【番外】深大寺蕎麦ならびに千手院八角堂建築現場へ

今日は取りあげるアルバムをどれにしようかと迷っているうちに番外にしようと決断(笑)
これぞというアルバムにたどり着かないとなかなか書くのに苦労しますので。



先週土曜日は生憎の雨。昼にどこか近くで食事でもと思っていると、どこからともなく、「そうだ、深大寺で蕎麦でも」との流れに。雨の日だから空いているだろうとの想像も働き、深大寺方面にいってみることに。自宅から車で30分もかかりません。

深大寺あたりについて、特段調べもせず、深大寺のバス停の西側のはずれのお蕎麦屋さんに入ってみました。

食べログ:深水庵 - 調布/そば

深大寺前の通りに西から入って最初の広い駐車場があるお蕎麦屋さん。外から見ると古びた構えで趣ありそうとということと、お腹が空いていたので即断です。車を降りてお店の前の門で、いきなり食券をおばちゃんから買う仕組み。とりあえずオススメメニューを一通り頼んでみました。

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店内はなんとなく昭和を感じさせるレトロなもの。お昼前に入りましたが、しばらくで待ちができるほど混み合ってくるなど人気がありそうですね。小雨がぱらつくのがかえっていい雰囲気に。

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歩きだったら、まずは一杯やるところですが、嫁さんと母親連れで運転してますので、大人しくしていました。まずは蕎麦屋さんの定番、厚焼き玉子。

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母親はこちらも定番にしん蕎麦。にしんにしっかり出汁がしみ込んで濃いめの味付け。

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嫁さんは舞茸そば。つけ汁が舞茸を煮込んだ香りのよいものでした。

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私は鴨汁蕎麦。それとたらの芽の天ぷら。

どれも手慣れた蕎麦屋さんの懐かしい味。レトロな店内に、レトロな給仕のおばちゃんたち。とても親切で忙しい時間をてきぱきとさばいているのが印象的でした。

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雨が弱まれば、神代植物園に入ってバラでも見ようかと思っていましたが、店を出ると雨脚はかえって強くなってきていましたので、植物園はまたの機会にと、深大寺を去りました。



翌日曜は、うちのお墓のある近所のお寺で建築途中の八角堂の見学会の誘いがあったので、せっかくの機会と出かけてみました。

三島山覚東寺 千手院||天台宗東京教区

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お寺に入って左側に八角堂を建てていますが、前回墓参りに来た時は基礎のコンクリートを打っていたと思ったら、もう小屋組が完成して、お堂をすっぽり包むように足場と屋根が組まれていました。この土日の見学会用にスロープが組まれて、屋根の小屋組に近づけるようになって、宮大工の人が付ききりで説明してくれるという丁寧なもの。

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スロープで足場を2階(高さは3階くらい!)を登ると、八角堂の軒のあたりを一周できるように床が張られています。上を見上げると八角堂をすっぽり包む足場で作った小屋。

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やはりお寺のお堂ともなると檜の巨大な材料をふんだんに使った小屋組はど迫力。八角堂には方角ごとに干支が決められ、針や棟木に墨で干支が書かれています。

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その方角それぞれの軒下には干支をあしらった蟇股(かえるまた)。これはよく見ると寅。普段近くで見るものではありませんので、間近で見る檜の小屋組は刺激的。今は釘やボルト等張力をかけられるようになっていますが、昔は重い瓦を支えるために斗栱(ときょう)が組まれ、小屋組は大きな重い屋根を支える力学そのものだったわけです。力をかけられる釘がなかった時代はどうしていたのだろうと想像しながら小屋組をしばし眺めて空想にふけらせてもらいました。



さて、この日はなんと母親が高校時代の友人と女子会(笑)
ということで、嫁さんと近所のラーメン屋さんに行ってみる事に。

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狛江駅近くのお店です。

食べログ:麺屋 黒船 狛江店

手前のラーメンのスープ、黒く見えませんか? そうイカスミでもないのに真っ黒いスープ。名前は忘れましたが、張り紙で名物と紹介されているので迷わず注文。白い方は塩麹チャーシューメン。両方ともどちらかと言えばこってり系のスープでチャーシューはかなり柔らかく煮込んであります。もやしが多めで食感を爽やかに保っているというところでしょうか。黒い方がちょっと塩っぱかったですね。

調べてみたらチェーン店のようですので、いろいろとメニューも変わっていくのかもしれませんね。基本的には美味しいお店ですのでまた寄らせてもらおうと思います。

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【番外】恩師退官記念講演パーティーに横浜へ

6日土曜は久々に横浜まで出かけました。

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行き先は横浜のみなとみらい線の馬車道駅。先週墓参の際に立ち寄った埼玉県下に隆盛を誇る馬車道グループのオリジンを探るため、というのはウソで、この日は大学、大学院時代の恩師の退官記念講演とパーティーがあるため、かなり久しぶりに横浜を訪れた次第。

