【新着】オラ・ルードナー/ロイトリンゲン・ヴュルテンベルク・フィルの悲しみ(ハイドン)

しばらく間を空けてしまいましたが、新着アルバムが続きます。

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オラ・ルードナー(Ola Rudner)指揮のロイトリンゲン・ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団(Württembergishe Philharmonie Reutlingen)の演奏で、モーツァルトの協奏交響曲KV.297b、ハイドンの交響曲44番「悲しみ」、ベートーヴェンの交響曲8番の3曲を収めたSACD。収録は2014年4月22日から25日、10月27日から28日、収録場所は記載されておりません。レーベルは独Ars Production。

このアルバムは最近リリースされたばかりのもの。指揮者もオケも馴染みがなく、聴く前からちょっと期待が高まります。

オラ・ルードナーはスウェーデン生まれの指揮者。ヴァイオリニストとしてジェノヴァで開催されたパガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールで入賞したのをはじめに、シャーンドル・ヴェーグのアシスタントとなり、カメラータ・ザルツブルク、ウィーン・フォルクスオーパー、ウィーン交響楽団のコンサートマスターとして活躍しました。1995年にはフィルハーモニア・ウィーンを創設、2001年から2003年までタスマニア交響楽団、2003年から2007年までイタリア北部のボルツァーノのハイドン管弦楽団の首席指揮者務め、その後ハイドン管弦楽団の終身客演指揮者となっています。このアルバムのオケであるロイトリンゲン・ヴュルテンベルク・フィルには2008年から首席指揮者を務めているとのこと。日本ではあまり知られた人ではありませんが、地元スカンジナビア、オーストラリアなどでは広く知られた人のようですね。オペラも得意としているようで、フォルクスオーパーの常連のようです。

Ola Rudner

Hob.I:44 Symphony No.44 "Trauer" 「悲しみ」 [e] (before 1772)
SACDらしく広い空間にオケが響くようすがよくわかる録音。演奏は新たなリリースとしては珍しくオーソドックスで、手堅さが光るもの。オケは適度に粗さもあって、それが迫力につながっています。太い筆で勢いにのって書かれた書のよう。金管木管は抑え気味で弦楽器重視の端正なバランスの響き。1楽章は教科書的正統派の演奏。もう一歩の踏み込みがほしいいという余韻を残します。
つづくメヌエットも端正なテイストは変わらず、淡々と演奏を続けますが、短調の仄暗いメロディーから自然に立ち上る情感が滲みでてきてこうしたスタイルも悪くないとの印象。楽章ごとの対比ではなく滔々と流れる音楽の一貫性を重視しているようです。作為のない表現を通してハイドンの音楽の魅力が浮かび上がってきました。ルードナーはオケをきっちりコントロールしながら、自身の作為を極限までなくそうとしているような指揮ぶり。この名曲の魅力を実に自然に感じさせます。
つづくアダージョも同様。ここに至って、ルードナーのオーソドックスなコントロールも悪くないと思い始めます。前のメヌエット同様、ハイドンの美しいメロディーがしっとりと心に沁みてきます。元ヴァイオリン奏者らしく弦楽器のフレージングは実に丁寧で自然。この楽章の美しいメロディーが生成りの布のような優しい感触で包まれます。
フィナーレに入るとオケはギアチェンジしてかなりの迫力。特に分厚く響く弦楽器の迫力はかなりのもの。鮮明な録音により自然な厚みのある響きが心地よく伝わります。よく聴くと各パートともに実によく揃っています。鍛え上げられた弦楽器陣の響きが魅力のオケであることがわかります。明らかにフィナーレの力強さを意識した演奏でした。

つづくベートーヴェンの8番もハイドンの終楽章の力感を引き継いで、素晴らしい迫力の入り。こちらも端正さを基調にした好演。

オラ・ルードナーというスウェーデンの指揮者によるハイドンの名曲「悲しみ」。近年では珍しい実にオーソドックスな演奏。優秀な弦楽器陣の繰り出す分厚い響きを基調にした端正なハイドンです。録音も優秀なので、この交響曲の魅力をベーシックに伝えるいい演奏だと言っていいでしょう。古楽器や古楽器風の斬新な演奏も魅力的ですが、こうした地に足のついたアプローチの魅力も捨て難いですね。人によってはこうした演奏の方がハイドンの魅力が伝わるという意味で高評価となるかもしれませんが、私の評価は[++++]としておきます。

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tag : 悲しみ SACD

【新着】コリン・デイヴィス/LSOのライヴ交響曲集(ハイドン)

久々に交響曲の新着アルバム。待望のアルバムですね。

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サー・コリン・デイヴィス(Sir Colin Davis)指揮のロンドン交響楽団の演奏によるハイドンの交響曲92番「オックスフォード」、93番、97番、98番、99番の演奏を収めたアルバム。収録は2010年から11年にかけて、ロンドンのバービカンセンターでのライヴ。収録日は各曲のレビューに記載しましょう。レーベルはご存知LSOの自主制作LSO Live。

コリン・デイヴィスはアムステルダム・コンセルトヘボウ管とザロモンセットなどをPHILIPSに録音したアルバムが有名ですが、CD化されたPHILIPS盤は音質が往時のLPのキレの良い響きの魅力まで届かず、私はLPの方を愛聴しています。コリン・デイヴィスのアルバムはいままで結構取りあげているんですね。

2013/04/21 : ハイドン以外のレビュー : 【番外】コリン・デイヴィス/アムステルダム・コンセルトヘボウの「春の祭典」
2013/04/19 : ハイドン–交響曲 : 【追悼】コリン・デイヴィスの88番、99番
2011/10/28 : ハイドン–交響曲 : コリン・デイヴィス/バイエルン放送響の「ロンドン」ライヴ
2011/08/19 : ハイドン–交響曲 : コリン・デイヴィス/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の熊、雌鶏
2011/08/13 : ハイドン–声楽曲 : 【お盆特番3】コリン・デイヴィス/バイエルン放送交響楽団のネルソンミサ
2011/06/16 : ハイドン–オラトリオ : コリン・デイヴィスの天地創造ライヴ-2
2011/06/14 : ハイドン–オラトリオ : コリン・デイヴィスの天地創造ライヴ-1
2010/07/17 : ハイドン–交響曲 : コリン・デイヴィスの時計ライブ

なんと、コリン・デイヴィスの略歴を今まで紹介してきませんでしたので、このアルバムを聴きながら、ちょっと調べてみました。生まれは1927年、イングランドのロンドンの南のサリー州のウェーブリッジ(Weybridge)。貧しい家だったようでピアノを買う事ができず、最初は安価に入手できたクラリネットを学びはじめ、ロンドンの王立音楽大学にすすみます。どうもあまりピアノが上手くなかったようで、指揮者になりたいと思う一方、大学では指揮を学ぶ事ができなかったそう。また一時兵役につき、近衛騎兵連隊のクラリネット奏者として働いていました。ウィンザーに駐留中、ビーチャムやブルーノ・ワルターのコンサートを何度も聴く機会に恵まれ、兵役を終えると、王立音楽大学のかつての生徒を集めてカルマー管弦楽団を立ち上げフリーランスで指揮活動をしていました。クラリネット奏者として働く一方、指揮者としての最初のチャンスは設立されたばかりのチェルシー歌劇場で「ドン・ジョヴァンニ」を振り、すぐにバレエ団の指揮者に就任しますが、3ヶ月で倒産してしまいました。ようやく1957年にBBCスコテッシュ管の副指揮者となり活躍し始めます。転機は1959年、ロイヤル・フェスティヴァル・ホールで体調不良のクレンペラーに代わってドン・ジョヴァンニを振り、これが評判を呼んで有名になりました。また翌年にはグラインドボーンで今度はビーチャムの代役で「魔笛」を振りこれも成功。以後はサドラーズ・ウェルズ・オペラ、ロンドン交響楽団、BBC交響楽団などで活躍しました。1971年からはショルティの後任として、コヴェント・ガーデン王立歌劇場の首席指揮者に就任。その他、ボストン交響楽団の首席客演指揮者、バイエルン放送交響楽団首席指揮者、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団名誉指揮者、そして1995年にこのアルバムのオケであるロンドン交響楽団首席指揮者に就任。オケの自主制作レーベルであるLSO Liveからはかなりの数のアルバムがリリースされています。とくにティペット、シベリウス、ベルリオーズを得意としている人という印象。亡くなったのは昨年の2013年の4月、85歳ということでした。

ということで、このアルバムはデイヴィスが80歳を超えた最晩年の貴重なライヴ。ザロモンセットが揃わないのが惜しいところですが、選曲も実に渋いところを突いています。特に、97、98、99番を取り上げるところなど、ハイドンの真髄はここにありと言わんばかりの渋さ。

聴くとすべての邪心を捨て、虚心坦懐にオケを鳴らすまさに燻し銀のハイドン。もともとアポロン的構築感と中庸の美学を重んずるハイドンを聴かせていただけに、最晩年に至って、力が抜け、オケに身を任せながらハイドンの交響曲の面白さを描ききる素晴しい演奏です。録音もSACDらしい自然なリアリティに富んだ素晴しいもの。いや、以前聴いた天地創造がちょっと期待と異なる演奏だっただけに、これほどの演奏とは思いませんでした。曲ごとに聴き所を書いておきましょう。

