スミソン弦楽四重奏団のOp.9、Op.17(ハイドン)

1501記事目は先日コダーイ四重奏団のOp.9を激賞した記事を書いた際に、いつも含蓄に富みまくったコメントをいただくSkunJPさんからその存在を教えていただき入手したアルバム。ようやく手に入りました!

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スミソン弦楽四重奏団(Smithson String Quartet)の演奏による、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.9のNo.4、Op.17のNo.3とNo.5の3曲を収めたアルバム。収録は1986年10月23日から25日にかけて、米国ワシントンD.C.のスミソニアン美術館レンリック・ギャラリー(Renwick Gallery of the Smithsonian American Art Museum)のグランド・サロンでのセッション録音。レーベルは優秀録音の多いDORIAN。

このアルバム、冒頭に書いたようにSkunJPさんから教えていただいたもの。このアルバムと同時に頼んで先についたOp.77とOp.103があまりに見事な出来だったので、そちらを先に記事にしてしまったもの。それも合わせて、このアルバムが3枚目のレビューとなります。

2017/06/13 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : スミソン弦楽四重奏団のOp.77/103(ハイドン)
2011/06/10 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : スミソン弦楽四重奏団のOp.54

スミソン弦楽四重奏団については、リンク先をご覧ください。録音年代はOp.54が1985年、Op.77が1988年、今日取り上げるアルバムが1986年ということで、集中した時期に録音されていることがわかります。したがって、このアルバムも前出2盤と同じメンバーでの録音ということになります。

第1ヴァイオリン:ヤープ・シュレーダー(Jaap Schröder)
第2ヴァイオリン:マリリン・マクドナルド(Marilyn McDnald)
ヴィオラ:ジャドソン・グリッフィン(Judson Griffin)
チェロ:ケネス・スロウィック(Kenneth Slowik)

まだ、Op.77とOp.103の名演の余韻が耳に残る中、早速聴きはじめます。

Hob.III:22 String Quartet Op.9 No.4 [d] (c.1769-70)
Op.20の前の目立たない存在の曲ですが、作曲年代は名作が並ぶシュトルム・ウント・ドラング期。しかも短調のグッと沈む曲想が見事な曲。前盤同様古楽器の木質系の響きの美しさは見事なもの。前盤がヴァイオリンのヤープ・シュレーダーがとりわけ目立っていたのに対し、この演奏では4人のバランスの良いアンサンブルで聴かせる演奏。しかもその一体感は絶妙なるレベルでこの曲の魅力をゆったりと描いていきます。たっぷりを墨を含んだ鮮やかな筆の運びでメロディーが活き活きと躍動するところは流石スミソンと唸ります。この時期はこのクァルテットにとっても絶頂期だったのでしょう。神がかったような妙技に冒頭から惹きつけられます。
続くメヌエットもしなやかなアンサンブルが仄暗い舞曲の魅力を存分に炙り出していきます。徐々にヤープ・シュレーダーの美音の存在感が増してきて、演奏の隈取りがキリリと明らかになってきます。素晴らしいのが中間部の音色を少しざらつかせた表現。艶やかな音色との対比で音楽の深みを増しています。このあたりの音楽の造りは絶妙。
そしてラルゴに入ると晴れやかな音楽の魅力が全開。糸を引くようにシュレーダーのヴァイオリンのメロディーが伸び伸びと躍動します。そしてすっと翳ったかと思うと、再び伸びやかに展開する妙技の連続。この曲の面白さを再認識させられます。他のパートもも音量を絶妙にコントロールしてヴァイオリンパートを引き立てます。終盤カデンツァのようなヴァイオリンのソロが印象的。
フィナーレはフーガのような展開からハイドンならではの複雑に絡み合う音楽。全パートのボウイングが冴えまくってここぞクライマックスという緊張感に包まれます。これほど緊密なこの曲のフィナーレは聴いたことがありません。予想通りとはいえ見事すぎる演奏にいきなりノックアウト。

Hob.III:27 String Quartet Op.17 No.3 [E flat] (1771)
いつもながらハイドンのアイデアというかメロディーの展開の見事さに驚きます。冒頭からメロディーラインの面白さに釘付け。特にクァルテットというジャンルはメロディーと各パートの絡み合う展開の面白さを純粋に味わえるため、この曲でも冒頭から全神経が曲の展開の面白さに集中します。もちろんスミソンの演奏は絶妙を通り越して神々しささえ漂うレベルなのは前曲同様。Op.17ももちろんシュトルム・ウント・ドラング期の作品。こうして聴くとOp.20と比較しても決して劣らない素晴らしい作品であることがわかります。この曲ではメンバーも演奏を存分に楽しんでいる様子が伝わります。それこそが音楽。溢れんばかりの楽しさに包まれます。
驚くのがメヌエットのメロディーの奇抜さ。奏者もハイドンのアイデアの冴えの素晴らしさを解して、微笑みながら演奏しているよう。創意に満ち溢れる音楽。これぞハイドンの音楽の真髄でしょう。
そしてアダージョのなんたる癒し。大海原にプカプカと浮かびなながらのんびりとする心境になったかと思うと切々と切り込んでくるヴァイオリンの美しいメロディーにうっとり。しかも間近で聴くライヴのような素晴らしい録音によってグイグイとこちらの心に浸透してきます。ヴァイオリン以外のパートも素晴らしい演奏で迫ってきます。絶品。
深い感動の淵から涼風に目覚めさせられたようなフィナーレの入り。軽やかな各パートのさえずりからはじまり、音色とダイナミクスがめくるめくように変化していく快感に浸れます。

Hob.III:29 String Quartet Op.17 No.5 [G] (1771)
Op.17の最後の曲。もうすぐそこに太陽四重奏曲があります。このアルバムに収められた3曲がどうして選ばれたかはわかりませんが、この3曲にはハイドンの音楽のエッセンスが全て含まれているような気がします。有名曲ではありませんが、ハイドンのアイデアと創意の豊富さと音楽の展開の独創性の面で突き抜けた魅力をもつ3曲のように感じます。ひばりや皇帝も素晴らしいですが、こうした曲にこそハイドンの音楽の真髄が詰まっていますね。この曲でもハイドンの斬新さに驚かせられ続けます。なんたるアイデア。なんたる展開。なんたる構成力。もう全てがキレキレ。そしてスミソンもキレキレ。ハイドンの時代の人々が聴いたら前衛音楽と聴こえたかもしれません。
この曲でも2楽章がメヌエット。ハイドンのアイデアの暴走は止まりません(笑) ユニークなメロディーを展開しながら曲としてまとめていく手腕の鮮やかさ。これぞ創意とハイドンがほくそ笑む姿が目に浮かびます。
そしてアダージョではグッと沈み、闇の深い黒色のグラデーョンの魅力で聴かせる音楽のような入り。そしてさっと光が射し、ゆったりとした音楽のほのかな輝きが、入りの闇の深さによって浮かび上がります。こうした表情の変化の面白さはスミソンの素晴らしい演奏だからこそ楽しめるもの。並みの演奏ではハイドンの音楽の真髄にはたどり着けません。
フィナーレはリズミカルな入りから意外にオーソドックスな展開に逆に驚きます。ここまでの3楽章のユニークさからするとちょっと意外でしたが、ハイドンの意図が聴くものを驚かせるような創意にあるとすれば、ユニークな曲の連続をオーソドックスなフィナーレで締めることこそハイドンの意図だったのかもしれません。最後はなんとフェードアウト! あまりに見事な展開にやられた感満点(笑) 曲の真髄に迫る素晴らしい演奏ゆえ、演奏ではなく曲自体を楽しめたということでしょう。

SkunJPさんに教えていただいたアルバムですが、やはりただのアルバムではありませんでした。このアルバムの中にハイドンの弦楽四重奏曲の真髄が全て詰まっています。Op.77とOp.103の方も曲の本質を突く素晴らしい演奏でしたが、こちらはさらに一歩、ハイドンの創意の源に迫る迫真の演奏。選曲、演奏、録音とも絶品。全ての人に聴いていただくべき名盤と断じます。もちろん評価は[+++++]といたします。

前記事でブログ開設1500記事となりましたが、実はこのアルバムのレビューとしてまとめる予定でした。ただ、聴き進むうちに、単独の記事としてまとめるべきアルバムだと思い別記事にした次第。その痕跡を前記事の写真に残したところ、すかさずSkunJPさんに気づかれてしまいました(笑) いやいや素晴らしいアルバムの情報をありがとうございました!

(追伸)
月末企画は次の記事です! 遅れてスミマセン!

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tag : 弦楽四重奏曲Op.9 弦楽四重奏曲Op.17 古楽器

【1500記事記念】まだまだハイドンいきます!

少し前から、ブログの編集画面の記事の管理ページである数字が気になりはじめていました。そう、記事の総件数がそろそろ1500件になろうとしていたんです。最近は月間の記事投稿数も以前ほど多く投稿できなくなり、ペースダウン気味ではありますが、それでも我ながら1500という数字はちょっと感慨深くもあり、以前に1000記事記念やブログ開設5周年記念の記事を書いたことを思い出して、1500記事記念の区切りをつける記事を書こうかと思うに至りました。このところ旅行記事にかまけておりましたが、一つ前のザロモン弦楽四重奏団の記事で1499件目。ということで本記事がちょうど1500記事目と相成ったわけでございます。

2014/12/14 : ハイドン–交響曲 : 【ブログ開設5周年記念】ピノック/イングリッシュ・コンサートによる交響曲集(ハイドン)
2013/10/24 : ハイドンねた : 【1000記事記念】私はなぜハイドンにはまりつづけているのか?

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普段は仕事から帰って、嫁さんと夕食をとった後、狭いながらも専用のリスニングルームで1〜2時間選んだアルバムをのんびりと聴いたり、新たに仕入れたLPをクリーニングして聴いたりして、気に入った演奏が見つかると記事を書くというスタイルでやっています。いい演奏に出会えば、脳が冴えて、演奏者の背景を調べたり、録音場所を特定したりしながら遅くまでかかって記事を書くなんてこともあり、必然的に睡眠不足が蓄積していくわけです。そろそろいい歳ですので、のんびりと音楽を聴きながらソファで寝入ってしまうなんてことも多くなってしまいましたし、気に入った演奏に出会わない時には無理して書かないようにしてますので、必然的に記事の投稿がまばらになるといった具合なのはご承知の通り。

当ブログを書きはじめてからそんな生活が続いているわけですが、それでも飽きることなく1500もの記事を書くまで続けていられるのは、ハイドンの音楽の素晴らしさと、ブログやtwitterなどを通じてやりとりをしている読者諸兄からのツッコミや激励があってのこと。しばらく更新を絶やすと、素晴らしい演奏の新たな情報を全世界のハイドンの音楽を愛する人に届けなくてはという不思議な責務感が芽生え、いい演奏を発掘しなくてはというモチヴェーションが生まれます。あらためて、このニッチなブログの熱心な読者の皆様に御礼申し上げます。

最近は新譜よりも古いLPなどへの関心が強くなり、オークションやディスクユニオンなどでLPを物色するのも楽しみの一つ。良い演奏、良いコンディションのLPにはCDとは違った深い響きが刻まれていることも多く、同じソースでもLPの方が音楽が心に響くような気がします。ブログを書きはじめたのは2009年と最近のため、コレクションも当初はCDばかりでしたが、最近はLPが発掘対象の中心になっていますので、LPに関する記事も増えてきました。Apple MusicやNAXOSミュージックライブラリーなどのネット配信にも未聴の演奏が多く登録されているようですが、そちらへの興味よりも失われつつあるLP時代の遺産の方に関心がありますので、ネット配信される演奏を取り上げるのはもう少し先にしようと思っております。

ということでとりとめのない記事となってしまいましたが、まだまだ掘り起こすべきハイドンの素晴らしい演奏は山ほどあるに違いなく、それが尽きるまで、はたまたこちらの興味が尽きるまでは記事を書き続けたいと思いますので、読者の皆様、今後とも変わりなくツッコミと激励をよろしくお願いいたします。

2000記事記念記事はいつのことになりますやら、、、(笑)

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ザロモン弦楽四重奏団の剃刀、ひばり(ハイドン)

旅行記にかまけておりましたが、仕入れは継続しております! 今日は最近オークションで見かけて手に入れたもの。

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ザロモン弦楽四重奏団(The Salomon String Quartet)によるハイドンの弦楽四重奏曲Op.55のNo.2、Op.64のNo.5「ひばり」の2曲を収めたLP。収録は1982年11月、ロンドン北東部のウッドフォード教区教会(Woodford Parish Church)でのセッション録音。レーベルは英EDITION DE L'OISEAU-LYRE。

ザロモン弦楽四重奏団はhyperionレーベルに1980年代から90年代にかけて弦楽四重奏をかなりの枚数録音しています。このアルバムに収録されている2曲もhyperionレーベルに録音があるのですが、これはL'OISEAU-LYREレーベルに残されたものでhyperionとは違う音源の録音です。曲は異なりますが、hyperionの録音は以前に一度取り上げています。

2011/10/29 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : ザロモン四重奏団のOp.74のNo.2、騎士

手元にhyperionレーベルのシリーズの録音は揃っているのですが、録音年代をチェックすると、一番録音が早いのが1982年の7月で、以降1995年までの間に録音されています。最初の録音のOp.71のNo.1とNo.2は、今日取り上げるLPよりも前の録音になります。この2曲もそれぞれセットとして94年と95年に再録音されています。全くの想像ですが1982年の録音当時、L'OISEAU-LYREとhyperionのそれぞれに録音したものの、セットとして体系的に録音を企画したhyperionの方に録音を継続し、L'OISEAU-LYREとの録音はスポット的に終わってしまったということなのかもしれません。L'OISEAU-LYREからはこのアルバムの他、ホグウッドと組んだザロモン版の室内楽による軍隊とロンドンの2曲のLPがリリースされているのみです。

メンバーはhyperionレーベルの録音と変わりなく、下記の通り。

第1ヴァイオリン:サイモン・スタンデイジ(Simon Standgage)
第2ヴァイオリン:ミカエラ・コンベルティ(Micaela Comberti)
ヴィオラ:トレヴァー・ジョーンズ(Trevor Jones)
チェロ:ジェニファー・ウォード・クラーク(Jennifer Ward Clarke)

