【新着】トーマス・ファイの交響曲全集第23巻(ハイドン)

前記事でファイのハイドンの最初の録音を取り上げアップした翌日に、偶然にも待っていた新譜がamazonから届きました。

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トーマス・ファイ(Thomas Fey)指揮のハイデルベルク交響楽団(Heidelberger Sinfoniker)の演奏で、ハイドンの交響曲6番「朝」、7番「昼」、8番「晩」の3曲に、ファイの名前はなく、ベンジャミン・シュピルナー(Benjamin Spillner)がコンサートマスターと記されハイデルベルク交響楽団の演奏による、交響曲35番、46番、51番の3曲、合わせて6曲を収めた2枚組のアルバム。収録はファイの3曲が2014年3月、他の3曲が2016年6月、どちらもハイデルベルクの西20kmくらいのところにあるバート・デュルクハイム(Bad Dürkheim)にあるナチュラルホルンアカデミーでのセッション録音。レーベルはもちろんhänssler CLASSIC。

このアルバムですが、CD1の3曲はファイの指揮とされる録音。ファイの交響曲集のこれまで最後にリリースされた22巻が2013年の9月から10月の録音。そしてこの23巻の収録が約半年後の2014年の3月とのことですが、22巻のリリースは2014年8月でしたので、このアルバムはそれから2年半も経ってからのリリースとなります。ファイが脳損傷になって再起が危ぶまれるという情報は出回ったのですが、いつ頃のことなのかなど詳しいことはわかりません。私の想像ですが、このアルバムがファイの指揮で編集まで済んでいた状態だったとしたらもう少し早くリリースされていたはずですので、編集段階か、あるいは録音の途中でアクシデントに襲われたのではないかと思います。とすると、このアルバム、前半のファイの指揮の曲の出来もそうした状況の手がかりとなります。

2017/03/03 : ハイドン–協奏曲 : ファイ/シュリアバッハ室内管のピアノ協奏曲集(ハイドン)

前記事のファイの原点たる1999年録音の協奏曲集が素晴らしいキレで度肝を抜く演奏だったのもあって、このアルバムにファイの最後の魂が乗っているかが非常に気になり聴き始めた次第。

Hob.I:6 Symphony No.6 "Le matin" 「朝」 [D] (1761?)
聴く耳を立てているせいか、厳かな始まりに聴こえます。演奏としては快活ないい演奏なんですが、ファイらしい個性というか突き抜けたところが影を潜め、普通に精緻ないい演奏。低音弦のキレ方などはファイの特徴を感じさせますが、ファイだったこちらの想像を超えるアイデアが次々とくりだされてくるはずとの先入観に対して、普通に精緻な今風の演奏。もしかしたら、この録音、最後までファイが振ったものではないのではないかとの想像がよぎります。こちらの期待を蹴散らす豪放さがないのでちょっと肩透かし。
つづくアダージョ楽章はファイならば表情を抑えて淡々とくるところですが、ほどほどに起伏もあり、こちらも普通にいい演奏。録音がいいので弦楽器の響きの美しさは惚れ惚れするほど。落ち着いたテンポによる丁寧な表現がかえってファイっぽくない感じを醸し出してしまいます。こちらも普通にいい演奏なんですが、ファイらしさがあまり感じられません。
メヌエットも実にゆったりとした表情で進みます。ファイだったらこうはしないと思います。導入も展開部も勢いで攻めてくるところはなく、落ち着いた判断で乗り切ります。
なんとなくここまで特段オケが一肌脱ぐ感じとなったことはなく、終楽章もそれぞれ役割を果たすべくオケの奏者がしっかりと実力を発揮して、演奏を律儀にまとめています。どうしたことでしょう。繰り返しに閃きが宿るわけでもなく、非常にオーソドックスな演奏が続きます。もちろんいい演奏なんですが、ちょっと肩透かしを食らった感じです。

Hob.I:7 Symphony No.7 "Le midi" 「昼」 [C] (1761?)
つづく昼ですが、朝よりもキレていてひと安心。曲想のせいか、展開の速さに合わせて生気が戻ります。朝では踏み込めなかったエネルギッシュな場面も多々あり、なかなかスリリングです。ただ、ファイ特有の多様な変化にまではいたっていません。
2楽章は交響曲には珍しいレチタティーヴォアダージョ。劇的な展開の面白さが聴きどころ。徐々に曲の面白さの真髄にせまりつつあります。次々と繰り出される変化球のようなメロディーの描き分けもなかなかのレベル。かなり踏み込んできていますが、ファイの突き抜けた想像力の域と同じようにはいかないようです。
メヌエットはかなりテンポを落として念入りな描写。念入りなところがちょっと一本調子な印象を残してしまいます。そしてフィナーレもちょっと重さを感じさせるもの。ファイのフィナーレでこのようなことはありません。

Hob.I:8 Symphony No.8 "Le soir" 「晩」 [G] (1761?)
CD1の最後の曲。ここまで一番生気を感じる楽章。勢いで曲をあおっていく迫力を感じます。この曲にはファイの存在が感じられなくもありません。2楽章のアンダンテでも楽器感のバランスやアクセントには閃きが感じられ、穏やかな音楽にもかかわらずキラリとひかるものがあります。音楽も今までで一番起伏に富んでいます。そして3楽章のメヌエットへの入りのセンスも悪くありません。コントラバスのユーモラスなメロディーもそれなりにこなし、演出も十分表現力豊か。ですが、ファイだったらさらに突き抜けた面白さを聴かせるだろうと想像してしまいます。フィナーレも雄弁。あのスリリングさ戻ってきました。

今日のレビューはここまでにしておきます。

ちょっと複雑な心境となってしまった、トーマス・ファイの交響曲の23巻。まったく私の勝手な想像ですが、なんとなくこのアルバムの朝、昼、晩の3曲の録音にあたり、晩はリハーサルまでこなしたところまでファイが関わり、その他の曲は関わってもごく浅いレベルまでだったような気がします。特に昼はまったくファイらしくない単調さや重さが見られ、朝も演奏自体は悪くないものの、これまでの多くの演奏からつたわるファイの個性が感じられません。リリースまで時間がかかったのもこの状態でのリリースについていろいろ考えるところがあったのかもしれませんね。ただ、このアルバムの演奏は、このアルバム自体の良し悪し以上に、この演奏から逆にファイのこれまでの非凡さが浮かび上がるという意味でもリリースした意味があると思います。やはりオーケストラで最も重要なのは指揮者だということがよくわかりますね。これまでファイの全集を応援してきた私としては、このあとリリースされるアルバムの状態如何にかかわらず、サポートしていきたいと思います。評価は晩が[++++]、朝と昼は[+++]とします。

ファイの名をはずしたCD2については次の記事で!

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【新着】飯森範親/日本センチュリー響の交響曲集第1巻(ハイドン)

ちょっとご無沙汰しておりました。相変わらず仕事でバタバタとしているのですが、今日帰宅すると、ちょっと楽しみにしていたアルバムがamazonから届いていました。

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飯森範親指揮の日本センチュリー交響楽団の演奏で、ハイドンの交響曲6番「朝」、17番、35番の3曲を収めたSACD。収録は2015年6月5日、大阪のいずみほホールでのライヴ。レーベルは日本のEXTON。

このアルバム、大阪をホームグラウンドとする日本センチュリー交響楽団とその首席指揮者の飯森範親が8年をかけてハイドンの交響曲全集を演奏しようとする「ハイドンマラソン」という企画の第1回のコンサートの模様をライブ収録したもの。飯森範親のハイドンは少し前にNHKで放映されていて、ちらっと見て、かなり本格的なものとの印象を受けているので、この録音の出来は気になっていた次第です。

飯森範親さんは、録音もかなりリリースされているのでご存知の方も多いでしょう。いちおう略歴をさらっておきましょう。

1963年鎌倉に生まれ、桐朋学園指揮科で学び卒業後はドイツに留学、1985年民音コンクール2位、1987年ブサンソン指揮者コンクール2位などの経歴があります。1989年からバイエルン国立歌劇場でウォルフガング・サヴァリッシュについて修行、1994年から東京交響楽団専属指揮者、モスクワ放送交響楽団特別客演指揮者、1995年から広島交響楽団正指揮者などを務め、2007年から山形交響楽団音楽監督となっています。この間世界の有名オケに客演を重ね、このアルバムのオケである日本センチュリー交響楽団の首席指揮者には2014年に就任しています。日本でも実力者の一人と言っていいでしょう。

私自身は録音も生もあまりちゃんと聴いたことがない人ですが、手元のアルバムでは水野由紀がチェロを弾くチェロ協奏曲集の伴奏を日本センチュリー交響楽団を振って担当したアルバムがあることに気づきました。が、アイドルものということで、オケに注目して聴いていませんでした。

今一度、アルバムの帯をよく見てみると、「ハイドン;交響曲集Vol.1」との表記。コンサートの企画自体は交響曲全集の演奏ですが、録音自体が全集を目指すという志はない模様です。あれば「交響曲集」ではなく「交響曲全集」となるわけですので。これには少々がっかり。