Hob.I:92 / Symphony No.92 "Oxford" 「オックスフォード」 [G] (1789)
2011年10月2日、4日のライヴ。バービカンセンターに轟くオケの分厚い響きが痛快。音量を上げて聴くと、部屋がバービカンセンターになったような素晴しい迫力。会場のノイズや咳払い、拍手はカットされていますが、リアリティは失われていません。スピーカーから等身大のオケが吹き出してくるよう。デイヴィスのコントロールは極めてオーソドックス。奇を衒うようなところは皆無。1楽章は分厚いオケに圧倒されます。
アダージョに入っても大河の流れのように、滔々とした音楽の流れが印象的。時折デイヴィスの声らしき鼻声がうっすらと聴こえます。すこし穏やかになったと思いきや、中間部でオケが炸裂。またしてもオケの風圧を感じるような図太い響き。終盤になるに従って音が溶け合うようになり、長い間と木管の掛け合いの美しい響きにとろけそう。
メヌエットは予想どおり、グイグイとオケの迫力で聴かせます。楽章間のバランスのよい構成はデイヴィスなならでは。そして聴き所のフィナーレの入りは軽やか、すぐに怒濤のオケに飲み込まれます。オケのスロットルのコントロールが見事。フルオーケストラの分厚い響きと軽やかなヴァイオリンの音階を自在に切り替えながら、ハイドンの名旋律を落ち着いて聴かせます。リズム感の良さは流石デイヴィス。演奏スタイルどうこうを全く意識させない、正統派の堂々としたハイドンの名演奏。

Hob.I:93 / Symphony No.93 [D] (1791)
2011年12月11日、13日のライヴ。前曲とは別の日ですが、音響は非常に良くそろっています。分厚いLSOの響きはそのまま。威風堂々とした序奏にたじろぎます。主題に入ってもあまりに素晴しいオケの響きにのけぞらんばかり。正統派の演奏の魅力にただただ立ちすくみます。93番がこれほど力感に満ちて響くとは。キレは適度ながら、推進力とリズムの正確さは素晴しいものがあります。1楽章は均整のとれたギリシャ彫刻のごとく圧倒的な存在感。
ラルゴは独特の情感を醸し出しながら、やはりオケの迫力の素晴しさで聴かせます。抑えた表現のところでもそのうちオケの響きに飲み込まれる予感が緊張をはらみます。
メヌエットは畳み掛けるよう。次々と響きの波が襲いかかり、手に汗握る展開。そしてフィナーレは少し推進力をおとしてじっくりと攻める感じで入り、ところどころリズムに力が漲って、最後の盛り上がりへ向けてオケが空ぶかしで煽ります。最後は冷静に盛り上がってフィニッシュ。

Hob.I:97 / Symphony No.97 [C] (1792)
2010年5月6日、9日とこのアルバムでは一番古い日付。好きな97番。デイヴィスのこの演奏スタイルで聴かされるとあって、聴く前から身構えます。デイヴィスは1楽章の機知にあふれた曲想を相変わらず大局的な視点でグイグイ音にして行きます。前2曲にくらべて少し枯れて聴こえはするものの、オケの迫力は相変わらず。人間80歳を越えてこのような迫力に溢れた音楽を生み出せることに驚きます。アダージョ、メヌエットは前2曲同様、オケの迫力をベースにした上での自然な表現。フィナーレも最後に間をしっかりとってハイドンの仕込んだユーモアをきっちり描いて終わります。いやいや見事。

CDを入れ替えて2枚目。

Hob.I:98 / Symphony No.98 [B flat] (1792)
2011年12月4日、6日のライヴ。冒頭から力漲るサウンド。やはり前曲でちょっと枯れた印象があったのは録音の期日が古かったからでしょうか。この曲では響きは鮮明、デイヴィスのコントロールは手綱のテンションが少し下がって、オケに身を任せているようです。刻むリズムの迫力に徐々に打たれて行きます。コントロールはしなやかさを増し、実に柔らかい響きを造っています。このアルバムでもっとも自然体な演奏スタイル。1楽章終盤はすこしリズムが重く感じました。
アダージョははじめてぐっと沈み込みます。これまで中庸なリズムと大河のような流れの一貫性で聴かせてきたデイヴィスですが、この曲のアダージョに至って情が深くなり、音楽に陰りが見えまず。ほんの少しの違いですが、すこし感情移入の方にに振れてきました。
メヌエットに入っても力の抜け具合はいい感じ。フィナーレは意外に朴訥な感じで入ります。最後に鍵盤がコミカルに加わるイメージがあるので、そこここにその前振りがあり、このころの交響曲でも独特のユーモラスな曲調。デイヴィスも力が抜けてゆったりとコントロールしているよう。最後はリズムを強調して、珍しく誇張した表現。金管が一音とちりますが、気にせず終了。

Hob.I:99 / Symphony No.99 [E flat] (1793)
2011年5月28日、6月2日のライヴ。1楽章はこのアルバムでも一番踏み込んだ演奏。穏やかかに聴かせる演奏が多い曲ですが、リズムが活き活きとして快活。デイヴィスの棒が冴えているのがわかります。穏やかな曲なのに素晴しい高揚感と引き締まった響きにぐっと来ます。
アダージョに入るとオケの奏者のソロが絶妙なキレを聴かせ、絡み合うメロディーの綾に魅せられます。時折大波のように押し寄せる弦楽器の艶やかなこと。絶品。デイヴィスも唸ってます。中間部の展開の迫力はこのアルバム共通。
メヌエットはやはりスロットルコントロールによってオケが自在に吹き上がる快感に溢れたもの。ティンパニのリズムが冴え、ホールの空気を自在に揺らしている感じ。最後はかなり溜めてフィナーレの入りを引き立てます。
フィナーレはアルバムの最後にふさわしく神々しいばかりに堂々とした演奏。途中のコミカルなフレーズは抑え気味でオケの迫力を際立たせるのでしょうか。正統派のオケの魅力を振りまくような素晴しい迫力。最後は本当に怒濤の迫力で締めます。バービカンセンターに本当は鳴り響いたであろう拍手がカットされているのが惜しいところ。素晴しい演奏でした。

コリン・デイヴィスの亡くなる2年前の最晩年に手兵ロンドン交響楽団を振ったハイドンの交響曲5曲を収めたアルバム。夕暮れのビッグベンを写したジャケットの写真といい、ホールの雰囲気をそのまま伝える鮮明な録音といい、そしてライヴらしい活きた音楽の流れといい、ハイドンを聴くには絶好のアルバム。コリン・デイヴィスと言う人の生き様を音にしたような、素晴しいライヴでした。人は80歳を越えて、これほど純粋無垢な音楽を奏でられるものなのでしょうか。特に99番は絶品。フィナーレこそ岩のような堅牢さを聴かせたものの、デイヴィスが踏み込むようすがよくわかる演奏。そして冒頭のオックスフォード、93番も名演です。期待した97番、98番は他の3曲の素晴しさと比べるとちょっと差がついてしまうというのが正直なところ。オックスフォード、93番、99番を[+++++]、他2曲は[++++]ということにしておきましょう。

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tag : ライヴ録音 SACD オックスフォード 交響曲93番 交響曲97番 交響曲98番 交響曲99番

【新着】リッカルド・ムーティ/ウィーンフィルのマリア・テレジアライヴ!

リリースされたばかりのアルバム。

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シングルレイヤーSACD:HMV ONLINEicon / amazon / TOWER RECORDS
CD:HMV ONLINEicon / amazon / TOWER RECORDS

リッカルド・ムーティ(Riccardo Muti)指揮のウィーンフィルの演奏による、ハイドンの交響曲48番「マリア・テリジア」とベートーヴェンの交響曲3番「英雄」の2曲を収めたアルバム。収録は1992年6月21日、ムジークフェラインザールでのオーストリア放送協会によるライヴ収録。レーベルは良いライヴを次々リリースしているAltus。

このアルバム、リリースされたばかりのアルバム。当ブログで今月メジャーなオケ、指揮者によるハイドンの交響曲のアルバムを集中的に取りあげているのに合わせてリリースされた、、、わけないですね(笑)

リッカルド・ムーティは若い頃は強引な指揮が多く、あまり好きな指揮者ではありませんでしたが、最近はじっくり音楽を奏でるようになり、ウィーンフィルとの演奏などはなかなかいいものが多いですね。見直したのはPHILIPSに集中的に録音したウィーンフィルとのモーツァルトの交響曲。イタリア出身だけあって陽性の伸びやかなメロディーとウィーンフィルのしっとりとした音色、そして時折見せるちょっと強引でもある支配力のバランスが実に良く、モーツァルトの交響曲の新たな魅力を引き出していました。また、ウィーンフィルとの来日公演の放送で、ファリャの三角帽子を取りあげていましたが、これがアンセルメを彷彿とさせる絶妙のリズムと間。ウィーンフィルとは思えないラテン系の響きを聴かせていました。最近はムーティはちょっと気になる指揮者の一人です。

