ニキタ・マガロフのピアノ協奏曲XVIII:11(ハイドン)

珍しいアルバムを見つけました。ニキタ・マガロフのピアノ協奏曲です。この触れ込みでギュンター・ヴァントの伴奏のものだろうと思った方はかなりのハイドン通ですが、今回見つけたのはその演奏ではありません。

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ニキタ・マガロフ(Nikita Magaloff)のピアノ、アゴスティーノ・オリツィオ(Agostino Orizio)指揮のブレシア・ベルガモ国際音楽祭室内管弦楽団(Orchestra da Camera del Festival Internationale di Bresia e Bergamo)の演奏で、ハイドンのピアノ協奏曲Hob.XVIII:11とボッケリーニの交響曲ニ短調Op.12-4「悪魔の家(La Casa del Diavolo)」の2曲を収めたアルバム。収録の詳細はこのアルバムには記載されていませんが、ハイドンに関しては同じソースだと思われる別のアルバムには1988年2月21日、ミラノのミラノ音楽院のヴェルディ・ホール(Sala Verdi)でのライヴとの記載があります。レーベルははじめて手に入れる、φωνη fonè。なんと読むのかわかりません(笑)

ニキタ・マガロフのアルバムは少し前に取り上げていて、その気品に溢れた演奏が印象に残っています。

2017/02/18 : ハイドン–ピアノソナタ : ニキタ・マガロフのピアノソナタXVI:48(ハイドン)

前回取り上げたソナタの演奏が1960年とマガロフの壮年期である48歳頃の録音だったのに対し、今回取り上げる協奏曲は亡くなる4年前の76歳頃の録音ということで、時代がかなり下ってからのもの。演奏スタイルがどのように変化したかも興味深いところでしょう。

気になるのは見たことのないレーベルであるφωνη fonè。もう消えてしまったレーベルかと思いきや、バリバリ現役のレーベルでした。

Fonè Records

レーベルは創立30年近くになるクラシックとジャズを主体とする音質にこだわったレーベル。ウェブサイトによると、現在はフィレンツェとピサの間にあるペッチョリ(Peccioli)という田舎町が本拠地のようです。SACDやLPまでリリースしている本格的なレーベルでした。

今日取り上げるアルバムは廃盤のようですが、この録音の1楽章のみ別途リリースされているベスト盤に収録されていますので、自信のある録音ということなのでしょうね。確かに録音にはこだわりを感じます。TELARKのようなダイナミックさを求める録音ではなく演奏のライヴ感を重視した録音。

Hob.XVIII:11 Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [D] (1784)
いきなり透明感の高いオーケストラの響きが広がります。指揮者のアゴスティーノ・オリツィオは知らない人ですが、オーケストラコントロールはキリリと引き締まったリズムを基調とした堅実でキレもあるもの。オケは迫力十分。驚くのがニキタ・マガロフのピアノの瑞々しさ。落ち着いたテンポで堂々としていながら、キラメキ感に満ちた素晴らしいタッチ。70歳代の演奏ゆえリズムに鈍さを感じるところもなくはないのですが、それを上回る覇気に満ちた演奏。ハイドンの曲を味わいながら演奏しているのがよくわかります。フレーズの一つ一つを丁寧にこなしながら、全体にしっかりとしたエネルギーが込められ、実に気品と風格に溢れた演奏。まるでベートーヴェンを演奏しているような推進力と覇気に圧倒されます。オケの方もマガロフの気合に触発されて輝きを増していきます。名ピアニストの力演を支えよとする、こちらも奏者のエネルギーを感じます。カデンツァでもマガロフの放つオーラにホール中の聴衆が集中していることがわかります。
続くアダージョは力をスッと抜いたオケの伴奏の爽やかさに気を取られているうちにマガロフの磨き抜かれた美音によるメロディーが入ります。特に高音の澄んだ響きの美しさが印象的。老練なタッチから生み出されるしなやかな音楽。マガロフの意を汲んでか、オケが実に情感溢れるいい伴奏を聴かせます。ピアノに劣らず雄弁な伴奏にマガロフも高揚している様子。繰り返しゆったりと訪れる波のような起伏が音楽を心地良いものに感じさせます。そしてとどめはあまり聴いたことのない実に気品に溢れたカデンツァ。マガロフ自身のものでしょうか。
フィナーレは予想通り落ち着いた、そしてじっくりとした演奏。噛みしめるようにピアノとオケが旋律を展開させていきながら、ハイドンのアイデアの変化の面白さを次々と繰り出していきます。それぞれのフレーズに揺るぎない意味が込められていることがよくわかる演奏。ピアノからオケ、オケからピアノへ受け渡されるメロディーの面白さを存分に味わえます。マガロフのピアノのタッチはどんどん冴えてきて最後は鮮やかさで観客を圧倒。最後の音が消えるのを待たずに万雷の拍手に包まれます。

続くボッケリーニもはじめて聴く曲ですが、変化に富んだ奇妙な展開が繰り返される実に興味深い曲。ピアノが入る訳ではないので、オケの力量を示すものですが、こちらも見事なコントロールで拍手喝采。

ニキタ・マガロフの晩年の充実した演奏をたっぷりと楽しめる素晴らしいアルバムでした。堂々とた正統派のピアノの揺るぎない響きがこれほどまでに音楽を活き活きとさせる稀有な事例と言っていいでしょう。このアルバムはネットショップを探しても見当たらないことから既に廃盤かもしれませんので、なかなか入手は難しいかと思いますが、こうしたアルバムこそ、手に入るようにしておく価値がありますね。当ブログがその真価の証を刻んでおくべきでしょう。見かけたら是非入手をおすすめいたします。評価は[+++++]とします。

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tag : ピアノ協奏曲XVIII:11 ライヴ録音

【新着】ヴィヴィアヌ・シャッソのアコーディオンによるピアノ協奏曲集(ハイドン)

今日は変り種なんですが、聴いてびっくり、演奏は驚くべきもの。

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ヴィヴィアヌ・シャッソ(Viviane Chassot) のアコーディオン、バーゼル室内管弦楽団(Kammerorchester Basel)による、ハイドンのピアノ協奏曲など4曲(Hob.XVIII:11、XVIII:4、XVIII:3、XVIII:7)を収めたアルバム。収録は2016年9月19日から21日にかけて、フライブルクとバーゼルのちょうど中間あたりにあるドイツのミュールハイム(Müllheim)にあるマーティン教会(martinskirche)でのセッション録音。レーベルはSONY CLASSICAL。

ハイドンの協奏曲はピアノ、オルガン、ヴァイオリン、チェロ、ホルン、トランペットなど様々な楽器用の曲が作曲されていますが、それぞれ対象の楽器の特性や音色をしっかりと踏まえて書かれており、ソロのメロディーはその楽器でこそといえる響きが存分に活かされたもの。ホルン協奏曲に見られるホルンの低音を聴かせるところなど、まさにそうしたハイドンの周到な筆致の一例です。そうした協奏曲を他の楽器に置き換えて演奏する例は過去にもありました。

鍵盤楽器はオルガン、ハープシコード、フォルテピアノ、ピアノと時代のパースペクティヴを楽しむことができますし、楽器をなかな用意できないリラ・オルガニザータをフルートとオーボエで置き換えたりする例もあります。またピアノ協奏曲をハープで弾くなど、レパートリーの少ない楽器での例などもあります。

今回はピアノ協奏曲とオルガン協奏曲をアコーディオンで演奏するというもの。ハイドンの新譜をチェックしている際にこのアルバムをみかけて、アコーディオンでピアノ協奏曲を演奏するという企画は珍しいもののさして期待もせず、ちょっと美人奏者のルックスに気が緩んでポチりとしましたが、到着して聴いてみてびっくり。アコーディオンという楽器の表現力に驚くばかり。

そもそもアコーディオンは手動でフイゴをコントロールするオルガンのようなものですが、ポイントは2つ。1つは音を出した後に音量を自由に上げ下げできること。アコーディオンといえばピアソラでしょうが、あの多彩な響きはアコーディオンのこの特徴によるものですね。そして今回わかったのがアコーディオンの反応の俊敏さ。オルガンの長いパイプを空気が移動する時間、そして鍵盤からメカニックを通じて弦を打つまでのフリクションにくらべ、アコーディオンの俊敏さは比較にならないほど。このアルバムを聴くと、これまで鍵盤楽器で聴いていた協奏曲とはソロの俊敏さが段違い。鮮やかなメロディーの展開に圧倒されます。もちろん音色は皆さんの想像するアコーディオンの音色であり、ピアノやフォルテピアノとは雰囲気が一変しますが、なによりその俊敏さによって、曲に別の魂が入ったよう。これはすごい。

