ニコラ・アルトシュテット/ハイドン・フィルのオックスフォード、チェロ協奏曲、驚愕(サントリーホール)

6月30日は楽しみにしていたコンサートに行ってきました。

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サントリーホール:ハイドン・フィルハーモニー

その名もハイドン・フィル。耳馴染みがないと思った方は、アダム・フィッシャーが設立したオーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団(Austro-Hungarian Haydn Orchestra)が2015年のシーズンからハイドン・フィルハーモニーと表記するように変わったというと合点が行くでしょう。当ブログの読者の方でもアダム・フィッシャーを知らない方はいないはず。そのハイドン・フィルが来日するということで、もちろんハイドン啓蒙に心血を注ぐ私がチケットをとったのはもちろんのこと。現在の芸術監督は2014年、アダム・フィッシャーの後任として登用されたニコラ・アルトシュテット(Nicholas Altstaedt)。そしてオールハイドンプログラムということで、現在のハイドンフィルの実力はいかほどのものか確認したいとの意図です。

ちなみにブログを書き始める直前の2009年にアダム・フィッシャーと当時のオーストリア・ハンガリー・ハイドン管は来日公演を行っていて、もちろんその公演も聴いています。そのことは次の記事でちょこっと触れています。

2010/01/24 : ハイドン–交響曲 : アダム・フィッシャー全集その後

アダム・フィッシャーのハイドンはBRILLIANT CLASSICSの全集が入手しやすいこともあり、多くの人が聴いていると思いますが、特に録音初期の生気あふれる演奏の魅力が聴きどころとなっていますし、実演でもそのあたりの聴かせ方が上手く、流石にハイドンの名を冠し、本拠地もハイドン自身が活躍したアイゼンンシュタットのエスターハージー城ハイドンザールであるだけのことはあるという演奏。

一方、現在の芸術監督のニコラ・アルトシュテットはもともとチェリストで、こちらもチェロ協奏曲のアルバムを取り上げています。

2014/03/07 : ハイドン–協奏曲 : ニコラ・アルトシュテットのチェロ協奏曲集(ハイドン)

記事に書いたように、この演奏は驚愕の演奏。ハイドンのチェロ協奏曲のカデンツァがまるで現代音楽のような恐ろしいまでのキレ味。これまで聴いたチェロ協奏曲の中でも1番の前衛的な演奏。それもそのはずで、クレーメルに師事し、2012年からはクレーメルが主催してきたロッケンハウス音楽祭の音楽監督を引き継ぐ存在。

ということで、オーソドックスにハイドンの魅力を伝えてきたオケをキレキレの若手がどうコントロールするのかというのが聴きどころということですね。この日のプログラムは下記の通り。

交響曲第92番「オックスフォード」
チェロ協奏曲第1番(チェロ:ニコラ・アルトシュテット)
交響曲第94番「驚愕」



この日の開演時間は14:00ということで、ちょっと早めにアークヒルズに着き、中のお蕎麦やさんで昼食をとってから、おもむろに開場時間に入場します。するとこの日はホワイエでエスターハージー財団によるハイドン展なる展示がされているではありませんか。よく見るとチラシにもその旨書いてあるんですが、よく見てませんでした(笑) この日は2階のほぼ正面の席。いつものようにエスカレーターで2階に上がるとすでに展示された品々を皆さんじっくりと眺めていらっしゃいます。

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チラチラ見ながら廻って見ると見慣れた顔が。ハイドンの音楽を愛し手厚く処遇したニコラウスI世エスターハージー侯爵の肖像画の現物があるではありませんか。

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こちらはハイドンが1765年1月31日に四半期ごとのボーナス50グルテンを受け取った領収書。直筆のサインを目の前にすると、ちょっと感慨深いものがありますね。

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色々見廻ってはいても、脳を覚醒させることも必須です。いつものように、ビールとワインで景気付けして開演を待ちました。



この日はステージ裏や真横の2階席にはお客さんは入れず、また席の埋まり具合も半分くらいだったでしょうか。やはりハイドンだけでは集客が難しいのが現実かとは思いますが、この日のコンサートを聴かなかった人は素晴らしい機会を逸したことになりましたね。

ステージ上を眺めると、通常のオーケストラのコンサートならあるはずの椅子がなく、小規模オケ用に配置された譜面台などがパラパラと置かれ、その譜面台も立っての演奏用。チェロなどごく一部の楽器以外は立っての演奏のようです。定刻となり、団員が黒づくめの衣装に身をまとって入場、そしてチューニングは済ませてきたようで、間をおかずアルトシュテットも登壇。

アルトシュテットも黒づくめですが、カンフー選手のようにダボダボで動きやすそうな衣装。客席に向かってにこやかに一礼すると、すぐに振り返ってタクトは持たずにオックスフォードに入ります。よく見ると管楽器は古楽器、ティンパニはバロックティンパニ。演奏はファイを思わせるというか、ファイよりも攻めてくるように速めのテンポでキレ味と凝縮感を伴うもの。アダム・フィッシャー時代の演奏とは同じオケとは思えないほどの変化。アンサンブルも極度に洗練されていて、一糸乱れぬ快演。ファイが即興性も併せ持っていたのに対し、アルトシュテットは確信犯的にオケを煽り素晴らしい高揚感を作っていきます。アルトシュテットは指揮台の隅から隅まで動き回ってかなり大きなジェスチャーでオケに指示を出し、オケもそれに鋭敏に反応。チェリストとしての腕がキレていたのは承知していましたが、オーケストラコントロールにも天賦の才を持っていたんですね。とにかくインテンポで煽る推進力が凄い。出だしの1楽章で挨拶がわりの豪速球。穏やかなアダージョも緊張感が張り詰める研ぎ澄まされた演奏。中間部の激しい慟哭の荒々しさをアクセントにさらに引き締まります。メヌエットも速めのテンポで舞曲的な表情よりは抑えた表現で終楽章につなぎ、最後は超快速テンポで期待通りのキレ味で見事にフィナーレを結びます。これが現代最高のハイドンだと言わんばかりの見事な演奏に会場も拍手喝采。

何度かのカーテンコールの後、今度はアルトシュテットがチェロを抱えて登壇。指揮台に椅子が置かれて、2曲目のチェロ協奏曲1番が始まります。弾き振りということはわかっていましたが、座って合図を出す程度だと思いきや、アルトシュテット、立ってチェロを抱えながらダイナミックに指揮をしながら序奏に入ります。指揮台いっぱいに動き回る姿はチェロを持っていない時と同じでびっくり。そしてチェロの独奏が始まる寸前にさっと座ると何事もなかったようにさらりと演奏に入ります。チェロは以前取り上げた録音と同様、目眩くような鮮やかさ。こちらも攻めに攻めたスタイルでソロとオケが高速でパンチを打ち合うようなスリリングな演奏。もちろんカデンツァはリゲティかリームかというようなクールなもので、古典のハイドンを現代の視点で再構築したような演奏。これが違和感があるどころかアルトシュテットのセンスの良さで見事にしっくりきます。アダージョも磨き抜かれ、フィナーレはまたまた超速めのテンポで鮮やかに締めくくります。こちらも見事な演奏に拍手喝采。通常だとここでソロのアンコールが入るところですが、弾き振りということでそれはなく休憩に入ります。

休憩後は驚愕。こちらも見事でした。1楽章は期待通り新鮮なアクセントと精緻なアンサンブルでハイドンの構成美溢れる名曲を現代のトレンドで最高の演奏に仕立てる名演。アンダンテは変化球も予想しましたが、砂を巻き上げるような豪速球で正統派のビックリ。驚愕のアクセントも演奏によってはここまで際立つのかと今更ながら本当に驚きました。ところが驚きはその後も次々と意表をつくアクセントの波状攻撃で痺れます。そしてメヌエットもこれまでの演奏の垢を感じさせない新鮮味を感じさせ、やはり最後は快速フィナーレで締めくくりました。驚愕という演奏し尽くされたかと思われる曲をこれほどまでに新鮮に響かせる手腕は見事。ハイドンにもっともゆかりのあるあるハイドンフィルが、現代最高のハイドンを聴かせるという千載一遇の機会に立ち会えたと思える演奏でした。

半分ほどの入りだった会場でしたがもちろんブラヴォーが飛び交い、何度かのカーテンコールの後、どうやらアンコールがあるよう。アルトシュテットが奏者の方に振り返って合図を出すと、88番のフィナーレが始まります。これが凄かった。豪速球も豪速球、砂煙を巻き上げながら地を這うように突き進む見事な演奏。88番の剛演はライナーをはじめとして色々ありますが、これほどの迫力は初めて。最後はクナッパーツブッシュの天才的なギアチェンジが頭をよぎりますが、豪速球のまま竜巻のように聴衆を巻き込んでのフィニッシュ。いやいや素晴らしかった! もちろんアンコールにも嵐のような拍手が降り注ぎ素晴らしいコンサートの幕は閉じられました。

いやいや、アルトシュテット、素晴らしい才能の持ち主ですね。ハイドンフィルもアルトシュテットの指示に見事に応える快演。アルトシュテットとハイドンフィルによるハイドンの録音はまだないようですが、アントニーニやファイの取り組みを超える演奏が期待できると言っていいでしょう。またの来日や、録音を期待したいところですね。先日のロト/レ・シエクルの春の祭典も衝撃的でしたが、それを上回る驚きを感じたコンサートでした。

ハイドン好きの皆さん、要注目です!