ムーティはハイドンの「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」を得意にしているようで、管弦楽版の録音がDVDも含めると3種もあります。ベルリンフィルとのアルバムは以前レビューにも取りあげています。

2010/10/21 : ハイドン–管弦楽曲 : ムーティ/ベルリン・フィルの十字架上のキリストの最後の七つの言葉

ムーティ独特のダンディなカンタービレが聴かれるなかなかの名演です。今日はそのムーティがハイドンのシュトルム・ウント・ドラング期の長調の傑作交響曲をウィーンフィルのムジークフェラインでのコンサートで取りあげたライヴ。しかもSACDシングルレイヤーでもリリースされているということで、音質も期待できそうということで早速amazonに注文を入れ到着したものです。せっかくなのでSACDシングルレイヤー盤を手に入れました。

解説によれば、この演奏が録音された1992年はウィーンフィル創立150周年の記念すべき年。これまで親密だったアバドは1989年にカラヤンの後任でベルリンフィルの音楽監督になり、活動の軸をベルリンに移した事により、ウィーンフィルの主軸となる指揮者を誰が務めるかが焦点となっていたころ。スカラ座の音楽監督を務めていたムーティがその役割をになうことになったのが1992年とのことでした。この演奏は6月21日に開催された「ウィーン音楽祭終幕コンサート」で、ムーティがウィーンフィルの事実上の首席指揮者となった黄金期の模様を収めた貴重な記録と言う事です。

Hob.I:48 / Symphony No.48 "Maria Theresia" 「マリア・テレジア」 [C] (before 1769?)
会場ノイズも含めてムジークフェラインでのライヴの雰囲気が良く伝わる録音。入りはムーティらしくスタイリッシュ。速めのテンポとウィーンフィルをキリリと引き締めて推進力抜群の演奏。この時期のハイドンの曲特有の憂いのあるほのかな明るさが良く出ています。ウィーンフィルの響きは実体感があり、特に分厚い響きの金管のくすんだ音色が印象的。ヴァイオリンをはじめとした弦楽器群はウィーンフィル特有のしなやかな色香を感じさせるもので、やはりリアルな響きが良く伝わります。CDより空気感の伝わる録音の良さがあり、SACDでリリースされた意義はわかります。ムーティは凝った事はあまりせず、ハイドンの交響曲をきりっと引き締めて演奏するのを楽しむような余裕があります。
つづくアダージョはテンポは落としきらず、軽いタッチで流すような演奏。1楽章の興奮を鎮めるように流れよくさらりと仕上げるよう意図しているのでしょう。時折糸を引くように弱音を延ばして間をとります。あっさりとした表現のなかにも、所々ムーティらしい輝きが聴かれ、しっとりとした音楽のなかに一筋の光が差し込むような静かな劇性が込められているのが流石なところ。
メヌエットへの入りは意外と投げやりな印象。わざと構えなく入る意外性を狙っているのでしょうか。この辺が普通の人のハイドンと違うところでしょう。
フィナーレは足早な雰囲気で入りながら、徐々にオケに気合いが漲ってきます。スタイリッシュな荒々しさとでも言えば良いでしょうか。ムーティのタクトから生まれる華やかさは時にピニンファリーナの曲線のような優美さも、色男が見せる粗野な表情もあり、他の指揮者とは聴かせどころがちがいます。最後はオケの統率力を見せつけて適度に盛り上げて終わります。ムジークフェラインの観衆からの拍手が降り注ぎます。

リッカルド・ムーティ指揮のウィーンフィルによる記念すべきコンサートの模様を収めたライヴ盤。もちろん聴きどころは後半に置かれたエロイカでしょうが、マリア・テリジアもムーティの統率によって、ムーティらしいスタイリッシュかつ、ウィーンの伝統も引き継ぐなかなかバランスのよい演奏となっています。録音は私の好きな当日のライヴのようすがつたわる臨場感あふれるもので、SACDらしい空気感が一層リアリティを高めています。この曲のファーストチョイスではありませんが、ムーティのハイドンの良さがじわりとつたわるいいアルバムだと思います。評価は[+++++]とします。

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tag : マリア・テレジア ウィーンフィル ライヴ録音 SACD

マーティン・パールマン/ボストン・バロックによる天地創造SACD

12月最初の記事はハイドンの最高傑作「天地創造」の最近リリースされたアルバム。

PearlmanCreation.jpg
HMV ONLINE

マーティン・パールマン(Martin Pearlman)指揮のボストン・バロック(Boston Baroque)の演奏によるハイドンの「天地創造」。収録は2011年10月19日、20日、22日、23日、アメリカボストン近郊のウースター(Worcester)にあるメカニクスホールでのセッション録音。レーベルはイギリスのオーディオメーカーLINN。

このアルバムは最近HMV ONLINEで見つけて購入したものですが、なぜかamazonやTOWER TECORDSで検索しても引っかかりません。ジャケット写真は火山から溶岩が噴出する、まさに天地創造を想起させるもの。指揮者のパールマンもオケのボストン・バロックも聴いた事のない団体だったんですが、2011年と最新の録音かつ、溶岩ドバーのインパクトあるジャケット写真ということで、躊躇なく発注しました。

ということで指揮者とオケを紹介しておきましょう。

指揮者のマーティン・パールマンは1945年、シカゴ生まれの指揮者、ハープシコード奏者、作曲家で古楽を得意としている人。イリノイ州のオークパークで育ち、作曲、ヴァイオリン、ピアノ、音楽理論などを学び、コーネル大学で学位を取得。その後オランダに渡り、アムステルダムでグスタフ・レオンハルトにハープシコードを師事。イエール大学で学んだ後、1973年にこのアルバムの演奏を担当するボストン・バロック(当初はバンケット・ムジカーレと呼ばれていた)を設立し、北米で最初の古楽器による演奏を行った楽団ということになっています。ボストン・バロックはオペラや声楽曲の古楽器による世界初演、アメリカ初演となる演奏を重ね、モーツァルト、バッハ、ヘンデル、モンテヴェルディなどの作曲家の作品も含まれています。録音では高音質の録音で知られたTELARCに多くの作品の録音を残しています。TELARCの録音にはバッハからモーツァルトの有名曲の録音がそろっており、TERARCレーベルの一翼を担う存在であることが窺えます。

このアルバムの収録場所であるメカニクス・ホールは非常に美しいホール。こちらもホールのウェブサイトへのリンクを張っておきましょう。

Mechanics Hall - Concert Hall, Weddings, Banquet Hall

このアルバムのソリストは下記のとおり。おそらく3人とも初めて聴く人。

ソプラノ:アマンダ・フォーサイス(Amanda Forsythe)
テノール:キース・ジェイムソン(Keith Jameson)
バス・バリトン:ケヴィン・ディーズ(Kevin Deas)

そして合唱はボストン・バロックの合唱団でライナーノーツのリストによると総勢25名と程よい規模のもの。

久々に聴く天地創造の新録音ゆえ、緊張が走ります。

Hob.XXI:2 / "Die Schöpfung" 「天地創造」 (1796-1798)
第一部
流石に最新のSACDらしく自然な音場が広がります。第1曲の冒頭からの流れは古楽器の小編成オケながら、淡々とオーソドックスな展開で、自然な録音も相俟って迫力ある入り。曲ごとの表情付けなどはほとんど感じず、文字通り淡々と進めていきます。ウリエル役のキース・ジェイムソンはアメリカのテノールらしく、正確なテンポと美しい響きを持った歌唱。こちらも個性はほとんど感じずかっちりと曲を歌っていきます。ラファエル役のケヴィン・ディースも同様、個性よりは正確、清潔な歌唱が信条。これは指揮のパールマンの好みでしょうか。特にリズム感はキリッと締まって正確な印象を強くしています。肝心のガブリエルのアマンダ・フォーサイスもまさに前の二人と特徴が重なります。歌手、合唱、ソロのすべてに張りつめる引き締まったリズム感と、ある意味表情付けを抑えたプレーンな解釈がパールマンの意図でしょうか。まさに演奏見本のような転換。過度に劇的にもならず、淡々と曲を進めていく事で曲の壮大さを描こうという事でしょう。曲をすすめても抜群の安定感は揺らぎません。いつも気になる第一部のガブリエルのアリアは、フォーサイスの可憐な美声が楽しめますが、パールマンのコントロールにより聴き所にもかかわらず、淡々とすすめることで、さっぱりとした印象です。
このあと第一部のクライマックスへむけた第10曲から第13曲までのながれは、良くそろった正確なオケと合唱、ソロのアンサンブルの聴かせどころ。響きに陰りがなく、全編健康的に聴こえるのがパールマンのコントロールの特徴でしょう。それだけに曲自体の展開に集中できます。ちょっと違和感があるのが定位感。SACDマルチチャネルで聴くとそれなりなんでしょうが、我が家の正統派2チャンネル(つまり普通のステレオ)で聴くと特に歌手がとらえどころのない定位感。精度と迫力は十分なので2チャンネルへのミックスダウンの問題でしょう。

