アルコ・バレーノによる室内楽版「時計」、99番、「ロンドン」(ハイドン)

またしても湖国JHさんから送り込まれた渋めのアルバムにハマりました。好みが枯れてきています(笑) 

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アルコ・バレーノ(Arco Baleno)による、ペーター・ザロモン(Peter Salomon)編曲の室内楽版の交響曲101番「時計」、99番、104番「ロンドン」の3曲を収めたアルバム。収録は2003年8月11日、12日、15日、ベルギーのブリュージュにある聖ジャイルズ教会(Sint-Gilliskerk)でのライヴ。レーベルは蘭ET'CETERA。

ペーター・ザロモンといえば、ハイドンをロンドンに招き、一連のザロモンコンサートを開催した興行主。ハイドンはこのコンサートのために交響曲93番から104番までの12曲の交響曲を作曲し、ロンドンで演奏したことはハイドン愛好家の皆さんならご存知のことと思います。もちろんこの12曲の交響曲がザロモン・セットと呼ばれるのもそのため。そのザロモンはハイドンと1795年、96年に6曲づつの契約を交わし、自分のコンサートで自由に演奏できる権利の他、編曲できる権利なども手に入れ、ロンドンでのハイドンの絶大な人気にあやかって、先の12曲の交響曲をフルート、フォルテピアノ、弦楽四重奏という構成の室内楽に編曲したものを出版し、一般の音楽愛好家に広く演奏されるようになったとのこと。

手元にはこのザロモン版の交響曲の録音が何種かありますが、いずれも元の雄大な交響曲のイメージの縮小版的演奏で、いまひとつ室内楽で演奏する魅力が伝わりきらないきらいがありましたが、このアルコ・バレーノの演奏は、編成が縮小されたことで音楽の純度が濃くなり、各フレーズ、メロディーがイキイキとして、これぞ室内楽の喜びといえるレベルまで研ぎ澄まされています。しかも耳が鋭敏になっている分、室内楽の範囲でのダイナミクスをフルに使ってフル編成のオケとは全く異なるスケール感を得ています。

奏者のアルコ・バレーノは1993年、フランドル地方の音楽大学出身者で結成された室内楽団。アルコ・バレーノとはイタリア語で虹の意。なぜかアルバムにもサイトにもメンバーの個人名は記されていません。個人ではなくアンサンブルとしての団結を大事にしているのでしょうか。

Arco Baleno

ライナーノーツに掲載された写真と、ウェブサイトに写っているメンバーは同じですが、その中のチェロのStefaan Craeynestが2014年9月に亡くなっているようです。

Hob.I:101 Symphony No.101 "Clock" 「時計」 [D] (1793/4)
聴き慣れた時計の序奏のメロディーですが、フルートと弦楽四重奏の純度の高い響きで、まるでオーケストラの音の型紙をとったように響きます。フォルテピアノが雅な響きを加えてオーケストラとは異なる彩。そして主題が始まった途端、様相が一変。オーケストラを上回る鮮やかな推進力で音楽が弾む弾む。この多彩な表情がアルコ・バレーノの演奏の魅力でしょう。室内楽版の編成の小ささを逆に生かして、室内楽的機敏なアンサンブルの魅力全開。1楽章の終盤に至る盛り上がりも音量ではなくアンサンブルの緊張感で表現する素晴らしいもの。一気に演奏に引き込まれます。
さらに素晴らしかったのが、続くアンダンテ。ヴァイオリンが奏でる時計のメロディーの実に艶やかなこと。弦楽器のピチカートが刻むリズムに乗って伸び伸びとヴァイオリンが歌います。途中から加わるフルートのキレの良いタンギングも最高。多彩な音色の変化にアクセントもキリリと効いて原曲以上の面白さ。演奏によってこれほどこの室内楽版が面白く響くとは。このアンダンテは絶品です。
ちょっとスケール感に欠ける印象を持つと思ったメヌエットも逆にキレの良さと鮮度の高い響きでまったくそんな印象を感じさせません。ハイドンが書いたもともとのメロディーの面白さがオーケストラよりもうまく表現できていて、こちらの方がいいくらい。もちろんアンサンブルのそれぞれのパートの息がピタリとあって音楽に統一感があります。指揮者のいないアンサンブルにありがちな平板さは微塵もなく、まるで一人がコントロールしているような音楽の完成度。
耳が慣れたのか、フィナーレは大迫力に聴こえます。畳み掛けるアンサンブル。そして終盤に向けて素晴らしいエネルギーの充実。あまりの素晴らしさに圧倒されます。迫力とは音量ではないと思い知ります。1楽章と終楽章の見事な構成感、アンダンテの楽興、メヌエットのエネルギーが完璧に表現されています。時計という曲の真髄を突く驚きの名演。

Hob.I:99 Symphony No.99 [E flat] (1793)
好きな99番。冒頭の柔らかいハーモニーから完璧に響きます。すでにアルコ・バレーノの音楽に完全にハマっていますので、冒頭からこの99番の室内楽なのにゆったりとした流れにどっぷりつかります。フルートとフォルテピアノが実にいい響きを加えます。脳内ではオーケストラ版の雄大な序奏のイメージがチラつかなくもありませんが、研ぎ澄まされた響きにすぐに慣れます。そして主題以降は実に快活。この切り替えの鮮やかさも聴きどころ。各パートが鮮明に聴こえる分、音楽の面白さも倍増。1楽章のクライマックスに向けての盛り上がりもスリリングで、緩急による実にしっかりとした構成感の演出も出色。
美しいメロディーの宝庫のアダージョは、まさに至福の時間。オーケストラではないのに悠然とした大河の流れのようなうねりが感じられるのが素晴らしいところ。この室内楽版を演奏しながら、交響曲の素晴らしいメロディーを想像していた当時の音楽愛好家の気持ちが味わえます。
そして前曲同様小気味よくキレるメヌエットを経て、ハイドンの交響曲の最も特徴的なフィナーレの緊密な高揚感を実に巧みに演出していきます。交響曲の縮小版と感じさせないくっきりとした表情の魅力を保ち、グイグイ攻め込んで盛り上げていくあたりは流石。この99番も見事でした。

Hob.I:104 Symphony No.104 "London" 「ロンドン」 [D] (1795)
そして、もともと雄大な曲想のロンドンですが、本当に耳が慣れてきたのか、この曲でも小編成なのに音楽にはスケール感が宿り、大迫力に聴こえます。オーケストラ版でも妙に力の入った演奏では逆に力みが耳につくように、スケール感、雄大さというものが力任せでは表現できないということの証のような演奏。室内楽版とはいえ耳に聴こえるダイナミックレンジはかなりのもの。抑えた表現の巧みさが迫力のポイントですね。
続くアンダンテは、前2曲の美しさの限りを尽くした楽章とは少し構成が異なり、1楽章の興奮の箸休め的な印象をうまく表現して、ある意味淡々とした音楽にしています。中間部の盛り上がりで聴かせたあとは、再び淡々とした音楽に戻ります。
そしてメヌエットはこの曲独特の陶酔感のようなものを聴きどころに置いてきました。
最後の雄大なフィナーレは、速めのテンポでクライマックスに至る過程をくっきりと描きながら、あらん限りの緩急、ダイナミクスを駆使して盛り上げます。最後の陶酔の限りを尽くした曲想の盛り上がりは不思議とオーケストラよりもキレの良さを感じさせるほど。最後に万雷の拍手に迎えられて、ライヴ収録であったことを思い出したほど。素晴らしい演奏でした。

今まで室内楽版のザロモンセットというと、ちょっと際物扱いしていたのが正直なところですが、このアルコ・バレーノ盤を聴いて、これは室内楽愛好家には宝物のようなものであるとようやくわかりました。小さな編成でもこれだけの迫力、音楽の魅力が表現でき、大編成のオーケストラにも勝るとも劣らない魅力をもつことができるということを再認識いたしました。まるで、クラヴィコードの魅力を知った時のような衝撃を受けた次第。もちろん全曲[+++++]とします。

アルコ・バレーノの交響曲の演奏にはもう一枚のアルバムがあり、こちらも早速注文を入れました。毎度湖国JHさんの送り込まれるアルバムには脱帽です。

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tag : 時計 ロンドン 交響曲99番

ヨーゼフ・クリップス/ウィーンフィルの驚愕、99番(ハイドン)

温故知新。

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ヨーゼフ・クリップス(Josef Krips)指揮のウィーンフィルの演奏で、ハイドンの交響曲94番「驚愕」、交響曲99番、ロンドン交響楽団の演奏で交響曲92番「オックスフォード」、104番「ロンドン」などを収めたアルバム。今日はこの中からウィーンフィルとの驚愕と99番を取り上げます。この2曲の収録は1957年9月、ウィーンのソフィエン・ザールでのセッション録音。レーベルは豪DECCAのELOQUENCE。

実はこのアルバム、ごく最近手に入れたもの。巷では有名なアルバムのようですが、手元にないと気づいていなかったもの。アルバム自体には他にロンドン交響楽団とのオックスフォード、ロンドンも収録されていますが、録音が荒く聴き劣りするため、ウィーンフィルとの2曲のみ取り上げる次第です。

