H. R. A. Award 2016

さて、大晦日ということでいよいよ当ブログの今年一年の総決算である今年のベストアルバムの選定です。これでもこの企画も今年で5年目を迎え、継続のみが力となってハイドン愛好家という超ニッチな皆さんには一定の影響力がある、、、ことになっています(笑)

当アワードに選定されても、賞金も賞品も賞状も発行せず、完全に個人の勝手表彰であり、選ばれたアルバムの奏者の方にも、レーベルにも音楽事務所の方にも何のメリットもありません。が、ハイドンの音楽を愛し、仕事に追われる中ハイドンの音楽ばかり聴き、10000近いハイドンの演奏を記録したディスコグラフィーを公開し、おそらく日本で最も多くハイドンの演奏のレビューをしている私が、2016年に聴いた演奏で最も心を打たれた演奏であるということの名誉は提供できると思います。

基本的には毎月選ぶベスト盤(Haydn Disk of the Month)の中から、各ジャンルのベスト盤を選ぶという流れになっています。ということで今年のベスト盤を部門別に選んでいきましょう。



【交響曲部門】

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2016/10/02 : ハイドン–交響曲 : 【新着】佐渡裕/トーンキュンストラー管の朝、昼、晩(ハイドン)

交響曲のアルバムは色々レビューしたと思って調べてみたところ、それでも20枚ほど。しかも今年はLPのレビューが多く、必然的に古い演奏が多かったですね。もちろん新譜もオッターヴィオ・ダントーネ、ジョヴァンニ・アントニーニ、ハリー・クリストファーズなどの古楽器の鮮烈な演奏が次々とリリースされ、そして日本でも飯森範親と日本センチュリー響による全集を志すシリーズなどもリリースされ、いずれも素晴らしい演奏でしたが、私が一番心を打たれたのは佐渡裕とウィーン・トーンキュンストラー管による、朝、昼、晩のアルバム。ハイドンの初期の交響曲の魅力が現代楽器で見事に表現されています。キビキビとしてキレ味鋭く、響は非常に豊か。佐渡裕がこれほど見事にハイドンを料理してくるとは思っていなかっただけに、非常にインパクトがありました。ムジークフェラインでのライヴで録音も極上。これはすべての人にオススメなアルバムです。ちなみに飯森盤も素晴らしい演奏でしたが、録音が音楽ファン向けというよりEXTONにありがちなオーディオマニア向けであまり好みではありませんでした。次点は9月選定のギュンター・ヴィッヒのパリセット後半3曲です。


【管弦楽・協奏曲部門】

今年は、Haydn Disk of the Monthで協奏曲のアルバムを選定していせん。新譜にも抜きんでたアルバムもなく、該当なしとします。あえて次点を挙げるとすれば、12月に取り上げたクレメンス・ハーゲンと1B1室内管のチェロ協奏曲でしょう。


【弦楽四重奏部門】

私の好みが室内楽の方に集中していたせいか、室内楽のアルバムは弦楽四重奏曲が20枚、室内楽が13枚、ピアノソナタが10枚とかなりの数を取り上げています。昨年はボビー・ミッチェルのピアノソナタ1点に絞りましたが、今年は室内楽部門を量に応じて弦楽四重奏部門とその他の室内楽部門に分割いたします。ということで弦楽四重奏はこちら。

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2016/11/23 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : 【新着】キアロスクーロ四重奏団のOp.20(ハイドン)

弦楽四重奏は交響曲と並んでハイドンが確立した分野ということで、素晴らしい曲ばかりであり、素晴らしい演奏も目白押しでしたが、今年のトドメはやはりこのアルバムでしょう。アリーナ・イブラギモヴァ率いるキアロスクーロ四重奏団による太陽四重奏曲集。
これまでに様々な奏者が名演奏を聴かせてきましたが、これまでの演奏とは全く異なるアプローチ。同じハイドンの楽譜から生み出される音楽が、これほどまでにフレッシュに聴こえるとは思いませんでした。ハイドンの名曲を超個性的な表現でまとめた、創造力と刺激に満ちた素晴らしい演奏と言っていいでしょう。これは必聴です。 次点はモラヴィア四重奏団の「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」といたします。


