国立劇場「三千両初春駒曳」

昨日4日は久々の国立劇場での歌舞伎見物。

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国立劇場:初春歌舞伎公演「三千両初春駒曳(さんぜんりょうはるのこまひき)」

この日の演目は辰岡万作という人が書いた「けいせい青陽●(はるのとり)」(●は集偏に鳥)という物語をもとにした通し狂言。原作の初演は寛政6年(1794年)、大阪角座。この作品自体当時は受けたもののその後上演されなくなり、部分的に歌舞伎として残りましたが、それでもその一部の最後の上演も昭和62年とだいぶ前。今回は原作をもとに1から再構成して序幕から大詰まで6幕9場の通し狂言として作り上げたもの。

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毎度こじつけで申し訳ありませんが、1794年といえばハイドンが第2回のロンドン旅行に出かけ、「時計」や「軍隊」を作曲した年であり、同じ空気のもと生まれたものでもあります。

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国立劇場はお正月らしく、華やかな雰囲気が漂っていました。国立劇場での公演はいつもの歌舞伎座とは趣向が異なり、アカデミックな印象のものが多いですね。今回の公演も新たに作り上げるのに相当な苦労が合った事と推察されます。チケットが歌舞伎座よりも安いのもいいですね。

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開演前のロビーではお囃子と獅子舞。皆さん頭を差し出し、ガブリとかまれてました(笑)
今日の席は1階花道裏。花道に役者さんが出るとスポットライトがあたりますが、それがもろにこちらに向いて眩しいいがいはなかなかみやすい席でした。

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序幕の高麗国から始まり、信長の本能寺での死以後の跡取りを巡る数奇な運命を描いた、なかなか凝った筋立ての作品。劇中では織田信長が小田信長、後継者争いをするのが真柴久吉と柴田勝重と微妙に名前を変えていますが、史実を描けない当時の観客には受けたでしょう。高麗のド派手な舞台有、午年の正月に相応しく、馬が物語に何度も登場し、歌舞伎らしいキッチュな演出も多数あり、最後は丸く収める、お正月ならではの舞台です。歌舞伎の舞台としての完成度も高く、これが江戸時代の原作を現代に再構成したものとは思えない、かなりまとまった舞台でした。

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主演は尾上菊五郎で信長の息子ですが、自ら跡取りを放棄して廓通いを決め込むなんとも菊五郎らしい役。菊五郎はやはり堂々とした風格と、かなり通る声で主役に相応しい圧倒的な迫力。柴田勝重と材木屋の田郎助の二役が尾上松緑で、いつもながらのキレのよいハッキリとした台詞ときっぷの良さ。真柴久吉と仲居頭おいちの二役が中村時蔵で、いつもの女形だけでなく、最後の場面で堂々とした男役。時蔵の男役は珍しいのではないでしょうか。

とにかく筋が入りくんており、物語もかなり激しく展開するので、イヤホンガイドは必須でしょう、とイヤホンガイドで言ってました(笑)

菊五郎一座の面目躍如のなかなか良い舞台でした。公演は27日までなので、興味のある方は是非。この機会を逃すとしばらく見る事ができない貴重な舞台でしょう。

国立劇場のパンフレットでは、松竹のものと異なり、各幕の説明書きの上に舞台帳として、舞台セットの原画が載せられていて芝居を思い出すのに非常に便利。これは良いアイデアですね。鑑賞にはこのパンフレットも必須でしょう。それから今回のイヤホンガイドもなかなか丁寧な説明で非常にわかりやすかったです。関係者の皆様のご苦労に感謝。



芝居がはけたあとは国立劇場前で都バスが待ち受けており、今日はバスで新宿まで出ました。もちろんディスクユニオンで初仕入れ(笑) 成果は別記事で!

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【番外】十二月大歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」

ちょっと久しぶりの歌舞伎見物。歌舞伎座がリニューアルしてからしばらく通ってましたが、このところしばらく歌舞伎からご無沙汰。今日は大物「仮名手本忠臣蔵」です。

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歌舞伎美人:十二月大歌舞伎 仮名手本忠臣蔵

歴史上の忠臣蔵の吉良邸への討ち入りが元禄十五年(1702年)の12月14日、これは旧暦の日付で、本当は現在の1月であるということですが、奇遇にも今日はその12月14日に当たります。
当時世間を騒がせたこの事件あと、これを題材にした人形浄瑠璃「仮名手本忠臣蔵」が大阪竹本座で寛延元年(1748年)に初演され、これがそのあと歌舞伎に移入され、歌舞伎の人気演目となったそうです。日本人は仇討ちものが好きなので、忠臣蔵は古来人気の演目なのでしょう。

むりやりこじつけると1748年当時、ハイドンは16歳でウィーンのシュテファン寺院の少年合唱団員として活躍していた頃ゆえ、遠く離れてはいたものの同じ時代の空気を共有していたことになりますね。もちろんハイドンの絡みで取りあげた訳ではなく、私が単に歌舞伎好きだからに他なりませんが(笑)

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今月の歌舞伎座は「仮名手本忠臣蔵」を昼の部、夜の部をぶっ通しでやってます。それでも全十一段の構成からはかなりはしょったもの。今日見に来たのは夜の部で、4:30の開演から、五段目、六段目、七段目、そして討ち入りの十一段目と四幕構成。12月の忠臣蔵といいうことで、チケットも売り切れ、歌舞伎座は満席でした。

いつもよりちょっと早めに歌舞伎座についたので、向かいにある岩手県のアンテナショップ、「岩手銀河プラザ」で以前飲んで美味しかったEDEL WINEの「紫波メルロー」やせんべい汁用の南部せんべいなどを買い込みます。ならびには群馬県のアンテナショップもあるのですが、充実振りからいうと岩手の方が上ですね。あまちゃん人気もあり、お客さんでごった返してました。

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前半は五段目、六段目。
五段目は「山崎街道鉄砲渡しの場」「同二つ玉の場」。討ち入りの四十七士の人選への伏線となる劇。染五郎扮する勘平と、獅童扮する悪党斧定九郎らによる運命のいたずらに翻弄される劇。勘平は不意に出会った元同志から仇討ちの計画を知り、過去の失敗を取り戻そうと金を積んで仇討ちに加わりたいとするも、その金を作るために妻が身を売ってまで努力しているのを知らず、偶然にも妻の父を撃ってしまった思う下りまで。

続く六段目は「与市兵衛内勘平腹切の場」。勘平は妻の父を殺して得た金を供したと思い込み、またそれによって立場を失い自害するまでの話。流石に歴史にもまれてきただけあって筋書きの完成度と、静寂の多い集中度の高い舞台に場内は静まりかえり、お客さんも舞台に圧倒されていました。

