マリス・ヤンソンス/バイエルン放送響の「軍隊」(ミューザ川崎)

11月26日土曜は、午前中は歯医者さんの定期健診、午後はチケットをとってあったコンサートに出かけました。

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ミューザ川崎シンフォニーホール:マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団

マリス・ヤンソンス(Mariss Jansons)指揮のバイエルン放送交響楽団の来日公演で、プログラムはハイドンの交響曲100番「軍隊」とリヒャルト・シュトラウスの「アルプス交響曲」の2曲。メインディッシュはアルプス交響曲ですが、私のお目当てはもちろん軍隊です(笑)。

マリス・ヤンソンスはウィーンフィルのニューイヤーコンサートを3度も振っている人ですので当ブログの読者の皆さまはよくご存知でしょう。ヤンソンスはこれまでにもコンサートでもハイドンを取り上げていて、ハイドンのアルバムも2枚ほどリリースされていますので、得意としているのでしょう。2枚とも当ブログでもレビューしています。

2013/05/11 : ハイドン–交響曲 : マリス・ヤンソンス/バイエルン放送響のロンドン、軍隊
2011/08/11 : ハイドン–声楽曲 : 【お盆特番2】マリス・ヤンソンス/バイエルン放送交響楽団のハルモニーミサライヴ

レビューを読んでいただければわかるとおり、軍隊は素晴らしい演奏だったわけですが、それゆえ今回の来日時に軍隊を振ると知り、ウィーンフィルもベルリンフィルも来日するなか、あえてこのコンサートのチケットをとったわけです。そもそもウィーンフィルはウィーンで聴いてますし、ベルリンフィルもはるか昔ですが、カラヤン時代の来日公演を聴いていますが、バイエルン放送響は一度も生できいたことがないということもこのコンサートのチケットをとった理由の一つ。そして、響きのいいミューザ川崎が会場だったのもありますね。

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ということで期待のコンサート。この日は土曜ゆえ、開演時間に駆けつけるという必要もなく、ゆったり出かけて、開演の1時間前にはホールに到着。

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都心の平日のコンサートは開演30分前に開場が定番ですが、1時間前に開場ということで、ホールに入ってのんびりすることにしました。

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土曜日ということで皆さん早めに到着しているようで、すでにホワイエではコーヒーやビールなどを楽しんで談笑している方多数。こちらはいつものように、ワインとサンドウィッチなどで軽く腹ごしらえ。

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この日の席は指揮者の正面、パイプオルガンの真下の席。オケに近い割には安い席です。日本のオケとはチケット代が違いますので座席も重要です(笑)。 ミューザ川崎はステージのまわりを客席が取り囲むヴィンヤード型ですが、音響効果を狙ってか、左右非対称に渦巻きのように客席が取り囲む構造。ステージ正面の席は席数が少なく、ステージがほぼホールの中央にある感じがよくわかります。これがこのホールの響きが良いことのに繋がっているのでしょう。ステージ上には後半のアルプス交響曲用の大編成のオーケストラ用の打楽器やオルガンなどがところ狭しと並べられていますが、前半のハイドン用に多くがステージ脇に寄せられているのが微笑ましいところ。ホールの入りは9割くらいでしょうか。チケット代が高いせいか1階席の空きが目立ちました。

やがて定刻になり、オケのメンバーが登場。照明がゆっくり落ちて、ヤンソンスが登壇すると期待の大きさからか、盛大な拍手が降り注ぎます。

予想通り、軍隊の序奏はヤンソンスらしくビロードのような響き。フレーズが丁寧に面取りされて実に柔らかに響きます。主題に入るとギアチェンジして抜群の推進力。流石なのは木管陣。フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴットそれぞれ実にイキイキとした演奏。フレーズの躍動感が違います。皆大きくを体を揺らしながらイキイキとメロディーを奏でていきます。ヤンソンスの指揮はハイドンを得意としているらしく、フレーズごとに巧みに変化をつけ、特にアゴーギグの変化をかなり大きくとりながらもしっとりと音楽が流れるロマンティックなコントロール。しかも、力まず、全体の流れも見通しよく、気品を保っているので古典派のハイドンの演奏としても何ら違和感はありません。1楽章はハイドンの構成感の緊密さと、次々と繰り出される響きの多彩さがバランス良くまとまって流石のまとまり。
続く2楽章のアンダンテは、周到に磨かれた入り。美しいメロディーが一通り奏でられたあと、中盤から、ティパニ、トライアングル、シンバル、グランカッサが加わりますが、グランカッサはただ叩くだけではなく、中華鍋を洗うササラのようなもので、太鼓の胴をパシパシ叩いてリズムをとるんですね。コンサートで軍隊を聴くのは初めてのことなので、このあたりは視覚情報が重要です。クライマックスではやおら打楽器陣が炸裂するかと思いきや、意外に節度ある範囲での演奏。やはりここでもヤンソンス流の上品さが漂います。メヌエットに入る前にグランカッサなどを担当していた打楽器陣が上手のドアから撤収してしまいます。確か終楽章にも登場するはずだったのですが、、、
メヌエットはヤンソンスの緻密なコントロールの真骨頂。柔らかなのに起伏に富んだ表情で軽快に進みます。時折りレガートでアクセントをつけたり、ハイドンが書いたメロディーに仕込まれた機知に鋭敏に反応したコントロールで聴かせます。中間部の木管の色彩感豊かな演奏も絶品。ヤンソンスの棒に機敏に反応するオケの吹き上がりが見事。
そして、このクライマックスのフィナーレではオケの吹き上がりがさらに鮮やかになり、ヤンソンスの細かい指示にしたがってオケが俊敏に反応します。ティンパニのリズムがもう少しキレていればと思わせなくはありませんでしたが、オケのパート間をリレーしながら流れるメロディーの視覚的な面白さはアルバムではわからないもの。びっくりしたのはフィナーレの終盤、先ほど袖に下がってしまった打楽器陣が上手の客席のドアから行進してきて入場。ステージ前の客席最前列を行進しながらグランカッサとトライアングルなどを熱演するという粋な演出。この演出、ヤンソンス独自のものかハイドンの時代からのものかわかりませんが、打楽器陣の活躍に終演後場内は拍手喝采。なんとなくロンドンで初演された時も、ハイドンの粋な音楽に聴衆が沸き返ったとの情景が想像されるようでした。音楽とは楽しむものというハイドンの音楽の真髄を踏まえた見事な演出でした。

オケは精度で言えば日本のオケよりも劣るように感じるところもなくはありませんが、ハーモニーに宿るしなやかさや歌う表現力がやはり違いました。嫁さんも日本のオケの直裁な印象とは全く違うと感じ入っていました。おそらくそれもこれもヤンソンスの棒が豊かな音楽を引き出していたからに他なりません。

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休憩を挟んで後半は、アルプス交響曲。休憩中に先ほどまで脇にあった椅子や打楽器などを並べ直して、ステージが大オーケストラ用に生まれ変わります。開演前は気づかなかったのですが、ほとんどの椅子が、スタッキング用の椅子を2脚重ねていたこと。日本の椅子のシートハイは43〜44cm。海外のものは45〜46cm。おそらく体格の大きなオケの団員は椅子を重ねることでシートハイを上げていたのでしょう。

もちろん、アルプス交響曲は圧巻でした。前半のハイドンが古典の均整の範囲でのダイナミクスを聴かせたのとはことなり、今度は大規模オケがフルスロットルで炸裂します。この曲はベームの手綱を引き締めまくった辛口の演奏が刷り込み。他にもケンぺ、カラヤン、マゼールなどいろいろ聴いていますが、ヤンソンスの演奏は、色彩感豊かでダイナミックなもので、前半のアルプスの威容をスペクタクルに描くところの輝かしさは、ドイツ風の演奏とは異なり、純粋にダイナミック。ハイドンの音楽とは次元の異なる複雑なオーケストレイションを見事にコントロールしていましたし、中盤のメロディーが朗々と歌うところの圧倒的に流麗な感じもヤンソンスならでは。純ドイツ風の演奏ではなく、やはりヤンソンス流のしなやかさに包まれた演奏でした。

今回の席は指揮者の指示がよくわかるところで、またオケを上から俯瞰できたので、登山の場面での舞台裏のホルンの効果、カウベルやウィンドマシーン、サンダーマシーン、パイプオルガン、チェレスタなどの効果が手に取るようにわかりました。雷雨と嵐の場面でのウィンドマシーンはかなりの重労働。かなりの時間自転車のペダルのようなマシンの取手を変化をつけながら回しつづけなくてはなりません。

全22場面も終盤に至ると徐々に喧騒から耽美的な美しい描写に移り、オケが音量を落としながら静寂に吸い込まれるように終わります。ヤンソンスがタクトを下ろす前に拍手がフライングで、静寂が途切れてしまいますが、拍手は一旦途絶えて、ヤンソンスがタクトを下ろすと一斉にブラヴォー。やはり大オーケストラの迫力は生ならでは。そして響きのよいこのホールならではの素晴らしい響きを堪能できました。ヤンソンスも満足そうで、オケの奏者を代わる代わる讃え、何度も拍手に呼び戻されていました。