第二部
第一部はちょっととらえどころのない演奏という印象でしたが、美しい曲の連発である第二部は、パールマンの演奏の特徴が活きて、美しい曲が適度な緊張感で次々と奏でられる様子を楽しめます。1楽章のクライマックスで感じた定位感の違和感も第二部ではほとんど気になりません。このアルバムではDISC1とDISC2の切り替えが第二部の終わりに設定されているので、第二部は一気に聴き通せますが、この一体感はなかなかのもの。第一部でとらえどころがないと思った要素は、ここぞという時の踏み込みや表情のメリハリが今ひとつ弱いところでしたが、第二部ではそれがかえって音楽の一体感を感じさせる事に。歌手も全員素晴らしい安定感。特に天地創造のキーとなるラファエルのディースの図太いバスの響きはこの演奏のポイントになりますね。第二部を聴くうちにパールマンの真意がつかめたような気がします。第二部のクライマックのハレルヤコーラスは適度な盛り上がりのなかにじわりと伝わる暖かさ。

第三部
こうなると第三部が非常に期待が持てます。出だしのウリエルのレチタティーヴォは抑えた表情の美しさ、ジェイムソンの甘いテノールと金管楽器の響きが絶妙な美しさ。そしてアダムとエヴァのデュエットは二人の声の美しさもさることながら、オケと合唱を含むアンサンブルが極上の音楽を紡ぎ出します。最初のデュエットのクライマックスも適度に抑えて、音楽の熟成を感じさせるもの。最初淡々としたと感じたパールマンのスタイルは、淡々とではありますが、大曲を曲自体に語らせるような一貫した抑えた表情であることがわかります。第三部に至り、その真意がよくわかりました。レチタティーヴォをはさんで2つ目のアダムとエヴァのデュエットも聴き所。そして最後の34曲に至っても、盛り上がりは適度で、指揮者もオケもソロも非常に冷静に曲を的確に盛り上げていくところは流石。

マーティン・パールマンとボストン・バロックによる天地創造は全曲通して非常に精度の高い、良くコントロールされた演奏でした。特にオケの精度は抜群。かなりのテクニシャン揃いだと思います。歌手も皆粒ぞろいで欠点らしい欠点はありません。この演奏のポイントはパールマンのコントロールによる誠実な演奏でしょう。以前取りあげたシュライアー指揮のものにスタンスは似ていますが、こちらは古楽器の雅やかさが感じられる演奏。評価は最初は[++++]としようかと思いましたが、この精度とスタンスは素晴らしいものということで[+++++]を進呈します。

引越し後の我が家の環境には父のつかっていたマランツのSA-15S1というSACDがありますので、以前と違ってSACDの良さは聴き取れるようになりましたが、流石にマルチチャネルの再生環境はありませんので、このアルバムの録音上の真価はわかりません。マルチチャネルからすばらしい響きが聴き取れれば、このアルバムの価値はさらに上がるでしょう。環境をお持ちの方、是非感想をお聞かせください。

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オーディオセットは今までリビングルームにありましたが、引越し後は専用の部屋に昇格しました。まだまだ片付け中です(笑)

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tag : 天地創造 古楽器 SACD オーディオ

ミハル・カニュカ/プラハ室内管によるチェロ協奏曲、哲学者

前記事で聴いた指揮者なしのプラハ室内管弦楽団のアルバムをもう一枚。

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ミハル・カニュカ(Michal Kaňka)のチェロ、指揮者なしのプラハ室内管弦楽団(Prague Chamber Orchestra)の演奏で、ハイドンのチェロ協奏曲1番、2番と交響曲22番「哲学者」の3曲を収めたアルバム。収録は2003年11月29日、30日、2004年1月5日、6日にかけて、プラハのドモヴィナ・スタジオでのセッション録音。SACDのマルチチャネル録音です。レーベルはharmonica mundi系列のPRAgA Digitals。

前記事で指揮者なしのプラハ室内管の「驚愕」を聴いて、もう少しプラハ室内管の演奏を聴いてみたくなって急遽amazonに注文したもの。幸い在庫ありとのことで、すぐに到着しました。

プラハ室内管については前記事を参照いただく事として、チェロを担当するミハル・カニュカについて調べてみましょう。彼のオフィシャルサイトがありますが、日本のコジマ・コンサートマネジメントに詳しい略歴が乗せられていますので、そちらをご参照ください。

Michal Kaňka - Cello | Welcome
コジマ・コンサートマネジメント:ミハル・カニュカ

カニュカはプラジャーク四重奏団のチェロ奏者との事。以前プラジャーク四重奏団は一度取りあげていますが、同じPRAgA Digitalsからリリースされていたもの。蛙のユニークな演奏が印象的でした。

2012/03/30 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : プラジャーク四重奏団のOp.50

木質系のいい音色のチェロだったと記憶していますが、チェロ協奏曲のソロはどうでしょうか。また、指揮者なしを標榜するプラハ室内管のサポートは「驚愕」の出来でしょうか(笑)

Hob.VIIb:1 / Cello Concerto No.1 [C] (1765-7)
録音は最新のものらしく鮮明で透明感の高いもの。クリアな1番の入りですが、クッキリ,カッチリとした印象をつけ過ぎてちょっと教条的な印象もあります。それにつられてチェロのカニュカもかなりエッジを強調して硬直した弓さばき。鮮度と生気はあるものの、オケが主導する演奏のトーンは、前記事の「驚愕」で感じた力感とは異なり、ちょっと予想と異なるものです。チェロもオケも正確で几帳面な演奏なんですが、リズムの刻みがちょっとくどい印象があり、音楽を単調に聴かせてしまうところが気になってしまいます。非常に微妙な違いなんですが、音楽が型にはまって聴こえ、晴朗闊達なハイドンの魅力は薄まっています。カデンツァでチェロの印象は一転、低音を主体とした自由闊達な弓さばきが印象的。
アダージョに入ると、音楽は自然さを取り戻し、チェロの音色も深さを増していきます。練りも過度にならずに、プラジャーク四重奏団と共通する木質系の深い響きの魅力を楽しめるようになります。曲の作りの大きさよりも情に流されない古典期の範囲でチェロのフレージングの美しさを存分に聴かせる演奏。1楽章から印象が大きく変わります。クニュカのチェロは神憑ったような澄み切った美しさ。深遠な音色に引き込まれます。クニュカのチェロに合わせるようにプラハ室内管もしっとりとした伴奏になります。
フィナーレは1楽章の硬直感を感じさせるほどのくどさにはならず、陶酔感を感じさせるような、いい意味でノリの良い演奏になります。テンポもアップし、ライヴのような閃きと即興性のある音楽。チェロもオケも前のめりで火花散るようなスリリングさ。1楽章の杓子定規さが嘘のような閃きに溢れた演奏。これだけスタイルが変化する演奏もめずらしいですね。

Hob.I:22 / Symphony No.22 "Philosopher" 「哲学者」 [E flat] (1764)
いやいや、どの演奏で聴いても哲学者の1楽章はいいですね。前曲とは異なり変に癖のある入りではなく、実に自然な演奏。オケの精度はほどほどですが、広い空間にオケが鮮明に定位する最新の録音がとらえたオケの佇まいと穏やかな音の重なりのは文句なしに魅力的。慈しみ深い自然な響きにただただ身を任せる感じ。イングリッシュホルンの独特の音色により時折彩られる、とぼとぼと素朴にすすむ1楽章はハイドンの真骨頂。
続く2楽章のプレストは程よいテンションと弦楽器の響きの良さ、そして徐々に沸き上がる推進力と、この楽章に求められる魅力を良く踏まえた演奏。それにしてもこの曲は録音の良さが際立ちます。部屋にオーケストラがやってきたような鮮明さ。
メヌエットも癖のない自然な表情で進みます。リズムもフレージングも極めてオーソドックス。自然な演奏がそれ自体音楽の魅力を語るよう。
フィナーレに入るとこのオケ独特のクッキリとしたフレージングが顔をのぞかせ始めます。特にヴァイオリンパートを浮き立たせるようなカッチリしたフレージングはプラハ室内管ならでは。適度なメリハリは音楽の自然さを保ちます。哲学者は非常にオーソドックスなアプローチが功を奏しました。

Hob.VIIb:2 / Cello Concerto No.2 [D] (1783)
そしてチェロ協奏曲の2番の方へ。1番の導入にみられたくどいほどのフレーズとリズムの強調は影をひそめ、メロディーを適切に浮かび上がらせる自然な範囲の演奏。録音は1番の演奏に近いもの。カニュカのチェロはもはやちょっと枯れた表情をも感じさせるような、円熟した表情。オケとチェロが穏やかに鬩ぎ合う感じが良く出ています。変化を付けようとしているのか、1楽章の後半に至ってカニュカのチェロがだいぶ練るようになり、そのままのテンションでカデンツァに入りますが、このカデンツァはかなりテクニックを要する複雑な物。
2番のアダージョはなぜか、前曲のようなしなやかさは影を潜め、ちょっとおどおどした表情をみせるようになり、このオケは曲によってスタイルをいろいろいじってくる印象。もう少し深みが欲しいと思わせてしまいます。
そしてフィナーレも同様、ちょっと浮き足立った表情を見せてしまいます。ハイドンのチェロ協奏曲2番のフィナーレは郷愁溢れるメロディーの美しさが聴かせどころですが、肝心の深みが上手く出ていません。ただカデンツァではチェロ一本でかなりの詩情を感じさせ、カニュカがリカバーします。最後はかなりアクセントを効かせて終了。

