マルシュナー=コッホ四重奏団のひばり、皇帝(ハイドン)

またまたLPです。こちらも最近オークションで手に入れたもの。

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マルシュナー=コッホ四重奏団(Marschner-Koch Quartett)の演奏による、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.64のNo.5「ひばり」、Op.76のNo.3「皇帝」の2曲を収めたLP。収録年の記載はありませんが、ステレオであることやレコード番号から1960年代後半のリリースでしょう。レーベルは独フライブルクのCHRISTOPHORUS。

このクァルテット、ジャケットには下記の4名の奏者の名があるだけで、クァルテットの名前は記されていませんでした。

第1ヴァイオリン:ウォルフガング・マルシュナー(Wolfgang Marschner)
第2ヴァイオリン:ウルリッヒ・ゲーリング(Ulrich Grehling)
ヴィオラ:ウルリッヒ・コッホ(Ulrich Koch)
チェロ:アティス・タイヒマニス(Atis Teichmanis)

色々調べたところ、手元にあった幸松肇さんの「世界の弦楽四重奏団とそのレコード」のドイツ・オーストリア編に「マルシュナー=コッホ四重奏団として掲載されていて、ようやく情報が掴めたもの。LPの裏面にもドイツ語でクァルテットの説明はあるのですが、スイスイ読めるわけではありませんので日本語の情報があるのは助かります。

幸松さんの本によれば、このクァルテットは1960年代後半、フライブルク音楽大学で教鞭ととっていた上記メンバー4人によって設立されたもの。
ウォルフガング・マルシュナーは1926年ドレスデン生まれ。ハノーファー国立歌劇場やケルン放送交響楽団のコンサートマスターとして活躍し、1963年からフライブルク音楽大学の教職にありました。
第二ヴァイオリンのウルリッヒ・ゲーリングは1917年生まれで1942年から1947年までベルリンフィルのコンサートマスターを務めた人。1946年以降はフライブルク音楽大学で教職についています。
ヴィオラのウルリッヒ・コッホは1921年ブラウンシュヴァイク生まれでブラウンシュヴァイク国立劇場管弦楽団コンサートマスターを経て南西ドイツ放送交響楽団の首席ヴィオラ奏者として活躍、フライブルク音楽大学では弦楽器長を務めた人。
そして、チェロのアティス・タイヒマニスはネットで調べてもなかなか情報がありませんでしたが、1907年ラトヴィアのリパエーヤという町の生まれで1955年にフライブルク音楽大学で夏季セミナーを受けたということがわかりました。

クァルテットに名前がないことと、これ以外に録音も見当たらないことから、この録音を行なった時期だけしか活動していなかったのかもしれませんね。

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LPに針を落とすと、非常に伸びやかなクァルテットの響きがザクザク迫ってきます。というのもカートリッジを最近手に入れたSHUREのV-15 TypeIIIに変えたばかりで、これまでのDL-103Rをフェーズメーションのトランス経由で聴いていた厚みと安定感重視の組み合わせとの差がそういう印象を強調しているかもしれませんね。もともとアームが軽針圧向けのものなのでこちらの方があるべき組み合わせなんでしょう。オリジナル針のコンディションも良いのでしばらくこの環境で聴いてみようと思います。

Hob.III:63 String Quartet Op.64 No.5 "Lerchenquartetett" 「ひばり」 [D] (1790)
1960年代の録音であるというのが信じられないほど鮮明な響きに驚きます。そしてスピーカーの周りに広がる音場も広大でびっくり。レオポルド・マルシュナーのヴァイオリンの伸びやかさはかなりのもの。楽器が非常によく響いてヴァイオリンの胴鳴りの迫力が感じられるほど。アンサンブルも実に見事。ひばりの入りはオーソドックスなテンポながら響き渡る伸びやかさで圧倒される感じ。ひばりのさえずりもこれほどの美しさで響くとさらに印象深く聴こえます。
続くアダージョに入ると、マルシュナーのヴァイオリンは美しさの限りを尽くすように鳴り響きます。そしてそれに呼応するように各パートもよく鳴る鳴る。往時のベルリンフィルの弦楽セクションの怒涛の響きを思い起こさせます。よく響くホールでの録音でしょうが、ダイレクト感もかなりあり、冒頭に書いたように超鮮明な録音。手元のCDやSACDでもこれほどキレのある録音はありません。
メヌエットもこれが王道というような演奏。小細工なしにグイグイ来ます。全員がベストコンディションでそれをベストなロケーションで録音し、この当時のベストな録音で残したもの。千載一遇の演奏を収めた録音といっても過言ではないでしょう。
フィナーレも楽器が鳴りすぎて抑えが効かないというか、抑える必要もないので、ハイドンの書いた音楽をベストなアンサンブルで演奏するとこうなる的完璧な演奏。あまりに圧倒的なパフォーマンスにノックアウトです。

Hob.III:77 String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
皇帝も同様、冒頭からアンサンブルが響きまくって素晴らしい響きに包まれます。4人がそれぞれ畳み掛けるようにインテンポで演奏しながらアンサンブルの線がぴしっとそろって響く快感。しかも全員楽器が鳴りまくってるのは前曲同様。曲毎の演奏スタイルの変化は感じず、それよりも普遍的な表現を目指しているよう。あまりの説得力に圧倒されるというのが正直なところです。

偶然見かけて手に入れたアルバムでしたが、あまりに見事な演奏と時代の空気までも閉じ込めたような見事な録音に脱帽です。フライブルク音楽大学の教職にあったとはいえ、この完璧なアンサンブルはこれまでのどの録音よりも見事なもの。しかも弦楽器がこれほどまでによく響いた演奏も稀なものでしょう。ハイドンの有名弦楽四重奏曲2曲の決定盤としても良いでしょう。私は非常に気に入りました。ということで評価は両曲とも[+++++]といたします。

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tag : ひばり 皇帝 LP

【新着】キアロスクーロ四重奏団のOp.20後半(ハイドン)

話題盤の続編がリリースされましたので取り上げます。

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TOWER RECORDS / amazon / ローチケHMVicon

キアロスクーロ四重奏団(Chiaroscuro Quartet)の演奏で、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.20のNo.4、No.5、No.6の3曲を収めたSACD。収録は2015年12月、ドイツはブレーメンの放送ホールでのセッション録音。レーベルはBIS。

以前取り上げたキアロスクーロ四重奏団のアルバムは、衝撃的な内容で、もちろん[+++++]としましたが、最終的に2016年にレビューした弦楽四重奏のアルバムで最も感銘を受けたアルバムとしてH. R. A. Award 2016に選定したことは、当ブログの読者の皆さんならご存知のことでしょう。これまでの伝統的な演奏とは全く異なるアプローチで、ハイドンのこの曲集の魅力を見事に浮かび上がらせました。

2016/12/31 : H. R. A. Award : H. R. A. Award 2016
2016/11/30 : Haydn Disk of the Month : Haydn Disk of the Month - November 2016
2016/11/23 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : 【新着】キアロスクーロ四重奏団のOp.20(ハイドン)

そのあたりのことは上のリンク先をご覧ください。

そのキアロスクーロ四重奏団が予想通り、Op.20の後半3曲をリリースしてきたということで、これは取り上げないわけには参りません。奏者などの情報については前半3曲の記事をご参照ください。

今日取り上げる録音は、前盤の10ヶ月後に同じ録音会場であるブレーメンの放送ホールでの録音ということで、録音を含めた環境は前盤とほぼ同一で、メンバーも前盤から変わりありません。

第1ヴァイオリン:アリーナ・イブラギモヴァ(Alina Ibragimova)
第2ヴァイオリン:パブロ・エルナン・ベネディ(Pablo Hernán Benedí)
ヴィオラ:エミリー・ヘルンルンド(Emilie Hörnlund)
チェロ:クレア・ティリオン(Claire Thirion)