バイエルン放送響の来日公演で、どちらも独墺物の前半ハイドン、後半リヒャルト・シュトラウス。前半できりりとしたところを聴かせ、後半ではオケをフルに鳴らしきって実力を見せつけるなどなかなかよく考えられたプログラム。印象に残ったのはやはりヤンソンスのしなやかなコントロール力とそこから引き出されたオケの豊かな響き。日本のオケからここまで豊かなハーモニーが聴かれるかといえば、ことハイドンやリヒャルト・シュトラウスについて言えば、まだ少し差があるというのが正直なところでしょう。嫁さんも「やっぱり本場物は違うわね〜と関心しきりでした。



ミューザ川崎でのコンサート後の定番は、ホールの1階の牛タンやさん。

食べログ:杉作

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幸いすぐに入れて、まずはビール(笑) アルプス交響曲でアルプス登山を体験したような気分なので、ビールが沁みます。

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注文した牛タン定食はあっという間に出てきて、非常に回転がいいですね。仙台在住時には喜助の牛タンをよく食べたので、たまに牛タン定食が恋しくなります。このお店もテールスープに漬物、麦飯と本格仙台風で懐かしい味でした。オススメです!

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オットー・クレンペラーの定番「軍隊」(ハイドン)

たまにはメジャーなアルバムを取り上げないと読者の裾野が広がりませんね。

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オットー・クレンペラー(Otto Klemperer)指揮のニュー・フィルハーモニア管弦楽団の演奏で、ハイドンの交響曲100番「軍隊」、104番「ロンドン」の2曲を収めたLP。収録は軍隊が1965年10月20日から25日、ロンドンが1964年10月14日から16日、いずれもロンドンのアビーロードスタジオでのセッション録音。レーベルは独EMI Electrola。

この演奏ですが、手元にはCDもあり、ロンドンの方はCDでレビューしています。

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amazon

手元にあるこのCDはすでに現役盤ではありません。

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amazon

こちらがハイドンの交響曲集ですが、こちらも現役盤ではなく、、、

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TOWER RECORDS / amazon / ローチケHMVicon

現在はバッハやヘンデルの曲も含めて8枚組としてパッケージされたこちらが現役盤です。

さて、今日わざわざこれまでリリースされたアルバムを並べたのは、古くから定評あるクレンペラーの軍隊が、ずっと聴いて来てきた手元にあるCDでは、もう一つ吹っ切れない印象を持っていたのが、最近手に入れたLPを聴いて、ようやく吹っ切れたということが言いたかったからです。つまり手元の古いCDのマスタリングが今ひとつだったではないかとの確信に至ったからです。

実は同じような体験を、カルロス・クライバーの振る椿姫でも感じたことがあります。最初に手に入れたのはCDでしたが、安定感はあるものの曇ったようなぼやけた響きからは、さしたる感動はつたわらなかったものの、偶然手に入れたLPを聴いてびっくり。クライバー特有の地の底から天上に湧き上がるような、あのエクスタシーが弾け散るではありませんか! 

2013/04/05 : オーディオ : LPを聴く楽しみ

今回のクレンペラーの軍隊も、LPを手に入れて初めてこの演奏の真価に触れた気がします。ついでながらこれまでにレビューしたクレンペラーの演奏もさらっておきましょう。

2014/04/10 : ハイドン–交響曲 : オットー・クレンペラー/ニュー・フィルハーモニア管の「オックスフォード」、「ロンドン」(ハイドン)
2010/12/28 : ハイドン–交響曲 : オットー・クレンペラー/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団の88番
2010/10/29 : ハイドン–交響曲 : オットー・クレンペラーのトリノの時計
2010/10/26 : ハイドン–交響曲 : オットー・クレンペラーの時計

Hob.I:100 Symphony No.100 "Military" 「軍隊」 [G] (1793/4)
CDで聴くとゆったりとした低音をベースに程よい解像度でオケがゆったりと響きます。クレンペラーらしく一貫したテンポでゆったり大股で風を切って歩くような入りです。LPでは響きの立体感がさらに上がり、クッキリとした表情となにより空気感のようなものが違い、曲が進むにつれ、強音の吹き上がりにゾクゾクします。特にヴァイオリンのボウイングのキレが印象的。CDで感じた雄大な印象よりも精緻さが勝り、カッチリクッキリとした一貫した表情の方の印象が勝ります。1楽章はもはや精緻な迫力による怒涛の演奏。
軍隊の聴きどころの2楽章のアンダンテ。実にオーソドックスな演奏であり、耳を澄ますと演奏に少々ばらつきはありますが、なにか巨大な意思の存在を思わせる一貫性によって不気味な迫力を帯びてきます。小細工なしにグイグイと迫力が増していきます。トライアングルでしょうか、金属の鳴り物が恐ろしくリアルに響くのもLPならでは。アビーロードスタジオに満ちる響き。殺気すら感じるアタックの連続に痺れます。雄大なクレンペラーの魔術が効いてきました。
さらに素晴らしいのが続くメヌエット。LPという媒体の無限の表現力に圧倒されます。非常に状態の良いLPだったのでキレ味も最高。聴き慣れたメロディーが実に新鮮に響きます。50年以上前の録音なのに朝採れ野菜のような水々しさ!ヴァイオリンと木管楽器の響きの美しさに聴き惚れます。
そして曲を結ぶフィナーレ。LPの内周にもかかわらずクォリティは悪くありません。弦楽器が高いテンションで揺るぎ無くたたみかけてくる迫力は別格。流石に定評ある演奏と納得です。鮮明な響きに打たれ続ける快感に酔いしれます。生演奏の迫力とは異なるのですが、これがレコードを聴く楽しみというもの。最後のパーカッション総出演のクライマックスは険しい表情のクレンペラーの真骨頂。クライバーの恍惚とした爆発とは全く異なるものの、睨みを利かせたクレンペラーのオーラが針をつたわってスピーカーから噴出。絶品です。

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クレンペラーの軍隊の素晴らしさをリアルタイムに味わった方はもちろんLPを通してのことでしょう。年齢的には私より上の世代の方々はフルトヴェングラー、ワルター、クレンペラー全盛期にLPで音楽に親しんだ世代。今回このLPを聴いて、あらためて時代の空気に触れたような気になりました。LPもCDももちろんソースとなる録音は同一ながら、マスターテープの状態やマスタリング、媒体のコンディションなどさまさまなものの影響を受けて最終的に我々の耳に届きます。そこで残ったもののバランスが音楽の聴かせどころに大きな影響があるような気がします。LPで聴くクレンペラーの軍隊には、CDで聴くものからは感じられなかった時代の空気やクレンペラーのオーラが詰まっていました。

Hob.I:104 Symphony No.104 "London" 「ロンドン」 [D] (1795)
裏面のロンドンも同様。ミントコンディションのLPの素晴らしい響きに聴き惚れました。

昨今のLP復興はこうした体験をした多くの方の喜びに支えられているのでしょう。評価は両曲とも[+++++]です。

※現役盤の8枚組のCD、その前の3枚組のCDは手元になく聴いていません。私の手元のCDとは音質が異なる可能性があることをお含みおきください。

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tag : ロンドン 軍隊 ヒストリカル LP

スイトナーの「軍隊」/クライネルトの「時計」(ハイドン)

素晴らしいLPを発掘しました!

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オトマール・スイトナー(Otmar Suitner)指揮のライツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(Gewandhausorchester, Leipzig)の演奏によるハイドンの交響曲100番「軍隊」、ロルフ・クライネルト(Rolf Kleinert)指揮のベルリン放送交響楽団(Berliner Rundfunk-Sinfonie-Orchester)の演奏による、ハイドンの交響曲101番「時計」の2曲を収めたLP。収録年の記載はありませんが、ネットで情報を探すと、両者とも1964年の録音のようです。レーベルは天下のイエローレーベルDeutsche Grammophone。

このアルバム、最近オークションで手に入れたもの。もちろん、狙いはスイトナーの軍隊。オトマール・スイトナーはN響の名誉指揮者だったことから日本でも人気があった人。私もスイトナーの振ったモーツァルトの交響曲集は愛聴盤にしていて、好きな指揮者です。スイトナーの振るハイドンの録音は少なく、手元にはLPが1枚あるのみで、今年の初めに記事にしております。

2016/01/11 : ハイドン–協奏曲 : カール・ズスケ/スイトナー/ベルリン国立歌劇場管のヴァイオリン協奏曲(ハイドン)

今日取り上げるアルバムはスイトナーの振る軍隊と、ロルフ・クライネルトの振る時計を組み合わせたもので、もともとはETERNAのプロダクションですが、東西の壁があった時代のもの故、西側にはDGが流通させていたものということでしょう。オリジナルのETERNA盤を探せばいいのでしょうが、状態の良いDG盤も捨て難いということで落札したものです。

