ヘルムート・フッケ/フリッツ・レーハンのオーボエ協奏曲、協奏交響曲(ハイドン)

しばらく間が空きました。今日は最近手に入れたLP。

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ヘルムート・フッケ(Helmut Hucke)のオーボエ、フリッツ・レーハン(Fritz Lehan)指揮のコンソリティウム・ムジクム(Consortium Musicum)の演奏で、伝ハイドン作のオーボエ協奏曲とハイドンの作による協奏交響曲の2曲を収めたLP。協奏交響曲の独奏者は別記します。収録情報は記載されていませんが、以前湖国JHさんに貸していただいたこのLPと同一演奏であると思われるオーボエ協奏曲を収めたCDの情報では1961年3月8日から10日にかけてのセッション録音とのことです。レーベルはcolumbiaとEMIの両方のロゴが配されたもの。

このアルバムを取り上げたのはひとえに演奏と録音が絶妙に良いからに他なりません。

当ブログの読者の方なら先刻ご承知の通り、オーボエ協奏曲はハイドンの作品として出版され多くの録音もありますが、近年の研究によってハイドンの作ではなく、作曲者不明の曲というのが最近の見解です。それでもごく最近でも録音され続けているのはなかなか侮れない、いい曲だというのが理由でしょう。これまで取り上げたアルバムは皆それぞれ素晴らしい演奏でした。

2017/08/09 : ハイドン–協奏曲 : ハインツ・ホリガーのオーボエ協奏曲(伝ハイドン)
2015/04/28 : ハイドン–協奏曲 : 【新着】フランソワ・ルルーのリラ協奏曲、オーボエ協奏曲(ハイドン)
2015/03/23 : ハイドン–協奏曲 : パウルス・ファン・デア・メルヴェ/ヴァントのオーボエ協奏曲(伝ハイドン)
2015/03/22 : ハイドン–協奏曲 : エルネスト・ロンボーのオーボエ協奏曲(伝ハイドン)

オーボエのヘルムート・フッケは調べてみたのですが、手元のアルバムの解説にもネット上にも詳しい情報はありませんが、コレギウム・アウレウムの中心的メンバーだったとのこと。指揮者のフリッツ・レーハンについてもほとんど情報がなく、手元には他にこのアルバム同様コンソリティウム・ムジクムを振ったトランペット協奏曲などを収めたLPがあるのみ。そしてこのコンソリティウム・ムジクムもよくわかりません(苦笑)。Discogsの記載を見るとConsortium Musicum Ljubljanaという同名のオケもあり、こちらは旧ユーゴスラビア、現セルビアの首都であるリュブリャナのオーケストラのようですが、果たして同じオケなのかも判然としません。いつもは奏者やアルバムの背景を色々調べるのですが、久しぶりに調べがつきません(笑)

Concerto per il oboe [C] (Hob.VIIg.C1)
いきなり迫力満点で素晴らしく広がりのあるオケの序奏に驚きます。最新録音に劣るどころかキレキレのオケの響きに釘付けになります。比較的速めのテンポに乗ってグイグイと推進力満点のオケ。フリッツ・レーハン、素晴らしいオーケストラコントロール能力の持ち主とみました。協奏曲の中でも一際オケの伴奏が充実したこの曲だけに、このオケの充実ぶりは聴き応え充分。ヘルムート・フッケのオーボエもオケのエネルギーに反応して艶やか伸びやかな音色で応戦します。フッケもオーボエ特有の音を伸ばしたところの表情が特に豊かでホリガー並みの見事なオーボエさばき。曲が進むにつれて、ふとした陰りと明るさの間を行き来しながら美しいメロディーが交錯するこの曲の魅力が際立ってきます。鮮やかなオーボエの音色に負けないオケの瑞々しい響きでソロもオケも実に華麗な演奏に夢見心地。
続くアンダンテでは、フッケのオーボエ音色の美しさがさらに際立ちます。1楽章の華やかさから一転、しっとりとした響きの美しさを印象付けるように演奏もリラックスして癒しに満ちあふれます。ハイドンの作ではないとはいえ、このメロディーの美しさと展開は見事ですね。特にオケは完全に抑えられ、すべての楽器がデリケートな音量コントロールで弱音の豊な表情を作り上げます。
フィナーレの入りも絶妙に抑えられて、前楽章の余韻をしっかりと踏まえます。徐々にオケが力を取り戻しますが、今度はおおらかにオケを鳴らすことで、1楽章とは印象を変えてくる巧みな演出。中間部の実にニュアンス豊かな演出といい、大局的な設計の確かさといいフリッツ・レーハンという指揮者、素晴らしい実力の持ち主ですね。最後は華麗な響きで締めくくります。ブラヴォー。

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Hob.I:105 Sinfonia Concertante 協奏交響曲 [B] (No.105) (1792)
4人の独奏者は下記のメンバー。おそらくコンソリティウム・ムジククムのメンバーではないでしょうか。

ヴァイオリン:ウェルナー・ノイハウス(Werner Neuhaus)
チェロ:ハンス・プリューマヒャー(Hans Plümmacher)
オーボエ:ヘルムート・フッケ(Helmut Hucke)
ファゴット:ウェルナー・マウルシャット(Werner Mauruschat)

しなやかなオケのコントロールはオーボエ協奏曲と変わらず。穏やかにコントロールされた推進力はこの曲の雰囲気にピタリ。冒頭から4人の独奏者はイキイキとした鮮やかな演奏で見事なアンサンブルを聴かせます。完全に息が合って独奏者同士が楽しんで演奏している雰囲気がよくわかります。フリッツ・レーハンのコントロールするオケはあえて表現を抑えながら溜めを作らず清水の流れのように淀みのない清々しい音楽。この曲の本質的な魅力を教わった気になります。じわりと湧き上がる演奏の喜び。天真爛漫にメロディーが奏者の間を飛び回るような愉悦感に包まれます。なんという洞察力。フリッツ・レーハンという人、音楽の本質を見極める類まれな能力を持っているようですね。
続くアンダンテはこの曲も美しいメロディの宝庫。やはりヘルムート・フッケのオーボエの艶やかさが一際目立ちますね。オケの方はオーボエ協奏曲の時とはちょっとテンションが変わって、伴奏に徹する感じで表情も少し平板。
2楽章でちょっとテンションが落ちたと思っていたら、フィナーレではオケにもソロにも生気が戻ってきました。ピチカートを織り交ぜたりして華やかさを加えながら響きの新鮮さを保ちます。最後は古典の折り目正しさを印象付けて終わります。

知る人ぞ知るフリッツ・レーハンとコンソリティウム・ムジクムによる協奏曲集のLPでしたが、これが絶品でした。名のある奏者のいい演奏も色々ある中、このアルバムに収められた2曲は、オーボエ協奏曲は華やかな力感、そして協奏交響曲はとそれぞれの曲の本質的な魅力を知らしめてくれる玄人好みの名演でした。これだけの名演にも関わらず、現役盤ではなく、入手も苦労することとは思いますが、一聴すべき価値のあるアルバムと言っていいでしょう。評価は両曲とも[+++++]とします。



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tag : オーボエ協奏曲 協奏交響曲 LP

ヨーゼフ・メスナーのオラトリオ版「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」(ハイドン)

最近手に入れた非常に古い録音のLP。

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ヨーゼフ・メスナー(Joseph Messner)指揮のザルツブルク大聖堂合唱団(The Salzburg Dome Choir)、モーツァルテウム管弦楽団(The Mozarteum Orchestra)の演奏で、ハイドンのオラトリオ版「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」を収めた2枚組のLP。収録情報はこのアルバムには記載されていませんが、同一音源と思われる手元のCD-Rには1950年7月30日のライヴ収録と掲載されています。レーベルは英REMIGTON。

鮮烈な赤地にキリストのイラスト、そして印象的なタイポグラフィのジャケットが所有欲をそそるアルバム。1950年の録音ということでもちろんモノラル。しかもこの曲を2枚組4面に渡って収録してあるもの。先日オークションで入手したアルバムです。音源自体はCD-Rとして出回っているものなので、特段珍しいものではありませんが、このアルバム自体の放つ独特のオーラがたまりませんね。

