ベリーナ・コスタディノヴァによるピアノソナタXVI:24(ハイドン)

今日は久々に癒し系、美貌のピアニストの演奏です。

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ベリーナ・コスタディノヴァ(Belina Kostadinova)のピアノによる、ハイドンのピアノソナタ(Hob.XVI:24)、ショパンの4つの練習曲(Op.10)、
リストの「葬送」、バルトークのブルガリアのリズムによる6つの舞曲(ミクロコスモス第6集より)の4曲を納めたアルバム。収録は2007年7月13日から14日にかけて、スイスのチューリッヒの放送スタジオでのセッション録音。レーベルはgega new。

このアルバム、最近オークションで手にいれたもの。ハイドンのピアノソナタが含まれているアルバムということで入手しましたが、気になるのはジャケットの写真。ベリーナ・コスタディノワというピアニストは未知の人ですが、ぐっと惹きつけられる美貌の持ち主。ということで、オークションの一覧でこの写真と「目が合った」という感じで出会いました。

BELINA

ベリーナ・コスタディノヴァはブルガリアのピアニスト。5歳のときに叔父と母の弾くピアノを聴いてピアノを志すようになり、ブルガリアの黒海沿岸の街ブルガス(Bourgas)の音楽高校、そして首都ソフィアのソフィア音楽アカデミーで専門的教育を受けました。アカデミーではレフ・オボーリン(Lev Oborin)門下生で、ロシアピアニズムの継承者と見做されていたマーシャ・クラステワ(Mascha Krasteva)とともに学び、古典派からロマン派にかけての音楽にとロシア音楽もレパートリーに加えるよう取り組み、また、祖国ブルガリアの音楽にも取り組みました。1989年にルドルフ・ブッフビンダーと出会い、スイスのバーゼル音楽院で彼に師事し、以後アレクシス・ワイゼンベルクやパウル・バドゥラ=スコダらのマスタークラスに参加し、ヨーロッパ各国で活躍しているとのこと。

このアルバムはコスタディノヴァのデビューアルバムで、彼女にとっては、デビューまでの間に思い入れのある曲を集めた特別な選曲のアルバムということです。ハイドンとリストの曲は若い頃から好んで演奏し、特にハイドンはハイドンの大家とされたブッフビンダーの前で最初に弾いた曲。そしてブルガリア人としてバルトークのブルガリアのリズムによる6つの舞曲も研究しつくしてきた曲。ショパンは、ゲサ・アンダの録音が決定的な影響をもたらした曲とのことです。

Hob.XVI:24 Piano Sonata No.39 [D] (1773)
粒立ちの良いピアノの響きでテンポよく入りますが、経歴からの想像力が働いたのか、ロシアのピアニスト特有のグイグイと引っ張っていく勢いも感じられます。女性ならではのタッチのしなやかさもあるんですが、それを上回る流れの良さと色彩感がポイント。音がコロコロと弾んでゆく心地よさに耳を奪われます。フレーズ毎にあえて印象的な間というか、リズムの分断を設けるのが個性的。1楽章はオーソドックスなようでよく聴くと個性的な仕上がり。
アダージョはしっとりではなく訥々とした表情が印象的。冒頭のきらめくような緊張感から暖かい風に包まれるような展開が一般的な入りなんですが、その瞬間に緩まず、緊張感を保ち、寂しさを突き詰めていくようなストイックさがあります。やはりロシア的な感性がそうさせるのでしょうね。
フィナーレはサクサクと入り、あえてサラサラとした感触を保ち、よく聴くと激しく展開する曲をサラリとこなしていきます。最後はリズムとフレーズを誇張してキリリと引き締めて終わります。

つづくショパン、リスト、バルトークもコスタディノヴァがそれぞれ得意としていた曲というのがよくわかります。ハイドン同様、楽譜に込められた情感に至るまで弾きこなしており、思い入れを感じる演奏でした。特にバルトークのキレ味鮮やかながら、しっとりとした演奏は流石と思わせるものでした。

美貌のピアニスト、ベリーナ・コスタディノヴァのハイドンのソナタですが、ジャケットの造りから想像されるアイドル系の演奏とは異なり、なんとなく奏者の芸術的表現の吐露と思わせる息吹を感じる本格的なものでした。タッチが冴え渡る演奏は他にもいろいろあり、そういう視点での優れた演奏というより、ブルガリア出身の彼女がピアノで世界に羽ばたいたバックボーンとうか、苦労の積み重ねが詰まった音楽と聴こえました。選曲と解説によって奏者の息吹が浮かび上がる好企画ですね。ハイドンのソナタは[+++++]とします。

美貌の奏者のアルバムに癒しを感じるおじさん層のために、このアルバムを含めて「美人奏者」というタグをつけました。意外とマーケットでは重要な要素ですネ(笑)

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tag : ピアノソナタXVI:24 美人奏者

テレーズ・デュソーのピアノソナタ集(ハイドン)

なんだかピアノの響きにはLPが合うようで、ピアノソナタの名録音がつづきます。

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テレーズ・デュソー(Thérèse Dussaut)のピアノによる、ハイドンのピアノソナタ2曲(Hob.XVI:49、XVI:52)とファンタジア(Hob.XVII:4)の3曲を収めたLP。収録についてはネットで色々調べるとおそらく1972年にリリースされたもののよう。レーベルはARION。

こちらも先日ディスクユニオン新宿店で仕入れたもの。LP売り場は適度に分類されているんですが、交響曲や弦楽四重奏曲はハイドンのコーナーがあるもののピアノ曲はH前後のいろいろな作曲家のアルバムが混ざっており、LP時代には現在もCD化されていない未知のピアニストのアルバムがまだまだあるようで、売り場構成と相まって宝探し的楽しみがあります。このアルバムもそうして発見した一枚。

ジャケットをよく見ると古いスケッチですが、明らかにハイドンのような顔をした男がフォルテピアノの横に座り、鍵盤の前には貴婦人が立っているスケッチ。調べてみるとフランスの画家、ドミニク・アングルの1806年の習作「森の家族」とのこと。アングルは1780年、南仏のモントーバン(Montauban)生まれで、トゥールーズ、パリで学んだのち、当時の若手の登竜門だったローマ賞を受賞し、政府給費留学生として1806年にローマに渡ります。この絵がパリトローマのどちらで書かれたのかはわかりませんが、ハイドンはパリにもローマにも行っていませんので、実際の場面ではなく、当時ヨーロッパ中で知られていたハイドンから音楽を学んでいる姿を想像してスケッチしたものでしょうね。当時のハイドンの人気を物語るものでしょう。LPの魅力はこうしたジャケットにもあるわけで、たかが印刷ですが、なんとなくいい雰囲気が漂うわけです。

さて、本題に戻って、奏者のテレーズ・デュソーについて調べてみます。

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テレーズ・デュソーは1939年、ヴェルサイユ生まれのピアニスト。父は作曲家のロベール・デュソー(Robert Dussaut)、母も作曲家のエレーヌ・コルヴァティ(Hélène Corvatti)。フランスでマルグリット・ロンとピエール・サンカンにピアノを学び、ドイツではロシアのピアニスト、ウラディミール・ホルボフスキに師事しました。1957年には国際ARDコンクールで優勝し、以後はコンサートピアニストとして活躍、現代音楽にも積極的に取り組んできたそうです。近年は教育者として活躍しているとのこと。

Hob.XVI:49 Piano Sonata No.59 [E flat] (1789/90)
しっとりとしたタッチから流れ出る音楽。女性奏者らしいタッチの柔らかさが印象的。サラサラと流れながらも要所でのアクセントはくっきりとつけていきます。まさに気品に溢れた演奏。LPだからか研ぎ澄まされたピアノの音色の美しさが際立ちます。ハイドンの曲のメロディーの美しさも展開の面白さもアイデアの豊富さもすべて折り込んでさらりと美しくまとめいる感じ。ジャケットのスケッチが、女性ピアニストが演奏を終え、ハイドンが満足げに微笑んでいる姿にも見えてきました(笑) 実に品のいい演奏。
アダージョに入ると、実際の音量以上に静けさを感じさせます。楽章がかわって、気配も変わった感じ。聴き手を包み込むようなオーラが発散しています。心に沁み渡るような浸透力。仄暗い部屋の真ん中でスポットライトを浴びながら静かにピアノの響きと向き合うッデュソーの心境がつたわるようです。後半の左手のアクセントの連続は澄み渡るような美しさ。実際の力感ではなく、力感を表現するのは音の対比のみでできるのだとでも言いたげなほど、力が抜けているのに音楽の起伏は険しく感じられる演奏。美しすぎるアダージョ。
3楽章はメヌエット。ことさら演奏スタイルを変えることなくさらりと入り、淡々と進めていきます。キラメキを増す右手にと、絶えず静けさを保ち続ける冷静さのバランスが絶妙。