Hob.III:34 String Quartet Op.20 No.4 [D] (1772)
前盤の最初の曲であるOp.20のNo.1を聴き始めた時と同じく、しなやかな演奏の中に何やらメラメラと青い炎のような前衛性が感じられる演奏。微妙な音量の変化とフレージングによって緊張感溢れる現代性が宿り、これまでの他の奏者の演奏とは一味違ったスリリングさに支配された音楽が流れます。特に音量を極端に落としたところの緊張感が最高。聴き進むうちにヴァイオリンのアリーナ・イブラギモヴァのキレ味鋭い音階が冴えてきます。まるでペルトの曲でも聴いているような雰囲気が漂いますが、紛れもなくこれはハイドンの音楽であり、現代風に料理した古典の名曲であることがわかります。予想通り冒頭からキレキレ。
続く2楽章も抑制された表現の中に緊張感をたたえた演奏が続きます。時折装飾音を交えながら変奏を重ね、徐々に徐々に音楽を膨らませていきます。瞬間瞬間の響きの現代性とメロディーラインのしなやかさが相まって独特の雰囲気。
メヌエットはガット弦らしいキレの良い響きが、無印良品のテナントで流れるBGMのようなブルガリア民謡風の響きを生み出します。このあたりのセンスは他のクァルテットの追随を許さないもの。
そして、フィナーレでようやくやりたい放題、緩急自在の賑やかさが聴かれました、まさにハイドンの書いた音楽の真髄に触れようと、音符を彼らなりにかなり自由に解釈して再構成。終盤、弦がはち切れんばかりの強奏でクライマックスを盛り上げます。この振り切れ方は尋常ではありません。相変わらず見事の一言。

Hob.III:35 String Quartet Op.20 No.5 [f] (1772)
短調の名曲。冒頭から独特のセンスが光ります。従来の演奏の影響を全く感じさせない個性的な入り。緊密に書かれたハイドンの音楽が現代風な装いを纏って光り輝きます。ここでもイブラギモヴァのボウイングが冴え渡ります。テンポやアクセントは独特ながらこの曲独特の推進力は健在。見事な演出に唸ります。この人たち、やはり只者ではありませんね。曲の大きなうねりを実に見事に表現していきながら、ディティールは非常に緻密。この表現は即興性を加えたものなのでしょうか。非常に緻密な設計が必要な演奏に聴こえますが、このスリリングさはライヴに近い緊張感から生まれるものと思われます。機会があれば是非実演を聴いてみたくなりました。こんこんと湧き出る創造力にノックアウト。
メヌエットはじっくり取り組んだ1楽章を際立たせるようにあえてさらりと入ります。サクサクと進めることで曲の構造がくっきりと浮かび上がります。この辺りのセンスが流石なところ。
そしてアダージョもメヌエットの延長のように一体感を感じさせる解釈。この楽章のメロディーの素朴な美しさを活かすためか、イヴラギモヴァは遊びまわるようにしなやかな弓使いで流れるようにメロディーを描いていきます。
フィナーレのフーガはバッハを思わせるような厳粛な雰囲気で始まりますが、あえて音程を微妙にずらして翳りを加え、まさにキアロスクーロといった表現でまとめてきます。

Hob.III:36 String Quartet Op.20 No.6 [A] (1772)
メロディーと戯れるハイドンの創意をそのまま演奏したような軽妙洒脱な入り。曲ごとに表現をまったく変えてくるあたりは、このクァルテットの表現力を物語ります。時折レガートを混ぜて変化をつけ、音量を落としてざわめくような気配を感じさせたかと思うと一転して伸びやかなボウイングで音階を刻みハッとさせるなど語り上手。さして起伏をつけているわけではないのにしっかりと表情がついてくるのが流石。
アダージョに入ると、テクニックを見せるという次元とは真逆に朗らかなメロディーの朗らかさに浸るような楽しみながらの演奏。お互いの音の出方を探りながらメロディーを重ねていく至福のアンサンブル。
この曲では入りも締めも実にデリケート。2楽章の消え入るような終わりから、メヌエットのあまりに繊細な響きの入り驚きます。なんと聞き進むとユーモラスさを強調するためか明らかに音程を外して遊びます。「迂闊者」のチューニングほどではありませんが、確信犯ですね(笑) ハイドンもこう来るとは思わなかったに違いありません。
そして最後のフーガでも抑制された表現の中に宇宙のような広がりを感じさせます。フーガが進むに連れて響きが鮮明になり、最後は幽玄さを感じさせるようにスッと終わります。いやいや素晴らしい創造力ですね。

キアロスクーロ四重奏団によるハイドンの弦楽四重奏曲Op.20の後半3曲をまとめたアルバムですが、予想に違わす、過去の演奏とは異なるアプローチでこの曲集の新たな姿を描き切りました。前盤と合わせて6曲のまとまりも良く、新たなスタンダード盤としても良いと思います。前盤での衝撃を体験しているぶん本盤は落ち着いて聴くことが出来ましたが、それでもこちらの想像力のさらに上をいく創造性に唸りっぱなし。評価は3曲とも[+++++]とします。

シリーズものの録音に執念を燃やすBISレーベルゆえ、このあともハイドンの録音が続きそうな気がしています。次はロシア四重奏曲でしょうか、、、

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tag : 弦楽四重奏曲Op.20

フランチスカス四重奏団のOp.2のNo3(ハイドン)

7月最初のレビューは弦楽四重奏の珍しいアルバム。

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TOWER RECORDS / amazon

フランチスカス四重奏団(Franciscus Quartet)による"Special Arrangements"というタイトルのアルバム。アストル・ピアソラ、ベートーヴェン、ショスタコーヴィチ、ドヴォルザーク、ルイス・ヒアネオ、シューベルトの曲に混ざってハイドンの弦楽四重奏曲Op.2のNo.3が収められています。ハイドン以外の曲目はTOWER RECORDSのリンク先をご参照ください。収録は2003年7月3日から4日、オランダのヒルフェルスム(Hilversum)のMCOスタジオでのセッション録音。レーベルはCHALLENGE CLASSICS。

ご記憶の方もいらっしゃるかもしれませんが、フランチスカス四重奏団の演奏は以前、SkunJPさんからの道場破り的投げかけ(笑)で記事にしたことがあります。一部で神格化された演奏との触れ込みで持ち込まれたアルバム。

2016/09/10 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : フランチスカス四重奏団の弦楽四重奏曲集(ハイドン)

その経緯についてはリンク先をご覧ください。今日取り上げるのはその時別の録音があるということで存在を知ったアルバムがようやく手に入ったので取り上げた次第。前出のアルバムは1998年の録音であるのに対し今日取り上げるアルバムは2003年とその5年後の録音。メンバーを調べてみると、第2ヴァイオリンとヴィオラは変わっていましたので、改めてメンバーを記載しておきましょう。

第1ヴァイオリン:ダイアナ・モリス(Diana Morris)
第2ヴァイオリン:パメラ・クービク(Pamela Kubik)
ヴィオラ:フランク・ブラッケー(Frank Brakkee)
チェロ:セバスチャン・ファン・エック(Sebastiaan van Eck)

気になるのはこのアルバムのタイトル。"Special Arrangements"とは、直訳すれば「特別な編曲」ということでしょう。解説によれば、もともと弦楽四重奏のために書かれたものではない曲が集められているとのこと。ハイドンの作品はもともと、2本のホルンと弦楽四重奏のために書かれたディヴェルティメント(Hob.II:21)であり、弦楽四重奏曲の中では録音は極端に少ないものです。ということでなかなか凝った企画のアルバムであることがわかります。

ハイドンの前にアストル・ピアソラ、ベートーヴェン、ショスタコーヴィチ、ドヴォルザークの曲が配されますが、これが皆なかなか良い。冒頭のピアソラも色彩感がありタンゴのリズムのような独特の感じがよく出ています。そして特にショスタコーヴィチのユーモラスな展開も見事。まるでクレーメルの企画のような選曲のキレ。ハイドンは8トラック目からです。