手元の所有盤リストを調べてみると、オラトリオ版の「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」ではこの演奏が一番録音年代が古く、そのあとはシェルヘン盤の1962年のものということで、この曲の録音史に残るものと言えるでしょう。

指揮者のヨーゼフ・メスナーは1893年、オーストリア西部のアルプス山麓のシュヴァーツという村の生まれ。幼い頃から音楽教育を受け、ミュンヘンで作曲、オルガンを学び、1920年代には作曲家、オルガニストとして活動をし始めます。1922年からはザルツブルク大聖堂のオルガニスト、1926年には楽長となり1969年に亡くなるまでその地位にあったとのこと。オルガン音楽の巨匠として知られ、ブルックナーの後継者とみなされていたということです。凄いのが歌手の布陣。

ソプラノ:ヒルデ・ギューデン(Hilde Guden)
アルト:クララ・エルシュレガー(Clara Ölschläger)
テノール:ユリウス・パツァーク(Julius Patzak)
バリトン:ハンス・ブラウン(Hans Braun)

ギューデンにパツァークとこの時代の一流どころを揃えた見事な配役ということで、いやが上にも期待が高まります。

Hob.XX:2 "Die sieben letzten Worte unseres Erlösers am Kreuze " 「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」 (1796)
古いアルバムゆえ、いつものようにクリーニングしてもスクラッチノイズは少々残る感じですが、このくらい古いものだと逆にフィルムの映画同様、ノイズが味わいの要素のように聞こえます。そしてやはりCD-Rよりもリアリティは上。序章の入りは時代がかった古風な雰囲気を感じさせる至極ゆったりとしたもの。序章の後、ハープシコードに続いて滔々と流れる大河のようなコーラスを伴った第1ソナタに入ります。ライヴらしく縦の線が揃わないところもありますが、逆にそれが教会でのリアルな行事のような印象を与えていい感じ。すぐにソロが入りますがやはりギューデンの輝かしく圧倒的な美声が一段と目立ちます。

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第1ソナタが終わると2面に移ります。第2ソナタはまるで劇画音楽のようにドラマティックな展開。荒々しく、しかも力強いコーラスのエネルギーが押し寄せます。じっくり朗々と音楽が語られていくにつれて、巨大なエネルギーに取り込まれていくような錯覚に陥ります。そして第3ソナタはさらにテンポを落として、孤高感が際立ちます。メスナーの自然の呼吸のようなコントロールにオケとコーラスはゆったりと反応。歌手も朗々と歌を合わせていくことで絶妙な一体感に至ります。

再び面を変えて第4ソナタ、第5ソナタ。もはやゆったりとしたテンポに体が慣れてきていますが、第5ソナタのピチカートがここまで遅いとは想像できませんでした。超スローテンポによって歌手による四重唱が聴きどころになった感じ。同じ曲なのに他の演奏とは全く異なる響きに感じてきます。終盤再びピチカートに戻りますが音楽を保つギリギリ所までテンポを落としてきます。キワモノ的解釈という印象はなく、この時代の演奏スタイルと理解すべきでしょう。

最後の面に変えて第6ソナタ、第7ソナタに地震。第6ソナタの途中で「ゴン」というノイズが入ることで、これがライブだと気付かされます。ここまで一貫して遅めのテンポで、ザックリと音楽を作ってきましたが、ただ遅いだけではなく、起伏が実に音楽的であると同時にこれがオラトリオであるとはっきりとわかる祈りの感情を伴わせてきています。終盤に差し掛かったことを思わせる陰りも見事。そして第7ソナタはこれが結びであるとわかる折り目正しさを感じさせる見事な展開。渾身の力で険しさと郷愁を描いていきます。まさに劇的なクライマックス。最後の地震はアンサンブルが若干崩れ気味なのが地震っぽい。力で押すのではなく純音楽的な表現が予想とちょっと違いました。

1950年録音のオラトリオ版の「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」ですが、まさにヒストリカルな演奏。時代の空気と奏者のエネルギーが音溝にしっかりと刻まれていました。演奏としてはもちろん荒く録音も時代なりですが、この演奏の価値はそこではなく、演奏史上の貴重な記録という所でしょう。人によって評価はまちまちでしょうが、私の評価は[++++]としておきます。何より同演奏のCD-Rとはコレクション価値が異なりますね。針音に時代の空気を感じる貴重なアルバムでした。

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tag : 十字架上のキリストの最後の七つの言葉 ヒストリカル LP

ダヴィド・ゲリンガス/RIASシンフォニエッタのチェロ協奏曲1番(ハイドン)

今日は最近手に入れたLPです。

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ダヴィド・ゲリンガス(David Geringas)のチェロ、レオポルド・ハーガー(Leopold Hager)指揮のRIASシンフォニエッタ・ベルリン(RIAS-Sinfonietta Berlin)の演奏で、ハイドンのチェロ協奏曲1番、ボッケリーニのチェロ協奏曲、ヴィヴァルディのチェロ協奏曲1番の3曲を収めたLP。収録は1977年5月、ベルリンのRIASスタジオでのセッション録音。レーベルはeurodisc。

名チェリストゲリンガスのアルバムはこれまでにも結構取り上げています。

2017/07/13 : ハイドン–協奏曲 : ダヴィド・ゲリンガス/北ドイツ放送響のチェロ協奏曲2番(ハイドン)
2014/07/05 : ハイドン–協奏曲 : ダヴィド・ゲリンガス/チューリンゲン・ヴァイマル室内管のチェロ協奏曲2番(ハイドン)
2014/03/23 : ハイドン–室内楽曲 : ダヴィド・ゲリンガス/エミール・クラインのバリトン二重奏曲集(ハイドン)
2013/11/14 : ハイドン–室内楽曲 : ゲリンガス・バリトン・トリオのバリトン三重奏曲集(ハイドン)
2013/09/14 : ハイドン–協奏曲 : ダヴィド・ゲリンガス/チェコフィルのチェロ協奏曲集

ゲリンガスの素晴らしさを知ったのはCANYONからリリースされていたチェコフィルとのチェロ協奏曲集で、その後、出会うたびに色々集めてきたというのが正直なところ。協奏曲については2番の方がチェコフィルとの演奏の他に2組あったのに対し、1番の方はチェコフィル番のみ。おそらく1番の方も録音があろうと思っていたところに出会ったもの。オークションで見かけた時は若干過呼吸気味(笑)。しかも手元のゲリンガスの録音としてはもっとも古い1977年の録音ということで、ゲリンガスのオリジンに迫る録音であることがわかりました。1946年生まれのゲリンガスの30代の頃の録音ということになります。ジャケットに写るゲリンガスもレオポルド・ハーガーも実に若いですね。

このLPを聴く前に手元にあるチェコフィルとの1993年録音のCDの1番を聴き直してみましたが、指揮もゲリンガスが担当するだけにオケとの一体感が見事なのに加え、ゲリンガスの達観したかのような澄み切った表情とオケの透明感ある響きが素晴らしく、比較のために聴いたのにとろけちゃいました(笑)。

Hob.VIIb:1 Cello Concerto No.1 [C] (1765–67)
さて、肝心の当盤。レオポルド・ハーガーの振るオケの響きは穏やかで、鮮度抜群のチェコフィルの序奏と比べると若干おとなしい感じ。ゲリンガスのチェロもそれにつられて穏やかな入り。ただ、ゲリンガスのチェロの美音はこの頃から健在で、特に高音の伸びやかさはロストロポーヴィチ門下であることを感じさせます。ハーガーの落ち着いた伴奏に、ゲリンガスも落ち着いて美音で応えていくやり取りは円熟を感じさせるもの。聴き進むうちにめくるめくような暖かな楽興に包まれていきます。1楽章も終盤に至り、カデンツァの伸びやかな美音でクライマックスに。
続くアダージョは、ハーガーも思い切りテンポを落としてゲリンガスの伸びやかな美音の受け入れ態勢を整えます。ゲリンガスの弾き振りとは異なり、この辺りの阿吽の呼吸が協奏曲の醍醐味。ゲリンガスも老成したかのように達観しきった孤高のソロで応えます。演奏スタイルとしては時代がっかた印象もありますが、ゲリンガスの圧倒的な存在感の前にスタイル如何は消し飛んでしまいます。遅めのテンポから生み出される深い呼吸のメロディーによってこの曲のメロディーの美しさが完璧に描ききられます。カデンツァでの音量を落としてチェロの美音を極めます。
そして静寂を断ち切るようにフィナーレが鮮やかなメロディーが鳴り響くと雰囲気が一変。この対比の鮮やかさは見事。ゲリンガスはオケの鮮やかさを引き立てるように控え目に入りますが、徐々にボウイングに力が漲り、曲が進むにつれて陶酔の坩堝に突入。この変化に富んだテンポ設定、やはりハーガーの戦略でしょうか。ゲリンガスもその流れに見事に対応して素晴らしいクライマックスに至ります。最後はキレ良くまとめました。