ただし、同じ曲で聴き比べると、演奏はこのL'OISEAU-LYRE盤に軍配が上がります。というかこのL'OISEAU-LYRE盤の演奏は絶品なんですね。

Hob.III:61 String Quartet Op.55 No.2 "Lasiermesserquartetett" 「剃刀」 [f] (1788)
hyperionのCDの演奏も悪い演奏ではないんですが、極上のコンディションのL'OISEAU-LYRE盤の磨き抜かれた響きは比べると演奏のしなやかさが数段上。このほんの少しの違いが音楽の深みに大きく影響します。94年録音のhyperion盤が若干平板さを感じさせるのに対し、L'OISEAU-LYRE盤に針を落とすと、瑞々しさに溢れたデリケートな響きに包まれます。音楽の表情の深さと古楽器クァルテットの音色の豊かさに惹きつけられます。演奏に余裕があり、ゆったりとした1楽章の入りの美しさを完璧に表現します。そしてフレーズごとの息の長い音楽の展開が見事。LPながら録音はDIGITAL。L'OISEAU-LYREの見事な録音が演奏に華を添えます。このレベルの録音はうちのオーディオ環境ではLPでしか聞くことができないレベルです。あまりに素晴らしい演奏と録音に1楽章ですでにノックアウト。
切々とした短調の入りから転調して次々と表情を変える2楽章。サイモン・スタンデイジの自然で伸びやかなヴァイオリンがここでも余裕たっぷりな音楽を作っていきます。アンサンブルは神々しいばかりの精度で、未曾有の一体感。ハイドンならではのユニークな曲をあまりに見事に仕上げて、演奏によってはちょっとギクシャクする曲の真価を問います。注意深く聴くと実によくできた曲だと唸ります。
メヌエットは前楽章を受けてか、リズミカルな舞曲ではなく、ここでも技巧を凝らしたメロディーで聴く人を驚かせようという感じ。
フィナーレはハイドンならではのコミカルなメロディーの魅力に溢れた曲。そのコミカルさを軽さとキレ味でさらりと聴かせるセンスの良さも絶品です。

Hob.III:63 String Quartet Op.64 No.5 "Lerchenquartetett" 「ひばり」 [D] (1790)
鳥肌が立つような美しい入り。誰でも知っている冒頭のリズムが非常に滑らかに刻まれ、そしてひばりのさえずりのようなヴァイオリンが伸びやかに歌います。なんと言う美しい響き。冒頭から絶品です。アンサンブルは完璧に揃い、響きは超高鮮度。ボウイングの弓の滑りがしなやかさの限りを尽くします。これほど美しいひばりを聴くのは初めて。そして展開部も迫真の迫力。あまりに素晴らしい1楽章に仰け反ります。
そして緊張感を保ちながらの美しいアダージョ。ここでもサイモン・スタンデイジの伸びやかなヴァイオリンの魅力が圧倒的な存在感で迫ります。途中陰りを感じさせるところの枯れ方が、再び明るさを取り戻す時の対比に効いてきます。伴奏にまわるヴィオラやチェロも表現力豊かにサポート。
静かに閉じた前楽章から活気を取り戻すように踊るメヌエットに入ります。前曲とは全く異なるアプローチがビシッと決まります。やはりメヌエットの王道は躍動感ですね。
そして軽快なフィナーレ。入りからキレよく飛ばし、フーガのような展開部でも軽快さを保ち続ける見事な技。ここでもハイドンならではのユーモラスな展開を意図をしっかり汲んだ素晴らしい演奏で締めます。

いやいや、これは絶品。旅行記の前にレビューしたスミソン四重奏団のヤープ・シュレーダーといい、このアルバムのサイモン・スタンデイジといい、古楽器草創期の名ヴァイオリニストにが参加した演奏の素晴らしさを再認識した次第。古楽器でのクァルテットの演奏は増え続ける一方ですが、これらの草創期の演奏を超える演奏が増えたかと言うと、そうとも言えないのではないかと言うのが正直なところ。新進気鋭の団体の斬新な演奏もなくはありませんが、これらの演奏を超える魅力があるかと言えば、微妙なところかもしれませんね。剃刀もひばりも絶品のおすすめ盤です。評価は両曲とも[+++++]とします。

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tag : 剃刀 ひばり 古楽器 LP

【番外】初夏の尾瀬、奥日光紀行(その5)

その1へ)

この旅3日目の朝、奥日光湯元温泉を出ると、天気は快晴。ハイキング日和の朝を迎えました。宿からすぐ近くの湖畔の駐車場に車を駐め、1時間のハイキングの準備をして出かけます。暑くなりそうではありましたが日陰はまだ寒いくらい。ということで上着を1枚羽織って出かけます。

日光湯元ビジターセンター:ハイキングコース:湯ノ湖一周

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まずは湖畔のレストハウスの自販機で飲み物を仕入れます。1時間とはいえ水分が不足すると大変。どちら周りで行こうかと嫁さんと相談しますが、一昨年はレストハウスから左に回って湯元まで来た国道沿いに歩きましたので、今回は反対側から行くことにします。レストハウスの裏の道をしばらくまっすぐ行くと湯ノ湖に注ぐ小川を渡る橋に出ます。

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橋から山側を仰ぎ見ると、まさに抜けるような青空。

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そして湖側を見るとこちらも青空と陽の光を浴びる湖面が眩しいばかりに輝いています。

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しばらく車も通れる道を歩いて行くと、周回線歩道の入り口に差し掛かります。標識によるとここから湖の反対の端にある湯滝までは1.5kmとさして遠くはありません。そして車椅子でもこの先200mのところにある展望デッキまで進めるとのこと。ウッドデッキが歩きやすいのは前日尾瀬でも実証済み。木漏れ日を浴びながらウッドデッキを進みます。

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途中赤紫の花が気になりました。ドウダンツツジの一種のようですね。

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しばらくで湖面に近い展望デッキに出ます。さすがに展望デッキというだけあって良い眺め。ボートを浮かべて釣りを楽しむ人もちらほら。そして湖面の先にそびえる山は男体山です。

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展望デッキを過ぎるとウッドデッキは終わり、湖岸の山道に入ります。山道といっても高低差はあまりなく、ハイキングの延長で楽しめる道。木々の間からずっと湖が見えるまさに湖岸の道です。時折反対周りでハイキングを楽しむ人とすれ違いますが、皆さん軽装ですので、この先の道も心配なさそう。

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しばらく進むと少し視界がひらけて、先ほど飲み物を買ったレストハウスがすでに遠くに見えます。

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さらに歩いて行くと湖岸の木の種類もいろいろ変わり、木のシルエットもなかなかいい感じ。

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そして約1kmくらい歩いたところで湖岸に出られる広いスペースが現れ、湖岸にはベンチが置かれています。

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山側の斜面にはコケやシダの新芽が伸びています。

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湖には倒木がちらほら見えるようになり、少々フォトジェニック。湖面に対岸の山々が映るようになってきます。

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遠くから滝の音が聞こえるようになり、そろそろ湯滝が近くなって来たのでしょう。手元の地図を確認すると湯滝の手前には半島のようなものが突き出ているので、まさにその半島が右に見え始めたことになります。風はさして強くないので湖面に映る山々もさらにくっきりして来ます。

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歩くごとに景色がスペクタクルに変化して、散歩コースとしては抜群の眺望ですね。日向に出ても湖面を渡る風は涼やかで暑くはありませんでした。

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歩き始めの展望デッキからここまでは基本的に土の道。歩く人も多いでしょうから踏み固められて歩きにくいところはありません。途中立派な木の根が目を奪います。土の養分を余すところなく吸い取ろうとして成長したということでしょう。

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そしてコース上2つある橋の一つめに差し掛かります。この橋の下を流れる湖水が湯滝に注ぎます。橋を渡ると島というか、湯滝に注ぐ流れの中洲に渡ることになります。

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橋の上からの湯ノ湖の眺め。空も湖面も湖面に映る山々も刻々と表情を変えていきます。

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中洲にはお社が。

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そして中洲を渡って2つ目の橋からの眺望。歩き始めに見かけたドウダンツツジが綺麗ですね。背後は湯滝が流れ落ちる滝口があり、ほんのりと硫黄臭が漂います。橋から音のする滝口まで50mくらいでしょうか、一周コースがら外れて行ってみます。

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前日泊まった宿のすぐ脇に源泉があり湯ノ湖岸に温泉が流されていましたので、湯ノ湖の水にはかなりの温泉成分が含まれているのでしょう。その水が一気に駆け落ちる湯滝の飛沫が硫黄臭なのも頷けます。

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滝口の向こうには日光を取り囲む山々が遠望できます。方角的には足尾の方をになりますでしょうか。遊歩道は湯滝の滝口から滝壺まで続いており、滝と一緒に下って行くこともできますが、一昨年に日光に来た時に滝壺には行っていますので断念。下りはいいですが戻ってくる登りがきついのは容易に想像できますので(笑)

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ということで湯ノ湖を一周するコースに戻ります。滝口から橋までの間の流れは非常になだらか。いつのまにか鴨が2羽しきりに水の中に潜って餌の魚を探しているのでしょう。

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すぐ近くに寄っても逃げずに餌取り。途中の看板には、湯ノ湖にはニジマスをはじめとして多くの魚種が放流されているそうですので、それを餌にしているのでしょう。

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湯ノ湖一周のコースに戻ろと、あとはレストハウスがある出発点までは国道沿いに進みます。ポツポツと釣り人が湖に入っています。写真に写っている方はフライフィッシング。前後に竿を振ってしなやかに糸を繰り出し、釣りを楽しんでいる様子。水に浸かって涼風を楽しんでるのがうらやましくもあります。

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右側には国道があり、車の走る音を聞きながらのハイキングはやはりちょっと落ち着きませんね。しばらく歩くと木道が整備され、国道から少し離れます。脇にはツツジの花が。

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これはレンゲツツジでしょうか。レンゲツツジは蜜に毒があるとのことで注意が必要です。

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また見上げると木の幹にキノコが3つ。このあたりで湖に飛び出た兎島という半島に出る道と分かれますが、半島に出る道には木道がないため断念。しばらく歩くと歩き始めたポイントが見えてきます。このあたりまでは一昨年に叔母と散歩で歩いた記憶があります。

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ちょうど湯元温泉の入り口が見えます。前夜に泊まった美や川は右の木のすぐ後ろ。この辺りに湯元温泉の源泉があり、あたりは先ほどの湯滝とは比べ物にならないくらいの硫黄臭が漂います。

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ここだけ湖面が濁り、源泉が湖に流れてでていおることがわかります。この時10:30くらい。歩き始めから1時間10分ほど。途中のんびりと写真を撮りながらのハイキングでしたが1時間少しで1周できたことになります。陽が高くなりましたが、抜けるような青空は変わらず。少し気温が上がり陽射しが眩しくなりましたでしょうか。

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しばらく行くと源泉が流されるところがありました。転落注意という注意書きが恐怖感を煽ります。おそらく以前誰か覗き込んで落ちたのでしょう(笑)

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源泉からレストハウスまでは葦の原になっています。

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ほぼ一周したので湯元温泉の看板の前でパチリ。嫁さん昨日に続いてのハイキングでも疲れた様子もなく元気です。

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葦の原に桟橋がありボートが繋がれていましたので、これは観光用ではなく地元のひと用でしょう。これでニジマス釣りに出かけるのでしょうか。

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程なく最初にスタートしたレストハウスに戻ります。すると嫁さんのアンテナがピピピ。ソフトクリームののぼりに反応しました。ということで嫁さんはいそいそとソフトクリームを頼みにレストハウスに入って行きます。私はレストハウスの脇に咲くシャクナゲの花をパチリ。このあとレストハウスに入ると「スカイベリー」という高級なフルーツのソフトクリームを抱えてニンマリする嫁さん。写真は撮ったのですが名誉のために載せずにおきます(笑)

あまり計画もせず、好天に恵まれたため湯ノ湖を一周しましたが、これはオススメですね。歩く距離もほどほどですし、コースの眺めは写真を載せたように素晴らしく、歩くのが楽しいコースでした。途中に湯ノ湖の自然を理解することを意図したクイズが出されていたりと工夫もされていて実に楽しめました。



ということで、あとは東京に戻るだけですが、日光方面から戻るのと、金精峠を超えて群馬側から戻る道のふた通り。湯ノ湖から仰ぎ見る白根山がくっきり見えたのと、金精峠は今まで通ったことがないので、それではということで金精峠から群馬経由で帰ることにしました。時刻は11時ちょっと前。湯ノ湖畔の駐車場から出発し、日光方面に少し戻ると金精峠方面に入る分岐があり、そこから山道をくねくねとのぼります。途中どんどん湯ノ湖が小さくなり、登りもきつくなって行きます。峠はトンネルでした。

トンネルを越えるとそこは群馬県片品村。トンネルは白根山に続く金精岳と温泉岳の間の金精峠の下を潜るように掘られているのですね。トンネルを越えると道は日本ロマンチック街道と名付けられているよう。あんまりロマンチックという響きがマッチしている感はありませんが、気にせず進むと道は白樺の樹林帯をどんどん下って行き、間も無く湖が見えて来ます。まずは菅沼。そしてしばらく行くと丸沼。どちらも湯ノ湖よりは少し大きな湖ですね。道すがら気になるのは丸沼高原ロープウェイの看板。宿にもパンフレットが置いてあり、特に気にしていませんでしがが、道を進むごとに看板が次々と現れ、走っているうちに、ロープウェイの印象が刷り込まれていきます。そうこうするうちに、スキー場とロープウェイの山麓駅がある入り口についてしまいました。

脚の悪い母親連れの旅行ではロープウェイは手軽に高原に行けるので見かけると乗るようになりましたが、今回は母親連れではありません。ただし、この数年で刷り込まれたロープウェイは見かけたら乗る的条件反射は今回も反応。嫁さんとまあ乗ってみようかという軽いノリで車を駐め、ロープウェイに乗ってみることにしました。

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なんだかとっても整然と整備されたお土産屋さんからサインに促されるままにエスカレーターに乗るとチケット売り場に。チケットを買って外に出ると眼前にロープウェイが間断なく動いているではありませんか。

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お客さんもそれほど多くないため、すぐに乗ることができました。山麓駅ではおりて来たゴンドラがゆっくりとUターンしている間に乗り込みます。定員は8人のところ2人で乗りますのでゆったり。

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最初は山麓から見えていたところ進みますので、勝手知ったる感じ。山麓からグイグイ高度をあげていきます。

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だんだん高度を上げていきますが、このロープウェイ、高度が上がるに連れて尾根を越えるたびにロープの勾配がかなりダイナミックに変わります。最初に超えた尾根までは大体予想どおりでしたが、尾根を超えて終点が見えるかと思いきや延々とロープが上がっていきます。しかも途中からかなりの急勾配。勾配が変わる谷の部分は相当のロープの張力が加わるものとみえ、支柱が3本も集中して建っています。だんだんこのロープウェイのすごさが伝わって来ました!

