【新着】エルンスト・メルツェンドルファーの交響曲全集(ハイドン)

ちょっとご無沙汰しています。大物到着です。

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エルンスト・メルツェンドルファー(Ernst Märzendorfer)指揮のウィーン室内管弦楽団(Vienna Chamber Orchestra)の演奏で、ハイドンの交響曲全曲、および協奏交響曲を収めた全33枚組のアルバム。元はMusical Heritage SocietyからリリースされていたLPが音源で、所謂板起こしというやつです。収録時期は1960年代でpマークが1969年から1972年となっています。レーベルはヒストリカルな音源の発掘に熱心な英SCRIBENDUM。

この全集、少し前にリリースが発表された時には、ほとんどのハイドンファンが意表を突かれたことでしょう。何しろハイドンの交響曲の金字塔たる、アンタル・ドラティの全集より先にハイドンの交響曲全集として完成したものとの触れ込みだったからです。一部のコアなハイドンを愛好する方の中にはMusical Heritage Societyから細々とリリースされたLPを集めていた方もあるようですが、私もこの全集のいきなりの発表にはびっくり。ということで注文を入れておいたわけですが、それが先日ようやく到着した次第。

ここで、メルツェンドルファーについて触れておかなくてはなりませんが、こういったケースではいつもネットやライナーノーツなどを色々調べて情報を掘り起こす必要があります。このアルバムにはライナーノーツらしきものは全く付属していません。ということでネットを調べてみると、HMV&BOOKS onlineiconの解説が尋常ではありません。このアルバムの発売の経緯から、企画を担当した名プロデューサー、クルト・リストについて、そして全集の録音を完了しながらクルト・リストの急逝に伴い、プロモーションなどが行われないまま、ドラティの全集が世界最初のハイドンの交響曲全集として広く知られるようになった経緯など、詳細に触れられています。 しかもロビンス・ランドンが関わってハイドンの交響曲が録音されはじめてからの様々な録音の一覧などについてまで触れられていますが、圧巻はメルツェンドルファーの仕事歴。オペラ指揮者でウィーン国立歌劇場などで長年に渡って指揮してきた演目が年毎に一覧化されているなど、アルバムの販促記事の域を超越しています。

ということでメルツェンドルファーの情報については上記記事に譲ることにして、果たして、このアルバムがハイドンの演奏史に一石を投ずるものなのかを紐解いていきましょう。

到着と同時に、数枚のCDを聴きながら、まずは所有盤リストに収録曲を登録。1番から104番までに加えて通称Aの106番(Hob.I:106)、通称Bの107番(Hob.I:107)、協奏交響曲に、53番「帝国」の終楽章は2つのバージョンが併録されているということで、収録曲の網羅度は言うことなし。
録音については、残念ながらドラティ盤と近い録音年代ながらDECCAの力感みなぎる素晴らしい録音とは大きく差がついてしまっているというのが正直なところ。というのも冒頭に触れた通り、この全集は板起こし。ジャケットには"Digitally remasterd from Vinyl. Original tapes missing and cannot be found."とあり、マスターテープは失われてしまっているとのこと。ただ、実際の音にはスクラッチノイズの類は全くなく、巧みな音響処理により除去されているものと思われます。この処理によって非常に聴きやすくなっていますが、一方LPらしい実体感のある響きもちょっとおとなしくなって、少し燻んだ古びた響きに聴こえます。板起こしとしてレベルが低いわけではありませんが、ドラティ盤の素晴らしい響きと比べてしまうと部が悪いというところ。

肝心の演奏についての大まかな感想を書いておきましょう。

1枚目の交響曲1番から聴き始めましたが、ごく初期のものについては歌劇場の人らしく手堅くまとめた演奏ながら、メルツェンドルファーが煽るのかヴァイオリンパートのみかなりインテンポでメロディーを切り裂いていくよう。ちょっとあくせくした感じが残ります。この印象がついてしまい、若干期待はずれ感が漂う中、何枚かつまみ聴きしていくと、特に緩徐楽章や弱音部の美しさにうっとりするようになります。
シュトルム・ウント・ドラング期の曲では、その緩徐楽章の瑞々しい表情の美しさが印象的。楽章毎に表情にコントラストをつけて変化を鮮やかに見せるところは流石なところです。マーキュリー、悲しみ、告別などは、しっとりとした美しさがしみる演奏。マリアテレジア、受難と聴き進むと、独特の音質にも慣れてきます。板起こしゆえの個々の曲毎の鮮度の違いはあるものの、共通して緩徐楽章の情感の濃さはメルテンドルファーの演奏の面白さを代表するもの。歌劇場で鍛え抜かれた表現力に裏付けられたものでしょう。
ザロモンセットまではまだ手を出していませんが、曲を変えるたびにメルツェンドルファーの繰り出す音楽の語り口の面白さにワクワクするようになるという意味で、この全集は存在価値が十分あるという手応えを持ちました。

直後にリリースされたドラティの偉業の影に霞んでしまい、多くの人から忘れられてしまったこの演奏ですが、録音から50年以上経って、CD化されたことは喜ぶべきことでしょう。

この全集、解説はつかないんですが、全33枚の紙ジャケットの一部に描かれているハイドンの肖像画が全部異なるという凝った一面もあります。これはオリジナルのMusical Heritage SocietyのLPも同じ趣向になっていて、オリジナル盤のオマージュになっています。復刻を担当したSCRIBENDUMの気合を感じるところ。

評価は聴いた曲から順次つけていますので、所有盤リストをご覧ください。曲によって[++]から[++++]までつけていますが、悲しみや84番など、[+++++]をつけるかもしれない曲もあり、侮れません。1枚目の交響曲1番から5番までの印象が悪いので損をしていますが、聴き進むときっと宝物のような演奏にありつけます。

当ブログとしてハイドンの交響曲全集のファーストチョイスはドラティ盤であることは変わりませんが、ドラティ盤、アダム・フィッシャー盤、NAXOS盤を持っている方は買うべき価値があります。皆さんの耳で確かめてみてください!



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tag : 交響曲全集

ホルスト・シュタイン/ドレスデン・シュターツカペレの太鼓連打、オックスフォード(ハイドン)

前記事でビーチャムの優美な交響曲を聴いて、穏やかな交響曲をもう少し聴いてみたくてLPの中から取り出した1枚。

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ホルスト・シュタイン(Horst Stein)指揮のドレスデン・シュターツカペレ(Staatskpelle Dresden)の演奏で、ハイドンの交響曲103番「太鼓連打」、92番「オックスフォード」の2曲を収めたLP。収録は1961年、レーベルはETERNA。

N響に度々客演していたので日本ではおなじみの方も多いホルスト・シュタイン。私は学生時代に父の仕事の関係で回してもらったコンサートのチケットで実演を聴いたことがあります。朧げな記憶とN響の演奏記録を照合すると、聴いたのはおそらく1983年2月にNHKホールでモーツァルトのプラハ、ヒンデミットのシンフォニア・セレーナ、オネゲルの交響曲3番 「礼拝」などが演奏されたコンサート。この日は大学の製図の締め切りで前日が徹夜だったため、モーツァルトは完全に子守唄で熟睡。目が覚めたのはヒンデミットに入ってから。ずんぐりむっくりしたシュタインの意外に緻密なタクトからの繰り出される多彩な響きと、穏やかな起伏を経て盛り上がる流れの良さ。この時はじめてヒンデミットを聴きましたが、独特な音楽に興味を持った覚えがあります。そしてオネゲルも聴いたことがあったのはパシフィック231くらい。こちらもオネゲルの迫力を生で存分に味わい、職人気質のホルスト・シュタインの繰り出す音楽の魅力を知った次第。

ホルスト・シュタインはWikipediaなどによれば、1928年、ドイツのエルバーフェルト(現ヴッパータール市)生まれの指揮者。フランクフルト音楽大学、ケルン音楽大学などで学び、その後はヴッパータール市立劇場合唱指揮者、ハンブルク州立歌劇場指揮者、ベルリン国立歌劇場を経てマンハイム国立劇場音楽監督になるなど、オペラの人。1952年から1955年にかけてバイロイト音楽祭でクナッパーツブッシュ、カイルベルト、カラヤンらの助手を務め、1962年にはバイロイトで「パルジファル」を指揮。1970年には「ニーベルングの指環」全曲を指揮するなどワーグナー指揮者として知られる人です。その後ウィーン国立歌劇場第1指揮者、ハンブルク州立歌劇場音楽総監督、スイス・ロマンド管弦楽団音楽監督、バンベルク交響楽団首席指揮者などを歴任するなど世界の一流どころで活躍。N響には16回客演しているとのこと。2008年に亡くなっています。

シュタインのハイドンの録音はおそらくこのアルバムのみ。しなやかで自然な流れと、大局を見据えて穏やかに盛り上げるコントロールはオペラの人ならではと言っていいでしょう。ハイドンの交響曲から穏やかに盛り上がる曲である太鼓連打を選ぶところも流石なところです。