ヨーゼフ・クリップスは知らない人はいないでしょう。1904年ウィーンに生まれたオーストリアの指揮者。Wikipediaなどによれば、フェリックス・ワインガルトナーの助手、合唱指揮者として、ウィーン・フォルクスオーパーで働くようになります。その後ドルトムント市立劇場、カールスルーエ歌劇場などを経て、1933年、ウィーン国立歌劇場の常任指揮者に就任し、1938年のドイツによるオーストリア併合によりオーストリアを去ることになりますが、戦後は再びウィーンでDECCAに数々の名録音を残しました。1950年から1954年、ロンドン交響楽団の首席指揮者を務め、その後渡米しバッファロー・フィルハーモニー管弦楽団、サンフランシスコ交響楽団の音楽監督を務めます。1963年にコヴェント・ガーデン王立歌劇場、1966年にメトロポリタン歌劇場にそれぞれデビュー。1968年初来日。1970年、ベルリン・ドイツ・オペラの指揮者に就任、同年から1973年までの間ウィーン交響楽団の首席指揮者を務めるなど華々しいキャリアを歩みます。1974年、スイスのジュネーブで亡くなっています。

手元にあるクリップスのアルバムはハイドンではロイヤルフィルとのロンドンが2種、今日取り上げるウィーンフィルとの驚愕も廉価盤が手元にあります。他にはコンセルトヘボウとのモーツァルトの交響曲21番から41番のボックスと、お菓子の缶のような造りのロンドン交響楽団とのベートーヴェンの交響曲全集。何も引き締まった彫刻的な演奏が印象的でした。これらの演奏を思い出しながらハイドンの交響曲を聴きますが、いやいや、これは素晴らしい!

Hob.I:94 Symphony No.94 "Mit dem Paukenschlag" 「驚愕」 [G] (1791)
若干古さを感じさせるものの、響きは全盛期のウィーンフィルの魅力満点。彫りの深い弦楽器の響き。分厚い低音弦。速めのテンポでグイグイ攻めてきます。DECCAらしい実体感ある録音。驚愕の1楽章が筋骨隆々に引き締まって素晴らしい緊張感。メガネのおじさんの棒から魔法のように繰り出される素晴らしい音楽。これぞ正統派のハイドンです。完璧なプロポーションの古流の生花を見るよう。
2楽章のビックリもこけ脅しなしの純音楽的に緊密な構成。リズムとダイナミクスの饗宴。そしてどことなくウィーンの香りが漂う高雅な演奏。変奏が進むにつれてタイトに引き締まったオーケストラの魅力が炸裂。金管、木管陣は意外にあっさりしていますが、弦楽器の分厚い響きが逆に際立って、これも見識と納得。演歌を持ち歌の本人が歌った時だけに感じるハマり感と同様、このハイドン、クリップスの振るウィーンフィルがオリジナルと思わせるなみなみならぬ説得力があります。
メヌエットも同様。なんでしょう、この有無をも言わせぬ完璧な演奏は。曲があるべき響きに完全にハマってます。自然なのに深い。深いのに自然。音楽にまったく古さを感じません。
フィナーレはことさらキレを強調せず、リズムをしっかり刻んでバランスの良い感興。ハイドンが古典派の作曲家であることを誰よりも理解するウィーンフィルならではの、あえて八分の力でのフィナーレというところでしょう。あまりに見事な演奏にしばしうっとり。

Hob.I:99 Symphony No.99 [E flat] (1793)
驚いたのははじめて聴くこちらの99番。いやいやこれほど彫りの深い演奏とは思いませんでした。おおらかな曲調のこの曲が、彫刻的におおらか! 前曲と同じ時期の録音ですが、こちらのほうが一歩踏み込んでます。ウィーンフィル特有の深い響きの色は変わらず、バランスの良さも前曲同様ですが、陰影のグラデーションのやわらかながらクッキリとしたコントラストが見事。速めのテンポでの見通しの良さもあり、99番の魅力があらためてよくわかります。やさしくコミカルな曲調の本質を捉えた名演奏でしょう。
美しいメロディーの宝庫の2楽章。木管楽器の独特の鄙びたような音色がいい雰囲気。弦楽器の繰り出す幾重もの大波にゆられる快感。時折ホールに響き渡るチェロのメロディーはウィーンフィルならでは。これはオリジナルのLPで聴いてみたいですね。
雰囲気をさっと変えるようなメヌエット。あえて軽く、さらりとこなします。そしてフィナーレは驚愕の1楽章同様、引き締まったオーケストラの魅力を再び見せつけます。迫力もそこそこありますが、センスで聴かせる大人の技。それでも徐々にクライマックスにもっていく推移の巧さはかなりのもの。終盤に力を緩めるところも実に見事。これぞウィーンフィルのハイドンという見本のような見事なコントロールでした。

ヨーゼフ・クリップスの振るウィーンフィルによる驚愕と99番。今更ながら、あまりに見事な演奏に打たれました。ウィーンフィルによるハイドンの録音は実は多くなく、有名どころではカラヤンによる、ロンドンと太鼓連打などがありますが、クリップスによるこの録音は最もウィーンフィルらしい、古き良き時代を感じる演奏と言えるでしょう。ただし、意外にも古い感じはせず、この演奏が普遍的な魅力をもっていることがわかります。録音もDECCAらしい重厚なもの。古楽器の演奏や新たな解釈による演奏も手にはいる今においても、魅力を失わない素晴らしいアルバムですね。評価はもちろん2曲とも[+++++]とします。

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tag : 驚愕 交響曲99番 ヒストリカル

【新着】コリン・デイヴィス/LSOのライヴ交響曲集(ハイドン)

久々に交響曲の新着アルバム。待望のアルバムですね。

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サー・コリン・デイヴィス(Sir Colin Davis)指揮のロンドン交響楽団の演奏によるハイドンの交響曲92番「オックスフォード」、93番、97番、98番、99番の演奏を収めたアルバム。収録は2010年から11年にかけて、ロンドンのバービカンセンターでのライヴ。収録日は各曲のレビューに記載しましょう。レーベルはご存知LSOの自主制作LSO Live。

コリン・デイヴィスはアムステルダム・コンセルトヘボウ管とザロモンセットなどをPHILIPSに録音したアルバムが有名ですが、CD化されたPHILIPS盤は音質が往時のLPのキレの良い響きの魅力まで届かず、私はLPの方を愛聴しています。コリン・デイヴィスのアルバムはいままで結構取りあげているんですね。

2013/04/21 : ハイドン以外のレビュー : 【番外】コリン・デイヴィス/アムステルダム・コンセルトヘボウの「春の祭典」
2013/04/19 : ハイドン–交響曲 : 【追悼】コリン・デイヴィスの88番、99番
2011/10/28 : ハイドン–交響曲 : コリン・デイヴィス/バイエルン放送響の「ロンドン」ライヴ
2011/08/19 : ハイドン–交響曲 : コリン・デイヴィス/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の熊、雌鶏
2011/08/13 : ハイドン–声楽曲 : 【お盆特番3】コリン・デイヴィス/バイエルン放送交響楽団のネルソンミサ
2011/06/16 : ハイドン–オラトリオ : コリン・デイヴィスの天地創造ライヴ-2
2011/06/14 : ハイドン–オラトリオ : コリン・デイヴィスの天地創造ライヴ-1
2010/07/17 : ハイドン–交響曲 : コリン・デイヴィスの時計ライブ

なんと、コリン・デイヴィスの略歴を今まで紹介してきませんでしたので、このアルバムを聴きながら、ちょっと調べてみました。生まれは1927年、イングランドのロンドンの南のサリー州のウェーブリッジ(Weybridge)。貧しい家だったようでピアノを買う事ができず、最初は安価に入手できたクラリネットを学びはじめ、ロンドンの王立音楽大学にすすみます。どうもあまりピアノが上手くなかったようで、指揮者になりたいと思う一方、大学では指揮を学ぶ事ができなかったそう。また一時兵役につき、近衛騎兵連隊のクラリネット奏者として働いていました。ウィンザーに駐留中、ビーチャムやブルーノ・ワルターのコンサートを何度も聴く機会に恵まれ、兵役を終えると、王立音楽大学のかつての生徒を集めてカルマー管弦楽団を立ち上げフリーランスで指揮活動をしていました。クラリネット奏者として働く一方、指揮者としての最初のチャンスは設立されたばかりのチェルシー歌劇場で「ドン・ジョヴァンニ」を振り、すぐにバレエ団の指揮者に就任しますが、3ヶ月で倒産してしまいました。ようやく1957年にBBCスコテッシュ管の副指揮者となり活躍し始めます。転機は1959年、ロイヤル・フェスティヴァル・ホールで体調不良のクレンペラーに代わってドン・ジョヴァンニを振り、これが評判を呼んで有名になりました。また翌年にはグラインドボーンで今度はビーチャムの代役で「魔笛」を振りこれも成功。以後はサドラーズ・ウェルズ・オペラ、ロンドン交響楽団、BBC交響楽団などで活躍しました。1971年からはショルティの後任として、コヴェント・ガーデン王立歌劇場の首席指揮者に就任。その他、ボストン交響楽団の首席客演指揮者、バイエルン放送交響楽団首席指揮者、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団名誉指揮者、そして1995年にこのアルバムのオケであるロンドン交響楽団首席指揮者に就任。オケの自主制作レーベルであるLSO Liveからはかなりの数のアルバムがリリースされています。とくにティペット、シベリウス、ベルリオーズを得意としている人という印象。亡くなったのは昨年の2013年の4月、85歳ということでした。