ダヴィド・ゲリンガスのおそらく最初のチェロ協奏曲の録音。ゲリンガスは31歳ということで、若さ溢れる演奏かと思いきや、むしろ後年の録音よりも老成したような円熟味を感じさせる演奏でした。チェコフィルとの演奏が弾き振りだったのに対して、こちらはレオポルド・ハーガーの存在が協奏曲のソロとオケとの掛け合いの面白さに繋がっています。チェコフィル盤も廃盤となっていますが、Apple Musicなどで聴くことができますので、ご興味のある方は是非。このLPの評価は[+++++]とします。

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tag : チェロ協奏曲 LP

VPI HW-16.5でのレコードクリーニング作法

最近LPを聴く頻度が上がっているのは当ブログの読者の皆様ならご存知の通り。世の中ハイレゾやネット配信がはびこる中、高齢者の懐古趣味とも思えるLPですが、どっこい最近は若者にもレコードの良さが認められつつあり、クラシック以外のジャンルでも新譜がLPで発売されたり、レコードプレーヤーなども新たな商品がどんどん発売されるなど、懐古趣味にとどまらないムーヴメントになりつつあります。かく言う私もディスクユニオンやオークションでLPを仕入れては針を落として、長年の時の流れをくぐり抜けた円盤から湧き出る音楽に浸って楽しんでいる次第。CDが世に出た以降は音楽を楽しむのはCDが中心でしたが、このところLPを聴き直してみると音楽を聴くという行為はやはりLPに分がありますね。

しかも昔はレコードのパチパチノイズに一喜一憂していたのですが、最近はノイズは気になりません。無論、加齢により高音域の聴力が落ちていることも一因ですが(笑)、やはり、VPIのレコードクリーナーを入手して以来、レコードをクリーニングして、盤を綺麗にして楽しんでいることも大きいですね。

このような境地に至るまでに色々と試行錯誤はしましたが、現在行ってるクリーニング方法でレコードのクリーニングについては一定のノウハウがたまりましたので、ここでまとめて紹介しておこうと思って本記事をまとめました。

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レコードのクリーニングは、以前はたいていの方がそうであるように、乾式のクリーナーでホコリを取るだけでしたが、それだとノイズにまみれた盤はどうしようもありません。大昔はノイズのひどいアルバムは水で洗ったり、ボンドパックなども試してみたことがありますが、かける労力ほどの効果があるわけではなく、また音楽をのんびりと楽しむ雰囲気ではなくなってしまうので、私にはちょっと合いませんでした。またレイカのバランスウォッシャーを使っていたこともありますが、そこそこの効果はあるものの1枚仕上げるのに随分な労力がかかり、こちらも長続きせず。レイカで盤を磨くのはさながら修行のような感じでした。

2014/04/04 : オーディオ : 【番外】LPレコードクリーナー到着

流れが変わったのはVPIのクリーナーを入手してから。爆音を立てて汚れた液を吸引してくれるのはむしろ快感。しかも盤もかなり綺麗になり明らかにノイズが減少し、物によっては新品同様の素晴らしい状態に生まれ変わります。ただし、VPIのクリーナーについてもそのまま使っただけよりも、いくつかの工夫をすることで、効果はかなり上がります。現在のクリーニング方法で大抵のアルバムはピカピカになりますので、その作法を公開します。なお、バキューム式のクリーナーはVPIの他にもかなり高額なもののあり、私はVPI以外は使ったことはありませんが、とりあえずVPIで十分な効果があり、コストをかける価値は十分にあると思います。



<ハイドン音盤倉庫式レコードクリーニング作法>

①検盤
LPを手に入れたらまず検盤です。ディスクユニオンでLPを手に入れる時にはカウンターでLPを目視検盤しますが、その検盤ではありません。レコードを手に入れ家に帰ったら、まずターンテーブルに乗せ、そしておもむろに顕微鏡を取り出します。顕微鏡といっても本格的なものではなく、こちら。



1000円ちょっとで買える、主に子供の学習用のものですが、これが絶妙に素晴らしい。まずは顕微鏡で音溝を覗いた画像をお見せします。

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これは上の顕微鏡の接眼レンズにiPhoneのカメラのレンズを近づけて撮っただけの写真ですのでコントラストなどはかなり低く見えますが、実際にこの顕微鏡で見ると、クッキリと音溝が見える上に、顕微鏡についているLEDライトによって埃がまるでダイヤモンドのようにクッキリと光り輝いて見えます。どうしてまず検盤かというと、レコードの汚れは音溝の奥まで達する汚れと表面的な汚れ、キズなど様々なものがあり、手に入れたLPの状態と、それをクリーニングした後の音、状態を知ることで、表面的に肉眼で見るLPの状態から、それがクリーニングで消えるものかどうかの勘を養うためなんです。古いLPの中には見た目は結構汚れているアルバムもありますが、意外とクリーニングで綺麗になり、ノイズもほとんどなくなるアルバムも多いものです。ですから店頭での検盤で良盤を見分ける力を養うために検盤が必要なんですね。写真はほぼ綺麗なアルバム。クリーニング後もこの程度ならノイズはほぼない状態になります。

顕微鏡の使い方ですが、拡大率が60〜120倍と高いため、最初はちょっと綺麗に見るのが難しいですが、コツは下記の通り。

・まずLEDライトをオンして、倍率は最高の120倍にセットします。
・それを机などの上に置き、机の表面にピントが合うよう調節します。これは簡単。
・LPには顕微鏡がプラスチック製で軽いことから、私はLPの盤面に直接置いてしまいます。そうすることでピントがピタリと合った状態で盤面を確認できます。

最初は顕微鏡を浮かした状態で見ようとしていましたが、浮かした状態でピントを確保するのは至難の技。そっと置いてしまうのが一番確実です。なお、顕微鏡は置く前にエアダスターでホコリなどを吹き飛ばしておくと精神衛生上もいいですね。

②レコードクリーニング(VPI HW-16.5)
検盤が終わったら、クリーニングです。クリーニングにもコツがあります。

まずはクリーニング液。VPI HW-16.5本体に純正のクリーニング液がついていますが、これはなかなか高価な上に、クリーニング効果についても下記する液の方が高いです。このクリーニング液の作り方はネットで知ったものですが、安価でかつ効果も高くお気に入りです。

(クリーニング液)
精製水6、50%イソプロピルアルコール4、その混合液にドライウェル数滴たらします。
作り方は空の純正のクリーニング液ボトルに2/5イソプロピルアルコールを入れ、それを精製水で満たして作ります。

精製水はドラックストアで簡単に手に入ります。イソプロピルアルコールは消毒用としてこれもネットなどで手に入ります。またドライウェルは富士フィルム製でこれもネットで手に入ります。ドライウェルは昔はモノクロネガフィルム現像後の水切りに使いました。昔はコダックのTRY-XやPLUS-X、フジのネオパンSSなど、自分でよく現像したものです。純正液は匂いはあまり気になりませんが、この液はアルコール特有の消毒臭い匂いがしますので、換気には十分気をつけて使った方が良いでしょう。(自己責任でお願いします)

このクリーニング液は安価に作れますので、私は純正液の指定量よりも多目に使います。

(ブラシ)
ブラシは重要なポイントです。特にクリーニング後の盤面を顕微鏡でチェックするとブラシが重要であることがわかります。私は純正ブラシは使わず、こちらのブラシを使います。



