絶品! グラーフ/スタルク/デーラーによるフルート三重奏曲集(ハイドン)

今日は室内楽のLP。宝物がまた1枚増えました。

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ペーター=ルーカス・グラーフ(Peter-Lukas Graf)のフルート、クロード・スタルク(Claude Starck)のチェロ、ヨルグ・エヴァルト・デーラー(Jörg Ewald Dähler)のフォルテピアノで、ハイドンのフルート三重奏曲3曲(Hob.XV:16、XV:17、XV:15)を収めたLP。収録に関する情報は記載されていませんが、隣接するレコード番号のLPが1984年リリースとありますので、LPの状態も勘案して1980年代中盤の録音と想像しています。レーベルはclaves。

ハイドンのフルート三重奏曲はピアノトリオのヴァイオリンパートをフルートの華やかな音色で置き換えたもので、この曲の出版当時からフルート版の楽譜も出版されていたとのことでフルートでの演奏も多くなっているとのこと。これまでもかなりのアルバムを取り上げています。

2016/08/26 : ハイドン–室内楽曲 : ムジカ・ドメスティカのフルート三重奏曲集(ハイドン)
2016/06/21 : ハイドン–室内楽曲 : ラ・ガイア・シエンツァによるフルート三重奏曲と室内楽版「驚愕」(ハイドン)
2015/08/28 : ハイドン–室内楽曲 : 【新着】クイケン兄弟によるフルート三重奏曲集(ハイドン)
2015/02/21 : ハイドン–室内楽曲 : トーケ・ルン・クリスチャンセンのフルート三重奏曲(ハイドン)
2012/05/27 : ハイドン–室内楽曲 : ディター・フルーリーによるフルート三重奏曲

この録音が1980年代中頃の録音だとすれば、手元のアルバムでは古楽器による最も古い録音ということになります。

奏者のペーター=ルーカス・グラーフは有名なフルート奏者ゆえご存知の方も多いでしょう。1929年チューリッヒ生まれ。チェロのクロード・スタルクは1928年ストラスブール生まれ。フォルテピアノのヨルグ・エヴァルト・デーラーは1933年ベルン生まれと、録音当時50代の名奏者揃い。

Hob.XV:16 Piano Trio (Nr.28/op.59-1) [D] (before 1790)
LPのコンディションは最高。針を落とすと鮮明な響きが飛び出してきます。フォルテピアノのデーラーが刻む速めの一定したリズムに乗ってフルートのグラーフがきりりと引き締まったメロディーを重ねていきます。古楽器によるオーソドックスと思いきや、実に豊かなニュアンスを帯びた演奏にすぐに引き込まれます。フルートのリズムが冴えまくって超鮮明に曲を描いていきます。
続く2楽章は絶品。静寂にとぼとぼと刻まれるフォルテピアノのリズムに乗って幽玄なフルートの音色が響き渡ります。フォルテピアノの左手の刻むリズムと、右手の奏でるメロディーも絶美。デーラーも只者ではありませんね。チェロも含めてリズム感が良いので音楽が淀みなく流れます。
そのよさが活きるのが終楽章。くっきりとメロディーが浮かび上がり、ハイドン独特の絡み合うメロディーの面白さが際立ちます。思った以上にフォルテピアノが雄弁なのが効いています。

Hob.XV:17 Piano Trio (Nr.30/op.59-3) [F] (before 1790)
一転して軽やかなタッチのフォルテピアノの入り。リズムよりも流れの良さを感じさせます。相変わらずグラーフのフルートの音色は深みのある美しいもの。曲に合わせてか、両者ともリラックスした入り。中盤から印象的な慟哭が続きますが音色の硬軟を織り交ぜながら進みます。この曲ではタッチの変化を聴かせどころに持ってきました。

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ここでLPをひっくり返して2楽章へ。宝石のような響きの流れに身をまかせる快感に浸ります。一貫したリズムの流れの瞬間瞬間の情感のデリケートな変化が繰り返されるうちに至福の境地へ。最後は静寂に吸い込まれて終わります。

Hob.XV:15 Piano Trio (Nr.29/op.59-2) [G] (before 1790)
再び鮮明なリズムに乗った快活なメロディーへ。この曲の明るさと翳りが繰り返される美しさは筆舌に尽くしがたいもの。それをグラーフの見事なフルートとデーラーの表情豊かなフォルテピアノで鮮やかに演奏され、曲の美しさが完璧に表現されます。何気にチェロのスタルクもキレ味鋭く、2人に負けていません。世の中にこれほど美しい曲があるのでしょうか。そしてあまりに見事な演奏に言葉を失うほど。この曲の真髄に迫ります。
1楽章のあまりの完成度にのけぞっていたところに癒しに満ちたフォルテピアノの音色が沁み入ります。グラーフのフルートは素晴らしい音量と伸びやかさで孤高の境地。広い空間に響き渡るフルートの響き。これほど美しいフルートの音色は初めてです。
終楽章は前2楽章の素晴らしさの余韻の中、メロディーの戯れを楽しむような演奏。この軽さというか自在さはこれまでの妙技の数々をこなしてきたからこその境地でしょう。

絶品です! これまで取り上げてきたフルート三重奏曲はいずれも素晴らしい演奏でしたが、このアルバムはそれを超えるもの。この曲集の決定盤としていいでしょう。グラーフのフルートがこれほど素晴らしいものだと改めて認識しました。そしてデーラーのフォルテピアノも絶品。また曲の並びも作曲順ではXV:16、15、17ですが、このアルバムでは16、17、15の順で収録されており、LPのカッティングの都合で2楽章の17を真ん中に置いたものとは思いますが、そのおかげでXV:15の見事な演奏が最後に配置され、アルバムの完成度を上げる結果につながっています。特にこのXV:15の素晴らしさは心に刻まれました。評価はもちろん全曲[+++++]といたします。

世の中はお盆で帰省ラッシュですが、このお休みはのんびり過ごそうと思います。

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tag : フルート三重奏曲 LP 古楽器

ザロモン弦楽四重奏団らの室内楽版ロンドン、軍隊(ハイドン)

先日素晴らしい演奏を取り上げたザロモン弦楽四重奏団ですが、偶然ディスクユニオン店頭でこのアルバムを見つけてゲットしました。

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TOWER RECORDS(この演奏が含まれる全集CD) / amazon(CD) / ローチケHMVicon(この演奏が含まれる全集CD)

ザロモン弦楽四重奏団(The Salomon String Quartet)、リサ・ベズノシウク(Lisa Beznosiuk)のフルート、クリストファー・ホグウッド(Christpher Hogwood)のフォルテピアノによる、ハイドンの交響曲104番「ロンドン」、100番「軍隊」のザロモンによる室内楽への編曲版の演奏を収めたLP。収録は1982年11月、ロンドン北東部のウッドフォード教区教会(Woodford Parish Church)でのセッション録音。レーベルは英EDITION DE L'OISEAU-LYRE。

L'OISEAU-LYREのLPは裏面の文字のタイポグラフィーも含めて装丁が美しいのでコレクション意欲を満たしますね。私がL'OISEAU-LYREのLPを初めて手に入れたのは予備校生時代にかつて代々木にあったジュピターレコードでのこと。店頭のレコードラックを物色しているとL'OISEAU-LYREとかベルギーのACCENTのアルバムは特別なオーラを放っていました。あれからかれこれ35年くらい経ちます。このLPも偶然出会ったものですが、状態の良いジャケットからはかつて感じたオーラが出ていました。

ザロモン弦楽四重奏団の演奏は取り上げたばかりですね。

2017/06/26 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : ザロモン弦楽四重奏団の剃刀、ひばり(ハイドン)
2011/10/29 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : ザロモン四重奏団のOp.74のNo.2、騎士

前記事にも書きましたが、hyperionからリリースされているシリーズよりも、その前に録音されたL'OISEAU-LYREの演奏の方がいい演奏です。剃刀、ひばりを収めたLPの収録は、今日取り上げるLPと同じ1982年11月で、録音会場も同じ。ということでほぼ同時期の収録ゆえその演奏にも期待できますね。

収録曲目であるペーター・ザロモン(Peter Salomon)編曲の室内楽版交響曲については、以前取り上げたアルバムの記事をご参照ください。

2016/01/31 : ハイドン–交響曲 : アルコ・バレーノによる室内楽版「時計」、99番、「ロンドン」(ハイドン)

このアルコ・バレーノの演奏も素晴らしかったのですが、名手ヤープ・シュレーダー率いるザロモン弦楽四重奏団にホグウッドまで加わったメンバーによる演奏が悪かろうわけもありませんね。このLP、コンディションも最高。針を落とすと予想通り鮮烈な響きが広がりました。

