歌劇場管の面目躍如。そしてズスケのヴァイオリンも高音が伸びきってピンと張り詰めた緊張感があります。高音がキリリとひきしまった几帳面な美音。とにかく音の伸びが素晴らしく、ドイツ系のヴァイオリンの素晴らしさの見本のような演奏。オケの方はスイトナーらしく堅実かつしなやかなもの。カデンツァではヴァイオリンのあらん限りの音数を繰り出して、ホール中に美音を轟かせます。盤石のテクニックとどこまでも突き抜けるような浸透力のある美音で圧倒します。
美しいメロディーの2楽章に入ると、ズスケのヴァイオリンがもはや圧倒的な存在感。室内楽で聴かれた堅実なズスケとは別人のような輝き。この演奏にかける気合いのようなものを感じます。スイトナーもピチカートだけなのに大きな起伏を十分つけてそれに応じます。
フィナーレはなぜかすこし引いて入り、落ち着きを印象付けます。それでもズスケのヴァイオリンの魅力は隠しようがなく、ヴァイオリンソロのフレーズは天真爛漫に楽器を鳴らし、さらりと駆け抜けました。1曲目からあまりの素晴らしさにアドレナリン大噴出です。

Hob.VIIa:4 Violin Concerto [G] (c.1765/70)
1曲目よりさらに華やかな入りに心が弾みます。スイトナーのオーケストラコントロールも万全。ズスケは冒頭から美音を誇るように一音一音をしっかりと刻んでいきます。オケもソロも澄み切った心情で音を置いていきますが、全ての音に華があり、部屋が花で満たされているような幸福感。50年以上前の録音会場の空気がそのままスピーカーの周りに広がります。LPならではキレの良い響きが最高。ズスケの素晴らしいカデンツァに至って昇天寸前。なんという美音。ホールに響き渡る美しい残響。オケが迎えにきて正気にもどります。
2楽章の入りのなんとやさしいことでしょうか。ズスケのヴァイオリンは心に染み透るよう。この曲はもともと美しいメロディーで知られていますが、浸透力と癒しの濃さは今までで一番でしょうか。オケがリラックスしきってしなやかに支え、ズスケも自在に歌います。弱音部分は鳥肌が立つような絶妙な美しさ。
フィナーレは全曲同様、流すような軽やかさが爽快。この辺のセンスはスイトナーのものでしょう。ズスケも心持ちリラックスしてボウイングも力が抜けているのが良いのでしょう。最後までしなやかさを失わない素晴らしいフィナーレでした。

カール・ズスケとオトマール・スイトナーが1964年にベルリン国立歌劇場に着任した直後に録音されたハイドンのヴァイオリン協奏曲集。状態のいいLPから流れ出してきた音楽は、ズスケ全盛期の素晴らしいヴァイオリンの響きを、スイトナーの操る慈しみに溢れたオーケストラが支える絶品の音楽でした。このヴァイオリンの音色はLPだからこそ聴けるものかもしれませんね。思わぬ掘り出し物に出会いました。また一枚宝物が増えましたね。評価はもちろん[+++++]とします。

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tag : ヴァイオリン協奏曲 LP

イザベル・ファン・クレーンのヴァイオリン協奏曲(ハイドン)

懐かしい人を取り上げます。

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イザベル・ファン・クレーン(Isabelle van Keulen)のヴァイオリン、アントニ・ロス=マルバ(Antoni Ros-Marba)指揮のオランダ室内管弦楽団(Nederlands Kamerorkest)の演奏で、ハイドンのヴァイオリン協奏曲(Hob.VIIa:1)、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲2番(KV.211)の2曲を収めたアルバム。収録は1984年9月、アムステルダムにてとの記載のみです。レーベルは黄金期の蘭PHILIPS。

やはりこのブラウンとゴールドのラインの入ったPHILIPSのアルバムは懐かしいですね。今では当時ライバルだったDECCAのマークをつけて再発売されているものが多いので、私の世代の方にはかなり違和感があるのではないでしょうか。
このアルバム、例によって湖国JHさんから貸していただいているもの。残り数枚ですが未レビューのアルバムが残っています。

奏者のイザベル・ファン・クレーンは、懐かしい人。昔はアイドル的存在で多くのアルバムをリリースしていましたが、最近はあまり姿を見る機会はありません。手元にもアルバムはなく、FM放送からエアチェックして聴いていたのが懐かしいですね。生まれは1966年、オランダ、アムステルダム近郊のマイドレヒト。ヴァイオリン、ヴィオラに指揮もこなすようです。アムステルダムのスウェーリンク音楽院で学んだのち、ザルツブルクに渡り、モーツァルテウムにてシャンドール・ヴェーグに師事したとのこと。その後1984年のBBC若手音楽家コンクールで優勝したことで彼女の名がヨーロッパ中に広まりました。今日取り上げるアルバムはまさにその1984年の録音。コンクールとの前後関係は分かりませんが、その人気にあやかって録音されたものでしょう。活動はヴァイオリンやヴィオラのソリスト、室内楽と多彩で、なかでも1997年から2006年にかけて、オランダのデルフト室内楽音楽祭を自ら興し芸術監督を務めるなど、単なるソリストにとどまりません。なお、同じオランダ出身のロナルド・ブラウティハムとは20年来コンビを組んで演奏しているとのこと。最近では2012年からルツェルン芸術大学でヴァイオリン、ヴィオラ、室内楽の教授職にあるということです。