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会場は横浜馬車道駅とつながっているヨコハマ創造都市センター。

ヨコハマ創造都市センター | YCC

1929年に建てられた第一銀行横浜支店を移築保存した建物。元の建物の一部を残して移築し、それ以外の部分を復元してアート関係のイベントスペースとして活用しているもの。写真に写っている半円形のバルコニー部分が元の建物の移築部分でトスカーナ式の柱には昔の汚れが残っています。歴史あるヨコハマならではの街作りですね。

恩師とは、建築史・建築芸術論、美学などが専門の吉田鋼市教授。神奈川県の近代洋風建造物の調査、記録なども数多く手がけられ、この旧第一銀行の調査、移築にも関与されていたということで、今日の退官記念講演の場所として一番ふさわしい場所だったんだと思います。

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記念講演開始前の会場。

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定刻になり記念講演がはじまります。吉田先生のこれまでの業績などがスクリーンに映され、吉田先生が次々と紹介していきます。前半は専門の美学などの業績、そして中盤からは神奈川県の近代建築の調査の業績など。私も30年近く昔の大学、大学院時代は建築史・建築芸術論を専攻しており、神奈川県の文化財の調査にもいくつか携わりましたが、自身が調査を担当したものでも30年の間に取り壊されてしまったものもあり、感慨深いものがありました。なにより30年前と変わらぬ先生の語り口がなつかしく、久しぶりに学生時代の記憶が鮮明に蘇りました。昔はアカデミックな場に身を置いていたんですね。

吉田先生の記念講演を懐かしい想い一杯で聞いていましたが、流石に講演慣れされているだけあってほぼ時刻通りに終了。休憩時間となります。

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会場には調査の関係資料、図面が展示されていましたが、なにより驚いたのは、膨大な調査の中から私自身が以前に担当した文化財の私が書いた図面が何枚か会場に展示してあった事。この図面を書くのにずいぶん徹夜しました(笑) 文化財報告書には縮小された図面が載せられ、手元にもありますが、原寸の図面は手前味噌ながら精緻なものでした。スレート屋根のおさまりやカーブを描く手摺子の立面など、図学の教本を紐解いて位置出ししたり、板を削った曲線定規を自作して屋根のカーブなどを描いた事を思い出しました。やはり現物は違います。

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一緒に調査を担当し、手分けして図面を書いた同期生と、当時の過酷な(笑)作図作業の話に花が咲きました。同期生に写真をとってもらいましたが、いい具合に手ぶれして細かいところがわからないのも好都合、ブログに乗せちゃいます。

休憩時間が終わると、このあとのパーティーへの会場の模様替えのため、1時間ほど近隣の近代建築を案内してくれるミニガイドツアーが企画されていました。100名以上の参加者があったので、当日はコースが5コースも設定されていました。私が参加したのは、最もマニアックな旧居留地時代の横浜の痕跡をたどる「下を向いて歩こう」コース。この日は天気予報では爆弾低気圧来襲ということで暴風雨が予想されましたが、ミニガイドツアーが終わる頃まで天気がもち、最後に雨がぱらつく程度ですみました。

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馬車道にあるヨコハマ創造都市センターを出て、みなとみらい線にそって日本大通り駅までのんびり歩きます。日本大通りから横浜スタジアムに向けて右にまがってすぐの横浜情報文化センターの裏側に最初の遺構がありました。

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明治26年に建造された、横浜居留地の消防隊地下貯水槽の遺構。レンガ作りで4室に分けられたヴォールト天井。1972年まで実際に使われていたそうです。左下の覗き窓から下をのぞくとレンガづくりの地下貯水槽があり、今も水が溜められています。ちょっと気になったのは背後のガラス張りのビルのガラスをロープに吊られて掃除する人たち。あまりに見事な仕事ぶりにしばし見入ってしまいました。

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写真は地下貯水槽の遺構のすぐわきにあるメダリオン。1994年までこの地に建っていた旧中消防署日本大通消防出張所の建物についていたメダリオンを保存したものとのこと。

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そして、そのすぐ裏にある、居留地の下水管。断面が卵形になっていて、流量が少ない時でも流速が確保できるようこの形になっているそう。居留地には明治4年頃下水が整備されましたが最初は陶管で、次第に排水能力が追いつかなくなり明治14年から卵形に改修していったそうです。皆さん建築関係だけあって、施工方法やらレンガの断面形状やらマニアックな質問の嵐にガイドの大学院生もタジタジ(笑)

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続いて少し山下公園側に歩くと、横浜の旧居留地の最古の遺構だとされる旧居留地48番館。古い煉瓦造の建物一部が建屋の中に保存されています。写真はガラス越しにみた木造の小屋組。

