パウルス・ファン・デア・メルヴェ/ヴァントのオーボエ協奏曲(伝ハイドン)

前記事でオーボエ協奏曲を取り上げたのですが、手元の未聴盤ボックスにもう一枚素晴らしい演奏がありました。

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ギュンター・ヴァント(Günter Wand)指揮の北ドイツ放送交響楽団(NDR Symphony Orchestra)の演奏で、バッハのヴァイオリン協奏曲(BWV1041)、伝ハイドン作のオーボエ協奏曲(Hob.VIIg:C1)、モーツァルトのセレナータ・ノットゥルナの3曲を収めたCD-R。ハイドンの協奏曲のオーボエソロはパウルス・ファン・デア・メルヴェ(Paulus van der Merwe)。ハイドンの収録は1992年1月12日とだけ記載されています。

ヴァントにはもう一枚Profilからハンスヨルグ・シェーレンベルガーのソロ、ケルン放送交響楽団の演奏による1980年の録音がありますが、今回聴き比べてみたところ、今日取り上げるアルバムの方が演奏が良いため、こちらを取り上げた次第。ヴァントはハイドンでは交響曲76番を得意としていて、ライヴでかなりの回数取り上げていたようですが、この曲も複数の録音があるということで得意としていたのでしょうか。

演奏を聴く限り、全記事のコンセルトヘボウ室内管の演奏を超えるようなオケの充実ぶり。オーボエのソロを担当するパウルス・ファン・デア・メルヴェは調べたところ、このアルバムの演奏を担当する北ドイツ放送交響楽団の首席オーボエ奏者のようです。

ご存知ヴァントは北ドイツ交響楽団とは多くの録音を残しています。ヴァントがこのオケの首席指揮者となったのは1982年、クラウス・テンシュテットの後を受けて。そして1990年にはその座をジョン・エリオット・ガーディナーに譲っています。ということで、これはヴァントが首席指揮者の座をガーディナーに譲った直後の演奏ということになります。

前記事と同じ曲ですので解説のほうは前記事を御覧ください。

Concerto per il oboe [C] (Hob.VIIg.C1)
ヴァント独特の筋骨豊かながら推進力にあふれた演奏に序奏から盛り上がります。CD-Rらしからぬ実在感あるいい録音。オケの迫力は十分。これを聴いて前記事のコンセルトヘボウ室内管が小規模オケだったと気付かされます。メルヴェのオーボエは協奏曲らしくスポットライトをあてられ、くっきり浮かび上がります。音色の変化も大きく、伸びやさも十分。ヴァントの指示がキレているのか、ソロとオケの掛け合いもリズムがピタリと合って完璧なやりとり。コンセルトヘボウ室内管も良かったんですが、このヴァントのコントロールは流石と言わざるを得ません。ゆったりとした音楽が流れながらも彫刻的に引き締まったフォルムが圧倒的。交響曲76番の名演を彷彿とさせる説得力。1楽章最後には、メルヴェが鮮やかな音階のキレとオーボエ独特の唸るような美しい音色の長大なカデンツァを披露。
2楽章は独特の香りたつような音楽。オーボエの美しい音色に縁取られた可憐な花束のよう。オーケストラが次々と響きを変化させながら伴奏していきます。メルヴェも音色ばかりではなくメロディーの起伏をかなり意識た演奏で、ヴァントに負けないほどの起伏を感じさせます。
フィナーレに入ると規則正しいリズムに乗りながらもオケの力感が湧き上がる快感に酔いしれます。中盤、響きが短調に変わり、さっと光が射すような場面の面白さがヴァントのコントロールで際立ちます。オーボエもかなりの雄弁さでオケに負けていません。実に見事な演奏でした。

伝ハイドンのオーボエ協奏曲。前記事の演奏でなんとなくその面白さがわかってから興味がでてきました。手元にあるアルバムではこのアルバムの演奏がベストではないでしょうか。コンセルトヘボウ室内管とエルネスト・ロンボーの演奏も良かったのですが、オケとオーボエのバランス、オーボエの躍動感と響きの面白さ、そしてなによりヴァントがコントロールするオケの躍動感はこちらの方が上でしょう。偽作ではあっても、これまでにその音楽の面白さを認めた録音も多数あることを考慮すると、真贋ではなく音楽自体を楽しむべきでしょう。もちろん評価は[+++++]とします。

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tag : オーボエ協奏曲 偽作 CD-R

エルネスト・ロンボーのオーボエ協奏曲(伝ハイドン)

3月に入ってから出張に送別会と忙しい毎日を送っており、ちっとも記事の執筆が進みませんが、こうゆう時は短い曲のアルバムが都合がいいんですね(笑)