ジャケットの写真を見ると、みるからに少女の姿。それもそのはずで、録音時には18歳ということです。最近の姿は彼女のサイトを御覧ください。美しい大人の女性に変貌しております。

Isabelle van Keulen

このアルバムにはもう一つ着目すべき点があります。それは指揮者のアントニ・ロス=マルバ。ロス=マルバのアルバムは以前に2度ほど取り上げていますが、なかでもグラン・カナリア・フィルとの演奏は見事の一言。

2013/03/31 : ハイドン–協奏曲 : グラン・カナリア・フィルのトランペット協奏曲、2つのホルンのための協奏曲
2011/01/22 : ハイドン–管弦楽曲 : ロス=マルバ/カタルーニャ室内管弦楽団の十字架上のキリストの最後の七つの言葉

十字架上のキリストの最後の七つの言葉が1965年、今日取り上げるアルバムが1984年、そしてグラン・カナリア・フィルとの演奏はごく最近とかなり録音年代に開きがあります。上記の二つのアルバムの演奏が良かっただけに今回取り上げるアルバムの伴奏にも期待できそうですね。

Hob.VIIa:1 / Violin Concerto [C] (c.1765)
やはり期待通りおおらかにオケを鳴らすロス=マルバの特徴がよく出た録音。PHILIPSにしては音像が近い、まるでDECCAのような録音です。ファン・クレーンのヴァイオリンはロス=マルバの伴奏に安心して乗っかっていきます。さすがにヴァイオリンの高音の伸びは素晴らしいものがありますが、演奏スタイルはオーソドックス。前のめりにはならず、かなり落ち着いたテンポでじっくりメロディーを描いていくところはロス=マルバがペースを握っているからでしょう。そのような中で、ファン・クレーンのヴァイオリンの音色が磨かれ、研ぎ澄まされていくところが聴きどころでしょうか。テンションは上がらずリラックスしながらヴァイオリンの音色を磨いていくような演奏。カデンツァも落ち着いたテンポの中、高音の音色の美しさをじっくりと聴かせるもの。この年でこの落ち着いた音楽作りはなかなかのもの。力みは一切なく、堂々とした美音を轟かせます。
予想はしていましたが、2楽章のアダージョはファン・クレーンの落ち着いた美音の魅力がいい形ではまりました。あまり音量は落とさず、堂々と来るかと思いましたが、ロス=マルバ、ぐっと音量を落として、ファン・クレーンのヴァイオリンにスポットライトを当てる気配り。相変わらずテンポは動かさず、ゆったりとした音楽が流れます。じつに慈しみ深い音楽。これが18歳の女性の奏でる音楽でしょうか。落ち着き払って美しいメロディーを置いていく揺るぎない姿勢。好きなアダージョですが、ファン・クレーンの大人びた少女のような美しさもいいものです。
フィナーレは再び、ロス=マルバがペースを握り、おおらかながら隈取りのはっきりしたわかりやすい音楽。ファン・クレーンは相変わらず、マルバのゆったりとしたテンポに安心してよりかかり、ヴァイオリンの響きを磨くことに集中。キビキビとした演奏に慣れている耳には、すこし遅すぎと聞こえなくはありませんが、これがロス=マルバの演奏スタイルでしょう。

つづくモーツァルトも同様のスタイルでの演奏。ロス=マルバはテンポをあまり動かしませんが、オケのコントロールはちみつで各パートがよく揃いながらも躍動かんもそれなりにあります。

昔アイドル系、今は実力派美女ヴァイオリニスト、イザベル・ファン・クレーンのデビュー当時の貴重な録音。何度も言いますがハイドンのヴァイオリン協奏曲はモーツァルト以上の傑作であり、名盤ひしめく状態のなか、テビュー直後の録音とは思えない落ち着いた表情が印象的なハイドンでした。特に2楽章のアダージョの美しさはかなりのもの。まだまだオケや指揮者に張り合うというインパクトはありませんが、自身の個性を美音に込めたこの演奏は流石一流どころというところでしょう。他のアルバムの出来と比べるとやはり、最高評価とはできず[++++]というところでしょう。

最近も主にオランダのChallenge Classicsからいろいろアルバムがリリースされているようですので、ハイドンの協奏曲の録音も期待したいところですね。

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アイザック・スターンのヴァイオリン協奏曲(ハイドン)

