モードゥス四重奏団の五度、皇帝、ラルゴ(ハイドン)

今日は変わり種です。

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モードゥス四重奏団(Quartetto Modus)によるハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.2「五度」、No.3「皇帝」、No.5「ラルゴ」の3曲を収めたアルバム。ただし通常の編成ではなく、第1ヴァイオリンをフルートに変えたもの。収録はイタリア、トスカーナ州のピサ近郊にある温泉街のサン・ジュリアーノ・テルメ(San Giuliano Terme)にあるヴィラ・ディ・コルリアーノ(Villa di Corliano)でのセッション録音。レーベルは伊stradivalius。

ハイドンが弦楽四重奏曲の父と呼ばれ、存命中にヨーロッパで絶大な人気を博していたのは皆さんご存知の通り。そしてハイドンの時代、アマチュア音楽家にとって最も人気のある楽器はフルートであったことから、ハイドンの最も有名な弦楽四重奏曲をフルート四重奏曲に編曲するニーズがあったものと思われます。この辺りの経緯は以前取り上げた別のフルート四重奏曲のアルバムの記事に詳しく記載しておりますので、ご参照ください。

2011/04/09 : ハイドン–室内楽曲 : フルート四重奏による太陽四重奏曲

今日取り上げるフルート四重奏曲への編曲は、こうした世相を踏まえて弦楽四重奏曲からフルートと弦楽のための四重奏に編曲されたものと思われ、ハイドン自身によるものかはわかりませんが1800年頃にドイツのジムロック社から出版されたものとのこと。ハイドンの弦楽四重奏曲の頂点たるこれらの曲の、当時人気の編成への編曲版の楽譜が出版されるのは時代の流れでしょう。ただし、ハイドンの楽曲は楽器の音色を踏まえて書かれており、楽器が変わると表情もかなり異なります。果たして第1ヴァイオリンをフルートに持ち替えたことが吉と出ますでしょうか。

モードゥス四重奏団についてはライナー・ノーツなどにも何も記述がなく、また、Webを探してもこれといった情報が出てきません。この録音のために結成されたクァルテットということでしょうか。メンバーは2枚とも共通で下記の通り。

フルート:ロベルト・パッパレッテーレ(Roberto Pappalettere)
第2ヴァイオリン:クラウディオ・マッフェイ(Claudio Maffei)
ヴィオラ:ファブリツィオ・メルリーニ(Fabrizio Merlini)
チェロ:カルロ・ベンヴェヌーティ(Carlo Benvenuti)

このアルバムの他に、同じ奏者による2015年録音のOp.76の残り3曲を収めたアルバムもリリースされていますが、聴き比べてみると今日取り上げるアルバムの方が演奏の流れが自然なため、こちらを取り上げた次第。

Hob.III:76 String Quartet Op.76 No.2 "Quintenquartetett" 「五度」 [d] (1797)
聴き慣れた五度のメロディー。フルートの響きによってメロディーが華やかに浮かび上がります。パッパレッテーレのフルートはタンギングのキレ味良く、メロディーが爽やかに響きます。弦楽四重奏では鬼気迫るような1楽章も、メロディーがフルートに変わっただけで印象がガラリと変わります。音楽自体も少し軽く響くように感じます。また弦楽四重奏ではパート間の緊密な連携に耳が向きますが、フルートではメロディーが頭一つ抜き出ているので、メロディー自体の印象が非常に強くなります。アマチュア演奏家にとっては、有名なハイドンのメロディーでアンサンブルを楽しめるということで、これはこれでアリでしょう。現代におけるカラオケのような楽しみ方ができるような気がします。そうした気楽さで聴くとなかなか面白いものです。演奏も変にアーティスティックなところはなく、純粋に演奏を楽しむよう。また録音もフルートが心地よく聴こえるよう残響が多めで、音量もフルートが一番目立ち、弦は逆に残響の所為で穏やかに響きます。これはこの曲の位置づけを良く考えての録音なんでしょう。
2楽章は屈託無く明るいメロディーがフルートによって響きわたり、爽やかそのもの。テンポもほぼ揺らさず淡々と演奏して行きますが、それがなんとも心地良い。普通は曲に挑むところですが、そういった邪心は皆無。メヌエットでもハイドンのメロディーを楽しむようなサラサラストレートな演奏。
気楽に聴いてきたんですが、フィナーレに入ると速めのテンポでグイグイくるではありませんか。曲自体も緊密な構成ゆえのこととは思いますが、やはりここは聴きどころとばかりにアンサンブルが引き締まります。ハイドンのフィナーレはやはり聴き応え十分。

Hob.III:77 String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
続いて皇帝。前曲よりフルートに対して弦の音量がわずかに増したような気がします。バランスはこちらの方がいいですね。やはり響きはかなり華やかになりますが、、、五度では原曲のメロディーを楽しむ程度に聴こえていたものが、この皇帝では弦とのバランスが取れたことで、なんとなくより本格的なアンサンブルの面白さも感じられるようになってきました。1楽章は五度のフィナーレ同様緊密さで聴かせる見事な演奏。そして皇帝讃歌のメロディーの変奏となる2楽章は、通常は定位で聴き分けるしかない第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンがはっきりと聴き分けられ、ハイドンがこの曲に仕込んだ変奏の面白さが際立ちます。これは非常に面白い。続くメヌエットもメリハリがキリリとついて奏者も楽しそう。特にフルートのタンギングの鋭さが増して、実にリズムのキレが良い。弦楽器の擦るという行為で表現できる鋭さとは異なりますね。またフルートの響もぐっと深くなり音色の魅力も増してきました。そしてフィナーレの緊密なアンサンブルは期待通り。ここでもフルートのヴァイオリンの掛け合いの面白さが際立ちます。

Hob.III:79 String Quartet Op.76 No.5 [D] (1797)
最後はラルゴ。一貫して華やかさ、爽やかさを保っていますが、ここにきてふくよかさも加わります。皇帝同様アンサンブルもバランス良く、ここまでくると元の弦楽四重奏曲のイメージが邪魔せず、純粋にフルート四重奏の響きを楽しめるように耳も慣れてきました。これまで触れてこなかった、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのバランスですが、前曲までは掛け合いを目立たせることなく、フルートとの対比の面白さを際立たせるために過度な表現を抑えているように聴こえましたが、このラルゴに入ると、それぞれ燻し銀ともいうべき味わいの深さを感じさせるようになります。
ラルゴの聴きどころである2楽章は、ぐっとテンポを落としてこれまでで一番抑揚をつけてしっとりと描きます。徐々に響きが深く沈みフルートの低音とヴィオラやチェロの響きが重なってえも言われぬ雰囲気に。そこにふっと高音のヴァイオリンが入るところは、これまでと異なる対比が顔を出し、ハッとさせられます。そしてメヌエットの大胆な音形、中間部ではチェロが初めて踏み込んだボウイングを聴かせるなど徐々に各奏者もちらりと腕を見せます。最後のフィナーレは弦楽器以上の爽快感を伴いながらの疾走。あえてフルート四重奏曲として演奏しているだけに、最後はフルートの音階の鮮やかさを印象づけて終わります。

モードゥス四重奏団のフルート四重奏による五度、皇帝、ラルゴのハイドン名曲3点セット。最初に聴いた時には弦楽四重奏との音色の違いの印象が強く、フルートの華やかな響きによってちょっと深みに欠けるという印象が強かったんですが、五度ではその華やかな気楽さこそがこうした編曲ものの演奏にはふさわしいと思うようになり、聴き進めていくと、だんだんこの編成の面白さと深みを感じられるようにこちらの耳も変化してきました。この面白さは弦楽四重奏を聴き込んだベテランの方にはわかっていただけるでしょう。評価は五度[++++]、皇帝とラルゴは[+++++]とします。

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tag : 弦楽四重奏曲Op.76 五度 皇帝 ラルゴ

ベレヌス四重奏団の「五度」(ハイドン)

本日は美女揃いのクァルテット。

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ベレヌス四重奏団(Belenus Quartett)の演奏による、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.2「五度」、バルトークの弦楽四重奏曲4番の2曲を収めたアルバム。収録は2012年7月10日から12日にかけて、スイスのチューリッヒ芸術大学室内楽ホール(Kammermusiksaal der Zürcher Hochschule der Künste)でのセッション録音。レーベルは独ACOUSENCE CLASSICS。