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エルネスト・ロンボー(Ernest Rombout)のオーボエ、ヨハン・クラフト(Johan Kracht)指揮のコンセルトヘボウ室内管弦楽団(Conertgebouw Chamber Orchestra)の演奏で、伝ハイドンのオーボエ協奏曲(Hob.VIIg:C1)、モーツサルとのオーボエ協奏曲(K.314)、フンメルのオーボエと管弦楽のためのアダージョ(序奏)、主題と変奏(Op.102)の3曲を収めたアルバム。収録は1993年2月、アムステルダムのWaalse教会でのセッション録音。手元のアルバムはLONDONの国内盤。

当ブログの読者の方ならご存知のとおり、このオーボエ協奏曲はハイドンの作であるかどうかはわからず、偽作というような扱いをされている曲。このアルバムの解説でも、今世紀になってからザクセン州ツィッタウの図書館で発見されたパート譜をもとに、1926年にブライトコップフ&ヘルテル社によって出版され、以来多くの演奏者によって演奏されてきたものとあります。元のパート譜はハイドンの没後10年後に書かれたもので、表紙にうっすらとハイドンの名が書かれたもの。本来の作曲者はオーストリアのイグナーツ・マルツァートやウィーンの宮廷作曲家レオポルド・コジェルフの名が挙がっていますが、本当のところはわからない模様。
この曲、協奏曲としてはなかなかいい出来ゆえ、偽作とのレッテルが定着しているにもかかわらず録音は少なくありません。手元に登録済みのものだけでも現在9種のアルバムがあります。

オーボエ奏者のエルネスト・ロンボーは1959年オランダに生まれた人。王立ハーグ音楽院を経てフライブルク音楽大学で名手ハインツ・ホリガーにオーボエを学び、卒業後はアーノンクールらに師事しました。コンサートデビューは1983年、アムステルダムコンセルトヘボウでリヒャルト・シュトラウスのオーボエ協奏曲。その後世界的に活躍しているとのこと。1985年からユトレヒト音楽院、2007年からはアムステルダム音楽院でオーボエを教えているそうです。
指揮者のヨハン・クラフトはアムステルダム・コンセルトヘボウ管のヴァイオリニストのようですね。小編成の室内管の指揮をとっていたということでしょう。

このアルバム、取り上げたのはもちろん演奏が非常に良いからに他なりません。真贋に耳が行くのではなく純粋に音楽を楽しめるなかなかいい演奏です。

Concerto per il oboe [C] (Hob.VIIg.C1)
往時のDECCAサウンド。実体感のあるオーケストラが教会に響きわたります。PHILIPSの透明感のある録音とは異なりますが、こちらも悪くありません。オケは流石に腕利き揃いと思わせるキレ。序奏だけでも見事なオーケストラの演奏。ロンボーのオーボエは音量はそこそこながら、しなやかさはホリガー譲り。ホリガーはオーボエの音色だけで天上に昇るような崇高さを感じさせますが、ロンボー、そのホリガーの純度の高い高音に近い音を出します。協奏曲なのでもう少しソロにスポットライトを当てても良さそうなのですが、完全にオケの迫力に食われています。オーボエの旋律は親しみやすく美しいもの、冒頭の主題の提示以降の展開が形式的でハイドンの創意がこちらの期待を上回る展開の妙とまでは至らず、やはりハイドンの作ではないとの印象を強くしますが、この時代の協奏曲としてはソロのメロディーのラインの美しさとオケのしっかりとしたサポートはかなり聴き応えがあります。
2楽章はロマンツェ・ポコ・アダージョ。オーボエの美しいメロディーから入ります。オケもそっと寄り添い、時折り短調に振れ、響きのデリケートな変化はなかなか。オーボエ独特の物悲しい音色が映えますね。オーボエも表情豊かなんですが、それ以上にオケが実に雄弁。自然を保ちながらも音楽の陰影が深く、ソロの引き立て役としては十分すぎるくらい。
フィナーレもオーボエから入ります。じきにオケがスロットルをふかして、フル回転でサポート。室内オケにもかかわらず分厚い響きはさすが。メロディーラインの展開の面白さと伴奏の迫力。最後のカデンツァではロンボーが超絶テクニックを披露しますが、オケは何事もなかったように迎えます。

このあとのモーツァルトのオーボエ協奏曲はハインツ・ホリガーの神がかった演奏が刷り込み盤ですが、流石ホリガー門下、オーボエの聴かせどころが似ています。実に伸びやかなオーボエにうっとりです。

エルネスト・ロンボーのオーボエによる、ハイドン、モーツァルト、フンメルと同時代の協奏曲を集めたアルバム。ロンボーの妙技とヨハン・クラフトの操るコンセルトヘボウ室内管の名手たちの技を聴くべきアルバムでした。偽作とのことでいままでちょっと避けて通ってきましたが、これは面白い曲であることがわかりました。特に印象的だったのがクラフト操るオケの雄弁さ。決してソロが悪いわけではありませんが、この伴奏の素晴らしさは目を見張るものがあります。ハイドンの作品とはちょっとだけ印象が異なりますが、後世の人がハイドンの名を冠しようとしたのも頷けますね。評価はオケに敬意を払って[+++++]とします。