【室内楽部門】

弦楽四重奏曲を除く室内楽やピアノソナタから選んだアルバムはこちら。このアルバムを外すわけには参りません。

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2016/01/21 : ハイドン–室内楽曲 : ヴィヴェンテ三重奏団のピアノ三重奏曲集(ハイドン)

今年の1月に取り上げた当盤、当ブログ始まって以来の評判となった衝撃のアルバムです。上の記事のコメントを読んでいただければわかる通り、元の記事を上回る量のコメントでこの演奏の凄さがさらにくっきりと浮かび上がります。私のみならず、ハイドンに造詣の深い読者諸氏の心も鷲掴みにした驚愕のアルバムです。もともと湖国JHさんから送っていただいたアルバムですが、CDプレイヤーにかけて最初の一音が鳴った時の衝撃は忘れられません。よくコメントをいただくSkunJPさんが岡本太郎が「何だ…これは!」と驚く姿をイメージしたほどの驚き。ピアノのユッタ・エルンストの恐ろしいまでのキレ方、そして火花散る見事なアンサンブルと、ハイドンのピアノトリオの演奏史上稀に見る素晴らしい演奏です。このアルバムを巡ってのブログでの盛り上がりを読者のだまてらさんがユッタ・エルンストにメールしてしまったほど! その後ブログにはドイツからのアクセスが増加しました(笑) このアルバム、まだ手に入りますので未聴の方は是非! 湖国JHさん、その節はありがとうございました!
次点には美貌のピアニスト、エイナフ・ヤルデンのピアノソナタ集、そしてデニス・コジュヒンのピアノソナタ集を挙げておきましょう。


【声楽部門】

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2016/04/03 : ハイドン–オラトリオ : コリン・デイヴィス/BBC響の「四季」旧録音(ハイドン)

最後は声楽曲部門です。今年はHaydn Disk of the Monthで選んだ声楽曲はこの1点のみ。コリン・デイヴィスといえば、コンセルトヘボウ管を振ったハイドンの交響曲集は名盤であり、またミサ曲などの素晴らしい録音もありハイドンを得意としてきた指揮者です。晩年にロンドン交響楽団の自主制作レーベルであるLSO Liveから交響曲集と天地創造、四季などをリリースしています。こうしたデイヴィスの多くのハイドンの録音の中でも、このアルバムをご存知な方は少ないでしょう。オケはBBC響、録音は1968年とかなり前のもの。しかし、この録音は多くのデイヴィスのハイドンの録音の中で、ベストなものだと断じます。冒頭からみなぎる覇気、晩年のロンドン交響楽団との四季のSACDよりも鮮明な録音で収録された未曾有の名演盤です。こちらも未聴の方は是非!
次点はカスタリアン・バンドのスコットランド歌曲集とします。


さてさて、ただいま大晦日の23:00少し前。ドタバタしているうちに、今年もあと1時間少々となりました。
今年も多くの方のお世話になり、細々とですがブログを書き続けることができました。振り返って見ると、2009年の12月から書き始めた当ブログもまる7年経過し、記事の方ももうすぐ1500記事に到達できそうです。これも日頃からいただくコメントなど、皆さんの励ましがあってのこと。あらためて皆さんのご支援に感謝申し上げます。これからも2032年のハイドンの次なるアニヴァーサリー目指して書き続けようと思いますので、変わらぬツッコミよろしくお願いいたします。

来年も皆様にとって良い一年でありますよう、お祈りしております!


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H. R. A. Award 2015

今年で4年目を迎えたこの企画。2015年にレビューしたアルバムの中から最も心に残ったアルバムを選びます。基本的には毎月選ぶベスト盤(Haydn Disk of the Month)の中から、各ジャンルのベスト盤を選ぶという流れになっています。

まあ、一人のハイドン愛好家がその年に聴いたアルバムからベスト盤を選ぶということで、大した意味はありませんが、それでもハイドンばかりを取り上げる激ニッチなブログ上のイベントで、失礼ながら読者もニッチ層(笑)。世界にオタク文化を発信し、「コミケ」なるイベントで世界から人が集まるという今の日本で、こうしたマイナーな取り組みこそ、明日の文化を創るという心意気だけで強引にいきたいと思います!



慣例となった部門別表彰です!

