【新着】イル・ジャルディーノ・アルモニコの交響曲全集第4巻(ハイドン)

待ってました!

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ジョヴァンニ・アントニーニ (Giovanni Antonini)指揮のイル・ジャルディーノ・アルモニコ(Il Giardiono Armonico)の演奏で、ハイドンの交響曲全集の第4巻としてリリースされたアルバム。ハイドンの交響曲60番「迂闊者」、70番、12番と、チマローザのカンタータ「宮廷楽長」の4曲が収められています。収録は2016年3月13日から17日にかけて、ベルリンのテルデクス・スタジオでのセッション録音。レーベルはouthereグループのALPHA-CLASSICS。

このアルバム、リリースされたのは先月ですが、注文するのが漏れており、先日はっと気づいて慌てて注文したもの。ハイドンの交響曲全集を目指したプロジェクトゆえ私も特に注視しているわけですね。もちろん、これまでリリースされた3巻は全て取り上げております。

2016/10/09 : ハイドン–交響曲 : 【新着】イル・ジャルディーノ・アルモニコの交響曲全集第3巻(ハイドン)
2015/06/08 : ハイドン–交響曲 : 【新着】イル・ジャルディーノ・アルモニコの交響曲全集第2巻(ハイドン)
2014/11/08 : ハイドン–交響曲 : 【新着】イル・ジャルディーノ・アルモニコの交響曲全集第1巻(ハイドン)

当ブログの読者の方ならこのシリーズの企画についてはご存知だと思いますが、ご存知ない方は第1巻の記事をご参照ください。このシリーズ、第2巻でちょっと力みが見られましたが、第3巻では見事にそれを修正してきて、非常にいい仕上がりを予感させます。果たしてこの巻は如何なものでしょう?

選曲はこれまでの3巻はシュトルム・ウント・ドラング期の曲を軸に構成されていましたが、この巻ではシュトルム・ウント・ドラング期以後の曲を軸においた構成となり、本格的に全集を企てないと録音しない曲に手を伸ばしてきました。そして、中でもリズムの面白さが際立つ曲を集めてきました。選曲に攻めの姿勢を感じるのは私だけでしょうか。

また、アルバムの造りはこれまで通り非常に手のかかった美しいもので、コレクション欲を満たすもの。1巻ずつレギュラープライスで集めるのは値が張りますが、リリースも長期間にわたるため、それほど負担感もありませんね。

Hob.I:60 Symphony No.60 "Il disrratto" 「迂闊者」 [C] (before 1774)
冒頭の力漲る響きがスカーッと響き渡り、この巻の出来も安心できそうです。もともと喜劇のための劇音楽として書かれた音楽を交響曲にまとめた曲。序奏が終わると喜劇のための音楽とは思えないほどの怒涛のキレ味鋭い響きが襲いかかってきます。まるで竜がのたうちまわるがごとき躍動感。ファイのように一音一音の変化で機知を聴かせるのではなくあくまでも正攻法でグイグイ攻めてくる快感。アクセントの鋭さと迫力はかなりのもの。1楽章は、もはや喜劇の域は完全に超え、神々しささえ感じるほど。
続く2楽章のアンダンテは快速かつ滑らかに行きます。6楽章構成のこの曲の展開上、速めのテンポによる見通しの良さを狙っているのでしょう。オケの各パートの反応の良さもあって多彩な響きを楽しめます。アクセントのキレ、クッキリとした構成感は流石なところ。
メヌエットも速めで通します。舞曲であることを忘れてしまいそうな迫力と展開の面白さ。中間部で漂う異国情緒で一息入れて、再び舞曲に戻ります。
通常はフィナーレとなりますが、フィナーレのような曲調なのに終わりません。嵐の到来を告げるような騒がしさと躍動感の入り混じった楽章。唸る低音弦にジプシー風の旋律が絡まりユニークにまとまっていきます。
この曲の聴かせどころであるアダージョからアレグロへ変化する5楽章。いつもながら入りのメロディーの黄昏た印象からファンファーレに入る予想外の展開に驚きます。ハイドンマジック。
そして本当の終楽章。冒頭ヴァイオリンが音程を外してあえて調弦する様子が盛り込まれていますが、これぞハイドンの遊び心でしょう。こけおどしの面白さ半分、真面目に追い込むのが半分といったところでしょう。

Hob.I:70 Symphony No.70 [D] (before 1779)
この曲もリズムの面白さが聞きどころ。冒頭からリズムの面白さで遊びまくるよう。一つのテーマで曲をまとめるハイドンのユーモアが元になっていますが、演奏の方は攻めの構成で、緊張感を持続します。もう少し遊び心があってもいい気がしなくもありませんが、オケを精緻にコントロールして大迫力で仕上げてきますので、聴き応え十分。
続くアンダンテは弱音器付きの弦楽器の緊密なアンサンブルが聴きどころ。メロディーを様々な楽器が受け継いで進めていく地味ながらなかなか深みのある演奏。
メヌエットはオケがスタジオ中に響き渡る快感に満ちた演奏。非常にしなやかな中間部がうまくエネルギーを中和して一旦落ち着きますが、再び響きのエネルギーが戻り、その対比の面白さを印象付けます。
フィナーレはフーガ風の展開で無限の広がりを感じさせる構成。ここでフーガを持ってくるところにハイドンの冴えたアイデアがあるわけです。メロディーのアイデアも展開もユニーク。

