【番外】初夏の尾瀬、奥日光紀行(その5)

その1へ)

この旅3日目の朝、奥日光湯元温泉を出ると、天気は快晴。ハイキング日和の朝を迎えました。宿からすぐ近くの湖畔の駐車場に車を駐め、1時間のハイキングの準備をして出かけます。暑くなりそうではありましたが日陰はまだ寒いくらい。ということで上着を1枚羽織って出かけます。

日光湯元ビジターセンター:ハイキングコース:湯ノ湖一周

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まずは湖畔のレストハウスの自販機で飲み物を仕入れます。1時間とはいえ水分が不足すると大変。どちら周りで行こうかと嫁さんと相談しますが、一昨年はレストハウスから左に回って湯元まで来た国道沿いに歩きましたので、今回は反対側から行くことにします。レストハウスの裏の道をしばらくまっすぐ行くと湯ノ湖に注ぐ小川を渡る橋に出ます。

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橋から山側を仰ぎ見ると、まさに抜けるような青空。

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そして湖側を見るとこちらも青空と陽の光を浴びる湖面が眩しいばかりに輝いています。

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しばらく車も通れる道を歩いて行くと、周回線歩道の入り口に差し掛かります。標識によるとここから湖の反対の端にある湯滝までは1.5kmとさして遠くはありません。そして車椅子でもこの先200mのところにある展望デッキまで進めるとのこと。ウッドデッキが歩きやすいのは前日尾瀬でも実証済み。木漏れ日を浴びながらウッドデッキを進みます。

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途中赤紫の花が気になりました。ドウダンツツジの一種のようですね。

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しばらくで湖面に近い展望デッキに出ます。さすがに展望デッキというだけあって良い眺め。ボートを浮かべて釣りを楽しむ人もちらほら。そして湖面の先にそびえる山は男体山です。

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展望デッキを過ぎるとウッドデッキは終わり、湖岸の山道に入ります。山道といっても高低差はあまりなく、ハイキングの延長で楽しめる道。木々の間からずっと湖が見えるまさに湖岸の道です。時折反対周りでハイキングを楽しむ人とすれ違いますが、皆さん軽装ですので、この先の道も心配なさそう。

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しばらく進むと少し視界がひらけて、先ほど飲み物を買ったレストハウスがすでに遠くに見えます。

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さらに歩いて行くと湖岸の木の種類もいろいろ変わり、木のシルエットもなかなかいい感じ。

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そして約1kmくらい歩いたところで湖岸に出られる広いスペースが現れ、湖岸にはベンチが置かれています。

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山側の斜面にはコケやシダの新芽が伸びています。

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湖には倒木がちらほら見えるようになり、少々フォトジェニック。湖面に対岸の山々が映るようになってきます。

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遠くから滝の音が聞こえるようになり、そろそろ湯滝が近くなって来たのでしょう。手元の地図を確認すると湯滝の手前には半島のようなものが突き出ているので、まさにその半島が右に見え始めたことになります。風はさして強くないので湖面に映る山々もさらにくっきりして来ます。

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歩くごとに景色がスペクタクルに変化して、散歩コースとしては抜群の眺望ですね。日向に出ても湖面を渡る風は涼やかで暑くはありませんでした。

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歩き始めの展望デッキからここまでは基本的に土の道。歩く人も多いでしょうから踏み固められて歩きにくいところはありません。途中立派な木の根が目を奪います。土の養分を余すところなく吸い取ろうとして成長したということでしょう。

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そしてコース上2つある橋の一つめに差し掛かります。この橋の下を流れる湖水が湯滝に注ぎます。橋を渡ると島というか、湯滝に注ぐ流れの中洲に渡ることになります。

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橋の上からの湯ノ湖の眺め。空も湖面も湖面に映る山々も刻々と表情を変えていきます。

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中洲にはお社が。

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そして中洲を渡って2つ目の橋からの眺望。歩き始めに見かけたドウダンツツジが綺麗ですね。背後は湯滝が流れ落ちる滝口があり、ほんのりと硫黄臭が漂います。橋から音のする滝口まで50mくらいでしょうか、一周コースがら外れて行ってみます。

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前日泊まった宿のすぐ脇に源泉があり湯ノ湖岸に温泉が流されていましたので、湯ノ湖の水にはかなりの温泉成分が含まれているのでしょう。その水が一気に駆け落ちる湯滝の飛沫が硫黄臭なのも頷けます。

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滝口の向こうには日光を取り囲む山々が遠望できます。方角的には足尾の方をになりますでしょうか。遊歩道は湯滝の滝口から滝壺まで続いており、滝と一緒に下って行くこともできますが、一昨年に日光に来た時に滝壺には行っていますので断念。下りはいいですが戻ってくる登りがきついのは容易に想像できますので(笑)

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ということで湯ノ湖を一周するコースに戻ります。滝口から橋までの間の流れは非常になだらか。いつのまにか鴨が2羽しきりに水の中に潜って餌の魚を探しているのでしょう。

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すぐ近くに寄っても逃げずに餌取り。途中の看板には、湯ノ湖にはニジマスをはじめとして多くの魚種が放流されているそうですので、それを餌にしているのでしょう。

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湯ノ湖一周のコースに戻ろと、あとはレストハウスがある出発点までは国道沿いに進みます。ポツポツと釣り人が湖に入っています。写真に写っている方はフライフィッシング。前後に竿を振ってしなやかに糸を繰り出し、釣りを楽しんでいる様子。水に浸かって涼風を楽しんでるのがうらやましくもあります。

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右側には国道があり、車の走る音を聞きながらのハイキングはやはりちょっと落ち着きませんね。しばらく歩くと木道が整備され、国道から少し離れます。脇にはツツジの花が。

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これはレンゲツツジでしょうか。レンゲツツジは蜜に毒があるとのことで注意が必要です。

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また見上げると木の幹にキノコが3つ。このあたりで湖に飛び出た兎島という半島に出る道と分かれますが、半島に出る道には木道がないため断念。しばらく歩くと歩き始めたポイントが見えてきます。このあたりまでは一昨年に叔母と散歩で歩いた記憶があります。

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ちょうど湯元温泉の入り口が見えます。前夜に泊まった美や川は右の木のすぐ後ろ。この辺りに湯元温泉の源泉があり、あたりは先ほどの湯滝とは比べ物にならないくらいの硫黄臭が漂います。

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ここだけ湖面が濁り、源泉が湖に流れてでていおることがわかります。この時10:30くらい。歩き始めから1時間10分ほど。途中のんびりと写真を撮りながらのハイキングでしたが1時間少しで1周できたことになります。陽が高くなりましたが、抜けるような青空は変わらず。少し気温が上がり陽射しが眩しくなりましたでしょうか。

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しばらく行くと源泉が流されるところがありました。転落注意という注意書きが恐怖感を煽ります。おそらく以前誰か覗き込んで落ちたのでしょう(笑)

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源泉からレストハウスまでは葦の原になっています。

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ほぼ一周したので湯元温泉の看板の前でパチリ。嫁さん昨日に続いてのハイキングでも疲れた様子もなく元気です。

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葦の原に桟橋がありボートが繋がれていましたので、これは観光用ではなく地元のひと用でしょう。これでニジマス釣りに出かけるのでしょうか。

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程なく最初にスタートしたレストハウスに戻ります。すると嫁さんのアンテナがピピピ。ソフトクリームののぼりに反応しました。ということで嫁さんはいそいそとソフトクリームを頼みにレストハウスに入って行きます。私はレストハウスの脇に咲くシャクナゲの花をパチリ。このあとレストハウスに入ると「スカイベリー」という高級なフルーツのソフトクリームを抱えてニンマリする嫁さん。写真は撮ったのですが名誉のために載せずにおきます(笑)

あまり計画もせず、好天に恵まれたため湯ノ湖を一周しましたが、これはオススメですね。歩く距離もほどほどですし、コースの眺めは写真を載せたように素晴らしく、歩くのが楽しいコースでした。途中に湯ノ湖の自然を理解することを意図したクイズが出されていたりと工夫もされていて実に楽しめました。



ということで、あとは東京に戻るだけですが、日光方面から戻るのと、金精峠を超えて群馬側から戻る道のふた通り。湯ノ湖から仰ぎ見る白根山がくっきり見えたのと、金精峠は今まで通ったことがないので、それではということで金精峠から群馬経由で帰ることにしました。時刻は11時ちょっと前。湯ノ湖畔の駐車場から出発し、日光方面に少し戻ると金精峠方面に入る分岐があり、そこから山道をくねくねとのぼります。途中どんどん湯ノ湖が小さくなり、登りもきつくなって行きます。峠はトンネルでした。

トンネルを越えるとそこは群馬県片品村。トンネルは白根山に続く金精岳と温泉岳の間の金精峠の下を潜るように掘られているのですね。トンネルを越えると道は日本ロマンチック街道と名付けられているよう。あんまりロマンチックという響きがマッチしている感はありませんが、気にせず進むと道は白樺の樹林帯をどんどん下って行き、間も無く湖が見えて来ます。まずは菅沼。そしてしばらく行くと丸沼。どちらも湯ノ湖よりは少し大きな湖ですね。道すがら気になるのは丸沼高原ロープウェイの看板。宿にもパンフレットが置いてあり、特に気にしていませんでしがが、道を進むごとに看板が次々と現れ、走っているうちに、ロープウェイの印象が刷り込まれていきます。そうこうするうちに、スキー場とロープウェイの山麓駅がある入り口についてしまいました。

脚の悪い母親連れの旅行ではロープウェイは手軽に高原に行けるので見かけると乗るようになりましたが、今回は母親連れではありません。ただし、この数年で刷り込まれたロープウェイは見かけたら乗る的条件反射は今回も反応。嫁さんとまあ乗ってみようかという軽いノリで車を駐め、ロープウェイに乗ってみることにしました。

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なんだかとっても整然と整備されたお土産屋さんからサインに促されるままにエスカレーターに乗るとチケット売り場に。チケットを買って外に出ると眼前にロープウェイが間断なく動いているではありませんか。

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お客さんもそれほど多くないため、すぐに乗ることができました。山麓駅ではおりて来たゴンドラがゆっくりとUターンしている間に乗り込みます。定員は8人のところ2人で乗りますのでゆったり。

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最初は山麓から見えていたところ進みますので、勝手知ったる感じ。山麓からグイグイ高度をあげていきます。

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だんだん高度を上げていきますが、このロープウェイ、高度が上がるに連れて尾根を越えるたびにロープの勾配がかなりダイナミックに変わります。最初に超えた尾根までは大体予想どおりでしたが、尾根を超えて終点が見えるかと思いきや延々とロープが上がっていきます。しかも途中からかなりの急勾配。勾配が変わる谷の部分は相当のロープの張力が加わるものとみえ、支柱が3本も集中して建っています。だんだんこのロープウェイのすごさが伝わって来ました!

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急勾配を上っているさいちゅうに下を見下ろすとかなりの迫力。山麓駅の施設群は豆粒ほどになってしまいました。

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上を仰ぎ見るとまだまだ登ります。しかも正面に見えるスキー場の勾配はものすごい角度。直滑降でもこんな角度は恐怖を感じる角度でしょう。このロープウェイ、往復のチケットは2,000円なんですが、なぜか嫁さんはこれは安いと言い出します。なんでもタクシーに2,000円乗ってもここまでの迫力は味わえないと(笑) なんだかわかりませんが素晴らしい迫力に違いありません。

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進行方向左側を見下ろすと、先ほど脇を走って来た丸沼が見えます。

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今度は後ろを見ると、高度が上がって来たので浅間山、谷川岳、至仏山、燧ケ岳までが遠望できます。前日は尾瀬で燧ケ岳を眺めながら尾瀬散策を楽しんだのが思い出されます。早朝など空気が澄んでいればよりクッキリ見えることでしょう。

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進行方向を見るとようやく山頂駅が見えて来ました。ここまで15分くらいでしょうか。ロープウェイの15分は長く感じますね。あとで調べたところ、このロープウェイ、全長2,500m、高低差600mとのこと。山頂駅の背後にそびえるのは日光白根山。今朝までは裏側を湯ノ湖から眺めていましたが、群馬側から見ると三つのこぶが印象的な姿ですね。

山頂駅に着くと、やはり600mの高度差で涼しい! 山頂駅は標高2,000mとのこと。

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脇の小高い展望台に登ってみると、先ほどゴンドラの中から見えた山々がさらにはっきりと見られます。看板には「標高2,000mから望む日本100名山」として、浅間山、四阿山(あづまやさん)、草津白根山、武尊山(ほたかやま)、苗場山、谷川岳、巻機山(まきはたやま)、至仏山、平ヶ岳、燧ケ岳などの山々の名が連なります。なかなか壮観な景色。

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この壮観な景色はただ見るだけでなく、足湯に入りながら見えるというのが観光地ぽいところ(笑) これはなかなかのアイデアですな。

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足湯から白根山を望むとこんな感じ。山頂駅の周りは散策できるよう整備されています。

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この足湯、「天空の足湯」と名付けられています。確かに天空です。

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このあたりに咲いていた花。シラネアオイというそう。今が見ごろですね。

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山頂駅の周りには足湯の他に二荒山神社もありますが、調べたところこれは平成15年に建立されたもの。もともと白根山頂にあった二荒山神社が荒廃してしまったため、このあたりの土地を保有する日本製紙が復興したものとのこと。

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このロープウェイでここまで登り、ここから白根山登山ができるとのことで、往復5時間とのこと。今度は白根山登山を目的にくるのもいいかなとおもいつつこの日は朝、湯ノ湖でハイキングを楽しんで来たばかりですので、山頂駅をぶらぶらするだけにとどめることとしました。登山道の方に行って見ると、そこには鉄の門にネット。よく見ると熊や鹿が出るらしく、山頂駅の管理区域をネットで守っているとのこと。いやいやこのネットが必要というのが迫力がありますね。それでは下ろうかと思って時計を見るとちょうどお昼を回ったところ。朝食は8時でしたのでそろそろお腹もすいて来ました。下に降りてから食べるより山頂の景色を見ながら食べた方が良かろうということで、ここで昼食をとることに。

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立ち寄ったのは山頂駅の隣にある山頂喫茶しらね。観光地に良くある感じのお店です。

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嫁さんは堂々と生ビール! そして玉こんにゃくにとろろ蕎麦、舞茸蕎麦を注文。なぜか海の家やこうしたところのラーメンや蕎麦は沁みるんですね。窓の外には白根山をのぞみ、しばしゆっくりとさせてもらいました。平日なので観光客も適度でゆったり過ごせるのがいいですね。

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お腹も満ちたので、ロープウェイに乗り、下ります。お昼を過ぎて、雲が増えて来ましたね。1時間少しで山の表情も随分変わるものです。再び15分の絶景パノラマを楽しみ、これまたアドリブで立ち寄った白根山ロープウェイを堪能。山麓駅のお土産屋さんでちょっとお土産を買い込んで白根山を後にしました。

今度は本当に帰るだけ。時刻は1時くらい。Google Mapsで帰り道を調べると、金精峠を再び超えて日光に戻る道も選択肢に出ます。それも野暮なので、片品村から関越の沼田インターに出る方に進みます。先ほどロマンチック街道との表示がありましたが、走っているうちに知らぬ間にとうもろこし街道に変わってます(笑) 道の看板にはとうもろこしの文字が乱舞。おそらくこの辺の名物なんでしょうが、ロマンチック街道とマーケティングがマッチしてません。気にせずどんどん下って行くと、尾瀬への分かれ道の案内があります。ここを右折すると、前日歩いた尾瀬沼の三平峠の入り口まで行けることになります。尾瀬の周りは車が通れませんので、大回りしてここまで来たことになりますね。

そのまま沼田市街を目指しますが、途中またしても巨大な看板につられて「尾瀬市場」という農産物屋さんに立ち寄ります。巨大看板の広告効果を身を以て実証するような行動ですね(苦笑)。ということで珍しい山菜やら新鮮な野菜などを買い込んで帰途につきます。ガソリンも心許なくなって来ましたので、沼田インターのそばで補充。そして関越沼田インターから一路、東京を目指します。

梅雨時にも関わらず、この旅は天気に恵まれましたが関越から圏央道に入り青梅あたりに差し掛かると、空模様が怪しくなって来ました。青梅あたりはトンネルが多いのですが、いくつかトンネルを抜けたあたりで電光掲示板にトンネル出口雨注意の文字が出るようになったと思いきや、トンネルを抜けると、土砂降り! それもちょっとやそっとの土砂降りではなく、ワイパーを最速にしても全く前が見えないほどの土砂降り。いやいや危ないですね。平日の圏央道はトラックがかなり走っていますが、トラックも急にスピードを落とし徐行になります。これは事故ってもおかしくない集中豪雨。雨の勢いはしばらくで弱まりましたが、危ない目に逢いました。

特段渋滞もなかったので、早めに帰着できそうでしたので、自宅ではなく母親の入院する病院に直行し、旅の無事を報告。お土産をいくつかおいて帰ることができました。

今回は、ハイキングでだいぶ体を動かしましたし、宿でそれほど大酒も飲みませんでしたので、健康的な旅となりました。毎度のことですがノートラブルで旅を終えられ良かったです。

7月予定の母親の退院後、体調が良ければまた旅に連れ出したいと思います。いつも通りだらだらとした旅紀行でスミマセン。手元には未聴盤が積み上がっておりますゆえ、ブログ正常化に励みます!

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【番外】初夏の尾瀬、奥日光紀行(その4)

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檜枝岐の駒の湯でハイキングの汗を流し終わってスッキリしたのがこの旅2日目の14:30くらい。この日の宿である、奥日光の湯ノ湖畔まで行きます。地図上の距離は25kmくらい。もちろん直線でいけるはずもなく大回りして行かねばなりませんが、嫁さんが温泉から上がってくるまでの間に先の旅程をiPhoneのGoogle Mapsで調べていると、なんと3時間かかることが判明。2時間くらいと先を読んでいましたので、ちょっと余裕がなくなった次第。このまま行くと宿に到着するのが17:30となります。食事の前に風呂に入るというミッションが危うくなります(笑)。

嫁さんが風呂から上がってくるやいなや、一般の方にはどうでも良い情報ながら、こちらにとっては比較的重大な事実を共有し、先を急ぐことにしました。檜枝岐のお土産は朝、宿で仕入れましたので、これで檜枝岐を後にします。

心持ち飛ばし気味に沼田街道を北上。来た時に潜り抜けた防雪シェードをやり過ごし、宇都宮方面と書かれた分岐を右折し、来た道を戻ります。途中、木賊への分かれ道、前沢曲家集落、湯の花温泉への分かれ道をやり過ごしてどんどん進むと、昨日寄った道の駅番屋に差し掛かります。行きにソフトクリームのオブジェに引っかかりましたが、帰りも嫁さんが車中でソフトクリームと一言。まだ走り始めて1時間も経っていませんが、ナビ役の指示で立ち寄ることにしました。

建物の中に入って行った嫁さんが、しばらくしてソフトクリームを持って出て来ます。先の旅程を考えるとのんびりもしていられませんので車中でナメることになります。前日はエゴマソフトでしたが、今日は蕎麦ソフト。一口ナメるなり、「蕎麦の旨味がよく出ているわ〜」とご満悦。ソフトクリームは人類の平和に大きな貢献がありますね(笑)

5分ほどの停車で再度出発し、さらに東に進みます。少しクネクネした道を下ると右に会津鉄道が見えてきて、程なく会津田島と宇都宮方面の分岐へ。もちろん宇都宮方面に進みます。以前はこの道で会津に入ったものですが、この旅では初めて通ります。しばらく登りが続きますが、福島県に別れを告げ、栃木県に入ると今度は下りが続きます。今度は那須塩原方面と日光・鬼怒川・川治方面の分岐となり、もちろん日光方面へ。この道は初めて通ることになります。

分岐を別れると林の中のなだらかな道。通る車も少なく快適なドライブです。道の看板によると、ここは会津西街道というそう。途中、「なかみよりおんせん」という看板にびっくり。途中で「なかみより」は地名の「中三依」だとわかりなるほどと納得。中三依からしばらく行くとクネクネ道になり、どんどん下って行くと、ダム湖のようなものが見えてきます。調べてみると五十里ダムによって堰きとめられた五十里湖。普段ならダムに立ち寄るところですが、夕食前の風呂に入るミッションと天秤にかけると、立ち寄る選択肢は選べません(笑) ということで、ダム見物はスキップとします。湖を渡っていると途中で湯西川温泉の入り口の分岐。湯西川温泉は嫁さんは行っていますが私は未踏。またの機会にと思って、先を急ぎます。

しばらく行くと今度は川治温泉の旅館街へ。古びた旅館が立ち並びます。川治温泉をやり過ごすと、塩原方面のもみじライン有料道路と日光方面の龍王峡ライン有料道路の分かれ道に。もちろん日光方面の有料道路に進みます。短い有料道路を抜けると、今度は鬼怒川温泉の温泉街と日光方面の鬼怒川有料道路の分かれ道に。こちらももちろん有料道路に進みます。徐々に日光が近づき道の周りも商店が多くなって来ますが、妙に目立つのがたまり漬けの巨大な看板。このあたりの名物なんでしょうが、先を急ぐためやり過ごします。どんどん進むとGoogle Mapsの指示は今市インターから日光宇都宮道路に入るような経路を指しています。車のカーナビだと予定到着時刻はあまりあてにならないのですが、Google Mapsは渋滞予測まで織り込み済みのため、この時点でも到着は17:25分くらい。これは指示に従った方が良さそうですので、高速に乗ります。そして高速を清滝まで進んで、いろは坂を登り、中禅寺湖、竜頭ノ滝、戦場ヶ原、湯滝などをやり過ごすと、ようやく湯ノ湖畔に到着です。なんとついたのは17:25と到着予定とピタリ。Google Mapsを見ている車の流れる速度なども計算しているのでしょうか、見事な精度です。

この日泊まるのはこちら。

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奥日光湯元温泉 ゆ宿美や川

湯ノ湖畔のすぐ脇に建つ旅館。湯元温泉で最初に目に入る宿なのですぐにわかりました。ここ湯ノ湖は一昨年8月、母親と叔母を連れた旅行で実に久しぶりに訪れて、湖畔の散策を楽しんだところ。母親が退院したら来られるかどうかの視察も兼ねての宿泊です。宿はいつも通り嫁さんのセレクト。

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宿について荷物を降ろし終わって車のキーをロックして宿に戻ろうとすると入り口に可憐な花があるではありませんか。なんとなく心和む瞬間です。すぐにチェックインですが、くる道すがら宿に電話して、到着が17:30くらいになることを告げていましたので、夕食は一風呂浴びることを考慮して当初予定の18:00を18:30にしてくれました。

そもそも湯ノ湖へきた最初は中学校の修学旅行だったと思います。戦場ヶ原のハイキングの後湯滝などに寄った記憶があります。その後大学時代に、高徳牧場から切込湖、刈込湖などを歩いて最後に湯元温泉に泊りましたが、この時は確か文化の日あたりで、紅葉もすっかり終わってかなり寒かった覚えがあります。それ以降は一昨年まで来ていませんが、大学時代にどの宿に泊まったのかは全く記憶がありません。

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部屋は2階で、すぐ横に露天風呂があります。部屋に入って浴衣に着替えるとすぐに温泉です!