Hob.I:103 Symphony No.103 "Mit dem Paukenwirbel" 「太鼓連打」 [E flat] (1795)
モノラルながらモノラル用のプレーヤーでかけると適度に鮮明でピラミッドバランスの分厚い音色が心地よい録音。テンポもフレージングもオーソドックスですが、凡庸な感じは一切せず、むしろ揺るぎない安定感と迷いのない説得力に満ち溢れている感じ。主題に入るとオケの分厚い響きの魅力がさらに増していきます。そしてフレーズ毎の表現のキレ味も見事。オケのすべてのパートがあるべきバランスにしっかりとはまって完璧な響きが繰り出されます。まさに太鼓連打の理想的な演奏。優美な曲のフォルムを堪能できます。1楽章の最初と最後のティンパニも実に穏やかに響き渡ります。
続くアンダンテも穏やかでジワリと盛り上がる期待通りの見事なコントロール。ツッコミどころ皆無の完璧に淀みのない音楽。ホルスト・シュタインという人の堅実な音楽がハイドンにピタリとはまります。そしてメヌエットでもゆったりざくっりとここでもしなやかに音楽が流れます。外連味なく堅実な運びは、誰にもできそうですが、おそらくこの高みには誰も到達できないであろう、地道に磨き上げたコントロール能力のなせる技とみました。
そして遠くから響くホルンの絶妙に美しい音色で始まる終楽章は、曲の結びにふさわしい盛り上がりを予感させる、さざめくような音階から入ります。気持ちよく吹き上がるオケを自在にコントロールしてここでも完璧なバランスに仕上げてきます。恐ろしいばかりのコントロール能力。最後まで冷静に温かい音楽を作っていく能力に脱帽。

Hob.I:92 Symphony No.92 "Oxford" 「オックスフォード」 [G] (1789)
太鼓連打同様、完璧に磨き抜かれたフォルムを纏った序奏から入ります。続く主題の推進力と迫力はなかなかのもの。速めのテンポによるフレーズのキレが良いのが推進力につながっているのでしょう。徐々に畳み掛けるような迫力を帯びて、1楽章から手に汗握る展開に圧倒されます。強奏の合間の木管の美しい響きがバランス良く聴こえるポイントなのでしょうか。素晴らしい迫力に惹きつけられます。
この曲の白眉たるアダージョは絶美。特に弦楽器のメロディーと木管に内声部のとろけるようなハーモニーは出色。完璧なフォルムに仕立てられた音楽に身をまかせるだけ。ハイドンの書いた音楽の美しさに何も足さず、素材だけで仕上げた本当の美しさ。ここまでの完成度に到達する演奏が他にありましょうか。メヌエットは太鼓連打同様優雅で堂々としたもの。そして、オックスフォードの聴きどころであるフィナーレの冒頭のメロディーはオケが軽やかに反応し躍動感満点。変奏を重ねるうちに徐々に盛り上がり、自然なクライマックスを構築。最後はビシッと決まります。

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ホルスト・シュタインによるハイドンの太鼓連打とオックスフォード。流石に歌劇場で鍛え抜かれたコントロール能力は伊達ではありませんね。ドレスデン・シュターツカペレの重厚な音色と相まって、ハイドンの交響曲の決定盤的な素晴らしい演奏に痺れました。派手な演出も個性的な解釈もないんですが、この演奏より完成度の高い演奏はありえないほどの揺るぎない構築感。その上ウィットに富んだフレージングもあり、晴朗なハイドンの魅力を存分に表していると言っていいでしょう。モノラルながら録音も盤石で、多くの方に聴いていただきたい名盤と言っていいでしょう。評価は[+++++]とします。



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tag : 太鼓連打 オックスフォード ヒストリカル

【新着】ビーチャムの99番、時計初出ライヴ(ハイドン)

いやいや、素晴らしいアルバムがリリースされました!

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サー・トーマス・ビーチャム(Sir Thomas Beecham)指揮のロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(Royal Philharmonic Orchestra)の演奏で1950年代のBBCによるライヴを集めた4枚組のCD。ジャケットの左肩には誇らしげに"FIRST CD RELEASE"と記されており、初CD化ということがわかります。この中の1枚目にハイドンの交響曲99番、101番「時計」が収められています。収録は99番が1954年9月16日にロンドンのロイヤル・アルバートホール、時計が1959年10月25日に同じくロンドンのロイヤル・フェスティヴァルホールでのライヴです。レーベルはica CLASSICS。

ビーチャムといえば、1950年代にリリースしたザロモンセットの名録音が有名で、クラシカルなザロモンセットの決定盤的存在なのは、ハイドンファンのみなさまご承知の通り。かく言う私もザロモンセットの名演盤としてはビーチャムのアルバムは外せないものと見なしております。演奏はオーソドックスなものながら、揺るぎない説得力を帯びた、まさに定番的存在であります。当ブログでは交響曲は93番をだいぶ前に取り上げたきりになっておりました。

2013/07/24 : ハイドン–交響曲 : トーマス・ビーチャム/ロイヤルフィルの93番
2012/09/02 : ハイドン–オラトリオ : トーマス・ビーチャム/ロイヤル・フィルの四季

そのビーチャムの振るザロモンセットの交響曲に、BBCが録ったライヴがあると言うことで、本盤に興味を持った次第。ハイドン以外にもモーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスなどの交響曲も収められており、非常に貴重な録音です。

Hob.I:99 Symphony No.99 [E flat] (1793)
録音はモノラルながら、柔らかなオーケストラの響きと、コンサート特有のざわめきが味わえるなかなかいい録音。このアルバムを聴く前にEMIのセッション録音を聴き直しましたが、EMI盤の直裁な響きに対して、テンポがゆったりとして、実に自然な響きが心地いいですね。そして序奏から主題に入る流れのしなやかさはこの99番という曲の魅力をより素直に表現している感じ。自然な躍動感とゆったり流れる音楽の美しさが存分に味わえます。そしてビーチャムの美点はフレーズごとに実に品よく表情を描くこと。まさに古き良き時代のハイドンの見本のような演出ですが、古さを感じさせるというよりは普遍的な魅力を掘り起こしている感じ。1楽章は穏やかな構成感の美しさで聴かせます。
そして、99番の白眉であるアンダンテ。美しいメロディーが彫りの深い表情付けによって実に典雅な音楽に昇華。ハイドンの緩徐楽章の中でも最も美しい曲だけに、ジェントルなビーチャムの手に掛かるとロマネスクのバシリカのような形式美の極致に至るレベルになります。自然な音楽の呼吸に身を任せる至福のひととき。
そよ風のような軽い入りのメヌエット。メヌエットがなぜここに挟まれたかを考えての演出でしょう。この軽さの表現と、穏やかな展開がビーチャム独特の品のよさ。トリオを含めて絶妙に自然な軽さを表現。
フィナーレはメヌエットの軽さを引き継いでさらりと入りながら、徐々にオケに力が漲り、軽さと華麗さを伴いながらクライマックスへ向かっていく流れの面白さを存分に味わえます。オケには微塵も力みなく、余裕にあふれた表現。ハイドンはこうでなくちゃと言わんばかり。全楽章に優美さが香る名演です。拍手付き。

Hob.I:101 Symphony No.101 "Clock" 「時計」 [D] (1793/4)
録音年代とホールは変わりますが、こちらもモノラルで録音は悪くありません。しなやかさは99番で、ホールの残響はこちらの方が木質系の響きを感じます。優美な99番に対して、時計の1楽章はビーチャム流の品の良さは感じるものの、主題に入るとグイグイとオケを煽っていきなり大迫力。続く楽章との対比を鮮明に描こうというのか、ビーチャムにしてはかなりの迫力で攻めてきます。この時計の1楽章は見事な構成の曲ゆえ、それを見切っての踏み込みでしょう。低音弦にティンパニが唸り、アクセントも引き締まってライヴならではの高揚感。ちょっとトスカニーニを思わせるような見得を切る瞬間もあり、1楽章はビシッと決めます。
典雅に来ると思ったアンダンテですが、リズムを打つ管楽器がちょっと無骨さを感じさせ、流麗な弦楽器と合わさってなかなか面白い表情。古い時計のコミカルな動きを描こうというのでしょう。展開部からは1楽章同様、オケが唸りなかなかの迫力。表情の無骨さは変わらず、それが粗さではなく、迫力につながっているのは流石です。
そして、メヌエットはそのまま荒削りな魅力を伴って、グイグイときます。曲の構成をしっかり踏まえながらも、オケに演奏を任せてあまり細かいコントロールはしていない感じ。特にトリオのフルートなどはかなり自由に吹いている感じです。それでもオケの吹き上がりが心地よくハイドンのメヌエットの楽しさの真髄は突いています。メヌエットも最後のアクセントで釘を刺します。
フィナーレは期待通りオケがフルスロットルで気持ちよく盛り上がります。ビーチャムは面白いようにテンポを上げてオケを煽りまくり、オケもそれに応えてなりふり構わず爆発。こちらもライヴならではの高揚感。最後は大見得を切って観客も拍手喝采!