Hob.I:12 Symphony No.12 [E] (1763)
最後に初期の交響曲を持ってきました。素直に爽やかな響きに耳を奪われます。音色の多彩さ、リズムのキレの良さを併せ持つ正統派の古楽器の演奏と言っていいでしょう。欠点らいしいものを見つけるのが難しいバランスの良い演奏。そして迫力やエネルギーも申し分ありません。
短調のアダージョはしっかりと陰りを纏い、落ち着いてじっくりと進めます。この先に到達するシュトルム・ウント・ドラング期の仄暗い雰囲気を先取りするような曲。低音弦の分厚い響きが迫力十分。古楽器とはいえ迫力面で現代楽器に負けている感じはしません。
フィナーレは再び晴朗な空のような明るさを取り戻します。隙のない緊密な演奏が産む充実感。冒頭の主題が次々に展開する面白さ、徐々に迫力を帯びてくる構成の面白さを存分に味わえます。

このあとチマローザの祝祭的なカンタータが置かれています。初めて聴く曲です。悪く言えばどんちゃん騒ぎのような曲ですが、これがめくるめくように展開して意外に面白い。序曲にレチタティーヴォを挟んでバリトンによるアリア2曲が聴きどころ、と書きかけたら、実はアリアよりもレチタティーヴォの方が面白い。こればかりは聴いていただかなくてはわかりませんね。ハイドンの交響曲を聴き終えてちょっとくつろいで聴けるという構成を意図したものでしょう。アントニーニも思いっきりくつろいだコントロール。このノリがハイドンでも欲しいところです(笑)

ジョヴァンニ・アントニーニ率いるイル・ジャルディーノ・アルモニコによるハイドンの交響曲第4巻ですが、すでに安定期に入りましたでしょうか。古楽器にしては十分な力感を表現できるオケによるキレの良い演奏が揃っています。このアルバムの曲だともう少し遊びがあってもいい気もしますが、アントニーニの狙いはあくまで正攻法によるタイトな演奏ということでしょう。演奏のレベルは非常に高く、鮮度の高い録音も手伝って、ハイドンの交響曲全集の企画にふさわしい安定感もあります。これだけの演奏を揃えられたら、やはりリリースされるごとに揃えたくなってしますね。そういう意味で全集企画は成り立ちそうですね。評価は全曲[+++++]とします。

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tag : 迂闊者 交響曲70番 交響曲12番 古楽器

ブダペスト室内響のヴァイオリン協奏曲、ピアノ協奏曲、迂闊者(ハイドン)

東京は天気予報通り昨夜から大雪。朝起きた時には5cmくらい積もっているだけだったんですが、夕方には2〜30cmになってます。久しぶりの大雪に、自宅でのんびりしております。

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イムレ・ローマン(Imre Rohmann)指揮のブダペスト室内交響楽団(Budapest Chamber Symphony)の演奏で、ハイドンのヴァイオリン協奏曲(Hob.VIIIa:3)、ピアノ協奏曲(XVIII:11)、交響曲60番「迂闊者」の3曲を収めたアルバム。ヴァイオリン独奏はクリストーフ・バラーティ(Kristóf Baráti)、ピアノ独奏は指揮のイムレ・ローマンです。収録は2007年9月、ハンガリアン・ラジオの22スタジオでのセッション録音。レーベルはハンガリーのBMC。

このアルバムは現役盤ですが、まだコレクションにないのを見越して湖国JHさんから貸していただいたもの。アルバムタイトルは「ヨゼフ・ハイドン2009年アニヴァーサリーアルバム」とあり、ハイドン没後200年の2009年にリリースされたものでしょう。レーベルのBMCは先日ヴェーグの凱旋公演ライヴというすばらしいアルバムが記憶に新しいところ。ハイドンの地元ハンガリーのレーベルですので、この記念アルバム素晴しく気合いの入った造り。音楽を聴く前から迫力を感じます。

2013/09/15 : ハイドン–交響曲 : ヴェーグ/カメラータ・アカデミカのブダペストライヴ

アルバムジャケットもヴェーグ盤同様凝った造りです。

指揮者でピアノ独奏を担当するイムレ・ローマンですが、以前に同じくハイドンのピアノ協奏曲(XVIII:11)のソロを担当したアルバムを一度取りあげています。

2013/06/24 : ハイドン–協奏曲 : イムレ・ローマン/ザルツブルク・モーツァルト・アンサンブルのピアノ協奏曲など

今日取り上げる演奏が2007年の録音、上の以前取りあげたアルバムは2003年の録音と、あまり間を置かずに2回録音しています。以前のアルバムはOVPP(One Voice Per Part)によるスッキリとした響きが特徴でした。イムレ・ローマンについては前記事をご参照ください。

ヴァイオリン協奏曲でヴァイオリンを弾くクリストーフ・バラーティは、1979年ブダペスト生まれのヴァイオリニスト。子供のころはヴェネズエラで過ごし、8歳のころヴェネズエラのマラカイボ交響楽団と演奏したとのこと。ヴァイオリンは母親から学びはじめ、その後カラカス、しそてブダペストのフランツ・リスト音楽アカデミーで学びました。1996年に開催されたジャック・ティボー・コンクールでストラディバディウス・ソサイアティのエドゥアルド・ウルフソン教授に見いだされ、以降はハンガリー及びヨーロッパで活躍しているそうです。

