【新着】ジョヴァンニ・アントニーニの交響曲全集第5巻(ハイドン)

現在進行中のハイドンの交響曲全集。順調にリリースが続いています。

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ジョヴァンニ・アントニーニ(Giovani Antonini)指揮のバーゼル室内管弦楽団(Kammerorchester Basel)の演奏で、ハイドンの交響曲80番、81番、ヨーゼフ・マルティン・クラウスの交響曲ハ短調(VB 142)、ハイドンの交響曲19番の4曲を収めたCD。このアルバムはアントニーニによるハイドンの交響曲全集の第5巻。収録は80番が2016年10月24日から25日にかけてスイスのバーゼル近郊のリーエンという街にあるランドガストホフ・リーエンでのセッション録音。その他の曲が2016年6月23日から27日にかけて、ベルリンのテルデクス・スタジオでのセッション録音。レーベルはレーベルはouthereグループのALPHA-CLASSICS。

私が手に入れたのはマーキュリーがリリースする解説付き国内仕様。解説の翻訳はおなじみの白沢達生さん。このシリーズはパッケージも解説も非常に凝ったものなので、やはり翻訳付きはありがたいですね。

このアルバムは先に触れたようにアントニーニによるハイドンの交響曲全曲録音の第5巻。これまでの4巻はアントニーニの率いるイル・ジャルディーノ・アルモニコが演奏したものでしたが、5巻目となってオケがバーゼル室内管がようやく登場したことになります。

2017/04/18 : ハイドン–交響曲 : 【新着】イル・ジャルディーノ・アルモニコの交響曲全集第4巻(ハイドン)
2016/10/09 : ハイドン–交響曲 : 【新着】イル・ジャルディーノ・アルモニコの交響曲全集第3巻(ハイドン)
2015/06/08 : ハイドン–交響曲 : 【新着】イル・ジャルディーノ・アルモニコの交響曲全集第2巻(ハイドン)
2014/11/08 : ハイドン–交響曲 : 【新着】イル・ジャルディーノ・アルモニコの交響曲全集第1巻(ハイドン)

もともとこのシリーズは、制作当初からオケはイル・ジャルディーノ・アルモニコとバーゼル室内管を振り分けるものとアナウンスされており、これまでの4巻に収録された演奏がいずれもパリセット以前の曲だったので、なんとなくオケを振り分けるポイントはパリセット以降などの曲の規模や時代の流れでのことと想像していました。ところが、今回80番、81番という収録曲でオケを変えてきたのを見て、概ねそうした想像通りと思いきや、初期の19番も含まれており、ちょっと想像とも違った展開でもあります。

解説によれば、今回の企画は1巻ごとにテーマを決めて選曲されているとのことで、アルバムも巻ごとにタイトルが付けられ、そのテーマに従って選曲されています。第1巻「受難」、第2巻「哲学者」、第3巻「ひとり物思いに沈み」、第4巻「迂闊者」ときていますが、これらはそれぞれの巻に収録されている曲のタイトルそのものでした。そしてこの第5巻のタイトルは「才気の人(L'Homme de Génie)」という含蓄のあるもの。詳しくは解説によりますが、ハイドンの中期の交響曲と、ハイドンと同時代のスウェーデンのヨーゼフ・マルティン・クラウスの作品を並べてまとめるにふさわしいテーマだったのでしょう。いずれにしてもオケを振り分けるポイントは時代ごとと言った割り切れたものではなさそうですので、今後の展開がどうなるか楽しみが増えましたね。

また、これまでのジャケットデザインも巻ごとにアーティスティックな素晴らしい仕上がりとなっていましたが、これは1947年に発足された写真家同盟である「マグナム・フォト」と連携して作品のテーマにふさわしい写真家の作品が選ばれているとのこと。第5巻はイギリスのスチュアート・フランクリンという写真家の作品で、「才気の人」というテーマに相応しい写真に彩られています。この辺りのプロダクションの見事さはこれまでの全集とはレベルの違うものであり、こちらも1巻ずつ集める楽しみがあるものですね。

さて、肝心の演奏についてはどうでしょうか。

Hob.I:80 Symphony No.80 [d] (before 1784)
短調の鬼気迫る入り。パリセットの直前の曲ということで録音も少ない曲ですが、改めてアントニーニのエッジの立った先鋭的な響きによって、この曲の迫力が浮かび上がった感じ。もちろんこの鬼気迫る入りはハイドンの才気とアントニーニの才気がぶつかり合って素晴らしい緊張感。ただしこの緊張感をすっとコミカルなメロディーで緩めては引き締める緊張一辺倒ではないところがハイドンらしいところ。対比によって曲の構成を見事に描いていきます。
続くアダージョはしなやかな弦の魅力で聴かせ、あえて音量の起伏を大きめにとって彫りの深い音楽を作ります。このアダージョの落ち着きながらも構えの大きな音楽こそハイドンの魅力をしっかりと踏まえてのもの。そしてメヌエットの適度なキレとバランスの良い展開も全集当初見られた力みが完全に抜けた証でしょう。いいですねこれは。
フィナーレはハイドンの奇抜なアイデアのオンパレード。ウィットに富んだテーマを軸にオケがフル回転でメロディーを膨らませながら盛り上げていきます。メロディーもリズムも楽器の掛け合いも全てがアイデアに満ち溢れ、その芽を全て拾って膨らませるアントニーニの見事なコントロールに唸ります。いやいやいきなり見事な完成度!

Hob.I:81 Symphony No.81 [G] (before 1784)
録音時期と収録場所は異なりますが、音色の差はそれほど気になりません。あえて言えばこちらの方が少々響きがダイレクトな感じがします。冒頭からキレ味鋭いオケが素晴らしい推進力で覇気溢れる響きを聴かせます。鋭利ながら迫力も素晴らしく、グイグイ引っ張って行きます。エネルギーに満ち溢れているとはこのこと。これ以上だと強引に聴こえてしまうギリギリのラインを保ってのコントロール。このほんのすこしの差が演奏の印象を大きく変えてしまうリスクがありますが、その線をギリギリ保つことで類まれな生命感を帯びた音楽になります。力を抜くところでしっかりと抜けているのがポイントでしょう。1楽章から圧倒的!
前曲同様緩徐楽章は正攻法で彫りの深い音楽を奏でます。小細工なしに曲の良さを素直に生かす演奏こそ、ハイドンの真髄に迫る演奏になるとの確信があるよう。後半は意外にもかなり穏やかな音楽にほっこりします。
その穏やかさは鋭利なメヌエットへの対比のためだったのでしょう。このメヌエットも驚くべきアイデアに満ちたもの。アントニーニがそのアイデアをクッキリと浮かび上がらせて本質的な面白さを見抜きます。
そしてフィナーレももちろん千変万化する響きに目がクラクラするほど豪華な響きに圧倒されます。オケにもエネルギーが満ちてまるでライヴのような高揚感に包まれます。これまた見事!

この後ヨーゼフ・マルティン・クラウスの交響曲です。手元に何枚かクラウスの曲はありますが、この曲を聴いてあまりの構成感の見事さに驚いた次第。ハイドンがその才能を認めただけのことはありますね。まさに才気の人。アントニーニも渾身の演奏でクラウスの才気に応えます。

Hob.I:19 Symphony No.19 [D] (before 1766)
ハイドン中期の交響曲2曲にあまりに本格的なクラウスの交響曲というメインディッシュに対して、最後にデザートのように置かれたハイドン初期の交響曲。リズムのキレの良さでさらりと入ったかと思いきや、デザートも力が入っていました。パティシエ渾身の細工の見事さを見せつけらるようなメロディーのキレに唸ります。聴きどころは続くアンダンテでした! ここでもさらりと入った後に音楽が深く響いていく様子の見事さに唸らされます。この曲のアンダンテがこれほど素晴らしい曲だと初めて気づかされた気分。そしてフィナーレも短いながらアントニーニのコントロールが行き届いて軽やかさとオケの吹き上がりの見事さでまとめました。

第5巻でオケがバーゼル室内管に変わった、ジョヴァンニ・アントニーニのハイドン交響曲全集。これまでリリースされた中では間違いなく一番いい出来。特にこれまであまり重んじられてこなかった80番、81番というパリセット直前の2曲の面白さをこれまでで最も引き出した演奏と言っていいでしょう。ハイドン3曲の評価はもちろん[+++++]とします。そしてヨーゼフ・マルティン・クラウスのハ短調交響曲にもびっくらこきました! この全集、企画、演奏、アートワークが三拍子揃った素晴らしいものであり、1巻1巻揃える楽しみがあります。今から次のリリースが楽しみです!

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山名敏之のカプリッチョ「豚の去勢にゃ8人がかり」3種(ハイドン)

久々のCD。しかも国内盤です!