Hob.I:104 Symphony No.104 "London" 「ロンドン」 [D] (1795)
有名なロンドンの序奏ですが、もちろん室内楽版ゆえ重厚な響きとはいきません。LPは万全なコンディションなのでノイズは皆無。LPに刻まれたクリアな響きによって丁寧に描かれるメロディーの面白さ際立ちます。主題に入ると推進力が漲り、グイグイと引っ張っていきます。脳内では大オーケストラのこの曲の響きを想像しながらの鑑賞でしたが、徐々にこの室内楽版の面白さに気づき、スケール感よりもメロディーの起伏とパート間のメロディーのつなぎに耳が集中してきます。演奏は変わらすグイグイと進みもう大オーケストラの演奏以上に迫力を感じさせます。極上のアンサンブルによりまさにロンドンの大オーケストラの響きが脳内に浮かび上がります。迫力は音量にあらず。室内楽版とはいえ素晴らしい盛り上がりに圧倒されます。
続くアンダンテは室内楽版らしくメロディーラインがクッキリと浮かび上がり、本来のオーケストラ版よりも楽しめる感じ。これもヤープ・シュレーダーのヴァイオリンとホグウッドのフォルテピアノ、そしてリサ・ベズノシウクのフルートの冴えによるもの。特にフルートが加わることでオーケストラの音色を想像しやすくなっていますね。
メヌエットは迫力ではオケ版にはかないませんが、絶妙なテンポ感とリズムのキレで十分聴かせます。アンダンテ同様、各パートの絡みはオケ版よりもはっきり認識できるので、音楽の面白さはこちらに軍配が上がります。
フィナーレも絶妙な入り。耳が慣れてきたせいか、迫力も十分なものに聴こえてきました。速めのテンポで鮮やかにまとめ、聞き進むうちに大迫力に聞こえてきました。それだけ演奏に生気が宿っています。最後は大いに盛り上がって終了。

Hob.I:100 Symphony No.100 "Military" 「軍隊」 [G] (1793/4)
もちろん、軍隊の方も悪かろうはずもなく、針を落とすとロンドン同様、緻密で丁寧な序奏に惹きつけられます。主題に入ると実に鮮烈な響きが繰り出され、快速テンポでグイグイ進みます。異様にキレの良いリズムが推進力の源になり、独特な構成の1楽章をまとめていきます。ロンドン以上にキレの良い演奏で、この曲の陶酔感までを表現しきります。
軍隊の行進のアンダンテはもちろん打楽器なしですが、脳内で打楽器群が盛大に鳴っているように聴こえるのが不思議なところ。演奏の方も雄大さを表すようにあえてゆったり進んでいるのがそう感じさせるのでしょう。最後のクライマックスもトランペットも打楽器もないのに素晴らしい迫力を感じさせるのが見事。神業ですね。これはすごい。
メヌエットはその迫力の余韻をさらりと消し去るように軽快そのもの。楽章ごとの演奏スタイルもよく考えられて、楽章間の変化をしっかりつけてきます。
そして聴きどころのフィナーレはキリリとメリハリを効かせてフレーズごとに表情をしっかりつけ、推進力も十分。ハイドンの見事なフィナーレの構成をオケ版以上にクッキリと描ききり、迫力も十分。そして最後の頂点は打楽器もないのにスリリングにパンチアウト! 見事としか言いようがありません。

この演奏を聴いて、ようやくザロモン版のこの編曲の真価がわかりました。当時ロンドンではハイドンは熱狂的に迎えられたと聞きます。そのハイドンの音楽を室内楽で演奏して楽しむというニーズはよくわかります。そしてこの演奏を聴くと、あたかもハイドンの交響曲が演奏されているような錯覚に陥るほどの素晴らしい演奏。室内楽版の交響曲の演奏はこれまでに数種のアルバムがリリースされていますが、この演奏は室内楽版の交響曲のベストと言っていいでしょう。今まで聴いていなかったのはたまたまですが、ようやくこの素晴らしさがわかりました。LPのみならず、CD化もされており、直近ではホグウッド、ブリュッヘン、ダントーネらによる古楽器の交響曲全集にも含まれていることから入手も難しくありません。ハイドンファンなら一度は聴いておくべき名盤だと思います。もちろん評価は両曲とも[+++++]といたします。

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エーリッヒ・ペンツェル/コレギウム・アウレウムのホルン協奏曲(ハイドン)

久々の協奏曲のアルバム。最近オークションで手に入れたもの。

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エーリッヒ・ペンツェル(Erich Penzel)のホルン、コレギウム・アウレウム(Collegium Aureum)の演奏で、ハイドンのホルン協奏曲(Hob.VIId:3)と、以前はハイドンの作と見做されていた時期もあった、レオポルド・ホフマンのフルート協奏曲の2曲を収めたLP。収録はPマークが1966年との記載。シュツットガルト近郊にあるキルヒハイム(Kirchheim)にあるキルヒハイム城でのセッション録音。レーベルはdeutsche harmonia mundi。

エーリッヒ・ペンツェルは1930年、ライプツィヒに生まれたホルン奏者。ウィルヘルム・クリューガー(Wilhelm Krüger)とアルビン・フレーゼ(Albin Frehse)にホルンを師事し、1949年から1961年まで地元ゲヴァントハウス管のソロホルン奏者、1961年から1972年までケルンの西ドイツ放送交響楽団のホルン奏者を務めた人。また、バイロイト祝祭管のメンバーでもありました。教職ではデルモルト音楽院、ケルン音楽大学、マーストリヒト音楽大学などの教授を歴任し、多くのホルン奏者を育てました。

手元にペンツェルがホルンを吹くアルバムは数枚ありますが、いずれもハイドンの真作ではない曲の演奏。当ブログでも一度、2つのホルンのための協奏曲の演奏を取り上げています。

2011/10/05 : ハイドン–交響曲 : ヘルムート・ミュラー=ブリュール/ケルン室内管弦楽団の交響曲72番等

ということで、ようやく手に入れたハイドンのホルン協奏曲の演奏。名演奏の多い曲ですが、この演奏も負けず劣らず素晴らしいものでした。

Hob.VIId:3 Concerto per il corno [D] (1762)
絶妙のコンディションのLPから湧き出るしなやかなオケの響き。極めてキレの良いリズムで軽快な序奏が転がるように響き渡ります。ペンツェルのホルンはびっくりするほど柔らかく深い音色。オケのリズムのキレに劣らず素晴らしいリズム感で朗々とホルンを吹いていきます。音階の安定感、ハイドン特有の低音の響きの安定感も万全。コレギウム・アウレウムの素晴らしい伴奏に乗って、軽々とホルンを鳴らしていきます。ペンツェルの素晴らしいテクニックに惚れ惚れ。1楽章のカデンツァは音程のジャンプを多用したシンプルなものですが、微塵の揺らぎもない完璧な演奏で締めくくります。
聴きどころのアダージョは、ここでも伴奏のコレギウム・アウレウムのしっとりと濡れているような柔らかなオーケストラの響きだけで昇天しそう。そこにペンツェルの柔らかなホルンが加わってこの世のものとは思えない幸福感に包まれます。そして音程が下がっていくところのホルンの響きは実に自然。これほど美しいホルンの音色は聴いたことがないほど。極上のオケと極上のホルンの織りなす素晴らしい響きに酔いしれます。ハイドンの書いた美しいメロディーが染み渡ります。2楽章のカデンツァもテクニックではなく、美しい響きを楽しませるシンプルなもの。
予想通り落ち着いたフィナーレ。噛みしめるようにじっくりとしたリズムで入るオケに、ここでもペンツェルはさらりと軽やかにホルンの響きを乗せていきます。聴き進むうちにオケが音階をデフォルメする聴きどころを設けてハッとさせられます。実に自然な戯れにほくそ笑みます。最後のカデンツァは乱高下する音階を通してホルンの響きの魅力をじっくりと表現。いやいや素晴らしい演奏にノックアウトです。

ホルン奏者に詳しい訳ではありませんが、エーリッヒ・ペンツェルという人の印象はこのアルバムでしっかりと刻み込まれました。ホルンという楽器は演奏が難しいのはご存知の通りですが、このアルバムでのペンツェルの演奏は神々しささえ感じるほど見事なもの。テクニックは素晴らしいのでしょうが、アクロバティックな印象は皆無で、実に自然で美しい音色を自在に繰り出してきます。ジャケット裏面にはペンツェルがホルンを吹いている写真が掲載されていますが、優に60cmはありそうな円に巻かれたナチュラルホルンを吹く姿。このアルバムの演奏がこのナチュラルホルンだったとしたら超絶的なテクニックなのでしょう。

ふと出会ったアルバムでしたが、またまた宝物を見つけたレベルの名演でした。評価はもちろん[+++++]とします。

B面のハンス=マルティン・リンデのソロによるフルート協奏曲も演奏は絶品です。

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tag : ホルン協奏曲 フルート協奏曲 古楽器 LP

スミソン弦楽四重奏団のOp.9、Op.17(ハイドン)

1501記事目は先日コダーイ四重奏団のOp.9を激賞した記事を書いた際に、いつも含蓄に富みまくったコメントをいただくSkunJPさんからその存在を教えていただき入手したアルバム。ようやく手に入りました!