いきなり目を引く4人の女性奏者。皆楽器を手に持ち、暗闇を背景にこちらを凝視する「目力」を感じるジャケット。久々に妖気が漂うジャケットです。そう、かつてこのブログで多くの読者の心を奪った、ヴィヴェンテ三重奏団のアルバムに出会った時と同様の気配を感じます。そしてレーベルのACOUSENCE CLASSICSもはじめて手に入れるレーベルということで、ジャケットをパラパラとめくって見ると中には表紙とは異なり、リラックスして微笑む4人の写真が2枚掲載されており、多少安心させます(笑)。また、ライナーノーツの末尾には、今回の録音にあたってのマイクセッティング図と使用したマイク、マイクアンプ、コンバーター、調整卓がリストアップされ、音質にこだわったアルバムであることがわかります。ACOUSENCEというレーベル名もそれらしいもの。

ベレヌス四重奏団は2004年、スイスのバーゼルで設立され、2010年にチューリッヒ芸術大学の学生により新たな体制になったもの。モザイク四重奏団やアマティ四重奏団について学び、その後カルミナ四重奏団のステファン・ゲルナー、アルバン・ベルク四重奏団のイザベル・カリシウス、ラサール四重奏団のヴァルター・レヴィン、クス四重奏団のオリヴァー・ヴィレら豪華な講師陣に師事しているとのこと。2011年にはスイス・オルフェウス室内楽コンクールで優勝、その後も様々なコンクールに入賞しており、それらの実績によりこのアルバムがデビュー盤として録音されたものと思われます。メンバーは下記の通り。

第1ヴァイオリン:セライナ・プフェニンガー(Seraina Pfenninger)
第2ヴァイオリン:アンネ・バテガイ(Anne Battegay)
ヴィオラ:エスター・フリッチェ(Esther Fritzche)
チェロ:ゼラフィナ・ルーファー(Seraphina Rufer)

Belenus Quartett

なお、彼らのサイトを見て見ると、現在はチェロが男性に代わっているようですね。

さて、この妖気漂うアルバム、演奏は如何に。

Hob.III:76 String Quartet Op.76 No.2 "Quintenquartetett" 「五度」 [d] (1797)
流石に録音にこだわっているレーベルだけに、いきなりクァルテットの気迫みなぎる響きに圧倒されます。残響は比較的多めで木質系の小ホールで聴いているようなプレゼンス。肝心の演奏は推進力もあり、ダイナミックさとしなやかさを併せ持つナカナカのもの。一音一音のデュナーミクをかなりつけて五度の名旋律が驚くほど豊かに響きます。言われなければ女性だけのクァルテットとはわかりませんが、これが女性ならではのデリカシーかもしれません。第1ヴァイオリンのセライナ・プフェニンガーは少し細身ながらかなり流麗な弓さばきでメロディーをしなやかに歌い上げます。アンサンブルは精緻というよりはいい意味で勢いがあり音楽がよく弾みます。よく聴くとチェロの迫力はかなりのもの。これがこのクァルテットの響きの特徴になっているようですね。1楽章から覇気あふれる演奏に引き込まれます。
2楽章はピチカートの伴奏にヴァイオリンのメロディーでの入りで、静寂の中に弦楽器の音色が響きわたる入り。録音の良さが一層引き立ちます。セライナ・プフェニンガーのボウイングも自在さを増して、ハイドンの名旋律をリラックスしながら楽しげに演奏していきます。デビュー盤とは思えない成熟した音楽に唸ります。
続くメヌエットはこの曲を引き締める鋭いアクセント。それを踏まえて、しなやかにたたみかけ、弦楽器による迫力と響きの美しさの絶妙なバランスを保った演奏。強音の迫力とさざめくような弱音のコントラストも絶品。そして迫力だけでなくどこかに華やかさを感じさせるのが流石なところ。
そしてさらりとフィナーレに入りますが、キレ味の良さを随所に感じさせながら、ハイドンの複雑に絡み合う音楽を織り上げていきます。力みはなく、風通しの良さを保ちながらの演奏。やはり録音が弦楽器の響きの良さを引き立て、聴きごたえ十分。最後はたたみかけるようにエネルギーを集中させて終わります。

いやいや素晴らしい演奏ということでまとめに入ろうとしたところ、続くバルトークの4番の鋭利な響きに、ハイドンを聴き終えた幸福感が木っ端微塵に打ち砕かれます(笑) 聞き手にも極度の緊張を求めるアーティスティックな曲の開始に背筋ピーン(笑) 私が語れる立場ではありませんが、このバルトークも並の演奏ではありません。赤熱した鋼のごときエネルギーの塊のような音楽。このバルトークを聴いた上で、このアルバムのジャケット写真を見返してみると、「女だと思ってなめてかかるんじゃないわよ」とでもいいたげに見えます。やはりジャケットから感じた妖気は本物でした!

さて、女性4人によるベレヌス四重奏団の「五度」ですが、これはかなりのレベルの名演奏とみなして良いでしょう。クァルテットとしての完成度も素晴らしいものがあり、これがデビュー盤という気負いは全くなく、すでに円熟の境地に到達しています。選曲、演奏、録音、ジャケットを含めたプロダクションとも非常に高いレベルで言うことありません。評価は文句なしに[+++++]を進呈いたします。手に入るうちにどうぞ!

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tag : 五度 弦楽四重奏曲Op.76

フィルハーモニア・クァルテット・ベルリンの「五度」「皇帝」(ハイドン)

このところ新譜も色々聴いているのですが、結果的に古い録音のばかりを取り上げています。やはり、時を経て聴き続けられるだけあって味わい深さが違います。

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amazon(別装丁盤)

フィルハーモニア・クァルテット・ベルリン(Philharmonia Quartet Berlin)による、伝ハイドンの弦楽四重奏曲Op.3のNo.5「セレナード」、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.2「五度」、No.3「皇帝」の3曲を収めたアルバム。収録は1983年9月10日、11日、西ベルリンのジーメンス・ヴィラでのセッション録音。レーベルはDENON。

このアルバム、最近ディスクユニオンで手に入れたもの。フィルハーモニア・クァルテット・ベルリンによるハイドンは以前に一度取り上げています。

2012/06/28 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : フィルハーモニア・クァルテット・ベルリンの十字架上のキリストの最後の七つの言葉

こちらは1999年の録音ということで、今日取り上げるアルバムから約16年あとの録音。フィルハーモニア・クァルテット・ベルリンはご想像の通り、ベルリンフィルの団員で構成されたクァルテットですが、メンバーはチェロが替わっていないだけで他の3人は入れ替わっています。この録音時のメンバーは下記の通り。

第1ヴァイオリン:エドワルド・ジェンコフスキー(Edward Zienkowski)
第2ヴァイオリン:ワルター・ショーレフィールド(Walter Scholefield)
ヴィオラ:土屋邦雄(Kunio Tsuchiya)
チェロ:ヤン・ディーゼルホルスト(Jan Diesselhorst)

第1ヴァイオリンのエドワルド・ジェンコフスキーはベルリンフィルに在籍していましたが、この録音時にはケルン放送交響楽団のコンサートマスターに転出していました。土屋邦雄さんはカラヤン時代のベルリンフィルのヴィオラ奏者として有名ですね。

上の「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」は冷徹なまでに冴え冴えとしたまさにベルリンフィルらしい精緻な演奏でした。この録音の前、1989年にカラヤンが亡くなり、1990年からアバド時代に突入しており、まさにアバドがベルリンフィルに持ち込んだ精緻な音楽を象徴するような演奏と言ってもいいでしょう。今日取り上げる方の録音はカラヤンの晩年のベルリンフィルのメンバーによる録音ということで、メンバーも含めてクァルテットの背景も異なりまうす。カラヤンが指揮した録音は特に晩年は徹底的にカラヤン流に仕立てられ、レガートを効かせて磨き込んでいますが、ライヴは意外にオケに任せている印象があります。今日のアルバムもまさにメンバーが演奏を楽しむような屈託のなさを感じる演奏です。

String Quartet Op.3 No.5 "Serenadequartett" [F] (Doubtful 疑作 Composed by Roman Hoffstetter)
最初はハイドンの真作ではないですが、有名な「セレナード」。この曲のみ違うパッケージで2種の録音が手元にあったため、馴染みの演奏。腕利き揃いの奏者が軽々と演奏を楽しむような力の抜けた余裕たっぷりの演奏。この力の抜け方こそが、ハイドンの音楽を楽しむポイントだと見抜いての確信犯的演奏ですね。どの楽章も見事に軽々と演奏して、この美しいメロディーの曲をさらりと仕上げています。曲に対するスタンス自体ですでに勝負あったと言っていいでしょう。攻め込もうとか表現を極めようなどという無粋なことは一切頭の中になく、ただただ演奏を楽しむという一貫した姿勢が生む素晴らしい説得力。メインディッシュたるOp.76からの名曲2曲の前座としては十分な演奏です。