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こちらに遺構から取り出したキーストーンが保存されていました。このキーストーンと当時の写真などから48番館と特定されたそうです。明治16年建造とされ、横浜最古の近代洋風建造物ということです。

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それからちょっと陸側に入ったところにある旧居留地91番の塀。マンションの敷地内にありますが、マンションを建てる際に旧居留地時代に造られた塀の一部を保存したもので、横浜市の地域有形文化財に指定されているそう。ミニガイドツアーは以上で終了。最後になって雨がぱらついてきました。

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馬車道に戻ろうとすると、先程の塀のすぐ隣のマンションの敷地内に今度は大砲が。調べてみると旧居留地90番の大砲ということで、この地に以前あったスイスの商社、シーベル・ブレンワルト商会が所有していたものとのこと。

小一時間のミニガイドツアーでしたが、とても楽しめました。普通の人が見過ごしてしまうような小さな遺構ですが、小さくても歴史の重みは伝わりますね。

今回、久しぶりに横浜の街を歩いてみて、30年前とはずいぶん変わり、綺麗になったことと、こうした歴史遺構がそこここに配され、街作りに生かされていて、歴史ある街の雰囲気をつくる重要な要素となっていることがわかりました。それぞれの遺構の調査にも吉田先生がかかわられており、先生の業績が形あるものとして街に溶け込んでいることを嬉しく思いました。

さて、雨と風が少しづつ強くなってきたので、馬車道のヨコハマ創造都市センターに戻ります。

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会場はすっかりパーティー仕様に模様替えが済んでいました。戻った直後に乾杯となるグッドタイミング。お酒を片手に先生に挨拶したり、研究室時代にお世話になった先輩たちや、他の図面を書いた後輩たちと話したりと楽しい時間。途中図面を書いた苦労話を話すところで突然指名を受け、昔のことを少々話させてもらいました。

皆さん建築、しかも建築史や芸術論などを学んだというニッチな人たちばかりですので、先生の退官祝いに加えてむかし話に花が咲く楽しいひと時でした。

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最後に吉田先生と奥様に花束贈呈。先生、退職後もお体に気をつけてのんびり過ごされてください。



この日は、私自身もなんとなくオリジンを見つめ直したような貴重な時間でした。思い返せば学生時代、論文など得意であるはずもないところを、かっちりとした構成感のある独特の文体で美学や歴史をつづる吉田先生認められようと、何度も何度も論文を書き直し、筋道をつけていくことを時間をかけて繰り返しやったことがその後仕事にも役立っているのかと思います。文化財調査の図面も同様、屋根のディテールを書くだけで一晩費やしたり、一枚の図面にもかなりの力をつぎ込み、どの調査よりも正確な情報を残そうと並々ならぬ意気込みで書いたものでした。

その意気込みは確かに30年後の自分にも伝わりました。図面がタイムマシンで時を超えてきたよう。

講演の中で吉田先生が繰り返し「昔の学生は優秀だった」と語られるのを聞いて、参加した「昔の学生」の範疇に属する年配者は、ちょっとだけ嬉しくなったことでしょう。この日は吉田先生にとっても心に残るいい一日だったと思いますが、私の心にも残る日となりました。

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シェルヘンの十字架、オラトリオ版

今朝は早起きして、未聴のCDの整理。(笑)
今日紹介するのは、先日手に入れたヘルマン・シェルヘン指揮のウィーン国立歌劇場合唱団&オケによる「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」です。

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レーベルはイタリアのPALLADIOというレーベル。パラディオといえば、古典建築の美しさと規律を16世紀のイタリアに取り戻した、かの有名な建築家、アンドレア・パラディオ。彼の名を冠したレーベルということではありませんか。レーベルはつぶれてしまったのか、ネット上を調べた限りではレーベルの情報がみつかりませんでした。

学生時代にヨーロッパをバックパッキングで旅行したとき、パラディオの端正なフォルムと空間を実際に体験すべく、ヴェネチア、ヴィツェンツァをずいぶん歩き回ったものです。
中でも最も感動したのが、ヴィツェンツァの町中にさりげなくある、劇場、テアトロ・オリンピコ。

Wikipedia:Andrea Palladio(英文)
Wikipedia:Teatro Olimpico(英文)

パラディオ晩年の最高傑作だと思います。演劇用のホールですが、現在もコンサートなども開かれていると聞きます。舞台にパラディオ独特の典雅な古典的な建築のファサードをあしらった、円形の客席をもつ小劇場ですが、ファサードの開口部から奥に見えるのはパースペクティブを強調するためにあえて歪みをつけられた町並み。ここが実際の街ではなく、劇空間であることを観客に否が応でも思い知らせる強烈なレトリック。空間構成の天才だからこそできる驚異の発想を感じ、身震いしたものです。
当時、円形の客席に座りながらしばらく、その空間、パラディオの狂気を堪能しました。かれこれ30年近く前のことです。