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急勾配を上っているさいちゅうに下を見下ろすとかなりの迫力。山麓駅の施設群は豆粒ほどになってしまいました。

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上を仰ぎ見るとまだまだ登ります。しかも正面に見えるスキー場の勾配はものすごい角度。直滑降でもこんな角度は恐怖を感じる角度でしょう。このロープウェイ、往復のチケットは2,000円なんですが、なぜか嫁さんはこれは安いと言い出します。なんでもタクシーに2,000円乗ってもここまでの迫力は味わえないと(笑) なんだかわかりませんが素晴らしい迫力に違いありません。

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進行方向左側を見下ろすと、先ほど脇を走って来た丸沼が見えます。

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今度は後ろを見ると、高度が上がって来たので浅間山、谷川岳、至仏山、燧ケ岳までが遠望できます。前日は尾瀬で燧ケ岳を眺めながら尾瀬散策を楽しんだのが思い出されます。早朝など空気が澄んでいればよりクッキリ見えることでしょう。

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進行方向を見るとようやく山頂駅が見えて来ました。ここまで15分くらいでしょうか。ロープウェイの15分は長く感じますね。あとで調べたところ、このロープウェイ、全長2,500m、高低差600mとのこと。山頂駅の背後にそびえるのは日光白根山。今朝までは裏側を湯ノ湖から眺めていましたが、群馬側から見ると三つのこぶが印象的な姿ですね。

山頂駅に着くと、やはり600mの高度差で涼しい! 山頂駅は標高2,000mとのこと。

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脇の小高い展望台に登ってみると、先ほどゴンドラの中から見えた山々がさらにはっきりと見られます。看板には「標高2,000mから望む日本100名山」として、浅間山、四阿山(あづまやさん)、草津白根山、武尊山(ほたかやま)、苗場山、谷川岳、巻機山(まきはたやま)、至仏山、平ヶ岳、燧ケ岳などの山々の名が連なります。なかなか壮観な景色。

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この壮観な景色はただ見るだけでなく、足湯に入りながら見えるというのが観光地ぽいところ(笑) これはなかなかのアイデアですな。

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足湯から白根山を望むとこんな感じ。山頂駅の周りは散策できるよう整備されています。

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この足湯、「天空の足湯」と名付けられています。確かに天空です。

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このあたりに咲いていた花。シラネアオイというそう。今が見ごろですね。

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山頂駅の周りには足湯の他に二荒山神社もありますが、調べたところこれは平成15年に建立されたもの。もともと白根山頂にあった二荒山神社が荒廃してしまったため、このあたりの土地を保有する日本製紙が復興したものとのこと。

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このロープウェイでここまで登り、ここから白根山登山ができるとのことで、往復5時間とのこと。今度は白根山登山を目的にくるのもいいかなとおもいつつこの日は朝、湯ノ湖でハイキングを楽しんで来たばかりですので、山頂駅をぶらぶらするだけにとどめることとしました。登山道の方に行って見ると、そこには鉄の門にネット。よく見ると熊や鹿が出るらしく、山頂駅の管理区域をネットで守っているとのこと。いやいやこのネットが必要というのが迫力がありますね。それでは下ろうかと思って時計を見るとちょうどお昼を回ったところ。朝食は8時でしたのでそろそろお腹もすいて来ました。下に降りてから食べるより山頂の景色を見ながら食べた方が良かろうということで、ここで昼食をとることに。

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立ち寄ったのは山頂駅の隣にある山頂喫茶しらね。観光地に良くある感じのお店です。

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嫁さんは堂々と生ビール! そして玉こんにゃくにとろろ蕎麦、舞茸蕎麦を注文。なぜか海の家やこうしたところのラーメンや蕎麦は沁みるんですね。窓の外には白根山をのぞみ、しばしゆっくりとさせてもらいました。平日なので観光客も適度でゆったり過ごせるのがいいですね。

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お腹も満ちたので、ロープウェイに乗り、下ります。お昼を過ぎて、雲が増えて来ましたね。1時間少しで山の表情も随分変わるものです。再び15分の絶景パノラマを楽しみ、これまたアドリブで立ち寄った白根山ロープウェイを堪能。山麓駅のお土産屋さんでちょっとお土産を買い込んで白根山を後にしました。

今度は本当に帰るだけ。時刻は1時くらい。Google Mapsで帰り道を調べると、金精峠を再び超えて日光に戻る道も選択肢に出ます。それも野暮なので、片品村から関越の沼田インターに出る方に進みます。先ほどロマンチック街道との表示がありましたが、走っているうちに知らぬ間にとうもろこし街道に変わってます(笑) 道の看板にはとうもろこしの文字が乱舞。おそらくこの辺の名物なんでしょうが、ロマンチック街道とマーケティングがマッチしてません。気にせずどんどん下って行くと、尾瀬への分かれ道の案内があります。ここを右折すると、前日歩いた尾瀬沼の三平峠の入り口まで行けることになります。尾瀬の周りは車が通れませんので、大回りしてここまで来たことになりますね。

そのまま沼田市街を目指しますが、途中またしても巨大な看板につられて「尾瀬市場」という農産物屋さんに立ち寄ります。巨大看板の広告効果を身を以て実証するような行動ですね(苦笑)。ということで珍しい山菜やら新鮮な野菜などを買い込んで帰途につきます。ガソリンも心許なくなって来ましたので、沼田インターのそばで補充。そして関越沼田インターから一路、東京を目指します。

梅雨時にも関わらず、この旅は天気に恵まれましたが関越から圏央道に入り青梅あたりに差し掛かると、空模様が怪しくなって来ました。青梅あたりはトンネルが多いのですが、いくつかトンネルを抜けたあたりで電光掲示板にトンネル出口雨注意の文字が出るようになったと思いきや、トンネルを抜けると、土砂降り! それもちょっとやそっとの土砂降りではなく、ワイパーを最速にしても全く前が見えないほどの土砂降り。いやいや危ないですね。平日の圏央道はトラックがかなり走っていますが、トラックも急にスピードを落とし徐行になります。これは事故ってもおかしくない集中豪雨。雨の勢いはしばらくで弱まりましたが、危ない目に逢いました。

特段渋滞もなかったので、早めに帰着できそうでしたので、自宅ではなく母親の入院する病院に直行し、旅の無事を報告。お土産をいくつかおいて帰ることができました。

今回は、ハイキングでだいぶ体を動かしましたし、宿でそれほど大酒も飲みませんでしたので、健康的な旅となりました。毎度のことですがノートラブルで旅を終えられ良かったです。

7月予定の母親の退院後、体調が良ければまた旅に連れ出したいと思います。いつも通りだらだらとした旅紀行でスミマセン。手元には未聴盤が積み上がっておりますゆえ、ブログ正常化に励みます!

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【番外】初夏の尾瀬、奥日光紀行(その4)

その1へ)

檜枝岐の駒の湯でハイキングの汗を流し終わってスッキリしたのがこの旅2日目の14:30くらい。この日の宿である、奥日光の湯ノ湖畔まで行きます。地図上の距離は25kmくらい。もちろん直線でいけるはずもなく大回りして行かねばなりませんが、嫁さんが温泉から上がってくるまでの間に先の旅程をiPhoneのGoogle Mapsで調べていると、なんと3時間かかることが判明。2時間くらいと先を読んでいましたので、ちょっと余裕がなくなった次第。このまま行くと宿に到着するのが17:30となります。食事の前に風呂に入るというミッションが危うくなります(笑)。

嫁さんが風呂から上がってくるやいなや、一般の方にはどうでも良い情報ながら、こちらにとっては比較的重大な事実を共有し、先を急ぐことにしました。檜枝岐のお土産は朝、宿で仕入れましたので、これで檜枝岐を後にします。

心持ち飛ばし気味に沼田街道を北上。来た時に潜り抜けた防雪シェードをやり過ごし、宇都宮方面と書かれた分岐を右折し、来た道を戻ります。途中、木賊への分かれ道、前沢曲家集落、湯の花温泉への分かれ道をやり過ごしてどんどん進むと、昨日寄った道の駅番屋に差し掛かります。行きにソフトクリームのオブジェに引っかかりましたが、帰りも嫁さんが車中でソフトクリームと一言。まだ走り始めて1時間も経っていませんが、ナビ役の指示で立ち寄ることにしました。

建物の中に入って行った嫁さんが、しばらくしてソフトクリームを持って出て来ます。先の旅程を考えるとのんびりもしていられませんので車中でナメることになります。前日はエゴマソフトでしたが、今日は蕎麦ソフト。一口ナメるなり、「蕎麦の旨味がよく出ているわ〜」とご満悦。ソフトクリームは人類の平和に大きな貢献がありますね(笑)

5分ほどの停車で再度出発し、さらに東に進みます。少しクネクネした道を下ると右に会津鉄道が見えてきて、程なく会津田島と宇都宮方面の分岐へ。もちろん宇都宮方面に進みます。以前はこの道で会津に入ったものですが、この旅では初めて通ります。しばらく登りが続きますが、福島県に別れを告げ、栃木県に入ると今度は下りが続きます。今度は那須塩原方面と日光・鬼怒川・川治方面の分岐となり、もちろん日光方面へ。この道は初めて通ることになります。

分岐を別れると林の中のなだらかな道。通る車も少なく快適なドライブです。道の看板によると、ここは会津西街道というそう。途中、「なかみよりおんせん」という看板にびっくり。途中で「なかみより」は地名の「中三依」だとわかりなるほどと納得。中三依からしばらく行くとクネクネ道になり、どんどん下って行くと、ダム湖のようなものが見えてきます。調べてみると五十里ダムによって堰きとめられた五十里湖。普段ならダムに立ち寄るところですが、夕食前の風呂に入るミッションと天秤にかけると、立ち寄る選択肢は選べません(笑) ということで、ダム見物はスキップとします。湖を渡っていると途中で湯西川温泉の入り口の分岐。湯西川温泉は嫁さんは行っていますが私は未踏。またの機会にと思って、先を急ぎます。

しばらく行くと今度は川治温泉の旅館街へ。古びた旅館が立ち並びます。川治温泉をやり過ごすと、塩原方面のもみじライン有料道路と日光方面の龍王峡ライン有料道路の分かれ道に。もちろん日光方面の有料道路に進みます。短い有料道路を抜けると、今度は鬼怒川温泉の温泉街と日光方面の鬼怒川有料道路の分かれ道に。こちらももちろん有料道路に進みます。徐々に日光が近づき道の周りも商店が多くなって来ますが、妙に目立つのがたまり漬けの巨大な看板。このあたりの名物なんでしょうが、先を急ぐためやり過ごします。どんどん進むとGoogle Mapsの指示は今市インターから日光宇都宮道路に入るような経路を指しています。車のカーナビだと予定到着時刻はあまりあてにならないのですが、Google Mapsは渋滞予測まで織り込み済みのため、この時点でも到着は17:25分くらい。これは指示に従った方が良さそうですので、高速に乗ります。そして高速を清滝まで進んで、いろは坂を登り、中禅寺湖、竜頭ノ滝、戦場ヶ原、湯滝などをやり過ごすと、ようやく湯ノ湖畔に到着です。なんとついたのは17:25と到着予定とピタリ。Google Mapsを見ている車の流れる速度なども計算しているのでしょうか、見事な精度です。

この日泊まるのはこちら。

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奥日光湯元温泉 ゆ宿美や川

湯ノ湖畔のすぐ脇に建つ旅館。湯元温泉で最初に目に入る宿なのですぐにわかりました。ここ湯ノ湖は一昨年8月、母親と叔母を連れた旅行で実に久しぶりに訪れて、湖畔の散策を楽しんだところ。母親が退院したら来られるかどうかの視察も兼ねての宿泊です。宿はいつも通り嫁さんのセレクト。

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宿について荷物を降ろし終わって車のキーをロックして宿に戻ろうとすると入り口に可憐な花があるではありませんか。なんとなく心和む瞬間です。すぐにチェックインですが、くる道すがら宿に電話して、到着が17:30くらいになることを告げていましたので、夕食は一風呂浴びることを考慮して当初予定の18:00を18:30にしてくれました。

そもそも湯ノ湖へきた最初は中学校の修学旅行だったと思います。戦場ヶ原のハイキングの後湯滝などに寄った記憶があります。その後大学時代に、高徳牧場から切込湖、刈込湖などを歩いて最後に湯元温泉に泊りましたが、この時は確か文化の日あたりで、紅葉もすっかり終わってかなり寒かった覚えがあります。それ以降は一昨年まで来ていませんが、大学時代にどの宿に泊まったのかは全く記憶がありません。

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部屋は2階で、すぐ横に露天風呂があります。部屋に入って浴衣に着替えるとすぐに温泉です!

この宿には内湯が1階に2つ、露天風呂が2階に2つ、全て貸切風呂。部屋は5部屋のみの小さな宿ゆえこのシステムはリーズナブル。しかも露天の2つはそれぞれ自家源泉で異なる源泉。内湯は共同源泉ということで、源泉が3つ引かれていることになります。日光の温泉は結構きつめの硫黄泉が多いのですが、湯ノ湖はその代表格。湯ノ湖周辺に来ただけでも硫黄臭が漂います。

入ったのは露天風呂のうち手前の方。おかみさんからうちの風呂は熱いのでよくかき混ぜて入ってくださいと注意されていましたが、その注意を聞いただけでこちらは武者震い(笑) 高温好きの魂に火が灯ります!

夕刻の涼やかな風が心地よい露天風呂。薄くグリーンがかった白濁泉に手を突っ込むとビリっと熱い。きました! これはいい。少しかき混ぜてみると滔々と掛け流される熱い温泉が上に溜まっているだけで少し温度が下がります。それでも45度くらいでしょうか。この旅で一番熱い風呂です。しばらく身を沈めると素晴らしい爽快感。源泉の注ぎ口に近づくと温度が上がり、46度くらいにはなるでしょうか。湯の中には湯の花が舞い上を見上げると木々が風にそよぐ極楽浄土のようなひととき。この日の尾瀬ハイキングにここまでの3時間のドライブの疲れが一気に吹き飛びます。いやいや素晴らしい。硫黄泉の強い臭いもさほど気にならず、むしろグッと落ち着きますね。30分ほどでしたが食前の入浴を楽しみました。他の風呂は食後の楽しみとしましょう。

露天風呂を楽しんで、部屋でのんびりとしていると、電話で夕食の準備が整ったとの連絡が入ります。この時iPhoneを見ると18:28。なんたる正確さでしょう。階段を降りて食事処に入ると18:30ピタリではありませんか。

4組がすでに食事を初めていました。食事処は簾で仕切られ適度の落ち着きます。

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席に着くとすでに彩り鮮やかなお膳が揃っていました。

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水無月御献立と書かれた和紙が添えられています。上の写真の右手が食前酒の梅酒。正面が季節の野菜の盛り合わせでもろみ味噌と梅たたきが合わされています。目で料理を確認し食前酒をクイと煽ったタイミングで頼んでおいた生ビールが運ばれてきました。全く絶妙なタイミングです。

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珍しいのがメインの肉がもう出されています。この日は牛ではなく鶏を頼んでいましたが、献立によると伊達鳥の鉄板焼きとのこと。

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乾杯して生ビールを飲み始めるとやおら鉄板に火を灯すではありませんか。御献立上は後に書かれた鶏の鉄板焼きに最初に火をつけます。こ、こ、これは母親が夢にまで見た「肉先の技」ではありませんか! いつも旅館の食事ではお肉が出る頃にはお腹いっぱいになってしまうので、旅館の夕食時に肉が出た時の母親の常套句が「お肉だけ先に出してくれないかしらね〜」ですが、この宿は、懐石の作法に縛られず、いきなり肉を焼くという母親の願いを叶える宿たったんです! これは帰って母親に伝える価値大です!