Hob.III:76 String Quartet Op.76 No.2 "Quintenquartetett" 「五度」 [d] (1797)
前曲と同様、力の抜けた演奏が冒頭から心地よいのですが、曲が真正面から切り込むようなタイトなものだけに、同じような演奏でも若干テンションが上がって聴こえます。耳をすますと演奏の精度が高いわけではなく、適度に荒いところもあり、これが緊張感を高めすぎず、おおらかな印象を保っているよう。適度な緊張感と適度に楽天的な絶妙なバランスを保っています。
素晴らしいのが続く2楽章。実にカジュアルな語り口で淡々と進め、あえてメリハリを抑えているようですが、そのような演奏がハイドンの素朴な音楽の魅力を引き立てているよう。彫り込みを深くすることだけが音楽を深めるわけではないという好例。ボブ・ディランの歌が、彼の素朴な声の魅力で成り立っているのと同様、この語り口はを聴いていただかなくてはわからないかもしれませんね。
メヌエットもあえて表現の幅を抑えた演奏。淡々を進む音楽からメロディーのおもしろさが滲みます。中間部の弦楽器の音が重なりあう面白さの表現も聴かせどころを集中させているからこそ際立つもの。音の重なりの推移の面白さだけが際立つようにあえて仕組まれています。
フィナーレもさらりとしたもの。抑えた表現から音楽が湧き上がります。もちろん力みも変な表現意欲のかけらもなく、ただただ素直な演奏こそがハイドンの音楽の魅力を伝えると確信を持っているように弾き続けます。短調の陰りも過度にとらえず、最後まで一貫したスタンスを貫き、余裕たっぷりの演奏で結びます。

Hob.III:77 String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
名曲「皇帝」。もちろんこちらも力ヌケヌケ! まるで練習でもしているようにやさしく自然な演奏。ただし流石はベルリンフィルの一流どころだけあって、締めるところはキリリと締めてきます。力んだ演奏は無粋だとでもいいたげな気楽さ。ピシッとしていながらどこか楽天的な音楽はまさにハイドンの音楽の肝そのもの。名手がさらりと演奏する余裕を楽しみます。ところどころ音階のキレを楽しむような部分で遊び心を見せながらも、純粋無垢な心境を映すような演奏にほくそ笑みます。
有名な2楽章もちょっと枯れ気味になりそうなほど力を抜いた自然な音楽を楽しみます。変奏は蝶が優雅に花の間を飛び回るがごとき風情。適度にくだけた弓づかいが生み出すしなやかなフレージング。酔拳のようなふらつきの美学も感じさせます。技は音楽にあらずという信念が感じられる優雅さが満ちています。実に味わい深いひととき。音楽を知り尽くしているからこその達観した境地。
夢から覚まされたかのように筋の通ったメヌエットの入りで、我にかえります。媚びない素朴な演奏は前曲同様、かえってメヌエットのメロディーの面白さが際立ちます。淡々サラサラ枯淡の境地。
曲の締めくくりのフィナーレでもやはり力みは皆無。八分の力でカジュアルにアンサンブルを楽しむ余裕があります。一貫して素朴さが生み出す味わい深さが聴きどころの演奏。最後もアンサンブルを精緻にキメようというような感じは全くなく、複雑な音階の絡みあいの複雑さを楽しむがごとき境地に至っています。

振り返ってみると、冒頭の「セレナーデ」が一番きっちりした演奏。本命たるOp.76からの2曲は、力をかなり抜いて、奏者がアンサンブルを楽しむような演奏でした。このアルバム自体は3,800円との値付けを見ればわかる通り、CD発売初期の1984年にリリースされたもの。その後この中の「セレナーデ」が他の演奏とセットされて発売されたのに対して、Op.76の方は他の演奏に置き換えられたことを見ても、「セレナード」の方が一般受けするとの判断があったのでしょう。しかし、私はこのアルバムの聴きどころはOp.76の方だと思います。一般受けは「セレナード」だと思いますが、Op.76の方はハイドンのクァルテットの演奏スタイルとしては実に興味深く、クァルテット好きなベテランにこそ聞いていただきたい演奏です。綺麗に響かせるとかくっきり響かせるというところではなく、屈託ない音楽を演奏して楽しむとはこのような演奏のことだと言いたげなほど飾り気も外連味もなく、さりとて凡庸な演奏でもなく、実に味わい深い音楽が流れます。ハイドンの音楽の多様性を示す好例と言ってもいいでしょう。ということで評価は全曲[+++++]をつけます。

このところ所有盤リストの修正に明け暮れ、ちょっと記事をアップするまで間が空いてしまいました。もう少しペースアップせねば、、、

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tag : ハイドンのセレナード 五度 皇帝 ベルリンフィル

ヤナーチェク四重奏団の「冗談」「五度」「セレナード」(ハイドン)

今週末はちょっと体調がすぐれず、金曜日に家に帰ると38度くらいの熱。葛根湯やらを飲んでちょっと落ち着き、土曜日には元気に歌舞伎に出かけて楽しみました。特に具合は悪くありませんでしたが今日、日曜の朝起きてみると体の節々が痛い。熱も一時39度台まで上がり、心配して休日診療に出かけ、インフルエンザの検査をしてもらったところ、陰性。なんだかよくわかりませんが、とりあえず1日静かにしておりました。今月は記事数も伸びていないため、熱っぽい中記事を書きます(気合!)

今日はオークションで手にいれた LP。

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ヤナーチェク四重奏団(Janáček Quartet)の演奏で、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.33のNo.2「冗談」、伝ハイドン作の弦楽四重奏曲Op.3のNo.5「セレナード」、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.2「五度」の3曲を収めたLP。1963年5月、ウィーンのソフィエンザールでのセッション録音。レーベルはLONDON。

このLP、ただのLPではなくアナログ全盛期にキングレコードがリリースしていた"THE SUPER ANALOGUE DISC"というシリーズの1枚。同じシリーズのLPでメータとロスフィルによる「シエェラザード」が手元にありますが、当時のシステムで聴いてもスピーカーのウーファーを吹き飛ばさんばかりの重低音が刻まれており、愛聴したものです。若い頃は迫力に弱かったわけですね(笑)。今回手に入れたLPはほぼ新品というか完璧なコンディション。盤面も綺麗でジャケットにも微塵も古びたところがありません。中には「スーパーアナログディスクについて」というちらしが入っており、マスターテープから調整卓をスルーして真空管カッティングアンプにダイレクトにつなぎカットされたとの説明があります。プレスは米国。もちろんずしりと重い180gの重量盤。

あまりの見事なコンディションにためいきをつきつつ、一応VPIのクリーナーで洗浄の上針を落とすと、見事な響きが部屋に満ちます。スクラッチノイズゼロ。CDでは絶対に聴くことのできない実体感あるキレ味。そして音量を上げると録音会場の周りを車が走っているのでしょうか、低い暗騒音も加わり、迫力十分。このLPがリリースされたのが1996年ということでちょうど20年前になりますが、デジタルでもハイレゾでもこの痛快なキレ味を再現することは難しいのではないかと思います。あまりの迫力に熱も吹き飛びそうですが、そうはうまくいきません(笑)

ヤナーチェク四重奏団のハイドンは以前にも一度CDを取り上げています。

2012/07/28 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : ヤナーチェク弦楽四重奏団の「冗談」

こちらは録音も新しく2000年のもの。よく見てみると、メンバーは一人も共通しておらず、世代が変わっているのですね。今日取り上げる演奏の奏者は下記の通り。

第1ヴァイオリン:イルジー・トラヴニチェク(Jiri Traviniček)
第2ヴァイオリン:アドルフ・シーコラ(Adolf Sykora)
ヴィオラ:イルジー・クラトホヴィル(Jiri Karatachvil)
チェロ:カレル・クラフカ(Karel Krafka)

ヤナーチェク四重奏団の創立は1947年とのことですが、このLPの録音時のメンバーのうち第2ヴァイオリンのアドルフ・シーコラ以外は創立時からのメンバーということで、今回のアルバムは創立時に近い響きが聴かれるわけですね。