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山名敏之(Toshiyuki Yamana)のフォルテピアノによるハイドンのカプリッチョ「豚の去勢にゃ8人がかり」(Hob.XVII:1)、クラヴィコードによるクラヴィーアソナタ(XVI:52)、ハープシコードによるカプリッチョ「豚の去勢にゃ8人がかり」、クラヴィコードによるクラヴィーアソナタ(XVI:20)、クラヴィコードによるカプリッチョ「豚の去勢にゃ8人がかり」などを収めたCD。アルバムタイトルは「ハイドンと18世紀を彩った鍵盤楽器たち」。収録は2012年3月13日から15日、大阪は関空のそばの泉佐野市にあるエブノ泉の森ホールでのセッション録音。レーベルは浜松市楽器博物館コレクションシリーズで知られるALM RECORDS。

ふと手に入れたアルバムですが、内容をよく見てみるとハイドンのソナタをフォルテピアノ、クラヴィコード、ハープシコードで弾き分ける、なかなか含蓄あるアルバムでした。

奏者の山名敏之さんは藝大ピアノ科卒業後、オランダのスウェーリンク音楽院などでフォルテピアノを学んだ人。録音時は和歌山大学教育学部の教授です。2009年から2012年まで「ハイドン・クラヴィーア大全」というシリーズでハイドンのクラヴィーア独奏曲をクラヴィコード、ハープシコード、フォルテピアノの3種の鍵盤楽器で演奏したそう。いわば日本のトム・ベギンといえばハイドン通の皆さんにはわかりやすいでしょうか。

このアルバムはそうした活動の成果として録音されたものと思いますが、選ばれた曲と楽器が変わっています。冒頭の収録曲を改めて噛み砕いてみると、フォルテピアノ、ハープシコード、クラヴィコードの3種の楽器で弾き分けられたのは、カプリッチョ「豚の去勢にゃ8人がかり」という不思議な名前の曲。その間にクラヴィコードでXVI:52と、XVI:20という名ソナタのクラヴィコードによる演奏が挟まれているという構成。特にカプリッチョは当ブログで以前取り上げた時には大宮真琴さんの「新版ハイドン」に従い「8人のへぼ仕立て屋に違いない」という名前で掲載していましたが、このアルバムのライナーノーツの記載によればそれは誤訳で、歌詞の意味を踏まえると「豚の去勢にゃ8人がかり」が正しい訳とのことです。

このアルバムの解説は奏者の山名さんによるものですが、この意欲的なアルバム構成の背景がよくわかる力作。量といい内容といいアルバムの解説というよりは論文と言ってもいいもの。デザインを専攻している方ならばよくご存知のドナルド・ノーマンの名著「誰のためのデザイン?」の記述で有名になったアフォーダンスという概念を軸に、フォルテピアノ、ハープシコード、クラヴィコードというハイドンが作曲していた時代に使われた楽器そのものが、作曲、作品にどのような影響を与えたか、そして当時作曲に使われていたクラヴィコードの特徴がハイドンの音楽に与えた影響などについて各楽器のフリクションやダンパーペダルなど楽器のメカニズムに関する分析をもとに影響を記述したもの。純粋に音楽を楽しみたい方にはちょっとトゥー・マッチな内容かもしれませんが、これはこれで読み甲斐があるもので、これだけでもアルバムを手に入れる価値があるかもしれませんね。

さて、このアルバムのキーになっている「豚の去勢にゃ8人がかり」という曲はこれまで4回取り上げています。

2017/06/12 : ハイドン–ピアノソナタ : 【新着】フランチェスコ・コルティのソナタ集(ハイドン)
2017/05/12 : ハイドン–ピアノソナタ : フランツペーター・ゲーベルスのソナタ集(ハイドン)
2013/01/27 : ハイドン–ピアノソナタ : デレク・アドラムのクラヴィコードによるソナタ集
2010/09/27 : ハイドン–ピアノソナタ : ジョアンナ・リーチのスクエアピアノ2枚目

この中でも、デレク・アドラム盤は私がクラヴィコードという楽器へ開眼するきっかけとなったアルバム。音量が極端に小さく、響きも後年の楽器より貧弱な楽器の知る人ぞ知る素晴らしさに目覚めさせてくれたアルバムです。そして、今日取り上げるアルバムも、クラヴィコードによる演奏が含まれているということが手に入れようと思った直接の動機。ということで、珍曲「豚の去勢にゃ8人がかり」の3つの楽器による弾き分けと、有名な2つのソナタのクラヴィコードの演奏の出来が気になるわけですね。

Hob.XVII:1 Capriccio "Acht Sauschneider müssen sein" 「豚の去勢にゃ8人がかり」 [G] (1765)
まずは挨拶がわりか、冒頭にはこのカプリッチョのフォルテピアノによる演奏が置かれています。フォルテピアノは1782年製アントン・ヴァルターの複製品で2002年ロバート・ブラウン作のもの。曲はユーモラスなメロディーがロンド形式で何度も転調しながら現れるもの。3つの楽器の中では最もダイナミックレンジの広いフォルテピアノの特徴を生かして、テンポよく快活に入り、徐々にダイナミックに変化していくところが聴きどころでしょう。終盤はフォルテピアノらしからぬ迫力を帯びて堂々としたもの。ユーモラスさや諧謔性よりも楽器を鳴らしきることに主眼を置いているような演奏。録音は浜松市楽器博物館コレクションシリーズで手慣れているだけに楽器の魅力を伝えるいい録音です。

Hob.XVI:52 Piano Sonata No.62 [E flat] (1794)
続いてクラヴィコードによるソナタの演奏。クラヴィコードは1790年頃のJohann Bodechtel作の複製品で2002年フランスのクリストファー・クラーク作のもの。このソナタはご存知のとおり、ハイドンのソナタの総決算のような曲。クラヴィコードで演奏した実際の音量はフォルテピアノよりもかなり小さいものでしょうが、録音だけにレベルを調整してフォルテピアノに近い音量で録られています。クラヴィコードは音量は小さいですが繊細な音色と音色の変化、ヴィブラートがかけられることなどが特徴であり、音量を気にせずに集中してきくと小宇宙的な世界を楽しめます。解説ではピアノやフォルテピアノが音を発するタイミングに集中して演奏するのに対し、クラヴィコードは音を鳴らし終わるタイミングに集中して演奏するという楽器の特性により、音を響かせるダンパーペダルなしでもこの壮麗なソナタを十分音を響かせて演奏できることに触れられています。そう言われて耳を澄ませて聴くと、なるほどそうした楽器の特性がこの曲の作曲にも影響していると思えてきます。演奏の方は絶対的なダイナミックレンジが狭いながらも小音領域での相対的なダイナミックレンジの広さで十分ダイナミックに聴こえ、ソナタの格に負けない風格ある演奏に聴こえます。山名さんの演奏は特に速い音階の鮮やかな指使いが印象的。前出のデレク・アドラムの演奏が楽器製作者らしく、クラヴィコードのちょっと落ち着かない音程の不安感を全く感じさせない絶妙なタッチと高潔な諧謔性を感じる芸術性の高さが素晴らしい演奏だったのに対し、楽器の弱点であるちょっとしたふらつき感と音域ごとの音色の違いをそのまま感じさせる面もあったのが惜しいところ。

Hob.XVII:1 Capriccio "Acht Sauschneider müssen sein" 「豚の去勢にゃ8人がかり」 [G] (1765)
続いてカプリッチョのハープシコードによる演奏。楽器は17世紀のルッカースの複製品で、1978年エジンバラのグラント・オブライエン製作のもの。ハープシコードさしい凜とした音色はこのユーモラスな曲の典雅な側面に光を当てます。今度は楽器自体もダイナミックレンジは逆に狭く音量のコントロール幅は狭い中、メロディーの表情で聴かせることになります。メロディーを奏でる高音域のクリアな響きの美しさは魅力的。この音色が古典期のハイドンの作品を妙にバロック風な響きに聴かせるのが面白いところ。

Hob.XVI:20 Piano Sonata No.33 [c] (1771)
今度はクラヴィコードによる中期の名ソナタの演奏。曲の格からいうとソナタ2曲が構成も緻密で構築感のある曲なんですが、フォルテピアノやハープシコードと直接響きを比較できる配置でクラヴィコードの響きを聴くと、直接的な響きの印象で少し聴き劣りする印象を持ってしまいます。演奏自体は悪くないんですが、楽器と曲の組み合わせは、少し無理があるように感じてしまいます。それだけ奇抜な組み合わせにチャレンジしているのはよくわかります。特にこの響きの美しい曲では、クラヴィコードの濁った響きが顔を出すところもあって惜しいところ。タッチの強さが音程に影響するクラヴィコードだけに、楽器に起因するのか、演奏の問題なのかはわかりません。演奏の質は高いものの、この曲の美しさを表現しきれていないようにも感じました。