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tag : オーボエ協奏曲 偽作

ボフスラフ・マトウシェクとプラハ室内管のヴァイオリン協奏曲集(ハイドン)

今日はヴァイオリン協奏曲集。

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ボフスラフ・マトウシェク(Bohuslav Matoušek)のヴァイオリン、リボール・ハラヴァーチェク(Libor Hlaváček)指揮のプラハ室内管弦楽団(Prague Chamber Orchestra)の演奏で、ハイドンのヴァイオリン協奏曲2曲(Hob.VIIa:1、VIIa:4)、このアルバムではハイドン作と書かれホーボーケン番号(Vlla:B2)も付されてていますが偽作で今はカンナビッヒ作曲のヴァイオリン協奏曲とされる曲の合わせて3曲を収めたアルバム。収録は1971年1月4日から13日、プラハのスプラフォン・ドモヴィナ・スタジオでのセッション録音。レーベルはスプラフォンの廉価盤シリーズのSupraphonet。

ハイドンのヴァイオリン協奏曲はなにげに素晴しい演奏が多く、未知のアルバムを聴くときには緊張が走ります。このアルバムも湖国JHさんから貸していただいているもの。奏者の紹介からわかるとおり、普段は指揮者なしを定番としているプラハ室内管とチェコの腕利き奏者による演奏と想像できます。アルバムの立ち位置から考えても悪かろうはずはありません。

ヴァイオリンのボフスラフ・マトウシェクは1949年、チェコのプラハとブルノのちょうど中間にあるハブリーチクーフ・ブロト生まれのヴァイオリニスト。プラハ音楽芸術アカデミー等で学び、その後アルテュール・グリュミオー、ナタン・ミルシュタイン、ウォルフガング・シュナイダーハンなどに師事しました。1970年にはプラハの春音楽祭にて、マタチッチ指揮のチェコフィルとドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲を演奏し、2年後の1972年にはプラハの春音楽祭の国際コンクールにて1等を獲りました。今日取り上げるハイドンのヴァイオリン協奏曲はこのプラハの春デビュー直後の1971年の録音ということでマトウシェクが活躍し始めた頃の貴重な録音ということになります。

プラハ室内管については、以前にいろいろ演奏を取りあげていますので、奏者の情報はそちらをご覧ください。

2013/02/03 : ハイドン–協奏曲 : ティルシャル兄弟による2つのホルンのための協奏曲(新盤)
2012/12/23 : ハイドン–交響曲 : ベルンハルト・クレー/プラハ室内管の哲学者
2012/10/17 : ハイドン–協奏曲 : ミハル・カニュカ/プラハ室内管によるチェロ協奏曲、哲学者
2012/10/14 : ハイドン–交響曲 : ブラハ室内管弦楽団の「驚愕」
2012/05/21 : ハイドン–協奏曲 : ティルシャル兄弟/コシュラー/プラハ室内管の2つのホルンのための協奏曲

Hob.VIIa:1 / Violin Concerto [C] (c.1765)
通常は指揮者なしを特徴としているプラハ室内管ですが、協奏曲となると合わせるのに指揮者が必要なのでしょうか。録音は1971年ということで時代なりでしょう。オケはプラハ室内管らしく、力感のこもった分厚い響き。マトウシェクのヴァイオリンはグリュミオーに師事しただけあって、中音の存在感をキーとした美しい音色が印象的なもの。華美ではありませんが、引き締まったボウイングにほのかに色気を感じる、なかなか通好みの響き。オケは几帳面にリズムを刻みながら、要所を締め、カッチリとサポートしていきます。1楽章のカデンツァはヴァイオリンの胴鳴りの美しさを引き出すなかなかのもの。カッチリとししながら、味わいもある通好みな演奏。
続くアダージョはハープシコードの雅な響きに縁取られたピチカート中心のオケに乗って、マトウシェクのヴァイオリンが淡々と美しいメロディーを奏でていきます。全般にカッチリとした枠組みの中での演奏。
フィナーレはリズムの鮮度があがり、躍動感とまではいきませんが、活気を感じる流れ。表現のスタイルでの冒険はありませんが、枠のなかでの音楽の変化を楽しむような素朴な良さがあります。もしかしたら古典派の音楽の演奏の本質的な魅力は、こうゆうところにあるのかもと思わせる説得力を感じます。