録音のことばかり書きましたが、このアルバム、演奏も超一級品です。

Hob.III:38 String Quartet Op.33 No.2 "The Joke" 「冗談」 [E flat] (1781)
冒頭から素晴らしい覇気。切れ込み鋭いタイトな響きに惚れ惚れ。落ち着いたテンポで入りますが、実体感あふれる4人のアンサンブルの緊密さに圧倒されます。4人ともに音色が揃い、じっくりと進みます。つづくスケルツォでもじっくりと畳み掛けるような充実した響きに聴き入るのみ。中間部の軽やかなメロディーも実に味わい深い音色なので高貴に聴こえます。絶品なのが3楽章のラルゴ。チェロの胴鳴りの美しい響きに乗ってゆったりとヴァイオリンがメロディーを乗せていきます。4人が織り上げる響きの美しさがLP独特のダイレクトな響きによって際立ちます。そしてコミカルな終楽章も4本の弦楽器の絶妙な響きの美しさに彩られ、一気に聴かせきってしまいます。演奏もさることながら、この素晴らしいLPの響きの魅力は圧倒的。

String Quartet Op.3 No.5 [F] (Doubtful 疑作 Composed by Roman Hoffstetter)
ホフシュテッターの作曲によるセレナード。1楽章は前曲同様落ち着いたテンポで弦楽器のダイレクトな響きで聴かせます。肝心の2楽章のセレナードもピチカートの音色が冴えまくって絶品。ヴァイオリンがこれほど豊かに響くことに驚かされるような鮮明な録音。弱音器付きのヴァイオリンのメロディーがピチカートに乗ってアーティスティックに響きわたります。続くメヌエットは音楽が優美に弾み、明るいメロディーが次々に登場します。ハイドンのメヌエットの緊密さとはやはり異なりますね。そしてコミカルなフィナーレ。ヤナーチェク四重奏団のタイトな演奏によって、このセレナードもフォーマルに響きます。聴き応え十分。

Hob.III:76 String Quartet Op.76 No.2 "Quintenquartetett" 「五度」 [d] (1797)
一転して重厚な入り。あいかわらず録音の良さは惚れ惚れするほど。主旋律ではないパートの音色の多彩さまでしっかりと伝わるので響きが実に豊かに聴こえます。曲の構成はより緊密となり、骨格ががっしりとした演奏により迫力も素晴らしいものがあります。畳み掛けるように進む1楽章では、優秀な録音もあって、見事な構成感。
この曲のアンダンテでもピチカートの音色の美しさが冴え渡ります。曲が進むにつれて様々な表情を見せますが、フレーズごとに各パートの豊かな響きが微妙に表情に影響を与え、たった4本の弦楽器なのに実に多彩な表情をつくります。演奏はどちらかといえばオーソドックスなんですが、音楽は豊か。
メヌエットは実にユニークなメロディー。チェロパートに耳を傾けて聴くとユニークさが際立ちます。そしてフィナーレは軽やかに入りますが、すぐに構成の緊密さに引き込まれます。最後は力強いフィニッシュ。

このヤナーチェク四重奏団によるスーパーアナログディスク、実に考えさせられるLPでした。演奏は一級品ですが、なによりその響きが素晴らしいんですね。CDでは絶対に味わえないタイトでダイレクトな響き。ビニールの円盤に溝を刻んだだけのLPから、このように迫力あふれる響きが聴かれるのに対し、技術の粋を尽くしたデジタル録音からはこのような心に刺さる響きは聴こえません。おそらく物理特性などではハイレゾなどまで含めればLP時代とは段違いのものが実現されているのでしょうが、音楽の完成度はLP時代の方が高かったのではないかと思わざるを得ません。このLPは家宝にします。評価はもちろん全曲[+++++]とします。

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tag : 冗談 五度 ハイドンのセレナード LP

アルベルニ四重奏団のOp.76(ハイドン)

またまた湖国JHさんから送り込まれたアルバムです。

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アルベルニ四重奏団(The Alberni Quartet)による、ハイドンの弦楽四重奏曲 Op.76の6曲を収めた2枚組のアルバム。収録は1990年1月、ロンドンの名録音会場、ヘンリー・ウッド・ホールでのセッション録音。レーベルはCollins Classics。

このアルバムが湖国JHさんから送られてきた時、てっきり同じくCollinsからリリースされているロバート・ハイドン・クラークの交響曲集かと思ってよく見たところ、そっくりの体裁の全く異なるアルバムだと気付いた次第。ロバート・ハイドン・クラークの交響曲集はお気に入りのアルバムなので、それと同じ体裁のシリーズということで、リリース元のCollinsの総力を結集したアルバムに違いないとの気配を感じて聴き始めたところ、まさにその通り。これがなかなか素晴らしいアルバムなんですね。

奏者のアルベルニ四重奏団はもちろんはじめて聴く団体。ライナーノーツには奏者の情報がないためネットで調べてみると、拠点をロンドン北部のニュータウン、エセックス州ハーロウ(Harlow)に置くクァルテットとのこと。設立は意外に古く、1960年代とのことで、メンバーを変えながら現在も活動を続けています。この録音当時のメンバーは下記の通り。

第1ヴァイオリン:ハワード・デイヴィス(Howard Davis)
第2ヴァイオリン:ピーター・ポップル(Peter Pople)
ヴィオラ:ロジャー・ベスト(Roger Best)
チェロ:デヴィッド・スミス(David Smith)

第1ヴァイオリンのハワード・ディヴィスは35年間にわたりこのクァルテットの第1ヴァイオリンを務めた人でイギリスでは有名な人のようです、2008年に亡くなっているとのことです。ハワード・デイヴィスの楽器は1695年製のストラディヴァリウス"The Maurin"ということで、美音を轟かせるのでしょうか。

今日は前半の3曲を取り上げます。

Hob.III:75 String Quartet Op.76 No.1 [G] (1797)
速めのテンポによる鮮烈な入り。やはりハワード・デイヴィスの艶やかなヴァイオリンの音色が格別な輝きを放ってます。あえて休符を短めにとることで見通しの良い音楽になり、グイグイ進みます。4本の楽器の目の詰んだ織り目の綾の美しさで聴かせるような演奏。音量を上げて聴くと巷で話題のグリラー四重奏団のようなざっくりと織り上げる魅力のようなものを放っています。冒頭から素晴らしい迫力に圧倒されます。
つづくアダージョは手堅いチェロに伸びやかなヴァイオリンの好対照。やはりヴァイオリンの美しい響きが別格の美しさ。特に高音部は倍音が良く乗って素晴らしい艶やかさ。フレージングは柔らかく、呼吸も深いゆったりとした音楽が流れます。残響の美しさは流石にヘンリー・ウッド・ホール。
メヌエットは迫力重視で若干音程がふらつくところもありますが、4人の息はピタリと合ってます。相変わらずハワード・デイヴィスのヴァイオリンの美音炸裂。別格の存在感ですね。他の奏者が道を譲って、デイヴィスの独壇場。
そしてフィナーレはキレの良さが加わり、落ち着いた中にも弓に力が入り、徐々に緊張感が高まっていきます。全奏者が踏み込んで少々前のめりで攻めてきます。1曲目から流石なところを見せつけます。

Hob.III:76 String Quartet Op.76 No.2 "Quintenquartetett" 「五度」 [d] (1797)
続いて五度。速めのテンポが実に心地よい入り。きっちりとした構成の1楽章をミクロコスモスのようなコンパクトでタイトな魅力で聴かせます。速めが急いた感じは与えず、曲の魅力をくっきりと表現しているのは流石なところ。逆に弓裁きの鮮やかさを印象付けます。ダイナミックさも十分、曲の魅力を描ききった感を与えます。
つづくアンダンテは、もちろんテンポは落とすのですが、一貫性を保ち、音楽の自然な流れの良さを保ちながら落ち着いてメロディーを置いていきます。アンサンブルの一体感も微塵も崩さず、4人が一体となって音楽を奏でます。途中のヴァイオリンソロのさりげない美しさがこのアルバムの演奏の質の高さを物語るよう。
独特の濃い音楽が特徴のメヌエットですが、緊密なアンサンブルで爽快感が漂うほどのあっさりとした表情でさらりとこなします。演奏によってはくどいほどのメリハリをつけてくるのとは好対照。
そして予想どおり爽快なフィナーレ。あえてサラリとした感触を残そうとしている節があり、特にフレーズの切れ目をサラリと引き上げるところが特徴。最後は素晴らしい迫力を伴い、くっきりとした表情のまま力みなぎるフィニッシュ。