セッション録音の品のいい印象が強かったビーチャムですが、この時計はかなりオケに任せる面白い演奏でした。99番の方は典雅の極致、そして時計は最晩年のビーチャムの遊び心のようなものが垣間見える名演でした。ビーチャムが亡くなったのは1961年で60年には80歳で引退していますので、54年の99番は最も充実してオケをしっかりとコントロールした名演、時計はおそらくコントロール能力も落ちてきている時の演奏なのでしょう。このアルバムのハイドンの2曲はビーチャムという人の人生の記録でもありますね。特に99番の素晴らしさが心に残りました。両曲とも評価は[+++++]とします。

なお、ハイドンの2曲の後にボッケリーニのシンフォニア(G521)が収められていますが、これが実に面白い曲で、演奏も最高。こちらも楽しめます!



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クルト・マズア/ベルリン放送響の交響曲5番、61番(ハイドン)

覇気みなぎる素晴らしい演奏!

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クルト・マズア(Kurt Masur)指揮のベルリン放送交響楽団(Berliner Rundfunk-Sinfonie-Orchester)による、ハイドンの交響曲5番、61番を収めたLP。収録情報は記載されていませんが、おそらく1971年のリリース。レーベルは旧東独ETERNA。

クルト・マズアはハイドンを振る印象はあんまりないのですが、いくつか録音があります。

2018/10/15 : ハイドン–オペラ : ステファニア・ヴォイトヴィチの挿入アリア(ハイドン)
2012/12/16 : ハイドン–交響曲 : クルト・マズア/イスラエル・フィルの88番ライヴ

だいぶ前に取り上げた88番のライヴは2008年の録音で、それほど踏み込んだ演奏ではなかったものの、最近取り上げた、ステファニア・ヴォイトヴィチのアリア集の伴奏は1970年代の録音で、とろけるような響きの美しい見事な演奏にハッとさせられたもの。この演奏の記事を書いたときに今日取り上げるアルバムの存在を知り、同じく70年代始めの演奏ということで探していたところほどなく見つかったという次第。マズアの略歴などについては88番の方の記事をご参照ください。

Hob.I:5 Symphony No.5 [A] (before 1762)
広い空間に広がる柔らかいオーケストラの響き。力みなく演奏を単純に楽しんでいるような無邪気ささえ感じさせるリラックス度合い。ハイドンの初期の交響曲は屈託のないメロディーを楽しむ曲。その本質を見抜くようにマズアはオケにほとんどを任せるようにニュートラルなスタンスで臨みます。ヴォイトヴィチ盤での素晴らしい演奏が思い起こされます。録音は若干の古さを感じさせなくはないですが、低音は厚めで迫力は十分。1楽章の拍子がずれる所での手慣れたリズムの処理も見事。
続くアダージョは滋味あふれる音楽。ゆったりと美しいメローディーを置いていきますが、とりわけ素晴らしいのがホルンのまろやかな音色。ホルンが重なることでオケ全体にまろやかさが加わり、これ以上しなやかなハーモニーはありえないほど。マズアは大きな起伏をしっかり出しながらも、小細工は一切なく、音楽を微塵の淀みなく流します。
ハイドンの交響曲の白眉、メヌエット。おおらかなリズムとざっくりとした表情が構えの大きい音楽を生み出します。トリオに入るとオケを抑えて柔らかなコントラストをつけます。
そして短いフィナーレも磐石のテンポで落ち着き払った演奏。完全にマズアの音楽に成りきっています。堂々として屈託のないハイドンの面白さ満点。

Hob.I:61 Symphony No.61 [D] (1776)
全くもって渋い選曲です。誰が5番と61番でアルバムを作りましょうか。しかもマズアの自然な感興が活きる選曲ということで、もしかしてマズア、ハイドンの交響曲を相当研究していたのかもしれません。そうでないとこの選曲はあり得ないでしょう。この曲でも冒頭から穏やかなマズアの覇気がはち切れてます。ホールに響き渡る力漲る響きに耳を奪われますが、どこにも力みはなく誠に自然な響きに痺れます。ドラティに一杯飲ませて酔わせたような演奏。ドラティのタイトさをリラックスさせていい具合にこなれさせた感じ。かといって緩いわけでもなく、完璧にリラックスさせたという意味でのこと。1楽章はハイドンの交響曲の面白さが全て詰まった見事な完成度。湧き出すエネルギーと推進力。晴朗なメロディーにオーケストラが気持ちよく響く見事な構成。この曲でも録音は見事。ETERNA恐るべしですね。
続くアダージョでは1楽章の興奮を冷ますように短調のほのかな陰りの深さを垣間見せたかと思うと、さっと光が差し込むように雰囲気が変わり、また陰るというようなデリケートな場面転換を繰り返しながらじっくりと深みを表現していきます。
そしてメヌエットは堂々とした演奏。陽光に輝く神殿のごときアルカイックなもの。完璧なバランスとピラミッドのような安定感。これ以上の演奏があろうかという出来に驚きます。そしてフィナーレも落ち着いて柔らかな響きでまとめてきます。オケが気持ちよく響き渡る快感に包まれます。それだけでなく中間の弱音部の丁寧な扱いも見事で、しっかりと起伏がつき、この曲の面白さを再発見した気分。

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いやいや絶品です。クルト・マズアという人、他の演奏はほとんど聴いていませんが、ヴォイトヴィチ盤や本盤など70年代のハイドンの録音は本当に素晴らしい。なんとなく強面の外見で損をしているようですが、この2枚で聴かれるハイドンは他に真似のできない自然さと慈しみ深さが表現されています。私自身もマズアがこのような演奏する人という認識はありませんでしたが、2枚揃ってしまうと、疑いなく実力でしょう。2015年に亡くなってしまいましたが、これから再評価されるのではないかと思います。LPの再生環境がある人は探して聞く価値のあるアルバムです。



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tag : 交響曲5番 交響曲61番

【新着】ジョヴァンニ・アントニーニの交響曲全集第6巻(ハイドン)

全集に向けた取り組みが順調に進んでいます。

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ジョヴァンニ・アントニーニ(Giovani Antonini)指揮のバーゼル室内管弦楽団(Kammerorchester Basel)の演奏で、ハイドンの交響曲3番、26番「ラメンタチオーネ」、79番、30番「アレルヤ」の4曲を収めたCD。このアルバムはアントニーニによるハイドンの交響曲全集の第6巻。収録は2017年3月2日から7日にかけてスイスのバーゼル近郊のリーエンという街にあるランドガストホフ・リーエンでのセッション録音。レーベルはレーベルはouthereグループのALPHA-CLASSICS。

このシリーズはこれまでに全巻取り上げています。

2017/11/22 : ハイドン–交響曲 : 【新着】ジョヴァンニ・アントニーニの交響曲全集第5巻(ハイドン)
2017/04/18 : ハイドン–交響曲 : 【新着】イル・ジャルディーノ・アルモニコの交響曲全集第4巻(ハイドン)
2016/10/09 : ハイドン–交響曲 : 【新着】イル・ジャルディーノ・アルモニコの交響曲全集第3巻(ハイドン)
2015/06/08 : ハイドン–交響曲 : 【新着】イル・ジャルディーノ・アルモニコの交響曲全集第2巻(ハイドン)
2014/11/08 : ハイドン–交響曲 : 【新着】イル・ジャルディーノ・アルモニコの交響曲全集第1巻(ハイドン)

リリースは安定して続いていますが、今回取り上げる第6巻からアルバムの輸入元がマーキュリーからナクソスジャパンに変わっています。輸入元が変わると何が変わるかというと、以前のマーキュリーのパッケージには白沢達生さんの非常に詳しい解説の翻訳が付いていて、それが魅力だったんですね。ナクソスジャパンのパッケージはタイトルととアルバム内容が書かれたカバーがつけられているだけ。このシリーズは装丁、アートワーク、解説が充実しているだけに、今回の変更は資本の論理でしょうが残念なものですね。どうして変更されたのかと調べてみると旧輸入元のマーキュリーのウェブサイトを確認してみると、サイトが繋がらなくなっていますね。充実した訳と解説が気に入っていただけに残念ですね。

さて、このシリーズについてと奏者についてはこれまでの巻の記事をご覧ください。前巻からオケがバーゼル室内管に変わり、今回もバーゼル室内管。アントニーニの圧倒的なコントロールはオケの違いを感じさせないもので、演奏はキレキレで変わらず。

Hob.I:3 Symphony No.3 [G] (before 1762)
いきなり耳をつんざくようなヴァイオリンの響きにびっくり。この初期の曲から鋭利な響きを引き出すセンスに驚きます。先日のアルトシュテットの振るハイドンフィルもそうですが、古典期の曲をアヴァンギャルドなセンスでまとめる見事な手腕。アルバムの1曲目に挨拶がわりに置く選曲も見事です。けたたましい響きながらスリリングさが勝る1楽章のアレグロ。そして続くアンダンテ・モデラートは厳かささえ感じるほどにレガートを効かせて抑えてきます。メヌエットは舞踊より覇気が勝るキレキレなもの。弦のキレ味にホルンのリズム感の良さが印象的。そしてフィナーレは速いパッセージの連続波状攻撃に痺れ気味。この小曲が見事な仕上がり。