気づいてみればもう年の瀬。

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アイザック・スターン(Isaac Stern)のヴァイオリンと指揮、ヤーノシュ・ローラ(János Rolla)率いるフランツ・リスト室内管弦楽団(Franz Liszt Chamber Orchestra)の演奏で、モーツァルトのセレナータ・ノットゥルナ(K.239)、ヴァイオリンとオーケストラのためのアダージョ(K.261)、ヴァイオリンとオーケストラのためのロンド(K.373)、ベートーヴェンのヴァイオリンとオーケストラのためのロマンスNo.1、No.2、ハイドンのヴァイオリン協奏曲(Hob.VIIa:4)の6曲を収めたアルバム。収録は1996年5月12日から14日、ブダペストのイタリアン・インスティテュートでのセッション録音。レーベルはSONY CLASSICAL。

皆さんご存知の大御所アイザック・スターンのヴァイオリン協奏曲。これまで手元にアイザック・スターンのハイドンのアルバムはありませんでした。このアルバムも湖国JHさんがこちらの所有盤リストにないものを貸していただいているもの。このアルバムに興味をもったのがヴァイオリンがスターンというだけでなくオケがヤーノシュ・ローラ率いるフランツ・リスト室内管であること。ヤーノシュ・ローラとフランツ・リスト室内管といえば受難、告別の素晴らしい演奏が記憶に残っていますし、協奏曲の伴奏でも何枚かのアルバムに登場しています。

2013/06/22 : ハイドン–交響曲 : ヤーノシュ・ローラ/フランツ・リスト室内管の受難、告別
2010/09/14 : ハイドン–協奏曲 : ペレーニの至芸、チェロ協奏曲
2010/06/05 : ハイドン–協奏曲 : ハイドン第2のホルン協奏曲?

特に告別の演奏は絶品。私のイチオシ盤ですが、残念ながら非常に入手しにくい状況です。ヤーノシュ・ローラとフランツ・リスト室内管の情報は告別のアルバムの記事を御覧ください。

ヴァイオリンのアイザック・スターンは有名どころですが、調べてみるとハイドンの録音はあまりなく、今日取り上げる以外にはランパル、ロストロポーヴィチと組んだロンドントリオのアルバムがあるくらいのようです。ロンドントリオのアルバムも手元になかったため注文を入れてみました。
アイザック・スターンは1920年、ウクライナに生まれたヴァイオリニスト。1歳の時に家族とともにサンフランシスコに移り、早くから母親から音楽教育を受けます。サンフランシスコ音楽院でヴァイオリンを学び、1936年にピエール・モントゥー指揮のサンフランシスコ交響楽団との共演でデビュー、その後世界的に活躍しています。小澤征爾との親交があったことから日本でもテレビ番組などを通してよく知られた存在でしょう。パールマン、ズーカーマン、ミンツ、ヨー・ヨー・マら新進の奏者はスターンとの共演を通して一流どころとなるなど、音楽家の育成にも大きな貢献のあった人でした。アメリカ同時多発テロ事件があった2001年、そのテロの直後に心不全で亡くなったとのこと。

実はハイドン以外も含めてスターンの演奏はあまり聴いた事はなく、手元にあるのはアバドとロンドン交響楽団メンバーとのベルクの室内協奏曲とバーンスタインとニューヨークフィルとのベルクのヴァイオリン協奏曲をまとめたCBSのアルバムくらい。ベルクのヴァイオリン協奏曲といえばクレーメルの冴え冴えとしたアルバムを愛聴していたので、スターンのヴァイオリンのちょっと骨太な印象が鮮明に記憶に残ることはありませんでした。

今日取り上げるアルバムはハイドンのヴァイオリン協奏曲が最後に置かれ、最初にモーツァルト、そしてベートーヴェンという配置。冒頭のセレナータ・ノットゥルナから聴き始めましたが、指揮も兼ねるスターンの音楽は快活なもの。虚心坦懐に弾き進めるこのセレナータ・ノットゥルナはいいですね。この録音時スターンは76歳ということですが、音楽には誠実さと爽やかさが満ちています。