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歌舞伎の休憩時間のお楽しみ、夕食は歌舞伎座向かいの木挽町辨松で買った懐石弁当(赤)。モチモチした食感が歌舞伎の幕間にいただくのにピッタリなので、お気に入り。

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後半は華やかな七段目「祇園一力茶屋の場」。ここでようやく幸四郎演ずる大星由良之助(大石内蔵助)が登場し、以後は非常に華やかな舞台。敵を欺くには味方からという言葉を地でいくように、大星由良之助が遊郭でまさに遊びに興ずるところからはじまりますが、玉三郎がいいところで絶妙の演技、そして大部屋俳優の中村小山三さんの仲居の役に拍手喝采と楽しめる舞台でした。
最後の十一段目の討ち入りの場は、筋はなく、討ち入りの大騒ぎをスペクタクルに表現した場。舞台転換と大人数による演技の迫力で押し通します。

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討ち入りで筋が締まる気がしますが、逆に討ち入り自体の筋は単調ゆえ、じっくり楽しむのは、討ち入り前の人間模様にあると言う事でしょう。やなり七段目がクライマックスと言うことになります。五段目から七段目までのストーリーは歌舞伎ならでは忠義と私欲、運命に翻弄されるドラマチックな展開。仇討ちという本意のため、それまでに起こる様々な人間模様をじっくりと描いたもの。現代日本は、さっぱりとしたおもてなし文化に象徴される国ですが、昔はちがったんですな。久しぶりの忠臣蔵でしたが、いろいろ考えさせられる舞台でした。

いつもながら、絢爛豪華な舞台が筋にそって様々に展開。長唄三味線などもじっくり楽しめ、我々のようなビギナーにもイヤホンガイドまで用意されていて、役者さん、大道具小道具などの皆様他、関係者の皆様のご尽力に頭が下がります。いつも心から楽しんで帰れます。やはり歌舞伎はいいですね。

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【番外】東急文化村で市川海老蔵自主公演を見る

今日はチケットをとってあった歌舞伎見物に。歌舞伎座ではなく東急文化村のシアター・コクーンへ。

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ABKAI オフィシャルサイト | 市川海老蔵 自主公演 えびかい

嫁さんが取ったチケット。私が海老蔵様のご贔屓なわけではなく、母親も舞台を見た事がないとのことで、母親と嫁さんと3人で出かけました。

今日は東京は灼熱。電車で出かけたら干物になってしまいますので、車で出かけました。里帰りの人も多いのか都心は車が少なく、自宅から30分少しで渋谷に到着。文化村裏のコインパーキングに車を停めますが、降りると熱帯のような空気。危険です(笑)

少し早めについたので、文化村の地下のドゥ マゴ パリでお茶を飲んで一休み。

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外は灼熱でしたが、日陰の中にははお店の冷房がすこし流れてきて、不快な暑さではありませんので、中庭の席にすわり、アイスコーヒーで火照りを冷まします。生でもぐいっといきたい気分ですが、車ゆえ我慢我慢。

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今日は13:30開演。開場時間の13:00になると中庭に笛と太鼓の音が轟きます。フランス人建築家、ジャン・ミッシェル・ヴィルモットがデザインした建物に、笛と太鼓。歌舞伎座などでは至極当然ですが、なんとなくいい感じ。音に誘われてシアターコクーンの入口に向かいます。

日曜の昼の公演らしく、ほぼ満席。今日の出し物は2つ。席は2階席の中央で舞台が俯瞰できるなかなか良い席でした。

歌舞伎十八番の内「蛇柳(じゃやなぎ)」
初演は1763年(シュトルム・ウント・ドラング期直前!)の作品ですが、直近の上演は昭和22年まで遡り、それ以降は上演されていない作品とのことです。初演時のわずかな資料から台本を書き起こしたそうです。今日はいつもたよりのイヤホンガイドがありません。芝居の直前に時代背景やら見所やらを聞いて芝居をみられるのは貴重ですね。パンフレットにもあらすじなどがなく、ちょっとこれは手抜きかしら。
蛇柳というのは高野山にあった柳の木のことで、その昔弘法大師空海が法力を以って蛇を柳の木に変えたものとののこと。海老蔵扮する丹波の助太郎と愛之助扮する住僧定賢のやり取りが、最初は能舞台のような場面から、徐々に歌舞伎の荒事に変わっていくというもの。やはり筋書きをきちんと読んだ上で見たいものです。
海老蔵はいつものちょっと違和感のある裏声風の台詞がいつもより気にならず、主演公演としてかなり稽古をつんだよう。華やかな舞台でした。

新作歌舞伎「疾風如白狗怒涛之花咲翁物語~はなさかじいさん~」
休憩をはさんで、新作歌舞伎で、宮沢章夫の脚本、宮本亜門の演出ということで、新作歌舞伎というより、歌舞伎風の演劇といった方が通りがいいでしょう。花咲か爺さんをテーマにしたものですが、桃太郎も一寸法師もでてくる奇想天外なストーリー。舞台装置がめまぐるしく変わり、照明や映像などもふんだんに使った舞台。あまりネタを明かすとこれから見られる方に悪いので、お楽しみということにしておきましょう。
こちらも海老蔵が早変わりで何役もこなし、愛之助や片岡市蔵、上村吉弥などが好演。とくに「虫」役の子供の演技がなかなか良かったですね(笑)
歌舞伎の舞台はさっと幕を引いて終わるのが粋なんですが、この舞台は演劇のように何度もカーテンコールと最後まで仕掛けづくしで、ちょっと歌舞伎とはかなり違う趣向。ただ、お客さんはサービス満点の舞台に拍手喝采、母親も「わかりやすくて、面白かった」と気に入ったよう。これがなによりです。

十分楽しんだところで、シアターコクーンから中庭に出ると、何と雨ではありませんか。歌舞伎を見ている間に天候急変でした。ということで、こんどはロビーラウンジの方で、一休み。

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頼んだのは煎茶セット(笑) 歌舞伎のあとの休憩としては極めて真っ当なものですが、ジャン・ミッシェル・ヴィルモットのデザインした空間で、あんみつと煎茶をいただきます。調べてみたら、東急文化村は出来てからもうすぐ25年だそうです。管理が良いのか、古さを感じさせませんね。

雨も上がって、帰途につきますが、先週から母親がなぜかロイヤルホストにいきたいといっていたので、帰りに馬事公苑のロイヤルホスト寄って早めの夕食です。

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ドライブ時の掟、ノンアルコールビール。やはり飲んでいるという気分が大切なんです(笑) もちろん母親は生ビール、嫁さんは白ワイン(涙)

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カレーフェアというメニューを見て、迷わずカレーに。私は国産牛のSpicyカレー、嫁さんがカシミールビーフカレー、母親がポークときのこのポルチーにクリームスパゲティ! 