Hob.II:21(III:9) String Quartet Op.2 No.3 [E flat] (c.1760-62)
この曲はアレグロ-メヌエット-アダージョ-メヌエット-アレグロの5楽章構成です。周りに違う時代や地域の音楽が置かれることで、ハイドンという古典期の作曲家による美しいメロディーとキリッとした構成がハイドンだけ並べた時よりも引き立ちます。フランチスカス四重奏団はそれを意識させようとしてるのか、演奏はオーソドックスですが音色に明るさを帯びているので、古典の均整のとれた構造美が印象的。ヴァイオリンのダイアナ・モリスの弓使いはノビノビとして輝かしい音色。
続くメヌエットはリズムに溜めがあってまさにディヴェルティメント然とした音楽。素朴なリズムの面白さを散りばめた名曲ですね。演奏は肩肘張らず、前出のハイドンのアルバムが音色を揃えるのに集中していたのと比べると、こちらの方がいい感じ。
そしてアダージョもハイドンならではの美しいメロディーラインが聴きどころ。別に特別なことはしてないのですが、曲に潜む素朴さをうまく汲み取っての演奏が実にいい感じ。
後半のメヌエットはビチカートに誘い出されたヴァイオリンパートが遊びまわるような曲調。そのテーマを変奏で展開していきます。変奏のアイデアの豊富さはこの時代の曲にも見られ、各パートが自在に絡みながら進んでいきます。メロディーの彫り込みが深いのでシンプルな曲ながら飽きさせません。
そしていつもながら充実した筆致のフィナーレ。曲の終わりを華やかに締める短いフィナーレですが、実に楽しげな演奏がまさにディヴェルティメントらしい雰囲気を残します。素晴らしい演奏でした。

そのあとのルイス・ヒアネオの不思議な響きの曲がまたハイドンの曲の華やかな余韻をさっと拭い去って雰囲気を一変させます。選曲のセンスのキレはここでも感じられます。そして最後はシューベルトの有名な楽興の時。どの曲も実にいい演奏で、クァルテット好きな方の厳しい耳も十分楽しませる素晴らしい構成です。

フランチスカス四重奏団の企画ものでしたが、前出のアルバムの演奏とはかなり異なる実にくだけた楽しい演奏で、ハイドンの曲の面白さをきちんと踏まえた演奏。しかも非常に珍しい曲目を見事にこなす秀演。ハイドン以外の曲も全て素晴らしい出来なので、アルバムを通じて楽しめる構成です。これはオススメ。ハイドンの評価は[+++++]とします。

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tag : 弦楽四重奏曲Op.2

スミソン弦楽四重奏団のOp.9、Op.17(ハイドン)

1501記事目は先日コダーイ四重奏団のOp.9を激賞した記事を書いた際に、いつも含蓄に富みまくったコメントをいただくSkunJPさんからその存在を教えていただき入手したアルバム。ようやく手に入りました!

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amazon

スミソン弦楽四重奏団(Smithson String Quartet)の演奏による、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.9のNo.4、Op.17のNo.3とNo.5の3曲を収めたアルバム。収録は1986年10月23日から25日にかけて、米国ワシントンD.C.のスミソニアン美術館レンリック・ギャラリー(Renwick Gallery of the Smithsonian American Art Museum)のグランド・サロンでのセッション録音。レーベルは優秀録音の多いDORIAN。

このアルバム、冒頭に書いたようにSkunJPさんから教えていただいたもの。このアルバムと同時に頼んで先についたOp.77とOp.103があまりに見事な出来だったので、そちらを先に記事にしてしまったもの。それも合わせて、このアルバムが3枚目のレビューとなります。

2017/06/13 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : スミソン弦楽四重奏団のOp.77/103(ハイドン)
2011/06/10 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : スミソン弦楽四重奏団のOp.54

スミソン弦楽四重奏団については、リンク先をご覧ください。録音年代はOp.54が1985年、Op.77が1988年、今日取り上げるアルバムが1986年ということで、集中した時期に録音されていることがわかります。したがって、このアルバムも前出2盤と同じメンバーでの録音ということになります。

第1ヴァイオリン:ヤープ・シュレーダー(Jaap Schröder)
第2ヴァイオリン:マリリン・マクドナルド(Marilyn McDnald)
ヴィオラ:ジャドソン・グリッフィン(Judson Griffin)
チェロ:ケネス・スロウィック(Kenneth Slowik)

まだ、Op.77とOp.103の名演の余韻が耳に残る中、早速聴きはじめます。

Hob.III:22 String Quartet Op.9 No.4 [d] (c.1769-70)
Op.20の前の目立たない存在の曲ですが、作曲年代は名作が並ぶシュトルム・ウント・ドラング期。しかも短調のグッと沈む曲想が見事な曲。前盤同様古楽器の木質系の響きの美しさは見事なもの。前盤がヴァイオリンのヤープ・シュレーダーがとりわけ目立っていたのに対し、この演奏では4人のバランスの良いアンサンブルで聴かせる演奏。しかもその一体感は絶妙なるレベルでこの曲の魅力をゆったりと描いていきます。たっぷりを墨を含んだ鮮やかな筆の運びでメロディーが活き活きと躍動するところは流石スミソンと唸ります。この時期はこのクァルテットにとっても絶頂期だったのでしょう。神がかったような妙技に冒頭から惹きつけられます。
続くメヌエットもしなやかなアンサンブルが仄暗い舞曲の魅力を存分に炙り出していきます。徐々にヤープ・シュレーダーの美音の存在感が増してきて、演奏の隈取りがキリリと明らかになってきます。素晴らしいのが中間部の音色を少しざらつかせた表現。艶やかな音色との対比で音楽の深みを増しています。このあたりの音楽の造りは絶妙。
そしてラルゴに入ると晴れやかな音楽の魅力が全開。糸を引くようにシュレーダーのヴァイオリンのメロディーが伸び伸びと躍動します。そしてすっと翳ったかと思うと、再び伸びやかに展開する妙技の連続。この曲の面白さを再認識させられます。他のパートもも音量を絶妙にコントロールしてヴァイオリンパートを引き立てます。終盤カデンツァのようなヴァイオリンのソロが印象的。
フィナーレはフーガのような展開からハイドンならではの複雑に絡み合う音楽。全パートのボウイングが冴えまくってここぞクライマックスという緊張感に包まれます。これほど緊密なこの曲のフィナーレは聴いたことがありません。予想通りとはいえ見事すぎる演奏にいきなりノックアウト。

Hob.III:27 String Quartet Op.17 No.3 [E flat] (1771)
いつもながらハイドンのアイデアというかメロディーの展開の見事さに驚きます。冒頭からメロディーラインの面白さに釘付け。特にクァルテットというジャンルはメロディーと各パートの絡み合う展開の面白さを純粋に味わえるため、この曲でも冒頭から全神経が曲の展開の面白さに集中します。もちろんスミソンの演奏は絶妙を通り越して神々しささえ漂うレベルなのは前曲同様。Op.17ももちろんシュトルム・ウント・ドラング期の作品。こうして聴くとOp.20と比較しても決して劣らない素晴らしい作品であることがわかります。この曲ではメンバーも演奏を存分に楽しんでいる様子が伝わります。それこそが音楽。溢れんばかりの楽しさに包まれます。
驚くのがメヌエットのメロディーの奇抜さ。奏者もハイドンのアイデアの冴えの素晴らしさを解して、微笑みながら演奏しているよう。創意に満ち溢れる音楽。これぞハイドンの音楽の真髄でしょう。
そしてアダージョのなんたる癒し。大海原にプカプカと浮かびなながらのんびりとする心境になったかと思うと切々と切り込んでくるヴァイオリンの美しいメロディーにうっとり。しかも間近で聴くライヴのような素晴らしい録音によってグイグイとこちらの心に浸透してきます。ヴァイオリン以外のパートも素晴らしい演奏で迫ってきます。絶品。
深い感動の淵から涼風に目覚めさせられたようなフィナーレの入り。軽やかな各パートのさえずりからはじまり、音色とダイナミクスがめくるめくように変化していく快感に浸れます。