ハイドンの地元ハンガリーのレーベルによるハイドン没後200年を記念する特別なアルバム。その出来はどうでしょうか。

Hob.VIIa:3 / Violin Concerto "Merker Konzert" 「メルク協奏曲」 [A] (c.1765/70)
超鮮明な録音。スタジオでの録音らしい鮮明さ。残響も思ったほど少ない訳ではありません。この曲としてはテンポは遅めでしょう。オケはかなりシャープに伴奏を刻み、バラーティのヴァイオリンは切れ込み鋭いこちらもシャープなもの。ヴァイオリンの低音の分厚い響きと、浸透力の高い高音の澄み渡った響きがストラディヴァリウスらしいですね。ローマンのコントロールが優先しているのか、曲の流れよりも骨格をシャープに表現することを優先したような分析的な演奏スタイル。ただバラーティのヴァイオリンの美音によって響きの美しさも聴き所になっています。良く聴くとバラーティのヴァイオリンの響きの多彩さはかなりのもの。オケがどちらかというと辛口の表現なのに対し、ヴァイオリンは艶やかで色っぽさをもったものが、かえって緊張感を生んでいるよう。カデンツァはバラーティ自身のもので、ストラディヴァリウスの艶やかな美音を思う存分聴かせるもの。
続くアダージョに入ってもオケのテンションはあまりゆるまず、辛口のまま進みます。音量はソロが特に大きい訳ではないのですが、演奏のテンションでヴァイオリンがかなり前に打ってきています。
フィナーレはオケのキレが戻り、かなり分析的な表現も聴かせます。空気感を感じるほどキレのある少し長い伴奏にヴァイオリンソロが加わります。ヴァイオリンはもはや麻薬的に美音を轟かせ、現代音楽のようなエクスタシーを感じさせるほど。ハイドンのヴァイオリン協奏曲としてかなり個性的な演奏ですが、ちょうどクレーメルとアーノンクールによるモーツァルトのヴァイオリン協奏曲の演奏と似た立ち位置の演奏といえば伝わりますでしょうか。音楽表情は一貫してシャープなんですが、音楽の流れもそこそこ良く、個性的な名演奏です。

Hob.XVIII:11 / Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [D] (1784)
こちらも録音は超鮮明。テイストは同じ印象ながら、ヴァイオリン協奏曲よりも自然な流れに修正してきました。ローマンのピアノはやはり分析的な思考が現れて、クリアそのもの。タッチも鮮明で一音一音が光り輝いています。このスタイルが伝統的な演奏の印象をはぎ取り、現代風のイメージを構成しているようですね。音楽の流れは前曲同様特に悪いところはなく、まるでジャズのセッションのようにスリリング。驚くのが1楽章のカデンツァ。これはローマンのものであるとのことですが、かなり音数の多い、しかも現代風のカデンツァ。聴き慣れたこの曲が、実に新鮮に聴こえます。
2楽章は予想通りしなやかな表情が加わり、ローマンのピアノも主旋律をクッキリと強調してキリリとメリハリの効いた音楽をつくってゆきます。音楽が華やかで、現代風の涼やかさも加わり、非常に新鮮な響き。
フィナーレは予想通りオケがキレキレ。テンポが急くことはなく、鋭い響きで落ち着いた進行。どこまでもクリアでシャープな響きを徹底しようとするローマンの意図が伝わります。最後までキレ味は最高。

Hob.I:60 / Symphony No.60 "Il disrratto" 「迂闊者」 [C] (before 1774)
前2曲を聴いて、どうして迂闊者をこのアルバムにもってきたのか、何となくわかりました。イムレ・ローマンのコントロールするオーケストラのキレ味抜群の響きに最も合いそうなのがこの迂闊者であろうと想像がつきます。
この曲はシュトルム・ウント・ドラング期直後の1774年にエステルハーザで、ジャン・フランソワ・ルニャール作の「迂闊者」という戯曲を上演した際の劇付随音楽(XXX:3)と幕間音楽を交響曲に仕立てたもの。まさに劇中音楽のような劇的な音楽で、ハイドンの交響曲中唯一の6楽章構成の曲。作曲当時はハイドンのユーモア溢れる曲想が人気を集めたとのこと。
予想通り冒頭から鮮度の高いオケの響き炸裂。ローマンのキレ味鋭いコントロールがもっとも合った曲。機知に富んだ旋律をスリリングに奏で、しかも鋭い響きが錠に流される事なくアーティスティックに響き渡り、この交響曲の面白さを際立たせています。アーノンクールより響き自体にこだわらず、音楽的な変化の面白さも表現しきっているあたりは流石なところ。協奏曲ではかなりタイトに攻め込んでいましたが、この曲のメヌエットでは、穏やかな表情もきちんとこなして、楽章間のメリハリを効かせています。交響曲では楽章間の変化や間の取り方が曲の締まりに大きく影響することを踏まえて、表現の幅を一段と大きく取っているようです。
普通の交響曲のような前半4楽章とこの曲の聴き所の5楽章ののアダージョと6楽章のフィナーレの描き分けも見事。5楽章は可憐なヴァイオリンソロを引き立てる静けさ表現、そして6楽章はまさにオペラの一場面のようなユーモラスな情景描写。有名なチューニングの場面はかなり抑えた表現でハッとさせられます。最後は純音楽的な透明感ある響きでどんちゃん騒ぎをまとめるような上手い捌きで終えます。

イムレ・ローマン指揮のブダペスト室内交響楽団の演奏による、ハイドン没後200年を記念したアルバム。ハンガリーのオーケストラの素晴しい響きを思い知らせるような素晴しい出来でした。2009年にはハイドンのアニヴァーサリーに合わせて多くのアルバムがリリースされましたが、このアルバムはその中でもきらりと光る存在でしょう。イムレ・ローマンのキリリと引き締まった個性的な解釈によって、ハイドンの2つの協奏曲と迂闊者というユニークな交響曲が新鮮な姿で蘇るような演奏でした。評価は3曲とも[+++++]とします。このアルバム、録音も秀逸でハイドンの名曲を最上の響きで楽しめる名盤でしょう。

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tag : ヴァイオリン協奏曲 ピアノ協奏曲XVIII:11 迂闊者

【新着】ヨエル・レヴィ/イスラエルフィルの「迂闊者」、「ロンドン」ライヴ

HMV ONLINEから届いたばかりのアルバム。けっこう前に注文していたのですが、他のものの未入荷に引きずられて到着がおそくなってました。

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ヨエル・レヴィ(Yoel Levi)指揮のイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団(The Israel Philharmonic Orchestra)の演奏で、ハイドンの交響曲60番「迂闊者」、ピアノ協奏曲(Hob.XVIII:11)、交響曲104番「ロンドン」の3曲を収めたアルバム。収録は2012年4月30日、イスラエル、テルアヴィブ大学のスモラーツ・オーディトリウムでのライヴ。レーベルはイスラエルフィルのライヴをリリースしつづけているhelicon。