久々に入りましたが、ファミレスとしては美味しいですね。しばらくいかない間に味良くなってました。

今日も無事帰着。明日から1週間仕事ですが、その次の週は休暇をとってます。夏の温泉旅行を計画中です。

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【番外】府中の森芸術劇場で「毛抜」「義経千本桜」

数日ご無沙汰しています。6年振りにパソコンを換えました。古いパソコンのファイルを整理したりしていて、移行に時間がかかってしまいました。この件はまたあらためて。

今週木曜は休みをとって府中の森芸術劇場に歌舞伎見物。

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歌舞伎人:平成25年度公立文化施設協会主催 松竹大歌舞伎 東コース

この公演、昨年も7月に出かけていて、同じく府中芸術の森で、義経千本桜からの3幕を見ています。

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2012/07/22 : お出かけ・お散歩・展覧会 : 【番外】府中の森芸術劇場で「義経千本桜」

記事を読み返してみると、去年は嫁さんが入院直後だったんですね。いろいろばたばたしていた時期でした。歌舞伎の巡業公演は近所で見られるので、今回も母親同伴の3人での観劇。自宅から芸術の森のある東府中までは車で30分ほど。今回は車で向かいます。

今回の地方巡業は市川亀治郎の四代目市川猿之助襲名披露公演。猿之助といえば宙乗りや早変わりなどの外連を歌舞伎に復活させ、歌舞伎の裾野を広げた立役者。その名を継ぐということは、単に名前を次ぐということだけではなく、期待役割は大きなものがあるので、亀治郎さんこれから大変でしょう。

さて、この日の演目は、歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)、口上、そして昨年の公演でも見た義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)から川連法眼館の場の3幕。

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前半の毛抜は市川右近が主役の粂寺弾正(くめでらだんじょう)役。小野小町の末裔である小野春道の館での平安時代の出来事を描いた作品。小野家の息女錦の前との輿入れが、姫の奇病によって延期されていることを確かめようと弾正が小野家を訪れ、奇病ではなく、仕掛けだったことを弾正が暴くという探偵もののような舞台。奇病とは薄衣をとると髪が逆立つというもの。舞台上で姫の髪の毛が逆立つシーンは客席をあっと言わせる舞台の面白さが際立ちます。この髪の毛が逆立つことの謎解きから、天井裏に潜む悪者を槍で突き落とす落ちの付け方は歌舞伎の大衆演劇としての奇想天外なストーリーも楽しめる作品でした。普段は脇役の多い右近さんですが、大役を見事にこなし、堂々とした演技でした。歌舞伎は普通最後にさっと幕が引かれて終わるのですが、この舞台では幕が引かれたあと、花道で大役をつとめ終えた挨拶がありましたが、文献を紐解くと、この挨拶までこのお芝居の伝統的な演出になっているんですね。これは楽しめました。

休憩を挟んで、市川猿之助襲名披露の口上。梅玉さんが進行をつとめてました。この日出演した役者さんが順に襲名のお祝いを述べるのですが、笑三郎さん、寿猿さんの口上が秀逸でした。歌舞伎役者さんにとっても巡業は大変でしょうが、直接各地のお客さんに歌舞伎を楽しんでもらえる貴重な場。各地のお客さんとのつながりの深さを感じさせるものでした。公演地ごとに口上を考えるのも大変なんでしょうね。

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幕は福山雅治さんからのご祝儀幕。

再び休憩をはさんで、本日のメインプログラム、義経千本桜川面法眼館の場。筋は前記事に書きましたのでそちらをご覧ください。主役はもちろん亀治郎改め市川猿之助。見所はやはり偽物の忠信が狐の正体を表すところからの展開。昔見た先代猿之助の舞台を彷彿とさせますが、先代が早変わりや狐の演技を外連とも思わせない堂々とした演技として圧倒的な迫力で魅せていたのに対し、新猿之助は、演技のキレはすばらしいものの、まだ演技としてやっているようなとってつけた感がちょっと残っているように感じました。こういった演技は体のキレだけでなく、もう一段吹っ切れた心境になる必要があるのかもしれませんね。舞台としてはとても楽しめるものでしたし、前幕の口上を聞いた脇役陣の見事な演技が華を添えて、府中のお客さんも万来の拍手でした。この巡業公演、開催する側のご苦労は並のものではないと思いますが、是非来年以降も続けていただきたいものです。



さて、せっかく府中に来たので、伊勢丹でちょいと買い物をしたあと、府中に住んでいた時になじみだった、鹿児島料理のお店に。

食べログ:遊食友酒 菜

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残念ながら車なので、ビールは飲めませんので、ノンアルコールで。

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ホヤこのわた。ホヤの香りが素晴しい。純米酒でもぐっといきたいところですが、、、

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カツオのタタキ。晒したタマネギとニンニクをたっぷり乗せていただきます。薬味の利かせ方が違いますね。プロの技。

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はじめて戴く生ノリ豆腐。生ノリの風味が良く、濃厚な味。ノンアルコールビールが進みます(笑)

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最後は定番、黒豚焼きそば。豚の旨味がたまらんですね。

久しぶりの訪問でしたが、マスターも、奥さんもバイトのお姉さんもいつも通りで一安心。飲み慣れた店とでのんびりできるのは、やはり落ち着きます。この日も美味しい料理を堪能しました。

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【番外】柿葺落六月大歌舞伎 菊五郎土蜘に化ける

番外続きでスミマセン。今日は3ヶ月に一度の歯の定期検診があり、いつものように半蔵門へ。

おくぞの歯科クリニック

先生、お元気そうで一安心。前回ちょっと冷たいものがしみるところがあったんですが、ちょっと調整してもらっていたのを忘れてました。そう、しみなくなってたんですね。今回もチェックしてもらって、グリグリ歯石とりしてもらって、クリーニングしてもらってすっきりです。

歯の定期検診のあとは、すぐ近くのエリオで食事をするのが楽しみです。

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エリオ ロカンダ イタリアーナ

今日は嫁さんと二人だけなので予約をせずいきましたが、ギリギリで入れないところ。危ないところでした。この後友人と歌舞伎で、夜も飲む予定でしたので、選んだのはビジネスランチコース。別にビジネスではないんですが、ランチの真ん中のコースです。

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車ではありませんので、堂々とワインが頼めます。いつもの微発泡のカラブリア州の白を頼みます。ビジネスランチはアンティパストかパスタをセレクトするコース。嫁さんがアンティパスト、私がパスタを選んでシェア。こちらはアンティパストのタスマニア産サーモンのカルパッチョ、小エビと押し麦のマリネ。なんとなく味付けが繊細になってます。