これまでハイドンの交響曲全集に挑んだ指揮者はいたものの、完成に至ったのはアンタル・ドラティ、アダム・フィッシャー、デニス・ラッセル・デイヴィスの3名のみ。古くはマックス・ゴバーマン、クリストファー・ホグウッド、ロイ・グッドマン、トーマス・ファイなどが、かなりの数の録音を残したものの、完成を見ずに断念しています。もし全集の録音を志すとしたら、そこに日本人にである飯森範親が急遽加わる形になります。ヨーロッパではジョバンニ・アントニーニが主兵、イル・ジャルディーノ・アルモニコと2032年の完成を目指した全集が第3巻までリリースされている中、我が日本でもついにハイドンの交響曲全集が企画されるのかとの期待もありましたので。まあ、このアルバムの出来が今後の録音リリースの判断材料にもなろうということで、襟を正してアルバムをかけてみます。朝はつい最近、佐渡裕の振るウィーンのトーンキュンストラー管の超名演盤がリリースされたばかり。こちらとの比較も気になるところです。

Hob.I:6 Symphony No.6 "Le matin" 「朝」 [D] (1761?)
佐渡盤も素晴らしい録音でしたが、こちらもDSD録音のSACDということで、ホールの空気感たっぷりの素晴らしい録音。会場ノイズは皆無で音楽に集中することができます。冒頭から精緻な演奏。オケの響きはライヴとは思えない精度。朝靄がはれていくようなハイドンの音楽が立体的に響きます。演奏はオーソドックスですがオケもリズミカルに反応して、素晴らしい展開。弦の響きの潤いは一流オケとは少々差がつくところですが、素晴らしいホールの響きに支えられて悪くありません。若干ホルンが重いところもなくはありませんが、木管や弦を中心に全体にキレよく非常にクリアな演奏。
つづくアダージョはソロの腕の見せ所。ヴァイオリンはコンサートマスターの松浦奈々でしょうか、しっとりとした弓さばきで艶やかかつ味わい深いソロ。チェロも軽々とした弓さばきでさざめくような静けさにしなやかにメロディーを描いていきます。
メヌエットは柔らかくたっぷりと響く低音につつまれて、キレよりも穏やかさを感じさせる演奏。相変わらずオケの精度はすばらしくわずかな乱れもありません。中間部のファゴットのソロはぐっとテンポを落としてコントラバスがファゴットを表情豊かに引き立てます。中間部と両端のコントラストが十分について再びオケに勢いが戻ります。
フィナーレはソロを効果的に配しながらオケとの掛け合いが聴きどころの曲。ソロの精度は十分でオケとの呼吸もぴったり。ハイドンの描いた複雑にからみあう音楽の面白さがクッキリと見事に描かれています。1曲目からクリアで端正、精緻な演奏でした。

Hob.I:17 Symphony No.17 [F] (before 1766)
2曲目は推進力が魅力の曲。冒頭から楽天的なハイドンの音楽がリズミカルに進みます。注意して聴くとオケのパートがそれぞれカラフルな音色で代わる代わるメロディーを引き継いでいく様子が鮮明にわかり、実に面白い。上下に乱舞するメロディーの面白さ。時折挟まれる異なる響きのアイデアを存分に楽しめます。この曲ではホルンの重さも解消されました。
2楽章のアンダンテは程よいテンポと程よい抑揚で音楽が進みしっとりとした曲の魅力に集中できます。ここにきてヴァイオリンの音色も十分艶やかさを加えて、音楽も深みを帯びてきました。
フィナーレは堂々とした分厚い響きできかせるもの。特に低音弦の厚みが効いて迫力十分。この小交響曲の魅力を十分に活かした演奏でした。

Hob.I:35 Symphony No.35 [B flat] (1767)
すこし時代が下って、シュトルム・ウント・ドラング期の交響曲。この曲もオケの力感が素晴らしく、素晴らしい録音でオケが自宅にやってきたよう。演奏には力感が漲り、グイグイと攻めてきます。曲も全2曲よりも引き締まっていて、この時代のハイドンの充実した筆致が演奏の勢いに乗り移っています。テンポの変化こそ少ないものの、カラフルなオケの魅力は変わらず、力強いメロディーがほんのりと色づいて聴こえて響きを華やかにしています。
つづくアンダンテは1楽章のエネルギーを冷ますようにしっとりとした音楽。オケも緊張感が途切れず、充実した演奏。ゆったりとした流れの中で穏やかに変化を聴かせるコントロール。
メヌエットは迫力満点。まるで大オーケストラの演奏のように力が漲った演奏。中間部のソロで勢いを変化させるものの、両端部分は図太い響きの迫力で一貫して押してくるため、ちょっと一本調子な印象も感じなくはありません。
そしてフィナーレも正攻法の迫力で押してくる演奏。オケも見事に応えて、曲をまとめます。

飯森範親と日本センチュリー交響楽団のハイドンマラソンという交響曲全曲の演奏会の第1回のコンサートのもようを収めたライブ盤。事前の印象どおり、ライヴとは思えない精度の高い演奏で、ハイドンの交響曲の演奏としては素晴らしいものでした。演奏は日本人らしい正攻法で磨き上げた演奏でオケも精度の高い演奏で非常に高レベルな仕上がりです。若干気になるのは、演奏スタイルのせいか、録音のせいかは判然としないのですが、ハイドンの初期の交響曲の演奏としては、ちょっと力感重視に寄っているところ。特に35番の分厚いオケの響きは、まるでベートーヴェンの演奏のように聴こえるところもあります。ハイドンの初期の交響曲の面白さは次々と変化するアイデアにあふれた曲想の変化をどう表現するかにあります。どちらかというとこの演奏スタイルはハイドンであればザロモンセットなど後期のものに会うスタイルかもしれませんね。このアルバムに収められた3曲の中では真ん中の17番はこのコンビの一番いいところが出ていて深みを感じさせるいい演奏でした。ということで評価は17番が[+++++]、他2曲は[++++]としました。

このプロジェクト、オーケストラのウェブサイトをみると、コンサートの方はすで6回ほど行われていて、アルバムの方もリリースされていくものと思われます。続くリリースも期待して待ちたいと思います。

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【新着】佐渡裕/トーンキュンストラー管の朝、昼、晩(ハイドン)

最近LPや古い録音ばかり取り上げていますが、新譜にも気になるアルバムがないわけではありません。

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佐渡裕(Yutaka Sado)指揮のトーンキュンストラー管弦楽団(Tonkünstler-Orchester)の演奏で、ハイドンの交響曲6番「朝」、7番「昼」、8番「晩」の3曲を収めたアルバム。収録は2015年10月から2016年5月にかけて、ウィーンのムジークフェラインでのライヴ。レーベルはトーンキュンストラー管の自主制作レーベル。

佐渡裕のハイドンはもちろん初めて聴きます。いつものようにWikipedeiaなどから略歴をさらっておきます。1961年京都生まれと、私と同世代。京都市立芸術大学フルート科を卒業。ブラスバンドや関西二期会の副指揮者をへて小澤征爾、レナード・バーンスタインに師事します。その後ヨーロッパに渡りバーンスタインに師事しながら1989年にブザンソン国際指揮者コンクールで優勝し指揮者としてデビューしました。その後多くのオケに客演して経験を積み、2002年に日本のシエナ・ウィンド・オーケストラの音楽監督、西宮の兵庫県芸術文化センターの建設にともない兵庫県芸術文化協会芸術監督に就任、そして2015年10月から今日取り上げるアルバムのオケであるトーンキュンストラー管弦楽団の首席指揮者に就任しています。特に日本では日曜朝に放送している題名のない音楽会の司会者として同じみですね。また2011年にはベルリンフィルの定期に登場した際の模様も放送されました。

皆さんもそうでしょうが、佐渡裕がハイドンを振るイメージはないのですが、トーンキュスンストラー管の自主制作アルバムの第2弾にハイドン、しかも「朝」「昼」「晩」と質実なところを持ってきたのはちょっと驚きでした。ベルリンフィルの定期でも、汗だくになりながらオケから強烈な響きを絞り出すように鳴らす姿が印象に残っていますので、ハイドンの小規模な交響曲を振るイメージは全くありません。そこにこのアルバムということで、逆に興味深いアルバムと言うのが正直なところ。ということで早速聴いてみましたが、これはこれまでの佐渡裕のイメージを払拭する整然とした名演でした。

Hob.I:6 Symphony No.6 "Le matin" 「朝」 [D] (1761?)
ムジークフェラインだからか、オケの響きの厚みと溶け合い方が見事。ライブですが会場のノイズはまったく聴こえず、ノイズ除去に伴う定位感の乱れもありません。実に見事な録音。オーソドックスなテンポに乗って品のいいアクセントを伴いリズムが躍動。デュナーミクの変化もしっかりつけてメリハリも充分。何より一貫して爽やかさを保って1楽章から見事。
続くアダージョはソロが活躍する楽章ですが、オケの美音に包まれながらヴァイオリンソロの自在なフレージングはまるで草原を飛び回る蝶のごとく自在。相変わらずリズムが清々しく、このリズムが基調にあることで非常に爽やかな印象。オケも非常にリラックスして、ノンヴィブラート気味の透明感溢れる響きと相まって実に穏やかな音楽が流れます。弱音の扱いも見事。
そして、さらに見事なのがメヌエット。実に自然で堂々とした入りにづづいてフルートの美音に耳を奪われます。自身がフルート奏者出身だからか、フルートと木管楽器のコントロールは特に見事。中間部で一旦曲調が変わる所の一瞬の変化の鮮やかさは音楽の気配までコントロールしているよう。しなやかなコントラバスのソロも効果的。各パートがイキイキとメロディーを重ねていくことでハイドンの音楽の見事な綾が輝きます。再び現れるメヌエットのメロディーは力が抜けて余裕たっぷり。
フィナーレも力むことなくよく抑制を効かせながらリズミカルにハイドンの音楽をトレースしていきます。ヴァイオリンのメロディーに耳を奪われがちですが、副旋律を担当するフルートや他の楽器の抑揚のついた演奏も素晴らしく結果的に豊かな音楽を作っていきます。いやいや、ここまでハイドンの音楽に集中してくるとは思いませんでした。会場からは暖かい拍手が降り注ぎます。これは見事!