Hob.I:26 Symphony No.26 "Lamentatione" 「ラメンタチオーネ」 [d] (before 1770)
アルバムタイトルもラメンタチオーネということで、メインとなる曲。予想通り1楽章はかなり速めのテンポで、仄暗さが勢いで吹き飛びそう。そう、このスリリングさがハイドンに生気を吹き込んでいるんですね。伴奏に回るヴァイオリンの音階が控え目ながらクッキリと浮かび上がる精緻なアンサンブル。そして波が繰り返し寄せてくるように盛り上がります。速いばかりではなく、フレーズの彫り込みの深さでこの1楽章の魅力を浮かび上がらせます。そして聴きどころのアダージョはこちらも予想通り抑えてきました。独特の雰囲気のあるメロディをあえて平板に表現することでアルカイックな印象が強まります。狭い音量さの中でも耳を澄ますとこのメロディー自体の美しさが心にじわりと沁みてきます。そしてメヌエットも前曲の覇気とは異なり八分のキレで優雅さを残し、最後に仄暗さのうっすらとした余韻を残す巧みな設計。

Hob.I:79 Symphony No.79 [F] (before 1784)
だいぶ時代は下って、朗らかな明るさを持った曲ですが、ただ朗らかに演奏するわけもなく、明るく屈託のないメロディにキレ味鋭い装飾を施してきます。パリセット直前の目立たぬ存在だったこの曲の面白さを再発見した気分。ワクワクするような見事な推進力をちりばめ、千変万化する表情を繰り出す手腕に魔法にかかったよう。転調しながら次々展開していく曲想を追いながらいつも通りハイドンのアイデアにも感心しきり。かなり大胆な音量コントロールが実に効果的。色彩感と躍動感が溢れる秀演。続くアダージョ・カンタービレはつぶやくようにトボトボとしたメロディーの面白さを強調するためかメロディを抑えて木管やホルンの柔らかい音色でアクセントを浮かび上がらせ、ヴァイオリンの繊細さを引き立てるコントラスト。後半のウン・ポコ・アレグロで弦のソリッドな音色が出てくることを想定した演出でしょう。3楽章のメヌエットはこれまでの曲で最も舞曲らしいもの。そしてフィナーレは実に軽やかな入り、と思った瞬間展開部に入ると牙を剥き、弦の表情の使い分けの多彩さを印象付けます。ハイドン自身もこれだけの表現の幅は想像できなかったでしょう。見事です。

Hob.I:30 Symphony No.30 "Alleluja" 「アレルヤ」 [C] (1765)
最後の曲。どの曲も新鮮に響きますが、このリズミカルなアレルヤの入り、古楽器の演奏は数あれど、このニュアンス豊かな表現は新時代のもの。楽器の音色で聞かせた初期の古楽器演奏とは異なり、古楽器の音色の幅を駆使して、色彩感も推進力もキレも伴い実に豊かなイメージを描いていきます。弦楽器の表現力は前曲同様。特に木管とホルンの巧みなコントロールは神業レベル。おまけに構成感も完璧で引き締まった1楽章。アンダンテは抑えた弦とクッキリと浮かび上がる木管などによるコントラストが再来。木管の響きの美しさ、とりわけフルートが見事な演奏。そしてフィナーレは比較的おおらかな響きで入りますが、徐々にキレを垣間見せ、語り口の巧さを見せつけます。最後はオーソドックスにまとめてきました。

ジョヴァンニ・アントニーニ指揮のバーゼル室内管によるハイドンの交響曲全集の第6巻。この巻も非常にレベルの高い仕上がり。アントニーニのキレ味鋭いコントロールと、多彩な表現力で時代をまたぐ4曲を巧みに料理して、どの曲も抜群に面白い出来。素晴らしい才能の持ち主ですね。このシリーズは冒頭にも書いたように、アートワークも装丁も素晴らしく所有欲を満たすもの。次の巻のリリースが待ち遠しいですね。もちろん評価は全曲[+++++]とします。



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tag : 交響曲3番 ラメンタチオーネ 交響曲79番 アレルヤ 古楽器

【新着】飯森範親/日本センチュリー響の交響曲集第4巻(ハイドン)

継続的に取り上げている日本センチュリー響のハイドンの交響曲集ですが、第4巻が発売されました。

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飯森範親(Norichika Iimori)指揮の日本センチュリー交響楽団の演奏で、ハイドンの交響曲7番「昼」、58番、19番、27番の4曲を収めたSACD。収録は27番以外が2016年6月27日、27番が2016年8月12日、大阪のいずみほホールでのライヴ。レーベルは日本のEXTON。

当ブログの読者の方なら既にご存知の通り、飯森範親が日本センチュリー響を振って取り組んでいるハイドン・マラソンというプロジェクトの第5回、第6回のコンサートで取り上げられた曲を収めたアルバム。

2018/03/26 : ハイドン–交響曲 : 【新着】飯森範親/日本センチュリー響の交響曲集第3巻(ハイドン)
2017/07/19 : ハイドン–交響曲 : 【新着】飯森範親/日本センチュリー響の交響曲集第2巻(ハイドン)
2016/11/19 : ハイドン–交響曲 : 【新着】飯森範親/日本センチュリー響の交響曲集第1巻(ハイドン)

このシリーズも第4巻となり、これまでのコンサートで取り上げてきた曲を網羅的にリリースし続けているところをみると商業的に全集化も視野に入ってきたかもしれませんね。直近で取り上げた第3巻に至って、演奏の質も高いレベルで揃えてきていますので、このプロジェクトにも勢いが感じられるようになってきました。

Hob.I:7 Symphony No.7 "Le midi" 「昼」 [C] (1761?)
これまでの巻同様、録音はSACDだけあって自然で鮮明なんですが、好みからいえばこのレーベル特有のHi-Fi調で人工的な感じが取れてくるとさらにいいですね。演奏はこれまで通り流麗、清透なもの。リズムに推進力があり、アンサンブルの精度は非常に高く、キリリと引き締まった見事なもの。この昼は、リリーズ済みの朝と並んで各パートのソロが各所に散りばめられていて、そのソロの活躍が聴きどころの一つですが、この録音ではソロをくっきりと浮かび上がらせるより、オケの一体感と重視したバランスで、ライブでの聴こえ方を忠実に再現したものでしょう。まさにゆったりと聴いていられる感じ。飯森範親の指揮は曲全体の流れをうまく保ちながら、ディティールを丁寧に描いていく感じで、ライヴの高揚感や迫力よりもセッション録音的な意識が強い感じ。この曲では2楽章のアダージョのヴァイオリンのソロを中心とした音楽の深みは見事ですね。響きは実に巧みにコントロールされ、オケの吹き上がりも見事。メヌエットの中間部のコントラバスのソロのコミカルな表情の面白さ、ホルンの響きなどもとろけるような美音もいいですね。終楽章も流麗なんですが、あと一歩表情にコントラストがつくといいですね。

Hob.I:58 Symphony No.58 [F] (before 1775)
シュトルム・ウント・ドラング期の均整のとれた構成の曲。1楽章から力が抜けてリラックスした演奏に癒されます。こういった曲は素直な演奏が似合います。適度な推進力とコントラストで描かれることで、ハイドンの美しい曲の魅力を堪能できます。それを知ってか、オケも実に楽しげに演奏していきます。特に3楽章のメヌエットのコミカルな表情の描き方と流麗さの絶妙なバランス感覚が見事。終楽章も力まずにハイドンの見事な筆致を再現。

Hob.I:19 Symphony No.19 [D] (before 1766)
3楽章構成のごく初期の曲。前曲に続き、こういったシンプルな曲の演出は非常に上手いですね。1楽章の愉悦感、2楽章の陰陽の交錯のデリケートな表現、3楽章のアクセントの効かせ方など、ハイドンの仕込んだ機知を上手く汲み取って、安心して聴いていられる演奏。

Hob.I:27 Symphony No.27 [G] (before 1766)
最後の曲ですが、流麗な入りにうっとり。オケも軽やかにリズムを刻み、次々と繰り出されるハイドンのアイデアをかなり装飾を加えて目眩くようような鮮やかさで片付けていきます。初期交響曲の魅力を見事に表現した演奏。1楽章の華やかさを鎮めるように、続く2楽章のアンダンテはシチリアーノという8分の6拍子の舞曲が弱音器付きの弦楽器で慈しむように演奏されます。終楽章は軽やかさを失わないように八分の力で流して終了。

4巻目に入ったハイドンマラソンシリーズのライヴ録音ですが、演奏も非常に安定してレベルの高いものが揃うようになってきました。表現に遊びが見られるようになって、ハイドンの交響曲の魅力を十全に表した内容になっています。このところファイやアントニーニによる前衛的な表現による全集の取り組みが続いており、このプロジェクトも現代楽器とはいえ、さらに踏み込んだ表現を世に問わなければ飽きられるのではないかとの危惧を持っていましたが、この現代楽器によるオーソドックスなアプローチの中でも演奏のレベルを揃えることで、新たな価値が問えるのではないかとの感触も生まれてきました。録音の方は第4巻ですが、実演はさらに進んでいますので、さらなる成熟を期待したいところですね。本巻の4曲、全曲[+++++]とします。



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【新着】ハンス・ロスバウトの交響曲集(ハイドン)

最近手に入れたヒストリカルなアルバム。しかも大物です!

