【新着】絶品! トリオ・ヴァンダラーのピアノ三重奏曲集第2弾(ハイドン)

今日は新着アルバムです。

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トリオ・ヴァンダラー(Trio Wanderer)による、ハイドンのピアノ三重奏曲集の第2巻。収録曲目はHob.XV:14、XV:18、XV:21、XV:26、XV:31の5曲。収録は2017年1月19日から22日にかけて、ベルリンのテルデクス・スタジオ(Teldex Studio Berlin)でのセッション録音。レーベルはharmonia mundi。

トリオ・ヴァンダラーのピアノ三重奏曲は思い出のアルバム。ブログを書き始める前はボザール・トリオのアルバムなどを時折り漫然と聴くだけだったのが、ブログを書き始めてからは記事を書くためにしっかり聴くようになり、ピアノトリオも、このトリオ・ヴァンダラーのアルバムを聴いて、その真の素晴らしさに目覚めることになったという記念すべきアルバム。

2011/02/16 : ハイドン–声楽曲 : ホルツマイア/トリオ・ヴァンダラーのスコットランド歌曲
2011/02/12 : ハイドン–室内楽曲 : トリオ・ヴァンダラーのピアノ三重奏曲集

その、トリオ・ヴァンダラーのピアノ三重奏曲集を録音したのは2001年、そしてそのあとの歌曲集の伴奏を録音したのが2007年ということで、ハイドンのピアノトリオは16年ぶり、ハイドンの録音は10年ぶりということになります。この間メンバーは変わらず。

ヴァイオリン:ジャン=マルク・フィリップス・ヴァイジャベディアン(Jean-Marc Philips-Varjabédian)
チェロ:ラファエル・ピドゥ(Raphaël Pidoux)
ピアノ:ヴァンサン・コック(Vincent Coq)

ちなみに、聴き比べのために2001年録音の旧三重奏曲集をさらっと聴いてみたところ、やはり若々しい魅力があるものの、録音は最新のものの方が明らかに鮮度としなやかさがあるように聴こえますね。

Hob.XV:14 Piano Trio (Nr.27/op.61) [A flat] (before 1790)
鮮度抜群で美しい残響に包まれる見事な録音。以前の録音も悪くなかったんですが、ピアノの低音の厚みがあり、比べて聴くと解像力も段違い。そして演奏の方は流石に円熟を感じさせ、ハイドンのピアノトリオを余裕たっぷりに楽しんで弾いている様子がよくわかる演奏。冒頭から力が抜けて、おおらかなオーラに包まれるような演奏。しなやか、軽妙洒脱に自在なリズムで遊びまわるように弾き進むピアノにヴァイオリンとヴィオラも楽しげに寄り添う感じ。おおらかなだけではなく弱音部のデュナーミクの実に繊細なコントロールも行き届いて、極上の室内楽を楽しめます。火花散るような迫力ではないんですが、各奏者がお互いの演奏に耳を傾けて、非常に鋭敏な感覚でアンサンブルを構成し、結果として癒しを感じさせるような見事な一体感を感じさせます。
アダージョは言うまでもなく孤高のしなやかさ。ピアノのヴァンサン・コックのタッチのデリケートなニュアンスの深さに、ヴァイオリンとチェロも負けていません。そしてフィナーレはこれまでの充実感保ちながらも、徐々に力を抜いて冷ますように流します。

Hob.XV:18 Piano Trio (Nr.32/op.70-1) [A] (before 1794)
冒頭の鋭い和音に驚きますが、すぐにまろやかな音色のサンサンブルが戻ります。もはや安心して聴いていられる状態になりましたので、ハイドンの音楽に集中できます。宝石のように輝くピアノとしなやかなヴァイオリン、チェロが相俟ってゆったりとした音楽を紡ぎ出していきます。特徴的な3楽章の見事な軽やかさが印象的。最後はたたみかけるようにクライマックスを盛り上げて終わります。

Hob.XV:21 Piano Trio (Nr.35/op.71-1) [C] (before 1795)
穏やかなる入りに聴き惚れているところに、超軽快な主題が割り込んできて、以後は軽やかなる音楽が充満していきます。1楽章途中での転調の鮮やかさ、くっきりとメロディーが浮かび上がるところの見事さは変わらず。曲によって演奏スタイルを変えることはせず、すべて極上のアプローチ。フィナーレはコミカルさに少し振ってきました。

Hob.XV:26 Piano Trio (Nr.40/op.73-3) [f sharp] (1795)
足早な悲しみが深さを纏い、その雰囲気を色濃く残す入り。起伏が徐々に大きくなりながら冒頭のメロディーに戻ってくるところの推移は、明暗交錯して非常に面白い。2楽章は交響曲102番の緩徐楽章のメロディーですが、大抵の演奏のようにしなやかにまとめてこないところにハッとさせられます。その心は、フィナーレの落ち着かない感じにつなげる意図だったのでしょう。ここに来て少しコンセプチュアルなところが顔を出します。曲の構成を見抜いた見事な解釈。

Hob.XV:31 Piano Trio (Nr.41/op.101) [E flat] (1795)
最後になかなか深い曲を持って来ました。仄暗い入りから徐々にニュアンスが変化していく様子を実に丁寧に描いていきます。音楽の構成の複雑さを感じさせることなく、まるで車窓の景色が流れるように自然に聴かせて行くあたりにこのトリオの実力が垣間見えます。途中から入るヴァイオリンの高音の伸びやかなメロディーのなんと爽やかなこと。ピアノに代わって主導権を奪うほどの活躍。この曲は2楽章構成。最後の楽章は「ヤコブの夢」と呼ばれる難しい音階がある楽章。もちろんそんなことは感じさせずに、むしろスパッと終わるキレの良さを聴かせました。

いやいや、旧盤も素晴らしかったんですが、この新盤は期待を大きく上回る見事な演奏でした。旧盤の録音からの16年を経て演奏は熟成を重ね、極めてデリケートなレベルで互いの演奏を聴いて呼応し合う奇跡のようなアンサンブルでまとめてきました。すでに技術のレベルは通り越し、余裕を感じさせながらハイドンの音楽の真髄を見通して曲ごとに演奏を楽しんでいることがよくわかります。録音も極上。ピアノトリオの入門盤としてもおすすめです。絶品! 評価はもちろん全曲[+++++]とします。



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tag : ピアノ三重奏曲

奥村和雄、ハンス・デュソスヴァのヴァイオリンとヴィアオラのためのソナタ集(ハイドン)

今日はマイナー盤。

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奥村和雄(Kazuo Okumura)のヴァイオリン、ハンス・デュソスヴァ(Hans Dusoswa)のヴィオラで、ハイドンのヴァイオリンとヴィオラのためのソナタ6曲(Hob.VI:1、VI:2、VI:3、VI:4、VI:5、VI:6)を収めたアルバム。収録は1981年4月、収録場所は記載されていませんがセッション録音です。レーベルは蘭ETCETERA。

ハイドンのヴァイオリンとヴィオラのためのソナタ集は密かな名曲。弦楽四重奏曲という分野を確立したハイドンがヴァイオリンとヴィオラという音域も近いたった2台の楽器のために技巧を凝らして書いた非常に美しい曲で、6曲セットのそれぞれの曲が変化に富んだメロディーと構成をもつ素晴らしい曲なんですね。わたしはこの曲の録音は見つけるたびに手に入れているのですが、手元には6種のアルバムがあり、最近手に入れたこのアルバムで7種目。内3種についてはレビューしています。

2015/01/16 : ハイドン–室内楽曲 : ヴィルモシュ・ザバディ、ペーテル・バールショニのヴァイオリンとヴィオラのためのソナタ集(ハイドン)
2012/08/12 : ハイドン–室内楽曲 : アントン・シュテック/クリスティアン・グーセズによるヴァイオリンとヴィオラのためのソナタ集
2012/06/05 : ハイドン–室内楽曲 : デーネシュ・コヴァーチュ/ゲーザ・ネーメトによるヴァイオリンとヴィオラのためのソナタ集

今日取り上げるアルバムは、なんと日本人がヴァイオリンを弾いているもの。調べてみるとヴァイオリン奏者もヴィオラ奏者もコンセルトヘボウ管の奏者ということでした。
ヴァイオリンの奥村和雄は、現在活躍しているヴァイオリン奏者の奥村愛のお父さんとのこと。新潟に生まれ桐朋学園などで学んだのち1970年にオランダに渡り、ロッテルダムフィルのヴァイオリン奏者として活躍したのち1974年からはアムステルダムコンセルトヘボウ管弦楽団の首席ヴァイオリン奏者として活躍していたそうです。ウェブを色々調べてみると現在は桐朋学園の新潟教室で子供のためのヴァイオリン教室の講師などで健在のようです。
ヴィオラのハンス・デュソスヴァはライナーノーツによるとオランダのアルフェン・アン・デン・ライン(Alphen aan de Rijn)の生まれで、王立ハーグ音楽院でヴァイオリンを学んだのち、アムステルダムでヴィオラを学びます。その後オランダ室内管、ロッテルダムフィルをへてチューリッヒ・トーンハレ管でヴィオラ奏者を務めたのち、1975年からアムステルダムコンセルトヘボウ管のヴィオラ奏者となったとのことです。ネットで探してもデュソスヴァの情報はあまり出てきませんね。

