【番外】11月顔見世大歌舞伎に片岡仁左衛門顔見せる!

番外続きでスミマセン。今日は新橋演舞場に歌舞伎見物に。

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歌舞伎人:吉例顔見世大歌舞伎

以前から嫁さんが目当てにしていた11月の歌舞伎ですが、引越し等でだいぶ忙しくしていたこともあってチケットは取らずにいました。ところが先週、いつもチケットを取るe+(イープラス)から1等席が半額というメールが届き、それでは行ってみようと言う事に。ところがところが、チケットを取ってからサイトで情報を見てみると、なんと、主役の片岡仁左衛門が初日に出ただけで以降休演しているとのこと。完全に仁左衛門贔屓の嫁さんはがっくり。代役には梅玉さんと聞き、梅玉さん贔屓の私(もちろん仁左衛門贔屓でもあります)はまんざらでもないということで、結局行くことにしました。

ところがところがところが、明日25日が千秋楽にもかかわらず、温泉巡りをしていた昨23日の公演から仁左衛門さん復活とのことで、嫁さんも当たりくじを引いたがごとき喜びよう。昨日諏訪大社でおみくじを引き、みごと大吉を引き当てた嫁さんが運をつかんだ格好となりました。

今日はネットで仁左衛門復活の知らせを再確認し、やおら、新橋演舞場に向けて出発です。

今日は昼の部で、出し物は双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)と人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)の2本建て。

双蝶々曲輪日記は、歌舞伎でよくかかる演目の「引窓」をクライマックスとした三幕もので、今日の一幕目の「井筒屋」の東京での公演は戦後初めてという珍しい舞台。二人の主人公は相撲取りの濡髪長五郎(ぬれがみちょうごろう)と放駒長吉(はなれごまちょうきち)でふたりの「長」の字から双蝶々という演目名がついたとのこと。
作者は、義経千本桜、仮名手本忠臣蔵、菅原伝授手習鑑の歌舞伎時代物の三大名作を生み出した、竹田出雲、三好松洛、並木千柳の三人で寛延二年(1749年)、ハイドン17歳にしてウィーンのシュテファン大聖堂の合唱団を去った年(無理矢理でスミマセン)。要は同じ時代のものと言いたいだけです。

あらすじは歌舞伎人のサイトに譲るとして、この双蝶々曲輪日記は、ちょうど1年前、浅草隅田川沿いの特設舞台へ平成中村座の公演で「角力場」を見たばかりです。この時は濡髪長五郎と放駒長吉をそれぞれ橋之助と勘太郎が演じていました。

2011/11/05 : お出かけ・お散歩・展覧会 : 【番外】平成中村座浅草公演

今日は濡髪長五郎は市川左團次、放駒長吉を中村翫雀(かんじゃく)という組み合わせ。左團次の濡髪は迫力十分で意外と真面目な演技で正直者たる濡髪を好演、肝心の片岡仁左衛門は三幕目の引窓のみの出演ですが、顔を見せるなり嵐のような拍手に迎えられて満面の笑。役所も軽妙洒脱ながら決めるところではキリッと見栄を切るという仁左衛門の演技が映える役だったので、休演明けとはおもえないツボにはまった演技でした。
ハイライトはもちろん引窓。濡髪長五郎の母でもあり、仁左衛門の演ずる役人に出世したばかりの南方十次兵衛の母でもあるお幸が、人殺しの罪で逃げている長五郎を役柄として捕らえなくてはならない十次兵衛との間で悶絶するようすがお芝居の要。今日は仁左衛門も左團次も良かったんですが、一番よかったのは脇を固めるベテラン勢。お幸の坂東竹三郎、元遊女で南方十次兵衛の妻お早の市川時蔵が絶妙の演技。11月歌舞伎も明日で千秋楽故、演技は磨かれた物でしょうが、こうしたベテラン勢の燻し銀の演技があってこそ筋立ての面白さが浮かび上がるというものです。芝居に没入して非常に楽しめました。もちろん、演目中一眠りもしませんでした(笑)

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休憩中には新橋演舞場前の金田中横に店をいつも出している「木挽町辨松」のお弁当をいただきました。