Hob.VIIa:4 / Violin Concerto [G] (c.1765/70)
なんとなく演奏のスタイルが把握できたので、安心して聴けるようになります。色彩感豊かなこの曲の導入もマトウシェクとプラハ室内管のキリリとした枠にはまって、多少古風な印象もありますが、聴き手であるこちらがそれが快感に感じる心境にもなっております。現在ではこの曲の様々な演奏を聴く事ができ、この美しいフレーズをのびのびと奏でることに違和感はありませんが、1971年当時の状況を想像するに、このカッチリとした枠の美しさが粋だったんでしょう。現在では逆にちょっと時代を感じるこの演奏がかえって魅力的に感じるから不思議なものです。箱庭的な美しさの魅力でしょうか、マトウシェクのヴァイオリンはヴァイオリンの迫力ではなく響きの美しさや、多彩な響き、色彩感を感じさせるもの。楽器も良く鳴って快感。ハラヴァーチェクのコントロールも等身大の音楽をやろうとしているようで好感がもてます。
意外と言っては失礼ですが、2楽章のアダージョはぐっと心にしみる深い音楽にハッとさせられました。オケの素朴な伴奏とヴァイオリンソロの淡々とした語り口が妙にしっくり来て、ハイドンの音楽に引き込まれます。マトウシェクのヴァイオリン、妙に味わい深く、心にぐさりと来ます。オケも一段呼吸が深くなって音楽も深く沈みます。
フィナーレは弦楽器群の魅力ある響きから入りますが、オケも枠のなかでのアクセルワークが巧みで、ヴァイオリンと掛け合いながら巧みに強弱をコントロールしていきます。

このあとはカンナビッヒのヴァイオリン協奏曲。ハイドン作ではないと知って聴くからかと思いますが、曲の構成と展開が独特で、意外と面白い曲です。マトウシェクもオケもハイドンの時よりリラックスしているようですが、これは収録日がこの曲だけ異なるからでしょうか。

さて、本来はハイドンの真作であるヴァイオリン協奏曲を3曲収めればよいところ、3曲目にカンナビッヒの曲を持ってきた意図は、この曲によってハイドンの曲の魅力を引き立たせようという意図があるのではないかと邪推しています。やはり曲の構成と展開の面白さはレベルの差があるように感じます。ということで、このアルバム、他に名だたる演奏も多い事から、評価は冷静にと思って聴いていきましたが、特に2曲目のアダージョの出来の良さで、ちょっといい感触をつかみました。1曲目は[++++]、そして2曲目はまとまりと色彩感、アダージョの情感をとって[+++++]とします。

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tag : ヴァイオリン協奏曲 偽作

ウィーンコンツェルトハウス四重奏団のOp.20-5聴き比べ(ハイドン)

ご存知のようにウィーン・コンツェルトハウス四重奏団には、WestminsterとPREISER RECORDSからかなりの数のハイドンの弦楽四重奏曲の録音がリリースされています。PREISER RECORDSからリリースされたアルバムにつけられた解説にはWestminsterの他にVanguardやDeutsche Grammophone、そしてコロムビアにも録音がある旨記されていて気になっていたもの。

こちらが先日ディスクユニオンで手に入れたアルバム。

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ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団(Wiener Konzerthaus Quartett)の演奏による伝ハイドンのセレナード、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.20のNo.5、モーツァルトの弦楽四重奏曲KV.458「狩」の3曲を収めたアルバム。収録は1960年11月、東京とだけ記されていますが、セッション録音のようです。レーベルはDENON。

このアルバムに収録された当時のメンバーは下記のとおり。

第1ヴァイオリン:アントン・カンパー(Anton Kamper)
第2ヴァイオリン:ヴァルター・ヴェラー(Walter Weller)
ヴィオラ:エーリッヒ・ヴァイス(Erich Weiss)
チェロ:ルートヴィヒ・バインル(Ludwig Beinl)

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こちらはご存知PREISER RECORDSの全3巻のハイドンの弦楽四重奏曲集の第2巻。この2枚目に上のDENONのアルバムに収められているOp.20のNo.5が収録されています。収録年、収録場所などは記載されていませんが、解説などから1956年以前の収録でしょう。

PREISER RECORDSの解説によれば、WestminsterとPREISER RECORDSの録音はすべて1956年以前のもので、メンバーも1934年創設当時のメンバーとのこと。

第1ヴァイオリン:アントン・カンパー(Anton Kamper)
第2ヴァイオリン:カール・マリア・ティッツェ(Karl Maria Titze)
ヴィオラ:エーリッヒ・ヴァイス(Erich Weiss)
チェロ:フランツ・クワルダ(Franz Kwarda)

比較的近い間にいろいろなレーベルに録音しているウィーン・コンツェルトハウス四重奏団ですが、その違いはどのようなものか、興味は尽きません。当ブログでは過去2回レビューで取りあげていますが、何れもWestminster盤。

2013/08/23 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団のOp.64のNo.6
2011/10/08 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団のOp.64のNo.2