Hob.III:77 String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
前曲同様、速めなテンポでタイトな魅力を放ちます。目の荒さも同様、ざっくりとした表情も変わらず、素晴らしい推進力での入り。速さに負けないしっかりとしたボウイングでくっきりとした表情が引き立ちます。特に第1ヴァイオリンの高音の伸びやかさが印象的。
有名な2楽章も比較的速め。淡々と運ぶ音楽の美しさで聴かせる演奏。変奏を重ねていくあたりからはテンポも上がり、緊張感も上がります。ここでも休符をあえて短めにすることで音楽の見通しが良くなり、タイトな表情の魅力で聴かせます。音楽の立体感が一層際立ち最後は透き通った凛とした美しさに至ります。悪くありません。
変わらず速めのメヌエットをはさんで、鮮烈なフィナーレに至ります。あらん限りの力で楽器を鳴らしきりながらも、繊細さを失わない進行は流石なところ。一貫して見通しの良さを失わず、コンパクトに起承転結を表現します。
後半3曲も演奏のスタンスとレベルは変わらず、コンパクトながらきりりと引き締まったハイドンのクァルテットの魅力を十分に表現しきった名演奏。

アルベルニ四重奏団によるOp.76の6曲を収めたアルバムですが、Collins CLASSICSの威信をかけたプロダクツにふさわしい素晴らしい出来でした。やはり第1ヴァイオリンのハワード・デイヴィスの輝かしい音色をベースにしながらも、速めのテンポでグイグイと攻めながらタイトにまとめるという、これまでの名演とはちょっとタイプの異なる演奏でした。ゆったりと沈む演奏もいいものですが、アルベルニ四重奏団の演奏のこの見通しのよい演奏も捨て難いもの。6曲とも高いレベルで揃えてくるあたりもこのクァルテットの実力の高さを物語るものでしょう。もちろん全曲[+++++]とします。

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tag : 皇帝 弦楽四重奏曲Op.76 五度

パスカル四重奏団の「五度」(ハイドン)

本日はなんとなく古い演奏を聴きたくなって取り出したアルバム。

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パスカル四重奏団(Quatuor Pascal)の演奏による、バッハのフーガの技法よりコントラプンクトゥスNo.1、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.2「五度」、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第3番Op.18-3、同じくベートーヴェンの弦楽四重奏のための大フーガOp.133の4曲を収めたアルバム。ハイドンの収録は1948年。レーベルは原盤はEMIですが、今日取り上げるアルバムは新星堂が復刻している「フランスの弦楽四重奏団ー名演の遺産1928-1956」というシリーズの第17巻。

このアルバムはしばらく前にディスクユニオンで発見したもの。調べてみると2000年に新星堂がフランスの弦楽四重奏団というシリーズで全20枚にわたってリリースされたなかの1枚。このシリーズの存在は知ってはいましたが、手に入れるのははじめてのこと。ライナーノーツには弦楽四重奏に詳しい幸松肇さんによる「フランスに於ける弦楽四重奏小史」と題された記事が添えられており、近代弦楽四重奏の発展におけるフランス系の弦楽四重奏団の役割などが詳しく書かれた貴重なもの。

ライナーノーツによれば、パスカル四重奏団は、ヴィオラ奏者のレオン・パスカルがマルセイユで1941年に設立したクァルテット。当初パスカル四重奏団と名乗っていたものの、その後フランス国立放送管弦楽団に所属して、1944年からR.D.F弦楽四重奏団、1945年からはO.R.T.F.弦楽四重奏団という名称となったということですが一般には当初のパスカル四重奏団という名で知られていたとのこと。レオン・パスカルは1899年、モンペリエ生まれのヴィオラ奏者。1919年から自身を含む3兄弟によるパスカル四重奏団として活動し、その後マルセル・シャイー四重奏団、カルヴェ四重奏団などで活動。1941年、ヴァイオリンのジャック・デュモンに呼びかけパスカル四重奏団を結成し、1960年まで活動を続けました。メンバーは下記のとおり。

第1ヴァイオリン:ジャック・デュモン(Jacques Dumont)
第2ヴァイオリン:モーリス・クリュー(Maurice Crut)
ヴィオラ:レオン・パスカル(Léon Pascal)
チェロ:ロベール・サル(Robert Salles)

解説によれば、第1ヴァイオリンのジャック・デュモンの軽快極まるボウイングに対比される重量豊かなボウイングの妙味、即興的フレージングなど、悪魔的ともいえるほどの魅力が潜んでいることが特徴とのこと。いやいや悪魔的とまで書かれてはその演奏に興味をそそられるところです。

Hob.III:76 / String Quartet Op.76 No.2 "Quintenquartetett" 「五度」 [d] (1797)
バッハの小曲のまさに悪魔的な演奏に続いてハイドンの名曲「五度」。SP原盤ということで心地よい針音に乗ってアンサンブルが聴きなれた五度のメロディーを奏でていきます。アンサンブルの精度はそれなりですが、冒頭からかなりせめぎ合う緊密なやりとり。速めのリズムに乗って、第1ヴァイオリンのジャック・デュモンはかなり自在な弓使い。1948年の録音というのが信じがたい鮮明さでかなり踏み込んだ演奏。しなやかではありますが、各奏者がクッキリとメロディーにメリハリをつけながら、アンサンブルとしてもかなりの緊張感を孕みながら、音を重ねていきます。カペー四重奏団のような古き良きスタイルとは異なり、演奏スタイルは古さを感じさせません。速めのテンポでグイグイ攻めていくからでしょうか。
2楽章もテンポは速めでサクサクと進めますが、メロディは妙に色っぽく、速さからすると十二分に表情は豊か。こうした演奏スタイルは現代ではほとんど聴かれなくなってしまっています。この濃いニュアンスこそフランスのクァルテットの真骨頂でしょうか。
メヌエットは逆に直裁さを表現しようということか、ボウイングも素直で堂々としたもの。楽章間の対比がかなり明確に表現されています。そしてフィナーレは再び速いテンポながら濃いめの表情に戻ります。タッチの軽やかさで聴かせる部分のキレはなかなかのもの。そして濃いめの表情との対比は言うなれば悪魔的。モーツァルトのデモーニッシュさとは異なり、天才肌のジャック・デュモンの妙技の冴えを評しての言葉ということでしょう。

いまから60年以上前に録音されたハイドンの五度。鮮明な録音で聴く現代のクァルテットとは異なり、精緻さは求められない代わりに表現の濃さこそが聴きどころとされた時代の貴重な録音です。この演奏、数多の演奏のなかから60年以上の歳月を超えて聴き継がれる理由のある演奏でしょう。ポルタメントを効かせた古き良き時代のハイドンとは異なり、このクァルテッットにしか奏でられない艶やかかつキレの良い妙技を尽くした音楽を聴くことができます。偉大な個性を聴くと言う意味で聴きつづけられるべき演奏でしょう。評価は[++++]とします。やはりクァルテットを聴きこんだベテラン向けの演奏です。

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tag : 弦楽四重奏曲Op.76 五度

カルドゥッチ四重奏団の弦楽四重奏曲集(ハイドン)

10月最初のアルバムはこちら。

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カルドゥッチ四重奏団(Carducci Quartet)の演奏で、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.50のNo.6「蛙」、Op.20のNo.4、Op.76のNo.2「五度」の3曲を収めたアルバム。収録は2006年、ロンドンの南、レオナルド・スタンレーの聖スウィザン教会(St. Swithun's Church)でのセッション録音。レーベルはクァルテットの自主制作だと思われるCarducci Classics。

演奏者もレーベルもはじめて聴くもの。よほど詳しい方しか聴いたことがないのではということで、お察しのとおり、湖国JHさんから貸していただいているもの。ジャケット写真を見ると、若手の美男美女の組み合わせのクァルテットです。調べてみると彼らのウェブサイトがありました。

Carducci String Quartet

かなりアーティスティックなつくりで、コンテンツも充実しています。

メンバーはもともとイギリスとアイルランドの音楽学校の卒業生で、卒業後、アマデウス、チンギリアン、タカーチ四重奏団などのメンバーのもとで学び、近年では7つ以上の著名な国際コンクールに入賞するなど、ヨーロッパの若手のクァルテットでは知られた存在とのこと。コンサートツアーは、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、ベルギー、スコットランド、ハンガリー、イタリアなどヨーロッパはもちろん、日本にも来ているようです。もともとイタリアのトスカーナ州の地中海岸に近いカスタニェート・カルドゥッチ(Castagneto Carducci)で開催されているカスタニェート・カルドゥッチ音楽祭で度々演奏しており、その街の名から市長の祝福を得てクァルテットの名前をとったということです。メンバーは下記のとおり。