この宿には内湯が1階に2つ、露天風呂が2階に2つ、全て貸切風呂。部屋は5部屋のみの小さな宿ゆえこのシステムはリーズナブル。しかも露天の2つはそれぞれ自家源泉で異なる源泉。内湯は共同源泉ということで、源泉が3つ引かれていることになります。日光の温泉は結構きつめの硫黄泉が多いのですが、湯ノ湖はその代表格。湯ノ湖周辺に来ただけでも硫黄臭が漂います。

入ったのは露天風呂のうち手前の方。おかみさんからうちの風呂は熱いのでよくかき混ぜて入ってくださいと注意されていましたが、その注意を聞いただけでこちらは武者震い(笑) 高温好きの魂に火が灯ります!

夕刻の涼やかな風が心地よい露天風呂。薄くグリーンがかった白濁泉に手を突っ込むとビリっと熱い。きました! これはいい。少しかき混ぜてみると滔々と掛け流される熱い温泉が上に溜まっているだけで少し温度が下がります。それでも45度くらいでしょうか。この旅で一番熱い風呂です。しばらく身を沈めると素晴らしい爽快感。源泉の注ぎ口に近づくと温度が上がり、46度くらいにはなるでしょうか。湯の中には湯の花が舞い上を見上げると木々が風にそよぐ極楽浄土のようなひととき。この日の尾瀬ハイキングにここまでの3時間のドライブの疲れが一気に吹き飛びます。いやいや素晴らしい。硫黄泉の強い臭いもさほど気にならず、むしろグッと落ち着きますね。30分ほどでしたが食前の入浴を楽しみました。他の風呂は食後の楽しみとしましょう。

露天風呂を楽しんで、部屋でのんびりとしていると、電話で夕食の準備が整ったとの連絡が入ります。この時iPhoneを見ると18:28。なんたる正確さでしょう。階段を降りて食事処に入ると18:30ピタリではありませんか。

4組がすでに食事を初めていました。食事処は簾で仕切られ適度の落ち着きます。

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席に着くとすでに彩り鮮やかなお膳が揃っていました。

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水無月御献立と書かれた和紙が添えられています。上の写真の右手が食前酒の梅酒。正面が季節の野菜の盛り合わせでもろみ味噌と梅たたきが合わされています。目で料理を確認し食前酒をクイと煽ったタイミングで頼んでおいた生ビールが運ばれてきました。全く絶妙なタイミングです。

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珍しいのがメインの肉がもう出されています。この日は牛ではなく鶏を頼んでいましたが、献立によると伊達鳥の鉄板焼きとのこと。

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乾杯して生ビールを飲み始めるとやおら鉄板に火を灯すではありませんか。御献立上は後に書かれた鶏の鉄板焼きに最初に火をつけます。こ、こ、これは母親が夢にまで見た「肉先の技」ではありませんか! いつも旅館の食事ではお肉が出る頃にはお腹いっぱいになってしまうので、旅館の夕食時に肉が出た時の母親の常套句が「お肉だけ先に出してくれないかしらね〜」ですが、この宿は、懐石の作法に縛られず、いきなり肉を焼くという母親の願いを叶える宿たったんです! これは帰って母親に伝える価値大です!

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刺身は縞鯵のたたき。これを見ると日本酒が飲みたくなりますね。

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これまたタイミングよく食前に頼んでおいた冷酒が運ばれてきます。このお酒は湯元温泉と澤姫で知られる宇都宮の井上清吉商店のコラボ商品ということ。生酒らしいフレッシュな喉越しが縞鯵に合いますね。このあともタイミングよくお皿が運ばれてきます。

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こちらが揚げ胡麻豆腐。衣がサクサクで美味い。

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こちらが炊き合わせ。揚巻湯葉に南瓜、茄子、絹さや。

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海老春巻きに隠元を揚げたもの。春巻きはアツアツです!

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そして定番前日の宿に続き岩魚の塩焼き。酒が進みます(笑) このあとご飯に味噌汁をいただきもちろんお腹いっぱい。

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そして最後のデザート。アイスに白玉もちにスイカ。デザート別腹理論が実証できます(笑)

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食事中から気になっていた食事処にかけられていた書。「至誠如神」とありますが、調べてみると中国の古典である四書五経の一つである「中庸」の中の言葉であり、「まごころ」を尽くし続ければ、とても人間がおこなうものとは思えない、神の領域のようなおこないが出現するとの意とのこと。食事の時間の正確さから始まり、どの皿も実に美味い。そして接客も非常に丁寧で見事な夕食でしたが、それは宿の主人がこの書の志を保っていると解した次第。いやいや見事な食事でした。

部屋に帰ると心地よい満腹感に嫁さんは「ちょっと寝る〜」と言ってベットにバタリ。それではということで私も一休みすることにしました。

目が覚めるとそろそろ11時になろうかという時間。他のお客さんはすでに就寝済みでしょう。まだ内湯に入っておりませんので、温泉でシャッキリしようということで内湯に向かいます。もちろん2つとも誰も入っていない模様なので、まずは手前の内湯に入ります。

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内湯は浴槽が2つに分かれ、源泉は奥の湯船に注がれ、そのオーバーフローが手前の浅い湯船に注がれているよう。熱いのを期待して入りますが、ちょっと混ぜて入ると、さして熱くはありません。43度くらいでしょうか。これには少々がっかり。宿に着いた時熱い場合は水でうめてくださいと案内していたので、おそらく先客がうめたのでしょうね。それでも源泉の近くは熱い湯が注がれ悪くありません。

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こちらはビシッと身の引き締まるような熱さを期待していましたので少々当てが外れました。夕食前に入った露天風呂は覆っている木々の緑が反射しているのか白濁泉でも少し緑がかって少し透明度があったのですが、こちらは濁りが少し強く感じ、緑がかった感じはありません。なんとなく露天のあの熱さが恨めしい感じ(笑)

それではということで、もう一つの内風呂にも行ってみることにします。

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私だけ浴衣に着替えてスパイのように廊下の様子を探り、隣の内湯に誰もいないことを確認すると、タオルだけ巻いた嫁さんが忍びの者のようにスササと隣の内湯に無事移ります。造りはほぼ同じですが窓枠の装飾が菱形から円形に変わり、広さもこちらの方が広くなります。

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期待した湯の温度もこちらの方がさらにぬる目でした。まあ、こちらも万人向けとしてはこの温度が適切でしょうと諦め、源泉の近くに浸かって湯を楽しむこととしました。しばらく湯に浸かって酒が抜け、爽快な気分に。部屋に帰ってちょっとテレビなどを見てこの旅2日目の夜は就寝。



翌朝、目が覚めるたのは6時過ぎ。梅雨にもかかわらず天気は良さそうです。前夜内湯は両方とも制覇しましたので、今度は入ってない方の露天風呂に入ることにします。前日宿に着いた直後に入った手前の露天風呂はビリっと熱くて最高でした。ということで期待して奥の露天風呂に入ってみます。

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形は隣の露天風呂と対称形、自家源泉で隣とは異なる源泉ということですが、お湯は隣より濁り気味でしょうか。注がれる源泉はかなりの熱さであるものの、かき混ぜるとそれほど熱くありません。43度くらいでしょうか。朝はビシッと熱い風呂でシャキッとしたかったんですが、これも一般向けですね。もしかしたら宿の人が適度な温度に調整してくれているのかもしれませんが、熱い湯好きの我々、もとい、私にはちょっとぬる目でした。

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まあ、雰囲気といい、硫黄臭といい申し分なしでしょう。しばらく温泉に浸かってもちろんシャッキリしました。

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見上げると隣接する山の斜面に生えた木々の緑に覆われています。この緑が温泉を緑がかった色に見せているのですね。

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ひとしきり温泉を楽しんで、部屋に戻って窓を開けると、空は抜けるような青空。正面に見えるのは日光白根山に続く峰々。この旅3日目も天気に恵まれたようですね。朝食前に荷造りをだいたい終え、テレビなどを見ていると、電話で朝食の案内がありました。この時8:00ドンピシャです。気持ちいいほど時間に正確な案内。前夜と同じ階下の食事処に降りて行くと、フロントで主人がおはようございますと深々と頭を下げてお出迎え。

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前夜と同じ席に向かうとすでに朝食の品が並んでいました。前夜の食事は素晴らしかったので、朝食も期待が持てます。真ん中の空いたスペースにはあとでシャケを焼いたものが来ます。旅館の朝食としては一般的なものですが気になるのは右手に豚ばら肉が供されていること。なんでも中央の湯豆腐をいただくと残った出汁に豆乳が溶け出すので、それで一口豆乳しゃぶしゃぶを楽しめるようにとのこと。これもユニークなサービス。

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湯豆腐の土鍋の蓋を取ると、豆腐に白しめじに野菜で、煮立ってしばらくすると豆腐が溶けてくるので、溶け始めが食べごろとのこと。前夜同様、どの皿も新鮮で味もよく楽しめました。特にご飯がツヤツヤして見事な炊き上がり。日本人は美味しいご飯に漬物があれば満足しちゃいます。もちろん湯豆腐の鍋で最後に豚ばらをしゃぶしゃぶして一口いただきました。朝食も満足度高いですね。

セルフサービスですがコーヒーも用意されていて言うことなし。

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フロント横の囲炉裏端でコーヒーをいただくことができます。朝食を食べ終わったのが8時半くらい。この日は特段予定を決めていませんでしたが、改修工事が終わった東照宮の陽明門を見に行くか、あるいは一昨年ちょっと散歩を楽しんだ湯ノ湖一周に挑むか嫁さんに尋ねると、前日尾瀬をかなり歩いたにもかかわらず、湯ノ湖の周りが1時間くらいで一周できると知り、ハイキングを選択。それではということで、ハイキングにふさわしい格好に着替えて宿を後にすることにしました。

この美や川、夕食の「肉先の技」といい、親切なサービスといい、満点の宿。今度母親と叔母を連れてきても良いなと思っていましたが、一点だけ欠点が。そう客室が2階でエレベーターがないので、脚の悪い母親にはちょっとハードルが高いこと。母親も温泉は比較的熱いのが好きなので言うことなしなんですが、現在のリハビリで階段の上り下りまでたどり着けるかが勝負になりますね。

目の前の駐車場に駐めてあった車に荷物を積み込み、宿を後にして、すぐそばにある湯元本通り湖畔駐車場に車を駐め直します。1時間のハイキングに備えて靴を履き直して湖畔に出ると、実にいい天気。

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湯ノ湖の標高は1,450m。快晴とはいえ朝9時過ぎの風は爽やか。空は青々と澄み渡り、背後に荒々しい白根山が輝いています。ハイキングには絶好の天気に期待が高まります。

旅はまだ続きます!

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【番外】初夏の尾瀬、奥日光紀行(その3)

その1へ)

旅行2日目の朝は天気に恵まれ、抜けるような青空のもと、前夜に泊まった檜枝岐かぎや旅館を出て一路尾瀬を目指します。

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先ほど尾瀬国立公園の看板の写真を撮ったのは七入の手前。檜枝岐から七入りまでは檜枝岐川(伊南川)沿いのなだらかな道。白樺林の緑が朝の陽の光に映えて眩しいですね。七入をすぎると急な登りに入り、林の中をくねくねと登って行きます。途中モーカケの滝展望台などをやり過ごし、しばらく登ると再び林の中のなだらかな道になります。あとでわかったのですが、ここは尾瀬ブナ平というブナの林。しばらく走ると目的地の御池に到着。檜枝岐からは30分もかからず到着します。朝食が早かったの7時半すぎには着くことができました。

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早速、昨日宿で案内された通り御池駐車場に車を駐めます。この駐車場は2時間以上駐めると1000円と表示されているのですが、檜枝岐の宿に泊まるとコインをもらうことができ、精算時にそのコインで無料になる仕組み。この御池も檜枝岐村ですのでリーズナブルな仕組みです。びっくりしたのが駐車場のわきに残る雪。

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すでに6月中旬にも関わらずまだ3〜4mの雪が残っています。聞くところによると尾瀬はこの冬記録的な豪雪だったそうです。このところ雨が少なかったにもかかわらず、関東北部のダムの貯水量が落ちていないのはこの豪雪によるものでしょう。天気は快晴ですが、さすがに標高1,520メートルの御池の風は爽やかなこと。山歩きに合わせて靴を履き替え、日差しに備えて帽子をかぶり、そして念のためヤッケを羽織って出発の準備をします。

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ここから尾瀬に入るには、シャトルバスで沼山峠まで20分ほど。この季節はシャトルバスが2〜30分おきに走っています。次のバスは8時出発です。

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定刻前にバスに乗り込むと、運転手さんが左側の方が眺めが良いため左に座るように促してくれたので、初め右側に座った私たちは左の席に移ります。あとからバスに乗った中高年のおじさんたちにも同じく左に乗るよう告げると、「片側に乗るとバスが傾いちゃうんじゃない!」とおじさんたちが応報、それに「当社はそもそも経営が傾いてますから大丈夫」と笑いを誘う運転手。傑作だったのはそのあと。「左に傾けば右肩上がりになって持ち直すんじゃない」と上手いこと言います。これには気さくな運転手さんもゲラゲラ笑ってバスの中和みます。こうしているうちに、時間となりバスが出発。この御池から沼山峠までの道は一般車進入禁止ですが、それもそのはず。バスが走ると対向車とすれ違うことができない道幅のところ多数。バスは無線で対向車の有無を確認しながら進みます。御池から少し走って眺めの良いところ一旦停車。運転手さんから見下ろした平原が先ほど通ってきた尾瀬ブナ平だと教わります。その後も重兵衛池、長池などのスポットを案内してくれ、約20分で終着点の沼山峠休憩所に到着します。

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檜枝岐村営 山の休憩処

この沼山峠休憩所の標高は1,734m。バスで200m以上登ったことになります。さあ、ここからが登山です。歩き初めは8時半少し前。

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沼山峠から尾瀬に入るのは2度目です。以前に来たのは2007年の8月。夏の盛りだったので半袖でも汗だくでしたし、この登山道はアブが飛び交っていました。今回は6月ということでヤッケを羽織っていてちょうどいいくらいの気候です。登り始めは石段ですが、これが妙に歩きにくい。ゴロゴロとした丸石は足首が落ち着きませんね。少し登ると登山道も残雪というか雪渓というか雪の塊に覆われたところがまだ多数ありました。ただ、雪に段が刻まれ歩きやすくなっているのでむしろ石段より歩きやすいくらい。

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どんどん登って行くと今度は木道が多くなって来ます。これは一番歩きやすいですね。20分ほど登るとあとは下りです。ゆったりとした下り道をどんどん降って行くと徐々に沢の音が大きくなり、尾瀬の福島側の端に当たる大江湿原に出ます。

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沼山峠休憩所から歩き始めて40分ほど。登りも下りもさしてきついところはなく、40分で楽園に到達できます。

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大江湿原の端部である左手を見下ろすと中央の平地の部分に何やら白い点がポツポツ。よく見ると水芭蕉ですね! 尾瀬の水芭蕉は5月初旬から6月中旬が見頃とのこと。今年は豪雪の影響で開花が遅れていたそうですのでどうやら見事に間に合ったようです。

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iPhoneのデジタルズームでエイっと中央を拡大するとこんな感じ。まだまだ沢山咲いているようです。この先のハイキングに期待が高まります。

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もう少し降りて行くと木道のすぐ脇にも水芭蕉が沢山咲いていました。

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そして、もう少し降りて行くと、木道のすぐ脇にも。先ほど水芭蕉を見つけた時の驚きは消え、今度は無数の水芭蕉に囲まれるのが当然のように木道のハイキングを楽しみます。

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湿原の中央に木道がひかれ、尾瀬沼の方にどんどん進みます。まだ朝早いのですれ違う人もまばらで、湿原を貸し切ったよう。

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普段運動不足の嫁さんも沼山峠を超え、休憩なしでここまで歩いて来たにもかかわらず意外に元気。

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湿原だけあって木道の下はぬかるみ。木道の間にも水芭蕉が咲いて華やかな気分を盛り上げます。

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途中、小淵沢田代方面への分かれ道があり、ちょっと折れて、小川の方に行ってみます。水の流れは誠に清らか。尾瀬に降った豪雪が尾瀬の土地に漉されて真水のような透明感。その清らかな流れが水芭蕉を育てます。

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元の木道に戻り、さらに進むと、ついに遠くに尾瀬沼が見えて来ました。あと少しで尾瀬沼です。ここまで歩き始めから1時間ほど。

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進むにつれて、少し前まで残雪の下にいたのか、水芭蕉の花も若いものも混じって来ます。

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尾瀬沼の北岸を進む道との分かれ道に立つ尾瀬の看板。ここは国有林で水源かん養林ということですね。まさにここに降った雪が巡り巡って関東地方の飲料水となっているわけです。

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尾瀬沼に近づくにつれて北にそびえる燧ケ岳の姿が徐々に大きく見えるようになって来ます。旅館で入手したパンフレットによると燧ケ岳に登るには先ほど車を駐めた御池駐車場から4時間の登りでさせるようです。こちら側から眺める燧ケ岳の勇姿から山頂から眺める尾瀬沼もさぞかし絶景だろうとの想像が働きます。いつかはその絶景を見てみたいものですね。
                                                                                   
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長蔵小屋

そしてしばらく歩くと、尾瀬沼東端にある長蔵小屋に着きます。

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そのすぐ脇に長蔵小屋の売店があり、その前のデッキにベンチがあるのでようやく一休みすることとします。ベンチに座ってしばしのんびり。前回来た時はこの長蔵小屋まで来て折り返し帰ったのですが、嫁さんにこのあとどうすると聞いてみると尾瀬沼を一周するとどのくらいかかるのとの質問。手元の地図を見ながら歩程を計算すると3時間くらい。それじゃあやめようという返事かと思いきや、一周してもいいねとの返事。最近はスポーツクラブで週2〜3回泳いでますので嫁さんも体力が付いて来ている模様。それではということで隣のビジターセンターで様子を確認してみようということで尋ねてみました。

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尾瀬保護財団:ビジターセンター

ビジターセンターに入ると、尾瀬に咲く花の説明書きなどが掲示されている他、職員の人が高齢者の団体の質問に答えているなど、いろいろと忙しそう。ということで掲示を確認していると、尾瀬沼の周りのハイキングコースの地図に書き込みがあり、南岸コースが雪のため開通していないとの情報。せっかくやる気になりましたがコースが開通していないのでは仕方ありません。それではということで、南岸コースの手前の三平峠まで行くか、北岸コースで沼尻まで行くか地図を見ながら検討しますが、地図上のスポットのうち燧ケ岳の眺めの良いスポットは三平峠の方に多いということで、そちら方面に行ってみることにしました。ビジターセンターから三平峠までは1キロほどで大した距離ではありませんが、地図上にはぬかるみ注意との書き込みもあります。

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ということでビジターセンターを出て、三平峠方面に歩き出すと、木道の合間に注意書き通り、雪解けでぬかるんだ箇所が出て来ます。こういうところに来ると木道のありがたさがわかります。右手には尾瀬沼が見え、燧ケ岳も望めるコース。ちょっと視界がひらけたところでパチリ。青空に残雪が残る燧ケ岳の勇姿が映えます。