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刺身は縞鯵のたたき。これを見ると日本酒が飲みたくなりますね。

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これまたタイミングよく食前に頼んでおいた冷酒が運ばれてきます。このお酒は湯元温泉と澤姫で知られる宇都宮の井上清吉商店のコラボ商品ということ。生酒らしいフレッシュな喉越しが縞鯵に合いますね。このあともタイミングよくお皿が運ばれてきます。

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こちらが揚げ胡麻豆腐。衣がサクサクで美味い。

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こちらが炊き合わせ。揚巻湯葉に南瓜、茄子、絹さや。

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海老春巻きに隠元を揚げたもの。春巻きはアツアツです!

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そして定番前日の宿に続き岩魚の塩焼き。酒が進みます(笑) このあとご飯に味噌汁をいただきもちろんお腹いっぱい。

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そして最後のデザート。アイスに白玉もちにスイカ。デザート別腹理論が実証できます(笑)

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食事中から気になっていた食事処にかけられていた書。「至誠如神」とありますが、調べてみると中国の古典である四書五経の一つである「中庸」の中の言葉であり、「まごころ」を尽くし続ければ、とても人間がおこなうものとは思えない、神の領域のようなおこないが出現するとの意とのこと。食事の時間の正確さから始まり、どの皿も実に美味い。そして接客も非常に丁寧で見事な夕食でしたが、それは宿の主人がこの書の志を保っていると解した次第。いやいや見事な食事でした。

部屋に帰ると心地よい満腹感に嫁さんは「ちょっと寝る〜」と言ってベットにバタリ。それではということで私も一休みすることにしました。

目が覚めるとそろそろ11時になろうかという時間。他のお客さんはすでに就寝済みでしょう。まだ内湯に入っておりませんので、温泉でシャッキリしようということで内湯に向かいます。もちろん2つとも誰も入っていない模様なので、まずは手前の内湯に入ります。

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内湯は浴槽が2つに分かれ、源泉は奥の湯船に注がれ、そのオーバーフローが手前の浅い湯船に注がれているよう。熱いのを期待して入りますが、ちょっと混ぜて入ると、さして熱くはありません。43度くらいでしょうか。これには少々がっかり。宿に着いた時熱い場合は水でうめてくださいと案内していたので、おそらく先客がうめたのでしょうね。それでも源泉の近くは熱い湯が注がれ悪くありません。

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こちらはビシッと身の引き締まるような熱さを期待していましたので少々当てが外れました。夕食前に入った露天風呂は覆っている木々の緑が反射しているのか白濁泉でも少し緑がかって少し透明度があったのですが、こちらは濁りが少し強く感じ、緑がかった感じはありません。なんとなく露天のあの熱さが恨めしい感じ(笑)

それではということで、もう一つの内風呂にも行ってみることにします。

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私だけ浴衣に着替えてスパイのように廊下の様子を探り、隣の内湯に誰もいないことを確認すると、タオルだけ巻いた嫁さんが忍びの者のようにスササと隣の内湯に無事移ります。造りはほぼ同じですが窓枠の装飾が菱形から円形に変わり、広さもこちらの方が広くなります。

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期待した湯の温度もこちらの方がさらにぬる目でした。まあ、こちらも万人向けとしてはこの温度が適切でしょうと諦め、源泉の近くに浸かって湯を楽しむこととしました。しばらく湯に浸かって酒が抜け、爽快な気分に。部屋に帰ってちょっとテレビなどを見てこの旅2日目の夜は就寝。



翌朝、目が覚めるたのは6時過ぎ。梅雨にもかかわらず天気は良さそうです。前夜内湯は両方とも制覇しましたので、今度は入ってない方の露天風呂に入ることにします。前日宿に着いた直後に入った手前の露天風呂はビリっと熱くて最高でした。ということで期待して奥の露天風呂に入ってみます。

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形は隣の露天風呂と対称形、自家源泉で隣とは異なる源泉ということですが、お湯は隣より濁り気味でしょうか。注がれる源泉はかなりの熱さであるものの、かき混ぜるとそれほど熱くありません。43度くらいでしょうか。朝はビシッと熱い風呂でシャキッとしたかったんですが、これも一般向けですね。もしかしたら宿の人が適度な温度に調整してくれているのかもしれませんが、熱い湯好きの我々、もとい、私にはちょっとぬる目でした。

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まあ、雰囲気といい、硫黄臭といい申し分なしでしょう。しばらく温泉に浸かってもちろんシャッキリしました。

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見上げると隣接する山の斜面に生えた木々の緑に覆われています。この緑が温泉を緑がかった色に見せているのですね。

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ひとしきり温泉を楽しんで、部屋に戻って窓を開けると、空は抜けるような青空。正面に見えるのは日光白根山に続く峰々。この旅3日目も天気に恵まれたようですね。朝食前に荷造りをだいたい終え、テレビなどを見ていると、電話で朝食の案内がありました。この時8:00ドンピシャです。気持ちいいほど時間に正確な案内。前夜と同じ階下の食事処に降りて行くと、フロントで主人がおはようございますと深々と頭を下げてお出迎え。

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前夜と同じ席に向かうとすでに朝食の品が並んでいました。前夜の食事は素晴らしかったので、朝食も期待が持てます。真ん中の空いたスペースにはあとでシャケを焼いたものが来ます。旅館の朝食としては一般的なものですが気になるのは右手に豚ばら肉が供されていること。なんでも中央の湯豆腐をいただくと残った出汁に豆乳が溶け出すので、それで一口豆乳しゃぶしゃぶを楽しめるようにとのこと。これもユニークなサービス。

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湯豆腐の土鍋の蓋を取ると、豆腐に白しめじに野菜で、煮立ってしばらくすると豆腐が溶けてくるので、溶け始めが食べごろとのこと。前夜同様、どの皿も新鮮で味もよく楽しめました。特にご飯がツヤツヤして見事な炊き上がり。日本人は美味しいご飯に漬物があれば満足しちゃいます。もちろん湯豆腐の鍋で最後に豚ばらをしゃぶしゃぶして一口いただきました。朝食も満足度高いですね。

セルフサービスですがコーヒーも用意されていて言うことなし。

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フロント横の囲炉裏端でコーヒーをいただくことができます。朝食を食べ終わったのが8時半くらい。この日は特段予定を決めていませんでしたが、改修工事が終わった東照宮の陽明門を見に行くか、あるいは一昨年ちょっと散歩を楽しんだ湯ノ湖一周に挑むか嫁さんに尋ねると、前日尾瀬をかなり歩いたにもかかわらず、湯ノ湖の周りが1時間くらいで一周できると知り、ハイキングを選択。それではということで、ハイキングにふさわしい格好に着替えて宿を後にすることにしました。

この美や川、夕食の「肉先の技」といい、親切なサービスといい、満点の宿。今度母親と叔母を連れてきても良いなと思っていましたが、一点だけ欠点が。そう客室が2階でエレベーターがないので、脚の悪い母親にはちょっとハードルが高いこと。母親も温泉は比較的熱いのが好きなので言うことなしなんですが、現在のリハビリで階段の上り下りまでたどり着けるかが勝負になりますね。

目の前の駐車場に駐めてあった車に荷物を積み込み、宿を後にして、すぐそばにある湯元本通り湖畔駐車場に車を駐め直します。1時間のハイキングに備えて靴を履き直して湖畔に出ると、実にいい天気。

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湯ノ湖の標高は1,450m。快晴とはいえ朝9時過ぎの風は爽やか。空は青々と澄み渡り、背後に荒々しい白根山が輝いています。ハイキングには絶好の天気に期待が高まります。

旅はまだ続きます!

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【番外】初夏の尾瀬、奥日光紀行(その3)

その1へ)

旅行2日目の朝は天気に恵まれ、抜けるような青空のもと、前夜に泊まった檜枝岐かぎや旅館を出て一路尾瀬を目指します。

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先ほど尾瀬国立公園の看板の写真を撮ったのは七入の手前。檜枝岐から七入りまでは檜枝岐川(伊南川)沿いのなだらかな道。白樺林の緑が朝の陽の光に映えて眩しいですね。七入をすぎると急な登りに入り、林の中をくねくねと登って行きます。途中モーカケの滝展望台などをやり過ごし、しばらく登ると再び林の中のなだらかな道になります。あとでわかったのですが、ここは尾瀬ブナ平というブナの林。しばらく走ると目的地の御池に到着。檜枝岐からは30分もかからず到着します。朝食が早かったの7時半すぎには着くことができました。

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早速、昨日宿で案内された通り御池駐車場に車を駐めます。この駐車場は2時間以上駐めると1000円と表示されているのですが、檜枝岐の宿に泊まるとコインをもらうことができ、精算時にそのコインで無料になる仕組み。この御池も檜枝岐村ですのでリーズナブルな仕組みです。びっくりしたのが駐車場のわきに残る雪。

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すでに6月中旬にも関わらずまだ3〜4mの雪が残っています。聞くところによると尾瀬はこの冬記録的な豪雪だったそうです。このところ雨が少なかったにもかかわらず、関東北部のダムの貯水量が落ちていないのはこの豪雪によるものでしょう。天気は快晴ですが、さすがに標高1,520メートルの御池の風は爽やかなこと。山歩きに合わせて靴を履き替え、日差しに備えて帽子をかぶり、そして念のためヤッケを羽織って出発の準備をします。

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ここから尾瀬に入るには、シャトルバスで沼山峠まで20分ほど。この季節はシャトルバスが2〜30分おきに走っています。次のバスは8時出発です。

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定刻前にバスに乗り込むと、運転手さんが左側の方が眺めが良いため左に座るように促してくれたので、初め右側に座った私たちは左の席に移ります。あとからバスに乗った中高年のおじさんたちにも同じく左に乗るよう告げると、「片側に乗るとバスが傾いちゃうんじゃない!」とおじさんたちが応報、それに「当社はそもそも経営が傾いてますから大丈夫」と笑いを誘う運転手。傑作だったのはそのあと。「左に傾けば右肩上がりになって持ち直すんじゃない」と上手いこと言います。これには気さくな運転手さんもゲラゲラ笑ってバスの中和みます。こうしているうちに、時間となりバスが出発。この御池から沼山峠までの道は一般車進入禁止ですが、それもそのはず。バスが走ると対向車とすれ違うことができない道幅のところ多数。バスは無線で対向車の有無を確認しながら進みます。御池から少し走って眺めの良いところ一旦停車。運転手さんから見下ろした平原が先ほど通ってきた尾瀬ブナ平だと教わります。その後も重兵衛池、長池などのスポットを案内してくれ、約20分で終着点の沼山峠休憩所に到着します。

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檜枝岐村営 山の休憩処

この沼山峠休憩所の標高は1,734m。バスで200m以上登ったことになります。さあ、ここからが登山です。歩き初めは8時半少し前。

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沼山峠から尾瀬に入るのは2度目です。以前に来たのは2007年の8月。夏の盛りだったので半袖でも汗だくでしたし、この登山道はアブが飛び交っていました。今回は6月ということでヤッケを羽織っていてちょうどいいくらいの気候です。登り始めは石段ですが、これが妙に歩きにくい。ゴロゴロとした丸石は足首が落ち着きませんね。少し登ると登山道も残雪というか雪渓というか雪の塊に覆われたところがまだ多数ありました。ただ、雪に段が刻まれ歩きやすくなっているのでむしろ石段より歩きやすいくらい。

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どんどん登って行くと今度は木道が多くなって来ます。これは一番歩きやすいですね。20分ほど登るとあとは下りです。ゆったりとした下り道をどんどん降って行くと徐々に沢の音が大きくなり、尾瀬の福島側の端に当たる大江湿原に出ます。

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沼山峠休憩所から歩き始めて40分ほど。登りも下りもさしてきついところはなく、40分で楽園に到達できます。

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大江湿原の端部である左手を見下ろすと中央の平地の部分に何やら白い点がポツポツ。よく見ると水芭蕉ですね! 尾瀬の水芭蕉は5月初旬から6月中旬が見頃とのこと。今年は豪雪の影響で開花が遅れていたそうですのでどうやら見事に間に合ったようです。

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iPhoneのデジタルズームでエイっと中央を拡大するとこんな感じ。まだまだ沢山咲いているようです。この先のハイキングに期待が高まります。

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もう少し降りて行くと木道のすぐ脇にも水芭蕉が沢山咲いていました。

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そして、もう少し降りて行くと、木道のすぐ脇にも。先ほど水芭蕉を見つけた時の驚きは消え、今度は無数の水芭蕉に囲まれるのが当然のように木道のハイキングを楽しみます。

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湿原の中央に木道がひかれ、尾瀬沼の方にどんどん進みます。まだ朝早いのですれ違う人もまばらで、湿原を貸し切ったよう。

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普段運動不足の嫁さんも沼山峠を超え、休憩なしでここまで歩いて来たにもかかわらず意外に元気。

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湿原だけあって木道の下はぬかるみ。木道の間にも水芭蕉が咲いて華やかな気分を盛り上げます。

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途中、小淵沢田代方面への分かれ道があり、ちょっと折れて、小川の方に行ってみます。水の流れは誠に清らか。尾瀬に降った豪雪が尾瀬の土地に漉されて真水のような透明感。その清らかな流れが水芭蕉を育てます。

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元の木道に戻り、さらに進むと、ついに遠くに尾瀬沼が見えて来ました。あと少しで尾瀬沼です。ここまで歩き始めから1時間ほど。

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進むにつれて、少し前まで残雪の下にいたのか、水芭蕉の花も若いものも混じって来ます。

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尾瀬沼の北岸を進む道との分かれ道に立つ尾瀬の看板。ここは国有林で水源かん養林ということですね。まさにここに降った雪が巡り巡って関東地方の飲料水となっているわけです。

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尾瀬沼に近づくにつれて北にそびえる燧ケ岳の姿が徐々に大きく見えるようになって来ます。旅館で入手したパンフレットによると燧ケ岳に登るには先ほど車を駐めた御池駐車場から4時間の登りでさせるようです。こちら側から眺める燧ケ岳の勇姿から山頂から眺める尾瀬沼もさぞかし絶景だろうとの想像が働きます。いつかはその絶景を見てみたいものですね。
                                                                                   