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スミソン弦楽四重奏団(Smithson String Quartet)の演奏による、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.9のNo.4、Op.17のNo.3とNo.5の3曲を収めたアルバム。収録は1986年10月23日から25日にかけて、米国ワシントンD.C.のスミソニアン美術館レンリック・ギャラリー(Renwick Gallery of the Smithsonian American Art Museum)のグランド・サロンでのセッション録音。レーベルは優秀録音の多いDORIAN。

このアルバム、冒頭に書いたようにSkunJPさんから教えていただいたもの。このアルバムと同時に頼んで先についたOp.77とOp.103があまりに見事な出来だったので、そちらを先に記事にしてしまったもの。それも合わせて、このアルバムが3枚目のレビューとなります。

2017/06/13 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : スミソン弦楽四重奏団のOp.77/103(ハイドン)
2011/06/10 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : スミソン弦楽四重奏団のOp.54

スミソン弦楽四重奏団については、リンク先をご覧ください。録音年代はOp.54が1985年、Op.77が1988年、今日取り上げるアルバムが1986年ということで、集中した時期に録音されていることがわかります。したがって、このアルバムも前出2盤と同じメンバーでの録音ということになります。

第1ヴァイオリン:ヤープ・シュレーダー(Jaap Schröder)
第2ヴァイオリン:マリリン・マクドナルド(Marilyn McDnald)
ヴィオラ:ジャドソン・グリッフィン(Judson Griffin)
チェロ:ケネス・スロウィック(Kenneth Slowik)

まだ、Op.77とOp.103の名演の余韻が耳に残る中、早速聴きはじめます。

Hob.III:22 String Quartet Op.9 No.4 [d] (c.1769-70)
Op.20の前の目立たない存在の曲ですが、作曲年代は名作が並ぶシュトルム・ウント・ドラング期。しかも短調のグッと沈む曲想が見事な曲。前盤同様古楽器の木質系の響きの美しさは見事なもの。前盤がヴァイオリンのヤープ・シュレーダーがとりわけ目立っていたのに対し、この演奏では4人のバランスの良いアンサンブルで聴かせる演奏。しかもその一体感は絶妙なるレベルでこの曲の魅力をゆったりと描いていきます。たっぷりを墨を含んだ鮮やかな筆の運びでメロディーが活き活きと躍動するところは流石スミソンと唸ります。この時期はこのクァルテットにとっても絶頂期だったのでしょう。神がかったような妙技に冒頭から惹きつけられます。
続くメヌエットもしなやかなアンサンブルが仄暗い舞曲の魅力を存分に炙り出していきます。徐々にヤープ・シュレーダーの美音の存在感が増してきて、演奏の隈取りがキリリと明らかになってきます。素晴らしいのが中間部の音色を少しざらつかせた表現。艶やかな音色との対比で音楽の深みを増しています。このあたりの音楽の造りは絶妙。
そしてラルゴに入ると晴れやかな音楽の魅力が全開。糸を引くようにシュレーダーのヴァイオリンのメロディーが伸び伸びと躍動します。そしてすっと翳ったかと思うと、再び伸びやかに展開する妙技の連続。この曲の面白さを再認識させられます。他のパートもも音量を絶妙にコントロールしてヴァイオリンパートを引き立てます。終盤カデンツァのようなヴァイオリンのソロが印象的。
フィナーレはフーガのような展開からハイドンならではの複雑に絡み合う音楽。全パートのボウイングが冴えまくってここぞクライマックスという緊張感に包まれます。これほど緊密なこの曲のフィナーレは聴いたことがありません。予想通りとはいえ見事すぎる演奏にいきなりノックアウト。

Hob.III:27 String Quartet Op.17 No.3 [E flat] (1771)
いつもながらハイドンのアイデアというかメロディーの展開の見事さに驚きます。冒頭からメロディーラインの面白さに釘付け。特にクァルテットというジャンルはメロディーと各パートの絡み合う展開の面白さを純粋に味わえるため、この曲でも冒頭から全神経が曲の展開の面白さに集中します。もちろんスミソンの演奏は絶妙を通り越して神々しささえ漂うレベルなのは前曲同様。Op.17ももちろんシュトルム・ウント・ドラング期の作品。こうして聴くとOp.20と比較しても決して劣らない素晴らしい作品であることがわかります。この曲ではメンバーも演奏を存分に楽しんでいる様子が伝わります。それこそが音楽。溢れんばかりの楽しさに包まれます。
驚くのがメヌエットのメロディーの奇抜さ。奏者もハイドンのアイデアの冴えの素晴らしさを解して、微笑みながら演奏しているよう。創意に満ち溢れる音楽。これぞハイドンの音楽の真髄でしょう。
そしてアダージョのなんたる癒し。大海原にプカプカと浮かびなながらのんびりとする心境になったかと思うと切々と切り込んでくるヴァイオリンの美しいメロディーにうっとり。しかも間近で聴くライヴのような素晴らしい録音によってグイグイとこちらの心に浸透してきます。ヴァイオリン以外のパートも素晴らしい演奏で迫ってきます。絶品。
深い感動の淵から涼風に目覚めさせられたようなフィナーレの入り。軽やかな各パートのさえずりからはじまり、音色とダイナミクスがめくるめくように変化していく快感に浸れます。

Hob.III:29 String Quartet Op.17 No.5 [G] (1771)
Op.17の最後の曲。もうすぐそこに太陽四重奏曲があります。このアルバムに収められた3曲がどうして選ばれたかはわかりませんが、この3曲にはハイドンの音楽のエッセンスが全て含まれているような気がします。有名曲ではありませんが、ハイドンのアイデアと創意の豊富さと音楽の展開の独創性の面で突き抜けた魅力をもつ3曲のように感じます。ひばりや皇帝も素晴らしいですが、こうした曲にこそハイドンの音楽の真髄が詰まっていますね。この曲でもハイドンの斬新さに驚かせられ続けます。なんたるアイデア。なんたる展開。なんたる構成力。もう全てがキレキレ。そしてスミソンもキレキレ。ハイドンの時代の人々が聴いたら前衛音楽と聴こえたかもしれません。
この曲でも2楽章がメヌエット。ハイドンのアイデアの暴走は止まりません(笑) ユニークなメロディーを展開しながら曲としてまとめていく手腕の鮮やかさ。これぞ創意とハイドンがほくそ笑む姿が目に浮かびます。
そしてアダージョではグッと沈み、闇の深い黒色のグラデーョンの魅力で聴かせる音楽のような入り。そしてさっと光が射し、ゆったりとした音楽のほのかな輝きが、入りの闇の深さによって浮かび上がります。こうした表情の変化の面白さはスミソンの素晴らしい演奏だからこそ楽しめるもの。並みの演奏ではハイドンの音楽の真髄にはたどり着けません。
フィナーレはリズミカルな入りから意外にオーソドックスな展開に逆に驚きます。ここまでの3楽章のユニークさからするとちょっと意外でしたが、ハイドンの意図が聴くものを驚かせるような創意にあるとすれば、ユニークな曲の連続をオーソドックスなフィナーレで締めることこそハイドンの意図だったのかもしれません。最後はなんとフェードアウト! あまりに見事な展開にやられた感満点(笑) 曲の真髄に迫る素晴らしい演奏ゆえ、演奏ではなく曲自体を楽しめたということでしょう。

SkunJPさんに教えていただいたアルバムですが、やはりただのアルバムではありませんでした。このアルバムの中にハイドンの弦楽四重奏曲の真髄が全て詰まっています。Op.77とOp.103の方も曲の本質を突く素晴らしい演奏でしたが、こちらはさらに一歩、ハイドンの創意の源に迫る迫真の演奏。選曲、演奏、録音とも絶品。全ての人に聴いていただくべき名盤と断じます。もちろん評価は[+++++]といたします。

前記事でブログ開設1500記事となりましたが、実はこのアルバムのレビューとしてまとめる予定でした。ただ、聴き進むうちに、単独の記事としてまとめるべきアルバムだと思い別記事にした次第。その痕跡を前記事の写真に残したところ、すかさずSkunJPさんに気づかれてしまいました(笑) いやいや素晴らしいアルバムの情報をありがとうございました!