Hob.XVII:4 Fantasia (Capriccio) op.58 [C] (1789)
こだまのようにメロディーが響き合う小曲。テンポよくすすむ曲想にあわせてタッチのキレも一段と鮮やかになりますが、なにより素晴らしいのが可憐な雰囲気に満ちていること。やはりデュソーの演奏の特徴はこの気品にあります。時折前曲のソナタの演奏では見せなかった激しいアクセントが姿を現してちょっとびっくりしますが、この小曲でのメリハリをきっちりつけようということでしょう。最後の終わり方もちょっと驚く間をとって遊び心をみせます。最後まで透徹したタッチとしなやかさが感じられる名演奏です。

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Hob.XVI:52 Piano Sonata No.62 [E flat] (1794)
曲の構えが大きい分、ぐっと迫力を増した入り。最初の曲ではしなやかさが印象的だったんですが、この曲では力感は十分。素晴らしい迫力に圧倒されます。もちろん繊細な響きの魅力は保っていますので気品に満ちた迫力です。この曲ではやはり力感の表現がポイントとみたのでしょう、1楽章はしなやかな中にも迫力が満ち溢れ、力で押していくようなところもある演奏。
そしてアダージョも打鍵の余韻を実に品良く響かせます。余韻の隅々までしっかりコントロールされた演奏。ところどころでかなり力を抜いた音階をちりばめたり、アクセント、特に左手のメロディーをデフォルメしたりすることで、この優雅な曲にくっきりとした表情の変化をつけていき、音楽の彫りを深くしていきます。
終楽章のプレストへの入りが実に印象的。連続音から始まるこの曲の表情を見事に演じます。タタタタと続く音を実に表情豊かにしあげてきます。このセンスこそデュソーの演奏の真骨頂。全編に気品が満ちているのは音の響きに関する鋭敏な感覚があってのことでしょう。この曲でも一つとして同じ音をならさぬようタッチは非常にデリケート。速い音階の滑らかさとアクセントの対比も見事。突然テンポを落としたりとハイドンのしかけた機知にも呼応します。曲の読みが深いですね。この曲も見事の一言。

ディスクユニオンの売り場から掘り起こしたアルバムですが、これは宝物レベルの名盤でした。まったくしらなかったテレーズ・デュソーというピアニストによるハイドンでしたが、ジャケットに移る美麗な姿そのままの気品に溢れた名演奏でした。音に対する鋭敏なセンスを持ち合わせ、ハイドンのソナタから実に深い音楽を引き出す腕前の持ち主。1曲目のXVI:49ではそのセンスの良さで聴かせ、ファンタジアではタッチのキレのよさ、そして最後のXVI:52では迫力と彫りの深さで圧倒されました。LPのコンディションも悪くなく、美しいピアノの響きを堪能できました。評価は全曲[+++++]とします。

このところの陽気でだんだん目の周りが痒くなってきました。魔のシーズン突入ですね(笑) めげずに頑張ります!

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tag : ピアノソナタXVI:49 ピアノソナタXVI:52 ファンタジアXVII:4 美人奏者 LP

エイナフ・ヤルデンのピアノソナタ集(ハイドン)

今日も湖国JHさんから送り込まれたアルバムです。最新盤で手に入れようと思っていましたが、まだ未入手だったアルバム。最近中古LPの方に関心が移っている隙を突かれた感じです(笑)

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エイナフ・ヤルデン(Einav Yarden)のピアノによる、ハイドンのピアノソナタ6曲(Hob.XVI:29、XVI:24、XVI:25、XVI:26、XVI:31、XVI:32)を収めたSACD。収録は2015年12月3日から5日、オランダのロッテルダムの隣町、スキーダム(Schiedam)のウエストフェスト教会でのセッション録音。レーベルは優秀録音の多いCHALLENGE CLASSICS。

ジャケットを見ての通りの美しい容姿のピアニスト。名前からどこの国の人かわかりませんでしたが、調べて見るとイスラエル。1978年にテル・アヴィヴに生まれ、イスラエル音楽院、テル・アヴィヴのルービン音楽アカデミー、アメリカボルチモアのジョン・ホプキンス大学などで学び、2006年ミネソタ国際ピアノ-e-コンクールで優勝、2009年ベートーヴェン国際コンクール第3位入賞と頭角を現しました。今日取り上げるアルバムが彼女の2枚めのアルバムで、デビュー盤は同じくCHALLENGE CLASSICSからリリースされたベートーヴェンとストラヴィンスキーのアルバムです。ジャケット同様、美しくデザインされた彼女のサイトがありますのでリンクしておきましょう。

Einav Yarden

若手のピアニストが、ピアニストの表現力を丸裸にしてしまう難しさを持ったシュトルム・ウント・ドラング期直後のハイドンの中期のソナタに挑むということで、興味津々。

Hob.XVI:29 Piano Sonata No.44 [F] (1774)
流石にSACD、広い空間の少し先にピアノがふっと浮かび上がる見事な録音。超低音の暗騒音が奏者の動きの気配まで伝えます。演奏は非常にバランスの良いもの。ハイドンのソナタのツボはきちんと押さえて、八分の力でタッチの軽さとリズムのキレの良さをベースにさらさらと弾きこなしていきます。この曲はどうしても巨人リヒテルの素晴らしい力感のこもった演奏と比べて聴いてしまうのですが、ヤルデンは逆にそうした力感のトラウマを全く感じさせず、サラサラと曲をこなしていくので、逆にハイドンの書いた音楽をゆったりとトレースしながら聴くことに集中できます。
続く流麗なアダージョもさっぱりとこなしていきます。1曲1フレーズの表現を極めるのではなく、このアルバムに収められた曲集を、遠くからながめて、山脈の絵を描くように、大きな視点で捉えた演奏。先日取り上げ激賞したデニス・コジュヒンの演奏とも共通するところですが、この冷静なのに深みをもたらす姿勢、若手ピアニストとはいえ、かなりの音楽性の持ち主と見ました。
終楽章のメヌエットも見事なもの。鏡のように澄み切った心境から生まれる落ち着いた演奏の中からハイドンの機知がにじみ出てきます。短調の仄暗さにも輝きがあり、華のある演奏です。タッチは鮮やかでかなりの腕前ですが、テクニックを誇示するようなところはなく自然な表現。1曲めから来てます!