コンセルトヘボウの奏者ということで、もちろん腕利きの2人によるハイドンのデュエットですが、これがまた素晴らしいんですね。

Hob.VI:1 Sonata for Violin and Viola No.1 [F] (c.1769)
いきなりヴァイオリンの艶やかな美しい響きに惹きつけられます。流石コンセルトヘボウの首席ヴァイオリン奏者ということで、ヴァイオリンとヴィオラは完全にヴァイオリン主導。おそらく楽器もヴァイオリンは良い楽器なんでしょう。決してヴィオラが悪いわけではないんですが、この奥村さんのヴァイオリンは見事の一言。快活な1楽章から穏やかなアダージョに入るとヴァイオリンの雄弁さがさらに際立ちます。ヴィオラは地道に伴奏に徹していて、それもヴァイオリンの孤高の響きを引き立てています。終楽章は2台の楽器の掛け合いの面白さでさらりとまとめてきます。

Hob.VI:2 Sonata for Violin and Viola No.2 [A] (c.1769)
曲ごとに曲想と構成がどんどん変化していく面白さがこの曲集の真骨頂。楽器の数が少ないからこそ、純粋にメロディーと構成の面白さが際立ちます。ヴィオラも徐々に雄弁になってきて、掛け合いの緊張感もグッと面白さのレベルが上がってきます。音量を上げるとまさに2人の奏者が目の前で鍔迫り合っているような迫力を味わえます。アダージョのメロディーはまさに天才的な閃きを感じるもの。くっきりとした表情に憂いが満ち溢れる至福のひととき。奥村さんのヴァイオリンはシゲティやグリュミオーよりも美しい音色に聴こえます。普段アンサンブルを組む仲だけに2人の息はピタリと合って完璧なアンサンブルですね。

Hob.VI:3 Sonata for Violin and Viola No.3 [B flat] (c.1769)
ホッとするような癒しに満ちたメロディーから入る3曲目。すぐに変奏を重ね始め、ヴァイオリンが高音域にシフトすると、別次元の艶やかさを纏って驚かせます。なんという素晴らしい展開。奏者の息遣いが聴こえてきそうなリアリティと愉悦感溢れる音楽にどっぷりと浸かります。この曲のアダージョは慈しみに満ちた落ち着いた音楽。そして軽妙な終楽章と構成も完璧。イキイキとした音楽が流れる快感に包まれます。

Hob.VI:4 Sonata for Violin and Viola No.4 [D] (c.1769)
2人が演奏を楽しんでいるのが録音を通じて伝わってきます。ヴァイオリンは楽器がよく響いて見事な響き。これだけ気持ちよく楽器が鳴ると弾く方も楽しいでしょうね。時折音階が高音に飛びますが、伸びやかな高音があまりに見事で惚れ惚れするほど。そしてその対比か、続く2楽章は切々たる音楽。2楽章もヴァイオリンの音域を広く使って音色も硬軟織り交ぜてきます。終楽章はコミカルに音階が進むかと思いきや大胆に変奏が進んで驚かせます。

Hob.VI:5 Sonata for Violin and Viola No.5 [E flat] (c.1769)
色々展開するのに耳が慣れているなか、さらにその上をいく変化球が来て驚かされます(笑) そして音量変化も大胆につけてきます。アダージョへの入りも自然極まりないもので、さらりと入ってきます。ヴィオラのシンプルなサポートが非常に重要な効果を挙げています。そしてオーソドックスな展開の終楽章は展開するうちに見事に発展して広がり、すっと弾いて終わります。

Hob.VI:6 Sonata for Violin and Viola No.6 [C] (c.1769)
最後の曲は今までの総決算として天の声を音楽にしたような突き抜けた想像力を感じさせます。奥村さんのヴァイオリンも神がかったようにさえずり続け、ヴィオラもヴァイオリンと完全にボウイングを揃えて入魂の演奏。アダージョは普通に考えられるメロディーから完全に崩れていながら見事な音楽に仕上がる天才的な組み立て。短い音楽ながら想像力の彼方で勝負している感じ。最後は晴朗な音楽で閉じるのがハイドン流。見事。

ハイドンの書いたヴァイオリンとヴィオラのためのソナタ集は好きな曲だけに、手に入る演奏は全て集めていますが、このアルバム、間違いなくこの曲集のベスト盤です。艶やかな美音を駆使しながらもヴァイオリンという楽器の音色の面白さをこれほどまでに感じさせ、しかも室内楽としてのアンサンブルの面白さも絶品。奥村さんの録音はこのアルバム以外には数枚あるだけのようですが、これほどの腕前とは思いませんでした。名門オケの首席ヴァイオリン奏者のみならず、ソリストとしても一流ですね。もちろん評価は[+++++]を進呈です。室内楽がお好きな方、手にはいるうちにどうぞ!

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ウォルフガング・シュルツ一家によるフルート三重奏曲集(ハイドン)

しばらく交響曲が多かったので、室内楽の名盤を取り上げることにしましょう。

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ウォルフガング・シュルツ(Wolfgang Schulz)のフルート、ゲルハルト・シュルツ(Gerhard Schulz)のヴァイオリン、ワルター・シュルツ(Walther Schulz)のチェロで、ハイドンのフルート三重奏曲6曲(Hob.IV:6、IV:7、IV:8、IV:9、IV:10、IV:11)などを収めたLP。LPはTELEFUNKENのハイドンエディションの第8巻としてリリースされている2枚組でこの他にフルート四重奏曲などが収められているもの。録音データはPマークが1978年と記載されているのみです。

ウォルフガング・シュルツは皆さまよくご存知、ウィーンフィルの首席フルート奏者として活躍した人。ウィーンフィルの様々な録音で色彩感溢れる豊穣な音色を聴かせてきました。また室内楽の演奏も数多く、ハイドンではこれまでに2度ほど演奏を取り上げています。

2015/09/28 : ハイドン–室内楽曲 : ランパル、シュルツ、オダンの「ロンドン・トリオ」(ハイドン)
2011/09/02 : ハイドン–協奏曲 : 【新着】ウォルフガング・シュルツによるリラ・オルガニザータ協奏曲

最初の記事を取り上げた頃はご存命だったんですが、2013年3月に亡くなられています。1970年にウィーンフィルに入団してから、2011年に退団するまで、首席フルート奏者として活躍し、多くの録音を残しています。ヴァイオリンのゲルハルト・シュルツはウォルフガングの兄でアルバンベルク四重奏団の第2ヴァイオリンとして有名な人。そしてチェロのワルター・シュルツはウォルフガングの弟でウィーン交響楽団の首席チェリスト。ちなみにこのLPの2枚目に収録されている四重奏でヴィオラを弾くのはウラ・シュルツ(Ulla Schulz)はウォルフガングの奥さん。ということでこのLPは完全な(笑)シュルツ一族での演奏です。

このLP、針を落とした途端に、深い深い響きに引き込まれます。

Hob.IV:6 Op.38-1 Trio für Violine (oder Flöte), Violine und Violincello Nr.1 [D] (1784)
1楽章は歌劇「月の世界」第二幕中の合唱から転用。ゆったりとしたテンポというかゆったりとした雰囲気の中、フルートの音色が幽玄に漂います。この雰囲気はフルートトリオというよりバリトントリオのような感じ。ウォルフガング・シュルツも家族での演奏ということで完璧にリラックスしての演奏。後年の華やかな音色を感じさせるものの、適度な豊かさと素晴らしく落ち着いた表現がこの曲の魅力を充分に表しています。LPのコンディションも良く深い響きを堪能。ヴァイオリンとチェロはさらりとフルートに寄り添っていますが、よく聴くと流石に見事な演奏。フルートに花を持たせる役に徹しています。

Hob.IV:7 Op.38-2 Trio für Violine (oder Flöte), Violine und Violincello Nr.2 [G] (1784)
この曲も歌劇「月の世界」第二幕中のフラミーナのアリアからの転用。出だしからフルートとヴァイオリンが見事に重なってメロディーを奏でるえもいわれぬ見事な雰囲気。この音楽をのんびりと楽しむ快感に包まれます。2楽章のアダージョのチェロが奏でるメロディーを聴くと絶妙なる強弱のコントロールによって精緻な音楽が作られていることがわかります。3つの楽章の構成と展開の面白さはハイドンならでは。3楽章ではヴァイオリンが活躍して聴かせどころを作ります。

Hob.IV:8 Op.38-3 Trio für Violine (oder Flöte), Violine und Violincello Nr.3 [C] (1784)
前2曲とは全く異なる入りにハッとします。フルートが鳥の鳴き声のようにさえずり、ヴァイオリンとヴィオラがそれに応えます。アンサンブルの聴かせどころの多様さは流石ハイドン。この面白さに目覚めるとハイドンの室内楽は宝物に聴こえるんですね。3楽章のユーモラスなチェロの呼びかけはその真骨頂。演奏していてもこれは楽しいでしょうね。奏者の微笑みが見えてくるような至福のひととき。