手元に到着してまずはA面のスイトナーの演奏から聴きましたが、予想どおりの堅実、流麗な演奏。念のためB面のクライネルトの演奏を聴いてビックリ! 気力充実の素晴らしい演奏なんですね。スイトナーの演奏だけだったら記事にしていたかどうかわかりません。そう、このアルバムのメインはクライネルトの時計なんです。

ということでクライネルトの略歴をさらっておきましょう。ロルフ・クライネルトは1911年、ドレスデン生まれの指揮者。1931年から1933年までザクセン国立歌劇場附属のオーケストラ学校で指揮、ピアノ、ヴァイオリン、オーボエやトランペットなどを学びました。卒業後はフライブルクの歌劇場、ブランデンブルク市立劇場などで指揮をすることになり、終戦後の1947年からライプツィヒ放送管弦楽団を振り、1949年から1952年までゲルリッツ歌劇場の音楽監督などを歴任します。1952年からこのアルバムで演奏を担当するベルリン放送交響楽団を振るようになり、当時首席指揮者だったヘルマン・アーベントロートが亡くなった後、1959年から首席指揮者となりますが、1975年に任期中に急逝したとのこと。旧東独圏だったからか、日本ではあまり知られた人ではありませんが、この録音を聴く限り、素晴らしい演奏を引き出す人との認識です。

まずはスイトナーから。

Hob.I:100 Symphony No.100 "Military" 「軍隊」 [G] (1793/4)
LPのコンディションは悪くありませんが、音にシャープさが足りません。おそらくETERNAの原盤はもう少しフレッシュな響きが聴かれるのではないでしょうか。それでも分厚い響きはよく再現されていて、スイトナーらしい流れの良い音楽がすぐに迫力を帯びて響き渡ります。比較的速めのテンポで淀みなく盛り上がっていきます。スイスイ進みながらおおらかに盛り上がる、流石スイトナーという指揮。このしなやかな流れこそスイトナーの魅力と言っていいでしょう。1楽章の素晴らしい構築感が燦然と輝きます。
続く軍隊の行進の2楽章も入りは激しなやか。リズムを強調するのは終盤の盛り上がりに備えた一部分だけ。しかもその盛り上がりも正統派で媚びないもの。スタイリッシュとまではいかないものの、軍隊のトルコ風のメロディーをここまでしなやかな印象に包んでくるのは流石なところ。
メヌエットでもおおらかな自然な起伏のなかにしなやかな力感を込められたもの。この自然さに勝る説得力はありません。耳を澄ますと自然に聴こえるフレーズの一つ一つの終わりにすっと力を抜くところがあり、それがただの自然さとは段違いの豊かな表情をつくっていることがわかります。
フィナーレではようやく、ぐっと踏み込みオケの底力を感じさせますが、アンサンブルは一糸乱れぬリズムで盤石の安定感。そしてここでもフレーズごとに力の入れ具合を巧みにコントロールして、まるで柔らかな階調のモノクローム写真のように陰影の微妙な違いの美しさと、落ち着いたコントラストのリズムを際立たせます。特にフィナーレのデリケートなコントロールは秀逸。隅々までスイトナーの美学が行き渡った完ぺきなコントロール。トルコ風の打楽器陣もことさら目立たせることなく調和のとれた音量でまとめます。み、み、見事!

この演奏の素晴らしさに酔って、つづいて盤を裏返してクライネルトの時計を聴くと、さらにその上をいく演奏ではありませんか!

Hob.I:101 Symphony No.101 "Clock" 「時計」 [D] (1793/4)
スイトナーにしつけられたライプツィヒ・ゲヴァントハウス管とは異なり、少々の荒さをともなうベルリン放送響。穏やかな序奏を終え主題に入ったところでオケにみなぎる異常なエネルギーに驚きます。時計はもともと1楽章の構築美が聴きどころですが、この演奏はあまりに見事にその構築感とみなぎる力感を惜しげもなく表現しています。ぐっと身を乗り出しクライネルトの棒を想像しながら音楽に身を任せます。スイトナーの洗練された美しさもいいですが、このクライネルトの燃えたぎるような盛り上がりには圧倒されます。まさに理想的な時計の1楽章。迫力を帯びた弦楽器の深い響きも素晴らしい!
続く時計のアンダンテも理想的な古典の均衡を保ったもの。一貫した少し速めのリズムに乗って次々とメロディーの変奏が重なり、音楽が進むにつれて成熟し、徐々に力が漲り盛り上がっていく様子は手に汗握る迫力。リズムが終始一貫して保たれながら表情が次々と変化するところはかなりのコントロール力を要するところでしょう。終盤静かに転調するところは鳥肌がたつような見事なセンスでまとめます。
そしてメヌエットもスイトナーのしなやかさとは異なり、力感で聴かせるタイプ。オケが豪快に鳴り響く快感に素直に酔いしれます。ハイドンのメヌエットの魅力をレコードの表と裏で双方素晴らしい異なる解釈で楽しめるとは贅沢極まりないもの。中間部のフルートによる軽やかなメロディーと重量級のオケの掛け合いの見事なセンス。ただ力強いのではなく、ドーリア式神殿のデリケートなプロポーションによる優美さを兼ね備えた力感のような洗練された力強さ。
フィナーレの入りはもちろん軽さを印象付けてから、スロットルをぐっと全開にしていく面白さを味あわせてくれます。ところどころに印象的なアクセントをつけ、またスロットルを巧みにコントロールして、まさに自在にオケを操り、クライマックスを何段階にも繰り返しながら最後はフーガのような郷愁を感じさせ、フィニッシュ!

いやいや、クライネルトの時計、あまりの素晴らしさに絶句です。ハイドンが2度のロンドン旅行を経て到達した交響曲というジャンルの頂点といえるこの曲の理想の演奏と言っていいでしょう。もちろんスイトナーの軍隊も絶品ですが、軍隊をスタイリッシュに聴かせるというのは変化球の範疇。クライネルトの時計はまさにど真ん中の豪速球ストレート。この時計の素晴らしさは深く心に刻まれました。そもそもこのアルバム、西側のDGが東側のETERNAの名演奏を2つまとめた企画ですが、当時の東側の音楽の質の高さをものがたる貴重なプロダクションでしょう。オークションや中古ではまだまだ見かける盤故、ご興味のある方は是非聴いてみられることをお勧めします。評価はもちろん[+++++]を進呈です。

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【追悼】ホグウッド/AAMのロンドン、軍隊(ハイドン)

遅ればせながら追悼記事を。

去る9月24日、古楽器演奏を切り開いてきたクリストファー・ホグウッドが亡くなりました。今年に入って、アバド、マゼールなど名だたる指揮者が亡くなっていますが、ブリュッヘンの後を追うようにホグウッドまで亡くなるとは。ハイドンの演奏にも偉大な足跡を残してきた人だけに、その死が惜しまれます。

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HMV ONLINEicon(交響曲選集) / amazon(別装丁盤) / amazon(交響曲選集) / TOWER RECORDS(交響曲選集)

クリストファー・ホグウッド(Christopher Hogwood)指揮のエンシェント室内管弦楽団(The Academy of Ancient Music)の演奏でハイドンの交響曲104番「ロンドン」、100番「軍隊」の2曲を収めたアルバム。収録は1983年9月、11月、ロンドンのキングスウェイホールでのセッション録音。レーベルはもちろんL'OISEAU-LYRE。

当ブログの読者の方ならご存知のとおり、ホグウッドのハイドンの交響曲集は全集を目指した丁寧な作りで続々とリリースされながらも、8合目あたりまで差し掛かった第10巻をリリースしたところでプロジェクトが中止になってしまいました。今日取り上げるアルバムは全集としてリリースされ始める前に、ザロモンセットの有名曲を2枚リリースしたうちの1枚。ホグウッドのハイドンとしては最初期の1983年の録音です。このロンドンと軍隊の他に驚愕と奇跡の録音があります。

このアルバムはジャケットもLP時代のL'OISEAU-LYREのイメージをそのままCDにした古いタイプのものですが、今見ると妙に雅な印象で懐かしい感じですね。私がこのアルバムを手に入れたのはかなり前で、おそらく1992年くらいだと記憶しています。当時確か第4巻から続々とリリースされはじめた交響曲全集の輸入盤をリリースされる度に手に入れ、舐めるように聴き入ったものですが、何巻か手に入れたあとにこのアルバムを入手。当時は初期の交響曲の面白さに開眼したばかりだったので、全集の方は興味深く聴いたものの、こちらのアルバムの方は当時は古楽器登場前のドラティやカラヤン/ウィーンフィルなどの古典的な演奏のイメージが強く、ホグウッドの繰り出すあまりにすっきりとした響きへの違和感が強くあまり楽しめなかった記憶があります。まだまだ耳が若かったわけです(笑)