Hob.VIIa:4 / Violin Concerto [G] (c.1765/70)
最後に置かれた名曲、ハイドンのヴァイオリン協奏曲。オケの序奏は流石フランツ・リスト室内管、落ち着いた進行にもかかわらず華やかな色彩感に彩られ、パッと花がさいたよう。スターンのヴァイオリンはモーツァルトの時とは異なり、いぶし銀の渋さ。録音のバランスは明らかにオケ主体。スターンはオケに花を持たせようとしているのか、渋めにサラサラと運びます。ことさらヴァイオリンの美音を聴かせようというようなそぶりを見せず、逆にハイドンの書いたメロディー自体にこそ美しさが宿っていると言わんばかりの淡々としたスタンス。聴いているうちにこのスターンの謙虚な音楽に打たれます。もしかしたら自らの力の衰えを知ってのことかもしれませんね。カデンツァでは音に宿るエネルギーは限られるものの、弓運びのキレは流石。縦横無尽な弓運びにうっとり。雄弁かつ華やかなオケに支えられた老スターンの謙虚な音楽と往時をしのばせる華麗な弓捌きを堪能。
アダージョ楽章は暖かなオケの音色に癒されます。ヤーノシュ・ローラ率いるフランツ・リスト室内管の面目躍如。ジャケットに写るスターンの姿を彷彿とさせるあらん限りの集中力で音楽を生み出していくような素晴らしい音楽。なぜかこのスターンの淡々とした演奏が心に沁みます。美しいメロディーをかみしめるようにじっくりと描いていくスターン。2楽章のカデンツァではテクニックを凝らすことはなく、メロディーの美しさのみを浮き彫りにするような純粋無垢な音楽。迎えにきたビロードのようなオーケストラのあまりの柔らかさにはっとします。
フィナーレは折り目正しさの限りを尽くしたフランツ・リスト室内管に応えるようにスターンのヴァイオリンにも力が漲ります。豊かな残響に包まれながらオケがスターンを支え、スターンもそのエネルギーが乗り移ったように力を振り絞って弓を引きます。最後は素晴らしいオケの響きが耳に残る名演でした。

アイザック・スターン76歳時のヴァイオリン協奏曲の録音。ヤーノシュ・ローラとフランツ・リスト室内管のスターンに対するリスペクトの結晶のような演奏であり、告別の演奏で聴かれたあのすばらしいオーケストラの響きが再び鳴り響きました。技巧の限りを尽くした圧倒的な独奏だけが協奏曲の演奏ではなく、この染み入るような虚心坦懐な独奏も協奏曲の姿の一つ。名演ひしめくハイドンのヴァイオリン協奏曲の中ではイチオシとはいきませんが、この演奏の息吹は貴重なものです。評価は[++++]とします。

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絶品! アルベルト・リジーのヴァイオリン協奏曲集(ハイドン)

またまた未知の超名演盤を発掘しました。

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アルベルト・リジー(Alberto Lysy)のヴァイオリン、カメラータ・リジー・グシュタード(Camerata Lysy Gstaad)の演奏で、ハイドンのヴァイオリン協奏曲3曲(Hob.VIIa:1、VIIa:3、VIIa:4)を収めたアルバム。収録は1979年11月及び1983年2月、ドイツハイデルベルク南にあるテイエ・ファン・ゲースト・録音スタジオ(Tonstudio Teije van Geest)でのセッション録音。レーベルはスイスのClaves。

このアルバム、しばらく前にディスクユニオンの店頭で発掘したもの。しばらく未聴盤ボックスに放り込んでそのままにしてあったのですが、先日用事で車で出かける際に未聴盤ボックスから何枚かランダムに取り出して、車の中でドライブがてら聞いてみると、恐ろしく冴え渡る尋常ならざるヴァイオリンの響きにびっくり。ヴァイオリニストのアルベルト・リジーははじめて聴く人ですが、あまりのインパクトに帰ってからちゃんと聴きなおして、再度びっくり。いやいや、世の中にはあまり知られていないのに凄い人がいるものです。ちょうどシュミット=ゲルテンバッハの悲しみを聴いた時の衝撃に近い物があります。

2011/01/16 : ハイドン–交響曲 : シュミット=ゲルテンバッハ/ワルシャワ・シンフォニアの悲しみ

ライナーノーツなどによると、アルベルト・リジーはアルゼンチンのヴァイオリニストで指揮者。1935年にブエノス・アイレスに生まれ、2009年に亡くなっています。5歳からヴァイオリンを弾きはじめ、様々なコンクールで頭角を表すと、17歳でヨーロッパに渡り、1955年にブリュッセルで開催されたエリザベス女王国際コンクールで優勝します。その時審査員を務めたユーディ・メニューインに見出され、メニューイン音楽アカデミーで若いヴァイオリニストの指導役としてメニューインとともに教育にあたることになり、その生徒を集めて結成されたのがこのアルバムのオケのカメラータ・リジー・グシュタードということです。

ライナーノーツの最後のページにはメニューインのサインとともに次のような一文が掲載されています。

「メニューイン音楽アカデミーの最高の成果はカメラータ・リジー・グシュタードであり、この音楽院で学んだ優秀な若者らによる室内管弦楽団は、私の真の協働者であるアルベルト・リジーの指導の元、世界的に高く評価されています。」