Hob.I:7 Symphony No.7 "Le midi" 「昼」 [C] (1761?)
テミルカーノフの秀演で俄然注目するようになった「昼」。前曲の出来から悪かろうはずもなく、安心して耳を傾けます。相変わらずのムジークフェラインでの素晴らしい響き。録音上はウィーンフィルよりも美しく聴こえます。豊かな響き、規律正しく躍動するリズム、フレーズ毎にしなやかに迫りくる迫力、穏やかな表情付けと非の打ち所がありません。極上の心地よい音楽に身を任せます。ヴァイオリンも木管群も最高。佐渡裕もリラックスして指揮を楽しんでいるよう。この曲ではホルンの柔らかい音色がさらに印象的に加わります。
ハイドン渾身の音楽と気づいた昼の2楽章。もちろんここでも手を抜くはずもなく、劇的な展開を古典の規律の範囲で豊かにまとめてきます。素晴らしい緊張感を保ちながら美しすぎる音楽を織り上げていきます。ヴァイオリンもチェロもフルートも最高。終盤のソロの掛け合いも遊び心を高度に昇華させたやりとりが素晴らしいですね。
メヌエットでは低音弦がリズムの軽やかさを保ったまま迫力たっぷりの響きを聴かせます。中間部のコントラバスの活躍する場面はぐっとテンポを落として絶妙な語り口。さらりと寄り添うホルンも絶妙なテクニック。
フィナーレはこれまでの見事な演奏の総決算。佐渡裕もスロットルを巧みにコントロールして、オケを束ね、ハイドンのアイデアの結集した音楽をまとめます。昼のコミカルな側面にスポットライトを当てた名演出でした。

Hob.I:8 Symphony No.8 "Le soir" 「晩」 [G] (1761?)
「朝」も「昼」も絶妙の演奏が続いたので、安心して「晩」に入れます。もちろんこれまでの見事な演奏と同様の素晴らしさ。コミカルなメロディーが転調して展開していく推移の面白さは尋常ではありません。吹け上がりの良いオケが軽々と響く痛快さ。短い1楽章も聴きどころ十分。
晩の聴きどころといえば続くアンダンテでしょう。美しいメロディーと静けさが同居する至福の時間。2本のヴァイオリンの磨かれたメロディーに深みのあるチェロとファゴットが応じ、十分に間をとって音楽がしっとりと進みます。
アンダンテの安らぎを断ち切るように柔らかくも直裁な響きで入るメヌエット。楽章間の転換の見事さもこの演奏の特徴でしょう。ちょっとしたセンスが重要なんですね。トリオは再びコントラバスの聴かせどころ。今度は敢えて鈍い感じを意図したのでしょう、曲に応じて見事な語り口の使い分け。再びメヌエットに戻ると、今度は適度に躍動させます。
そして締めくくりのフィナーレ。どうしてこのようなメロディーが浮かんでくるのかわからないほど入り組んだ構成とメロディーに釘付け。佐渡裕の鮮やかな手腕でハイドンの創意が見事に音になっていきます。最後はキレよく終了。もちろんこの大人のハイドンに聴衆から暖かい拍手が降り注ぎました。

いい意味で予想を完全に覆す超名演盤でした。佐渡裕が新たに首席指揮者に就任後、オケの自主制作レーベルの第二弾としてリリースされたこのアルバム。そこにハイドン、しかも初期の「朝」「昼」「晩」という質素な名曲を選んだ理由がわかりました。佐渡裕さん、ハイドンの交響曲の演奏のツボを完全に掌握していました。一流の料理人が作った親子丼のように、きっちり親子丼ですが、味の深さ、素材の活かし方、バランス、食後の余韻まで並みの親子丼とは次元の異なる味わい深さ。なのに親子丼としての素朴さを失っていない名人芸。ホールを鳴らしきるような迫力の演奏もできる腕力を封印し、ハイドンのこの粋な交響曲のまさに「粋」たる部分をしっかり表現した名演奏と言っていいでしょう。録音は万人が想像するムジークフェラインの黄金のとろけるような響きを捉えて完璧。現代楽器による「朝」「昼」「晩」の入門盤でかつ決定盤と断じます。もちろん評価は全曲「+++++]。全ての人に聴いていただきたい素晴らしいアルバムです。

これは是非、さらなるハイドンの録音を期待したいところですね!(佐渡さん本人は見ていないでしょうね〜)

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ユーリ・テミルカーノフ/レニングラードフィル室内管弦楽団の「朝」、「昼」(ハイドン)

久々の交響曲です。

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ユーリ・テミルカーノフ(Yuri Temirkanov)指揮のレニングラードフィル室内管弦楽団(Chamber Orchestra of the Leningrad Philharmonic)の演奏で、ハイドンの交響曲6番「朝」、7番「昼」の2曲を収めたLP。収録は1972年、収録場所などはロシア語表記のみなので読み取れません。レーベルはソ連国営のMelodiya。

このアルバムは最近オークションで手に入れたものですが、ロシア国内向け仕様のため、表記はロシア語のみ。ドイツ語もフランス語でもなんとか当たりをつけて解読することができるのですが、ロシア語は大変です。ネットを駆使してレコード番号からロシア語の表記のサイトを探し出し、そこからグーグル翻訳などで英語に翻訳して読み解きます。演奏者とオケを特定するだけでも一苦労(笑)。なぜそこまでするかといえば、以前に取り上げた若きギドン・クレーメルの演奏するヴァイオリンソナタのMelodiya盤が録音も含めてあまりに素晴らしかったので、Melodiyaは宝探しのターゲットとなったわけです。

このアルバムもジャケットはシミだらけですが、盤の状態はそれほど悪くなく、いつものようにクリーニングすると黒々と光輝く盤面になりました。これは期待できるということで針を落とすと案の定素晴らしい響きが広がります! レビューの前に奏者の情報をさらっておきましょう。

ユーリ・テミルカーノフは1938年、ロシアの黒海とカスピ海に挟まれたコーカサス地方の都市、ナリチク(Nalchik)に生まれた指揮者。小さい頃から才能に恵まれ、レニングラードでヴァイオリンとヴィオラを学びます。レニングラード音楽院でヴィオラを学んだ後、指揮を学び1965年に卒業。1966年にはソ連指揮コンクールで優勝し、コンドラシンに招かれ、オイストラフを伴ったモスクアフィルの欧米ツアーに帯同します。1967年にはレニングラードフィルの指揮台にデビューし、直後にムラヴィンスキーからレニングラードフィルのアシスタント指揮者に任命されます。その後1968年にはレニングラード交響楽団の首席指揮者、1976年にはキーロフ歌劇場(現マリンスキー劇場)の音楽監督などを歴任。以後は1988年からレニングラード・フィルハーモニー交響楽団、1998年からボルティモア交響楽団、2009年からパルマ・レージョ劇場のそれぞれ音楽監督を歴任。日本では読響の名誉指揮者であり、サンクトペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団と何度か来日していますので、おなじみの方も多いことでしょう。

このテミルカーノフ、調べてみると予想どおりハイドンの録音はこれまで手元にありませんので、このLPは貴重な録音です。意外にもロシアの指揮者のハイドンはいい演奏が多く、コンドラシン、フェドセーエフ、スヴェトラーノフ、コンスタンチン・オルベリアンとライヴを中心に名演盤がいろいろありますね。