今はオフィシャルにリリースされた75番までと、このロンドン、軍隊と驚愕、奇跡を合わせたものが交響曲選集として手に入るようになっているようですが、やはりリリースされた頃の古い体裁のアルバムの方に愛着があります。なんとなく時代の空気も一緒に詰まっているような気がして手放せません。

ホグウッドのハイドンでは私は協奏曲の伴奏を高く評価しており、交響曲については、ちょっと控えめな姿勢です(笑) これまでに取り上げた記事の一覧を貼っておきましょう。

2012/09/09 : ハイドン–交響曲 : ホグウッド/AAMのアレルヤ、ホルン信号
2011/11/03 : コンサートレポート : 【サントリーホール25周年記念】ホグウッド/N響の第九
2011/06/08 : ハイドン–交響曲 : ホグウッド/AAMの校長先生
2011/04/02 : ハイドン–声楽曲 : 【新着】ホグウッドの伴奏による歌曲集、室内楽
2010/12/23 : ハイドン–声楽曲 : 【年末企画】サイモン・プレストンの大オルガンミサ
2010/12/23 : ハイドン–声楽曲 : 【年末企画】サイモン・プレストンのチェチーリアミサ
2010/09/21 : ハイドン–協奏曲 : ホグウッドのトランペット協奏曲
2010/09/15 : ハイドン–協奏曲 : コワン/ホグウッドのチェロ協奏曲
2010/05/30 : ハイドン–交響曲 : 散歩の収穫、ホグウッド未発売盤

古くは同じL'OISEAU-LYREのプレストンのミサ曲のアルバムでオルガンを弾いているものもあり、それもなかなかいいのですが、私のお気に入りはトランペット協奏曲、オルガン協奏曲、ホルン協奏曲を収めたもの。とりわけオルガン協奏曲がスバラシイ! どの交響曲の演奏よりもオケに勢いというか生気があり、ホグウッド自身が弾くオルガンもキレてます。たまに取り出しては至福の陶酔感を味わっています。

そしてホグウッドは実演も2度聴いています。いずれもN響に客演した時で、最初は2009年9月にはにハイドンの「ロンドン」をメインとしたプログラム、そして上の記事にも書いた2011年11月のサントリーホール25周年の第九。ホグウッドがハイドンの交響曲を録音していた1980年代、90年代からずいぶんたって実演を聴き、交響曲演奏のころも萌芽があった新古典主義的諧謔性が音楽に活気を与えていたのが印象的でした。小刻みに体を縦に揺らしてオケを煽っていくホグウッドの姿が今も記憶に残っています。

ブリュッヘンやピノックらとともに古楽器演奏の潮流をつくり、ハイドンの演奏史にも偉大な足跡を残したホグウッドの、ハイドンの交響曲の演奏の原点たるこのアルバム、今聴き直すとどう感じるのでしょうか。

Hob.I:104 / Symphony No.104 "London" 「ロンドン」 [D] (1795)
このアルバムを聴いた時の驚きが蘇ります。古楽器独特のキリリとした響きによる序奏が轟きます。現代楽器の響きに慣れた耳に衝撃的に響くオーセンティックな音の塊。今は古楽器演奏は珍しくはありませんので、ホグウッドの溜めのない直裁なフレージングに違和感はありませんが、当時はモーツァルトの交響曲とともにホグウッドの演奏で古楽器の時代のはじまる息吹を浴びたのを懐かしく思い出します。速めのテンポでグイグイではなくサラサラと流れていく音楽。迫力よりも繊細な響きの変化を聴けと言われているような流れの良さ。独特の弦、木管、そして硬質なティンパニの響き。どれもが新鮮でした。聴きなれたロンドンが垢をを落とされ、修復工事を終え製作当時の鮮やかな色彩を取り戻したシスティーナ礼拝堂のミケランジェロのフレスコ画に接するような新鮮なものに映りました。
アンダンテも速めにサラサラと流れ、これまでのゆったりとした感興ではなく、清流のようなしなやかな音楽として響きます。途中にホグウッドのものか唸るような声が入りますが、当時は気づいていませんでした。メヌエットは透明でキレの良いヴァイオリンの切れ込むような音色が印象的。一貫して速めのテンポが当時は非常に新鮮でした。フィナーレも弦の切れ味とオケの吹き上がりの痛快さを楽しむような演奏。今聴くと迫力もそれなりにあって、ロンドンの演奏としては非常にまとまりのよいもの。時代を切り開いてきた息吹が存分に味わえる演奏です。

Hob.I:100 / Symphony No.100 "Military" 「軍隊」 [G] (1793/4)
軍隊の方も速めのテンポで流れの良い演奏なんですが、意外に迫力があります。他の演奏との対比からあまり迫力がある演奏との記憶はありませんでしたが、今聴くと、記憶の印象のせいかスバラシイ迫力の方に驚きます。響きの美しいキングスウェイホールに古楽器の響きとその余韻が広がる快感。ここにも後年芽をふくホグウッドの新古典主義的なリズム感がほんのりと感じられます。オケが次々と吹き上がる陶酔感。迫力のみならずキリリと引き締まった速めのテンポで統率され、高雅な魅力に満ちています。
聴きどころの2楽章は意外にオーソドックス。こちらの耳が古楽器に慣れたのでしょう。最近では迫力重視の灰汁の強い演奏が増えたため、逆にオーソドックスに聴こえるということですね。それでも木管をはじめとした古楽器の音色の美しさを存分に聞かせながら、サラリと爆発するところの手腕は見事と言うほかありません。淀みなく音楽が流れますが、そこここにさりげないアクセントがあり、穏やかな刺激が脳に届きます。
メヌエットも同様、これほどの完成度だったかと認識を新たにします。演奏によっては平板な印象もあることがあるホグウッドの演奏ですが、実に表情豊か。そしてフィナーレもオケが気持ち良く鳴り響きます。タクトを振る快感を疑似体験するような素晴らしいオケの吹き上がり。この曲ではオケの俊敏な切れ味を堪能できます。ホグウッドの素晴らしいオーケストラコントロールを再認識させる名演でした。

このアルバムをちゃんと聴き直したのはもしかしたら20年ぶりくらいかもしれません。記憶に残る演奏は当時の驚きの分、新鮮さと直裁な印象が勝っていましたが、今聴きなおすと、意外にオーソドックスでかつ、その完成度も素晴らしいものがありました。ロンドンの新鮮な響きもいいのですが、何より軍隊のバランスの良い迫力は秀逸。今聴いても古さを感じるどころか、逆に名演ひしめく古楽器の演奏のなかでも指折りのものと再認識しました。ホグウッドのハイドンの交響曲の原点の録音たるこのアルバム、あらためて聴きなおし、心に焼き付けなおしました。やはり古楽器演奏の時代を切り開いたというのにふさわしい偉大な存在でした。評価はロンドンは[++++]のまま、軍隊は[+++++]にアップです。

生きていれば未完のハイドンの交響曲全集を完成させるという偉業に挑むこともできたでしょうが、亡くなってしまい、それも叶わぬこととなりました。また一人時代をつくった偉大な個性が失われました。こころよりご冥福をお祈りいたします。

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tag : ロンドン 軍隊

キリル・コンドラシン/北ドイツ放送響の「軍隊」ライヴ(ハイドン)

しばらく仕事が忙しく更新が滞っておりました。今日はCD-R。

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キリル・コンドラシン(Kyrill Kondrashin)指揮の北ドイツ放送交響楽団(North German Radio Symphony Orchestra)の演奏で、ハイドンの交響曲100番「軍隊」、ヒンデミットの「気高い幻想」組曲、マーラーの交響曲1番「巨人」の3曲を収めた2枚組のCD-R。ハイドンの収録は1981年1月26日のライヴ。収録会場の表記はありません。レーベルはCD-Rでは良く取りあげるEn Larmes。

コンドラシンがハイドンを振っているとは知りませんでした。コンドラシンといえばロシア音楽を得意としており、聴いたことがあるのはシェエラザードくらい。ハイドンはともかく、モーツァルトやベートーヴェンまでふくめて、独墺系の音楽を振るイメージがありませんでしたので、このCD-Rをディスクユニオン店頭で発見したときには意外なという印象と、それでもコンドラシンの軍隊ならば、キリリと引き締まったタイトな響きが聴かれるだろうという期待もありました。