Hob.XVII:1 Capriccio "Acht Sauschneider müssen sein" 「豚の去勢にゃ8人がかり」 [G] (1765)
最後はクラヴィコードで演奏したカプリッチョ。前のソナタではちょっと響きの濁りが気になったのですが、このカプリッチョでは不思議と気になりません。おそらくこの曲の曲想、音域、リズム、展開そのものにクラヴィコードの音色が合うのでしょう。実にしっくりとくる演奏で、クラヴィコードの不可思議な響きもこの曲のユーモラスさの演出に一役買っている感じ。この演奏でこのアルバムが締まりました。

このほか、XVI:20のソナタの自筆譜や初版譜に基づく1楽章の演奏が末尾に収められています。

山名敏之によるフォルテピアノ、クラヴィコード、ハープシコードでハイドンのクラヴィーア曲を弾き分けた好企画。このアルバム、フォルテピアノなどの楽器を演奏する方、研究者の方には論文や解説が大きな価値を持つものと映るでしょう。私にとっても、3つの楽器を弾き比べた音色とそこから浮かび上がる音楽の違いを楽しめるものとして実に興味深いアルバムです。演奏の出来については客観的に見るとフォルテピアノとハープシコードの演奏の面白さが逆に際立つもので、クラヴィコードの演奏では最後のカプリッチョでようやく合点がいきました。ということで評価は、フォルテピアノ、ハープシコードの演奏は[+++++]、クラヴィコードの演奏はカプリッチョが[+++++]、ソナタのXVI:52[++++]、XVI:20は[+++]としました。

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デレク・ソロモンス/レストロ・アルモニコの交響曲集第1巻 その2(ハイドン)

珍しく深追い(笑)。前記事の演奏が実に面白かったので続きもレビューしてみたくなりました。

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デレク・ソロモンス(Derek Solomons)指揮のレストロ・アルモニコ(L'Estro Armonico)の演奏で、ハイドンの初期交響曲7曲(Hob.I:1、I:37、I:18、I:2、I:15、I:4、I:10)を収めたLP。題して「モルツィン時代の交響曲集第1巻」。収録は1980年8月19日から24日にかけて、ロンドン、ウッドサイドパークの聖バルナバ教会でのセッション録音。レーベルは英SAGA。

今日は前記事で取り上げた3曲以降の4曲目から7曲目までを取り上げます。前記事で聴いた中では1番がちょっと固かっただけで、その後の2曲は絶品でした。こうなると残りもしっかり聴かざるを得ません。

2017/10/03 : ハイドン–交響曲 : デレク・ソロモンス/レストロ・アルモニコの交響曲集第1巻(ハイドン)

奏者やアルバムについては前記事をご覧ください。

Hob.I:2 Symphony No.2 [C] (before 1764)
リズムの面白さは変わらず躍動感満点。丁寧に演奏していながらキリリとアクセントが効いて、古楽器の爽やかな音色でハイドンのユーモラスなメロディーの面白さが滲み出てきます。つづくアンダンテはさらりと流すような楽章ですがメロディーの重なりの奥に深い情感が宿る見事な展開。微妙な起伏をしっかりと描いていくことで得られる面白さ。フィナーレもフレーズをくっきりと描きまとめます。初期のハイドンの交響曲の面白さを実に自然に料理してワンプレートにバランスよく並べたような、普段から楽しめる、味わい深い音楽。

Hob.I:15 Symphony No.15 [D] (before 1764)
癒しに満ちたアダージョから入ります。ピチカートに乗って優雅なフレーズが漂います。ホルンのとろけるような響きが重なり、こちらもとろけそうになったところでプレストのキレのいいメロディーが癒しを断ち切ります。全てが必要十分。大げさなところはないのにキレ味は十分。再びアダージョにもどって1楽章を結びます。つづくメヌエットはもっともハイドンらしい楽章。ここでもゆったりとしながらも活き活きとしたオケの響きが素晴らしく、音楽が弾みます。そして3楽章のアンダンテの光と陰が交錯する透明感。フィナーレはコンパクトなキレの良さ。最後の一音のキレが耳に残ります。

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Hob.I:4 Symphony No.4 [D] (before 1762)
3枚組、6面中の5面目。前2曲のみが1面につめこまれていたのに対し、この曲を含む他の曲は1面1曲とゆったりカッティングされており、響きにも余裕が感じられます。リズムのキレは変わらず、軽やかさも十分で音楽がポンポン弾む快感を味わえます。続くアンダンテは弱音器付きのヴァイオリンによる実にユニークな美しいメロディーに驚きます。ソロモンスもこの翳りに満ちた美しい気配を見事に表現していきます。その静けさを断ち切る明るいメヌエットで曲を締めくくる見事な構成。1曲1曲の構成感をしっかり描いてきます。

Hob.I:10 Symphony No.10 [D] (before 1762)
このアルバム最後の曲。もう安心して身を任せていられます。必要十分な小気味好い展開の魅力にすっかりハマります。それもそのはず、メンバー表を見てみるとヴァイオリンにはモニカ・ハジェット、ロイ・グッドマン、チェロにはアンソニー・プリース、ホルンにはアンソニー・ハルステッドなど名手の名が並びます。印象的なのは2楽章のアンダンテの静けさに染み入るような演奏。古楽器の弦の透明感あふれる響きの美しさが際立ちます。フィナーレももちろん見事。言うことなし。

デレク・ソロモンスの振るレストロ・アルモニコによる交響曲集ですが、CBSからリリースされている3巻の印象が、ピノックやホグウッドなどを聴いた耳にはあまりぱっとした印象がなかったことからこれまであまり注目していませんでしたが、偶然手に入れた彼らの最初の交響曲集のLPを聴くと、流石に古楽器によるハイドンの交響曲の草分けたる見事な演奏であることがわかりました。名奏者集団による鮮やかな演奏であるばかりでなく、ハイドンの初期の交響曲の箱庭的な面白さをバランスよく表現した名演奏と言っていいでしょう。今回取り上げた4曲はいずれも[+++++]といたします。CBSの録音も今一度聞き直して見たくなりましたね。

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tag : 交響曲2番 交響曲15番 交響曲4番 交響曲10番 古楽器

デレク・ソロモンス/レストロ・アルモニコの交響曲集第1巻(ハイドン)

最近手に入れたLP。

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デレク・ソロモンス(Derek Solomons)指揮のレストロ・アルモニコ(L'Estro Armonico)の演奏で、ハイドンの初期交響曲7曲(Hob.I:1、I:37、I:18、I:2、I:15、I:4、I:10)を収めたLP。題して「モルツィン時代の交響曲集第1巻」。収録は1980年8月19日から24日にかけて、ロンドン、ウッドサイドパークの聖バルナバ教会でのセッション録音。レーベルは英SAGA。

デレク・ソロモンスとレストロ・アルモニコによるハイドンの交響曲集はCBSから国内盤ではシュトルム・ウント・ドラング期の交響曲集が3巻リリースされていますが、この3巻については1981年から83年にかけての録音ということで、今日取り上げるLPはその直前に録音されたもの。レーベルはCBSではなくイギリスのSAGA Recordsというところです。手元にはこちらも最近手に入れたSAGAの「モルツィン時代の交響曲集第2巻」があり、同じく1980年の録音。この2巻の録音を聴いてCBSにレーベルを移して録音が継続されたという流れでしょう。

デレク・ソロモンスとレストロ・アルモニコの演奏は以前に一度CBSの録音から告別を取り上げています。

2012/09/10 : ハイドン–交響曲 : デレク・ソロモンス/レストロ・アルモニコの告別

CBSの録音の解説には世界初の古楽器によるハイドンの交響曲の体系的な録音であると触れられており、レーベルは異なりますがそのシリーズの中でも一番録音が古いのがこのLP。ちなみに当ブログの所有盤リストをざっと調べてみたところ、このLPより録音の古い古楽器の演奏は、ヘルムート・ミュラー=ブリュール指揮のカペラ・クレメンティナによる朝、昼、晩(1979年録音)とホグウッドとアカデミー室内管のメンバーによる室内楽版の驚愕(1978年録音)が見つかるくらいで、まさにソロモンスの録音が古楽器によるハイドンの交響曲の最初の体系的録音であるようです。これらにつづいてピノック、ホグウッド、クイケン、グッドマン、アーノンクールが次々と古楽器による交響曲録音に挑んでいったわけですね。そういった意味でまさに古楽器によるハイドンの交響曲の草分け的存在であるばかりでなく、このアルバムがその一番最初の録音にあたる、まさに記念碑的な録音なわけです。