Hob.III:29 String Quartet Op.17 No.5 [G] (1771)
Op.17の最後の曲。もうすぐそこに太陽四重奏曲があります。このアルバムに収められた3曲がどうして選ばれたかはわかりませんが、この3曲にはハイドンの音楽のエッセンスが全て含まれているような気がします。有名曲ではありませんが、ハイドンのアイデアと創意の豊富さと音楽の展開の独創性の面で突き抜けた魅力をもつ3曲のように感じます。ひばりや皇帝も素晴らしいですが、こうした曲にこそハイドンの音楽の真髄が詰まっていますね。この曲でもハイドンの斬新さに驚かせられ続けます。なんたるアイデア。なんたる展開。なんたる構成力。もう全てがキレキレ。そしてスミソンもキレキレ。ハイドンの時代の人々が聴いたら前衛音楽と聴こえたかもしれません。
この曲でも2楽章がメヌエット。ハイドンのアイデアの暴走は止まりません(笑) ユニークなメロディーを展開しながら曲としてまとめていく手腕の鮮やかさ。これぞ創意とハイドンがほくそ笑む姿が目に浮かびます。
そしてアダージョではグッと沈み、闇の深い黒色のグラデーョンの魅力で聴かせる音楽のような入り。そしてさっと光が射し、ゆったりとした音楽のほのかな輝きが、入りの闇の深さによって浮かび上がります。こうした表情の変化の面白さはスミソンの素晴らしい演奏だからこそ楽しめるもの。並みの演奏ではハイドンの音楽の真髄にはたどり着けません。
フィナーレはリズミカルな入りから意外にオーソドックスな展開に逆に驚きます。ここまでの3楽章のユニークさからするとちょっと意外でしたが、ハイドンの意図が聴くものを驚かせるような創意にあるとすれば、ユニークな曲の連続をオーソドックスなフィナーレで締めることこそハイドンの意図だったのかもしれません。最後はなんとフェードアウト! あまりに見事な展開にやられた感満点(笑) 曲の真髄に迫る素晴らしい演奏ゆえ、演奏ではなく曲自体を楽しめたということでしょう。

SkunJPさんに教えていただいたアルバムですが、やはりただのアルバムではありませんでした。このアルバムの中にハイドンの弦楽四重奏曲の真髄が全て詰まっています。Op.77とOp.103の方も曲の本質を突く素晴らしい演奏でしたが、こちらはさらに一歩、ハイドンの創意の源に迫る迫真の演奏。選曲、演奏、録音とも絶品。全ての人に聴いていただくべき名盤と断じます。もちろん評価は[+++++]といたします。

前記事でブログ開設1500記事となりましたが、実はこのアルバムのレビューとしてまとめる予定でした。ただ、聴き進むうちに、単独の記事としてまとめるべきアルバムだと思い別記事にした次第。その痕跡を前記事の写真に残したところ、すかさずSkunJPさんに気づかれてしまいました(笑) いやいや素晴らしいアルバムの情報をありがとうございました!

(追伸)
月末企画は次の記事です! 遅れてスミマセン!

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tag : 弦楽四重奏曲Op.9 弦楽四重奏曲Op.17 古楽器

ザロモン弦楽四重奏団の剃刀、ひばり(ハイドン)

旅行記にかまけておりましたが、仕入れは継続しております! 今日は最近オークションで見かけて手に入れたもの。

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ザロモン弦楽四重奏団(The Salomon String Quartet)によるハイドンの弦楽四重奏曲Op.55のNo.2、Op.64のNo.5「ひばり」の2曲を収めたLP。収録は1982年11月、ロンドン北東部のウッドフォード教区教会(Woodford Parish Church)でのセッション録音。レーベルは英EDITION DE L'OISEAU-LYRE。

ザロモン弦楽四重奏団はhyperionレーベルに1980年代から90年代にかけて弦楽四重奏をかなりの枚数録音しています。このアルバムに収録されている2曲もhyperionレーベルに録音があるのですが、これはL'OISEAU-LYREレーベルに残されたものでhyperionとは違う音源の録音です。曲は異なりますが、hyperionの録音は以前に一度取り上げています。

2011/10/29 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : ザロモン四重奏団のOp.74のNo.2、騎士

手元にhyperionレーベルのシリーズの録音は揃っているのですが、録音年代をチェックすると、一番録音が早いのが1982年の7月で、以降1995年までの間に録音されています。最初の録音のOp.71のNo.1とNo.2は、今日取り上げるLPよりも前の録音になります。この2曲もそれぞれセットとして94年と95年に再録音されています。全くの想像ですが1982年の録音当時、L'OISEAU-LYREとhyperionのそれぞれに録音したものの、セットとして体系的に録音を企画したhyperionの方に録音を継続し、L'OISEAU-LYREとの録音はスポット的に終わってしまったということなのかもしれません。L'OISEAU-LYREからはこのアルバムの他、ホグウッドと組んだザロモン版の室内楽による軍隊とロンドンの2曲のLPがリリースされているのみです。

メンバーはhyperionレーベルの録音と変わりなく、下記の通り。

第1ヴァイオリン:サイモン・スタンデイジ(Simon Standgage)
第2ヴァイオリン:ミカエラ・コンベルティ(Micaela Comberti)
ヴィオラ:トレヴァー・ジョーンズ(Trevor Jones)
チェロ:ジェニファー・ウォード・クラーク(Jennifer Ward Clarke)

ただし、同じ曲で聴き比べると、演奏はこのL'OISEAU-LYRE盤に軍配が上がります。というかこのL'OISEAU-LYRE盤の演奏は絶品なんですね。

Hob.III:61 String Quartet Op.55 No.2 "Lasiermesserquartetett" 「剃刀」 [f] (1788)
hyperionのCDの演奏も悪い演奏ではないんですが、極上のコンディションのL'OISEAU-LYRE盤の磨き抜かれた響きは比べると演奏のしなやかさが数段上。このほんの少しの違いが音楽の深みに大きく影響します。94年録音のhyperion盤が若干平板さを感じさせるのに対し、L'OISEAU-LYRE盤に針を落とすと、瑞々しさに溢れたデリケートな響きに包まれます。音楽の表情の深さと古楽器クァルテットの音色の豊かさに惹きつけられます。演奏に余裕があり、ゆったりとした1楽章の入りの美しさを完璧に表現します。そしてフレーズごとの息の長い音楽の展開が見事。LPながら録音はDIGITAL。L'OISEAU-LYREの見事な録音が演奏に華を添えます。このレベルの録音はうちのオーディオ環境ではLPでしか聞くことができないレベルです。あまりに素晴らしい演奏と録音に1楽章ですでにノックアウト。
切々とした短調の入りから転調して次々と表情を変える2楽章。サイモン・スタンデイジの自然で伸びやかなヴァイオリンがここでも余裕たっぷりな音楽を作っていきます。アンサンブルは神々しいばかりの精度で、未曾有の一体感。ハイドンならではのユニークな曲をあまりに見事に仕上げて、演奏によってはちょっとギクシャクする曲の真価を問います。注意深く聴くと実によくできた曲だと唸ります。
メヌエットは前楽章を受けてか、リズミカルな舞曲ではなく、ここでも技巧を凝らしたメロディーで聴く人を驚かせようという感じ。
フィナーレはハイドンならではのコミカルなメロディーの魅力に溢れた曲。そのコミカルさを軽さとキレ味でさらりと聴かせるセンスの良さも絶品です。

Hob.III:63 String Quartet Op.64 No.5 "Lerchenquartetett" 「ひばり」 [D] (1790)
鳥肌が立つような美しい入り。誰でも知っている冒頭のリズムが非常に滑らかに刻まれ、そしてひばりのさえずりのようなヴァイオリンが伸びやかに歌います。なんと言う美しい響き。冒頭から絶品です。アンサンブルは完璧に揃い、響きは超高鮮度。ボウイングの弓の滑りがしなやかさの限りを尽くします。これほど美しいひばりを聴くのは初めて。そして展開部も迫真の迫力。あまりに素晴らしい1楽章に仰け反ります。
そして緊張感を保ちながらの美しいアダージョ。ここでもサイモン・スタンデイジの伸びやかなヴァイオリンの魅力が圧倒的な存在感で迫ります。途中陰りを感じさせるところの枯れ方が、再び明るさを取り戻す時の対比に効いてきます。伴奏にまわるヴィオラやチェロも表現力豊かにサポート。
静かに閉じた前楽章から活気を取り戻すように踊るメヌエットに入ります。前曲とは全く異なるアプローチがビシッと決まります。やはりメヌエットの王道は躍動感ですね。
そして軽快なフィナーレ。入りからキレよく飛ばし、フーガのような展開部でも軽快さを保ち続ける見事な技。ここでもハイドンならではのユーモラスな展開を意図をしっかり汲んだ素晴らしい演奏で締めます。