【交響曲部門】

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2015/05/09 : ハイドン–交響曲 : 絶品、ニコラス・マギーガンの交響曲集第2弾(ハイドン)

交響曲では全集をリリース途上のトーマス・ファイが大怪我で残りのリリースが危ぶまれる状況のなか、ジョヴァンニ・アントニーニ率いるイル・ジャルディーノ・アルモニコが全集に着手したり、ロビン・ティチアーティ/スコットランド室内管の爽快な演奏、ノリントンのパリセットなど新録音にも魅力的なものが多くリリースされた他、古い録音にもいろいろいいものを再発見したのは皆様ご存知のとおり。その中で一際素晴らしかったのが、このマギーガンのアルバム。中期の地味な3曲を実に表情豊かに聴かせる素晴らしい演奏。ロンドンセットやパリセット、告別や受難などの有名曲ばかりではなく、こうした地味な曲にこそハイドンの面白さが詰まっているわけで、このアルバムはまさにそうした曲の入門盤としても好適。未聴の方は是非!

【管弦楽・協奏曲部門】

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2015/06/20 : ハイドン–協奏曲 : マリア・クリーゲルのチェロ協奏曲集(ハイドン)

ロレンツォ・ギエルミ盤と最後まで迷ったのですが、やはり今年はこのマリア・クリーゲル盤でしょう。記事にも書きましたが、これまで聴いたNAXOSのハイドンの演奏では間違いなくベスト。名盤目白押しのチェロ協奏曲の中でも、これだけ味わい深いチェロを聴かせるアルバムはそうありません。伴奏のヘルムート・ミュラー=ブリュール率いるケルン室内管も盤石のサポート。クリーゲルにあわせてか、いつもよりしなやかな響きで支えます。チェロ協奏曲ではエアリング・ブロンダル・ベンクトソン盤とともに私の愛聴盤になっています。

【室内楽部門】

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2015/08/25 : ハイドン–ピアノソナタ : ボビー・ミッチェルによるソナタ集(ハイドン)

こちらも迷いました。今年は弦楽四重奏、ピアノ三重奏ともに素晴らしいアルバムが目白押し。特にトリオ・フランツ・ヨゼフとトリオ・ホーボーケンとハイドンに由来する名前のトリオの素晴らしさは印象に残りました。そしてクァルテットではフーゴ・ヴォルフにダイダロス、古いところではクイケン兄弟によるフルートトリオなども鳥肌が立つほど素晴らしいもの。これらを差し置いてこのボビー・ミッチェル盤を選んだのは、若い才能に期待して。ハイドンのソナタの演奏に格別の才能を発揮する若手フォルテピアノ奏者として、今後もハイドンのレパートリーを広げ、新たな録音を期待したいところです。Haydn Disk of the Monthには選定していませんが、アレッシオ・アレグリーニのホルン三重奏曲も素晴らしい演奏でした。

【声楽部門】

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2015/10/23 : ハイドン–オラトリオ : 【新着】フィリップ・ヘレヴェッヘ/シャンゼリゼ管の天地創造(ハイドン)


四季につづくヘレヴェッヘとシャンゼリゼ管による天地創造。演奏、録音、プロダクションの三拍子そろった素晴らしいアルバム。これまでのどの演奏も、なにがしらかの色が付いていたと思わせる、透明でしなやかな表情の天地創造。ニュートラルといえばいいでしょうか。力づくの演奏も多いなか、淡々とこの名曲を進めていくうちに曲の魅力に飲み込まれているのに気づくような演奏。歌手も粒ぞろい、そしてオケ、コーラスも素晴らしい精度で、ヘレヴェッヘによるしなやかなコントロールが行き届いた演奏。天地創造の新たなスタンダード盤と言っていいでしょう。

以上4点が今年のベスト盤です。なんとなく今年の表彰盤をここまで眺めていると、私の好みが枯れてきているような気もしないでもありません。尖った演奏よりも、曲自体の良さを踏まえて、自然なスタンスで演奏していくタイプの演奏を好むようになってきたような気がします。もちろんハイドンの曲の魅力がそういった演奏でこそ生きるという面もあります。

なお、今年のベスト盤はいずれも入手しやすいものばかりです。マイナー盤ばかりにレビューが集中していたことを多少反省しております(笑)