ということで、今日はこの中からLPの1面目、2面目に収録された交響曲1番と37番を取り上げます。

Hob.I:1 Symphony No.1 [D] (before 1759)
律儀なリズムが刻まれる入り。これが時代の幕を開ける演奏だと思うと感慨一入。今聴くと特段個性的な演奏ではありませんが、古楽器独特の媚びないフレージングの爽やかさはこの時代には個性的に響いたのでしょう。特にキリッとしたアクセントが後年、ホグウッドらによって洗練されて、現代楽器の演奏とは異なるムーヴメントを生んでいくことになります。1楽章はあえて表現を突き詰めないことでなんとなく理性的に響きます。
つづくアンダンテこそ、古楽器のさらりとした演奏の良さがしみじみ感じられます。あえて大きな流れよりも、あっさりとした表情の中に音楽のエッセンスを込めて、時代を俯瞰するような冷静なアプローチが冴えます。曲が進むにつれて微妙な表情の変化の面白さも感じられるようになり、ちょっと硬さを感じた1楽章に対し、このアンダンテに入って音楽が活き活きとしてきました。
そしてフィナーレは落ち着いた入り。まくしたてるようなそぶりはまったく見せずにむしろじっくりとフレーズを噛みしめるような展開。現代楽器による切れ味鋭いタイトな演奏と完全に語法を変えたコントロール。派手な演奏ではありませんが、この演奏が古楽器によるハイドンの交響曲演奏の幕を開けたのは確かなこと。

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Hob.I:37 Symphony No.37 [C] (before 1758?)
LPをひっくり返して裏面に移ります。なんと、第1番とはうって変わって実に変化に飛んだリズムが躍動します。37番といっても作曲年代は1番とさして変わらぬごく初期の作品。ハイドンの筆致のあまりの進歩に驚きます。レストロ・アルモニコも千変万化する響きを駆使して、ハイドンの曲の面白さを描ききります。
続くメヌエットはレストロ・アルモニコの演奏のキレを飛び越えてハイドンのウィットに富んだメロディーの面白さに釘付け。それだけ演奏が曲の核心に迫っているということでしょう。3楽章は短調のアンダンテで、すでにシュトルム・ウント・ドラング期のほの暗い雰囲気を先取りするような翳りが顔を出します。次々にメロディーが変化していくのを追う快感。音数は少ないのに恐ろしく豊かな音楽が流れていきます。
そして4楽章のプレストも改めて聴くと驚くべき変化。当時のハイドンが実験精神に溢れていた証左のような展開。この曲では一貫してリズムが活き活きと弾み、オケの表現もキレています。

この2曲でレビューは終えようと思っていましたが、あまりに面白いのでもう1曲。3面目の18番です。

Hob.I:18 Symphony No.18 [G] (before 1766)
1番が少々硬かっただけで、この曲も実に楽しげな入り。アンダンテで刻まれるリズムに乗って音楽が流れ、徐々に躍動していきます。単純なリズムもこれだけ表情豊かだと聴きごたえ十分。ハイドンの初期の交響曲のツボを完全に掌握している感じ。1楽章全体が序奏のような感じ。そして躍動感あふれる2楽章に。必要十分なキレ味を見せながらハイドンの曲の面白さを存分に感じさせます。リズムもメロディーも展開もスリリング。エッジのキリリと効いた演奏で曲の面白さがさらに際立ちます。ホグウッドよりもキレていて、ピノックよりも躍動し、アーノンクールよりも粋。これは素晴らしい。3楽章は予想に反してかなり崩し気味なスタイル。踏み込んできました。明らかに曲に没入して表現の自在さのレベルが上がった感じ。中間部の不可思議な感じも最高。1曲1曲聴きどころをしっかり押さえてきます。いやいや素晴らしい!

全曲いきたいところですが、時間の都合もあり、今日はこの辺で。ハイドンの交響曲の古楽器による最初の体系的録音と言う位置付けになる、デレク・ソロモンス指揮のレストロ・アルモニコによるハイドンの交響曲集。1曲目こそちょっと硬さが見られましたが、徐々に演奏のキレが増し、まさに草分けの存在意義が確認できる素晴らしい演奏だったことがわかります。CBSの録音はどうもパッとしない印象を持っていましたが、その前に録音されたこのアルバムから素晴らしさは十分に伝わりました。評価は1番が[++++]、他2曲は[+++++]と致します。

このアルバム、見かけたらゲットですね!

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トン・コープマンのクラヴィーア四重奏曲集(ハイドン)

東京もめっきり涼しくなってきたので、涼やかな響きを楽しめる室内楽のアルバムを取り上げます。

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トン・コープマン(Ton Koopman)のハープシコード、ラインハルト・ゲーベル(Reinhard Goebel)、アルダ・ストゥーロプ(Alda Stuurop)のヴァイオリン、チャールズ・メドラム(Charles Medram)のチェロで、ハイドンのクラヴィーア四重奏曲6曲(Hob.XIV:12、XIV:3、XVIII:F2、XIV:8、XIV:9、XIV:4)を収めたLP。収録年はLPには記載がありませんが、同じ音源を収めたと思われるCDも手元にあり、Pマークは1980年、82年と記載があります。レーベルは蘭PHILIPS。

このLPは最近手に入れたものですが、同音源を含む下のCDはかなり前から手元にあります。

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こちらのCDは上のLPにクラヴィーア協奏曲なども加えた2枚組の廉価盤です。こちらも廃盤のようですが、amazonではまだ入手可能のようです。これまでコープマンについて取り上げた記事は下記の通り。

2016/06/23 : コンサートレポート : トン・コープマン オルガン・リサイタル(ミューザ川崎)
2011/03/12 : 徒然 : 追悼:アヴェ・ヴェルム・コルプス
2011/01/14 : ハイドン–協奏曲 : 【新着】コープマン3度目のオルガン協奏曲
2010/09/23 : ハイドン–交響曲 : 新着! コープマンの97、98番

コープマンはハイドンの録音を色々残していますが、97番、98番の記事にも書きましたが、交響曲の録音はなんとなくイマイチで、モーツァルトの交響曲のキレの良さと比べると、ちょっと聴き劣りするもの。そんな中ででもオルガン協奏曲やクラヴィーア協奏曲の古い録音はなかなかいいんですね。今日取り上げるアルバムもコープマンの面目躍如。才気迸るとはこのことでしょう。

共演者のラインハルト・ゲーベルは1952年生まれてムジカ・アンティクァ・ケルンの創設者。アルダ・ストゥーロプの情報は見つかりませんでしたが、ハイドンの録音ではリチェルカール・コンソートのバリトン八重奏曲のアルバムやエステルハージ四重奏団のメンバーとして録音を残すなどで知られた人。チェロのチャールズ・メドラムは1949年、トリニダード・トバゴ出身でモーリス・ジャンドロン、ニコラウス・アーノンクールに師事した人と、古楽器の名手揃い。

収録されている曲は元はディヴェルティメントやコンチェルティーノ(小協奏曲)などと呼ばれていますが、編成はハープシコードにヴァイオリン2、チェロということで、ピアノ四重奏曲、あるいはクラヴィーア四重奏曲というのがわかりやすいでしょう。ピアノ三重奏曲が晩年の作品が多いのに比べ四重奏の方は1760年代と若い頃の作品が多いのが特徴でしょう。

Hob.XIV:12 Concertino [C] (c.1760)
いきなり鮮明な響きにつつまれます。コープマンのハープシコードの音色がくっきりと浮かび上がり、その周りにヴァイオリンとチェロがこちらもくっきり定位。LPのコンディションも最高。流石PHILIPSでしょう。この演奏、LPもいいんですが、CDの方も廉価盤であるにもかかわらず素晴らしい録音が堪能できます。同じPHILIPSのDUOシリーズのコリン・デイヴィスの交響曲集がLPとは異なる鈍い響きで失望させられたのに比べると雲泥の仕上がり。曲の構成は3楽章構成でアレグロ、アダージョ、アレグロ。初期の作品らしくシンプルでメロディーも明快。テンポは揺らさずキリリと引き締まった音楽が流れます。特にアダージョのメロディーラインの美しさが印象的。

Hob.XIV:3 Divertimento [C]
この曲もまるで練習曲のように屈託のないシンプルさ。アレグロ・モデラート、メヌエット、アレグロ・ディ・モルト。非常に短い曲ですがハイドンの作品らしく構成は明快。3楽章には足を踏み鳴らすような音が入り、ハイドンの遊び心に呼応します。

Hob.XVIII:F2 Concertino [F] (c.1760)
ホーボーケン番号では協奏曲に分類される曲ですが、今はクラヴィーア四重奏の仲間と見做されています。モデラート、アダージョ、アレグロ・アッサイの3楽章。作曲年代は前2曲と変わらないためか、前2曲と変わらぬ構成感ですが、音階の美しさや、構成の変化の付け方にだんだん磨きがかかってきたようにも思えます。演奏の方もヴァイオリンがかなり踏み込んだアクセントをつけて、アンサンブルの緊張感も上がります。