いやいや、これは絶品。旅行記の前にレビューしたスミソン四重奏団のヤープ・シュレーダーといい、このアルバムのサイモン・スタンデイジといい、古楽器草創期の名ヴァイオリニストにが参加した演奏の素晴らしさを再認識した次第。古楽器でのクァルテットの演奏は増え続ける一方ですが、これらの草創期の演奏を超える演奏が増えたかと言うと、そうとも言えないのではないかと言うのが正直なところ。新進気鋭の団体の斬新な演奏もなくはありませんが、これらの演奏を超える魅力があるかと言えば、微妙なところかもしれませんね。剃刀もひばりも絶品のおすすめ盤です。評価は両曲とも[+++++]とします。

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スミソン弦楽四重奏団のOp.77/103(ハイドン)

先日取り上げたコダーイ四重奏団のOp.9の記事にSkunJPさんからコメントをいただき、スミソン弦楽四重奏団のOp.9の入ったアルバムを発注したのですが、そのアルバムはまだ到着せず、同時に注文したこちらが先に着いたので、こちらを取り上げます。もちろん、演奏が素晴らしいからに他なりません。

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スミソン弦楽四重奏団(Smithson String Quartet)の演奏による、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.77のNo.1、No.2、Op.103の3曲を収めたアルバム。収録は1988年11月17日から20日にかけて、スイスのベルン州にあるブルーメンシュタインのプロテスタント教会(Evangelischen kirche Blumenstein)でのセッション録音。レーベルはdeutsche harmonia mundi。

スミソン弦楽四重奏団のアルバムは以前、1度取り上げています。

2011/06/10 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : スミソン弦楽四重奏団のOp.54

古楽器のヴァイオリニストのヤープ・シュレーダー率いる古楽器によるクァルテット。略歴は以前の記事を参照いただきたいのですが、前記事と録音年も近いことから、メンバーは同一です。

第1ヴァイオリン:ヤープ・シュレーダー(Jaap Schröder)
第2ヴァイオリン:マリリン・マクドナルド(Marilyn McDnald)
ヴィオラ:ジャドソン・グリッフィン(Judson Griffin)
チェロ:ケネス・スロウィック(Kenneth Slowik)

Hob.III:81 String Quartet Op.77 No.1 [G] (1799)
教会での録音らしく残響は少々多めですが、木質系のしなやかな響きなのでむしろ心地良い感じ。冒頭からテンポよく勢いのある演奏。古楽器の音色の美しさはなかなかのもので、響きの魅力にまず惹きつけられます。リズムに生気が宿り、実にイキイキとした演奏。晩年のハイドンの澄み切った心境を映すような演奏という感じ。ほぼ30年前の演奏ながら、録音も演奏も全く古さを感じさせない、素晴らしい充実度。
続くアダージョでは響きの美しさを存分に聴かせます。ヤープ・シュレーダーのヴァイオリンは自然体のボウイングの美しさと、この曲が本来もつ枯れた雰囲気をも感じさせる円熟の演奏。ハーモニーは透明感高く、ソロ部分では孤高の心境が宿るよう。
落ち着いた演奏を断ち切るようにメヌエットに移ります。鋭いボウイングによってハイドンの書いた音楽のキレが強調されます。ちょっと驚くのが中間部をどっしりとまとめてきたところ。色々な演奏を聴いていますが、なかなかのアイデアですね。これによって両端のメヌエットの鮮やかさが一層引き立ちます。
そしてフィナーレは軽やかに入ったと思っていたところ、リズムを変えて次々に襲いくるメロディーの特に低音のアクセントを強調したり、複雑に絡み合うメロディーのエッジが綺麗に立って音楽の綾を実に魅力的に仕上げてきます。目眩く変化する音楽の面白さに釘付けになります。これは見事。なんと鮮やかなフィナーレでしょう!

Hob.III:82 String Quartet Op.77 No.2 [F] (1799)
前曲の鮮やかさを受け継ぐような壮麗な入り。ヤープ・シュレーダーのヴァイオリンは絶好調。鮮度高く、滑らかさと勢いのバランスも絶品。耳を澄ますとクッキリとしたメロディーと流すような音階との対比をかなり鮮明につけています。ヤープ・シュレーダーの自在なボウイングにうっとりしっぱなし。秀逸なのが、展開部の途中でかなり音量を落として沈み込むところのセンス。ゾクゾクさせるようなスリリングさ。この曲でこんな印象を持ったのは初めてのこと。シュレーダー以外のメンバーも見事な音楽性でシュレーダーの冴え冴えとした演奏を支えます。見事。
続くメヌエットでも美しいヴァイオリンの音色とキレは健在。生気漲るとはこのことでしょう。その勢いと見事な対比を見せて沈む中間部が実に印象的。音量のみならず表情の対比がこれほど決まる演奏はそうはありません。
そしてこの曲の白眉の枯れたアンダンテ。この曲に込められた寂しさを帯びた明るさがしっかりと描かれます。音楽が展開するごとに深みが増していく喜び。この曲を書いたハイドンの心情をトレースしていくような演奏に心打たれます。これは絶品、世の中にこれほどシンプルに豊かな心情を表す音楽があるでしょうか。
素晴らしい音楽の締めくくりにふさわしいフィナーレ。天真爛漫に歌う小鳥のようなメロディーを3本の楽器が支えます。フレーズの受け渡しの面白さと、ユニークなメロディに低音の意外にメリハリのついた演奏と最後まで気を抜けません。ヴァイオリンのさえずりを聞かせて、最後はしっかりと展開した音楽をまとめて終わります。この曲も最高。

Hob.III:83 String Quartet Op.103 [d] (before 1803)
ハイドン絶筆の曲。流石に力が抜けてきますが、音楽の豊かさは変わらす。ハイドン最後の音楽を微笑みながら演奏している姿が目に浮かびます。構成感をしっかりと印象づけながらも、落ち着いてゆったりと音楽を紡いでいく姿勢に打たれます。たっぷりと墨を含んだ太い筆でゆったりと筆を運ぶように音楽を作っていきます。
そして、最後のメヌエットは残った力を振り絞るような渾身の音楽。ここにきてチェロの力強さにハッとさせられます。妙に染みる中間部を挟んで、切々としたメヌエットに戻り、残った音符の数を惜しむように曲を結びます。最後の厳しい和音を書き、ハイドンが筆を置いた心境がオーバーラップします。

ふと手に入れたこのアルバムですが、このロプコヴィッツ四重奏曲3曲のベスト盤と言っていいでしょう。演奏によってはハイドン最後の音楽という深みを感じられないものもありますが、この演奏は別格の深さを持っています。古楽器での演奏ながらヤープ・シュレーダーの自在なボウイングから繰り出される音楽の表情は非常に多彩。そしてアンサンブル全体に生気が漲った超がつく名演です。このアルバムを聴いてようやくこの曲の真髄に触れた気になりました。評価はもちろん全曲[+++++]とします。弦楽四重奏曲好きな皆さん、手に入るうちにどうぞ!