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ホーネック/紀尾井ホール室内管の受難など(紀尾井ホール)

コンサート記事が続きます。

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紀尾井ホール室内管弦楽団 第112回定期演奏会

ライナー・ホーネック(Reiner Honeck)指揮の紀尾井ホール室内管弦楽団による、紀尾井ホールでのコンサート。ホーネックもこのオケも紀尾井ホールも初めて。プログラムにハイドンが入っていたので、お手並み拝見と言うことでチケットをとってあったもの。プログラムは下記の通り。

ハイドン:交響曲第49番「受難」
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番
ピアノ:アレクセイ・ヴォロディン(Alexei Volodin)、トランペット:古田俊博(Toshihiro Furuta)
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」

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紀尾井ホールは四谷から中央線と上智大学の間を歩いてニューオータニに突き当たるちょっと前にあります。運営は新日鉄住金文化財団ということで、トッパンホール同様企業の文化施設のようですね。いつものように開場時間にはホールについて、一杯やって聴覚神経にスイッチを入れます。
サントリーホールで赤ワインを頼むとよく冷えて(笑)でてきますが、こちらは赤ワインと頼んだら冷えたものと常温のどちらが好みか尋ねてくれる親切さ。もちろん常温でとお願いして、適温のワインを楽しむことができました。飲み終わったグラスを気配を察して取りにきてくれるなど、ほかのホールでも見習って欲しいですね。

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この日の席はステージ上手の2階席で、ちょうどステージを見下ろす好みの席。紀尾井ホールは客席数が800と言うことで、小規模オケにはぴったりのサイズ。内装も綺麗でなかなかいい感じですが、2階席の手すりがちょうど視線を遮るところにあって、ちょっと鬱陶しいのが惜しいところ。

先日のレ・シエクルが開演前からステージ上で盛大に練習してたのとは対照的に、オケは定刻に皆そろって登壇。入場時に拍手が起こるもの一部のオケでは定番なのでしょう。

さて、ホーネックが登壇して、期待のハイドン。ホーネックは短めの指揮棒を持っての指揮。1楽章のアダージョはちょっとリズムが重い感じで入ります。1曲目なので、まだオケがちょっと硬い感じ。演奏は現代楽器によるオーソドックスなもので、安心して聴いていられるものですが、ハイドンのこの時期の曲に特有な仄暗い感じはあまりせず、オケの鮮明な響きでくっきりとした表情。先日聴いたマルクス・シュテンツが振った哲学者の演奏では、パート間のやり取りにスポットライトを当ててハイドンの曲の面白さを際立たせていたのと比べると、ちょっと工夫がない感じ。テンポが上がる2楽章のアレグロでもキレ味を感じさせるほどではなく、終楽章になってようやくオケが目覚めた感じ。ハイドン目当てでとったチケットでしたが、ハイドンは前座な感じでした。

驚いたのが続くショスタコーヴィチのピアノ協奏曲1番。奏者であるアレクセイ・ヴォロディンにも馴染みはありませんが、曲はアルゲリッチのハイドンのピアノ協奏曲のCDに含まれていて、聴いたことはなくはないと言うレベル。いつものように虚心坦懐に聴きましたが、ピアノのアレクセイ・ヴォロディンはロシア出身だけあって、力強いタッチでこの曲は得意としているよう。オケの方は先ほどのハイドンの時とは冴え方が段違いでキレキレ。もちろん曲の違いもありますが、このオケが名手揃いであることがわかりました。ホーネックはなんとなく古典が得意なのではと言う先入観がありましたが、さにあらず。このショスタコーヴィチは見事でした。ちなみにこの曲はピアノに加えてトランペットもピアノの横に座ってソロ扱いになる珍しい曲。

休憩時間にプログラムのオケのメンバー表をしげしげと眺めると、国内著名オケの首席奏者クラスがずらり。どおりで上手いわけです。

休憩後の田園は、実にオーソドックスな演奏。ハイドンの時よりもしっくりとくるフレージングで、ホーネックも得意としているように見受けました。聴きなれた田園の聴きなれた演奏に安堵感に包まれる感じ。この観客もこの田園はゆったりと楽しんで聴いていたように思います。4楽章の雷雨、嵐の荒れ狂う表情から5楽章の牧歌の幸福感に満ちたメロディーに至る展開も流石の盛り上げ方。実に完成度の高い演奏で終えるかと思いきや、ホーネック、肝心の最後でタクトを落とすハプニング。高雅に締まるはずが、最後は微笑ましい終わり方でした。もちろん観客も一瞬のハプニングに驚いたものの、それまでの素晴らしい演奏を称えて盛大な拍手で迎えました。

ウィーンフィルのコンサートマスターだったライナー・ホーネックの振る紀尾井ホール室内管ですが、ハイドンやベートーヴェンが良かろうとの期待でチケットをとりましたが、意外にも最も良かったのはショスタコーヴィチ。ベートーヴェンは流石に見事でしたが、ハイドンにはひらめきが少し足りませんでした。オケの方は名手揃いで素晴らしい実力。これはもう一度聴かねばなりませんね。



コンサート終了後、外に出てみると霧雨が降っていましたので、向かいのニューオータニの馴染みのとんかつ屋さんに寄ろうかと思って行ってみると、すでに暖簾が降りていたので、仕方なく赤坂見附方面に歩いて、こちらも馴染みのオーバカナルの紀尾井町店に寄ってみることに。

AUX BACCHANALES

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オススメのオランダグロールシュビールなどで乾杯。

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ニース風サラダを頼んだら、巨大なサラダが出てきてびっくり(笑) どこがニース風かと調べてみると生野菜にオリーブを使ったサラダがニース風とのことで、名に偽りなし(笑)

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オムレツも巨大でした(笑)

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ハウスワインをお代わりして、、、

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最後はカツオのグリエ。皆ポーションが大きいのでこれでお腹いっぱいでした。昔は頼んでから料理が出てくるまで時間がかかった記憶があるのですが、今回はサクサク出てきてお酒もワインも楽しめました。





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ロト/レ・シエクルの「春の祭典」など(東京オペラシティ)

レビューもそこそこに、コンサートには出かけています。

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フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮レ・シエクル《春の祭典》 | 東京オペラシティ

いつも通り、コンサートに出かけた際にもらったチラシでチケットを取りましたが、ロトは以前、読響を振ったコンサートに出かけていて、しかもハイドンの「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」の管弦楽版の濃密な素晴らしい演奏を堪能していて、その実力は体験済み。そのロトが手兵、レ・シエクルを率いて来日し、春の祭典を振ると言うことで興味を持ったもの。

2015/07/02 : コンサートレポート : ロト/読響の十字架上のキリストの最後の7つの言葉(サントリーホール)

チケットを取ってから調べてみると、レ・シエクルとは春の祭典を録音していて、2014年のレコードアカデミー大賞を受賞しているとのこと。レコ芸は読んでいるのですが、海外の動向とか海外盤のレビューくらいしか目を通さないので、このアルバムの記憶はありませんでした。ちなみにコンサート前に予習すると、その印象と比べて聴くようになるのでいつも一切予習はしません。と言うことで、いつも通り、虚心坦懐にコンサートに臨みました。

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この日の会場である東京オペラシティは職場からすぐ近くなので、トコトコ歩いて会場入り。

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いつも通り嫁さんと待ち合わせして、聴覚神経を鋭敏にするのに必要十分なアルコールで喉を潤します(笑)

この日のプログラムは下記の通り。

ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ドビュッシー:バレエ音楽「遊戯」
ラヴェル:ラ・ヴァルス
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」

もちろん目玉は春の祭典ですが、前半のドビュッシー、ラヴェルも魅力的なプログラム。席はステージ右手真横の2階席で、オケを上から見下ろす席。2階のビュッフェで一杯やって席に着くと、すでに約半数の奏者がステージ上で和やかに音出ししています。そのまま人数が増え、特に入場という感じなくオケが勢ぞろい。そして定刻になって場内の照明が落ちると、木管から順にチューニング。通常は管と弦に分けるぐらいはよくありますが、パートごとに念入りにチューニングするのがこのオケの作法なのでしょう。

ほどなくしてスーツ姿のロトが颯爽と登壇。指揮棒を持たず、振り上げた腕ですっと合図をすると、なんとも言えない浮遊感のあるフルートが1曲目の牧神の午後のメロディーを奏で始めます。予想通り、牧神の午後は濃密な芳香を放つロト独特の丁寧なフレージングで、まさに漂うようなしなやかな音楽が流れます。 流麗というより各楽器の音色の色彩感を活かして響き合うようなオーケストレーション。この曲は好きで色々な演奏を聴きましたが、これまでのどの演奏とも異なる響き。すでに観客はロトの繰り出す新鮮な響きに酔っているよう。大きめのアクションで各パートにかなり細かく指示を出すのがロト流なのでしょう、そのアクションに鋭敏に反応するオケの鮮やかさも相俟って至福の境地へ。冒頭からロトの魔術にかかりました。
続く遊戯は、予備校時代に代々木のジュピターレコードで買ったハイティンクのLPが馴染みの曲。落ち着いたテンポでオケをしっかりと鳴らすハイティンクの演奏とはまるで別の曲。ロトはテンポをかなり自在に動かし、それぞれ特徴的な木管、金管の古楽器の音色の絶妙な色合いと喧騒感を見事にまとめ上げ、まさに音楽と戯れるよう。ロトは指揮台の上で踊り出さんばかりに大きなアクションでオケを巧みに制御。耳をつんざくような鮮烈な金管の音色ともなうオケの爆発と静寂を繰り返しながらの見事な演奏。オケもだいぶあったまってきてパワー炸裂の演奏でした。
すごかったのが前半最後のラ・ヴァルス。基本的な演奏スタンスは遊戯の延長なんですが、パワーはさらに増して、オケが火の玉のように赤熱。途中、これがラヴェルの曲かと思うような超高速テンポになり、ロトは3倍速で阿波踊りを踊っているような指揮ぶり。オケの方もそれに合わせて、波動砲をマシンガンのように打ちまくるような大爆発。大規模オケのコンサートでは風圧を感じるほどの大音量は珍しくありませんが、この超高速回転する火の玉の塊のようなエネルギーは初めて。会場のお客さん全員がロトのオーラとオケのエネルギーに吹き飛ばされんばかり。いやいや凄いとは聞いていましたが、このラ・ヴァルスには参りました。ロトも力を出し切ったのか100mレース後のウサイン・ボルトさながらの表情。もちろんお客さんは嵐のような拍手でロトとオケをたたえてました。