当時ヴェネチアのサン・マルコ広場で対岸のパラディオの教会を眺めていたときに、声をかけられたトルコ人の男性。「日本から何しにきたの?」と聞かれ、「パラディオの建築を見にきた」と答えると、「それは面白そうだから、オレも一緒に案内してくれ」といわれ、最初はビックリでしたが、一緒に対岸のイル・レジェンドーレ教会に船で渡り、意気投合。
それから電車にのってヴィツェンツァまで行き、バシリカやテアトロ・オリンピコを一緒に見て回りました。ヴィツェンツァはパラディオの街。町中にパラディオの建築があります。夜になってホテルのあるヴェネチアにもどると、彼のおごりで豪華な夕食。パラディオの素晴らしさがよくわかったとのことでした。
何でも彼はイスタンブールの最高級ホテルで宝石商をしており、日本人は彼の良いお客さんとのこと。旅先で日本人に会うと、いつも声をかけていたそうです。日本人は礼儀正しく、やさしいと繰り返し言ってました。私もトルコの人の気さくさと優しさが深く印象に残りました。彼は今どうしてることやら、懐かしい限りです。
当時の写真はリヴァーサルフィルムで倉庫の奥にしまってあるため、こんど取り出して整理してみようと思います。

さてさて、だいぶ脱線しましたが、本題のシェルヘンの十字架。1962年のスタジオ録音。私の生まれた年ということで感慨深いものもあります。
これまで、シェルヘンのハイドンには素晴らしいものが沢山あり、このアルバムも期待の一枚ですが、結果的には期待を大きく上回る素晴らしい演奏です。オラトリオ版の十字架のベスト盤と言ってもいいでしょう。このところいいアルバムに出会う機会が多くうれしい限りです。

冒頭から厚みのあるオーケストラがシェルヘンらしい重厚な旋律を奏でていきます。録音も十分優秀、というか普通にいい録音です。木質系の素朴な弦楽器の音が心地いいです。
全体の構築感がシェルヘンの特徴ですが、ゆったりすすめる部分の神々しさは素晴らしく、そしてそれだけではないのが、ギアチェンジで速めのテンポをとるところがアクセントとなり、非常に創造的な構成になっていることです。また、ピアニッシモの部分の絶妙なコントロールも絶品。
このアルバムの価値を高めているのは、もうひとつ、コーラスの素晴らしい響き。オケと一体になった素晴らしい音響。宗教曲の本質である静かな祈りを感じます。

最後に、ジャケットの出来にも触れておきましょう。
まるで大理石の彫刻のようなシェルヘンの横顔が暗黒から浮かび上がる構図。パラディオの名に恥じないというか、古典建築の彫刻の美術写真のようなつくりは、古典復興のコンセプトにピタリですね。

アルバムの評価はもちろん[+++++]。この素晴らしい聖金曜日のためのオラトリオに是非打たれていただきたいものです。

テーマ : クラシック
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オルセー&ユトリロ

今日はお散歩ついでに都内美術館巡り。半蔵門で用事をすませて、お昼は久しぶりにイタリアンの名店、エリオ・ロカンダ・イタリアーナへ。

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エリオ・ロカンダ・イタリアーナ ウェブサイト
昔この近くに勤めていたことがあり、そのころに行っていた店。イタリアンとしては昔から有名なお店です。

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今日はランチの1600円のコース。

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最初はレンズ豆のスープ。野菜の旨味があふれてさっぱりしているのに濃厚。このあとサラダ。

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パスタは海老のトマトソース。家でもつくりますが、なかなかここまでの味は出せません。完璧な茹で加減のパスタに濃厚な海老の香りがのったトマトソース。しっかりした味付けで絶品の仕上がり。

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デザートはパンナコッタ。舌触りが絶品。

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そして、至福のエスプレッソ。体中に幸せが満ちあふれてきますね(笑)
旨いものを食べる幸せ。

久しぶりでしたが、エリオのイタリアンを満喫。いつも通りテキパキしたギャルソンが絶妙のタイミングで料理を運んできます。今日も満員のところタイミングよくすぐ座れましたが、あっという間に料理が運ばれ、気持ちよく食事が出来ました。

お腹がいっぱいになったところで、乃木坂の国立新美術館へ。
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今は亡き黒川紀章の晩年の代表作。

黒川紀章のウェブサイトの国立新美術館のページ

黒川紀章の作品に共通するのはマクロ的な発想、コンセプトとアクの強い独特のデザインアクセント。この国立新美術館はアクの強さが影を潜め、美術館としてなかなかまとまった作品に仕上がりました。
プランは箱形の特に工夫のないものですが、ロビー部分の空間と大地に楔を打つようなレストランなどの構成が斬新です。