Hob.IV:9 Op.38-4 Trio für Violine (oder Flöte), Violine und Violincello Nr.4 [G] (1784)
この曲はバリトントリオの97番からの転用。バリトントリオでも最も有名な曲の一つなので聴いたことがある人も多いでしょう。バリトンの場合は途中でバリトンの開放弦が鳴らされる音が入るのですが、その音を思い浮かべながら聴き進めます。幽玄な雰囲気ながら、不思議とほのぼのとした感じもあり、独特の曲調が頭に残ります。原曲は7楽章構成ですが、そこから3楽章にまとめ直し、フィナーレは原曲と同じ。うまい編曲です。

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LPをひっくり返して続きを聴きます。

Hob.IV:10 Op.38-5 Trio für Violine (oder Flöte), Violine und Violincello Nr.5 [A] (1784)
グッと落ち着いた曲調に戻ります。聴き進むうちにこの6曲の中でも作曲技法が進歩しているよう。たった3本の楽器のでのアンサンブルですが、ハーモニーの豊かさはかなりのもの。2楽章は短調になり、音楽に深い陰影が伴います。その陰りを吹き払うような3楽章とこれまた見事な展開。

Hob.IV:11 Op.38-6 Trio für Violine (oder Flöte), Violine und Violincello Nr.6 [D] (1784)
この曲集の最後は、フルートが天真爛漫に高音のメロディーをきらびやかに吹抜きます。フルートという楽器の響きの美しさをしっかりと聴かせ、さらにこれでもかと展開して美音を印象づけます。シュルツの美音がハイドンの意図を代弁しているよう。続いてこの曲集で最も充実したアダージョ楽章。細切れに音を置いて行くことで深い詠嘆の感情が生まれます。そしてそれを完璧に拭い去るような明るい響きの3楽章。ヴァイオリンがジブシー風の音楽を奏でますが、これも歌劇「月の世界」の第二幕のバレエ音楽からの転用とのこと。

ここまでの6曲があっという間に流れます。シュルツ一家によるこのフルート三重奏曲集ですが、この曲集のオーソドックスな名演としておすすめしたいもの。ただし、さっと見た限り、CDもネット音源もない模様。これだけの名演盤が手に入らないということは大きな損失です。ちなみにLPの方は丹念に探せば出会えるでしょう。この曲にはACCENTの古楽器によるクイケン兄弟盤やGLOBEのシェーンブルン・アンサンブル盤などの名盤もありますが、曲自体の面白さはこのシュルツ盤に軍配が上がるでしょう。もちろん評価は[+++++]とします。

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ロンドン・ウィンド・ソロイスツのディヴェルティメント集(ハイドン)

勝手に室内楽の秋に突入しています(笑)

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ジャック・ブライマー(Jack Brymer)指揮のロンドン・ウィンド・ソロイスツ(London Wind Soloists)による、ハイドンの2本のオーボエ、2本のホルン、2本のバスーンのためのディヴェルティメント7曲(Hob.II:D23、II:15、II:3、II:D18、II:G8、II:23、II:7)を収めたLP。収録情報はPマークが1968年と記載されていますが、同音源からCD化されたTESTAMENTのアルバムには1967年9月17日〜20日、25日、27日〜29日、ロンドンのウエスト・ハムステッド・スタジオ(West Hampstead Studios, London)でのセッション録音との記載があります。レーベルは英DECCA。

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こちらは手元にある同内容を収めたTESTAMENTのCDです。収録曲は同一ですが、なぜか曲順が異なり、指揮者の表記はありません。こちらはまだ入手可能です。

このアルバムに収められている曲は、ハイドンが1760年ごろに書いた管楽のための6声のディヴェルティメントで、一部ハイドンが書いたものではないものが混じっています。楽器はオーボエ、ホルン、ファゴット各2本。1760年ごろといえば、ハイドンが20代の終盤。1759年にボヘミアのモルツィン伯爵に仕えはじめ、同年に交響曲1番を作曲し、その2年後の1761年にはアイゼンシュタットのエステルハージ侯爵の副楽長に就任するという、ハイドンの創作期のごく初期に当たります。後年の成熟した筆致は見られないものの、すでに楽器の音色に関する鋭敏な感覚や、展開の面白さは十分に感じられる作品群です。

演奏するロンドン・ウィンド・ソロイスツは、LPのプロデューサーだったエリック・スミスによるライナーノーツによると、当時エリック・スミスがグライドボーン歌劇場で聴いたモーツァルトのオペラのオーボエのフレーズが歌手の歌よりも心にしみると感じたことをきっかけに、モーツァルトの管楽作品を録音するために結成されたアンサンブル。メンバーはトーマス・ビーチャムが創設したロイヤルフィルの精鋭管楽奏者で構成され、このアルバムの指揮を担当したジャック・ブライマーがメンバーをまとめたとのこと。このメンバーによりモーツァルト、ベートーヴェンの管楽作品が録音され、それに続いてこのアルバムが録音されたと記されています。メンバーは次の通り。

オーボエ:テレンス・マクドナー(Terence Macdonagh)
オーボエ:ジェームズ・ブラウン(James Brown)
ホルン:アラン・シヴィル(Alan Civil)
ホルン:イアン・ハーパー(Ian Harper)
ファゴット:ロジャー・バーンスティングル(Roger Birnstingl)
ファゴット:ロナルド・ウォーラー(Ronald Waller)

演奏を聴くと、ビーチャムの振るハイドンの交響曲同様、中庸のバランスを保つ味わい深い響きが流れます。

Hob.II:D23 Divertimento [D] (1757/60) (Forgery 偽作)
いきなりハイドンの作でない曲から入ります。録音年代当時は真贋を判断できる状況ではなかったものと推定されます。アレグロ・ディ・モルト、メヌエット、ポロネーズ、プレストの4楽章構成。録音はDECCAだけに鮮明。TestamentのCDも悪くありません。管楽六重奏ということで主に高音のメロディーがオーボエ、リズムをファゴット、そしてホルンが響きを華やかにする役割。ハイドンの作といわれてもわからない明確な構成と美しいメロディーが特徴の曲。そう言われて聴くとちょっと展開が凡庸な気もしなくはありません。まずは耳慣らし。

Hob.II:15 Divertimento [F] (1760)
これはハイドンの真作。プレスト、メヌエット、アダージョ、メヌエット、プレストとハイドンのディヴェルティメントの典型的な構成。明るく伸びやかな1楽章のメロディーから、ほのぼのとしたメヌエットに移る絶妙な感じ、これぞハイドンでしょう。音数は少ないもののメロディーの美しさは見事。そしてアダージョのホルンのなんという伸びやかさ。演奏の方も管楽器の音色の深みを存分に活かした素晴らしいもの。2つ目のメヌエットはその伸びやかさをさらりとかわす涼風のように入ります。楽器が少ないからこそ各パートのデュナーミクの微妙なコントロールの見事さがよく分かります。そしてフィナーレの軽やかな躍動感。奏者の鮮やかなテクニックを楽しみます。

Hob.II:3 Divertimento (Parthia) [F] (1958?)
アレグロ、メヌエット、アンダンテ、メヌエット、プレストの5楽章構成。入りのリズムのキレの良さ印象的。メヌエットの中間部に漂う異国情緒のような雰囲気が独特な曲。そしてアンダンテの中間部にもその余韻が感じられるユニークなメロディー。曲ごとに全く印象が変わりながら、しっかりとまとまっているのはハイドンの真骨頂。このような初期の曲からその特徴が見られます。2つのメヌエットのくっきりとした構成感が印象的。そしてフィナーレはホルンの超絶技巧が仕込まれていました。ホルン奏者はことも無げにこなします。これは見事。

Hob.II:D18 Divertimento (Cassatio/Parthia) [D] (1757/60)
アレグロ、スケルツォ、メヌエット、アダージョ、メヌエット、アレグロの6楽章構成。ファゴットの刻む軽快なリズムに乗って、オーボエが滑らかに、ホルンがくっきりとメロディーを乗せていきます。短いスケルツォを挟んで、なぜか旅情を感じるようなメランコリックなメヌエットの美しいメロディーに移ります。メヌエットの中間部はファゴットの印象的なメロディーが繰り返されます。どうしてこのようなメロディーのアイデアが湧いて来るのかわかりませんが、独創的な構成。そしてあまりに見事なアダージョに入ります。管楽合奏の美しさを極めた絶美の音楽。ハーモニーの美しさにノックアウト。メヌエットできりりと引き締めて、フィナーレは一瞬で終わりますが、見事に曲を結ぶ傑作でしょう。

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Hob.deest(II:G9,II:G8) Divertimento [G] (1760)
LPをひっくり返して5曲目。LPもCDもHob.II:G8との表記ですが、他のアルバムではdeestと記載され、大宮真琴さんの新版ハイドンではII:G9と記載されています。アレグロ、メヌエット、アンダンテ、メヌエット、プレストの5楽章構成。1楽章は落ち着いた曲調で入ります。しなやかなメロデぃーに沿ってホルンが心地よく響くのが印象的。1楽章の曲想を踏まえたメヌエットでは、中間部に入るとファゴットが音階を刻みながらハモってメロディーを重ねるのがユニーク。3楽章はアダージョではなくアンダンテ。それでもゆったりとしたハーモニーを聴かせながら流します。2つ目のメヌエットを経て音階を駆使したフィナーレで曲を閉じます。