(追伸)
月末企画は次の記事です! 遅れてスミマセン!

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tag : 弦楽四重奏曲Op.9 弦楽四重奏曲Op.17 古楽器

ザロモン弦楽四重奏団の剃刀、ひばり(ハイドン)

旅行記にかまけておりましたが、仕入れは継続しております! 今日は最近オークションで見かけて手に入れたもの。

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ザロモン弦楽四重奏団(The Salomon String Quartet)によるハイドンの弦楽四重奏曲Op.55のNo.2、Op.64のNo.5「ひばり」の2曲を収めたLP。収録は1982年11月、ロンドン北東部のウッドフォード教区教会(Woodford Parish Church)でのセッション録音。レーベルは英EDITION DE L'OISEAU-LYRE。

ザロモン弦楽四重奏団はhyperionレーベルに1980年代から90年代にかけて弦楽四重奏をかなりの枚数録音しています。このアルバムに収録されている2曲もhyperionレーベルに録音があるのですが、これはL'OISEAU-LYREレーベルに残されたものでhyperionとは違う音源の録音です。曲は異なりますが、hyperionの録音は以前に一度取り上げています。

2011/10/29 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : ザロモン四重奏団のOp.74のNo.2、騎士

手元にhyperionレーベルのシリーズの録音は揃っているのですが、録音年代をチェックすると、一番録音が早いのが1982年の7月で、以降1995年までの間に録音されています。最初の録音のOp.71のNo.1とNo.2は、今日取り上げるLPよりも前の録音になります。この2曲もそれぞれセットとして94年と95年に再録音されています。全くの想像ですが1982年の録音当時、L'OISEAU-LYREとhyperionのそれぞれに録音したものの、セットとして体系的に録音を企画したhyperionの方に録音を継続し、L'OISEAU-LYREとの録音はスポット的に終わってしまったということなのかもしれません。L'OISEAU-LYREからはこのアルバムの他、ホグウッドと組んだザロモン版の室内楽による軍隊とロンドンの2曲のLPがリリースされているのみです。

メンバーはhyperionレーベルの録音と変わりなく、下記の通り。

第1ヴァイオリン:サイモン・スタンデイジ(Simon Standgage)
第2ヴァイオリン:ミカエラ・コンベルティ(Micaela Comberti)
ヴィオラ:トレヴァー・ジョーンズ(Trevor Jones)
チェロ:ジェニファー・ウォード・クラーク(Jennifer Ward Clarke)

ただし、同じ曲で聴き比べると、演奏はこのL'OISEAU-LYRE盤に軍配が上がります。というかこのL'OISEAU-LYRE盤の演奏は絶品なんですね。

Hob.III:61 String Quartet Op.55 No.2 "Lasiermesserquartetett" 「剃刀」 [f] (1788)
hyperionのCDの演奏も悪い演奏ではないんですが、極上のコンディションのL'OISEAU-LYRE盤の磨き抜かれた響きは比べると演奏のしなやかさが数段上。このほんの少しの違いが音楽の深みに大きく影響します。94年録音のhyperion盤が若干平板さを感じさせるのに対し、L'OISEAU-LYRE盤に針を落とすと、瑞々しさに溢れたデリケートな響きに包まれます。音楽の表情の深さと古楽器クァルテットの音色の豊かさに惹きつけられます。演奏に余裕があり、ゆったりとした1楽章の入りの美しさを完璧に表現します。そしてフレーズごとの息の長い音楽の展開が見事。LPながら録音はDIGITAL。L'OISEAU-LYREの見事な録音が演奏に華を添えます。このレベルの録音はうちのオーディオ環境ではLPでしか聞くことができないレベルです。あまりに素晴らしい演奏と録音に1楽章ですでにノックアウト。
切々とした短調の入りから転調して次々と表情を変える2楽章。サイモン・スタンデイジの自然で伸びやかなヴァイオリンがここでも余裕たっぷりな音楽を作っていきます。アンサンブルは神々しいばかりの精度で、未曾有の一体感。ハイドンならではのユニークな曲をあまりに見事に仕上げて、演奏によってはちょっとギクシャクする曲の真価を問います。注意深く聴くと実によくできた曲だと唸ります。
メヌエットは前楽章を受けてか、リズミカルな舞曲ではなく、ここでも技巧を凝らしたメロディーで聴く人を驚かせようという感じ。
フィナーレはハイドンならではのコミカルなメロディーの魅力に溢れた曲。そのコミカルさを軽さとキレ味でさらりと聴かせるセンスの良さも絶品です。

Hob.III:63 String Quartet Op.64 No.5 "Lerchenquartetett" 「ひばり」 [D] (1790)
鳥肌が立つような美しい入り。誰でも知っている冒頭のリズムが非常に滑らかに刻まれ、そしてひばりのさえずりのようなヴァイオリンが伸びやかに歌います。なんと言う美しい響き。冒頭から絶品です。アンサンブルは完璧に揃い、響きは超高鮮度。ボウイングの弓の滑りがしなやかさの限りを尽くします。これほど美しいひばりを聴くのは初めて。そして展開部も迫真の迫力。あまりに素晴らしい1楽章に仰け反ります。
そして緊張感を保ちながらの美しいアダージョ。ここでもサイモン・スタンデイジの伸びやかなヴァイオリンの魅力が圧倒的な存在感で迫ります。途中陰りを感じさせるところの枯れ方が、再び明るさを取り戻す時の対比に効いてきます。伴奏にまわるヴィオラやチェロも表現力豊かにサポート。
静かに閉じた前楽章から活気を取り戻すように踊るメヌエットに入ります。前曲とは全く異なるアプローチがビシッと決まります。やはりメヌエットの王道は躍動感ですね。
そして軽快なフィナーレ。入りからキレよく飛ばし、フーガのような展開部でも軽快さを保ち続ける見事な技。ここでもハイドンならではのユーモラスな展開を意図をしっかり汲んだ素晴らしい演奏で締めます。

いやいや、これは絶品。旅行記の前にレビューしたスミソン四重奏団のヤープ・シュレーダーといい、このアルバムのサイモン・スタンデイジといい、古楽器草創期の名ヴァイオリニストにが参加した演奏の素晴らしさを再認識した次第。古楽器でのクァルテットの演奏は増え続ける一方ですが、これらの草創期の演奏を超える演奏が増えたかと言うと、そうとも言えないのではないかと言うのが正直なところ。新進気鋭の団体の斬新な演奏もなくはありませんが、これらの演奏を超える魅力があるかと言えば、微妙なところかもしれませんね。剃刀もひばりも絶品のおすすめ盤です。評価は両曲とも[+++++]とします。

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スミソン弦楽四重奏団のOp.77/103(ハイドン)

先日取り上げたコダーイ四重奏団のOp.9の記事にSkunJPさんからコメントをいただき、スミソン弦楽四重奏団のOp.9の入ったアルバムを発注したのですが、そのアルバムはまだ到着せず、同時に注文したこちらが先に着いたので、こちらを取り上げます。もちろん、演奏が素晴らしいからに他なりません。

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スミソン弦楽四重奏団(Smithson String Quartet)の演奏による、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.77のNo.1、No.2、Op.103の3曲を収めたアルバム。収録は1988年11月17日から20日にかけて、スイスのベルン州にあるブルーメンシュタインのプロテスタント教会(Evangelischen kirche Blumenstein)でのセッション録音。レーベルはdeutsche harmonia mundi。

スミソン弦楽四重奏団のアルバムは以前、1度取り上げています。

2011/06/10 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : スミソン弦楽四重奏団のOp.54

古楽器のヴァイオリニストのヤープ・シュレーダー率いる古楽器によるクァルテット。略歴は以前の記事を参照いただきたいのですが、前記事と録音年も近いことから、メンバーは同一です。

第1ヴァイオリン:ヤープ・シュレーダー(Jaap Schröder)
第2ヴァイオリン:マリリン・マクドナルド(Marilyn McDnald)
ヴィオラ:ジャドソン・グリッフィン(Judson Griffin)
チェロ:ケネス・スロウィック(Kenneth Slowik)