ヨエル・レヴィは初めて聴く人。1950年ルーマニア生まれですが、生後すぐにイスラエルに移住、エルサレム音楽大学で学ぶなどイスラエルは地元と言っていい人。1978年、ブサンソン国際コンクールで優勝し頭角を現しました。クリーヴランド管弦楽団の副指揮者を経て、1988年アトランタ交響楽団の音楽監督および首席指揮者となり、1996年のアトランタオリンピックの開会式、閉会式において指揮を担当したということです。2001年よりイスラエル・フィルの首席客演指揮者となっています。息子はヘヴィ・メタルのイアル・レヴィ(笑) その影響か、1996年には、イングヴェイ・マルムスティーンの「エレクトリック・ギターとオーケストラのための協奏組曲『新世紀』」のオーケストラ・パートの録音でチェコ・フィル指揮して参加しています。

このアルバムは最新の2012年の録音で、オールハイドンプログラムのライヴ。2曲目のピアノ協奏曲のソロはマヤ・タミル(Maya Tamir)という当時12歳のイスラエル人天才ピアニスト。ピアノ協奏曲はお楽しみですね。

Hob.I:60 / Symphony No.60 "Il disrratto" 「迂闊者」 [C] (before 1774)
デッドな響き。最新の録音ですが、解像度は十分ながらちと潤い不足に聴こえるのはかなりデッドな演奏会場だからでしょうか。ヨエル・レヴィのコントロールは、ゆったりと丁寧にデュナーミクをつけ、間を上手くとって、この交響曲の力感とリズムの面白さを強調した演奏。主題に入ってからの推進力は十分。ハイドンの演奏のツボはしっかり押さえてます。良く聴くと弱音のコントロールがなかなか良く、勢いだけでなく立体的な構築感が良く表現できています。これはなかなかいい演奏。
アンダンテもハイドン独特のユーモラスな表情の演出が上手く、実に聴き応えがあります。ヴァイオリンをはじめとした弦楽器群が実に表情豊か。デッドな録音なのでクッキリとメリハリをつけたボウイングが鮮明にわかります。
メヌエットも同様、弦楽器の精緻なコントロールでハイドンの機知に富んだ旋律が素晴しい立体感を見せます。後半のトルコ趣味のような旋律もちょっと押さえ気味にして面白さを浮かび上がらせるあたり、なかなのセンス。
そして普通の曲だったらフィナーレになるプレスト。やはりアクセントの付け方が上手く、活力、推進力は見事なもので、勢い良くフィニッシュといくところが、これで終わりではないのがこの曲の面白いところ。
つづいてアダージョがはじまり、しかも非常に癒しに満ちたフレーズで、突然うっとりさせられます。ファンファーレのような堂々とした印象の中間部を挟んで、再びゆったりとしたメロディーが戻ります。この展開、何度聴いてもゾクゾクしますね。
そして、有名な調弦する場面をふくむ、活気に満ちた本当のフィナーレ。ヨエル・レヴィこの曲を得意としているのでしょう、ハイドン曲の面白さの真髄をつく素晴しいコントロールでした。ライヴですが拍手はありません。

Hob.XVIII:11 / Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [D] (1784)
これは聴いてビックリ。2000年生まれの演奏当時12歳のマヤ・タミル、この人、文字通り天才です。軽やかに転がるピアノに濃厚な音楽が宿り、若い人が弾いているとは思えない、枯れたような芸術性も聴かせる人。あまりの素晴しさに腰を抜かさんばかり。
冒頭のそよ風のようなオケの序奏はやはりヨエル・レヴィらしくクッキリと表情がついて、非常に音楽的。この人の音楽、ハイドンに実に合っています。単なる序奏が抜群の立体感で実に趣き深いものになります。弦楽器の豊かな表情が抜群。マヤ・タミルのピアノは12歳と言う事でタッチの力強さはほどほどながら、力が抜けて、音楽のエッセンスはきちんと押さえているような弾きぶりは成熟を感じるところ。早いパッセージのクリアな表情は水晶の輝きのような独特のセンスに溢れ、軽やかさが印象に残ります。クッキリとした伴奏に華麗なピアノ。ハイドンが書いた楽譜から、まるでサンテミリオンのワインの軽やかで香り高い音楽が立ちのぼります。もう少し重く深刻な演奏が多い中、これだけ華麗なピアノは滅多に聴くことができません。流石なのはカデンツァ。一音一音は軽やかなのにマスで迫ってくるまとまりがあり、一気に聴かせきります。
2楽章の伴奏もレヴィの丁寧な彫り込みの深い伴奏によって緊張感が持続します。タミルのピアノはやはりクリスタルの輝きをそのままに、詩情も乗せて言うことなし。純粋にピアノだけ聴いていると老ピアニストが若い頃を思い出しながら弾いているような風情もあります。
フィナーレはタミルが完全に主導権を握ります。インテンポでいくところとちょっと遅らせるところの絶妙な使い分けは12歳とは思えない器を感じます。レヴィもオケをキレよく煽って集中力を高めます。最後までタミルは一貫した演奏。技術も精神も安定した素晴しい演奏。オケも万全のサポートで期待に応えます。