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長蔵小屋

そしてしばらく歩くと、尾瀬沼東端にある長蔵小屋に着きます。

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そのすぐ脇に長蔵小屋の売店があり、その前のデッキにベンチがあるのでようやく一休みすることとします。ベンチに座ってしばしのんびり。前回来た時はこの長蔵小屋まで来て折り返し帰ったのですが、嫁さんにこのあとどうすると聞いてみると尾瀬沼を一周するとどのくらいかかるのとの質問。手元の地図を見ながら歩程を計算すると3時間くらい。それじゃあやめようという返事かと思いきや、一周してもいいねとの返事。最近はスポーツクラブで週2〜3回泳いでますので嫁さんも体力が付いて来ている模様。それではということで隣のビジターセンターで様子を確認してみようということで尋ねてみました。

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尾瀬保護財団:ビジターセンター

ビジターセンターに入ると、尾瀬に咲く花の説明書きなどが掲示されている他、職員の人が高齢者の団体の質問に答えているなど、いろいろと忙しそう。ということで掲示を確認していると、尾瀬沼の周りのハイキングコースの地図に書き込みがあり、南岸コースが雪のため開通していないとの情報。せっかくやる気になりましたがコースが開通していないのでは仕方ありません。それではということで、南岸コースの手前の三平峠まで行くか、北岸コースで沼尻まで行くか地図を見ながら検討しますが、地図上のスポットのうち燧ケ岳の眺めの良いスポットは三平峠の方に多いということで、そちら方面に行ってみることにしました。ビジターセンターから三平峠までは1キロほどで大した距離ではありませんが、地図上にはぬかるみ注意との書き込みもあります。

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ということでビジターセンターを出て、三平峠方面に歩き出すと、木道の合間に注意書き通り、雪解けでぬかるんだ箇所が出て来ます。こういうところに来ると木道のありがたさがわかります。右手には尾瀬沼が見え、燧ケ岳も望めるコース。ちょっと視界がひらけたところでパチリ。青空に残雪が残る燧ケ岳の勇姿が映えます。

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再び木道を進んで行きます。

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今度はかなり広いところに出て、まさに燧ケ岳が湖面に映える絶好の撮影ポイントに。雲が流れて陽の当たる場所も刻々と変わって行く中、何枚か撮ったうちの一枚。この景色を見るとここまで歩いて来た甲斐があるというものです。流石にいい撮影スポットだけあって木道の横にベンチもあり、写真を撮りながらのんびりと風と陽の光を浴びてのんびりとします。おそらく三平峠への分かれ道はすぐそこです。

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再び林の中を歩くこと5分くらいで三平峠と南岸ルートの分かれ道に着きます。南岸ルートが通行止めのため、尾瀬ヶ原方面から人が来られないこともあり、この辺りは人が少ないですね。

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尾瀬沼側を見ると、ボートがあり、岸に出られるようなので行ってみます。

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湖面のキワまで出ると尾瀬沼に燧ケ岳が映るよう。これで風がなければ鏡のように尾瀬沼に燧ケ岳が映るのでしょう。このあたりでは先ほどからカッコウが鳴き続けており、カッコウの鳴き声とうるさいほどのカジカの鳴き声、林を渡る風の音を楽しみながら景色を眺めて過ごします。もう少し先に行くこともできましたが、そろそろお腹も減って来たので、先ほど休憩した長蔵小屋の売店のところに戻ることにします。

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先ほど来た約1キロほどの道を戻ります。先ほどは尾瀬沼と燧ケ岳の方ばかりを見ていましたが、帰り道、ふと見上げて見ると山桜でしょうか。ダケカンバの新緑に淡いピンクの桜の花がなかなか良いコントラスト。同じ道ですが、行きと帰りでは視線をやる先が異なるものなんですね。いくつかのぬかるみをひょいとかわしながら、先ほど休憩したウッドデッキに戻ります。

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時計に目をやるとそろそろ11時くらい。朝食が6時半で結構な距離を歩いて来ましたのでお腹も良い具合に減って来ました。お昼は昨夜泊まったかぎや旅館でおにぎりを作ってもらっていましたので、ベンチに座って昼食です。朝いただいた紙包みをあけてみると、おにぎり2つとおかずの入ったパックにお茶とおしぼり。おにぎりは海苔と桜の葉の塩漬けを巻いたものが一つずつ。中は梅干しでした。これが美味い美味い。ご飯が美味しいのに加え、歩いた後の梅干しの塩気がたまりません! そしておかずは蕗を煮たものにたくあん、シャケ、トマト。いやいやこれはご馳走です。歩いた後だけに実に美味い。食べ終わった頃には昼時も近づいて来たため、行きに寄った時よりも人が増えこの辺りも賑やかになって来ました。お昼をいただき、少し休んだので、尾瀬沼巡りもこれで終了ということで、帰途につきます。長蔵小屋から朝歩いて来た大江湿原の木道を戻ります。

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なんとなく尾瀬の風景も見納めということで、最後に燧ケ岳をもう一枚。陽が高くなり山の表情も微妙に変わります。行きと違って帰りは勝手知ったる道ゆえ、スタスタと歩けます。水芭蕉がちりばめられた大江湿原をやり過ごし、沼山峠を超えてシャトルバス乗り場のある沼山峠休憩所を目指します。道は同じですが、帰りは交通量が違います。これから尾瀬に入る小学生の集団とのすれ違いが延々と続きます。やはり朝早く入ったのは正解でしたね。帰りは長蔵小屋から沼山峠休憩所まで50分くらいでしたでしょうか。合わせて正味3時間くらいのハイキングでしたが、嫁さんも疲れた様子はなく快適なハイキングでした。休憩所に戻るとシャトルバスが待っておりタイミングよく出発。あっという間に車を駐めた御池駐車場まで帰って来れました。

駐車場でヤッケを脱いで靴を履き替えます。もちろん歩いた疲れを温泉で洗い流そうということで、檜枝岐まで車で戻ります。

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向かったのは檜枝岐の村営の2つある温泉施設のうち、前日に入っていない方の駒の湯です。ここは実は初めての訪問。昨日散歩した六地蔵より少し北にあり、近くに会津駒ケ岳の登山口があるので、登山後のお客さんが多いそうです。ついてみると駐車場に車はなく、我々以外に客はいないよう。

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男湯に入ると予想通り私だけということで、湯船をパチリ。昨日入った燧の湯は単純硫黄泉だったんですが、こちらは弱アルカリ泉。泊まったかぎや旅館と同じ源泉だそうです。お湯は42度くらいと標準的な温度。外に露天風呂もあり、いつも通りしばらく温泉で温まったり風を楽しんだりを繰り返して登山の疲れを癒します。

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汗を流しきってスッキリして上がり、嫁さんが上がってくるのを待ちながら駐車場の脇の檜枝岐川の流れを眺めて過ごします。時刻は14時半くらい。この日の宿は奥日光の湯ノ湖畔。Google Mapsで檜枝岐からの所要時間を確認するとおよそ3時間。ん?3時間? 好天に恵まれのんびり尾瀬のハイキングを楽しんだので、ちょっと時間が押していることにようやく気づきました(笑) これはちょっと先を急がねばなりません。

旅はつづきます。

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【番外】初夏の尾瀬、奥日光紀行(その2)

その1へ

旅行初日も夕刻近くなり、そろそろ今夜泊まる檜枝岐に行こうということになりました。前沢曲家集落から檜枝岐まではiPhoneのGoogle Mapsで30分くらいとでましたので、あと少しですね。

国道352号を進むと木賊温泉への分岐を後ろ髪を引かれる思いでやり過ごし、伊南川を渡り、檜枝岐方面と只見方面の分岐に差し掛かります。もちろん檜枝岐方面に進みますが、このあと道は半分トンネルのようなスノーシェードの連続。おそらく冬はかなりの豪雪に見舞われるということがこれでわかりますね。大桃、小豆温泉と進みようやく懐かしい風景、檜枝岐村に入ります。まずは予約しておいた宿に入り、荷物を下ろします。

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かぎや旅館 尾瀬檜枝岐温泉 | 日本秘湯を守る会会員

この日の宿はこれまで2度泊まったことのあるかぎや旅館。いつも思うのですが宿の名を書いた看板が妙にアーティスティックで不可思議な雰囲気を醸し出しています。ここは尾瀬歩きや登山客向けの宿といった感じで、トイレも風呂も共用ということで母親や叔母づれではちょっと不便な宿ですが、我々夫婦には問題ありません。問題ないどころか、山菜や蕎麦の料理が実に美味く値段もリーズナブルなのでお気に入りの宿です。以前泊まってから季節ごとに便りが届き、今回も山菜祭りの案内ハガキをいただいたので予約した次第。

宿について荷物を降ろしたところで、まだ陽が高いので檜枝岐の街を散策に出かけます。先日NHKの新日本風土記で檜枝岐の特集の再放送を見たばかりなので、落人部落だった歴史や厳しい気候、檜枝岐だけ方言がないこと、村民のほとんどが星、平野、橘の苗字なことなどの情報が入っていますので、街の風景もなんだか以前よりも心に沁みる感じ。

NHK:新日本風土記 - 奥会津 檜枝岐

調べてみると、檜枝岐村は日本有数の特別豪雪地帯であることに加え、人口は600人弱。福島県で最も人口が少ない市町村であり、日本一人口密度の低い市町村とのこと。尾瀬の北の玄関口として今は観光がメインの村ということですね。観光地といっても素朴そのもの。この最果てのような地は都会の人間にとってまさに心癒される村といったところでしょう。

かぎや旅館は沼田街道、檜枝岐の街のほぼ中央にあります。まずはちょっと北に歩くと、檜枝岐のランドマークの一つ、火の見櫓があります。

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鉄製で古いものではなさそうですが、何と無く雰囲気のあるものですね。今でこそ役割はあまりなさそうですが、昔は重要なものだったのでしょう。

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この火の見櫓が気になるのは、足元が池になっており、大きな岩魚がたくさん泳いでいること。檜枝岐の宿の食事の名物は岩魚ですので、ここから取っているのかと思いきや、後で宿の人に聞いたところ檜枝岐の入り口付近にある養魚場から仕入れているとのことでした。

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もう少し北に行ってみると、檜枝岐村の重要文化財である井籠(せいろ)造り板倉があります。板倉の前には解説が書かれた札が下げられていますが、以前来た時には多分このような丁寧な解説はつけられていなかったのではないかと思います。

解説によると、檜枝岐では壁土がなかったことから、昔から住居も蔵も木造で、井籠造りはその最古の形式。柱や釘を使わず10cmほどの厚い板を井籠のように組んだもの。角材によるログハウスのような造りということでしょう。蔵は火事を避けて住居とは離れた場所に建てられたとのことです。

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板倉のすぐ横には年季の入った図太い幹のカツラの木があります。カサついた樹皮にハート形の葉が生い茂り、これも檜枝岐のランドマークの一つでしょう。

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そして、有名な六地蔵と絵馬札。

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檜枝岐は山深い里のため、昔から冷害になやまされ、とくに凶作の年には餓死者もでるほど。それ故、働けぬ赤ん坊がやむなく「まびき」されるという悲しい歴史もあり、この六地蔵は口べらしのために「まびき」された霊を弔い母の嘆きを慰めるために建立されたものとのこと。印象的だったのはここを通りがかった小学生が一体一体の前掛けを綺麗に揃えていたこと。それを見ていた通りがかりのおばあさんが「えらいえらい」と言いながらその小学生の頭を撫でていました。都会ではなかなか見られなくなってしまった風景に、山の暮らしの心の豊かさを垣間見ました。

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六地蔵の周りをはじめとして、檜枝岐の街道沿いには多くのお墓や古い石仏が立っています。お墓は先に触れたように星家ばかりで橘家、平野家がちらほらある感じ。

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そしてその周りには美しい花々と緑があって、これも檜枝岐のランドマーク。今はマーガレットやルピナスなどが盛りで一番美しい季節かもしれませんね。

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こちらは葉に艶があるので牡丹ではなく芍薬でしょうか。

ひとしきり歩いたので、街道を南の方に戻って見ます。するとちょうどお土産やさんの平野商店の向かいの家と家の間の隙間から石段が見えるではありませんか。

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家の隙間を抜けると鳥居があり、人一人通れる狭い幅の石段が上に続いています。ここは入ったことがないので登ってみます。

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さして高くはないのですが、何しろ階段の幅が狭く、人がすれ違うのも難しそうなので、ちょっとスリリング。

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上には、小さな祠に石灯篭、木の鳥居、賽銭箱だけがあり、説明書きによれば愛宕神社とありました。ここは地元の人くらいしか来ない場所でしょう。なんとなく新発見的喜びがありますね。帰りの石段の安全(笑)と旅の安全をお祈りして降りることとしました。

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愛宕神社から降りてさらに南に歩き、有名な歌舞伎舞台に寄ってみることにします。ここも住宅の間の狭い参道が入り口です。ここにはいつものぼりが立てられ、なんとなく華やいだ気分になります。

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ここで行われる檜枝岐歌舞伎は5月12日、8月19日、9月第1土曜と年3回の公演とのこと。すでにこの先の公演の演目が掲示されていました。8月は「鎮守神祭礼奉納歌舞伎」で「寿式三番叟」と「一之谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)」と歌舞伎座でもかかる有名な演目。特に一之谷嫩軍記は平家物語を題材とした演目だけに、平家の落人部落である檜枝岐歌舞伎の演目としては定番なのでしょうね。

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奥に進むと歌舞伎舞台があります。歌舞伎舞台は山の斜面にある神社(先ほど訪れた愛宕神社とは場所は別ですがこちらも愛宕神社)に歌舞伎を奉納するため、神社に舞台が向いており、木造茅葺の建物。明治26年の村の大火で焼失後、明治30年に再建されたのが現在の建物とのこと。村では建物を舞殿(めえでん)と呼んでいるそう。

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近づいてみると、左下手に翼部が張り出し、これは花道として使うのでしょう。花道から出る時は裏から回って羽目板のないところから登場するのでしょう。なんとなく舞台の情景が思い浮かびます。良く見ると舞台上部の梁は実に立派なもので、虹梁(こうりょう)と呼ばれ、荷重を受けてしなったように見せないため上に膨らみをもたせた意匠。眉と呼ばれる優雅な彫り装飾も施され、田舎町の歌舞伎舞台としては実に立派なものであることがわかります。

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舞台自体は回舞台があるような本格的なものではなく障子が据えられただけのもの。実演を見たわけではありませんが、この障子がパッと開いて熊谷直実が登場したりするのでしょう。だんだん実演が見たくなってきました(笑)

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舞台の正面は山の斜面を利用した観客席。ここに歌舞伎の日には村人や観光客が座り、舞台の熱演をうちわ片手に楽しむのでしょうね。写真の右端の石段の上に愛宕神社の社があります。

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夕刻の歌舞伎舞台をぶらぶらと散歩して、今は静かな舞台から上演される日の賑わいを想像して楽しみました。歌舞伎舞台に続く参道を今度は街道に向かって戻りますが、鳥居とのぼりがなんとなくいい雰囲気を醸し出しています。

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こののぼりは福島テレビのもの。もしかすると歌舞伎の模様はテレビでも取り上げられるのでしょうか。

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澄んだ青空が爽やかな気分を盛り立ててくれました。時刻は17時近くになりましたので、一度宿に戻り、あと一箇所寄るべきところがあり、支度をして向かいます。

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尾瀬檜枝岐温泉観光協会:公衆浴場 燧の湯

かぎや旅館から尾瀬側に少し歩いたところにある、檜枝岐に2つある町営の共同浴場の一つの「燧の湯」。ここはお気に入りの温泉で、檜枝岐に過去2回来た時に2回とも入ってます。なんといっても素晴らしいのが露天風呂。44度くらいと熱めの温泉が掛け流されている上、正面の林の緑の眺望が抜群。そして吹き抜ける風の気持ちいいことといったらありません。かぎや旅館の温泉は弱アルカリ泉ですが、こちらは単純硫黄泉。うっすらと硫黄の香りが漂うのも悪くありません。今回も抜けるような青空の下で、新緑の木々を眺めながら熱めの露天風呂に入っては上がって風を浴び、また温泉に浸かっては風を浴びるの繰り返し。日頃の心の垢と旅の疲れを綺麗さっぱり洗い清めました。ここはオススメです! 心も体も浄化されたところで、のんびりと宿に戻ります。

浴衣に着替えて、この宿の名物、山人(やもーど)料理のフルコースへ!