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再び木道を進んで行きます。

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今度はかなり広いところに出て、まさに燧ケ岳が湖面に映える絶好の撮影ポイントに。雲が流れて陽の当たる場所も刻々と変わって行く中、何枚か撮ったうちの一枚。この景色を見るとここまで歩いて来た甲斐があるというものです。流石にいい撮影スポットだけあって木道の横にベンチもあり、写真を撮りながらのんびりと風と陽の光を浴びてのんびりとします。おそらく三平峠への分かれ道はすぐそこです。

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再び林の中を歩くこと5分くらいで三平峠と南岸ルートの分かれ道に着きます。南岸ルートが通行止めのため、尾瀬ヶ原方面から人が来られないこともあり、この辺りは人が少ないですね。

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尾瀬沼側を見ると、ボートがあり、岸に出られるようなので行ってみます。

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湖面のキワまで出ると尾瀬沼に燧ケ岳が映るよう。これで風がなければ鏡のように尾瀬沼に燧ケ岳が映るのでしょう。このあたりでは先ほどからカッコウが鳴き続けており、カッコウの鳴き声とうるさいほどのカジカの鳴き声、林を渡る風の音を楽しみながら景色を眺めて過ごします。もう少し先に行くこともできましたが、そろそろお腹も減って来たので、先ほど休憩した長蔵小屋の売店のところに戻ることにします。

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先ほど来た約1キロほどの道を戻ります。先ほどは尾瀬沼と燧ケ岳の方ばかりを見ていましたが、帰り道、ふと見上げて見ると山桜でしょうか。ダケカンバの新緑に淡いピンクの桜の花がなかなか良いコントラスト。同じ道ですが、行きと帰りでは視線をやる先が異なるものなんですね。いくつかのぬかるみをひょいとかわしながら、先ほど休憩したウッドデッキに戻ります。

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時計に目をやるとそろそろ11時くらい。朝食が6時半で結構な距離を歩いて来ましたのでお腹も良い具合に減って来ました。お昼は昨夜泊まったかぎや旅館でおにぎりを作ってもらっていましたので、ベンチに座って昼食です。朝いただいた紙包みをあけてみると、おにぎり2つとおかずの入ったパックにお茶とおしぼり。おにぎりは海苔と桜の葉の塩漬けを巻いたものが一つずつ。中は梅干しでした。これが美味い美味い。ご飯が美味しいのに加え、歩いた後の梅干しの塩気がたまりません! そしておかずは蕗を煮たものにたくあん、シャケ、トマト。いやいやこれはご馳走です。歩いた後だけに実に美味い。食べ終わった頃には昼時も近づいて来たため、行きに寄った時よりも人が増えこの辺りも賑やかになって来ました。お昼をいただき、少し休んだので、尾瀬沼巡りもこれで終了ということで、帰途につきます。長蔵小屋から朝歩いて来た大江湿原の木道を戻ります。

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なんとなく尾瀬の風景も見納めということで、最後に燧ケ岳をもう一枚。陽が高くなり山の表情も微妙に変わります。行きと違って帰りは勝手知ったる道ゆえ、スタスタと歩けます。水芭蕉がちりばめられた大江湿原をやり過ごし、沼山峠を超えてシャトルバス乗り場のある沼山峠休憩所を目指します。道は同じですが、帰りは交通量が違います。これから尾瀬に入る小学生の集団とのすれ違いが延々と続きます。やはり朝早く入ったのは正解でしたね。帰りは長蔵小屋から沼山峠休憩所まで50分くらいでしたでしょうか。合わせて正味3時間くらいのハイキングでしたが、嫁さんも疲れた様子はなく快適なハイキングでした。休憩所に戻るとシャトルバスが待っておりタイミングよく出発。あっという間に車を駐めた御池駐車場まで帰って来れました。

駐車場でヤッケを脱いで靴を履き替えます。もちろん歩いた疲れを温泉で洗い流そうということで、檜枝岐まで車で戻ります。

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向かったのは檜枝岐の村営の2つある温泉施設のうち、前日に入っていない方の駒の湯です。ここは実は初めての訪問。昨日散歩した六地蔵より少し北にあり、近くに会津駒ケ岳の登山口があるので、登山後のお客さんが多いそうです。ついてみると駐車場に車はなく、我々以外に客はいないよう。

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男湯に入ると予想通り私だけということで、湯船をパチリ。昨日入った燧の湯は単純硫黄泉だったんですが、こちらは弱アルカリ泉。泊まったかぎや旅館と同じ源泉だそうです。お湯は42度くらいと標準的な温度。外に露天風呂もあり、いつも通りしばらく温泉で温まったり風を楽しんだりを繰り返して登山の疲れを癒します。

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汗を流しきってスッキリして上がり、嫁さんが上がってくるのを待ちながら駐車場の脇の檜枝岐川の流れを眺めて過ごします。時刻は14時半くらい。この日の宿は奥日光の湯ノ湖畔。Google Mapsで檜枝岐からの所要時間を確認するとおよそ3時間。ん?3時間? 好天に恵まれのんびり尾瀬のハイキングを楽しんだので、ちょっと時間が押していることにようやく気づきました(笑) これはちょっと先を急がねばなりません。

旅はつづきます。

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【番外】初夏の尾瀬、奥日光紀行(その2)

その1へ

旅行初日も夕刻近くなり、そろそろ今夜泊まる檜枝岐に行こうということになりました。前沢曲家集落から檜枝岐まではiPhoneのGoogle Mapsで30分くらいとでましたので、あと少しですね。

国道352号を進むと木賊温泉への分岐を後ろ髪を引かれる思いでやり過ごし、伊南川を渡り、檜枝岐方面と只見方面の分岐に差し掛かります。もちろん檜枝岐方面に進みますが、このあと道は半分トンネルのようなスノーシェードの連続。おそらく冬はかなりの豪雪に見舞われるということがこれでわかりますね。大桃、小豆温泉と進みようやく懐かしい風景、檜枝岐村に入ります。まずは予約しておいた宿に入り、荷物を下ろします。

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かぎや旅館 尾瀬檜枝岐温泉 | 日本秘湯を守る会会員

この日の宿はこれまで2度泊まったことのあるかぎや旅館。いつも思うのですが宿の名を書いた看板が妙にアーティスティックで不可思議な雰囲気を醸し出しています。ここは尾瀬歩きや登山客向けの宿といった感じで、トイレも風呂も共用ということで母親や叔母づれではちょっと不便な宿ですが、我々夫婦には問題ありません。問題ないどころか、山菜や蕎麦の料理が実に美味く値段もリーズナブルなのでお気に入りの宿です。以前泊まってから季節ごとに便りが届き、今回も山菜祭りの案内ハガキをいただいたので予約した次第。

宿について荷物を降ろしたところで、まだ陽が高いので檜枝岐の街を散策に出かけます。先日NHKの新日本風土記で檜枝岐の特集の再放送を見たばかりなので、落人部落だった歴史や厳しい気候、檜枝岐だけ方言がないこと、村民のほとんどが星、平野、橘の苗字なことなどの情報が入っていますので、街の風景もなんだか以前よりも心に沁みる感じ。

NHK:新日本風土記 - 奥会津 檜枝岐

調べてみると、檜枝岐村は日本有数の特別豪雪地帯であることに加え、人口は600人弱。福島県で最も人口が少ない市町村であり、日本一人口密度の低い市町村とのこと。尾瀬の北の玄関口として今は観光がメインの村ということですね。観光地といっても素朴そのもの。この最果てのような地は都会の人間にとってまさに心癒される村といったところでしょう。

かぎや旅館は沼田街道、檜枝岐の街のほぼ中央にあります。まずはちょっと北に歩くと、檜枝岐のランドマークの一つ、火の見櫓があります。

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鉄製で古いものではなさそうですが、何と無く雰囲気のあるものですね。今でこそ役割はあまりなさそうですが、昔は重要なものだったのでしょう。

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この火の見櫓が気になるのは、足元が池になっており、大きな岩魚がたくさん泳いでいること。檜枝岐の宿の食事の名物は岩魚ですので、ここから取っているのかと思いきや、後で宿の人に聞いたところ檜枝岐の入り口付近にある養魚場から仕入れているとのことでした。

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もう少し北に行ってみると、檜枝岐村の重要文化財である井籠(せいろ)造り板倉があります。板倉の前には解説が書かれた札が下げられていますが、以前来た時には多分このような丁寧な解説はつけられていなかったのではないかと思います。

解説によると、檜枝岐では壁土がなかったことから、昔から住居も蔵も木造で、井籠造りはその最古の形式。柱や釘を使わず10cmほどの厚い板を井籠のように組んだもの。角材によるログハウスのような造りということでしょう。蔵は火事を避けて住居とは離れた場所に建てられたとのことです。

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板倉のすぐ横には年季の入った図太い幹のカツラの木があります。カサついた樹皮にハート形の葉が生い茂り、これも檜枝岐のランドマークの一つでしょう。

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そして、有名な六地蔵と絵馬札。

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檜枝岐は山深い里のため、昔から冷害になやまされ、とくに凶作の年には餓死者もでるほど。それ故、働けぬ赤ん坊がやむなく「まびき」されるという悲しい歴史もあり、この六地蔵は口べらしのために「まびき」された霊を弔い母の嘆きを慰めるために建立されたものとのこと。印象的だったのはここを通りがかった小学生が一体一体の前掛けを綺麗に揃えていたこと。それを見ていた通りがかりのおばあさんが「えらいえらい」と言いながらその小学生の頭を撫でていました。都会ではなかなか見られなくなってしまった風景に、山の暮らしの心の豊かさを垣間見ました。

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六地蔵の周りをはじめとして、檜枝岐の街道沿いには多くのお墓や古い石仏が立っています。お墓は先に触れたように星家ばかりで橘家、平野家がちらほらある感じ。

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そしてその周りには美しい花々と緑があって、これも檜枝岐のランドマーク。今はマーガレットやルピナスなどが盛りで一番美しい季節かもしれませんね。

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こちらは葉に艶があるので牡丹ではなく芍薬でしょうか。

ひとしきり歩いたので、街道を南の方に戻って見ます。するとちょうどお土産やさんの平野商店の向かいの家と家の間の隙間から石段が見えるではありませんか。

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家の隙間を抜けると鳥居があり、人一人通れる狭い幅の石段が上に続いています。ここは入ったことがないので登ってみます。

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さして高くはないのですが、何しろ階段の幅が狭く、人がすれ違うのも難しそうなので、ちょっとスリリング。

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上には、小さな祠に石灯篭、木の鳥居、賽銭箱だけがあり、説明書きによれば愛宕神社とありました。ここは地元の人くらいしか来ない場所でしょう。なんとなく新発見的喜びがありますね。帰りの石段の安全(笑)と旅の安全をお祈りして降りることとしました。

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愛宕神社から降りてさらに南に歩き、有名な歌舞伎舞台に寄ってみることにします。ここも住宅の間の狭い参道が入り口です。ここにはいつものぼりが立てられ、なんとなく華やいだ気分になります。

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ここで行われる檜枝岐歌舞伎は5月12日、8月19日、9月第1土曜と年3回の公演とのこと。すでにこの先の公演の演目が掲示されていました。8月は「鎮守神祭礼奉納歌舞伎」で「寿式三番叟」と「一之谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)」と歌舞伎座でもかかる有名な演目。特に一之谷嫩軍記は平家物語を題材とした演目だけに、平家の落人部落である檜枝岐歌舞伎の演目としては定番なのでしょうね。

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奥に進むと歌舞伎舞台があります。歌舞伎舞台は山の斜面にある神社(先ほど訪れた愛宕神社とは場所は別ですがこちらも愛宕神社)に歌舞伎を奉納するため、神社に舞台が向いており、木造茅葺の建物。明治26年の村の大火で焼失後、明治30年に再建されたのが現在の建物とのこと。村では建物を舞殿(めえでん)と呼んでいるそう。

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近づいてみると、左下手に翼部が張り出し、これは花道として使うのでしょう。花道から出る時は裏から回って羽目板のないところから登場するのでしょう。なんとなく舞台の情景が思い浮かびます。良く見ると舞台上部の梁は実に立派なもので、虹梁(こうりょう)と呼ばれ、荷重を受けてしなったように見せないため上に膨らみをもたせた意匠。眉と呼ばれる優雅な彫り装飾も施され、田舎町の歌舞伎舞台としては実に立派なものであることがわかります。

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舞台自体は回舞台があるような本格的なものではなく障子が据えられただけのもの。実演を見たわけではありませんが、この障子がパッと開いて熊谷直実が登場したりするのでしょう。だんだん実演が見たくなってきました(笑)

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舞台の正面は山の斜面を利用した観客席。ここに歌舞伎の日には村人や観光客が座り、舞台の熱演をうちわ片手に楽しむのでしょうね。写真の右端の石段の上に愛宕神社の社があります。

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夕刻の歌舞伎舞台をぶらぶらと散歩して、今は静かな舞台から上演される日の賑わいを想像して楽しみました。歌舞伎舞台に続く参道を今度は街道に向かって戻りますが、鳥居とのぼりがなんとなくいい雰囲気を醸し出しています。

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こののぼりは福島テレビのもの。もしかすると歌舞伎の模様はテレビでも取り上げられるのでしょうか。

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澄んだ青空が爽やかな気分を盛り立ててくれました。時刻は17時近くになりましたので、一度宿に戻り、あと一箇所寄るべきところがあり、支度をして向かいます。

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尾瀬檜枝岐温泉観光協会:公衆浴場 燧の湯

かぎや旅館から尾瀬側に少し歩いたところにある、檜枝岐に2つある町営の共同浴場の一つの「燧の湯」。ここはお気に入りの温泉で、檜枝岐に過去2回来た時に2回とも入ってます。なんといっても素晴らしいのが露天風呂。44度くらいと熱めの温泉が掛け流されている上、正面の林の緑の眺望が抜群。そして吹き抜ける風の気持ちいいことといったらありません。かぎや旅館の温泉は弱アルカリ泉ですが、こちらは単純硫黄泉。うっすらと硫黄の香りが漂うのも悪くありません。今回も抜けるような青空の下で、新緑の木々を眺めながら熱めの露天風呂に入っては上がって風を浴び、また温泉に浸かっては風を浴びるの繰り返し。日頃の心の垢と旅の疲れを綺麗さっぱり洗い清めました。ここはオススメです! 心も体も浄化されたところで、のんびりと宿に戻ります。

浴衣に着替えて、この宿の名物、山人(やもーど)料理のフルコースへ!

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夕食は1階の宴会場でいただきます。床の間には巨大な熊の毛皮が誇らしげに吊るされているのが山村ならでは。期待の夕食に顔がほころびます(笑) この日は平日で、尾瀬の方も木道にまだ雪がのこっているという情報で、お客さんの予約も例年より遅めに入っているとのことで、泊客は我々のみ。広間が貸切状態で優雅な夕食が始まります。

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まずはビール! すすめられるままに日本秘湯を守る会の宿限定の「秘湯ビール」をいただきます。日本秘湯を守る会も鄙びた宿というだけでなくビールも含めてマーケティングに踏み込んで来ました! もちろん温泉の後の冷えたビールは体に染み渡ります。

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まずは山人料理の数々。正面の瓢箪皿が山菜。ご主人が山菜の種類と料理法を一つ一つ丁寧に教えてくれます。塩漬けにした山菜を戻したり、硬い茎の部分はみじん切りにして食感を柔らかくしたり、苦味を生かすのにマヨネーズを使ったりと、限られた食材を美味しくいただく先人の知恵が受け継がれていることがわかる料理法。一品一品香りと食感が異なり、誠に美味しい。左上の曲げわっぱはつめっこという蕎麦のすいとん。その前に岩魚の塩焼き。ビールの横は岩魚の刺身。岩魚は刺身にするのは大型のもの、塩焼きは中型、干物は小型と岩魚一つとってもきめ細かい使い分け。左手前の小皿の黒いのが山椒の佃煮。これも絶品。色々つまんでいるうちにビールが空き、、、

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と思っていると、宿に着いた時に夕食と一緒にと勧められた岩魚の骨酒が出て来ます。フグのひれ酒同様、よく焼いた小型の岩魚がお酒に浸けてあるもの。お酒をこちらに切り替え、料理をつまみます。

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そうこうしていると、今度は山菜の天ぷらが出て来ます。食べる前に写真を撮り忘れたので、ちょっと食べてからの写真です(笑)。これがまた美味い。山菜は天ぷらに合うものが多いですが、やはり摘み立て、揚げ立ては違いますね。山菜をいただいていると、岩魚の骨酒だけでなくスキッとした日本酒もいただきたくなるんですね〜。

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ちょうどいいのがありました。会津の地酒の飲み比べ。味と香りの違う3種のお酒をちびちびとやりながら天ぷらや山菜に舌鼓を打ち続けます。

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そして、檜枝岐名物裁ち蕎麦。檜枝岐は蕎麦のつなぎとなる小麦なども育たなかったことからやむなく10割蕎麦。それを布を裁つように切るので裁ちそばの名がついたとのこと。蕎麦の横のひし形のもちのようなものが蕎麦で作った甘いもちの「はっとう」。昔村人が食べているはっとうを殿様が食したところあまりに美味いので贅沢であるとして御法度となったことから「はっとう」の名がついたそう。確かにこれはご馳走ですね。

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そして最後にご飯と味噌汁ですが、このご飯が絶品。コシアブラという山菜をバターを混ぜて炊き込みご飯にしたものとのことですが、これがめちゃくちゃ美味い。この季節の定番だそうですが、この炊き込みご飯がお目当で泊まりに来るお客さんもいるそうです。味噌汁は自家製味噌を使ったものとのことで、これも素朴な味。ここまででお腹いっぱいだったんですが炊き込みご飯をおかわりしてしまいました。

この宿の食事、肉もステーキもありませんが、山菜や岩魚など限られた材料の一品一品の繊細な香りの変化に酔いしれました。やはり山の暮らしというか文化の奥行きを改めて思い知らされた次第です。

山菜に岩魚に蕎麦に美味い酒を堪能したので、実にいい気分。部屋に帰ってのんびりしていると、ウトウトと眠気に襲われ、しばらく眠ってしまいます。22時過ぎに目が覚め、この日の最後のミッションに臨みます。そう、宿の風呂にまだ入っていませんでした!

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宿のお風呂は地下1階。地下といっても宿の裏手の伊南川沿いの川から見れば1階に当たる場所。1階の廊下の突き当たりの階段を降りていくと日本秘湯を守る会の提灯が煌々と灯されています。

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総檜造りの内湯に温泉が注がれています。こちらはボイラーの音がしますので循環しているのでしょう。檜の香りを楽しみながら酔い覚まし。しばしぼおっとして上がります。体が温まったところで床につきます。



翌朝は眩しい朝日で5時過ぎには目覚めました。窓の外は晴天ドピーカン! 昨日各所で神社にお参りしたからか、普段の行いが良かったからかわかりませんが、幸い天気には恵まれました。この日は天気が良ければ尾瀬歩きに出かける予定としておりましたので、朝食はこの宿で一番早い6:30にお願いしてあります。もちろん、朝食前に朝風呂に入ってシャッキリすべく、昨夜入った風呂に再び向かいます。

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昨夜とは違って、朝日が射して明るい風呂場。もちろん先客はおらず、貸切り状態。ザバザバと掛け湯をして、湯船に身を沈めます。温度は昨夜と同様、41〜2度くらいでしょうか。ゆったり浸かってぼおっとできる温度です。

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昨夜はあんまりまじまじと見なかった風呂場の看板。なんでも風呂桶の材料は古代檜で、直径2m以上の原木が倒木して150年経過した神木が材料で、浴槽に使っても黒ずまず、20〜30年の使用に耐えるとのこと。なるほど良く見ると、洗い場の木材は黒ずんでますが、浴槽の檜は黒ずんでませんね。なんだかわかりませんが、浴室内は檜の香りが漂い、これも温泉気分を盛り上げます。朝風呂なので適度な時間で切り上げ、上がります。

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脱衣所には温泉分析書が貼られていました。泉質は低張性弱アルカリ性高温泉とあり、源泉の温度は63.7度! 旅館の温泉は万人向けに調整必要ですのでぬる目が多いのですが、高温好きの私には45〜6度の浴槽も欲しいところですね。

部屋に戻って、この後の山歩きに備えて着替えて荷造りをしていると朝食の時間となりました。朝食は1階の食堂と、昨夜の宴会場とは異なる場所でいただきます。

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朝食にも山菜がつけられ、メインは岩魚の一夜干しを炙っていただきます。山菜のおひたしや山菜味噌、岩魚など山里ならではのおかずをちびりながらご飯と味噌汁をいただく素朴な朝食は至福のひととき。ご飯と山菜味噌だけでも十分なんですね。一つ一つの山菜も仕込みを考えると手がかかっており、実は非常に贅沢な食事なのかもしれません。いやいや満足。食後にコーヒーまで出されて言うことなしです。

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ふと食堂の壁を見ると、「祝 寿」という文字が織り込まれたみのがかけらていました。祝いの席で着るみのだったのでしょうか。これもじが書かれたのではなく、織り込まれているところがすごいところ。かなりちゃんとしたものということでしょう。

美味しい食事でお腹も満ちたので、まとめた荷物を車に積み込みいざ尾瀬に向けて出発です。最後はご主人と奥さんが見送ってくれました。部屋も食事もこの宿より豪華なところは山ほどありますが、不思議とこの素朴な雰囲気と料理は他の宿にはないもの。今回で3度目ですが、毎回また来なくては、、、と思わせる宿なんですね。今回もお世話になりました!