Hob.I:104 / Symphony No.104 "London" 「ロンドン」 [D] (1795)
最後は大曲ロンドン。これまでの曲でヨエル・レヴィの巧みな演出力は把握済み。いよいよロンドンということで緊張も高まります。これまで小曲での盛り上げ主体でしたが、レヴィのコントロールはこうした大曲でも威力を発揮します。ことさらロンドンということではなく、普段通りの演奏なんでしょうが、これまでの曲で聴かれたヨエル・レヴィの丁寧なフレージングで、ロンドンの序奏もクッキリ浮かび上がります。もう少し大曲然としているかと思ってましたが、むしろスケール感は小曲のまま、精度が高いオケは純度が上がって、本当に小曲のよう。
つづくアンダンテも前楽章同様ですが、今まで間を上手く取っていたのでフレージングが冴えていたのが、その部分が普通になって、立体感もほどほど。展開部ではかなりテンポを上げて迫力を重視しますが、かえってちょっと慌てているように映って、音楽のデリケートさを感じさせてしまいます。アンダンテも中盤以降になると落ち着きを取り戻しますが、不思議と音楽の腰高な印象はぬぐい去れません。
メヌエットは小気味好い感じで、タイトな音楽の魅力を維持します。おそらくロンドンには数多の名演があり、ヨエル・レヴィの室内楽的ともいえる演奏のみではこれまでの雄大な演奏の魅力には敵わないと言う印象を与えてしまっているという事なのかと思います。
フィナーレに至り、レヴィのコントロールするオーケストラは集中力が上がります。レヴィ流の間とクッキリとしたメリハリが戻り、ハイドンの大曲のフィナーレにふさわしい盛り上がりを聴かせます。終盤はライヴらしい嵐のような盛り上がり。ようやくティンパニが炸裂し素晴しい高揚感。フィニッシュはロンドンに相応しい盛り上がりでした。

このアルバム、よくも悪くもデッドな録音とライヴと思わせない拍手のカットがポイントでしょう。前半の2曲はその音響での緻密なコントロールが功を奏した演奏。そしてロンドンは数多の名演奏とくらべると、実質は盛り上がっているのに、録音からちょっと覚めて聴こえてしまう印象を残しました。レヴィのコントロールは実にハイドンの音楽にぴったりで、良いホールでの条件の良い録音を今後期待したいところです。評価は前2曲が[+++++]、ロンドンは[++++]としました。

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tag : 迂闊者 ピアノ協奏曲XVIII:11 ロンドン ライヴ録音

アイヴァー・ボルトンの奇跡、88番、迂闊者

今日はアイヴァー・ボルトンの交響曲集。

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アイヴァー・ボルトン(Ivor Bolton)指揮のザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の演奏でハイドンの交響曲96番「奇跡」、最近おなじみの88番、60番「迂闊者」の3曲を収めたアルバム。収録は2008年10月22日、23日、ザルツブルクのモーツァルテウム大ホールでのセッション録音。レーベルはOEHMS CLASSICS。

ボルトンはあまりなじみの指揮者ではありませんが、以前取りあげたオラトリオ「四季」の演奏が抜群によかったので、ボルトンのハイドンの他のアルバムをさがしていました。「四季」のレビュー記事のリンクを張っておきましょう。

2010/12/13 : ハイドン–オラトリオ : アイヴァー・ボルトン/モーツァルテウム管弦楽団の四季ライヴ

「四季」は現代楽器のライヴ演奏ながら古楽器奏法をとりいれた非常に引き締まった響きが印象的な演奏でした。はたして同じコンビの交響曲のセッション録音は如何な出来でしょうか。

交響曲96番「奇跡」(Hob.I:96)1791年作曲
奇跡の導入部は期待したタイトな響き。速めのテンポと引き締まったオケの響きの魅力がいきなり炸裂。しかもコミカルな印象を感じさせる余裕があります。奇跡の1楽章のメロディーの面白さが存分に表現されてます。小編成オケのようで透明な響きが美しいもの。2楽章のアンダンテは各楽器のアタックが鮮明にわかる演奏。演奏によっては優しくゆったりした印象のものもありますが、このアンダンテはクッキリ鮮明なメロディーが痛快。最後の部分の木管楽器の掛け合いが印象的。3楽章のメヌエットもアタックの明解、各楽器が気持ちよく弾き抜けるような演奏。中間部のオーボエのソロ、巧いですね。そしてフィナーレは意外と落ち着いた入り。途中から祝砲が撃たれたような腰に響くアタック。途中一部の楽器がスパートしかけますが抑えて落ち着きを保ったまま最終部へ。興奮の坩堝へと思いきや、あえて低音を抑えて意外に透明感を狙った終結。なかなかのアイデアです。演奏としては、音色とスタイルはトーマス・ファイに似てなくもありませんが、ファイほど曲想を揺らさず、曲に素直な解釈。純粋に古楽器のような音色によるエネルギーとタイトさを狙った演奏のように感じます。

交響曲88番(Hob.I:88)1787年?作曲
つづいて最近よくとりあげる88番。前記事でバーンスタインの激こってりな演奏を取りあげたばかりですね。ボルトンの88番は前曲同様タイトな響きで88番の名旋律を刻んでいきます。まるで別の曲のような引き締まった響き。2楽章のラルゴも同様。鍛え上げた筋肉美の体操選手の床運動をみるがごときラルゴ。3楽章はすこしスピードをあげて爽快感を増します。フィナーレはコミカルなメロディーにかなり表情の変化を付けます。強奏部分の意図的なレガート。これは意外ですが、これまで逆に表情をおさえてフィナーレまで来た意図が分かりました。盛り上がる音楽的感興。これはボルトンの作戦勝ちですね。88番のユニークな曲想をどう表現するかをかなりコンセプチュアルに考えてのことでしょう。いやいや巧みです。