キリル・コンドラシンは1914年にロシアのモスクワ生まれの指揮者。家族はオーケストラの団員一家で、モスクワ音楽院で学び、1931年にはモスクワの青年劇場にて指揮をはじめ、1938年から42年までレニングラード歌劇場で研鑽を積み、1943年から56年までボリショイ劇場の常任指揮者として活躍しました。1958年に開催された第1回チャイコフスキーコンクールにて1等を獲ったヴァン・クライバーンの伴奏を担当し、コンクール後クライバーンとともにアメリカを演奏旅行し、冷戦後はじめてアメリカを訪問した指揮者となったそう。コンクールで演奏したラフマニノフの3番とチャイコフスキーのコンチェルトを演奏、録音。ミリオンセラーとなり世界的に知られるようになりました。1960年からはモスクワ・フィルの音楽監督となり、1975年まで務める間にショスタコーヴィチの交響曲4番、13番を初演しました。1978年にアムステルダムコンセルトヘボウに客演中、オランダに亡命し、コンセルトヘボウの常任客演指揮者に就任したそう。今日取り上げる演奏はまさに、その直後の1981年の録音です。ちなみにコンドラシンが亡くなったのはこの演奏の2ヶ月後の1981年3月、おそらくこのアルバムに収録されているマーラーの交響曲1番の演奏後、ホテルに戻ったあと心臓発作にて亡くなっています。ということで、このアルバムはコンドラシンの最晩年の貴重な録音ということになります。ハイドンも気になりますが、最後の録音たるマーラーも気になりますね。

Hob.I:100 / Symphony No.100 "Military" 「軍隊」 [G] (1793/4)
録音は悪くありません。81年相応といったところでしょうか。鮮明さはほどほどですが、低音から沸き上がる迫力はかなりのもの。オケが鳴り響く余韻も悪くありません。冒頭から落ち着いた表情ながら適度に粗さをともなったダイナミックかつ推進力ある演奏に引き込まれます。図太い響きを惜しげもなく披露。アクセルを吹かすと心地よくエンジンが吹き上がる様子が快感。さざ波のような軍隊独特のヴァイオリンパートのワクワク感が絶妙。表現巧者ぶりが伝わります。意外に表情に細かい変化をつけて実に豊かな音楽を造っていきます。想像したほどロシアっぽくない巧みな演奏。
続く2楽章アレグレットは、1楽章の勢いを保ったまま、すんなり入ります。予想通りアクセルに応じたオケの爆発が心地よく、淡々と爆発していきます。テンポが一貫しているので、ダイナミクスの変化に意識が集中します。気づいてみるとなかなかよく考えたアプローチ。この楽章では爆発は適度におさめて、コントロールの巧みさを保っています。
メヌエットに入ると、明るさと優雅さを感じさせながらも力感はかなりのもので、フィナーレに意識が向くように促しているよう。徐々にインテンポで斬り込むようになり、テンションも上がってきます。筋肉が温まって、黒光りしてきているよう。
フィナーレは居合いのような間とキレが交錯。すべてがコンドラシンのイメージ通りに進んでいるように、完璧にコントロールされています。オケのキレは最高。沸き上がるティンパニ、キレまくるヴァイオリン、地響きのようなグランカッサ。最後は怒濤の迫力で終わります。ライヴですが楽章間の雑音や拍手はカットされています。

非常にタイトな魅力に溢れた軍隊でした。コンドラシンはオケをギリギリと引き締め、引き締まった響きをつくる才能に溢れた人である事がいまさらながらわかりました。肝心のCDの2枚目に収められた巨人も素晴しい演奏。私は巨人もアバドのカミソリのようなキレ味が味わえるシカゴ響とのLPが刷り込み盤ですが、このコンドラシンの演奏は亡くなる日の演奏とは思えない瑞々しくフレッシュな感覚が支配した演奏。響きが立っているというか、緊張感が張りつめていると言うか、まったく緩むところがない素晴しい演奏。鮮度の高い響きにたいする天性の感覚をもっていたのでしょう。もしかしたらアバド盤より良いかもしれません。コンドラシンという人の音楽の真髄に触れた気がします。軍隊の評価は、やはり[+++++]をつけない訳にはいかないでしょう。

さて、今日は月末、、、

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tag : 軍隊 ライヴ録音

【新着】ブルーノ・ヴァイル/カペラ・コロニエンシスの交響曲99番、時計、軍隊(ハイドン)

知らぬ間に第3弾がリリースされていたようです。このシリーズ、なかなか粋なジャケットデザインです。

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amazon / TOWER RECORDS

ブルーノ・ヴァイル(Bruno Weil)指揮のカペラ・コロニエンシス(Cappella Coloniensis)の演奏で、ハイドンの交響曲99番、101番「時計」、100番「軍隊」の3曲を収めたSACD。収録は2012年9月29日、2013年2月16日の両日、ドイツ、エッセンにあるエッセン・フィルハーモニーのアルフレッド・クルップホールでのライヴ。レーベルは独Ars Production。

ヴァイルのハイドンはトーマス・ファイなどと同様、かなりの回数取りあげています。

2013/05/09 : ハイドン–交響曲 : ブルーノ・ヴァイル/ターフェルムジークの86番
2012/08/11 : ハイドン–管弦楽曲 : ブルーノ・ヴァイル/カペラ・コロニエンシスの「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」
2012/01/24 : ハイドン–オラトリオ : ブルーノ・ヴァイル/カペラ・コロニエンシスの四季
2011/08/14 : ハイドン–声楽曲 : 【お盆特番4】ブルーノ・ヴァイルのテレジアミサ、ネルソンミサ
2011/01/10 : ハイドン–オラトリオ : ブルーノ・ヴァイルの天地創造
2010/12/25 : ハイドン–交響曲 : 【年末企画】ブルーノ・ヴァイルの交響曲50番、64番、65番
2010/03/08 : ハイドン–交響曲 : ブルーノ・ヴァイル、ザロモンセットへ

いろいろ書いているとおり、最近のカペラ・コロニエンシスとの演奏は、昔の溌剌としたヴァイルの良さから、かなり落ち着いてきていますので、好みも別れる所でしょう。このアルバム、久しぶりのヴァイルの新譜と言う事で何となく気になっていました。

Hob.I:99 / Symphony No.99 [E flat] (1793)
予想通り、さっぱりと速めのテンポで入ります。先日ファイの新譜を聴いたばかりですが、ヴァイルも新参者ファイに負けてはおれぬとの気合いの入った演奏。ファイよりも変化は少なめですが、キビキビとしたオケの魅力はターフェル・ムジークとの時代を彷彿とさせるもの。一時落ち着いてしまったと思ったんですが、ヴァイルのキビキビとタイトな演奏の魅力は健在でした。中盤以降は素晴しい推進力で畳み掛ける迫力に溢れたもの。ライヴですが会場ノイズは皆無で音響処理をしているのでしょう。
アダージョはゆったりと盛り上がる魅力に溢れた曲ですが、ヴァイルのアプローチは古楽器的な音色を活かしたさっぱりとした感興で聴かせるもの。途中さらりとフルートの音色の透明感が際立つ部分が印象的。ジャケット写真を見ると管楽器は古楽器ですね。メヌエットはキビキビとしたオーケストラコントロールで聴かせます。
期待のフィナーレはファイが千変万化する表情の変化で聴かせたものを、ヴァイルはオーソドックスながら、各楽器の面白い響きを重ねて油彩で色を置いていくような練りをを感じるもの。途中テンポを落としたところのカジュアルな表現など、ハイドンの面白さを知り尽くした人ならではの工夫があります。分厚いオケに奏者の息づかいを感じるような各楽器の面白い響き。なかなかいい99番です。拍手はカットされています。

Hob.I:101 / Symphony No.101 "Clock" 「時計」 [D] (1793/4)
時計も序奏は速目でさっぱりとしたもの。やはり主題に入るとがっちりとしたオケによる推進力溢れる演奏。オケは適度に粗いのですが、それが良い方向に働いてます。時計の良さは1楽章にあると確信している私にとって、このヴァイルの畳み掛けるように推進していく演奏は理想的。モダン、スタイリッシュでかつオーセンティックなところをおさえたバランスの良い演奏と言っていいでしょう。
有名な時計のアンダンテは速い速い。予想はしてましたが、まるでおとぎの国の時計のような微笑ましさ。中盤以降の激しいフレーズに入っても快速テンポは変わらず、グイグイいきます。落ち着かないぐらい速い。
その勢いを受けて、メヌエットも比較的速いテンポで楽天的に入ります。音楽に勢いがあるせいか、アクセントもきっちり効いてメリハリも十分。
そして最後のフィナーレは、なぜかほっとするような落ち着きを帯びています。もちろんクッキリとして推進力もほどほどあるのですが、全体に音楽がなじんで、ゆったりと流れる印象があります。カペラ・コロニエンシスの低音弦の迫力はなかなか見事。クライマックスはオケが振り切れんばかりに鳴って終了。

Hob.I:100 / Symphony No.100 "Military" 「軍隊」 [G] (1793/4)
そして、期待の軍隊。この曲も最近ファイの名演に接しています。ヴァイルの演奏はオーソドッックスなものですが、前曲からの流れの影響か、落ち着きが感じられます。やはり、じっくりと歌う部分の存在が曲を落ち着かせます。堂々として、風格があり、穏やかでもある演奏と良いでしょう。風格の1楽章。
そして軍隊の行進を描いたアレグレットは普通にはじまりますが、ここぞの爆発が凄い。普通の演奏とは異次元のアクセント。床を踏み鳴らすような音まで聴こえて、ハイドンの機知に応えているよう。なかなかユニーク。打楽器陣大活躍。流石SACDだけあって鮮明に響きます。
メヌエットは響きの余韻を楽しむよう。十分ダイナミックなんですが、前楽章が異次元のダイナミックさだったので、流麗、穏やかな演奏に聴こえるのが不思議なところです。
フィナーレも同様、最初は大人しく、テンポもすこし穏やか目に聴こえますが、徐々に盛り上がり、特に固い音のティンパニが加わると響きが引き締まり、最後は爆発します。やはり軍隊はこうこなくては。