さて、今年も読者の皆さんには大変お世話になりました。皆さんのアクセス、コメント、拍手、メールなどが励みになって、ずぼらな私でもなんとか記事を書き続けてこられました。あらためて深く感謝しております。

皆さんにとって来年も良い1年でありますように。そして来年もよろしくお願いいたします。

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H. R. A. Award 2014

今年で3年目のこの企画。2014年にレビューしたアルバムからその年に最も心に残ったアルバムを選びます。新たにリリースされたアルバムでなく、私がレビューしたというだけでなんら客観性はないのですが、ハイドンの一愛好家が年間で一番心に残ったということに、わずかな価値があるということでの表彰です。

【交響曲部門】
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2014/02/22 : ハイドン–交響曲 : ハイティンク/コンセルトヘボウ管の奇跡、99番(ハイドン)

やはり、ハイティンクはいいですね。力感みなぎるとはこのこと。軽妙な奇跡もハイティンクの手にかかるとミケランジェロの彫像のような筋骨のデフォルメが実にアーティスティック。PHILIPSの録音ですが、PHILIPSにはマリナーやコリン・デイヴィスがハイドンの録音を多く残しているためか、未だにCD化はされていません。たまたま出会ったLPですが、このような素晴らしい演奏を聴かせれては選ばないわけには参りませんね。振り返ってみるとHaydn Disk of the Monthでも交響曲のアルバムをあまり積極的に選んでいませんが、それはこちらの好みも枯れてきているからに他なりません。ただし進行中のファイの交響曲全集も順調にリリースが続いているのに加え、先日紹介したイル・ジャルディーノ・アルモニコが全集を目指して第1巻をリリースしており、目が離せませんね。

【管弦楽・協奏曲部門】
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2014/10/26 : ハイドン–協奏曲 : 【新着】アレクサンドル・タローのピアノ協奏曲(ハイドン)

協奏曲は今年も名盤目白押しでした。ヴァイオリン協奏曲でもカントロフやアルベルト・リジーの名盤などが記憶に残っていますが、今年一番突き抜けていたのはタローのこのアルバム。記事を読んでいただければわかる通り、ハイドンの機知をはるかに上回るアイデアでやりたい放題。しかもただのやりたい放題ではなく、リズムのキレは尋常ではなく、表現も本質を突いたもの。ここまでのキレっぷりは滅多に聴けない貴重なものということで選びました。ハイドンが聴いても唸ったことでしょう。

【室内楽部門】
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2014/08/09 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : 絶品! ペターセン四重奏団の弦楽四重奏曲Op.1(ハイドン)

そして室内楽はこのアルバム。ウィーンピアノ三重奏団と迷ったのですが、こちらは精緻なだけではなく、音符に潜む気配のようなものまで描ききった素晴らしい演奏。弦楽四重奏曲のOp.1がこれほどまでに緻密に響くとは想像だにしていませんでした。

【声楽部門】
今年は声楽曲をあまり多く取り上げませんでした。Haydn Disk of the Monthでも何枚か選定しましたが、他部門の素晴らしい演奏に匹敵するものはなく、今年は該当アルバムなしとします。

【映像部門】
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2014/08/30 : ハイドン–ピアノソナタ : マルカンドレ・アムランのXVI:31ライヴ(ハイドン)

これはHaydn Disk of the Monthに選定したものではありませんが、DVDなど映像で見たもので今年一番心に残ったアルバムということで選定しました。コンサートの出だしにハイドンのソナタを弾いているのですが、一瞬にしてホールに濃密な音楽が流れ、聴衆の耳を釘付けにしてしまうようすが見事に撮られています。演奏はアムランらしい冴え渡る知的刺激にあふれたもの。これは稀有なコンサートですね。

以上4点を今年のH. R. A. Awardに選定いたしました。入手しやすいものばかりではありませんが、ハイドンの演奏としてはどれも超一級品。機会がありましたら是非聴いてみてください。

皆さま、来年も良い一年でありますように!