交響曲60番(Hob.I:60)1774年以前に作曲
最後は「迂闊者」。88番のあっぱれな演出で、次のこの曲も期待が高まります。1楽章から抜群なアイデアのキレ。音響的迫力で聴かせる部分もあるんですが、これぞハイドンの機知といわんばかりのフレージングがキレまくってます。鳥肌クラスです。楽譜を単純に弾くところは皆無。すべてのフレーズに生気と創意が宿ってます。見事! 2楽章はアンダンテ。ボルトンの真髄はタイトながら旋律に潜む表情をウィットに富んだ表現でコントロールしていくところ。この楽章はあまりのアイデアのキレに痺れる感じ。3楽章のメヌエットはあえて表情を抑えてカッチリと表現。中間部のトルコ風な曲想をふくめて多彩な表情。4楽章は嵐が過ぎ去るのを待つような激しい曲。そして5楽章は静けさが印象的な美しい曲。前楽章との対比が見事。そして弦のチューニング風景をもりこんだ終楽章。このアルバムに取りあげられた曲はどの曲もハイドンのユーモア溢れる豊かな曲想が特徴の曲。ボルトンの選曲意図が十分につたわる素晴らしい演奏ですね。

気に入りました。ハイドンの交響曲に含まれる機知の真髄をウィットに富んだ表現で聴かせるボルトンのコントロールは見事の一言。もちろん全曲[+++++]としました。奇跡も88番も迂闊者も見事。古典的であり、オーセンティックでもあり、ユーモアに富んでいて、音楽的にも刺激的な演奏と言えば良いでしょうか。これは多くの人に聴いていただきたい素晴らしい演奏。「ハイドン入門者向け」タグもつけちゃいます。売り場ではあまり見かけませんが現役盤。HMV ONLINEで注文したものなので入手もおそらく容易でしょう。こうなると、ボルトンの天地創造も聴いてみなくてはなりませんね。もちろん、同時に入手済みなので手元にあるんですね(笑)

こうゆう楽しみが趣味ならでは。天地創造は大物故今週末にとっておくことにしましょう。

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tag : 奇跡 交響曲88番 迂闊者 ハイドン入門者向け

【新着】マンフレート・フスの交響曲集

皆様、あけましておめでとうございます。
新年最初に取り上げるアルバムは、ハイドンの初期の交響曲3曲を集めたアルバム。

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ただし、ただの交響曲集ではなく、ハイドンがオペラの序曲として書いた曲を交響曲に転用した曲をあつめた、いわゆる企画ものです。
収録曲と作曲年、元の曲は次のとおり。
交響曲50番(1773年)マリオネットオペラ「フィレモンとバウチス」の序劇「神々の怒り」(1773年)序曲を転用
交響曲12番(1763年)イタリア語オペラ「アチデ」(1762年)序曲を転用
交響曲60番(1774年)ドイツ語演劇「迂闊者」(1774年)の音楽を転用

演奏はハイドン復興に力を注ぐマンフレート・フス(Manfred Huss)指揮のハイドン・シンフォニエッタ・ウィーン。録音は交響曲50番と12番がが2008年5月~6月、オーストリアグラーツ南部の街シュトラーデンのフローリアン教会、交響曲60番が2009年1月、オーストリアウィーン南部の街ライヒェナウ・アン・デア・ラックスのライヒェナウ城での録音。何れもセッション録音のようです。レーベルはKOCH SCHWANNレーベルからフスの全録音ごと引き取ったスウェーデンのBISレーベル。このアルバムは昨年9月の発売ですが、気づかず未入手だったものHMV ONLINEに発注して年末に入手したもの。

フスのハイドンはこれまで3回取り上げていますので記事のリンクを張っておきましょう。

ハイドン音盤倉庫:アリアの洪水!
ハイドン音盤倉庫:マンフレート・フスのオペラ序曲集
ハイドン音盤倉庫:マンフレート・フスのオペラ序曲集2

1曲目の交響曲50番は年末にブルーノ・ヴァイルの演奏を取り上げたばかりですね。同じ古楽器による演奏、ヴァイル盤との比較も楽しみの一つ。50番の解説はヴァイル盤の方をご覧ください。

ハイドン音盤倉庫:【年末企画】ブルーノ・ヴァイルの交響曲50番、64番、65番

50番の1楽章は、静寂からティンパニとともに大迫力のオケの劇的な導入。ハイドン・シンフォニエッタ・ウィーンのいつもキレもノリも良いオケの響き。ヴァイオリンのおとが若干金属っぽい響きがするのがこのオケの音色の特徴でしょうか。旋律の流れをメリハリが圧倒する演奏。リズムがキレまくってます。オペラの序曲からの転用ならでは劇的な展開。
2楽章はあっさりと抑えた演奏。古楽器の雅な音色で聴くハイドンのアンダンテ。途中からティンパニも加わるメリハリのついた曲調に変わり、迫力が増します。
3楽章のメヌエットは迫力を感じるものの規律を残して八分の力でこなしているよう。メヌエットそのものに対する指揮者の捉え方と全体設計の中でのメヌエットの対比上の効果を考えてのことでしょう。
フィナーレは速めのテンポで一気にまくしたてます。徐々にエネルギーを増すオケの響き、強奏時のティンパニと金管のアクセントが演奏を引き締めます。

この曲、ヴァイルの演奏も素晴らしかったですが、フスの演奏も甲乙付けがたいすばらしさです。どちらかというとフスの演奏は古楽器オケにおける力感の表現に、ヴァイルは古楽器オケの域をこえた全体の構成とフレージングに気を配った演奏といえると思いますが、どちらの演奏にも共通するのが抜群の迫力と生気。ハイドンのこの時期の交響曲の演奏に不可欠な要素ですね。

つづいて交響曲12番。こちらはハイドンが副楽長時代の1763年と他の2曲よりだいぶ前の作曲。3楽章構成です。フスは原曲の「アチデ」を世界初録音した当事者だけに思い入れも一入でしょう。
1楽章は郷愁溢れる弦のメロディーに聞き惚れる間もなくリズミカルなオケの入り。ハイドン初期の交響曲にみられる郷愁に溢れたメロディーを起点に展開するシンプルな構成の曲。導入部を繰り返して、低音弦が活躍する展開部。間もなく最初のメロディーに戻り1楽章を閉じます。
2楽章はうら悲しいメロディーが心を打ちます。叙情に溺れることなく淡々と古楽器の雅な音色で聴かせます。
3楽章は美しいメロディーをただ奏でるだけの力感とは無縁の世界に入ります。ただ音符に誠実に弾くという単純なことがなかなか出来ないことを思い知らせる自然な演奏。演奏中に欲と決別したような割り切り。
この曲の演奏はフスの得意な祝祭感溢れる迫力の演奏ではなく、力をぬいて音符に任せる、いつものフスとは少し違った面を感じさせてくれました。