Hob.II:23 Divertimento (Parthia) [F] (1760?)
アレグロ、メヌエット、アダージョ、メヌエット、プレストという典型的な構成。優雅な入りからリズミカルな展開が軽快な曲。ホルンとオーボエのメロディーがシンプルながら実に心地よく絡み合います。メヌエットメロディーの展開の面白さはアイデアに富んでいてディヴェルティメントならでは。そしてまたしても管楽器が絶妙に重なり合って美しい響きを作っていくアダージョ。それを受けるようにゆったりと入るメヌエット。フィナーレはポストホルンのようにホルンが活躍し、各パートが絡み合ってくっきりとしたメロディーを描いていくところは流石ハイドン。

Hob.II:7 Divertimento (Feld-Parthie) [C] (1757/60)
最後の曲。この曲もアレグロ、メヌエット、アダージョ、メヌエット、プレストという典型的な構成。冒頭のメロディーをキーにリズミカルに展開していく音楽。楽器ごとの響きの対比をそこここに配置して響きの違いに耳を向けさせます。同じ構成なのにいつも通り全く異なるアイデアで曲を作っていきます。メヌエットも一筋縄では行かず、どうしてこのようなメロディーを思いつくのかと唸るばかり。このアルバムを通じてメヌエットの構成の面白さは格別のものがあります。型にはまりつつもその中での崩しというか変化の面白さを追求する大人の世界。そしてまたまた美しさに磨きがかかったアダージョに引き込まれます。2つ目のメヌエットの中間部も驚きの展開。そしてアルバムの終結にふさわしい壮麗なフィナーレで曲を結びます。

弦楽四重奏曲やピアノトリオなどに比べるとぐっと地味なディヴェルティメントで、しかも管楽六重奏とさらにマイナーな曲ながら、ハイドンの創意のオリジンに出会えるような見事な曲を収めたアルバム。聴けば聴くほど味わいを感じる見事な演奏です。奏者の腕も素晴らしいのに加えて、実に音楽性豊かな演奏で、ハイドンの曲を楽しむことができます。幸いCD化もされていますので、この演奏を非常にいいコンディションで楽しむことができます。ハイドンの室内楽の面白さの詰まった名盤と言っていいでしょう。評価は全曲[+++++]
とします。

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tag : ヒストリカル ディヴェルティメント

トン・コープマンのクラヴィーア四重奏曲集(ハイドン)

東京もめっきり涼しくなってきたので、涼やかな響きを楽しめる室内楽のアルバムを取り上げます。

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トン・コープマン(Ton Koopman)のハープシコード、ラインハルト・ゲーベル(Reinhard Goebel)、アルダ・ストゥーロプ(Alda Stuurop)のヴァイオリン、チャールズ・メドラム(Charles Medram)のチェロで、ハイドンのクラヴィーア四重奏曲6曲(Hob.XIV:12、XIV:3、XVIII:F2、XIV:8、XIV:9、XIV:4)を収めたLP。収録年はLPには記載がありませんが、同じ音源を収めたと思われるCDも手元にあり、Pマークは1980年、82年と記載があります。レーベルは蘭PHILIPS。

このLPは最近手に入れたものですが、同音源を含む下のCDはかなり前から手元にあります。

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こちらのCDは上のLPにクラヴィーア協奏曲なども加えた2枚組の廉価盤です。こちらも廃盤のようですが、amazonではまだ入手可能のようです。これまでコープマンについて取り上げた記事は下記の通り。

2016/06/23 : コンサートレポート : トン・コープマン オルガン・リサイタル(ミューザ川崎)
2011/03/12 : 徒然 : 追悼:アヴェ・ヴェルム・コルプス
2011/01/14 : ハイドン–協奏曲 : 【新着】コープマン3度目のオルガン協奏曲
2010/09/23 : ハイドン–交響曲 : 新着! コープマンの97、98番

コープマンはハイドンの録音を色々残していますが、97番、98番の記事にも書きましたが、交響曲の録音はなんとなくイマイチで、モーツァルトの交響曲のキレの良さと比べると、ちょっと聴き劣りするもの。そんな中ででもオルガン協奏曲やクラヴィーア協奏曲の古い録音はなかなかいいんですね。今日取り上げるアルバムもコープマンの面目躍如。才気迸るとはこのことでしょう。

共演者のラインハルト・ゲーベルは1952年生まれてムジカ・アンティクァ・ケルンの創設者。アルダ・ストゥーロプの情報は見つかりませんでしたが、ハイドンの録音ではリチェルカール・コンソートのバリトン八重奏曲のアルバムやエステルハージ四重奏団のメンバーとして録音を残すなどで知られた人。チェロのチャールズ・メドラムは1949年、トリニダード・トバゴ出身でモーリス・ジャンドロン、ニコラウス・アーノンクールに師事した人と、古楽器の名手揃い。

収録されている曲は元はディヴェルティメントやコンチェルティーノ(小協奏曲)などと呼ばれていますが、編成はハープシコードにヴァイオリン2、チェロということで、ピアノ四重奏曲、あるいはクラヴィーア四重奏曲というのがわかりやすいでしょう。ピアノ三重奏曲が晩年の作品が多いのに比べ四重奏の方は1760年代と若い頃の作品が多いのが特徴でしょう。

Hob.XIV:12 Concertino [C] (c.1760)
いきなり鮮明な響きにつつまれます。コープマンのハープシコードの音色がくっきりと浮かび上がり、その周りにヴァイオリンとチェロがこちらもくっきり定位。LPのコンディションも最高。流石PHILIPSでしょう。この演奏、LPもいいんですが、CDの方も廉価盤であるにもかかわらず素晴らしい録音が堪能できます。同じPHILIPSのDUOシリーズのコリン・デイヴィスの交響曲集がLPとは異なる鈍い響きで失望させられたのに比べると雲泥の仕上がり。曲の構成は3楽章構成でアレグロ、アダージョ、アレグロ。初期の作品らしくシンプルでメロディーも明快。テンポは揺らさずキリリと引き締まった音楽が流れます。特にアダージョのメロディーラインの美しさが印象的。

Hob.XIV:3 Divertimento [C]
この曲もまるで練習曲のように屈託のないシンプルさ。アレグロ・モデラート、メヌエット、アレグロ・ディ・モルト。非常に短い曲ですがハイドンの作品らしく構成は明快。3楽章には足を踏み鳴らすような音が入り、ハイドンの遊び心に呼応します。

Hob.XVIII:F2 Concertino [F] (c.1760)
ホーボーケン番号では協奏曲に分類される曲ですが、今はクラヴィーア四重奏の仲間と見做されています。モデラート、アダージョ、アレグロ・アッサイの3楽章。作曲年代は前2曲と変わらないためか、前2曲と変わらぬ構成感ですが、音階の美しさや、構成の変化の付け方にだんだん磨きがかかってきたようにも思えます。演奏の方もヴァイオリンがかなり踏み込んだアクセントをつけて、アンサンブルの緊張感も上がります。

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LPをひっくり返して後半3曲。

Hob.XIV:8 Divertimento [C] (c.1768/72)
アレグロ・モデラート、メヌエット、フィナーレの3楽章。いつもながらハイドンの曲の書き分けの巧みさには驚くばかり。1楽章ではリズムをためる面白さを強調しますが、何も仕込みがないところの鮮やかなタッチがあってこそ、このリズムの変化が面白く聞こえます。ハイドンが仕込んだネタをしっかりと汲み取って、しっかりと響かせます。所々で短調の響きが交錯する面白さを拾います。4人は軽々と演奏しているようですが、こうした演奏のポイントをしっかり踏まえていきます。

Hob.XIV:9 Divertimento [F] (before 1767)
アレグロ、メヌエット、アレグロ・モルト。冒頭からコミカルなリズムが弾みます。演奏の方も愉悦感たっぷりにハイドンの書いたリズムを汲み取っていきます。もはや曲に没入しての演奏ですが、推進力は徐々に上がってアンサンブルの呼吸もピタリと揃います。細かいリズムの変化がパート間でしっかりと受け継がれる快感が味わえます。

Hob.XIV:4 Divertimento [C] (1764)
あっと言う間に最後の曲。アレグロ・モデラート、メヌエット、フィナーレの3楽章構成、最後だからか心なしか落ち着いて演奏しているように聞こえます。コープマンはリズムを自在に動かしてフレーズの終わりをなぜか今までの曲よりしっかりと間を取り、一歩一歩踏みしめながら歩いていくような足取り。ヴァイオリンもそれに合わせてメリハリをしっかりとつけます。これはオリジナルのLPの曲の配置だからわかることでしょう。

トン・コープマンの若き日のハイドンのクラヴィーア四重奏曲集の録音。それぞれの曲はやはり若書きゆえ深みがあるとは言えませんが、それでもハイドンならではの構成の面白さは満喫できます。そしてこのアルバムのポイントはコープマンの自在なハープシコードさばきに加えて弦楽器の3人の端正な演奏が生み出す、室内楽の面白さが詰まったアンサンブル。古楽器ならではの繊細な響きから、クッキリとした音楽が浮かび上がる快感。CDでもこの面白さは味わえますが、LPになると鮮明な定位と実体感ある響きの力強さで、さらに楽しめます。評価は全曲[+++++]といたします。

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tag : 古楽器 ディヴェルティメント

絶品! グラーフ/スタルク/デーラーによるフルート三重奏曲集(ハイドン)