奏者のヴィヴィアヌ・シャッソは1979年、スイスのチューリッヒ生まれのアコーディオン奏者。12歳からアコーディオンのレッスンを受け、ベルン芸術大学のアコーディオン科に進み、その後様々な賞を受賞。アコーディオンのレパートリー拡大に努めており、デビュー盤はなんとハイドンのソナタ集だったとのことで、すかさず注文! その後ラモーのソナタ集やツィターとのアンサンブルなどの録音があり、このアルバムでメジャーレーベルであるSONY CLASSICALにデビューとのことです。

また、オケはバーゼル室内管ということで、古くはホグクッドの協奏交響曲などの録音によって知られたオケですが、最近では2032年の完結を目指して進められているジョヴァンニ・アントニーニのハイドンの交響曲全集をイル・ジャルディーノ・アルモニコと分担して録音することで知られたオケです。

Hob.XVIII:11 Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [D] (1784)
序奏は快速テンポで爽やかそのもの。指揮者は置いていませんが、見事な入りに期待が高まります。普段はピアノかフォルテピアノで聴くソロは、アコーディオン独特の音色で置き換えられますが、最初に書いたように、あまりに俊敏な反応にのけ反らんばかり。ピアノやフォルテピアノとは反応速度が全く異なります。オケが快速なのに合わせて、それを上回る俊敏さでソロがグイグイきます。しかも音量のコントロールもダイナミックに変えてきて、うねるように音量を変えてきます。あまりに鮮やかなタッチに楽器の音色の違いが気になるどころか、鮮やかな音色に圧倒されっぱなしの1楽章です。終盤に至るまでに幾度かの波を超えているので、すでに違和感はありません。カデンツァはアコーディオン独特のタッチによりだいぶスッキリとしたもので、聴いているうちに哀愁に包まれる見事なもの。
続く2楽章も入りは序奏の滑らかさが印象的ですが、ソロが入るとアコーディオン独特の音色と俊敏な反応に釘付けになります。聞き進むうちに中盤のアクセントの鮮やかさにさらに釘付け! さすがに自身でフイゴのコントロールをしているだけのことはあります。アコーディオンの音色には慣れてきましたが、俊敏な反応には唸りっぱなしです。やはりカデンツァはアコーディオン独特の世界に入ります。
フィナーレは前2楽章以上に反応の鮮やかさが際立ちます。ソロに触発されて、オケの反応も異次元のレベルに。協奏曲だけにオケの方もソロの勢いに負けじと感覚が冴え渡って火花が散ります。そしてその刺激がソロに戻り、アコーディオンを操るシャッツにも戻って刺激が刺激を呼ぶ展開。あまりに鮮やかな展開に驚くばかり!

Hob.XVIII:4 Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [G] (c.1770)
1曲目で完全にペースを掴まれ、すでにノックアウト気味。何気にオケの方もソロとは関係なく異常に興奮した感覚を保ち、序奏からソロに宣戦布告する始末。もう冴えまくった感覚を競い合うようなシャープな応酬に唖然とするばかり。聴き慣れた曲が鮮やかに蘇り、まるで初めて聴くような新鮮な響きで迫ってきます。ソロのないところでもオケに魂が乗り移っているよう。中間の展開部に入って以降、さらに2段ロケットに点火したような冴え方。もはや鮮やかさを通り越して別の曲を聴くような感覚に陥ります。この曲のカデンツァのキレはもはや神業のレベル。もともとアコーディオンのためにこの曲が書かれたのかと錯覚するほど。
2楽章はアダージョ・カンタービレ。穏やかな序奏が終わると、まるで中世の宗教音楽のような響きに今度は鳥肌が立つような思い。俊敏さだけではなく、こうした繊細な音色の感覚も持ち合わせていました。不思議な音色に包まれ、峻厳な雰囲気に一変します。アコーディオンという楽器の可能性を感じる楽章。
フィナーレは息を吹き返したようにオケとアコーディオンが乱舞。速いパッセージの音階のキレは他のどの楽器よりも鮮やか。この異次元の鮮やかさがキレまくり、ハイドンの書いたフィナーレのキレ味を飾ります。最後のカデンツァで我々の想像の彼方に行ってしまうことも忘れません(笑) こんなに高い音が出るんですね。

Hob.XVIII:3 Concerto per il clavicembalo(l'organo) [F] (1765)
次はどんな球が飛んでくるのドキドキしながら聴き始めます。すでに原曲がピアノやフォルテピアノのために書かれたことを忘れそうなほどアコーディオンの印象が刷り込まれてしまいました。軽やかな音階にキレ味鋭いアクセント、そしてグッと力むアクセントの連続攻撃にヘロヘロ。この曲ではソロもオケも少し力を抜いたような部分がさらに加わり、完全にペースを握られます。今更ながら同じメロディーからこれほど多彩な表情が生まれることに驚くばかり。アコーディオンという楽器の表現力に驚きます。めくるめくような展開の連続にすでにトランス状態に。音楽が脳にもたらす刺激としては最強の部類ですね。
2楽章は前曲同様、俊敏さではなく抑えた音色の冴えで聴かせる楽章。一定のテンポで訥々と進めていきますが、それでもアコーディオンという楽器の魅力がジワリと伝わります。ヴィヴィアヌ・シャッソという人、テクニックのみならず、音色に関する類い稀な感覚の持ち主と見ました。
フィナーレはこれまでの曲同様、鮮やかにまとめます。

Hob.XVIII:7 Concerto per il clavicembalo(l'organo) [F] (before 1766,1760?)
最後はオルガンのために書かれた曲。フォルテピアノよりもオルガンの方がアコーディオンと音色が近いですが、これまでオルガンで聴いてきた曲でも、これまでの演奏の印象が完全に塗り替えられるほどのインパクトがあります。オケの方も重厚なオルガンとの掛け合いではなく俊敏すぎるアコーディオン相手ということで、前曲までと同様冴えまくった状態で迎え撃ちます。もちろんオルガンの方が絶対音量は上でしょうが、強弱のダイナミクスはアコーディオンに分があり、それが大きな違いを生んでいます。鮮やかに吹き抜けるソロの印象が曲を支配します。
これまでの曲の緩徐楽章とは雰囲気が異なり、アコーディオンがオルガンを再現するような演奏になります。この変化の幅を聴かせるために最後にこの曲を持ってきたのでしょうか。最後までオルガン然とした演奏を保つ見識を持ち合わせているんですね。
そしてフィナーレも、これまでと異なるアプローチ。もちろんキレ味は変わらないんですが、オルガンの音色を意識しているようで、弾け飛ぶような展開には至らず。いやいやこの辺りのアプローチにはシャッソのこだわりを感じます。見事。

冒頭に書いた通り、何気なく手にいれたアルバムでしたが、これは驚きの素晴らしい出来。ハイドンの協奏曲のアルバムの中でも特別な一枚と言っていいでしょう。これまでピアノやフォルテピアノなどで聴いてきた曲が、初めからアコーディオンのために書かれたような説得力を持った演奏です。テクニックはもとより、曲ごとに演奏スタイルもしっかりと考えて演奏しており、ヴィヴィアヌ・シャッツという人の音楽性も類い稀なものです。このアルバム、すべての人に聴いていただく価値がある名盤と言っていいでしょう。評価は全曲[+++++]とします。

このアルバムの記事を書きかけたところで、カンブルランのコンサートに出かけたため、途中のままコンサートの記事を先にアップしたところ別記事のコメントにこのアルバムの凄さを知らせていただく書き込みがありました。いやいや、書いている最中にその記事を予測されたという展開に驚きました(笑)

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tag : ピアノ協奏曲XVIII:11 ピアノ協奏曲XVIII:4 ピアノ協奏曲XVIII:3 ピアノ協奏曲XVIII:7 アコーディオン

ファイ/シュリアバッハ室内管のピアノ協奏曲集(ハイドン)

当ブログの読者の皆さまならご存知の通り、トーマス・ファイが倒れる前に録音した交響曲のアルバムのリリース予告されています。予定のリリース日から少し遅れているようですが、そろそろ来るのではないかと心待ちにしております。そのファイのハイドンのアルバムは全て手元にあると思っていたのですが、意外に盲点があり、このアルバムが未入手だと最近気づき、あわてて注文した次第。新たなアルバムが到着するまで、こちらでしのぎます(笑)

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TOWER RECORDS / amazon / ローチケHMVicon

ゲリット・ツィッターバルト(Gerrit Zitterbart)のピアノ、トーマス・ファイ(Thomas Fey)指揮のシュリアバッハ室内管弦楽団(Schlierbacher Kammerorchester)の演奏で、ハイドンのピアノ協奏曲3曲(Hob.XVIII:3、XVIII:4、XVIII:11)を収めたアルバム。収録は1999年6月、フランクフルトのフェステブルク教会でのセッション録音。レーベルは独hänssler CLASSICS。