Hob.I:6 Symphony No.6 "Le matin" 「朝」 [D] (1761?)
かなりゆったりとしたテンポでの序奏の入り。主題に入ると弦をかなり鳴らしてクッキリとメロディーラインが浮かび上がります。弦は直近、フルートやホルンの響きが奥に広がって非常に立体的に空間が広がります。ウキウキするような推進力。テンポが速くないのに推進力は抜群。各奏者のリズム感が冴え渡って1楽章はキリリと引き締まった見事な展開。録音も鮮明で言うことなし。
素晴らしいのが続くアダージョ。ここでもかなりゆったりと入りますが、緊張感が途絶えることがありません。ゆったりしているのに響きは非常に引き締まっていて、コンサートマスターのレフ・シンデルのヴァイオリンソロのがこれまた素晴らしい美音。それを包む大波のようなオーケストラの響き。やはりこの楽章はソロが上手いと違います。たっぷりと休符をとって音楽の構造を明快に弾き分けます。遅いからといって古臭い感じは全くしないのがすごいところ。
続くメヌエットも遅めのテンポは変わらず、遅めにもかかわらずかなりはっきりとメリハリをつけてきます。リズムは相変わらずクッキリ、オケの響きもクッキリ、特に木管楽器の溶け合うような響きが素晴らしいですね。グッとトーンを落とした中間部の濃密な描写で聴かせ、再び最初のメロディーに戻るところの描き分けも鮮やか。
フィナーレもじっくり入ります。しっかり音楽の骨格を描くことで曲の構造がよくわかります。ハイドンの書いた音楽のうち、楽器の音色の面白さに意識が集中するように意図したのでしょうか、じっくり描かれた朝は、聴き応え十分。

Hob.I:7 Symphony No.7 "Le midi" 「昼」 [C] (1761?)
前曲と同じく、ゆったりとした入り。ゆったりと言うよりもじっくりといった方がイメージが伝わるかもしれません。ハイドンの書いたこの曲の導入部がいかに素晴らしいか、噛み砕いて聴かせてもらっているよう。すぐに素晴らしい推進力と見事なソロのアンサンブルに包まれます。オケのリズムの良さは前曲そのまま。手堅く完璧なテミルカーノフのオーケストラコントロールに完全にのまれた感じ。
劇的に展開する2楽章もじっくりと音楽を丁寧に描いていくので、迫力十分。この2楽章は時代を先取りするような劇性を持った曲ですが、こうしてテミルカーノフの棒でしっかりと描かれるとその素晴らしさが際立ちます。まるでアンセル・アダムスの豊かなトーンのモノクロ写真のように、アーティスティックな風格が漂います。音楽の輪郭の濃淡を完璧にコントロールして、影の部分の豊かなラチュードが見所のように、音楽に潜むデリケートなニュアンスを完璧に再現。ものすごい描写力。そしてソロも当時のロシアのトップオケの奏者の面目躍如。この2楽章は絶品。あまりの素晴らしさに昇天。
そしてメヌエットはその緊張をほぐすように素直にリズムを弾ませ、そのリズムを少しづつ強調させるようにしてアーティスティックさを保ちます。中間部への切り替えの鮮やかさは前曲通り、コントラバスとホルンの響きがLPならではのダイレクト感で伝わってきます。元のテーマに戻る時は実に自然なのが不思議な所。
フィナーレもじっくり。オーソドックスにまとめてきますが、やはりそこここに表現の巧みさが見え隠れします。特にフルートをはじめとする木管楽器のキレの良さ、クッキリと浮かび上がるヴァイオリンなどが印象的。さらりと終わりますが、深い印象が残りました。

ユーリ・テミルカーノフの振るレニングラードフィル室内管の「朝」と「昼」ですが、これは名盤と言っていいでしょう。特に「昼」の2楽章は絶品です。ハイドンがこの時代に書いた曲がいかに先進的だったか改めて気づいた次第。テミルカーノフによって、この曲の持つ複雑なニュアンスと劇性、そしてメロディーの美しさ、完成度など群を抜くものであったとわかりました。評価は両曲とも[+++++]とします。

Apple Musicを検索してみると、他にロンドンと驚愕の音源が登録されていますが、ロンドンの方は録音がかなり悪く、驚愕の方も全曲が登録されていないようです。これはさらにLPを探す必要がありそうですね。

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tag : ヒストリカル LP

コルネリウス・マイスター/読響の「朝」「悲劇的」(サントリーホール)

一昨日7月14日は、チケットを取ってあったコンサートに行ってきました。

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読売日本交響楽団:第560回定期演奏会

指揮者のコルネリウス・マイスターは今まで知らなかった人ですが、今回はプログラムにハイドンの交響曲6番「朝」が含まれていたということでチケットを取ったもの。もちろん「朝」は前座で、メインディッシュはマーラーの交響曲6番「悲劇的」。ハイドンにマーラーを組み合わせるというプログラムの妙に加え、ハイドンもマーラーもいくらでも交響曲がある中、6番と6番をもってくる語呂合わせとも思える企画ながら、ハイドンの交響曲の中でも一際爽やかな「朝」と、マーラーの中でもこれまた重苦しい「悲劇的」を組み合わせてくるあたり、一夜のコンサートで音楽の表現出来るコントラストを極めようという粋な企画と見抜きました。チラシの情報ではコルネリウス・マイスターはヨーロッパで最近頭角を現している若手ということでチケットを取った次第。

コルネリウス・マイスターの略歴をあたっておくと、1980年、ドイツのハノーヴァー生まれの指揮者ということでまだ36歳。父はピアニストでハノーヴァー音楽大学の教授、母もピアニストという音楽一家の出身です。ハノーヴァー音楽演劇大学でピアノと指揮を学び、師事した中には大植英次さんも含まれます。またザルツブルクのモーツァルテウムではデニス・ラッセル・デイヴィスに師事しています。2001年からのエアフルト(Erfurt)歌劇場のアシスタント、ハノーヴァー州立歌劇場の首席指揮者を経て2005年にはハイデルベルク州立劇場の音楽監督、2010年からはウィーン放送交響楽団の首席指揮者兼音楽監督に就任するなど飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍しています。コンサートのチラシによると読響を振るのは今回が2度目とのことです。



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このところ仕事がバタバタで連日遅い帰りでしたが、強引にひと段落させて仕事を切り上げ(笑)、サントリーホールに向かいます。東京はなんとなくはっきりしない天気でしたが、幸い雨に当たらずにホールに到着。向かいのオーバカナルで嫁さんと待ち合わせをしていましたので、ビールとサンドウィッチでお腹を落ち着かせて開場を待ちます。

席はいつものステージ右横のRA席。見下ろすとステージ上にはマーラーのために楽器と椅子が所狭しと並べられていますが、そこにハイドンの演奏用にチェンバロが並んでいるのが微笑ましいところ。ステージ上で楽器の調整をする音をBGMに、いつものようにもらったチラシから興味のあるものだけ抜き出したりしてのんびり過ごします。開演時刻になると、客席の明かりがスッとおちて団員がステージ上に登壇。配置された大オーケストラ用の椅子の前の方に弦楽器奏者を中心に少人数のオケが着席してチューニング。この日のコンサートマスターは小森谷さん。ほどなく指揮者のコルネリウス・マイスターが颯爽と登場します。ポスターのイメージとは少々異なり、ミッチー(及川光博)風の明るくコミカルなキャラ。服装もハイドンを意識してか、なんか侯爵風です(笑)。

さっと指揮棒を振り上げ、期待の「朝」が始まります。コルネリウス・マイスターの振る「朝」、絶品でした。もちろんゆったりとした序奏から入りますが、すぐにハイドンらしい快活なメロディーが乱舞。大きめのアクションで各楽器に次々と指示を出して響きを完璧にコントロール。すべてのパートに躍動感を感じさせる大胆なデフォルメを仕込み、インテンポで畳みかけるように疾走するハイドン。特に速い音階のキレに徹底的にこだわり、朝にふさわしい爽快感に満ちた響きを創り出していきます。読響もマイスターの指示に完璧に応じて見事な演奏。特にフルートの音階のキレ、艶やかなファゴットの響き、ホルンのリズムの正確さ、小気味良い小森谷さんのヴァイオリンソロともに絶品でした。音楽は完全にコルネリウス・マイスターのもので、かなり大胆なコントラストをつけての演奏ながら、自然なハイドンの音楽の美しさを乱さぬもので、これほど快活かつ爽快な朝はこれまで聴いたことが無いほど。コンサート会場に駆けつけた観客のほとんどはマーラー目当でしょうが、ハイドン目当ての私には、この「朝」でコルネリウス・マイスターの非凡さを見抜きました。この音楽の構成力とオケの掌握力は只者ではありませんね。もちろん前座のハイドンで会場にただならぬ興奮をもたらしたコルネリウス・マイスターに拍手の嵐が降り注ぎました。いやいや本当に素晴らしかった。

15分の休憩を挟んで、今度はマーラー。しかも最も暗澹たる6番です。

私も若い頃は(笑)マーラーは好きでしたが、最近家でマーラーを聴くことは滅多にありません。マーラーやブルックナーはコンサートで爆音を浴びる快感に浸るための音楽という感じ。特にこの6番は1979年のカラヤン、ベルリンフィルのコンサートを聴きにいったのが懐かしく思い出されます。方南町の巨大な普門館でのコンサートでしたが、ベルリンフィルをもってしても、このホールの巨大な空間は広すぎる感じで、予習のために買ったLPで刷り込んだ機械仕掛けのような精密な演奏を頭のなかで響かせながら生のコンサートを聴くような不思議な体験でした。当時はアンダンテ・モデラートが3楽章に配置され、カラヤンの繰り出すビロードのような弦の響きが印象に残っています。以降、6番はよく知る曲ですが、あんまり集中して聴いた覚えの無い曲です。