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パスタはトラパネーゼのキタッラ。これが絶妙。あとで調べてみたら、トラパネーゼとはシチリア島のトラパニのソースで、アーモンド、バジル、ニンニク、トマト、揚げ茄子をつかったソース。キタッラはギターの意で、ギターのように弦を張った道具でつくるパスタ。ラザニアのような薄く延ばした生地をキタッラで細めんに仕上げたもので、表面がざらついてソースが良く絡まるということ。エリオでは揚げ茄子をオブジェのように乗せて見事なフォルム。これが香ばしいのにトマトの旨味もしっかり出ていて、濃厚かつ繊細な素晴しい味でした。このところエリオで戴いたパスタの中でも抜群の出来でした。

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メインは宮崎鶏モモ肉のトマト煮込みローマ風。ジャガイモのペーストが、ボリュームたっぷり。色鮮やか。もちろんワインをいつものカラブリアの赤に変えて、いただきます。意外にさっぱりとした味。お肉を戴いたあとにペーストをパンにつけてお皿がピカピカになるまで堪能(笑)。

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次のお客さんの予約の隙間に入れていただいたので、メインを食べ終わるとすぐさまドルチェが。いつもながら機敏なカメリエレの皆さんの素晴しい連係プレー。しかも実際は急いでいるのに、満面の笑顔で「ドルチェをゆっくり召し上がっていただきたいので、お持ちしてもいいですか?」と、完璧なフォロー。いつもながらお客さんに楽しく食事をしてもらうことが徹底されていて、こちらも優雅な気分に。ドルチェもいつもながら美味しいんですね


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最後にエスプレッソでキリッと締めて、短時間でしたが、美味しいランチと素晴しい接客でいい時間を過ごさせていただきました。エリオの皆さん、いつもありがとうございます!



お腹も満ちたところで、今日のメインイベント、歌舞伎を見に、東銀座、新歌舞伎座に向かいます。

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歌舞伎人:歌舞伎座新開場 柿葺落六月大歌舞伎

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今日は六月大歌舞伎の第二部。開演は2:40ですので、余裕があります。外が暑かったの歌舞伎座向かいの群馬県のアンテナショップ横の喫茶店でしばらく冷たいものを飲んでのんびりします。

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開場時間を過ぎたので、歌舞伎座へ。歌舞伎座前は相変わらずの大混雑。今月は大歌舞伎ですが来月から花形歌舞伎になり、ようやく杮葺落の熱気から平常に戻ります。

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今日の第二部の出し物は一幕目が片岡仁左衛門主演の壽曽我対面(ことぶきそがのたいめん)と二幕目が尾上菊五郎主演の新古演劇十種の内土蜘(つちぐも)。土蜘は昨年2月に新橋演舞場で中村勘九郎襲名披露公演で、もの凄い脇役陣の舞台を見ています。

2012/02/12 : お出かけ・お散歩・展覧会 : 【番外】新橋演舞場で二月大歌舞伎

勘九郎の襲名披露だけあって、ちょい役に中村勘三郎、中村吉右衛門、片岡仁左衛門が登場するなど、今となっては想い出に残る名舞台と鮮明に印象が残っています。

壽曽我対面は初めて見る舞台。日本三大仇討ちの一つとして知られる曽我兄弟の仇討ちの物語。明治18年に河竹黙阿弥がまとめた台本をもとにした物語。曽我兄弟の父を以前闇討ちにした主役の工藤左衛門祐経に片岡仁左衛門、曽我兄弟の十朗祐成に尾上菊之助、五郎時致に市川海老蔵と言う布陣。

舞台は、幕が上がると浅黄幕がおろされていて、いつもの演出かと思いきや、大薩摩と三味線の二人が脇から出てきて浅黄幕の前で一曲披露。昔からの演出でしょうが、一幕一幕観客を驚かせる演出が歌舞伎の伝統を感じさせます。二人が引っ込んで浅黄幕が落とされると、絢爛豪華の限りを尽くした舞台。工藤左衛門祐経邸での祝宴の場とはいえ、真ん中に富士山、金箔張り豪華な屋敷に工藤左衛門祐経の家来が勢揃いしてこれ以上祝祭的な舞台はないほどのしつらえに観客が息を飲みます。物語はそこに現れた曽我兄弟に対し、工藤左衛門祐経が父を討ったいきさつを語り、荒ぶる曽我兄弟に盃をあたえ、要職を務め終えたら潔く討たれると諭すと言うもの。演出は様式美の表現を極めた、極度にスタティックなもの。完全に決まった舞台の圧倒的な構図を崩すことなく、舞台上の動きは最小限で、物語りが進んでいき、まさに歌舞伎座新開場にふさわしいお祭り気分。仁左衛門の存在感ある演技に対して、菊之助と海老蔵はやはり、器を感じさせてしまいます。特に海老蔵は発声が奇抜さを狙い過ぎて明らかに不自然。この辺りは経験を積みながら味わいに変化していくのでしょう。

休憩をはさんで、二幕目の土蜘。こちらは、尾上菊五郎が土蜘の精に、吉右衛門、三津五郎などの配役ですが、昨年の公演で豪華な配役だった番卒太郎、次郎、藤内はそれぞれ、中村翫雀、尾上松緑、中村勘九郎と若手のエースで固めて、これが普通の配役でしょう。狂言をもとにした舞台なので松の描かれた狂言舞台風の舞台装置の前で進みます。最初の見所は吉右衛門扮する源頼光朝臣の屋敷。体調の悪い頼光を見舞う怪しい僧、実は土蜘の精、菊五郎とのやりとり。僧に扮する菊五郎の怪しさをちらりと感じさせるドスの効いた演技。昨年の舞台では勘九郎が演じましたが、ただでさえ貫禄ある菊五郎の燻し銀の演技は次元が違います。つづく石神様を囲んでの軽妙洒脱な場面は若手ですが、なかなか味のある演技。特に勘九郎が雰囲気ある演技で良かったですね。そして最後の土蜘の精との大立ち回りの場は、菊五郎の土蜘の精のグロテスク極まりない隈取り、キッチュを通り越してヴァナキュラーな迫力を帯びる衣装、スパイダーマンよろしく糸をはきまくる外連。実際には歌舞伎の定石どおり見栄を切りながら舞台配置上での構図の美しさを決めていく連続で動きは限られたものなんですが、次々と構図が変化していくので非常にダイナミックに見える舞台でした。やはり菊五郎の土蜘の迫力は並のものではありませんでした。昨年の土蜘蛛は脇の豪華さ、今年の土蜘は本来のおどろおどろしい土蜘の迫力を味わえ、それぞれ印象に残るもの。今日も存分に楽しめる舞台でした。