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さて、車は沼田街道を南下して尾瀬に向かいます。檜枝岐の街から出てミニ尾瀬公園を超え、会津駒ケ岳の登山口があるキリンテ橋という不思議な名前の橋を超えると、尾瀬国立公園という看板が尾瀬に入ったことを知らせます。

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ちょっと車を停め、青空に映える燧ケ岳の勇姿を写真に納めます。天気は抜けるような青空。さあ、この先はいよいよ尾瀬です!

旅は続きます。

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【番外】初夏の尾瀬、奥日光紀行(その1)

最近色々あってハイドンの音楽のレビューもままならない中、こちらの気晴らしで恐縮ですが、久々の番外記事にお付き合いください。

実は4月初旬に母親の骨折が判明。左膝が痛いと言いつつ車椅子生活が続いており、整形外科に行ってみると膝に水が溜まっているとのこと。水を抜いたり痛み止めを処方されたりしても、一向に改善せず、一念発起で母親自身が入院治療を決意。いざ入院すべく普段かかりつけのパーキンソン病の主治医の紹介でちょっと離れた整形外科の評判の良い病院に入院することになりました。入院時に色々検査してみると、CTによる判定は骨折。しかも2箇所! なにやらレントゲンでは見えにくい骨折とのこと。どおりで痛みが引かないわけです。ということで、リハビリ治療計画書が骨折治療計画書に変わり、2ヶ月の入院と相成りました。そして先日ようやくギブスのような固定具が外れ、リハビリに入った次第。もちろんリバビリも入院での対応です。ただ80歳の母親が2ヶ月ほぼ寝たきりの入院生活を送ると、リハビリも大変。徐々に骨折した左足に体重をかけるリハビリが始まり、ようやく全体重をかけ、最近は歩行訓練に入りはじめました。

この間、ほぼ毎日嫁さんが見舞いに通い、私も仕事の合間に見舞いにいく生活。入院前は車椅子生活で一日中の世話で、夜中もトイレに起こされることも少なくなかったことを考えると、入院中の方がもちろんこちらは楽なんですが、色々と苦労が多いもの。そんな中、今週、私の仕事の年に2度の5連休取得義務の1回目のお休みが取れることになり、私の気晴らしと嫁さんの看護慰労を兼ねて、久々に温泉旅行にいくことにしました。

リハビリに入ったとはいえ入院中の母親がいますので、旅程は2泊と短めとしました。また、このところの旅行は母親と叔母づれということで、あまり歩いたりする工程は組まず、観光中心。温泉も宿だけという旅に加えて、脚の不自由な母親と叔母が一緒ということで、露天風呂付き客室はもちろん、豪華な宿をとるのが定番。少々身分より上の旅に慣れておりました。

今回は私と嫁さんの2人ということで、原点に戻り、日頃の運動不足を補い、入れる日帰り温泉は入り、宿も質素を旨とするという大方針に基づいて旅に出かけることにいたしました。

ということで、目的地は、過去に2度泊まったことのある、会津最深部の平家の落人部落、檜枝岐に決め、久々の夫婦2人での旅行が決行されることに相成りました次第。前置きはこの辺にして、いつものだらだらとした旅行記をお楽しみください(笑)



出かけたのは6月14日(水)。平日ゆえ通勤時間に重なると渋滞しますので、いつも通りちょっと早めに出発。家を出たのは朝の6時半くらい。すでに東京は梅雨入り後ということで天気はあんまり期待できないかもしれないので、旅程も緩めに考えておりました。自宅近くの高井戸インターから首都高に乗り、4号線から初台で中央環状線に入り、王子トンネルをくぐっていつものように東北自動車道に進みます。平日の通勤時間帯前に上りをクリアしたため、渋滞なく東北自動車道に入れました。ちょうど2時間走ったところで休憩に立ち寄ったのがこちら。

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東北自動車道 佐野SA

東北自動車道は、埼玉県を超え利根川を渡ると一瞬、群馬県館林市を通りますが、あっという間に栃木県になります。その栃木県最初の市町村が佐野市。佐野ラーメンが有名ですね。

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トイレを済ませて、ちょっと売店を覗こうかと思って見上げると、入り口の上に2羽のツバメがじっととまって下を眺めているではありませんか。サービスエリアの軒下にツバメの巣があるのは珍しくありませんが、これほど人の近くでじっとしているのは珍しいですね。しばらく見ていると、ツバメの方もキョロキョロと人の流れを見ています。人間観察でしょうか(笑) ツバメにとってはいつもの風景なんでしょうが、こちらは珍しいのでしばらく見入ってしまいました。

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旅行の朝は近所のコンビニでおにぎりを買って、車内で運転しながら朝食をすませるのがいつものこと。この日も首都高に乗った後におにぎりを食べたのですが、佐野サービスエリアにきて佐野ラーメンを食べないわけにはいかないとの嫁さんの判断に従い、2人で1杯頼んでみます。サービスエリアのフードコートなので蕎麦もうどんもカレーもあるんですが、周りを見渡すとほとんどの人がラーメンをすすってます。流石に佐野ラーメンはテレビで色々取り上げられるだけあって抜群の知名度。フードコートの佐野ラーメンということでさして期待もせず食べてみると、これがなかなか旨い。麺は青竹打ちかどうかわかりませんが、手打ち風の縮れ麺。スープもなかなかコクがあります。もちろんペロリと完食。

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車に戻る途中、腹ごなしにサービスエリアの中をプチ散歩。天気は薄曇りで、暑くもなく風は涼やか。とりあえず雨でなくてよかったですね。

再び車を走らせます。本日の目的地は檜枝岐。檜枝岐に行くには、西那須野塩原インターから塩原温泉経由で会津に入るのが最短の経路です。途中温泉にも入りたいので、このあたりの温泉を色々挙げて嫁さんに聞いてみると、何と甲子温泉の大黒屋に行って見たいとのこと。ということで、西那須野塩原インターも那須インターもやり過ごし、白河まで東北自動車道を進みます。那須から行く手もありますが、途中かなりグネグネ道になりますので、無理せず白河経由としました。

白河インターからはひたすら西に進みますが、こちらは真っ直ぐな道が中心なので快適なドライブ。だんだん高度が上がって景色も高原の景色に変わります。那須からの道と合流するキョロロン村のあたりまでくると、すっかりリゾート気分。新甲子温泉の宿をいくつかやり過ごすと、昔は通じていなかった甲子トンネルに入ります。はじめの短いトンネルをいくつか抜けたところを左折すると、もうすぐ甲子温泉大黒屋です。

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トンネルを抜けてすぐのところから甲子道路を下から仰ぎ見ます。この橋は甲子大橋とのこと。この道路がない頃は東北自動車道から会津に入るのはかなり大変でしたね。

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甲子温泉 旅館大黒屋

そこからちょっと下ると大黒屋さんです。以前大黒屋に泊まったのは調べてみたところ2006年の8月のことでした。もう10年以上経っているわけですね。その間に建物も建て替えたということで、旅館の方はだいぶ雰囲気が変わりました。

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お目当は、近くの旭岳が源流の阿武隈川の脇にある大岩風呂。有名な風呂なのでご存知の方も多いでしょう。宿の建物から川向こうにある大岩風呂まで行くには、まずは長い階段を降りる必要があります。これは昔と変わっていませんね。

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階段を下り切ると川を渡る橋があり、外に出ますが、そこにこんな張り紙が。今はいい季節ですが、冬は雪深いため川を渡って風呂に入るのも大変ということでしょう。2009年にトンネルが開通して改築された際、以前は冬季休業していたものが通年営業になり、冬もこの温泉を楽しめるようになったからこそのこの張り紙ですね。

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今は新緑の季節。ドアを開けて外に出ると川のせせらぎとカジカの鳴き声がうるさいほど。

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そして橋を渡るとお目当の大岩風呂です。この佇まいも変わらず。大岩風呂は混浴なので、嫁さんは右隣の女湯となっている櫻の湯に入ります。

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大岩風呂の方は先客が数名。ここまで4時間ほどのドライブの疲れを癒すべく、ザバザバと掛け湯をして大岩風呂に入ります。ここは横から注がれる源泉と底の砂利の下から湧く源泉の2つの源泉があるとのこと。温度は40度弱くらいでしょうか、ぬる目のお湯に浸かってのんびりします。窓の外から涼風が吹き込み、先ほど同様川のせせらぎとカジカの鳴き声だけが響いており、音はうるさいのに不思議な静寂感が漂います。

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ぼおっとしながら湯屋の中を眺めてみると、背後に板に直接墨書きした温泉成分表があるではありませんか。良く見ると書かれた日付は昭和36年10月で、要約する次の通り。
古来この温泉は胃腹痛、頭痛に特効あるが、試験場の定量分析によれば、温度48度で無色透明で異臭、味無く微弱アルカリ性。温泉1キログラムあたりの固形物は1.1064グラムで、石膏性苦味泉となり、医治効果は関節リューマチ、神経痛、皮膚病などとのこと。
この誠に効能がありそうな看板を眺めながらしばし温泉を楽しみます。

また湯の中には子宝石という石があり触れると子宝に恵まれるとのこと。その効能を欲する境遇ではないため、温泉の中を眺めるだけにしておきました(笑)

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こちらは嫁さんが入った櫻の湯。宿のウェブサイトによると大岩風呂と同じ源泉とのこと。3〜40分の入浴ですが、ぬる湯に長時間つかった体がほのかに温まる感じが残るいいお湯でした。湯冷ましに大岩風呂の前でちょっと休憩して、再び階段を登って本館に戻ります。

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本館にはこの宿の周りに現れたテンの写真が飾られていました。そういえば、、、

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こちらは2006年6月に私たちが泊まった際に実際に撮ったテンの写真。この頃は宿の前で野生のテンやハクビシンなどの餌付けをしており、夕食後に泊まり客がいる前にテンが来て餌を食べるのが見られました。宿の人に聞くと、今はこのような餌付けは行っていないそうでした。トンネルができてアクセスは便利になりましたが、もともとかなりの山奥であることに気づかされますね。



さて、大黒屋に着いたのが10:30ごろで、お風呂から上がると11:30。朝食は朝6:30過ぎのおにぎりと予定外で佐野サービスエリアでの佐野ラーメンもいただいたということで、まだお腹も持ちそうです。大黒屋のウェブサイトには食事処が営業していて、蕎麦などが食べられるとあったので、場合によってはここで昼食をとることも考えていましたが、今日はお休みとのこと。まあ、平日のお客さんの人数を考えれば食事処を営業するのは難しいところでしょう。ということで、このまま会津に入り、会津のどこかで食事をとることとしました。

宿からすぐそばの甲子道路へ出て、一路西に向けて走ります。すぐに全長4,345mの甲子トンネルに入り、トンネルを抜けると会津に入ります。大黒屋までは西郷村、トンネルを抜けると下郷町となります。トンネルを抜けると天気も晴れてきて、なだらかな下りの道を軽快に走ります。ドライブ日和に変わってきました。

甲子道路から会津鉄道にぶつかると、今度は南下。北上すると塔のへつりや湯野上温泉があります。しばらく会津鉄道沿いに南下すると、南会津町に入り、この辺りで一番栄えている会津田島の街になります。昼食を取るならこの辺りでということで探しておいた店はこちら。

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食べログ:ラーメンまりちゃん

会津田島で1軒だけ食べログ評価が非常に高いお店です。なにやらソースカツ丼が名物ということで行ってみることにしました。お店に入ったのが12時半近く。流石に人気店らしく、入ってみると4つあるテーブルのうち3つは既にうまっていました。お客さんは地元の人らしき人と観光客と半々くらいでしょうか。なぜかメニューは無く、壁には名物ソースカツ丼の案内のみが貼られていました。ということで注文したのはソースカツ丼と「ラーメンまりちゃん」の店名に基づき、朝佐野サービスエリアで佐野ラーメンを頂いたにもかかわらずラーメン!

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ほどなくして最初に出てきたのはラーメン。見た目はごく普通の醤油ラーメン。まずはスープをすすってみると、これが実に旨味のある複雑な味。スープの出汁に色々な味が混ざっていて、しかも醤油ベースでまとまりの良いところが流石。これはこだわりのスープでしょう。ラーメンも実に美味く、旅の疲れを癒してくれます。

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いつも通り、ラーメンを2人で回して食べていると、名物ソースカツ丼がでてきました。ソースカツ丼には、ソースカツ丼本体(笑)の他、味噌汁、冷奴、おひたし、たくあん、辛子味噌などがついています。この辛子味噌がミソのようです。カツは厚手のロース肉に薄めの衣をつけて揚げてあり、それをソースにたっぷり浸したもの。カツの下にはキャベツが敷かれ、その下にはソースがしみたご飯。カツをいただいてみると、甘めのソースとカリッとした衣の食感と柔らかいロースが絶妙のハーモニー! この甘口のソースはこのお店自家製ということで、これも複雑な旨味がある逸品。お店の中に棚があり、ソースも売っていましたので、これも名物なんでしょう。そして、今度は辛子味噌をつけてカツをいただくと、これが甘めのソースと合ってさらに美味い。カツをいただきキャベツの乗ったソースのしみたご飯をいただき、冷奴やおひたしをつまみます。ソースの甘さがしつこくならないよう上手く工夫されています。流石に完成度が高いメニューと唸りました。やはりポイントはソースカツ丼もラーメンも非常に手間がかかっていると想像されるソースと出汁の複雑な旨味。これは簡単に真似のできるものではなく、このお店ならではのものでしょうね。満腹になって幸せなオーラに包まれつつ、お勘定をして店を出ようとすると、おばちゃんが「また寄ってね!」と人懐こい笑顔で送り出してくれました。恐らくこの方がまりちゃんなのでしょう。今度会津に来た時にはまた寄らねばなりませんね。

さて、無事昼食を済ませたところで、本日の目的地、会津最深部の檜枝岐まではまだしばらくあります。檜枝岐までの道は国道289号で行く北回りと、国道352号で行く南回りと2通りあります。この日はもう一つくらい温泉に入っていきたいということで、迷わず湯の花、木賊などの温泉がある南回りを選択。ということで会津田島を後にして、すぐに南に折れ、会津鉄道沿いを南下します。日光・宇都宮方面への分かれ道をやり過ごし、会津鉄道の会津高原尾瀬口駅を過ぎたあたりで会津鉄道と別れます。ここから登りがきつくなり、高度も上がります。しばらく行くと道の駅があり、嫁さんがソフトクリームの広告オブジェに反応します。まださして走っていませんが、降りてみることにします。

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道の駅番屋

ここは住所が福島県南会津郡南会津町番屋4番地とのことで、道の駅番屋は土地の名前だったんですね。嫁さんが中に入ってソフトクリームを買って来ますが、蕎麦ソフトにエゴマソフトがあり、最近の健康志向で注目されるエゴマの方を選んだそう。ソフトクリームは女性を笑顔にします。

まだ先がありますので、すぐに車に乗り込み先に進みます。このあたりで温泉に入りたいところ。出発前に南会津町のウェブサイトで色々調べておいた情報を元に、湯の花温泉4箇所、木賊温泉2箇所の共同浴場からどこに行こうかと嫁さんにたづねると選ばれたのがこちら。

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湯の花温泉弘法の湯

湯の花温泉に以前来たのは2006年6月で少し上流の湯端の湯に入りました。久しぶりの訪問です。温泉前の狭い駐車スペースに車を駐めると、雨が降って来ました。2007年にお隣木賊温泉に来た際にはバケツをひっくり返したような集中豪雨と雷に襲われた嫌な記憶が蘇ります。雨脚はどんどん強まり目の前の温泉に行くにも傘なしてはずぶぬれになりそうな勢い。仕方なく傘をさして温泉に入ろうとするとドアには近くの民宿で入浴券を買うようにとのこと。

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仕方なく向かいのいせやという民宿で入浴券を買います。玄関を開けると広間のこたつで新聞を読んでいたご主人が入浴券に日付を記入し、ゆっくりと立ち上がって玄関先まで持って来てくれました。入浴料は200円。この入浴券で4箇所の共同浴場全てに入れるとのこと。ご主人は向かいの「弘法の湯が一番ええ」とにっこり。我々の選択が正しかったとこちらもニンマリ。

入浴券を無事ゲットして外に出ると、雨脚はさらに強まり豪雨。小走りに温泉に向かいようやく温泉につかることができます。

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この雨のせいか下駄箱には誰の履き物もなく先客はゼロ。中は掃除が行き届いていて非常に綺麗。

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掲示されていた温泉分析書によればこの温泉は単純泉(弱アルカリ性低張性高温泉)とのこと。温度は44度くらいとやや熱めで、黒い湯の花が舞うトロッとした温泉。降りしきる雨音を聴きながらのんびりお湯に浸かってほっこりしていると、後から近所にお住まいと思しきおじさんが入って来ました。慣れた様子で掛け湯をして湯に浸かり、すぐに上がって髭を剃ったり頭を洗ったりと慣れた様子。こちらは先に上がって、雨の上がった駐車場で涼しい風を楽しんでいると、先ほどのおじさんも上がって来て、先ほど入浴券を買ったのとは反対隣の家に入って行くではありませんか。その家も民宿。要は隣の民宿のご主人が共同浴場でお風呂を使っているということ。やはりこのお湯がいいのでしょうね。男湯の方は温泉の中の大きな窓から街が一望。お湯といい雰囲気といい、入浴料の安さといい絶品のお湯でした。もう少し若ければ、残りの3つの共同浴場も制覇するところですが、すでに思考回路が落ち着いちゃってますので、この一湯で湯の花温泉は堪能したということに致しました(笑)

後から上がって来た嫁さんから「木賊も行く?」と聞かれましたが、温泉で思考が落ち着いていますので、「いや檜枝岐へまっすぐ行こう」と大人の裁き。ということで檜枝岐を目指すことにしますが、ここへ来る道すがら、気になる看板がちらついていました。以前このあたりに来た時にはあまり気づいていないスポット。ということでもう1箇所寄ってみることに。

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前沢曲家集落

湯の花温泉から国道352号に戻り、檜枝岐方面にちょっと進んだところにある前沢曲家集落。ここ前沢は舘岩川の前の沢で中世会津武士が開いた集落とのことですが明治40年に全戸消失する火事があり、その後各戸が同じ大工により一時期に建築したため整った景観が残っているということで平成23年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されたとのこと。

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駐車場に車を駐め、案内所で入場券を買う際、この集落は実際に人が住んでいるため、資料館のみ中に入れるとの説明を聞きます。舘岩川の橋を渡ると集落です。

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橋から下の舘岩川を眺めると実に綺麗な流れ。

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橋を渡ると曲家集落群が広がります。

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右手には水車小屋が見えます。水車は実際に滑らかに回り続けており、この水車小屋へは木をくりぬいた樋が水平に張られていて、上流からの水が絶え間無く注がれています。

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この樋の造りが実に見事。先人の知恵ですね。水が綺麗に流れる角度と木の継ぎ手の加工がしっかりしていないとこうはいきません。

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この流れを安定させるために樋の元には一度水を貯める池があり、ここに注がれることで水の水位を一定にし流れを安定させています。作られたものを見るとそれがわかるのですが、作る時には高さを調整したりと色々と苦労しているはずですね。昔の人の実用的な技術力を感じます。

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しばらく歩くと左側に案内所で説明された資料館がありました。ここは実際の曲家を展示用にしたもの。曲家とはL字型の平面持つ民家で、L字の突出部には厩と便所などが置かれるなどこちらも実用的なもの。曲家は東北などに多く点在し、やはり寒い地方で馬との生活をうまくこなすためのアイデアということでしょう。

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資料館には昔の農機具などが展示されていました。民家の保存時にはこうした展示はよくあるものですね。

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囲炉裏には火が灯され、職員の方がお茶を出してくれたので、囲炉裏端に座って少しのんびり。茅葺き屋根は虫がわかないよう、毎日囲炉裏に火を起こしているそう。茅葺は2〜30年おきに葺き替えが必要で、費用も1000万単位でかかるとのことで維持は大変なようですが、都会に住む私たちにとっては囲炉裏の火は癒しそのもの。薪が燃えて弾ける音を聞きながら煙に燻されながらお茶をいただくのも楽しみですね。

このあたりは雨がポツリとするくらいで道もあまり濡れていなかったので、先ほど湯の花温泉では豪雨だったことを伝えると、少々驚いた様子。職員の方は湯の花温泉から通っているとのことでした。距離はさして離れていませんが、これほど天気が違うものなのですね。

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外には薪が積まれています。この薪を少しづつ使いながら暮らしてため薪割りもしなくてはならない訳ですね。

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外に出るとマーガレットにルピナスの花が咲いています。花の手入れもあっての豊かな雰囲気でしょう。

のんびりしていると大きな雨粒が落ちて来たので、そそくさと駐車場に戻ることにしました。

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帰り際に先ほど通った水車小屋の前に葉が絡まった道祖神がすっくと立っているではありませんか。この先の天気が崩れないようちょっとお参りして、今度は本当に目的地の檜枝岐を目指すことにします。このとき時刻は15時過ぎ。そろそろいい時間ですね。

旅は続きます(笑)