第1ヴァイオリン:マシュー・デントン(Matthew Denton)
第2ヴァイオリン:ミカエレ・フレミング(Michelle Fleming)
ヴィオラ:エオイン・シュミット=マーティン(Eoin Schmidt-Martin)
チェロ:エマ・デントン(Emma Denton)

日本では今ひとつ知られた存在では無いと思いますが、実力はすばらしいものがあります。このアルバム、CDプレイヤーにかけたとたん、豊かな音楽が部屋に溢れ出してきました。弦楽四重奏としては理想的な響き。生の弦楽器が響きの良いホールので演奏しているような素晴しい響きを堪能できるアルバムです。流石に湖国JHさん、送り込んでくる玉が違います(笑)

Hob.III:49 / String Quartet Op.50 No.6 "Frosch" 「蛙」 [D] (1787)
一音目からなんと豊穣な響きでしょう。教会らしい豊かな残響をともなっていますが、鮮明さは保った理想的な録音。流石このクァルテットのためのレーベルといっていいでしょう。4人の息がピタリと合って、音色もボウイングもピシッと合った完璧なハーモニー。流麗さと適度な躍動感に音楽自体が活き活きと踊ります。1楽章から身をの出して聴き入る素晴しいアンサンブル。光のあたっている部分とその影の濃淡まで豊かな階調で描いていき、グラデーションの豊かなモノクロームの写真のような芸術性を感じます。
つづくボコ・アダージョは陰りの音楽。抑えた表情の中にも1楽章同様豊かな濃淡があり、静けさを基調としながらも、揺れ動く表情の面白さをじっくり堪能できます。そして光がさっと射して明るさを取り戻すメヌエット。軽妙なタッチを楽しむかのように弾みます。
フィナーレは蛙の鳴き声を思わせるバリオラージュ奏法による不思議な響きがユニークな曲。軽いタッチは続き、コミカルな表情をじつにうまく表現して、この曲の面白さを浮かび上がらせます。曲の構造をしっかり踏まえて演奏を巧みにコントロールする音楽性をもちあわせていますね。

Hob.III:34 / String Quartet Op.20 No.4 [D] (1772)
続いて、すこし遡って太陽四重奏曲からNo.4。冒頭の響きが蛙のフィナーレの韻を踏むような和音に感じるのは私だけでしょうか。この曲でもアンサンブルは見事。エッジが立った精緻さというよりはハーモニーが深く共鳴している感じ。このアンサンブルのしなやかさがこのクァルテットの特徴でしょう。4人の音楽が深いレベルで響きあっているのが良くわかります。奏者の呼吸が音楽の起伏をつくり、息づかいのしなやかさが音楽を流麗にしています。2曲目にして、このクァルテットの音楽にすっかり魅了されました。
2楽章では切々たる表情をつくりながらも自然さを残し、それぞれの奏者が代わる代わる音楽を引き継ぎ、糸を紡ぐようにメロディーを重ねていきます。とりわけチェロの存在感が印象的。さっぱりとしながらも楽器をよく鳴らして孤高の表情を焼き付けます。この曲の白眉のような素晴しい演奏。クッキリとしたメヌエットを経て、フィナーレはヴァイオリンの音階の軽快感、自在なテンポの変化をコミカルに聴かせ、最後まで軽さを失わない秀演でした。

Hob.III:76 / String Quartet Op.76 No.2 "Quintenquartetett" 「五度」 [d] (1797)
最後はこれも名曲「五度」。予想通り適度にしなやかな入り。鋼のような響きを聴かせる演奏もありますが、しっとりとハーモニーを聴かせていく玄人好みの演奏。一貫して自然さを失わず、落ち着いて音楽の起伏を表現していくあたりは実に見事。この曲をこれだけしなやかに聴かせる演奏はあまり覚えがありません。音楽の安定感はチェロのリズムの刻みの自然な正確さにあるような気がします。若手にもかかわらずこの音楽の豊かな安定感は流石。万全のハイドン。
アンダンテはピチカートの伴奏が入りますが、不思議と余韻の長いピチカートがゆったり感を醸し出します。ヴァイオリンは低音から高音まで行き来しながらメロディーラインを浮かび上がらせます。この曲で最も特徴的なメヌエットはほどほどの切れ込みかたでザクザクとメロディーを刻み、あくまでも自然に楽章間を移っていきます。フィナーレも力が入りすぎることなく、適度な力感で攻め込み、バランスの良い盛り上がりを聴かせます。この全体の流れを見越しての冷静な視点の存在がこのクァルテットの一番の美点でしょう。最後はハイドンらしく、余裕を残しながら、コミカルな変化を楽しむように終わります。

いやいや、このアルバム、気に入りました。若手らしからぬ成熟した音楽が流れます。しかも強音やキレで聴かせるのではなく、自然な佇まいやフレージングで聴かせるなど、かなり音楽性に自信がないとできないスタイルでの演奏です。録音も良く弦楽四重奏の楽しみが詰まったアルバム。評価はもちろん全曲[+++++]をつけます。選曲も良く、多くの人に聴いていただきたい名盤です。手に入るうちにどうぞ!

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tag : 弦楽四重奏曲Op.50 弦楽四重奏曲Op.20 弦楽四重奏曲Op.76 五度

驚愕の名演 シャロン四重奏団の冗談、五度(ハイドン)

皆さま、明けましておめでとうございます。地道にハイドンの名演奏発掘を志すマイナーなブログですが、本年もよろしくお願いいたします。

年始一発目はこちら。

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シャロン四重奏団(THe Sharon Quartet)の演奏による、伝ハイドンの弦楽四重奏曲Op.3のNo.5、いわゆる「ハイドンのセレナード」、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.33のNo.5「冗談」、Op.76のNo.2「五度」の3曲を収めたアルバム。収録は1989年6月、ドイツ、ケルンの聖ヨハネ教会でのセッション録音。レーベルはDISCOVER INTERNATIONAL。

DISCOVER INTERNATIONALといえば、先日取りあげたワリド・アクルのピアノソナタ集などをリリースしているレーベル。アクルのアルバムでは"KOCH" DISCOVER INTERNATIONALとKOCHの名前が入っていたのですが、このアルバムにはKOCHの名前が入っていません。今日取り上げるアルバムの方が録音年代が古いことを考慮すると、この後このレーベルをKOCHが傘下に収めたということでしょうか。この辺の状況はわかりません。KOCH自体ももう存在しませんが、KOCHといえばハイドンマニアの方は、マンフレッド・フスによる室内楽、管弦楽の素晴しい演奏の数々を思い浮かべるでしょう。そう、ハイドンマニアには注目のレーベルなんですね。幸いフスの録音は現在スゥエーデンのBISからかなりの量リリースされていおり、現在も流通しているものと思います。

前振りが長くなりましたが、このアルバム、例によって湖国JHさんから貸していただいたもの。地味なジャケットですが、かく言う背景から、DISCOVER INTERNATIONALのロゴにアンテナがピンときました。

演奏者のシャロン四重奏団はもちろんはじめて聴く団体。設立は1984年で、第1ヴァイオリンがギル・シャロンということが楽団名の由来のようです。メンバーは下記の通り。

第1ヴァイオリン:ギル・シャロン(Gil Sharon)
第2ヴァイオリン:ロディカ=ダニエラ・チョチョイ??(Rodica-Daniela Ciocoiu)
ヴィオラ:ゲオルク・ハーグ(Georg Haag)
チェロ:カタリン・イレア=マイアー(Catalin Ilea-Meier)

第1ヴァイオリンのギル・シャロンはどうやらルーマニアの人のよう。ブカレストで学び、ルーマニア国内各地を演奏してまわったそう。1961年イスラエルに渡り、テル・アヴィヴ大学のルービン・アカデミーで引き続き学びます。その後イスラエル軍弦楽四重奏団の創設メンバーとなり、ダヴィド賞を受賞、1971年にはロンドンで開催されたエミリー・アンダーソン国際ヴァイオリンコンクール優勝しました。その後、マーストリヒト交響楽団のコンサートマスター、バルセロナ交響楽団の客演コンサートマスターなどとして活躍すると同時にソロヴァイオリニストとしても活動し、ヨーロッパ各国、イスラエルなどでコンサートを開いています。室内楽ではこのシャロン四重奏団とアマティ・アンサンブルを創設して活動しているとのことです。

このアルバム、聴くとシャロンの落ち着いたヴァイオリンをベースとしたのどかな音楽が流れてきます。最近非常に凝った表現のアルバムが多いなか、テンポはほとんど揺らさず、メリハリもそこそこ、かといって一本調子になるでもなく、じつに落ち着いた音楽が流れ、癒されるようなハイドン。そういった意味で貴重な演奏でしょう。