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LPをひっくり返して後半3曲。

Hob.XIV:8 Divertimento [C] (c.1768/72)
アレグロ・モデラート、メヌエット、フィナーレの3楽章。いつもながらハイドンの曲の書き分けの巧みさには驚くばかり。1楽章ではリズムをためる面白さを強調しますが、何も仕込みがないところの鮮やかなタッチがあってこそ、このリズムの変化が面白く聞こえます。ハイドンが仕込んだネタをしっかりと汲み取って、しっかりと響かせます。所々で短調の響きが交錯する面白さを拾います。4人は軽々と演奏しているようですが、こうした演奏のポイントをしっかり踏まえていきます。

Hob.XIV:9 Divertimento [F] (before 1767)
アレグロ、メヌエット、アレグロ・モルト。冒頭からコミカルなリズムが弾みます。演奏の方も愉悦感たっぷりにハイドンの書いたリズムを汲み取っていきます。もはや曲に没入しての演奏ですが、推進力は徐々に上がってアンサンブルの呼吸もピタリと揃います。細かいリズムの変化がパート間でしっかりと受け継がれる快感が味わえます。

Hob.XIV:4 Divertimento [C] (1764)
あっと言う間に最後の曲。アレグロ・モデラート、メヌエット、フィナーレの3楽章構成、最後だからか心なしか落ち着いて演奏しているように聞こえます。コープマンはリズムを自在に動かしてフレーズの終わりをなぜか今までの曲よりしっかりと間を取り、一歩一歩踏みしめながら歩いていくような足取り。ヴァイオリンもそれに合わせてメリハリをしっかりとつけます。これはオリジナルのLPの曲の配置だからわかることでしょう。

トン・コープマンの若き日のハイドンのクラヴィーア四重奏曲集の録音。それぞれの曲はやはり若書きゆえ深みがあるとは言えませんが、それでもハイドンならではの構成の面白さは満喫できます。そしてこのアルバムのポイントはコープマンの自在なハープシコードさばきに加えて弦楽器の3人の端正な演奏が生み出す、室内楽の面白さが詰まったアンサンブル。古楽器ならではの繊細な響きから、クッキリとした音楽が浮かび上がる快感。CDでもこの面白さは味わえますが、LPになると鮮明な定位と実体感ある響きの力強さで、さらに楽しめます。評価は全曲[+++++]といたします。

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tag : 古楽器 ディヴェルティメント

絶品! グラーフ/スタルク/デーラーによるフルート三重奏曲集(ハイドン)

今日は室内楽のLP。宝物がまた1枚増えました。

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ペーター=ルーカス・グラーフ(Peter-Lukas Graf)のフルート、クロード・スタルク(Claude Starck)のチェロ、ヨルグ・エヴァルト・デーラー(Jörg Ewald Dähler)のフォルテピアノで、ハイドンのフルート三重奏曲3曲(Hob.XV:16、XV:17、XV:15)を収めたLP。収録に関する情報は記載されていませんが、隣接するレコード番号のLPが1984年リリースとありますので、LPの状態も勘案して1980年代中盤の録音と想像しています。レーベルはclaves。

ハイドンのフルート三重奏曲はピアノトリオのヴァイオリンパートをフルートの華やかな音色で置き換えたもので、この曲の出版当時からフルート版の楽譜も出版されていたとのことでフルートでの演奏も多くなっているとのこと。これまでもかなりのアルバムを取り上げています。

2016/08/26 : ハイドン–室内楽曲 : ムジカ・ドメスティカのフルート三重奏曲集(ハイドン)
2016/06/21 : ハイドン–室内楽曲 : ラ・ガイア・シエンツァによるフルート三重奏曲と室内楽版「驚愕」(ハイドン)
2015/08/28 : ハイドン–室内楽曲 : 【新着】クイケン兄弟によるフルート三重奏曲集(ハイドン)
2015/02/21 : ハイドン–室内楽曲 : トーケ・ルン・クリスチャンセンのフルート三重奏曲(ハイドン)
2012/05/27 : ハイドン–室内楽曲 : ディター・フルーリーによるフルート三重奏曲

この録音が1980年代中頃の録音だとすれば、手元のアルバムでは古楽器による最も古い録音ということになります。

奏者のペーター=ルーカス・グラーフは有名なフルート奏者ゆえご存知の方も多いでしょう。1929年チューリッヒ生まれ。チェロのクロード・スタルクは1928年ストラスブール生まれ。フォルテピアノのヨルグ・エヴァルト・デーラーは1933年ベルン生まれと、録音当時50代の名奏者揃い。

Hob.XV:16 Piano Trio (Nr.28/op.59-1) [D] (before 1790)
LPのコンディションは最高。針を落とすと鮮明な響きが飛び出してきます。フォルテピアノのデーラーが刻む速めの一定したリズムに乗ってフルートのグラーフがきりりと引き締まったメロディーを重ねていきます。古楽器によるオーソドックスな演奏と思いきや、実に豊かなニュアンスを帯びた演奏にすぐに引き込まれます。フルートのリズムが冴えまくって超鮮明に曲を描いていきます。
続く2楽章は絶品。静寂にとぼとぼと刻まれるフォルテピアノのリズムに乗って幽玄なフルートの音色が響き渡ります。フォルテピアノの左手の刻むリズムと、右手の奏でるメロディーも絶美。デーラーも只者ではありませんね。チェロも含めてリズム感が良いので音楽が淀みなく流れます。
そのよさが活きるのが終楽章。くっきりとメロディーが浮かび上がり、ハイドン独特の絡み合うメロディーの面白さが際立ちます。思った以上にフォルテピアノが雄弁なのが効いています。

Hob.XV:17 Piano Trio (Nr.30/op.59-3) [F] (before 1790)
一転して軽やかなタッチのフォルテピアノの入り。リズムよりも流れの良さを感じさせます。相変わらずグラーフのフルートの音色は深みのある美しいもの。曲に合わせてか、両者ともリラックスした入り。中盤から印象的な慟哭が続きますが音色の硬軟を織り交ぜながら進みます。この曲ではタッチの変化を聴かせどころに持ってきました。

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ここでLPをひっくり返して2楽章へ。宝石のような響きの流れに身をまかせる快感に浸ります。一貫したリズムの流れの瞬間瞬間の情感のデリケートな変化が繰り返されるうちに至福の境地へ。最後は静寂に吸い込まれて終わります。

Hob.XV:15 Piano Trio (Nr.29/op.59-2) [G] (before 1790)
再び鮮明なリズムに乗った快活なメロディーへ。この曲の明るさと翳りが繰り返される美しさは筆舌に尽くしがたいもの。それをグラーフの見事なフルートとデーラーの表情豊かなフォルテピアノで鮮やかに演奏され、曲の美しさが完璧に表現されます。何気にチェロのスタルクもキレ味鋭く、2人に負けていません。世の中にこれほど美しい曲があるのでしょうか。そしてあまりに見事な演奏に言葉を失うほど。この曲の真髄に迫ります。
1楽章のあまりの完成度にのけぞっていたところに癒しに満ちたフォルテピアノの音色が沁み入ります。グラーフのフルートは素晴らしい音量と伸びやかさで孤高の境地。広い空間に響き渡るフルートの響き。これほど美しいフルートの音色は初めてです。
終楽章は前2楽章の素晴らしさの余韻の中、メロディーの戯れを楽しむような演奏。この軽さというか自在さはこれまでの妙技の数々をこなしてきたからこその境地でしょう。

絶品です! これまで取り上げてきたフルート三重奏曲はいずれも素晴らしい演奏でしたが、このアルバムはそれを超えるもの。この曲集の決定盤としていいでしょう。グラーフのフルートがこれほど素晴らしいものだと改めて認識しました。そしてデーラーのフォルテピアノも絶品。また曲の並びも作曲順ではXV:16、15、17ですが、このアルバムでは16、17、15の順で収録されており、LPのカッティングの都合で2楽章の17を真ん中に置いたものとは思いますが、そのおかげでXV:15の見事な演奏が最後に配置され、アルバムの完成度を上げる結果につながっています。特にこのXV:15の素晴らしさは心に刻まれました。評価はもちろん全曲[+++++]といたします。

世の中はお盆で帰省ラッシュですが、このお休みはのんびり過ごそうと思います。

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tag : フルート三重奏曲 LP 古楽器

ザロモン弦楽四重奏団らの室内楽版ロンドン、軍隊(ハイドン)

先日素晴らしい演奏を取り上げたザロモン弦楽四重奏団ですが、偶然ディスクユニオン店頭でこのアルバムを見つけてゲットしました。

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TOWER RECORDS(この演奏が含まれる全集CD) / amazon(CD) / ローチケHMVicon(この演奏が含まれる全集CD)