前半ですでにノックアウト気味で迎える本命のハルサイ。休憩後も入念なチューニングを経て、ロトが登場。今回の版はストラヴィンスキーの自筆初稿から筆者されモントゥーによる初演時の楽譜(遺失)を復元し初演当時の楽器による演奏。プログラムにはこの日の演奏で使用する管楽器、打楽器のリストまで掲載されていましたが、ステージ上の楽器配置がパーカッションは上手側だったため、上手2階席からは残念ながらパーカッション陣の動きは見えませんでした。冒頭のバソン(バスーン)から現代楽器とは異なる響き。あのバソンの演奏はなかなか難しそうですが、精妙に響きを揃えるという方向ではなく、おどろおどろしい原初の響きを作ろうとしているよう。不規則なリズムが乱舞し始めると、オケは休憩前のラ・ヴァルスの時のエネルギーが戻ってきました。なんとなくラ・ヴァルスの高揚の余韻が残っていて、いつあの炸裂がくるかと待ち構えて聴いていましたが、もちろん、春の祭典の独特のリズムは保ち、いきなり高速テンポにはなりません。ただ、徐々に音量を上げ、オケが炸裂するところに来るとテンポを徐々に上げ、不気味な迫力を帯びてきます。下手をすると腰砕けになりそうな気もしますが、そんなことを気にせずグイグイテンポを上げて独特のクライマックスを作り、その高揚感が軸になって音楽が素晴らしい推進力を帯びて来る感じ。もちろん古楽器の鋭利な音色は迫力に大きく貢献していて、つんざくような高音と鋭いパーカッション陣の刻む目も眩むようなリズムの連続でアクロバット要員にしか対応できないような踊りのリズムを刻んで行きます。静寂が続く「賢者」ではじっくりと情景を描き、第1部の終わりの「大地の踊り」はもちろんど迫力。第2部に入ってしばらくのグランカッサ11連発はやはり速めのテンポで度肝を抜き、最後まで絶妙なるセンスでまとめる見事な演奏でした。この春の祭典もこれまで聴いたどの演奏とも異なる素晴らしい演奏でした。

たった1回きりの日本公演ということで、もちろん満席で、その満席の客席からブラヴォーの嵐が降りそそぎました。何度かのカーテンコールのあと、メモを取り出し超フランス語訛りながら日本語で観客に挨拶して、さらに拍手喝采。そしてアンコールではビゼーのアルルの女の第1組曲からアダージェットを演奏。弦楽パートのみの演奏でしたが、3年前の読響の「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」の演奏を思い起こさせるデリカシーに富んでいながら陰影の深い素晴らしい演奏。爆風のような演奏の後にこの美しい弦を聴かせるセンスにまたまたノックアウト。いやいや、素晴らしいコンサートでした。

ロトの録音を調べてみるとほとんどがライヴ。このライヴの高揚感、ライヴだけで伝えられるものがあるというのがロトの心情だと悟った次第。商業的には何回ものコンサートを開催できる人でしょうが、このコンサートの尋常ならざる集中力を保つのはロトばかりではなくオケの団員にとってもなかなかしんどいでしょう。貴重なコンサートに立ち会えた満足感に満たされた1日でした。



さて、初台でのコンサートの帰りの定番は参宮橋のいつものお店です。コンサート後でもラストオーダー前に色々たのんで、のんびり食事ができるのでお気に入り。

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いつも珍しいワインが置いてあります。この日はロゼなどをセレクト。

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白身魚(なんだったかしら?)のマリネ。大量のパクチーで具が見えません(笑)

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夏野菜のサラダ。

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ワインを追加。珍しく小布施ワイナリーの赤があったので注文。白はシュナンブラン。

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たっぷりカラスミが乗ったカラスミのパスタ。バター風味。

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グアンチャーレ(豚の頬肉の塩漬け)のパスタ。こちらもバター風味。終演後、極上のコンサートの余韻を楽しみながらワインと美味しい料理をいただいてお腹いっぱい。いい1日でした。

(参考アルバム)




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ザ・キングズ・シンガーズ(ミューザ川崎)

6月1日はチケットを取ってあったコンサートに行ってきました。

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MUZAスペシャル・ナイトコンサート90 ザ・キングズ・シンガーズ ~英国が誇る、究極のア・カペラⅡ~

最近はコンサートに出かけた際にもらうチラシを見て、気になるコンサートのチケットを取ります。このコンサートもそうしてチケットを取った次第。コーラスはタリス・スコラーズのコンサートに2度ほど出かけていますが、このザ・キングズ・シンガーズは初めて。昔から多くのアルバムをリリースしているのでおなじみの方も多いでしょう。かくいう私もなんとなく懐かしい感じがして、このコンサートのチケットを取った次第。キングズ・シンガーズは1968年に設立されたということで、なんと今年が創立50周年に当たるとのこと。



平日の夜のコンサートは初台のオペラシティや赤坂のサントリーホールにはしょっちゅう出かけているのですが、ミューザは初めて。勤務先の新宿からちょっと遠いと思いきや、意外にアクセスも悪くなく、射程圏内であることがわかりました。この日は比較的早く会社を出ることができましたので、開場時間の少し前にミューザにつくことができました。

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いつもは先に来て待っている嫁さんよりも先に到着(笑)

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もちろん、朝から目一杯働いていますので、ホールに入るなり一杯いただいて、喉を潤します。

この日の席は3階席でしたが、ミューザの渦巻き客席の3階は視覚も音響も悪くありません。この日はステージ後ろの席や3階の両翼の席などは使わないで、ホールの客席の2/3くらいを使った座席配置でしたが、使う席は満席。約2000席でフルオーケストラ用のコンサートホールでの声楽アカペラコンサートでこの入りは見事です。流石の集客力です。

定刻になると場内の照明が全て落とされ、真っ暗になります。下手から全員iPadを抱えて登場。譜面台においたiPadで楽譜を表示しているのでしょうが、そのほのかな光でうっすらと姿が確認できる状態。先ほどまでの開演前のざわついた客席があっという間に漆黒の教会堂のような静謐な雰囲気に変わり、全神経が静寂に集中します。1曲目のヘンリー・レイの「イングランド王ヘンリー6世の祈り」が始まると暗闇に響く限りなく清透なハーモニーにいきなり惹きつけられます。冒頭の見事な演出。長年にわたる経験からの演出でしょうが、あまりに見事な入りにやられました。

この日のプログラムは下記の通り。数曲ごとにテーマが設けられていました。2曲目が終わるとメンバーが日本語で、iPadを見ながらですが曲を選んだ背景とテーマを説明してくれるので、非常にわかりやすい。しかも代わる代わる、おそらく全員が日本語で説明するという念の入れよう。我々が英語を話す以上に彼らにとって日本語を話すことのハードルは高いはず。この素晴らしい努力あっての今日の名声なのだと感服した次第。この日のプログラムは下記の通り。

(ファミリー)
  ヘンリー・レイ「イングランド王ヘンリー6世の祈り」
  ボブ・チルコット「We are」
(ルネサンス音楽の喜び)
  ホァン・バスケス「私の優しい女性」
  ルードヴィヒ・ゼンフル「シュパイアーの瞳」
(瞑想)
  サン=サーンス「ケルモールの水夫」
(ロマン派の美)
  シューベルト「夜」
  ブラームス「ヴィネータ」
(哲学者)
  武満徹「手づくりの諺」
(ビートルズ・ヒットナンバー)
  「オヴラディ・オブラダ」
  「アンド・アイ・ラブ・ハー」
  「ハニー・パイ」
(幻影)
  ニコ・ミューリー「スタンド・イン・ハウス」

休憩

(幻影)
  ジョン・ラター「怖がらなくていいよ」
(語り手)
  「ふるさと」
  「竹田の子守唄」
  「大きな古時計」
(パーティー・バック)
  1曲目が思い出せません(苦笑)
  「スカボローフェア」
  「ダニー・ボーイ」
  ロッシーニ「ウィリアムテル」序曲
(アンコール)
  ビリー・ジョエル「And So It Goes」

プログラムは、ルネサンスから、現代物、ビートルズなどに至るまで幅広く、ルネサンスのポリフォニーの美しい響きから、エンターティメント性の高い物まで、どれも男声合唱の美しい響きを堪能できるアレンジが施されていて、声の美しさもさることながら見事なアレンジが大きなポイントだと知った次第。冒頭にクラシック本来のポリフォニーの美しさを聴かせて実力を見せつけたと思うと、シューベルトにブラームスでしっとりとした音楽の魅力、また、武満徹による非常にデリケートなハーモニーの変化と次々と聴かせどころを変え、今度は得意とするビートルズナンバーでエンターティナーとしての聴かせどころを持ってきます。これコンサートでは定番なのでしょう。メンバーは異なりますが、この日のコンサートでも会場をわかせた「オブラディ・オブラダ」の映像がありますので、ご覧ください。



まるで、楽器のように声の様々な表情を取り合わせてこれほどはずむ音楽を奏でるとは。メロディーの親しみやすさもあって、会場のお客さんにも微笑みがこぼれていました。休憩前の最後の曲はキングズ・シンガーズの今回の50周年記念ツアーのためにアメリカの作曲家、ニコ・ミューリーが作曲した曲。現代社会の問題をテーマにした「楽観主義と絶望」というスピーチを基にしたメッセージ性の強い曲。空間に消え入るようなハーモニーが繰り返され美しい曲ですが、歌詞がちゃんと聴き取れると全く違った印象になるのかもしれませんね。プログラムに歌詞が掲載されていなかったのが残念です。

休憩後の最初の曲も今回のツアーのために作曲された曲。そして、ふるさと、竹田の子守唄、大きな古時計と日本の曲、馴染みのある曲が続き予定されていたプログラムが終了。終盤は事前に知らされない曲をパーティ・バッグというテーマでまとめられていましたが、調べてみると、イギリスでは子どもの誕生会を開く時招いた方が招かれた子どもに持たせるお土産のことをパーティ・バッグというそうで、通常小さな袋にお菓子・文房具・小さいオモチャなどを詰め合わせるとのこと。キングズ・シンガーズのコンサートでは定番なのでしょうが、終盤はその日のコンサートに合わせて選ばれた曲を演奏するのでしょう。

やはりイギリスというかスコットランド、アイルランドの曲で、定番なのでしょう。彼らの声の美しさとアレンジの面白さが圧倒的。パーティ・バッグの最後は、なんとロッシーニのウィリアム・テル序曲。こちらも映像がありましたので、ご覧ください。



彼らのテクニックとエンターティメントとしての完成度の高さを象徴する素晴らしい曲。映像ではスタンディングオベーションですが、マナーの良い日本のお客さんは万雷の拍手と指笛で称えます。そして最後のアンコールはビリー・ジョエルの曲。最後に聴かせたハーモニーのしっとりとした美しさでは絶品でした。

初めて聴いた名門、ザ・キングズ。シンガーズのコンサートですが、絶妙に美しいハーモニーと、抜群いキレているアレンジ、完璧なプログラミングセンス、全て日本語の説明や万人に楽しめるエンターティメント性など、やはり50年間人気を保ち続ける理由がわかった気がしました。そして、広いミューザ川崎ですが、残響の美しさで彼らの歌唱を完璧な環境で楽しめました。素直に心に残る素晴らしいコンサートでした。定期的に来日しているようですので、機会があれば、また行ってみたいと思います。

今回のコンサートで歌われた曲を含む50周年記念アルバムがリリースされていますので、末尾に貼っておきました!