ということで、このアルバムはデイヴィスが80歳を超えた最晩年の貴重なライヴ。ザロモンセットが揃わないのが惜しいところですが、選曲も実に渋いところを突いています。特に、97、98、99番を取り上げるところなど、ハイドンの真髄はここにありと言わんばかりの渋さ。

聴くとすべての邪心を捨て、虚心坦懐にオケを鳴らすまさに燻し銀のハイドン。もともとアポロン的構築感と中庸の美学を重んずるハイドンを聴かせていただけに、最晩年に至って、力が抜け、オケに身を任せながらハイドンの交響曲の面白さを描ききる素晴しい演奏です。録音もSACDらしい自然なリアリティに富んだ素晴しいもの。いや、以前聴いた天地創造がちょっと期待と異なる演奏だっただけに、これほどの演奏とは思いませんでした。曲ごとに聴き所を書いておきましょう。

Hob.I:92 / Symphony No.92 "Oxford" 「オックスフォード」 [G] (1789)
2011年10月2日、4日のライヴ。バービカンセンターに轟くオケの分厚い響きが痛快。音量を上げて聴くと、部屋がバービカンセンターになったような素晴しい迫力。会場のノイズや咳払い、拍手はカットされていますが、リアリティは失われていません。スピーカーから等身大のオケが吹き出してくるよう。デイヴィスのコントロールは極めてオーソドックス。奇を衒うようなところは皆無。1楽章は分厚いオケに圧倒されます。
アダージョに入っても大河の流れのように、滔々とした音楽の流れが印象的。時折デイヴィスの声らしき鼻声がうっすらと聴こえます。すこし穏やかになったと思いきや、中間部でオケが炸裂。またしてもオケの風圧を感じるような図太い響き。終盤になるに従って音が溶け合うようになり、長い間と木管の掛け合いの美しい響きにとろけそう。
メヌエットは予想どおり、グイグイとオケの迫力で聴かせます。楽章間のバランスのよい構成はデイヴィスなならでは。そして聴き所のフィナーレの入りは軽やか、すぐに怒濤のオケに飲み込まれます。オケのスロットルのコントロールが見事。フルオーケストラの分厚い響きと軽やかなヴァイオリンの音階を自在に切り替えながら、ハイドンの名旋律を落ち着いて聴かせます。リズム感の良さは流石デイヴィス。演奏スタイルどうこうを全く意識させない、正統派の堂々としたハイドンの名演奏。

Hob.I:93 / Symphony No.93 [D] (1791)
2011年12月11日、13日のライヴ。前曲とは別の日ですが、音響は非常に良くそろっています。分厚いLSOの響きはそのまま。威風堂々とした序奏にたじろぎます。主題に入ってもあまりに素晴しいオケの響きにのけぞらんばかり。正統派の演奏の魅力にただただ立ちすくみます。93番がこれほど力感に満ちて響くとは。キレは適度ながら、推進力とリズムの正確さは素晴しいものがあります。1楽章は均整のとれたギリシャ彫刻のごとく圧倒的な存在感。
ラルゴは独特の情感を醸し出しながら、やはりオケの迫力の素晴しさで聴かせます。抑えた表現のところでもそのうちオケの響きに飲み込まれる予感が緊張をはらみます。
メヌエットは畳み掛けるよう。次々と響きの波が襲いかかり、手に汗握る展開。そしてフィナーレは少し推進力をおとしてじっくりと攻める感じで入り、ところどころリズムに力が漲って、最後の盛り上がりへ向けてオケが空ぶかしで煽ります。最後は冷静に盛り上がってフィニッシュ。

Hob.I:97 / Symphony No.97 [C] (1792)
2010年5月6日、9日とこのアルバムでは一番古い日付。好きな97番。デイヴィスのこの演奏スタイルで聴かされるとあって、聴く前から身構えます。デイヴィスは1楽章の機知にあふれた曲想を相変わらず大局的な視点でグイグイ音にして行きます。前2曲にくらべて少し枯れて聴こえはするものの、オケの迫力は相変わらず。人間80歳を越えてこのような迫力に溢れた音楽を生み出せることに驚きます。アダージョ、メヌエットは前2曲同様、オケの迫力をベースにした上での自然な表現。フィナーレも最後に間をしっかりとってハイドンの仕込んだユーモアをきっちり描いて終わります。いやいや見事。

CDを入れ替えて2枚目。

Hob.I:98 / Symphony No.98 [B flat] (1792)
2011年12月4日、6日のライヴ。冒頭から力漲るサウンド。やはり前曲でちょっと枯れた印象があったのは録音の期日が古かったからでしょうか。この曲では響きは鮮明、デイヴィスのコントロールは手綱のテンションが少し下がって、オケに身を任せているようです。刻むリズムの迫力に徐々に打たれて行きます。コントロールはしなやかさを増し、実に柔らかい響きを造っています。このアルバムでもっとも自然体な演奏スタイル。1楽章終盤はすこしリズムが重く感じました。
アダージョははじめてぐっと沈み込みます。これまで中庸なリズムと大河のような流れの一貫性で聴かせてきたデイヴィスですが、この曲のアダージョに至って情が深くなり、音楽に陰りが見えまず。ほんの少しの違いですが、すこし感情移入の方にに振れてきました。
メヌエットに入っても力の抜け具合はいい感じ。フィナーレは意外に朴訥な感じで入ります。最後に鍵盤がコミカルに加わるイメージがあるので、そこここにその前振りがあり、このころの交響曲でも独特のユーモラスな曲調。デイヴィスも力が抜けてゆったりとコントロールしているよう。最後はリズムを強調して、珍しく誇張した表現。金管が一音とちりますが、気にせず終了。

Hob.I:99 / Symphony No.99 [E flat] (1793)
2011年5月28日、6月2日のライヴ。1楽章はこのアルバムでも一番踏み込んだ演奏。穏やかかに聴かせる演奏が多い曲ですが、リズムが活き活きとして快活。デイヴィスの棒が冴えているのがわかります。穏やかな曲なのに素晴しい高揚感と引き締まった響きにぐっと来ます。
アダージョに入るとオケの奏者のソロが絶妙なキレを聴かせ、絡み合うメロディーの綾に魅せられます。時折大波のように押し寄せる弦楽器の艶やかなこと。絶品。デイヴィスも唸ってます。中間部の展開の迫力はこのアルバム共通。
メヌエットはやはりスロットルコントロールによってオケが自在に吹き上がる快感に溢れたもの。ティンパニのリズムが冴え、ホールの空気を自在に揺らしている感じ。最後はかなり溜めてフィナーレの入りを引き立てます。
フィナーレはアルバムの最後にふさわしく神々しいばかりに堂々とした演奏。途中のコミカルなフレーズは抑え気味でオケの迫力を際立たせるのでしょうか。正統派のオケの魅力を振りまくような素晴しい迫力。最後は本当に怒濤の迫力で締めます。バービカンセンターに本当は鳴り響いたであろう拍手がカットされているのが惜しいところ。素晴しい演奏でした。

コリン・デイヴィスの亡くなる2年前の最晩年に手兵ロンドン交響楽団を振ったハイドンの交響曲5曲を収めたアルバム。夕暮れのビッグベンを写したジャケットの写真といい、ホールの雰囲気をそのまま伝える鮮明な録音といい、そしてライヴらしい活きた音楽の流れといい、ハイドンを聴くには絶好のアルバム。コリン・デイヴィスと言う人の生き様を音にしたような、素晴しいライヴでした。人は80歳を越えて、これほど純粋無垢な音楽を奏でられるものなのでしょうか。特に99番は絶品。フィナーレこそ岩のような堅牢さを聴かせたものの、デイヴィスが踏み込むようすがよくわかる演奏。そして冒頭のオックスフォード、93番も名演です。期待した97番、98番は他の3曲の素晴しさと比べるとちょっと差がついてしまうというのが正直なところ。オックスフォード、93番、99番を[+++++]、他2曲は[++++]ということにしておきましょう。

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ハイティンク/コンセルトヘボウ管の奇跡、99番(ハイドン)

先日ディスクユニオンで見つけたLPです。

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ベルナルド・ハイティンク(Bernard Haitink)指揮のアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏で、ハイドンの交響曲96番「奇跡」、99番の2曲を収めたLP。収録年代は記載されておりませんが、ネットを調べてみると1967年にプレスされたものとの情報がありました。レーベルはPHILIPS。