今日は室内楽のLP。宝物がまた1枚増えました。

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ペーター=ルーカス・グラーフ(Peter-Lukas Graf)のフルート、クロード・スタルク(Claude Starck)のチェロ、ヨルグ・エヴァルト・デーラー(Jörg Ewald Dähler)のフォルテピアノで、ハイドンのフルート三重奏曲3曲(Hob.XV:16、XV:17、XV:15)を収めたLP。収録に関する情報は記載されていませんが、隣接するレコード番号のLPが1984年リリースとありますので、LPの状態も勘案して1980年代中盤の録音と想像しています。レーベルはclaves。

ハイドンのフルート三重奏曲はピアノトリオのヴァイオリンパートをフルートの華やかな音色で置き換えたもので、この曲の出版当時からフルート版の楽譜も出版されていたとのことでフルートでの演奏も多くなっているとのこと。これまでもかなりのアルバムを取り上げています。

2016/08/26 : ハイドン–室内楽曲 : ムジカ・ドメスティカのフルート三重奏曲集(ハイドン)
2016/06/21 : ハイドン–室内楽曲 : ラ・ガイア・シエンツァによるフルート三重奏曲と室内楽版「驚愕」(ハイドン)
2015/08/28 : ハイドン–室内楽曲 : 【新着】クイケン兄弟によるフルート三重奏曲集(ハイドン)
2015/02/21 : ハイドン–室内楽曲 : トーケ・ルン・クリスチャンセンのフルート三重奏曲(ハイドン)
2012/05/27 : ハイドン–室内楽曲 : ディター・フルーリーによるフルート三重奏曲

この録音が1980年代中頃の録音だとすれば、手元のアルバムでは古楽器による最も古い録音ということになります。

奏者のペーター=ルーカス・グラーフは有名なフルート奏者ゆえご存知の方も多いでしょう。1929年チューリッヒ生まれ。チェロのクロード・スタルクは1928年ストラスブール生まれ。フォルテピアノのヨルグ・エヴァルト・デーラーは1933年ベルン生まれと、録音当時50代の名奏者揃い。

Hob.XV:16 Piano Trio (Nr.28/op.59-1) [D] (before 1790)
LPのコンディションは最高。針を落とすと鮮明な響きが飛び出してきます。フォルテピアノのデーラーが刻む速めの一定したリズムに乗ってフルートのグラーフがきりりと引き締まったメロディーを重ねていきます。古楽器によるオーソドックスな演奏と思いきや、実に豊かなニュアンスを帯びた演奏にすぐに引き込まれます。フルートのリズムが冴えまくって超鮮明に曲を描いていきます。
続く2楽章は絶品。静寂にとぼとぼと刻まれるフォルテピアノのリズムに乗って幽玄なフルートの音色が響き渡ります。フォルテピアノの左手の刻むリズムと、右手の奏でるメロディーも絶美。デーラーも只者ではありませんね。チェロも含めてリズム感が良いので音楽が淀みなく流れます。
そのよさが活きるのが終楽章。くっきりとメロディーが浮かび上がり、ハイドン独特の絡み合うメロディーの面白さが際立ちます。思った以上にフォルテピアノが雄弁なのが効いています。

Hob.XV:17 Piano Trio (Nr.30/op.59-3) [F] (before 1790)
一転して軽やかなタッチのフォルテピアノの入り。リズムよりも流れの良さを感じさせます。相変わらずグラーフのフルートの音色は深みのある美しいもの。曲に合わせてか、両者ともリラックスした入り。中盤から印象的な慟哭が続きますが音色の硬軟を織り交ぜながら進みます。この曲ではタッチの変化を聴かせどころに持ってきました。

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ここでLPをひっくり返して2楽章へ。宝石のような響きの流れに身をまかせる快感に浸ります。一貫したリズムの流れの瞬間瞬間の情感のデリケートな変化が繰り返されるうちに至福の境地へ。最後は静寂に吸い込まれて終わります。

Hob.XV:15 Piano Trio (Nr.29/op.59-2) [G] (before 1790)
再び鮮明なリズムに乗った快活なメロディーへ。この曲の明るさと翳りが繰り返される美しさは筆舌に尽くしがたいもの。それをグラーフの見事なフルートとデーラーの表情豊かなフォルテピアノで鮮やかに演奏され、曲の美しさが完璧に表現されます。何気にチェロのスタルクもキレ味鋭く、2人に負けていません。世の中にこれほど美しい曲があるのでしょうか。そしてあまりに見事な演奏に言葉を失うほど。この曲の真髄に迫ります。
1楽章のあまりの完成度にのけぞっていたところに癒しに満ちたフォルテピアノの音色が沁み入ります。グラーフのフルートは素晴らしい音量と伸びやかさで孤高の境地。広い空間に響き渡るフルートの響き。これほど美しいフルートの音色は初めてです。
終楽章は前2楽章の素晴らしさの余韻の中、メロディーの戯れを楽しむような演奏。この軽さというか自在さはこれまでの妙技の数々をこなしてきたからこその境地でしょう。

絶品です! これまで取り上げてきたフルート三重奏曲はいずれも素晴らしい演奏でしたが、このアルバムはそれを超えるもの。この曲集の決定盤としていいでしょう。グラーフのフルートがこれほど素晴らしいものだと改めて認識しました。そしてデーラーのフォルテピアノも絶品。また曲の並びも作曲順ではXV:16、15、17ですが、このアルバムでは16、17、15の順で収録されており、LPのカッティングの都合で2楽章の17を真ん中に置いたものとは思いますが、そのおかげでXV:15の見事な演奏が最後に配置され、アルバムの完成度を上げる結果につながっています。特にこのXV:15の素晴らしさは心に刻まれました。評価はもちろん全曲[+++++]といたします。

世の中はお盆で帰省ラッシュですが、このお休みはのんびり過ごそうと思います。

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tag : フルート三重奏曲 LP 古楽器

ドイツ弦楽三重奏団のソナタ集(ハイドン)

8月最初のレビューは、涼風を感じるような演奏。久々にCDです(笑)

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ドイツ弦楽三重奏団(Deutsches Streichtrio)による、ハイドンのピアノソナタの編曲の弦楽三重奏曲3曲(Hob.XVI:40、XVI:41、XVI:42)と現在はミヒャエル・ハイドンの作と判明している弦楽三重奏曲(Hob.V:Es1)、ハイドンのディヴェルティメント(Hob.V:8)の5曲を収めたCD。収録情報はPマークが1981年とだけ記載されています。レーベルは独INTERCORD。

このアルバム、当ブログにいつも含蓄に富んだコメントをいただくSkunJPさんから、かなり前にいただいたもの。レビュー候補の棚に置いたまま結構な時間が経ってしまいました。最近改めて聴き直してみると、これがなかなかの演奏だったんですね。というわけで結構時間が経った今、タイムマシン的に取り上げます(笑)

奏者のドイツ弦楽三重奏団ははじめて聴きます。1972年にシュツットガルトで設立されたアンサンブル。メンバーは下記の通り。

ヴァイオリン:ハンス・カラフース(Hans Kalafusz)
ヴィオラ:クリスチャン・ヘドリッヒ(Christian Hedrich)
チェロ:ライナー・ギンツェル(Reiner Ginzel)

ヴァイオリンのハンス・カラフースは1940年オランダ生まれのヴァイオリニスト。チェロのライナー・ギンツェルはミュンヘン音楽演劇大学で教鞭をとる人というくらいの情報しかわかりませんでした。

このアルバムに収録されている弦楽三重奏曲の3曲は元はピアノソナタを原曲としたもの。この3曲については以前に一度グリュミオーらの演奏を取り上げたことがあります。

2012/08/29 : ハイドン–室内楽曲 : 【新着】グリュミオー三重奏団のピアノソナタ編曲集

Hob.XVI:40 Piano Sonata No.54 [G] (c.1783)
ピアノソナタでおなじみの穏やかなメロディーですが、こうして弦楽三重奏で演奏されても全く違和感のない見事な編曲。原曲のピアノソナタ自体はニコラウス・エステルハージII世侯の妻、マリア妃のために書かれたものですが、編曲はハイドン自身によるものか、出版を担当したホフマイスターによるものか判明していないとのこと。出だしは3人のバランスの良いオーソドックスなアンサンブルに聴こえましたが、曲が進むにつれてハンス・カラフースの弾くメロディーがくっきりと浮かび上がってきて、徐々にそのテクニックと美音が明らかになります。ヴィオラとチェロが伴奏に徹する中、赤熱してくるメロディー。演奏から別格のオーラが立ち上ります。
この曲集は3曲とも2楽章構成。2楽章のプレストは軽やかな弓さばきを聴かせながらも美音をチラつかせる巧みな演奏。速い音階のキレっぷりは見事。ピアノではキレを聴かせるように感じないところですが、ヴァイオリンで弾くと鮮やかな音階にうっとり。いやいや見事です。

Hob.XVI:41 Piano Sonata No.55 [B] (c.1783)
2曲目は冒頭からカラフースのヴァイオリンが抜群の存在感。ドイツらしい気骨と華美になりすぎないヴァイオリンの美音がカラフースの特徴でしょうか。楽器が良いのか、実に図太く深いに音色を繰り出します。ピアノでの演奏以上にメロディーの美しさが際立つ素晴らしい演奏。1楽章はカラフースの独壇場。ヴィオラとチェロも一歩下がって、慎み深くアンサンブルを支えます。
この曲でも2楽章のボウイングは見事。何気にヴィオラが影のようにヴァイオリンにピタリと寄り添い、チェロは少し離れて自在なところを聴かせてこの曲のコミカルな印象を垣間見せます。アンサンブルの完成度は非常に高く、表現が考えつくされていますね。

Hob.XVI:42 Piano Sonata No.56 [D] (c.1783)
録音の雰囲気が少し変わって、鮮明になります。この曲もピアノの印象が強いんですが、弦楽合奏で聴くと、この版がオリジナルと言われても疑いようがないくらいよくまとまっています。ヴァイオリンの奏でるメロディーはピアノよりもメロディーの美しさ、翳りの両面を描けるところが強み。曲が進むとチェロがこれまでにない活躍ぶりで、グッと前に出てきます。時折りうっとりするような美音を聴かせるところをみると、チェロも相当の腕の持ち主と見ました。クァルテットより楽器が少ないことからハーモニーよりもメロディーをくっきりと描くのに向いた編成なんでしょう。
美音の後は軽快なボウイングの妙技に酔いしれます。カラフースのボウイングは冴えまくって変幻自在。短い曲ですがあっという間にクライマックスに到達!