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H. R. A. Award 2013

昨年思いついたように突然はじめたこの賞。今年1年にレビューして毎月のベスト盤を選ぶHaydn Disk of the Monthの中から選りすぐりのアルバムを選びます。まさに1年の総決算に相応しいアルバム。本来は何か贈るべきなんでしょうが、そこは勝手表彰ゆえ、ハイドンばかり聴いている、ごくごくニッチなマニアにとって掛け替えのないアルバムであるという名誉が与えられます。

やはり某誌にならって部門別表彰です。

【交響曲部門】
やはり、このアルバムを選ばざるを得ないでしょう。

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Haydn Disk of the Month - September 2013
2013/09/15 : ハイドン–交響曲 : ヴェーグ/カメラータ・アカデミカのブダペストライヴ

シャーンドル・ヴェーグが手兵カメラータ・アカデミカを引き連れブダペストに帰郷公演を行った1995年のライヴ。極度の興奮のなか、演奏者と観客が一体となった千載一遇の瞬間を収めたライヴ。素晴しい録音によって、ヴェーグ渾身の太鼓連打が鮮明に録られ、家の中がまさにコンサート会場になったよう。ヴェーグのハイドンの録音でもダントツの素晴らしさ、というより太鼓連打のベスト盤といえる素晴らしさです。アルバムも丁寧なつくりで、アルバム全体からヴェーグへのリスペクトが立ちのぼっています。今年聴いたハイドンの交響曲で最も心を打たれた一枚。家宝です。

【管弦楽・協奏曲部門】

いや〜、迷いました。今年聴いた中では、ポール・フリーマンのピアノ協奏曲、ダヴィド・ゲリンガスのチェロ協奏曲、そして今月選んだエアリング・ブロンダル・ベンクトソンのチェロ協奏曲と、マイナーながら素晴しい協奏曲のアルバムが目白押しでしたが、、、

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Haydn Disk of the Month - January 2013
2013/01/20 : ハイドン–協奏曲 : 超名演盤発見! マルク・デストリュベ/パシフィック・バロック管弦楽団のヴァイオリン協奏曲集

やはり、とどめはこれでしょう。昨年カルミニョーラのヴァイオリン協奏曲を選んだので、またヴァイオリン協奏曲と思われるでしょうが、良いものは良いのです。デストリュべのこの演奏で聴くハイドンのヴァイオリン協奏曲は、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲以上の素晴しい美しい響き。カナダで自身が率いるオケとの録音ですが、本場ヨーロッパの演奏よりもハイドンの時代を感じさせ、素晴しい覇気と素晴しい色彩感に目もくらむほど。色彩感に溢れたハイドンのヴァイオリン協奏曲を是非聴いてみてください。

【室内楽部門】

こちらも迷いました。ハイドン・トータルのクァルテット・アルモニコにワリド・アクルも良かったんですが、、、

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Haydn Disk of the Month - January 2013
2013/01/27 : ハイドン–ピアノソナタ : デレク・アドラムのクラヴィコードによるソナタ集

このアルバムの素晴しさは多くの人に聴いていただく価値があります。ハイドンの時代はクラヴィコードからフォルテピアノまで鍵盤楽器がめまぐるしく進化していた時代。現代のピアノで聴くハイドンのクラヴィーアソナタもいいものですが、蚊の鳴くような小さな音ながら、クラヴィコードで奏でられるハイドンの素晴しさにはじめて出会ったアルバム。デレク・アドラムは楽器製作者でもあり、楽器の響きを知り尽くした人にしか演奏できない、極めてデリケートな演奏。このアルバムを聴いた時には、また一つハイドンの新たな魅力を発見したと感激しきり。クラヴィコードに対する先入観を取り去って、虚心坦懐に聴くと新たな世界が見えてきます。私の楽器に対する考えを大きく転換させた一枚です。



今年はこの3枚を表彰することといたします。たった今紅白歌合戦が終わり、ゆく年来る年の除夜の鐘がゴ〜ンと鳴りました。今年もあと数分。皆さま良いお正月を!