素晴らしいコンサートの余韻に酔いながら、ミューザ川崎の中にあるお店で一杯飲んで帰ろうということでウロウロしますが、どこも並んでいるため断念。駅までの間に懐かしい「つばめグリル」を見かけ、幸い席も空いていたので久しぶりに入ってみました。何十年か前は何回か二子玉川店に行って以来かもしれません。

つばめグリルといえばハンブルグステーキですが、あまりハンバーグという気分ではなかったため、ビールにつまみをちょこちょこチョイス。

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ビールはサッポロが入ってましたので、黒とハーフ&ハーフ。

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ニシンの酢漬けとトマトのサラダ。

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豚の盛り合わせ。

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ホタテのクリームコロッケ。

料理が出てくるのは早くていいですが、味と設えはちょっとチェーン店ぽい感じが強くなっちゃってますので、ファミレスとの差別化が難しいかもしれませんね。



(参考アルバム:キングズ・シンガーズ結成50周年記念アルバム)




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tag : ミューザ川崎

クァルテット・アルモニコの「日の出」(トッパンホール)

心待ちにしていたコンサートに行ってきました。

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クァルテット・アルモニコ:コンサート

クァルテット・アルモニコ(Quartet Armonico)による8年ぶりのトッパンホールでの自主公演。プログラムは下記の通り。

ハイドン:弦楽四重奏曲Op.76のNo.4 
ウェーベルン:弦楽四重奏のための6つのバガテル Op.9
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲「ラズモフスキー第3番」 Op.59-3

クァルテット・アルモニコとの出会いは偶然でした。

2013/08/04 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : クァルテット・アルモニコの「冗談」(ハイドン・トータル)

ハイドン好きの皆さんならばご存知の「ハイドン・トータル」という東京藝術大学音楽学部室内楽科とウィーン音楽演劇大学ヨゼフ・ハイドン室内楽研究所の共同プロジェクトとしてリリースされたハイドンの弦楽四重奏曲全集。奏者は両大学の学生と卒業生によるもので、一部ミネッティ四重奏団などの名声を確立したクァルテットもある中、この全集のために結成されたクァルテットが中心の奏者陣にあって、ちょっと一段レベルの違う演奏を聴かせていたのがクァルテット・アルモニコ。こうした全集を手に入れた際には一応通しでサラッと聴いてみるのですが、「冗談」の入っているCDをかけた時に、第1ヴァイオリンの放つ美音と圧倒的なエネルギーに惹きつけられ、このクァルテットを知った次第。

2013/09/06 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : クァルテット・アルモニコ東京のOp.20のNo.2(ハイドン)

そして、関心を持った後にまたしても偶然出会ったアルバム。クァルテット・アルモニコがウィーンに留学中の2001年に録音したもので、この頃から素晴らしい演奏をしていたと知り、さらに驚いた次第。

ハイドントータルの記事の末尾にも書いた通り、いつかは実演を聴きたいと思っていたところ、当ブログの読者の方からこのコンサートの情報を教えていただき(ありがとうございました!)、チケットをとってあった次第。



この日のコンサート会場であるトッパンホールには初見参です。

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土曜の16時開演ということで、少し早めに着くと、ホール横の2階にある小石川テラスというカフェで開場を待つことにしました。

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ここは凸版印刷の本社ビル内にあって印刷博物館と、クラシック専用のコンサートホールの2つの文化施設に併設したレストランで、日本の食文化を美味しく楽しむレストランとのこと。広々としていて、椅子席がたくさんあり、名前どうりテラス席もありました。

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そこで、いつものように嫁さんとワインをちびりながらのんびり。ホール内のカフェは椅子がないのが一般的ですので、座って待てるのはいいですね。



さて、開場時間となって、ロビーに戻ってみると、すでにかなりの人が列を作って待っていました。この日の席は自由席。

トッパンホール

行かれたことがある方はご存知でしょうが、ホールは木をふんだんに使ったなかなかいい感じの内装で、席数は約400席ということで室内楽のコンサートには最適ですね。今日は右手通路脇の前から5列目くらいの席に座りました。あまり近いと直接音ばかりが耳に届きますので。

パンフレットに目を通すと、チェロがハイドン・トータルの録音の時とは変わっていました。

第1ヴァイオリン:菅谷 早葉(Sayo Sugaya)
第2ヴァイオリン:生田 絵美(Emi Ikuta)
ヴィオラ:坂本 奈津子(Natsuko Sakamoto)
チェロ:松本 卓以(Matsumoto Takui)

定刻となり、しばらくで会場の照明が落ちて会場内が落ち着くと、4人のメンバーが登場。チューニングの響きでこのホールの響きの良さを実感。ホールの規模もあって音響は素晴らしく、4人の奏でる楽器の響きが鮮明かつ適度な残響を伴って溶け合って聴こえます。

お目当ての1曲目、日の出が始まります。穏やかな序奏のメロディーから第1ヴァイオリンの菅谷さんの美音が轟きます。ハイドン・トータルの演奏そのままの素晴らしい響き。コンサートの出だしの曲ですので、最初は全般に演奏に硬い感じが残りますが、徐々に4人のボウイングが滑らかになってきます。第1ヴァイオリンのみならず、4人の強奏部分をキリリと強調する見事な呼吸と精妙なピアニッシモの対比、流れを流麗にまとめるフレージングの変化とまさに完璧なアンサンブルに早くもうっとり。テンポをググッと上げてくるところを引っ張る菅谷さんに3人がピタリと合わせてくる呼吸はこのクァルテットの真骨頂でしょう。
アダージョに入ると、静寂なホールに響く弱音の精妙さが録音では聴けない音楽の深さを感じさせます。こうした緩徐楽章でも菅谷さんのボウイングは大胆でメロディーをくっきりと浮かび上がらせ、このクァルテットの個性をしっかりと印象付けます。
メヌエットでもしっかりと隈取りがされたメロディーが踊り、イキイキと弾んできます。雰囲気が一変するトリオの最初の長音のハーモニーの美しさはライヴならでは。このハイドンの戯れのようなトリオの語り口を断ち切るように再びメヌエットに戻るところの鮮やかさも見事。
そしてハイドンの想像力の限りを尽くした傑作のフィナーレでは、テンポをかなり自由にコントロールして、その想像力を再創造していくような闊達な演奏。一定のリズムでの演奏がその想像力を活かしきれない感を残してしまうパターンも多い中、このフィナーレは見事でした。最後にぐっとテンポを上げていくあたりは、このクァルテットのテクニックの聴かせどころとばかりにテンポをグイグイ上げて素晴らしいフィニッシュでした。もちろん、お客さんは拍手喝采。いやいや、素晴らしかった!

2度ほど拍手に応えて登壇すると、続くウェーベルンに入ります。これが凄かった! 非常に短い曲を6曲まとめた曲ですが、ウェーベルンらしい、極端に少ない音で恐ろしく多様な響きの余韻を作り出す緊張感満点の作品。演奏が始まると鋭利な日本刀のような切れ味で無調の響きが散乱。楔を打つようなアクセントと静寂が交錯しながら、落ち着いて6曲を次々と演奏していきます。この迫力は録音では伝わりませんね。ピチカートや弦楽器とは思えない鋭い音が散りばめられながら、完全に前衛の空気に包まれ、会場のお客さんも迫力に仰け反りながら聴いている感じ。私も含めて6曲目の終わりを奏者が立ち上がった時点で知り拍手を送った次第。ハイドンとは別次元の素晴らしい演奏に驚きます。

休憩を挟んで、最後はベートーヴェンのラズモフスキー3番。実はベートーヴェンの弦楽四重奏曲はあまり好きな方ではありません。弦楽四重奏曲というジャンルを確立し、自ら構築した構成を次々と変革しながら、美しいメロディーとウィットを織り交ぜて音楽を作っていったハイドンに対して、時代が下って、音楽を演奏する目的も変わり、常に強い表現意欲をもとに自己表現として音楽を創作していったベートーヴェンの曲は、結果として重苦しく、張り詰めた印象が強く、特別な事情がなければあまり聴きません。本当はハイドンばかり聴いているので聴く暇がないというのも正直なところ(笑)。この日のラズモフスキー3番は、ハイドンと同じ楽器構成でこれほどまでに大きな音楽が作れるという、歴史の流れを極上の演奏で味わったという感じ。演奏は前半の演奏で奏者もだいぶほぐれて、後半はさらに集中力が上がって、素晴らしく充実した演奏でした。やはり菅谷さんの第1ヴァイオリンがリードしますが、他の3人もしなやかに追随し、アンサンブルの精度も抜群。暗澹たる響きと意志を持ってグイグイと煽る部分をしっかり描き分け、しかも呼吸もピタリ。この日のメインプログラムにふさわしい素晴らしい出来でした。

もちろん客席は拍手喝采。何度かのカーテンコールののち、新たな楽譜を持って登壇すると、アンコールはハイドンのラルゴの緩徐楽章。やはりハイドンはこのクァルテットにとって重要な存在なんですね。もちろん、菅谷さんのメロディーの美しさも、アンサンブルの息のあったフレージングで癒しに満ちた美しい演奏は見事の一言。極上のラルゴを堪能しました。



いやいや素晴らしいコンサートでした。これだけ素晴らしいクァルテットが聴けるコンサートは滅多にありませんね。海外の名のあるクァルテットと比べても引けを取るどころか、音楽的には張り合えるだけの素晴らしいものを持ったクァルテットだと思います。新メンバーで定期演奏会を再開し始めたのが昨年からということで、実力からすると、もっと聴かれてもいいクァルテットです。これから演奏する機会がもっと増えるといいですね。ハイドンを得意とするということで、当ブログも応援していきたいと思います。

室内楽好きな皆さん、要注目ですよ!