続くミヒャエル・ハイドンの曲は少し雰囲気が変わって、ヴァイオリンの美音よりも穏やかなアンサンブルを楽しめと言われているようにゆっくりと進みます。ハイドンほどのヒラメキを感じることはありませんが、これはこれでいい曲でしょう。

Hob.V:8 No.8 Divertimento for 2 Violins and Violoncello [Es] (1765)
一転、穏やかな入り。アダージョ、メヌエット、フィナーレの3楽章構成。前3曲のピアノソナタよりもだいぶ前に書かれたものなので、曲の起伏も比較にならないほど簡単。ただしこのディヴェルティメント自体が、演奏して楽しむような用途の作品ですので、これが本来の姿なのかもしれません。この曲では作品を鑑賞するというよりは、演奏しているような気になりながら聴くのがふさわしいでしょう。1楽章は次々と展開する変奏が聴きどころ。2楽章のメヌエットは後年の自在な筆致の萌芽は見られませんが、中間部がいきなり突き抜けるのがハイドンらしいところ。素朴なメロディーの美しさが聴きどころ。そしてフィナーレではハイドンのユニークなメロディーメーカーとしての才能がすでに開花。よくぞこのメロディーを思いついたと唸るばかりの進行。アンサンブルは力を抜いて演奏を楽しむように弾いてゆくので、こちらも非常にリラックスして聴くことができました。

ドイツ弦楽三重奏団によるハイドンのピアノソナタを原曲とする曲集。見事な編曲により、原曲以上にメロディーの美しさが感じられ、新たな発見がありました。演奏はヴァイオリンのハンス・カラフースの妙技が聴きどころ。ヴァイオリンはグリュミオーに劣るどころか、グリュミオーとは異なる輝きを放つ素晴らしいもの。アンサンブルの精度も素晴らしく、聴きごたえ十分でした。評価は最後の曲が[++++]、それ以外のピアノソナタを原曲とする3曲は[+++++]とします。クァルテットもいいものですが、トリオもいいですね〜。

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tag : 弦楽三重奏曲 ディヴェルティメント

ザロモン弦楽四重奏団らの室内楽版ロンドン、軍隊(ハイドン)

先日素晴らしい演奏を取り上げたザロモン弦楽四重奏団ですが、偶然ディスクユニオン店頭でこのアルバムを見つけてゲットしました。

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TOWER RECORDS(この演奏が含まれる全集CD) / amazon(CD) / ローチケHMVicon(この演奏が含まれる全集CD)

ザロモン弦楽四重奏団(The Salomon String Quartet)、リサ・ベズノシウク(Lisa Beznosiuk)のフルート、クリストファー・ホグウッド(Christpher Hogwood)のフォルテピアノによる、ハイドンの交響曲104番「ロンドン」、100番「軍隊」のザロモンによる室内楽への編曲版の演奏を収めたLP。収録は1982年11月、ロンドン北東部のウッドフォード教区教会(Woodford Parish Church)でのセッション録音。レーベルは英EDITION DE L'OISEAU-LYRE。

L'OISEAU-LYREのLPは裏面の文字のタイポグラフィーも含めて装丁が美しいのでコレクション意欲を満たしますね。私がL'OISEAU-LYREのLPを初めて手に入れたのは予備校生時代にかつて代々木にあったジュピターレコードでのこと。店頭のレコードラックを物色しているとL'OISEAU-LYREとかベルギーのACCENTのアルバムは特別なオーラを放っていました。あれからかれこれ35年くらい経ちます。このLPも偶然出会ったものですが、状態の良いジャケットからはかつて感じたオーラが出ていました。

ザロモン弦楽四重奏団の演奏は取り上げたばかりですね。

2017/06/26 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : ザロモン弦楽四重奏団の剃刀、ひばり(ハイドン)
2011/10/29 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : ザロモン四重奏団のOp.74のNo.2、騎士

前記事にも書きましたが、hyperionからリリースされているシリーズよりも、その前に録音されたL'OISEAU-LYREの演奏の方がいい演奏です。剃刀、ひばりを収めたLPの収録は、今日取り上げるLPと同じ1982年11月で、録音会場も同じ。ということでほぼ同時期の収録ゆえその演奏にも期待できますね。

収録曲目であるペーター・ザロモン(Peter Salomon)編曲の室内楽版交響曲については、以前取り上げたアルバムの記事をご参照ください。

2016/01/31 : ハイドン–交響曲 : アルコ・バレーノによる室内楽版「時計」、99番、「ロンドン」(ハイドン)

このアルコ・バレーノの演奏も素晴らしかったのですが、名手ヤープ・シュレーダー率いるザロモン弦楽四重奏団にホグウッドまで加わったメンバーによる演奏が悪かろうわけもありませんね。このLP、コンディションも最高。針を落とすと予想通り鮮烈な響きが広がりました。

Hob.I:104 Symphony No.104 "London" 「ロンドン」 [D] (1795)
有名なロンドンの序奏ですが、もちろん室内楽版ゆえ重厚な響きとはいきません。LPは万全なコンディションなのでノイズは皆無。LPに刻まれたクリアな響きによって丁寧に描かれるメロディーの面白さ際立ちます。主題に入ると推進力が漲り、グイグイと引っ張っていきます。脳内では大オーケストラのこの曲の響きを想像しながらの鑑賞でしたが、徐々にこの室内楽版の面白さに気づき、スケール感よりもメロディーの起伏とパート間のメロディーのつなぎに耳が集中してきます。演奏は変わらすグイグイと進みもう大オーケストラの演奏以上に迫力を感じさせます。極上のアンサンブルによりまさにロンドンの大オーケストラの響きが脳内に浮かび上がります。迫力は音量にあらず。室内楽版とはいえ素晴らしい盛り上がりに圧倒されます。
続くアンダンテは室内楽版らしくメロディーラインがクッキリと浮かび上がり、本来のオーケストラ版よりも楽しめる感じ。これもヤープ・シュレーダーのヴァイオリンとホグウッドのフォルテピアノ、そしてリサ・ベズノシウクのフルートの冴えによるもの。特にフルートが加わることでオーケストラの音色を想像しやすくなっていますね。
メヌエットは迫力ではオケ版にはかないませんが、絶妙なテンポ感とリズムのキレで十分聴かせます。アンダンテ同様、各パートの絡みはオケ版よりもはっきり認識できるので、音楽の面白さはこちらに軍配が上がります。
フィナーレも絶妙な入り。耳が慣れてきたせいか、迫力も十分なものに聴こえてきました。速めのテンポで鮮やかにまとめ、聞き進むうちに大迫力に聞こえてきました。それだけ演奏に生気が宿っています。最後は大いに盛り上がって終了。

Hob.I:100 Symphony No.100 "Military" 「軍隊」 [G] (1793/4)
もちろん、軍隊の方も悪かろうはずもなく、針を落とすとロンドン同様、緻密で丁寧な序奏に惹きつけられます。主題に入ると実に鮮烈な響きが繰り出され、快速テンポでグイグイ進みます。異様にキレの良いリズムが推進力の源になり、独特な構成の1楽章をまとめていきます。ロンドン以上にキレの良い演奏で、この曲の陶酔感までを表現しきります。
軍隊の行進のアンダンテはもちろん打楽器なしですが、脳内で打楽器群が盛大に鳴っているように聴こえるのが不思議なところ。演奏の方も雄大さを表すようにあえてゆったり進んでいるのがそう感じさせるのでしょう。最後のクライマックスもトランペットも打楽器もないのに素晴らしい迫力を感じさせるのが見事。神業ですね。これはすごい。
メヌエットはその迫力の余韻をさらりと消し去るように軽快そのもの。楽章ごとの演奏スタイルもよく考えられて、楽章間の変化をしっかりつけてきます。
そして聴きどころのフィナーレはキリリとメリハリを効かせてフレーズごとに表情をしっかりつけ、推進力も十分。ハイドンの見事なフィナーレの構成をオケ版以上にクッキリと描ききり、迫力も十分。そして最後の頂点は打楽器もないのにスリリングにパンチアウト! 見事としか言いようがありません。