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【番外】秋の伊豆紀行

10月は母親姉妹の誕生月。今年で母親は80歳、叔母が76歳、2年前に亡くなった叔父が生きていれば78歳の誕生日を迎える月です。叔父が亡くなる前に母親方の祖母の故郷である出雲に大旅行に出かけた件は以前ブログに書きましたが、それ以来、なんとなく毎年毎年が貴重な時間ということで節目には叔母を伴って旅行に出かけるようになりました。この10月も母親も叔母も旅行に出かける元気は残っているということで、誕生祝いの旅行に出かけることにした次第。タダでさえハイドンのレビュー数が伸びない中ですが、しばし旅行記にお付き合いください。

旅行への出発前夜にパーヴォ・ヤルヴィ/N響のマーラーを聴きに行ってしまい、帰ってきた週中に武満、週末にオッコ・カムとハイドンどころか、コンサート3発、おまけに仕事もバタバタということで、後先考えずに予定を入れたため、なんだかハチャメチャになりながら、コンサートレポートをようやく書き上げ、最後に家族からの暗黙のプレッシャーで旅行記にようやくこぎつけた次第です。

今回は企画も直前。今年の夏休みは7月に叔母を伴って信越方面に2泊3日で出かけましたが、その時泊まった妙高高原の赤倉観光ホテルのグループから、赤倉や中伊豆のホテルのお得意様向けのお得なプランのDMが届きます。それらを眺めながら10月の母親姉妹の誕生祝いに泊まろうかと嫁さんと相談していたのですが、赤倉の方もこの夏で2度目、伊豆の方の宿も母親連れで2度ほど泊まったこともあり、どちらもいい宿なんですが、今回は今まで行ったことがない宿の方が良かろうということで、それほど遠くない伊豆で新たに宿を探して1泊旅行に出かけようということになりました。宿の予約は直前ゆえ土日はむずかしいということで、私が1日仕事を休んで、金曜泊との予定を組んだ次第です。



出発したのは10月7日、体育の日を含む3連休前の金曜日。前日はサントリーホールでパーヴォ・ヤルヴィのマーラーの大曲3番を聴いておおいに楽しみ、反省会でほろ酔い加減で帰宅。帰ってバタンキューと眠りについて、起きたら旅に出発です(笑)

いつもはかなり早い時間に出発するのですが、流石にそれはハードということで、出発したのは朝7時過ぎ。いつものように新宿に叔母を迎えに行きますが、世の中は平日の通勤時間帯。やはり新宿へこの時間に行くのは少し時間がかかります。いつもより少々時間がかかって叔母をピックアップして伊豆に向かおうとしますが、iPhoneのGoogleマップへ伊豆方面をセットすると、なんと新宿から東名ではなく中央高速に乗るようにガイドしてきます。調べてみると東名横浜インターの辺りが真っ赤に渋滞表示。中央高速の八王子から圏央道で東名厚木に抜けて行く方が速いということがわかり、急遽中央高速に乗ることにします。最近は車のカーナビよりもGoogleマップの方が渋滞を踏まえた到着時間が正確に予測されることがわかり、ここぞというときはGoogleマップを使うようにしています。

中央高速は調布辺りまでダラダラしていたものの、あとは渋滞なく、圏央道も快調、スイスイ進んで、東名でいつも立ち寄る御殿場手前の鮎沢パーキングエリアまでひとっ飛び。晴天ではありますが、残念ながら富士山は雲に隠れて顔を出しません。

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手前の海老名サービスエリアとこの先の足柄サービスエリアは広くて色々あるのですが、鮎沢はなんとなくいつも空いててのんびりできるので気に入ってます。何と言っても脚の悪い母親連れだと車からトイレの距離が近いのが一番なんですね。この時点で、もう11時近くになっています。この日の最初の行き先はこの少し先。

鮎沢を出ると、すぐに足柄、御殿場とすぎ、新東名への分岐になります。新東名側に入って間も無く、長泉沼津で新東名を下ります。市街地をくねくね走りながらインターからすぐのところにあるこの日の目的地につきます。

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クレマチスの丘 | Clematis no Oka

以前から目をつけていたところ。叔母が散策好きなので、公園のようなところが良かろうということと、そろそろ昼時なので、ランチスポットもあるということでここを選びました。もちろん10月はクレマチス(鉄線)のシーズンではありませんが、駐車場の脇にはこの季節でも花をつけているものがありました。

初めてのところゆえ、ネットの情報などを頼りに、まずはランチです。クレマチスの丘には高級イタリアンとカジュアルなイタリアンがあり、夜は宿の豪華懐石との予定なので、1ミクロンも迷うことなく、カジュアルな方に向かいます。

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ピッツェリア&トラットリア CIAO CIAO(チャオチャオ)

駐車場からすぐのところにお店がありました。幸い平日の12時前ということで先客が2組ほどいらっしゃるだけで、すぐに席につくことができました。

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カジュアルな方と言っても、厨房の奥にはピッツァを焼く石窯があり、店員さんもそれなりの格好をしていて何やら本格的な雰囲気も漂います。まずは飲み物を頼んで喉を潤しますが、もちろん私は唯一のドライバーかつツアーコンダクターということで、いつも通りノンアルコールビール。周りの皆は赤白とりどりのワイン(涙) ただし、それなりにドライブしてきたので、ノンアルコールビールでもそれなりに沁みます(笑) ということで、前菜にピッツァとパスタを適当に注文します。

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こちらは前菜のリストにあった生ハムサラダ。これで1人前ですが、前菜であるということを考えると恐ろしい盛り。4人で取り分けても多いくらい。若干この後の皿の盛りが気になります。野菜は新鮮で悪くありません!

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続いて出てきたのがお店のオススメのマルゲリータ・ピッツァ。こちらはほぼ予想通り。生地が薄いので、大きくてもそこそこの量。ちなみに石窯焼きらしく香ばしくて美味しい。ピッツァはイタリア人らしきピッツァ職人が焼いていましたので、このお店の看板でしょう。

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続いてパスタその1。箱根西麓野菜のプッタネスカ。パスタは多めではありましたが、4人で取り分けることを考えて、ピッツァ1枚、パスタ2皿と人数分より控えめに注文して正解! 以前の旅行で染み付いた「昼は軽めに」の鉄則を守っていて良かったです(笑)

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そしてパスタその2。もち豚のラグーソースのスパゲッティ。パスタはどちらもしっかりした旨味があり、こちらも満足。もちろん母親も叔母も食は細めなので、必然的に私に多めに回ってきます。お昼にしては食べ過ぎたかしらなどと思いながらノンビリしていると、嫁さん、母親はなんとデザートを注文! 「ご飯しっかり食べないのにお菓子はだめ!」と昔の母親的思考回路のスイッチが入りますが、そもそもこの旅は誕生日を祝う目的であったと我に帰って平静を装います(笑)

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母親が注文したのはアフォガード、もちろん嫁さんの入れ知恵、嫁さんはクレマチスのジェラート。私はエスプレッソ、叔母は水で薬を飲んでます(笑)。別腹とは言いますが、母親はアイスにコーヒーを注いで、アフォガードなるものの不可思議な作法に関心しきり。嫁さんはジェラートを口にするなり、「これバスクリン味」となんだかよく分からないことを口走ってます。叔母は二人の様子を見てケラケラ笑っておりまして、まあなんとなくホノボノとしたランチの時間でした。



レストランでノンビリして、お腹も満ちたので、腹ごなしに散策です。あまり勝手がわからないまま、レストランの裏手にあったクレマチスの丘のチケット売り場に行ってみます。

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チケット売り場の前にはハート型の葉の桂の木があります。最近植物が愛おしい年齢になってきました(笑)。桂の木も以前中禅寺湖畔の「かつら」というおそば屋さんの脇の巨木が印象的で覚えました。以来この形の葉、そしてちょっとささくれた樹皮を見ると見分けられるようになったんですね。

さて、駐車場の守衛さんに尋ねると中は広く、スロープ中心で車椅子も使えるようなので、車のトランクから車椅子を取り出し、母親は車椅子で散策することにしました。これでノンビリ散策できます。

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チケット売り場から抜けるとすぐ手入れの行き届いた芝生の庭園になります。またそこここに彫刻が置かれています。入場時にもらった地図によると、ここは2つのエリアに分かれている、クレマチスの丘の「クレマチスガーデン・エリア」でメインはヴァンジ彫刻庭園美術館という彫刻美術館だそう。

ヴァンジ彫刻庭園美術館

イタリアの現代具象彫刻家ジュリアーノ・ヴァンジの、世界で唯一の個人美術館とのこと。誠に不勉強ながら、ジュリアーノ・ヴァンジという方は知見になく、まるで未知の演奏者によるハイドンを聴くときと同様の誠に新鮮な気分で散策しました。

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といってもまずは庭園の植物に目が行きます。これはルドベキアの一種でしょうか。紫蘇のような葉に黄色の花が映えます。

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芝の上をノンビリ散策して記念にパチリ。芝の上はゆったり散策するのにいいですね。

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そしてこちらはチケット売り場の裏に絡まる蔓花茄子の花。白と薄紫の花の淡いコントラストがなかなかいい雰囲気なんですね。

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丘をなだらかに降りて行くと、そこここに彫刻が配置されています。ジュリアーノ・ヴァンジの彫刻は堅苦しいものではなく、ユーモラスなもの。庭園に溶け込む彫刻。ジュリアーノ・ヴァンジは1931年にイタリアフィレンツェ近郊で生まれた彫刻家。

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そしてこちらは空に溶け込む彫刻。空は青空、風も爽やかで散策日和ですね。

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程なく美術館らしき建物があります。壁面には土着的かつポップな壁画が。これはこの美術館で行われている企画展「生きとし生けるもの」展に合わせて泥で書かれたものとのこと。浅井裕介さんといいう人の作。

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壁画の横から美術館の建物に入ると、建物はなかなか本格的。調べてみると柴原利紀建築計画事務所の設計とのこと。空間構成も光のコントロールもなかなかのものです。私はこの階段を使って下の階に降りて行きますが、車椅子の母親はエレベーターで降ります。階段で降りつくところとエレベーターで降りつくところが違うので若干迷います(笑)

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館内は意外に広く、企画展示の作品群がかなりの量展示されていて見応えがあります。これは三沢厚彦さんによる木彫の動物たち。実物大に近い動物がポップにデフォルメされてかなりの存在感。楠を使った彫刻とのこと。他にも多くの作家の作品が広々とした空間に配置されて、ゆったり楽しむことができます。東京の美術館ではこうはいきませんネ。下調べなしで来ましたので、意外にゆったりと彫刻などを楽しめました。

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展示を抜けると、建物の反対側の庭に出ることができます。

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こちらにも彫刻が配置され、晴天に映えています。こちら側も広々としていて、散策には絶好。季節によっては色々な種類のクレマチスが咲いているのでしょうが、今は秋なので、咲いているのはわずか。代わりに秋の花が色々咲いています。

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こちらは白のクレオメでしょうか。

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こちらは紫の花。サルビアの仲間でしょうか。帰ってから色々調べて花の名前を調べてもわからないものもあります。

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散策中(笑)

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広い庭を奥まで歩いて行くと先には円形の池があり、蓮の花が咲いていました。好天の中池に景色が映り込み、蓮が水面から浮かび上がる絵のような姿。

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池から折り返して帰る途中、これはブラシの木ですね。鮮烈な赤の色が景色の中で一際目立ちます。どうしてこのような花になったのか不思議な形です。彫刻も庭も適度に楽しめる構成になっていて、ゆったり楽しむことができました。

再び美術館の中を通って、のんびり入り口に向かって戻ります。チケット売り場まで戻ると向かいにはIZU PHOTO MUSEUMという建物がありますが、適度な散歩を楽しんだので素通りしました。が、後から調べて見ると、内装設計は世界的に有名な写真家、杉本博司さんでした。これは見ておけば良かったですね。

IZU PHOTO MUSEUM

ということで、クレマチスの丘の散策をひとしきり楽しみました。ここは少し離れたところにビュッフェ・エリアというエリアもあるのですが、年寄り中心の旅行ですので、適度感が重要。時刻も14:30ということで、そろそろ宿に向かおうということになりました。

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クレマチスの丘をでて坂を車で降って行くと、眼下に三島市街を見下ろせます。今日これから向かうのは伊東。伊豆縦貫道に入り、大仁中央インターまで南下して降り、ここから宇佐美大仁道路で東伊豆に出ます。途中峠あたりの大仁まごころ市場というところで一休みして、お土産の野菜などを買い込み、今度は山を下って宇佐美まで出ました。

目的地の伊東はもうすぐです。(つづく)

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【番外】夏の信越紀行(その4)

(づづき) その1

東御のヴィラデストで昼食をすませ、上田菅平インターから上信越道に乗り、この日予約していた妙高高原の宿に向かいます。先ほどヴィラデストに来るときに通った道を更埴ジャンクションからまでもどり、それから長野自動車道を北上。長野、須坂長野東、信州中野、豊田飯山、信濃町と進むと妙高はすぐそこ。程なく妙高高原インターとなり、長野自動車道を降ります。そしてカーナビに案内されるまま妙高山の麓をぐんぐん登っていくと、この日の宿が近づいてきました。

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新潟県妙高高原 赤倉観光リゾート&スパ

この日の宿は以前にも母親連れで泊まった赤倉観光ホテルです。以前の旅での絶景露天風呂が再び楽しみたいとのことでのセレクトです。前回訪問時は8月で、訪問時から青空でしたが、この日は妙高山に登るところから霧がかかっていました。ホテルのスタッフによるとこの時期は朝方は晴れているものの毎日午後になると霧になるとのこと。霧の妙高高原もまたよしということで、車から荷物を降ろしてチェックインです。

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トランクに車椅子が乗せてあるのを見て、スタッフがあわててホテルの車椅子を用意してくれました。車のドアを降りたら車椅子に迎えられて母親もまんざらでもなささそう。いつもながらスタッフがテキパキとしていて気分がいいですね。

ウィングが長い大きなホテルですが、部屋もエレベーターに一番近い部屋を用意してくれていました。部屋に入って荷物を片付け、浴衣に着替えて、まずは絶景露天風呂がある風呂に向かいます。濃い霧のため絶景は期待できませんが、霧の露天風呂も乙なものなはず。

本館から風呂のある新館に向かうと、水盤のあるバルコニーに出ます。

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本当は霧の向こうに斑尾山や野尻湖が夕陽に輝いているはずなんですが、目の前は真っ白。これはこれで幽玄な雰囲気。下界が見えない分、全てを超越した仙人になった気分です。

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振り返って本館方面。ホテルのウィング自体も霧に霞んでます。他のお客さんも霧の中の景色をのんびりと楽しんでいらっしゃいました。

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景色が霧に包まれ、足元の照明がほのかな明かりを灯して、これはこれでいい雰囲気。

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お風呂に行く前に皆で写真をとりました。母親も比較的元気です。

このあと、それぞれ大浴場でお風呂を楽しみました。お風呂からの景色も同じく霧に包まれ、絶景露天風呂転じて天上の露天風呂。ここ赤倉温泉の湯は42度くらいで心地よい温度。泉質は硫酸塩泉・炭酸水素塩泉でお湯のなかには褐色の湯の花が舞います。霧の露天風呂では心地よい風を浴びながらの入浴でしばしお湯と言うより霧を楽しんだ感じ。食事前のひとときをのんびり過ごしました。

ここのお風呂、サウナに水風呂もあるのですが、これは翌朝のお楽しみとしました。

お風呂から上がったらアクアバーで待ち合わせということになってましたが、こちらが早く上がりますのでまずは1人で一杯。

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バーカウンターには先客が2組。ホテルのバーゆえ適当に値が張るのですが、食事前のこの時間はハッピーアワーで実にリーズナブル。まずはビールを注文すると、クリーミーな泡をまとったプレミアムモルツのマスターズドリームがすっとコースターを滑らせ眼前に。ハッピーアワーこそ真のハッピーです(笑) 横のカップルが楽しそうに談笑するなか、1人窓際の席で浴衣姿で袂をそっと気遣いながらグラスに手を差し伸べ、最初の一口をグビリ。湯上りのほてった体に染み渡ります。カウンターの向こうは霧の中。胃から脳にアルコールが少しづつ回り、徐々に幸福指数が上がっていきます(笑) 嫁さんたちが上がってくるまで2〜30分でしょうか。のんびりとビールをちびりながらの至福のひと時です。

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ほどなく嫁さんたちが風呂から上がってきたので、横のソファに席を移し、皆がお酒を注文。嫁さんはハイボール、母親はなんとマティーニ。今まで飲んだことがないからとのことですが、ちょっと心配で、バーテンさんにアルコールを薄くできるかしらと問うと、「マティーニは無理です。すべて濃いめのアルコールのカクテルですので」とのこと。そりゃそうです。ジンにヴェルモットですので。水を入れるくらいしか対策はありませんがそれは野暮というもの。もちろんそのままマティーニを注文。叔母はジントニック。もちろん皆一口飲んだだけで、のこりは私にまわってきますので、風呂上がりのアクアバーで早くも昇天寸前(笑) 極楽浄土の入り口のドア、開いてます。

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なんだか風呂上がりのアクアバーでのんびりとしてしまいました。だんだん暗くなるなか、霧を眺めながらお酒とおしゃべりを楽しみました。時計を見ると、そろそろ夕食の時間。この日は19:30始まりの予定でした。一度部屋に戻って夕食会場になっているレストランに向かいます。

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夕食は洋食を選択したので、前回と同様、ホテルのフレンチレストラン「ル・ソルビエ」に向かいます。メニューはコース料理で、スープやメインの料理、デザートなどを選びます。

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一通り料理を選んだんですが、メインは魚と肉と両方が供されるコースですので、4人で1本ワインを選びます。フランス物も多数あるなか、やはり地元の老舗ワイナリー、岩の原ワインの深雪花(みゆきばな)を選んだ次第。岩の原葡萄園はここ妙高からちょっと北上した上越市にあり、前回赤倉観光ホテルに泊まった際に訪問しています。深雪花にはロゼもあるそうですが、ちょっと甘めの香りということで料理を考え赤にした次第。

深雪花の葡萄ははこのワイナリーの創設者、川上善兵衛が生み出したマスカット・ベリーA。日本のワインらしい適度な凝縮感と果実味があり、余韻にはさっぱりとした和の雰囲気が残ります。これから出される料理も、フレンチらしい濃厚さもありながら、どこかさっぱりとした余韻があったので、悪くないセレクトでした。

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最初の一皿はホタテにオクラを桃のソースで。味わいというか塩加減が穏やかで、深雪花にピタリと合います。

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スープはアスパラガスの冷製。前回も冷製のかぼちゃのスープでしたので冷製スープはここの夏の定番なんでしょう。

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そして全員に供される魚の料理。メニューの写真を撮り忘れてたので、魚の種類が思い出せません(苦笑) ソースはトマトベースでこちらもあっさりとした味わい。

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そして肉料理。私以外は牛をセレクト。こちらはフィレ肉だったと思いますが、程よい火加減でなかないい味。普段家ではおろし醤油でいただくことが多いので、本格的な洋風ソースは久しぶり。母親は「家で食べる肉の方が美味しいいわ」などとつぶやいておりますが、十分いい味でした。

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あなたが違うもの頼まないと両方味わえないでしょ的無言のプレッシャーから私は豚。豚はイベリコ豚でドングリだけ食べた豚だけあって、赤身に旨味にが乗ってこちらもいい味でした。これまで食べたイベリコ豚では一番美味しかった! パンをつまみながら深雪花を片手にフルコースの料理で、もちろん皆お腹いっぱい。牛肉もわたしに随分回ってきましたので私もお腹いっぱい(笑)

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そしてデザートですが、これが別腹マジック(笑) みなペロリと平らげちゃいました。

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最後にコーヒーとともにまたお菓子。19:30からと遅めに始まった夕食でしたが時刻はもう21:00くらい。クラシカルな雰囲気のル・ソルビエでのんびりと食事を楽しみました。このホテルは常連さんがおおいのか、みな慣れたようすでゆったりと食事を楽しむ姿あちこちのテーブルでみられ、こうした穏やかな雰囲気もくつろげるポイントでしょう。スタッフも手馴れており、料理もサービスも十分に楽しめました。

部屋に戻るとは私はいい具合の良い心地と満腹度会いに寝入ってしまいましたが、嫁さんはしっかり温泉を楽しんできたよう。この日はゆったりと休むことができました。



翌朝目が覚めたのは4:00頃。水をいっぱい飲んで、カーテンを開けて外を見ると、朝焼けが始まりそうです。これはいいタイミングとばかり、朝日を浴びるついでに風呂に行ってみようということで大浴場に行ってみることに。

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部屋を出た廊下の窓から望む妙高山。昨日は霧の中でしたが、今朝はくっきりと姿を現しました。

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本館を出て新館に行く渡り廊下からも、上りつつある朝日に空が赤く焼けてきています。写真の右側に光っているのは野尻湖。

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昨夜風呂に行く前にくつろいだバルコニーに出てみると、水盤に朝焼けが映って見事な景色。しばらくぼーっと朝焼けを眺めます。

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東側に目をやると昨日ビールなどを楽しんだアクアバーの横からまさに朝日が登ろうとしています。

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そして西側、戸隠側のそらは朝焼けを受けて爽やかな青空にかわろうとしているところ。この景色、ここでこの時間しか見られない貴重なもの。清々しい気分になったところで、1階下の大浴場に向かいます。