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ハンス・ロスバウト(Hans Rosbaud)指揮のバーデン=バーデン南西ドイツ放送交響楽団(Südwestfunkorchester Baden-Baden)を指揮したハイドンの交響曲と協奏曲などの南西ドイツ放送の放送録音を7枚のCDにまとめたもの。もちろんレーベルはSWR CLASSIC。収録場所はバーデン=バーデン、南西ドイツ放送「ハンス・ロスバウト・スタジオ」でモノラル音源です。収録曲目と収録日は下記の通り。記載はCDへの収録順。

交響曲第12番(1961年6月22日)
交響曲第19番(1961年7月9日)
交響曲第48番「マリア・テレジア」(1961年7月8日)
交響曲第52番(1961年12月15日、16日)
交響曲第58番(1959年2月17日)
交響曲第65番(1959年2月16日)
交響曲第83番「めんどり」(1953年11月7日)
交響曲第87番(1952年6月23日)
交響曲第90番(1957年10月26日)
交響曲第93番(1958年12月19日)
交響曲第95番(1959年5月19日)
交響曲第96番(1954年6月25日)
交響曲第97番(1953年12月28日)
交響曲第99番(1952年6月27日)
交響曲第100番「軍隊」(1953年3月25日)
交響曲第102番(1953年3月25日)
交響曲第104番「ロンドン」(1952年6月27日)
チェロ協奏曲2番(1952年12月21日)
 チェロ:モーリス・ジャンドロン(Maurice Gendron)
トランペット協奏曲(1959年4月9日)
 トランペット:ヴァルター・グライスレ(Walter Gleissle)
ヴァイオリン、チェンバロと弦楽オーケストラのための協奏曲ヘ長調 Hob.XVIII:6(1959年2月18日)
 ヴァイオリン;スザンネ・ラウテンバッハー(Susanne Lautenbacher)、チェンバロ:エディト・ピヒト=アクセンフェルト(Edith Picht-Axenfeld)
ピアノ協奏曲 ニ長調 Hob.XVIII:11(1959年4月3日)
 ピアノ:マリア・ベルクマン(Maria Bergmann)
レオポルド・ホフマン(伝ハイドン):フルート協奏曲(1960年7月2日)
 フルート:クラフト=トーヴァルト・ディロー(Kraft-Thorwald Dillo)
交響曲第104番(1962年3月30日、31日)
交響曲第45番「告別」(1958年11月15日-19日)

ただし、最後の「告別」はオケはベルリンフィル、収録場所はベルリンのツェーレンドルフ(Zehlendorf)のプロテスタント教区教会での収録で、この曲のみステレオ収録です。

ハンス・ロスバウトの振るハイドンの交響曲は以前に1度取り上げています。

2013/09/02 : ハイドン–交響曲 : ハンス・ロスバウト/ベルリンフィルのオックスフォード、ロンドン(ハイドン)

これは1956年から57年にかけてベルリンフィルを振った演奏で、1955年にカラヤン体制となったベルリンフィルを見事にコントロールしまとめ上げる匠の技。そのロスバウトがこれほど多くのハイドンの交響曲の録音を残しているということで、リリースを知った時にはかなり驚きました。というよりはやく聴いてみたいということで、すぐに注文を入れそれが先日届いたという次第。ちなみにその驚きの大きさから、amazonに発注していたのうっかり忘れてTOWERにも注文を入れ、なんと手元に2組あります(苦笑)

早速所有盤リストに登録すべくデータを見てみると、交響曲は初期の12番からロンドンまで18曲も収録され、ロンドンは録音交響曲収録時期を見ると1952年から1962年までと、52年と62年の2種が含まれます。また告別のみベルリンフィルと1958年の収録で、先に取り上げたDGとのアルバムの収録の後に南西ドイツ放送の放送録音が残されたことになります。この辺りの経緯を想像すると、この南西ドイツ放送との素晴らしい放送録音がDGに現代音楽で知られるロスバウトにベルリンフィルでハイドンの交響曲集を録音させることを決断させたのではないかと思います。

到着してから色々聴いていますが、骨格のしっかりした演奏で、なおかつハイドンの曲の面白さをしっかりと踏まえた見事な演奏が並び、聴きごたえ充分。ハイドンの交響曲録音、特にドラティによる全集が完成する前の50年代から60年代の交響曲のまとまった録音としては、リステンパルトやアンセルメ、ビーチャムなどと並んで最も完成度が高い演奏であると思います。特にドイツ的なハイドンの面白さを非常によく表現しており、ビーチャムともリステンパルトともアンセルメとも異なる辛口の面白さを感じさせます。この頃の録音は他にも最近CDとしてリリースされたマックス・ゴバーマンとウィーン国立歌劇場管、nonesuchなどからリリースされているレスリー・ジョーンズとリトル・オーケストラ・オブ・ロンドン、アントニオ・アルメイダとハイドン協会管、デニス・ヴォーンとナポリ管など色々ありますが、しっかりと筋の通った演奏はロスバウトが一番です。

ちなみに、いつものペースでレビューするのと1月かかってしまいますので、聴きどころのいくつかの曲を取り上げます。

まずは、このセットの目玉であるベルリンフィルとのステレオ録音。

Hob.I:45 Symphony No.45 "Abschied" 「告別」 [f sharp] (1772)
1楽章は速めのテンポでしかもインテンポでの颯爽とした入り。畳み掛けるようにグイグイと攻めてきますが、決してバランスを崩すことなく秩序を保ちアクセントもくっきり。まさにこの曲の理想的な演奏。続くアダージョは弱音器付の弦楽器が奏でる穏やかなメロディーを淡々と重ねていきます。1楽章からの繋がりにも一貫性があって音楽が淀みなく流れます。静かな気配の中に流れる悲しげなメロディーの美しさが際立ちます。現代音楽を得意とするだけあって、この研ぎ澄まされた感覚は見事の一言。メヌエットも冷静な進行ながらジワリと情感が香る佳演、というかここまで雰囲気に溢れ美しさが滲み出るメヌエットは滅多にありません。聴きどころのフィナーレ、前半はあえてオケが少し乱れるほどに荒く入ります。ただし造形は必要十分に彫り込まれてスタイリッシュ。そして奏者が1人づつ去るアダージョは実に豊かなニュアンスを伴いながら楽器が少しずつ減っていく絶美の進行。最後のヴァイオリンの音が消えいる瞬間の美しさは例えようがありません。これは素晴らしい演奏です。

続いてちょい地味な90番。これが実に素晴らしい。

Hob.I:90 Symphony No.90 [C] (1788)
冒頭から冷静に引き締まったいい流れ。録音はモノラルながら非常に聴きやすく問題ありません。非常に紳士的な気品に溢れた演奏。テンポが落ちる前のジュリーニの演奏を少々ドイツ的にした感じといえばいいでしょうか。続くアンダンテは、これがまた慈愛に満ちた素晴らしい入り。しかも古びた印象は皆無。感傷的な印象も皆無。ゆったりと楔をうつような中間部の余裕も気品が感じられます。そしてあえて淡々としたフルートのソロも見事すぎる出来。メヌエットも気品に満ちたリズムのキレを聴かせます。そして終楽章は、ラトルが繰り返し取り上げていますが、エンディングを終わりそうで終わらないという演出のコミカルさでまとめるだけでなく、音楽の格調高さも感じさせる秀演。ここでもロスバウトの気品の高さが際立ちます。

そして特に気に入ったのが97番。

Hob.I:97 Symphony No.97 [C] (1792)
こちらもザロモンセットの中では比較的地味な曲ゆえ、ロスバウトの見通しのよい構成感と気品が絶妙にマッチする曲。少し足早な1楽章から、2楽章に入ると告別同様の素晴らしい雰囲気を堪能できます。こうした緩徐楽章のしなやかな起伏の表現は絶品。よく聴くとフレーズごとに丹念に表情が変化させる緻密なコントロールがなされていることがわかります。木管楽器の悲しげなハーモニーと全奏の慟哭のコントラストも見事。ハイドンの交響曲に込められた機知と変化を見事に表現しています。極上の音楽。メヌエットはこの曲では優雅で雄大。そしてトリオへのつながりのなんとさりげないこと。このセンスの良さはただならぬものがあります。そしてフィナーレはキレ良く軽やかにまとめます。軽快な吹き上がりとオケのバランスを保つ匠の技。