同じPRAgA Digitalsからリリースされているカニュカがメンバーを務めるプラジャーク四重奏団の演奏もそうでしたが、1枚のアルバムに収められた曲でも、スタイルと出来にかなりムラがあります。チェロ協奏曲は1番が1楽章のかなり個性的な解釈が災いしていますが、2楽章以降はなかなかいい演奏。2番の方は逆に1楽章はいいのですが、後半に単調なイメージを残してしまいます。このアルバムで一番いいのは哲学者の演奏ということになります。これは指揮者なしというプラハ室内管の組織に起因するものでしょうか。曲ごとにコンサートマスターを変えているのでしょうか。同じレーベルのプラジャーク四重奏団の演奏でも同様の大きなムラがあることを考えると、レーベルの録音管理の問題かもしれませんね。ということで、評価は哲学者が[+++++]、チェロ協奏曲は両方とも[+++]とします。哲学者は録音の素晴らしさも手伝って、非常に自然なオススメの演奏です。

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tag : チェロ協奏曲 哲学者 SACD

プラジャーク四重奏団のOp.50

今日は弦楽四重奏曲。

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プラジャーク四重奏団(Pražák Quartet)の演奏によるハイドンの弦楽四重奏曲Op.50のNo.3、No.5「夢」、No.6「蛙」の3曲を収めたアルバム。収録は収録順に、2009年6月24日、2009年11月23日から24日、2009年10月20日から21日、プラハのドモヴィア・スタジオでのセッション録音。レーベルはPRAgA Digitals。このレーベルはharmonia mudi系列のようですね。

プラジャーク四重奏団は1972年の結成。メンバーは当時のプラハ音楽院の学生。1974年のチェコ音楽年にプラハ音楽院室内楽コンクールで第1位となり、1975年プラハの春音楽祭に出演し国際的に活躍するように。1978年にはエヴィアン弦楽四重奏コンクールで1位に輝いた他、チェコ国内の様々なコンクールで入賞。以後30年以上にわたり世界で活躍を続けている。

この録音当時のメンバーは下記のとおり。

第1ヴァイオリン:ヴァーツラフ・レメシュ(Václav Remeš)
第2ヴァイオリン:ヴラスティミル・ホレク(Vlastimil Holek)
ヴィオラ:ヨセフ・クルソニュ(Josef Klusoň)
チェロ:ミハル・カニュカ(Michal Kaňka)

この録音のあと、第1ヴァイオリンのヴァーツラフ・レメシュが体調の問題で演奏が難しくなり、現在はパヴェル・フーラが第1ヴァイオリンを担当しているとのこと。

Hob.III:46 / String Quartet Op.50 No.3 [E flat] (1787)
鮮度の高い響きから入る1曲目。SACDらしい響きを多く含みながらもリアリティの高い音響。弾む感じが上手く出ていて古楽器に近い響き。テンポは中庸ながら良く弾み、活気のある演奏。ところどころほんの一瞬音程のぶれを感じる瞬間がありますが、安定感が悪いほどではありません。
2楽章のアンダンテはチェロのキリッと締まったリズムを基調に各楽器が絡み合う音楽。ここにきてこのクァルテットの癖のない素直な演奏と木質系の爽やかな響きの魅力が見えてきました。チェロの清透な響きはなかなかのもの。ヴァイオリンは自在に音階を刻み、それぞれの楽器が絡み合いながら音楽を豊かにしていく感じがこの楽章の聴き所。
メヌエットは良くそろって、理想的な演奏。爽やかさは相変わらずで、各楽器間のバランスも拮抗しており、ヴァイオリン主体の演奏ではありません。むしろチェロとヴィオラ主体といってもいいほどの低音部の充実が物語るように、音楽のベースがしっかりと定まった演奏。
フィナーレも軽々とした弓運び。ここにきてヴァイオリンの音色の美しさも目立ち始めます。音楽のつくりは濃い踏み込みもないかわりに、軽々としたタッチが魅力の爽やか勝負の演奏。このスタイルがハイドンのこの時期の堅実な音楽には妙にマッチしています。1曲目でクァルテットのイメージがだいぶつかめました。

Hob.III:48 / String Quartet Op.50 No.5 (II:"Der Traum" 「夢」) [F] (1787)
前曲同様響きの美しさ、タッチの軽快さが聴き所ですが、1楽章から音楽の凝縮感も高まり、前曲より明らかにテンションが高まっているのがわかります。鬼気迫る感じも良く出ていて、勝負に出ていることが窺えます。音楽のキレも明らかに良くなり、聴き手にもその迫力が伝わります。久しぶりに聴くこの曲ですが、プラジャーク四重奏団で聴くと素晴らしい充実ぶりにあらためて驚きます。
2楽章はまさに夢を音楽したような曲。夢うつつにまどろむひと時を音楽にしたらこのような音楽になるのかと思うような曲。1楽章のテンションから一転して優しいタッチで奏でるうわごとのような音楽。この辺りの対比も素晴らしい音楽性です。
3楽章はヴァイオリンの美しいソロから全奏までのダイナミックさが聴き所。全奏後の響きの消え入る様子が見事。録音のよさが演奏にもプラスになっています。ここでもチェロの雄弁さが耳に残ります。
フィナーレはヴァイオリンが珍しくかなりの存在感でアンサンブルをリードします。1楽章のテンションを思い起こさせる充実した響き。転調して展開するあたりの迫力はかなりのもの。この曲は力感溢れる演奏。

Hob.III:49 / String Quartet Op.50 No.6 "Frosch" 「蛙」 [D] (1787)
好きな曲の一つ。この不思議な曲想の曲を、プラジャーク四重奏団独特の美しい木質系の響きで流麗に描いていきます。少しづつ響きの異なる各楽器のが畳み掛けるようにフレーズをつないでいく感じの面白さ。前曲のテンションから幾分落ち着き、音楽の流れもフレーズ感で一服するようなところがあり、勢いよりも流れの良い構成を表そうと言う意図を感じます。抑えた部分のデリケートさもいい感じ。
この曲の2楽章も面白い曲想。うら悲しくもあり冷ややかでもある不思議なメロディーをベースに変奏を重ねていきます。ここは繊細さが聴き所。
メヌエットは前曲までの覇気と推進力ではなく、ここでも繊細さで聴かせるもの。曲によってかなりアプローチをを変えているようですね。強奏部分もフルスロットルになりません。
フィナーレは蛙の鳴き声を連想させるバリオラージュという奏法から入ります。同じ音を解放弦と同じ音を指で押さえた隣の弦で繰り返し惹く奏法。このバリオラージュ奏法による特徴的なメロディーをベースにしてメロディーを発展させるハイドン独特の機知と独創性を感じる曲。この曲では一貫して冷静にデュナーミクをコントロールして、曲の面白さにスポットライトを当てようと言う事でしょうか。

はじめて聴いたプラジャーク四重奏団のハイドンのOp.50からの3曲。癖のない演奏で木質系のいい響きが楽しめるいいアルバムです。基本的にタッチの軽さと明るいのに燻したような深みのある響きでハイドンの晴朗さを描く感じで、ハイドンの曲の面白さを上手く表す演奏です。評価は「夢」がやはり他とは違う出来で[+++++]、他の2曲が[+++]としました。

いやいや3月は年度末ということもあり、仕事が思いのほか忙しくレビューが思い通り書けませんでした。明日は一本書いてから月末恒例のHaydn Disk of the Monthといきたいと思います。

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アムステルダム弦楽四重奏団の弦楽四重奏曲集

今日は古楽器の燻したような音色による弦楽四重奏曲集。

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アムステルダム弦楽四重奏団(The Amsterdam String Quartet)の演奏によるハイドンの弦楽四重奏曲Op.20のNo.3、Op.74のNo.1、Op.76のNo.1の3曲を収めたアルバム。収録は2006年8月25日から27日、オランダのアムステルダム東方約80kmの街ディーフェンターのバプテスト教会でのセッション録音。レーベルはCHANNEL CLASSICS。

アムステルダム弦楽四重奏団は、おそらく最近結成された古楽器によるクァルテット。このアルバムがデビュー盤のようです。レパートリーはハイドンからメンデルスゾーンと弦楽四重奏曲の黄金期にあたる1762年から1847年までの時代のもの。その時代のあまり知られていない希少な作品なども含むようです。アムステルダム・コンセルトヘボウでのシリーズ物のコンサートを開き、ロナウド・ブラウティハムやメルヴィン・タンらと共演しています。

このアルバムを録音したときのメンバーは下記のとおり。

第1ヴァイオリン:アリダ・シャット(Alida Schat)
第2ヴァイオリン:ジョン・ウィルソン・マイヤー(John Wilson Mayer)
ヴィオラ:ジェーン・ロジャース(Jane Rogers)
チェロ:トーマス・ピット(Thomas Pitt)