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tag : 弦楽四重奏曲Op.77 弦楽四重奏曲Op.103 古楽器

コダーイ四重奏団のOp.9(ハイドン)

久々に弦楽四重奏曲を聴きたくなり、CDラックから取り出したアルバム。

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コダーイ四重奏団(Kodály Quartet)による、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.9のNo.4、No.1、No.3の3曲を収めたアルバム。収録は1992年12月8日から10日にかけて、ブダペストのユニテリアン派教会でのセッション録音。レーベルはご存知NAXOS。

手元にあるのは上の1枚ものですが、お持ちでなければ今は全集の方が手に入れやすいですね。もちろん私は全集がリリースされる前に1枚もので全巻揃えています。1枚ものの方はシンプルなデザインながら巻ごとにハイドンと同時代の関連する人物の肖像画が配されて、これもコレクション欲を満たすもの。この巻はオーストリア皇帝フランツ1世の妹であるマリーア・クレメンティーナ・ダウストリア(Maria Clementina d'Austria)の肖像。マリーア・クレメンティーナは1777年の生まれで、シチリア王フランチェスコ1世に嫁ぎましたが、フランチェスコ1世が即位する前の1801年に24歳の若さで亡くなってしまったため、王妃とはなりませんでした。

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コダーイ四重奏団の弦楽四重奏曲は好きな演奏ですが、今日はとりわけ好きなOp.9のNo.3が聴きたくてこのアルバムを久々に取り出しました。このアルバム、手に入れたのはリリース直後だと思いますので、かれこれ20年以上前になるわけで、聴いたのもそのくらい前が最後だったかもしれません。ちょっとタイムマシン的興味も出てきています。

手に入れり聴いたりしたのがかなり昔だっただけに、記憶も朧げです。コダーイ四重奏団のアルバムは過去に2度ほど取り上げていますがそれからも少し時間が経ってしまっていますね。

2013/02/23 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : コダーイ四重奏団のOp.20のNo.4からNo.6
2011/10/23 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : コダーイ四重奏団のOp.74

コダーイといえばNAXOSの看板アーティストですのでご存知の方も多いでしょうし、このハイドンの弦楽四重奏曲のシリーズは味わい深い名演奏としておすすめできるものです。演奏者の情報は上のOp.74の記事をご参照ください。

Hob.III:22 String Quartet Op.9 No.4 [d] (c.1769-70)
いきなり雫が滴るような味わい深い素晴らしい響きに包まれます。4人の奏者がそれぞれ自在に演奏しているのにアンサンブルがピタリとあってしなやか。しかも全員のボウイングが実に自然でいきなり至高の境地に至ります。1楽章から脱帽の演奏です。作曲されたのはシュトルム・ウント・ドラング期。有名な太陽四重奏曲のわずか2〜3年前ということで、この時期特有の憂いに満ちた素晴らしい音楽が聴かれます。続くメヌエットでは憂いがさっぱりと浄化されるような清らかな響きが印象的。ヴァイオリンのアッティラ・ファルヴェイのしなやかさと艶やかさを合わせもつ響きと、淡々と進むアンサンブルの織りなす美しい綾。自然な描写による風景の美しさが際立ちます。そして3楽章のアダージョになると、さらに透明感が高まります。アッティラ・ファルヴェイの奏でる磨き抜かれた響きの美しさに打ちのめされます。なんという伸びやかさ。まだ初期の曲なのにこの突き抜け方、尋常ではありません。終盤、響きが研ぎ澄まされ天上に吸い込まれるよう。そしてフィナーレは落ち着き払ったアンサンブルの規律で締めくくります。コダーイの演奏、ここまで素晴らしかったかと驚いた次第。

Hob.III:19 String Quartet Op.9 No.1 [C] (c.1769-70)
続く曲も伸びやかなヴァイオリンの音色にのっけから惹きつけられます。ヴァイオリンの音色も深みのある実にいい響き。さぞかしいい楽器を使っているのでしょう。録音も適度な実在感と残響があるバランスの良いもので弦楽四重奏としては理想的。作為が先行するような印象は皆無で、自然なアンサンブルの中から音楽が懇々と湧き出てきます。やはりアッティラ・ファルヴェイの見事なボウイングが大きな魅力でしょう。1楽章の後半、メロディーが多彩に展開して、最後にシンプルな響きに戻るところなど、ハイドンの見事な展開を最高の演奏で堪能できます。続くメヌエットは盤石の安定感、中間部の表情の変化鮮やかさを聴かせたかと思うと、今度は変化を感じさせずにさっと戻るところのさり気なさなど、鳥肌が立つような緊張感。そして、またしても伸びやかなアダージョの美しい響きに身を任せる至福を味わいます。ところどころに仕掛けられた美しい転調の瞬間。詩情が立ち上ります。最後はコミカルなメロディーと戯れるような微笑ましさを感じさせるフィナーレ。完璧に自然なアンサンブルによって音楽は楽しむものだというハイドンのメッセージが鮮明に浮かび上がります。

Hob.III:21 String Quartet Op.9 No.3 [G] (c.1769-70)
不思議にウキウキとさせられる導入が印象的な曲。先日auditeからリリースされたアマデウス四重奏団の放送録音集の冒頭に置かれた曲でもありますが、アマデウスが無骨さを感じさせるような構成感を強調した演奏だったのと好対照の流麗な躍動感が印象的な演奏。前2曲とは全く異なる語法で書かれ、展開する音楽。ハイドンのアイデアの豊富さを思い知らされます。なぜかこの1楽章は記憶に鮮明に残るメロディーですね。そしてメヌエットもこれまでの曲とは全く異なる印象。メロディーの面白さを知り尽くした自在なアクセントがこの曲の魅力を倍増させます。この自然さはクァルテットの音楽性高さの裏付けがあってのものでしょう。そして3楽章のラルゴは緊張感が張り詰めた部分とスッと力が抜ける部分の対比が見事。やはり最後は天上に至る透明感に包まれます。そしてフィナーレはパート間の軽妙な会話が次々に展開していくハイドンならではの機知に富んだもの。ヴァイオリンばかり触れてきましたが、この楽章などヴァイオリン以外のパートのキレの良い演奏があっての面白さ。特にチェロの軽やかさが印象に残りました。

このアルバムは所有盤リストを作り始めた頃に登録したもので、当初の評価は[+++]となっていました。その頃は聴き手である私の器がこのアルバムの素晴らしさを聴き分けるに至っていなかったというのが正直なところ。次々とリリースされるこのシリーズを手に入れる度に登録していましたが、ちょっと作業化していましたね。今回改めて聴き直してみて、この演奏の真価に触れたという気になりました。特にこの3曲は絶品の出来。全集として手に入れた方も今一度この3曲を聴きなおしてみてください。きっと宝物に出会ったような驚きを感じられるものと思います。ということで評価は[+++++]に付け直しました。

このシリーズ、聴き直してみなければなりませんね。

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tag : 弦楽四重奏曲Op.9

プラハ四重奏団の「皇帝」、「セレナード」(ハイドン)

まだまだ真価を知らなかった演奏はいろいろあるものですね。今日は弦楽四重奏の名演奏を。

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プラハ四重奏団(Prager Quartett)の演奏で、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.3「皇帝」、伝ハイドン作の「セレナード」の2曲を収めたLP。収録は1972年5月、プラハでとのみ記載されています。レーベルは日本のキングレコードによるeurodiscの国内盤。

プラハ四重奏団は1956年、プラハ交響楽団の首席奏者であったブレティスラフ・ノヴォトニーを中心に結成されたクァルテット。結成当初はプラハシティ四重奏団と呼ばれており、プラハ四重奏団と名乗るようになったのは1965年からとのこと。結成直後の1958年にはベルギーのリエージュで開催された国際コンクールで優勝し、国際的に注目されるようになり、活躍の場は世界に広がりました。メンバーは、結成後1957年、1968年にノヴォトニー以外のメンバーが入れ替わって、このアルバム演奏時の下記のメンバーとなりました。

第1ヴァイオリン:ブレティスラフ・ノヴォトニー(Bretislav Novotny)
第2ヴァイオリン:カレル・ブジビル(Karel Pribyl)
ヴィオラ:リュボミール・マリー(Lubomir Mary)
チェロ:ヤン・シルツ(Jan Sirc)

日本にも1965年をはじめに度々来日しており、日本で録音したアルバムも多数リリースされているということで、年配の方にはおなじみのクァルテットかもしれませんね。レパートリーはモーツァルト、ハイドン、ベートーヴェンなどの古典から現代ものまで幅広く、ハイドンについてはこのアルバムの他にもOp.20のNo.5、Op.54のNo.2があるそうです。

ちなみにこのアルバムは最近オークションで手に入れたもの。eurodiscの国内盤ですが、ミントコンディションの盤面に針を落とすと、いきなり鮮烈、華やかな演奏に引き込まれました!