このメニューインの言葉が表すとおり、リジーのヴァイオリンもオケも鬼気迫るような素晴らしい演奏を聴かせています。なんの予備知識もなく聴いてのけぞった戦慄の演奏。

Hob.VIIa:1 / Violin Concerto [C] (c.1765)
録音は音がちょっと硬いですが、その分弦楽器の素晴らしい浸透力が強めに表現されています。オケは自然な入りではありますが、冒頭から研ぎ澄まされた尋常ならざる響き。すぐにリジーのヴァイオリンが入りますが、ストラディバリウスかグァルネリかわかりませんが、こちらも美音轟く素晴らしい響き。オケもソロも鬼気迫るとはこのこと。メニューインが自身の音楽院の最高の成果と呼ぶのもうなずけます。ハイドンの書いた音楽の美しさを伝えるというよりは、ヴァイオリンという楽器の真価を問うようなストイックさ。ヴァイオリンの磨き抜かれた高音が脳髄に直接届いて痺れます。1楽章のカデンツァは超絶技巧による長大なもの。聴く方も正対してこのエネルギーを受け止めなくてはなりません。
きらめく夜空の星のように美しいメロディーの2楽章のアダージョですが、ピチカートの伴奏はかなり抑えて、冒頭からリジーのヴァイオリンの唸るような美音に圧倒されます。カントロフのヴァイオリンも素晴らしかったんですが、こちらのほうがエネルギーが勝るでしょうか。これほどまでに美しいヴァイオリンそろがあったかと驚嘆。カデンツァはあの世の音楽のような研ぎ澄まされ方。オケが実に静かに最後はソロを受け止めます。
フィナーレはオケもキレまくり。流石にリジーの指導を受けた奏者が集まっているだけのことはあります。奏者全員の楽器が異常に良く鳴って、アンサンブル全体にエネルギーが満ち溢れます。フレーズ毎に巧みにテンションをコントロールしてたぐいまれな音楽の立体感。ソロもオケもキレまくって脳内にアドレナリンが溢れます。冴え冴えとした名演奏。空手の形の妙技を見るような素晴らしいメリハリ。完全にノックアウトです。

Hob.VIIa:3 / Violin Concerto "Merker Konzert" 「メルク協奏曲」 [A] (c.1765/70)
あまりに素晴らしくてもう少し曲間の静寂が欲しいほどですが、容赦なく次の曲の美音が轟きます。落ち着いた曲想から入るにもかかわらず、またしてもノックアウト間違いなしの素晴らしい覇気が噴出。響きに奏者の気合というか生気が乗って、落ち着いた演奏にもかかわらず素晴らしい緊張感。この曲ではリジーの高音ではなく唸るような低音の魅力も見せつけます。並の奏者には一生たどりつけないような高みが続きます。聴き進んでも前曲同様、エネルギーに隙のない見事な演奏。楽章ごとのレビューは不要でしょう。

Hob.VIIa:4 / Violin Concerto [G] (c.1765/70)
華やかな開始はこのコンビの演奏で一層華やかに聴こえます。ふとしたところの陰りが華やかさを一層引き立て、音楽から芳香が立ち上るよう。ソロもオケもメロディーのエッジがキリリと引き締まっているので音楽に緩みがなく、孤高の美しさ。強音は言うに及ばず、抑えた部分の美しさは鳥肌が立つよう。もはや言葉で表現する必要もないでしょう。レビューというよりゆっくりとこの素晴らしい演奏に浸らせていただきます。

ハイドンのヴァイオリン協奏曲の曲自体の美しさにはレビューで何度も触れていますが、このアルベルト・リジーのヴァイオリンは、その曲の美しさを極限まで追い詰めた高みに達しています。オケのカメラータ・リジー・グシュタードのグシュタートはスイスのアルプスの麓の山村のようですが、ここでメニューインとリジーが若者に音楽を教えていたようです。美しいアルプス雨の麓で音楽に没頭できる素晴らしい環境が、このアルバムに収められた美しい音楽を産んでいるに違いありません。メニューインが生涯をかけて取り組んだ音楽教育の最高の成果と認めたリジーとカメラータ・リジー・グシュタードの奇跡の音楽がこここにあります。評価はもちろん全曲[+++++]とします。

この冴え冴えとした音楽、是非聴いてみてください。amazonならまだ入手可です。

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tag : ヴァイオリン協奏曲

ラ・ディヴィナ・アルモニアの協奏曲集(ハイドン)

12月最初のアルバムは古楽器もの。聴くと幸せになる演奏です。

LaDivinaArmonia.jpg
HMV ONLINEicon / amazon / TOWER RECORDS

ロレンツォ・ギエルミ(Lorenzo Ghielmi)指揮のラ・ディヴィナ・アルモニア(La Divina Armonia)の演奏で、ハイドンのオルガン協奏曲(Hob.XVIII:2)、ヴァイオリン協奏曲(VIIa:4)、ヴァイオリン、オルガンと弦楽合奏のための協奏曲(VIII:6)、オルガン協奏曲(VIII:10)の4曲を収めたアルバム。ヴァイオリン協奏曲のヴァイオリンはステーファノ・バルネスキ(Stefano Barnesch)。収録はイタリア北部のロンバルディア州ソンドリオ県ヴァッレ・ディ・コロリーナにある聖囚人聖堂でのセッション録音。レーベルはベルギーのpassacaille。