トーマス・ファイの振るハイドンの交響曲のシリーズですが、これまで取り上げた回数は10記事にもなります。

2014/08/18 : ハイドン–交響曲 : 【新着】トーマス・ファイ/ハイデルベルク響のの98番、太鼓連打(ハイドン)
2013/12/01 : ハイドン–交響曲 : 【新着】トーマス・ファイの交響曲99番,軍隊(ハイドン)
2013/04/12 : ハイドン–交響曲 : 【新着】トーマス・ファイ/ハイデルベルク響のラメンタチオーネ他
2012/11/20 : ハイドン–交響曲 : 【新着】トーマス・ファイ/ハイデルベルク交響楽団の交響曲1番他、爆速!
2012/07/08 : ハイドン–交響曲 : トーマス・ファイ/ハイデルベルク交響楽団の90番、オックスフォード
2012/06/11 : ハイドン–交響曲 : トーマス・ファイ/ハイデルベルグ交響楽団のマリア・テレジア、56番
2012/05/03 : ハイドン–交響曲 : トーマス・ファイ/シュリアバッハ室内管の「時の移ろい」「告別」
2011/07/06 : ハイドン–交響曲 : 【新着】トーマス・ファイの「帝国」、54番
2010/12/26 : ハイドン–協奏曲 : 【新着】トーマス・ファイのホルン協奏曲、ホルン信号
2010/08/01 : ハイドン–交響曲 : トーマス・ファイの69番、86番、87番

オケに着目すると、これまでリリースされた22枚のうち、第2巻が今日取り上げるアルバムと同じシュリアバッハ室内管である他はすべてハイデルベルク交響楽団。ハイデルベルク交響楽団の前身がシュリアバッハ室内管ということで、録音時期が1999年以降のアルバムからハイデルベルク響になっているという感じです。ということで、この協奏曲のアルバムは交響曲シリーズの第2巻の「告別」「時の移ろい」を収めたアルバムとともにファイのハイドンの録音の最初期のものということになります。ちなみアルバムの番号を比べてみるとこちらが98.354なのに対し、交響曲の第2巻の方は98.357と若干後。ということでもしかしたら、このアルバムがファイのハイドンの最初の録音ということかもしれませんね。そういった意味でも非常に興味深いアルバムです。

ピアノのソロはゲリット・ツィッターバルト、初めて聴く人かと思いきや、調べてみるとアベッグ・トリオのピアノを担当する人でした。1952年、ドイツのゲッティンゲン(Göttingen)に生まれ、カール・エンゲル、ハンス・ライグラフ、カール・ゼーマンら高名なピアニストに師事し、ドイツ音楽カウンシルのサポートを受けて若手芸術家のためのコンサートシリーズなどに出演。その後いくつかのコンクールで優勝してヨーロッパ各国で活躍するようになりました。1976年にアベッグ・トリオを設立後は室内楽の分野で活躍しています。ファイとはハイドンの前にモーツァルトのピアノ協奏曲の録音があり、ファイのお気に入りのピアニストだったのでしょう。

Hob.XVIII:3 Concerto per il clavicembalo(l'organo) [F] (1765)
ファイの演奏の記憶と比べると随分オーソドックスな伴奏の入り。オケは適度にリズミカルで快活。なんとなくこれからキレキレになりそうな予感を感じさせながらも穏やかさを保ちます。ツィッターバルトのピアノはファイのスタイルをピアノに移したように、適度なコントラストをつけながらクリアにリズムを刻んでいきます。オケもピアノもそこここにキラリと光る輝きがあり、ハイドンの晴朗な曲を爽快さ満点で描いていきます。まるでリズムに戯れて遊んでいるよう。凡庸さは全くなくフレーズの隅々まで閃きに満ちており、これに後年キレがくわわっていったわけですね。ツィッターバルトもかなり表現力。特に高音の抜けるような軽やかさを聴かせどころにして縦横無尽に鍵盤上を走り回る感じがこの曲にぴったり。カデンツァに入るところくらいから、ちょっとスイッチが入り表現意欲に火がつきましたね。
2楽章はラルゴ・カンタービレ。スイッチの入ったツィッターバルトは冒頭からタッチが冴え渡ります。ピアノの美しいメロディーをシンプルな伴奏で支え、ファイもここはツィッターバルトの引き立て役に徹します。このさりげないメロディーの美しさこそハイドンの真骨頂。絶品です。
フィナーレで攻守交代。ツィッターバルトのタッチのキレは変わらないのですが、今度はファイがこれまで抑えていた才気が解き放たれたように自在にオケを操り、とくにコントラバスの鋭いアクセントをかませながらテンポを上げ、ピアノを煽ります。火花散るようなデッドヒートを繰り広げながらも戯れて遊ぶような余裕があります。いやいや、この頃からキレていますね。

Hob.XVIII:4 Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [G] (c.1770)
もうだめです(笑) 完全にファイのペースに引きこまれました。ゾクゾクするような序奏の入りもファイならではのアイデア満載です。ハイドンの書いた曲が完全にファイ流に再構成され、冒頭から冴え渡るリズム感。オケも様々に趣向を凝らしているんですが、ツィッターバルトのピアノもそれに呼応して軽やかさが際立つタッチで応じます。アクセントのつけ方がこれまでの演奏とは全くアプローチが異なり、スリリングさ満点。微妙にテンポを上げ下げしたり、アクセントの変化をつけたりといろいろやりますが、全てが痛快にハマって気持ちのいいことといったらありません。この曲ではカデンツァは時代もスタイルも超えてやりたい放題。ここまでやると逆に吹っ切れていいですね。
続く2楽章は、弱音器付きの弦楽器の潤いをあえて廃した抑えた序奏から入り、ツィッターバルトのピアノの雄弁さに主役を譲ります。あっさりとした伴奏がかえって深みをもたらしているよう。やはりファイは只者ではありません。
フィナーレはこれも痛快なほどの速さでめくるめくように音階の上下を繰り返しながらキレよく曲をまとめていきます。終盤、突然ぐっとテンポを落とすことでカデンツァを引き立たせるあたりの演出は流石です。キレキレで終了。

Hob.XVIII:11 Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [D] (1784)
最後は有名曲。どうくるかと身構えていると、それをひるがえすようにオーソドックスに入ります。ただし、伴奏の各パートのアクセントのつけ方はファイならではのもので、聴いているうちにどんどんスリリングになっていきます。気づいてみると速めのテンポでグイグイ攻めるファイペース。一貫してトレモロのようにさざめくような音色に乗りながら寄せては返す波のように音楽の波が襲ってきます。これぞファイマジック!
続く2楽章はあえて表情を抑えて曲自体に語らせる大人な対応。この緩徐楽章を一貫して抑え気味にしてくることで、どの曲も両端楽章の冴え方が際立つわけですね。
フィナーレは予想どおり快速テンポで痛快なアクセント連発。ツィッターバルトのピアノもよくぞこれほど指が回ると驚くほどのめくるめくような冴え方。ファイとの呼吸もピタリで、大胆なデフォルメをそこここに散りばめ、もはや溶けてバターになっちゃいそう(ちびくろサンボ!) やはり只者ではありませんね。

ファイの最初期のハイドンの録音であるこのアルバムですが、すでにファイの魅力が満ち溢れていました。この録音のあとに22巻までつづく、いや、今度23巻がリリースされようとしている交響曲全集の録音が始まったわけです。この1枚を聴くだけでもファイの類い稀な才能がよくわかります。ピアノのゲリット・ツィッターバルトもファイと共通する音楽性を持った人で、ピアノもキレキレ。ファイのハイドンの原点たるこのアルバムの出来がその後の交響曲の録音を決定したことがよくわかりました。もちろん評価は全曲[+++++]とします。

さて、ファイの新譜はいつ手元につきますやら。ますます楽しみです。

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エリザベス・ウォルフィッシュのヴァイオリン協奏曲など(ハイドン)

ようやくCDに戻ります。最近手に入れた協奏曲のアルバム。これもいい。

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エリザベス・ウォルフィッシュ(Elizabeth Wallfisch)の指揮とヴァイオリン、エイジ・オブ・エンライトゥンメント管弦楽団の演奏による、ハイドンの協奏交響曲、ヴァイオリン協奏曲2曲(Hob.VIIa:4、VIIa:1)の3曲を収めたアルバム。収録は1990年2月、ロンドンのアビーロードスタジオの第1スタジオでのセッション録音。レーベルは英Virgin classics。

このアルバム、リリースされたのはだいぶ前のものですが、コレクションの穴になっていたもの。最近その存在に気づき入手しました。ジャケットのデザインが同じくVirginからリリースされているクイケン指揮のエイジ・オブ・エンライトゥンメント管によるパリセットとテイストが似ていて懐かしい感じ。クイケンのハイドンの交響曲はVirginからいろいろリリースされているのですが、他は手兵のラ・プティット・バンドでパリセットだけがエイジ・オブ・エンライトゥンメント管なんですね。しかもパリセットが抜群にいい出来だった上に録音時期も同じ頃のもということで、エイジ・オブ・エンライトゥンメント管のこの頃の演奏は悪かろうはずもないとの期待で入手です。