久々にブルーノ・ヴァイルらしいハイドンを聴くことができました。硬質な響きと鋭いアクセントが決まったときのキレは流石というところ。ただし、ターフェル・ムジークとの初期交響曲、パリセットの飛ぶ鳥を落とす勢いの演奏とくらべると、やはり落ち着いていて、あと一歩の踏み込みを求めたくなってしまうのも正直なところ。迫力のコントロールは見事ですが、逆に曲としての音楽的なまとまりについては、これ以上の演奏も増えてきているというのが正直なところでしょう。私の評価は3曲とも[++++]とします。

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tag : 交響曲99番 時計 軍隊

【追悼】ジャン=フランソワ・パイヤール/イギリス室内管の驚愕、軍隊

メジャーな演奏者によるハイドンの交響曲の録音を取りあげている5月ですが、今日は先月亡くなったパイヤールのアルバムを取りあげます。

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ジャン=フランソワ・パイヤール(Jean-François Paillard)指揮のイギリス室内管弦楽団の演奏で、ハイドンの交響曲94番「驚愕」と100番「軍隊」、そしてウィーン弦楽四重奏団の演奏による弦楽四重奏曲Op.76のNo.3「皇帝」の3曲を収めたアルバム。今日は交響曲の方を取りあげますが、収録は1980年とだけ記載されています。レーベルはRCA。

ハイドンの演奏でパイヤールといえば、モーリス・アンドレとのトランペット協奏曲の演奏がありますが、その他はあまり印象がありませんでした。このアルバムかなり前から手元にあったのですが、他のアルバムにまぎれて行方不明になっていたのがようやく見つかりました。先月パイヤールの訃報に接した時に取りあげようとしたのですが、アルバムが見つからす見送っていたものです。

2012/02/28 : ハイドン–協奏曲 : 【追悼】モーリス・アンドレ/パイヤールのトランペット協奏曲

モーリス・アンドレが亡くなったのが2012年の2月。そしてパイヤールも先月、4月15日に亡くなっています。昔親しんだ演奏家が次々と亡くなっていくのは、仕方のない事とはいえ、ちょっと寂しいものがありますね。パイヤールといえば何といってもモーツァルトのフルートとハープのための協奏曲でしょう。我々の世代にとっては定番のアルバムですね。モーツァルトの協奏曲では最も華麗な曲想のこの曲を、リリー・ラスキーヌの上品なハープと、ランパルの豊穣なフルート、そしてパイヤールのキリッと上品にエッジを立てた華麗なオーケストラコントロールで描いた名演奏。このあと数多くリリースされる古楽器による素晴しい演奏と聴き比べても、パイヤール盤の華麗な演奏は耳に焼き付いています。やはりフランスらしい華麗なオーケストラコントロールの印象が強い人です。

そのパイヤールが、イギリス室内管を振ったハイドンの交響曲。このアルバムの他にも時計、ロンドンの録音があるようなので、手に入れなければなりませんね。

Hob.I:94 / Symphony No.94 "Mit dem Paukenschlag" 「驚愕」 [G] (1791)
小規模オケ、しかも現代楽器のオケらしい、クッキリとした響きの序奏から入ります。主題に入るとヴァイオリンによる高音の隈取りがクッキリついて華麗な響き。テンポはオーソドックスなものですが、キビキビした足取りで推進力は十分。安心して身を任せられる演奏です。演奏によってはインテンポで畳み掛ける迫力を味わえる1楽章ですが、パイヤールのコントロールは華麗な響きでハイドンの曲のメロディーラインと構成の美しさを表現する事に主眼を置いたもの。ここぞという踏み込みはないものの、この規律こそハイドンの本質と言わんばかりに、演奏をすすめていきます。旋律をこれだけクッキリと歌わせながら、類いまれな安定感。こうゆう演奏ももはや貴重なものですね。演奏スタイルは異なるものの、同じフランスのリステンパルトの演奏にも漂う安定感。
2楽章のアンダンテはまさに完璧な古典的演奏。音楽の授業で聴いたのはパイヤール盤だったのでしょうか。この曲のオーソドックスな演奏の見本のような響き。意外に彫りが深く、表情も立体的で迫力も十分。これだけ完成度が高い演奏だったとは。
メヌエットに入っても、完璧なプロポーションと流れの良さは健在。ウィーンらしいというより、やはりフランス風の軽やかさがあり、メヌエットはまさに舞曲らしくメロディーが弾むよう。ここまで活き活きとしたメヌエットはそうありません。
この曲の聴き所でもあるフィナーレ。入りから非常に表情豊か。音量ではなくフレージングでこの曲のフィナーレ独特の沸き上がる感じを上手く表現しています。音量でも迫力でもなく、磨き抜かれたオーケストラコントロールでこの曲の素晴しい盛り上がりを表現。見事。これほどの演奏だったとは。

Hob.I:100 / Symphony No.100 "Military" 「軍隊」 [G] (1793/4)
入りから癒しエネルギーが満ちてます。これから展開する曲の面白さを予感させる、豊かな表情の序奏。現代の演奏が忘れてしまった、メロディーの華麗な展開と素朴な美しさに満ちあふれています。とりわけクッキリしたヴァイオリンと色彩感たっぷりの木管楽器の織りなす表情の美しさは素晴しいもの。実に美しい軍隊。これだけ華麗な軍隊の1楽章は聴いた事がありません。曲がすすむにつれて沸き上がる素晴しい興奮。音楽が生き物のように躍動しています。
軍隊の聴き所の2楽章。もちろん迫力もあるのですが、パイヤールのコントロールは一貫してメロディーの豊かな表現にあります。打楽器が炸裂するところもそこそこいいのですが、全体を見据えて盛り上げていくまでのコントロールと、抑えた部分の美しいメロディーは只者ではありません。そして全般に力みがまったくなく、純粋に演奏を楽しんでいるようなリラックスした雰囲気が素晴しいですね。
そしてこの曲でもメヌエットは弾みまくり。メヌエットとはこう演奏するものだと教わっているような気分。音符がすべて意味があり、リズムの刻みも完全にパイヤールのリズムになっています。オケ全員にパイヤールの音楽が浸透しているのですね。
期待のフィナーレ。少し抑え気味に入りますが、パイヤール流の流麗、華麗なフレージングは健在で、曲が進むにつれてだんだん表情が豊かになってきました。ただ弱音は意識的かなり落として、またテンポもすこし抑え気味。終結部にクライマックスをもってくる演奏も多いなか、パイヤールはフィナーレは実に慎み深く、抑え気味ですすめ、打楽器もそこそこの音量。もちろんクライマックスには違いありませんが、メロディーと曲の美しさこそこのフィナーレの聴き所とばかりに、バランスを重視した演奏でした。パイヤールの意図がぴしゃりと決まって、高貴華麗な軍隊となりました。

もちろん何度か聴いた事のある演奏でしたが、パイヤールのハイドンの交響曲がここまで素晴しいのかと再認識した次第。私たちがハイドンの交響曲、とくに晩年のザロモンセットの演奏の理想的な姿として想像していた通りの演奏がここにありました。非常に慎み深く、音楽は非常に豊かで、まさにハイドンとはこう演奏すべしとの啓示のような演奏です。ヴァイオリンをはじめとした弦楽器のコントロールも秀逸。録音も解像度は最新盤とは差がつきますが、十分聴きやすいものです。以前つけていた評価をあらため、両曲とも[+++++]とします。心を洗われるようなハイドンです。現役盤ではないようですが、amazonなどでまだ手に入りそうですね。

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tag : 驚愕 軍隊

カラヤン/ベルリンフィルの「軍隊」

前記事でスヴェトラーノフによるベルリンフィルの雄々しい響きを聴いて、これを久しぶりに聴いてみたくなりました。

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HMV ONLINEicon / amazon / TOWER RECORDS

ヘルベルト・フォン・カラヤン(Herbert von Karajan)指揮のベルリンフィルの演奏で、ハイドンのパリセットとザロモンセットを収めたアルバム。今日はこの中から交響曲100番「軍隊」を取りあげます。軍隊の収録は1982年1月、ベルリンのフィルハーモニーでのセッション録音。レーベルは名門Deutsche Grammophone。