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デザートは嫁さんが場内でゲットした豆もち。

休憩明けは「人情噺文七元結」。尾上菊五郎主演の人情ものですが、これは面白かった。もともと落語の噺を歌舞伎にしたもので幕末から明治にかけて活躍した三遊亭円朝という人が、江戸時代に実在した桜井文七というひとをモデルにした人情話。博打好きで貧乏を極める左官職人の長兵衛が五十両の借金で年を越せないというところからはじまり、貧乏はしてても江戸っ子のきっぷのいいところを見せて、通りがかりの身投げをしようとした若者に、自分の娘が身を売って手に入れた五十両をあげてしまうというもの。最後はハッピーエンドですが、菊五郎のドンピシャのはまり役で、この人しかできない軽妙洒脱さが際立つ演技でした。またここでも時蔵が長兵衛の女房お兼を好演。こちらも楽しめました。

台詞はわかりやすく、イヤホンガイドも不要なほどわかりやすいお芝居。この演目は人気がでますね。最後は和やかな大団円で、穏やかな気持ちでで芝居が締めくくられました。

やはり歌舞伎はいいですね。外に出ると空も穏やか。

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舞台がはけた後の賑わいがそのまま街に広がってゆくようでした。

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今日はこのあと銀座で買い物を少々。久々に立ち寄った松坂屋の地下の食料品売り場で買い物をしたついでに珈琲を飲んで一休み。新橋演舞場から銀座へ行くのに昭和通りを渡ったあたりで歌舞伎座方面を見やると、新しい歌舞伎座のオフィス棟はほぼ完成したようですし、肝心の歌舞伎座も4月にこけら落としとのことで、骨格は完成しているのでしょう。舞台ができるまでには設備などそろそろ追い込みのじきだと思います。

最近はすっかり新橋演舞場に慣れてしまいましたが、歌舞伎座独特の賑わいは捨て難いもの。新たな歌舞伎座に、あの賑わいは戻ってくるでしょうか。期待して待ちたいと思います。

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【番外】市川海老蔵十役早替り宙乗り相勤め申し候

先週新橋演舞場で八月花形歌舞伎の昼の部を見たのでですが、同行した友人の希望で、何と今週は夜の部にも行くことになり暑い中新橋演舞場に。

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歌舞伎美人:八月花形歌舞伎

ポスターは先週の記事と同じです(笑)。先週の記事はこちら。

2012/08/11 : お出かけ・お散歩・展覧会 : 【番外】新橋演舞場で八月花形歌舞伎

夜の部も昼の部と同様四世鶴屋南北作の「慙紅葉汗顔見勢(はじもみじあせのかおみせ)」伊達の十役という、通し狂言。4時30分から夜9時まで正味ほぼ4時間の大作です。「市川海老蔵十役早替り宙乗り相勤め申し候」とのコメントのとおり、海老蔵が1人で10役をこなして、都合40回の早変わりを演じるというもの。昼の部でもずいぶんな出所があったのを考えると昼11時から夜9時までほぼ出ずっぱりという恐ろしいまでの演技量。これを20日間続けるのですから、まずは並大抵の仕事ではありません。実はこの舞台なんとなく見た覚えが。昔猿之助の舞台で見たような気がします。今回の演出も猿之助あらため猿翁が担当しています。

プログラムの解説を読むと、この伊達の十役は鶴屋南北の作とされていますが、原作の台本は1815年の江戸河原崎座で大ヒットした後に失われてしまい、昭和54年に猿之助が164年ぶりに復活した際に、少ない資料から創作に近い形で再構成したものとのことで、この舞台が猿翁好みの派手な演出によってつくられていることからもわかります。

あらすじはあまりにも複雑で書ききれないのですが、有名な仙台萩の話を骨格にお家騒動を軸とした展開。ですが、やはり幽霊あり、鼠の妖術使いあり、だんまり(台詞なしの舞台)あり、花魁行列あり、切り合いあり、人情あり、最後は鼠の怪物ありと舞台の面白さを詰め込んだもの。先週の桜姫東文章もそうでしたが、こちらのほうがキッチュな感じが増して、まさに劇場版トリックのような造り。