指揮とヴァイオリンのエリザベス・ウォルフィッシュについて、簡単にさらっておきましょう。

エリザベス・ウォルフィッシュは1952年オーストラリア生まれの古楽器ヴァイオリン奏者。12歳でABC(オーストラリア放送)のコンクールでデビュー。ロンドンの王立音楽アカデミーで学び、いくつかのコンクールで優勝して頭角を現しました。1974年にはカール・フレッシュコンクールで入賞し、ソリストとしてや、ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズ、王立リヴァプール・フィルなどのオケのリーダーとして主にイギリスで活躍したとのこと。その後は古楽器奏者として活躍しており、このアルバムのオケであるエイジ・オブ・エンライトゥンメント管やハノーヴァー・バンドなどのリーダーを務めるとともに、祖国オーストラリアでもオーストラリア室内管、オーストラリア・ブランデンブルク管などのリーダーとして活躍。近年は教職にあり、王立ハーグ音楽院やロンドンの王立音楽アカデミーでバロック・ヴァイオリンを教えているとのことです。

さて、肝心の演奏ですが、ソロとオケが一体となって溶け合う素晴らしい演奏でした。

Hob.I:105 Sinfonia Concertante 協奏交響曲 [B] (No.105) (1792)
こちらのヴァイオリン以外のソロは次のとおり。

チェロ:デヴィド・ワトキン(David Watkin)
オーボエ:アンソニー・ロブソン(Anthony Robson)
バスーン:フェリックス・ワーノック(Felix Warnock)

この曲の優雅な入りの雰囲気が実にいい。古楽器オケですが響きが溶け合い、厚みもある聴きやすい録音。自然な定位感が心地よいですね。アビーロードスタジオの録音は何気にいい録音が多いんですね。ヴァイオリンをはじめとするソロ4人はことさら自己主張することもなく自然な演奏で、この曲を聴かせどころを踏まえているよう。特にヴァイオリンとオーボエの音色の美しさが一歩抜けている感じ。オケは非常にリズム感がよく、曲がいきいきと流れ、ソロも演奏しやすそう。ソロの間のメロディーの受け渡しの面白さと、ソロ陣とオケの呼応の双方の面白さに自然に酔える演奏。カデンツァも実に素直な演奏。祝祭感満点の1楽章を存分に楽しめます。
2楽章に入るとオーボエの妙技にヴァイオリンやチェロが寄り添い、メロディーを引き継いでいく手作りの素朴な音楽楽しみに包まれます。そして終楽章はソロとオケのスリリングな掛け合いが聴きどころですが、ソロもオケも実にリズム感がよく、ウォルフィッシュがそろだけでなくオーケストラコントロール能力でも類い稀な力をもっていることがわかります。ヴァイオリンも表現は控えめながらそつなく美音を聴かせます。この曲ではソロのバランスが悪いと流れが悪く聴こえてしまいますが、そうした心配も微塵もなく安定感抜群。オケが軽々と吹き上がる快感。これぞハイドン!

Hob.VIIa:4 Violin Concerto [G] (c.1765/70)
今度はヴァイオリン協奏曲ですが、一聴して以前高評価だったマルク・デストリュベ盤に非常に似たタイプの演奏。デストリュベ盤ではデストリュベのヴァイオリンの妙技も聴きどころだったんですが、いい意味でこちらはソロとオケの一体感が聴きどころ。ウォルフィッシュのヴァイオリンは上手いんですが、オケに溶け込むような上手さ。これはこれで非常にいい感じです。ソロもオケも非常に美しい音色で心地よさ満点。美音に癒されます。ウォルフィッシュはソリストでもありますが、オケのリーダーとしての役割りを踏まえたソリストといった立ち位置でしょう。オケの音色の調和を重視しソロの個性は少し弱める独特のバランス感覚ですね。どう個性を表現しようかというソロが多い中、逆に非常に新鮮に感じます。
その良さが光るのが続く2楽章。この演奏はハイドンのヴァイオリン協奏曲のアダージョ楽章の美しさをもっともいい形で表現した演奏の一つと言っていいでしょう。ソロとオケの素晴らしい一体感からハイドンの曲の美しさが素直に浮かび上がります。純粋無垢なヴァイオリンのメロディーが折り目正しく踊り、華やかさをふりまいていきます。
フィナーレは躍動感とキレが折り目正しく穏やかなテイストにまとまった秀逸なもの。古典期の曲にふさわしい器の中でスリリングさや起伏、変化を聴かせる実に座りのいいもの。ハイドンの協奏曲の理想的な演奏と言っていいでしょう。

Hob.VIIa:1 Violin Concerto [C] (c.1765)
ヴァイオリン協奏曲をもう1曲。普通はこちらを先にまわす曲順が多いんですが、こちらの方がメロディーが明快で明るく聴き映えがするということで最後にもってきたのでしょう。前曲以上にソロもオケもキレていて申し分なし。1楽章の晴朗な展開、2楽章の癒しに満ちた絶妙な美しさ、3楽章のそよ風のようなヴァイオリンのボウイングということなし。こればかりは聴いていただかなくてはわからないでしょう。

エリザベス・ウォルフィッシュの振る、エイジ・オブ・エンライトゥンメント管による協奏曲集ですが、これは名盤です。ソロもオケも隅々までウォルフィッシュのコントロールが行き渡り、リズミカルに音楽が弾みます。ハイドンの曲の楽しさ、美しさ、センスの良さが全てつまった演奏と言っていいでしょう。オケのエイジ・オブ・エンライトゥンメント管は非常に反応がよく、ハイドンの音楽のツボを完全に掌握。やはりハイドンのヴァイオリン協奏曲はモーツァルトの曲以上に魅力がありますね。評価はもちろん全曲[+++++]とします。

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tag : ヴァイオリン協奏曲 協奏交響曲 古楽器

【新着】クレメンス・ハーゲン/1B1室内管のチェロ協奏曲(ハイドン)

このところ意識して新着アルバムを聴いています。今日は久しぶりのコンチェルト。

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クレメンス・ハーゲン(Clemens Hagen)のチェロ、ヤン・ビョーランゲル(Jan Bjøranger)指揮の1B1室内管弦楽団の演奏で、ハイドンのチェロ協奏曲1番、モーツァルトの協奏交響曲(K.364)の2曲を収めたアルバム。ハイドンの収録は2016年2月15日から17日にかけて、ノルウェーの南西端に近いスタヴァンゲル(Stavanger)のコンサートホールのファーティン・ヴァーレンホールでのセッション録音。

チェリストのクレメンス・ハーゲンは、ご存知4人兄弟のハーゲン四重奏団のチェロ奏者。1966年ザルツブルク生まれで、ザルツブルクのモーツァルテウム音楽院でハインリッヒ・シフらにチェロを学びます。ハーゲン四重奏団の他にクレーメルのクレメラータ・ムジカに定期的に出演しているそう。ソリストとしても世界の有名オケとの共演も多く、室内楽だけでなくソリストとしても活躍しているようですね。1989年以降はザルツブルク・モーツァルテウム音楽院でチェロと室内楽を教えています。

このアルバム、チェロをハーゲン四重奏団のクレメンス・ハーゲンが弾いているということで手に入れたものですが、よく見てみると、オケは1B1という不思議な名前のオケで、しかも本拠地はノルウェーのはずれにあるスタヴァンゲルという港町という超ローカルなアルバムでした。

スタヴァンゲルについてWikipediaなどで調べてみると、北海沿岸に位置しており、北海油田に近いことから石油産業や魚の缶詰工場などが主産業の町。人口12万人と小さな町ですが、このアルバムの録音されたスタヴァンゲルコンサートホールは非常に立派な建物。

Stavanger Konserthus

またそのホールの名前になっているファーティン・ヴァーレン(Fartein Valen)はこのスタヴァンゲルに生まれた作曲家の名前とのこと。そしてオケの1B1という不思議な名前ですが、このオケの本拠地の住所であるBjergsted 1(ビェルグステ1番地)からとったもので、設立時はEnsemble Bjergsted 1(EnB1)と名乗っていたそうですが、それが現在は1B1となっているということです。Googleマップでその住所を調べてみると、スタヴァンゲルコンサートホールに隣接する公園の中の建物。ここが本拠地なんですね。2008年にスタヴァンゲルがヨーロッパ文化の首都に選ばれたのを契機に設立され、メンバーはスタヴァンゲル大学の教師、優秀な学生、スタヴァンゲル交響楽団の団員などとのこと。