この演奏を聴いて、ようやくザロモン版のこの編曲の真価がわかりました。当時ロンドンではハイドンは熱狂的に迎えられたと聞きます。そのハイドンの音楽を室内楽で演奏して楽しむというニーズはよくわかります。そしてこの演奏を聴くと、あたかもハイドンの交響曲が演奏されているような錯覚に陥るほどの素晴らしい演奏。室内楽版の交響曲の演奏はこれまでに数種のアルバムがリリースされていますが、この演奏は室内楽版の交響曲のベストと言っていいでしょう。今まで聴いていなかったのはたまたまですが、ようやくこの素晴らしさがわかりました。LPのみならず、CD化もされており、直近ではホグウッド、ブリュッヘン、ダントーネらによる古楽器の交響曲全集にも含まれていることから入手も難しくありません。ハイドンファンなら一度は聴いておくべき名盤だと思います。もちろん評価は両曲とも[+++++]といたします。

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tag : ロンドン 軍隊 古楽器

アンサンブル・オブ・ザ・クラシック・エラのピアノ三重奏曲など(ハイドン)

久々のピアノトリオですね。

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TOWER RECORDS / amazon(mp3) / ローチケHMVicon

アンサンブル・オブ・ザ・クラシック・エラ(Ensemble of the Classic Era)の演奏で、ハイドンのピアノ三重奏曲(Hob.XV:14、XV:12)、交響曲92番「オックスフォード」(ヤン・ラディスラフ・ドゥシークによるフォルテピアノとヴァイオリンのための編曲版)、交響曲96番「奇跡」と94番「驚愕」(ヨハン・ペーターザロモンによるピアノ三重奏のための編曲版)、ピアノ三重奏曲(XV:18)の6曲を収めたアルバム。収録はオックスフォードまでの3曲が1998年9月21日から25日、残り3曲が1995年10月31日から11月4日、いずれもオーストラリアのメルボルンにあるオーストラリア放送サウスバンクセンターのイワキ・オーディトリウムでのセッション録音。レーベルはオーストラリア放送のABC Classics。

これまでも何度か取り上げたことのある、珍しいオーストラリアの奏者のハイドン。今日取り上げるアルバムはもちろん、珍しいからばかりではなく、なかなかいい演奏ということで取り上げました。オーストラリアの奏者によるオーストラリアでの録音は下の2つくらいでしょうか。

2014/02/24 : ハイドン–協奏曲 : オーストラリア・ソロイスツのヴァイオリン協奏曲(ハイドン)
2011/06/24 : ハイドン–声楽曲 : ジェーン・エドワーズの歌曲集

その他、オーストラリア出身の音楽家の演奏でこれまで取り上げたことがあるのはホルンのバリー・タックウェル、ソプラノのジョーン・サザーランド、指揮者のデニス・ヴォーン、ヴァイオリンのエリザベス・ウォルフィッシュといったところ。ヨーロッパから見るとアジア以上に辺境感のあるオーストラリアでもハイドンの音楽の素晴らしさは変わらないということでしょう。

さて、このアルバムの演奏を担当するアンサンブル・オブ・ザ・クラシック・エラのメンバーは下記の3人。

ヴァイオリン:ポール・ライト(Paul Wright)
チェロ:スーザン・ブレイク(Susan Blake)
フォルテピアノ:ジェフリー・ランカスター(Geoffrey Lancaster)

フォルテピアノのジェフリー・ランカスターは上にリンクを掲載したジェーン・エドワーズの歌曲集の伴奏をしている他、フォルテピアノによるハイドンのソナタ全集を3巻までリリースしており、ハイドンには格別のこだわりがありそうな人。

いつものように略歴を調べてみると、ジェフリー・ランカスターは1954年シドニー生まれの鍵盤奏者、指揮者。キャンベラ音楽学校、シドニー音楽院、タスマニア大学などで音楽を学び、1984年に渡欧してアムステルダム音楽院、王立ハーグ音楽院でフォルテピアノを学び、1996年からはロンドンの王立音楽大学で教職に着きました。奏者としてはハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンなどをレパートリーとしてオーストラリアや欧米のオケとソリスト、指揮者として共演を重ねているそう。
ヴァイオリンのポール・ライトはアデレード生まれ、チェロのスーザン・ブレイクもシドニー音楽院出身といずれもオーストラリアの人ですね。

ということで、オーストラリア人トリオによる演奏を聴いてみましょう。

Hob.XV:14 Piano Trio (Nr.27/op.61) [A flat] (before 1790)
実に優雅な入り。基本に忠実にゆったりと楽器を鳴らした丁寧な演奏。やはりジェフリー・ランカスターのフォルテピアノがリードしてヴァイオリンとチェロが寄り添う形。奏者の純粋な心境を表すような無垢な優しさを感じる演奏。訥々と語りかけるようなタッチで音楽が進みます。録音は鮮度十分で、しかも響きは柔らかくふくよか。古楽器の美しい響きが見事に録られていますね。ヴァイオリンのポール・ライトは何気に美音を轟かせます。そして何より弱音の扱いがデリケートで上手いのが聴きごたえに繋がっています。
続く2楽章ではさらにリラックスして至福の境地。テクニックを極めた円熟の演奏という感じではなく、大自然の素朴さを音楽にしたような朗らかさを感じるのが不思議なところ。中間部のフォルテピアノの音色を変えて弦楽器のピチカートが華を添えるところの美しさは絶品。
そしてフィナーレはそれまでがしっとりとした音楽だったからこそ、しなやかな躍動感が映えて聴こえます。室内楽の聴かせどころ踏まえた構成に唸ります。一貫して柔らかな古楽器の音色による素朴な演奏。最後は転調の面白さ、リズムの変化の面白さ、弱音の美しさを存分に聴かせて曲を結びます。

Hob.XV:12 Piano Trio (Nr.25/op.57-2) [e] (1788)
短調の名曲。聴きなれた入りも、ダイナミックすぎず、力まず、さらりと入るあたりにこのトリオの巧さを感じます。込み入ったアンサンブルに聴こえますがいい意味で軽くこなしていくようなスタイルが深刻さを感じさせず、音楽の美しさを浮き彫りにしているようです。やはりジェフリー・ランカスターの軽やかなタッチがそう聴かせているよう。
続くアンダンテでも、そのタッチが音楽の軽やかさを創っていきます。ヴァイオリンはピチカートでフォルテピアノを引き立てたかと思うと、すぐに寄り添って響きに厚みをもたらします。かと思うと今度はフォルテピアノが静かにヴァイオリンとチェロを支える役に転じるという構成の面白さ。
終楽章は爽やかな入りから流れるようにしなやかに盛り上がり、畳み掛けるような迫力を何度か聴かせて、最後はテンポを落としたり楽器の表現力の限りを尽くした見事な終結。これも見事です。

このあと、オックスフォードをヴァイオリンとフォルテピアノの2台で、奇跡と驚愕をフォルテピアノトリオで聴かせますが、他の室内楽版よりも原曲のスケール感を表現しようとする意欲に満ちたなかなかの演奏。これはまた別の機会に取り上げましょう。

Hob.XV:18 Piano Trio (Nr.32/op.70-1) [A] (before 1794)
アルバムの最後に置かれた曲。このアルバムに収められたピアノトリオの中では録音が3年ほど古いもの。響きも前2曲とは異なり、シャープで鮮明さが勝った録音。前2曲が自然で柔らかな響きの魅力に溢れていたのに対し、こちらは一般的な古楽器の録音に近くちょっと鋭角的な響き。その分ジェフリー・ランカスターの演奏もゆったりとした余裕のある感じとはちょっと異なって聴こえます。もちろん録音ばかりではなく演奏自体も少し硬く精緻な印象。やはりハイドンの演奏は自然な演奏の方がしっくりきますね。ただ、聴き進んでいくうちにジェフリー・ランカスターの音色の変化や表現力は変わらず魅力的であることに気づきます。録音によって演奏が引き立つかどうかはアルバムでも重要であることがわかります。
2楽章では逆に精緻な印象が凛とした美しさに繋がっており、耳が慣れてきたのか演奏に集中できるようになります。そして3楽章はノリの良いメロディーをヴァイオリンのポール・ライトがくっきりと浮かび上がらせる見事な演奏。ここにきてヴァイオリンが主導権をしっかりと握り、覇気溢れる演奏。素晴らしい迫力ばかりではなく力を抜いたところとの対比で聴かせるところもあり、ここにきてこのトリオのテクニックを印象付けます。いやいや素晴らしい。

アンサンブル・オブ・ザ・クラシック・エラというオーストラリアのトリオによるハイドンのピアノ三重奏曲。2曲目までは自然な響きの魅力で聴かせる演奏でしたが、最後の曲でキリリと引き締まった迫力を聴かせて、表現力を印象付けました。やはりジェフリー・ランカスターのフォルテピアノの多彩な表現がこの団体の魅力ですが、ヴァイオリン、チェロもそれにピタリと合わせて一糸乱れぬ快演。かれこれ20年以上前の録音ですが古さは全く感じさせず、また欧米の一級の演奏に劣るようなところも全くありません。評価は3曲とも[+++++]とします。室内楽好きな人には一聴をお勧めいたします。

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【新着】フィンランド・バリトン三重奏団のバリトントリオ(ハイドン)