このLP、PHILIPSのデラックス・シリーズと名付けられたシリーズ物の一枚のようです。ジャケットには、なぜか源氏物語絵巻から飛び出してきたような十二単の女性の姿が。ERATOのBONSAIシリーズの対抗馬のようなキッチュなシリーズです。ジャケットには一部カビが見られるコンディションでしたが、盤面はそこそこ綺麗なので手に入れた次第。帰って愛機THORENSのプレイヤーにのせ、針を落とすと、瑞々しい響きが吹き出しました。コンセルトヘボウでのPHILIPSの空気感溢れる素晴しい響きに圧倒されます。若きハイティンクの覇気も噴出。これはいいです。

つい先日もハイティンクのCD-Rを取りあげましたが、ハイティンクのハイドンは気になります。オケをキリリと引き締め、タイトな響きを引き出すハイティンクの演奏は、ハイドンのちょっと武骨なところをそのまま音楽にするようで、ハイドンの交響曲の本質の一面を突く演奏といえるでしょう。

ということで、これまで取りあげたハイティンクの演奏の一覧はこちら。ハイティンクの略歴などは、クリーヴランド管との記事をご覧ください。

2014/01/20 : ハイドン–交響曲 : ハイティンク/クリーヴランド管 交響曲86番1976年ライヴ(ハイドン)
2011/07/21 : ハイドン–交響曲 : ベルナルド・ハイティンク/ベルリンフィルの95番ライヴ
2011/06/28 : ハイドン–交響曲 : ハイティンク/ドレスデン・シュターツカペレの86番ライヴ!
2011/05/12 : ハイドン–交響曲 : ベルナルド・ハイティンク/ウィーンフィルの時計ライヴ

今回取りあげるのは、まさにハイティンクが長年首席指揮者を務めた、アムステルダム・コンセルトヘボウ管との録音。しかもご本家、PHILIPSによる録音ということで、これまで取りあげたCD-Rなどとは期待度が異なります。

Hob.I:96 / Symphony No.96 "The Miracle" 「奇跡」 [D] (1791)
ゆったりと響きわたるオーケストラの序奏。PHILIPS独特の鮮明な響きがスピーカーから溢れ出します。主題に入るとシフトチェンジ。小気味好いほどに軽々としたフレージングでこの曲独特のコミカルなメロディーが進みます。アバドほどの突き抜けた爽快感はないのですが、堅実な響きはハイティンクならでは。ハイティンクのアクセルワークに鮮やかに応じるオケの機能美は素晴しいものがあります。流石コンセルトヘボウといったところ。
アンダンテは、そのままテンポを落として、平常心の演奏。ハイティンク自身がゆったりと響きオケの響きを楽しんでいるよう。素朴な音楽の魅力に溢れた楽章。つづくメヌエットも適度な筋肉美を見せ、あっさりとした表情にとどめるところにハイティンクの美点があるよう。中間部のオーボエのソロの響きの美しいこと。ソロの美しさと続くオケの分厚い響きの対比をそれとなく目立たせる巧みな演出。
この曲のハイライトのフィナーレは、入りの軽さでまたまた演出の上手さが光ります。ステレオ録音ゆえ、フィナーレの左右の掛け合いの効果も見事。オケは流石コンセルトヘボウという素晴しいキレ味。交響曲の醍醐味を十分に表現して終わります。ハイティンクの後年の重厚さよりも、この頃のほうが閃きがあるような気がします。

Hob.I:99 / Symphony No.99 [E flat] (1793)
LPを裏返して、ハイティンクの至芸に相応しい穏やかな曲調の99番。予想どうりの分厚いコンセルトヘボウの響きに冒頭からうっとり。少しスクラッチノイズがありますが、気になるほどではありません。穏やかな流れに徐々にキリリと引き締まるようなメロディーが浮かび上がり、グイグイ推進していきます。ヴァイオリンパートがキレキレ。筋肉質な音楽の魅力が炸裂します。
意外に良いのがこのアダージョ。各楽器の響きが微妙に溶け合いながら掛け合う様子が実に巧みに描かれていきます。ハイティンクのアダージョがここまで深い情感をはらむとは思ってませんでした。穏やかな音楽なのに素晴しい立体感。広大な大草原を鮮明な3D映像で見るよう。遠くの草が風でそよぐわずかな変化が手に取るようにわかります。素晴しい録音によって音楽が鮮明に迫ります。これは名演でしょう。
メヌエットはアムステルダムコンセルトヘボウのホールに響きわたるオケの余韻の美しさに惚れ惚れします。ここでも節度あるハイティンクのコントロールは見事。
フィナーレは奇跡のコミカルさとはことなり、じっくりと燻したような味わいの深いもの。ゆったりと深い間をとり音楽をつないで、ここでもオケの各楽器を鮮明にじっくりと鳴らし分けて素晴しい感興をつくっていきます。実に味わい深い演奏でした。

ハイティンクと手兵アムステルダムコンセルトヘボウ管によるハイドンのザロモンセットからの2曲。ハイティンク38歳という若さでの演奏ですが、オケを完全にコントロールして、ハイドンの素朴な音楽を、ハイティンクらしく節度あるコントロールで、コンセルトヘボウのホールの空気を鳴らすように淡々と描いていく演奏。これまで聴いたハイティンクのハイドンの中では間違いなく最上のもの。若きハイティンクの才能の素晴しさを伝えるアルバムでした。評価はもちろん[+++++]とします。

この演奏、記事を書き終えてから確認してみるとmichaelさんのブログでも取りあげられていますね。リンクしておきましょう。

Micha Lute ブログⅡ:B.ハイティンク:ハイドン交響曲第96番、99番

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tag : 奇跡 交響曲99番 LP

【新着】ブルーノ・ヴァイル/カペラ・コロニエンシスの交響曲99番、時計、軍隊(ハイドン)

知らぬ間に第3弾がリリースされていたようです。このシリーズ、なかなか粋なジャケットデザインです。

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amazon / TOWER RECORDS

ブルーノ・ヴァイル(Bruno Weil)指揮のカペラ・コロニエンシス(Cappella Coloniensis)の演奏で、ハイドンの交響曲99番、101番「時計」、100番「軍隊」の3曲を収めたSACD。収録は2012年9月29日、2013年2月16日の両日、ドイツ、エッセンにあるエッセン・フィルハーモニーのアルフレッド・クルップホールでのライヴ。レーベルは独Ars Production。

ヴァイルのハイドンはトーマス・ファイなどと同様、かなりの回数取りあげています。

2013/05/09 : ハイドン–交響曲 : ブルーノ・ヴァイル/ターフェルムジークの86番
2012/08/11 : ハイドン–管弦楽曲 : ブルーノ・ヴァイル/カペラ・コロニエンシスの「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」
2012/01/24 : ハイドン–オラトリオ : ブルーノ・ヴァイル/カペラ・コロニエンシスの四季
2011/08/14 : ハイドン–声楽曲 : 【お盆特番4】ブルーノ・ヴァイルのテレジアミサ、ネルソンミサ
2011/01/10 : ハイドン–オラトリオ : ブルーノ・ヴァイルの天地創造
2010/12/25 : ハイドン–交響曲 : 【年末企画】ブルーノ・ヴァイルの交響曲50番、64番、65番
2010/03/08 : ハイドン–交響曲 : ブルーノ・ヴァイル、ザロモンセットへ

いろいろ書いているとおり、最近のカペラ・コロニエンシスとの演奏は、昔の溌剌としたヴァイルの良さから、かなり落ち着いてきていますので、好みも別れる所でしょう。このアルバム、久しぶりのヴァイルの新譜と言う事で何となく気になっていました。

Hob.I:99 / Symphony No.99 [E flat] (1793)
予想通り、さっぱりと速めのテンポで入ります。先日ファイの新譜を聴いたばかりですが、ヴァイルも新参者ファイに負けてはおれぬとの気合いの入った演奏。ファイよりも変化は少なめですが、キビキビとしたオケの魅力はターフェル・ムジークとの時代を彷彿とさせるもの。一時落ち着いてしまったと思ったんですが、ヴァイルのキビキビとタイトな演奏の魅力は健在でした。中盤以降は素晴しい推進力で畳み掛ける迫力に溢れたもの。ライヴですが会場ノイズは皆無で音響処理をしているのでしょう。
アダージョはゆったりと盛り上がる魅力に溢れた曲ですが、ヴァイルのアプローチは古楽器的な音色を活かしたさっぱりとした感興で聴かせるもの。途中さらりとフルートの音色の透明感が際立つ部分が印象的。ジャケット写真を見ると管楽器は古楽器ですね。メヌエットはキビキビとしたオーケストラコントロールで聴かせます。
期待のフィナーレはファイが千変万化する表情の変化で聴かせたものを、ヴァイルはオーソドックスながら、各楽器の面白い響きを重ねて油彩で色を置いていくような練りをを感じるもの。途中テンポを落としたところのカジュアルな表現など、ハイドンの面白さを知り尽くした人ならではの工夫があります。分厚いオケに奏者の息づかいを感じるような各楽器の面白い響き。なかなかいい99番です。拍手はカットされています。