4月から豪華キャストで続いてきた歌舞伎座新会場の記念公演も6月で最後です。この時しか見られない豪華な配役ということで、貴重なものでしょう。



さて、別の席で見ていた友人と落ち合って、反省会ということで、三原橋交差点からちょっと入ったところにある九州料理のお店に入ります。

食べログ:九州黒太鼓 紅葉の里

以前、このあたりで飲んだ時に知人からいい店だと聞いていた店、と思って入ったんですが、どうやら違うお店でした。結果的にはいいお店だったので結果オーライです(笑)

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なんと、お通しから、凝った演出で、店員さんが竹のザルに乗せた九州各県の名産のお通しをもって現れ、この中から一人二品選ぶというシステム。私はメヒカリにキビナゴ(笑)メヒカリは竹串に刺さっていて、火鉢の上の陶板で暖めていただきます。なかなか憎い演出。とりあえず生ビールを飲んでいましたが、すぐに空けて、焼酎を注文するよう促されちゃった感じ。

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こちらは馬肉の馬フィレレアステーキ。いいですね(笑) クレソンを添えるあたりにセンスを感じます。

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ビールのお供の定番、博多鉄鍋餃子。

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焼き鳥。ネギマ、ハラミなど。七味唐辛子が手放せません(笑)

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半熟卵を乗せたサラダ。大盛りです。

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なぜか、デザートまで突入してます。

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コースターが粋なデザインだったので、もらってきました(笑)

生ビールのあと、料理につられて芋のロックをくいくい行って、実にいい酔い心地。歌舞伎話に花が咲きながら美味しい料理も堪能。店員さんも気さくでいいお店でしたね。またいきたいお店です。



ちょっと数えてみると、今月は番外が多いですね。後半はレビューで挽回しませんと、当ブログの存在意義にかかわります。まあ、好きな事をやってないと長続きしませんので無理は禁物なんですが、、、

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【番外】柿葺落五月大歌舞伎第三部へ

今日は仕事を5時きっかりに無理矢理切り上げて新歌舞伎座へ。先日第二部を見たばかりですが、今日は第三部、夜の部です。

歌舞伎人:歌舞伎座新開場 杮葺落五月大歌舞伎

第三部の開演は18:00。少し前に地下鉄東銀座駅につきます。

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日が長くなってきたので、18時にならんとするのに、明るいですね。平日に歌舞伎を見て帰れるというのは、いいものです。第三部の出し物は次の二幕。

梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり) 鶴ヶ岡八幡社頭の場
京鹿子娘二人道成寺(きょうかのこむすめににんどうじょうじ) 道行より鐘入りまで

梶原平三誉石切は中村吉右衛門が主役のお話。通称石切梶原。一昨年の6月に新橋演舞場で同じく吉右衛門の石切梶原を見ています。

2011/06/26 : お出かけ・お散歩・展覧会 : 新橋演舞場へ六月大歌舞伎、染五郎、吉右衛門、仁左衛門!

主人公の梶原景時の情にあふれた人物像が魅力の舞台ですが、やはり景時は長谷川平蔵を演じる吉右衛門が当たり役でしょう。以前見たときも吉右衛門の余裕ある至芸に痺れましたが、今日も同様。相手役の大庭三郎景親はくだけた役が似合う菊五郎にはちょっと固い役でやりにくそうでしたが、やはり柿葺落公演ならではの豪華な配役ということでしょう。あらすじは歌舞伎人のサイトに譲るとして、見所は景時が刀の鑑定を決めるときの場内の視線を釘付けにする完璧な見栄、その刀のキレ味を証明するために人を二人重ねて切る「二つ胴」という試し切りの場面の意外なアクション、そして、最後にその刀が本当に名刀であることを証明するために石の手水鉢をまっぷたつにぶった切るという意表をつく設定の場面など、大道具、小道具を交えた場面の面白さにあります。源氏びいきの江戸時代に好まれた筋立てなど時代背景などもありますが、こうした演劇としてのわかりやすい面白さがこの石切梶原の魅力であり、人気作品となった理由でもありますね。明後日29日が千秋楽なので、舞台はきっちり仕上がっており、吉右衛門、菊五郎、そして脇役の人たちも含めて完成度の高い舞台でした。

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休憩をはさんで次の幕へ。お弁当は久しぶりの木挽町辨松。いつもながら味の沁みた煮物など、歌舞伎見物の楽しみのひとつ。前回売り切れてましたので、嫁さんが電話予約しておいたので、ありつけました。

今日の席は三階の三列目。上から舞台を眺めるので、全体の構成がよくわかります。花道のスッポンもよく見えます。この席、いいです。何が良いかと言うと、音響。次の京鹿子娘二人道成寺はお囃子大活躍の幕。1階席に比べると、音響はむしろこちらのほうが良いくらい。お囃子が鮮明に聴こえ、大太鼓(グランカッサ?)はズドンと腰に来ます。新歌舞伎座、音響は以前よりもだいぶ良くなっている印象です。こうした鳴りものも歌舞伎を魅力的にしている大きな力がありますね。

京鹿子娘二人道成寺は娘道成寺を坂東玉三郎と尾上菊之助の2人で踊るもの。いやいや、この舞台は素晴しかった。この作品も人気作であることがよくわかりました。あらすじは下記のとおり。

僧に恋をした清姫が、夫婦となる約束を取り交わしたがその約束を反故にされ、その恨みのため蛇となって、僧が逃げ込んだ道成寺の鐘に巻き付き、鐘の中に身を隠した僧を鐘ごと焼き殺し、清姫も命を断ちます。そのため、道成寺には鐘がありませんでしたが、その鐘が新造され、供養が執り行われる場面からはじまり、菊之助と玉三郎演ずる白拍子花子が再興した鐘を拝みたいと訪れ、舞を奉納する事を条件に入山を許されました。その白拍子花子が浄瑠璃や長唄に乗って数々の舞を披露しますが、結局白拍子花子は清姫の亡霊だったというお話。

見所はなんといっても、次々と衣装を変え、優美な踊りを見せる玉三郎と菊之助。シンクロナイズドスイミングを見ているような完璧なシンクロ度合い。そして踊りの合間に長唄やお囃子が朗々と雅な音楽を奏でていきます。さながら手に汗握る和製ミュージカルといったところでしょうか。新歌舞伎座になって、お祭りムードもありましたが、この舞台の出来は圧倒的でした。歌舞伎座の底力を見た気がします。踊りの合間に見栄を切るところで場内は拍手喝采。前の席に座っていた外人君も手を振り上げての拍手を繰り返してました。私たち日本人のDNAに仕組まれた日本らしさを感じる感性にぐさりと刺さりました。玉三郎も菊之助もかなり長時間踊る事になりますが、最後まで指先まで神経が張りつめた素晴しい舞台でした。これはまた見たいですね。