Hob.XVI:24 Piano Sonata No.39 [D] (1773)
美しい入りのメロディーが印象的な曲。そのメロディーの輝き絶妙にスポットライトを当て、曲の美しさが惚れ惚れするように表現されます。テンポは少し速めな印象ですが、ところどころですっと落とすので音楽に動きが生じて活き活きとした印象。早いパッセージのタッチの鮮やかは変わらず。
途中の転調の絶妙な瞬間が聴きどころの曲ですが、ヤルデンはそこに焦点を当てるのではなく、曲全体の流れの中にハイドンの見事な創意を自然に浮かび上がらせるという、これまた見事な表現。一音一音が宝石のように輝きながら空間に置かれていきます。美しすぎる見事な演奏。
フィナーレは癒しに満ちた静けさを断ち切るように鮮やかなタッチでまとめます。

Hob.XVI:25 Piano Sonata No.40 [E flat] (1773)
一転して低音によるリズムの面白さで曲が変わったことを印象付けます。一峰一峰の容姿の違いを克明に描きますが、それが山脈の変化に富んだ姿であるように、不思議とまとまりを感じる演奏。ヤルデンの恐ろしいばかりの表現力。ここまで来て、ヤルデン、ハイドンのソナタの真髄に迫っていると確信します。途中高音に一音のみアクセントつけたり、ほんのわずかにスパイスを効かせます。このソナタの肝が推進力であると思い起こさせる見事な表現。
この曲は2楽章構成。気まぐれなハイドンの筆の面白さをちゃんと拾って、さりげない変化のさりげない面白さをしっかりと味あわせてくれます。一音一音を追いかけながら音楽の展開に引き込まれます。

Hob.XVI:26 Piano Sonata No.41 [A] (1773)
この時期のソナタの展開の面白さに耳が行っているところに、それを知って弾いてくるようなヤルデンの演奏。ハイドンの音楽の面白さを本質的に理解しているのがよくわかります。単にわたしの聴き方との相性なのかもしれませんが、これだけすっと入ってくる演奏はなかなかありません。音楽の流れと音楽に宿る創意を汲み取る力は素晴らしいものがあります。時折響きを強調するところのセンスの良さも出色。それらが一貫してさりげない雰囲気でまとめられているのがハイドンにふさわしいですね。
続くメヌエットは曲の面白さを読みきり、あえて少しコミカルにまとめます。そして流れるように自在にテンポを動かすフィナーレ。ここに来て表現の幅を広げてきました。

Hob.XVI:31 Piano Sonata No.46 [E] (1776 or before)
この6曲を一連の物語りと捉えて、一節一節、展開にふさわしい語り口で語られるので、どんどん物語りに引き込まれていきます。美女の素晴らしい表現力の語りにうっとりといったところ。演奏が型にはまった感じは皆無。音符に仕込まれた創意を素直にどんどん音楽に変換していくの楽しんでいるよう。この曲でも1楽章のリズムの面白さ、2楽章の沈み方をあえて浅めに捉えて流れの良さにスポットライトを当てるところ、終楽章のタッチのキレの良さと、それぞれの楽章の本質を捉えてまとめます。

Hob.XVI:32 Piano Sonata No.47 [b] (1776 or before)
最後に有名曲を持ってきました。名演ひしめく名曲です。堂々とした入りから、ところどころにヤルデンらしい爽やかなアクセントで華やかさを演出します。力で押す演奏が多い中、クリアな響きを保ちながら、フレーズ毎の変化と創意の面白さをバランスよく組み込みますが、この曲ではオーソドックスな演奏の範囲にとどめているのは見識でしょう。皆の頭に焼くつくこれまでの素晴らしい演奏に敬意を払っているよう。これまでの曲で自身のハイドンをじっくり聴かせているので、最後はアルバムを引き締めるようなフォーマルさを感じさせます。
メヌエットはさらりと曲の面白さを感じさせるヤルデンならではの演奏。そしてフィナーレではこのアルバム一番のキラメキ。右手の輝かしいアクセントが印象的です。最後はタイトに引き締まったピアノを聴かせて終わります。

イスラエルの若手美人ピアニスト、エイナフ・ヤルデンの弾くハイドン中期のピアノソナタ集。これは名盤です。ハイドンのピアノソナタの面白さを十分に引き出しながらも、一貫した冷静さを保ち、そしてそこここに美しい響きを散りばめるという理想的な演奏。録音も鮮明で言うことありません。先日取り上げたデニス・コジュヒン同様、素晴らしい才能の持ち主です。ぜひハイドンのピアノソナタの全曲録音に挑んで欲しい、これからが楽しみなピアニストです。評価は全曲[+++++]とします。

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トリオ・ヴィエナルテのピアノ三重奏曲集(ハイドン)

久々に湖国JHさんからアルバムの束が届きました。今日はその中からの一枚。

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トリオ・ヴィエナルテ(Trio Viennarte)の演奏による、ハイドンのピアノ三重奏曲3曲(Hob.XV:27、XV:28、XV:29)を収めたアルバム。収録は2000年4月、旧自由ベルリン放送(現ベルリン=ブランデンブルク放送)第3ホールでのセッション録音。レーベルは独CAMPANELLA Musica。

このアルバム、ジャケットを見ると、手元にあると思って所有盤リストを見てみてもありません。ただし、このジャケットは確かに見覚えがあると思ってCDラックを探してみると、ありました! 実は同じレーベルの別のアルバム。同じような雰囲気のレイアウトでハイドンのモノクロの肖像画をあしらったジャケットゆえ既視感満点。ということで、これまでもいろいろなところで見かけても、手元にあると勘違いして注文もしてこなかったということです。こういうこともありますね。

さて、奏者のトリオ・ヴィエナルテは美人女性3人によるトリオ。いつもながら、それをアイドル路線でアルバムにしてくるのではなく、しっかりとしたプロダクツに仕立ててくるところにレーベルの見識を感じます。ジャケットの扉を開けるとこの写真が。

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この写真はアルバムの内側なので、このアルバムをもし店頭で見かけたとしても見られません。こちらを表にした方が売り上げに貢献したかもしれませんね(笑) メンバーは下記の通り。

ヴァイオリン:ヴェロニカ・シュルツ(Veronika Schulz)
チェロ:ジュリア・シュライフォーゲル(Julia Schreyvogel)
ピアノ:マリア・ロム(Maria Rom)

トリオ・ヴィエナルテは1996年に設立されたトリオ。メンバーは1970年から74年にウィーン生まれで、ウィーンで音楽を学んだ人。ウィーンのコンツェルトハウスで開催された青少年音楽コンクールでのデビューコンサートは非常に高く評価され、その後「若者の表彰台(Podium of Youth)」と題された一連のコンサートはヨーロッパ各国や南アフリカで開催されました。またシャーンドル・ヴェーグ・アカデミーではメナム・プレスラーやアルバン・ベルク四重奏団のメンバーに師事していました。なお、ヴァイオリンのヴェロニカ・シュルツは、ウィーンフィルの首席フルート奏者を長く勤めたウォルフガング・シュルツの娘とのこと。今回調べてみると、ウォルフガング・シュルツは2013年に亡くなっていたんですね。録音はこのアルバムの他にcamerataレーベルにブラームスのピアノトリオがあるくらいで、トリオのウェブサイトも見当たらないことから、現在は活動していないかもしれませんね。

さて、名盤ひしめくピアノトリオであり、しかもハイドン絶頂期の名曲3曲ということで。聴く方もちょっと前のめり気味(笑)

Hob.XV:27 Piano Trio (Nr.43/op.75-1) [C] (1796)
録音は残響が多めですが鮮明。鋭利な刃物で音楽を切り取っているような鮮度抜群な演奏。各パートが火花を散らしながらしのぎを削る感じがまさにライヴのよう。これは好みのタイプです! 各パートの精度はほどほどなんですが、勢いというかエネルギーはものすごいことになっています。マグマが噴出するような熱いエネルギーがほとばしります。この3曲セットの冒頭を飾るアレグロから見事の一言。
続くアンダンテでこのトリオの表現の幅を確認しようとする意図で聴きますが、意外にさりげないさっぱりとしたタッチできます。そうこうするうちにやはりライヴ的な盛り上がりに包まれます。やはりこのトリオ、ライヴ感が信条のようです。極上のライヴを楽しんでいるような至福の境地。
フィナーレも一貫した演奏。特にピアノのマリア・ロムの鮮やかなタッチが印象的。ヴァイオリンのヴェロニカ・シュルツも鮮やかなボウイングでキレの良さを見せつけ、チェロのジュリア・シュライフォーゲルも深みよりキレのタイプ。終盤の盛り上がりの集中度合いも見事なもの。1曲目からノックアウトです。