スタヴァンゲルを単なる単なる田舎町と思い込んで超ローカルと紹介しましたが、ヨーロッパ文化の首都とみなされるほど文化に力を入れているのは、おそらく石油産業で豊かな財政から文化に投資し続けてきた成果だと思われます。地理的にはかなりの僻地ながら、人口12万人の町にしては超立派なホールがあり、そして、驚くほどレベルの高いオーケストラがある理由がなんとなくわかってきました。

このアルバム、チェロもいいのですが、恐ろしくキレのいいオケも聴きどころです。

Hob.VIIb:1 Cello Concerto No.1 [C] (1765-7)
冒頭から非常にフレッシュなオケの序奏に驚きます。ノンヴィブラートのオケ特有の鮮度の高い透き通るような響き。ただでさえ晴朗なハ長調のハイドンのコンチェルトが、抜けるような青空のもと、くっきりと浮かび上がるよう。そしてクレメンス・ハーゲンのチェロもテンポよく溜めることなくサラサラと進みます。楽器は1698年作のストラディヴァリウスとあって、響きの余韻も絶品。なんとなくこの清々しい演奏にノルウェーらしい印象を感じるのは私だけでしょうか。ソロもオケも演奏自体は非常にオーソドックスながら、鮮度抜群に聴こえるところがすごいところ。リズムのあまりのキレの良さがそう聴こえさせます。クレメンス・ハーゲンはあまり冒険はせず、楽譜に忠実にメロディーを奏でていき、オケも誠実そのもの。よく聴くとオケのアクセントのキレの良さもフレッシュな印象を強くしていますね。カデンツァはノルウェーの作曲家でヴァイオリニストのヘニング・クラッゲルード(Henning Kraggerud)のもの。古典のハイドンの良さに現代音楽のような精妙な響きをちりばめた、なかなか深い音楽。もちろん技巧を尽くした部分もありますが、それほどアクロバティックなものではなくよくまとまっています。
続くアダージョは美しいメロディーの宝庫。キレの良いソロとオケを活かして速めに来るかと思いきや、じっくりとテンポを落とす正攻法できました。ゆったりとリラックスした音楽が流れます。丁寧にフレーズを膨らまし、そして弱音部にも緊張感が張りつめる素晴らしい演奏。クレメンス・ハーゲンも見事な弱音のコントロールで精妙かつ美しいメロディーが妖艶に輝きます。特にチェロの高音を意識的に鳴かせる訳ではなく、バランス良いボウイング。2楽章のカデンツァも前楽章同様ヘニング・クラッゲルードのもので、今度は低音弦の美しい響きを聴かせる、こちらもなかなかのもの。
そして、絶品なのがフィナーレ。これほどさわやかな入りはなかなか聴けません。チェロのキレの良さはご想像通りだと思いますが、オケがまことに素晴らしい。まるで本当のそよ風のような軽さを感じさせる見事なもの。ライナーノーツの写真を見るとメンバーは若手中心ですが、速いパッセージの切れ味と響きのクリアさは素晴らしい。欧米の一流オケでもなかなかこうはいきません。

この後のモーツァルトのヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲ですが、こちらも見事。ソロは1B1の音楽監督であるヤン・ビョーランゲルのヴァイオリンに、ラーシュ・アネシュ・トムテルのヴィオラ。オーソドックスながらキレ味抜群の演奏でモーツァルトの名曲がいきいきと浮かび上がります。

ノルウェーのスタヴァンゲルという町のオケによるハイドンとモーツァルトのコンチェルト。さすがにヨーロッパ文化の首都に選ばれただけのことはある、非常にレベルの高い演奏でした。ハイドンのハ長調協奏曲はこれまで名盤がたくさんありますが、オーソドックスな新しい演奏のファーストチョイスとしてもいいレベルの素晴らしさ。この演奏によってハイドンのこの曲の素晴らしさを再認識しました。もちろん評価は[+++++]。こうなるとどうしてもこのコンビでニ長調の方も聴いてみたくなりますね。文句なしのオススメ盤です!

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tag : チェロ協奏曲

エミール・ギレリスのピアノ協奏曲Hob.XVIII:11(ハイドン)

ピアノの演奏が続きますが、今日はヒストリカルなもの。

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エミール・ギレリス(Emil Gilels)のピアノ、ルドルフ・バルシャイ(Rudorf Barshai)指揮のモスクワ室内管弦楽団(Moscow Chamber Orchestra)の演奏で、ハイドンのピアノ協奏曲(Hob.XVIII:11)、モーツァルトのピアノ協奏曲21番(KV.467)の2曲を収めたLP。収録情報は記載されていませんが、ネットでギレリスのディスコグラフィを調べて見ると1959年の1月とのこと。レーベルはМелодия(Melodiya)。

このアルバムも先日オークションで手に入れたもの。もちろんギレリスのピアノがお目当てでした。エミール・ギレリスはみなさん良くご存知でしょう。あまりハイドンを演奏する人とのイメージはありませんが、数少ない録音のうち、当ブログでも2枚ほど取り上げています。

2015/10/29 : ハイドン–ピアノソナタ : エミール・ギレリスのXVI:20 1962年ライヴ(ハイドン)
2011/11/08 : ハイドン–室内楽曲 : ギレリス/コーガン/ロストロポーヴィチのピアノ三重奏曲

いずれもギレリスの「鋼鉄のタッチ」によってハイドンの音楽が揺るぎない格調高さを聴かせる名演奏。1950年代のギレリスの素晴らしさは深く記憶に刻まれておりますので、今日取り上げるアルバムを見つけるや否や迷わず入手した次第。早速針を落としてみます。

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Hob.XVIII:11 Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [D] (1784)
ルドルフ・バルシャイの振るモスクワ室内管の序奏は実に軽やか。理想的な入りです。ギレリスのピアノは、ピアノの胴に響くような余韻を伴いながらこちらも最初は軽やかなタッチでリズミカルに音楽が進みますが、徐々に音量が上がってくると、ギレリスらしいキレの良い鋭いタッチが顔を覗かせてきます。バルシャイは一貫して爽やかな演奏でサポート。ギレリスのタッチの変化が聴きどころだと踏まえて、伴奏に徹している感じ。勢いを保ったまま、大きくうねるように表情を変化させていくギレリスのピアノ。速いパッセージの鮮やかなキレも抜群。指が回りまくってます! このコンチェルトは爽快さこそがポイントと踏まえたような演奏。
素晴らしいのが続く2楽章。バルシャイもぐっとテンポを落として音楽にえも言われぬ深みが宿ります。ギレリスもそれに応えて、じっくりとメロディーを紡いていきますが、ここにきてギレリスのタッチから生み出されるピアノの鋭くも深い音色が燦然と輝きだします。同じピアノなのにギレリスが弾くと、峻厳さ、孤高さを感じさせるところがすごいところ。バルシャイもそれに触発されて、伴奏も深く深く集中していきます。夢のような音楽が流れていきます。カデンツァは抑えた音量でピアノを鳴らしながら天上に登っていくような凝縮された時間が流れます。ピアノ1台から繰り出される音楽が、オケも含めて全員を惹きつける素晴らしいカデンツァ。
フィナーレで再びリズムと推進力を取り戻しますが、ここでもギレリスのピアノの鋼鉄のタッチが素晴らしい躍動感を帯びて圧倒的な存在感。コンチェルトのソロでテクニックではなく演奏の集中力でここまで他を圧倒する存在感を感じさせる演奏は滅多にありません。バルシャイもそれを踏まえて、控えめながら味わい深い伴奏で支えます。最後はキレのいいピアノの響きを轟かせて終了。いやいや素晴らしい演奏でした。

やはりギレリスはギレリス。奏者によって様々な響きを聴かせるピアノですが、ギレリスが弾くと、はっきりギレリスの音楽とわかる音楽が流れ出すのがすごいところ。鋼鉄のタッチでも、爽快な響きも孤高の響きもグイグイ推進する響きも自在に繰り出しながら、音楽を作っていきます。このコンチェルトでは、テクニックではなく音楽の深さで圧倒的な存在感を示し、特に2楽章のカデンツァでは微かなタッチの紡ぎ出す音楽の存在感に圧倒されました。録音も鮮明で1950年代のギレリスの魅力を余すところなく捉えた素晴らしいもの。これは文句なしの名演盤です。もちろん評価は[+++++]とします。

裏面のモーツァルトもこれまた素晴らしい演奏。バルシャイはハイドンの時よりも踏み込み、ギレリスのピアノも冴えまくってます。こちらもオススメです! 中古で見かけたら即ゲットですね。

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tag : ピアノ協奏曲XVIII:11 ヒストリカル LP

ロマン・ルルーのトランペット協奏曲(ハイドン)