前半のハイドンで圧倒的な存在感をみせたコルネリウス・マイスターですが、後半のマーラーも制御力は圧巻でした。冒頭から大きめのアクションでオケを制御するのはハイドンと同様でしたが、楽器の数と楽譜の複雑さは桁違い。音楽の方向性は全く異なりますが、制御能力はマゼールを思わせる緻密なもの。1楽章はやはりフレーズごとにところどころに大胆なデォルメを効かせて、精緻さと、ほのかなグロテスクさと、深い彫りを感じさせる演奏。基本的にきっちりとした制御が行き届いているので、バーンスタインのようなおどろおどろしい感じはせず、ディティールはダイナミッックですが全体的にスタティックな感じを受ける演奏。この辺はマーラー好きな方から好き嫌いが分かれるところかもしれませんね。ただ、このマーラーでも読響の演奏精度は素晴らしかった。ミスらしいミスは全くなく、完全にコルネリウス・マイスターの棒に応えていました。前半のハイドンで脳内に満ちていた幸福物質が、マーラーの分裂的音楽の大音響によってかき消され、両曲が作曲された間の140年間に音楽というものがたどった変化の大きさを改めて感じた次第。マーラーが音符と楽器と規模を変えて繰り出す音楽は、我々の脳の「音を楽しむ」中枢ではないところに大きく働きかけ、全く異なる衝撃をもたらします。ステージ奥でカウベルが鳴り、ハープやチェレスタがメロディーではなく響きを置いていくように配されることもハイドンの時代とは全く異なるもの。コルネリウス・マイスターの指揮は、マーラーの音楽の深層心理的側面ではなく、複雑に折り重なる響きのコントロールの快感に訴えるものと言っていいでしょう。それを象徴するのが時折はっとさせる大胆なデフォルメ。特にヴィオラには印象的なボウイングを度々指示して、マーラーの音楽の複雑な響きに特徴的な個性を与えるのに貢献していました。

そして、この日の音楽の深さを印象づけたのが楽章間の長い間。1楽章最後の音の余韻が消えさると、客席の緊張も解け、咳ばらいが聞こえますが、その咳払いが静まってもコルネリウス・マイスターはしばらく微動だにしません。観客の視点がマイスターの動きに集中して完全な無音が訪れ、しばらくその無音に吸い込まれるような時間を皆が共有したところで、すっとタクトが上がり、マーラーの天上の音楽に入ります。ヴァイオリンの奏でる微音が静寂にすっと浮かび上がる絶妙な入り。ホールの観客ごと制御するマイスターの手腕に驚きます。

ハッとさせられるような美しいヴァイオリンの響きで始まるアンダンテ・モデラートですが、音楽が進むにつれてマイスターによる響きの制御が行きわたり、音楽の一音一音のディティールにフォーカスを合わせた展開。カラヤンの流麗さとは対極にある演奏です。ちょっと思い出したのが、以前聴いたデニス・ラッセル・デイヴィスの振る読響での惑星。

2015/07/27 : コンサートレポート : デニス・ラッセル・デイヴィス/読響の惑星(みなとみらいホール)

このディティールへの執着は、師事していたデニス・ラッセル・デイヴィスと同じようなものを感じます。デニス・ラッセル・デイヴィスの方がより灰汁の強い感じがしますが、パートごとに巧みに表情を変えていくあたりはディヴィスの手法を受け継いているのでしょう。このアンダンテ・モデラートでは、マーラーの音楽の持つ天上的美しさと分裂的展開の拮抗に対して、マイスターの制御過剰的側面が分裂よりに音楽をシフトしてしまった印象もありました。続くスケルツォへの間も同じく長くとり、最初の1音へ集中。このスケルツォと終楽章は逆にマイスターの制御によってマーラーの複雑な音楽を解き解しながら進める快感を味わえました。カラヤンは曲全体の構造を見据えた大局を踏まえた展開を得意としていますので、大波のような盛り上がりに力点を置いていましたが、マイスターはディテールの彫りの深さに集中しているよう。それだけにオーケストラコントロールは圧倒的な迫力を帯び、大編成の金管楽器群、ハープやチェレスタなどの特殊な音色をもたらす楽器、カウベル、ドラ、ハンマー、2台のティンパニなどの打楽器群が大活躍。読響も完璧な仕事で応えていました。生のコンサートゆえ、終楽章で打楽器奏者がハンマーを振り上げステージを揺るがすような一撃を加えるところは圧巻。バックスイングがステージ裏のお客さんの目の前だったのも迫力十分。フレーズの離合集散を繰り返しながらフィナーレに至る長大な終楽章を見事に制御しきって、最後の一音がサントリーホールの静寂の中に消え、やはり微動だにしないコルネリウス・マイスターがすっと力を抜いた瞬間、拍手が降り注ぎました。この日の観客はマイスターの躾が行き届いていたので、最後の余韻を十分に堪能できました。



コルネリウス・マイスターのオーケストラコントロールは圧巻でしたので、観客も大編成のマーラーを堪能したことでしょう。私はもちろん、前半のハイドンの素晴らしさでコルネリウス・マイスターという人の音楽が心に刻まれました。マーラーについても素晴らしい演奏でしたが、私のハイドンに対する姿勢同様、マーラー好きな人からは意見が分かれる演奏だったかもしれませんね。なにしろマーラー好きの日本人はアバドやバーンスタイン、インバルらの名演奏が刷り込まれ、最近も多くの名演奏が都内のコンサートで聴ける環境にありますので(笑)。

コンサートのパンフレットによると、コルネリウス・マイスターは2018年のシーズンから読響の首席客演指揮者に就任するとのこと。また、カンブルランの後を受けて、同じく2018年のシーズンからシュツットガルト歌劇場の音楽監督になるとのこと。これからが楽しみな人ですね。今後、読響でのコンサートプログラムは注目要です。

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tag : マーラー サントリーホール

【新着】ハリー・クリストファーズ/ヘンデル&ハイドン・ソサエティの朝、熊など

今日は久々の新着アルバム。

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ハリー・クリストファーズ(Harry Christophers)指揮のヘンデル&ハイドン・ソサエティ(Handel and Haydn Society)の演奏で、ハイドンの交響曲6番「朝」、ヴァイオリン協奏曲(Hob.VIIa:4)、交響曲82番「熊」の3曲を収めたアルバム。ヴァイオリン協奏曲のソロはアイスリン・ノスキー(Aisslinn Nosky)。収録は2013年2月22日、24日、ボストンシンフォニーホールでのセッション録音。レーベルはCOROというところ。

ハリー・クリストファーズのアルバムははじめて聴きます。

ハリー・クリストファーズは1953年、ロンドンの南東約50kmのところにあるグードハースト(Goudhurst)生まれの指揮者。ザ・シックスティーンという合唱と古楽器オケの創設者として知られている人。

Handel and Haydn Society

ヘンデル&ハイドン・ソサエティはなんと1815年設立のアメリカ最古のオーケストラ。2年後には創立200年を迎えます。ボストンを本拠地とする古楽器オケです。文字通りヘンデルやハイドンの時代の音楽を得意としてるのはもちろん、ヘンデルのメサイアのアメリカ初演(1818年)をはじめとして、ハイドンの天地創造(1819年)、ヴェルディのレクイエム(1878年)、バッハのマタイ受難曲(1879年)など有名曲のアメリカ初演をこなしてきた名門オケ。ハリー・クリストファーズは2008年からヘンデル&ハイドン・ソサエティの音楽監督となっています。それに先立ち、2006年9月にはアイゼンシュタットのエステルハージ宮殿でヘンデル&ハイドン・ソサエティとのコンサートを成功させているとのこと。日本ではハイドンの演奏が広く知られているわけではなさそうですが名門に間違いありませんね。

クリストファーズ体制になった新生ヘンデル&ハイドン・ソサエティの実力はいかばかりのものか、当ブログで取りあげない訳には参りません。

Hob.I:6 / Symphony No.6 "Le matin" 「朝」 [D] (1761?)
出だしの朝。通例朝、昼、晩と組み合わせて録音されることが多いので、このアルバムの組み合わせは珍しいですね。冒頭からまとまりの良い古楽器の響き。特にアクセントをしっかりつけて力強さをきっちり表現していきます。音量を絞って聴くと少し凡庸な演奏に聴こえなくはないのですが、ヴォリュームを上げててみると、なかなかの迫力。クレッシェンドに勢いがあり、なかなか痛快。ホルンのはじけっぷりを聴きたいところですが、なぜかホルンがすこし控えめの演奏。奏者一人一人のキレっぷりはほどほどですが、アンサンブルのコントロールで聴かせるという感じでしょうか。
アダージョはしなやかと言うより軽快さがポイントの演奏。古楽器本来の音色の魅力を活かしたものでヴァイオリンソロは次のヴァイオリン協奏曲でソロを務めるコンサートマスターのアイスリン・ノスキーでしょうか。渋めの音色で淡々と弾いていくタイプ。割と好きなタイプのソロです。適度なリアリティと適度な残響でボストンシンフォニーホールの響きを活かした録音。
続くメヌエットでもくすんだ古楽器ならでは音色を活かした素朴な演奏。自然な印象からまるでライヴを聴いているよう。セッション録音らしい磨かれた演奏ではなく、一発録りのような印象。コントラバスの唸りがかなりヴォリューム感で録られていて妙にリアル。
ちょっと雑に聴こえるような素朴なフィナーレ。すこし重さを感じるオケの反応。ここはすっきりキレてほしいところですが、妙に生々しい印象もあり、不思議な感触。ザラッとした感触は往時のブリュッヘンと18世紀オーケストラに近い印象もありますが、ブリュッヘンのようなガッチリとした迫力ではなく、音楽の流れが多少たどたどしいく武骨な感じがします。それはそれで独特な印象。不思議な存在感を感じる演奏です。