ここまで、これほどの景色にもかかわらず、あまり他のお客さんとすれ違わないと思っていたところ、大浴場についてみるとお風呂は6:00からとのこと(笑) どうりで他に人がいなかったわけです。これだけの景色が楽しめるんですから、できれば日の出の少し前からお風呂を開放してほしいものです。

仕方なく部屋に戻ります。

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もどるあいだにも陽が刻々と高くなり、ホテルに朝日が映えるようになります。

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なんとなく名残りおしい気持ちのまま部屋に向かいます。



部屋にもどって、ふたたび少し休んで再び起きると6:30近く。もう大浴場がやってる時間ですので嫁さんと大浴場にいきます。

まずは体を流して露天風呂に。ようやく絶景露天風呂を堪能。しばらくお湯に浸かったり風にあたったりをくりかえしたら、つづいてサウナに。昨夜の酒を完全に抜こうという狙いですが、ちと温度が低め。サウナ内の温度計は80度を下回っているでしょうか。普段はすぐに汗が吹き出しますが、この温度では10分くらいかかります。ようやく汗だくになって、いざ水風呂。いやいや別世界のような爽快感。これをもう一度繰り返して体内の水分を入れ替えました。水風呂でひんやりとしたら再び露天風呂に行って景色を楽しみながら温まります。ついに昇天。脳内が癒し物質で満たされお花畑でスキップするがごとき快楽状態。この絶景露天風呂、最高です。

部屋にもどってみると嫁さんはすでに上がってました。普段は嫁さんが早く上がることは100%ありませんので、温泉のあまりの快適さにいつもより長湯してしまったことになります。

身支度と荷造りなどをしているうちに朝食の時間となりました。昨夜と同じ「ル・ソルビエ」に向かいます。

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朝食はホテルでの朝食の定番、卵料理中心のアメリカンブレックファーストと野菜中心のヘルシーブレックファーストから選べます。私はもちろんヘルシーな方(笑)、他の3名はアメリカンを選びます。

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こちらは皆に出されるサラダ。ここ妙高高原は野菜の産地。サラダにされた野菜はみなみずみずしく実に新鮮。単なるサラダにあらず、新鮮なサラダほど美味いものはありませんね。このホテルならではのものでしょう。

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パンかホットケーキが選べますが、嫁さんは珍しさ狙いでホットケーキをセレクト。パンの方は最初にこんがりと焼いたトースト、それからくるみパンなどいろいろでてきますが、パンがまた美味い。このレストランの下の階にパン工房がありまさに焼きたてのパンがだされます。サラダやパンが美味いだけで幸せを感じます(笑)

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こちらは定番、スクランブルエッグ。母親はスクランブルエッグを注文しましたが、以前叔父をともなっての中国四国の旅行の終盤、神戸のオリエンタルホテルのスクランブルエッグをいたく気に入っていたので、その記憶が残っていたのでしょう。一口口にすると、「前の方が美味しかった」と厳しい御裁定。十分美味しいのですが、昔の記憶のイメージが優っていたのでしょう。叔母はベーコンの美味しさに舌鼓。確かにベーコンいい味でした。

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そしてオムレツ。嫁さんはオムレツを注文。

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私は蒸し野菜とハム中心のプレート。もちろん野菜はサラダ同様実にいい味でした。

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最後にフルーツとヨーグルトが供され、再びお腹いっぱい(笑) ここの朝食、新鮮な野菜に焼きたてのパンの美味しさが素晴らしかったですね。卵料理については神戸のオリエンタルホテルで3人とも絶品卵料理を経験しているので少々辛めの評価(笑) ホテルのスタッフの方、このブログを見ていたら、神戸のオリエンタルホテルを視察の上、卵料理のレベルアップを企画する余地ありでしょうか。
朝食の間、ぐっすりと寝ていて朝焼けを見損なった3人に写真を見せたり、卵料理がとうだこうだと話したり、朝食の一品一品を楽しみながらゆったりと食事ができる幸せを感じるべきでしょう。朝も手馴れたスタッフの方のサービスが心地よく、楽しく食事ができました。

食事の後はせっかくなので広い庭に出てみることににします。

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庭への出入り口にも大掛かりな生花が。こうしたところが一流どころ。ほおずきの実が朝日を浴びて赤く輝いています。活ける場所を考えたアイデアですね。

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庭に出てみると、はたで見ているのとは異なり、かなり勾配のきつい下り。ここでは車椅子は使えませんので、母親に「大丈夫か?」と聞いてみると「行ってみる(ニコリ)」とやる気十分。杖をつきながらゆっくり芝と石畳のに庭を降りていきます。振り返るとホテルの全景が見えます。中央が古い本館。右手に続くのが新しい新館。こちらにお風呂などがあるわけです。気になるのが空模様。朝食を終えたくらいから曇ってきました。まさに山の天気は変わりやすいということでしょう。

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すこし降りていくと小川が流れていて。花がいろいろと植えられています。

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これは菊芋でしょうか。

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こちらは西洋風蝶草(クレオーメ)。

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庭の中央にある大木のところまでおりて散策。結構下りましたので、戻るためには登らなくてはなりません。母親も気合を入れ直し、杖をつきつきゆっくりと登って戻りました。薬が効いていたので体の動きも良かったのが幸いでした。普段通院以外に出歩く機会の少ない母親にはいい運動となりました。

散策したあとは、ガーデンの入り口にあるホテルショップで、お土産を物色。普段手紙のやりとりなどのある母親の友人にホテルのクッキーなどを送る手配などをして部屋に戻りました。

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散策後の空模様はこんな感じ。雲が重くたれこめてきました。

部屋にもどって荷物をまとめ、あとはチェックアウトです。我々にとっては2度目の訪問となった赤倉観光ホテルですが、今回も大満足。この景色も新鮮な野菜も手馴れたスタッフのサービスもあってゆったりとくつろぐことができました。前日に泊まった星野リゾートの界松本が若いスタッフによる作られた高級感だったのに対し、こちろらの赤倉観光ホテルは老舗の重厚さと伝統がにじみ出る高級感という感じ。母親もこちらのほうが気に入ったようでした。この赤倉観光ホテルも創業から経営が変わり、新興のR&Mリゾートいう会社が経営していますが、建築の活かし方、サービスのあり方など、星野リゾートとはかなり異なるアプローチ。サービス全体に適度にさりげない感じが本当の高級感につながっている感じがしましたし、特に建築の活かし方は素晴らしいものがあります。スポットライトを効果的に使った照明や花の配置、そこここに品の良い絵画が飾られたりと、見事な手腕。2泊続けて泊まったことでわかる違いのようなものを感じられました。

チェックアウト後は荷物を車に積み込みホテルを後にしますが、チェックアウトの時間にちょうど結婚式の受付が重なってロビーはにぎやか。ここ赤倉観光ホテルでの結婚式とはいいですね。このあたりの人にとっては最高の結婚式ができる場所でしょう。



さて、この日は東京に戻る日。あとはお土産などを買いながら東京にもどるだけです。ここ赤倉からは中央高速経由、上信越道経由、志賀高原経由、十日町から関越経由などの帰り方があります。天気が良ければ志賀高原、白根山から草津にぬけようかと思っていましたが、ちょっと曇り気味ということで、非常に安直な選択肢を選びました。

次なる目的地はホテルから見えた野尻湖です。

昨年夏の旅行の際、日光の湯ノ湖に久しぶりに訪れた際の記憶があり、夏の湖もよかろうということでほぼノーチェックでしたが行ってみることに。赤倉観光ホテルから妙高山を下って国道18号を南下するとすぐに野尻湖。途中信越大橋という1キロ近い橋がありますが、ここから北側が新潟県、この橋を越えると長野県ということで信越大橋というわけです。橋を越えトンネルを過ぎるとすぐに野尻湖という交差点。左に折れるとすぐに湖が見えました。

野尻湖につくと、こんどは灼熱の日照り。朝方結構な距離を散策したからか母親も動きが良くありません。駐車場に車を停め、ちょっとあたりを見回すと、古びた観光地風。お土産屋さんに遊覧船に、観光地の定番、アヒル型のボートがならんでいます。湯ノ湖の落ち着いた雰囲気とはちょっと違ってました。

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まあ、せっかく来たので、遊覧船にでも乗るかと思っていたところ、目の前で遊覧船は出航(笑) 次は1時間後ということで、以前昨年の旅で福島の五色沼で母親ものせて手漕ぎボートにのったことを思い出して。手漕ぎボートはどうだと尋ねると、まんざらでもなさそうな顔つきだったので、船着き場で手漕ぎボートを借ります。五色沼では救命胴衣も進められず、すいすい乗ったんですが、今回は救命胴衣を着せて載せようとしたところ、「私乗らないわ」とのご英断。どうやら薬の効きがわるくふらつくとのこと。あとから聞くと、今回ボートに乗ったら確実に落ちると思っていたとのこと(笑) 母親を載せるために借りたものの主賓が乗らないということで、仕方なく私たち夫婦で出発。叔母はもともとボートは苦手とのことで昨年も湖岸で見物でした。

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湖岸から車椅子の母親とそれを押す叔母に見送られて野尻湖に手漕ぎボートで漕ぎ出します。一旦漕ぎ出すとバシバシ漕ぎたくなってくるのが不思議なところ。ボート乗り場の対岸に赤い鳥居が見えたのであそこまで行ってみようということになり、風を切りながら静かな湖面を進みます。

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湖の中央まで出ると、今朝まで泊まっていた赤倉観光ホテルの赤い屋根が妙高山の中腹に見えるではありませんか。向こうから湖が見えたので不思議はありませんが、なんとなく観光気分がもりあがってきました。途中ボート上から釣りをしている人とすれ違いましたが、まさに獲物がかかった瞬間。湖ですのでニジマスでしょうか。

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漕ぎ出して10分ほどで対岸の鳥居のそばまで来ましたので、石灯籠のまわりをくるっと回って船着き場に戻る方向にUターン。ボート漕ぎは小さい頃から父親に鍛えられてきましたので得意です。帰りはなかばエクササイズのごとくグイグイ漕いであっと言う間に船着き場に戻ります。30分借りたボートですが、20分ほどで返却。しばし湖上の涼を楽しみました。戻ると叔母と母親は途中こちらの船を見失っていた模様。「どこまで行ったの?」との母親の問いに「鳥居まで。赤倉見えたよ」と答えると、「なんだ近いのね」と納得した様子でした。

湖上は涼しいとはいえ、炎天下の直射日光。嫁さんは涼しい顔をしていますが、こちらは汗だく。車に乗り込んでエアコンを最強にして汗を冷やします。

この時点で12時近く。野尻湖は長野県ですが、すぐ隣が新潟。同乗者がここまできたので新潟のお土産を買いたいということで、ふたたび新潟側にもどることに。ネットの情報を見ながら、道の駅のようなところはないかと探します。先ほど渡った信越大橋の袂までくると、道路標識に「関川の関所」とあります。確かホテルで見たパンフレットにも載っていたので、これ幸いと行ってみることに。

標識の示す方向に国道18号を外れ、くねくね道を下りていきます。そうすると5分くらいのところ、しかも新潟県側に関川の関所がありました。

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駐車場には車が1台も停まっていませんし、近くにそれらしい建物もありません。よく見ると、駐車場の脇を流れる川に太鼓橋がかけられ、それを渡っていくよう。その先には階段が見えます。これはいけません。ちょっと動きの悪い母親を車椅子でつれまわろうと思っていたので、太鼓橋に階段ではどうにもなりません。ということでここを諦め別のお土産スポットを探そうということになりました。
※あとで調べたら川向こうにも駐車場があったんですが、、、

先ほど降りてきたくねくね道を再び登り、国道18号に戻ります。信越大橋を新潟側に渡ります。この時天気は晴れ。

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よく見ると山肌に赤い屋根が見えます。先ほど野尻湖の船着き場では見えなかった赤倉観光ホテルが小さく見えるではありませんか。母親たちも「随分上のほうね〜」とようやく確認できた様子。

そうこうしているうちに嫁さんが絶好のお土産スポットをネットでみつけました。国道18号の妙高高原インター入口の少し北にある施設です。

妙高市観光協会:妙高山麓直売センター とまと

いわゆる道の駅ではありませんが、それに近い物。車で10分ほど走るとすぐに見つかりました。着いてみると駐車場はほぼ満車。ひっきりなしに車が出入りしているではありませんか。それもそのはず、中に入ってみると妙高産を中心に野菜が山ほど売っているではありませんか! これは地元の人も来るはずです。しかもみな新鮮そうで安い。昨夜から赤倉観光ホテルで美味しい野菜をたらふくいただいておりますので、これはいいお土産です。なんでも茄子は新潟県が全国一の生産量とのことで、ものすごい種類の茄子がならんでいました。こちらもバイヤーズ・ハイ(笑)状態。モモにきのこにトマトにナスに、、、、会社のお土産のお菓子、そして妙高の酒君の井など、たらふく購入。叔母もバイヤーズ・ハイでかぼちゃを丸ごとお買い上げ(笑) 帰ってここで買ったズッキーニを切ると東京のスーパーで手に入れるズッキンーニとは全くちがって実に瑞々しい! とれたての野菜がいかに素晴らしいかを実感しました。

両手に持ちきれないくらい野菜を買い込んだので、しばらく東京で野菜の購入は必要ありません。絶好のお土産スポットでした。ここでの買い物で皆満足したのか、あとはどこにもよらずのんびり帰ろうという雰囲気になりました。



ということで、再び国道18号で妙高高原インターを目指します。この時12:30頃。妙高高原インターから長野自動車道に乗り、そのまま南下。更埴ジャンクションでどちらに行こうか迷いましたが、上信越道で帰ることとに。昨日通った道を上田菅平くらいまできたところで、どこで昼食をとるかということになり、もちろん軽めが良いということで、ラーメンかお蕎麦の店を車内で検索すると、今まで行ったことのない蕎麦屋さん情報がヒット。ということで、そのお蕎麦やさん目当てで、小諸インターで降りてみることにしました。

小諸インターで降りるとすぐに、今回時間があれば寄りたかった、マンズワイン小諸ワイナリーの案内看板が。ここは日本のワインの最高峰の一つであるSOLARISシリーズを生産するワイナリー。しかし、ワイナリーに寄っているとお昼を食べ損なってしまいますので、残念ながらスルー。目的地に向かいます。この旅最後の食事処はこちら。

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食べログ:井泉庵 (セイセンアン)

小諸インターから小諸市街を抜け、何度か行ったことのあるあぐりの湯方面に進んだところにある一軒家をお店にしたようなお蕎麦屋さん。食べログの評価を見る限り悪くありません。お昼の時間帯をちょっとはずしていましたので、幸いすぐに席に案内されましたが、お店の人はてんてこ舞い。直前まで団体客でごった返していたそうです。

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こちらは急ぐ旅ではありませんので、気にせずまずは同行者のビールを注文。何も言わずにでてきたのがキリンの「信州づくり」という瓶ビール。ラベルには「長野の誇りを限定醸造」とあり、もちろん東京では見たことのない商品。なんだか羨ましくなって、ドライバーの私ようにノンアルコールビールを注文しますが、店員さんから「すみません、先ほどまで大勢の団体客で売り切れてしまいました」とのこと。私自身ノンアルコールビールがなくても構いませんが、なんとなくビール(のようなもの)を飲みたい衝動のはけ口もなく、少々寂しい気分に。ノンアルコールビールって大事ですね(笑)

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仕方なく出されたお茶にきゅうりの味噌漬けで業を煮やします。

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ちょっと待つかと思いきや、意外に早くお蕎麦が運ばれてきました。こちらはおろしぶっかけ。行きに奈良井宿のお蕎麦屋さんで叔母が注文したぶっかけが美味しかったので、迷わずぶっかけを注文。

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こちらは季節の天ぷら盛り合わせ。塩と抹茶塩でいただく野菜天ぷら。えのきにオクラ、薩摩芋などは珍しくはありませんが、美味しかったのはトウモロコシ。これが素朴な甘みがあって美味い。

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季節の天ぷら盛り合わせにせいろを3枚頼んで4人でつまみました。ここはまさに民家ですが、外は灼熱の太陽が照りつけるなか冷房はなし。開け放たれた窓から吹き抜ける風が心地よいことといったらありません。静かな部屋で風を楽しみながら蕎麦をすすって、最後の食事も大満足。素朴な食事を楽しみました。



さあ、あとは安全に東京にもどるだけ。焼けた車に乗り込み、小諸インターから一路東京を目指します。最終日は土曜日だったので少々の渋滞は覚悟していたんですが、小諸から乗った上信越道は渋滞なし。佐久、碓氷軽井沢、下仁田、富岡、吉井と過ぎて藤岡ジャンクションで関越に入ります。上里サービスエリアで休んで、再び関越を走ります。練馬の出口前で1kmくらいの渋滞があったほかは予想外に順調で、ほどなく叔母の住む新宿まで無事到着。叔母の荷物とお土産を降ろして、自宅に戻りました。私は荷物を降ろしてレンタカーを返却して、今回の旅のミッションを無事修了。高齢者込みのドタバタ旅行でしたが、今回も無事故で終えることができました。


もともと2泊と無理ない予定でしたので母親も意外に元気。ドライブ中に飲めなかった自分へのご褒美にレンタカーを返した後、鮎を買って帰り、大好きな宮城の乾坤一をちびりながらあゆの塩焼きにソーメンでねぎらいました。

昨年につづいての夏の旅行でしたが、母親も叔母も年齢ゆえ毎年少しづつ体力が落ちていっています。これがいつまでつづけられるかわかりませんが、毎回貴重な体験であることに変わりはありません。今度はどこへ行こうかと相談している間が一番楽しい時間。さて来年の夏休みはどこへいきましょうか。



このところレビューもままならぬ中くだらん旅行記にお付き合いいただきまことに申し訳ありません。このあと、月末恒例の記事を急ぎアップさせていただきます。知らぬ間に(笑)手元の未聴盤の山がさらに高くなっておりますので、レビューに励まねばなりませんね。

やはりハイドンは偉大です。SEO対策(笑)

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【番外】夏の信越紀行(その3)

(づづき) その1

この日泊まった星野リゾートの界松本をチェックアウトして、スタッフの人に教わった中町通りを目指します。宿のある浅間温泉から松本市街の中心部にある中町通りは車で10分ほど。中町通りは一方通行のようで、こう言うときはカーナビの指示通りに行くのが吉です。

ほどなく古びた雰囲気の店が並ぶ中町通りに到着。通り沿いの駐車場に車を停め、スタッフの人にもらったプリントアウトをたよりに履物屋を探します。すると、教えていただいた通り、中町通りのなかほどに目的の履物屋さんがありました!