久々のバリトントリオの新譜です。しかも演奏も録音も素晴らしいもの。これは当ブログで取り上げないわけには参りません。

FinnishBarytonTrio.jpg
TOWER RECORDS / amazon / ローチケHMVicon

フィンランド・バリトン三重奏団(The Finnish Baryton Trio)による、ハイドンのバリトン三重奏曲5曲(Hob.XI:63、XI:87、XI:32、XI:66、XI:97)を収めたSACD。収録は2008年2月28日から3月1日まで、フィンランド東部のアルヴァー・アアルトの教会で有名なイマトラ(Imatra)にあるコンサートホール(Konserttihovi of Imatra)でのセッション録音。レーベルはSIBARECORDSという、SIBELIUS ACADEMYの自主制作レーベル。

アルバムタイトルは"The Private Preasure of Prince Esterházy"とあり、「エステルハージ侯の密かな楽しみ」とでも訳すのでしょうか、バリトントリオという曲の本質をとらえたタイトルからただならない感じがしていました。ただし本当にただならないのは、このアルバムの奏者が時代も距離もかなり隔てた現代のフィンランドの奏者によって演奏されてるという点。

ご存知のとおり、バリトン三重奏曲はエステルハージ家の当主であるニコラウス侯の時代に仕えていたハイドンが、ニコラウス侯の命により大量に作曲したもの。またバリトンという楽器を使った曲も、ハイドンの作品の他にはニコラウス侯の命により他の一部の作曲家が書いたもの以外はあまり知られていません。そのただでさえ珍しい超ローカルなバリトンの曲を、独墺系ではなく、ヨーロッパの辺境である超ローカルなフィンランドの団体が録音しているというところにこのアルバムの不思議な立ち位置があるわけです。

奏者のフィンランド・バリトン三重奏団ですが、メンバーは下記のとおり。

バリトン:マルクス・クイッカ (Markus Kuikka)
ヴィオラ:マルクス・サラントラ (Markus Sarantola)
チェロ:ユッシ・セッパネン (Jussi Seppänen)

団体の設立は2002年と比較的最近で、主にフィンランドにてハイドンのバリトン三重奏曲をコンサートや放送のために演奏しているとのこと。バリトンのマルクス・クイッカ、ヴィオラのマルクス・サラントラはシベリウス・アカデミーの出身者、チェロのユッシ・セッパネンはフィンランド中部のタンペレ音楽院からややりシベリウス・アカデミーに移っており、全員シベリウス・アカデミー出身者ということになります。マルクス・クイッカはもともとヴィオールやバロックチェロを学び、またフィンランド北部のクオピオ交響楽団の首席チェロ奏者を30年近くに渡って務めてきた人ですが、バリトンの演奏に興味をもち、2009年にシベリウスアカデミーでバリトンの研究課程を卒業し、その後はヘルシンキを拠点としたフリーランスになっているとのこと。このアルバムがシベリウス・アカデミーでの成果ということでしょう。

このアルバムを聴いてまず特筆すべきなのは録音の良さ。SACDということで精緻かつ自然な響きなのはもちろん、収録会場であるイマトラのコンサートホールは写真でみると小規模な響きの良さそうなホールで、このホールの響きの良さが活かされている感じ。アルバムの収録場所を調べるときは、必ずネットで場所やホールのようすを調べるようにしていますが、ただでさえ田舎なイマトラのさらに街のはずれの森の中に1軒だけ建つ建物だけに周囲は静かな環境。スイスのラ・ショード・フォンのムジカ・テアトル同様、適度な大きさで響きが良さそうな室内楽の収録には最適な環境です。

そして肝心の演奏もバリトントリオの幽玄さを静寂感が支配するようなもの。フィンランドの自然を想起させる演奏といえばいいでしょうか。
 
Hob.XI:63 Divertimento a tre per il pariton, viola e violincello : Baryton Trio [D] (1767-68)
いきなりあまりに美しい響きに鳥肌がたつよう。バリトントリオの演奏は不可思議な開放弦の響きが加わりますが、意外に躍動感を感じる演奏も多いもの。このフィンランド・バリトン三重奏団の演奏は、穏やかで精緻さを保ちながら訥々と演奏していき、特に消え入るような弱音の表現が精緻な録音で録られており、ホールに消え入る響きの美しさが際立ちます。この訥々とした感じ、いい意味でアマチュアの演奏のような感じがニコラウス侯とハイドンらだけで演奏を楽しむような雰囲気を感じさせます。聴いているうちにホールで実際に演奏を聴いているように感じるほど録音は秀逸。少し遠くで演奏を楽しむような雰囲気です。
曲はアダージョ、アレグロ、メヌエットの3楽章構成。もちろんハイドンらしい機知に満ちていて、特にメヌエットの面白さは出色。

Hob.XI:87 Divertimento a tre per il pariton, viola e violincello : Baryton Trio [a] (before 1772?, 69-71)
シュトルム・ウント・ドラング期の作曲らしく、この時期の曲に多く見られる仄暗さが沁みる曲。淡々と落ち着いた演奏からしっとりと情感が満ちてきます。アダージョ、アレグロ・ディ・モルト、メヌエットの3楽章構成。一貫して表現を抑え気味に進めますが単調な印象は皆無。かえって曲自体の美しさがくっきりと浮かび上がります。微視的ではなく大きな起伏を穏やかに表現することで、曲の魅力が際立ちます。曲自体は激しい印象がある2楽章は禁欲的に感じるほど冷静に進めていきます。この楽章もこの控えめな表現によって曲に深みが加わります。そして終楽章のメヌエットは落ち着いたリズムの魅力に気付かされます。聴かせどころをリズムに絞った解釈。バリトンという楽器の音色も踏まえた曲の構成の巧みさに驚きます。

Hob.XI:32 Divertimento a tre per il pariton, viola e violincello : Baryton Trio [G] (1776-77)
この演奏の他にはBrilliantの全集しか録音がない珍しい曲。入りのメロディーもユニークでちょっと深みに欠ける印象もなくはありませんが、聴き進めるうちにハイドンの見事な展開に惹きつけられていきます。モデラート、メヌエット、プレストという構成。この曲ではメヌエットが弾みます。コミカルな印象のある1楽章に呼応してのことでしょう。節度ある躍動感が実に心地よい音楽。そしてフィナーレも小気味よい疾走感。曲によってしっかりとスタイルを変えてくる器ももっていました。アルバムの真ん中にこういった曲を挟むことで演奏の幅も広がって聴こえますね。

Hob.XI:66 Divertimento a tre per il pariton, viola e violincello : Baryton Trio [A] (1767-68)
こちらは比較的録音の多い曲。ピチカートでの入りがまさにバリトンの音色の面白さを特徴的に表す曲。アダージョ、アレグロ・ディ・モルト、メヌエットという構成。以前バレストラッチ盤で印象に残っている曲ですが、静寂感と深みでこちらの演奏に分があるでしょうか。ここまでで最もバリトンという楽器の不可思議な響きの面白さを感じられる曲。チェロと似てはいるものの独特の饐えたような音色と、開放弦の存在がざわめきのような響きを伴います。そして音色ばかりではなく、めくるめくように変化していく曲想の面白さ。2楽章はリズミカルに進みますが、驚くのは3楽章の入りのなんとユニークなことか。あまりの発想の斬新さにハイドンの天才を感じます。

Hob.XI:97 Divertimento a tre per il pariton, viola e violincello : Baryton Trio [D] (before 1778, 66?)
最後はバリトントリオの中でも最も有名な曲。手元にはこの演奏を含めて12種もの演奏があります。アダージョ、アレグロ・ディ・モルト、メヌエット、ポロネーズ、アダージョ、アレグレット、フィナーレ(フーガ)という7楽章構成。バリトントリオの魅力がすべて詰まった曲といっていいでしょう。フィンランド人のトリオの演奏はこれまでの曲同様、自然さと静寂感、時に躍動感を織り交ぜた見事なもの。1楽章の構成感、2楽章の穏やかな躍動、3楽章のメヌエットのシンプルな美しさ、4楽章の穏やかなキレ味、いきなり深みをかいまみせる5楽章、明るさを取り戻す6楽章、そしてユニークなメロディーをさらにユニークに展開していく終楽章のフーガと聴きどころ満載。このトリオの実力を遺憾無く発揮した素晴らしい演奏です。

フィンランドの奏者によるバリトントリオの演奏ですが、これはバリトントリオの演奏の中でも注目すべき演奏です。今回このアルバムを取り上げるにあたっていろいろ手元の演奏を聴き比べてみましたが、バリトンという楽器の響きを精緻に録られた録音の良さもあって、バリトントリオという曲の魅力が非常によくわかるプロダクションに仕上がっています。そもそもハイドンの曲がもつ中欧的な雰囲気を、北欧的な澄み切った雰囲気に仕立てあげることで、曲自体の純粋な魅力が浮かび上がった感じ。日本人の演奏するハイドンにも、良い意味でも悪い意味でも日本的な印象があるのと同様、この演奏にもフィンランドという辺境の国の澄み切った感性が宿っている感じがします。この演奏、多くの人に聴いていただく価値のある名盤と断じます。評価は全曲[+++++]とします。

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tag : バリトン三重奏曲 古楽器 SACD

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なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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