席は1階ほぼ中程の花道のすぐ脇。花道を行き来する役者の息づかいが直接感じられる良い席でした。

幕が上がると最初に海老蔵の口上があり、善悪別に十役の写真を前にそれぞれの役所を説明するところからはじまり、4時間に渡る舞台をテンポ良く進めます。おそらく猿翁による良く練られた演出のおかげで、飽きさせる事なくあっという間の4時間でした。かすかな記憶に残る猿之助の舞台が、早変わりのテクニックと奇抜さのキレで見せていたのに対し、海老蔵の筋の通った演技と役柄の演じ分けで見せる舞台。10役は巧みに声色を使い分けて、役所の違いを際立たせていました。強いて揚げれば、最も威厳のある細川勝元役の台詞が、声色のテクニックを使いすぎてちょっと威厳が薄くなってしまうように感じたところ。やはり図太く朗々とした演技のほうが細川勝元の威厳が良く出たように思います。逆になまくら坊主の土手の道哲役や妖術使い仁木弾正役は海老蔵のはまり役。花魁や政岡などの女形も首の太さは気になったものの(笑)、意外と上手くこなしていました。今回の舞台は海老蔵による本作の一昨年の正月につづく2度目の公演とのことで、演技もギクシャクしたところがなく、海老蔵の公演では久々にぐっときました。

舞台を通して良かったのは、やはり圧倒的な演技量の海老蔵。いろいろな騒動でちょっと印象を悪くしていましたが、この舞台は海老蔵のこの舞台にかける迫力のようなものがつたわり、それが舞台の大きな魅力になっていました。あとは市川右近の悪役女形の八汐。これだけむごたらしい女形の役はそう出来るものではありません。そして片岡市蔵の忠義の人、渡辺外記左衛門と片岡亀蔵の悪役大江鬼貫など脇役の迫真の演技が舞台を引き締めていました。やはり脇の締まり具合が舞台の出来に大きな影響がありますね。

昔の猿之助の舞台の面白さとはまた違った面白さを感じられたいい舞台でした。やはり生でこれだけの舞台をこなす姿は人の心に残ります。まさに顔を真っ赤にして熱演した海老蔵、見直しました。先週観た午前の部では、ちょっと筋書きが下世話過ぎたのか、演技が筋書きを生かしきれなかったのか、今ひとつハマりませんでしたが、こちらは、海老蔵のキャラクターといい意味で面白おかしい筋書きが良くマッチ、そして早変わりに宙乗りと舞台のスペクタクル(外連)を生かした構成が、娯楽としての歌舞伎の面白さを踏まえていて良くまとまっていました。

夜の部は途中でいつもの辨松のお弁当をいただき、あずきモナカなどを戴いたので、終演後どっかで飲んで帰るという流れにはならず、おとなしくまっすぐ帰りました。

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tag : 歌舞伎 新橋演舞場

【番外】新橋演舞場で八月花形歌舞伎

今日は新橋演舞場に歌舞伎見物に。友人が海老蔵を見たいというので海老蔵メインの演目です。

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歌舞伎美人:八月花形歌舞伎

今日見たのは昼の部。演目は四代目鶴屋南北作の「桜姫東文章(さくらひめあずまぶんしょう)」という全4幕7場の大作通し狂言。文化14年(1817年)3月に江戸の河原崎座で初演された、江戸時代後期の作品。鶴屋南北といえば「東海道四谷怪談」などで知られる歌舞伎狂言作者。調べてみると生まれは1755年、亡くなったのが1829年ということで、1732年生まれのハイドンと近い世代、1756年生まれのモーツァルトと同世代の人という事ですね。世界中で歴史に残る文化がうまれていたのですね。

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今日は新橋演舞場には早めについたので、友人との待ち合わせに近くの喫茶店で涼みます。

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涼しそうでしょう(笑)

桜姫東文章の筋は奇想天外、複雑怪奇、歌舞伎が大衆娯楽の見せ物であるということのあかしのようなもの。今で言う劇場版トリックのようなものでしょう。

長谷寺の僧清玄(片岡愛之助)と相承院の稚児白菊丸(中村福助)は男性同士なのに恋に落ち、生まれ変わって夫婦になろうと江ノ島で駆け落ちする場面からはじまり、白菊丸が身を投げたあと躊躇した清玄が生き残り、奇想天外なストーリーの軸となるもの。
次の新清水の場では、主役の桜姫(中村福助)が出家して尼になろうとしているところへ、身投げを躊躇してから17年後の清玄が現れ、出家を思いとどまるように諭す。そこで、桜姫の父が何者かに殺されその際家宝の都鳥という書物の1巻が紛失しお家断絶の危機にある状態ということと、生まれながらに左手が開かなかった桜姫の手の中かから以前白菊丸と自害しようとした時に2人で分け持った、お互いの名前の書かれた香箱の片割れが出てくるというキー情報が提示されます。このキー情報が幕が進むにつれて複雑に絡み合い、芝居としてのかなり非現実的な状況設定と展開によって、めくるめくように筋が進んでいくと言うもの。歌舞伎では珍しいかなりリアルな濡れ場あり、切り合いあり、幽霊ありと何でもありの筋書き。このような筋に乗って、市川海老蔵があらくれものの釣り鐘権助役を地を出したような演技で好演しました。物語上の主役は桜姫の福助ですが、男を惑わす色香という意味では、どうしても玉三郎と比較されてしまいます。また元は高僧なのに僧の掟を破って色香に迷った清玄の愛之助も軽妙洒脱という域まではいかず、若手中心の誠実な舞台という印象。やはりこの手の芝居は、脇役のくだけた演技等の質が重要と改めて認識した次第です。