Hob.III:81 String Quartet Op.77 No.1 [G] (1799)
教会での録音らしく残響は少々多めですが、木質系のしなやかな響きなのでむしろ心地良い感じ。冒頭からテンポよく勢いのある演奏。古楽器の音色の美しさはなかなかのもので、響きの魅力にまず惹きつけられます。リズムに生気が宿り、実にイキイキとした演奏。晩年のハイドンの澄み切った心境を映すような演奏という感じ。ほぼ30年前の演奏ながら、録音も演奏も全く古さを感じさせない、素晴らしい充実度。
続くアダージョでは響きの美しさを存分に聴かせます。ヤープ・シュレーダーのヴァイオリンは自然体のボウイングの美しさと、この曲が本来もつ枯れた雰囲気をも感じさせる円熟の演奏。ハーモニーは透明感高く、ソロ部分では孤高の心境が宿るよう。
落ち着いた演奏を断ち切るようにメヌエットに移ります。鋭いボウイングによってハイドンの書いた音楽のキレが強調されます。ちょっと驚くのが中間部をどっしりとまとめてきたところ。色々な演奏を聴いていますが、なかなかのアイデアですね。これによって両端のメヌエットの鮮やかさが一層引き立ちます。
そしてフィナーレは軽やかに入ったと思っていたところ、リズムを変えて次々に襲いくるメロディーの特に低音のアクセントを強調したり、複雑に絡み合うメロディーのエッジが綺麗に立って音楽の綾を実に魅力的に仕上げてきます。目眩く変化する音楽の面白さに釘付けになります。これは見事。なんと鮮やかなフィナーレでしょう!

Hob.III:82 String Quartet Op.77 No.2 [F] (1799)
前曲の鮮やかさを受け継ぐような壮麗な入り。ヤープ・シュレーダーのヴァイオリンは絶好調。鮮度高く、滑らかさと勢いのバランスも絶品。耳を澄ますとクッキリとしたメロディーと流すような音階との対比をかなり鮮明につけています。ヤープ・シュレーダーの自在なボウイングにうっとりしっぱなし。秀逸なのが、展開部の途中でかなり音量を落として沈み込むところのセンス。ゾクゾクさせるようなスリリングさ。この曲でこんな印象を持ったのは初めてのこと。シュレーダー以外のメンバーも見事な音楽性でシュレーダーの冴え冴えとした演奏を支えます。見事。
続くメヌエットでも美しいヴァイオリンの音色とキレは健在。生気漲るとはこのことでしょう。その勢いと見事な対比を見せて沈む中間部が実に印象的。音量のみならず表情の対比がこれほど決まる演奏はそうはありません。
そしてこの曲の白眉の枯れたアンダンテ。この曲に込められた寂しさを帯びた明るさがしっかりと描かれます。音楽が展開するごとに深みが増していく喜び。この曲を書いたハイドンの心情をトレースしていくような演奏に心打たれます。これは絶品、世の中にこれほどシンプルに豊かな心情を表す音楽があるでしょうか。
素晴らしい音楽の締めくくりにふさわしいフィナーレ。天真爛漫に歌う小鳥のようなメロディーを3本の楽器が支えます。フレーズの受け渡しの面白さと、ユニークなメロディに低音の意外にメリハリのついた演奏と最後まで気を抜けません。ヴァイオリンのさえずりを聞かせて、最後はしっかりと展開した音楽をまとめて終わります。この曲も最高。

Hob.III:83 String Quartet Op.103 [d] (before 1803)
ハイドン絶筆の曲。流石に力が抜けてきますが、音楽の豊かさは変わらす。ハイドン最後の音楽を微笑みながら演奏している姿が目に浮かびます。構成感をしっかりと印象づけながらも、落ち着いてゆったりと音楽を紡いでいく姿勢に打たれます。たっぷりと墨を含んだ太い筆でゆったりと筆を運ぶように音楽を作っていきます。
そして、最後のメヌエットは残った力を振り絞るような渾身の音楽。ここにきてチェロの力強さにハッとさせられます。妙に染みる中間部を挟んで、切々としたメヌエットに戻り、残った音符の数を惜しむように曲を結びます。最後の厳しい和音を書き、ハイドンが筆を置いた心境がオーバーラップします。

ふと手に入れたこのアルバムですが、このロプコヴィッツ四重奏曲3曲のベスト盤と言っていいでしょう。演奏によってはハイドン最後の音楽という深みを感じられないものもありますが、この演奏は別格の深さを持っています。古楽器での演奏ながらヤープ・シュレーダーの自在なボウイングから繰り出される音楽の表情は非常に多彩。そしてアンサンブル全体に生気が漲った超がつく名演です。このアルバムを聴いてようやくこの曲の真髄に触れた気になりました。評価はもちろん全曲[+++++]とします。弦楽四重奏曲好きな皆さん、手に入るうちにどうぞ!

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tag : 弦楽四重奏曲Op.77 弦楽四重奏曲Op.103 古楽器

【新着】フランチェスコ・コルティのソナタ集(ハイドン)

今日はハープシコードによるソナタ集。

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フランチェスコ・コルティ(Francesco Corti)のハープシコードによる、ハイドンのファンタジア(XVII:4)、ピアノソナタ(XVI:37、XVI:31、XVI:32、XVI:46、XVI:26)、カプリッチョ「8人のヘボ仕立屋に違いない」(XVII:1)の7曲を収めたアルバム。収録はパリのピエール・マルボスというピアノ販売店の4'33ホールでのセッション録音。レーベルは初めて手に入れるevidenceというレーベル。

フランチェスコ・コルティという人は初めて聴く人。調べてみると、何と今週近所で行われる調布音楽祭に来日するとのこと。いつものように略歴をさらっておきましょう。イタリアのフィレンツェの東南にあるアレッツォで1984年に生まれ、ペルージャでオルガン、ジュネーブとアムステルダムでハープシコードを学びました。2006年ライプツィヒで開催されたヨハン・セバスチャン・バッハ・コンクール、2007年に開催されたブリュージュ・ハープシコード・コンクールで入賞しているとのこと。2007年からはマルク・ミンコフスキ率いるレ・ミュジシャン・ドゥ・ルーヴルのメンバーとして活躍している他、主要な古楽器オケとも多数共演しているそうで、ハープシコード界の若手の注目株といったところでしょうか。

Hob.XVII:4 Fantasia (Capriccio) op.58 [C] (1789)
速めのテンポでハープシコード特有の雅な音色が響き渡ります。使っている楽器はDavid Ley作製の1739年製のJ. H. Gräbnerと記載されています。録音は割と近めにハープシコードが定位するワンポイントマイク的なもので、ハープシコードの雅な響きを堪能できる録音。約6分ほどの小曲ですが、ハープシコードで聴くとメロディーラインが全体の響きの中に調和しつつもくっきりと浮かび上がり、この曲の交錯するメロディーラインの面白さが活きます。しかも速めにキリリと引き締まった表情がそれをさらに強調するよう。最後に音色を変えるところのセンスも出色。普段ピアノやフォルテピアノで聴くことが多い曲ですが、ハープシコードによる演奏、それもキレキレの演奏によってこの曲のこれまでと違った魅力を知った次第。

Hob.XVI:37 Piano Sonata No.50 [D] (c.1780)
軽快なテンポは変わらずですが、今度は所々でテンポをかなり自在に動かしてきます。また、休符の使い方も印象的。ちょっとした間を効果的に配置して、ソナタになると少し個性を主張してきます。速いパッセージのキレの良さは変わらず、ハープシコードという楽器につきまとう音量の変化の幅の制限を、テンポと間の配置で十分解決できるという主張でしょうか。次々と繰り出される実に多彩なアイデアに驚くばかり。ピアノとは異なる聴かせどころのツボを押さえてますね。驚くのが続く2楽章。予想に反してグッとテンポを落とし、一音一音を分解してドラマティックに変化します。ハープシコードでここまでメリハリをつけてくるとは思いませんでした。そしてフィナーレでは軽快さが戻り、見事な対比に唸ります。フィナーレもハイドンの機知を上手く汲み取ってアイデア満載。見事なまとめ方です。

Hob.XVI:31 Piano Sonata No.46 [E] (1776 or before)
冒頭のメロディーのハープシコードによるクリアな響きが印象的。この曲では落ち着いた入り。一音一音のタッチをかみしめるように弾いて行きながら、徐々にタッチが軽くなっていく様子が実に見事。曲想に合わせて自在にタッチを切り替えながら音楽を紡いでいきます。瞬間瞬間の響きに鋭敏に反応しているのがわかります。ここでも印象的な間の取り方で曲にメリハリがしっかりとつきます。アレグレットの2楽章は壮麗な曲の構造を見事に表現、そしてフィナーレではハープシコードの音色を生かしたリズミカルな喧騒感と楽章に合わせた表現が秀逸でした。