Westminster盤は鮮明ながら耳に刺さるような鋭い響きが特徴で、このクァルテット独特の味わい深い響きを楽しむのには向かないのが正直なところ。今回手に入れたDENON盤は日本での録音のため、また違った響きが聴かれそうですね。

Hob.III:35 / String Quartet Op.20 No.5 [f] (1772)
シュトルム・ウント・ドラング期の頂点である1772年に作曲された短調の傑作。最初は、聴き慣れたPREISER RECORDS盤からいきましょう。

ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団の一番の特徴である、アントン・カンパーのゆったりと、まったりとしながらもところどころで伸び伸びとした美しい響きを聴かせるヴァイオリンの音色が心地良い演奏。全体にゆったりとした間が支配し、この曲がはらむ緊張感のようなものは前に出てこず、逆に優雅なえも言われぬ雰囲気に包まれる演奏。録音はもちろんモノラルで、Westminster盤のような尖ったところはなく、実にマイルド。時代なりですが、非常に聴きやすいもの。ヴァイオリンも鮮明さよりも中音の響きの厚さが良く出て、良い味わいが感じられます。ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団の演奏スタイルにぴったり。
2楽章のメヌエットはアダージョのような風情。ポルタメントを効かせるほどではありませんが、演奏は古き良き時代を感じさせるもの。アンサンブルは良くそろっているのですが、エッジが立っていないので、リズムではなく響きを乗せているようなアンサンブル。これはこれで他のパートの響きをよく聴いての演奏でしょう。じっくりと燻らしたように音楽が進みます。燻製が出来上がるのを煙を見ながら待つような心境。
3楽章のアダージョはウィーン・コンツェルトハウス四重奏団のゆったりとした音楽が最もマッチした楽章。この曲のこの時代を代表する演奏でしょう。優雅に響く弦楽器の響きにとろけそう。これぞ古き良きウィーンの香り。ハイドン弦楽四重奏のヒストリカルな演奏に我々が期待する美しさすべて詰まっています。技術を超えた音楽がここにあります。
終楽章はフーガの旋律を実に堂々と奏でて、メロディーが象徴的にそびえ立つように感じる入り。演奏が進むにつれて味わい深いアンサンブルの魅力に包まれますが、メロディーラインの複雑に絡み合うようすをわかりやすく整理して聴かせてくれているようで、主旋律がクッキリ、堂々と描かれることで音楽の印象も現代の印象とはだいぶ異なって聴こえます。

久しぶりにPREISER RECORDSの美音を堪能。つづいて今回手に入れた日本での録音。

比較すると録音は鮮明さが上がって、ステレオ空間に各楽器がクッキリ定位するもの。ライナーノーツにはマスターテープの保存状態が悪く、このCDはLPから起こしたものと記載されています。スクラッチノイズなどは皆無で品質は悪くありません。響きはデッドで、スタジオでの録音でしょうか。PREISER RECORDSのえも言われぬ味わい深い音色とはことなり、音が少し痩せて、線が細い感じ。特にヴァイオリンなどの高音の線が細い感じ。演奏の基調はゆったりとヴァイオリンをならしていくアントン・カンパーが握り、演奏自体の方向性は変わらないものの、録音によって音楽の印象は大きく異なります。鮮明な分、音程の粗がちょっと目立ったり、乾いた感じの弦の音色がが雰囲気を冷静にさせていますが、逆に鮮明な分、各パートがクリアに浮かびあがってボウイングが手に取るようにわかります。録音の違いを脳内で補正すると演奏はほぼ同じ方向性。録音による古き良き時代のウィーンの印象ではなく、演奏自体からにじみ出るエッセンスがウィーン風であったことっがわかり、日本での録音ということで、その貴重さもつたわって来ます。
2楽章のメヌエットはPREISER RECORDS盤よりもテンションが高く、タイトさが緊張感ををはらみます。アンサンブルも今度はエッジがクッキリとして、ざらついた各弦楽器の浸透力のある響きが呼応。チェロの弓さばきも鮮明に録られ、非常に鮮明に各楽器が響きます。
聴き所のアダージョは、前盤が録音の雰囲気の影響が色濃く出た、味わいの深さだったのに対し、このアルバムでは録音のベールをはがし、演奏自体のもつ響きの強さに裏付けられた味わいが聴こえてきます。かなり鮮明に録られていますが、味わいの深さはもしかたら前盤以上。音量を上げて聴くと心に刺さるよう。奏者の息づかいが聴こえてくるような鮮明さ。
フィナーレのフーガのメロディーの象徴的な扱いは前盤同様。まるでバッバを聴いているような厳粛な気持ちになります。ゆったり刻むテンポで逆に迫力を増し、かなり克明なメリハリがついたフィナーレ。冬の陽で立体感が際立つ山容を見るよう。

ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団の時期を違えた2種の録音。PREISER RECORDSのアルバムはまろやかな録音と相俟って、このクァルテットに我々がイメージする古き良きハイドンの弦楽四重奏曲の理想的な響きが聴かれます。久しぶりに聴き直してみると、この演奏の貴重さをあらためて感じた次第。とくにアダージョ楽章のえも言われぬ陶酔感は貴重ですね。一方、1960年の来日時に録音されたであろうDENON盤は、響きが鮮明なぶん、このクァルテットの演奏自体の貴重なスタイルを解き明かしているよう。各奏者の音色やボウイングまで鮮明に録られており、PREISER RECORDS盤と同様の味わいの秘密に近づいた気にさせるもの。人によってはこちらの鮮明な響きを好まれる方も少なくないのではないかと想像しています。評価は両盤[++++]とします。古き良きウィーン情緒を感じたいのなら、間違いなくPREISER RECORDSをお薦めします。

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tag : 弦楽四重奏曲Op.20 ヒストリカル 偽作 ハイドンのセレナード

怪演! ミハイル・プレトニョフのピアノ協奏曲集

今日の2組目はプレトニョフのピアノ協奏曲とソナタ集。

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HMV ONLINEicon

演奏はミハイル・プレトニョフ(Mikhail Pletnev)のピアノと指揮、ドイツ室内管弦楽団(Deutsche Kammerphilharmonie)。アルバムにはピアノ協奏曲3曲(CD1)とピアノソナタなど(CD2)が含まれていますが、今日はピアノ協奏曲の演奏を取り上げます。録音は1995年4月3、4日にハノーヴァーのNDRの放送大ホールでの収録。

プレトニョフは1957年生まれのロシアのピアニスト、指揮者。最近はDeutsche Grammophoneの専属となっているようですが、HMV ONLINEでは今日時点で”pletnev”の検索で95組のアルバムがヒットし、そのうち25組がチャイコフスキーということで、やはりロシアものが得意のよう。つづくのがベートーヴェンの16組ということで正統派でもあり、最近はベートーヴェンの交響曲全集を指揮者としてリリースするなど指揮者としての活動も活発になっているようですね。

ハイドンの録音はこのアルバムに含まれる曲のみが現在リリースされているのみで、これがハイドンの録音のすべてかも知れません。

演奏は、非常にコンセプチュアルなものですね。とりあえずハイドンの協奏曲の演奏の中では変わり種という範疇でしょう。

最初のピアノ協奏曲XVIII:4。この曲の作曲は1768年頃とされていますが、正確なところはわからないとのこと。ハイドンは1766年にそれまでの楽長ヴェルナーの死によって34歳でエステルハージ家の楽長に就任して、益々仕事が充実し始めた年。若いハイドンが手がけた協奏曲という位置づけ。
演奏は、遅めのテンポかつ、力を相当抜きつつ、そしてリズムのメリハリをしっかりつけて、生気と推進力というより、非常に冷静にとらえて俯瞰的な視点でとらえた始まり。ピアノは音を短く切って点描ののような音の配置の仕方。この曲の1楽章のリズムはいきなり快速な展開とはなりにくいものの、かなり極端な解釈でしょう。実はこの姿勢はこの曲のみならず、プレトニョフのハイドンの協奏曲全体に共通する基調となっています。ハイドンのピアノ協奏曲を現代楽器で演奏する場合、もう少し流麗な展開となるのが一般的なところでしょうが、ここにはソロも指揮も担当するプレトニョフの意思が働いているのは確実でしょう。ハイドンの協奏曲としてどうこうというより、協奏曲の演奏のスタイルとして成り立つかということでしょう。ハイドンが作曲した時代背景などとは離れて、純粋に音楽としてみると、プレトニョフのアプローチは有りでしょう。
2楽章は、1楽章につづき、じっくりとしたアプローチで、まるでショパンの協奏曲のような展開。詩情があふれたいい演奏。左手の音階をかなり極端なスタッカートで刻むのが斬新。カデンツァはプレトニョフによるものですが、とてもハイドンの時代の曲とは思えないロマンチックなもの。気に入らないということではなく、むしろ素晴しいカデンツァといえるでしょう。
3楽章も最初のリズムから非常に冷静な展開。音楽が熱くならず常に冷静な視点からコントロールされている感じですね。ピアノもオケも非常に繊細なコントロールで、演奏の質は非常に高いんですが、静寂と間を生かした展開ゆえ、ハイドンの協奏曲の3楽章としては異例のスタティックな印象ですね。非常に個性的な演奏と言えるでしょう。