他の曲もいい演奏ばかりで聴きごたえ十分です。

ハンス・ロスバウトによるハイドンの交響曲集ですが、気負いなくハイドンの曲の面白さを見事に表現した名演揃い。1950年代から60年代という録音年代を考えると非常に垢抜けた演奏であり、現在我々が聴いても古さを感じさせるどころかハイドンの普遍的な魅力に迫る見事な演奏という評価が適正でしょう。レビューした3曲はいずれも[+++++]とします。他の曲もざっと聴いた感じでは[+++++]レベルの演奏が多く、少し癖を感じる演奏も混入しているというところ。ハイドンの交響曲がお好きな方は必聴のアルバムと言っていいでしょう。

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【新着】飯森範親/日本センチュリー響の交響曲集第3巻(ハイドン)

飯森範親と日本センチュリー交響楽団が取り組むハイドンマラソン。第3巻がリリースされました。

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飯森範親指揮の日本センチュリー交響楽団の演奏で、ハイドンの交響曲96番「奇跡」、18番、99番、30番「アレルヤ」の4曲を収めたSACD。収録は99番とアレルヤが2015年11月20日、その他2曲が2016年2月26日、大阪のいずみほホールでのライヴ。レーベルは日本のEXTON。

ハイドンマラソンと名付けられた日本センチュリー交響楽団のいずみ定期演奏会の第3回、第4回のコンサートのライブ収録。ハイドンの全交響曲を演奏するというプロジェクトの壮大さと、アルバムにはどこにも全集を目指すと書かれていないスリリングさ(笑)から注目を集める本シリーズも、無事第3巻までリリースにこぎつけました。もちろん当ブログはこれまでの2巻同様注目のプロジェクトゆえ、重大な関心を持って取り上げます。

2017/07/19 : ハイドン–交響曲 : 【新着】飯森範親/日本センチュリー響の交響曲集第2巻(ハイドン)
2016/11/19 : ハイドン–交響曲 : 【新着】飯森範親/日本センチュリー響の交響曲集第1巻(ハイドン)

そしてもちろん、当ブログの読者の皆さんにとっても関心は高かろうということで、その出来が気になるところでしょう。前2巻については、記事に書いた通り、手放しで賞賛したわけではありません。第1巻ではライブらしくはありますが、かなり力みを感じる演奏もあり、第2巻では肝心の時計が若干一本調子な印象がありました。そして注目の第3巻ですが、ここにきて、飯森範親と日本センチュリー響の精緻なコントロールが素直に楽しめる演奏を揃えてきました。ライヴ収録という面と全集の記録という両面からのバランスが取れてきたと言っていいでしょうか。

Hob.I:96 Symphony No.96 "The Miracle" 「奇跡」 [D] (1791)
比較的残響をたっぷりと残した録音。会場ノイズは全くといっていいほど聴こえません。演奏の方は肩の力が抜けて、このコミカルな交響曲のメロディーをキレ良く演奏することを楽しむような余裕があります。適度な推進力に乗って小気味好く吹け上がるオケが心地良いですね。一糸乱れぬオケの精度もなかなかのもの。
続くアンダンテもキビキビとした歩みを重視した引き締まった演奏。キビキビしたところと少し手綱を緩めるところ、そして全奏部分の対比の面白さを上手くまとめてきます。ハイドンの面白さをしっかりと踏まえた見事な構成。
さり気なく堂々とした響きの迫力を聴かせるメヌエット。トリオのオーボエのソロの愉悦感溢れる演奏も見事。
そして、この曲の最大の聴きどころであるミラクルなフィナーレ。オケはここぞとばかりに前のめりで攻めに入りますが、均整を保ちながらのキレ味充分なクライマックスは素晴らしい出来。拍手が来ないのが不思議なくらい。

Hob.I:18 Symphony No.18 [G] (before 1766)
打って変わってハイドンのごく初期の交響曲。理知的というか冷静にリズムを刻む面白さを味わえと言われているような曲。ヴァイオリンのフレージングが活き活きとしていてリズムの面白さが際立ちます。この曲でも実にリラックスしての演奏だとすぐにわかります。指揮者も奏者もハイドンのユーモラスな曲の演奏を楽しんでいるよう。
快活な2楽章はやはりキレ味充分。ヴァイオリンパートの鮮やかなボウイングにホルンのタンギンングの鮮やかさがワクワクするような音楽のキレをもたらします。これは見事。
終楽章のメヌエットも鮮度の高いキレ味を聴かせます。短調の中間部の可憐な美しさが音楽に深みをもたらします。両端部の鮮度の高さとの組み合わせがこれも見事。

Hob.I:99 Symphony No.99 [E flat] (1793)
とろけるような柔らかな音色を狙ってくる演奏が多い中、ざっくりとした響きをベースにオーボエが一際鮮やかに彩りを加える序奏。主題に入るとキビキビとしたリズムに乗って推進力は充分。非常に引き締まったいい響きに身をゆだねます。アクセントがしっかり効いているので立体感も見事な本格派の演奏。この曲をこれだけ引き締めた表現でまとめてくるとは思いませんでした。
美しいメロディーの宝庫たるアダージョでも感傷的になることなく、冷静にオーケストラをコントロールして音楽のフォルムの美しさを淡々と描いていきます。この楽章の穏やかな起伏を鮮明なライティングで見事な陰影をつけて描き切る匠の技。
メヌエットは俊敏なオケの反応を試すように吹き上がり、オケも俊敏な反応の聴かせどころとばかりに軽々と演奏。そしてフィナーレの最初はかなり抑えて入りますが、すぐに堂々としたピラミッドバランスのオケの迫力に圧倒されるようになります。最後にふっと力を抜いて余裕を見せて終わります。この曲も見事。

Hob.I:30 Symphony No.30 "Alleluja" 「アレルヤ」 [C] (1765)
最後に軽めの曲を持ってきました。18番同様、演奏するオケのメンバーがリラックスして弾いているのが良くわかる演奏。まさにハイドン初期の交響曲の見本のような愉悦感満点の楽しい指揮ぶり。美しいメロディーと美しい響きに包まれる幸せ。ここでも曲の美しさを信じて淡々とコントロールして、適度なメリハリと適度な起伏の面白さが充分に味わえる演奏に仕立てます。
中間楽章のアンダンテではキーになるメロディを即興的な装飾をちりばめながら繰り返していくことで実に楽しげな雰囲気を重ねていきます。終楽章は力をかなり抜いて流すように入りますが、次々と変化するメロディに合わせて表情を変える見事な技でまとめました。

飯森範親指揮の日本センチュリー交響楽団によるハイドンの交響曲集も第3巻になって、ようやく本領発揮といったところでしょう。やはりハイドンに力みは禁物。この巻に収録された4曲はどの曲もリラックスして曲の面白さを的確に捉えた名演奏。ハイドンの交響曲に仕込まれたユーモアや美しいメロディーをしっかりと拾ってイキイキと楽しくまとめ、しかもしっかりとメリハリがついたフォーマル感もある理想的な演奏と言っていいでしょう。これはこの先のリリースが楽しみになりましたね。評価は全曲[+++++]といたします。

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フォルカー・シュミット=ゲルテンバッハ/ポーランド室内管の悲しみ(ハイドン)

またまたお宝盤!

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フォルカー・シュミット=ゲルテンバッハ(Volker Schmidt-Gertenbach)指揮のポーランド室内管弦楽団(Polnisches Kammerorchester)によるハイドンの交響曲44番「悲しみ」、モーツァルトの交響曲29番、ホルストのセント・ポール組曲、エルガーの序奏とアレグロ、ブリテンのシンプル・シンフォニーの5曲を収めた2枚組のLP。収録は1991年6月15日、ドイツのエッセン近郊に建つヴィラ・ヒューゲル(Villa Hügel)でのライヴとあります。レーベルは独KRUPP。

このLP、最近オークションで仕入れました。もちろんハイドン目当てで入手したものですが、このアルバムの奏者を見たときにビビビと電気が走ったのは言うまでもありません。それは当ブログでかなり前に取り上げた名盤であるシュミット=ゲルテンバッバの悲しみが含まれているからに他なりません。

2011/01/16 : ハイドン–交響曲 : シュミット=ゲルテンバッハ/ワルシャワ・シンフォニアの悲しみ

ただし、以前に取り上げたアルバムはワルシャワ・シンフォニア(シンフォニア・ヴァルソヴィア)の演奏、今日取り上げるLPはポーランド室内管の演奏ということで、別の演奏だと思って入手してみると、共通して収録されている悲しみとモーツァルトの29番の演奏時間は完全に一致する上、ちょっと聴いてみると演奏も同一であることが判明。ゲルテンバッハの写る写真も同じ。