Hob.XVI:32 Piano Sonata No.47 [b] (1776 or before)
ピアノでの演奏が耳に残る曲で、低音の動きの面白さが聴きどころの曲ですが、コルティのハープシコードで聴くと、新鮮な響きでその記憶が刷新されるよう。ハイドンはハープシコードの華やかな響きも考慮して作曲したのでしょうか。古楽器では迫力不足に聴こえる演奏も少なくない中、そういった印象は皆無。むしろキレのいいタッチの爽快感が上回ります。続くメヌエットでは調が変わることによる気配の変化が印象的に表現されます。ピアノではここまで変化が目立ちません。そして短調のフィナーレは目眩くような爆速音階が聴きどころ。コルティ、テクニックも素晴らしいものを持っていますね。最後の一音の余韻に魂が漲ります。

Hob.XVI:46 Piano Sonata No.31 [A flat] (1767/70)
初期のお気に入りの曲。壮麗な1楽章、この曲が持つ静かな深みのような不思議な気配を見事に捉えたタッチに引き込まれます。メロディ中心の穏やかな曲想だけに、落ち着いたタッチで穏やかに変化する曲想をじっくり楽しむことができます。やはり曲想に応じて巧みにタッチをコントールしており、その辺りの音楽性がハイドンの真髄を捉えているのでしょう。特に高音のメロディの研ぎ澄まされた美しさを聴かせどころで披露するあたりも見事。そして、アダージョではさらに洗練度が上がり、響の美しさは息を呑むほど。このアルバム一番の聴きどころでしょう。微視的にならずに曲全体を見渡した表現に唸ります。比較的長い1楽章と2楽章をこれだけしっかり聴かせるのはなかなかのものですね。そしてそれを受けたフィナーレは爽快さだけではなく、前楽章の重みを受けてしっかりとしたタッチで応じ、最後に壮麗な伽藍を見せて終わります。

Hob.XVI:26 Piano Sonata No.41 [A] (1773)
ソナタの最後はリズムの面白さが際立つハイドンらしい曲。コルティは機知を汲み取り、リズムの変化を楽しむかのようにスロットルを自在にコントロールしていきます。そして明るさと陰りが微妙に入れ替わるところのデリケートなコントロールも見事。途中ブランデンブルク協奏曲5番の間奏のようなところも出てきますが、これぞハープシコードでの演奏が活きるところ。曲が進むにつれて繰り出されるアイデアの数々。コルティの多彩な表現力に舌を巻きます。メヌエットは端正なタッチで入りますが、終盤音色を変えてびっくりさせ、非常に短いフィナーレではさらに鮮やか。

Hob.XVII:1 Capriccio "Acht Sauschneider müssen sein" 「8人のへぼ仕立屋に違いない」 [G] (1765)
最後はユーモラスなテーマの変奏曲。この曲を最後に持ってくるあたりにコルティのユーモアを感じざるを得ません。ハープシコードでの演奏に適したソナタ数曲のまとめに、軽い曲を楽しげに演奏するあたり、かなりハイドンの曲を研究しているはずですね。もちろん演奏の方はソナタ同様素晴らしいものですが、力を抜いて楽しんでいる分、こちらもリラックスして聴くことができます。まるでソナタ5曲をおなかいっぱい味わった後のデザートのよう。聴き進むとデザートも本格的なものでした! 最後はびっくりするような奇怪な音が混じるあたりにコルティの遊び心とサービス精神を味わいました。

久々に聴いたハープシコードによるソナタ集。まるで眼前でハープシコードを演奏しているようなリアルな録音を通してフランチェスコ・コルティの見事な演奏を存分に楽しめました。これは名盤ですね。評価は全曲[+++++]とします。調べてみると、これまでにも色々とアルバムをリリースしているようですので、私が知らなかっただけだと思いますが、若手の実力派と言っていいでしょう。コルティのウェブサイトにもリンクしておきましょう。

Francesco Corti

これは是非実演を聴いてみたいところですが、折角近所で行われる調布音楽祭にコルティが出演する6月14日も17日もあいにく都合がつきません。次回の来日を期待するとしましょう。

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フランツペーター・ゲーベルスのソナタ集(ハイドン)

ちょっと間が空いてしまいました。今日は最近オークションで手に入れたLP。

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フランツペーター・ゲーベルス(Franzpeter Goebels)のフォルテピアノによるハイドンのピアノソナタ(Hob.XVI:6)、カプリッチョ「8人のへぼ仕立屋に違いない」(XVII:1)、ピアノソナタ(XVI:48)、アンダンテと変奏曲(XVII:6)の4曲を収めたLP。収録は1981年10月、ハイデルベルクの音楽スタジオとフランクフルトのフェステブルク教会でのセッション録音。レーベルはmusicaphon。

なんとなくスッキリとしたデザインのLPジャケットに惹かれて手に入れたもの。いつものようにLPをVPIのレコードクリーナーと必殺超音波極細毛美顔ブラシで丁寧にクリーニングして針を落としてみると、ジャケットのデザインのイメージそのままのスッキリとした響きが流れ出します。律儀な普通の演奏にも聴こえますが、何度か聴くうちに実に深い演奏であることがわかり取り上げた次第。

奏者のフランツペーター・ゲーベルスは1920年、ドイツ東部のミュールハイム(Mülheim an der Ruhl)に生まれたピアニスト、フォルテピアノ奏者、教育者。修道院のオルガン奏者の父を持ち、ピアノを学ぶ他、音楽学、文学、哲学などを学びました。1940年からはドイツ放送(Deutschlandsender)のソロピアニストととして活躍しましたが、兵役に徴収されたのち収監されました。戦後はデュッセルドルフのロベルト・シューマン音楽院で教鞭をとるようになり、1958年からはデトモルトの北西ドイツ音楽アカデミーでピアノとハープシコード科の教授を1982年の定年まで勤めたそう。亡くなったのはデトモルトで1988年とのこと。ほぼ教職の人ということで、あまり知られた存在ではありませんが、演奏はまさに教育者の演奏と感じられる手堅さに溢れています。

Hob.XVI:6 Piano Sonata No.13 [G] (before 1760)
鮮明に録られたフォルテピアノの響き。LPならではのダイレクトな響きによってフォルテピアノを眼前で弾いているようなリアリティ。一定の手堅いテンポでの演奏ながら、硬めの音と柔らかめな音を巧みに組み合わせて表情を変化させていきます。純粋に内声部のハーモニーの美しさが実に心地良い。素直な演奏によってフォルテピアノの木質系の胴の響きの余韻と曲の美しさが際立ちます。
続くメヌエットは左手の音階を短く切ってアクセントをつけます。ちょっと音量を落としたところの響きの美しさが印象的。高音の典雅な響きも手伝って、リズミカルな中にも優雅な雰囲気が加わります。実に素朴なタッチからニュアンス豊かな響きが生まれます。鍵盤から弦を響かせるフリクションの範囲での穏当な表現ですが、この音色の変化は見事。妙に沁みる演奏です。
そしてこの曲で最も美しいアダージョ楽章。ピアノの澄んだ響きとは異なり、微妙に音程が干渉するようなフォルテピアノ独特の音色が味わい深い響きを生んでいきます。楽器と訥々と会話するような孤高の響きの連続に心が安らぎます。
フィナーレは軽すぎず、穏当な表現が心地良いですね。しっかりと音を響かせながら決して焦らず、一音一音をしっかり響かせての演奏。さりげない終わり方もいいセンス。

Hob.XVII:1 Capriccio "Acht Sauschneider müssen sein" 「8人のへぼ仕立屋に違いない」 [G] (1765)
ユニークなメロディーを変奏で重ねていく7分弱の曲。今度は音色をあまり変えることなく、ちょっとギクシャクした印象を伴いながらもフレーズごとのメリハリをつけながら弾き進めていきます。変奏の一つ一つを浮かび上がらせるというよりは、渾然一体となったメロディーを訥々と弾いていく感じ。終盤はバッハのような印象まで感じさせて、これはこれで面白いですね。

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Hob.XVI:48 Piano Sonata No.58 [C] (1787/9)
LPをひっくり返して再びソナタに戻ります。晩年の傑作ソナタの一つ。今度は間をしっかりとっての演奏。ソナタによってしっかり演奏スタイルを変えてきますが、それでもすっきりとしたゲーベルスのタッチの特徴は残しています。ソリストというよりは教育者としての演奏といえば雰囲気が伝わるでしょうか。かといって教科書的な厳格さではなく、抑えた表現の深みと円熟を感じるすっきりさ。やはりLPならではの響きの美しさが最大の魅力となる演奏ですね。眼前でフォルテピアノが鳴り響く快感。
2楽章のロンド、3楽章のプレストとも落ち着いたタッチからジワリと音楽が流れ出します。噛みしめるような音楽。フォルテピアノをしっかりと鳴らし切った演奏に不思議に惹きつけられます。