次がピアノ協奏曲XVIII:7。この曲は偽作との指摘もある曲。作曲は1766年頃ですが真偽のほどは定かではありません。前曲と同様のアプローチゆえ、いきなり耳が分析的な聴き方になってしまいます。ハイドンの曲の見事な展開を追うというよりはリズムをとりながら設計図を見るような印象。1楽章から神経を鋭敏に張り巡らせて、ピアノタッチとオケの微妙な音量コントロールと節目をクッキリさせるテンポ感の展開にシナプスからアドレナリンが伝達する様子をCGで眺めるような演奏。意味不明ですいません(笑)。音量を抑えて理性的に進める展開に慣れて、聴いているうちに快感に溺れてきました。これはなかなかの演奏ですね。
2楽章は前曲同様、ショパン。音楽的な展開はクレメンス・クラウスの天体の音楽のような、大きく揺るぎない素朴さのような音楽。
3楽章の出だしは見事。音符のリズムの本質をえぐるような曲想を、7分の力で描くような展開。グールドから灰汁と強さとうなり声を取り除いたような清透な個性。

最後が最も有名なピアノ協奏曲XVIII:11。ちょっと安心したのがこの曲の神髄といえる快速な推進力は感じられること。ただ、透徹したコントロールは健在ですね。このアルバムの中ではもっとも標準的なピアニズムを感じられる演奏。おそらく、先人の多くの演奏が耳に残って、個性的なアプローチ、創意の入り込む余地を縮めたのではないかと想像しています。1楽章は前2曲とは異なり、個性は弱い方ですね。
2楽章は逆に、純粋に曲の美しさを究極まで洗練させたような演奏。これは名演ですね。ピアノの右手の紡ぎ出すメロディーがダイヤモンドのごとき輝きをはなって、美しさを極めます。グルダとアバドによるモーツァルトの21番の2楽章を思い起こさせます。カデンツァは至福の瞬間の連続。絶品ですね。
3楽章は再び、洗練されたコントロールによるピアニズム。ハイドンのピアノ協奏曲のフィナーレの魅力の総決算のような演奏。途中からはっきりギアチェンジしてテンポを上げたり、オケとの掛け合いの空気感の巧みな演出があったり、表現の限りを尽くした演出で楽しめます。

評価はXVIII:4が[++++]、XVIII:7とXVIII:11が[+++++]としました。

これまでプレトニョフに特に注目してきたことはありませんでしたが、この人は要注目ですね。現代の演奏家のなかでは強い個性、それも音楽的には非常に洗練された個性の持ち主とみました。ハイドンの録音がこのアルバム限りということは寂しい限りですね。もっと注目されていいい人ではないかと思います。

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tag : ピアノ協奏曲XVIII:4 ピアノ協奏曲XVIII:7 ピアノ協奏曲XVIII:11 おすすめ盤 偽作

ヘルマン・バウマンのホルン協奏曲集

昨日はほんとはスクロヴァチェフスキ/読売日響のブルックナーを池袋に聴きにいくはずだったんですが、仕事が入ってしまい、知人にチケットを譲っちゃいました。スクロヴァ爺がまた爆演だったんでしょうね。行かれた方のレビューでも読んで余韻を楽しみたいと思います。

レビューの方は前記事に引き続きPHILIPSレーベルの古いアルバムつながりで下記の盤を取り上げました。

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ヘルマン・バウマン(Hermann Baumann)のホルンによる、ハイドンのホルン協奏曲集。ホルン協奏曲1番VIId:3、ホルン協奏曲2番VIId:4、2つのホルンのための協奏曲VIId:2、ハイドンと同時代の作曲家ポコーニー(Pokorny)のホルン協奏曲の4曲を集めたもの。演奏はアイオナ・ブラウン(Iona Brown)指揮のアカデミー室内管弦楽団(Academy of St. Martin-in-the-Fields)で、1988年2月のセッション録音。

バウマンのホルン協奏曲2曲は、他のハイドンの協奏曲と合わせた廉価盤で持っていたんですが、オリジナルのアルバムには珍しい2つのホルンのための協奏曲VIId:2が含まれているため、最近入手したものです。廉価盤の方がちょっと味気ないジャケットだったんですが、こちらの方は暗闇からバウマンの思慮深く彫りも深い意味ありげな姿が浮かび上がるなかなか迫力あるジャケットデザインで、コレクションに加えるべきとの判断から入手しました。

Wikipediaなどで調べたところハイドン作曲のホルン協奏曲(可能性のある曲も含む)は、知られているだけで5曲あります。

VIId:1 コルノ・ダ・カッチャ協奏曲 ニ長調(1765)紛失
VIId:2 2つのホルンのための協奏曲 変ホ長調(作曲年不明)偽作?
VIId:3 ホルン協奏曲第1番 ニ長調(1762)
VIId:4 ホルン協奏曲第2番 ニ長調(1781以前)偽作?
2つのホルンのための協奏曲 変ホ長調(1784以前?)偽作の可能性高い