Hob.VIIa:4 / Violin Concerto [G] (c.1765/70)
この曲、少し前に取りあげた、マルク・デストリュベの素晴しい演奏がまだ耳に残っていますが、その演奏に非常に響きが近いですね。前曲で感じた素朴な古楽器オケの響きのよさをそのままの響きから入り、ソロのアイスリン・ノスキーの少し線の細いヴァイオリンが華麗に応じます。デストリュベのキレキレの演奏とは少し差があるものの、なかなか良い線行ってます。この曲のオーソドックスな秀演と聴きました。線の細さを逆に活かして、すっきりとしたカデンツァは悪くありません。
アダージョに入るとノスキーのヴァイオリンが活き活きとしてきます。一段ギアが上がった感じで、音楽にも生気が漲ってきました。この曲のしなやかさがよく表現できています。
フィナーレは前曲とは異なり、しっかりキレて来ます。キレる所でキレるのは大事です(笑)

Hob.I:82 / Symphony No.82 "L'Ours" 「熊」 [C] (1786)
そして、期待の熊。残響の印象がちょっと変わります。冒頭から鬼のような迫力。力入ってます! なりふり構わずはじけるような演奏。まるでライヴのよう。アンサンブルの精度はほどほどながら、やはり音楽は迫力だと言わんばかりの力の入り方。この演奏を生で聴いたら、迫力にのまれそう。熊の1楽章は構築感やメロディーの美しさの表現で聴かせる演奏も多いなか、ここまで力感で押してくるとは思いませんでした。
ここでアレグレットをすこし引いてくると思いきや、音量はともかくテンションが下がりきりません。フレーズ事の変化も大きくなく、せっかく1楽章でびしっと迫力を印象づけたのに、入りからちょっと単調な印象を残してしまいます。この辺にもうすこし対比がつくと深みが出そうです。この楽章も中間部の迫力はかなりのもの。終盤意外にもテンポを結構動かしてきます。
楽章毎に印象が少し変わり、メヌエットはなかなか。力感も適度な範囲で、ブリュッヘンのようなおどろおどろしい迫力を感じさせます。音楽がコントロールされています。フィナーレにもいい流れが続いて、音楽が弾み、ハイドンの書いたフィナーレのメロディーの絡み合いとダイナミクスが実にうまく表現されていきます。終盤の畳み掛けるような迫力も見事。1楽章冒頭同様の鬼のような迫力が戻ってきました。最後はものすごい迫力でフィニッシュします。

ボストンの名門、ヘンデル&ハイドン・ソサエティのハイドン名曲集。アンサンブルの精度はほどほどなものの、ハイドンに対するリスペクトがエネルギーとして結集したような演奏でした。朝とヴァイオリン協奏曲は古楽器の素朴なまとまりのよい演奏。熊は弩迫力の演奏でした。ちょっと先入観が強かったのか、熊の2楽章に違和感を感じてしまいましたが、この曲の演奏としてはかなり迫力重視。もしこのアルバムがライヴであったら、即興性も加わり、違った印象になったかもしれませんね。演奏者の視点で聴くと興味深い演奏かもしれません。評価は3曲とも[++++]としておきましょう。

ハリー・クリストファーズ指揮のヘンデル&ハイドン・ソサエティにはもう一枚ハイドンの交響曲85番「王妃」を入れたアルバムがあり、こちらも注文中。もう一枚くらい聴いてみないと、彼らの音楽をつかみきれない感じです。

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tag : ヴァイオリン協奏曲 古楽器

【新着】クイケン/ラ・プティット・バンドの「朝」、「昼」、「晩」

久々の新着アルバム。引越し後はじめてHMV ONLINEからの荷物到着。

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HMV ONLINE

シギスヴァルト・クイケン(Sigiswald Kuijken)指揮のラ・プティット・バンド(La Petite Bande)の演奏による、ハイドンの交響曲6番「朝」、7番「昼」、8番「晩」の3曲を収めた最新のアルバム。収録は2012年1月9日から12日にかけて、ベルギー北部のオランダ国境に近い街モル(Mol)にあるギャラクシースタジオでのセッション録音。レーベルはベルギーのACCENT。

クイケンはハイドンの交響曲をかなり録音しており、手兵、ラ・プティット・バンドとザロモンセットや初期交響曲、エイジ・オブ・エンライトメント管弦楽団とパリセット等があります。クイケンの特徴はしなやかなオーソドックスな演奏で曲自体に語らせるというスタイル。聴き進めるうちにじわりと曲の魅力を感じる演奏です。いつもどおり、これまで取りあげたクイケンの演奏のリンクを張っておきましょう。

2011/11/23 : ハイドン–室内楽曲 : クイケン・アンサンブルによる「ロンドン・トリオ」
2011/09/14 : ハイドン–声楽曲 : シギスヴァルト・クイケン/ラ・プティット・バンドのテ・デウム
2011/07/04 : ハイドン–オラトリオ : クイケン/ラ・プティット・バンド1982年の天地創造ライヴ
2011/07/02 : コンサートレポート : シギスヴァルト・クイケン/ラ・プティット・バンドのブランデンブルク協奏曲
2010/03/22 : ハイドン–交響曲 : クイケンのザロモンセット
2010/03/21 : ハイドン–交響曲 : クイケンのパリ交響曲集

クイケンとラ・プティット・バンドの演奏は昨年、東京オペラシティでブランデンブルク協奏曲を聴いていますが、アルバムから感じる緻密な響きよりも、音楽の演奏を楽しむような余裕ある演奏姿勢に打たれました。コンサートという緊張感はなく、まさに練習場で音楽を演奏する事を自分が楽しむような風情でした。

このアルバムはこれまでのクイケンのハイドンの交響曲の録音のカタログにはなかったものですが、ちょっと聴くとその演奏にはコンサートの時の余裕まで録られてました。

Hob.I:6 / Symphony No.6 "Le matin" 「朝」 [D] (1761?)
どちらかというと遅めのテンポで入ります。ライナーノーツによると第1、第2ヴァイオリン、フルート、オーボエ、ホルンが2台、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、バスーンが1台という小編成オーケストラ。キレとかメリハリとかをことさら感じさせるのではなく、淡々としなやかに曲をこなしていくまさに大人の演奏。最新の録音らしく響きの余韻が美しい非常に鮮明な録音。特にすこし強調されたホルンの音色に耳が奪われます。曲を完全に掌握して、小細工等は一切なくまさに淡々と進みます。
アダージョは弦楽器の繊細な響きの織りなす綾の美しさに打たれます。やはり完璧にリラックスしたような各奏者が繰り広げる音楽はクイケンの最小限のコントロールにより極めて自然な音楽。最後の静寂に響きが消えていく様子は息を飲むほど。
メヌエットはコントラバスが大活躍。ここでも自然な音楽。ことさらメリハリを強調することなくしっとりと染み入るようなメロディーラインを各奏者が重ねて行くことで豊穣な音楽が生まれています。
フィナーレはちょっと驚くほどテンポを落とした入り。クイケンにしては踏み込んだ解釈でしょう。フィナーレの本来は快活な響きをスローモーションで聴くような独特な印象。曲を振り返って味わい尽くすという意図でしょうか。遅いだけに各楽器のメロディーの美しさとその引き継ぎなどが克明に聴こえ、曲を分解してみたような不思議な感覚。

Hob.I:7 / Symphony No.7 "Le midi" 「昼」 [C] (1761?)
響きも解釈も前曲とかなり一致するツブのそろった演奏。以降のレビューは簡単に。やはり曲を演奏者が楽しむような、ゆったりとしたテンポにのったのどかな演奏。5楽章構成のこの曲は朝ほどの仕掛けはなく、どの楽章ものびのびとした自然なもの。心なしかメリハリもキリッとして、曲自体を存分に楽しめます。

Hob.I:8 / Symphony No.8 "Le soir" 「晩」 [G] (1761?)
このアルバムの中で最もオーソドックスな演奏。1楽章には覇気と生気が漲り、2楽章のアンダンテは静けさを感じる精妙なヴァイオリンの音色にうっとり。メヌエットもフィナーレも期待通りのしなやかなソノリティを感じさせる演奏。このオーソドックスさは貴重ですね。

シギスヴァルト・クイケンと手兵ラ・プティット・バンドによるハイドンの「朝」、「昼」、「晩」はクイケンの最近の演奏の特徴を踏まえた、程よく力の抜けた演奏ですが、根底には非常にリラックスして弾いているラ・プティット・バンドの高い技術があり、また色づけを感じさせないと言うようり、非常に透明度、純度の高い音楽になっています。まさに期待通りの演奏です。強いてあげれば朝の終楽章が、この曲としては異例の遅いテンポをとっているのが目立ちます。クイケンの意図かと思いますが、私の印象は普通のテンポだった方がしっくりくる感じでした。評価は朝が[++++]、その他は[+++++]とします。