最後は交響曲60番「迂闊者」。こちらは1曲目の交響曲50番の1年後の1774年の作曲。他の2曲は原曲が知られていますが、この曲の元となったドイツ語演劇「迂闊者」に関する録音は私の知る限りリリースされていないと思います。この曲はご存知のとおり6楽章構成。この曲の解説は前に記事にしてありますのでそちらもご覧ください。

ハイドン音盤倉庫:デヴィッド・ブラムの交響曲集

前2曲とは時と場所を変えての録音。こちらの方が録音の鮮度と響きの調和がよく、聴き応えがあります。
1楽章から熱狂の渦のような素晴らしい力感。速めの速度とフス独特の鮮度抜群の畳み掛けるアクセントが効果的に効いて素晴らしい高揚感。
2楽章は落ちついた展開に変わりますが、フレーズの呼吸が深く、ヂュナーミクの幅もより大きくなっています。50番の2楽章でみられた流すようなあっさりしたものとは明らかに異なり、フレーズにクッキリとしたメリハリを加えて、より濃い演出。今までのフスの演奏から、明らかに一歩踏み込んだ感があります。この演奏が一番最近の録音であることを考えると、表現が進化しているように伺えます。
3楽章はメヌエット。こちらも50番のメヌエットよりも表現意欲が上がっているように聴こえます。最初と最後の舞曲の部分よりも中間部の表現の充実が目立ちます。
4楽章は通常の交響曲でいうフィナーレにあたりますし、曲調もこの曲で終わってもおかしくない曲調。にぎやかな曲調を古典の格調を保ちながらすばらし突抜け感で演奏。これは見事。
5楽章は4楽章から間をおかず安らぎにみちたメロディーに移ります。途中に行進曲風のトピックをはさみふたたび美しいメロディー。演劇用音楽を転用したものとうなづける曲調。
6楽章は調律をする部分がふくまれたりコミカルな要素を含むどんちゃん騒ぎ的展開。こちらも古典的な節度とお祭り感のバランスが見事。

このアルバムに含まれる曲の評価は、結局全曲[+++++]としました。ただし、それぞれの曲ごとに聴き所がことなります。50番はこれまでのフスの演奏から期待される、ライヴ感と言うかオペラの幕があくざわめきのようなものを感じる演奏。12番は力の抜けた非常に完成度の高い演奏。そして最後の60番は、フスの新境地、一歩踏み込んで今までのフスよりも表情を濃くつけて、踏み込んだ表現というところ。

企画ものという意味でも素晴らしいアルバム。ハイドンのことを熟知したフスならではの視点でしょう。何れの曲もハイドンが劇場のために書いた曲から感じられるドラマを感じられます。古楽器によるハイドンの交響曲のおすすめ盤として多くの人に聴いていただきたいアルバムです。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : 交響曲50番 交響曲12番 迂闊者 古楽器

デヴィッド・ブラムの交響曲集

週末に伊豆旅行に行っている間、音楽はあんまり聴かず。レビューを書いていつものペースに戻らなくては。

Blum60.jpg

今日は先日ディスク・ユニオンで手に入れた1枚。

デヴィッド・ブラム(David Blum)指揮のエステルハージ管弦楽団(Esterházy Orchestra)の演奏で、ハイドンの交響曲60番「迂闊者」、70番、81番の3曲を収めたCD。レーベルはVANGUARD CLASSICS。録音は60番が1963年4月、70番が1966年8月、81番が1965年6月と1960年代の録音。すべてセッション録音のようです。

デヴィッド・ブラムのことを調べても、あんまり情報が出てきません。ニューヨークタイムズ紙の記事によれば、1998年4月17日にガンのため62歳で亡くなったとの記事が。ということは1936年頃の生まれ。
CDの解説によれば、ロスで生まれアメリカとヨーロッパで音楽教育を受け、1961年に自らエステルハージ管弦楽団を創立。このオーケストラはハイドンがエステルハージ家に仕えていたのにならって創ったとのこと。このオーケストラの毎年の全米、カナダでのツアーは、ハイドンや18世紀の作曲家の多くの作品を聴衆にはじめて聴くチャンスをもたらすなどの功績があったとのこと。1969年にはアンセルメのすすめでスイスに住居を移し、ローザンヌ交響楽団とジュネーブ交響楽団の音楽監督になり、ジュネーブ交響楽団の音楽監督の座には1977年から1989年までありました。彼はまた音楽記事のライターとして知られ、彼の著書は多くの国で翻訳されているようです。

私自身はブラムははじめて聴く人。録音年代を考えると私より上の世代のクラシックファンの方にはおなじみなのかもしれません。手に入れたのはもちろん「エステルハージ管弦楽団」とのオーケストラのただならぬ名前に反応して。この名前のオケということで、当ブログが無視する訳には行きませんね。

1曲目は交響曲60番「迂闊者」。この曲な古い筆写譜の中に「喜劇<迂闊者>のためのシンフォニア」という注記が見られるとのこと。迂闊者は1774年夏にエステルハーザ宮でカール・ヴァール座が上演したフランス喜劇で、その序曲と劇中音楽をハイドンが作曲。結婚式の当日、自分が花婿であることをすっかり忘れている迂闊者の紳士が、ネクタイを結んでいるときにやっとそのことを思い出すというフィナーレ。音楽のほうも奏でてしばらくしてから調弦をしていなかったことに気づき調弦を始める部分があるなど喜劇の演出を盛り上げるもの。この曲はハイドンの交響曲で唯一6楽章構成。この各楽章が序曲や幕間音楽、後奏音楽から成り立っていりことが後年確認されました。