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オケの方はワルシャワ・シンフォニアはポーランド室内管が母体となるオケとのことで一件落着かと思いきや、録音についてはCDの方は1991年4月ポーランドのワルシャワ国立ラジオスタジオでのセッション録音とあり、LPの1991年6月15日ヴィラ・ヒューゲルでのライヴと日付は近いもののエッセンとワルシャワと全く異なるロケーションと不可解です。

LPの方は美麗な解説書がついており、エッセンのヴィラ・ヒューゲルという建物の歴史から奏者、曲の説明まで独、英、仏の3ヶ国語で記載されており、観客を入れてゲルテンバッハが指揮をしているコンサート当日の写真まで載せているので、このコンサートのライヴ録音であるという企画通りの仕立て。しかし録音を聴いてみると、ライヴの会場ノイズは全く聞こえず、音響処理でノイズを消しているというレベルではない感じ。しかもハイドンとモーツァルトはスタジオ収録という感じの音響なのに対し、ホルスト、エルガー、ブリテンの方はこのヴィラでの録音と思わせる残響を感じさせます。ということで、この不思議な状態はもともとこういうわけであろうと想像してみると、、、

このライヴのLPのリリースにあたり、写真をみるとオケが観客に囲まれるような距離だったので、収録された音は会場ノイズが目立ちすぎるため、コンサートで演奏した曲を観客抜きでコンサートの前か後に収録たものを音源とすることにした。加えてちょうど6月のコンサートの前の4月にハイドンとモーツァルトはワルシャワでの収録が終わっているのでその音源を使い、異なるオケながらメンバーがおそらくダブっている2つのオケなので良しとしたという経緯ではないかと思います。ということでハイドンとモーツァルトの演奏のデータはCDのデータが正しいのではないかと思います。まあ、完全な想像なので事実関係はわかりません。

こうなると、興味はCDとLPの音質の差。CDでも演奏の素晴らしさは存分に味わえましたが、そのLPが手に入ったということで、さらに鬼気迫るダイレクト感が味わえるはずです。実に久しぶりにCDを取り出して、シュミット=ゲルテンバッハの名演奏を味わい、やおらLPに針を落とします。

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Hob.I:44 Symphony No.44 "Trauer" 「悲しみ」 [e] (before 1772)
やはり響きの自然さはLPの方が一枚上。膨らみ気味の音像もLPは自然になります。1楽章のヴァイオリンの迫真のボウイングは見事。キレキレな上に全奏者が完全に揃って透明感すら感じさせます。シンフォニア・ヴァルソヴィアの弦楽セクション、特にヴァイオリンはベルリンフィル以上の精度。オケの一体感も絶妙。神がかっているとはこのことでしょう。LPはミントコンディションで極上な上DMMカッティングということでノーノイズ。シュミット=ゲルテンバッハの精緻なコントロールに完全に追随するシンフォニア・ヴァルソヴィアの驚愕の演奏が間近に迫ります。ついついヴォリュームを上げてこの名曲の名演奏を堪能。惜しむらくは、この演奏がスタジオ録音ということ。ヴィラ・ヒューゲルで収録されていたらさらに素晴らしかったでしょう。というのも、このアルバムに含まれる、ブリテンのシンプル・シンフォニーも超絶的演奏。精緻なピチカートは驚くべき精度でしかもヴィラの広々とした空間に自然に広がる余韻の美しさも絶妙なんですね。やはりLPの方が演奏の真髄に迫ることができました。

このLPからはリアルなライヴの音を聴くことができませんでしたが、この日のコンサートを聴いた観客は極上の空間での極上の演奏に酔いしれたことは想像に難くありません。ハイドンもモーツァルトもブリテンもエルガーも絶品。ホルストのセント・ポール組曲はアンコールとして演奏されたと記録されています。このアンコールを楽しんだ観客の心情を想像しながらこのLPを楽しみました。

もちろん悲しみの評価は[+++++]。いいアルバムを手に入れることができました。

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マリナー/アカデミー室内管の99番、102番(ハイドン)

今日は珍しいCD。

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サー・ネヴィル・マリナー(Sir Neville Marriner)指揮のアカデミー室内管弦楽団(Academy of St Martin in the Fields)の演奏で、ハイドンの交響曲99番、102番の2曲を収めたアルバム。収録は1990年10月、ロンドンのウォルサムストウ・アッセンブリーホールでのセッション録音。レーベルはPHILIPS。

このアルバムは私も最近までその存在を知らなかったもの。マリナーはPHILIPSにハイドンの交響曲を大量に録音していますが、代表的なものあ名前付き交響曲集としてLPならびにCDでリリースされているものと、パリ交響曲集の6曲。ちなみに名前付き交響曲集は手元のCDを確認すると1968年から1981年までの録音。そしてパリセットの方は1976年から1982年にかけての録音。

ちなみにPHILIPSレーベルのハイドンの交響曲録音にはもちろんコリン・デイヴィスがコンセルトヘボウ管を振ったザロモンセットやパリセットもあり、そちらは1975年から1981年にかけての録音。さらに1986年以降90年代はブリュッヘンと18世紀オーケストラによる録音が本格化し、こちらもザロモンセットやパリセット、加えて初期の交響曲まで録音されている状況なんですね。

このようにPHILIPSレーベルではマリナー以降も2人の名指揮者によるハイドンの交響曲のまとまった録音シリーズが進行していた中、一旦一区切りついていたマリナーのシリーズに、1990年に99番と102番が録音されているという、ちょっといわくありげな状況なわけです。このような流れの中で名前のない99番と102番というザロモンセットでも指折りの傑作交響曲が録音されたということは、おそらく直前のコンサートで取り上げた演奏が評判になったので録音されたというのが最もありそうな流れですね。

ということで、このアルバム、まずは所有盤リストに登録するためにCDプレイヤーにかけてみると、いつものマリナーとは異なり、いきなり渾身の響きが流れ出してきます。しかもオケの響きはコンセルトヘボウよりも味わい深さ! もちろんすぐに演奏に惹きつけられたのは言うまでもありません。

Hob.I:99 Symphony No.99 [E flat] (1793)
分厚くしなやかな序奏から惚れ惚れとする響きが広がります。まるでコンセルトヘボウでの録音のような響きの美しさ。しかも低音の厚みがあるピラミッドバランス! 主題に入るとここはマリナーらしい愉悦感が広がります。しなやかつ流麗なメロディーの美しさが最大限に活かされた演奏。徐々に力感も満ちてくると同時にイキイキとした推進力に満ち溢れます。ハイドンらしい古典の均衡を踏まえた見事な構成。展開部に差し掛かると曲想の変化をさらりとこなして、推進力はそのまま。このさりげないセンスもハイドンの演奏では非常に重要な要素。1楽章のあまりの完成度に驚きます。
続くアダージョはハイドンの美しいメロディーの見本帳のような楽章。ここでもさらりとした表情の中からジワリと湧き上がる暖かな音楽が絶品。オケの響きの美しさと録音の素晴らしさに圧倒されます。一貫して淀みなく流れる音楽。内声部が実に雄弁で何気に起伏がしっかりとついているので聴きごたえ充分。
メヌエットはオケの吹き上がりの良さを楽しむよう。パート間のバランスも音の溶け合いも完璧。これぞハイドンのメヌエット。トリオはそよ風が吹き抜けるように爽やかにこなし、再びオケが活躍してキレ味抜群な演奏で結びます。
ここまで完璧なオーケストラコントロールを聴かされると嫌が応にもフィナーレに期待が集まります。力むことなく実に軽快にオケがマリナーの指示に応えます。木管陣の軽やかさといったら並ではありません。終盤すっと力を抜くところのセンスも抜群。これぞ最上の演奏と言っていいでしょう。見事。

Hob.I:102 Symphony No.102 [B flat] (1794)
99番の出来の良さに惚れ惚れとしていたんですが、続く102番はそれを上回る素晴らしさ。力感の表現が図抜けています。冒頭から不気味な迫力に溢れ、序奏は見事な緊張感に包まれたまま進行します。徐々に力感を増していく件の素晴らしさは他に類を見ないほど。まさに白亜の大神殿が眼前に聳えているような迫力。1楽章だけでもこの曲の真髄をえぐるように押し寄せてきます。
この曲のアダージョも前曲同様美しいメロディーの宝庫です。表現の幅が広がり、奏者もリラックスしての演奏だけに、ゾーンに入って音楽に類希れな一体感が宿ります。メヌエットにも何かが宿ってこちらも類希れな迫力。あえて力を抜いて柔らかくまとめたトリオとの対比も見事。オケも絶好調。フィナーレはオケが指示を待つまでもなくどんどん展開しながらクライマックスに近づいていきます。低音弦の迫力に支えられながら、木管群が響きを乗せていき、最後までセンス良く遊び心を散りばめて終わります。

いやいや、これは素晴らしい。オーソドックスなハイドンの交響曲の演奏を極めた録音と言っていいでしょう。選曲も99番と102番と言うことで問題なし。もしかしたらマリナーは名前のないザロモンセットの録音をすることで、パリセットに続いてザロモンセットの完成を目指していたのかもしれません。このレベルの演奏が補完されればさぞかし素晴らしいザロモンセットが完成していたでしょうね。と言うことでこのアルバム、評価は両曲とも[+++++]を進呈です。未聴の方、是非聴いてみてください!

