【番外】母親の喜寿に伊豆旅行-4

湯の国会館でゆっくりして、この日は中伊豆のイコンをいやと言うほど満喫しました。あとは車で10分くらいのところにある、本日予約してある宿を目指すだけ。



今日泊まる宿は、吉奈(よしな)温泉、東府や。この温泉紀行の最初の記事に書いた通り、妙高高原の赤倉観光ホテルと同じ系列のホテルです。

吉奈温泉 東府や Resort&Spa-Izu

ウェブサイトを見ていただくとわかるとおり、素晴しい造りの宿。

調べてみると、この地、吉奈温泉のお歴史は古く、724年、この温泉街にある善名寺を建立した僧行基が発見したと伝えられ、地元では子宝の湯として知られていたそう。地元での評判を聞いて徳川家康の側室お万の方が子宝祈願で滞在し2児を授かったことから全国的に有名になったという由緒正しい温泉です。

宿の東府やの前身は吉奈温泉の名主邸、そしてその後旅館となり東府屋と名付けられましたが、家康が晩年隠居した静岡市の駿府城(別名府中城)の東にあるころから、東府屋と名付けられたそうです。この旅館、明治時代には「唐人お吉」も晩年2年間逗留したとされ、館内には唐人お吉館という施設まであります。こちらももの凄い由緒正しい旅館のようです。

もうすこしネットを調べてみると、もともと東府屋という旅館はごく最近の2010年5月に破産したそうで、現東府「や」は赤倉観光ホテルの運営会社、R&Mリゾートと言う会社が破産後の東府屋を買い取って、再生させたものとのこと。どうりで綺麗な訳です。赤倉観光ホテルも同様、R&Mリゾートが再生させたものということで、その再生手腕の素晴しさは赤倉で実体験済みです。

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前振りが長くなりましたが、垢抜けた東府やの玄関に、色だけ派手な普通の大衆車で乗り付けると、中から宿の方がでてきてご挨拶。荷物を車から降ろして中に入ります。ここは玄関だけの玄関棟なのに広大な空間。和風の小屋組なんですが、ちょっとフランク・ロイド・ライト設計の邸宅を思い起こさせる、豊穣なテイストも重なり、最初から豪華な雰囲気に圧倒されます。

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ソファに座るように促され、チェックインの説明をまっていると、ウェルカムドリンクはスパークリングワイン。いろいろ選べるようでしたが、母親も迷わずワインをご発注(笑)

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ソファに座りながら大きな窓の外を見ると、ウッドデッキに池、綺麗に手入れされた植栽、そして旅館の中を吉奈川が流れていくのが眺められ、リラックス感は言うことなし。

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ウェルカムドリンクを飲みながら、館内の説明をうけていると、敷地が恐ろしく広大で、富士山を眺められる富士見平というところまで1時間近く散歩できそうなほど。先ほど触れた唐人お吉館とかベーカリー&カフェ、足湯等まであり、館内を巡るだけでも相当時間がかかりそうです。ここまで大きいことを事前に把握していたら、湯の国会館をパスして早めにチェックインしていても良かったですね。まあ湯の国会館も寄るべき価値のある温泉でしたので良しとしましょう。

赤倉もそうですが、この広大さは旅館でもそうあるものではありません。玄関棟はほぼ新築なんでしょう、空間構成の巧みさと、日本建築の本質的な動線設計の良さを取り入れた建物構成は赤倉観光ホテルと共通するものを感じます。なかなか巧みです。

荷物を運んでもらいながら、部屋に向かいます。

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廊下には品の良い日本画がそこここに掛けられており、優雅なこと限り無し。要所の生け花も素人離れした華やかな設え。

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部屋は玄関棟から吉奈川を渡った本館の1階、水音テラスのすぐ脇の和室。和室と言っても数寄屋のような典雅な雰囲気の部屋。

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床の間には立派な掛け軸に生け花。旅館全体にセンスの良さが行き渡っています。

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そして部屋のお茶菓子は、このあたりでは有名なのでしょう、伊豆名物「猪最中」。調べてみたら、この宿の
すぐ近くに製造元があるようです。

小戸橋製菓:猪最中

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嫁さんが宿に母親の喜寿祝いでと伝えてあったので、机には宿からなのお祝いが置いてありました。ベーカリーで焼いたクッキーと祝いのメッセージ。もの凄い達筆です。母親もこれにはビックリ。こうゆうきめ細かい心配りはうれしいものですね。

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テラスに出ると、吉奈川のせせらぎが目の前。よく見ると鮎だかニジマスだかわかりませんが、魚が泳いでいるのがみえます。あちこち巡ってどたばたとここまで来ましたが、部屋に入ってようやく落ち着きました。女性陣はチェックイン時に浴衣をえらべますので、選んだ浴衣に着替えます。母親はお祝いなのでかなり派手目な浴衣で、ちょっと落ち着かない様子(笑)