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tag : 日の出

ブロムシュテット/N響のベートーヴェン8番、7番(サントリーホール)

4月26日は仕事を早目に切り上げてコンサートに行ってきました。

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NHK交響楽団 第1884回 定期公演 Bプログラム

ハイドンではありませんが、ちょっと気になっていたコンサート。ヘルベルト・ブロムシュテット(Herbert Blomstedt)がN響に客演するということで、いくつかのプログラムからサントリーホールで行われるベートーヴェンの7番、8番を選んだ次第。

ブロムシュテットはおそらくハイドンの商業録音を残していないと思いますし、ハイドンを振る印象もありませんが、調べてみるとコンサートでは取り上げているようですね。もちろん有名な指揮者なので私もよく知っていますが、手元には1970年代にドレスデン・シュターツカペレと録音したベートーヴェンの交響曲全集くらいしかアルバムがなく、実はブロムシュテットの演奏にはあまり馴染みはありません。名前はスウェーデン系で両親はスウェーデン人のようですが1927年アメリカ生まれで御歳90歳になるとのこと。198年代後半からサンフランシスコ交響楽団とDECCAに多くの録音を残し、日本でもかなりプロモーションがかかっていたのでおなじみな方も多いでしょう。

最近ではN響によく客演していて、年齢を感じさせない矍鑠とした指揮ぶりを何度かテレビで見て興味を持った次第。90歳という年齢を考えると今聴いておかないとという気もしてチケットを取った次第。



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いつものようにサントリーホールに開場時刻くらいに到着。この日は平日ということで開場時刻には人はまばら。チケットはソールドアウトになっていましたので、開演時刻に駆け込むお客さんも多いのでしょう。

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そしてこちらもいつものようにワインとサンドウィッチで軽く腹ごしらえして開演を待ちます。この日の席は1階席3列目の右側。ステージ右側の下から仰ぎ見る感じで、指揮者、第二ヴァイオリン、ティンパニ奏者の動きは見えるものの、金管、木管陣は視界にははいりません。発売からかなり経ってから手に入れたチケットゆえ仕方ありません。

コンパクトな編成のオケがステージに揃い、チューニングが終わると長身のブロムシュテットが登場。90歳とは思えぬしっかりとした足取りで指揮台に上り、客席ににこやかに挨拶をすると、すっと振り返ってタクトなしで両椀を振り上げ、さっと振り下ろすと8番の冒頭の和音がホールに鳴り響きます。ノンヴィブラートで透明感溢れるクリアな響き。老成や円熟という言葉よりも、むしろ颯爽とした若々しさを感じるほどのキレ味を聴かせます。ハイドンの交響曲とは異なり漲る力感の表現がポイントの曲想に対して、良い意味で節度を保ちながらも、要所でライヴらしく鋭いアクセントを重ねて畳み掛けてくるようにオケを煽ってきます。8番ではオケの響きの純度を保てる範囲でのコントロール。ブロムシュテットは響き重くなることを避けるようにオケに俊敏な反応を求めながら1楽章を非常にタイトにまとめてきました。2楽章も弦楽器が刻むリズムはキレよく連なり、特に席から近い第2ヴァイオリンの刻むメロディーが鮮やかに響き、オケの反応も鮮やか。そして3楽章では力が抜けてオケの反応もさらに良くなります。終楽章ではオケが秩序を失わず赤熱。コンサート特有の高揚感に包まれ見事なクライマックスでした。もちろん、ホールは老指揮者の年齢を感じさせない鮮烈なコントロールに拍手喝采。ヤルヴィほど反応重視ではなく、どこか頑固さを感じさせながらも音楽にはハツラツとしたものが残る名演でした。

休憩後、オケの編成はほぼ変わらず、今度は7番。7番でもタクトは持たず、主にアクセントのポイントをきっちり指示するスタイル。最初の一音から8番とは異なる気合いというかエネルギーが満ちています。オケの方も先ほどまでの8番の秩序だった枠が徐々に取り払われて行き、少々の乱れはかまわず、ベートーヴェンのこの曲に込められたエネルギーが発散されていきます。所々に鋭角的なアクセント設けて曲のエッジをキリリと引き締め、低音弦の迫力は8番の時よりもかなりアップしてきているので音の厚みが違います。木管陣は実に艶やかな演奏でブロムシュテットの指示に応えて1楽章に見事な潤いを与えていました。7番はもう少しリズムの流れよく振ってくるかと思いきや、かなり頻繁にオケを煽って、攻めの指揮。いやいや素晴らしいエネルギーです。
素晴らしかったのが2楽章。アタッカで入り速めのテンポで透明感溢れる弦によって描かれる音楽はこれまで聴いたこの楽章のどの演奏よりもしんしんと刺さる音楽が流れます。雄大に展開する音楽の表情は情感をおさえつつも響きの険しさと崇高さに包まれる見事な構成。ブロムシュテットは各パートに細かく目配りしながら大きな音楽を作っていきます。
続くメヌエットは8番の時のオケの響きが戻りタイトな演奏ですが、終楽章のクライマックスの爆発を予感させるエネルギーが満ちてきて尋常ならざる迫力。そしてフィナーレに入るとこれまでオケが抑えていたのだとわかる、地響きのようなものを伴いながら、ベートーヴェンの執拗に繰り返される音階が火の玉のごとく熱せられ、ホール中に熱気を発散します。ブロムシュテットは最後まで冷静さを失わずオケのスロットルを巧みにコントロールして、重くなりがちなリズムを煽るように引き締め、最後はオケの力を振り絞らせる見事なさばきを見せます。弦も金管もティンパニも渾身の力でホールの空気を揺るがし、余韻が消え入る前に嵐のような拍手が降り注ぎました。もちろん生でのこの曲のフィナーレは盛り上がるに決まっていますが、最後に混沌とするリズムの処理と老獪なアクセント、そして何より90歳とは思えないエネルギーは特別なもの。観客もこの素晴らしい演奏に惜しみない拍手を送り、カーテンコールが続きました。途中でオケの背側の観客の拍手に応えるよう指示するあたりも誠実な人柄がにじみ出ていました。いやいや素晴らしいコンサートでした。またの来日も計画されているということで、機会があればぜひ、もう一度ブロムシュテットのエネルギーに触れてみたいと思います。



終演後は、サントリーホール向かいのアークヒルズの飲食店で一杯やって帰るのがいつもの慣わしですが、開演前に嫁さんが3階に行ったところ、3階のフロア全体が改装されて綺麗になっているということで、最近愛用している2階のスペインバルではなく、3階に行ってみることにしました。入ったのはラーメン屋さん。

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食べログ:田中そば店 赤坂アークヒルズ店

普段、嫁さんは家での食事が多いので、ラーメンも新鮮ということで、ラーメン屋さんにした次第。まずはビールをグビリ。よく冷えていてグーです(笑)

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私が頼んだのは山形辛味噌らーめん。かなり強めのかつおダシが効いたスープに辛味噌がドカンと乗っています。最初にスープをいただくとただのかつおダシのスープ。ところが辛味噌を溶かすと、表面にラー油が浮かぶ激辛ラーメンに変身。麺は柔らかめでした。

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嫁さんが頼んだのは味玉入り中華そば。こちらはかつおの風味は辛味噌ラーメンよりも薄く、スープが違うようですね。

ラーメンは美味しかったんですが、ラーメンのそれぞれの味と辛味に関心が行ってコンサートの余韻を楽しむ余裕はありませんでした(笑) 夏までのコンサートのチケットを色々取ってありますので、次回サントリーホールでのコンサート時には他のお店も開拓してみたいと思います。

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tag : ベートーヴェン サントリーホール

ジョナサン・ノット/東響のマーラー10番、ブルックナー9番(サントリーホール)

新年度が始まって、いつもながら仕事でドタバタしており、レビューも進まぬ中、チケットをとってあったコンサートに行ってきました。

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東京交響楽団:第659回 定期演奏会

このところお気に入りのジョナサン・ノット(Jonathan Nott)率いる東京交響楽団のコンサート。古典から現代まで幅広いレパートリーを誇るノットですが、マーラーや現代音楽の素晴らしさは体験済み。アルバムでは評判が良さそうだったブルックナーはどうかということでチケットをとった次第。ノットのこれまでのコンサートのレポートは下記の通り。

2017/12/10 : コンサートレポート : ジョナサン・ノット/東響の「ドン・ジョヴァンニ」(ミューザ川崎)
2017/10/15 : コンサートレポート : ジョナサン・ノット/東響の86番、チェロ協奏曲1番(東京オペラシティ)
2017/07/23 : コンサートレポート : ジョナサン・ノット/東響の「浄められた夜」、「春の祭典」(ミューザ川崎)
2017/07/17 : コンサートレポート : ジョナサン・ノット/東響のマーラー「復活」(ミューザ川崎)
2016/12/12 : コンサートレポート : ジョナサン・ノット/東響の「コジ・ファン・トゥッテ」(東京芸術劇場)

初めて聴いた「コジ・ファン・トゥッテ」が滅法面白かったので色々聴きましたが、モーツァルトもマーラーも春祭も見事なコントールで楽しめましたが、肝心のハイドンはちょっと演出過剰でゴテゴテした印象になり、ハイドンを演奏する難しさを感じさせた次第。そのノットがブルックナーの9番をどう料理するのかが聴きどころ。

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この日は土曜で前日夜は札幌泊の出張に出ておりましたゆえ、若干疲れ気味の中、夕刻いつも通り、開場少し前にサントリーホールに到着。事前情報ではNHKのカメラが入ることになっているということで、注目のコンサートなんでしょう、ホールの前はかなりの人で賑わってました。

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すぐに開場となり、まずはこちらもいつも通りホワイエで軽く腹ごしらえ。いつもはワインですが、この体調でワインをいただくと深い眠りに落ちてしまいかねないというリスクを回避するため、ビールをセレクト。結果的には正しい選択でしたね(笑)

この日の席は珍らしく1階席で中央後ろから2列目。オケが正面に見える席ですね。お気に入りのRA席は埋まっていたため高い席を取ったんですね。RA席だと指揮者の指示やパート間のフレーズのやりとりが克明にわかるんですが、この日の席はアルバムやテレビで聴くのと同様、オケの音とともにホールの響きを遠くから聴く席。各パートの響きよりもオケの音量バランスを聴く感じですね。