ザロモン弦楽四重奏団(The Salomon String Quartet)、リサ・ベズノシウク(Lisa Beznosiuk)のフルート、クリストファー・ホグウッド(Christpher Hogwood)のフォルテピアノによる、ハイドンの交響曲104番「ロンドン」、100番「軍隊」のザロモンによる室内楽への編曲版の演奏を収めたLP。収録は1982年11月、ロンドン北東部のウッドフォード教区教会(Woodford Parish Church)でのセッション録音。レーベルは英EDITION DE L'OISEAU-LYRE。

L'OISEAU-LYREのLPは裏面の文字のタイポグラフィーも含めて装丁が美しいのでコレクション意欲を満たしますね。私がL'OISEAU-LYREのLPを初めて手に入れたのは予備校生時代にかつて代々木にあったジュピターレコードでのこと。店頭のレコードラックを物色しているとL'OISEAU-LYREとかベルギーのACCENTのアルバムは特別なオーラを放っていました。あれからかれこれ35年くらい経ちます。このLPも偶然出会ったものですが、状態の良いジャケットからはかつて感じたオーラが出ていました。

ザロモン弦楽四重奏団の演奏は取り上げたばかりですね。

2017/06/26 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : ザロモン弦楽四重奏団の剃刀、ひばり(ハイドン)
2011/10/29 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : ザロモン四重奏団のOp.74のNo.2、騎士

前記事にも書きましたが、hyperionからリリースされているシリーズよりも、その前に録音されたL'OISEAU-LYREの演奏の方がいい演奏です。剃刀、ひばりを収めたLPの収録は、今日取り上げるLPと同じ1982年11月で、録音会場も同じ。ということでほぼ同時期の収録ゆえその演奏にも期待できますね。

収録曲目であるペーター・ザロモン(Peter Salomon)編曲の室内楽版交響曲については、以前取り上げたアルバムの記事をご参照ください。

2016/01/31 : ハイドン–交響曲 : アルコ・バレーノによる室内楽版「時計」、99番、「ロンドン」(ハイドン)

このアルコ・バレーノの演奏も素晴らしかったのですが、名手ヤープ・シュレーダー率いるザロモン弦楽四重奏団にホグウッドまで加わったメンバーによる演奏が悪かろうわけもありませんね。このLP、コンディションも最高。針を落とすと予想通り鮮烈な響きが広がりました。

Hob.I:104 Symphony No.104 "London" 「ロンドン」 [D] (1795)
有名なロンドンの序奏ですが、もちろん室内楽版ゆえ重厚な響きとはいきません。LPは万全なコンディションなのでノイズは皆無。LPに刻まれたクリアな響きによって丁寧に描かれるメロディーの面白さ際立ちます。主題に入ると推進力が漲り、グイグイと引っ張っていきます。脳内では大オーケストラのこの曲の響きを想像しながらの鑑賞でしたが、徐々にこの室内楽版の面白さに気づき、スケール感よりもメロディーの起伏とパート間のメロディーのつなぎに耳が集中してきます。演奏は変わらすグイグイと進みもう大オーケストラの演奏以上に迫力を感じさせます。極上のアンサンブルによりまさにロンドンの大オーケストラの響きが脳内に浮かび上がります。迫力は音量にあらず。室内楽版とはいえ素晴らしい盛り上がりに圧倒されます。
続くアンダンテは室内楽版らしくメロディーラインがクッキリと浮かび上がり、本来のオーケストラ版よりも楽しめる感じ。これもヤープ・シュレーダーのヴァイオリンとホグウッドのフォルテピアノ、そしてリサ・ベズノシウクのフルートの冴えによるもの。特にフルートが加わることでオーケストラの音色を想像しやすくなっていますね。
メヌエットは迫力ではオケ版にはかないませんが、絶妙なテンポ感とリズムのキレで十分聴かせます。アンダンテ同様、各パートの絡みはオケ版よりもはっきり認識できるので、音楽の面白さはこちらに軍配が上がります。
フィナーレも絶妙な入り。耳が慣れてきたせいか、迫力も十分なものに聴こえてきました。速めのテンポで鮮やかにまとめ、聞き進むうちに大迫力に聞こえてきました。それだけ演奏に生気が宿っています。最後は大いに盛り上がって終了。

Hob.I:100 Symphony No.100 "Military" 「軍隊」 [G] (1793/4)
もちろん、軍隊の方も悪かろうはずもなく、針を落とすとロンドン同様、緻密で丁寧な序奏に惹きつけられます。主題に入ると実に鮮烈な響きが繰り出され、快速テンポでグイグイ進みます。異様にキレの良いリズムが推進力の源になり、独特な構成の1楽章をまとめていきます。ロンドン以上にキレの良い演奏で、この曲の陶酔感までを表現しきります。
軍隊の行進のアンダンテはもちろん打楽器なしですが、脳内で打楽器群が盛大に鳴っているように聴こえるのが不思議なところ。演奏の方も雄大さを表すようにあえてゆったり進んでいるのがそう感じさせるのでしょう。最後のクライマックスもトランペットも打楽器もないのに素晴らしい迫力を感じさせるのが見事。神業ですね。これはすごい。
メヌエットはその迫力の余韻をさらりと消し去るように軽快そのもの。楽章ごとの演奏スタイルもよく考えられて、楽章間の変化をしっかりつけてきます。
そして聴きどころのフィナーレはキリリとメリハリを効かせてフレーズごとに表情をしっかりつけ、推進力も十分。ハイドンの見事なフィナーレの構成をオケ版以上にクッキリと描ききり、迫力も十分。そして最後の頂点は打楽器もないのにスリリングにパンチアウト! 見事としか言いようがありません。

この演奏を聴いて、ようやくザロモン版のこの編曲の真価がわかりました。当時ロンドンではハイドンは熱狂的に迎えられたと聞きます。そのハイドンの音楽を室内楽で演奏して楽しむというニーズはよくわかります。そしてこの演奏を聴くと、あたかもハイドンの交響曲が演奏されているような錯覚に陥るほどの素晴らしい演奏。室内楽版の交響曲の演奏はこれまでに数種のアルバムがリリースされていますが、この演奏は室内楽版の交響曲のベストと言っていいでしょう。今まで聴いていなかったのはたまたまですが、ようやくこの素晴らしさがわかりました。LPのみならず、CD化もされており、直近ではホグウッド、ブリュッヘン、ダントーネらによる古楽器の交響曲全集にも含まれていることから入手も難しくありません。ハイドンファンなら一度は聴いておくべき名盤だと思います。もちろん評価は両曲とも[+++++]といたします。

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tag : ロンドン 軍隊 古楽器

エーリッヒ・ペンツェル/コレギウム・アウレウムのホルン協奏曲(ハイドン)

久々の協奏曲のアルバム。最近オークションで手に入れたもの。

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エーリッヒ・ペンツェル(Erich Penzel)のホルン、コレギウム・アウレウム(Collegium Aureum)の演奏で、ハイドンのホルン協奏曲(Hob.VIId:3)と、以前はハイドンの作と見做されていた時期もあった、レオポルド・ホフマンのフルート協奏曲の2曲を収めたLP。収録はPマークが1966年との記載。シュツットガルト近郊にあるキルヒハイム(Kirchheim)にあるキルヒハイム城でのセッション録音。レーベルはdeutsche harmonia mundi。

エーリッヒ・ペンツェルは1930年、ライプツィヒに生まれたホルン奏者。ウィルヘルム・クリューガー(Wilhelm Krüger)とアルビン・フレーゼ(Albin Frehse)にホルンを師事し、1949年から1961年まで地元ゲヴァントハウス管のソロホルン奏者、1961年から1972年までケルンの西ドイツ放送交響楽団のホルン奏者を務めた人。また、バイロイト祝祭管のメンバーでもありました。教職ではデルモルト音楽院、ケルン音楽大学、マーストリヒト音楽大学などの教授を歴任し、多くのホルン奏者を育てました。

手元にペンツェルがホルンを吹くアルバムは数枚ありますが、いずれもハイドンの真作ではない曲の演奏。当ブログでも一度、2つのホルンのための協奏曲の演奏を取り上げています。