2015/12/14 : オーディオ : LPは黒光りするほど綺麗に!(VPIレコードクリーナー用新兵器)

以前の記事で紹介したブラシは今も使っていますが、バージョンが変わり、現在はこのブラシが販売されています。私も予備に新型を2個購入してあります(笑) 本来は美顔用途のブラシなんですが、これがLPのクリーニングに絶妙な効果を発揮します。まずは毛先が非常に細く、音溝の奥に入ること。レコードのクリーニングをされている方の中にはデンターシステマ歯ブラシを使われている方がいらっしゃいますが、こちらは毛の細さは同等以上で密度と量は圧倒的。しかも電動で超音波振動しますので、まるでLPのクリーニングのために作ったかのような素晴らしさ。顕微鏡でクリーニング後の盤面をチェックすると純正のブラシとは効果が全く違います。

この私製クリーニング液と美顔ブラシを使ったクリーニング方法は下記の通り。

(液垂らし)
LPをVPIにセットしてターンテーブルを回します。そして私製クリーニング液をLP外周から内周に向けて垂らします。垂らす時に気をつけることは、最外周から1cmくらいのエリア、レーベル際がら1cmくらいのエリアには垂らさないこと。外周ギリギリに垂らすとブラシでこすった時にクリーニング液が外に溢れて裏側の盤面を汚します。また内側はレーベル面に液がかからないためです。液を垂らさない外周縁部、内周部には後でブラシで液を広げるようにすれば大丈夫です。垂らす量はブラシで伸ばした時に盤面全体が液で十分に覆われる量ですが、これはクリーニングを始める最初の面ではかなりの量になります。純正ボトルから内周、真ん中、外周にそれぞれ10cmくらい液を垂らすイメージです。というのも美顔ブラシがかなり液を吸いますので、最初の面は液をケチると液で面を覆うまでになりません。2面目以降はブラシが十分に液を含んでいますのでその1/2から1/3で良いでしょう。何れにしても液は多めの方がクリーニング効果は高いです。

(液伸ばし)
液を垂らし終わったら、外周1cm残した内側に、スイッチを入れてブルブル震えている美顔ブラシを下ろし、1周させブラシを上げます。このときは力はまったく入れず、液が盤面に広がるように伸ばすだけです。これで盤面の外側1/3に液が広がります。続いてLPの外周と内周の間の部分が1周するまでブラシを下ろして液を伸ばします。これで真ん中1/3。そして内周をレーベルの際から1cmくらいまでを1周。これで内側1/3。これで盤面の最外周1cm、最内周1cmを残して液が表面を覆う状態になりました。続いて最外周と最内周に液を伸ばします。最外周は盤の縁から1〜2mmのところまで攻めます(笑) 針を落とした時に最初にノイズを気にする部分ですので。ここでも液が覆うことだけ考えて力を入れません。レーベル側も同様、最内部の音溝まで攻めます。これで、盤面全体に程よく液が広がった状態になります。スプレーを使った盤などの中には盤面が液を弾いてしまう盤もありますが、多少弾いたところが残っても問題ありません。

(洗浄)
液が盤面を覆ったらクリーニング開始です。先ほどまでは液を伸ばすことだけを目的にしていましたので、力は入れず、ブラシを盤面に置くくらいの力でよかったんですが、これからクリーニング開始です。クリーニングは内周からやります。これは伸ばした液がホコリや付着物に染み込む時間を考慮すると、液を広げてから時間がたった方がクリーニング効果が高いため、外周を重視するとまずは内周から始めた方がいいわけです。かなり汚れた盤ではクリーニングを綿密にすると徐々にノイズがなくなっていきますので、それなりに根拠はあります。

まずは最内周、レーベルの際にブラシが触れない程度の位置にブラシを落とし、4〜5周ブラシを盤面に押し付けます。押し付ける強さは経験上、ブラシの毛が多少たわむ程度が良いでしょう。あまり強いと毛が寝てしまいますので音溝の奥まで届かない可能性もあります。またブラシを少し傾けてブラシ面と盤面が並行よりも少し手元が高くなるようにすると、ブラシの盤面への圧力が弱い部分から強い部分になるので良いような気がします。このようにして内周4〜5周、中周4〜5周、外周4〜5周というのが普通のパターンです。ブラシ自体が振動していますので、ブラシを支える手は動かさず、ブラシの振動で汚れを落とすイメージです。綺麗な盤では短め、逆に汚れた盤では長めに時間をとります。

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(ヴァキューム)
上記が終わったらブラシを置き、VPIの真骨頂、ヴァキュームに入ります。私はヴァキュームは4周と決めています。液の吸い取り漏れがなくなるのが4周くらいですね。

これで、一連のクリーニング作業は終わりですが、もう一つポイントを。

VPIのターンテーブル面はコルクが貼り付けられていますが、このコルク面、ホコリが目立たなくて良いのですが、逆にホコリが溜まりやすいんですね。クリーニング前のLPはホコリがついていることも多いので、まず片面をクリーニングした時、クリーニング前の面がコルクに接しているわけです。そしてもう片面のクリーニングのためにLPをひっくり返すと、今クリーニングした面がホコリだらけのコルク面に触れることになります。というわけで、このコルク面をクリーニングのたびに綺麗にする必要があります。私はエアダスターを手元に置いて、クリーニングの度にシュッとひと吹きコルク面のホコリを払うようにしています。

③乾燥
クリーニングしたLPはすぐに針は落としません。ヴァキュームしても溝の奥まで完全に乾いているとは限りませんので乾燥が必要です。ということで、LPを一定の枚数乾かすためにこれを使ってます。



なんとなく似たものは100円ショップにありそうですが(笑)、とりあえずこれを買って、クリーニング後の盤を立てかけて乾燥させます。しばらくしたら、やおら盤を手に取り、黒光りする盤面を目視チェックしてニンマリします。

④再検盤
クリーニングに慣れるまでは再度顕微鏡で検盤することをおすすめします。クリーニング前とクリーニング後でかなり変わりますので、それを確認して、クリーニング後のコンディションをチェックしましょう。

ちなみに、この時点でホコリがまだ多いようであれば、私はもう一度クリーニングします。かなり古めのモノラル盤などは、経過した時代なりに汚れているものもありますので、2度目のクリーニングは有効です。



如何でしょうか。ここまでのクリーニングですが、慣れると1枚に必要な時間は2〜3分です。私は中古盤を買った時は針を落とす前に必ずクリーニングして聴くようにしています。どんなに綺麗な盤でもこのクリーニングはしています。クリーニングした盤の方が伸びやかな音がする感じですし、汚れた盤よりは針を長持ちさせられそうな感じがするのが理由でしょうか。

こうして綺麗な盤面にクリーニングして聴くLPは時代を超えて演奏の息吹を伝えてくれます。レコードのコレクションをある程度お持ちの方はVPIを導入する価値はあると思います。手元の古びたアルバムが宝物に変わりますよ!