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夕食は1階の宴会場でいただきます。床の間には巨大な熊の毛皮が誇らしげに吊るされているのが山村ならでは。期待の夕食に顔がほころびます(笑) この日は平日で、尾瀬の方も木道にまだ雪がのこっているという情報で、お客さんの予約も例年より遅めに入っているとのことで、泊客は我々のみ。広間が貸切状態で優雅な夕食が始まります。

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まずはビール! すすめられるままに日本秘湯を守る会の宿限定の「秘湯ビール」をいただきます。日本秘湯を守る会も鄙びた宿というだけでなくビールも含めてマーケティングに踏み込んで来ました! もちろん温泉の後の冷えたビールは体に染み渡ります。

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まずは山人料理の数々。正面の瓢箪皿が山菜。ご主人が山菜の種類と料理法を一つ一つ丁寧に教えてくれます。塩漬けにした山菜を戻したり、硬い茎の部分はみじん切りにして食感を柔らかくしたり、苦味を生かすのにマヨネーズを使ったりと、限られた食材を美味しくいただく先人の知恵が受け継がれていることがわかる料理法。一品一品香りと食感が異なり、誠に美味しい。左上の曲げわっぱはつめっこという蕎麦のすいとん。その前に岩魚の塩焼き。ビールの横は岩魚の刺身。岩魚は刺身にするのは大型のもの、塩焼きは中型、干物は小型と岩魚一つとってもきめ細かい使い分け。左手前の小皿の黒いのが山椒の佃煮。これも絶品。色々つまんでいるうちにビールが空き、、、

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と思っていると、宿に着いた時に夕食と一緒にと勧められた岩魚の骨酒が出て来ます。フグのひれ酒同様、よく焼いた小型の岩魚がお酒に浸けてあるもの。お酒をこちらに切り替え、料理をつまみます。

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そうこうしていると、今度は山菜の天ぷらが出て来ます。食べる前に写真を撮り忘れたので、ちょっと食べてからの写真です(笑)。これがまた美味い。山菜は天ぷらに合うものが多いですが、やはり摘み立て、揚げ立ては違いますね。山菜をいただいていると、岩魚の骨酒だけでなくスキッとした日本酒もいただきたくなるんですね〜。

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ちょうどいいのがありました。会津の地酒の飲み比べ。味と香りの違う3種のお酒をちびちびとやりながら天ぷらや山菜に舌鼓を打ち続けます。

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そして、檜枝岐名物裁ち蕎麦。檜枝岐は蕎麦のつなぎとなる小麦なども育たなかったことからやむなく10割蕎麦。それを布を裁つように切るので裁ちそばの名がついたとのこと。蕎麦の横のひし形のもちのようなものが蕎麦で作った甘いもちの「はっとう」。昔村人が食べているはっとうを殿様が食したところあまりに美味いので贅沢であるとして御法度となったことから「はっとう」の名がついたそう。確かにこれはご馳走ですね。

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そして最後にご飯と味噌汁ですが、このご飯が絶品。コシアブラという山菜をバターを混ぜて炊き込みご飯にしたものとのことですが、これがめちゃくちゃ美味い。この季節の定番だそうですが、この炊き込みご飯がお目当で泊まりに来るお客さんもいるそうです。味噌汁は自家製味噌を使ったものとのことで、これも素朴な味。ここまででお腹いっぱいだったんですが炊き込みご飯をおかわりしてしまいました。

この宿の食事、肉もステーキもありませんが、山菜や岩魚など限られた材料の一品一品の繊細な香りの変化に酔いしれました。やはり山の暮らしというか文化の奥行きを改めて思い知らされた次第です。

山菜に岩魚に蕎麦に美味い酒を堪能したので、実にいい気分。部屋に帰ってのんびりしていると、ウトウトと眠気に襲われ、しばらく眠ってしまいます。22時過ぎに目が覚め、この日の最後のミッションに臨みます。そう、宿の風呂にまだ入っていませんでした!

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宿のお風呂は地下1階。地下といっても宿の裏手の伊南川沿いの川から見れば1階に当たる場所。1階の廊下の突き当たりの階段を降りていくと日本秘湯を守る会の提灯が煌々と灯されています。

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総檜造りの内湯に温泉が注がれています。こちらはボイラーの音がしますので循環しているのでしょう。檜の香りを楽しみながら酔い覚まし。しばしぼおっとして上がります。体が温まったところで床につきます。



翌朝は眩しい朝日で5時過ぎには目覚めました。窓の外は晴天ドピーカン! 昨日各所で神社にお参りしたからか、普段の行いが良かったからかわかりませんが、幸い天気には恵まれました。この日は天気が良ければ尾瀬歩きに出かける予定としておりましたので、朝食はこの宿で一番早い6:30にお願いしてあります。もちろん、朝食前に朝風呂に入ってシャッキリすべく、昨夜入った風呂に再び向かいます。

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昨夜とは違って、朝日が射して明るい風呂場。もちろん先客はおらず、貸切り状態。ザバザバと掛け湯をして、湯船に身を沈めます。温度は昨夜と同様、41〜2度くらいでしょうか。ゆったり浸かってぼおっとできる温度です。

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昨夜はあんまりまじまじと見なかった風呂場の看板。なんでも風呂桶の材料は古代檜で、直径2m以上の原木が倒木して150年経過した神木が材料で、浴槽に使っても黒ずまず、20〜30年の使用に耐えるとのこと。なるほど良く見ると、洗い場の木材は黒ずんでますが、浴槽の檜は黒ずんでませんね。なんだかわかりませんが、浴室内は檜の香りが漂い、これも温泉気分を盛り上げます。朝風呂なので適度な時間で切り上げ、上がります。

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脱衣所には温泉分析書が貼られていました。泉質は低張性弱アルカリ性高温泉とあり、源泉の温度は63.7度! 旅館の温泉は万人向けに調整必要ですのでぬる目が多いのですが、高温好きの私には45〜6度の浴槽も欲しいところですね。

部屋に戻って、この後の山歩きに備えて着替えて荷造りをしていると朝食の時間となりました。朝食は1階の食堂と、昨夜の宴会場とは異なる場所でいただきます。

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朝食にも山菜がつけられ、メインは岩魚の一夜干しを炙っていただきます。山菜のおひたしや山菜味噌、岩魚など山里ならではのおかずをちびりながらご飯と味噌汁をいただく素朴な朝食は至福のひととき。ご飯と山菜味噌だけでも十分なんですね。一つ一つの山菜も仕込みを考えると手がかかっており、実は非常に贅沢な食事なのかもしれません。いやいや満足。食後にコーヒーまで出されて言うことなしです。

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ふと食堂の壁を見ると、「祝 寿」という文字が織り込まれたみのがかけらていました。祝いの席で着るみのだったのでしょうか。これもじが書かれたのではなく、織り込まれているところがすごいところ。かなりちゃんとしたものということでしょう。

美味しい食事でお腹も満ちたので、まとめた荷物を車に積み込みいざ尾瀬に向けて出発です。最後はご主人と奥さんが見送ってくれました。部屋も食事もこの宿より豪華なところは山ほどありますが、不思議とこの素朴な雰囲気と料理は他の宿にはないもの。今回で3度目ですが、毎回また来なくては、、、と思わせる宿なんですね。今回もお世話になりました!

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さて、車は沼田街道を南下して尾瀬に向かいます。檜枝岐の街から出てミニ尾瀬公園を超え、会津駒ケ岳の登山口があるキリンテ橋という不思議な名前の橋を超えると、尾瀬国立公園という看板が尾瀬に入ったことを知らせます。

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ちょっと車を停め、青空に映える燧ケ岳の勇姿を写真に納めます。天気は抜けるような青空。さあ、この先はいよいよ尾瀬です!

旅は続きます。

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【番外】初夏の尾瀬、奥日光紀行(その1)

最近色々あってハイドンの音楽のレビューもままならない中、こちらの気晴らしで恐縮ですが、久々の番外記事にお付き合いください。

実は4月初旬に母親の骨折が判明。左膝が痛いと言いつつ車椅子生活が続いており、整形外科に行ってみると膝に水が溜まっているとのこと。水を抜いたり痛み止めを処方されたりしても、一向に改善せず、一念発起で母親自身が入院治療を決意。いざ入院すべく普段かかりつけのパーキンソン病の主治医の紹介でちょっと離れた整形外科の評判の良い病院に入院することになりました。入院時に色々検査してみると、CTによる判定は骨折。しかも2箇所! なにやらレントゲンでは見えにくい骨折とのこと。どおりで痛みが引かないわけです。ということで、リハビリ治療計画書が骨折治療計画書に変わり、2ヶ月の入院と相成りました。そして先日ようやくギブスのような固定具が外れ、リハビリに入った次第。もちろんリバビリも入院での対応です。ただ80歳の母親が2ヶ月ほぼ寝たきりの入院生活を送ると、リハビリも大変。徐々に骨折した左足に体重をかけるリハビリが始まり、ようやく全体重をかけ、最近は歩行訓練に入りはじめました。

この間、ほぼ毎日嫁さんが見舞いに通い、私も仕事の合間に見舞いにいく生活。入院前は車椅子生活で一日中の世話で、夜中もトイレに起こされることも少なくなかったことを考えると、入院中の方がもちろんこちらは楽なんですが、色々と苦労が多いもの。そんな中、今週、私の仕事の年に2度の5連休取得義務の1回目のお休みが取れることになり、私の気晴らしと嫁さんの看護慰労を兼ねて、久々に温泉旅行にいくことにしました。

リハビリに入ったとはいえ入院中の母親がいますので、旅程は2泊と短めとしました。また、このところの旅行は母親と叔母づれということで、あまり歩いたりする工程は組まず、観光中心。温泉も宿だけという旅に加えて、脚の不自由な母親と叔母が一緒ということで、露天風呂付き客室はもちろん、豪華な宿をとるのが定番。少々身分より上の旅に慣れておりました。

今回は私と嫁さんの2人ということで、原点に戻り、日頃の運動不足を補い、入れる日帰り温泉は入り、宿も質素を旨とするという大方針に基づいて旅に出かけることにいたしました。

ということで、目的地は、過去に2度泊まったことのある、会津最深部の平家の落人部落、檜枝岐に決め、久々の夫婦2人での旅行が決行されることに相成りました次第。前置きはこの辺にして、いつものだらだらとした旅行記をお楽しみください(笑)



出かけたのは6月14日(水)。平日ゆえ通勤時間に重なると渋滞しますので、いつも通りちょっと早めに出発。家を出たのは朝の6時半くらい。すでに東京は梅雨入り後ということで天気はあんまり期待できないかもしれないので、旅程も緩めに考えておりました。自宅近くの高井戸インターから首都高に乗り、4号線から初台で中央環状線に入り、王子トンネルをくぐっていつものように東北自動車道に進みます。平日の通勤時間帯前に上りをクリアしたため、渋滞なく東北自動車道に入れました。ちょうど2時間走ったところで休憩に立ち寄ったのがこちら。

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東北自動車道 佐野SA

東北自動車道は、埼玉県を超え利根川を渡ると一瞬、群馬県館林市を通りますが、あっという間に栃木県になります。その栃木県最初の市町村が佐野市。佐野ラーメンが有名ですね。

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トイレを済ませて、ちょっと売店を覗こうかと思って見上げると、入り口の上に2羽のツバメがじっととまって下を眺めているではありませんか。サービスエリアの軒下にツバメの巣があるのは珍しくありませんが、これほど人の近くでじっとしているのは珍しいですね。しばらく見ていると、ツバメの方もキョロキョロと人の流れを見ています。人間観察でしょうか(笑) ツバメにとってはいつもの風景なんでしょうが、こちらは珍しいのでしばらく見入ってしまいました。

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旅行の朝は近所のコンビニでおにぎりを買って、車内で運転しながら朝食をすませるのがいつものこと。この日も首都高に乗った後におにぎりを食べたのですが、佐野サービスエリアにきて佐野ラーメンを食べないわけにはいかないとの嫁さんの判断に従い、2人で1杯頼んでみます。サービスエリアのフードコートなので蕎麦もうどんもカレーもあるんですが、周りを見渡すとほとんどの人がラーメンをすすってます。流石に佐野ラーメンはテレビで色々取り上げられるだけあって抜群の知名度。フードコートの佐野ラーメンということでさして期待もせず食べてみると、これがなかなか旨い。麺は青竹打ちかどうかわかりませんが、手打ち風の縮れ麺。スープもなかなかコクがあります。もちろんペロリと完食。

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車に戻る途中、腹ごなしにサービスエリアの中をプチ散歩。天気は薄曇りで、暑くもなく風は涼やか。とりあえず雨でなくてよかったですね。

再び車を走らせます。本日の目的地は檜枝岐。檜枝岐に行くには、西那須野塩原インターから塩原温泉経由で会津に入るのが最短の経路です。途中温泉にも入りたいので、このあたりの温泉を色々挙げて嫁さんに聞いてみると、何と甲子温泉の大黒屋に行って見たいとのこと。ということで、西那須野塩原インターも那須インターもやり過ごし、白河まで東北自動車道を進みます。那須から行く手もありますが、途中かなりグネグネ道になりますので、無理せず白河経由としました。