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tag : 古楽器

ヘスス・ロペス=コボス/ローザンヌ室内管の「朝」

今日は実ははじめて手に入れた高音質CD。

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ヘスス・ロペス=コボス(Jesús López-Cobos)指揮のローザンヌ室内管弦楽団(Orchestre de Chambre de Lausanne)の演奏で、ハイドンの交響曲6番「朝」、7番「昼」、8番「晩」の3曲を収めたアルバム。収録は1991年2月15日から17日、スイスのラ・ショード・フォンのムジカ・テアトルでのセッション録音。手に入れたアルバムはDENONのHi Quality CDというシリーズのもの。

自宅のCDプレーヤーはただのCDプレーヤーでSACDにも対応していないので、普段は高音質のアルバムを意識して探している訳ではありませんが、ちょうどこのCDの現役盤が高音質CDだったということで、音質目当てではなく入手した次第。どちらかと言うと国内盤はあまり好きではなく、輸入盤の方が面白いものが多いので、国内盤であるという点でも所有盤としては珍しいもの。まあ、DENONなので輸入盤も何もありませんが(笑)

CDの帯には「ONE POINT EDITION」とか「2本のメイン・マイクロフォンのみによるピュアな高音質録音を高音質CDで聴く」とか、気になる人には気になるコピーが踊ります。国内市場ではこういった魅力の打ち出し方をしないとCDが売れないのかもしれませんね。

今日は視点を変えて、ヘスス・ロペス=コボスのこのアルバムを録音という視点を中心にレビューしてみましょう。

ヘスス・ロペス=コボスの演奏はこれまで2枚取りあげています。演奏者についてはそちらをご参照ください。

2012/02/01 : ハイドン–交響曲 : ヘスス・ロペス=コボス/ローザンヌ室内管のアレルヤ、ラメンタチオーネ、ホルン信号
2011/01/10 : ハイドン–協奏曲 : ナカリャコフのトランペット協奏曲

上の交響曲のアルバムは、堅実なヘスス・ロペス=コボスの指揮と、こちらもラ・ショー・ド・フォンでの名録音が相俟って素晴らしい演奏だったもの。ハイドンの交響曲の演奏の模範的名演と言える出来でした。今回もラ・ショー・ド・フォンでの録音ゆえ、音質は期待通りだと思いますが、最近流行の高音質CDということで、音質、ことさら音楽のリアリティ、キレがさらに良く聴こえるのかどうなのかがポイントになるかと思います。

今日は時間の都合から交響曲6番「朝」のみ取りあげようと思います。

Hob.I:6 / Symphony No.6 "Le matin" 「朝」 [D] (1761?)
気のせいか、はたまた本当に音が良いのか、聴き慣れた朝のメロディー、立体感と粒立ちがかなり良く聴こえます。オケが前にせり出して演奏している感じ。ヘスス・ロペス=コボスの指揮は、先日のホルン信号同様キリッとした秩序あるコントロール。速めのテンポでくいくい攻めて行きます。以前の記事でも触れましたが、デニス・ラッセル・デイヴィスの演奏に生気を吹き込んだような演奏。なんとなく奥行きや定位感がよく、音楽が活き活きししたように聴こえます。
意外でしたが録音の良さが際立つのは静かな2楽章。広い音場に響き渡る、そっと奏でられるメロディー。これはいいですね。少ない楽器が絡み合う様子が手に取るようにわかり、しみじみと音楽を楽しめます。迫力やダイナミックレンジを聴くというより、静かな音楽が本当に静かに落ち着いて聴こえるというのはいいものですね。オーディオ的な仕組みや理論にはあまり入り込みたくはないのですが、この肌合いの違いは確かなもの。CDのポリカーボネート素材などの違いは確かに音質の違いを生むようですね。
3楽章のメヌエットは、彫刻的なオーケストラの存在感と各楽器の音色の色彩感の鮮度が聴き所。溶け合う弦楽器、フルートの膨らんだ音色、オーボエやファゴットの柔らかな響き。まさに家の中にオーケストラがやってきたような絶妙の響きが聴かれます。律儀な演奏だけに音色の解け合いと立体感に聴神経が集中します。
フィナーレも破綻なく、速めのテンポによる安定した演奏。ラテン系のスペイン人ながらスワロフスキーに教わっただけに、誠実堅実な音楽を奏でます。まさに教科書的な誠実な演奏。フィナーレも力みすぎず、本当に誠実な演奏ですね。

続く昼も、音響的なソノリティーを存分に楽しめる演奏と録音ですが、紹介はまたの機会に。

ヘスス・ロペス=コボスの誠実な演奏を、極上の響きのラ・ショー・ド・フォンのホールで、最上のワンポイント録音、そしてそれを高音質CDに焼いたもの。演奏自体は生真面目さを感じるくらい誠実、律儀な演奏で、これもハイドンの一面を表すもの。そしてその演奏が、極上の響きで部屋に再現される素晴らしいプロダクションといえるでしょう。演奏自体の評価は[++++]とします。ただしこのアルバムには素晴らしい録音という付加価値があり、オーディオ的な面や、演奏する方が見本として聴くなどの聴き方には非常にいいアルバムだと思います。やはりこの静けさと立体感は普通のCDとは違う魅力をもっていますね。今までは食わず嫌いでしたが、レーベルごとにいろいろ高音質のものが出ているようですので、すこしかじってみたいと思います。

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tag : 高音質CD

橋本英二/18世紀音楽アンサンブルの初期交響曲集

前記事のパトリック・ガロワ初期交響曲集を聴いて、もう少し初期のものを聴きたくなった次第。最近手に入れた1枚ですが、これが驚きの出来。

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橋本英二(Eiji Hashimoto)指揮の18世紀音楽アンサンブル(Ensemble for Eighteenth Century Music)の演奏で、ハイドンの交響曲4番、6番「朝」、9番、13番の4曲を収めたアルバム。収録は1997年5月23日から25日、アメリカ、オハイオ州のシンシナティにあるシンシナティ大学音楽院のコルベット・オーディトリウムでのセッション録音。レーベルは以前シェンクマンのピアノソナタで取りあげたアメリカ、ロスのCENTAUR。

橋本英二は日本人のハープシコード奏者、指揮者。本人のサイトがありますのでリンクを張っておきましょう。

EIJI HASHIMOTO(英文)

私はもちろん、はじめて聴く人。生年などはわかりませんが、1975年から2000年まで、このアルバムのオケである18世紀音楽アンサンブルの音楽監督の立場だったようですね。このオケは録音場所であるシンシナティ大学音楽院のオーケストラのようです。他に1991年から93年まで日本の津田コンソート、1996年から98年までイタリアのルッカ室内管弦楽団の音楽監督も務めていたとのこと。2001以降、現在までシンシナティ大学音楽院の名誉教授の地位にあるようです。なお、日本でもリサイタルを開いたり、「バロックから初期古典派までの音楽の奏法―当時の演奏習慣を知り、正しい解釈をするために」というような著書があったりと、本人のサイトは英語版しかないのですが日本でもご存知の方は、ご存知でしょうか。

このアルバム、はじめにバラしちゃいますが、久々に心に深く残る交響曲の演奏。絶品です。

Hob.I:4 / Symphony No.4 [D] (before 1762)
現代楽器のオケらしい引き締まった響きではじまります。若手中心のオケのようですが、溌剌とた生気にあふれてなかなかいい演奏。1楽章はかなり弾んだ感じがいいですね。ハイドンの交響曲に込められたエネルギー感が上手く出せています。抑えた部分の表現も上手く、曲が立体的に浮かび上がります。
絶品なのが2楽章のアンダンテ。シュトルム・ウント・ドラング期を彷彿とさせる素晴らしいうら悲しさを表現。いきなり濃い情感があふれます。ハイドンの時代にタイムスリップしたような素晴らしい響き。
フィナーレは一転して鮮度あふれる響き。清々しいリズムの繰り返し。ハイドンの曲の真髄をつく表現。

Hob.I:6 / Symphony No.6 "Le matin" 「朝」 [D] (1761?)
普通は「昼」と「晩」とセットで演奏されることが多いですが、ここでは「朝」のみでの演奏。ここでも清々しいリズムが基調となってハイドンの曲の晴朗な響きの魅力が溢れます。キレのいいオケに支えられた、何もしていないように聴こえるのに豊かな音楽。抜群のセンス。
2楽章のはじまりに意外に心にぐさっと刺さるアクセント。じつに味わい深い演奏。表現欲ではなく心からにじみ出る音楽の浸透力。最後のアダージョも絶品。
メヌエットはリズム感のよいこの演奏の特徴が良く出たもの。暖かみに溢れた弦楽器と各楽器が次々と繰り出す美しいメロディー。究極の自然さ。若々しい奏者が演奏する諦観すら感じさせる枯れたメロディー。
期待のフィナーレ。ここでも落ち着き払ったコントロール。アメリカのオケである事を忘れさせる、非常に慎み深い音楽。2曲聴いたところでこのアルバムの凄さがわかってきました。

Hob.I:9 / Symphony No.9 [C] (1762?)