Hob.I:101 / Symphony No.101 "Clock" 「時計」 [D] (1793/4)
時計も序奏は速目でさっぱりとしたもの。やはり主題に入るとがっちりとしたオケによる推進力溢れる演奏。オケは適度に粗いのですが、それが良い方向に働いてます。時計の良さは1楽章にあると確信している私にとって、このヴァイルの畳み掛けるように推進していく演奏は理想的。モダン、スタイリッシュでかつオーセンティックなところをおさえたバランスの良い演奏と言っていいでしょう。
有名な時計のアンダンテは速い速い。予想はしてましたが、まるでおとぎの国の時計のような微笑ましさ。中盤以降の激しいフレーズに入っても快速テンポは変わらず、グイグイいきます。落ち着かないぐらい速い。
その勢いを受けて、メヌエットも比較的速いテンポで楽天的に入ります。音楽に勢いがあるせいか、アクセントもきっちり効いてメリハリも十分。
そして最後のフィナーレは、なぜかほっとするような落ち着きを帯びています。もちろんクッキリとして推進力もほどほどあるのですが、全体に音楽がなじんで、ゆったりと流れる印象があります。カペラ・コロニエンシスの低音弦の迫力はなかなか見事。クライマックスはオケが振り切れんばかりに鳴って終了。

Hob.I:100 / Symphony No.100 "Military" 「軍隊」 [G] (1793/4)
そして、期待の軍隊。この曲も最近ファイの名演に接しています。ヴァイルの演奏はオーソドッックスなものですが、前曲からの流れの影響か、落ち着きが感じられます。やはり、じっくりと歌う部分の存在が曲を落ち着かせます。堂々として、風格があり、穏やかでもある演奏と良いでしょう。風格の1楽章。
そして軍隊の行進を描いたアレグレットは普通にはじまりますが、ここぞの爆発が凄い。普通の演奏とは異次元のアクセント。床を踏み鳴らすような音まで聴こえて、ハイドンの機知に応えているよう。なかなかユニーク。打楽器陣大活躍。流石SACDだけあって鮮明に響きます。
メヌエットは響きの余韻を楽しむよう。十分ダイナミックなんですが、前楽章が異次元のダイナミックさだったので、流麗、穏やかな演奏に聴こえるのが不思議なところです。
フィナーレも同様、最初は大人しく、テンポもすこし穏やか目に聴こえますが、徐々に盛り上がり、特に固い音のティンパニが加わると響きが引き締まり、最後は爆発します。やはり軍隊はこうこなくては。

久々にブルーノ・ヴァイルらしいハイドンを聴くことができました。硬質な響きと鋭いアクセントが決まったときのキレは流石というところ。ただし、ターフェル・ムジークとの初期交響曲、パリセットの飛ぶ鳥を落とす勢いの演奏とくらべると、やはり落ち着いていて、あと一歩の踏み込みを求めたくなってしまうのも正直なところ。迫力のコントロールは見事ですが、逆に曲としての音楽的なまとまりについては、これ以上の演奏も増えてきているというのが正直なところでしょう。私の評価は3曲とも[++++]とします。

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tag : 交響曲99番 時計 軍隊 SACD

【追悼】コリン・デイヴィスの88番、99番

今週の日曜日4月14日、イギリスの名指揮者、コリン・デイヴィスが亡くなりました。追悼の意味も込めて、デイヴィスの演奏を取りあげましょう。

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amazon(PentaTone classicsCD)

サー・コリン・デイヴィス(Sir Colin Davis)指揮のアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏で、ハイドンの交響曲88番、99番の2曲を収めたLP。収録はLPには表記がありませんが、同じ音源だと思われるCDのほうには1975年11月、アムステルダム・コンセルトヘボウでのセッション録音と記載されています。レーベルは蘭PHILIPS。

コリン・デイヴィスのハイドンは下記のように結構とりあげていますが、一部のライヴ盤を除くと無難な評価なものが多いのが正直なところ。ただし、それには原因がありそうです。

2011/10/28 : ハイドン–交響曲 : コリン・デイヴィス/バイエルン放送響の「ロンドン」ライヴ
2011/08/19 : ハイドン–交響曲 : コリン・デイヴィス/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の熊、雌鶏
2011/08/13 : ハイドン–声楽曲 : 【お盆特番3】コリン・デイヴィス/バイエルン放送交響楽団のネルソンミサ
2011/06/16 : ハイドン–オラトリオ : コリン・デイヴィスの天地創造ライヴ-2
2011/06/14 : ハイドン–オラトリオ : コリン・デイヴィスの天地創造ライヴ-1
2010/07/17 : ハイドン–交響曲 : コリン・デイヴィスの時計ライブ

今日取り上げるLPはかなり前に手に入れたもの。実は手に入れたばかりのときに数度針を通しただけで、あまりちゃんとした演奏の記憶がありません。今回追悼を機に聴いたところ、かなり良いのげビックリしたのが正直なところ。手元にはおそらく同じ音源のSACDであるPentaTone classics盤(上記amazonのリンク先のアルバム)があり、引っ張り出して聴いたところ、明らかにLPの方が音質がいいです。PHILIPS自身がリリースしてるザロモンセットのCDもあまりキレが良くないことを考えると、CD化にあたって音質が落ちていると想像されます。迫力、弦のキレ、実体感は明らかにLPの方が良く、デイヴィスのオケのヴォリューム感とコンセルトヘボウをゆったりと鳴らした演奏本来の鮮明な響きの魅力がLPからつたわります。コリン・ディヴィスのハイドンの交響曲は風景画をあしらった上品なジャケットで次々とリリースされ、LPの発売当時はコンセルトヘボウの響きの魅力で、かなり話題になった記憶がありますが、CDではその魅力が薄まっていたのかもしれません。

Hob.I:88 / Symphony No.88 "Letter V" 「V字」 [G] (1787?)
アムステルダム・コンセルトヘボウの豊かな瑞々しいオーケストラの響き。デイヴィス特有のアポロン的中庸さの均衡のとれたフォルム。オーケストラを聴く悦びに溢れたバランスの良い響き。そしてLPならではダイレクトな音像。そう、PHILIPSの輸入盤ならではのこの空気感です。ただ音楽が流れることが快感な演奏ですね。音量を絞る部分の透明感も素晴らしく、まさしくHi-Fi録音。コリン・デイヴィスの演奏は実に自然なテンポとリズム、フレージングなのにキレの良さが爽快なもの。
つづくラルゴもじつに穏当なもの。これ以上オーソドックスな演奏はないほどの、ある意味素晴らしい完成度。完璧なフォルムの石膏彫像のような安定感があります。録音がよいからこそ引き立つ自然な響きの魅力。
おそらくこの演奏の白眉はメヌエット。オケの力強い響きがコンセルトヘボウに響き渡ります。抜群の立体感。部屋の中にフルオーケストラがやってきたような異次元の立体感。音量を上げて、メヌエットの響きに打たれます。
88番のコミカルなフィナーレは、コミカルであるよりも律儀な印象なのはデイヴィスの性格に由来するのでしょうか。やはり、明らかにCDとは別格の彫刻的フォルム。中盤以降の変奏の迫力の素晴らしさはLPならではの響きです。最後は転げ落ちるような急激なテンポの変化を聴かせる演奏もありますが、コリン・デイヴィスのコントロールは落ち着き払って、ちょいとテンポを上げるだけですが、彫り込みの深い抜群の迫力で聴かせきってしまいます。やはりLPで聴くと素晴らしい演奏でした。

Hob.I:99 / Symphony No.99 [E flat] (1793)
つづいてこちらも名曲99番。予想通り大河のごときおおらかさで雄大な響きから入ります。この曲はデイヴィスに合ってますね。弦や管のさざめくような伴奏に対して、分厚い響きの弦楽器群の奏でる旋律が実に大胆にメロディーを乗せていきますが、デイヴィス特有のさっぱりとしたコントロールによって実に純音楽的で、アカデミックな印象を残します。短い音符のキレがいいので、全般に引き締まった緊張感を保ちます。
99番のアダージョは穏やかな表情と徐々に盛り上がる感興が有名な曲。聴き入るうちに大河の流れに浮かんでいるような錯覚に襲われます。大波に身を任せてオーケストラの力強い響きを堪能。
メヌエットも同様。オケの精度が高いため、スピーカーから流れ出るサウンドはまさに正確そのもの。特に短い音の余韻にコンセルトヘボウの美しい響きが乗って、最高の演奏。
フィナーレは前曲同様落ち着き払って、オケをどうしたら良く鳴らせるか熟知しているようですね。手元のこのアルバム、ノイズもなく非常に聴きやすい音。まさに名録音です。

コリン・デイヴィスの指揮するアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏で、ハイドンの名曲を2曲録音したLP。どちらの曲もLPのほうがCDよりも音楽の骨格が豊かでかつ、彫りも深く音楽が眼前に展開する素晴らしい録音であることがわかりました。この彫りの深さが、穏当なデイヴィスの音楽にタイトさを加えて、しかも音響的な面白さもかなりアップさせています。LPを再生する装置をお持ちでしたら、このシリーズは是非LPでそろえられるべきかと思います。評価は両曲とも[+++++]とし、CD版とは差を付ける事と致します。