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tag : おすすめ盤

H. R. A. Award 2012

思いつきと言うか、だまてらさんのコメントに触発されてはじめようと思った企画。

毎月選んできたHaydn Disc of the Monthのなかから今年一番インパクトのあったアルバムを選んでおこうと言うもの。もちろん趣旨はHaydn Disc of the Monthと同様、当ブログならではの視点で、今年レビューしたアルバムのなかからハイドンの演奏史に名を刻むべき、これぞと思うアルバムを選定するもの。もちろん勝手表彰のため、賞金?万円などというものはなく、ただハイドンのコアなファンに対して、ハイドンの偏愛する当ブログがその素晴らしさを勝手に褒め称え、その誉れを奉るのみという、一般的には何の価値も名誉もプライドもない表彰。おそらくハイドンを愛好するニッチな層の方への影響力と、年間売上げ数「微」増ということくらいしかメリットはないかと思いますが、世の中コアなファンがこれからの時代を牛耳ると、紅白のももいろクローバーZを見て思った次第(笑)
万一レコード会社の人がこれを見ていたら、ご連絡いただければ表彰状を進呈致します。(ほんとです)

本年に当ブログで選んだアルバムはこちらをご覧ください。

歴代Haydn Disc of the Month

さて、表彰。某雑誌に習って部門別表彰です。

【交響曲部門】
もちろん、これです。

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Haydn Disk of the Month - November 2012
2012/11/20 : ハイドン–交響曲 : 【新着】トーマス・ファイ/ハイデルベルク交響楽団の交響曲1番他、爆速!

一人の指揮者による第4のハイドン交響曲全集を目指して着々とアルバムをリリースし続けるトーマス・ファイ。その第17集となるハイドンの初期交響曲集。ごく初期の交響曲という素材を前にしてファイの才気が爆発。これは歴史に残る演奏と言って間違いないでしょう。

【管弦楽・協奏曲部門】
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Haydn Disk of the Month - January 2012
2012/01/15 : ハイドン–協奏曲 : カルミニョーラ/シャンゼリゼ管弦楽団によるヴァイオリン協奏曲集

古楽器による演奏を好んで聴いている訳ではないのは当ブログの読者の皆さんならご存知の事と思います。それでもこのアルバムのカルミニョーラのの演奏は神憑ったような素晴らしさ。万全の録音によって、カルミニョーラの才気が完璧に録られています。まさに脱帽の演奏です。

【室内楽部門】
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Haydn Disk of the Month - November 2012
2012/11/26 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : エルサレム四重奏団の「ひばり」、「五度」

エンデリオン四重奏団とどちらにしようか迷いましたが、結局エルサレムを選びました。ハイドンの弦楽四重奏曲のまさに理想的な演奏。これだけデリケートなニュアンスに富んだ弦楽四重奏曲はそうありません。おそらくメジャーな存在ではありませんが、このアルバムの素晴らしさはすべての人に知ってほしいもの。ハイドンの弦楽四重奏曲の素晴らしさを楽しめる決定盤と言っていいでしょう。

【特別賞】
最後はその他の部門から。驚きのリリース。演奏自体とその存在の希少さも合わせて。

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Haydn Disk of the Month - February 2012
2012/02/25 : ハイドン–オラトリオ : ショルティ晩年の天地創造ライヴDVD

ショルティには2種の天地創造の録音がありますが、これはそれとは異なる音源によるDVD。ショルティは一般には豪腕指揮者のイメージが強いですが、このDVDを聴く限りかなり真面目な指揮ぶり。ショルティならではの引き締まった展開が眼前に迫ります。これも歴史に残る演奏に他なりません。

あくまで私の印象に最も残ったアルバムですが、同じ演奏でも人それぞれいろいろな印象をもつことでしょう。視点が異なれば評価も異なり、聴いた音楽の体験が異なれば、同じ演奏でも印象は全く異なります。ただ、ハイドンの作曲による作品のすぐれた演奏を、ハイドンのレビューに特化した当ブログでお薦めする意義も捨て難いという事で選んだアルバム故、一定の価値をもつものと信じております。

これらのアルバムがハイドンの音楽を愛好する多くの方に聴かれることを望んで止みません。

年に一度のゆったりとした企画ですので、来年の年末もオススメ盤をえらべるよう、精進してまいりますので、読者の皆様、来年もよろしくお願いいたします。

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プロフィール

Daisy


Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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ハイドン所有盤リスト
Joseph Haydn Discography at H. R. A.
所有盤をジャンル別にリスト化しています。基本的に録音年順とし、録音年不明のものは末尾に記載。演奏者名はジャケットなどの表記に合わせています。

2016年9月のデータ(2016年9月30日)
登録曲数:1,361曲(前月比+3曲) 登録演奏数:9,608(前月比+87演奏)
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