今日良かったのは精妙な鳴りものの効果と、清玄、桜姫の切り合いの場面で流れた歌。筋はやはり大衆受けを狙ったのもでしょうが、歌舞伎の楽しみは豪華な舞台、衣装、三味線、長唄など、日本文化のエッセンス。太鼓が雨や天気を表したり、長唄が非常に厳粛な雰囲気をつくったり、そして鐘や拍子木などのパーカッションの音色が実に効果的でした。



新橋演舞場を出たのが午後3時過ぎ。暑かったので、三原橋交差点のプロントでまずは生ビールで反省会。そして友人をもう一人待ち、5時から予約してあったナイルレストランに。

ナイルレストラン(オフィシャル)
食べログ:ナイルレストラン

警察グッズ収集家としても有名なG.M.ナイルさんのインド料理のお店。癖になる味のムルギランチが有名ですが、今日はおまかせコースです。

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最初はインドビールから。日本ののどごし重視のビールとはかなり異なる香り重視のビールで、すこし甘い香りが特徴。スパイシーな料理との相性はいいですね。

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トウモロコシなどを揚げた団子。この前に餃子の皮のようなものをやはり揚げたものが出てくるのですが、両方ともビールとの相性は十分。

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4人で行ったのですが、カレーはここまでてチキン、豆、チーズの3つ。どれも独特のスパイシーさがあって美味しいです。イケメンのインド人店員さんが、残しちゃだめよと、のこったカレーを取り皿に分けてくれます。ビールが切れたので、インド産の白ワインをボトルで頼みます。こちらもスパイシーな料理に合うよう、豊かな香りが特徴のワインでした。

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そして料理の最後が名物ムルギランチ。要は鶏のモモを煮込んだスパイシーなカレーとサフランライスの組み合わせなんですが、店員さんが目の前で鶏肉を骨からほぐして、完璧に混ぜこぜにしてくれます。一口目は穏やかな味なんですが、食べ進めるうちに独特の旨味を感じる、やはり名物メニューです。

おまかせコースの料理はここまでですが、このあとマサラティーをいただいてのんびり食事を楽しむ事ができました。

このコースだけでお腹いっぱい。独特のおいしさがあるいいお店です。土曜の夜だったのでお店は込み合っていて人気のほどが窺われますね。

ナイルレストランの前には工事中の歌舞伎座とその背後に高層のオフィスビルがそびえ立っています。あたらしい歌舞伎座は、のんびりお芝居を楽しめるようないい劇場となりますでしょうか。完成したらまずは偵察に行かなくてはなりませんね。

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tag : 歌舞伎 新橋演舞場 インド料理 ビール

【番外】新橋演舞場で二月大歌舞伎

昨日、本来今日の予定を間違えて出かけた、その予定とは歌舞伎でした。

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歌舞伎人(かぶきびと):二月大歌舞伎

歌舞伎やコンサートなど、日付や時間を間違えたのははじめての事。昨日は11:00開演の前に、新橋演舞場の前でお弁当を買い、いつも通り普通に入場。そしてイヤホンガイドも借りて、劇場の人に席を案内してもらうと、そこにはすでに座られている方が。チケットをよ~く見ると、なんと2月12日と書いてあるではありませんか。ちょっと腰が砕けました(笑)。筋書きを買いにいった嫁さんと合流し、実は明日の券だと伝えると、嫁さんの額にちびまる子ちゃんが困った時に現れる縦の線が(笑)