このアルバムはTOWER RECORDS新宿店で先日手に入れたもの。ネットでは国内盤と輸入盤がありますが、国内盤は輸入盤にマーキュリーが和訳解説をつけてパッケージしたものですので、実質は同じもので、日本語解説の有無のみの違いです。ちなみに私はマーキュリーのものは国内仕様を買うことにしています。少々値段は上がりますが、こうして丁寧に国内向けに地道な仕事をしてくれる会社を応援したいからという趣旨です。ちなみに国内盤に起こしたものはなんとなくアルバムから香る雰囲気まで抜けてしまうような気がしてイマイチ好きになれませんので、こうして輸入盤に国内向けの解説をつけてくれるだけでも十分であり、十分というより、これがベストだと思います。

普段は輸入盤でも英語の解説やネットの情報をコツコツ調べて記事にしていますので、日本語の解説、しかも輸入盤の解説そのものの訳をつけてくれるありがたさは身にしみております(笑)

さて、せっかくなので解説からかいつまんで、奏者の情報を紹介しておきましょう。オケのラ・ディヴィナ・アルモニアはこのアルバムでオルガンと指揮を担当しているロレンツォ・ギエルミによって2005年に設立された古楽器オーケストラ。イタリアを中心に古楽器の腕利き奏者が集まったオケで、2008年以降、ヨーロッパで活躍しているそうです。なんと、昨年、2013年末には来日公演もあったそう。全く知りませんでした。
ロレンツォ・ギエルミはイタリアの古楽鍵盤奏者でオルガン奏者。1991年以来ミラノのサン・シンプリチアーノデイ聖堂のオルガンの奏者を務め、ここで1992年から94年にかけてバッハの作品の連続演奏会を開催して話題となりました。またドイツのブルーンスに関する研究書、フレスコバルディの楽譜の校訂、16~17世紀のオルガン音楽に関する記事の執筆など研究者としても活躍しています。それゆえミラノ市立音楽院での教職、バーゼルのスコラ・カントルムでオルガンの今日教授などの立場にあったそうです。日本には目白の東京カテドラルのオルガンの設置の監修を担当しています。
奏者としては先日ハイドンの第4の交響曲全集の作成に踏み切ったイル・ジャルディーノ・アルモニコの最初期のメンバーとして活躍していました。そんな中、2005年のラ・ディヴィナ・アルモニアを設立し、以後はその音楽監督として活躍しています。
ヴァイオリンのステーファノ・バネルスキはイル・ジャルディーノ・アルモニコのヴァイオリン奏者として活躍した人で、2011年からはイル・ジャルディーノ・アルモニコの音楽監督でもあるそうです。

イタリアの気鋭の古楽器奏者の集まったオケでのハイドンの協奏曲集。いかなる出来でしょうか。

Hob.XVIII:2 / Concerto per il clavicembalo(l'organo) [D] (before 1767)
リズミカルに響く古楽器オケの序奏。最近では珍しい一貫したリズムに乗ったノリのよいオケ。ロレンツォ・ギエルミのオルガンも小気味良いリズムに乗ってキレの良い演奏。オルガン協奏曲ではコープマンの古くはPHILIPSの録音が懐かしいところですが、最新の古楽器の録音にしては珍しいオーソドックスな演奏。リズムに素直な演奏が微笑ましくもありますが、表現は徐々に幅が広くなり、色彩感に富んだ千変万化する響き。フレーズの描きかたも丁寧で実に味わい深い音楽です。オルガン協奏曲に共通するちょっとおもちゃっぽい響きの面白さが一貫したリズムでかえって強調されるよう。1楽章も終盤になるとかなりメリハリの効いたヴァイオリンが存在感を主張。オルガンとオケのリズミカルなメロディーのやりとりが続くことでトランス状態寸前に。
2楽章のアダージョ・モルト。1楽章でトランス状態になりかけたんですが、これぞ至福の境地。オルガンの不可思議なメロディーの面白さにすぐに引き込まれます。オルガンはキレの良さばかりではなく聴かせる演奏。途中で転調するところとぐっと音程を下げるところの表現が絶妙。オルガンの低音が出切らないところにゾクゾクします。このメロディーをどうやって描いたかを考えるとハイドンのとてつもない才能に今更驚きまます。オケはすでに癒しに満ちたサポート役に徹して、渾然一体となった素晴らしい音楽に酔いしれます。
フィナーレはこれ以上軽さをうまく表現できないような、そよ風のような入りですが、すぐにリズミカルに響き古楽器の魅力に包まれます。クッキリとアクセント効かせての演奏に慣れているせいか、ラ・ディヴィナ・アルモニアのエッジを落とした柔らかな響きがやけに新鮮に感じます。しなやかな伴奏とはこのこと。フィナーレはやはりオルガンとオケのトランス状態然とした演奏を楽しみます。オルガンという楽器の魅力を万全に表現したハイドンの筆致に感嘆。変奏がドンドン進んで最後は表現が大きくなって遊園地のコーヒーカップをぐるぐる回して目が回ってしまったような陶酔感に包まれます。めくるめく音楽の快感!