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シルヴィア・マーロウのハープシコードソナタ集(ハイドン)

見知らぬ奏者のアルバムを手に入れ、針を落とす時のときめきは今も変わりません。

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シルヴィア・マーロウ(Sylvia Marlowe)のハープシコードによる、ハイドンのハープシコードソナタ5曲(Hob.XVI:1、XVI:2、XVI:3、XVI:4、XVI:5)を収めたLP。収録に関する情報は記載されていませんが、Pマークは1981年とあります。レーベルはGASPARO。

見るからに古風なジャケットがいい感じ。奏者のシルヴィア・マーロウはまったくはじめて聴く人。調べてみると1908年ニューヨーク生まれのハープシコード奏者。パリのエコール・ノルマル音楽院でピアノ、オルガン、作曲を高名なナディア・ブーランジェに学び、またワンダ・ランドフスカのハープシコードに触発され、ハープシコードに興味を持つようになります。アメリカに戻ると、ピアノに代わって徐々にハープシコードに活動の軸を移し、レパートリーもバロック時代ものから現代の作曲家の作品やジャズまで広がったとのこと。1957年に自らハープシコード・ミュージック・ソサイアティを設立し、ハープシコードのための作品が書かれることを推進したり、ハープシコードを学んだり作品を書く学生に奨学金を提供するなどに尽力しました。亡くなったのは1981年ということで、今日取り上げるアルバムは最晩年の録音ということになります。現代の作曲家やジャズまで極めたマーロウが最晩年にハイドンのごく初期のソナタを録音しているということも興味深いですね。

Hob.XVI:1 Piano Sonata No.10 [C] (c.1750-1755)
いきなり鮮明。かっちりとしたハープシコードの音色が響き渡ります。速めのテンポでくっきりとしたメロディーを描いていきますが、耳を澄ますと非常にデリケートに表情がつけられ、それがクッキリ感を際立たせていることがわかります。2楽章のアダージョではゆったりとした音楽が流れ、バフ・ストップで音色に変化をつけます。そして3楽章のメヌエットはハイドンならではの緊密な構成感を感じさせます。短いソナタですが、円熟というよりは達観したような切れ味が心地良い音楽を作ります。

Hob.XVI:2 Piano Sonata No.11 [B flat] (c.1762)
続く曲はスタッカートのキレ味を誇るような入り。なんだか聴いているうちに鮮やかなタッチの凄みがようやくわかってきました。恐ろしくキレのいい音楽。しかも一貫してインテンポで攻めてくる迫力を感じます。ハープシコードの演奏でこのような迫力を感じるのははじめてのこと。続くラルゴではタッチのキレは逆に抑えて対比の効果を引き立てます。1楽章とのコントラストがつく一方、この楽章のメロディーの流れも立体的に描き、類い稀な表現力を見せつけます。音の強弱の表現の幅の狭いハープシコードでこれだけの表現力は見事というほかありません。この曲も3楽章がメヌエットで、クッキリとした表情で中間部を挟んだ定番の構成の面白さが曲のポイントとなります。後年メヌエットは終楽章に置かれることはなくなりますが、これはこれで非常にまとまりある構成であることがわかります。

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LPをひっくり返して3曲目。

Hob.XVI:3 Piano Sonata No.14 [C] (early 1760's)
1楽章は初期のソナタらしいシンプルな曲ですが、直裁でキレのいいタッチで爽快な響きを創っていきます。聴けば聴くほど見事なタッチ。続いて落ち着き払ったアレグレットは、フレーズごとにちょっとした変化をつけてメロディーに生気を吹き込みます。そしてこの曲の3楽章はメヌエットではなくプレストですが、A-B-Aの構成は変わらず。舞曲ではないだけで、堅固な印象は保ちます。

Hob.XVI:4 Piano Sonata No.9 [D] (before 1765)
同じく初期のソナタなんですが、展開の華やかさなどを聴くと確実に前曲よりも進歩しているように聴こえます。マーロウの迷いなく揺るぎないタッチによりメロディーラインがクッキリと浮かび上がるので曲の構造がよくわかります。またフレーズごとに次々と音色を巧みに変化させていて、こちらの期待以上に豊穣な音楽が流れます。この曲は2楽章構成で2楽章がメヌエット。舞曲にしてはリズムをためて濃いめの表情付け。ハイドンのメヌエットの面白さを見抜いた酔眼でしょう。

Hob.XVI:5 Piano Sonata No.8 [A] (1750's)
変化に富んだハープシコードを楽しんでいるうちに、あっという間に最後の曲。これまでの曲では最もリズムの面白さを強調した曲。1楽章にも実に印象的な響きが散りばめられ、アルバムの最後にふさわしい力強さ。そして中間の2楽章がメヌエット。ここでは音量をサッと落として優しいタッチで音色を巧みに変化させます。ハープシコードでこれほどの音量差を引き分けるのは至難の技と推測されますが明と暗、硬と軟の対比を見事につけてきます。ハープシコードにこれほど表現力の幅があったのかと驚くばかり。終楽章で鮮明なタッチが戻り、ハープシコードのキャパシティいっぱいの音量をきりりと引き出します。

ハープシコードでのソナタの演奏は、少し前に最新のフランチェスコ・コルティのアルバムを取り上げました。コルティの最新録音の若さ溢れるウィットに富んだ見事な演奏に対し、シルヴィア・マーロウの演奏は奏者が亡くなる直前の73歳での録音ですが、古さを感じさせないばかりか、揺るぎないタッチと多彩な変化は見事の一言。自身がハープシコード・ミュージック・ソサイアティを設立し、ハープシコードの音楽の普及を牽引したという覇気が感じられる素晴らしい演奏でした。マーロウの演奏で聴くとハープシコードという現代楽器に比べると表現力の幅に限界のある楽器ながら、その表現力の範囲を自在にコントロールして変化に富んだ音楽を紡いでいることがよくわかります。これは名盤ですね。評価は全曲[+++++]といたします。

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オルランド四重奏団のOp.54(ハイドン)

通常のレビューに戻ります。

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オルランド四重奏団(Orlando Quartet)の演奏で、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.54のNo.1とNo.2の2曲を収めたLP。収録情報には触れられていませんが、レーベル面にはPマークが1981年と印刷されています。レーベルは今は亡き名門蘭PHILIPS。

オルランド四重奏団は1976年にアムステルダムで設立されたクァルテットで、1997年まで活動していました。この演奏当時のメンバーは下記の通り。

第1ヴァイオリン:イシュトヴァン・パルカニー(István Párkányi)
第2ヴァイオリン:ハインツ・オーベルドルファー(Heinz Oberdorfer)
ヴィオラ:フェルディナント・エルブリヒ(Ferdinand Erblich)
チェロ:シュテファン・メッツ(Stefan Metz)

幸松肇さんの「世界の弦楽四重奏団とそのレコード第5巻英加北欧諸国編」を紐解くと、活動当初、1978年10月ヘルシンキで開催されたヨーロッパ放送連合の国際コンクールで優勝し、その特典で与えられたムジークフェラインザールでのコンサートがヨーロッパ各国で放送され、以来ヨーロッパで活躍することになったとのこと。手元にはこのLPの他、Op.76のNo.4「日の出」、No.6の2曲を収めたCDもありますが、そちらの録音表記はPマークが1982年。ということで今日取り上げるLPの方が録音が古いことになります。幸松さんの本にはこのLPが彼らの最初の録音であるように書かれているので、これがデビュー盤ということでしょう。

手に入れたLPはミントコンディション。針を落とすとPHILIPSらしい透明感溢れるクァルテットの響きに釘付けになります。

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Hob.III:58 String Quartet Op.54 No.1 [G] (1788)
これぞハイドンのクァルテットの理想的な響き。軽快なテンポで瑞々しく伸びやかな響きが広がります。メロディー上のアクセントが4人ともピタリと揃う快感。鮮烈さも力強さもあり、1楽章からオルランドの覇気に呑まれます。
続くアレグレットでは第1ヴァイオリンのパルカニーのみならず4人それぞれがかなりの表現意欲を見せ、緩徐楽章にもかかわらず素晴らしい充実感。パルカニーのヴァイオリンはすぅっと伸びる自然な高音の美しさが魅力でしょう。燦々と輝く陽の光を浴びて陰影もくっきりとつく素晴らしい立体感。
メヌエットは晴朗な響きに満ちながらもフレーズごとに推進力をはっきりと変えて音楽の表情をクッキリと浮かび上がらせます。このメヌエットの表情の描きわけの面白さこそオルランドの真骨頂かもしれません。そしてフィナーレは一段テンポを上げて曲の締めにふさわしい充実感を残します。もちろん集結に至るまでのコミカルな展開の描きわけも見事。ハイドンが仕込んだウィットに鮮やかに反応します。極めて正当的な充実したアンサンブル。弦楽四重奏の魅力をストレートに表現した名演奏。