白河インターからはひたすら西に進みますが、こちらは真っ直ぐな道が中心なので快適なドライブ。だんだん高度が上がって景色も高原の景色に変わります。那須からの道と合流するキョロロン村のあたりまでくると、すっかりリゾート気分。新甲子温泉の宿をいくつかやり過ごすと、昔は通じていなかった甲子トンネルに入ります。はじめの短いトンネルをいくつか抜けたところを左折すると、もうすぐ甲子温泉大黒屋です。

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トンネルを抜けてすぐのところから甲子道路を下から仰ぎ見ます。この橋は甲子大橋とのこと。この道路がない頃は東北自動車道から会津に入るのはかなり大変でしたね。

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甲子温泉 旅館大黒屋

そこからちょっと下ると大黒屋さんです。以前大黒屋に泊まったのは調べてみたところ2006年の8月のことでした。もう10年以上経っているわけですね。その間に建物も建て替えたということで、旅館の方はだいぶ雰囲気が変わりました。

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お目当は、近くの旭岳が源流の阿武隈川の脇にある大岩風呂。有名な風呂なのでご存知の方も多いでしょう。宿の建物から川向こうにある大岩風呂まで行くには、まずは長い階段を降りる必要があります。これは昔と変わっていませんね。

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階段を下り切ると川を渡る橋があり、外に出ますが、そこにこんな張り紙が。今はいい季節ですが、冬は雪深いため川を渡って風呂に入るのも大変ということでしょう。2009年にトンネルが開通して改築された際、以前は冬季休業していたものが通年営業になり、冬もこの温泉を楽しめるようになったからこそのこの張り紙ですね。

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今は新緑の季節。ドアを開けて外に出ると川のせせらぎとカジカの鳴き声がうるさいほど。

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そして橋を渡るとお目当の大岩風呂です。この佇まいも変わらず。大岩風呂は混浴なので、嫁さんは右隣の女湯となっている櫻の湯に入ります。

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大岩風呂の方は先客が数名。ここまで4時間ほどのドライブの疲れを癒すべく、ザバザバと掛け湯をして大岩風呂に入ります。ここは横から注がれる源泉と底の砂利の下から湧く源泉の2つの源泉があるとのこと。温度は40度弱くらいでしょうか、ぬる目のお湯に浸かってのんびりします。窓の外から涼風が吹き込み、先ほど同様川のせせらぎとカジカの鳴き声だけが響いており、音はうるさいのに不思議な静寂感が漂います。

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ぼおっとしながら湯屋の中を眺めてみると、背後に板に直接墨書きした温泉成分表があるではありませんか。良く見ると書かれた日付は昭和36年10月で、要約する次の通り。
古来この温泉は胃腹痛、頭痛に特効あるが、試験場の定量分析によれば、温度48度で無色透明で異臭、味無く微弱アルカリ性。温泉1キログラムあたりの固形物は1.1064グラムで、石膏性苦味泉となり、医治効果は関節リューマチ、神経痛、皮膚病などとのこと。
この誠に効能がありそうな看板を眺めながらしばし温泉を楽しみます。

また湯の中には子宝石という石があり触れると子宝に恵まれるとのこと。その効能を欲する境遇ではないため、温泉の中を眺めるだけにしておきました(笑)

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こちらは嫁さんが入った櫻の湯。宿のウェブサイトによると大岩風呂と同じ源泉とのこと。3〜40分の入浴ですが、ぬる湯に長時間つかった体がほのかに温まる感じが残るいいお湯でした。湯冷ましに大岩風呂の前でちょっと休憩して、再び階段を登って本館に戻ります。

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本館にはこの宿の周りに現れたテンの写真が飾られていました。そういえば、、、

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こちらは2006年6月に私たちが泊まった際に実際に撮ったテンの写真。この頃は宿の前で野生のテンやハクビシンなどの餌付けをしており、夕食後に泊まり客がいる前にテンが来て餌を食べるのが見られました。宿の人に聞くと、今はこのような餌付けは行っていないそうでした。トンネルができてアクセスは便利になりましたが、もともとかなりの山奥であることに気づかされますね。



さて、大黒屋に着いたのが10:30ごろで、お風呂から上がると11:30。朝食は朝6:30過ぎのおにぎりと予定外で佐野サービスエリアでの佐野ラーメンもいただいたということで、まだお腹も持ちそうです。大黒屋のウェブサイトには食事処が営業していて、蕎麦などが食べられるとあったので、場合によってはここで昼食をとることも考えていましたが、今日はお休みとのこと。まあ、平日のお客さんの人数を考えれば食事処を営業するのは難しいところでしょう。ということで、このまま会津に入り、会津のどこかで食事をとることとしました。

宿からすぐそばの甲子道路へ出て、一路西に向けて走ります。すぐに全長4,345mの甲子トンネルに入り、トンネルを抜けると会津に入ります。大黒屋までは西郷村、トンネルを抜けると下郷町となります。トンネルを抜けると天気も晴れてきて、なだらかな下りの道を軽快に走ります。ドライブ日和に変わってきました。

甲子道路から会津鉄道にぶつかると、今度は南下。北上すると塔のへつりや湯野上温泉があります。しばらく会津鉄道沿いに南下すると、南会津町に入り、この辺りで一番栄えている会津田島の街になります。昼食を取るならこの辺りでということで探しておいた店はこちら。

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食べログ:ラーメンまりちゃん

会津田島で1軒だけ食べログ評価が非常に高いお店です。なにやらソースカツ丼が名物ということで行ってみることにしました。お店に入ったのが12時半近く。流石に人気店らしく、入ってみると4つあるテーブルのうち3つは既にうまっていました。お客さんは地元の人らしき人と観光客と半々くらいでしょうか。なぜかメニューは無く、壁には名物ソースカツ丼の案内のみが貼られていました。ということで注文したのはソースカツ丼と「ラーメンまりちゃん」の店名に基づき、朝佐野サービスエリアで佐野ラーメンを頂いたにもかかわらずラーメン!

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ほどなくして最初に出てきたのはラーメン。見た目はごく普通の醤油ラーメン。まずはスープをすすってみると、これが実に旨味のある複雑な味。スープの出汁に色々な味が混ざっていて、しかも醤油ベースでまとまりの良いところが流石。これはこだわりのスープでしょう。ラーメンも実に美味く、旅の疲れを癒してくれます。

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いつも通り、ラーメンを2人で回して食べていると、名物ソースカツ丼がでてきました。ソースカツ丼には、ソースカツ丼本体(笑)の他、味噌汁、冷奴、おひたし、たくあん、辛子味噌などがついています。この辛子味噌がミソのようです。カツは厚手のロース肉に薄めの衣をつけて揚げてあり、それをソースにたっぷり浸したもの。カツの下にはキャベツが敷かれ、その下にはソースがしみたご飯。カツをいただいてみると、甘めのソースとカリッとした衣の食感と柔らかいロースが絶妙のハーモニー! この甘口のソースはこのお店自家製ということで、これも複雑な旨味がある逸品。お店の中に棚があり、ソースも売っていましたので、これも名物なんでしょう。そして、今度は辛子味噌をつけてカツをいただくと、これが甘めのソースと合ってさらに美味い。カツをいただきキャベツの乗ったソースのしみたご飯をいただき、冷奴やおひたしをつまみます。ソースの甘さがしつこくならないよう上手く工夫されています。流石に完成度が高いメニューと唸りました。やはりポイントはソースカツ丼もラーメンも非常に手間がかかっていると想像されるソースと出汁の複雑な旨味。これは簡単に真似のできるものではなく、このお店ならではのものでしょうね。満腹になって幸せなオーラに包まれつつ、お勘定をして店を出ようとすると、おばちゃんが「また寄ってね!」と人懐こい笑顔で送り出してくれました。恐らくこの方がまりちゃんなのでしょう。今度会津に来た時にはまた寄らねばなりませんね。

さて、無事昼食を済ませたところで、本日の目的地、会津最深部の檜枝岐まではまだしばらくあります。檜枝岐までの道は国道289号で行く北回りと、国道352号で行く南回りと2通りあります。この日はもう一つくらい温泉に入っていきたいということで、迷わず湯の花、木賊などの温泉がある南回りを選択。ということで会津田島を後にして、すぐに南に折れ、会津鉄道沿いを南下します。日光・宇都宮方面への分かれ道をやり過ごし、会津鉄道の会津高原尾瀬口駅を過ぎたあたりで会津鉄道と別れます。ここから登りがきつくなり、高度も上がります。しばらく行くと道の駅があり、嫁さんがソフトクリームの広告オブジェに反応します。まださして走っていませんが、降りてみることにします。

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道の駅番屋

ここは住所が福島県南会津郡南会津町番屋4番地とのことで、道の駅番屋は土地の名前だったんですね。嫁さんが中に入ってソフトクリームを買って来ますが、蕎麦ソフトにエゴマソフトがあり、最近の健康志向で注目されるエゴマの方を選んだそう。ソフトクリームは女性を笑顔にします。

まだ先がありますので、すぐに車に乗り込み先に進みます。このあたりで温泉に入りたいところ。出発前に南会津町のウェブサイトで色々調べておいた情報を元に、湯の花温泉4箇所、木賊温泉2箇所の共同浴場からどこに行こうかと嫁さんにたづねると選ばれたのがこちら。

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湯の花温泉弘法の湯

湯の花温泉に以前来たのは2006年6月で少し上流の湯端の湯に入りました。久しぶりの訪問です。温泉前の狭い駐車スペースに車を駐めると、雨が降って来ました。2007年にお隣木賊温泉に来た際にはバケツをひっくり返したような集中豪雨と雷に襲われた嫌な記憶が蘇ります。雨脚はどんどん強まり目の前の温泉に行くにも傘なしてはずぶぬれになりそうな勢い。仕方なく傘をさして温泉に入ろうとするとドアには近くの民宿で入浴券を買うようにとのこと。

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仕方なく向かいのいせやという民宿で入浴券を買います。玄関を開けると広間のこたつで新聞を読んでいたご主人が入浴券に日付を記入し、ゆっくりと立ち上がって玄関先まで持って来てくれました。入浴料は200円。この入浴券で4箇所の共同浴場全てに入れるとのこと。ご主人は向かいの「弘法の湯が一番ええ」とにっこり。我々の選択が正しかったとこちらもニンマリ。

入浴券を無事ゲットして外に出ると、雨脚はさらに強まり豪雨。小走りに温泉に向かいようやく温泉につかることができます。

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この雨のせいか下駄箱には誰の履き物もなく先客はゼロ。中は掃除が行き届いていて非常に綺麗。

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掲示されていた温泉分析書によればこの温泉は単純泉(弱アルカリ性低張性高温泉)とのこと。温度は44度くらいとやや熱めで、黒い湯の花が舞うトロッとした温泉。降りしきる雨音を聴きながらのんびりお湯に浸かってほっこりしていると、後から近所にお住まいと思しきおじさんが入って来ました。慣れた様子で掛け湯をして湯に浸かり、すぐに上がって髭を剃ったり頭を洗ったりと慣れた様子。こちらは先に上がって、雨の上がった駐車場で涼しい風を楽しんでいると、先ほどのおじさんも上がって来て、先ほど入浴券を買ったのとは反対隣の家に入って行くではありませんか。その家も民宿。要は隣の民宿のご主人が共同浴場でお風呂を使っているということ。やはりこのお湯がいいのでしょうね。男湯の方は温泉の中の大きな窓から街が一望。お湯といい雰囲気といい、入浴料の安さといい絶品のお湯でした。もう少し若ければ、残りの3つの共同浴場も制覇するところですが、すでに思考回路が落ち着いちゃってますので、この一湯で湯の花温泉は堪能したということに致しました(笑)

後から上がって来た嫁さんから「木賊も行く?」と聞かれましたが、温泉で思考が落ち着いていますので、「いや檜枝岐へまっすぐ行こう」と大人の裁き。ということで檜枝岐を目指すことにしますが、ここへ来る道すがら、気になる看板がちらついていました。以前このあたりに来た時にはあまり気づいていないスポット。ということでもう1箇所寄ってみることに。

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前沢曲家集落

湯の花温泉から国道352号に戻り、檜枝岐方面にちょっと進んだところにある前沢曲家集落。ここ前沢は舘岩川の前の沢で中世会津武士が開いた集落とのことですが明治40年に全戸消失する火事があり、その後各戸が同じ大工により一時期に建築したため整った景観が残っているということで平成23年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されたとのこと。

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駐車場に車を駐め、案内所で入場券を買う際、この集落は実際に人が住んでいるため、資料館のみ中に入れるとの説明を聞きます。舘岩川の橋を渡ると集落です。

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橋から下の舘岩川を眺めると実に綺麗な流れ。

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橋を渡ると曲家集落群が広がります。

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右手には水車小屋が見えます。水車は実際に滑らかに回り続けており、この水車小屋へは木をくりぬいた樋が水平に張られていて、上流からの水が絶え間無く注がれています。

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この樋の造りが実に見事。先人の知恵ですね。水が綺麗に流れる角度と木の継ぎ手の加工がしっかりしていないとこうはいきません。

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この流れを安定させるために樋の元には一度水を貯める池があり、ここに注がれることで水の水位を一定にし流れを安定させています。作られたものを見るとそれがわかるのですが、作る時には高さを調整したりと色々と苦労しているはずですね。昔の人の実用的な技術力を感じます。

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しばらく歩くと左側に案内所で説明された資料館がありました。ここは実際の曲家を展示用にしたもの。曲家とはL字型の平面持つ民家で、L字の突出部には厩と便所などが置かれるなどこちらも実用的なもの。曲家は東北などに多く点在し、やはり寒い地方で馬との生活をうまくこなすためのアイデアということでしょう。

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資料館には昔の農機具などが展示されていました。民家の保存時にはこうした展示はよくあるものですね。

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囲炉裏には火が灯され、職員の方がお茶を出してくれたので、囲炉裏端に座って少しのんびり。茅葺き屋根は虫がわかないよう、毎日囲炉裏に火を起こしているそう。茅葺は2〜30年おきに葺き替えが必要で、費用も1000万単位でかかるとのことで維持は大変なようですが、都会に住む私たちにとっては囲炉裏の火は癒しそのもの。薪が燃えて弾ける音を聞きながら煙に燻されながらお茶をいただくのも楽しみですね。

このあたりは雨がポツリとするくらいで道もあまり濡れていなかったので、先ほど湯の花温泉では豪雨だったことを伝えると、少々驚いた様子。職員の方は湯の花温泉から通っているとのことでした。距離はさして離れていませんが、これほど天気が違うものなのですね。

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外には薪が積まれています。この薪を少しづつ使いながら暮らしてため薪割りもしなくてはならない訳ですね。

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外に出るとマーガレットにルピナスの花が咲いています。花の手入れもあっての豊かな雰囲気でしょう。