Hob.XV:28 Piano Trio (Nr.44/op.75-2) [E] (1796)
1曲目とまったく同じくライヴ感満点の演奏。音楽が活き活きと弾みダイナミックに展開します。どこかのパートが目立つということではなくアンサンブルとしてバランスが良く、ハイドンのピアノトリオの理想的な演奏。これは外連味なくキレのいいピアノの功績でしょうか。室内楽としての演奏の完成度が非常に高いということでしょう。耳を澄ますとピアノは早いパッセージをクリアにではなく流れるようなタッチで滑らかに弾いてきますが、それが過度に目立たぬことに貢献しているよう。覇気に満ちたピアノもいいものですが、こうして音楽の骨格を支えるピアノこそバランスの良い演奏の基本ですね。
続くアレグレットは前曲同様さっぱりとした表情で入りますが、その中から慈しみ深さが滲み出てくるような演奏です。ここではピアノの自然ながら彫りが深い美しいタッチが圧倒的な存在感。ヴァイオリンとチェロも寄り添いながら終盤にグッと力が入ります。
前楽章のエネルギーをさらりと受けて再びさっぱりとした入り。落ち着いた演奏からハイドンの終楽章のアイデアに満ちた構成の面白さが浮かび上がります。前曲同様非常に完成度の高いアンサンブル。

Hob.XV:29 Piano Trio (Nr.45/op.75-3) [E flat] (1796)
演奏が安定しているので、曲を存分に楽しむことができます。大波の合間に時計を刻むような瞬間が挟まれる独特の曲想の面白さが浮かび上がります。3人とも各パートの演奏はかなりダイナミックで、それが響きあうように重なり、3人の演奏なのに室内楽を超えるようなダイナミックさに聴こえます。この3曲の中でも格別構成感を感じさせる1楽章が見事に引き締まります。
すっと力を抜いた2楽章の入り。落ち着いた響きがこれまでのエネルギーを覚まし、ハイドンが書いた曲想の展開の面白さを鮮やかに印象付けます。曲の流れを踏まえていい具合に力が抜け続けているのがポイントでしょう。そしてそのまま終楽章に入ります。この3曲の結びのように華麗なメロディーが明るく鳴り響き、それにヴァイオリンとチェロがいい具合に寄り添います。展開部でアーティスティックに振りますが、最後はリラックスして爽やかに終えます。

トリオ・ヴィエナルテによるハイドンの傑作ピアノトリオ集、ライヴ感あふれる見事な演奏でした。際立つのはアンサンブルとしてのまとまりの良さ。全員が腕利き揃いなのに加え、室内楽としての呼吸がピタリと合って絶妙の演奏。セッション録音ながらライヴ収録と言われてもわからないくらいの活き活きとした表情が魅力の演奏です。これはウィーンを同郷とする同世代の女性のトリオだからでしょうか。残念なのはこのアルバムともう一枚のブラームス以外にアルバムがリリースされていないこと。これだけの才能を持つトリオゆえ、ぜひハイドンの録音ももう少し期待したいところです。評価は3曲とも[+++++]と致します。

湖国JHさん、今回もいきなりいいアルバム、ありがとうございます!

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【新着】タマール・ベラヤのピアノソナタXVI:37(ハイドン)

今日は久々の女流ピアニストのアルバム。

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タマール・ベラヤ(Tamar Beraia)のピアノによる、ハイドンのピアノソナタ(Hob.XVI:37)、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第10番(Op.14-2)、シューマンの謝肉祭(Op.9)、リストのメフィストワルツ第1番、バッハ(ブゾーニ)のシャコンヌ(BWV.1004)の5曲を収めたアルバム。収録は2013年11月15日から17日にかけて、ミュンヘンのバイエルン放送第1スタジオでのセッション録音。レーベルはバイエルン放送のBR KLASSIK。

モノクロームのアーティスティックなジャケットが印象的なアルバム。もちろんハイドンのソナタが含まれている若手ピアニストのアルバムということで注文したものですが、調べてみるとこのアルバム、このピアニストのデビューアルバムのようです。

タマール・ベラヤは1987年、黒海の東、トルコの北隣のジョージア(グルジア)の首都トビリシ生まれのピアニスト。録音当時26歳ということで、ピチピチの若手ピアニストということになります。ジャケットの写真はあえてアイドル路線とはしていませんが、彼女のサイトを見ると、かなりの美貌の持ち主。日本だったら完全にアイドル系で売り出すところでしょうが、そこは成熟市場のヨーロッパだけあって、実に堅実なプロダクションに仕上がっています。オフィシャルサイトにはこのジャケット写真とは雰囲気を異にする、これまたアーティスティックなベラヤの写真が多数掲載されています。

Tamar Beraia Offical Website

略歴にも触れておきましょう。音楽一家に生まれ、5歳から母にピアノの教えを受け、1997年に早くも10歳でリトアニアで開催されたバリス・ドヴァリオナス(Balys Dvarionas)国際ピアノコンクールで1位、2000年にはロシアで開催されたハインリッヒ・ノイハウス(Heinrich Neuhaus)国際ピアノコンクールで1位となり才能が開花します。その後パリアシュビティ(Z. Paliaschwili)音楽学校、トビリシ国立音楽院と長らくジョージア国内で教育を受けてきて、最後はルツェルン音楽アカデミーでイヴァーン・クラーンスキーに師事。現在はスイスに活動拠点を置いています。

タマール・ベラヤのハイドン、ジャケットのアーティスティックなイメージそのままの演奏でした。

Hob.XVI:37 Piano Sonata No.50 [D] (c.1780)
少し遠めにかっちり硬質なピアノがくっきり定位します。現代音楽にも通じるようなシャープなタッチですが、テンポを揺らしながら曲が進むとハイドンらしい諧謔性と機知を感じさせるようになります。さりげない表情のなかからほのぼのとした雰囲気をうっすらと感じさせる、なかなか高度な芸術表現。音階がだんだん複雑に絡み合うようになると、タッチのキレで徐々に鮮やかなテクニックの持ち主とわかってきます。硬質なピアノの音色が表情を引き締めます。
ぐっときたのがつづく2楽章。テンポをかなり落として、冒頭から深い音楽に引き入れられます。1楽章のシャープな表情から一転して深淵な表情に。ゆったりとしながらもどこか冷徹さもあり、現代音楽風の緊張感も漂います。
その淵に光が射すように明るい表情のフィナーレに入ります。この楽章間の鮮やかな変化のセンスは鳥肌もの。シンプルなメロディーによる明朗な音楽ですが、淵からの変化であるところにハイドンの音楽の素晴らしさがあることを知りぬいたような演奏。アムランのハイドンに宿る鋭敏な感覚とは少し異なりますが、若いタマール・ベラヤのデビュー盤にも同種の閃きを感じます。

このアルバムのプログラム構成はデビュー盤としてはかなり意欲的なもの。実は演奏の難しいハイドンから入り、ベートーヴェン、シューマン、そしてリストを挟んでバッハのシャコンヌと、センスも抜群。どの曲もハイドン同様、奏者の立ち位置が明確な演奏で、それぞれの作曲家の真髄にさらりと触れる演奏。この人、大物かもしれませんね。鮮鋭度は差がありますが、音楽の造りはクレーメルを想起させるものがあります。これからが楽しみなピアニストですね。ハイドンの評価は[+++++]とします。

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イルムガルト・ゼーフリートのカンツォネッタなど(ハイドン)

ゼーフリートの追っかけ的記事をもう一本。

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イルムガルト・ゼーフリート(Irmgard Seefried)のアリアや歌曲の1944年から1967年までの録音を集めた4枚組のアルバム。この中にハイドンのアリア「情け深い人は」Hob.XXIVb-13(F.ビアンキの「インドのアレクサンドロス大王」への挿入曲、英語によるカンツォネッタ集から3曲が収められています。アリアはレオポルド・ルートヴィヒ(Leopold Ludwig)指揮のウィーン交響楽団の演奏で1944年10月、ウィーンのムジークフェライン・ザールでの録音。カンツォネッタ3曲はエリック・ウェルバ(Erik Welba)のピアノ伴奏で、1956年1月、ザルツブルクのモーツァルテウムでのオーストリア放送の録音。レーベルはORFEO D'OR。

このアルバムは、先日取り上げたゼーフリートの歌う天地創造のアルバムの記事を書いている時にゼーフリートのディスコグラフィを調べていて発見したもの。もちもとヨーゼフ・クリップスつながりでゼーフリートにつながり、そしてこのアルバムにつながったという流れです。天地創造のアルバムも発見と同時に注文。そしてこのアルバムも同じく発見と同時に注文ということで、短期間に未聴のハイドンの名演奏が3組つながった次第。いやいや世の中便利になりました。このへんのつながりについては前記事を御覧ください。