満員のお客さんも満足そうに歌舞伎座を後にしていました。幕があがるまえのざわめきと、幕がおりたあとの賑わい。いやいやいいものですね。6月公演も楽しみです。

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【番外】杮葺落四月大歌舞伎 第三部へ

本日は平日にもかかわらず、仕事を17時過ぎに切り上げて、新歌舞伎座へ。

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歌舞伎美人:歌舞伎座新開場 杮葺落四月大歌舞伎

先日は昼間に第二部を見たのですが、やはり本命は第三部(夜の部)です。

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第三部の開演は18:10。なんとか開演に間に合うようにたどり着きます。今日は三階席の最前列。花道から舞台全体を見渡せる席です。

第三部の演目は片岡仁左衛門、中村吉右衛門らによる盛綱陣屋(もりつなじんや)と、松本幸四郎、尾上菊五郎、中村梅玉らによる歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)。

盛綱陣屋は初めて見る舞台でしたが、これが面白かった。もちろん贔屓の仁左衛門目当てですが、時代物の浄瑠璃で、鎌倉時代の近江の国を舞台とした、敵味方に別れた兄弟を軸に、子供の切腹あり、首実検ありの重厚な舞台。筋が複雑ですが、解説本を読みながら見ていると実に良く出来た筋書き。先日見た第二部が杮葺落公演の賑やかな舞台だったのと対照的な、本格的な心理劇に引き込まれました。珍しく吉右衛門が赤塗りの顔で豪快な弟和田兵衛秀盛と仁左衛門は冷静な兄佐々木三郎兵衛盛綱のキレのいい演技で舞台が締まります。こうゆう劇だと脇役の上手さも重要で、今日も篝火の時蔵、盛綱の母微妙の東蔵など、いつもながらの円熟の演技でよかったですね。涙をさそったのが切腹してしまう小四郎の松本金太郎。子役としては完璧な演技でした。もう一つ舞台を引き締めたのが浄瑠璃と三味線。クライマックスの首実検の場面の迫真の演技を静寂のなかに響き渡る三味線が絶妙にサポート。これもまさに生の良さを感じる素晴しい演奏でした。音楽や鳴りものも歌舞伎の楽しみの一つですね。

休憩でお弁当をいただいて、後半は勧進帳。何回か見ている舞台なので筋はだいたいわかっているのですが、今日はイヤホンガイドの小山観翁さんの解説が面白かった。物語りの背景から、長唄のくだりまで丁寧な解説で非常によくわかりました。これだからイヤホンガイドはやめられない訳です。配役は豪華で、弁慶が幸四郎、義経に贔屓の梅玉さん、富樫に菊五郎、四天王に左團次、勘九郎、松緑、染五郎と一流どころがずらり。以前見た舞台では梅玉さんの清々しい富樫が印象的でしたが、今日は大御所菊五郎の富樫。同じ富樫でもだいぶ印象が異なりますね。菊五郎はくだけた役で本領発揮ですが、凛々しい富樫役もなかなかの好演。やはり見所は幸四郎の弁慶役の見事な台詞まわし。かなりの量の台詞を流れるように鮮やかにこなし、最後の飛六方の退場まで大熱演。

18時過ぎから22時前までの舞台でしたが、飽きることもなく一気に見る事ができました。四月公演も今週末が千秋楽。杮葺落公演も大詰めですね。

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【番外】新歌舞伎座で杮葺落四月大歌舞伎を見物

昨日月曜はようやく建替えが完了した新歌舞伎座へ。

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歌舞伎美人:歌舞伎座新開場 杮葺落四月大歌舞伎

3年あまりの期間、建替えのため閉じていましたが4月2日から開場した新歌舞伎座。この日は月曜にもかかわらず、仕事を午後お休みして、新歌舞伎座の四月公演に。チケットが休みの日に取れなかったのと、母親連れには土日の混雑はむずかしいということで、敢えて平日に出陣です。

事前の調査で歌舞伎座のまわりに安い駐車場も見つけたため、お昼過ぎに会社から戻り、車で出かけました。
今日は三部構成の第二部、14:40開演です。道がそれほど混んでいなかったので、13時過ぎには銀座について車を駐車場に停めて、いざ歌舞伎座へ。

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すると歌舞伎座の前は黒山の人だかり。まさに新開場の賑わいに溢れていました。カメラを構えて新たな歌舞伎座の姿を撮影する人でもみくちゃ。新たな観光名所といった風情です。

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後ろにビルは建って、設備は近代化したものの外観は昔の歌舞伎座とそっくり。東京のイコンとしての歌舞伎座は継承された形ですが、隈研吾さんという建築家が関与した建物としては、伝統と現代の融合した新たな価値を求めたかったところ。歌舞伎のための箱としての歌舞伎座は進化を控えてかなり保守的な変化にとどまりました。おそらく純粋な歌舞伎ファンの方からは評判は良く、建築関係者からは冷静な見方が多いのではと想像しています。

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とはいっても、劇場のミッションはやはりお客さんを入れる事。椅子を大きくしたり、バリアフリーだったり、地下鉄直結の交通アクセス等、地味な改良を積み重ねていると同時に、観光資源となるべく、歌舞伎稲荷大明神なる神社を配したりするあたりは、新たな東京のランドマークとしてお客さんを楽しませる仕掛けを随所に設ける等、商業施設としてはよく考えられているのも確かです。

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こちらは地下鉄直結の地下のお土産売り場。歌舞伎座に入場しなくてもお土産が買えるという点では間口を広げたことになりますね。隈研吾さんということで期待したアーティスティックな部分よりは、だいぶビジネスサイドのコンセプトが強い建物となったようですね。おそらくそもそもの松竹の依頼もそういった部分が強かったのではないかと想像しています。本質的な文化のあり方に対して鋭敏な欧米の建築評がどのように論じるのか、楽しみではあります。

さて、歌舞伎座のまわりを一通り見て回ったところで、開場までまだ時間があるので近所の喫茶店で一休み。開演30分前となり、いざ入場。

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今日は1階やや後方の通路の前。足が楽な席でした。内部も元の歌舞伎座そのままの印象。座席が若干大きくなったりしている以外は、元の歌舞伎座にいるのではないかと錯覚するほどそっくりな内装。

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今日の舞台は、河竹黙阿弥作の「弁天娘女男白波(べんてんむすめめおとのしらなみ)」と常磐津連中「忍夜恋曲者(しのびよるこいはくせもの)将門」の2幕。今の歌舞伎を支えるオールキャストのような、豪華な配役の賑やかな舞台でした。それぞれのあらすじは上のリンク先をご覧ください。」