(参考:これまで取り上げたマリナーの演奏)
2012/10/26 : ハイドン–交響曲 : ネヴィル・マリナー/アカデミー室内管の「悲しみ」
2012/08/21 : ハイドン–交響曲 : マリナー/アカデミー室内管の86番
2011/08/10 : ハイドン–声楽曲 : 【お盆特番1】マリナー/ドレスデン・シュターツカペレのネルソンミサ
2011/04/24 : ハイドン–協奏曲 : バリー・タックウェル/マリナーのホルン協奏曲
2011/03/03 : ハイドン–協奏曲 : ハーデンベルガー、マリナー/ASMFのトランペット協奏曲
2011/02/27 : ハイドン–オラトリオ : フィッシャー=ディースカウフル登場、マリナー/ASMFの天地創造-2
2011/02/27 : ハイドン–オラトリオ : フィッシャー=ディースカウフル登場、マリナー/ASMFの天地創造
2010/12/06 : ハイドン–声楽曲 : マリナー/ドレスデン・シュターツカペレの戦時のミサ

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テーマ : クラシック
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tag : 交響曲99番 交響曲102番

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Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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ハイドン所有盤リスト
Joseph Haydn Discography at H. R. A.
所有盤をジャンル別にリスト化しています。基本的に録音年順とし、録音年不明のものは末尾に記載。演奏者名はジャケットなどの表記に合わせています。

2017年7月のデータ(2017年7月31日)
登録曲数:1,361曲 登録演奏数:10,291
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四季交響曲全集ベートーヴェンラヴェルリムスキー・コルサコフ弦楽四重奏曲Op.64日の出弦楽四重奏曲Op.76ピアノソナタXVI:44ピアノソナタXVI:21ピアノソナタXVI:45ピアノ三重奏曲第九太鼓連打ヒストリカルオックスフォード時計交響曲99番ボッケリーニシューベルトロンドンモーツァルト天地創造交響曲61番交響曲5番ピアノソナタXVI:46ストラヴィンスキーチャイコフスキーピアノソナタXVI:52ピアノソナタXVI:20チェロ協奏曲ピアノ協奏曲XVIII:11ライヴ弦楽四重奏曲Op.2序曲軍隊ヴィヴァルディバッハオペラ序曲パイジェッロアリア集皇帝ピアノとヴァイオリンのための協奏曲XVIII:6すみだトリフォニーホールピアノソナタXVI:34ピアノソナタXVI:49サントリーホールブーレーズ弦楽四重奏曲Op.71弦楽四重奏曲Op.74変わらぬまことチマローザ哲学者の魂、またはオルフェオとエウリディーチェ騎士オルランドアルミーダ無人島英語カンツォネッタ集ピアノ協奏曲XVIII:4ピアノ協奏曲XVIII:1ピアノ協奏曲XVIII:3弦楽四重奏曲Op.20交響曲79番交響曲3番古楽器ラメンタチオーネアレルヤ驚愕交響曲88番チェロ協奏曲1番交響曲58番交響曲27番交響曲19番アンダンテと変奏曲XVII:6ショスタコーヴィチ紀尾井ホールドビュッシーミューザ川崎オーボエ協奏曲LP協奏交響曲ヴァイオリンとヴィオラのためのソナタピアノソナタXVI:40ピアノソナタXVI:50ピアノソナタXVI:32ピアノソナタXVI:29ピアノソナタXVI:38スタバト・マーテルピアノソナタXVI:37ピアノソナタXVI:48ピアノソナタXVI:39マーラーブルックナー十字架上のキリストの最後の七つの言葉交響曲90番交響曲97番告別交響曲18番奇跡ひばりフルート三重奏曲悲しみ交響曲102番交響曲86番ヴァイオリン協奏曲哲学者ミサブレヴィスニコライミサ小オルガンミサ交響曲95番交響曲93番交響曲78番ピアノソナタXVI:23王妃武満徹ライヴ録音SACD交響曲81番交響曲80番マリア・テレジア交響曲21番クラヴィコード豚の去勢にゃ8人がかりBlu-ray東京オペラシティ交響曲10番交響曲12番交響曲9番交響曲11番交響曲15番交響曲2番交響曲4番交響曲37番交響曲1番弦楽四重奏曲Op.54ピアノソナタXVI:8ピアノソナタXVI:25ピアノソナタXVI:14ピアノソナタXVI:42ピアノソナタXVI:12ピアノソナタXVI:2ピアノソナタXVI:1ピアノソナタXVI:3ピアノソナタXVI:5ピアノソナタXVI:4ディヴェルティメントリヒャルト・シュトラウス東京芸術劇場交響曲98番ピアノソナタXVI:7ピアノソナタXVI:35ピアノソナタXVI:36ライヒャドニぜッティロッシーニ弦楽三重奏曲シェーンベルク東京文化会館フルート協奏曲ホルン協奏曲弦楽四重奏曲Op.17弦楽四重奏曲Op.9剃刀弦楽四重奏曲Op.77弦楽四重奏曲Op.103ピアノソナタXVI:31ピアノソナタXVI:26ファンタジアXVII:4アレグリタリスモンテヴェルディバードパレストリーナピアノソナタXVI:6美人奏者迂闊者交響曲70番アコーディオンピアノ協奏曲XVIII:7バリトン三重奏曲スコットランド歌曲ヴェルナーガスマン交響曲67番ピアノソナタXVI:24交響曲35番交響曲51番交響曲46番DVD交響曲47番テレジアミサピアノソナタXVI:28アリエッタと12の変奏XVII:3帝国ラ・ロクスラーヌハイドンのセレナードピアノソナタXVI:51五度ラルゴラウドン将軍弦楽四重奏曲Op.1弦楽四重奏曲Op.33騎士交響曲17番ピアノソナタXVI:27シベリウス時の移ろい交響曲42番ベルリンフィルホルン信号弦楽四重奏曲Op.55交響曲87番トランペット協奏曲ピアノソナタXVI:10リュートピアノ五重奏曲チェチーリアミサラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン東京国際フォーラム雌鶏交響曲39番冗談ナクソスのアリアンナピアノ協奏曲XVIII:5ピアノ協奏曲XVIII:9ヴァイオリンソナタ交響曲52番ピアノ協奏曲XVIII:2ロンドン・トリオドイツ国歌モテットオフェトリウムカノン弦楽四重奏曲Op.50よみうり大手町ホールパッヘルベルアダージョXVII:9受難パリセット交響曲84番ベルク主題と6つの変奏オペラアリアスクエアピアノピアノソナタXVI:41交響曲68番交響曲57番リラ・オルガニザータ協奏曲リーム交響曲89番交響曲50番偽作CD-Rトビアの帰還ホルン三重奏曲薬剤師オルガン協奏曲交響曲38番火事リベラ・メピアノ協奏曲XVIII:10交響曲34番交響曲77番温泉フルートソナタドイツ舞曲誕生日校長先生ピアノソナタXVI:11音楽時計曲ピアノソナタXVI:47bisピアノ小品カートリッジ雅楽プロコフィエフヘンデルサン=サーンス交響曲36番リストオーディオバリトン二重奏曲交響曲75番交響曲91番交響曲66番長岡鉄男歌舞伎おすすめ盤ピアノソナタXVI:47読売日響オペラ歌舞伎座スケルツァンド弦楽四重奏曲op.33ザルツブルク音楽祭変奏曲XVII:7ピアノソナタXVI:22天地創造ミサジャズネルソンミサ弦楽四重奏曲Op.42交響曲76番ピアノソナタXVI:43古楽器風東急文化村ノットゥルノヴェーベルン府中の森芸術劇場裏切られた誠実バリトン五重奏曲ハイドン入門者向け歌曲ピアノソナタXVI:G1ウィーンフィル月の世界交響曲72番建築ファリャマリアテレジア交響曲56番2つのホルンのための協奏曲展覧会ピアノソナタXVI:19弦楽四重奏曲全集シャンゼリゼ劇場皇帝讃歌交響曲24番大オルガンミサ新橋演舞場テ・デウムサルヴェ・レジーナカッサシオン室内楽曲ベトナム料理国立新美術館高音質CD交響曲28番交響曲13番交響曲107番交響曲108番交響曲62番ジプシー・ロンドチェンバロ四重奏曲スカルラッティ声楽曲カンタータ戦時のミサ珍盤ザロモンセットN響ハルモニーミサミサ曲全集NHKホールハインリッヒミサピアノソナタ全集ジュピターレコードマーキュリー管弦楽曲室内楽変奏曲XVII:5交響曲54番交響曲41番ギターピアノソナタXVI:33府中ピアノソナタXVI:30カラヤンスウェーリンク書籍交響曲65番交響曲71番アプラウスピアノソナタXVI:13魂の歌仙台ヤナーチェク現代音楽狩りピアノソナタ

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