実に久しぶりにトランペット協奏曲を取り上げます。

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ロマン・ルルー(Romain Leleu)のトランペット、エマニュエル・ルドゥック=バローム(Emmanuel Leducq-Barôme)指揮のバルティック室内管弦楽団(Baltic Chamber Orchestra)の演奏で、フンメル、ネルーダ、ハイドンのトランペット協奏曲と、グルックの歌劇「オルフェーオとエウリディーチェ」より「メロディ(精霊の踊り)」を収めたアルバム。収録は2010年11月5日から7日にかけて、ペテルスブルクのペテルスブルク録音スタジオ及び聖カタリナルーテル教会でのセッション録音。レーベルはharmonia mundi傘下のAPARTÉ。

このアルバム、例によって湖国JHさんから送られてきたもの。比較的最近リリースされたものですが、こちらの手元にないということで、いつも通りさりげなくコレクションの重大な欠陥を突かれたという形(笑)。こういったケースで送られてきたものに悪いものはないというのがこれまでの経験則ですので、ちょっと調べてから聴いてみた次第。

まずはジャケットを眺めると、ちょっと内山くん似の小太りなルルーの姿が気にならなくもありません。調べてみると、これだけならよくある古典期のトランペット協奏曲の詰め合わせなんですが、このアルバム、ハイドンのトランペット協奏曲がカデンツァ違いで3つのバージョンが収められているのが珍しいところ。自身のカデンツァに加えてクシシュトフ・ペンデレツキ、カールハインツ・シュトックハウゼンによるカデンツァの3種で、しかもカデンツァ部分のみならず全曲通しが3パターン収録されています。そもそも、ペンデレツキにシュトックハウゼンという現代音楽の作曲家が古典中の古典であるハイドンの、よりによってトランペット協奏曲にカデンツァを書いているのが不思議なところ。

シュトックハウゼンについては息子であるマルクス・シュトックハウゼンがトランペッターということで、息子がトランペットを吹き父が指揮したアルバムがあるため、シュトックハウゼンがカデンツァを書く動機があったということでしょう。またペンデレツキも1999年にサン・ノゼ交響楽団の指揮をした時にハイドンのトランペット協奏曲を演奏し、その際にカデンツァを書き、その後改定されたものとのこと。このハイドンの非常に古典的な協奏曲のカデンツァに奇しくも現代音楽の大家がカデンツァを書きたくなったというところに、ハイドンの存在感を感じる次第です。

そして、それを録音に残したロマン・ルルーという人ですが、1983年、フランスのベルギー国境に近いリール生まれのトランペット奏者。今回初めて知った人ですが、いちおう若手トランペッターの有望株とのこと。パリ国立高等音楽院でエリック・オービエに、カールスルーエ音楽院ではラインホルト・フリードリヒという現代の両巨頭に学んでいます。その後フランス、欧米を中心にソリストとして活躍していますが、日本にもラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンに2010年と2012年に来日しているそうですので、ご存知の方も多いかもしれませんね。ちなみに楽器はYAMAHAを愛用しているとのこと。

オケのバルティック室内管はサンクトペテルブルクフィルの精鋭メンバーを集めた団体ということで、指揮のエマニュエル・ルドゥック=バロームはヤンソンス門下の人とのことです。

Hob.VIIe:1 Concerto per il clarino [E flat] (1796)
(cadences:Romain Leleu)
まずはCD1の3曲目に収められているルルーのカデンツァによるバージョンから。最近の録音らしくオケは鮮明、程よいキレと推進力を感じる安定した序奏の入り。ルルーは安定した演奏で入りますが、フランス人トランペッターにしては大人しい印象。リズムもフレージングもオーソドックスで破綻がありません。欲を言えばもう一歩踏み込みというか輝きが欲しいところ。徐々に音階が複雑になってくるところでも安定感は流石なところ。よく聴くと、トランペットよりも鮮やかなオーケストラの方に耳が入ってしまいそう。1楽章のカデンツァはよくあるトランペット奏者によるもののように、ちょっとアクロバティックな音階のジャンプなどを織り交ぜたオーソドックスなもの。ちょっと安心しました。
続くアンダンテはしっかりと呼吸を緩めて、ゆったり朗々としたトランペットの美音が鳴り響きます。ここでは逆に安定した演奏が落ち着いていていい感じです。オケも手馴れた感じでまとめてきます。ルルーのトランペットは特定の音域に輝きがあるわけではなく、常に一歩引いいたような落ち着きに満ちたもの。
そして最後のフィナーレもじっくりとしたテンポで入り、終始落ち着きが乱れません。これはこれでなかなかできるわけではありません。適度に爽快な好演。最後までバランス感覚に優れたオーソドックスな名演でした。

(cadences:Krzysztop Penderecki)
続いてCD2の冒頭におかれたベンデレツキによるカデンツァのもの。序奏の演奏は前の演奏とほどんど変わらないものの、ちょっと響きが多く感じるのは気のせいでしょうか。もしかしたら録音会場が違うかもしれません。心なしかライヴ感も上がってコンサートのように聴こえます。カデンツァまではおそらくほぼ同じ感じの演奏ですので、ペンデレツキ節への変化のタイミングを待ちながら聴くという不思議な感覚。予想通り、きました! カデンツァの入りこそ普通な感じですが、徐々にヘンテコな転調にホルンまで加わり、これはユニークなもの。そして突然曲に戻る感じもこれまたユニーク。ただし、ハイドンの曲に合っているかと言われれば、かなりキワモノ的な印象が強いのが正直なところ。ハイドンへのリスペクトやオマージュも少々弱いのかもしれません。
アダージョは1楽章同様、ルルー版よりも幾分しなやか印象を感じます。フィナーレのカデンツァも予想だにしない展開で途中独自の境地の入ってしまいますが、なんだかわからないうちに原曲に戻るところも1楽章同様のもの。最後にも聴かせどころがあります。欲をいえば、カデンツァの違いだけでなく、曲全体を見渡して、カデンツァに負けない変化を聴かせるくらいの遊びがあっても良かったかもしれません。

(cadences:Karlheinz Stockhausen)
そしてCD2の後半に置かれたシュトックハウゼンによるカデンツァのもの。オケが慣れたのか、3バージョンの中では一番しなやかな伴奏に感じます。オケの熱気も一番。肝心のカデンツァに入る前の溜めもちょっと前2バージョンとは違います。このカデンツァは突き抜けた面白さ! ペンデレツキ版のちょっと中途半端な感じとは異なり、ハイドンも喜びそうなくらいやりたい放題。オケが迎えに来るのところも全く迎えを待っているそぶりなし。これはこれで実に面白い。そしてなんとなく異種の音楽による不調和な余韻を、オーソドックスなアダージョが断ち切る面白さ。1楽章の不思議な余韻で逆にアダージョの美しさが際立つと気付いた次第。そしてフィナーレではカデンツァに入る前の音を長〜く伸ばし、これまた想像だにしないメロディーというか、楽器の慣らしのために色んな音を練習しているような奇妙奇天烈なカデンツァが痛快。いや、本当に痛快。このくらいハチャメチャでこそハイドンの機知へ対抗できるというもの。聴きなれたメロディーに戻った安堵感ったらありません。なぜか不思議なほど幸福間に包まれます。最後はあえてオーソドックスに終わりますがキレは最高。

いやいや、この3種のカデンツァを並べる企画は面白かった。読んでいただいて分かる通り、私は最後のシュトックハウゼン版が一押しです。正直に言うと、ルルーのオリジナル版は演奏自体もちょっと硬く、またルルーの演奏も踏み込みが足りない印象。そして、これが初めての録音になるというペンデレツキ版もユニークではありますが、ちょっと中途ハンパな印象を残してしまいます。シュトックハウゼン版も同様かとあまり期待せず聴いたんですが、これは面白かった。やはりルルーもノリが良く、楽しんで演奏しているのが伝わったのが大きいでしょうか。作曲者と演奏者の創意がハイドンの原曲に負けないくらい張り合えないとこのレベルの面白さには到達できないのでしょう。評価はシュトックハウゼン版を[+++++]、他2つを[++++]とします。まあ、このアルバムはマニア向けというところでしょうね(笑)

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tag : トランペット協奏曲

ロベール・ヴェイロン=ラクロワ/オーリアコンブ/トゥールーズ室内管の協奏曲集(ハイドン)

またしてもLPにぐっときました。

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ロベール・ヴェイロン=ラクロワ(Robert Veyron-Lacroix)のハープシコード、ルイ・オーリアコンブ(Louis Auriacombe)指揮のトゥールーズ室内管弦楽団(Toulouse Chamber Orchestra)の演奏で、ハイドンのハープシコードとヴァイオリンのための協奏曲(Hob.XVIII:6)、ハープシコード五重奏曲(XIV::1)、ハープシコード小協奏曲(XIV:4)の3曲を収めたLP。収録の情報は記載されていませんがLPのリリーズは1978年。レーベルは米SERAPHIM。