アリダ・シャットは2003年から2006年までトン・コープマン率いるアムステルダム・バロック・ソロイスツのコンサート・ミストレスを務めた人。他も古楽界の第一線で活躍する実力者のようです。オフィシャルウェブサイトを見ると現在、第1ヴァイオリンとヴィオラのメンバーは違う人に変わっていますね。

Hob.III:33 / String Quartet Op.20 No.3 [g] (1772)
SACDらしく空気感を感じる録音ですがどちかというとデッドな録音。古楽器独特のちょっと燻したような刺激的な音が空間に良く響き渡る感じが鮮明に録られています。チェロがかなり膨らみ気味で豊かな音像。冒頭はヴァイオリンがリードするのではなく、4人が均等にテンションを保つような演奏。それぞれエッジをキリッと立てるのではなく、なるべく滑らかにメロディーを弾いていこうとする感じ。テンポは速めで古楽器の燻した音色の響き合う感じを出そうとしているようです。豊かな音楽を目指そうとしているようですが、意外とあっさりとした肌合いの音楽になり、シュトルム・ウント・ドラング期のこの曲の魅力に迫りきれていないところもあります。
2楽章はゆったりと楽器を鳴らして、ちょっと現代音楽のような響きも感じる精妙さ。ノンヴィブラートらしい響きの面白さもあります。アンサンブルは良くそろっていて精度は十分。ヴァイオリンの繊細な音色が際立つ部分もあり、古楽器の実力者によるレベルの高いアンサンブルを楽しめます。
3楽章のアダージョはメロディーラインがつぎつぎと変化していく面白さはなかなか。精妙な古楽器の音色で弾かれるメロディーの変化が聴き所。
フィナーレは流すような弾き方で、かなり速めのテンポをとり、諧謔性を表しているよう。途中リズムの取り方に変化を付けて曲の面白さを表現。古楽器独特の胴鳴りを伴う響きの魅力を中心に響きの変化も巧み。この楽章に来て狙いが腑に落ちた感じ。デュナーミクの変化も十分でなかなか聴き応えのある演奏でした。

Hob.III:72 / String Quartet Op.74 No.1 [C] (1793)
聴き慣れた、Op.74 No.1の入りですが、前曲から想像される演奏とはかなり異なり、威風堂々とした入りでビックリ。前曲が響きの変化を意図して表現しようとして、すこし表現意図過多な印象を受けたのに対し、この曲では楽天的ですらある、ゆったりとした響きを自然に表現。それが音楽の器を大きくしている感じ。そうではあっても古楽器の響きの精妙さは十分で聴き応えがあります。テンポも比較的遅めで落ち着いたもの。
2楽章は逆に比較的速めなテンポ設定で、サクサクいきます。落とした音量で奏でられるトレモロに対しヴァイオリンのメロディーが自在にフレーズを奏で、蝶がゆらめきながら花を渡り歩くような音楽。
3楽章のメヌエットは柔らかさを意図的に出そうとしているような入り。落ち着きながら音色のコントロールに気を配り、大きな起伏を表現しているよう。
この曲のフィナーレに至り、このクァルテットの演奏が手に汗握るようなスリリングな展開になります。あまり間をはっきり取らず、ここでもサクサクいきます。楽器間のフレーズの受け渡しの面白さもそこそこあってなかなか充実した演奏。

Hob.III:75 / String Quartet Op.76 No.1 [G] (1797)
前曲同様、ほどほどに楽天的な感じもある入り。1曲目から徐々に作為が薄くなり、それがかえって演奏の自然さを増す事につながっています。2楽章のアダージョも同様ですが、3楽章のメヌエットでは古楽器の強音の迫力を上手く表現してテクニシャンぶりを見せつけます。フィナーレはふたたび自然さを取り戻して終了。

アムステルダム弦楽四重奏団の演奏は、古楽器の音色の変化をベースとした創意を感じさせる演奏ですが、音色に神経が集中し、肝心の音楽の流れについては説得力のある個性的な一本通ったものが欲しいと感じさせる余地があります。テクニックは各人かなりのものながら、クァルテットとしての音楽的成熟は今後を待たなければならないでしょう。優等生的というより、音楽的個性についてもう一歩練りが必要だと感じさせる印象がが残る感じです。評価は1曲目が[+++]、それ以外が[++++]としたいと思います。

このクァルテット、もう1枚、この後にハイドンのアルバムを出していますので、こちらもそのうち手に入れる必要がありますね。今日取りあげたこのデビュー盤から成熟がみられるか、ちょっと聴いてみたい気がします。

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エフゲニー・スドビンのピアノソナタ集

これも最近入手したアルバム。BISからリリースされたピアノソナタ集。ピアニストは未知の人ながら、良いプロダクションの多いBISレーベルの魅力に惹かれて手に入れたもの。

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エフゲニー・スドビン(Yevgeny Sudbin)のピアノによるハイドンのピアノソナタ集。ピアノソナタ3曲(Hob.XVI:32、XVI:50、XVI:34)とファンタジア(Hob.XVII:4)、アンダンテと変奏曲(Hob.XVII:6)そして弦楽四重奏曲Op.64のNo.5「ひばり」のフィナーレの6曲。収録はHob.XVI:32とXVI:50が2009年2月、XVI:34とファンタジア、ひばりのフィナーレが2009年6月、アンダンテと変奏曲が2010年1月、イギリス西部のブリストルにある聖ジョージ教会でのセッション録音。レーベルはスェーデンのBIS。

最近のtwitterによると「ハイドンが上手なピアニストはスカルラッティも良い」との法則があり、演奏の頻度から言うと、おそらく「スカルラッティが上手なピアニストはハイドンも良い」との逆法則も成り立つとの盲目的邪推も成り立ちます。このスドビンはスカルラッティを弾いたデビューアルバムが絶賛されたとのふれこみだったのでHMV ONLINEに注文していたもの。元の法則は以前取りあげたチェスのサイトを運営するpascal_apiさんのつぶやきですが、いいところをついていると思います。

エフゲニー・スドビンは1980年サンクトペテルブルク(私の世代にはレニングラードの方がなじみます)生まれのピアニスト。幼い頃から音楽的才能を知られ、1987年にサンクトペテルブルク音楽院、1990年にベルリン、1997年よりロンドン王立音楽院でピアノを学びました。マレイ・ペライヤやレオン・フライシャーに師事し、その後ヨーロッパ、アメリカ、カナダツアーで名を知られるように。2005年にスカルラッティのソナタ集のデビュー盤が好評を博し、その後ラフマニノフ、チャイコフスキーとメトネル、スクリャービンなどのアルバムのリリース。このハイドンのソナタ集はそれに続くもの。2011年1月には初来日しているのでコンサートを聴かれた方もいるのではないでしょうか。

このアルバムのジャケットには若々しい奏者がカジュアルな服装で写っており、もしかしたらアイドル系との憶測もありますが、とりあえずスカルラッティがいいと聞けば、当ブログで取りあげない訳にはいかないと思った次第。

Hob.XVI:32 / Piano Sonata No.47 [b] (1776 or before)
ちょっと几帳面な感じはするものの、ピアノを上手く響かせてハイドンの曲の良さを上手い具合に表現する人との第一印象。速い音のつながりのコロコロころがるような心地よさと、左手の迫力ある低音のコントラストがなかなか。一貫して推進力にあふれた進行。ハイドンの前進する力感をうまく表現しています。
2楽章は素晴らしいきらめき感。ちょっと手作り感のあるものですが、それが実にいい味わいを醸し出しています。1楽章とは異なり、つぶやくようなゆったりとしたテンポ。この楽章の音楽性は本物ですね。音を聞かせようという意図ではなく音楽を聴かせようとする姿勢を感じる演奏。実に深い呼吸。なかなか大物ですね。
フィナーレも一音一音が立っているような粒立ちのよさと推進力が素晴らしい演奏。速いパッセージのキレは抜群。この若さでこのハイドンの表現の深さは見事。勢いの良さを最後まで保つかと思いきや、最後の音は思い切り力を抜いたもの。

Hob.XVI:50 / Piano Sonata No.60 [C] (probably 1794)
名曲XVI:50。やはり素晴らしい力感から入りました。この大作ソナタを軽々と、しかも抜群の粒立ちで弾きこなしていきます。低音部が重要なソナタですが、左手の表情はかなり豊かでキレのいい低音を重ねていきます。録音はSACDの最新のものだけあって十分。BIS独特の北欧の空気のような澄んだ音響が心地よいです。スドビンはハイドンの楽譜を楽しみながら弾き進めていくような余裕があり、装飾音を加えたり、リズムを変化させたり、構えたところはなく自在な演奏。
この曲もアダージョの音楽性はピカイチ。夕暮れに星が瞬き始めるようなかすかなきらめきをが絶妙。抑えながらも表現は濃い瞬間。オーロラの揺らめきのようにうっすらと表情を変えていく、まさに推移の芸術。
3楽章は2楽章の静かな感動から覚醒するように鮮烈なリズムを刻みます。キレのいいタッチと自在なリズムを重ねてあっという間に曲を結びます。