Hob.III:77 String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
鮮烈に響く4本の弦楽器。緊密かつ華やかにリズムを刻み、音楽がイキイキと弾みます。演奏によってここまで躍動するのかと関心しきり。そして交錯するメロディーの美しさが浮かび上がります。緊密なハイドンも鋭いハイドンもいいものですが、やはり明るく華やかに弾むハイドンの楽しさに勝るものはないとの確信に満ちた演奏。陽光のもとに輝く骨格が圧倒的な美しさで迫ります。1楽章は別格の出来。
そして有名な2楽章はヴィブラートがしっかりかかった弦のハーモニーがしっとりと沁みる演奏。訥々と変奏を重ねて行く毎に枯淡の境地に至り、色数をだんだん減らし淡色の景色に変わります。最後はモノクロームの透徹した美しさに。よく見るとモノクロなのに色が見えるような豊かさも感じさせるアーティスティックな世界。絶品。
メヌエットでは、躍動感はそこそこながらしなやかに流れるメロディーを丁寧になぞりながら曲そのものの美しさをしっかりと印象付け、フィナーレでは精緻すぎることなく手作り感を程よく残しての迫力でまとめます。適度な音程のふらつきも手作り感に繋がっているんですね。クァルテットの勘所を押さえた実に見事な演奏でした。

String Quartet Op.3 No.5 "Serenadequartett" [F] (Doubtful 疑作 Composed by Roman Hoffstetter)
1楽章の弾むような華やかさは皇帝と同じですが、こちらの方は曲の作りも手伝って、より気楽さを感じさせる演奏。演奏する方も楽しんで演奏しており、奏者もリラックスしているように聴こえます。ハイドンの作ではないことがわかっていますが、長年ハイドンの曲として演奏されてきた伝統もあり、実にこなれた演奏。この力の抜け具合がこのクァルテットの実力を物語っています。
ピチカートに乗ったセレナードも同様、リラックスして実に楽しげ。このさりげない美しさこそハイドンの本質でもあります。簡単そうに見えて、この境地に至るには並みの力では及びません。やはりこの曲は名曲ですね。
メヌエットも見事に力が抜けて軽やか。そして終楽章のスケルツァンドも同様。曲自体に込められたウィットを見抜いて全編を貫く軽やかさで包んできました。この辺りも手慣れた感じながら、曲の本質を突く見事なアプローチです。

プラハ四重奏団による皇帝とセレナード。名演奏揃いのこの曲の中でも指折りの名演奏と言っていいでしょう。やはりハイドンの演奏にはこの明るさ、軽やかさが似合います。鬼気迫る精緻なハイドンもいいものですが、このような演奏を聴くと、ハイドンはこう演奏するのが粋なのだとでも言いたげな余裕を感じます。おそらくCD化はされていないものと思いますので、このLPが彼らのハイドンの貴重な証ということでしょう。評価はもちろん両曲とも[+++++]とします。



最近手元には幸松肇さんの「世界の弦楽四重奏団とそのレコード」というシリーズものの書籍があり、それを参照するとクァルテットの情報はかなりわかりますので調べるのに苦労することは少なくなりました。こちらは第3巻の東欧諸国編です。



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tag : 皇帝 ハイドンのセレナード 弦楽四重奏曲Op.76 LP

モードゥス四重奏団の五度、皇帝、ラルゴ(ハイドン)

今日は変わり種です。

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モードゥス四重奏団(Quartetto Modus)によるハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.2「五度」、No.3「皇帝」、No.5「ラルゴ」の3曲を収めたアルバム。ただし通常の編成ではなく、第1ヴァイオリンをフルートに変えたもの。収録はイタリア、トスカーナ州のピサ近郊にある温泉街のサン・ジュリアーノ・テルメ(San Giuliano Terme)にあるヴィラ・ディ・コルリアーノ(Villa di Corliano)でのセッション録音。レーベルは伊stradivalius。

ハイドンが弦楽四重奏曲の父と呼ばれ、存命中にヨーロッパで絶大な人気を博していたのは皆さんご存知の通り。そしてハイドンの時代、アマチュア音楽家にとって最も人気のある楽器はフルートであったことから、ハイドンの最も有名な弦楽四重奏曲をフルート四重奏曲に編曲するニーズがあったものと思われます。この辺りの経緯は以前取り上げた別のフルート四重奏曲のアルバムの記事に詳しく記載しておりますので、ご参照ください。

2011/04/09 : ハイドン–室内楽曲 : フルート四重奏による太陽四重奏曲

今日取り上げるフルート四重奏曲への編曲は、こうした世相を踏まえて弦楽四重奏曲からフルートと弦楽のための四重奏に編曲されたものと思われ、ハイドン自身によるものかはわかりませんが1800年頃にドイツのジムロック社から出版されたものとのこと。ハイドンの弦楽四重奏曲の頂点たるこれらの曲の、当時人気の編成への編曲版の楽譜が出版されるのは時代の流れでしょう。ただし、ハイドンの楽曲は楽器の音色を踏まえて書かれており、楽器が変わると表情もかなり異なります。果たして第1ヴァイオリンをフルートに持ち替えたことが吉と出ますでしょうか。

モードゥス四重奏団についてはライナー・ノーツなどにも何も記述がなく、また、Webを探してもこれといった情報が出てきません。この録音のために結成されたクァルテットということでしょうか。メンバーは2枚とも共通で下記の通り。

フルート:ロベルト・パッパレッテーレ(Roberto Pappalettere)
第2ヴァイオリン:クラウディオ・マッフェイ(Claudio Maffei)
ヴィオラ:ファブリツィオ・メルリーニ(Fabrizio Merlini)
チェロ:カルロ・ベンヴェヌーティ(Carlo Benvenuti)

このアルバムの他に、同じ奏者による2015年録音のOp.76の残り3曲を収めたアルバムもリリースされていますが、聴き比べてみると今日取り上げるアルバムの方が演奏の流れが自然なため、こちらを取り上げた次第。

Hob.III:76 String Quartet Op.76 No.2 "Quintenquartetett" 「五度」 [d] (1797)
聴き慣れた五度のメロディー。フルートの響きによってメロディーが華やかに浮かび上がります。パッパレッテーレのフルートはタンギングのキレ味良く、メロディーが爽やかに響きます。弦楽四重奏では鬼気迫るような1楽章も、メロディーがフルートに変わっただけで印象がガラリと変わります。音楽自体も少し軽く響くように感じます。また弦楽四重奏ではパート間の緊密な連携に耳が向きますが、フルートではメロディーが頭一つ抜き出ているので、メロディー自体の印象が非常に強くなります。アマチュア演奏家にとっては、有名なハイドンのメロディーでアンサンブルを楽しめるということで、これはこれでアリでしょう。現代におけるカラオケのような楽しみ方ができるような気がします。そうした気楽さで聴くとなかなか面白いものです。演奏も変にアーティスティックなところはなく、純粋に演奏を楽しむよう。また録音もフルートが心地よく聴こえるよう残響が多めで、音量もフルートが一番目立ち、弦は逆に残響の所為で穏やかに響きます。これはこの曲の位置づけを良く考えての録音なんでしょう。
2楽章は屈託無く明るいメロディーがフルートによって響きわたり、爽やかそのもの。テンポもほぼ揺らさず淡々と演奏して行きますが、それがなんとも心地良い。普通は曲に挑むところですが、そういった邪心は皆無。メヌエットでもハイドンのメロディーを楽しむようなサラサラストレートな演奏。
気楽に聴いてきたんですが、フィナーレに入ると速めのテンポでグイグイくるではありませんか。曲自体も緊密な構成ゆえのこととは思いますが、やはりここは聴きどころとばかりにアンサンブルが引き締まります。ハイドンのフィナーレはやはり聴き応え十分。

Hob.III:77 String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
続いて皇帝。前曲よりフルートに対して弦の音量がわずかに増したような気がします。バランスはこちらの方がいいですね。やはり響きはかなり華やかになりますが、、、五度では原曲のメロディーを楽しむ程度に聴こえていたものが、この皇帝では弦とのバランスが取れたことで、なんとなくより本格的なアンサンブルの面白さも感じられるようになってきました。1楽章は五度のフィナーレ同様緊密さで聴かせる見事な演奏。そして皇帝讃歌のメロディーの変奏となる2楽章は、通常は定位で聴き分けるしかない第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンがはっきりと聴き分けられ、ハイドンがこの曲に仕込んだ変奏の面白さが際立ちます。これは非常に面白い。続くメヌエットもメリハリがキリリとついて奏者も楽しそう。特にフルートのタンギングの鋭さが増して、実にリズムのキレが良い。弦楽器の擦るという行為で表現できる鋭さとは異なりますね。またフルートの響もぐっと深くなり音色の魅力も増してきました。そしてフィナーレの緊密なアンサンブルは期待通り。ここでもフルートのヴァイオリンの掛け合いの面白さが際立ちます。