Hob.III:57 String Quartet Op.54 No.2 [C] (1788)
この曲独特の鮮烈な入りも、このクァルテットのキレの良い響きでいきなりあっと言わせます。あまりに見事な入りに言葉が出ません。たかが4本の楽器ですが、素晴らしい迫力に圧倒されます。ハイドンが織り込んだメロディーの美しさを最上の形で響きに変換していきます。曲が進むにつれて、少しずつメロディーを崩しながらこちらの予測を超える表情をつけていきます。時折音量を極端に落とす場面を設けてこの曲に仕込まれたハイドンの仕掛けを次々と掘り起こしていきます。1楽章から圧倒的なパフォーマンス。
2楽章はすすり泣くような実にユニークな短調のアダージョですが、ヴァイオリンの自在なボウイングに対し、伴奏の音量のコントロールが実に緻密でここでも曲に仕込まれた音楽をしっかりと汲みとります。そこからメヌエットへの入りの絶妙な間。次に流れる音楽の気配が無音の中に響くよう。恐ろしい集中力。そしてメヌエットも漆黒の夜に気配を頼りに歩くような見事な進め方。
そして、非常に珍しいアダージョからは始まるフィナーレ。彼らがなぜこの2曲をデビュー盤に選んだかわかりました。ハイドンのクァルテットの中でもことさら表現力が試される構成の曲ゆえ、このオルランド四重奏団のもっとも得意なところが活かせる曲ということでしょう。4人の創意が見事に統一されて、このユニークな終楽章の最上の姿が浮かび上がります。最後のプレストは爆速! そして最後は静寂の中に消え入るように終わります。

いやいや、見事の一言。特にNo.2の方は超絶的名演と言っていいでしょう。全盛期のオランダPHILIPSの名録音によって、全盛期のオルランド四重奏団の演奏が記録された名盤。LPの方はオークションなどでもまだまだ見かけますので、好きな方は是非入手してみてください。

(参考)Op.76のCD
OrlandoQ_Op76.jpg
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tag : 弦楽四重奏曲Op.54 LP

絶品! グラーフ/スタルク/デーラーによるフルート三重奏曲集(ハイドン)

今日は室内楽のLP。宝物がまた1枚増えました。

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ペーター=ルーカス・グラーフ(Peter-Lukas Graf)のフルート、クロード・スタルク(Claude Starck)のチェロ、ヨルグ・エヴァルト・デーラー(Jörg Ewald Dähler)のフォルテピアノで、ハイドンのフルート三重奏曲3曲(Hob.XV:16、XV:17、XV:15)を収めたLP。収録に関する情報は記載されていませんが、隣接するレコード番号のLPが1984年リリースとありますので、LPの状態も勘案して1980年代中盤の録音と想像しています。レーベルはclaves。

ハイドンのフルート三重奏曲はピアノトリオのヴァイオリンパートをフルートの華やかな音色で置き換えたもので、この曲の出版当時からフルート版の楽譜も出版されていたとのことでフルートでの演奏も多くなっているとのこと。これまでもかなりのアルバムを取り上げています。

2016/08/26 : ハイドン–室内楽曲 : ムジカ・ドメスティカのフルート三重奏曲集(ハイドン)
2016/06/21 : ハイドン–室内楽曲 : ラ・ガイア・シエンツァによるフルート三重奏曲と室内楽版「驚愕」(ハイドン)
2015/08/28 : ハイドン–室内楽曲 : 【新着】クイケン兄弟によるフルート三重奏曲集(ハイドン)
2015/02/21 : ハイドン–室内楽曲 : トーケ・ルン・クリスチャンセンのフルート三重奏曲(ハイドン)
2012/05/27 : ハイドン–室内楽曲 : ディター・フルーリーによるフルート三重奏曲

この録音が1980年代中頃の録音だとすれば、手元のアルバムでは古楽器による最も古い録音ということになります。

奏者のペーター=ルーカス・グラーフは有名なフルート奏者ゆえご存知の方も多いでしょう。1929年チューリッヒ生まれ。チェロのクロード・スタルクは1928年ストラスブール生まれ。フォルテピアノのヨルグ・エヴァルト・デーラーは1933年ベルン生まれと、録音当時50代の名奏者揃い。

Hob.XV:16 Piano Trio (Nr.28/op.59-1) [D] (before 1790)
LPのコンディションは最高。針を落とすと鮮明な響きが飛び出してきます。フォルテピアノのデーラーが刻む速めの一定したリズムに乗ってフルートのグラーフがきりりと引き締まったメロディーを重ねていきます。古楽器によるオーソドックスな演奏と思いきや、実に豊かなニュアンスを帯びた演奏にすぐに引き込まれます。フルートのリズムが冴えまくって超鮮明に曲を描いていきます。
続く2楽章は絶品。静寂にとぼとぼと刻まれるフォルテピアノのリズムに乗って幽玄なフルートの音色が響き渡ります。フォルテピアノの左手の刻むリズムと、右手の奏でるメロディーも絶美。デーラーも只者ではありませんね。チェロも含めてリズム感が良いので音楽が淀みなく流れます。
そのよさが活きるのが終楽章。くっきりとメロディーが浮かび上がり、ハイドン独特の絡み合うメロディーの面白さが際立ちます。思った以上にフォルテピアノが雄弁なのが効いています。

Hob.XV:17 Piano Trio (Nr.30/op.59-3) [F] (before 1790)
一転して軽やかなタッチのフォルテピアノの入り。リズムよりも流れの良さを感じさせます。相変わらずグラーフのフルートの音色は深みのある美しいもの。曲に合わせてか、両者ともリラックスした入り。中盤から印象的な慟哭が続きますが音色の硬軟を織り交ぜながら進みます。この曲ではタッチの変化を聴かせどころに持ってきました。

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ここでLPをひっくり返して2楽章へ。宝石のような響きの流れに身をまかせる快感に浸ります。一貫したリズムの流れの瞬間瞬間の情感のデリケートな変化が繰り返されるうちに至福の境地へ。最後は静寂に吸い込まれて終わります。

Hob.XV:15 Piano Trio (Nr.29/op.59-2) [G] (before 1790)
再び鮮明なリズムに乗った快活なメロディーへ。この曲の明るさと翳りが繰り返される美しさは筆舌に尽くしがたいもの。それをグラーフの見事なフルートとデーラーの表情豊かなフォルテピアノで鮮やかに演奏され、曲の美しさが完璧に表現されます。何気にチェロのスタルクもキレ味鋭く、2人に負けていません。世の中にこれほど美しい曲があるのでしょうか。そしてあまりに見事な演奏に言葉を失うほど。この曲の真髄に迫ります。
1楽章のあまりの完成度にのけぞっていたところに癒しに満ちたフォルテピアノの音色が沁み入ります。グラーフのフルートは素晴らしい音量と伸びやかさで孤高の境地。広い空間に響き渡るフルートの響き。これほど美しいフルートの音色は初めてです。
終楽章は前2楽章の素晴らしさの余韻の中、メロディーの戯れを楽しむような演奏。この軽さというか自在さはこれまでの妙技の数々をこなしてきたからこその境地でしょう。

絶品です! これまで取り上げてきたフルート三重奏曲はいずれも素晴らしい演奏でしたが、このアルバムはそれを超えるもの。この曲集の決定盤としていいでしょう。グラーフのフルートがこれほど素晴らしいものだと改めて認識しました。そしてデーラーのフォルテピアノも絶品。また曲の並びも作曲順ではXV:16、15、17ですが、このアルバムでは16、17、15の順で収録されており、LPのカッティングの都合で2楽章の17を真ん中に置いたものとは思いますが、そのおかげでXV:15の見事な演奏が最後に配置され、アルバムの完成度を上げる結果につながっています。特にこのXV:15の素晴らしさは心に刻まれました。評価はもちろん全曲[+++++]といたします。

世の中はお盆で帰省ラッシュですが、このお休みはのんびり過ごそうと思います。

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tag : フルート三重奏曲 LP 古楽器

ハインツ・ホリガーのオーボエ協奏曲(伝ハイドン)

暑いので、気楽に聴ける曲です。

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ハインツ・ホリガー(Heinz Holliger)のオーボエ、デヴィッド・ジンマン(David Zinman)指揮のアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団(Concertgebouw-Orchester, Amsterdam)の演奏で、以前はハイドンの作とされたオーボエ協奏曲(Hob.VIIg:C1)、ロッシーニのオーボエと小オーケストラのための変奏曲、アントン・ライヒャのコール・アングレと管弦楽のための情景、ドニゼッティのコール・アングレ協奏曲の4曲を収めたLP。収録に関する情報は記されていませんが、レーベル面にはPマークが1979年と印刷されています。レーベルはもちろんPHILIPS。