普通だったら、ここでまず温泉にいくのですが、先程近くの温泉に入ったばかり、しかも夕食の時間もちかいので、風呂は夕食のあとにすることにしました。ただ、ここは部屋に半露天風呂があります。私だけちょっと入って汗をながします。ああ至福(笑)

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夕食は、部屋のすぐ目の前の「懐石茶や水音」で。深くいい雰囲気の軒があって、前のテラスから適度な距離感が感じられる落ち着いた配置。日本建築の最も象徴的な軒の佇まいがとても上手く活かされていて、設計者の良心を感じさせます。

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夕食は懐石料理なので凄い品数です。といってもどのお皿も適度な量で、味の変化を次々と楽しめます。うちの席を担当してくれた仲居さんも、物腰のやわらかな落ち着いた笑顔が素敵な方でした。一皿一皿丁寧に説明があり、料理をいただく前に脳の味覚中枢が全開になります。料理を楽しむには接客もポイントですね。

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もちろん、まずは生。ドライブで飲めなかった(ウェルカムドリンクはいただきました!)分、染み渡ります。絶妙な泡のクリーミーさが嬉しいですね。このシズル感、たまりません。

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前菜は、栗豆腐、松茸、秋刀魚の梅煮、サーモンの手鞠寿司と銀杏等。非常に繊細な味の変化。サーモンの手鞠寿司に添えられた山椒の葉の香りが柔らかい味の組み合わせを引き締めます。

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お椀はホタテ、冬瓜、白玉とこれまた絶妙に繊細な味ですが、こちらもスダチの香りがこの繊細さを引き立てます。ビールには繊細すぎるので、やはり日本酒を発注。

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日本酒は古今東西いろいろなお酒がそろえられていたんですが、リーズナブルな宿オリジナルの冷酒を薦めてくれましたので、まずはそれをいただきます。流石にオリジナルだけあって、料理の繊細さを引き立てる、穏やかな喉越しの冷酒。既に冴え渡った味覚中枢がさらにアドレナリン、もといアルコールで満たされます(笑)

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お造りのお刺身も言うことなし。女性に人気なんですと仲居さんが言う通り、ガラスの器に盛られたお刺身はどれも新鮮、目と舌からの刺激は十分。あまりに美味しそうなので、写真を撮る前に食べちゃいました。ガラスの器には良い色のマグロがあったんですが、既に嫁さんの腹の中(笑) 手前の器には海苔が添えられ、これも味の変化を感じさせるいいアイデア。次から次へと運ばれてくる料理に舌鼓連打です。

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煮物は胡麻だれでいただくしゃぶしゃぶ。愛鷹牛という牛。もちろんしゃぶしゃぶは美味なんですが、しゃぶしゃぶをいただいた後の水菜とレタス、しめじ、舞茸などの野菜が、甘みがでて最高。なんと母親から、「お肉少ないわね〜」とのコメント。このあとご飯やデザートまで食べきれないぞと指導(笑) よほどお肉が美味しかったのでしょう。まだまだやる気満点です。

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焼物はかますですが、柚子の香りをつけたもの。そして上には松茸。ここまできても多彩な香りが十分刺激的。最初にいただいた松茸が絶妙。香りのハーモニーに酔いしれます。ちょっと酔っぱらってもきましたが、冷酒をおかわり(笑)

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つづいて出てきたのは強肴(しいざかな)というお皿。強肴とは懐石で八寸の後に出す肴とのこと。先程のかますが杉の素木の四角い板に乗って出てきたので八寸でしょう。海老と芋でつくった軽羹風のものにカニの餡をからませたもの。やはりかにの風味がほどよく香ります。

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そしてようやくご飯と赤出汁。ご飯は入口にあった釜戸で炊いた伊豆のコシヒカリの新米だそうです。ご覧の通り完食。これだけの品数をいただいたのにお腹の張りはそうでもありません。旅館の夕食はともすると苦しいくらいにお腹いっぱいになってしまったりするものも多いですが、この適度な感じは、我々の年代や母親の年代にはいいですね。

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最後はデザート。デザートも余裕で楽しめる適度な腹具合。アイスクリームで酔いが覚め、穏やか気分になるんですね。

食事はご覧のとおりの素晴しさ。味は言う事なしですが、見た目にも非常に鮮やかで、接客も完璧。そしてゆったりと広い空間。外は夕闇に流れる吉奈川の静けさ。母親もとても楽しんでもらったようで何よりです。

ただし、これでは終わらないんですね(笑)

(スミマセン、まだつづきます)

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テーマ : 国内旅行
ジャンル : 旅行

tag : 温泉

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最後まで我慢できずに(笑)

こんばんは~
旅行記最後まで読んでから感想をと思ってましたが、我慢しきれずに投稿を(笑)すごいお宿ですね~、食事も完璧~って感じです!行ってみたい!!

豊かな説明と情緒溢れる写真の数々、いつも楽しんでます~
プロフィール

Daisy


Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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