2011/10/05 : ハイドン–交響曲 : ヘルムート・ミュラー=ブリュール/ケルン室内管弦楽団の交響曲72番等

ということで、ようやく手に入れたハイドンのホルン協奏曲の演奏。名演奏の多い曲ですが、この演奏も負けず劣らず素晴らしいものでした。

Hob.VIId:3 Concerto per il corno [D] (1762)
絶妙のコンディションのLPから湧き出るしなやかなオケの響き。極めてキレの良いリズムで軽快な序奏が転がるように響き渡ります。ペンツェルのホルンはびっくりするほど柔らかく深い音色。オケのリズムのキレに劣らず素晴らしいリズム感で朗々とホルンを吹いていきます。音階の安定感、ハイドン特有の低音の響きの安定感も万全。コレギウム・アウレウムの素晴らしい伴奏に乗って、軽々とホルンを鳴らしていきます。ペンツェルの素晴らしいテクニックに惚れ惚れ。1楽章のカデンツァは音程のジャンプを多用したシンプルなものですが、微塵の揺らぎもない完璧な演奏で締めくくります。
聴きどころのアダージョは、ここでも伴奏のコレギウム・アウレウムのしっとりと濡れているような柔らかなオーケストラの響きだけで昇天しそう。そこにペンツェルの柔らかなホルンが加わってこの世のものとは思えない幸福感に包まれます。そして音程が下がっていくところのホルンの響きは実に自然。これほど美しいホルンの音色は聴いたことがないほど。極上のオケと極上のホルンの織りなす素晴らしい響きに酔いしれます。ハイドンの書いた美しいメロディーが染み渡ります。2楽章のカデンツァもテクニックではなく、美しい響きを楽しませるシンプルなもの。
予想通り落ち着いたフィナーレ。噛みしめるようにじっくりとしたリズムで入るオケに、ここでもペンツェルはさらりと軽やかにホルンの響きを乗せていきます。聴き進むうちにオケが音階をデフォルメする聴きどころを設けてハッとさせられます。実に自然な戯れにほくそ笑みます。最後のカデンツァは乱高下する音階を通してホルンの響きの魅力をじっくりと表現。いやいや素晴らしい演奏にノックアウトです。

ホルン奏者に詳しい訳ではありませんが、エーリッヒ・ペンツェルという人の印象はこのアルバムでしっかりと刻み込まれました。ホルンという楽器は演奏が難しいのはご存知の通りですが、このアルバムでのペンツェルの演奏は神々しささえ感じるほど見事なもの。テクニックは素晴らしいのでしょうが、アクロバティックな印象は皆無で、実に自然で美しい音色を自在に繰り出してきます。ジャケット裏面にはペンツェルがホルンを吹いている写真が掲載されていますが、優に60cmはありそうな円に巻かれたナチュラルホルンを吹く姿。このアルバムの演奏がこのナチュラルホルンだったとしたら超絶的なテクニックなのでしょう。

ふと出会ったアルバムでしたが、またまた宝物を見つけたレベルの名演でした。評価はもちろん[+++++]とします。

B面のハンス=マルティン・リンデのソロによるフルート協奏曲も演奏は絶品です。

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tag : ホルン協奏曲 フルート協奏曲 古楽器 LP

スミソン弦楽四重奏団のOp.9、Op.17(ハイドン)

1501記事目は先日コダーイ四重奏団のOp.9を激賞した記事を書いた際に、いつも含蓄に富みまくったコメントをいただくSkunJPさんからその存在を教えていただき入手したアルバム。ようやく手に入りました!

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スミソン弦楽四重奏団(Smithson String Quartet)の演奏による、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.9のNo.4、Op.17のNo.3とNo.5の3曲を収めたアルバム。収録は1986年10月23日から25日にかけて、米国ワシントンD.C.のスミソニアン美術館レンリック・ギャラリー(Renwick Gallery of the Smithsonian American Art Museum)のグランド・サロンでのセッション録音。レーベルは優秀録音の多いDORIAN。

このアルバム、冒頭に書いたようにSkunJPさんから教えていただいたもの。このアルバムと同時に頼んで先についたOp.77とOp.103があまりに見事な出来だったので、そちらを先に記事にしてしまったもの。それも合わせて、このアルバムが3枚目のレビューとなります。

2017/06/13 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : スミソン弦楽四重奏団のOp.77/103(ハイドン)
2011/06/10 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : スミソン弦楽四重奏団のOp.54

スミソン弦楽四重奏団については、リンク先をご覧ください。録音年代はOp.54が1985年、Op.77が1988年、今日取り上げるアルバムが1986年ということで、集中した時期に録音されていることがわかります。したがって、このアルバムも前出2盤と同じメンバーでの録音ということになります。

第1ヴァイオリン:ヤープ・シュレーダー(Jaap Schröder)
第2ヴァイオリン:マリリン・マクドナルド(Marilyn McDnald)
ヴィオラ:ジャドソン・グリッフィン(Judson Griffin)
チェロ:ケネス・スロウィック(Kenneth Slowik)

まだ、Op.77とOp.103の名演の余韻が耳に残る中、早速聴きはじめます。

Hob.III:22 String Quartet Op.9 No.4 [d] (c.1769-70)
Op.20の前の目立たない存在の曲ですが、作曲年代は名作が並ぶシュトルム・ウント・ドラング期。しかも短調のグッと沈む曲想が見事な曲。前盤同様古楽器の木質系の響きの美しさは見事なもの。前盤がヴァイオリンのヤープ・シュレーダーがとりわけ目立っていたのに対し、この演奏では4人のバランスの良いアンサンブルで聴かせる演奏。しかもその一体感は絶妙なるレベルでこの曲の魅力をゆったりと描いていきます。たっぷりを墨を含んだ鮮やかな筆の運びでメロディーが活き活きと躍動するところは流石スミソンと唸ります。この時期はこのクァルテットにとっても絶頂期だったのでしょう。神がかったような妙技に冒頭から惹きつけられます。
続くメヌエットもしなやかなアンサンブルが仄暗い舞曲の魅力を存分に炙り出していきます。徐々にヤープ・シュレーダーの美音の存在感が増してきて、演奏の隈取りがキリリと明らかになってきます。素晴らしいのが中間部の音色を少しざらつかせた表現。艶やかな音色との対比で音楽の深みを増しています。このあたりの音楽の造りは絶妙。
そしてラルゴに入ると晴れやかな音楽の魅力が全開。糸を引くようにシュレーダーのヴァイオリンのメロディーが伸び伸びと躍動します。そしてすっと翳ったかと思うと、再び伸びやかに展開する妙技の連続。この曲の面白さを再認識させられます。他のパートもも音量を絶妙にコントロールしてヴァイオリンパートを引き立てます。終盤カデンツァのようなヴァイオリンのソロが印象的。
フィナーレはフーガのような展開からハイドンならではの複雑に絡み合う音楽。全パートのボウイングが冴えまくってここぞクライマックスという緊張感に包まれます。これほど緊密なこの曲のフィナーレは聴いたことがありません。予想通りとはいえ見事すぎる演奏にいきなりノックアウト。

Hob.III:27 String Quartet Op.17 No.3 [E flat] (1771)
いつもながらハイドンのアイデアというかメロディーの展開の見事さに驚きます。冒頭からメロディーラインの面白さに釘付け。特にクァルテットというジャンルはメロディーと各パートの絡み合う展開の面白さを純粋に味わえるため、この曲でも冒頭から全神経が曲の展開の面白さに集中します。もちろんスミソンの演奏は絶妙を通り越して神々しささえ漂うレベルなのは前曲同様。Op.17ももちろんシュトルム・ウント・ドラング期の作品。こうして聴くとOp.20と比較しても決して劣らない素晴らしい作品であることがわかります。この曲ではメンバーも演奏を存分に楽しんでいる様子が伝わります。それこそが音楽。溢れんばかりの楽しさに包まれます。
驚くのがメヌエットのメロディーの奇抜さ。奏者もハイドンのアイデアの冴えの素晴らしさを解して、微笑みながら演奏しているよう。創意に満ち溢れる音楽。これぞハイドンの音楽の真髄でしょう。
そしてアダージョのなんたる癒し。大海原にプカプカと浮かびなながらのんびりとする心境になったかと思うと切々と切り込んでくるヴァイオリンの美しいメロディーにうっとり。しかも間近で聴くライヴのような素晴らしい録音によってグイグイとこちらの心に浸透してきます。ヴァイオリン以外のパートも素晴らしい演奏で迫ってきます。絶品。
深い感動の淵から涼風に目覚めさせられたようなフィナーレの入り。軽やかな各パートのさえずりからはじまり、音色とダイナミクスがめくるめくように変化していく快感に浸れます。