ハイドンのオーボエ協奏曲はハイドン自身が書いたものではないというのはご承知の通りですが、意外にいい曲なのでそれがわかった上でも録音は結構な数がリリースされています。当ブログでもこれまでに3件レビューしています。

2015/04/28 : ハイドン–協奏曲 : 【新着】フランソワ・ルルーのリラ協奏曲、オーボエ協奏曲(ハイドン)
2015/03/23 : ハイドン–協奏曲 : パウルス・ファン・デア・メルヴェ/ヴァントのオーボエ協奏曲(伝ハイドン)
2015/03/22 : ハイドン–協奏曲 : エルネスト・ロンボーのオーボエ協奏曲(伝ハイドン)

オーボエ協奏曲についてはロンボーの記事をご覧ください。ちなみに取り上げた3枚のアルバムはいずれも名演奏。特にオーケストラパートの充実した演奏が印象に残るものでした。

そして、オーボエといえばもちろんハインツ・ホリガー、本命登場です。このアルバムを手に入れたのは昨年でしたが、それまでホリガーにこの曲の録音があることを知りませんでした。しかも、ジンマン指揮のコンセルトヘボウ管による全盛期の蘭PHILIPSの録音ということで言うことありません。ホリガーはモーツァルトのオーボエ協奏曲に素晴らしい演奏を残しています。これはかつての愛聴盤です。

2010/10/14 : ハイドン以外のレビュー : ホリガーのモーツァルトのオーボエ協奏曲

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Concerto per il oboe [C] (Hob.VIIg.C1)
スカッとホールに広がるオーケストラの響き。PHILIPSによるコンセルトヘボウの見事な響きにいきなりうっとり。LPのコンディションも最高で実体感溢れる響きに酔いしれます。さすがにデヴィッド・ジンマンが振るだけあってオーケストラのコントロールは精緻。ホリガーのソロはあの細めながら伸びやかな音色が期待通り。独特のアーティキュレーションによってホリガーの演奏だとすぐにわかります。モーツァルトの演奏でもそうでしたが、この天真爛漫な伸びやかさはホリガーならでは。ソロの伸びやかさに触発されてかどうかわかりませんが、オケの方も超高鮮度の演奏で応えます。スピーカーの周りがコンセルトヘボウになったような見事な録音に思わずヴォリュームを上げて美音を浴びる快感に身をゆだねます。実に克明なオケの演奏に対してオーボエのソロが可憐に飛び回り、天真爛漫な境地に至ります。音色が変化するわけではないのに実に多彩な表情の変化をを見せます。1楽章のカデンツァはホリガーのしなやかな音階が極限まで透明に昇華する見事なもの。1楽章からノックアウト気味です。
続くアンダンテは、ちょっとハイドンによるメロディーとは異なる趣を帯びているように感じますが、メロディーの美しさはモーツァルト的な洗練も感じる名曲。ハイドンだったらもっと多様な展開を絡ませてくるような気がします。ただモーツァルトで孤高の境地を聴かせたホリガーの手にかかると、この曲の美しさを見事に洗練の極致まで持っていきます。ここでもジンマンはホリガーの自在な表現にしっかりと寄り添って、テンポも呼吸も見事に合わせてきます。
フィナーレの入りも絶妙な軽さ。この入りしかないという見事なもの。そしてオケの反応の鮮やかさは神がかったもの。ホリガーは遊びまわるようにテンポを動かし、そして完全に透明な響きに吸い込まれて行くようにメロディーを伸びやかに描き続け、オケとの対話を楽しむよう。最後はオケがキリリと引き締めて終了。

ロッシーニの曲はオペラの1場面のような曲。ロッシーニ独特の明るいメロディーと翳りの交錯が見事に描かれた曲。ホリガーの妙技とオケの反応の鮮やかさがハイドンの曲以上に活きてきます。ライヒャの曲ははじめて聴きますがなかなか味わいのある美しいメロディーが聴きごたえ充分。オーボエよりも渋い音色のコール・アングレもホリガー流に見事に操ります。そしてドニゼッティの曲もオペラの一場面のようなドラマティックなもの。ホリガーのコール・アングレがちょうど歌手のアリアのような存在。もちろん歌手の表現をもうわまわらんとするホリガーの表現力が聴きどころ。B面の3曲は気軽に楽しめるくつろいだ曲ばかりでした。

このアルバム、流石ハインツ・ホリガーという演奏。やはり他の奏者とははっきりと異なるホリガーならではのオーボエの演奏を聴かせます。軽やかさと伸びやかさの表現は他の奏者とは一線を画するところ。そしてデヴィッド・ジンマンの振るアムステルダムコンセルトヘボウ管の伴奏も完璧。何より全盛期のPHILIPSの空気感溢れる素晴らしい録音がこの演奏に華を添えます。ハイドンの評価はもちろん[+++++]とします。

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ジャン=クロード・ぺヌティエのピアノソナタ集旧録音(ハイドン)

またまたお宝盤発掘! どうしてもLPにいってしまいます。

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ジャン=クロード・ぺヌティエ(Jean-Claude Pennetier)のピアノによるハイドンのピアノソナタ3曲(Hob.XVI:34、XVI:48、XVI:49)を収めたLP。収録は1984年10月、南仏マルセイユの北にあるソーヴァン城(Château de Sauvan)でのセッション録音。レーベルはharmonia mundi FRANCE。

ぺヌティエのハイドンのソナタの録音は以前に取り上げていますし、ラ・フォル・ジュルネで実演も聴いています。

2015/05/04 : コンサートレポート : ジャン=クロード・ペヌティエの「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」(ラ・フォル・ジュルネ)
2010/11/24 : ハイドン–ピアノソナタ : ジャン=クロード・ペヌティエのピアノソナタ集

以前取り上げたピアノソナタ集のCDは曲はXVI:50、51、52などで、録音は1999年から2000年にかけて。今日取り上げるアルバムの録音はその約15年前の1984年の録音で、曲はXVI:34、48、49とCDとは重なっておらず、ハイドンのピアノソナタの晩年の名曲を網羅する形になっています。CDというメディアが世の中に出回ったのが1982年ということでこのLPはその直後の録音ということになります。ネットで調べてみた限りではこの録音がCD化された形跡もなく、知る人ぞ知る存在でしょう。

針を落としてみると、驚くほど瑞々しい響き。ジャケットにはピアノはベーゼンドルファーを使っていると書かれています。気になってCDの方をチェックしてみるとこちらはスタインウェイ。CDも非常に響きに美しい録音でしたが、このLPにはベーゼンドルファーの豊穣な響きが最上の形で記録されています。

Hob.XVI:34 Piano Sonata No.53 [e] (c.1782)
少し遠くに残響を伴って定位するピアノ。LPのコンディションは最高で響きの美しさが際立ちます。ぺヌティエの強力な左手のアクセントがメリハリをつけながらの流麗なタッチ。後年の悟ったような表情は見せず、曲の淀みない流れの美しさに焦点を当てた演奏。1楽章はあっという間に流れていきます。1楽章の演奏から想像できましたが、続くアダージョは自然なデュナーミクの美しさが極まる絶美の演奏。ぺヌティエの自在なタッチの魅力にとろけそう。そしてフィナーレも自然な表情の美しさを保ったまま、流れるようなタッチでどこにもストレスを感じさせない演奏。ピアノの純粋無垢な響きの美しさが楽しめます。時折り響きをざらりと分解するような表現でハッとさせるのも効果満点。最後にクライマックスを持ってくるあたりのマナーもオーソドックスでいいですね。

Hob.XVI:48 Piano Sonata No.58 [C] (1787/9)
続くソナタも響きの美しさと流れの良さは変わらず。しかも一音一音の表情が実に豊かで、ハイドンのピアノソナタのオーソドックスな演奏の最上の姿と言っていいでしょう。特に低音の余裕のある図太い響きの魅力はLPならでは。ちょっと強面のぺヌティエのぶっとい指からこれほどの詩情が立ち上るとは。タッチに余裕があるからこそコントロールできる柔らかさということでしょう。まさに夢見心地で響きに酔います。ゆったりとした雰囲気をさらりとかわすかのようにそよ風のような優しさて、驚くほど流麗なタッチで2楽章に入ります。テンポはかなり速めにもかかわらず、まるで魔法のように鮮やかなタッチで弾き進めます。若きぺヌティエの驚くべきテクニック。タッチの冴えをここぞとばかりに聴かせますが、驚くほど自然に響くところに凄みを感じさせます。これは凄い!