まあ、こうゆう事もあるもんです。さっそくカウンターで相談すると、良くある事らしくてきぱきとチケットに何やらハンコを押してもらい、イヤホンガイドも全額返金、遠い訳ではないので、今日また来る事にして新橋演舞場を後にしたわけです。その後の顛末は昨日のブログに書いたとおりです。ちなみに、買ってしまったお弁当は、昨日築地場外見物の後、隅田川沿いのベンチで美味しくいただきました。

要は、昨日の間違いは宇宙人ポールの仕業だったのだというふうに理解しています。日付を間違えなければ絶対に見ない映画ですので、ポールが映画を見るように時間の歯車をいじったのでしょう(笑)

昨日の顛末はこのくらいにして、今日の歌舞伎見物の話題に移りましょう。
今日は昨日とほぼ同じ時間に家を出て、開場時間の少し前に新橋演舞場に到着。府中からはいつも新宿経由で大江戸線の築地市場駅で降ります。

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築地市場駅を降りたところから見た、汐留の高層ビル群。抜けるような青空。

築地市場駅から新橋演舞場に向かい料亭金田中の手前でいつも売っているお弁当を今日も買ってから入場。

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開場間際の新橋演舞場は多くのひとでごった返していました。今日は二月大歌舞伎は六代目中村勘九郎襲名披露というおめでたい公演。勘太郎が勘九郎となる訳です。日曜日という事もあり満席。

舞台にかかる幕も六代目中村勘九郎襲名を記念した鮮やかなものが掛っていました。

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今日の午前の部の演目は下記のとおり。

一、歌舞伎十八番の内 鳴神(なるかみ)
二、新古演劇十種の内 土蜘(つちぐも)
三、河内山(こうちやま)

歌舞伎人:二月大歌舞伎 みどころ

各演目のあらすじ等はリンク先をご覧ください。襲名披露公演だけあって出演者は豪華なのもでした。

最初の鳴神は中村橋之助の演じる鳴神上人と中村七之助演じる雲の絶間姫の物語。簡単に言うと高僧が美女の色香に惑わされ堕落したのち怒り狂うというたわいもない筋の物語ですが、台本には複雑な背景があり、それなりに興味深い物語。歌舞伎十八番の一つに数えられることから人気作品のようです。

橋之助の鳴神上人は前半、風格漂う線の太い演技が好印象。また酒に酔って雲の絶間姫の言いなりになってしまうやり取りもかなりの演技力を感じさせました。今日良かったのは鳴りもの。普通は三味線、長唄、鼓、太鼓などが中心なんですが、金物の鳴りものが涼やかな音色で舞台に華を添えていました。途中まるでヴェーベルンの曲かと思うようなハッとする瞬間があり、歌舞伎本来の楽しみに加えて音楽の楽しみも味わえる舞台でした。

次の幕までの間に先程外で買ったお弁当。

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木挽町辨松

金田中の横で売っていたお弁当は、調べたところ歌舞伎座正面にある木挽町辨松と言うお店のものでした。昨日は懐石弁当赤が美味しかったので、今日は赤飯二重をチョイス。赤飯のもちもち感が絶妙で、また添えられた焼き魚や煮物の味のバランスが良く、お弁当としては[+++++]です(笑) これまでいろいろまわりや中でお弁当を買いましたが、これは歌舞伎見物のお弁当としてオススメです。

休憩後は河竹黙阿弥作の長唄囃子連中土蜘(つちぐも)。狂言を歌舞伎の舞台向けに直したものでで、セットや仕草に狂言の影響が色濃く残った作品。この舞台が六代目勘九郎のお披露目。勘九郎は叡山の僧智籌で土蜘蛛の精の役。勘九郎の真面目な演技が印象に残る舞台。この舞台は脇が豪華。源頼光朝臣に坂東三津五郎、そして普段は端役であろう番卒の3名にお父さん勘三郎、中村吉右衛門、片岡仁左衛門と超豪華な布陣。いわばオペラの端役に3大テノールが登場したような豪華さ。ちょっとの間ですが3人の軽妙洒脱な演技に酔いしれました。このような配役でのこの場面は、そう見る事は出来ないでしょう。この演目、お囃子が正面の演壇に勢揃いしている前で繰り広げられる狂言の様な舞台故、狂言独特の諧謔的な雰囲気と、歌舞伎の花道と舞台との掛け合いという空間使いの面白さ、そしてお囃子の音楽が高度に融合したなかなか見応えのあるものでした。特に最後に正体を表す土蜘の精は、スパイダーマンばりの雲の巣から登場し、束ねた糸を投げたり、見た事もないような極悪の隈取りで、役柄はダースベーダーのようなもの。当時は観客の度肝を抜いた舞台だったと想像できます。襲名披露ならではの豪華な舞台でした。