さて、いつものように奏者の情報をさらっておきましょう。まずはハープシコードの独奏を務めるロベール・ヴェイロン=ラクロワですが、1922年にパリで生まれ、パリ音楽院ピアノ科を卒業。ジャン=ピエール・ランパルの伴奏者として知られる人。ハープシコードではバッハ、クープラン、ラモーなどを得意としていました。1991年に亡くなっています。ハイドンの演奏はこのアルバムの他に協奏曲集がもう1枚あるようです。

指揮者のルイ・オーリアコンブは1917年、フランスのスペイン国境に近い街ポー (Pau) に生まれた指揮者。トゥールーズ音楽院で学び、指揮はイーゴリ・マルケヴィチに師事しました。1953年にトゥールーズ室内管弦楽団を結成、程なく世界に知られるようになり、多くの録音を残しました。1982年に亡くなっています。

今はあまり顧みられていない2人よるハイドンですが、LPで聴くとリステンパルトなどと同様、えも言われぬ味わい深い演奏に触れることができます。

Hob.XVIII:6 Concerto per violino, cembalo e orchestra [F] (1766)
実に華やかな伴奏。これぞフランスのオケというクッキリとした表情。ピアノではなくハープシコードだから醸し出される雅な雰囲気。ヴェイロン=ラクロワのハープシコードはキリリとしたテンポの小気味良い演奏。ヴァイオリンソロはジェラール・ジャリー(Gérard Jarry)ですが、オケとともにクッキリとした表情を創っていく感じが悪くありません。安定したテンポに安定した演奏が創る至福の味わい。1楽章からじわりと伝わる音楽の心。
その音楽は続くラルゴに入ると、もはや染み入るような浸透力を帯びてきます。ピチカートの伴奏にのったヴァイオリンとハープシコードの典雅なやりとりは言葉にできないほどの癒しに満ちています。LPも素晴らしいコンディションでノイズなくゆったりと音楽を生み出していきます。空間に消え入るピチカートの響きの余韻に吸い込まれそうになります。そして深く響く弦楽器のくすんだ音色。ハープシコードとヴァイオリンのクッキリとした表情を伴奏が引き立てます。
フィナーレは適度に溌剌としたオケの響きが癒しに満ちた雰囲気を塗り替えます。ソロとオケは見事な一体感で演奏を進めますが、クッキリと浮かぶハープシコードがオケの演奏を引き立てます。最後は絢爛豪華な絵巻物の最後の場面のような華やかな終結。抜群の安定感につつまれたハイドンでした。

Hob.XIV:1 Quintett [E flat] (c.1760)
LPを裏返すと今度はホルン2本、チェロ、ヴァイオリン、ハープシコードの5重奏。録音時期の違いか、少々音が痩せ気味というか、録音場所がデッドな環境に変わった感じ。実際の音量バランスではホルンがもう少し存在感がありそうですが、ハープシコードとヴァイオリンを強調して、ホルンは脇役として奥で控えめに鳴ってます。編成が小さい分小気味良さはこちらが上回りますが、デッドな響きで少し潤いが足りない印象。ただしそれぞれのパートの演奏は皆素晴らしいもので、完成度は非常に高くまとまっています。ハープシコードの演奏がモデラート、メヌエット、プレストと各楽章の表情を鮮明に描き分けます。ホルンもキレ味よくリズムを刻みます。アンサンブルの精度で聴かせる、この小曲の理想的な演奏と言っていいでしょう。

Hob.XIV:4 Divertimento [C] (1764)
このアルバムで一番録音が鮮明。ワクワクするような推進力に煽られて、ハープシコードが自在な音程を飾ります。1曲目よりもハープシコードのタッチが冴え渡り、オケに格別な立体感が宿ります。安定感の素晴らしさは変わらず、オーリアコンブの率いるオケも抜群の仕上がりで一糸乱れぬアンサンブルを聴かせます。単純な曲想の曲ですが、演奏と録音の見事さにつられて一気に聴いてしまいます。
つづくメヌエットは、足音が聞こえそうなほど人間の歩くさまをリズムにしたような不思議な曲。中間部で短調に転調する切り替えの見事さ、落ち着いたリズムの運びの巧みさ、そしてメヌエットらしい雰囲気。どれをとっても素晴らしい演奏。
フィナーレはヴェイロン=ラクロワのハープシコードの妙技に圧倒されます。間断なく繰り出される音階の堅固な表情は、この曲をハープシコードで弾くからこそ浮かび上がる表情。最後まで痛快さを失わない素晴らしい演奏でした。

フランス人奏者による、ハイドンの協奏曲などを収めたLPでしたが、あふれんばかりのフランスの香りが漂う演奏でした。独墺系の演奏とは一味も二味も異なるセンスに包まれ、ハイドンがフランスの貴婦人向けにも通用する曲を書いていたのだと思わせるものがあります。ハイドンがこうした雰囲気を想像していたかどうかはわかりませんが、このアルバムで聴かれる演奏はまったく不自然ではなく、むしろ実に自然に聴こえてくるのが不思議なところ。やはりこれはロベール・ヴェイロン=ラクロワのハープシコードの印象が大きいでしょう。私は気に入りました。評価は全曲[+++++]とします。

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tag : ピアノとヴァイオリンのための協奏曲XVIII:6 ディヴェルティメント ピアノ五重奏曲 LP

ギレルミナ・スッジア/バルビローリのチェロ協奏曲(ハイドン)

ちょっとLPにかまけておりましたのでCDに戻ります。

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ギレルミナ・スッジア(Guilhermina Suggia)のチェロで、ハイドン、ブルッフ、ラロ、サンマルティーニのチェロ作品を収めたアルバム。ハイドンはチェロ協奏曲2番でジョン・バルビローリ(John Barbirolli)指揮のオーケストラの演奏。収録はなんと1928年7月12日から13日で、ヒストリカルな演奏を素晴らしい音質で復刻する英DUTTON LABORATORIESのCD。

最近オークションで手に入れたアルバムですが、DUTTONの復刻はなかなかいいものが多いので入札した次第。先に書いたように録音は1928年ということで今から90年近く前。パチパチまみれかと思いきや、抜群に聴きやすい素晴らしい状態に復刻されており、とても90年近く経たものとは思えません。指揮がバルビローリというのも食指が動いた理由ですが、肝心のチェリストのギレルミナ・スッジアは全く未知の人。

ということで、いつものようにさらっておきましょう。

ギレルミナ・スッジアは1885年生まれのポルトガルのチェロ奏者。カザルスとともいパリで学び、その後国際的に活躍するようになりました。主に特に評価の高かったイギリスで活動、生活するようになりました、1939年に引退、戦後の1950年に亡くなっています。ということでこのアルバムの演奏時は43歳くらい、バルビローリは1899年生まれなので29歳と非常に若い時期の録音ということになります。バルビローリがイギリスで指揮者に転向したのが1925年、ニューヨークフィルの首席指揮者となったのが1936年ということで、バルビローリはデビュー後の活気あふれる時期ということになります。

Hob.VIIb:2 Cello Concerto No.2 [D] (1783)
とても1928年の録音というのが信じられないしっかりとした響き。もちろんモノラルですが、音に厚みと鮮度があり、実に聴きやすい。バルビローリの伴奏は実に柔らかい響きですが、徐々に自在に変えながら愉悦感に溢れた踏み込んだ伴奏であることがわかります。肝心のスッジアのチェロはやはりポルタメントを多用した時代がかったものですが、不思議とバルビローリの伴奏で聴くと、アーティスティックな掛け合いに聴こえてきて、悪くありません。現在の古典的なハイドン像とは異なり、むしろ前衛的な演奏という印象を感じます。楽譜からエキセントリックな響きを見抜いて音にしていくよう。スッジアもバルビローリの自在な呼応して、かなり自在な弓さばきで応えます。ときおりぐいぐい巻くように勢いをつけて推進するかと思いきや、すっと力を抜いて、まさに緩急自在。スッジアもバルビローリも老成している頃ではなく、むしろ若い時の演奏ですが、恍惚たるいぶし銀の世界を見事に描いていきます。見事なのはカデンツァでのスッジアの濃厚な表現。チェロの深く沈む音色で深い陰影を感じさせたかと思うと、すぅっと伸びる高音を聴かせる見事な弓さばき。1楽章からいにしえの響きに引き寄せられます。
アダージョは枯淡の表情を聴かせるのかと思いきや、意外と快活でチェロもさらりとした弓さばき。古い演奏らしく音程をかなり動かしながら鳴くチェロですが、不思議とさっぱりとしていて純音楽的に聴こえます。このアルバム、低音の処理がうまく、チェロの低音が実に深く響き、スッジアの分厚いチェロを堪能できます。
そしてフィナーレも、無理に郷愁を強調することなく、こちらも自在に伸びやかに弾いているのに冷静なコントロールが行き渡った演奏。スッジアの自在な弓さばきを今度は几帳面に支えるバルビローリ。現代の演奏とはかなり異なるざっくりとした音楽の中に、これもハイドンの音楽の一時の理想的な姿だと感じさせるものがあります。スッジアとバルビローリの妙技を堪能した満足感が残ります。