Hob.XVI:34 / Piano Sonata No.53 [e] (c.1782)
この曲も名曲。かなりスタッカート気味にはじまります。ブレンデルの演奏では低音から沸き上がる音階の面白さに焦点があたっていたものを、スドビンは音符配置の面白さを強調しているよう。高音の音階はまるで編み機から繰り出されるように滑らかなもので、左手の音階と、右手の音階の表情が全く異なる魅力を放つテクニカルな表現。またしても右手から繰り出される転がるような音階は痛快そのもの。途中、おそらくわざとでしょうが、たどたどしさを感じさせる部分もあって、なかなか興味深い演奏。
この曲もアダージョの表現は秀逸。高音のきらめきの美しさはスドビンの持ち味ですね。この曲でもめくるめく美しさが素晴らしいものです。
ハイドンのソナタのフィナーレの中でも非常に覚えやすいメロディーのこの曲。聴き慣れたメロディーラインを自在に変化をつけて、生まれたてのメロディーのように刻んでいきます。

Hob.XVII:4 / Fantasia (Capriccio) op.58 [C] (1789)
弾き散らかすがごとき切れ味で入るファンタジア。音符を完全に自身のものとして自在に弾き進めます。速い音階の切れ味、リズムの切れ味、表現の切れ味の三拍子そろった演奏。途中非常に長い休符をとって表現力を見せつけます。この曲は素晴らしいテクニックと自在な音楽性を嫌というほど見せつけるような素晴らしい演奏です。

Hob.XVII:6 / Andante con Variazioni op.83 [f] (1793)
古くから名演奏の多いこの曲ですが、スドビンは冒頭から詩情あふれるきらめきで圧倒。やはり只者ではありませんね。最初は軽い響きから入りますが、音楽の濃さは別格。伝統の重さを知っているからか、この曲では表現はオーソドックスな範囲にとどめているよう。指のキレは相変わらす素晴らしいものがあり、曲自体を最高の演奏で楽しむような極上のひと時。この曲がこれほど高音のメロディーが美しい曲だったと再認識させられるような素晴らしい演奏。最後の渾身の響きも鋼のような見事なものでした。

Hob.III:63 / String Quartet Op.64 No.5 "Lerchenquartetett" 「ひばり」 [D] (1790)
最後は弦楽四重奏曲のフィナーレをピアノに編曲したもの。3分少々の曲ですが、この腕にしてこの曲を選んだと唸らされるもの。原曲ももちろんいいんですが、このピアノ版も、この演奏でしか聴く事のできない驚きに満ちています。このアルバムのアンコールピースのようなアクロバティックな要素も持つ演奏。


最近聴いた若手のハイドンのピアノソナタの中ではピカイチの出来。エフゲニー・スドビンの演奏によるハイドンのピアノソナタ集はハイドンのソナタの真髄をえぐる素晴らしい演奏でした。スカルラッティを弾いたデビューアルバムが評判となった人だけあって、ハイドンのソナタも自然かつアーティスティックな魅力をもつ素晴らしい演奏でした。これは将来が楽しみな人。若手でこれだけ表情豊かなハイドンを弾くとは驚きにに近い印象です。評価はもちろん[+++++]とします。

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ブルーノ・ヴァイル/カペラ・コロニエンシスの四季

昨日は月曜にもかかわらず、予定外の飲みで大酒喰らってしまいました(笑)。まあ石巻の名酒「日高見」などを美味しくいただきましたのでよしとしましょう。最後はあんまり覚えてません(苦笑)
今日は気を取り直して、先週土曜の歌舞伎見物のあと銀座山野楽器で手に入れたアルバム。

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ブルーノ・ヴァイル(Bruno Weil)指揮のカペラ・コロニエンシス、テルツ少年合唱団の演奏でハイドン最後のオラトリオ「四季」。収録は2010年3月21日、ドイツ、エッセンにあるエッセン・フィルハーモニーのアルフレート・クルップ・ホールでのライヴ収録。レーベルはArs Produktion。ソロは下記のとおり。

ハンネ(ソプラノ):シビッラ・ルーベンス(Sibylla Rubens)
ルーカス(テノール):ヤン・コボウ(Jan Kobow)
シモン(バリトン):ハンノ・ミュラー=ブラッハマン(Hanno Müller-Brachmann)

ヴァイルの四季。昨年リリースされたのは知っていましたが、SACDだからか意外に値段が高くHMV ONLINEでも注文からはずしていました。ブルーノ・ヴァイルは古楽器の交響曲やミサ曲の名演奏が多く、好きな指揮者の一人です。そのヴァイルの四季と巡り会ったので、値段は安くはありませんでしたが、いただくことにした次第。

ヴァイルのハイドンは過去に何回か取りあげています。ヴァイルの紹介は2番目の交響曲の記事をご参照ください。

2010/03/08 : ハイドン–交響曲 : ブルーノ・ヴァイル、ザロモンセットへ
2010/12/25 : ハイドン–交響曲 : 【年末企画】ブルーノ・ヴァイルの交響曲50番、64番、65番
2011/01/10 : ハイドン–オラトリオ : ブルーノ・ヴァイルの天地創造
2011/08/14 : ハイドン–声楽曲 : 【お盆特番4】ブルーノ・ヴァイルのテレジアミサ、ネルソンミサ

また、カペラ・コロニエンシスの演奏はヴァイル以外のアルバムも取りあげています。カペラ・コロニエンシスの情報はこちらをご覧ください。

2011/05/24 : ハイドン–交響曲 : ジョシュア・リフキン指揮カペラ・コロニエンシスのホルン信号、72番

このアルバム、ヴァイルのタイトなコントロールよる素晴らしい演奏ですが、さらに素晴らしいのが引き締まった録音。これまで聴いた四季のなかではダントツのクオリティ。自宅に素晴らしい臨場感でオケとコーラスが出現です。

Hob.XXI:3 / "Die Jahreszeiten" 「四季」 (1799-1801)

最初の一撃からライヴらしい一体感のある響きではじまります。冒頭からおどろおどろしく腰に来る低音の魅力炸裂です。演奏自体は先を見通してあまり溜めをつくらず淡々と進める自然体の演奏といっていいでしょう。淡々としながらも徐々に響きに聴き入らずにはいられなくなり、曲に没頭してしまうような演奏。最初にソロが聴こえるシモンのミュラー=ブラッハマンは鋼のごとき強い芯のある声。声量も十分。ルカースのヤン・コボウは優しい声でちょっと大人しい感じ。そしてハンネのシビッラ・ルーベンスは透き通るようなヴィブラートとが美しい声。つづくコーラスはいつもながら美声のテルツ少年合唱団。ヴァイルの演奏ではおなじみです。
第4曲のシモンのアリア「農夫は今、喜び勇んで」でミュラー=ブラッハマンのクッキリ良く通る、そして表現力豊かな歌唱が印象的。天地創造のラファエル同様、四季ではシモンが全体の構成に与える影響が大きく、ミュラー=ブラッハマンのシモンはこのアルパムの聴き所の一つでしょう。
第6曲の三重唱とコーラス「慈悲深い天よ、恵みを与えてください」(祈りの歌)はオケの奏でるメロディーラインの上でソロとコーラスが絡み合うところが極めて自然で、まさに今ここでライヴを聴いているような臨場感を感じます。そして最後の第8曲 三重唱と合唱「おお、今や何と素晴らしい」(喜びの歌)は、前半の軽い部分をそつなく終えて、後半に入る号砲から別次元の集中力。鮮明な録音が手伝って部屋に実物大のオケが出現したような素晴らしい響き。まさに生でオケを聴いているような鮮明さ。


平日なので夏以降は簡単にかいつまんで。ライヴだけに前曲とのつながりは非常に自然。演奏に傷もなく、粗いところも目立ちません。非常に質の高いライヴ演奏。聴き所は第11曲 レチタティーヴォ「朝焼けが訪れて」。透明な空気を感じさせる朝焼けから吹き上がるオケとコーラス。自然さを保ったまま迫力をうまく表現できています。以後夏の暑さと重々しい曲がつづき、そして第18曲 三重唱と合唱「黒い雲は切れ」で再びオケが大爆発。録音がいいぶん大音量の部分の聴き応えは十分。ドン・ジョバンニの地獄落ちの場面を彷彿とさせるようなおどろおどろしい音楽が荒れ狂い、そして最後に平穏な音楽で終わるところも似ています。


秋も最初からミュラー=ブラッハマン鋼の歌声が印象的。演奏スタイルには一貫性があり、自然なフレージングゆえ、ハイドンの曲自体の素晴らしい筆致を楽しむのに好適なもの。秋の聴き所は第26曲 合唱「聞け、この大きなざわめき」のホルンの号砲でしょう。ライヴにも関わらず傷もなく素晴らしいホルン陣のテクニックを堪能できます。