Hob.III:29 String Quartet Op.17 No.5 [G] (1771)
Op.17の最後の曲。もうすぐそこに太陽四重奏曲があります。このアルバムに収められた3曲がどうして選ばれたかはわかりませんが、この3曲にはハイドンの音楽のエッセンスが全て含まれているような気がします。有名曲ではありませんが、ハイドンのアイデアと創意の豊富さと音楽の展開の独創性の面で突き抜けた魅力をもつ3曲のように感じます。ひばりや皇帝も素晴らしいですが、こうした曲にこそハイドンの音楽の真髄が詰まっていますね。この曲でもハイドンの斬新さに驚かせられ続けます。なんたるアイデア。なんたる展開。なんたる構成力。もう全てがキレキレ。そしてスミソンもキレキレ。ハイドンの時代の人々が聴いたら前衛音楽と聴こえたかもしれません。
この曲でも2楽章がメヌエット。ハイドンのアイデアの暴走は止まりません(笑) ユニークなメロディーを展開しながら曲としてまとめていく手腕の鮮やかさ。これぞ創意とハイドンがほくそ笑む姿が目に浮かびます。
そしてアダージョではグッと沈み、闇の深い黒色のグラデーョンの魅力で聴かせる音楽のような入り。そしてさっと光が射し、ゆったりとした音楽のほのかな輝きが、入りの闇の深さによって浮かび上がります。こうした表情の変化の面白さはスミソンの素晴らしい演奏だからこそ楽しめるもの。並みの演奏ではハイドンの音楽の真髄にはたどり着けません。
フィナーレはリズミカルな入りから意外にオーソドックスな展開に逆に驚きます。ここまでの3楽章のユニークさからするとちょっと意外でしたが、ハイドンの意図が聴くものを驚かせるような創意にあるとすれば、ユニークな曲の連続をオーソドックスなフィナーレで締めることこそハイドンの意図だったのかもしれません。最後はなんとフェードアウト! あまりに見事な展開にやられた感満点(笑) 曲の真髄に迫る素晴らしい演奏ゆえ、演奏ではなく曲自体を楽しめたということでしょう。

SkunJPさんに教えていただいたアルバムですが、やはりただのアルバムではありませんでした。このアルバムの中にハイドンの弦楽四重奏曲の真髄が全て詰まっています。Op.77とOp.103の方も曲の本質を突く素晴らしい演奏でしたが、こちらはさらに一歩、ハイドンの創意の源に迫る迫真の演奏。選曲、演奏、録音とも絶品。全ての人に聴いていただくべき名盤と断じます。もちろん評価は[+++++]といたします。

前記事でブログ開設1500記事となりましたが、実はこのアルバムのレビューとしてまとめる予定でした。ただ、聴き進むうちに、単独の記事としてまとめるべきアルバムだと思い別記事にした次第。その痕跡を前記事の写真に残したところ、すかさずSkunJPさんに気づかれてしまいました(笑) いやいや素晴らしいアルバムの情報をありがとうございました!

(追伸)
月末企画は次の記事です! 遅れてスミマセン!

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tag : 弦楽四重奏曲Op.9 弦楽四重奏曲Op.17 古楽器

ザロモン弦楽四重奏団の剃刀、ひばり(ハイドン)

旅行記にかまけておりましたが、仕入れは継続しております! 今日は最近オークションで見かけて手に入れたもの。

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ザロモン弦楽四重奏団(The Salomon String Quartet)によるハイドンの弦楽四重奏曲Op.55のNo.2、Op.64のNo.5「ひばり」の2曲を収めたLP。収録は1982年11月、ロンドン北東部のウッドフォード教区教会(Woodford Parish Church)でのセッション録音。レーベルは英EDITION DE L'OISEAU-LYRE。

ザロモン弦楽四重奏団はhyperionレーベルに1980年代から90年代にかけて弦楽四重奏をかなりの枚数録音しています。このアルバムに収録されている2曲もhyperionレーベルに録音があるのですが、これはL'OISEAU-LYREレーベルに残されたものでhyperionとは違う音源の録音です。曲は異なりますが、hyperionの録音は以前に一度取り上げています。

2011/10/29 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : ザロモン四重奏団のOp.74のNo.2、騎士

手元にhyperionレーベルのシリーズの録音は揃っているのですが、録音年代をチェックすると、一番録音が早いのが1982年の7月で、以降1995年までの間に録音されています。最初の録音のOp.71のNo.1とNo.2は、今日取り上げるLPよりも前の録音になります。この2曲もそれぞれセットとして94年と95年に再録音されています。全くの想像ですが1982年の録音当時、L'OISEAU-LYREとhyperionのそれぞれに録音したものの、セットとして体系的に録音を企画したhyperionの方に録音を継続し、L'OISEAU-LYREとの録音はスポット的に終わってしまったということなのかもしれません。L'OISEAU-LYREからはこのアルバムの他、ホグウッドと組んだザロモン版の室内楽による軍隊とロンドンの2曲のLPがリリースされているのみです。

メンバーはhyperionレーベルの録音と変わりなく、下記の通り。

第1ヴァイオリン:サイモン・スタンデイジ(Simon Standgage)
第2ヴァイオリン:ミカエラ・コンベルティ(Micaela Comberti)
ヴィオラ:トレヴァー・ジョーンズ(Trevor Jones)
チェロ:ジェニファー・ウォード・クラーク(Jennifer Ward Clarke)

ただし、同じ曲で聴き比べると、演奏はこのL'OISEAU-LYRE盤に軍配が上がります。というかこのL'OISEAU-LYRE盤の演奏は絶品なんですね。

Hob.III:61 String Quartet Op.55 No.2 "Lasiermesserquartetett" 「剃刀」 [f] (1788)
hyperionのCDの演奏も悪い演奏ではないんですが、極上のコンディションのL'OISEAU-LYRE盤の磨き抜かれた響きは比べると演奏のしなやかさが数段上。このほんの少しの違いが音楽の深みに大きく影響します。94年録音のhyperion盤が若干平板さを感じさせるのに対し、L'OISEAU-LYRE盤に針を落とすと、瑞々しさに溢れたデリケートな響きに包まれます。音楽の表情の深さと古楽器クァルテットの音色の豊かさに惹きつけられます。演奏に余裕があり、ゆったりとした1楽章の入りの美しさを完璧に表現します。そしてフレーズごとの息の長い音楽の展開が見事。LPながら録音はDIGITAL。L'OISEAU-LYREの見事な録音が演奏に華を添えます。このレベルの録音はうちのオーディオ環境ではLPでしか聞くことができないレベルです。あまりに素晴らしい演奏と録音に1楽章ですでにノックアウト。
切々とした短調の入りから転調して次々と表情を変える2楽章。サイモン・スタンデイジの自然で伸びやかなヴァイオリンがここでも余裕たっぷりな音楽を作っていきます。アンサンブルは神々しいばかりの精度で、未曾有の一体感。ハイドンならではのユニークな曲をあまりに見事に仕上げて、演奏によってはちょっとギクシャクする曲の真価を問います。注意深く聴くと実によくできた曲だと唸ります。
メヌエットは前楽章を受けてか、リズミカルな舞曲ではなく、ここでも技巧を凝らしたメロディーで聴く人を驚かせようという感じ。
フィナーレはハイドンならではのコミカルなメロディーの魅力に溢れた曲。そのコミカルさを軽さとキレ味でさらりと聴かせるセンスの良さも絶品です。

Hob.III:63 String Quartet Op.64 No.5 "Lerchenquartetett" 「ひばり」 [D] (1790)
鳥肌が立つような美しい入り。誰でも知っている冒頭のリズムが非常に滑らかに刻まれ、そしてひばりのさえずりのようなヴァイオリンが伸びやかに歌います。なんと言う美しい響き。冒頭から絶品です。アンサンブルは完璧に揃い、響きは超高鮮度。ボウイングの弓の滑りがしなやかさの限りを尽くします。これほど美しいひばりを聴くのは初めて。そして展開部も迫真の迫力。あまりに素晴らしい1楽章に仰け反ります。
そして緊張感を保ちながらの美しいアダージョ。ここでもサイモン・スタンデイジの伸びやかなヴァイオリンの魅力が圧倒的な存在感で迫ります。途中陰りを感じさせるところの枯れ方が、再び明るさを取り戻す時の対比に効いてきます。伴奏にまわるヴィオラやチェロも表現力豊かにサポート。
静かに閉じた前楽章から活気を取り戻すように踊るメヌエットに入ります。前曲とは全く異なるアプローチがビシッと決まります。やはりメヌエットの王道は躍動感ですね。
そして軽快なフィナーレ。入りからキレよく飛ばし、フーガのような展開部でも軽快さを保ち続ける見事な技。ここでもハイドンならではのユーモラスな展開を意図をしっかり汲んだ素晴らしい演奏で締めます。

いやいや、これは絶品。旅行記の前にレビューしたスミソン四重奏団のヤープ・シュレーダーといい、このアルバムのサイモン・スタンデイジといい、古楽器草創期の名ヴァイオリニストにが参加した演奏の素晴らしさを再認識した次第。古楽器でのクァルテットの演奏は増え続ける一方ですが、これらの草創期の演奏を超える演奏が増えたかと言うと、そうとも言えないのではないかと言うのが正直なところ。新進気鋭の団体の斬新な演奏もなくはありませんが、これらの演奏を超える魅力があるかと言えば、微妙なところかもしれませんね。剃刀もひばりも絶品のおすすめ盤です。評価は両曲とも[+++++]とします。

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ジャンル : 音楽

tag : 剃刀 ひばり 古楽器 LP

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Daisy


Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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