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中町商店街振興組合:矢口履物店

この商店街、白漆喰になまこ壁の蔵風の建物が多く、ここ矢口履物店もそうした昔ながらの風情ある造り。お店に入ると先ほど界松本の部屋履きとしておいてあった畳敷きの草履そのものがおいてありました。界松本のスタッフの方の予感的中です! いろいろサイズや柄があり試しに履いてみて好みの草履を手に入れることができました。

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この履物屋さんだけでなく、この通りにもあちこちによく手入れされた花が飾られています。奈良井宿もそうでしたが、こうしたところが旅人の心を和ませてくれますね。履物屋さんをしばらく物色しただけですが、駐車場からしばらくの間、朝の中町通りをプチ散策して、観光気分も味わう事ができました。

この日は行きたいところがありましたので、再び車に乗り、目的地に向かいます。途中、松本駅の前の信号で止まっていると気になるものが、、、

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この白いバスに赤い水玉、明らかに草間彌生に侵食されています(笑)。

松本市美術館:草間彌生×タウンスニーカー 草間彌生デザインバス

調べてみると、草間彌生はここ松本市生まれ。そして、現在松本市美術館のシンボルとして草間彌生のオブジェが置かれ、常設展示にも草間彌生の作品が展示されているとのこと。この時は特集展示「草間彌生 魂のおきどころ」という特集が組まれているとのこと。ということで、このバス、松本市内をめぐるタウンスニーカーというバスのうち1台がこのデザインに仕立てられ、その名も「クサマバス《水玉乱舞》号」。しかも上のリンクによると「世界でたった一台」とのことです。

草間彌生の作品は、以前東京外苑前のワタリウムで行われた草間彌生展でいろいろ見ています。若い頃の派手な活動で週刊誌ネタとなり大騒ぎを巻き起こしたり、最近のポップな作風で有名ですが、展示されていた作品の中で、特に興味をもったのが1960年前後の白いキャンバスに無数のドットを配したミニマルアート的な作品群。印刷ではつたわらない微妙なトーンの変化と吸い込まれるように無限に続く一つ一つ異なるドットの響きあう様子に圧倒されました。

私たち夫婦だけの旅だったら、迷わずバスを追いかけて松本市美術館にかけつけたところでしたが、次なる目的地も草間彌生をしのぐアーティスティックなものでしたので、車をそのまま進めることにしました。



目的地はこちら。

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日本浮世絵博物館

長野自動車道松本インターのすぐ脇にある日本浮世絵博物館です。こちらで現在「北斎-森羅万象を描いた絵師-」という企画展が開催されています。もちろん、目的はこの北斎展。

北斎展は2005年に東京国立博物館で開催された北斎展を見て、その凄さを知りました。90歳まで生き、生涯で画号を変える事およそ30回、住まいを移す事93回とのことで、次々と変化する画風、歳をとっても衰えない緻密さ、独特の大胆な構図、そして最晩年に「画狂老人卍」と名乗るようになってからの恐ろしく緻密で澄み切った作風と、北斎の本当の凄さを体感した次第。

今回も浮世絵美術館で北斎展が開催されていると知り、旅程に組み込んでいたものです。

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浮世絵博物館は建物の方も昔から有名で、日本の建築界に大きな影響を与えた篠原一男の代表作です。こちらは初めての訪問です。時刻は11時近く。天気は完全に青空となり、夏の暑い陽射しがまぶしくなりつつあります。

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広い駐車場には車が数台。幸いあまり混んでいないもようです。美術館などでは車椅子が使えるので母親も楽チンです。エントランスホールにはすでに壁一面に有名な浮世絵が飾られていますが、これはお土産用のレプリカ。レプリカと言ってももともと浮世絵は版画ですので、それなりにしっかりしたもの。母親がトイレに行っている間にレプリカの北斎、哥麻呂、広重などを存分に鑑賞しました。

今回の北斎展はもちろん浮世絵中心。国立博物館での北斎展は肉筆画も含まれており、展示のスケールも桁違いでしたが、北斎のエッセンスは浮世絵にも十分感じられます。最初のエリアで有名な富嶽三十六景から十数枚が展示されていましたが、有名な黒富士はやはり印刷物とは迫力が違い、黒富士の赤黒い山肌の迫力は想像以上のもの。他の作品も富士の姿が巧みに風景に溶け込み、巧みな構図設定と洒落心に関心しきり。その他百人一首を題材としたもの、花鳥を題材としたもの、行ったことのあるはずのない琉球八景、諸国名橋奇覧、諸国滝巡りなどのシリーズ物が展示されており、見応え十分。

お客さんはパラパラでしたが、それでも外人のお客さんが多いことからわかるとおり、北斎は世界的に知られて存在なんですね。北斎の凄さはむしろ外人の目でみたほうがわかるのかもしれませんね。

もちろん展示スペースはコンパクトで、ゆっくり北斎を楽しむことができました。東京で北斎展を開催したら人混みを見に行くようなことになってしまいますので、わざわざ松本まで来て見る甲斐があるわけです。

展示スペースを見終わると、脇にミュージアムショップがありますが、そのサインが冴えてます。

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北斎漫画からの引用でしょうか。店の奉公人らしき兄さんが暖簾から顔をのぞかせています。中に入ると、ホールに展示してあったレプリカの浮世絵がジャンル別に整理されて、陳列されています。またテレビには浮世絵の彫り師の仕事、刷り師の仕事を紹介する映像が流されていて、版画で繊細な線を表現する彫りの技法、色をしっかりと乗せていく刷りの技法が紹介されていて、素晴らしい匠の技に見入ってしまいました。

ひとしきり浮世絵博物館の展示を楽しみ、浮世絵博物館を後にします。

外に出るとさらに陽が高くなり、まさに真夏です。時刻は12:00くらいということで、そろそろお昼の時間ですが、この日は松本から離れて東御にあるレストランを予約してありました。東御までは1時間ほど。ちょうど予約の時間に着くことができます。



松本インターから長野自動車道に乗り、一路北上。松本から東御までは鹿教湯温泉経由で行く道もありましたが、カーナビによると高速の方が回り道でもはやく着くということで、迷いなく高速を選択。晴れわたる青空の下、安曇野、麻績(おみ)、姥捨を通り過ぎ、更埴ジャンクションから上信越道に入ります。空いている高速を快適に走り、戸倉上山田温泉のある坂城を過ぎると目的地の上田菅平インターに到着。このあたりは何度も来ているので道もよくわかります。しばらく一般道を走って、東御にある目的地に予定どおり13:00には到着しました。

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ヴィラデストガーデンファーム アンド ワイナリー | 玉村豊男のワイナリー カフェ

この日のお昼の目的地はヴィラデストという玉村豊男さんのワイナリーです。ここはお気に入りで私たち夫婦は4度目の訪問。ブログをしらべて4度目だとわかりました(笑) 母親は以前に1度きていますが、叔母が初めてということでセレクトしました。

ここは玉村豊男さんが自分が飲むためのワインを造りはじめたのがきっかけですが、紆余曲折あって現在の姿になったもの。その経緯は前掲の山本博著日本のワインを造る人々2「長野県のワイン」に書かれておりますが、この本を読むと、この地にワイナリーを作るまでの驚くべき努力の経緯が書かれており、それを読んでこのワイナリーを見直した次第。本を読んでからの訪問は初めてです。

いつもどおり、ヴィラデストの駐車場に車を停め、売店を通ってカフェに行き予約していた名前をつたえると、すぐに窓際の眺めのいい席に案内されました。上のワイン畑の写真は席の窓からの景色です。眼下に上田の街とその先には信州の山々。見事な景色です。西側ですので夕方には夕陽が絶景なことでしょう。

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頼んだのはランチコース。せっかくのワイナリー訪問ですので、ワインも頼みますが、私はドライバーゆえノンアルコールで、いつものフラワーシャンパンを頼みます。これ、華やかな花の香りがしてなかなかいいんです。奥はヴィニュロンズリザーブのシャルドネ。

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こちらはオーガニックのタザワヴィンヤード・メルロー。いずれも国産のワインとしてはとても完成度の高いもの。ちょっと舐めました(笑)

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流石なのがパン。バスケットに盛られたパンを触ってみるとほんのりと暖かい。まさに焼きたてで、どのパンも香ばしい。昨夜と朝、界松本で満腹になったんですがこれは食欲がわきます。

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こちらは皆に供される野菜づくし「盛夏のヴィラデスト」。野菜は朝取りだそうで、みな新鮮で瑞々しい。彩りも目に鮮やか。いつもながら素晴らしいですね。

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メインは五種のメニューから選べます。私はソーセージ。叔母は鮮魚で鱒(写真撮り忘れました)

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嫁さんと母親は鶏と牛。メニューの写真を撮り忘れた上に、メニューもこのあとすぐに替わってしまいましたのでウェブサイトにも手がかりなしです(笑) どのメニューも野菜の旨さを存分に活かして肉や魚を合わせたもの。もちろん肉や魚がメインですが、野菜が脇役に止まらないのがいいところ。まさにこの地で取れる野菜が主役な料理です。

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そしてデザート。おしゃべりを楽しみ、窓の外の景色を楽しみながらの優雅なランチタイムでした。味はいつもどおり、土の香りを感じさせるもの。野菜や肉の素材の味を中心に穏やかにまとめたもの。流石にワインにも見事に調和しているのはワイナリーならではですね。初訪の叔母も満足したようでなによりです。

このあと入り口にある売店でお土産を物色したあとは、炎天下ではありますが、目の前のガーデンを腹ごなしに散策します。

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ここのガーデンの手入れは見事の一言。いつ来ても花で溢れかえってます。これはマーガレットの一種でしょうか。

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こちらはダリアの一種でしょうか。真っ赤な花が夏の青空に映えます。

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これはスモークツリー。

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こちらもスモークツリーに、タチアオイ。

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こちらはラベンダー、奥に白い紫陽花。

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こちらは枕木でつくった休憩スペース。ガーデンを一望できる場所にありますが、それを覆うように夏の花、ノウゼンカズラが赤い花を咲かせています。これがなんとも言えずいい雰囲気。いつきてもここには花がいっぱい。花の咲く季節を考えていろいろ植えているのでしょう。この日も暑いなかスタッフが花の手入れに追われていましたので、きちんと手間をかけているからこそ、いつきても花が満ちているのでしょう。ランチのあと少々の間ですが、清々しい気持ちになりました。



さて、ヴィラデストでゆっくりランチをいただき、ガーデンの散策を楽しんでいるうちに時刻は15:00を回りました。そろそろこの日の宿に向かわなくてはなりません。

ヴィラデストから山を降りて、先ほど降りた上田菅平インターから再び上信越道に乗り、一路北を目指します。

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抜けるような信州の夏の青空のもと、この日の宿のある妙高高原を目指します。

(つづく)

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【番外】夏の信越紀行(その2)

(づづき) その1

奈川渡ダムから、国道158号線を通って松本市街に入り、カーナビに指示されるまま進みます。松本駅のすぐ北側のガードをくぐり、すぐ左折。右に松本城を眺めながら北上し、松本深志高校、護国神社、セイジ・オザワ松本フェスティバルで有名なキッセイ文化ホールなどを横目に、松本市街のはずれの浅間温泉に近づきます。

浅間温泉には、港の湯という共同浴場に2度ほど来たことがあります。素朴な小さな共同浴場ですが、お湯は熱い熱い(笑) 熱い湯好きにはたまらないいい温泉なんですね。今回は叔母と母親連れのため残念ながらスルーです。

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星野リゾート:界 松本

予約してあったのが浅間温泉の中程にある星野リゾートの界 松本という宿。一昨年の5月に叔父、叔母連れで中国四国を旅行した際、出雲の玉造温泉で同じく星野リゾートの界出雲に泊まった時の印象が良かったので、再び星野リゾートを選んだ次第。

宿の入り口から車で入ると、すぐに宿のスタッフが出てきて出迎えてくれます。時刻は当初の予定どおり16:30ぴったり。4人分の荷物を降ろして車を入り口横に停めます。奥に聳える円筒形の大きな建物がエントランスホールのようです。

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エントランスは隠れ家でもあるようにさりげないもの。壁は自然な土壁で藁すさ混じりですが、ちょっと凝った意匠が施されています。誰の設計か調べてみたところ、この宿、星野リゾートになる前は貴祥庵という旅館で、設計は羽深隆雄・栴工房設計事務所というところ。和風をベースとしながらかなり手の込んだ意匠を施す人のようで、日本旅館などを得意としているようです。

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結界のような狭い入り口を入ると、ガラスと鉄骨細工による庇に覆われたアプローチが続きます。

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入り口のドアの前に置かれたワイン樽の上には、ご当地松本、塩尻近辺の代表的なワインが誇らしげにおいてあります。そしてなんと、これまで何度か書いた、五一ワインのエステート・メルローも右に並んでいるではありませんか。中央は同じく五一ワインのエステート・シャルドネ、左はライバル信濃ワインの信濃桔梗が原メルローと、素晴らしい品揃え! ワイン好きにはこの品揃えの見事さがわかります。

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スタッフに促されるままに進むと外から大きな円筒形に見えたエントランスホールになります。やはり和のテイストを残しながらも、オットー・ワグナーのデザインのような幾何学模様がかなり綿密に施されたインテリア。若干意匠が過剰なような印象も漂います。

ソファに案内されてチェックインの手続き。ウェルカムドリンクは信州らしくりんごジュース。宿のスタッフが若い人中心なのは以前泊まった界出雲と同じ。みなさん丁寧で親切でした。すぐに部屋に案内されますが、宿の中の空間構成は複雑。

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フロントのある円筒形のエントランスホールから客室棟への渡り廊下には漆器作家の作品が陳列され、スポットライトに照らされています。

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エレベーターで3階に上がると非常に細かい建具の細工が施された引き戸が何重にも折重なり、まるで部屋に入るのが儀式であるかのように設えられています。なかなか凝った造りですが、こうした細工や手の込んだ仕上げはコストに大きく影響するのでしょう。星野リゾートの前身の貴祥庵、この建設コストの負担に耐えられなかったのだろうと、手の込みまくった内装から想像しちゃいました。

さて、案内された部屋は両部屋とも広くて快適。窓からは浅間温泉の温泉街を見渡せますが、スクリーンがかけられ、適度に景色をぼかしてくれていて落ち着きます。

ここまで、東京から奈良井経由で運転しっぱなしでしたので、まずはひと風呂浴びてスッキリしたいところ。1階の大浴場に行ってみます。

大浴場は夜中に男女が入れ替わる方式。誰もいなければパチリとするところでしたが、夕食前の時間ということで、何人かお客さんが入られていましたので、そういうわけにも参りません。この日の男風呂は立ち湯やサウナのある祥雲。内風呂で体を慣らしてから、露天風呂でひとしきりぼーっと湯に浸かります。浅間温泉の泉質は弱アルカリ単純泉ということで、無色透明のお湯。ただ、この日は内風呂も露天もかなり温度が低い。おそらく40度ないくらい。翌朝入ったもう一つの大浴場の貴天の方はそうでもありませんでしたので、調整の問題でしょうか。もちろん温めが好きな方にはいいでしょうが、こちらは熱め好きゆえ、少々もの足りません(笑) 立ち湯や寝湯、檜の香りのするサウナのような檜おがくず風呂、サウナなどさらっと一通り入ってみますが、やはり本命は普通の温泉。近くの共同浴場でビシッと熱いいい風呂が楽しめることを考えると、一つくらい熱い風呂を用意してもらいたいものです。のんびり小一時間お風呂を楽しんで、ドライブの疲れを癒しました。

部屋にもどって涼んでいると、程なく夕食の時間となり、2階の夕食会場に皆で移動します。

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夕食会場は個室になっていますが、窓から下を見下ろすと、客室と円筒形のエントランスホールに囲われた中央の池が見えます。これはただの池ではなく、右側が大きな滝になってエントランスホールの額縁窓からその滝の落ちる流れが見えるという凝った趣向になっていますが、肝心の音が館内からあまり聞こえず、凝った仕掛けの魅力があんまり活きていません。なんとなくもったいない感じです。

建物に対して多少辛口なコメントが続きましたが、ホテルのサービスは決して悪くありませんので誤解なきよう(笑)

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食事は日本旅館らしいもの。4人揃うと献立の説明と、いくつか選べるメニューの確認です。もう運転しませんので、安心して飲むことができます(笑) ワイン自慢の宿なんでしょうが、食事のメニューを見ると、正統派の和食。しかも最初に食前酒として日本酒が供されるということで、皆ビールを注文。

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ビールで喉を潤し、まずは先付けと八寸。先付けは「山の刺身」との説明。よく見ると蕎麦を海苔や湯葉で巻いた蕎麦寿司。これに出汁をかけていただきます。奥が八寸で竹籠の中に涼しげに並べられた品々。特に色使いにもこだわっているようで、非常にセンスの良い盛り付け。建物のこってり感とはうって変わって料理は洗練されています。味もさっぱり目に仕上げられていて、我々にはピタリ。スタッフによると、料理長は女性とのことで、この盛り付けのセンスの良さは女性ならではというところでしょう。

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続く椀物も爽やかな配色が見事。手前の椀は冬瓜の鶏つくね射込み。奥はお造りで刺身。ポーションもそれぞれ少なめで、淡い味わいの変化も我々好み。若い人にはちょっと薄味と感じるのではないかと思いますが、そういえば我々のプランは50歳以上をターゲットとしたプランでした(笑)

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揚げ物はなんと、トマト。トマトの揚げ出しとのこと。この変化球はなかなかの切れ味。こちらもさっぱりとしたトーンを保ちながら、しっかり味の変化を感じさせるもの。

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蓋物は蟹養老蒸し。養老蒸しとは山芋を使った蒸し物とのことで、蟹の旨味を山芋と翡翠あんで包んでいます。やわらかな食感もさることながら、皿ごとの色彩の変化が巧み。ここまで、旅館の料理としてはヴォリューム控えめですが、母親や叔母には少し多めということで、そろそろメインが待ち遠しい頃。

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ということで、ようやく台の物。こちらはテーブルで自分で焼く和牛の鉄板焼きか、焼いて出てくる和牛ステーキを選べますが、嫁さん以外は手間をきらって和牛ステーキ。写真は鉄板焼きの方。肉はロース、フィレ、モモがそれぞれ2枚づつ。これは鉄板焼きの方がいい肉でしたね。当然皆で回して食べ比べ(笑) 母親などは「お肉を先に出してくれればいいのにね〜」と半ば満腹に近いところで肉をいただくことにご意見されますが、懐石にはそれなりの順序がありますので、そうもいきませんネ。

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そしてようやく食事へ。こちらは蕎麦と白米を選べますが、私は昼も蕎麦でしたがせっかくの信州ゆえ蕎麦をセレクト。私もそれなりに満腹ですが、蕎麦はするっと入ってしまいます。

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そして最後のデザート。こちらも三種から選べますが、これは「たっぷりフルーツが入ったライチ風味のゼリー」。他に「ほうじ茶のクレームブリュレ」、「淡雪チーズ 木苺ソース」がありましたが、ゼリーが最もカロリーが低かろうとの読みでのセレクト(笑) フルーツの色彩とさりげなく置かれた紅葉のいろどりが最後までセンスの良さを保っていました。

我々の年代に気をつかってか、供されるタイミングもゆっくりしていて、おしゃべりを楽しみながらのんびりと食事を堪能することができました。お酒の方は、このあとワインバーに行くので、生ビールに蕎麦焼酎をいただいたくらい。和食にワインが合わなくはありませんが、ワインバーでのワインがついているプランだけに食事でワインが頼みにくいという面もありますね。



さて、ロビーではサックスとピアノによるミニコンサートが始まっている時刻でしたので、皆でロビーまで降りてみます。ちょうど前半が終わった休憩時間だったようで、照明を落とされたロビーには何組かのお客さんがくつろいでいました。プランに含まれているので、ロビーに顔を出すと、用意されていた席に案内されます。

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この日用意されていたワインは、赤が塩尻の井筒ワインのマスカット・ベリーA、白は安曇野ワイナリーのシャルドネ、ロゼは須坂の楠ワイナリーの鎧塚アミュレットと信濃のワインでちょっと個性的なものがセレクトされていました。ちなみに鎧塚とは有名なパティシエの鎧塚ではなく、須坂市にある鎧塚古墳にちなんだ名前とのこと。この中から好みのもの1杯を選びますが、私以外は食事のお酒で適度な酔い加減ゆえ、みんな私にまわってくるはず。ということで、赤、白2杯、ロゼを選びました。ちょうどワインが運ばれてくるころに休憩が終わり、後半の演奏が始まります。

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演奏は女性2人でサックスと電子ピアノで久石譲などの親しみやすい曲をゆったりと演奏するもの。サックスもピアノもよどみなく、腕前に不安はありません。ホテルのバータイムでの演奏ゆえ、もちろん畳み掛けたり、ダイナミックだったりするわけもなく、ワイン片手にのんびり楽しめる演奏。惜しむらくは、BGMではなくせっかくステージを仕立てているのに、奏者にスポットライトが当てられずなんとなく設定が中途半端な印象。演奏はしっかりとしたものだっただけにもう少し奏者を引き立てても良かったと思います。

ワインの方は、赤のマスカット・ベリーAと白のシャルドネは大体予想どおりの味。ロゼの鎧塚は辛口ですが、最初果実味を感じますが、かなりしっかりとした渋みがあり、個性的なものでした。ロゼ好きな叔母がロゼを頼んだわけですが、ちょっと渋みが予想外の様子でお好みに合わなかったようす。おそらく食後に供されることを考えて、ちょっと変化球といった意図でしょうが、プランを考えると、もう少しオーソドックスなセレクトでも良かったかもしれませんね。調べてみると、ぶどうは4割が巨峰にワイン用ブドウをブレンドしたものとのことで、果実味は巨峰だったんですね。私は楠ワイナリーのワインは初めてでしたので面白いセレクトでした。

ところで、楠ワイナリーですが、これまであまり聞いたことのないワイナリーで、手元のバイブル、山本博著「長野県のワイン」にも掲載されていません。ウェブサイトを調べてみると、2004年に須坂市に就農、2011年にワインを初めてリリースした新しいワイナリーでした。ウェブサイトも垢抜けており、これからが楽しみなワイナリーですね。

北信州 楠ワイナリー

コンサートも程なく終了。私は同行3名の残りのワインをいただいていい気分(笑) テイスティングという程度ではなくぐびぐびいただいちゃいました。皆コンサートとワインを楽しんだよう。母親も意外に元気です。旅の緊張感もあるのでしょう。

部屋に戻ってこの日は良い酔い心地で休むことができました。



翌朝はいつも通り早朝に目が覚めてしまいます。カーテンを開けると浅間温泉の温泉街がうっすらと明るくなってきます。

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床の間にはヒペリカムなどの花が丁寧に生けてありました。昨夜は目がいきませんでしたね(笑) 食事までまだ時間がありますので、もちろん朝風呂に直行です(笑)

夜中に大浴場が男女入れ替わって、この日は貴天です。昨夜入った風呂が温めだったので、さほど期待せずに入ると、こちらは旅館としては適温の42度くらいでしょうか。許容範囲です(笑) こちらの湯にはラディアントバス(輻射熱温浴)といってタイル張りのコンクリートの温かいそふぁに寝転んで岩盤浴のように楽しむお風呂がありますが、大人なので、内湯と露天風呂でのんびり過ごします。ゆったりお湯に浸かって昨夜の酒を抜きました(笑)



ほどなく朝食の時間。朝食会場は昨夜と同じ2階の木蓮という部屋。

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こちらにも綺麗な生花が。こちらも昨夜は目がいってませんでした。なんとなく気分が変わると目の行き場所が変わるということでしょう。

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朝食は信州サーモンの粕味噌漬けを焼いたものを中心に湯豆腐などを合わせたもの。量も少なめで我々のニーズにピタリ。豆腐は有名な富成伍郎商店のお豆腐だそうです。調べたところ浅間温泉のすぐそばですね。