暗く沈みきった曲から、春の訪れまでを描いた曲ですが、ヴァイルのコントロールはここでもあくまで淡々と曲を自然に演奏し、鮮明な録音によって、自然さ抜群の起伏を表現するスタイル。終曲で明るい兆しを告げる和音が鳴ったときの光明はぐっとくるものがありますね。最後はハイドンの曲独特の諧謔性を感じさせるような音楽的充実もきっちりこなして、長大な四季の幕を閉じます。

ブルーノ・ヴァイルの最新録音によるハイドン最後のオラトリオ「四季」は、鮮明な録音によって、ライヴならではの一貫して自然な演奏が楽しめる素晴らしいアルバム。録音は若干デッド気味ですが、それだけにオケやソロ、コーラスの存在感、定位感は抜群。歌手はシモンのハンノ・ミュラー=ブラッハマンが鋼のごとき強い声で秀逸。いつものテルツ少年合唱団も抜群の透明感です。先日取りあげたクレメンス・クラウスの四季のごとき四季の真髄をえぐるような演奏ではありませんが、古楽器オケによるタイトな音響で描かれた四季の模範的な演奏として多くの人に勧められるアルバムだと思います。評価は[+++++]とします。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : 四季 ハイドン入門者向け 古楽器 ライヴ録音 SACD

アイヴァー・ボルトンの天地創造

今日は先日交響曲を取りあげたときに予告したボルトンの未聴盤。

BoltonCreation.jpg
HMV ONLINEicon / amazon

アイヴァー・ボルトン(Ivor Bolton)指揮のザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の演奏でハイドンのオラトリオ「天地創造」。ソプラノがミア・パーソン(Miah Parsson)、テノールがトピー・レーティプー(Topi Lehtipuu)、バリトンがデイヴィッド・ウィルソン=ジョンソン(David Wilson-Johnson)、合唱がザルツブルク・バッハ合唱団。収録は2005年10月20日~22日、ザルツブルクのモーツァルテウム大ホールでのライヴ・レコーディング。レーベルはOHEMS CLASSICS。HMV ONLINEには2種のパッケージがありましたが、安い方を注文したところ輸入盤と思いきや国内盤でした。四季のほうは普通のCDだったんですがこちらはSACDハイブリッド盤。

最近お気に入りのボルトン、これまでに取りあげた記事であまりちゃんと紹介していませんでしたので、略歴を書いておきましょう。1958年、イギリスの中西部ランカシャー地方のブラックロッドという街の生まれ。ハープシコード奏者としても知られているようです。ロンドンの王立音楽院、国立オペラスタジオなどで学び、1984年セント・ジェイムズ・バロック・プレイヤーズを創設。その後、イングリッシュ・ツーリング・オペラの音楽監督(1991年~92年)、グラインドボーン・ツーリング・オペラの音楽監督(1992年~97年)、スコットランド室内管弦楽団の首席指揮者(1994年~96年)などとキャリアを重ね、ヨーロッパの主要なオペラハウスでも活躍。このアルバムのザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団では2004年のシーズンから首席指揮者の地位についています。レパートリーはバロック音楽から現代音楽までと幅広く、また歌劇場での豊富な経験が四季や天地創造などの大曲の素晴らしいコントロールに活きているんでしょう。

いちおう、過去のボルトンの演奏の記事のリンクを張っておきましょう。

2011/05/09 : ハイドン–交響曲 : アイヴァー・ボルトンの奇跡、88番、迂闊者
2010/12/13 : ハイドン–オラトリオ : アイヴァー・ボルトン/モーツァルテウム管弦楽団の四季ライヴ

一方、オケのザルルブルク・モーツァルテウム管弦楽団は、何と1841年、モーツァルト没後50年を記念してモーツァルト未亡人のコンスタンツェとその息子たちなどによって「教会音楽協会モーツァルテウム」として設立されたまさにモーツァルトゆかりのオーケストラ。1939年には、ザルツブルク・モーツァルテウム音楽アカデミー(現音楽大学)から別れ、独立した運営組織となったとのこと。現代楽器のオーケストラですがこのアルバムの解説によれば、このアルバムの演奏は管楽器のみ古楽器を用いているとのこと。

こちらも最近のモーツァルテウムのいい演奏の記事のリンクを張っておきましょう。今月とりあげたメスナーの戦時のミサはだいぶ前の演奏なので割愛。

2011/04/29 : ハイドン–交響曲 : ブリュッヘン/モーツァルテウムのリラ・オルガニザータ協奏曲、84番

前振りが長くなりましたので、早速演奏のレビューに入りましょう。

天地創造(Hob.XXI:2)1796年~98年作曲
第1部は冒頭から期待通りの引き締まった響き。いつものボルトンの響きです。ダイナミクスというより弱音のコントロールが行き届いており素晴らしい緊張感。1番バッター、バリトンのウィルソン=ジョンソンは派手さはありませんがしっかりした渋めの声。驚くのがコーラスの透明感。響きの美しさにほれぼれ。
第2曲の合唱つきアリア。テノールのレーティプーは細めの若さを感じる声。もう少し表情があると良いですが、声の伸びはなかなか。ソロにコーラスが重なりオケの波が一波づつ重なっていくところの迫力は見事。テンポを緩めるところとまくるところの手綱捌きはボルトンならではでしょう。
第4曲でガブリエル登場。ソプラノのパーソンはちょっと癖のある声。こちらも声の伸びはよく、悪くありません。録音はソロにスポットライトを当てるのではなくオケの一部がソロというようなバランス。強いて挙げればオケが一番リアルに録られています。
第8曲、いつも注目のガブリエルのアリア。パーソンは正統派の歌唱。端正な声で音階も明確、高音の伸びと艶も素晴らしいですね。これでもうすこし情感が乗ってくれば言うこと無しです。
第10曲はコーラスとオケの迫力漲る演奏。こうゆところでテンポを上げ、強音のアクセントをきつめにつけてくるところがボルトンならではキリッとした迫力を生んでいるんでしょう。
そして第1部のクライマックスにいたる第12曲から第13曲へかけての盛り上がり。やはり弱音部の印象的なフレージングが良く効いています。聴き慣れたメロディーにちょっと変化のあるアクセントをつけて新鮮な印象を与えているのも良いですね。クライマックスは見事なキレ。

第2部に入ってもボルトンの緻密なコントロールがテンションを保っています。
第15曲のガブリエルのアリア「力強い翼をひろげて」は第8曲よりもパーソンの良さが出ていますね。高音の響きの良い声の魅力が素直に楽しめるアリア。
第18曲の三重唱。これはボルトンのフレーズコントロールで曲想の面白さが際立ちます。間の取り方とデュナーミクが絶妙。そしてそのまま第19曲のクライマックスに突入。

CDを変えて2枚目。

聴いていくうちに、聴き所は迫力のある部分よりもフレージングの面白さにあるように感じてきます。そういった意味では第2部はそうした魅力に溢れた曲が多く聴き応えがあります。第22曲のアリア、第24曲のアリア、第26曲の合唱、第27曲の三重唱など、どの曲も曲の面白さを素直に楽しめる演奏。ソロが圧倒的な歌唱で聴かせる演奏とは別の楽しみと言った感じでしょう。第28曲のハレルヤコーラスもキリッとした締まった演奏で第2部を終えます。

第3部はいつものように静寂からの入り。第29曲のテノールのレチタティーヴォはなんだか柔らかな声にうっとり。第3部の聴き所、第30曲のアダムとエヴァのデュエット。さっぱりとした表情付けがかえって情感を豊かに表現しているよう。ソプラノとバリトンの掛け合いも落ち着いたもので見事な呼吸。背後にさざ波のようにおしよせるコーラスとの対比というか立体感が素晴らしいですね。後半の盛り上がりも見事。金管の突き抜ける響きと押し寄せる大波、ホールに響き渡るコーラス。そして響きの余韻。
第32曲で再びアダムとエヴァのデュエット。こんどは朗々と歌い合うデュエット。声の調子も上がり、オケとの呼吸もピタリと決まった歌唱。
そして終曲、第34曲は最初からフルスロットルでオケ、ソロ、コーラスの響きの海。最後までボルトンのコントロールによるタイトな響きに圧倒される演奏でした。拍手は入っていません。

アイヴァー・ボルトンによる天地創造、演奏は期待通りのものでした。ただしちょっとした難点も。まずはソロが少し弱いこと。3人とも欠点があるというほどではありませんが、オケにちょっと迫力で負けているという感じ。それと録音でしょうか。十分鮮明な録音で、ライヴの会場ノイズは良く抑えられていますがそのためか、録音にちょっと生気がありません。ちょっと音響処理のやり過ぎでしょうか。このアルバムの評価は[++++]としました。天地創造に素晴らしいアルバムが多数ありますのでちょっと辛めになってます。演奏は素晴らしいものですがちょっと録音が水を差しているのが正直なところでしょう。この演奏を生で聴けたらボルトンの引き締まったオケの響きに圧倒されていたことでしょう。

今日はこれから一件宅急便を出して、ひと泳ぎしてきます。

※録音日の表記が誤ってましたので修正しました(2011年5月15日)

テーマ : クラシック
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tag : 天地創造 ライヴ録音 おすすめ盤 SACD

プロフィール

Daisy


Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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