休憩を挟んで最後はこちらも河竹黙阿弥作の名作河内山。舞台を見るのは2度目ですが、以前誰の舞台か記憶が曖昧(笑)。今日はこうゆう役をやらせたらいまや右に出るものなしの片岡仁左衛門が主役。金儲けと悪い事にしか目のない生臭坊主の河内山が、いつものように質屋にけしかけようとした時に、娘が大名屋敷でとらわれ命の危機が迫っていると聞き、高額な報酬でその救出を請負い、見事に救出してしまうという物語。勘九郎も短気強欲な殿様松江出雲守として出演。もうこの芝居は仁左衛門の独り舞台と言っていいでしょう。身分を偽り大名屋敷に乗り込み、質屋の娘の救出を終え、自身が見送りを受ける場面で正体がばれてしまった下りから、そのまま堂々と立ち去る場面の演技の深さは流石のもの。最後、松江出雲守に「馬鹿め」と叫んで、花道をスポットライトを浴びて出て行くところは鳥肌がたつような迫真の演技。やはり仁左衛門はいいですね。

今日の歌舞伎は3幕とも非常に楽しめました。新橋演舞場を4時過ぎには後にして、銀座までのんびり戻りました。昨日宇宙人ポールのポスターを見たのと晴海通りの反対側を歩いて銀座方面に向かいますが、三原橋のシネパトスには晴海通りの両側に入口があるため、こちらにもポスターがありました(笑)

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左下にポールがいます(笑)

今日は銀座から新宿伊勢丹のバーゲンに嫁さんがいきたいというので、丸ノ内線で新宿三丁目に移り、嫁さんが伊勢丹に行っている間、ディスクユニオンで物色。在庫がいろいろあるので、いろいろ見て回ると未聴盤に必ず巡り会えるんですね。今日手に入れたアルバムはそのうちレビューで取りあげたいと思います。

ひとしきり買い物してお腹が減ってきたので、落ち着く場所を探します。今日の夕食はこちら。

タイ料理ゲウチャイ新宿店(Keawjai Thai Restaurant)

以前は新宿ルミネの地下2階や目黒にあってたまに使っていたんですが、両店とも閉じてしまっていました。ネットで新宿に新たにお店ができたと知りマークしていました。場所はバーニーズ・ニューヨークの向かいのビルの2階。

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最初はビールから。タイのチャーンビールとグァバサワー、生春巻き。チャーンビールは日本のビールとはかなり異なり、キレやコクよりも爽やかな香りを楽しむタイプ。生春巻きのタレにはピーナッツが入っており、香ばしさが加わります。ビールとの相性はいいですね。

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そしてタイ料理の定番鶏肉のバジル炒め。しっかりとした味がビールに合います。

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スープはトムヤムクン。酸味とキレがいいバランス。流石本格派の味です。

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ビールが空いたのでグラスの白ワインを注文。

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スープなしのビーフン。上にかかっているのはピーナツの砕いたもの。これも香ばしい。

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最後はタロイモのプリンとタピオカミルクのようなものですが、これが暖かいデザート。口にした瞬間ビックリしました。両方とも程よい甘さで悪くありません。

味は以前と変わりなくどれもバランス良く、しかもタイ料理本来のキレもある味。値段も手頃でオススメのお店です。

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帰ってからチョコとモルトで一杯。チョコに合わせてGLENLIVETとローランドのBLADNOCHチョイス。どちらも穏やかな甘さを楽しむモルト。チョコとの相性は悪くありません。

週末はなぜか二日とも銀座詣でとなりましたが、なかなかいい週末でした。
さて、あすからまた仕事です。時間切れで週末のレビューは叶わず。今週は何本レビューできますでしょうか。出来るだけ頑張ります(笑)

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プロフィール

Daisy


Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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所有盤をジャンル別にリスト化しています。基本的に録音年順とし、録音年不明のものは末尾に記載。演奏者名はジャケットなどの表記に合わせています。

2016年9月のデータ(2016年9月30日)
登録曲数:1,361曲(前月比+3曲) 登録演奏数:9,608(前月比+87演奏)
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