スヴェトラーノフとのライヴが1989年3月でしたので、その約7年前の録音ということになります。筋骨隆々のベルリンフィルをスヴェトラーノフが振ると、やはりもの凄いパワーを秘めた煮えたぎるマグマのような迫力を帯びていきますが、やはりカラヤンが振ると、レガートを効かせたカラヤンの音楽になります。カラヤンのハイドンは世評は高いものの、特にこのDGの晩年のベルリンフィルとの録音については、ちょっと人工的ですらあるカラヤン一流の磨き込まれた音楽が、ハイドンの交響曲の演奏として相応しいかどうかと言われると、個人的にはちょっと冷静な立場になるのが正直なところでした。その辺は過去の記事にも書いてあります。

2012/06/18 : ハイドン–交響曲 : カラヤン/ベルリンフィルの86番
2011/02/10 : ハイドン–交響曲 : カラヤン/ベルリンフィルのロンドン旧録
2011/01/18 : ハイドン–交響曲 : カラヤン/ウィーフィルのロンドン
2010/12/16 : ハイドン–交響曲 : カラヤン/ウィーフィルの太鼓連打
2010/02/10 : ハイドン–交響曲 : カラヤンのハイドン再考

ただし、いろいろな演奏を聴きつつ、聴く耳も心も変化していきます。スヴェトラーノフが描いた軍隊を、カラヤンは同じオケでどのように描いたのかという興味も湧いてきたので、久々にカラヤンの軍隊を聴いてみたくなった次第。何か発見があるかもしれませんね。

Hob.I:100 / Symphony No.100 "Military" 「軍隊」 [G] (1793/4)
テンポの遅さはスヴェトラーノフと同様ですが、こちらはカラヤン。序奏から美しく磨き込まれたビロードのような手触りの演奏。流麗な演奏とはこのこと。すぐにダイナミックレンジの幅一杯にクレッシェンドして、ベルリンフィルがフルスロットルで威力を見せつけます。主題に入ると、スタイリッシュにメロディーを刻んでいきますが、流石ベルリンフィルだけあって合奏精度は見事なもの。ロンドンではカラヤンらしさが過ぎて、ちょっと鼻につくところもありましたが、軍隊では不思議とそう感じません。やはりベルリンフィルの威力はただものではありませんね。強奏部分の力感と、カラヤンのダイナミックな音量変化に余裕たっぷりでついてくるところは流石です。特に低音弦の唸るような迫力はベルリンフィルならでは。力でねじ伏せる感じです。
2楽章のアレグレットはレガートを効かせたカラヤン流の演出。今聴くと意外とメロディーラインの演出は単調というか、意識は完全に音量のコントロールに行っているようです。打楽器群の爆発はスヴェトラーノフよりも迫力がありますが、曲として聴くと、スヴェトラーノフの方が迫力があるように聴こえるのが不思議なところ。カラヤンの演奏は完全にコントロールされたもので、スヴェトラーノフのようにスリリングな印象がないからでしょうか。オケは気持ち良く響き、演奏も楽天的ですらあるように安定したもの。もちろん大爆発。
メヌエットに入ってもカラヤンはフレージングはあまり凝らず、磨き込まれた力感を重視しているよう。堂々とした立派なメヌエットですが、音楽の面白さはメロディーラインの表情やリズムの変化などいろいろな要素で成り立っているのに、堂々とした迫力に偏ってしまっているようにも聴こえます。
フィナーレはベルリンフィルのテクニックとパワーをカラヤン流にまとめてスタイリッシュな迫力を演出。前半はすこしセーブ気味にすすめて、終盤の爆発に備えているのでしょうか。カラヤンは極めて冷静にオケをドライブしていき、オケもそれに応えますが、終盤に至り、凝縮されたパワーが炸裂します。カラヤンの好みか、この曲の迫力を担うグランカッサがほとんど聴こえません。弦楽器のレガートを効かせた分厚い音色の迫力で押し通した感じです。

カラヤンの軍隊をあらためて聴き直すと、これまで抱いていた先入観よりはカラヤン流の演出がくどくかんじることはなく、意外と流れのよい演奏に聴こえました。やはりダイナミクスのコントロールは流石カラヤンとベルリンフィルというところでしょう。それでもやはりカラヤンのハイドンという面が強いのは正直なところで、ハイドンの書いた音楽の演奏としては、かなり個性的なものであるのは間違いありません。おそらくベートーヴェンのほうがカラヤンのこういった演奏スタイルでの違和感は少ないと思いますし、リヒャルト・シュトラウスなどでは、カラヤンの演奏スタイルがよりマッチしたものとなるのでしょう。これまでいろいろな演奏者によって、ハイドンの交響曲の様々な豊かさを知る身としては、これもハイドンの交響曲の一断面なのだと理解しています。評価は[++++]とします。

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tag : 軍隊 ベルリンフィル

【新着】スヴェトラーノフ/ベルリンフィル「軍隊」ライヴ!

今日はメジャーな指揮者とメジャーなオケの共演。曲も含めた組み合わせはかなりニッチなもの。

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エフゲニー・スヴェトラーノフ(Evgeny Svetlanov)指揮のベルリンフィルの演奏で、ベートーヴェンの「レオノーレ」序曲第3番、ハイドンの交響曲100番「軍隊」、チャイコフスキーのマンフレッド交響曲の3曲を収めたアルバム。収録は1989年3月4日、ベルリンフィルハーモニーでのライヴ。レーベルは英TESTAMNT。

このアルバム、HMV ONLINEの解説によれば、スヴェトラーノフとベルリンフィルが唯一の共演した貴重なコンサートをライヴ収録したものとのこと。1989年といえば、この年の4月にカラヤンがベルリンフィルの芸術監督と終身指揮者を辞任した激動の年。おそらくスヴェトラーノフがこのコンサートを振った3月は、カラヤンとベルリンフィルの関係は冷えきり、そのためスヴェトラーノフをはじめとして多くの指揮者がベルリンフィルに客演しているようです。スヴェトラーノフが振った4日後にはカルロス・クライバーがコンサートに客演し、翌4月には、ジュリーニ、ハイティンク、小沢征爾、バレンボイムなどがベルリンフィルと録音セッションをもったそうです。この年の10月にはベルリンフィルの団員の投票でクラウディオ・アバドが次期音楽監督に選ばれ、そして11月にはベルリンの壁崩壊と、まさに歴史の転換点だったわけですね。

指揮者のスヴェトラーノフはロシアの爆演系指揮者として有名ですね。ただしハイドンの録音はこれまでに見た事もなく、従って私もあまりなじみではありません。1928年モスクワ生まれで、モスクワ音楽院で学びました。1955年からボリショイ歌劇場で指揮をはじめ、1962年には首席指揮者となりました。1965年からソ連国立交響楽団(現ロシア国立交響楽団)首席指揮者に就任、1979年からはロンドン交響楽団の客演指揮者となるなど、ロシア以外でも活躍していました。晩年はフリーとなって世界各国のオケに客演、なかでも日本ではN響への客演でおなじみの方も多いのではないでしょうか。

ということで、爆演系のスヴェトラーノフが、キレ味鋭いベルリンフィルを振って、しかも曲はハイドンの交響曲でもことさら迫力ある演奏が映える「軍隊」とくれば、否応なしに期待してしまいます。スヴェトラーノフ、爆発するのでしょうか?

Hob.I:100 / Symphony No.100 "Military" 「軍隊」 [G] (1793/4)
序奏はゆったりとしたテンポで、ベルリンフィルの線のそろった精度の高いアンサンブルで安定した入り。ただ、ちょっとすると、音に異様な力が漲ってきているのに気づきます。主題に入ると巨人がゆっくりと歩をすすめるような遅めのテンポで、じっくりと描いていきます。一貫して遅めのテンポで大きな造りの音楽。図太い筆で音楽を描いていくような雄々しい展開。どこかで爆発するかと思いきや、意外と冷静にじっくりと音楽をつくっていきます。ボディービルダーがまだまだ筋肉を完全に浮き上がらせるまで力を入れず、軽くポーズをとっているがごとき余裕。ただならぬ迫力の気配。
打楽器大活躍のアレグレットも、なにやら不気味な迫力を帯びた展開ですが、打楽器はほどほどの爆発。ただ、大爆発するよりもかえって迫力を感じるのが不思議なところ。豪腕投手が決め球を投げずに変化球で打者を翻弄しているような感じ。それでもベルリンフィルハーモニー一杯に図太い響きが充満。普段のドイツ系の指揮者とは音楽の造りが違います。既にホールはビリつき気味。
メヌエットに入ってもスヴェトラーノフは落ち着き払って、じっくりとオケを鳴らしていきます。ベルリンフィルもスヴェトラーノフのタクトに素直に応えて、図太い響きでホールを満たしていきます。スヴェトラーノフのこのオーソドックスなオケのコントロールはハイドンへの敬意を表しているのでしょうか。
そして、フィナーレ。そろそろアクセルを踏み込んでくるころ。早いパッセージに入り、にわかにオケにスイッチが入ってきました。ベルリンフィルが本領発揮で、キレと迫力が一段上がり、めくるめく音の洪水。打楽器奏者のバチさばきが見えるような素晴しいキレ。最後はまさに爆風のような迫力で締めくくります。会場からも嵐のような拍手が降り注ぎます。