展覧会のウェブサイト:オルセー美術館展2010

肝心の展示ですが、流石にビッグネーム、オルセーということで、人が多くてつかれました。パリのオルセーには3度も足を運んでいるので、作品は見ているはずですが、本場のオルセーの膨大な作品にまみれて、記憶もおぼろげ。
今回の展示は、モネ、セザンヌ、ゴーギャン、ゴッホ、ルソー、ピカソなど一流どころの有名な作品を含む100点以上の作品。

特に心にのこったのが、セザンヌの静物と同じ展示室にあったピカソのキュビズム期の静物。そしてルソーの2枚の大作。ルソーはイラスト調の作風という先入観から、あまり本格派として見ていませんでしたが、実物を見てその迫力を肌で感じることが出来ました。この印象は本や写真集では得ることが出来ないんですね。やはり、本物はいいものです。

国立新美術館が混んでいてあまりゆっくり見られなかったので、以前に招待券をもらっていた、新宿の損保ジャパン東郷青児美術館で開催されているユトリロ展へ。

モーリス・ユトリロ展 -パリを愛した孤独な画家-

こちらは、西新宿損保ジャパン本社ビル(旧安田火災本社ビル)の42階にある美術館。
意外といっては失礼ですが、ユトリロの多数の作品がゆったり見られて、非常に満足。パリのモンマルトルの風景を中心に、多数の油絵、グワッシュ画などが展示され、まるでモンマルトルを歩いているような風情。
ユトリロは若くしてアル中になり、その治療のために絵を描き始めたと知りビックリ、ただ、治療中もその後も自由の身とはほど遠く、一生拘束され生きたとのこと。

ほの暗いパリの風景。風景の中に描かれる人はほとんど後ろ姿の女性。絵のテーマは常に街角と風景でした。詩情溢れる画風の陰に、画家の孤独な人生があることを知りました。

展示は良かったものの、損保ジャパン本社ビルはちょっと古さが目立ちました。これより古い近くの三井ビルは非常に管理が行き届いており、1972年竣工とは思えない綺麗さ。建設時に日本建築学会賞(作品賞)を受賞した高層ビルの足下広場の空間構成、動線設計の素晴らしさが今も変わらず楽しめます。高層ビルはビルの形ばかりに目がいきますが、三井ビルの足回りの空間設計は日本の大規模事務所の力を示した傑作だと私は思ってます。

展覧会のはしごで疲れたので、居酒屋で一杯。ディスクユニオンとジュンク堂でいろいろ物色してさきほど帰宅。

ハイドンのCDもいろいろ仕入れましたので、追って紹介することといたしましょう。

テーマ : 絵画
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tag : 展覧会 建築 国立新美術館

久しぶりに乃木神社へ

今日はハイドンネタはなし。
所用で午前半休。乃木坂に用事があったので用事をすませて、近くの乃木神社に。

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乃木神社のサイト

久しぶりといったのは、昔、ここで結婚式をしたんですね(笑)もう20年も前のことになります。
神社も昔のまま。横にある乃木大将の家もそのままです。

旧乃木邸の紹介サイト

ただし、まわりには高層マンションがニョキニョキ。
そして六本木側に東京ミッドタウンができたり、青山墓地側に新国立美術館ができたり、周囲の環境は大きく変わりましたね。

ということで、こちらも久しぶりに東京ミッドタウンをブラブラして、ガレリア地下の平田牧場でとんかつをいただきました。
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ミッドタウン:平田牧場

ミッドタウンのガレリアは空間がかなり広くとられて、ショッピングモールとしては歩きやすく出来ています。
いろいろ見て歩けて楽しいですね。
今日は3階のアップル製品を売っているお店で、iPadをピコピコしてきました。思ったより大きさは小さかったのと重さが意外とずっしり。ただ、インターフェースは秀逸ですね。ネットで情報みたりするだけなら、これで十分、というより、これくらいの手軽さはいいです。

その後、昔だったら、このまま六本木WAVEに向かって、いろいろ物色したりできたんですが今はもうありません。
六本木にはクラシックのCDやLPを物色する場所はもうないんじゃないでしょうか。

午後は仕事へ。やむなく昼のとんかつはビール抜きでした(涙)

テーマ : お散歩・お出かけ
ジャンル : ライフ

tag : 建築

レイモン・レッパードのハイドン

いつもながら平日はドタバタしてなかなか更新できませんでした。
今週は会社帰りに渋谷のレコファンにおそらく10年ぶりくらいで立ち寄ってみました。
最近、国立や新宿のディスクユニオン、府中のポポロなど、中古屋さんで思わぬ見っけものに立続けに出会い、中古屋さんもなかなかいいものだなと再認識。