Hob.III:79 String Quartet Op.76 No.5 [D] (1797)
最後はラルゴ。一貫して華やかさ、爽やかさを保っていますが、ここにきてふくよかさも加わります。皇帝同様アンサンブルもバランス良く、ここまでくると元の弦楽四重奏曲のイメージが邪魔せず、純粋にフルート四重奏の響きを楽しめるように耳も慣れてきました。これまで触れてこなかった、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのバランスですが、前曲までは掛け合いを目立たせることなく、フルートとの対比の面白さを際立たせるために過度な表現を抑えているように聴こえましたが、このラルゴに入ると、それぞれ燻し銀ともいうべき味わいの深さを感じさせるようになります。
ラルゴの聴きどころである2楽章は、ぐっとテンポを落としてこれまでで一番抑揚をつけてしっとりと描きます。徐々に響きが深く沈みフルートの低音とヴィオラやチェロの響きが重なってえも言われぬ雰囲気に。そこにふっと高音のヴァイオリンが入るところは、これまでと異なる対比が顔を出し、ハッとさせられます。そしてメヌエットの大胆な音形、中間部ではチェロが初めて踏み込んだボウイングを聴かせるなど徐々に各奏者もちらりと腕を見せます。最後のフィナーレは弦楽器以上の爽快感を伴いながらの疾走。あえてフルート四重奏曲として演奏しているだけに、最後はフルートの音階の鮮やかさを印象づけて終わります。

モードゥス四重奏団のフルート四重奏による五度、皇帝、ラルゴのハイドン名曲3点セット。最初に聴いた時には弦楽四重奏との音色の違いの印象が強く、フルートの華やかな響きによってちょっと深みに欠けるという印象が強かったんですが、五度ではその華やかな気楽さこそがこうした編曲ものの演奏にはふさわしいと思うようになり、聴き進めていくと、だんだんこの編成の面白さと深みを感じられるようにこちらの耳も変化してきました。この面白さは弦楽四重奏を聴き込んだベテランの方にはわかっていただけるでしょう。評価は五度[++++]、皇帝とラルゴは[+++++]とします。

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tag : 弦楽四重奏曲Op.76 五度 皇帝 ラルゴ

ベレヌス四重奏団の「五度」(ハイドン)

本日は美女揃いのクァルテット。

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ベレヌス四重奏団(Belenus Quartett)の演奏による、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.2「五度」、バルトークの弦楽四重奏曲4番の2曲を収めたアルバム。収録は2012年7月10日から12日にかけて、スイスのチューリッヒ芸術大学室内楽ホール(Kammermusiksaal der Zürcher Hochschule der Künste)でのセッション録音。レーベルは独ACOUSENCE CLASSICS。

いきなり目を引く4人の女性奏者。皆楽器を手に持ち、暗闇を背景にこちらを凝視する「目力」を感じるジャケット。久々に妖気が漂うジャケットです。そう、かつてこのブログで多くの読者の心を奪った、ヴィヴェンテ三重奏団のアルバムに出会った時と同様の気配を感じます。そしてレーベルのACOUSENCE CLASSICSもはじめて手に入れるレーベルということで、ジャケットをパラパラとめくって見ると中には表紙とは異なり、リラックスして微笑む4人の写真が2枚掲載されており、多少安心させます(笑)。また、ライナーノーツの末尾には、今回の録音にあたってのマイクセッティング図と使用したマイク、マイクアンプ、コンバーター、調整卓がリストアップされ、音質にこだわったアルバムであることがわかります。ACOUSENCEというレーベル名もそれらしいもの。

ベレヌス四重奏団は2004年、スイスのバーゼルで設立され、2010年にチューリッヒ芸術大学の学生により新たな体制になったもの。モザイク四重奏団やアマティ四重奏団について学び、その後カルミナ四重奏団のステファン・ゲルナー、アルバン・ベルク四重奏団のイザベル・カリシウス、ラサール四重奏団のヴァルター・レヴィン、クス四重奏団のオリヴァー・ヴィレら豪華な講師陣に師事しているとのこと。2011年にはスイス・オルフェウス室内楽コンクールで優勝、その後も様々なコンクールに入賞しており、それらの実績によりこのアルバムがデビュー盤として録音されたものと思われます。メンバーは下記の通り。

第1ヴァイオリン:セライナ・プフェニンガー(Seraina Pfenninger)
第2ヴァイオリン:アンネ・バテガイ(Anne Battegay)
ヴィオラ:エスター・フリッチェ(Esther Fritzche)
チェロ:ゼラフィナ・ルーファー(Seraphina Rufer)

Belenus Quartett

なお、彼らのサイトを見て見ると、現在はチェロが男性に代わっているようですね。

さて、この妖気漂うアルバム、演奏は如何に。

Hob.III:76 String Quartet Op.76 No.2 "Quintenquartetett" 「五度」 [d] (1797)
流石に録音にこだわっているレーベルだけに、いきなりクァルテットの気迫みなぎる響きに圧倒されます。残響は比較的多めで木質系の小ホールで聴いているようなプレゼンス。肝心の演奏は推進力もあり、ダイナミックさとしなやかさを併せ持つナカナカのもの。一音一音のデュナーミクをかなりつけて五度の名旋律が驚くほど豊かに響きます。言われなければ女性だけのクァルテットとはわかりませんが、これが女性ならではのデリカシーかもしれません。第1ヴァイオリンのセライナ・プフェニンガーは少し細身ながらかなり流麗な弓さばきでメロディーをしなやかに歌い上げます。アンサンブルは精緻というよりはいい意味で勢いがあり音楽がよく弾みます。よく聴くとチェロの迫力はかなりのもの。これがこのクァルテットの響きの特徴になっているようですね。1楽章から覇気あふれる演奏に引き込まれます。
2楽章はピチカートの伴奏にヴァイオリンのメロディーでの入りで、静寂の中に弦楽器の音色が響きわたる入り。録音の良さが一層引き立ちます。セライナ・プフェニンガーのボウイングも自在さを増して、ハイドンの名旋律をリラックスしながら楽しげに演奏していきます。デビュー盤とは思えない成熟した音楽に唸ります。
続くメヌエットはこの曲を引き締める鋭いアクセント。それを踏まえて、しなやかにたたみかけ、弦楽器による迫力と響きの美しさの絶妙なバランスを保った演奏。強音の迫力とさざめくような弱音のコントラストも絶品。そして迫力だけでなくどこかに華やかさを感じさせるのが流石なところ。
そしてさらりとフィナーレに入りますが、キレ味の良さを随所に感じさせながら、ハイドンの複雑に絡み合う音楽を織り上げていきます。力みはなく、風通しの良さを保ちながらの演奏。やはり録音が弦楽器の響きの良さを引き立て、聴きごたえ十分。最後はたたみかけるようにエネルギーを集中させて終わります。

いやいや素晴らしい演奏ということでまとめに入ろうとしたところ、続くバルトークの4番の鋭利な響きに、ハイドンを聴き終えた幸福感が木っ端微塵に打ち砕かれます(笑) 聞き手にも極度の緊張を求めるアーティスティックな曲の開始に背筋ピーン(笑) 私が語れる立場ではありませんが、このバルトークも並の演奏ではありません。赤熱した鋼のごときエネルギーの塊のような音楽。このバルトークを聴いた上で、このアルバムのジャケット写真を見返してみると、「女だと思ってなめてかかるんじゃないわよ」とでもいいたげに見えます。やはりジャケットから感じた妖気は本物でした!

さて、女性4人によるベレヌス四重奏団の「五度」ですが、これはかなりのレベルの名演奏とみなして良いでしょう。クァルテットとしての完成度も素晴らしいものがあり、これがデビュー盤という気負いは全くなく、すでに円熟の境地に到達しています。選曲、演奏、録音、ジャケットを含めたプロダクションとも非常に高いレベルで言うことありません。評価は文句なしに[+++++]を進呈いたします。手に入るうちにどうぞ!

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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : 五度 弦楽四重奏曲Op.76

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Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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