Hob.XVII:6 Andante con Variazioni op.83 [f] (1793)
最後は名曲。予想通り、さりげなく入り淡々とした演奏です。まさにハイドンの書いた音楽自身に語らせようとする自然体の演奏。この曲はそうした演奏スタイルが最も曲の良さが映えますね。流石に変奏の一つ一つの扱いは丁寧で、フレーズごとに素朴な詩情が立ち上り、曲の美しさが際立っていきます。まさにいぶし銀の演奏。A面の変奏曲とは扱いが全く異なります。このアルバムの演奏の中では最も音色とダイナミクスの変化をつけた演奏で、変奏毎の表情の変化の多彩さが印象的。最後までフォルテピアノの美しい音色による演奏を堪能できました。

実はこのアルバム、前記事を書いてからほぼ毎日、なんとなく針を落として聴いていました。最近仕事の帰りが遅いので、聴いているうちに寝てしまうのですが、最初はただのさりげない演奏のように聴こえていたものが、だんだんと深みを感じるようになり、特に音色の美しさが非常に印象に残るようになりました。ということで、私にしては珍らしく聴き込んだ上で取り上げたものですが、書いた通り、実に良い演奏です。フランツペーター・ゲーベルスという人の演奏は初めて聴きますが、なかなか含蓄のある演奏で、流石に教育者という演奏。どう表現しようかというスタンスではなく、曲の真髄に迫る演奏スタイルを地道に探求するようなスタンスですね。私は非常に気に入りましたので、評価は全曲[+++++]とします。

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【新着】イル・ジャルディーノ・アルモニコの交響曲全集第4巻(ハイドン)

待ってました!

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ジョヴァンニ・アントニーニ (Giovanni Antonini)指揮のイル・ジャルディーノ・アルモニコ(Il Giardiono Armonico)の演奏で、ハイドンの交響曲全集の第4巻としてリリースされたアルバム。ハイドンの交響曲60番「迂闊者」、70番、12番と、チマローザのカンタータ「宮廷楽長」の4曲が収められています。収録は2016年3月13日から17日にかけて、ベルリンのテルデクス・スタジオでのセッション録音。レーベルはouthereグループのALPHA-CLASSICS。

このアルバム、リリースされたのは先月ですが、注文するのが漏れており、先日はっと気づいて慌てて注文したもの。ハイドンの交響曲全集を目指したプロジェクトゆえ私も特に注視しているわけですね。もちろん、これまでリリースされた3巻は全て取り上げております。

2016/10/09 : ハイドン–交響曲 : 【新着】イル・ジャルディーノ・アルモニコの交響曲全集第3巻(ハイドン)
2015/06/08 : ハイドン–交響曲 : 【新着】イル・ジャルディーノ・アルモニコの交響曲全集第2巻(ハイドン)
2014/11/08 : ハイドン–交響曲 : 【新着】イル・ジャルディーノ・アルモニコの交響曲全集第1巻(ハイドン)

当ブログの読者の方ならこのシリーズの企画についてはご存知だと思いますが、ご存知ない方は第1巻の記事をご参照ください。このシリーズ、第2巻でちょっと力みが見られましたが、第3巻では見事にそれを修正してきて、非常にいい仕上がりを予感させます。果たしてこの巻は如何なものでしょう?

選曲はこれまでの3巻はシュトルム・ウント・ドラング期の曲を軸に構成されていましたが、この巻ではシュトルム・ウント・ドラング期以後の曲を軸においた構成となり、本格的に全集を企てないと録音しない曲に手を伸ばしてきました。そして、中でもリズムの面白さが際立つ曲を集めてきました。選曲に攻めの姿勢を感じるのは私だけでしょうか。

また、アルバムの造りはこれまで通り非常に手のかかった美しいもので、コレクション欲を満たすもの。1巻ずつレギュラープライスで集めるのは値が張りますが、リリースも長期間にわたるため、それほど負担感もありませんね。

Hob.I:60 Symphony No.60 "Il disrratto" 「迂闊者」 [C] (before 1774)
冒頭の力漲る響きがスカーッと響き渡り、この巻の出来も安心できそうです。もともと喜劇のための劇音楽として書かれた音楽を交響曲にまとめた曲。序奏が終わると喜劇のための音楽とは思えないほどの怒涛のキレ味鋭い響きが襲いかかってきます。まるで竜がのたうちまわるがごとき躍動感。ファイのように一音一音の変化で機知を聴かせるのではなくあくまでも正攻法でグイグイ攻めてくる快感。アクセントの鋭さと迫力はかなりのもの。1楽章は、もはや喜劇の域は完全に超え、神々しささえ感じるほど。
続く2楽章のアンダンテは快速かつ滑らかに行きます。6楽章構成のこの曲の展開上、速めのテンポによる見通しの良さを狙っているのでしょう。オケの各パートの反応の良さもあって多彩な響きを楽しめます。アクセントのキレ、クッキリとした構成感は流石なところ。
メヌエットも速めで通します。舞曲であることを忘れてしまいそうな迫力と展開の面白さ。中間部で漂う異国情緒で一息入れて、再び舞曲に戻ります。
通常はフィナーレとなりますが、フィナーレのような曲調なのに終わりません。嵐の到来を告げるような騒がしさと躍動感の入り混じった楽章。唸る低音弦にジプシー風の旋律が絡まりユニークにまとまっていきます。
この曲の聴かせどころであるアダージョからアレグロへ変化する5楽章。いつもながら入りのメロディーの黄昏た印象からファンファーレに入る予想外の展開に驚きます。ハイドンマジック。
そして本当の終楽章。冒頭ヴァイオリンが音程を外してあえて調弦する様子が盛り込まれていますが、これぞハイドンの遊び心でしょう。こけおどしの面白さ半分、真面目に追い込むのが半分といったところでしょう。

Hob.I:70 Symphony No.70 [D] (before 1779)
この曲もリズムの面白さが聞きどころ。冒頭からリズムの面白さで遊びまくるよう。一つのテーマで曲をまとめるハイドンのユーモアが元になっていますが、演奏の方は攻めの構成で、緊張感を持続します。もう少し遊び心があってもいい気がしなくもありませんが、オケを精緻にコントロールして大迫力で仕上げてきますので、聴き応え十分。
続くアンダンテは弱音器付きの弦楽器の緊密なアンサンブルが聴きどころ。メロディーを様々な楽器が受け継いで進めていく地味ながらなかなか深みのある演奏。
メヌエットはオケがスタジオ中に響き渡る快感に満ちた演奏。非常にしなやかな中間部がうまくエネルギーを中和して一旦落ち着きますが、再び響きのエネルギーが戻り、その対比の面白さを印象付けます。
フィナーレはフーガ風の展開で無限の広がりを感じさせる構成。ここでフーガを持ってくるところにハイドンの冴えたアイデアがあるわけです。メロディーのアイデアも展開もユニーク。

Hob.I:12 Symphony No.12 [E] (1763)
最後に初期の交響曲を持ってきました。素直に爽やかな響きに耳を奪われます。音色の多彩さ、リズムのキレの良さを併せ持つ正統派の古楽器の演奏と言っていいでしょう。欠点らいしいものを見つけるのが難しいバランスの良い演奏。そして迫力やエネルギーも申し分ありません。
短調のアダージョはしっかりと陰りを纏い、落ち着いてじっくりと進めます。この先に到達するシュトルム・ウント・ドラング期の仄暗い雰囲気を先取りするような曲。低音弦の分厚い響きが迫力十分。古楽器とはいえ迫力面で現代楽器に負けている感じはしません。
フィナーレは再び晴朗な空のような明るさを取り戻します。隙のない緊密な演奏が産む充実感。冒頭の主題が次々に展開する面白さ、徐々に迫力を帯びてくる構成の面白さを存分に味わえます。

このあとチマローザの祝祭的なカンタータが置かれています。初めて聴く曲です。悪く言えばどんちゃん騒ぎのような曲ですが、これがめくるめくように展開して意外に面白い。序曲にレチタティーヴォを挟んでバリトンによるアリア2曲が聴きどころ、と書きかけたら、実はアリアよりもレチタティーヴォの方が面白い。こればかりは聴いていただかなくてはわかりませんね。ハイドンの交響曲を聴き終えてちょっとくつろいで聴けるという構成を意図したものでしょう。アントニーニも思いっきりくつろいだコントロール。このノリがハイドンでも欲しいところです(笑)

ジョヴァンニ・アントニーニ率いるイル・ジャルディーノ・アルモニコによるハイドンの交響曲第4巻ですが、すでに安定期に入りましたでしょうか。古楽器にしては十分な力感を表現できるオケによるキレの良い演奏が揃っています。このアルバムの曲だともう少し遊びがあってもいい気もしますが、アントニーニの狙いはあくまで正攻法によるタイトな演奏ということでしょう。演奏のレベルは非常に高く、鮮度の高い録音も手伝って、ハイドンの交響曲全集の企画にふさわしい安定感もあります。これだけの演奏を揃えられたら、やはりリリースされるごとに揃えたくなってしますね。そういう意味で全集企画は成り立ちそうですね。評価は全曲[+++++]とします。

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tag : 迂闊者 交響曲70番 交響曲12番 古楽器

【新着】絶品! ミヒャエル・シェーンハイトの天地創造ライヴ(ハイドン)

またまた素晴らしいアルバムを発掘しました!