今回のめっけもんはレイモン・レッパードのハイドンの交響曲集。
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昔懐かしいエラートのBonsai(盆栽)シリーズですが2枚組なのでDuo Bonsaiシリーズです。
単純にコレクションにない盤なので入手した訳ですが、これが味わい深い佳演ですね。

曲目は94番驚愕、98番、101番時計、104番ロンドンの4曲で、録音は1982年から83年にかけて。スタジオ録音です。基本的にはテイトに近い、現代楽器によるオーソドックスな演奏。テンポもフレージングも至って常識的な演奏で、それだけだったら普通の演奏ですが、弦のコントロールが行き届いていていて、ちょっとしたフレーズのメリハリがとても小気味よくまとまってます。どの曲もムラのない仕上がり。特に良かったのは驚愕の2楽章のビックリ以外の部分やアダージョ楽章。

レイモン・レッパードはロンドン生まれのイギリスの鍵盤楽器奏者、指揮者。

Wikipedia:Raymond Leppard

名前はあちこちで見かけるのでよく知られたひとですが、あんまりちゃんと聴いたことがありませんでした。CDもそれなりにリリースされていますので、実力もそこそこ、いわゆる職人タイプの指揮者なんでしょうか。
こうゆう指揮者のさりげない実力溢れた演奏はいいですね。飾らず堅実に音楽を奏でている素朴さがとてもいいです。

学生時代にヨーロッパ旅行に行ったときに、今はニューイヤーコンサートに登場して超メジャーになってしまった、ジョルジュ・プレートルの指揮で、ムジークフェラインのウィーン響でベートーベンの4番、7番を聴いて、当時全く知らなかった職人指揮者プレートルが奏でる豊穣なベートーベンにいたく感動したものでした。ケルンではもう亡くなってしまった、ジョン・プリッチャードの指揮でヴォツェックの暗澹たる迫力を堪能。アルバムが世界に流通するようなメジャーな指揮者の個性的な名演もいいですが、こうゆう職人指揮者の手堅い仕事も実にいいものです。

さてさて、渋谷のレコファンは渋谷のBEAMという超バブルな建物の中にあります。

渋谷BEAM

設計は当時前衛としてならしたワークショップ。データによれば1992年竣工。バブル絶頂期ですね。久々の訪問の印象ですが、宴のあとの空虚感が満ちあふれてました。建築表現としてのコンセプトから、全体像としては廃墟に近い雰囲気がただよってます。今の渋谷のこのあたり(宇田川町周辺)は人通りは多いものの、雑然とした雰囲気が満ちあふれ、街の魅力が落ちてしまっているようです。昔はスペイン坂、パルコ、シネマライズ(北河原温設計)SEEDなど新しい魅力のある施設が点在するラビリンスのような魅力がありましたが、そのような街としての魅力はかなり衰退してしまいました。BEAMもチェーン店がいろいろ入ってますが、ただの雑居ビルというテナント構成で、1階のテナントのシャッターが閉まっていたり、ビラが乱雑に貼られていたり、あか抜けたテナントビルという趣はありません。これも時代の流れでしょうか。

繁華街の街の魅力という意味では日本はもっとも無策で、こういったことも国の国際競争力低下の一断片を象徴しているように感じられます。

レコファンですが、肝心のショップとしてはあまりクラシック目当ての人が多そうでないゆえ、掘り出し物に出会える期待もありますかな。また、たまに寄って見たいとおもいます。
レッパードの交響曲以外にもいくつか仕入れましたので、この週末にリストに登録したいと思います。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : 驚愕 交響曲98番 時計 ロンドン 建築

新橋演舞場で海老蔵の水入り!

今日は午後から歌舞伎見物に新橋演舞場へ。
歌舞伎座は先月で建て替えのため閉鎖になりましたので、これから3年間は、歌舞伎座以外の劇場をまわることになります。

新橋演舞場:5月花形歌舞伎

演目は夜の部で熊谷陣屋、うかれ坊主、助六由縁江戸桜。先月あまりに豪華キャストだったので今月は若手中心の配役。先月3部構成で頑張られた名優の皆さんは今月はゆっくりお休みというところでしょう。団十朗さんもゆっくり休んで体力をつけてほしいものです。

熊谷陣屋は源義経に市川海老蔵、熊谷直実に市川染五郎など。
背景、筋は複雑ですが、基本的にお家を守るために身代わりとして自らの子供を殺め、首実検の際にそれが発覚するという悲劇。
最近話題の海老蔵は演技の幅や感情移入はまだままだなものの、鼻筋の通った凛々しい姿と良く通る声は流石名門の血筋を感じさせます。台詞の少ない義経役で、威厳を表現すべき役柄。透き通る声と美形以上の役作りは、これからということでしょう。
なにより2月に見た勘三郎の俊寛のときと同じ、浪曲と太竿。今日もとっても良かったです。オケのよいオペラを見た気分ですね。