2015/10/31 : ハイドン–オラトリオ : ゼーフリート/クリップス/ウィーンフィルの天地創造から(ハイドン)

さて、このORFEOのゼーフリートの録音集ですが、ハイドンばかりでなくモーツァルト、ベートーヴェンからプッチーニ、ワーグナー、リヒャルト・シュトラウス、ムソルグスキーなどの曲が含まれています。特にモーツァルトのアリアは、カラヤン、フルトヴェングラー、ワルター、ベーム、ライトナー、アンセルメなどの名指揮者の振るウィーンフィルなどの有名オケの伴奏と超豪華な布陣。CD2の冒頭に置かれた1947年録音のカラヤン/ウィーンフィルとの「フィガロの結婚」のケルビーノのアリアはこれまでこのアリアでも最も芳しい歌唱でノックアウト! 憧れのゼーフリートの絶頂期の素晴らしい歌声にとろけそうです。1952年のフェルディナント・ライトナーとの「羊飼いの王様」のアリアはライトナーの沁みる伴奏にゼーフリート絶唱! そして1953年のワルター/ニューヨークフィルとの「エクスラーテ・ユビラーテ」など、ハイドンのレビューの前にメルトダウン。いやいやこのアルバム、ゼーフリートファンには宝物のようなアルバムです。ちなみにハイドンのうちカンツォネッタ3曲はこのアルバムが初出とのこと。

Hob.XXIVb:13 Aria di Errisena "Chi vive amante" for Bianchi's "Alessandro nell'lndie", Act 1 Scene 5 「情け深い人は」ビアンキの歌劇「インドのアレクサンドロス大王」への挿入曲 [B] (1787)
4枚組のCD1の冒頭に置かれた曲。どこかで聴いた曲だと思ったら、ヌリア・リアル盤、ベルガンサ盤に収録されていて、どちらもレビューしてました。この曲はハイドンの書いたアリアの中でも指折りの美しいメロディーの曲。冒頭から癒しが満ち溢れます。

2010/11/06 : ハイドン–オペラ : ヌリア・リアルのオペラ挿入アリア集
2010/11/03 : ハイドン–オペラ : ベルガンサのオペラアリア集

レオポルド・ルートヴィヒの振るウィーン響が実にしなやかな伴奏。ゆったりとした序奏に乗ってゼーフリートもゆったりと入ります。もちろんモノラルながら1944年とは思えないしっかりとした響き。ノイズも気になりません。流石ORFEOの技。神々しくもある非常に美しいメロディーをゼーフリートの芳しいソプラノが朗々と歌い上げていきます。ゼーフリート31歳の声の輝きが眩しいですね。至福の時間。5分くらいのこの短い曲1曲でもこのアルバムを手にいれる価値があります。オケも実に慈しみ深い響きで名サポート。アルバムの冒頭でいきなり昇天。

Hob.XXVIa:34 6 Original Canzonettas 2 No.4 "She never told her love" 「彼女は決して愛を語らなかった」 [A sharp] (1795)
カンツォネッタから有名な曲。カンツォネッタ3曲はCD3の冒頭に置かれています。非常に美しいメロディーの曲。ゼーフリートはハイドンの歌曲のなかでもメロディーの美しい曲を厳選して録音していることになります。ピアノのエリック・ウェルバは1913年生まれのドイツのピアニスト。ゼーフリートをはじめとしてペーター・シュライアーやニコライ・ゲッタの伴奏を長らく務めた人。流石に伴奏のプロ、ゆったりと濃密な音楽で、歌手が歌いやすいように気配を整えます。序奏からゆったりとドラマティック。すでに序奏で詩情がにじみ出てきます。ゼーフリートの歌は残念ながら他の録音ほど輝きを感じず、ゆったりと朗々とした歌唱ながらも、もう一歩の起伏が欲しいところ。

Hob.XXVIa:35 6 Original Canzonettas 2 No.5 "Piercing eyes" 「見抜く目」 [G] (1795)
2分弱の短い曲。ウェルバのしっとりとしたピアノは変わらず、ゼーフリートは高音を転がしながらこの曲を歌うことを楽しむよう。

Hob.XXVIa:41 "The Spirit's Song" 「精霊の歌」 [f] (c.1795)
ハイドンの歌曲の中ではもっとも暗澹とした曲。やはりゼーフリートの選曲眼の鋭さを感じます。この曲でもウェルバの饒舌なピアノが心に刺さります。ゼーフリートは安心してゆったりとピアノに乗って歌います。ゼーフリートの美声は楽しめるものの、歌自体に潜む魂のようなものにあと一歩届いていないかもしれません。この3曲でゼーフリートの声が少々平板に聴こえてしまうのはもしかしたら歌曲にしては少々デッドな録音のせいかもしれません。

ゼーフリートのハイドンの録音を探して辿り着いたこのアルバム。アルバムの冒頭に置かれたビアンキのオペラへの挿入曲はゼーフリートの素晴らしさを存分に味わえる録音。そして歌曲の方はこれまでリリースされていなかった理由があるような気がします。綺羅星のように輝くゼーフリートのアリアの数々を知る人にとって、ちょっと化粧乗りの悪いゼーフリートは見たくないかもしれません。もちろん歌唱は素晴らしいものなのですが、ゼーフリートの絶頂期の、あの芳しく可憐で胸躍るアリアの魅力からはちょっと差がついているということです。いずれにせよ、ハイドン以外も含めてゼーフリートファンの方は絶対手にいれるべき素晴らしい価値のあるアルバムと言っていいでしょう。ハイドンの評価はアリアは[+++++]、歌曲3曲は[++++]としておきます。

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ゼーフリート/クリップス/ウィーンフィルの天地創造から(ハイドン)

月末ですが、もう一つ小物をとりあげます。先日取り上げたヨーゼフ・クリップスとウィーンフィルの交響曲を取り上げた際に、ネットのディスコグラフィを調べていて発見したアルバム。

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新星堂とEMIによる”栄光のウィーンフィルハーモニー管弦楽団II~その指揮者とソリストたち~”というシリーズの第24集の「ウィーン国立歌劇場の名歌手たち」というアルバム。この中に「天地創造」からガブリエルのアリアを2曲が入っています。ガブリエルはイルムガルト・ゼーフリート(Irmgard Seefried)、ヨーゼフ・クリップス指揮のウィーンフィルの演奏。このアリアの演奏は1946年11月3日、4日です。

先日クリップスの振るウィーンフィルの素晴らしいハイドンに酔いしれましたが、冒頭に書いたとおり、他に録音がないかと調べていたところ、驚くべき録音が存在することがわかりました。ハイドンはハイドンでも天地創造であり、しかもガブリエルが好きなイルムガルト・ゼーフリート! アリアの抜粋とはいえ録音は1946年と戦後間もなく。録音が古いのが嬉しいのではなく、ゼーフリートのハイドンの中では一番若い時の録音ということで、ネットで発見して、マイクロセカンド単位の早業でamazonに注文を入れました。到着がこれほど待ち遠しいアルバムはありませんでした。

これまでゼーフリートの歌うハイドンは2度ほどレビューしていますが何れも天地創造。

2011/09/22 : ハイドン–オラトリオ : オイゲン・ヨッフム/バイエルン放送交響楽団の天地創造ライヴ-2
2011/09/20 : ハイドン–オラトリオ : オイゲン・ヨッフム/バイエルン放送交響楽団の天地創造ライヴ
2011/02/20 : ハイドン–オラトリオ : マルケヴィチ/ベルリンフィルの天地創造、ゼーフリート絶唱

マルケヴィチのアルバムでのゼーフリートのガブリエルのアリアを聴いたときの衝撃は忘れられません。アリアの音程がゆっくりと上がるのに合わせてこちらも昇天。この世のものとは思えない美しさに完全にノックアウトされました。この録音が1957年ということでゼーフリートは44歳、そして次に手にいれたヨッフムのアルバム1951年録音、ゼーフリート38歳。若干古目の録音からも可憐で艶やかなソプラノに痺れたものです。そして今回のアルバムは1946年録音ということでゼーフリート33歳。ちょっと平常心を失い気味です(笑)