プログラムは2曲とも大編成の曲ということでステージいっぱいに団員席が広がる中、定刻となり団員がステージ上に並び、いつものようにちょっと小柄なノットが颯爽と登場。ほぼ満席の客席に向かってにこやかに会釈してすぐにマーラーの10番が始まります。最初のヴィオラのメロディーから息を飲むようなただならぬ緊張感が漂い、いきなりヴィオラの孤高の響きに釘付けになります。この曲の刷り込みはアバドがウィーンフィル振ったアルバムですが、アバドらしいしなやかなメロディーの流れの美しさをを極めた演奏に対して、ノットはやはりフレーズごとの表情の変化と現代音楽的な響きの峻厳さ、そしてオケのダイナミクスを極限まで追い込むようにコントラストを明確につけていきます。どちらかというとマゼールに近い感じ。マゼールは灰汁の強い印象がありますが10番はかなり洗練された演奏です。昨年にミューザで聴いた復活と同様の手法。全てのパートをコントロールするようなノットの細かい指示に対し、東響もノットの棒に完璧に応える精緻な演奏でノーミスの熱演。特に素晴らしかったのがヴィオラをはじめとする弦楽陣。弦の奏でるメロディーのニュアンスの豊富さが音楽に深みを与え、弱音のコントロールがこのマーラー最後の曲の孤高感を際立たせていました。静寂の中に消え入るような最後も見事。全ての余韻が消え去り、ノットがタクトをゆっくりと下ろすと客席から拍手が湧き上がります。オケの熱演に惜しみない拍手が送られました。この曲に込められたマーラーの諦観のようなものまで見事に描ききった名演でした。

休憩中にステージ上の座席配置が若干修正され、ハープがかたずけられて後半のブルックナーに移ります。

ノットのブルックナーは以前の8番のコンサートを収録したアルバムがリリースされており、評判はなかなか良いように聞いていますが、私は未聴です。ノットはキビキビ爽快にモーツァルトを描き、マーラーではニュートラルなダイナミックさ、現代音楽では峻厳な透明感を描いてきますが、ブルックナーをどう料理するのかあまりイメージできませんでした。この日のコンサートを聴いた結果から言うと、マーラーと同様なスタイルで現代的なダイナミックなブルックナーでした。ブルックナーの演奏には画家で言う画風がかなり重要な要素かと思いますが、ノットの画風は正攻法でブルックナーの演奏にはもう一歩踏み込みが欲しい印象を残しました。もちろん演奏は素晴らしいもので、3楽章終盤に金管が少し安定度を欠いた以外はオケは見事なパフォーマンス。特にスケルツォ楽章の怒涛の迫力は素晴らしいものがありました。マーラー同様弦楽陣は素晴らしいコントロール。そしてフレーズごとに表情を彫り込んでいくノットのコントロールも見事。ただ滔々と流れるブルックナーの音楽を少し微視的に捉えすぎてもう少し流れの良さがあるとよかった。コンサートではこのところスクロヴァチェフスキの描く大伽藍に圧倒されてきましたが、ノットの大伽藍はコンクリート製で意匠は凝らしているものの、ブルックナーらしさからちょっと離れてしまったといえばわかるでしょうか。この曲も3楽章の終結部は弱音で終わりますが、この日の観客は見事に静寂を保ち、オケの熱演を盛大な拍手で讃えており、お客さんの反応は極めて良いものでした。ノットもオケの熱演を讃え、コンサートは盛況のうちに終了。

マーラーはノットと東響のコンビの底力を見せつける素晴らしい演奏、ブルックナーも機能的には同様かと思いますが音楽の本質を考えさせらる演奏でした。



終演後は、サントーホール向かいの最近お気に入りのお店で反省会。ここ数日は母親がショートステイでお泊りのため、帰って介護の心配がありません。

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バレンシアナバル ブリーチョ

ワインとサングリアで喉を潤し、小皿を色々注文。この小皿が皆絶妙に旨いんですね。

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桜海老のアヒージョに、マグロの生ハムとトマト。アヒージョにはニンニクが丸ごとゴロゴロ入っているんですが、これがまた旨い。海老の香りも良く出ていて見事。そして生ハムに添えられたトマトが甘くて絶品。

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いつも必ず頼むレンズ豆とチョリソの煮込み。チョリソの独特の香りがこれまた絶妙。

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初めて頼んでみたホワイトアスパラのフリット。ナツメグで香りづけしたソースがこれまたいい香り。

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最後はジャガイモとタコのグリル。これとパンで2人でお腹いっぱいです。コンサートの余韻を楽しみながら美味しいお酒と料理でいい気分。

さて、レビューせねば、、、(笑)

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マルクス・シュテンツ/新日本フィルの哲学者、驚愕(すみだトリフォニーホール)

昨日2月2日はチケットを取ってあったコンサートに出かけました。

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新日本フィルハーモニー交響楽団:♯583 トパーズ<トリフォニー・シリーズ>

マルクス・シュテンツ(Markus Stenz)指揮の新日本フィルハーモニー交響楽団。プログラムは下記の通り。

ハイドン:交響曲第22番「哲学者」
ハイドン:交響曲第94番「驚愕」
ヘンツェ:交響曲第7番

このコンサートはもちろんハイドンの曲が含まれるということで目をつけていたものですが、ハイドンはハイドンでも冒頭に置かれた哲学者という滅多に実演には取り上げられない曲がプログラムに含まれるということで、格別の興味を持ったもの。指揮者のマルクス・シュテンツも未聴の人。

マルクス・シュテンツは1965年、ドイツのボンの南にあるバート・ノイェンアール=アールヴァイラー(Bad Neuenahr-Ahrweiler)生まれの指揮者。ケルン音楽院で学び、タングルウッドではバーンスタイン、小澤征爾に師事したそう。現在はオランダ放送フィルの首席指揮者、ボルティモア交響楽団の首席客演指揮者を務めています。1988年にベネチアのフィニーチェ劇場でヘンツェの「若い恋人たちへのエレジー(改訂版)」を初演して以降、ヘンツェの多くの作品の世界初演を担当しており、ヘンツェには格別のこだわりがあるようです。日本ではN響に客演している他、2016年末の読響の第九の指揮を担当するなどそこそこ知られた存在でしょう。手元にアルバムもないため、私はこの日がシュテンツとは初顔合わせです。またヘンツェの曲も聴いた記憶もないため、こちらもこの日初めて聴きます。



平日ゆえ仕事を定時過ぎに切り上げ、新宿からちょっと離れた錦糸町まで向かいますが、中央線と総武線の乗り換えもスムーズでそれほど時間がかからないことがわかりました。

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いつものように先に到着していた嫁さんが、ホールの2階の北斎カフェでサンドウィッチを買って待ってましたので、ワインとサンドウィッチで軽く腹ごしらえをして、期待のコンサートに備えます。

開演は19:00ですが、開演前からオケのメンバーが入り、ほとんど19:00ピタリに演奏が始まるという異例の正確さ(笑) 最初の哲学者のオケの配置は第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが両翼に配置され、ヴィオラが指揮者正面、そしてそのヴィオラの左右にチェロが別れて座るという対称性にこだわった珍しい配置。この日の席は珍しく指揮者の真後ろの真ん中と左右から鳴らされる音を聴き分けるには最適な席。

拍手に誘われシュテンツが指揮台に登壇、大柄な体を揺すって気さくな笑顔で観客に挨拶し、すっと振り返ってタクトを持たずにオケに合図すると、実にユニークな曲想の哲学者の演奏が始まります。テンポは心持ち速めでヴァイオリンは現代風にノンヴィブラートで透明感を重視したもの。この曲は色々な演奏で随分な数を聴いていますが、いきなり驚かされたのが、シンプルなメロディーの多くが左右の第1、第2ヴァイオリンの緻密な掛け合いで交互に演奏されていること。特に指揮者の背後で左右の掛け合いが鮮明にわかる席だったので、その構成の緻密さにはかなり驚きました。シュテンツはフレーズごとにかなりはっきりとコントラストをつけ強弱を鮮明にコントロール。インテンポでハイドンの書いたメロディーを目一杯デフォルメしながら、のどかな曲想から目眩くように変化の面白さをあぶり出す見事なコントロール。そしてメロディーを担当するくすんだ音色のイングリッシュホルンが上手のオケ席後ろ、ホルンが下手のオケ席後ろで立って演奏するというユニークな配置で、オケの左右の掛け合いの面白さを強調。先に書いた弦楽器の左右対称配置と相まって、これがこの掛け合いの面白さを最大限に発揮させるための熟考された配置であることがわかりました。演奏はさながらファイのようにスリリング。というより、ファイよりスリリングでしかもやり過ぎ感は皆無な見事なまとまり。この曲をのどかなメロディーの魅力で聴かせる演奏は数あれど、これほどまでにスリリングな演奏は初めて。1楽章からコンサートマスターの豊嶋さんの見事なボウイングを間近で見ながら素晴らしい演奏を堪能。
1楽章が終わると、先ほどまで両翼に立って演奏していたイングリッシュ・ホルンとホルンの奏者が正面の席に戻ります。シュテンツが再び合図を送ると、このプレスト楽章では前楽章以上にヴァイオリンのキレが際立ち、左右のヴァイオリンの掛け合いはよりスリリングになり、全奏者が体を揺らしてシュテンツに指示されたアクセントを次々にキメていく快感に満たされます。特に第2ヴァイオリンのヴァイオリンの息のあったボウイングは見事。メヌエットは楔を打つようなアクセントをところどころに挟み、舞曲というよりはリズムにも大胆に変化をつけた構成で、オケはシュテンツの巧みな構成にしっかりとついて行く熱演。アタッカで来ると思った終楽章もしっかりと間をとって始まりますが、この湧き上がるような上昇感が各所に散りばめられた曲に対し、シュテンツはその度に体をブルブルと揺らしてオケを煽ります。シュテンツの指揮ぶりは決してタイミングの指示が明確なタイプではないのですが、オケの反応は完璧。よほど練習をしっかりしたとみえてシュテンツの意図に従ってというより意図を先読みして見事な演奏。最後の湧き上がるようなフィニッシュもピタリと決まって、このハイドンの小交響曲を見事に仕上げました。