コリン・デイヴィスはハイドンばかりでなく、モーツァルトやベートーヴェン、ベルリオーズ、シベリウス、ストラヴィンスキーと広いレパートリーにいろいろ名盤を残しています。ネットではデイヴィスが亡くなった事をしのんでいろいろなアルバムがレビューされており、今更ながら、穏やかながら人を惹き付けて止まない、流れるような彼の音楽の魅力を再認識した次第です。また一人偉大な指揮者を失いました。ご冥福をお祈りします。

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tag : 交響曲88番 交響曲99番 LP

クーベリック/バイエルン放送響の99番1982年9月7日ライヴ

昨日につづいてライヴCD-R。

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ラファエル・クーベリック(Rafael Kubelik)指揮のバイエルン放送交響楽団の演奏で、ヘンデルのコンチェルト・グロッソOp.6-6、ハイドンの交響曲99番、ドヴォルザークの交響曲8番の3曲を収めたアルバム。収録は1982年9月7日のライヴ。収録会場の表記はありませんが、コンサートプログラムをそのまま収録したものだと思われます。レーベルはこちらもCD-Rでは良く見かける米GNP。

ラファエル・クーベリックはおなじみかと思いますが、一応Wikipediaから略歴をさらっておきましょう。1914年チェコのビーホリー (Býchory) 生まれの指揮者、作曲家。1996年にスイスのルツェルンで亡くなっています。父は世界的なヴァイオリニスト、ヤン・クーベリック。プラハ音楽院でヴァイオリン、作曲、指揮を学び、1934年にチェコ・フィルハーモニー管弦楽団を指揮してデビュー。1936年にチェコ・フィルの常任指揮者、1939年にブルノの国立歌劇場の音楽監督に就任。そして1942年、指揮者ヴァーツラフ・ターリッヒがナチス政権に反抗して解任された後をうけ、チェコ・フィルの首席指揮者に就任。1948年にチェコスロバキアで共産党を中心とした政権が成立すると、チェコの共産化に反対し同年のエディンバラ音楽祭へ参加するために渡英し、そのままイギリスへと亡命しました。1950年から1953年までシカゴ交響楽団の音楽監督、1955年から58年までコヴェント・ガーデン王立歌劇場の音楽監督を務めました。1961年にはこのアルバムで演奏するバイエルン放送交響楽団の首席指揮者に就任し、この録音の直前の1979年までその任にありました。この間クーベリックと楽団は1965,75年の2回の来日公演を含む、全世界規模での海外ツアー、ドイツ・グラモフォン、アメリカCBSなどへの多くの録音を実現し同楽団を世界的水準のオーケストラとしました。クーベリックの録音はこの頃のものが多く残っているのでおなじみの方も多いでしょう。

当ブログではクーベリックの演奏を3度取りあげています。

2012/01/27 : ハイドン–声楽曲 : クーベリック/バイエルン放送響の「戦時のミサ」
2010/10/11 : ハイドン–協奏曲 : フルニエ/クーベリックのチェロ協奏曲2番
2010/05/24 : ハイドン–オラトリオ : クーベリックの天地創造

クーベリックのハイドンはまさに中庸の美学そのものの演奏。録音は多くないものの虚飾なし、誇張なし、充実した響きを伴ったタイトな演奏。この99番には同じバイエルン放送響を振った、1982年5月4日のライヴもあり、クーベリックが99番を得意としてたことが窺えます。

Hob.I:99 / Symphony No.99 [E flat] (1793)
CD-Rらしからぬ図太く実体感満点のオーケストラの序奏。まさにクーベリックらしいアポロン的中庸さを体現した演奏。内声部の響き合う美しさ、中庸なテンポの安心感、安定感抜群のオケの信頼感の塊のような演奏。適度な推進力と適度な抑揚、これ以上オーソドックスな演奏はあり得ないほどの揺るぎないバランス感覚。99番という燻し銀のような美しさをもった曲の演奏としては理想的なもの。ライヴである事を忘れてしまうほどの演奏の完成度。支えているのは磨き込まれた弦楽セクションを中心としたバイエルン放送響の手堅い演奏。良く聴くとヴァイオリンのキレの良さ、各楽器のクッキリと立体感溢れる演奏が素晴らしいですね。1楽章は鉄壁の出来。
この曲の白眉2楽章のアダージョ。いきなり息の長い木管楽器が息を飲むような美しさで迫ります。そして弦楽器群による大波がつぎつぎと襲ってくる部分。外洋の大きなうねりに浮かんで身を任せているような自然の迫力を重力と静かなうねりの中に感じるようなじわりとつたわる迫力。絶品。
アダージョの火照りを鎮めるようなさっぱりとしたメヌエット。ここでも感情はおさえつつ、音楽的なエネルギーの高まりをふつふつと感じさせる絶妙のコントロール。中間部の滑らかなメロディーが表現に変化を与えますが、ふたたびさっぱりとキレの良い舞曲に戻ります。この辺の表情の変化はまさに通好みのところでしょう。
フィナーレはこれまでの抑えた表現の中での音楽の展開から解き放たれるような位置づけ。じわりとつたわる良さを聞き続けてきた耳には、フィナーレの主題以降の展開は微妙ながらも吹っ切れたもの感じさせます。まさに表現のデリカシーを感じる部分。決して爆発したような吹っ切れ方ではないものの、フィナーレの、表現上の爆発ではなく音楽の爆発をじわりと聴かせる素晴らしい演出。まさに違いのわかる人にはたまらない演奏。最後は嵐のようなブラヴォーに迎えられます。

まさに99番の美点を完璧に表現した演奏。ライヴとしては完璧な演奏、録音。おそらくクーベリックの演奏するハイドンの曲ではこれまで聴いた中ではベスト盤と言っていいでしょう。このあとおかれたドヴォルザークの8番もライヴとしては神憑ったような素晴らしい演奏。CD-Rとはいえ、このアルバムはクーベリックの素晴らしさを伝える貴重なものでしょう。評価はもちろん[+++++]。これは痺れました。

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tag : 交響曲99番 ライヴ録音 CD-R

モーゲンス・ヴェルディケ/ウィーン国立歌劇場管弦楽団の99番、「軍隊」

ヤニグロのハイドンが素晴らしかったのでVANGUARD CLASSICSのアルバムをもう1枚。このアルバムもかなり久しぶりに取り出しました。

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amazon

モーゲンス・ヴェルディケ(Mogens Wöldike)指揮のウィーン国立歌劇場管弦楽団の演奏で、ハイドンの交響曲99番、100番「軍隊」、101番「時計」、102番、103番「太鼓連打」、104番「ロンドン」の6曲を収めたアルバム。収録は1956年6月、ウィーン楽友協会小ホール(ブラームス・ザール)でのセッション録音。

今日はこのなかからCDの1枚めの99番、100番「軍隊」を取りあげましょう。

モーゲンス・ヴェルディケは1897年デンマーク、コペンハーゲン生まれの指揮者。1988年に同じくコペンハーゲンで亡くなっています。コペンハーゲンの大学でカール・ニールセンらに音楽を学び、1920年代から60年代までデンマークでオルガン奏者、指揮者、合唱指揮者、音楽学者として活躍していたそうです。1931年にコペンハーゲン中心部にあるクリスチャンスボー城のオルガニストとなり、また1959年から72年までコペンハーゲン協会のオルガニストでもありました。合唱指揮の方ではコペンハーゲン声楽学校の少年合唱団の指揮者、デンマーク国立放送の合唱指揮者などを務めました。そしてスウェーデン放送の指揮者を務めた後、ヨーロッパの主要なオーケストラを客演、地元スカンジナビアやヨーロッパ、アメリカで名声を確立したということです。

ジャケットに写る凛々しい指揮姿はまさに名指揮者そのもの。この時代にウィーン国立歌劇場管弦楽団でハイドンの交響曲を録音をするという事自体がヴェルディケの名声を物語っていますね。