このアルバムに収録されているのは第1部のガブリエルの第7曲のレチタティーヴォと第8曲のアリア、そして第2部冒頭の第14曲のレチタテイーヴォと第15曲のアリアです。

Hob.XXI:2 "Die Schöpfung" 「天地創造」 (1796-1798)
(Recitativo: Und Gott sprach, Aria: Num beut die Flur)
LPから起こしたものでしょうか、わずかながらスクラッチノイズが聞こえますが、音の鮮度は悪くありません。レチタティーヴォから憧れのゼーフリートの若々しい声にうっとり。かえってノイズがノスタルジックな雰囲気を盛り上げます。ガブリエルのアリアに入ると序奏からクリップスはかなりゆっくり目のテンポでウィーンフィルからゆったりとした響きを引き出しています。それに合わせてゼーフリートも朗々とアリアを歌います。ゆったりとした静けさの支配するアリア。マルヴィッチとの歌唱は成熟した魅力に溢れていましたが、こちらは若々しく可憐な印象。声の伸びはマルケヴィチ盤ですが、この清純な感じもいいですね。最後にすっと突き抜ける高音の魅力を聴かせます。

(Aria: Auf starkem Fittige)
第二部の冒頭の序奏から入ります。クリップスは相変わらず落ち着いてウィーンフィルを捌きます。しっとりとした響きが古きよきウィーンフィルの良さ。ゼーフリートは声量を抑えて可憐に入ります。歌のテクニックは後年のものには敵いませんが、持って生まれた声の美しさで聴かせるもの。憧れのゼーフリートですが、アリアの聴かせどころの演出などは、まだまだ工夫の余地があり、やはりマルケヴィチ盤の素晴らしい完成度、ヨッフム盤の声の輝きとは一段差がありました。

若かりしゼーフリートの美声を味わえる貴重なアルバム。よくぞこのアルバムを企画してくれました。このアルバム自体は1998年のもので、リリースから17年も経ってしまったことになります。戦後のウィーンの時代の空気を味わったような暖かい心になるアルバムでした。ちなみに他にもエーリッヒ・クンツのレポレッロ、シュワルツコップのトゥーランドットなど1940年代後半の華やかなウィーン国立歌劇場のアリアを楽しめる好企画です。ハイドンのアリアは[++++]としておきましょう。

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ジュリエット・ユレル/エレーヌ・クヴェールによるフルートソナタ集(ハイドン)

涼しくなってきたので、室内楽をのんびり楽しみます。

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HMV ONLINEicon / amazon / TOWER RECOREDS

ジュリエット・ユレル(Juliette Hurel)のフルート、エレーヌ・クヴェール(Hélène Coubert)のピアノによる、ハイドンのフルートソナタ3曲を収めたアルバム。フルートソナタはそれぞれ弦楽四重奏曲Op.76のNo.6、Op.77のNo.1、Op.74のNo.1を編曲したもの。収録は2005年2月7日から11日、パリ11区のボン・セクール教会でのセッション録音。レーベルはHarmonia Mundi系列のZIGZAG。

このアルバムも湖国JHさんから貸していただいているもの。ハイドンのフルートソナタということで、ハイドン好きな方でも、ピンと来る人はなかなかいないでしょう。原曲は上で触れたとおり弦楽四重奏曲ですが、ハイドンの生きていた時代、フルートはアマチュア音楽家に絶大な人気のある楽器であり、そうしたフルート人気にあやかり有名曲をフルートで演奏するための編曲は相次いでいたとのことで、今日取り上げるフルートソナタもその流れで編曲出版されたものと推察されます。当ブログでもこれまでフルートソナタの演奏は一度取りあげています。フルートの流行に関する記述もありますので関連する記事も取り上げておきましょう。

2011/04/20 : ハイドン–室内楽曲 : 佐藤和美とバティックのフルートソナタ
2011/04/09 : ハイドン–室内楽曲 : 2011/04/09 : ハイドン–室内楽曲 : フルート四重奏による太陽四重奏曲

このアルバム、ジャケットからわかりませんが、奏者は美人ぞろい。敢えてアイドル系の造りにしないところにレーベルの見識を感じます(笑)

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写真左のフルートのジュリエット・ユレルははじめて聴く人。パリ国立高等音楽院でフルートと室内楽で1等を受賞した他、ダルムシュタット、神戸、ブカレスト、ジャン=ピエール・ランパルコンクールなどの国際コンクールで優勝しているそう。主にヨーロッパと日本で活動しているということで、東京都交響楽団などとも共演しているようですね。
写真右のピアノのエレーヌ・クヴェールは以前、同じZIGZAGレーベルからリリースされているピアノソナタの演奏を取りあげています。

2010/08/24 : ハイドン–ピアノソナタ : エレーヌ・クヴェールのピアノソナタ

クヴェールの情報は上の記事をご参照ください。

Hob.III:80 / String Quartet Op.76 No.6 [E flat] (1797)
落ち着き払った自然な入り。もともとの弦楽四重奏は4楽章ですが、メヌエットを省いて3楽章としています。この辺はピアノトリオが3楽章構成だったということに由来するのでしょうか。ただ弦楽四重奏のタイトな魅力はフルートとピアノという楽器に置き換わることで、華やかな響きになります。フルートもピアノも実に自然な響き。HMV ONLINEの情報によれば、楽器はフルートがベーム式木製フルート、ピアノは1903年製エラール・ピアノということで、現代楽器よりは少々素朴な響きに聴こえます。女性奏者らしい自然な鮮度の高さを感じさせる演奏。特にクヴェールのピアノの弱音部の美しい響きはぐっと来ます。現代楽器とフォルテピアノいいところを合わせたようなデリケートな響き。無理に楽器を鳴らさず、控え目に響かせることで、心地よい響きが生まれます。残響を多めに録った録音も響きの良さを引き立てています。クァルテットのように音楽に正対して聴くというより、のんびりと楽しむように促されます。
2楽章に入ると穏やかな響きと余韻が一層しなやかになり、原曲とは異なる魅力を発散します。今度はユレルのフルートが艶やかに歌います。ユレルも弱音のコントロールが実に繊細。ゆったりと流れる音楽に引き込まれ、我を忘れるよう。
フィナーレでは2人のアンサンブルの正確さにあらためて気づかされます。セッション録音とはいえ、このリズムの刻みの見事さは流石。特にユレルのフルートの音階のキレの良さはトランス状態になりそうなほど。2人とも腕利きぞろいであることがわかります。軽さとキレはハイドンのフィナーレのポイントです。1曲目から脱帽です。

Hob.III:81 / String Quartet Op.77 No.1 [G] (1799)
聴き慣れたメロディーがフルートピアノにによって新鮮に響きます。弦楽器のストイックな印象とは異なり、フルートピアノの転がるように艶やかな響きがこの曲にはより合う感じ。音量を上げて聴くと、広い空間で2人がのびのびと演奏しているようすが手に取るように伝わります。すっと抑える部分が実に効果的。非常に緻密なデュナーミクのコントロール。ユレルはクヴェールのピアノ伴奏に安心して乗っているようで、2人の息の合った演奏は実に魅力的。ハイドンの創意の真髄に近づくというよりはハイドンの美しいメロディーを存分に楽しんでいるよう。これも音楽、これも再現といっていいでしょう。
アダージョは前曲同様、音楽が美しい響きに溶け込み、幸せに包まれるよう。ユレルの緊張感は途切れず、キレ味鋭いまま。ゆったりとした音楽ですが起伏は大きく迫力もかなりのもの。ここから生まれる音楽の価値を知れと言われているよう。
フィナーレはまさに転がるように進む音楽。

Hob.III:72 / String Quartet Op.74 No.1 [C] (1793)
最後の曲はこの2人の演奏に馴れた耳で聴きます。曲ごとのアプローチの差はなく、どの曲もじっくり噛み砕いて取りあげますので、聴く方も安心して身を任せることができます。フルートもピアノもキレ味は変わらず、どんな曲がこようとも揺るぎない姿勢で望もうとの気合いを感じます。まるでこれが原曲であるが如き説得力があります。2楽章は曲想がソロの部分が多い分、孤高の表情も聴かれこのアルバムの白眉といった印象。それぞれの楽器のソロのような完成度。フィナーレに入ってハッとしますが、まさに自分の部屋に2人奏者が来て演奏しているようなリアリティ。この臨場感はリアルな録音によって感じられるもの。研ぎすまされた奏者の息吹を至近距離で浴びるような素晴しい録音です。