シュテンツも最初の曲のオケの俊敏な反応に満足そうな笑顔で奏者をたたえていました。続く驚愕のために奏者が少し入れ替わります。

続く驚愕も実にスリリング! 聴きどころの1楽章は、冒頭、シュテンツのポイントの把握しにくい指揮に各パートの入りが少し乱れるところがありましたが、すぐに落ち着き、基本的に少し速めのテンポで、各パートだけでも極めて大胆なコントラストをつけたかなり踏み込んだデフォルメを利かせますが、パート間のスリリングなやり取りの面白さが際立ち、まるで初めての曲を聴くような新鮮さ。そして要所でブルブルと体を揺らしながらオケを煽りまくって炸裂させる波の連続と、やはりファイを上回るファイ感(笑) ヴァイオリンの音階のキレの良さもノンヴィブラートな透明感と相まって実に美しい透明感が漂い演奏に華を添えていました。
見事な1楽章から、肝心のびっくりアンダンテに入ると、やはり何か仕掛けがありそうな予感をさせる、抑えて穏やかな演奏。すると居眠りしていた打楽器奏者に対し、他の奏者がオケを横切りびっくりのところでティンパニを叩いて去るという演出付きでした。もちろんその後の展開部のスリリングさ、ダイナミックさは期待通り、重厚さよりスピードとキレを求めた迫力に圧倒される見事なコントロール。そしてメヌエットはオケの響きの起伏の変化の面白さが聴きどころ、フィナーレではところどころでテンポを極端に落として、熱を冷まして再び炸裂する迫力をますような演出をさせていたのがユニーク。もちろん、観客はおそらく予想外のハイドンの素晴らしい演奏に拍手喝采。誰もこれほどのハイドンが聴けるとは予想していなかったのではないかと思います。私にとっても実演でこれほどの素晴らしい演奏に接すると思っても見なかっただけに非常に満足度の高い演奏でした。

休憩を挟んで後半はこの日のメインディッシュであるヘンツェの交響曲7番。メシアンもデュティユーもブーレーズもリームも聴きますがヘンツェは初めて。この曲はベルリンフィル創立100周年を記念して委嘱され1984年にジャンルイジ・ジェルメッティによって初演された作品。ヘンツェがベートーヴェンの伝統に従い、急・緩・スケルツォ・急という楽章構成に従って作曲した曲で、後半2楽章はドイツの詩人フリードリヒ・ヘルダーリンに影響を受け、ヘルダーリンの苦悩や詩を音楽化したものとのこと。曲は4本のチェロにる暗鬱なメロディから始まり、予想通り不協和音のクラスターが乱舞する難解なものですが、指揮者の真後ろで聞くと、各パートがかなり緻密なコントロールで演奏していることがよくわかり、前衛画家の細密画を間近で眺めるような感じ。おそらく作曲意図はこの不協和音による混沌とした響きの微妙な変化にアーティスティックさを求めたものであろうかと思いますが、緻密さと迫力、そしてオケの見事な演奏はわかったものの曲の真意を汲み取るまでには至りませんでした。まずはこちらの器の問題でしょう。シュテンツの指揮は見事で、オケも一糸乱れぬ快演ということで、最後はカーテンコールが繰り返されました。終演後嫁さんが「武満の偉大さがわかったわ」と意味深なことを呟きましたが、やはり音楽にはテーマがあり、ヘンツェの混沌は常人には難解だということでしょう。

久々の新日本フィルでしたが、オケの演奏水準は非常に高く、前半のハイドンの素晴らしさもあって、楽しめたコンサートとなりました。



ここ数日は母親はショートステイで介護の心配はないため、錦糸町で一杯やって帰ることにしました。

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食べログ:酒屋ばる Tocci

すみだトリフォニーホールの道路を挟んで向かいにあるバル。嫁さんが行きに見かけて良さそうだと目星をつけておいた店。満員の賑わいでしたが、幸い2席のみ空いていてすぐに入れました。お酒はビール、ワイン、日本酒、ウィスキーとなんでも御座れのお店。すぐにオススメのヒューガルテンとワインレモネード(笑)で乾杯。

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まずは豚のハムをつまみます。

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しらすの入った揚げ物。名前忘れました(笑) ビールに合いました。

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喉が渇いていたので、すぐにお酒を追加。グラスの白にスパークリング。

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そして生うにのリゾット。これがウニの香りが乗ってなかなか。量もかなりあって、この辺で打ち止めにしても良かったんですが、、、

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メニューに気になるものがあり、注文してみたのが焼きアボカド テキーラの香り。炎に包まれて出てきたアボカド。日が消えて熱々のところをスプーンですくって食べますが、これが絶妙に美味い。これは見事なアイデアですね。

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そしてイタリアンバルの定番、トリッパ。これも香ばしくて美味かった。

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今日は非常に充実したコンサートだっただけに酒が進みます。私はマッカランをニートでいただきます。昔は何本もいただいたマッカランですが、最近はご無沙汰。口に含んだ瞬間、マッカランらしい蜜のような甘みとバランスの良い樽の香りが広がります。いやいやいいですね。

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嫁さんはバニラアイスのバルサミコソース。ウィスキーとは違う甘みに嫁さんも満足げ。ここはカジュアルな感じでお酒の種類も多く、コンサート帰りに一杯飲むのにオススメのお店でした!



いやいや、この日はいいコンサートでした。マルクス・シュテンツ、要チェックです。新日本フィルの中の人、ハイドンを再びプログラムに入れてください!

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tag : 哲学者 驚愕

サッシャ・ゲッツェル/読響の第九(サントリーホール)

またまた旅行記の途中ですが、コンサートに顔を出しましたので、コンサートレポートです。

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読売日本交響楽団:第607回名曲シリーズ

ちょっと懐かしいエマニュエル・クリヴィヌが読響を振るということでチケットをとってあったものですが、なんとコンサートの少し前に読響からハガキが届き、クリヴィヌは健康上の問題で来日できず、代役としてサッシャ・ゲッツェルというオーストリアの人が振るとのこと。クリヴィヌが聴けないのは残念ですが、私にとって未知の指揮者が聴けるということで、出かけることにしました。

日本ではなぜか年末に第九を聴く風習があり、各オケとも有力な指揮者で第九を当てて来ます。なんとなく昔はそのマーケティングには乗らずにいたんですが、ブログを書き始めて以降、2011年から3年ほど年末の第九を聴きにいっており、最近は第九をよく聴いているという感触でしたが、調べてみると2013年を最後にしばらく空いていて、今年は久しぶりの年末の第九鑑賞。

2013/12/26 : コンサートレポート : デニス・ラッセル・デイヴィス/読響の第九(東京オペラシティ)
2012/12/21 : コンサートレポート : カンブルラン/読響の第九(サントリーホール)
2011/12/27 : コンサートレポート : スクロヴァチェフスキ/N響の第九(サントリーホール)
2011/11/03 : コンサートレポート : 【サントリーホール25周年記念】ホグウッド/N響の第九

ということで、チケットを取る時はN響のエッシェンバッハとクリヴィヌの読響で迷ったのですが、バリトンに妻屋さんが出るということで読響を取った次第。妻屋さんは、先日聴いた高関健と東京フィルの天地創造のラファエル、アダムが実に朗々とした歌唱が素晴らしかったので印象に残ってます。

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これまでに行った第九のコンサートもたまたまというか、なぜか全てサントリーホールでのコンサート。この日もサントリーホールですが、今年はサントリーホールはしばらくお休みして改装工事をしており、私はこの日が改装後はじめてのサントリーホールのコンサートです。ネットで情報収集してみると、今回の改装ではステージの床板の全面張り替え、客席のシート張り替え、パイプオルガンのメンテナンス、トイレ増設、バリアフリー化、照明のLED化、舞台機構のメカニックの最新化などだそうで、音響面は変更なしとのことでした。

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ということで、いつも通り先に着いていた嫁さんがドリンクコーナーでワインを注文して待っていてくれたので、仕事帰りで立ち寄った私も一杯やって士気を高めます。ちなみにサントリーホールのドリンクコーナーで以前赤ワインを注文すると、よく冷えた(笑)赤ワインが供され、お酒の文化を先導するサントリーの運営するホールとは思えない状況だったんですが、今回は赤ワインは適温、白もよく冷えていて、私にはこの点が改装の恩恵が一番感じられたところ。惜しむらくは、サントリーが誇る色々なワインが選べてもいいと思うのですが、、、

この日の席はお気に入りのRA。2階のステージ真横の席。コーラスの編成が大人数の時はステージ裏の客席にコーラスが入ることがありますが、この日はコーラスもステージ上に収まりました。

この日、クリヴィヌの代役として急遽指揮をとることになったサッシャ・ゲッツェル(Sascha Goetzel)についてさらっておきましょう。1970年ウィーン生まれで、グラーツ音楽大学、ジュリアード音楽院などで学び、小澤征爾の招きでタングルウッド音楽祭の研修指揮者を経験。その後ウィーンフィルのヴァイオリン奏者を務めながらシベリウスアカデミーで指揮を学び、2001年にウィーンフォルクスオーパーで指揮者デビュー。その後ベルリン交響楽団、バーミンガム市響など各地の有名オケを振る一方、日本でも神奈川フィルの首席客演指揮者を務めるなど、日本でも活動しているとのことでした。読響には今年の4月に客演しているそうです。現在はトルコのボルサン・イスタンブールフィルの芸術監督とのこと。

今回芸劇、サントリーホール、大阪フェスティバルホール、みなとみらいなど4カ所6公演の代役ということで、それなりの実力とスケジュールの両方が合ったということでの代役でしょうが、ゲッツェルにとっては日本での知名度を上げる好機となったことでしょう。

歌手と合唱は下記の通り。
ソプラノ:インガー・ダム=イェンセン(Inger Dam-Jensen)
メゾソプラノ:清水華澄(Kasumi Shimizu)
テノール:ドミニク・ヴォルティヒ(Dominik Wortig)
バス:妻屋秀和(Hdekazu Tsumaya)
合唱:新国立歌劇場合唱団
合唱指揮:三澤洋史(Hirofumi Misawa)

コンサートの方は、おそらくゲッツェルのことを知らないお客さんがほとんどだったと思われますが、サントリーホールが完全に埋まってます。先週のみなとみらいのデュトワ/N響のコンサートが4割くらいの入りだったのと対照的。やはり第九はお客さんが入るということでしょう。

定刻となり、コーラスとオケが入場、そしてゲッツェルが指揮台に登壇。全く予備知識なしに行きましたので、どのような音楽を繰り出すのかわかりませんでしたので興味津々。登壇したゲッツェルはプロフィール写真とは異なり、ロン毛のちょいワルオヤジ分のイケてる感じの人でした。