Hob.I:99 / Symphony No.99 [E flat] (1793)
ジャケットの指揮姿から想像されるそのものの音響。凛々しく引き締まった響き。ゆったりしたテンポながらそこそこのキビキビ感もあり、中庸の美学を感じられる演奏。弦楽器にレガートがかかっているので滑らかな響きが心地良い演奏。録音は1956年ということを考えると素晴らしいものがあります。ジャズで良く聴かれる左右の分離が良い録音。オケが中央に定位はするのですが、左右が綺麗に分離して聴こえます。音場は広く響きも豊か。一瞬テープのつなぎ目らしきものがわかるところがありますが気になるほどではありません。一貫したテンポで安定感の高い演奏。演奏自体は少々古風な印象もつきまといますが、それを上回る覇気とエネルギー感。
2楽章のアダージョは99番の聴き所。テンポは一貫してゆったり気味。表情の変化は最小限ですが、ただ演奏するだけでも慈しみ深い曲ゆえ、ゆったり一貫して演奏するだけでも香り立つような情感が浮かび上がります。ゆったりと盛り上がる中間部。なだらかな山脈を遠望するような趣。木管楽器の陰影に富んだ響きがオケの音色に深みを与えます。そして後半更なる高みに。弦楽器がゆったりと織りなす綾がじわりと心に響きます。このアダージョは絶品。至福の一時。
メヌエットは一貫したテンポで軽さを見せながら入りますが、しだいに揺るぎない岩のような強靭さを感じさせるすばらしいもの。99番はこうした穏やかながら筋の通った解釈が生きる曲ですね。
フィナーレもむしろ遅目のテンポでじっくり攻め入ります。最初はかなり抑え気味。徐々にスロットルを開けていきオーケストラに力が漲っていく推移をじっくり楽しむ事ができます。くすんだ迫力あるウィーン国立歌劇場管弦楽団の音色によって立体的に曲の構造が浮かび上がり、老練なのによく見ると筋肉が浮かび上がる壮年のスポーツ選手の鍛え抜かれた体のような味わい深い立体感。無理する事なく曲の構造を詳らかにして終了。

Hob.I:100 / Symphony No.100 "Military" 「軍隊」 [G] (1793/4)
99番の素晴らしい演奏につづいて軍隊。前曲の調子そのままで軍隊を弾かれたら痺れるだろうとの期待をもちながら序奏を聴きます。堂々とした大伽藍の神殿のような序奏。つづいてパルテノン神殿の完璧なプロポーションのごとき立体感とこれ以上ない晴朗さで主題に移ります。まさに軍隊の理想像を描くような圧倒的な説得力。ゆったりしているのに息を飲むようなスペクタクルな展開。全盛期のカラヤンでもここまでの余裕ある覇気は表現できないのではと思わせる完璧さ。テンポは動かさず音楽の芯は微動だにしない揺るぎなさで展開部に。ムジークフェラインの小ホールに響き渡るオケの響き。動と静の完璧なバランス。抑えた金管の号砲。1楽章の最後になんとテンポをあげててキリリと引き締めます。見事。
軍隊のハイライトの2楽章。テンポは一貫しながらも弦楽器主体のオケが色彩感豊かにフレーズを進めます。徐々にエネルギーが満ち、小爆発がはじまります。打楽器陣が非常にテンポ良く穏やかにオケに彩りを加えていきます。なんと豊かな音楽。弦のピチカートがホールに響き、打楽器陣も力が入ります。ハイドンの創意が音になってホールに散乱。荒れ狂うティンパニと打楽器。余韻をフルートが鎮め、トライアングルが名残惜しそうに響きます。エネルギーではなく知性と創意でホールを吹き飛ばすような素晴らしい爆発。すばらしい2楽章。
メヌエットは2楽章の知性の破壊力を日常に引き戻してくれるようなオーソドックスさに引き戻してくれます。ヴェルディケのバトンはハイドンの曲の期待通りの響きで、曲の真髄を把握しきったように、一聴して自然ではありますが、良く聴くと非常に巧みなコントロール。眼光鋭い写真のヴェルディケの意図がCDを通して蘇っています。徐々にノリがよくなってメヌエットを結びます。
フィナーレはところどころテンポを早く打ち、活き活きとした感じを巧みに表現しています。自然な範囲でかなり意図的にアクセント付けにいっています。フィナーレにしては全般に抑え気味の表現ながら、要所要所をクッキリと演出して曲の面白さを思い知らさせるような演奏。最後は打楽器陣が軽く腕前をデモンストレーションするような余裕ある結び。ヤニグロとは逆にテンポを上げる結びが粋ですね。

聴き終わって深呼吸をしなくてはならないような充実ぶり。ヴェルディケのハイドンがここまで素晴らしかったと言う記憶がありませんでしたが、これは圧倒的な演奏。99番のアダージョは宇宙的な深み、そして軍隊の2楽章の素晴らしさも腰にくるようなずしりとインパクトのあるもの。ハイドンの交響曲の最高の演奏として多くの人に勧めたい素晴らしい演奏です。1956年の録音とは思えない素晴らしい録音も絶品。評価はもちろん両曲ともに[+++++]とします。

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tag : 交響曲99番 軍隊 ヒストリカル ハイドン入門者向け

【追悼】パーヴォ・ベルグルンドのオックスフォード、99番

しばらく前に訃報に接し、いつか取りあげようと思っていたアルバム。

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パーヴォ・ベルグルンド(Paavo Berglund)指揮のフィンランド室内管弦楽団の演奏で、ハイドンの交響曲92番「オックスフォード」、99番の2曲を収めたアルバム。収録は1992年11月、フィンランドの首都ヘルシンキの北方約50km内陸の街ヒュヴィンカー(Hyvinkää)にあるヒュヴィンカー・ホールでのセッション録音。レーベルはフィンランドのONDINE。

ベルグルンドが亡くなったのはこの1月25日のこと。シベリウスも嫌いではありませんので、ベルグルンドは好きな指揮者でもあります。また学生のころフィンランド建築史を勉強していたこともあり、フィンランドにはひとかたならぬ愛着があります。
私がフィンランドを訪れたのは30年近く前。学生時代の旅行で真冬のヘルシンキを訪れ、アルヴァ・アアルトの建築やヘルシンキの街並み、凍える寒さのセウラサーリ野外博物館などを見て回ったのが懐かしく思い出されます。また、バックパッキングだったのでヘルシンキオリンピックのメインスタジアムの中にあるユースホステルに泊り、黒人の学生と捕鯨論争をしたり、ヘルシンキ中央駅で声を掛けられたクリスチャンの2人の女性に氷点下の中ボランティアで市内を案内してもらったりと良い思い出ばかりです。そろそろ再訪しなくてはならないと思ってます。

ベルグルンドのシベリウスはEMIのヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団との交響曲全集、ヨーロッパ室内管弦楽団との交響曲全集が手元にありますが、ことさら愛聴しているのはヨーロッパ室内管との4番。やはりシベリウスは4番の凍てつく森の魂が昇華したような険しさを表現したような4番に惹かれます。ベルグルンドの新盤はゆっくり時間をかけて凍らせた透明に輝く氷柱のごとき素晴らしい純度の演奏で、深く印象に残っています。

ベルグルンドのハイドンの交響曲の演奏は非常に珍しいものでしょう。今回取りあげるにあたって、いつものようにHMV ONLINE、amazon、TOWER RECORDSを探したのですが、このアルバムは見つかりませんでした。そもそもこのレーベル自体あまり国内に多く入っていないのではないかと思います。

ベルグンドは1929年、ヘルシンキに生まれたフィンランドの指揮者。父に作ってもらったヴァイオリンで音楽に親しみ18歳までレストランで演奏していたとの事。1949年にフィンランド放送交響楽団のメンバーとなり、同年自身が組織した室内管弦楽団で指揮を始めました。1953年にはヘルシンキ室内管弦楽団の創立メンバーとなり、1956年にはフィンランド放送交響楽団の副指揮者、1962年から72年まで首席指揮者となりました。1975年にはヘルシンキフィルハーモニー管弦楽団の音楽監督となり4シーズンを務める等フィンランドの主要なオケの指揮者を歴任。イギリスではボーマンス交響楽団でシベリウス生誕100年の記念コンサートを振り、1972年から79年まで首席指揮者を務め、この間EMIに多くの録音を残したとのこと。また、1981年から85年までスコティッシュ・ナショナル管弦楽団の首席客演指揮者を務めるなどイギリスにも大きな足跡を残しました。数少ない左手で指揮棒を持つ指揮者として有名だったとのこと。

このベルグルンドのハイドン、久しぶりに取り出して聴いた甲斐がありました。

Hob.I:92 / Symphony No.92 "Oxford" 「オックスフォード」 [G] (1789)
序奏から非常に純度の高い響き。しかも独特の透明感を帯び、シベリウスの新盤と似た純粋さ。主題に入ると快活にオケをドライブしていきますが、ヴィブラートがあっさりしているのか、意図的に響きの純度を高めているのか、聴き方によっては淡白とも思える素直な響き。ウィーン風には香りや華があったのだと気づかされる、蒸留水のような純度の高い響き。テンポもリズムも非常にキレがいいので単調さは皆無で、純粋にぐいぐいとオケを引っ張っていく感じ。これがフィンランド風と言うかベルグルンド風なんでしょう。無色透明な美しさに満ちたオックスフォードの1楽章。ヴァイオリンのキレは確かな技術と統率を感じさせ、響きは氷の冷徹さをほのかに感じさせる実体感のあるもの。録音は適度な残響と実体感のある秀逸なもの。
2楽章は怖い顔なのに優しそうなベルグルンドならではのコントロール。奇を衒ったことは何もせず、ただただ音符に従って純粋にメロディーを奏でていきます。じわりと暖かみが伝わる慈しみ深い演奏。ヘルシンキのレストランには昼間もテーブルに必ず蝋燭の火がともされていたのを思い出します。中間部の強奏はインパクトと節度のバランスがよく、破綻をきたしません。ふたたび慈しみ深いメロディーにもどりますが、良く聴くと木管楽器のハーモニーが絶妙。さらりとした美しさ。透き通った肌の北欧の女性の美しさのような素朴さ。
メヌエットはベルグルンド特有の透明な力感を存分に味わえます。何もしていないのにやはり単調さは全く感じません。非常にデリケートな領域でのコントロールが効いているのでしょう。鮮度の非常に高い演奏。新蕎麦を食べた時の香りとのどごしの良さのようなものを感じます。
フィナーレの入りは有名な弾むメロディーですが、さりげなく入り、むしろ力感で聴かせる演奏。ここに来てリズムの変化のおもしろさを存分に表現。これは秀逸。弾む感じではなく、鋭敏な感覚でリズムの変化を楽しむような演奏。かなりの強弱の変化を全く自然な流れでこなしていく、実に玄人好みの趣向。奏者の音楽性もかなりのものと推察します。このフィナーレは素晴らしい。