3曲とも素晴しい安定感で、ムラは皆無。この緊張感の持続は素晴しいものがあります。自宅が響きの良いホールになったような錯覚さえ感じさせる素晴しいリアリティ。ジュリエット・ユレルとエレーヌ・クヴェールという美人デュオが聴かせるハイドンの名旋律。アイドル系の演奏というには完成度高過ぎで、やはり本格的な室内楽のアルバムと言っていいでしょう。ハイドンのオリジナルであるかどうかといったことは全く気にせず、音楽の面白さを純粋に楽しめる名盤といって良いでしょう。評価は全曲[+++++]と致します。

湖国JHさんも美人デュオの演奏ににんまりしていた事でしょう(笑)。室内楽好きな皆さん、オススメです。

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【新着】ダリア・グロウホヴァのハイドンのピアノソナタ集第3巻(ハイドン)

ショパンのようにハイドンを弾く人、ダリア・グロウホヴァのソナタ集の3枚目がリリースされました。

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ダリア・グロウホヴァ(Daria Gloukhova)のピアノによる、ハイドンのピアノソナタ5曲(Hob.XVI:6、XVI:34、XVI:14、XVI:40、XVI:37)を収めたアルバム。このアルバムのタイトルは「ハイドンのお気に入りのソナタ」。収録は2012年11月、これまでの2枚と同じ、モスクワ議会議事堂のラジオ放送収録第1スタジオでのセッション録音。レーベルは米CENTAUR。

短期間に3枚リリースされ、今回のアルバムも有名曲を集めたものではないことことを考えると、もしかして全集を企てているのでしょうか。

2013/12/30 : ハイドン–ピアノソナタ : 【新着】ダリア・グロウホヴァのハイドンのピアノソナタ集新盤(ハイドン)
2013/12/02 : ハイドン–ピアノソナタ : 【新着】ダリア・グロウホヴァのピアノソナタ集(ハイドン)

いずれにせよ、ハイドンのピアノソナタに新風を吹き込むグロウホヴァの新盤は気になるものということで、迷わずゲットし、迷わずレビューと言う流れです。

Hob.XVI:6 / Piano Sonata No.13 [G] (before 1760)
ごく初期のソナタ。4楽章構成。いつものように軽やかな入り。テンポを自在に動かし、サラサラとメロディーを置いていきます。いつものようにまさにショパンを弾くような詩情が溢れます。ハイドンの古典的な美しいメロディーと簡潔な構成の曲に花の香りをまぶしたような華やかさ。きらめくような高音の音階、疾走するような鮮やかなパッセージとふと力を抜いた間のコントラストが絶妙ですね。リズムを強調せず流すように弾いていくことでメロディーの美しさと構成の面白さをさらりと表現しています。
すっとメヌエットに入り、しっとりと落ちついた景色が広がります。中間部は敢えてすこし刺激を残すようなアクセントを織り交ぜ、ふたたび癒されるようにしっとりとした音楽に戻ります。さりげない変化が音楽を豊かにしています。
お気に入りのソナタというタイトルに偽りなし。このアダージョのデリカシーに富んだタッチは曲の魂に近づいたような渾身の演奏。なんと澄みきった音楽。なんとデリケートなタッチ。この初期のソナタの楽譜からこれほどの香しい音楽が流れ出そうとは。
フィナーレは広がった癒しを片付けるようにさらりと表情を変え、聴くものの脳に創意というものを教えるような機転。軽やかに進むメロディーの純粋に音楽的な響きに安堵。

Hob.XVI:34 / Piano Sonata No.53 [e] (c.1782)
一転してだいぶ後の時代の有名なソナタ。この曲はブレンデルのアルバムの冒頭に置かれていたので、ブレンデルの演奏で刷り込まれたもの。やはりブレンデルの骨太な楽興とはことなり、速めのテンポで力感ではなく流れの良さで聴かせる。ブレンデルがそば粉の噛見応えで聴かせるのに対し、グロウホヴァはそうめんの喉越しで聴かせているよう(笑) このソナタに込められたしなやかな流れの部分にスポットライトを当てて、これまでのこのソナタのイメージとは違った余韻を残します。
アダージョは流れの良さを出そうとしているのか、かなり速めのテンポで入りますが、この速めのテンポでメロディーの一音一音が天の川のきらめきのようなきめ細かな音のシャワーのようになって降り注ぎます。満天の星空を眺めるような澄みきった心境になります。終盤の起伏も迫力ではなくドラマティックに間をとります。
フィナーレはやはりきらめくようなメロディーの美しさが際立ちます。美しいタッチから生まれる控えめな推進力と響きのデリケートな変化。この繊細なニュアンスのコントロールこそグロウホヴァの真骨頂でしょう。この曲をリズムと力感で聴かせる演奏が多かったのでグロウホヴァのさらりとした演奏になじめないかと思いきや、聴いてみると、すっと心に染み込みました。

Hob.XVI:14 / Piano Sonata No.16 [D] (early 1760)
再びごく初期のソナタ。最初の1音の醸し出す癒しにいきなりノックアウト。この音色の感覚、冴え渡っています。千変万化する響きの魅力にやられっぱなし。指一本一本のタッチのコントロールの繊細さに驚きます。この記事を書きながらジャケット写真に目をやると、こちらの心に灯をともすようなグロウホヴァの視線にぐらっときます(笑) なんでしょう、この豊かな音楽。ハイドンのソナタのハイドン自身が書いた音楽に魔法をかけ、妖艶な魅力を与えてしまったよう。フォルテピアノの時代に書かれた音楽が、現代の艶やかなピアノの音色で、艶かしく、そして突き抜けるように清透な響きを帯びて流れていきます。繰り返し奏でられるメロディーが麻薬のように脳の癒し中枢を麻痺させていきます。
続くメヌエットは足早に。流れる音階の快感。そして時折きらめき、時折慌てながら、ハイドンのメヌエットのメロディーと構成の面白さを早送りで見せるような機転。この辺の演出の上手さも唸らされるところです。
フィナーレはメヌエットの流れを受け、早送りのイメージを引き継ぎます。やはり曲を完全に読みこなしてこそのアプローチでしょう。

Hob.XVI:40 / Piano Sonata No.54 [G] (c.1783)
初期のソナタと後年のソナタを交互に配置しているのですね。1783年頃作曲された2楽章構成のソナタ。長調のソナタなんですがすぐに短調に変わる光と影をあらわすような曲調。今までの曲のなかでは一番あっさりとした入り。初期のソナタに素晴しく豊かなニュアンスを与えたのに対し、このソナタでは少し枯れたような表情を垣間見せます。右手と左手のメロディーをすこしずらして聴かせるなど、はっとさせられる部分もあり、この曲ではすこしアプローチがこれまでと変わったようです。豊かなニュアンスを耳が期待しますが、逆に高音の透明感と良く響くピアノの響きの複雑さが聴こえてきます。
プレストに入ると鮮やかなタッチで活き活きとした音階を奏で、特に右手のキレの良い隈取りが音楽に輝きを与えます。2楽章構成のこの曲想に合わせて、響きのデリケートさよりも透明感のある軽やかなキレを聴かせたかったようです。

Hob.XVI:37 / Piano Sonata No.50 [D] (c.1780)
最後の曲は前曲よりも3年ほど遡った1780年頃の曲。アルバムの最後を飾るのに相応しい、色彩感と力感。グロウホヴァ独特の豊かなニュアンスが戻ってきました。速いパッセージなのにタッチのデリケートさと豊かな色彩感が出色。音楽に宿る気配から表情を引き出す鋭い感覚があるのでしょう。一気に弾き進める演奏も多い中、このような速いパッセージでも素晴しく豊かな表情が際立ちます。
つづくラルゴは好きな曲。ゆったりと沈み込む情感が特徴の曲ですが、グロウホヴァは沈み込まず、メロディの美しさを聴かせようとしているのか、フレーズのつなぎ目に間をおかずさらさらと流れる音楽に仕立て上げます。間をおかず軽やかなフィナーレに入りますが、こんどは途中で絶妙にリズムに重さををまぶし、一筋縄ではいかないというところを聴かせます。これも機知。ハイドンが仕込んだのとは異なる機知を織り込んできます。おそらくハイドンが聴いたら、この新しい才能を見抜き、自らの曲に新たな息吹を吹き込むこの奏者を気に入る事でしょう。