String Quartet Op.3 No.5 [F] (Doubtful 疑作 Composed by Roman Hoffstetter)
久しぶりに聴く「ハイドンのセレナード」。録音は時代なり。教会での演奏らしく、適度に残響がのった聴きやすい録音。先に触れた通り、非常にオーソドックスな弦楽四重奏。キリリと締まった表情、テンポ良く進め、外連味は一切なく堅実この上ない演奏。4人の奏者の息はぴったりですが、やはり第1ヴァイオリンのギル・シャロンの美音が印象的な演奏。このオーソドックスな演奏がかえって新鮮です。
有名な二楽章のアンダンテ・カンタービレは速めのテンポでこれ以上ない安定感。デリケートに抑えられた3人のピチカートに乗って、ギル・シャロンが優雅にメロディーを奏でます。良く聴くと素晴しい完成度。美しい音楽だけが流れます。これは絶品。
メヌエットも4楽章のスケルツァンドも速めで音楽の見通しは極めてよく、久しぶりに粋な演奏を聴いたという感想。まったく力まず、軽々と音楽を奏でていき、特に4楽章は踊り出すような活き活きとした表情をつくっていきます。この演奏の良さは、弦楽四重奏曲を聴き込んだ人にはわかると思います。1曲目からあまりに見事な演奏に驚きます。

Hob.III:38 / String Quartet Op.33 No.2 "The Joke" 「冗談」 [E flat] (1781)
シャロン四重奏団の演奏スタイルが絶対に映えそうな選曲。予想通り軽やかなメロディーが流れてきます。前曲同様、1楽章から素晴しい音楽。どの楽章も速めのテンポで、楽章間の対比をつけるような意図はなく、一貫した音楽が流れますが、ただただ美しい音楽が見通しよく流れていき、聴いているうちに実に幸せな気分になります。1、2楽章は予想通りだったんですが、驚いたのは3楽章のラルゴ。これほど美しいラルゴを聴けるとは。冒頭から信じられないような美音で、ようやく深くテンポを落としてじわりと心に迫ってきます。チェロとビオラの奏でる伴奏の美しさったらありません。またそれに乗ってギル・シャロンのボウイングが冴え渡ります。まさに至福のラルゴ。お正月気分が吹き飛びます。またもや絶品。
そして、この曲の聴き所。過度にくだける事はなく、凛々しい印象のまま、軽々とフレーズを刻んでいきます。まさに正統派の演奏。すべてのクァルテットの教科書になりそうな、見事な完成度。最後の聴かせどころも素晴しいセンスでまとめます。

Hob.III:76 / String Quartet Op.76 No.2 "Quintenquartetett" 「五度」 [d] (1797)
すでに完全にノックアウトされています。この完成度で五度を聴かされたらと思いながら、まさにワクワク感満点で聴き始めます。速めのテンポは変わらず。そしてバランスの良い落ち着いた演奏スタンスも変わらず、五度の最も美しい冒頭の部分を畳み掛けるように進めていきます。この素晴しい完成度、神々しいというのが相応しいでしょう。素晴しい音楽が流れていきます。良く聴くと時折、ぐっと音量をしぼっているので、引き締まった印象が保たれている事がわかります。
やはり、この曲でもアンダンテが沁みます。情に流されない素晴しいアンサンブル。ヴァイオリンの美音。ハイドンのアンダンテはこのように演奏するのだと諭されているよう。なぜか心にぐっさりささる音楽。終盤の孤高の境地。
五度でもっとも表現が難しいと思われるメヌエット。野暮な演奏で聴くと、ただ荒々しいだけの殺伐とした音楽に成り下がってしまうリスクをはらみますが、流石シャロン四重奏団はツボを押さえて、心に刺さると同時に気高さも感じるタイトな音楽に仕立てました。
フィナーレはこのアルバムで最も力の入った演奏。力が入ったというより、力感の表現が秀逸だといったほうが正しいでしょう。斬り込むような鋭い音色が続きますが、クッキリとまとめて音楽の一体感が際立ちます。いやいや参りました。湖国JHさんが苦手だったこの曲をこの演奏を聴いて好きになったというのが頷ける演奏です。

実はこのアルバム、年末から何度も聴いていてあまりの素晴しさに打たれ続けていたもの。やはりお正月最初に取りあげるのが相応しいとの思いで、レビューを先送りしてきました。弦楽四重奏曲はたった4本の弦楽器のアンサンブルですが、その表現の幅はまことに広く、実に様々な演奏があります。今日とりあげたシャロン四重奏団のハイドンは、まさにハイドンの弦楽四重奏の原点、それも容易には真似の出来ない恐ろしいまでに完成された原点たる演奏といって良いでしょう。このすばらしさは多くの人に聴いていただく価値があります。残念ながら現役盤ではありませんが、amazonなどではまだ手に入るようですので、是非! 3曲とも決定盤、評価は[+++++]以外にはあり得ません。新年の幕開けに相応しい名盤でした。

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tag : ハイドンのセレナード 冗談 五度 弦楽四重奏曲Op.33 弦楽四重奏曲Op.76

ロータス・カルテットの五度、Op.20のNo.4(ハイドン)

今日は日本のクァルテッットによる弦楽四重奏曲。

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ロータス・カルテット(Lotus String Quartet, Stuttgart)の演奏による、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.2「五度」、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲Hess34(ピアノソナタ9番の編曲)、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.20のNo.4の3曲を収めたアルバム。収録はOp.20が2012年11月28日、その他が12月5日、東京の品川区立五反田文化センターの音楽ホールでのセッション録音。レーベルは日本のLIVE NOTES。

ロータス・カルテット(本来シュツットガルト・ロータス弦楽四重奏団と訳すのでしょうが、下に掲載した音楽事務所の記載にあわせています)は1992年に結成されたクァルテット。翌93年に大阪国際室内楽コンクールで3位入賞しました。95年にドイツに渡り、シュツットガルト音楽大学に入学し、メロス四重奏団に師事。その後、97年にロンドン国際弦楽四重奏コンクールでメニューイン特別賞、パオロ・ボルチアーニ国際弦楽四重奏コンクールで3位になる等の実績を残しています。現在1人だけ外人の男性がメンバーとなっていますが、彼は2005年にシュツットガルト弦楽四重奏団の第1ヴァイオリンだったマティアス・ノインドルフ。活動の舞台はヨーロッパらしく、2006年の来日が久々の来日。2008、2012年と来日しているようですが、2012年は結成20周年ツアーということでNHKのテレビでも放送されたと言う事です。

コジマ・コンサートマネジメント:ロータス・カルテット

ということで、ご存知の方はご存知なんでしょうが、私はまったくはじめて聴くクァルテット。ハイドンが2曲も入ったアルバムを出されては、放っておく訳には参りません。メンバーは次の通り。

第1ヴァイオリン:小林 幸子(Sachiko Kobayashi)
第2ヴァイオリン:マティアス・ノインドルフ(Mathias Neundorf)
ヴィオラ:山崎 智子(Tomoko Yamasaki)
チェロ:齋藤 千尋(Chihiro Saito)

Hob.III:76 / String Quartet Op.76 No.2 "Quintenquartetett" 「五度」 [d] (1797)
冒頭からかなりタイトでハイテンションな響き。オンマイクで鮮明に録られた直接音重視の録音。間近で4人が弾いているような近接定位。1楽章は速めのテンポでグイグイ畳み掛けるような演奏。まさに大上段に構えた正攻法の演奏。第1ヴァイオリンの小林幸子さんのキレのよい弓さばきが印象的。
つづくアンダンテに入ると、リラックスした雰囲気に変わりますが、音楽が濃くなるわけではなく、なんとなく淡々とした演奏。もう少し沈むといいなと思いつつ聴き進むうちに第1ヴァイオリンの奏でる音楽に突然光がさすような輝き。徐々にヴァイオリンのプレゼンスが上がってきます。
メヌエットは日本人らしい、カッチリとした線が通った演奏。若干几帳面すぎるような印象も感じさせますが、ダイナミックさよりはクリアに響かせることを意図しているよう。綺麗に鉋のかかった垂木の連続する様を見るような細やかな肌合いの規則正しさを感じさせます。
そしてフィナーレに入ってもこの透明感を感じさせる印象は一貫しています。表現は一歩踏み込んできますが、クッキリした和風の良さを感じさせる響きは変わらず。良く聴くと録音のバランスの問題か、チェロの音量がかなり控えめ。これがガラス細工のようなカッチリとした響きの印象に大きな影響があるのでしょう。ヴァイオリンの高音主体のクッキリとした響きが耳に残ります。