演奏を聴く前に期待した大爆発は聴かれませんでしたが、スヴェトラーノフ=爆演というこちらの安直な想像とは異なり、スヴェトラーノフのハイドンに対する視点は極めて真っ当なもので、ベルリンフィルから引き締まった音楽をうまく引き出した流石の指揮というところ。フィナーレの最後にずばっと豪速球を見せるあたりのセンスも抜群です。やはり指揮者にとってハイドンとは音楽の原点をなすものなのでしょう。スヴェトラーノフの酔眼にやられたという感じです。直前にアバドのキレで聴かせるスタイリッシュな軍隊を取りあげましたが、スヴェトラーノフの軍隊はやはり迫力で聴かせる演奏の代表格。スヴェトラーノフという豪腕指揮者にとっても、ハイドンには規律と機知に溢れたものでした。ベルリンフィル激動の時代の貴重な記録と言う意味でも素晴しい価値をもったアルバムだと思います。ハイドンの交響曲好きの皆様、是非お聴きいただくべきかと。評価は[+++++]です。

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tag : 軍隊 ライヴ録音 ベルリンフィル

クラウディオ・アバドの98番、軍隊

仕事やら飲み会やらでちょっと間があいてしまいました。今日は大御所アバドのハイドンを久しぶりに聴き直しました。

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クラウディオ・アバド(Claudio Abbado)指揮のヨーロッパ室内管弦楽団の演奏で、ハイドンの「月の世界」序曲、交響曲98番、交響曲100番「軍隊」の3曲を収めたアルバム。収録は軍隊が1992年2月、序曲と98番が1993年6月、イタリア、フェラーラのテアトロ・コムナーレでの録音。序曲と98番はライヴです。

このアルバム、1枚ものとしてはずっと前に廃盤になっていましたが、何と来月、国内盤で再発売されるようです。HMV ONLINEのリンク先は再発売盤です。amazonの方は中古ですが、12万少しと恐ろしい値段がついています。CD1枚に出せる値段ではありませんね。今入手するなら、アバドのハイドンの交響曲の録音4枚をまとめたこちらでしょう。

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アバドのハイドンは今まで2度ほど取りあげています。

2012/04/30 : ハイドン–協奏曲 : アドルフ・ハーセス/アバド/シカゴ響のトランペット協奏曲
2010/02/11 : ハイドン–交響曲 : アバドの「奇跡」

交響曲についてはブログをはじめたばかりの頃に奇跡を中心に取りあげていますが、そのころは、かなり大雑把な取りあげ方だったので、そろそろ再度取りあげなくてはと思っていたところ。

アバドといえば大オーケストラを緻密に操り、もの凄い精度で大曲をコントロールしていく人。情に溺れず透明な音楽をつくっていき、イタリア人ならではメロディーラインの自然な美しさを描いていきます。そのぶん直接的な感情表出は抑え気味なので、カルロス・クライバーの燃えたぎる火の玉のような音楽のわかりやすさはありませんが、音楽の構造をくっきり浮かび上がらせ、感情ではなく理性に響くようなところがありますね。最近では神憑ったような恐ろしい精度の演奏も多く、私の好きな指揮者の一人です。

もちろんハイドンの録音は非常に少なく、これまで取りあげたものの他にはほとんどないと思います。最近はモーツァルトを結構取りあげており、もしかしたらハイドンも新録音が期待できるかもしれませんね。

最近のお気に入りはルツェルン祝祭管とのマーラーの交響曲でしょうか。とりわけ3番の映像がお気に入り。特に長大な1楽章のしなやかな構築感とイタリア人らしい伸び伸びとしたメロディーラインの表情から、マーラーの描いた巨大な交響曲が、大河の流れのような滔々とした音楽となり、緻密なのに恐ろしく自然な表情が続く見事な出来映え。極度の緊張感にホール中が静まり返る奇跡のコンサートの様子が楽しめます。あとはロッシーニの「ランスへの旅」。アバドにしては非常にノリのいいライブで、次から次へとアリアが襲ってくる、まさにアリアの洪水のような名演奏です。

さて、久々に聴くアバドのハイドン。

Hob.XXVIII:7 / "Il mondo della luna" 「月の世界」序曲 (1777)
歌劇「月の世界」は1777年、エステルハージ侯爵の次男、ニコラウス・エステルハージ二世とマリア・アンナ・フランツィスカ・フォン・ヴァイセンヴォルフ伯爵令嬢の結婚祝賀に上演されたもので、この序曲は交響曲63番「ラ・ロクスラーヌ」の1楽章に転用されました。ハイドンらしい晴朗快活なメロディーの序曲。アバドのハイドンは基本的に鮮やかなキレ重視。ヨーロッパ室内管はウィーンフィルのようなとろける響きではなく、ちょっと粗い響きで、ヴィブラートは控え目。アバドらしいあっさりとした透明感を帯びながら、各パートそれぞれのリズムがピタリと合って、キビキビとした雰囲気が良く出ています。曲自体が快活な雰囲気をもっているので、アバドも演奏を楽しんでいるような感じ。独特の透明感が演奏に気品を与えているよう。

Hob.I:98 / Symphony No.98 [B flat] (1792)
98番は間の取り方が印象的な入り。ハイドンではあっても弱音の緻密なコントロールとほんのりと明るさを帯びたメロディーラインの表現にアバドらしさを感じます。低音弦のキレのいい存在感をベースに、コミカルな98番の1楽章の語り口の面白さを上手く表現していきます。97番、98番あたりのこうした面白さはハイドンの音楽の聴き所の一つです。
秀逸なのが2楽章のアダージョ・カンタービレ。アバドの緻密なコントロールでハイドンの美しいメロディーがクッキリと浮かび上がります。磨き抜かれたメロディーのコントロールはハイドンなのにマーラーの演奏のようなしっとりとした透明感溢れる美しさを帯びていきます。やはり弦のコントロールは素晴しいですね。
そしてメヌエットは弦の反応の良さを楽しむような素晴しいキレ味を聴かせます。中間部の愉悦感も余裕たっぷりで、キレのいい弦楽器と木管楽器のしっとりとした響きの対比が見事。さっぱりとした余韻にアバドらしさが良く出ています。
フィナーレはアクセントをカッチリつけて、キレのいいオケの響きがさらにクッキリとします。軽やかなメロディとオケの鋭いアタックが織りなす感興。音量ではなくキレで聴かせる迫力。恐ろしく俊敏なオケ。最後のハープシコードのソロのキレも見事でした。ライヴですが拍手は収録されていません。

Hob.I:100 / Symphony No.100 "Military" 「軍隊」 [G] (1793/4)
序奏のあっさりと媚びないフレージングがアバドならでは。オーケストラの迫力で聴かせる演奏が多い中、前曲同様、抜群のオケのキレと透明感で聴かせるアバドならではのアプローチ。軍隊のメロディーがこれほど透明にクッキリと浮かび上がるとは。重厚感は一切感じさせず、むしろ軽やかに聴こえるのが不思議なほど。良く聴くと弦楽器のメロディーラインはかなりはっきりとアクセントがつけられ、また低音弦やティンパニは明らかに抑え気味で、意図して軽やかにしてるのがわかります。軍隊という曲から、迫力ではなく緻密な構成とメロディーの美しさにスポットライトを当てた演奏。
2楽章も同様に重厚な音楽をあっさりさっぱり仕上げようというアバドの意図が感じられます。有名な打楽器炸裂の部分もグランカッサも抑えて鳴らされるなど、鳴りものも抑え気味で、曲をクッキリ描こうとしているのがわかります。この辺は迫力を期待して聴くと肩すかしを食うほどの抑え方。
メヌエットは98番ほど対比を印象づけず、流れの良いもの。やはり2楽章と終楽章が聴き所との判断から流しているように聴こえます。
フィナーレはやはりオケの俊敏な反応が見事。鮮やかなオケの反応が痛快。あまりにキレが良すぎて重厚感は一切なく最後の一音は風圧がすっとふきぬけるよう。さっぱりとした余韻の残る軽やかな軍隊でした。

久しぶりに取り出して聴いたアバドのハイドン、やはりアバドのハイドンの交響曲を鮮やかに料理する手腕は見事でした。他の指揮者とはアプローチが異なります。ハイドンの交響曲を俊敏なオケで軽やかに仕上げたキレ味鋭い剃刀のような演奏。今回98番の素晴しさにあらためて気づかされました。軍隊もアバドならではの素晴しい演奏ですが、曲中に書いたように、聴き方によっては肩すかしをくらうような演奏でもあります。評価はあらためて前曲[+++++]とします。

今回記事を書くのに調べていたら、アバドとルツェルン祝祭管のマーラーの1番から7番のBlu-Rayがまとめて非常に安い値段で出ていますね。(HMV ONLINEicon / amazon / TOWER RECORDS) ん~、どうしよう(笑)

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tag : 交響曲98番 軍隊 月の世界 ライヴ録音

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Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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