10分ほどの短い曲。オケが木質系の実にいい響き。録音もオンマイク気味ながらオケの自然な楽器の音が良く録られて秀逸。この曲でもリズム感の良さは素晴らしいもの。オケのキレも抜群。
2楽章は癒しに満ちたシンプルなアンダンテ。こうゆう短い曲の美しさにハイドンの天才を感じてしまいます。何の外連味もなくすんなり進むアンダンテ。
3楽章構成の3楽章はメヌエット。この曲もシンプルそのもの。心を洗われるような純粋無垢な曲。

Hob.I:13 / Symphony No.13 [D] (1763)

何でしょう、この愉悦感に満ちた導入。これ以上弾む演奏はあり得ないほどの素晴らしいリズム。この曲のみティンパニが加わり、しかもそのティンパニが慎ましやかにそっとなでるだけのような絶妙な存在感。天才的なコントロール。素晴らしすぎて言葉になりません。展開部は音量はほどほどなのに転調とリズムで攻め込む感じを上手く演出。ホルンも強調しすぎる事なく絶妙のサポート。絶品!
2楽章はアダージョ・カンタービレ。チェロのソロがゆったりとメロディーを奏でる曲。ソロの自然さも素晴らしいもの。
3楽章のメヌエットは今までの曲よりも本格的なもの。リズムの面白さが際立ちます。中間部の静かな曲想も斬新なもの。そしてざっくりえぐるようなメロディーにもどってオケが鳴りきります。
フィナーレはモーツァルトのジュピターのようなメロディーが出現することで知られる曲。橋本英二のコントロールはここでも自然さを保ちながら、必要十分なメリハリと中庸の美学を地でいくもの。それにしても彫りの深い立体感溢れる音響は流石のもの。この曲も抜群でした。

正直存在も、名前も知らなかった橋本英二の指揮する18世紀音楽アンサンブルによるハイドンの初期交響曲集。これは絶品。初期交響曲の現代楽器による演奏の一押しのアルバムです。このような素晴らしいハイドンの演奏があったかと、今更知った次第。ハイドンはいろいろ聴いているつもりですが、まだまだ修行が足りません。評価はもちろん全曲[+++++]です。ハイドンの交響曲好きなすべての人に聴いていただきたい、じわりとくる名演奏です。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : 交響曲4番 交響曲9番 交響曲13番 ハイドン入門者向け

カンブルラン/読売日響の朝、昼、晩

本日は夕方からサントリーホールに読売日響のコンサートに。今日はのんびり出かけたので、開演前のアンデルセンでビールを飲む時間の余裕がありませんでした(笑)
仕方なく、広場をうろうろして、すぐにホール内に。

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開場直後のサントリーホール前の広場(アーク・カラヤン広場)

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ブルーのライティングで雰囲気を盛り上げます。

今日は以前、同じくカンブルランと読売日響のジュピターと春の祭典などを聴いた時に座って気に入った、2階席のオケ裏、指揮者から見て右手の席です。この席だと回り込みにくいヴァイオリンの音色がダイレクトに届き、またオケを俯瞰できるので、指揮者のコントロールが手に取るようにわかります。

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開演前に密かにパチリ。今日の席からの眺め。

席を確かめたうえで、2階のラウンジで赤ワインをたのんで、開演前のざわめきを肴に喉を潤します。ちょっと注文はサントリーがやってるホールなのに赤ワインが冷蔵庫温度なこと。もうすこし温度を上げて赤の余韻を楽しみたいところですね。

コンサートの情報は先日紹介しましたが、もう一度貼っておきましょう。

読売日響:第532回名曲シリーズ

前半はハイドンの交響曲6番「朝」、7番「昼」、8番「晩」。オケの人数はやはり多めヴァイオリンだけで20人以上でしたね。ホルンは2本。

すでにツィッターなどでもレビューが上がってますが、カンブルランのハイドンは良かったですね。キビキビした速いテンポで、生き生きとした演奏。後半がストラヴィンスキーの火の鳥ということで、プログラム的にはまさに前座なんですが、演奏の濃さは負けてませんでした。

オケを俯瞰しながら聴く「朝」、「昼」、「晩」は面白いですね。ハイドンの楽譜の妙がよくわかります。ヴァイオリン、チェロ、フルート、オーボエ、コントラバスとかわるがわるソロを担当し、掛け合いがあったりとこの3部作の魅力がよくわかりました。今日のコンサートマスターはデヴィッド・ノーランさん。ヴァイオリンは音が揺れる感じの鳴くヴァイオリンと言う風情。先日のセント・ルークス室内アンサンブルのヴァイオリンソロの凛々しい感じとは全く違うヴァイオリン。これはこれで有りですね。ソロの中ではフルートが絶品。コントラバス、チェロも良かったですね。

驚いたのは2曲目の「昼」の1楽章。速さもさることながら、素晴しい力感で1楽章から渾身のテンション。ここにフォーカスをあわせた演奏ははじめて。これも楽譜の読みなんでしょうね。期待の「晩」の2楽章は、予習しすぎて期待が膨らみすぎました(笑)。ちょっと浮き足立った感じが最後まで残り、究極のリラックスとは行きませんでした。良かったのが終楽章。3部作のフィナーレ的な位置づけで、盛り上がりも十分。会場からブラヴォーの嵐でしたね。

ハイドンを十分楽しんで休憩に。

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さきほどワインで喉を潤したので、今度はプレミアムモルツを。休憩中に一杯飲んで、ざわめきを楽しむのはいいものですね。手酌でちょびちょびやりながら、後半のストラヴィンスキーの開始を待ちます。

ホールに戻ると、オケ席外のオルガン下にも譜面台があります。団員の入場がはじまり、さきほどの席にも団員が計7人。センター、左中間、右中間に計3人のトランペットソロ、そしてセンター左脇に、何と言う楽器でしょう、姿はチューバですが、大きさはトランペットよりちょっと大きな楽器が4本並びます。

客席に楽器が入るコンサートはこれで4回目。最初は小澤征爾と新日本フィルのマーラーの8番。天上からトランペットの号砲が降り注ぎビックリしました。つづいて声ですが、タリス・スコラーズのコンサートで客席奥から素晴しい声がしてビックリ、そしてアダム・フィッシャーの昨年のサントリーホルでのコンサート「報いられた誠意」序曲でホルンが客席奥から鳴らされるアンコールの演出。客席に楽器が入ると何となくそわそわしますね。

火の鳥は冒頭からカンブルランの緻密なコントロールとフランス人ならではの色気のある音色が素晴しい演奏。ハイドンで響きの純度と規律の楽しみを味わった後、フル編成のオケの大迫力に撃たれました。先日の春の祭典の原始の炸裂も素晴しかったんですが、火の鳥の方はフルオーケストラのそれぞれのパートが次から次へとメロディーをつなぎながらクライマックスにいたる長大なメロディーのような構成で、カンブルランの長所が春の祭典よりも出ているようでした。打楽器陣も完璧な仕事ぶりで、ティンパニも登場回数は多くないものの、完璧。
フィナーレはホールが吹き飛びそうになるような大音響で盛り上がりも最高。こちらもブラヴォーの嵐で、楽しめましたね。今までストラヴィンスキーといえば、春の祭典とペトルーシュカで、火の鳥はちょっと格下と見ていましたが、実演に接してなるほど、良い曲と見直した次第です。

今日の入りは8割ほどでしたでしょうか。日曜なので6時始まりで8時過ぎには終わるので後が楽で良いですね。

コンサートを存分に楽しんだあと、今日はコンサート前に腹ごしらえをしなかったので、お腹がすいてきました。そこでサントリーホールの目の前、アンデルセンの並びのAUX BACCHANALES(オー・バッカナル)赤坂店へ。オー・バッカナルは以前は職場が赤坂見附だったので、ホテルニュー・オータニの1階にある紀尾井町店にはよく寄ってました。いつもギネスにつまみを頼んで遅くまで飲んでいたものです。一度小澤征爾さんが隣の席で飲んでいたこともありましたね。機転の利くギャルソンさんと美味しい料理のカジュアルなフレンチのお店です。

AUX BACCHANALES

すぐに赤ワインを注文。ホールのワインとは違いいい温度(笑)

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ハウスワインですが、そこそこいい余韻。

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トイレに入ったら、アールデコ調の雰囲気の良い照明が。

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頼んだのは2500円のディナーメニュー。前菜とメインを一品づつ指定できます。今日の前菜はスープと温製サラダをセレクト。

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メインのポークカツレツとサーモンのソテーをセレクト。お腹がすいていたので多めのポーションでもちょうど良かったです。どちらもはっきりとした味付けで美味しかったですね。

コンサートの余韻を楽しみながらしばしゆったりして、さきほど帰宅しました。コンサートでいつももらうチラシでも眺めながら次に行くコンサートでも考えましょうか。もう一杯飲んで寝ます。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : 読売日響 サントリーホール

プロフィール

Daisy


Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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