うかれ坊主は尾上松緑の道化筋を生かした演目。これだけとぼけた顔に化粧ができるのか呆れるくらいの惚けずら。こうゆうの嫌いじゃありません。なかなか名演。道化と悪役は芝居の鍵ですからね。

そして、本日のメインの助六。実は舞台で見るのは初めてです。
これは将来の海老蔵(あるいは次代団十朗)のはまり役になるべき演目なんでしょう。ただし、2時間以上の舞台を持たせるには、まだまだ演技力が足りないと痛感させてしまう舞台でした。
先月団十朗や左團次がおそらくすばらしい舞台を作ったんでしょう。絢爛豪華な吉原の郭の物語ですが、色男たる助六のキャラクター演出がまだまだの印象。おそらく美形の新人テナーが美声と美貌のみでドン・ジョバンニを演じきれなかったのと同じ印象なんじゃないかと思います。
最後は何十年ぶりかといわれる水入りの場面。敵を討つべき刀を奪いかえすために相手を殺したあと、見つからないように郭の水桶に隠れるのを実際に水桶に沈む熱演。これはこれでお客さんを大変喜ばせてました。
海老蔵はいろいろ意見はあるものの、世の中を引きつけるスター性は類いまれな存在です。お父さん同様、これから芸の道で大成していくに違いありませんので、今後を柱の陰から見守りたいと思います!(星明子風)


それから、新橋演舞場について。
歌舞伎座にしばらく通ったせいか、久々に訪れた新橋演舞場は、やはり賑わいというか、芝居小屋としての趣には欠けている気がします。昔この建物を設計した設計事務所でバイトしていたことがありますが、構造的にはビルの低層にホールをともなう、構造設計技術者の腕の見せ所的な建物ではありますが、おそらく意匠を設計する技術者の文化的な器が建物に反映している気がします。
設計者とは文化を知り尽くしている必要があるんじゃないですかね。日本の将来を担うべき、役所や大企業の責任ある人たちが、どれだけ文化を知り、楽しみ、人に伝えることが出来ているか。
それが日本の将来を良いものにするバロメーターに感じられる今日この頃です。


夜の部が終わったのが9時すぎなので、日曜の夜に開いている店を探すことをせず、あっさり帰宅。
帰ってからハーフのシャンパンとオリーブと生ベーコンで反省会。ベーコンの適度な塩味がロゼのシャンパンに絶妙に合うことを発見。ちびちびつまみながらほろ酔い気分。

さあ、明日からまた仕事ですな。

テーマ : 歌舞伎
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 歌舞伎 建築

なぜか矢野顕子コンサートへ!

本日は、有楽町東京国際フォーラムへ。
なぜか、矢野顕子のコンサートへ。このコンサートでは主にハイドンが取り上げられます。

んなわけはなく、単に嫁さんにつきあっていったわけです。
実は何度もいっておなじみなんです。

矢野顕子公式サイトコンサート情報のページ

今日はピアノのみで、共演は細美武士という人。最近発売された「音楽堂」というアルバムの曲を中心にした構成。

細美武士公式サイト

クラシックのコンサートとはやはり客層がちがいます。中心は30代から40代の女性でしょうか。アッコちゃんのコンサートはいつも程よく満員です。落ち着いたお客さん中心なので、私のように普段クラシックのコンサートが中心な層にも、敷居が高くなくていいです。

舞台は立花ハジメのオブジェがちりばめられた簡素なもの。照明をうまく利用した演出で過剰演出にならず好感が持てました。
細美さんは全く知りませんでした。あがっていたのか歌は音程がちと落ち着かずでしたが、曲はちょっとジョニ・ミッチェル風なところもあって面白かったです。

会場の東京国際フォーラムは、都政バブルの象徴のような建物で、出来た当初は大きく話題になったものです。設計はラファエル・ヴィニオリ。国際フォーラムのコンペに勝って、世界的にも有名になった人です。この人のサイトは面白いです。筆ペンでスケッチするところがフラッシュ見られますが、まさに建物のデザインが生まれる瞬間のを見ているようです。国際フォーラム自体は大胆な空間構成を生かした建築的には非常に良くてきたもので、一般の人の集う場に建築の魅力をつたえる良い建物です。