Hob.VIIa:4 / Violin Concerto [G] (c.1765/70)
1曲目からノックアウトですが、頭をリセットしてヴァイオリン協奏曲に入ります。まるでハイドン遊園地で無心に遊びまわるような気分。音楽が躍動し、すべての音楽が耳に心地よく入ってきます。アーティスティックという印象ではなく、躍動する音楽が心にドンドン沁みてくる感じ。ヴァイオリンのステーファノ・バルネスキの弓裁きは自己主張ではなく、やはり遊びまわるような無邪気な音楽の面白さをストレートに表したもの。テクニックは確かで、あまりに自然なリズム感に技巧をまったく感じさせない、真のテクニシャンのよう。微笑みながら演奏を楽しんでいるような実に愉快なヴァイオリンソロ。これもギエルミの指示によるものでしょうか。実に楽しい協奏曲。カデンツァは音楽の神様にいたずら心を捧げるような自在な音楽。これほど聴いて幸せになるヴァイオリン協奏曲ははじめてです。凛々しいハイドンではなくいたずら心を素直に表すようなハイドン。
2楽章のアダージョは圧巻の出来。しなやかな音楽が天上の音楽のように響きます。ヴァイオリンの実にせつない弓裁きに聴き入りますが、オケも合わせてこちらの期待を超える浸透力で音楽をグイグイ進めていき、ただただ聴き惚れるのみ。
フィナーレは弓裁きの妙技を味わうような楽章。コープマンのリズムを超える自在な陶酔感。ヴァイオリンのテクニックも冴え渡りますが、テクニックを誇示するというよりは、あまりに見事なフレージングにテクニックを超越した音楽に到達。やはり遊びまわるような自在さにノックアウト。

Hob.XVIII:6 / Concerto per violino, cembalo e orchestra [F] (1766)
そして、名曲ヴィアオリンとオルガンのための協奏曲。演奏のスタイルは変わらず、完成度も完璧。なにより音楽の素朴な躍動に打たれっぱなし。遊びまわるようなヴァイオリンにトランス状態のようなオルガンに感極まりそうなのでレビューは中断(笑) あとは自身で聴いて楽しんで下さい! いやスバラシイ!

Hob.XVIII:10 / Concerto per il clavicembalo(l'organo) [C] (before 1771,1760?)
最後は録音が少ないXVIII:10。曲想が複雑になりますが、ギエルミのオルガンもオケも程よくキレて素晴らしい演奏。この曲でも一貫して音楽を楽しむスタンスは抜群です。

ロレンツォ・ギエルミ操るラ・ディヴィナ・アルモニアの演奏ですが、古楽器かどうかなどまったく問題にならない、素晴らしい音楽への没入感。ハイドンの協奏曲でこれほど楽しい演奏ははじめてです。虚心坦懐に演奏を楽しんでいるのがよくわかります。まさに聴いていて幸せになる演奏です。ギエルミは先日ハイドンの交響曲全集の第1巻をリリースしたイル・ジャルディーノ・アルモニコの初期メンバーでもあり、そのイル・ジャルディーノ・アルモニコの演奏にも共通するノリの良さを持っています。現代楽器演奏のアンチテーゼとしての古楽器演奏の時代は終わり、ファイに代表される自在な表現と、この演奏に見られる表現を超えた虚心坦懐な音楽を奏でる演奏の時代に突入したのでしょう。あまりの素晴らしさにびっくりしたというのが正直なところです。もちろん評価は全曲[+++++]。皆さん、この演奏を聴いて幸せを感じて下さい!

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tag : ピアノ協奏曲XVIII:2 ヴァイオリン協奏曲 ピアノとヴァイオリンのための協奏曲XVIII:6 ピアノ協奏曲XVIII:10 古楽器

オレグ・カガンのヴァイオリン協奏曲(ハイドン)

新たに湖国JHさんから送りこまれたアルバム。ようやく手がつけられるようになりました。

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オレグ・カガン(Oleg Kagan)のヴァイオリンによるハイドンのヴァイオリン協奏曲(Hob.VIIa:1)と、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲(RV 278)、ストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲ニ長調の3曲を収めたアルバム。ハイドンの演奏はワシーリー・シナイスキー(Vassily Sinaisky)指揮のモスクワ交響楽団(Academic Symphony Orchestra of the State Philharmony Moscow)で、収録は1980年3月20日、モスクワのチャイコフスキー音楽院でのライヴ。レーベルはリヒテルのライヴなどをリリースしているLIVE CLASSICS。

オレグ・カガンは1946年、サハリンのユジノサハリンスク生まれのヴァイオリニスト。後年、リヒテルと妻であるナタリア・グートマンと室内楽の演奏で知られた人です。また現代音楽、特にベルクのヴァイオリン協奏曲の支持者でもありました。近年リリースされたライヴ録音によって再評価されてるそうです。