Hob.III:34 / String Quartet Op.20 No.4 [D] (1772)
録音日は異なりますが、響きの質は変わりません。前曲よりも25年も前の作曲になりますが、曲のスタンスは落ち着きはらって、構成感でも負けていません。曲の構成をより深く表現しているようで、沈む所は沈み、輝くところは輝く、なかなかメリハリの効いた演奏。生々しい弦楽器の音色の迫力が良く伝わる録音。
アダージョに入ると、前曲で比較的淡々としていたのと異なり表現が深くなります。そしてしばらくすると、今まで大人しかったチェロが雄弁に語りはじめ、渋い美音を轟かせるように。ひとつひとつの楽器の存在がクッキリと浮かび上がりながら、アンサンブルのラインもきちんとそろって、なかなかの精度。一人一人のメリハリがきっちりついているからこその存在感でしょう。このアルバムの聴き所。
短い弾むメヌエットを挟んで、フィナーレはハイドンのフィナーレの面白さの詰まった缶詰のような曲。疾風のような速度で、様々な機知が詰め込まれた曲を、ロータス・カルテットはまさに畳み掛けるのを楽しむような展開。テクニックは十分で、変化に富んだ曲の、一つ一つのフレーズを変化させながらグイグイ進めていきます。良い意味で粗さも感じさせて、最後は上手くまとめて終わります。

はじめて聴く、ロータス・カルテットのハイドンは、超hi-fi録音による、極めてリアルな弦楽四重奏の響きに撃たれるようなハイドン。もう少しゆったりとメロディーを楽しみ、曲をどう弾くかを余裕あるスタンスで楽しみたいという気にもさせるような、ストイックな印象も感じました。これは鮮明な録音のせいでもあり、また、このロータス・カルテットの個性でもあるのでしょう。人によって評価が割れるアルバムかもしれません。タイトに攻めるハイドンが好きな方にはなかなかの演奏。逆にハイドンの曲の美しいメロディと構成を楽しみたい方にとっては、ちょっとテンションが高すぎるかもしれません。私の評価は両曲とも[++++]としておきます。この演奏の素晴らしさを認めた上で、もう一段の余裕があればと思います。

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tag : 弦楽四重奏曲Op.76 五度 弦楽四重奏曲Op.20

アウリン四重奏団の「五度」「皇帝」

このところ弦楽四重奏曲のいい演奏を聴いて、ますます弦楽四重奏曲の魅力に取り憑かれています。今日は少しづつ収集を続けているこちら。スポーツクラブでひと泳ぎしてかえってくるとamazonから到着していました。

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アウリン四重奏団(Auryn Quartet)の演奏による、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.76の6曲を収めたアルバム。収録は2009年、ドイツ、ケルンの東20kmほどにある街ホンラートにあるホンラート教会でのセッション録音。レーベルはドイツのTACET。

アウリン四重奏団の弾くハイドンの弦楽四重奏曲は非常に気に入っているのですが、アルバムはすべてバラで、レギュラープライスということで、全14巻のうち手元にあるのはまだ6巻。すこしづつ買い集めていては楽しんでいます。これまで2度取りあげていますので、いつものように記事へのリンクを貼っておきましょう。

2012/08/03 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : アウリン四重奏団のOp.77
2012/01/07 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : アウリン四重奏団のOp.74

演奏者の紹介などはOp.74の記事の方をご参照ください。

TACETのこのシリーズはアウリン四重奏団の伸び伸びとした透明感のある演奏を極上の録音で録られた非常に完成度の高いシリーズ。アウリン四重奏団は一貫して安定感のある演奏ですが、曲ごとに微妙に演奏スタイルを変えてくることもあり、今日とりあげるキラ星のごときハイドンの最高傑作がどう響くか、コンサートの開演前のような気持ちにさせられます。Op.76という全曲名曲揃いの作品ですが、今日は中でも皆さんにおなじみのNo.2の「五度」とNo.3の「皇帝」を取りあげましょう。

Hob.III:76 / String Quartet Op.76 No.2 "Quintenquartetett" 「五度」 [d] (1797)
やはり録音の素晴らしさが際立ちます。いきなり広い空間にクッキリと4人が定位する見事なもの。非常にキレのいいクァルテットの響きが部屋に出現します。演奏の方も一人一人の奏者がクッキリとメロディーラインを描き、特に第1ヴァイオリンのマティアス・リンゲンフェルダーの糸を引くような伸びのあるクリアな音色がアンサンブルの響きを華やかにしています。短調の入りはクリアに畳み掛けるようにグイグイ入ってきますが、洗練された印象を与えるのがアウリンの特徴でしょう。4人の演奏がそれぞれ分離して聴こえるのに見事にアンサンブルがそろっていて、お互いに響きを確認しあっているのがわかるような素晴らしい掛け合い。
2楽章のアンダンテはそれぞれの奏者が抑えた表現ながら、さらに響きが深くなります。ピチカートが教会内に響く余韻の美しいこと。途中のアクセント以外の部分はかなり抑えて、自身の演奏の余韻を楽しんでいるような余裕のある演奏。
非常に強い印象の残るハイドンとしては珍しいメヌエット。アウリン四重奏団は強さばかりではなくかなり大胆な音量変化をつけて繊細さも聴かせところとばかりに音量を落とすところしっかり落とす事でクッキリとしたメリハリをつけていきます。
フィナーレは鋭く疾走するような演奏。ヴァイオリンの細身ではありながらもクッキリとした音色が全体の響きに隈取りをつけて、鮮明さを保ちながら、劇的に畳み掛けるので、激しさばかりではなく、どこか都会的な洗練を感じさせます。最後にすこし溜めて曲の終わりを演出します。

Hob.III:77 / String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
入りの前の呼吸が鮮明に録られてまるでライヴのような緊張感。前曲より演奏自体がリラックスしているのか、活き活きとした、ノリのよい演奏に聴こえます。奏者も脂が乗って弓さばきに勢いがあります。録音前にワインでも引っ掛けたのでしょうか(笑) もともとクッキリしているヴァイオリンに対し、ヴィオラとチェロが前曲以上のプレゼンスで音を乗せていってます。録音は基本的に前曲とそろっていますが、演奏のノリが良いのでよりライヴに近いバランスに聴こえます。具体的には残響が少し増えて、華やいだ感じが強まってます。この楽章、弦楽四重奏の表現としては力感に溢れ、強い響きと精妙な響きの間を繰り返し往復しながら感興が渦巻いて高まるような名演です。
ドイツ国歌のメロディーとして知られる2楽章は、前楽章の興奮を鎮めるように、抑えてはじまりますが、いつものクリアな感じより少し叙情的な面が強くなっています。変奏は各楽器が雄弁になり、鳴きも少し入ります。ガラス細工のような光り輝く繊細さと、叙情的なフレージングが相俟ってえも言われぬ美しさ。
メヌエットは再びアウリン四重奏団特有の洗練されたクリアさが戻ります。静寂を切り裂くように入る鋭さ、鮮明なリズム、各楽器の自在な表現とまさにアウリンならではの響き。
フィナーレはここぞとばかりに切り込むようにはじまります。凄まじい集中力と響きの凝縮力。ともすると単調さをはらみそうなフィナーレの強奏ですが、フレーズごとの表情付けがうまく、また快速の音階と強音のバランスが良いせいか、非常に変化と緊張感の富んだ素晴らしいフィナーレになっています。最後は凄まじいエネルギーを放出して終了。

お気に入りのアウリン四重奏団の「五度」と「皇帝」は、やはり期待した以上の素晴らしい演奏でした。鋭さ、強さにしなやかさ、繊細さを兼ね備えた演奏。そしてまるでライヴかと思わせるすばらしい緊張感。ハイドンの弦楽四重奏曲を聴く楽しみ、悦びを満喫できる名演奏と言うべきでしょう。そして極上の録音もこのアルバムの価値を高めています。もしかしたらそのうちセットで発売されるかもしれませんが、それまで収集を思いとどまることはできませんので、継続して収集いたします。もちろん評価は[+++++]とします。

このアルバム、出だしのOp.76のNo.1もアウリンらしい名演。もしかしたら録音面ではNo.1が弦楽四重奏曲の面白さが伝わるかもしれません。各楽器が次々にメロディーを重ねていく部分など、絶品の録音です。

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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : 弦楽四重奏曲Op.76 皇帝 五度

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Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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2017年7月のデータ(2017年7月31日)
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