ただ、今回のコンサートで感じたのは、ホールの運営の質の低さでした。
せっかくのコンサートですが、雨の日なのにクロークなしで誘導もぞんざい、サントリーホールやオペラシティ、そして歌舞伎座などと比べると、スタッフの人のホスピタリティなどまでふくめて、緊張感が足りませんね。
せっかくいい建物なのに、それが生かしきれてません。運営を委託かなんかにして(既に委託かな?)、もっとサービスのいい状態にしたほうがいいと思います。(コンサートに関係ない話題ですいません)

コンサート後は国際フォーラムすぐ裏のガード下のタイ料理「あろいなたべた有楽町店」へ。この店は何度か行ってますが、味、雰囲気、安さ、汚さ(いい意味も含めて)、店員などひっくるめて、タイ現地のような店。今日もシンハービールとタイ料理の皿々に舌鼓をうってきました。いや満足です。

やっぱり生はいいですな。(いつものことですが、、、)

テーマ : j-pop
ジャンル : 音楽

tag : 建築 東京国際フォーラム

尾形光琳の燕子花図屏風

今日は新築されてから行っていなかった青山の根津美術館へ。

Nezu.jpg
http://www.nezu-muse.or.jp/index.html

今日から、国宝燕子花図屏風展。尾形光琳の有名な屏風が展示されるということで、久しぶりに赤坂から、青山、表参道の散策がてら根津美術館に立ち寄りました。

新しい建物は隈 研吾氏の設計。和風を基調にしたものながら、シンプルな空間構成に現代的な感覚を折り込み、また建築家の手になるものらしく、展示空間と大きく取られた窓から入る外光とのコントラストが過度にならないよう、スクリーンを巧みに用いて室内照度を段階的にコントロールするなどの工夫が行き届いたもの。小規模美術館として理想的な出来上がりじゃないでしょうか。
それとなにより見事なのが庭園。都心の一等地にこれだけの自然が私有地として残っているだけで奇跡的です。

http://www.kkaa.co.jp/J/main.htm
http://ja.wikipedia.org/wiki/隈研吾

肝心の燕子花図屏風は、国宝だけにやはり見事。
先日の長谷川等伯の屏風も見事でしたが、光琳は金の地に筆の勢いそのままに書き上げた緑の葉と、意外とデリケートに書き込まれたかきつばたの紫の花による群生を右隻と左隻にリズミカルに配置して、見事な景色を作り上げています。思ったよりも少ない色数で書かれているものの、やはり緑と深い紫と、歴史の重みを感じる金箔の色彩感が圧倒的な迫力を生み出しています。

等伯の萩と芒の屏風を見たときは構図からゴッホを連想したんですが、こちらは色とリズムからマチスの絵との創意の重なりを感じてしまいます。

いや、本物はいいものですね。

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 展覧会 建築

久々に歌舞伎見物

歌舞伎座も今年取り壊し予定とのことで、思い出のために今日は久々に歌舞伎座に。

http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2010/02/post_53.html

「歌舞伎座さよなら公演」というのに加え、17代中村勘三郎23回忌公演で、現勘三郎、仁左衛門、玉三郎に三津五郎、左團次とオールスターの豪華な舞台でした。
個人的には二幕目の名作「俊寛」が良かったですね。島流しの俊寛を恩赦で迎えにくる丹左衛門役の凛々しい梅玉と、同じ役割ながら情け容赦ない悪役瀬尾兼康役の左團次のコントラストが見事。左團次の悪役ぶりがかなりのインパクト。こうゆうのは悪役の切れが重要ですね。他の幕も含めて11時から4時近くまでお芝居を堪能できました。
歌舞伎は舞台上にお囃子があがって弾くのも魅力の一つ。やはり「俊寛」の浪曲と太竿良かったです。熱演でした。

歌舞伎座はやはり銀座のランドマークとして欠かせないものですね。建築的にも貴重なものです。
今の歌舞伎座は、明治生命館や鳩山一郎邸(現鳩山会館)などの設計で知られる岡田信一郎の設計の戦前の建物が焼失したものをもとに吉田五十八が戦後再建したもの。コンクリート製和風建築の代表的な建物です。
歌舞伎座のホームページで再建計画などが見られますが、再建後も今の歌舞伎座のイメージを踏襲した建物と後ろに高層のオフィスビルのコンプレックスになるとのこと。現建物が老朽化や耐震等の問題があるとはいえ、文化的な価値を考えると再建後の歌舞伎座の出来映えが気になるところですね。

歌舞伎は庶民の娯楽でもありますが、日本というより江戸の文化を残す貴重な文化でもあります。この文化がこれからも残って、今以上に発展してほしいものですが、そうゆう意味では、その器である歌舞伎座の建物への期待も大きなものがあります。
ぜひ、日本のムジークフェラインとなるようないい建物にしてほしいものです。

おっと、ここでそれを言うなら、日本のエステルハージですかな(笑)

テーマ : 歌舞伎
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 歌舞伎 建築

プロフィール

Daisy


Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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