食べログ:富成伍郎商店

適度にお腹も満ちて、腹ごなしにお土産でも見ようとフロントの方に行ってみます。母親が気に入ったものがあるよう。

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途中、1階の食事処の引き戸の組子に目が移ります。精緻な組子のスクリーンが何重か重なって、廊下と食事処の微妙な距離感をつくっています。ここも手の込んだ細工ですね。

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昨夜コンサートを楽しんだエントランスホールでお土産などを物色。エントランスホールの中二階の部分がワインバー兼お土産売り場になっています。お土産の品揃えは少ない方ですが、肝心のワインもあまり食指が伸びるものではありません。昨夜飲んだワインや、入り口のワイン樽の上に置いたワインくらいあってもいいのではないかと思います。また、ここを起点にワイナリー巡りをする人もいらっしゃるでしょうから、ワイナリーの案内ちらしくらいあってもいいですね。

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お土産物色中のご一行(笑)

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母親が気に入ったのは旅館の部屋に用意されていたこの畳敷の草履。どうして気に入ったのか聞くと、足にすっとなじんで歩きやすいとのこと。母親はパーキンソン病で動きが不自由なのに加え、このところリウマチも発症して脚が腫れ気味。そしてもともと外反母趾気味ということで、靴も合うものがなかなかありません。おそらくホテルの草履はそうした母親が気に入ったということで歩きやすいのでしょう。このあたりで作っているもののようなので、お土産としておいているかと思いきや、綺麗な柄の鼻緒がついている下駄はいろいろ売っているのですが、肝心のこの草履は見当たりません。

スタッフに確認すると、取り扱ってないよう。あきらめてのんびりお土産をみていると、先ほど尋ねたスタッフが何枚かのプリントアウトを持ってきてくれ、松本の中町通りにこの草履を取り扱っていそうな履物屋さんがあるとのこと。丁寧に宿のロゴの入ったウェブサイトのプリントアウトを用意してくれました。こうゆう心遣いは実に嬉しいものです。

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さて、あとはチェックアウトと思ってフロントに近づいてみると、昨夜のコンサートに使った電子ピアノの横に誰かのサインがあるではありませんか。よく見るとチック・コリアではありませんか! 日付は2015年5月25日と読めます。おそらくこの宿に泊まったんでしょう。もしかして、この電子ピアノを弾いたんでしょうか(笑)

朝食後すこしのんびりして、時刻は9:00過ぎ。部屋に帰って荷物をまとめてチェックアウトです。

界松本、星野リゾートらしく若いスタッフがキビキビと働いていて、気分良く泊まれました。料理も鮮やかな色彩でまとめられた多彩な味のハーモニーを楽しめるもの。

ただ、豪華絢爛な建物、この浅間温泉という立地、おいしいワインの宝庫である信州という立地、50代向けプランという点では、もうすこし企画を練る余地があるかもしれません。夏休みに入り宿はかきいれどきのシーズンですが、お客さんの入りはほどほど。特に浅間温泉という素晴らしい温泉、近くに桔梗が原や安曇野という素晴らしいワインの産地があり、その魅力をもっと前面にだせば、さらに集客できるような気がします。ワイン好きな人がいつどんなシチュエーションでワインを飲みたいのか、どのようなワインをセレクトするのか、バータイムの音楽のセレクトや演出、お土産のセレクトなど、追い込む余地はまだまだありそうです。温泉好きでワイン好き、そして星野リゾートの宿を楽しむペルソナの研究余地ありですね。 スタッフの皆さん、頑張ってくださいネ。



さて、朝方は曇りがちでしたが、チェックアウトするころには青空がのぞき、この日もいい天気。スタッフに見送られて宿を後にします。行き先はもちろん、草履をゲットすべく中町通りへ、、、

(つづく)

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【番外】夏の信越紀行(その1)

このところ仕事でバタついていておりブログの更新もままならない中、夏季休暇をとって小旅行に行ってきました。ハイドンの曲のレビュー以上に旅行記事に突っ込んでいただく方もあり(笑)、たまには紀行記事も箸休めによかろうということで、何記事かお付き合いください。

このところ週末にはちょこちょこと母親連れで出かけてはいるのですが、記事にはしておりませんでした。記事にしたのは昨年秋に叔母も一緒に行った伊豆旅行。その記事はこちらをごらんください。

2015/10/14 : 旅行・温泉巡り : 【番外】秋の伊豆小旅行(その1)

叔父、叔母と中国・四国を巡った大旅行以来、叔父が亡くなった以降もなんとなく休みの旅行は叔母を誘って行くのがならわしになり、今回も叔母を誘って、母親と私たち夫婦の4人旅となりました。スケジュールは私の仕事が休めるスケジュールに加えて、叔母や母の通院スケジュールなどの合間をとっての、意外とピンポイントなスケジュール(笑)。母親も日頃は元気とはいえ長旅も負担になるということで、今回は2泊3日とコンパクトな旅にしました。身内だけの旅とはいえ高齢者連れということで、日頃は無計画に旅行するのが好きなんですが、いろいろ事前に調べて旅程を組んでの出発。私の役割はツアコン兼唯一のドライバーという、いつも通りのものです(笑)



出発は7月21日木曜日。世の中も夏休みに入って観光地も込み合う季節になっちゃってました。渋滞を避けるため、いつも通り自宅を朝早く出て、新宿の叔母の家に寄ってピックアップする流れですが、忘れ物をしてちょっとドタバタしたり、都内の道が通勤ラッシュだったりして、叔母の家に着いたのが少々遅れて朝8:00ごろ。東京はこの時間土砂降りの雨でした。無事叔母をピックアップして、コンビニで道中の買い物などをして、いざ出発です。

向かうのは長野方面ということで、首都高の初台インターから高速に入り、一路西へ。天気予報では東京は1日曇りでしたが、山梨、長野は晴れ予報でしかも暑そう。重く垂れこめた雲を眺めながらのドライブですが、先が晴れているということでさほど心配もなさそうです。途中八王子の先での事故渋滞がちょっとあったくらいで、流れはスムーズ。予定していた藤野PAを超えて、ワインの仕入れによく訪れる勝沼の一つ先の釈迦堂PAで最初の休憩です。笹子トンネルを抜けたところで日が差し、天気予報通り晴れてきました!

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4人の荷物と、母親が使う車椅子を積んでの旅行ゆえ、うちの車では役不足なのでレンタカーを借りています。今回の旅程では山道も多いことからワンボックスカーではなくSUVのフォレスターを借りてみました。荷室が広く車椅子を積んでも余裕があり、今回の用途には十分。だいぶ前にレンタカーで借りたスバルのインプレッサの乗り心地が良かったのでセレクトしましたが、四駆でも過度にふわふわせず乗り心地も悪くありませんね。歩くのに苦労する母親のために、障害者用の駐車スペースを使わせてもらってます。

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釈迦堂なぜか埴輪のようなオブジェがありますが、調べてみると、中央高速の建設工事時にこのあたりから大量の縄文土器が出土したとのことで、パーキングエリアのちょっと上にパーキングエリアから直接行ける釈迦堂遺跡博物館が併設されています。この博物館、なんと釈迦堂遺跡出土品5599点を収蔵しているとのことで、なかなか見応えありそうですが、目的地への旅程もあり、またかなりの階段を上らねばならなそうなので、母親連れではちょっと無理。またの機会にしましょう。

釈迦堂遺跡博物館

一休みして、出発。時刻は10:00時過ぎ。再び中央高速で西に向かいます。今回の最初の目的地は木曽路の奈良井宿。釈迦堂を出て、甲府盆地、八ヶ岳山麓、諏訪湖を経て岡谷ジャンクションから長野自動車道に入り、塩尻を目指します。塩尻インターの直前のみどり湖PAで再度休憩。母親が「みどり湖はどこ?」とつぶやきますが、パーキングエリアの周りに湖がある雰囲気もなく、地図もありません。仕方なくiPhoneでグーグルマップを見てみると300mほど南に小さな湖があり、それがみどり湖のよう。パーキングには地図くらいあってもいいですね。

さて、ちょっと休んだところで出発。すぐに塩尻インターとなり高速を降ります。塩尻市街を通り過ぎると、ワイン好きには別格の響きを感じさせる「桔梗が原」という交差点。右に曲がると以前訪問した五一ワインに井筒ワインと信州を代表するワイナリーがあります。以前に飲んだ五一ワインのエステートメルローはメルローの素晴らしい香りが楽しめる素晴らしい仕上がりでしたので、その後も何度か買って楽しんでいます。寄りたいところをぐっとこらえて木曽路に向かいます。

塩尻から国道19号、中山道を南下していくと、ほどなく景色は両側を山に囲まれた木曽谷に。しかも、道の横には清酒「中乗りさん」の看板が。それまで適当なBGMをカーナビにつないだiPhoneのAppleMusicでかけていたんですが、車内から木曽節をかけろという無言のプレッシャーが(笑)。木曽節を検索してみると、あるではありませんか! しかも美空ひばりの木曽節です。かけてみると民謡の伴奏とは一味違った濃厚なムード歌謡の伴奏にのって美空ひばり独特の声が車内に響きわたります。母親も「これひばりさん?」と即座に反応。そうひばりさんです(笑)。このあとこの木曽節が含まれるアルバム「美空ひばり 民謡お国めぐり」で車内は美空ひばり一色(笑) 木曽谷の風景にハイドンは合いませんネ。



そうこうしているうちに奈良井に到着。奈良井という信号を右折すると駐車場がありました。車を降りるとジリジリと照りつける夏の陽射しとアスファルトからの照り返しで、まさに真夏。時刻もちょうど12:00ということで最も陽射しのきつい時間です。駐車場はほぼ満車。しかし人影はまばらです。

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駐車場にはなぜかSLが。「C12 199」との車名ですが、鉄道マニアではないため詳しいことはわかりませんが、調べることはできます。

Wikipedia:国鉄C12形蒸気機関車

国鉄の前身、鉄道省が製造して小型軽量の機関車とのことで、Wikipediaには199を含む製造番号の38両が1938年に製造されたとありますので、製造後80年近く経っているわけですね。小型軽量とはいえこれだけの鉄の塊はかなりの迫力。もちろん前で記念撮影ですが、アチぃ(笑)



奈良井宿にはだいぶ前に私たち夫婦だけで行ったことがあります。古い写真を調べてみたところ2005年の7月22日ということで、11年前の同じころ。木曽には馬籠に妻籠と人気の観光地がありますが、両方とも石段があり、脚の不自由な母親を車椅子で連れて歩くには向いていないのと、奈良井の良い具合に鄙びた雰囲気が高齢者中心の我々の旅にふさわしいということで選んだ次第。

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駐車場の脇には奈良井川が流れており、岸には花が咲いて、炎天下にもかかわらず目を楽しませてくれます。これは桔梗ですね。

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駐車場から中央本線の踏切を渡ると、宿場町の雰囲気になってきます。昔の写真を確認すると道はただのグレーのアスファルトでしたが、今は土色に似せてか、ベージュの特殊な舗装になってます。これも昔の雰囲気に近づける努力でしょうか。駐車場はほぼ満車でしたが、炎天下のせいか道をある人はまばら。ただベージュの舗装のせいか照り返しもさほど厳しくなく、散策できないわけではありません。

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車を停めた駐車場は奈良井宿の奈良井駅とは反対側の端。駐車場でもらったしおりをみると上町とあり、ちょうど奈良井宿民芸会館がある角を曲がると、宿場のメインストリートに出ます。道の両側の古びた町屋の深い軒が織りなす見事なコントラスト。妻籠も馬籠も会津の大内宿もいいんですが、ここ奈良井が昔の雰囲気を最も良く残しているように感じます。直射日光が照りつける中、のんびりと旧中山道の宿場町をそぞろ歩きます。時折吹き抜ける風が涼しく感じられるのも舗装の工夫のおかげでしょう。

中山道木曽路 奈良井宿観光協会

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さて、時刻はそろそろ12:30になろうかというところ。朝食は旅のいつもの掟で車中でコンビニおにぎりということで、お腹も良い具合に空いてきています。事前に食べログで調べていたお蕎麦屋さんは駐車場の近くでしたので立ち寄ってみます。

食べログ:こころ音

IMG_6162 (1)

玄関先には、さも涼しげに花が生けられ、旅人をもてなす心使いが感じられます。

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入り口には、「世の中で 目出たきものは 手打ち蕎麦 初めつる鶴 末はかめ亀」と粋な言葉も添えられています。ツルッと口に入れ、噛むのが縁起が良いということでしょう。こうした些細なことが沁みる年代なんですね(笑) 

お蕎麦屋さんの前の道ではドラマかなにかの撮影でスタッフが道の通行人が不自然でないよう見張っています(笑) 我々は慌ててお蕎麦屋さんに避難といったところ。

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先客が何組かいたのですが、幸いすぐに席に案内されました。外観も良い感じに古びているのですが、町屋の中もこんな具合。特に冷房は入れてはいないのですが涼しい風が吹き、麦茶をいただきながら注文した蕎麦を待ちます。

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ほどなく注文したビールが届きます。泡がクリーミーに立つ専用のグラスとのことで、ビールを注いでみるとまさにそのとおり。ドライバー以外はクリーミーな泡が立つビールをゴクリ(涙) 雰囲気だけ味わおうと慌ててノンアルコールビールを発注して同じグラスに注ぎますが、もちろん泡はクリーミーですが肝心なシズル感はありません(笑)

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のんびりとビールなどを楽しんでいると、注文した蕎麦が運ばれてきました。この4人旅ではいろいろ頼んでみんなでつまむのが習わし。こちらは野菜天ざる。お蕎麦は1枚か2枚か選びますが、我々高齢者団体ゆえ、皆1枚(笑)。ただ、我々のあとに隣の席についた高齢のおじいちゃん、我々の席に運ばれてきたざるを見ながら店員さんの問いかけに「2枚!」と答えてペロリと平らげていました。食欲は年齢に関係ないんですね。

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こちらは残雪(ぶっかけそば)。大きな漆塗りのさらに盛られた蕎麦の上にとろろがかけられていて、それを残雪に見立てた粋なネーミング。この残雪、叔母が絶賛。蕎麦の香りが良く、合わせられたキノコやとろろとのハーモニーが絶妙。

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そしてこちらは冷やし山菜。こちらはよく冷えていて、喉越しも良く美味。皆でまわしていろいろ楽しみました。

こちらの蕎麦屋さん、店員さんも皆ほがらかでのんびりとした時間が流れている感じ。旅の最初の食事でしたが、美味しい蕎麦をゆったりと楽しむことができました。

先ほどまでの撮影は終わり、街道に静けさが戻っていました。腹ごなしにすこし散策してみます。

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お蕎麦屋さんのすぐ隣の上問屋資料館。立て札によるとこの建物は天保11年(1840年)に建てられたものを保存したもので、明治13年には明治天皇が泊まられたとのこと。

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炎天下の街道歩きはこんな感じ(笑)

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それから数軒隣の御宿伊勢屋。こちらも花が飾られて旅人をもてなしています。

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ちょっと奥を覗いてみると、長い廊下が続いて良い風が吹き抜けていきます。町屋づくりの伝統的な構造が理にかなったものだと実感出来るそよ風。

このあと、街道を歩いていると郵便局との看板があり、母親が行ってみたいとのこと。街道の旧本陣脇をすこし奥に入ったところに郵便局がありました。お土産用に記念切手がないかとのこと。

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そして手に入れたのがこちら。ずばり奈良井宿の記念切手シートに信州の山をあしらった8月11日山の日制定記念シート。えっ、山の日? 調べてみると、今年から8月11日が国民の祝日としてお休みになったんですね。切手を手に入れたので母親もご満悦。出歩く機会が少ないので、友人や親戚とは手紙のやりとりをしていますので、こうした切手は動静をつたえる貴重なものですね。

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まだまだ街道は先に伸びていますが、炎天下の散策は高齢者には危険(笑)、ということで郵便局とは街道の反対側の線路まで出てみて、また戻って、駐車場の方向に戻ることにします。母親はもうすこし先まで行ってみたそうでした。

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戻る途中街道がクランクしている鍵の手のちょっと手前にあったお土産屋さん、山の市場に立ち寄ってみます。店先には木曽の酒「七笑」の宣伝、その前には丁寧に手入れされた盆栽、そして横のワイン樽に植えられたぶどうの蔓が屋根に伸びてぶどうの実がなっていますが、樽に刺された札には「マスカット・ベリーA」。いやいや、さすが信州といったところでしょう。このお店、お土産の品揃えも素晴らしいのですが、信州の酒、それも日本酒もワインも完璧な品揃え。奈良井に来る途中に通過した五一ワインのエステート・メルローも置いてあり、思わず手が伸びそうでしたが、この炎天下で先の旅程もあり、高温に長時間さらすのも野暮なのでやむなく断念。

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母親たちがお土産屋さんを物色している間に、鍵の手あたりをうろうろ。こちらは鍵の手の水場。昔は旅人の喉を潤したことでしょう。

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水場の周りには、きれいに手入れされた花が旅人の目を楽しませてくれます。こちらは先ほども川沿いに咲いていた桔梗。

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日陰に咲く大きな百合。いやいや、いいものです。

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のんびり歩きながら駐車場にもどります。先ほど通りすぎた伊勢屋の前で奈良井宿駅方面を振り返りパチリ。奈良井の典型的な風景でしょう。遠くの山並みに屋根の勾配が響きあっているよう。

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驚いたのは、今度はちょっと歩いて南側の写真を撮ったとき。屋根の勾配が山と響きあっているというレベルではありません。まるで山を模したような屋根の勾配。古くからの建物ですが、この景色の美しさを多くの旅人が心に刻んだことでしょう。目で楽しみ、心地よい風を楽しみ、陽射しも楽しみ、旅の疲れを癒したことでしょう。

この山と屋根の呼応を見て思い出したのが、大学院のころ研究していたアルヴァー・アアルトの設計によるフィンランドの北のはずれ、ラップランドのロヴァニエミのラッピア・タロ。モダニズムの騎手ながらフィンランドの自然から多くのアイデアを取り入れたアアルトの建物の中でも、もっとも大胆に自然の造形と取り入れた建物。ちょっと写真を紹介しておきましょう。

Alvar Aalto's Architecture

この宿場町の成り立ちは、誰かが設計をして出来上がったものではありませんが、こうした山並みが屋根の勾配なんかにも影響したのではないかなどと想像しながら、帰り道の散策を楽しみました。



駐車場に戻ると時刻は14:00過ぎ。短い時間でしたが、昔の宿場町をのんびり散策できました。この日の宿は、松本の浅間温泉にとってあります。まっすぐ向かえば1時間ですが、北アルプスの麓まできて、まっすぐ向かうのも野暮なので、中山道を少し南下して、鳥居トンネルを抜けてから、上高地方面に向かってみます。

すぐに県道28号に出て、道路の看板には上高地52kmと表示されます。思っていたほどクネクネ道ではなく、快適な山中ドライブ。小一時間走ったところで、高山と松本を結ぶ国道158号に出ます。もちろん、お目当ては梓湖と奈川渡ダム(笑)

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ダム便覧:奈川渡ダム

このダムは遠く槍ヶ岳を水源とする梓川をせき止めて1969年に完成したアーチ式ダム。総貯水量は小河内ダムより少し小さい12億トンですが、アーチ式ダムとしては、黒部ダム、広島の温井ダムについて3番目の高さとのこと。

ここに停まったのはダム見物もありますが、主目的はトイレ(笑) これだけ山奥だと都合よくコンビニや道の駅もありませんので、こうした施設は貴重です。車を停めたのが国道158号の手前側。なにやらレストランらしき建物がありましたが、もうだいぶ前から営業していない感じ。一定の需要があるからか、駐車場の脇には、国道を渡ったダムの管理事務所のトイレが利用出来る旨書かれた張り紙がありますが、管理事務所に行くには一度地下に降りる、歩道橋ならぬ歩道トンネルを経て国道を渡らねばなりません。足の悪い母親には苦行に近いもの。そこで、トイレの緊急度をたづねてみると、ニンマリして「行く!」との一言。緊急度は高いようです(笑)

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トイレの緊急度とは無関係に奈川渡ダムによってせき止められた梓湖は満々と水をたたえています。利根川水系の方は渇水がつたえられていましたが、こちらは十分な貯水量に見えます。

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湖の奥の方へ目を移すと、満々と水をたたえた湖面に傾きかけた陽の光が反射して、ちょっと荘厳な感じ。こちらは景色を楽しむ余裕がありますが、母親は渾身の力を振り絞って地下道の階段を降りて、国道向こうのダムの管理事務所に向かっています。管理事務所は入り口のドアが修理中で入れず、従業員出入り口へ迂回する案内が。しかもトイレの開放時間は午後16:00までということで、この時15時過ぎ。もちょっと遅かったら万事休すでした(笑)

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皆トイレを済ませてスッキリしたところで、ダムをあらためて見下ろしてみると、やはり日本3位の高さを実感します。松本から高山に抜ける国道158号も、このダムの上を走っているんですね。

さて、一休みしたところで、もう宿に向かうにはいい時刻。国道158号を一路松本市街に向けて走ります。途中、昔上高地観光、槍ヶ岳登山に来た際の起点である新島々駅などを通り過ぎて、程なく松本市街に入ります。夕刻近くなり、市街は車が多く、久々の都会のドライブ(笑)

ほどなく浅間温泉に近づき、カーナビの指示に従って宿に到着しました。

(つづく)

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Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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