1楽章は、ダイナミクスを重視しながらも、丁寧なコントロールでベートーヴェンの燃えたぎる音楽を手探りで形にしていくよう。オケが十分に暖まっていないのか少々テンポが落ち着かないところもありましたが、時折クライバーばりに左右に大きく指揮棒と体をくねらせてオケの響きの深みを求めるなど、オケを鳴らし切ろうとするところが多々あり、徐々にオケもそれに刺激されて活気がみなぎってきます。2楽章に入ると、若手らしく鋭いアクセントでグイグイとオケを煽り、オケもだいぶこなれてきました。歌手は3楽章の前に入場。そして3楽章に入ると意外にテンポを落としてこの曲のジワリとくる静寂感を活かすよう、オーソドックスに攻めてきました。響きの流麗さはまだまだ磨くべきところはあるものの、力感を軸にしながら楽章間のコントラストをしっかり意識していて悪くありません。そして特に良かったのが終楽章。畳み掛けるような迫力と、かなりはっきりと音量を落とすところを設けてコントラストを鮮明に表現。迫力一辺倒の演奏とはならず、ダイナミクスが心地よく流れるなかなかのコントロール。そしてバスソロの妻屋さんの第一声が轟くと場内の雰囲気が一変。体の芯から轟く素晴らしいバスに完全にのまれます。ステージ横から見下ろす席から見ると、場内のお客さんが圧倒されているのが良くわかりなす。この一瞬の轟き、神々しさ、そして人の声のもつ浸透力。そして、コーラスが入るとさらに響きにしなやかな厚みが加わり、オケの演奏も一段ギアチェンジ。やはり第九の終楽章の神々しさは素晴らしいですね。歌手も妻屋さんを筆頭に非常にレベルの高い歌唱。コーラスも一糸乱れぬ名唱で盛り上げ、最後はゲッツェルがフルトヴェングラー並みにテンポアップして終了。ゲッツェルを知っている人も知らない人も楽しめるいい演奏でした。

ゲッツェルも満足いく演奏だったのか、歌手とコーラス、そしてオケの各パートの奏者をたたえますが、ピンチヒッターだからかカーテンコールからの切り上げも早くさっぱりとしたものでした。このへんの謙虚さもなかなか良かったですね。

この日のプログラムは第九1曲でしたので、カーテンコールを含めても20:30にはホールを出られました。サントリーホールのコンサートの反省会の定番、向かいのスペインバルを嫁さんが21:00に予約していたんですが、この日は21:00まで団体客で貸切り。仕方なくコンサートの余韻を楽しみながら、ホール前の広場で少し待ってからお店に入りました。

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バレンシアナ バル ブリーチョ

最初はテンプラニーリョとサングリア。

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頼んだチーズがなかったということで代わりに出されたハードチーズ。味は変わったものではないのですが、変わっていたのは蜂蜜をつけて食べること。これが実に美味。日本人には思いつかないアイデアにちょっと驚きます。

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この日のオムレツにジャガイモのグリル。オムレツはマヨネーズが合わせて出されました。これもなかなか美味。

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レンズ豆、生チョリソの軽い煮込み。いつも頼む定番。独特の香りがお酒に合って旨いんです。

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こちらはブラックベリーのシードル。不思議な(笑)味でした!

ということで、軽めの夕食を兼ねた反省会を楽しんで帰りました。ここ、サントリーホールのコンサート帰りにはおすすめです。

年内のコンサートはこれで打ち止め。また旅行記に戻ります(笑)

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tag : ベートーヴェン

シャルル・デュトワ/N響の王妃、嘆き、スコットランド(横浜みなとみらいホール)

旅行記の途中ですが、12月16日はチケットを取ってあったコンサートに出かけました。

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シャルル・デュトワ指揮 NHK交響楽団2017横浜定期演奏会

このコンサート、シャルル・デュトワがハイドンを振るということでチケットを取ったのですが、お目当てはハイドンばかりではありません。2曲目置かれた細川俊夫の「嘆き」もちょっと気になる存在。というのもこの「嘆き」、2013年のザルツブルク音楽祭で、この日の組み合わせであるデュトワとN響、そしてアンナ・プロハスカで初演されており、その模様はNHKの番組で観ています。すなわち今日は初演コンビでの演奏ということです。また、今年の7月にはノットと東響、藤村実穂子の組み合わせで藤村のためにメゾ・ソプラノ用に用意された改訂版も実演で聞いてその素晴らしさを味わっています。

2017/07/17 : コンサートレポート : ジョナサン・ノット/東響のマーラー「復活」(ミューザ川崎)

また、アンナ・プロハスカはDGから歌曲集をリリースしており、その中にハイドンの英語によるカンツォネッタ「人魚の歌」が含まれていたので、こちらも一度記事にしています。

2013/09/24 : ハイドン–声楽曲 : アンナ・プロハスカの歌曲集(ハイドン)

もちろん、デュトワのハイドンも一度取り上げています。デュトワの唯一のハイドンの録音であるパリセットは定番の一つですね。

2012/12/17 : ハイドン–交響曲 : デュトワ/モントリオール・シンフォニエッタの87番

ということで、私にとってこの日のプログラムは非常に興味深いプログラムな訳ですね。

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この日は晴天。いつものように早めにみなとみらいに到着。ホールに入ると全面ガラスのホワイエからの眺めは気持ちの良いもの。

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開演まで時間があるので、いつものようにワインを頼んで、景色をツマミにのんびりさせていただきました。

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この日の席は2階席の真正面。いつもは右側を選ぶのですが、たまには正面でということで取った席。ちなみにこの日の席の埋まり具合は4割弱ぐらいだったでしょうか。2階席の左右後方は誰も居ない感じ。ちなみに数日前にサントリーホールで2夜連続同じプログラムで演奏されたということで、首都圏で3日目ということでこの入りだったんでしょう。また、翌日は福島の磐城で同じプログラムゆえ計4日の興行ということになりますので、N響としても第九並みに力の入った演目という扱いでしょうが、メインがメンデルスゾーンということで第九ほどの集客力はなかったというオチでしょう。

定刻になってオケの奏者がステージ上に現れ始めると拍手で迎えるのはこのホールの習わしでしょう。メンバーが揃ってチューニングが終わるとデュトワが颯爽と登場。1曲目の王妃は手元のアルバム同様、スタイリッシュな演奏でした。全体の設計がしっかりるのでテンポやアゴーギクには揺るぎない安定感があり、逆にスリリングな感じは皆無。そしてオケの奏者もデュトワの指示に従って正確にトレースしていく感じ。パート間の音量のバランス、デュナーミクの変化、アクセントなどまるでセッション録音を聴いているような安定感。古典の構築美をデュトワ流にさらりと表現したという感じの演奏でした。プログラム構成上も完全にハイドンは前座。もう少し攻めてくるかと思いきや、オケのアイドリングのような演奏でした。

観客の拍手もそこそこに切り上げ、ステージ上は次の細川俊夫の「嘆き」に向けて歌手の歌うスペースを用意して、奏者も増えます。そしてプロハスカとデュトワが登場し、場内はハイドンの時以上に盛り上がります。

この「嘆き」は東日本大震災で子供を失った母親のために書かれた哀悼歌。曲については先のノットのマーラーの記事に触れてあります。7月に聴いたジョナサン・ノットの演奏が静寂から響きのクラスターがめくるめくように湧き上がる鋭利な印象を感じさせたのに対して、デュトワの演奏は、大河の流れにキラメキが漂うよな演奏。ユッサユッサと大きなモーションでオケに的確な指示を与えて、その度にオケの響きが湧き上がってくるため、ハイドンどうよう盤石の安定感。ノットのシャープな表現に対して、デュトワは余裕すら感じるコントロールでこの曲を完全に掌握している感じ。時折り鳴らされる鈴やりんの音が祈りの感情を想起させます。ソプラノのプロハスカは鳥肌が立つような高音の伸びと透明感が見事。藤村実穂子が語りでも豊かなニュアンスを聴かせたのに対し、やはり高音の抜けるような伸びやかさが見事。哀悼歌という心情をうつくしさに昇華した印象。もちろん、最後の音が静寂に包まれると万雷の拍手が降り注ぎます。プロハスカの絶唱に観客から惜しみない拍手が注がれました。

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休憩を挟んで後半はメンデルスゾーンの「スコットランド」。私にとってこの日のコンサートのお目当ては前半で、後半は完全にオマケという感じでした。ハイドンもバッハもマーラーもブルックナーも武満も細川もブーレーズも好きなんですが、メンデルスゾーンは完全に守備範囲外。手元にはアバド/ロンドン響の1968年のスコットランドとイタリアにこれもアバド/ロンドン響の80年代の交響曲全集くらいしかありません。スコットランドを聴くのも実に久しぶり。結論から言うとデュトワのメンデルスゾーンのスコットランド、素晴らしい演奏で、目からウロコが落ちた感じ。N響のデュトワに対する絶大な信頼が感じられる素晴らしい演奏でした。絵画的と言われるこの曲ですが、冒頭からデリケートな情景描写の巧さと、明るいメロディーの伸びやかさ、揺るぎない全体設計、一糸乱れぬオケの安定感、そしてハイドンの時以上の完璧な音量バランスで、まさに完璧な演奏。冒頭のハイドンの時にはちょっと安定感と完成度重視で踏み込み不足を感じたんですが、流石にコンサートの目玉にしただけあって最後のファンファーレの部分の堂々とした響きで場内を圧倒。もちろん素晴らしい演奏に惜しみない拍手が送られました。

いやいや、N響にデュトワありとの存在感を見せつけた感じ。やはりオーケストラコントロールにかけては素晴らしい才能を持った人だと再認識しました。嫁さんも、「流石に上手いわね〜」とにっこり。この素晴らしい演奏にしてはお客さんの入りが残念でした。後で聞きましたが、この日はJRが午後動いていませんでしたのでその影響もあるかもしれませんね。

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終演後のホワイエからの景色は陽が少し傾いて雲が目立つようになっていました。

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この日は叔母に母親の留守番を頼んで出かけてきましたので、家路を急ぎました。
デュトワとN響、次のコンサートも要チェックです。

(付記)
この日のプログラムでは、ハイドンの85番のタイトルが「女王」となっていましたが、原題の"La Reine" の直訳は女王でしょうが、この曲にこのニックネームがついた経緯はルイ16世の王妃であったマリー・アントワネットが愛好したという由来を考慮すれば「王妃」が正しいでしょう。

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Daisy


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なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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所有盤をジャンル別にリスト化しています。基本的に録音年順とし、録音年不明のものは末尾に記載。演奏者名はジャケットなどの表記に合わせています。

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