「弁天娘女男白波」は市川左團次扮する若党四十八のと尾上菊五郎扮する早瀬主水の娘お浪が鎌倉雪ノ下の呉服屋浜松屋の店頭で繰り広げるドタバタ劇。娘の婚礼の品を買いにきて、わざと万引きをしたように見せかけ、実は万引きではないということで、店に多額の金を要求するくだりからはじまります。こうゆう役をやらせたら、左團次と菊五郎の右に出るものはいませんね。結局見破られ、開き直るところで繰り出される「知らざぁ言って聞かせやしょう」からはじまる、河竹黙阿弥の七五調の名台詞が有名なもの。この台詞を語る寸前まで観客の期待を煽る菊五郎の実にくだけたセリフ回しが見事でした。黙阿弥の名台詞が活き活きと語られ、台詞の魅力を堪能。また、万引きと見誤った番頭役の橘太郎は彼にしかできない名脇役。他に吉右衛門、三津五郎、時蔵など豪華な布陣で、舞台も鮮やかでした。

これまでの序幕の雪下浜松屋見世先の場から、白浪五人男が勢揃いして名乗りを上げ、捕手とのドタバタを描く稲瀬川勢揃いの場、菊五郎演じる弁天小僧菊之助が極楽寺の大屋根で捕手と大立回りを演じる極楽寺屋根上の場、舞台がせり上がって極楽寺の山門で、白浪五人男の頭、日本駄右衛門が攻められる山門の場、そして最後に、山門脇の滑川の土橋で自首しようとした日本駄右衛門に対して、それを中村梅玉扮する青砥左衛門藤綱が見逃す場面とつづき、クイックに場面転換しながら、華やかな舞台が続きます。新歌舞伎座では新しく舞台中央にできた大きな迫りがなかなか効果的。舞台転換の面白さもアップしました。

「忍夜恋曲者 将門」は坂東玉三郎と尾上松緑の舞台。最初に場内が暗闇になり、ロウソク2本で玉三郎の演じる如月という妖術使いの怪しげな踊りを見せるくだりからはじまる演出。結局大立ち回りもあり、蝦蟇も飛び出すスペクタクルな舞台した。

新歌舞伎座新開場を記念する、豪華な配役と、派手な舞台が印象的な公演でした。個人的には菊五郎、左團次、梅玉、橘太郎の燻し銀の演技が印象に残りました。

久々の歌舞伎座、やはり華やかさは歌舞伎座ならではということでしょう。母親と嫁さんと友人を合わせて4人での観劇でした。

第二部が終わったのが17:30ごろ。お腹も適度に減ったので、ここは定番、ナイルレストランへ。

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四人でおまかせコースを注文。

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前菜にカレーに、最後は名物ムルギーランチでお腹いっぱい(笑) いつもの歌舞伎見物といつもの食事を3年振りに楽しみました。歌舞伎座はしばらくはお祭りムードでいろいろ名舞台が目白押しゆえ、他の部も見なくてはなりませんね。

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中村勘三郎追悼

12月5日に中村勘三郎さんが亡くなられました。

ハイドンとはまったく関係ありませんが、歌舞伎は好きなため、見に行くたびにブログで記事にしています。ニュースで勘三郎さんが亡くなったことはすぐに知りましたが、今週は書きかけの記事がいくつかあり、それを仕上げてアップしていたため、特にブログでは触れずに来ました。今週から選挙戦もはじまりテレビは選挙一色と思いきや、勘三郎さんのニュースや追悼番組がかなり流されています。在りし日の勘三郎さんの気さくな姿をみるにつれ、記事を書いておこうと言う気になりました。

調べたところ、2009年末にこのブログを立ち上げてから、勘三郎さんの出演する歌舞伎には4回出かけています。

2012/02/12 : お出かけ・お散歩・展覧会 : 【番外】新橋演舞場で二月大歌舞伎
2011/11/05 : お出かけ・お散歩・展覧会 : 【番外】平成中村座浅草公演
2010/04/15 : お出かけ・お散歩・展覧会 : 再び歌舞伎座へ
2010/02/14 : お出かけ・お散歩・展覧会 : 久々に歌舞伎見物

歌舞伎の舞台で見る勘三郎さんは、伝統的な歌舞伎の役者とはひと味ちがう、型破りなところがはっきりわかる演技で印象に残っています。浅草の平成中村座の公園では演目途中で劇場の扉を開けて東京スカイツリーを見せたり、実演はもちろん見ていませんがニューヨーク公演では最後にニューヨーク市警が突入してくる場面で観客をあっと言わせたりと、奇抜な演出で観客を楽しませていました。おそらく歌舞伎のファンの間口を大きくひろげることにつながっていたのだと思います。

もともと歌舞伎が好きなのは日本の伝統的な文化への興味からだったので、正直に言うと勘三郎さんのこうした演出は私の興味のストライクゾーンからは少しそれた存在でした。私が好きだったのは勘三郎さんの軽妙洒脱な演技や踊りのほう。歌舞伎役者としては非常に表情が豊かで、また踊りには類いまれな物腰の柔らかさのようなものがあり、流石と唸らせられる場面にも多く出会いました。

今日フジテレビで放送していた、勘三郎さんの最後の日々への密着取材には心を打たれました。もちろん舞台も素晴らしいのですが、密着取材をする人への気配り、歌舞伎座のスタッフへの気配りは並のものではありません。夜中に舞台を作るスタッフに自らハンバーガーを買いにいって差し入れたり、先代の勘三郎さんにも仕えた92歳になる中村 小山三(なかむら こさんざ)さんを平成中村座の口上の舞台で共演させたりと、自分のまわりの人を本当に大切にしてきた人なのだと知りました。

自身の病状が思いのほか深刻であると取材スタッフに語る姿も、なにも包み隠さず、スタッフを気遣いながら語り、この先のことも、万一復帰できても息子勘九郎の襲名公演中に自分が目立つタイミングで復帰することをはばかるところも、自身の命に限りがあると知った人が容易にできる振る舞いではありません。この人柄と心意気が、勘三郎さんの歌舞伎役者としての真髄なのだと知らされました。

映像とちがって舞台は生身の人間が汗をかきながら演じる時間を共有する喜びがあります。歌舞伎も実に多くの人たちの努力で成り立つもの。日本文化の真髄にあるのは、歌舞伎の演劇としての様式、舞台美術、音楽などの面のように感じてきましたが、じつは勘三郎さんがしてきたような気配りや心意気なのかもしれませんね。

今日のフジテレビで見た、勘三郎さんが亡くなった直後の京都南座での勘九郎襲名披露公園での勘九郎の口上も心を打つ物でした。中村座に所属する歌舞伎役者の名を小山三さんを筆頭に全員読み上げ、今後の支援を求めるくだりは、仲間を大切にする勘三郎さんの心意気がしっかり次世代につたわっていることを物語っていました。勘九郎さん、なかなかいい役者になりそうですね。

勘三郎さんを追悼するとともに、中村座の今後も応援したくなりました。そういえば勘三郎さんの亡くなった12月5日といえばモーツァルトの命日でもありましたね。

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【番外】11月顔見世大歌舞伎に片岡仁左衛門顔見せる!