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Hob.XVI:49 Piano Sonata No.59 [E flat] (1789/90)
LPをひっくり返して最後のソナタ。片面に1曲ゆったりとカッティングされているため響きにも余裕があります。この曲はリズムとメロディーの面白さを融合したハイドンの見事な筆致を楽しめる曲。ぺヌティエの自然なタッチは変わらず、左手の図太いアクセントと流麗な右手のパッセージが乱舞する絶妙な演奏。スタインウェイよりも内声部が豊かに響くように感じるためか、非常に豊穣に響きわたります。フレーズ毎の表情ではなく流れるように表情を変えていくことでメロディーの自然なつながりの面白さが浮かび上がります。2楽章は前2曲同様自然な詩情の美しさが沁みます。もう少し表情が濃いとロマン派の曲のように聴こえてしまう寸前のバランス感覚。大きな波のようにうねる曲想をしっかりと捉えてゆったりと盛り上げます。宝石のように磨き抜かれた響きに三度うっとり。この曲はフィナーレがメヌエット。最後まで落ち着き払ったぺヌティエの見事なコントロールで、ハイドンの機知に溢れたソナタを一貫してロマンティックな姿に仕立て上げてきました。この曲も最後の一音を轟かせて終了。

ジャン=クロード・ぺヌティエの1984年に録音されたハイドンのピアノソナタ集。ベーゼンドルファーの豊かな響きを活かした秀逸な録音によって若きぺヌティエがハイドンを流麗にまとめた演奏。後年の録音では枯れたところも聴かせましたが、このころのぺヌティエの演奏はタッチの鮮やかさも、バランスよくまとめる力も後年よりも上と聴きました。この3曲は絶品の出来と言っていいでしょう。評価はもちろん3曲とも[+++++]とします。LPの再生環境がある方、見かけたら即ゲットをオススメします!

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マルシュナー=コッホ四重奏団のひばり、皇帝(ハイドン)

またまたLPです。こちらも最近オークションで手に入れたもの。

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マルシュナー=コッホ四重奏団(Marschner-Koch Quartett)の演奏による、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.64のNo.5「ひばり」、Op.76のNo.3「皇帝」の2曲を収めたLP。収録年の記載はありませんが、ステレオであることやレコード番号から1960年代後半のリリースでしょう。レーベルは独フライブルクのCHRISTOPHORUS。

このクァルテット、ジャケットには下記の4名の奏者の名があるだけで、クァルテットの名前は記されていませんでした。

第1ヴァイオリン:ウォルフガング・マルシュナー(Wolfgang Marschner)
第2ヴァイオリン:ウルリッヒ・ゲーリング(Ulrich Grehling)
ヴィオラ:ウルリッヒ・コッホ(Ulrich Koch)
チェロ:アティス・タイヒマニス(Atis Teichmanis)

色々調べたところ、手元にあった幸松肇さんの「世界の弦楽四重奏団とそのレコード」のドイツ・オーストリア編に「マルシュナー=コッホ四重奏団として掲載されていて、ようやく情報が掴めたもの。LPの裏面にもドイツ語でクァルテットの説明はあるのですが、スイスイ読めるわけではありませんので日本語の情報があるのは助かります。

幸松さんの本によれば、このクァルテットは1960年代後半、フライブルク音楽大学で教鞭ととっていた上記メンバー4人によって設立されたもの。
ウォルフガング・マルシュナーは1926年ドレスデン生まれ。ハノーファー国立歌劇場やケルン放送交響楽団のコンサートマスターとして活躍し、1963年からフライブルク音楽大学の教職にありました。
第二ヴァイオリンのウルリッヒ・ゲーリングは1917年生まれで1942年から1947年までベルリンフィルのコンサートマスターを務めた人。1946年以降はフライブルク音楽大学で教職についています。
ヴィオラのウルリッヒ・コッホは1921年ブラウンシュヴァイク生まれでブラウンシュヴァイク国立劇場管弦楽団コンサートマスターを経て南西ドイツ放送交響楽団の首席ヴィオラ奏者として活躍、フライブルク音楽大学では弦楽器長を務めた人。
そして、チェロのアティス・タイヒマニスはネットで調べてもなかなか情報がありませんでしたが、1907年ラトヴィアのリパエーヤという町の生まれで1955年にフライブルク音楽大学で夏季セミナーを受けたということがわかりました。

クァルテットに名前がないことと、これ以外に録音も見当たらないことから、この録音を行なった時期だけしか活動していなかったのかもしれませんね。

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LPに針を落とすと、非常に伸びやかなクァルテットの響きがザクザク迫ってきます。というのもカートリッジを最近手に入れたSHUREのV-15 TypeIIIに変えたばかりで、これまでのDL-103Rをフェーズメーションのトランス経由で聴いていた厚みと安定感重視の組み合わせとの差がそういう印象を強調しているかもしれませんね。もともとアームが軽針圧向けのものなのでこちらの方があるべき組み合わせなんでしょう。オリジナル針のコンディションも良いのでしばらくこの環境で聴いてみようと思います。

Hob.III:63 String Quartet Op.64 No.5 "Lerchenquartetett" 「ひばり」 [D] (1790)
1960年代の録音であるというのが信じられないほど鮮明な響きに驚きます。そしてスピーカーの周りに広がる音場も広大でびっくり。レオポルド・マルシュナーのヴァイオリンの伸びやかさはかなりのもの。楽器が非常によく響いてヴァイオリンの胴鳴りの迫力が感じられるほど。アンサンブルも実に見事。ひばりの入りはオーソドックスなテンポながら響き渡る伸びやかさで圧倒される感じ。ひばりのさえずりもこれほどの美しさで響くとさらに印象深く聴こえます。
続くアダージョに入ると、マルシュナーのヴァイオリンは美しさの限りを尽くすように鳴り響きます。そしてそれに呼応するように各パートもよく鳴る鳴る。往時のベルリンフィルの弦楽セクションの怒涛の響きを思い起こさせます。よく響くホールでの録音でしょうが、ダイレクト感もかなりあり、冒頭に書いたように超鮮明な録音。手元のCDやSACDでもこれほどキレのある録音はありません。
メヌエットもこれが王道というような演奏。小細工なしにグイグイ来ます。全員がベストコンディションでそれをベストなロケーションで録音し、この当時のベストな録音で残したもの。千載一遇の演奏を収めた録音といっても過言ではないでしょう。
フィナーレも楽器が鳴りすぎて抑えが効かないというか、抑える必要もないので、ハイドンの書いた音楽をベストなアンサンブルで演奏するとこうなる的完璧な演奏。あまりに圧倒的なパフォーマンスにノックアウトです。

Hob.III:77 String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
皇帝も同様、冒頭からアンサンブルが響きまくって素晴らしい響きに包まれます。4人がそれぞれ畳み掛けるようにインテンポで演奏しながらアンサンブルの線がぴしっとそろって響く快感。しかも全員楽器が鳴りまくってるのは前曲同様。曲毎の演奏スタイルの変化は感じず、それよりも普遍的な表現を目指しているよう。あまりの説得力に圧倒されるというのが正直なところです。

偶然見かけて手に入れたアルバムでしたが、あまりに見事な演奏と時代の空気までも閉じ込めたような見事な録音に脱帽です。フライブルク音楽大学の教職にあったとはいえ、この完璧なアンサンブルはこれまでのどの録音よりも見事なもの。しかも弦楽器がこれほどまでによく響いた演奏も稀なものでしょう。ハイドンの有名弦楽四重奏曲2曲の決定盤としても良いでしょう。私は非常に気に入りました。ということで評価は両曲とも[+++++]といたします。

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ジャンル : 音楽

tag : ひばり 皇帝 LP

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Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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