CDをかけてビックリしたのは録音の鮮明さ。冒頭から鮮明なオケの音色が素晴しい。荘重な序奏から、速めのテンポに切り替わり、オケがリズムに乗ってはち切れます。エステルハージ管の名に恥じない素晴しい演奏。ちょっとざらついた音色ながら、鮮やかなテンポ感とふけ上がり、抜群のキレは流石です。途中コミカルにテンポを落とす部分などもあり、ハイドンらしさも十分ですね。
2楽章のアンダンテは落ち着いたリズムに乗って、柔らかい弦とホルンのアクセントの対比が面白い曲。いったいどうゆう場面のために書かれた曲でしょうか。
3楽章のメヌエットは大きな刻みとメリハリが効いて迫力十分。中間部のコミカルな表現もハイドンらしい演出ですね。
4楽章は快活なプレスト。通常のハイドンの交響曲の終楽章のような構成。素晴しい生気で盛り上げます。
5楽章はアダージョ。切々とした弦楽器の美しいメロディーが心に響きます。中間部は荘重なファンファーレのよう。再び最初のメロディーにもどり、美しい時間。
最後の6楽章は力強いオケの強奏から始まり、途中で調弦、ふたたび力強いオケの響き。
この曲は6楽章と特殊な構成ですが、ブラムのコントロールはハイドンの曲の本質をきちんと踏まえたもので、非常に楽しめますね。

続いて交響曲70番。この曲はあまり取り上げられることのないマイナーな曲。作曲は1779年頃で、交響曲53番「帝国」第1版や交響曲71番などと同じ頃の作曲。
この曲も60番と同様、快活さとキレに溢れた演奏。60年代の演奏ではありますが、1楽章を聴いた印象では最近の古楽器の演奏とも類似せいを感じるキレですね。
2楽章は淡々とアンダンテを奏でます。弱音器付きの弦楽器が典雅なのにうら悲しいメロディーを刻んでいきます。この曲の聴き所ですね。
3楽章のメヌエットは切れ味抜群。そしてフィナーレは意外と滑らかなフレージング。これは曲想を考慮してのことでしょうか。
このマイナーな交響曲を巧くまとめて聴かせていますね。

最後はパリセット直前の交響曲81番。この曲は1784年の作曲。
1楽章は快活さと流麗さがとても印象的。2楽章の滋味深いメロディーも最高。3楽章の不思議な曲想のメヌエット、4楽章の流麗なフィナーレと前2曲と同様の素晴しいハイドンです。

このアルバムは素晴しい出来ですね。1960年代という録音年代を録音でも演奏でも感じさせない素晴しいアルバム。自ら創設したオケにエステルハージ管弦楽団と名付けていることを見てもわかるようにハイドンのすばらしい理解者でもあり、その演奏も一級品。この演奏が埋もれていることは音楽界の損失ですね(大げさか!)
私の評価はもちろん全曲[+++++]としました。

このような掘り出し物が見つかるから、コレクションがやめられなくなる訳です。ブラムのハイドンは探せばまだ他の曲が見つかりそうですので、引き続き捜索にあたります。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : 迂闊者 交響曲70番 交響曲81番 おすすめ盤 ヒストリカル

オルフェウス室内管弦楽団の60番、91番

今日は、最近ディスクユニオンで手に入れた廃盤ものを。

Orpheus60.jpg

以前も取り上げた、オルフェウス室内管弦楽団のハイドンの交響曲集。
収録曲目は収録順に交響曲60番「迂闊者」、オペラ「アルミーダ」序曲、交響曲91番。91番は先日ラトル/ベルリンフィルの演奏が記憶に新しいところ。録音は1992年の3月、ニューヨークでの録音です。

交響曲60番は6楽章構成の変則構成。手元の資料によれば、1774年にエステルハーザで戯曲「迂闊者」を上演した際の劇の付随音楽と幕間音楽として作曲されたとのこと。「迂闊者」の愛称はハイドン自身がつけたも。6楽章構成はハイドンの交響曲では唯一のもの。

オルフェウス室内管の演奏は小気味好い俊敏な反応を楽しめる演奏。編成が小さいだけに迫力の方は今ひとつながら、フレーズの表情付けが巧いため曲の面白さを楽しめます。
聴き所は4楽章プレストの弦の強奏による劇的な演出と5楽章の叙情的はアダージョの対比。5楽章はアダージョの間に象徴的な中間部を挟んだ形。心にのこるメロディーですね。
最後の6楽章は弦楽器が調弦する場面などをふくむ演出満点の構成。いやはや、アイデア満点の曲。コンサートで取り上げたらさぞかし受けることでしょう。オルフェウス室内管の機知も最高ですね。

アルミーダ序曲は爽快な曲。録音のせいか若干軽い印象もありますが、曲のおもしろさを十二分に表現した演奏。

交響曲91番は、個人的には先日のラトル/ベルリンフィルの演奏よりも楽しめる演奏。小編成オケの反応の良い響きを十分楽しめる演奏です。キビキビした展開で小規模ながら曲全体の構造をよく見渡せます。東武ワールドスクエアに行ったような気分にさせられる演奏ですね。

評価は3曲とも[++++]としました。[+++++]としたいところもありましたが、軽めの音響がスケール感不足にも感じられかねず、ちょっと減点というところでしょうか。
オルフェウスのハイドンは気に入りましたので、入手済みの3点以外のアルバムも見つけ次第手に入れたいと思います。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : 迂闊者 交響曲91番

プロフィール

Daisy


Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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2017年7月のデータ(2017年7月31日)
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