手元のリヒテルのライヴアルバムのなかに、オレグ・カガン音楽祭の演奏があり、私はそれで名前を知っている程度でした。略歴をたどると、サハリンという極東の生まれながら、7歳の時にはロシアの反対の端にあたる現ラトビアのリガ音楽院に入り、13歳でモスクワで高名なヴァイオリニスト、ボリス・クズネツォフに師事することになります。1960年代には、シベリウス・コンクールやバッハ・コンクールで優勝したほか、エネスコ・コンクール、チャイコフスキー・コンクールで上位入賞します。クズネツォフが亡くなった後は、ダヴィド・オイストラフに師事、1969年以降はリヒテルとナタリア・グートマンとの室内楽の活動を始め、またピアニストのワシーリー・ロバノフと頻繁に共演するようになります。これらのメンバーとドイツのバイエルン州ヴィルバート・クロイト(Wildbad Kreuth)で音楽祭を主催しますが、オレグ・カガンが1990年、癌のため43歳の若さで亡くなってしまいます。音楽祭はその後彼の功績を讃えてオレグ・カガン国際音楽祭と改名され、その後、妻のグートマンやリヒテルなどによって継承されということです。ようやく、彼の名を冠した音楽祭のことがわかりました。

リヒテルの強靭なピアノに対抗できる存在感のあるヴァイオリン、あらためて聴くとどのような印象になりますでしょうか。

Hob.VIIa:1 / Violin Concerto [C] (c.1765)
録音はライヴだけにすこし甘い感じですが、冒頭からオケの色彩感がなかなか良く出たもの。ハープシコードが雅な趣を加えています。穏やかな伴奏から始まりますが、カガンのヴァイオリンは師のオイストラフというよりシゲティを思わせる、強いテンションの持続音をベースとしたもの。淡々とメロディーを弾いていくだけですが、かなりの存在感。この演奏時、カガンは34歳くらいですが、すでに巨匠然とした堂々たる演奏。ヴァイオリンから華麗ではなく、強い浸透力のあり美音を轟かせていきます。伴奏を担当するシナイスキーも堂々とした演奏。小細工などなく、カガンが弾きやすいようゆったりとオケを鳴らします。盤石の信頼関係なのでしょう。カデンツァはヴァイオリンの響きの面白さを生かしたもの。1楽章は壮麗極まりないもの。
好きなアダージョですが、1楽章に続いてゆったりしたオケの伴奏に乗ってカガンが堂々と美音を披露します。ハイドンの美しいメロディの真髄をつく超絶的な美しさ。ヴァイオリンの音色がグイグイ迫ってきます。ヴィブラートが痺れます。ところどころ咳払いが聞こえますが、ホールに轟く美音に観客席も静まりかえります。
フィナーレの入りは意外にさりげない感じですが、徐々にオケの色彩感が溢れ出してきます。シナイスキーもここぞとばかりにオケを煽り盛り上げてきます。カガンのヴァイオリンはここにきて神々しいほどの輝き。ヴァイオリンという楽器の音色のもつ美しさとエネルギーの限りを尽くした演奏。最後の一音の余韻が消えると同時に聴衆の拍手に包まれます。この日の聴衆の驚きに満ちた拍手がこの演奏の素晴らしさを物語っています。

このアルバムの3曲目に収められたストラヴィンスキーのバイオリン協奏曲も痺れます。こちらはエフゲニー・スヴェトラーノフ指揮のロシア国立交響楽団との1979年のライヴ。現代音楽を得意していたというのは偽りではありません。こちらもカガンのヴァイオリンキレまくって、加えてスヴェトラーノフの伴奏も最高。こちらも痺れました。今までストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲のなかでも間違いなく一押しの名演です。

オレグ・カガンによるハイドンのヴァイオリン協奏曲。これまでカガンのヴァイオリンがこれほどまでに素晴らしいとは知らずにおりました。若くして亡くなってしまいましたが、存命であれば間違いなく現代最高のヴァイオリニストの一人だったでしょう。最近カントロフ、スークなど名手のヴァイオリン協奏曲を聴いて、ヴァイオリンの音色の魅力、ヴァイオリンという楽器の素晴らしさの奥行きの深さにあらためて驚いています。決してヴァイオリンの名曲という範疇ではないハイドンのヴァイオリン協奏曲ですが、ハイドンの曲は楽器の音色に対する鋭敏な感覚を踏まえて書かれており、カガンがその真髄に迫ったということなのだと思います。この演奏、録音が万全ではありませんが、それを補って余りある名演、ハイドンのヴァイオリン協奏曲の名盤として広くおすすめしたいものです。評価はもちろん[+++++]です。

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tag : ヴァイオリン協奏曲 ライヴ録音 ストラヴィンスキー

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なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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