ダリア・グロウホヴァのハイドンのソナタ集の3枚目ですが、詩情溢れるグロウホヴァの魅力炸裂の素晴しい出来でした。とりわけ最初の3曲はタッチの繊細さが素晴しい超名演です。アルバムタイトルの「ハイドンのお気に入りのソナタ」に偽りなし。グロウホヴァ自身がソナタの中でもお気に入りの曲を選んで演奏しただけのことはあります。最近の若手ピアニストのなかでもハイドンの演奏にかけては右に出る人がいないほどでしょう。この美貌とこの演奏、ブレイクしそうですね。評価はもちろん全曲[+++++]とします。

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【新着】ダリア・グロウホヴァのハイドンのピアノソナタ集新盤(ハイドン)

先日取りあげたアルバムがとても良かったダリア・グロウホヴァですが、ハイドンのソナタ集の2枚目が届きましたので早速レビュー。

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ダリア・グロウホヴァ(Daria Gloukhova)のピアノによるハイドンのピアノソナタ4曲(Hob.XVI:44、XVI:47、XVI:20、XVI:23)を収めたアルバム。収録は2012年7月、1枚目と同じモスクワ議会議事堂のラジオ放送収録第1スタジオでのセッション録音。レーベルは米CENTAUR。

2013/12/02 : ハイドン–ピアノソナタ : 【新着】ダリア・グロウホヴァのピアノソナタ集

前に取りあげたアルバムもなんだかインパクトのあるジャケットでしたが、こちらも負けず劣らず。前のアルバムが中途半端にツッパっていたのが、今度はだいぶアーティスティックになってきました。グロウホヴァの情報は前記事の方をご覧ください。

グロウホヴァのピアノは、ハイドンなのにまるでショパンを弾くような詩的なもの。さらりと弾き流すようなスタイルから詩情が溢れる演奏。前アルバムが2011年12月の録音だったので、1年経たずに次のアルバムを録音したことになります。

ジャケットには"ESSENTIAL HAYDN"と何やら気になるタイトルがつけられています。「ハイドンの真髄」とでも訳せばいいのでしょうか。ライナーノーツに書かれたグロウホヴァの解説によれば、このアルバムでは第1集とは全く異なるハイドンの世界を描くことを意図しており、短調で書かれたメロディーこそがハイドンの真髄であるというようなことが書かれています。このアルバムには2曲の短調作品の他、へ長調の2曲も中間楽章に印象的な短調の曲が置かれていて、その表現の深さがポイントのようです。若い奏者ながらこうしたアルバムのコンセプトはよく考えられていますね。

果たして、意図通り短調のソナタの深遠な世界が描かれるでしょうか。

Hob.XVI:44 / Piano Sonata No.32 [g] (c.1771)
シュトルム・ウント・ドラング期に作曲された2楽章とも短調の曲。この時期のハイドン独特の憂いに満ちた曲想の名曲。グロウホヴァのしなやかなタッチが活きる曲でしょう。冒頭から力をぬいた独特の柔らかいタッチで、テンポ大胆に揺らしながらいきなり濃い詩情を聴かせます。所々でクッキリしたアクセントを効かせながらも基本的にしっとりと濡れたような表情で音楽を創っていきます。
続く2楽章も切々とメランコリックなメロディーを刻んでいきます。あえて曲想の変わる部分の区切りをぼやかし、曲の構造ではなく、しなやかな変化を聴かせるあたりがグロウホヴァ流。ほのかに明るさを感じさせる部分へのじわりとした変化が深いですね。

Hob.XVI:47 / Piano Sonata No.57 [F] (c.1765)
こちらはシュトルム・ウント・ドラング期直前の作。この曲にはホ短調版(XVI:47bis)もあり、最近の研究ではホ短調版がオリジナルとされているようです。1楽章は非常に穏やかに音階が繰り返されながら曲が進みます。
やはりこの曲は2楽章の短調の美しいフレーズが聴き所と、そう言われてきくと、まさにその通り。シュトルム・ウント・ドラング期の深い深い世界を予感させる、素朴ながら陰りのあるフレーズが重なり、えも言われぬ詩情が浮かび上がります。表現の幅を広げるべく、左手のタッチがめずらしく強靭に変化しますが、すぐに鎮まり興奮の余韻を楽しみます。
フィナーレは対比を鮮明につけるように明るく快活。グロウホヴァも弾むのを楽しむように無邪気に鍵盤上を跳ねているよう。2楽章のきらめくような美しさを引き立てる素晴しい構成が鮮明に描かれました。

Hob.XVI:20 / Piano Sonata No.33 [c] (1771)
ふたたびシュトルム・ウント・ドラング期の、ご存知名曲。私が偏愛する曲であります。この曲はもともと2楽章が聴き所なんですが、言われてみれば1楽章は短調の入りでした。この曲はグロウホヴァの特徴が良く出て、かなりテンポを動かして、自在な演奏。テンポを急に上げたり、下げたりしながら曲の面白さを引き出そうという意図でしょう。淡々と描く名演奏に慣れているからか、最初は違和感を感じましたが、聴き進むうちにグロウホヴァの意図がなじんで、これも悪くないという印象になりました。
続く2楽章は1楽章、穏やかな心境でテンポを揺らしながら、美しいフレーズを奏でていきます。グロウホヴァの手にかかるとフレーズが生き物のように感じられ、しなやかに踊ります。ほどほどの力で音符に潜む曲想を浮かび上がらせながら、独特の詩情を残していきます。
フィナーレは短調から入ります。短調の曲の2楽章にほんのり明るさを感じさせる曲を挟んでいるわけですね。かなり速めのテンポをとりますが、程よくテンポを落とす場面を挟んで、構成感をキチンと保っているのは流石。最後は静かに沈みます。

Hob.XVI:23 / Piano Sonata No.38 [F] (1773)
シュトルム・ウント・ドラング期直後の明解な構成が特徴の曲。1楽章はカッチリ明解な曲調に変わり、暗い時代から時代が変わったような新鮮さを感じさせます。グロウホヴァはここでも緩急自在のスタンスで、曲を自分のペースにしっかり据えます。
短調のアダージョは、これまでの陰りは消え、華やかさを感じさせる短調に変わります。一音一音が磨かれ、まさに宝石のよう。グロウホヴァ流にテンポが変化し、可憐とも言えるような表情が色濃くなってきます。かなりの流麗な展開に、これまで聴いた他の演奏を聴くと、固く聴こえそう。ここでも表情の微妙な変化の移り変わりのきめ細かい綾の美しさが冴え渡ります。明るく明解な1楽章の入りから一転、美しさを極めたアダージョが曲を引き締めます。
この曲でもフィナーレは速めで、千変万化するタッチとテンポの複雑な変化を楽しめと言っているよう。力感のコントロールが秀逸で、特に力を抜く表現がアーティスティックなところ。

ダリア・グロウホヴァのハイドンのソナタ集の2枚目は、短調の美しい曲を集めて、まさにグロウホヴァのしなやかに変化するタッチの面白さと、詩情の濃さを見せつけられた感じ。アルバムの企画意図も冴え、演奏もこれまでのハイドンのソナタの演奏とはひと味違うもの。この若さでこの音楽性は流石です。円熟すればハスキルのような神がかった存在になるかもしれませんね。聴き始めは違和感もちょっとありましたが、聴き進むうちに、グロウホヴァのしなやかなハイドンも気に入りました。評価は全曲[+++++]とします。

ピアノソナタ好きな皆さん、一聴あれ。

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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : ピアノソナタXVI:44 ピアノソナタXVI:47 ピアノソナタXVI:20 ピアノソナタXVI:23 美人奏者

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Daisy


Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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