のんびりしていると大きな雨粒が落ちて来たので、そそくさと駐車場に戻ることにしました。

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帰り際に先ほど通った水車小屋の前に葉が絡まった道祖神がすっくと立っているではありませんか。この先の天気が崩れないようちょっとお参りして、今度は本当に目的地の檜枝岐を目指すことにします。このとき時刻は15時過ぎ。そろそろいい時間ですね。

旅は続きます(笑)

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スミソン弦楽四重奏団のOp.77/103(ハイドン)

先日取り上げたコダーイ四重奏団のOp.9の記事にSkunJPさんからコメントをいただき、スミソン弦楽四重奏団のOp.9の入ったアルバムを発注したのですが、そのアルバムはまだ到着せず、同時に注文したこちらが先に着いたので、こちらを取り上げます。もちろん、演奏が素晴らしいからに他なりません。

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スミソン弦楽四重奏団(Smithson String Quartet)の演奏による、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.77のNo.1、No.2、Op.103の3曲を収めたアルバム。収録は1988年11月17日から20日にかけて、スイスのベルン州にあるブルーメンシュタインのプロテスタント教会(Evangelischen kirche Blumenstein)でのセッション録音。レーベルはdeutsche harmonia mundi。

スミソン弦楽四重奏団のアルバムは以前、1度取り上げています。

2011/06/10 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : スミソン弦楽四重奏団のOp.54

古楽器のヴァイオリニストのヤープ・シュレーダー率いる古楽器によるクァルテット。略歴は以前の記事を参照いただきたいのですが、前記事と録音年も近いことから、メンバーは同一です。

第1ヴァイオリン:ヤープ・シュレーダー(Jaap Schröder)
第2ヴァイオリン:マリリン・マクドナルド(Marilyn McDnald)
ヴィオラ:ジャドソン・グリッフィン(Judson Griffin)
チェロ:ケネス・スロウィック(Kenneth Slowik)

Hob.III:81 String Quartet Op.77 No.1 [G] (1799)
教会での録音らしく残響は少々多めですが、木質系のしなやかな響きなのでむしろ心地良い感じ。冒頭からテンポよく勢いのある演奏。古楽器の音色の美しさはなかなかのもので、響きの魅力にまず惹きつけられます。リズムに生気が宿り、実にイキイキとした演奏。晩年のハイドンの澄み切った心境を映すような演奏という感じ。ほぼ30年前の演奏ながら、録音も演奏も全く古さを感じさせない、素晴らしい充実度。
続くアダージョでは響きの美しさを存分に聴かせます。ヤープ・シュレーダーのヴァイオリンは自然体のボウイングの美しさと、この曲が本来もつ枯れた雰囲気をも感じさせる円熟の演奏。ハーモニーは透明感高く、ソロ部分では孤高の心境が宿るよう。
落ち着いた演奏を断ち切るようにメヌエットに移ります。鋭いボウイングによってハイドンの書いた音楽のキレが強調されます。ちょっと驚くのが中間部をどっしりとまとめてきたところ。色々な演奏を聴いていますが、なかなかのアイデアですね。これによって両端のメヌエットの鮮やかさが一層引き立ちます。
そしてフィナーレは軽やかに入ったと思っていたところ、リズムを変えて次々に襲いくるメロディーの特に低音のアクセントを強調したり、複雑に絡み合うメロディーのエッジが綺麗に立って音楽の綾を実に魅力的に仕上げてきます。目眩く変化する音楽の面白さに釘付けになります。これは見事。なんと鮮やかなフィナーレでしょう!

Hob.III:82 String Quartet Op.77 No.2 [F] (1799)
前曲の鮮やかさを受け継ぐような壮麗な入り。ヤープ・シュレーダーのヴァイオリンは絶好調。鮮度高く、滑らかさと勢いのバランスも絶品。耳を澄ますとクッキリとしたメロディーと流すような音階との対比をかなり鮮明につけています。ヤープ・シュレーダーの自在なボウイングにうっとりしっぱなし。秀逸なのが、展開部の途中でかなり音量を落として沈み込むところのセンス。ゾクゾクさせるようなスリリングさ。この曲でこんな印象を持ったのは初めてのこと。シュレーダー以外のメンバーも見事な音楽性でシュレーダーの冴え冴えとした演奏を支えます。見事。
続くメヌエットでも美しいヴァイオリンの音色とキレは健在。生気漲るとはこのことでしょう。その勢いと見事な対比を見せて沈む中間部が実に印象的。音量のみならず表情の対比がこれほど決まる演奏はそうはありません。
そしてこの曲の白眉の枯れたアンダンテ。この曲に込められた寂しさを帯びた明るさがしっかりと描かれます。音楽が展開するごとに深みが増していく喜び。この曲を書いたハイドンの心情をトレースしていくような演奏に心打たれます。これは絶品、世の中にこれほどシンプルに豊かな心情を表す音楽があるでしょうか。
素晴らしい音楽の締めくくりにふさわしいフィナーレ。天真爛漫に歌う小鳥のようなメロディーを3本の楽器が支えます。フレーズの受け渡しの面白さと、ユニークなメロディに低音の意外にメリハリのついた演奏と最後まで気を抜けません。ヴァイオリンのさえずりを聞かせて、最後はしっかりと展開した音楽をまとめて終わります。この曲も最高。

Hob.III:83 String Quartet Op.103 [d] (before 1803)
ハイドン絶筆の曲。流石に力が抜けてきますが、音楽の豊かさは変わらす。ハイドン最後の音楽を微笑みながら演奏している姿が目に浮かびます。構成感をしっかりと印象づけながらも、落ち着いてゆったりと音楽を紡いでいく姿勢に打たれます。たっぷりと墨を含んだ太い筆でゆったりと筆を運ぶように音楽を作っていきます。
そして、最後のメヌエットは残った力を振り絞るような渾身の音楽。ここにきてチェロの力強さにハッとさせられます。妙に染みる中間部を挟んで、切々としたメヌエットに戻り、残った音符の数を惜しむように曲を結びます。最後の厳しい和音を書き、ハイドンが筆を置いた心境がオーバーラップします。

ふと手に入れたこのアルバムですが、このロプコヴィッツ四重奏曲3曲のベスト盤と言っていいでしょう。演奏によってはハイドン最後の音楽という深みを感じられないものもありますが、この演奏は別格の深さを持っています。古楽器での演奏ながらヤープ・シュレーダーの自在なボウイングから繰り出される音楽の表情は非常に多彩。そしてアンサンブル全体に生気が漲った超がつく名演です。このアルバムを聴いてようやくこの曲の真髄に触れた気になりました。評価はもちろん全曲[+++++]とします。弦楽四重奏曲好きな皆さん、手に入るうちにどうぞ!

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【新着】フランチェスコ・コルティのソナタ集(ハイドン)

今日はハープシコードによるソナタ集。

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TOWER RECORDS / amazon / ローチケHMVicon

フランチェスコ・コルティ(Francesco Corti)のハープシコードによる、ハイドンのファンタジア(XVII:4)、ピアノソナタ(XVI:37、XVI:31、XVI:32、XVI:46、XVI:26)、カプリッチョ「8人のヘボ仕立屋に違いない」(XVII:1)の7曲を収めたアルバム。収録はパリのピエール・マルボスというピアノ販売店の4'33ホールでのセッション録音。レーベルは初めて手に入れるevidenceというレーベル。

フランチェスコ・コルティという人は初めて聴く人。調べてみると、何と今週近所で行われる調布音楽祭に来日するとのこと。いつものように略歴をさらっておきましょう。イタリアのフィレンツェの東南にあるアレッツォで1984年に生まれ、ペルージャでオルガン、ジュネーブとアムステルダムでハープシコードを学びました。2006年ライプツィヒで開催されたヨハン・セバスチャン・バッハ・コンクール、2007年に開催されたブリュージュ・ハープシコード・コンクールで入賞しているとのこと。2007年からはマルク・ミンコフスキ率いるレ・ミュジシャン・ドゥ・ルーヴルのメンバーとして活躍している他、主要な古楽器オケとも多数共演しているそうで、ハープシコード界の若手の注目株といったところでしょうか。

Hob.XVII:4 Fantasia (Capriccio) op.58 [C] (1789)
速めのテンポでハープシコード特有の雅な音色が響き渡ります。使っている楽器はDavid Ley作製の1739年製のJ. H. Gräbnerと記載されています。録音は割と近めにハープシコードが定位するワンポイントマイク的なもので、ハープシコードの雅な響きを堪能できる録音。約6分ほどの小曲ですが、ハープシコードで聴くとメロディーラインが全体の響きの中に調和しつつもくっきりと浮かび上がり、この曲の交錯するメロディーラインの面白さが活きます。しかも速めにキリリと引き締まった表情がそれをさらに強調するよう。最後に音色を変えるところのセンスも出色。普段ピアノやフォルテピアノで聴くことが多い曲ですが、ハープシコードによる演奏、それもキレキレの演奏によってこの曲のこれまでと違った魅力を知った次第。

Hob.XVI:37 Piano Sonata No.50 [D] (c.1780)
軽快なテンポは変わらずですが、今度は所々でテンポをかなり自在に動かしてきます。また、休符の使い方も印象的。ちょっとした間を効果的に配置して、ソナタになると少し個性を主張してきます。速いパッセージのキレの良さは変わらず、ハープシコードという楽器につきまとう音量の変化の幅の制限を、テンポと間の配置で十分解決できるという主張でしょうか。次々と繰り出される実に多彩なアイデアに驚くばかり。ピアノとは異なる聴かせどころのツボを押さえてますね。驚くのが続く2楽章。予想に反してグッとテンポを落とし、一音一音を分解してドラマティックに変化します。ハープシコードでここまでメリハリをつけてくるとは思いませんでした。そしてフィナーレでは軽快さが戻り、見事な対比に唸ります。フィナーレもハイドンの機知を上手く汲み取ってアイデア満載。見事なまとめ方です。

Hob.XVI:31 Piano Sonata No.46 [E] (1776 or before)
冒頭のメロディーのハープシコードによるクリアな響きが印象的。この曲では落ち着いた入り。一音一音のタッチをかみしめるように弾いて行きながら、徐々にタッチが軽くなっていく様子が実に見事。曲想に合わせて自在にタッチを切り替えながら音楽を紡いでいきます。瞬間瞬間の響きに鋭敏に反応しているのがわかります。ここでも印象的な間の取り方で曲にメリハリがしっかりとつきます。アレグレットの2楽章は壮麗な曲の構造を見事に表現、そしてフィナーレではハープシコードの音色を生かしたリズミカルな喧騒感と楽章に合わせた表現が秀逸でした。

Hob.XVI:32 Piano Sonata No.47 [b] (1776 or before)
ピアノでの演奏が耳に残る曲で、低音の動きの面白さが聴きどころの曲ですが、コルティのハープシコードで聴くと、新鮮な響きでその記憶が刷新されるよう。ハイドンはハープシコードの華やかな響きも考慮して作曲したのでしょうか。古楽器では迫力不足に聴こえる演奏も少なくない中、そういった印象は皆無。むしろキレのいいタッチの爽快感が上回ります。続くメヌエットでは調が変わることによる気配の変化が印象的に表現されます。ピアノではここまで変化が目立ちません。そして短調のフィナーレは目眩くような爆速音階が聴きどころ。コルティ、テクニックも素晴らしいものを持っていますね。最後の一音の余韻に魂が漲ります。

Hob.XVI:46 Piano Sonata No.31 [A flat] (1767/70)
初期のお気に入りの曲。壮麗な1楽章、この曲が持つ静かな深みのような不思議な気配を見事に捉えたタッチに引き込まれます。メロディ中心の穏やかな曲想だけに、落ち着いたタッチで穏やかに変化する曲想をじっくり楽しむことができます。やはり曲想に応じて巧みにタッチをコントールしており、その辺りの音楽性がハイドンの真髄を捉えているのでしょう。特に高音のメロディの研ぎ澄まされた美しさを聴かせどころで披露するあたりも見事。そして、アダージョではさらに洗練度が上がり、響の美しさは息を呑むほど。このアルバム一番の聴きどころでしょう。微視的にならずに曲全体を見渡した表現に唸ります。比較的長い1楽章と2楽章をこれだけしっかり聴かせるのはなかなかのものですね。そしてそれを受けたフィナーレは爽快さだけではなく、前楽章の重みを受けてしっかりとしたタッチで応じ、最後に壮麗な伽藍を見せて終わります。

Hob.XVI:26 Piano Sonata No.41 [A] (1773)
ソナタの最後はリズムの面白さが際立つハイドンらしい曲。コルティは機知を汲み取り、リズムの変化を楽しむかのようにスロットルを自在にコントロールしていきます。そして明るさと陰りが微妙に入れ替わるところのデリケートなコントロールも見事。途中ブランデンブルク協奏曲5番の間奏のようなところも出てきますが、これぞハープシコードでの演奏が活きるところ。曲が進むにつれて繰り出されるアイデアの数々。コルティの多彩な表現力に舌を巻きます。メヌエットは端正なタッチで入りますが、終盤音色を変えてびっくりさせ、非常に短いフィナーレではさらに鮮やか。

Hob.XVII:1 Capriccio "Acht Sauschneider müssen sein" 「8人のへぼ仕立屋に違いない」 [G] (1765)
最後はユーモラスなテーマの変奏曲。この曲を最後に持ってくるあたりにコルティのユーモアを感じざるを得ません。ハープシコードでの演奏に適したソナタ数曲のまとめに、軽い曲を楽しげに演奏するあたり、かなりハイドンの曲を研究しているはずですね。もちろん演奏の方はソナタ同様素晴らしいものですが、力を抜いて楽しんでいる分、こちらもリラックスして聴くことができます。まるでソナタ5曲をおなかいっぱい味わった後のデザートのよう。聴き進むとデザートも本格的なものでした! 最後はびっくりするような奇怪な音が混じるあたりにコルティの遊び心とサービス精神を味わいました。

久々に聴いたハープシコードによるソナタ集。まるで眼前でハープシコードを演奏しているようなリアルな録音を通してフランチェスコ・コルティの見事な演奏を存分に楽しめました。これは名盤ですね。評価は全曲[+++++]とします。調べてみると、これまでにも色々とアルバムをリリースしているようですので、私が知らなかっただけだと思いますが、若手の実力派と言っていいでしょう。コルティのウェブサイトにもリンクしておきましょう。

Francesco Corti

これは是非実演を聴いてみたいところですが、折角近所で行われる調布音楽祭にコルティが出演する6月14日も17日もあいにく都合がつきません。次回の来日を期待するとしましょう。

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プロフィール

Daisy


Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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ハイドン所有盤リスト
Joseph Haydn Discography at H. R. A.
所有盤をジャンル別にリスト化しています。基本的に録音年順とし、録音年不明のものは末尾に記載。演奏者名はジャケットなどの表記に合わせています。

2017年7月のデータ(2017年7月31日)
登録曲数:1,361曲 登録演奏数:10,291
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