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ミヒャエル・シェーンハイト(Michael Schönheit)指揮のメルゼブルガー・ホフムジーク(Merseburger Hofmusik)の演奏で、ハイドンのオラトリオ「天地創造」のライヴを収めたアルバム。合唱はコレギウム・ヴォカーレ・ライプツィヒ(Collegium Vocale Leipzig)、シュロスカペレ・ザールフェルト室内合唱団(Kammerchor der Schlosskapelle Saalfeld)。収録は2015年9月11日と12日、ライプツィヒの西約20kmにあるメルゼブルク(Merseburg)にあるメルゼブルク大聖堂でのライヴ。レーベルはQUERSTAND。

このアルバム、最近リリースされた天地創造の新録音ですが、指揮者もオケもソロも未知のもの。天地創造は全種コンプリートを目指して収集中ゆえ何気なく注文したもので、結構時間がかかって最近到着したもの。いつも通りさして期待もせずCDプレイヤーにかけて聴きはじめたところ、最初は大聖堂での残響の多い古楽器のライヴだなあという印象でしたが、すぐに非常にニュアンスの豊かなフレージングとキビキビとしたコントロール、そして粒揃いの歌手陣、コントロールの行き渡ったコーラスに惹きつけられ、あっという間に全曲を楽しんでしまいました。最近の録音らしく会場ノイズは皆無ですが、第3部の終曲が終わり残響が静寂の中に消えた瞬間、ものすごい拍手が降り注ぎ、拍手は次第に地鳴りを伴うようになり、当日の観客の興奮までもがリアルに収められています。聴き終わった私が岡本太郎的形相で「なんだこれは?」と叫んだのはもちろんのこと(笑) いやいやこれは素晴らしい演奏です。

あらためてアルバムを見てみると、なんだか天地創造を表すような想像力爆発な絵画に加え、フォントにはカラフルなグラデーションが施されています。ジャケットは決して品がいいとは言えないものですが、このアルバムに込められたエネルギーを象徴するよう。

この素晴らしい演奏を生み出した指揮者のミヒャエル・シェーンハイトは、1961年、ライプツィヒの南にあるザールフェルト(Saalfeld)生まれの指揮者、オルガニスト。同じくオルガニストだった父ワルター・シェーンハイトからピアノとオルガンを教わり、1978年まで、地元ザールフェルトの少年合唱団に所属、その後ライプツィヒ・メンデルスゾーン音楽アカデミーで指揮とピアノを学びます。卒業後父のあとを継ぎ、ザールフェルトのヨハネ教会のオルガニストと合唱指揮者に就任します。1986年にはライプツィヒ・ゲヴァントハウスのオルガニストとライプツィヒ・バロックオーケストラのメンバーとなり、有名指揮者と共演するようになります。1995年にはクルト・マズアの振るニューヨークフィルにソリストとしてデビュー。1996年にはメルゼブルクの教会のオルガニストに就任、そして1998年にこのアルバムのオケであるメルゼブルガー・ホフムジークを設立します。このオケはライプツィヒ・ゲヴァントハウスの奏者などによる古楽器オケとのこと。

ライナーノーツによるとそもそもシェーンハイトの指揮者としてのデビューは1982年、ハイドンの生誕250年のアニヴァーサリーイヤーに父が振る予定だった天地創造のコンサートの際、父の急病により代打として指揮台に立った時で、以来30年以上に渡って天地創造の研究を重ねてきたとのこと。それだけ天地創造には思い入れがあるのでしょう。

歌手陣は下記の通り。
ガブリエル/エヴァ:ユーリア・ゾフィー・ヴァーグナー(Julia Sophie Wagner)
ウリエル:ロタール・オディニウス(Lothar Odinius)
ラファエル/アダム:アンドレアス・シャイブナー(Andreas Scheibner)

Hob.XXI:2 "Die Schöpfung" 「天地創造」 (1796-1798)
冒頭のカオスは、何気なく聴くと流れのいい普通の演奏なんですが、注意深く聴くとデュナーミクもアゴーギクも実に巧み。緊張感を保ちながらも一貫して堂々とした流れの良いテンポで音楽が進みます。場面場面にしっかりとした特徴を持たせながらも、スイスイ音楽が流れて行くので非常に見通しの良い演奏。そしてそこここにキリリとしたアクセントをつけて行くので、変化に富んだ感じも十分。かなり演奏を重ねてきた円熟を感じます。歌手も揃って若々しい声で悪くありません。ラファエルのアンドレアス・シャイブナーは柔らかで自然な声質、ウリエルのロタール・オディニウスはキリリと澄んだ声、ガブリエルのユーリア・ゾフィー・ヴァーグナーは線は細いもののふくよかな響きを感じさせるソプラノ。調べてみると夏目三久似のコケティッシュな人でした。期待のガブリエルのアリアは端正な歌唱。シュワルツコップから芳香を抜いてスッキリさせた感じ。コーラスは透明なハーモニーがくっきりと浮かび上がる素晴らしいもの。流石に合唱指揮も手がけてきただけのことはあります。先に触れたように非常に流れの良い演奏ですが、第1部のクライマックスに至る第12曲から13曲に至るところ盛り上げ方、アクセントを効かせた展開は見事そのもの。胸のすくようなクライマックスへの盛り上がり。音量を上げて聴くと大聖堂に響き渡るオケとコーラスの波にのまれる感じ。

第2部は美しいメロディーの宝庫だけにシェーンハイトのコントロールの美点が活きて、第1部以上に聴き応え十分。かなり速めのテンポでドンドン進みます。この見通しの良さはあらたな発見。ゆったりと流れるメロディーもいいものですが、大曲をまとまりよく聴かせるというコンセプトだと思います。やはりクッキリとしたメリハリが効いているのでセカセカした感じはしません。ガブリエル、ラファエル、ウリエルのそれぞれのアリアは純粋にメロディーの美しさに聴き惚れんばかり。次々と歌われるアリアの快感。そして第2部のクライマックスたる第26曲から28曲までの展開も迫力十分。決して力むことなく音楽の流れで表現される迫力。大迫力なのに透明感と軽々とした躍動感に満ちている素晴らしい瞬間。

そして天上の音楽のような期待の第3部。冒頭からオケの自然で透明な響きに聴き惚れます。とろけるようなホルンが鳴り響き、ウリエルのレチタティーヴォももとろけるよう。そして聴きどころのアダムとエヴァのデュエットはテンポを落とし、普通のテンポになります。歌手とオケとコーラスが完璧に響きあう至福のひととき。続く大迫力の合唱は速めのテンポでタイトにまとめ、2番目のデュエットでも再び至福のひとときが訪れます。エヴァのソプラノのなんと美しいこと。そして第3部のクライマックスたる第34曲の堂々とした入り、荘厳さを帯びたフーガ、次々とコーラスの波が襲い、オケがそれに呼応。素晴らしい迫力でのフィニッシュ。そして先に触れたように万雷の拍手が地鳴りを伴い降り注ぎます。

いやいやなんと素晴らしい演奏でしょう。じっくり克明に描く天地創造も多い中、全3部を一気に聴かせるタイトな演奏。しかもこれがライヴだとは信じがたい素晴らしい集中力。30年以上に渡って天地創造を研究してきたというミヒャエル・シェーンハイトの言葉に偽りはないでしょう。名演の多い天地創造ですが、名だたる一流どころの演奏と比べて劣るどころか、それら以上に素晴らしい演奏と言っていいでしょう。歌手、コーラス、オケ、録音も素晴らしい仕上がりのアルバムとして多くの人に聴いていただくべき価値のあるアルバムです。評価はもちろん[+++++]とします。

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tag : 天地創造 ライヴ録音 古楽器

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なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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