番外続きでスミマセン。今日は新橋演舞場に歌舞伎見物に。

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歌舞伎人:吉例顔見世大歌舞伎

以前から嫁さんが目当てにしていた11月の歌舞伎ですが、引越し等でだいぶ忙しくしていたこともあってチケットは取らずにいました。ところが先週、いつもチケットを取るe+(イープラス)から1等席が半額というメールが届き、それでは行ってみようと言う事に。ところがところが、チケットを取ってからサイトで情報を見てみると、なんと、主役の片岡仁左衛門が初日に出ただけで以降休演しているとのこと。完全に仁左衛門贔屓の嫁さんはがっくり。代役には梅玉さんと聞き、梅玉さん贔屓の私(もちろん仁左衛門贔屓でもあります)はまんざらでもないということで、結局行くことにしました。

ところがところがところが、明日25日が千秋楽にもかかわらず、温泉巡りをしていた昨23日の公演から仁左衛門さん復活とのことで、嫁さんも当たりくじを引いたがごとき喜びよう。昨日諏訪大社でおみくじを引き、みごと大吉を引き当てた嫁さんが運をつかんだ格好となりました。

今日はネットで仁左衛門復活の知らせを再確認し、やおら、新橋演舞場に向けて出発です。

今日は昼の部で、出し物は双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)と人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)の2本建て。

双蝶々曲輪日記は、歌舞伎でよくかかる演目の「引窓」をクライマックスとした三幕もので、今日の一幕目の「井筒屋」の東京での公演は戦後初めてという珍しい舞台。二人の主人公は相撲取りの濡髪長五郎(ぬれがみちょうごろう)と放駒長吉(はなれごまちょうきち)でふたりの「長」の字から双蝶々という演目名がついたとのこと。
作者は、義経千本桜、仮名手本忠臣蔵、菅原伝授手習鑑の歌舞伎時代物の三大名作を生み出した、竹田出雲、三好松洛、並木千柳の三人で寛延二年(1749年)、ハイドン17歳にしてウィーンのシュテファン大聖堂の合唱団を去った年(無理矢理でスミマセン)。要は同じ時代のものと言いたいだけです。

あらすじは歌舞伎人のサイトに譲るとして、この双蝶々曲輪日記は、ちょうど1年前、浅草隅田川沿いの特設舞台へ平成中村座の公演で「角力場」を見たばかりです。この時は濡髪長五郎と放駒長吉をそれぞれ橋之助と勘太郎が演じていました。

2011/11/05 : お出かけ・お散歩・展覧会 : 【番外】平成中村座浅草公演

今日は濡髪長五郎は市川左團次、放駒長吉を中村翫雀(かんじゃく)という組み合わせ。左團次の濡髪は迫力十分で意外と真面目な演技で正直者たる濡髪を好演、肝心の片岡仁左衛門は三幕目の引窓のみの出演ですが、顔を見せるなり嵐のような拍手に迎えられて満面の笑。役所も軽妙洒脱ながら決めるところではキリッと見栄を切るという仁左衛門の演技が映える役だったので、休演明けとはおもえないツボにはまった演技でした。
ハイライトはもちろん引窓。濡髪長五郎の母でもあり、仁左衛門の演ずる役人に出世したばかりの南方十次兵衛の母でもあるお幸が、人殺しの罪で逃げている長五郎を役柄として捕らえなくてはならない十次兵衛との間で悶絶するようすがお芝居の要。今日は仁左衛門も左團次も良かったんですが、一番よかったのは脇を固めるベテラン勢。お幸の坂東竹三郎、元遊女で南方十次兵衛の妻お早の市川時蔵が絶妙の演技。11月歌舞伎も明日で千秋楽故、演技は磨かれた物でしょうが、こうしたベテラン勢の燻し銀の演技があってこそ筋立ての面白さが浮かび上がるというものです。芝居に没入して非常に楽しめました。もちろん、演目中一眠りもしませんでした(笑)

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休憩中には新橋演舞場前の金田中横に店をいつも出している「木挽町辨松」のお弁当をいただきました。

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デザートは嫁さんが場内でゲットした豆もち。

休憩明けは「人情噺文七元結」。尾上菊五郎主演の人情ものですが、これは面白かった。もともと落語の噺を歌舞伎にしたもので幕末から明治にかけて活躍した三遊亭円朝という人が、江戸時代に実在した桜井文七というひとをモデルにした人情話。博打好きで貧乏を極める左官職人の長兵衛が五十両の借金で年を越せないというところからはじまり、貧乏はしてても江戸っ子のきっぷのいいところを見せて、通りがかりの身投げをしようとした若者に、自分の娘が身を売って手に入れた五十両をあげてしまうというもの。最後はハッピーエンドですが、菊五郎のドンピシャのはまり役で、この人しかできない軽妙洒脱さが際立つ演技でした。またここでも時蔵が長兵衛の女房お兼を好演。こちらも楽しめました。

台詞はわかりやすく、イヤホンガイドも不要なほどわかりやすいお芝居。この演目は人気がでますね。最後は和やかな大団円で、穏やかな気持ちでで芝居が締めくくられました。

やはり歌舞伎はいいですね。外に出ると空も穏やか。

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舞台がはけた後の賑わいがそのまま街に広がってゆくようでした。

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今日はこのあと銀座で買い物を少々。久々に立ち寄った松坂屋の地下の食料品売り場で買い物をしたついでに珈琲を飲んで一休み。新橋演舞場から銀座へ行くのに昭和通りを渡ったあたりで歌舞伎座方面を見やると、新しい歌舞伎座のオフィス棟はほぼ完成したようですし、肝心の歌舞伎座も4月にこけら落としとのことで、骨格は完成しているのでしょう。舞台ができるまでには設備などそろそろ追い込みのじきだと思います。

最近はすっかり新橋演舞場に慣れてしまいましたが、歌舞伎座独特の賑わいは捨て難いもの。新たな歌舞伎座に、あの賑わいは戻ってくるでしょうか。期待して待ちたいと思います。

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Daisy


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なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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