時代とともに演奏スタイルは変わりますが、時代ごとにハイドンの真髄にせまろうとする意欲は変わらず、この90年近く前の演奏にもはち切れんばかりのエネルギーが詰まっています。もちろん演奏スタイルには時代を感じさせるものがありますが、素晴らしい復刻により、この時代の演奏なのに十分鑑賞に耐える演奏となっています。この演奏は手元にあるハイドンのニ長調協奏曲では録音年不明のものをのぞき最古の演奏。記録として重要なばかりでなく、現在聴いても刺激的な演奏です。実に豊かな気持ちになる音楽といっていいでしょう。評価は[+++++]をつけます。こちらも手にはいるうちにどうぞ。

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tag : チェロ協奏曲 ヒストリカル

オリヴィエ・ロベルティのピアノ協奏曲集(ハイドン)

少々間があいてしまいました。今日は知る人ぞ知るマイナー盤です(笑)

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オリヴィエ・ロベルティ(Olivier Roberti)のピアノ、クルト・レーデル(Kurt Redel)指揮のイギリス室内管弦楽団(English Chamber Orchestra)の演奏でハイドンのピアノ協奏曲(Hob.XVIII:9)、ピアノとヴァイオリンのための協奏曲(Hob.XVIII:6)、ディヴェルティメント(Hob.XIV:8)、ピアノ協奏曲(Hob.XVIII:5)の4曲を収めたアルバム。収録は1993年1月28日から30日にかけて。収録場所は記載されていません。レーベルは仏PIERRE VERANY。

このアルバム、最近ディスクユニオンで見かけて手に入れたもの。聴いてみてなかなか素晴らしい演奏ということで取りあげた次第です。同じ奏者による別のピアノ協奏曲集(Hob.XVIII:11、4、F2、XIV.4)が手元にあり、そちらは1991年の録音。今回聴き比べてみたところ、たった2年さかのぼった録音なだけですが、そちらはピアノもオケもキレがイマイチ。曲の仕上がりにかなりの差があります。前に出たアルバムを聴いてたいしたことないやと思って次にリリースされるアルバムに手を出さないというのはよくあることですが、今回のように、前のリリースよりもはるかにいい演奏という場合もあるので侮れません。

さて奏者の情報ですが、ピアノのオリヴィエ・ロベルティについてはライナーノーツにも情報の記載がなくネットにもあまり詳しい情報がありません。おそらくベルギー生まれのピアニストで、ブリュッセル王立音楽院、ジュネーブ音楽院などで学び、カルロ・ゼッキ、レオン・フライシャー、クラウディオ・アラウなどに師事しています。録音はこのハイドンの協奏曲2枚の他にはメンデルゾーンの協奏曲くらいしかない模様ですが、ヨーロッパでは広く演奏活動をしていたようで、2004年からは小澤征爾がスイスで設立した国際音楽アカデミーの音楽監督をしています。
指揮者のクルト・レーデルは1918年生まれのドイツの指揮者。終戦までドイツ領で現ポーランド領のブレスラウ(ウロツワフ)音楽院で指揮、フルートなどを学び、1938年、20歳の時にマイニンゲン州立オーケストラの首席フルート奏者になりました。1942年にはバイエルン国立オーケストラの首席奏者に就任、1952年にはミュンヘン・プロ・アルテ室内管弦楽団を創設し音楽監督となりエラートレーベルなどに多くの録音を残していますが、2013年に亡くなられています。日本では今ひとつ知られていない人ですね。

こういった未知の演奏者の素晴らしい演奏を聴くのは無上の喜びなんですね。

Hob.XVIII:9 Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [G] (before 1767)
みずみずしく小気味好いオケの序奏。残響は適度で響きの良い会場での録音のよう。オリヴィエ・ロベルティのピアノはオケのキレ味の良さを受けて、絶妙のリズム感。シンプルな曲ほどタッチのキレの鮮やかさが活きてきます。ピアノが実に軽々とリズムを刻み、曲の華やかさが浮かびあがります。この曲自体はハイドンの真作ではない可能性が高い曲ですが、晴朗なメロディーの美しさはなかなかのもの。ハイドンらしい凝った構成感や展開の意外さは少々劣りますが、なかなかいい曲です。鮮度の高い演奏で曲の面白さが際立ちます。
アダージョはしなやかで叙情的な曲。まるでロマン派の曲を聴くよう、オケもピアノもすっと沈み、音色も柔らか。ところどころで明るい響きが射すような微妙な表情の変化が実に美しい。ピアノとオケは完全に一体化して見事に息が合っています。とろけるようなひと時。カデンツァは程よい陰りと美しいピアノの響きがバランスよく表現されています。
フィナーレも力が抜けて余裕たっぷりに流す感じがいいですね。ロベルティのピアノもタッチの軽さを保ったままさらりといきます。そしてクルト・レーデルの振るイギリス室内管もさらりと受け、演奏自体を純粋に楽しむようなおおらかさが滲みます。これだけリラックスしたフィナーレはなかなかありません。1曲目から極上のリラックスした演奏。

Hob.XVIII:6 Concerto per violino, cembalo e orchestra [F] (1766)
ヴァイオリン独奏は、マチェイ・ラコフスキ(Maciej Rakowski)。この曲でもみずみずしく小気味好いオケの序奏は変わらず。ソロもオケもうまく聴かせようというのではなく、やはり演奏を奏者自身で楽しむような愉悦感に溢れています。ロベルティのピアノは前曲同様。ラコフスキのヴァイオリンはことさら存在感を感じさせるのではなく、ヴァイオリンパートがソロになったような自然なもので、ピアノやオケのとの掛け合いも自然。かえってこの曲のこの演奏ではいい感じにまとまってます。作曲年代的にはシュトルム・ウント・ドラング期のもので、まるでエステルハーザの楽団でニコラウス侯に聴いてもらうための演奏のような素朴なまとまり。
演奏によっては透徹した美しさを引き出してくる2楽章のラルゴですが、ここでも等身大の演奏するための音楽といった風情は変わらず、むしろ素朴な美しさの方が浮かび上がってきます。これはこれで素晴らしい演奏です。
フィナーレでも流れの自然さと余裕は変わりません。協奏曲とはステージ上ではなく、練習場で弾いて楽しむものかもしれないと思ってしまいます。表現意欲にあふれた演奏という感じではありませんが、抗しがたい魅力を持っています。

Hob.XIV:8 Divertimento [C] (c.1768/72)
3楽章で10分弱の小曲。これまでの協奏曲同様の演奏ですが、小編成な分、より響きが純粋になり、虚心坦懐な演奏。ロベルティとレーデルの特質がより活きて、しなやかな演奏。これ以上のどのような演奏も必要ないような説得力に満ちた自然さ。純粋無垢な奏者の心を写したような演奏。絶品です。

Hob.XVIII:5 Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [C] (before 1763)
このアルバム最後の曲。完全にロベルティとレーデルの術中にはまっています。冴え冴えとしたテクニックを聴かせるばかりが音楽ではないと言われているよう。演奏する喜びが満ち溢れ、手作りの音楽の素朴な美しさがハイドンの真髄なのでしょう。聴いているうちにメロディーの美しさ、ピアノの響きの美しさ、管弦楽のとろけあうハーモニーの美しさと、音楽のもっとも基本的な魅力の絶大な威力に圧倒されて、聴いているこちらがとろけてしまいそう。オケもピアノも演奏のイメージが完全に重なってソロとオケの対決姿勢など微塵もなく、平和そのもの協奏曲。
つづく2楽章のアンダンテはオケの温かい響きとピアノの響きが溶け合いながら癒しに満ちたメロディーを紡いでいき、そしてフィナーレでは、ピアノが晴れ晴れとしたクリアな響きでオケをリードしながら美しい響きの響かせ合いのごとき風情。さらりと終えるところもなかなかのセンスです。

聴き終えると音楽の喜びに満たされたような幸せな気持ちになる素晴らしいアルバム。もちろん、これだけの演奏をするにはかなりのテクニックが必要だとは思いますが、そういったことをまったく感じさせない自然な音楽が満ち溢れ、純粋にハイドンの書いた音楽の素晴らしさに触れられるような演奏です。これはピアノのオリヴィエ・ロベルティと指揮のクルト・レーデルの目指す音楽が完全に一致しているからこそのものと思います。私は激気に入りました。もちろん全曲[+++++]をつけさせてもらいます。

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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : ピアノ協奏曲XVIII:9 ピアノ協奏曲XVIII:5 ピアノとヴァイオリンのための協奏曲XVIII:6

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なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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