一番有名というか演奏されることが多いのがホルン協奏曲第1番。作曲が1762年ですのでハイドンがアイゼンシュタットのエステルハージ家の副楽長に就任してすぐで、パウル・アントン・エステルハージ侯爵が亡くなった年のもの。2番は3楽章の類似性から弟ミヒャエル・ハイドンの作の可能性があるなど指摘があります。私の所有している録音も以前赤いジャケットの怪しいアルバムとして取り上げたクレヴェンジャー盤とこのバウマン盤のみ。2つのホルンのための協奏曲は1959年に筆写譜が発見されてハイドン作と思われたが認められなかったもの。こちらもパイヤールの指揮したERATO盤とバウマン盤のみ。

ということで、ハイドン作と確実に判明しているのはホルン協奏曲1番のみなんですね。

さて、第1番から。オケはロストロポーヴィチのチェロ協奏曲の名サポートで記憶にのこるアイオナ・ブラウン指揮のアカデミー室内管弦楽団。非常に軽やかかなリズムによるすがすがしい始まり。オケの鮮度が高く非常にキレがいい感じ。バウマンのホルンはそのオケに乗って、こちらも軽々と吹いていきます。よく聴くとバウマンのホルンはリズムが非常に正確で、重くなく、響きがよくコントロールされた模範的な演奏。こうした演奏は相当な技術がないと難しいのでしょう。オケのキレに合わせてホルンが軽々と進む痛快さ。1楽章のカデンツァは腕試し的にさらりとこなします。
2楽章はブラウンがギアチェンジ。非常に繊細にオケをコントロール。始まったとたんから素晴しい緊張感。バウマンのホルンは音量のコントロール、フレージングともに絶妙の極み。特に弱音のコントロールは見事の一言です。この曲の特徴であるホルンの低音部の魅力的なメロディーは、先日取り上げたデニス・ブレインが図太い低音の迫力で聴かせたのとは異なり、絶妙の音量コントロールで聴かせます。素晴しいテクニックですね。録音が鮮明な分純粋に響きの美しさも堪能できます。2楽章のカデンツァはバウマンの絶妙なテクニックによるホルン素晴しい響きを楽しめます。
3楽章はオーケストラの色彩感が際立ちます。美しい弦楽器の合奏と推進力。ホルンは再び軽々とメロディーをトレースしてハイドン特有の3楽章の複雑な構成をクリアに描いていきます。速いパッセージも滑かにこなしていきます。ホルンとオケが一体となった素晴しいフィナーレですね。最後のカデンツァはバウマンのテクニックが存分に発揮された素晴しい仕上がりです。

続いて第2番。演奏は1番の素晴しい質を保ってますが、やはり曲想が少々単調に感じられます。ハイドンの作曲かどうかの真贋を見定める能力も知識も立場もありませんが、耳に入る音楽の要素にはいつものハイドンの閃きのつみ重ねというよりは、単純なメロディーの組み合わせに聴こえてしまいます。演奏はバウマンの素晴しいホルンのメロディーを純粋に楽しめます。
2楽章はバウマン自身による本アルバムの解説に「宝石のよう」と書かれているように、短調の切々としたメロディーが美しい曲。打って変わって3楽章明るメロディーの曲。朗々たるホルンの響きを楽しめます。最後のカデンツァはホルンの音色の魅力のショーピースのような仕上がり。

最後は2つのホルンのための協奏曲。第2ホルンはティモシー・ブラウン(Timothy Brown)が担当。この曲は発見当時はハイドンの曲ということで話題となったようですが、その後の研究でハイドン作曲とまでは認められなかったようですね。ロビンス・ランドンの研究ではロセッティかエッティンゲン=ワーランシュタイン家の音楽家の一人の作品と推測されているとのことです。
曲は2本のホルンの掛け合いというか、響きの重なりを楽しむ曲。序奏はモーツァルトの曲といったら疑いようのないような流麗なもの。美しい序奏にホルンが乗ってきますが、2本のホルンによる響きは絶妙な調和で非常に美しいですね。ホルンという楽器の音色は1本でも美しいですが複数のホルンの音の重なりもまた違った美しさを感じさせますね。
2楽章はこの曲も短調のうら悲しいメロディーが美しい曲。3楽章は冒頭のタラタッタッタッターというメロディーが楽章全体の基調となる展開。オケとホルンがタラタッタッタッターの応酬。
全体の曲調もハイドンの曲とはちょっと異なる印象に聴こえます。

評価はホルン協奏曲1番が[+++++]、その他が[++++]としました。
この頃のPHILIPSのプロダクションは素晴しいものが多いですね。音楽産業全盛期の栄華が感じられます。1枚1枚の素晴しい完成度と、PHILIPSの自然な録音の素晴しさが堪能できます。このオリジナルアルバムが現在廃盤なのは残念なところ。中古で見つけられた際には見逃すべきではありませんね。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : ホルン協奏曲 おすすめ盤 2つのホルンのための協奏曲 偽作

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Daisy


Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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