Hob.I:99 / Symphony No.99 [E flat] (1793)

ザロモンセット一穏やかな曲調の99番。前曲でとらえたベルグルンドの特徴がピタリとハマる曲。一体感あるオーケストラのピタリとそろったメロディーラインとリズムの面白さ、デュナーミクの変化が心地いい演奏。穏やかの曲なのに聴神経には非常に刺激があります。ベルグルンドがなぜオックスフォードと99番を選んでハイドンの交響曲を録音したか狙いがわかったような気がします。99番の新たな魅力を見事に表現しています。
アダージョはオックスフォード以上に慈しみに満ちています。もともと美しさの際立つ曲ですが、ハイドンの白鳥の歌とも聴こえる素晴らしい感興。朗らかさと慈しみ、そしてほんの少し顔を出す機知。オケの奏者もそのような狙いを良く捉えて、音を削ぎ落としなら透明な旋律を一つずつ置いていく感じ。間を効果的にとって音楽を創っていきます。絶品。ハイドンへのリスペクトに満ちあふれた音楽、そしてベルグルンンド自身の白鳥の歌にも聴こえてしまいます。いや、ほんとに絶品です。
メヌエットはすっと力を抜いて前楽章の透明なのに濃い情感の余韻を綺麗に抜いている感じ。前曲のメヌエットが力感で聴かせたのに対し、明らかに異なるアプローチ。力の抜けた古老の草書のような趣。音楽の流れに従った柔軟な解釈で曲を組み立てているという事でしょう。出来るようでなかなか出来ない変化です。強音でもオケの秩序ある音色が維持され、響きの隅々までコントロールされている事がわかります。これも見事なメヌエット。
フィナーレはもはや神憑っています。弩迫力でも、個性的でもなく、神憑った自然さとでも言えばいいでしょうか。鳥肌のたつような抑制と響きのコントロール。純粋無垢な心境による素晴らしい99番でした。

パーヴォ・ベルグルンドとフィンランド室内管弦楽団による、まさにフィンランドのハイドン。純音楽的な魅力に溢れたハイドンの交響曲の奇跡の演奏とでも評したらよいでしょうか。豪腕でも個性的でも重厚でもなく、まさに純音楽的なハイドン。この2曲を選んでいるところを見ると、ベルグルンドはハイドンの曲に相当造詣が深いと見ました。どちらの曲もベルグルンドのアプローチがピタリとハマる曲です。もちろん両曲とも[+++++]にしました。入手した時には両者とも[++++]としていましたが修正です。ようやくベルグルンドの音楽が理解できる耳にこちらが育ったというのが正直なところでしょう。

そういえばライムンドさんのブログでベルグルンドのシベリウスの4番が、なんと亡くなる3日前に取りあげられていました。ライムンドさん、ベルグルンドの声でも聴こえたのでしょうか。リンクを張っておきましょう。

今でもしぶとく聴いています:シベリウス 交響曲第4番 ベルグルンド・3度目

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ジャンル : 音楽

tag : オックスフォード 交響曲99番

セル/クリーヴランド管の99番(1966年2月ライヴ)

昨日フリッツ・ブッシュの爆演の良さにヒクヒク。つられて今日もヒストリカルものを物色。ありました、良いアルバムが。

IMG_1123.jpg

年末にディスクユニオンで手に入れたCD-R盤。ジョージ・セル(George Szell)指揮のクリーヴランド管弦楽団の演奏で、ハイドンの交響曲99番の他、モーツァルトの交響曲40番、ピアノ協奏曲24番(独奏:カサドシュ)、ベートーヴェンのピアノ協奏曲3番(独奏:エミール・ギレリス)と夢のような組み合わせ。ハイドンの演奏は1966年2月16日のライヴ。その他の演奏も1966年でモーツァルトの24番のみ1969年。レーベルはILLUMINATIONというアメリカのCD-Rレーベルで制作は1999年。2枚組です。

冒頭に置かれたハイドンの99番。ちなみにSONY CLASSICALからリリースされているセルのハイドン交響曲集などにふくまれている99番は1957年10月25日、26日のセッション録音ですので、このアルバムの録音はその9年後のコンサートの模様を収めたもの。これまでセルのハイドンは2回取り上げていますので記事のリンクを張っておきましょう。(すいません4回でしたので追記しました)

ハイドン音盤倉庫:セルの1959年ザルツブルク音楽祭ライヴ
ハイドン音盤倉庫:セル/クリーヴランド管のロンドン他
ハイドン音盤倉庫:セル1954年の93番ライヴ録音2種
ハイドン音盤倉庫:セル/クリーヴランド管の93番、驚愕

これまで聴く限り、セルの演奏は録音が古い年代の方に覇気を感じることが多かったので、今回の演奏の前にSONY CLASSICALの1957年のセッション録音の演奏を聴いてみました。

まずは1957年のセッション録音。

1楽章からセッション録音らしいバランスの良い音響。セルらしい均整のとれた健全な響き。叙情に溺れないキリッとしまった展開です。99番という穏やかな曲のせいか、セルも明確にアクセントをつけたり、演出に凝るところもなくさっと終了。
2楽章はご存知のとおり非常に美しいメロディーの宝庫。少し速めのテンポで入り、ハーモニーの美しさを楽しみながら少しずつテンポを上げていきます。クライマックスの部分では結構速いテンポになっています。
3楽章はセルの本領発揮。非常に折り目正しいメヌエット。リズムを強調して音を短めに刻むことで背筋がピンと伸びたようなメヌエットを演出。これは完成度の高い演奏。
フィナーレは入りは穏やかなものの、途中からインテンポで畳み掛けます。セッション録音にもかかわらずオケが浮き足立つほどセルが煽っているのがわります。途中の一息入れるところでは静寂を長くとり対比を強調。最後はセルらしくタイトなオケをこれまた激しく煽ってフィニッシュ。

セルらしさを感じられる演奏ですが、今一歩の踏み込みと炸裂感を求めたいのが正直なところ。そして今日の本命、1966年のライヴ盤。

1楽章は非常に伸びやかなフレージングで始まります。ライヴとわかる会場ノイズとざわめき。冒頭から迫力が違います。間をたっぷりとってフレーズの彫りを深めます。主題に入ってからはテンポは中庸のままながら推進力溢れる展開に。均整の取れたメロディーと低音弦のザクザク刻むリズムが古典的均整の範囲で程よくバランスする絶妙の1楽章。
2楽章のアダージョは1楽章同様、伸びやかフレージングがいいですね。表現の幅はずっと大きくなり、途中の盛り上がりの山の迫力もだいぶ大きくなります。
3楽章はセッション録音とはことなり、すこし溜の利いた展開。3拍子の後2泊が練る感じです。セッション録音の折り目正しいメヌエットも良いですが、やはりメリハリの利いたライヴの迫力はその魅力を上回ります。弦の滑らかな旋律の美しさもこちらが一枚上でしょうか。
フィナーレの入りは穏やかながらフレーズのクッキリ感があり、いい流れ。主題に入りオケのテンションが上がりますが、フレーズごとの性格付けが巧く、メロディーのみで十分聴き応えのする展開。徐々に楽器がくわわりオケの音量も上がってきますが、冷静なセルのコントロールが効いて混濁することはありません。最後の場面はオケのキレの良さを見せて終了。割れんばかりの拍手が迎えます。

この2つの演奏を比べると、1957年のセッション録音はやはりセッション録音だけあって、バランスの良い音響とセルの覇気が聴こえますが、いまひとつ踏み込みが足りない印象も否めません。一方1966年のライヴの方は伸びやかなフレージングと、キレるところはキレてライヴならではの感興があり、演奏の生気もこちらが上と聴こえます。評価はセッション録音の方が[++++]、ライヴは[+++++]としています。

セルのハイドンは愛好者の多いいわば売れ筋ものでしょう。まだ発掘されていないライヴもあるのかもしれませんが、これだけいいライヴを聴かされてしまうと、やはりライヴ盤探しに熱が入るというものです。セッション録音も一般的には非常に良い演奏ゆえ、セルが好きな方は探してみる価値のあるアルバムだと思います。

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tag : 交響曲99番 ライヴ録音 ヒストリカル CD-R

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Daisy


Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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