長原幸太/宮田大/田村響のジプシーロンド(所沢市民文化センターミューズ)

12月23日天皇誕生日は、チケットを取ってあったコンサートへ。

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所沢市民文化センターミューズ:ミューズ主催公演 長原幸太[ヴァイオリン]×宮田大[チェロ]×田村響[ピアノ]

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会場は所沢と自宅からはちょっと遠いホールでのコンサートでしたが、ハイドンのピアノトリオがプログラムに入っているということと、奏者がよく聴いている読響のコンサートマスター長原幸太さんということ、また、会場の所沢のミューズも休みの日でないと行けない場所ということで、チケットを取った次第。プログラムは下記の通り。

ハイドン:ピアノ三重奏曲 Hob.XV:25「ジプシー・ロンド」
コダーイ:ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲 Op.7
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調 Op.97「大公」

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メンバーの長原幸太はよくコンサートに行っている読響のコンアートマスターとして私にはお馴染みな人でしたが、今回調べて見ると生まれは1981年ということでまだ30代半ば。見た目より若いですね(笑)。小学生時代から頭角を現し、全日本学生音楽コンクール全国大会(小学校の部)で1位となり、以降名門藝大を出て、こちらも名門ニューヨークのジュリアード音楽院に留学、最年少でサイトウキネンオーケストラに入団するなど才能に溢れた人。2004年から大阪フィルの首席客演コンサートマスター、2006年より同首席コンサートマスター、2014年から読響のコンサートマスターとなっています。

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宮田大は、以前小澤征爾の振る水戸室内管弦楽団とハイドンのチェロ協奏曲を演奏した映像が放送され、Blu-rayディスクもリリースされているのでご存知の方も多いでしょう。1986年生まれで、同じく若い頃からチェロを学び、桐朋学園を卒業し、2009年日本人として初めて、ロストロポーヴィチチェロコンクールで優勝した経歴の持ち主。
ピアノの田村響も同じく1986年生まれ、ザルツブルクのモーツァルテウムで学び、2007年、パリで開催されたロン=ティボー国際コンクールピアノ部門で優勝しています。現在は京都市立芸術大学の講師とのこと。

ということで、メンバーは皆若手実力派というところ。



この日はホールまで遠いので結構早めに家を出ましたので、ホールに着いたのは開場時間のかなり前。ここは大ホール、中ホール、小ホールなどいろいろある総合施設で、ぶらりと歩きまわって見るとレストランがありましたので、時間つぶしに寄ってみます。

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食べログ:響

自宅で昼食をとって出かけてきましたので、14時前のこの時間はお腹が空いているわけではありません。ということで頼んだのは地ビールの所沢ビールの4種テイスティングセット! 野老ゴールデン、スモーキン、ダークホース、ファラオの4種ですが、これがちょっといけません。ビールはいいと思うのですが、グラスがビールに全く合わず、泡も切れた状態で供され、ビール好きな人からしたら、出し方が台無です。しかも最初に3種出てきて、残りは結構経ってからということで、せっかくの地ビールが残念な感じでした。

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つまみのピクルス。こちらは浅い漬かり具合。ビールのつまみにするにはもう少ししっかり漬かっていた方がいいでしょう。

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嫁さんはあんみつ! この日はポカポカ陽気でしたので正解です。

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あんみつにはお茶でしょうが、ここは狭山茶の産地ということで、極上狭山茶「極」。こちらはまあまあでした。

ひとしきりのんびりして、時刻は開演30分前くらいになりましたのでホールに移動します。

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この日の席はステージ前の左側の前から3列目。ミューズの大ホール、アークホールは平面を見るとウィーンのムジークフェラインそっくりのシューボックス型。1993年オープンということでもう20年以上経っていますが、それほど古びた感じもなく、ホールはかなり本格的な作りで綺麗。正面には本格的なパイプオルガンがあり、その両脇には彫像が立つなどバブル期に計画されたと思わせる豪華な感じ。設計は公共建築の多い石本建築事務所。ホールの音響設計はヤマハとのこと。初めて聴くホールなので色々気になります。



この日のお客さんの入りは5割程度だったでしょうか。この演目で都心から離れたこのホールとしては健闘しているところでしょう。開演時刻になると、3人の奏者がステージに上がり、簡単なチューニングを済ませると、すぐにハイドンの名曲です。

冒頭から非常にキレのいい演奏。まるで録音を聴いているような完璧な演奏に驚きます。ヴァイオリンの長原さんは冒頭から安定感抜群。オケではソロの部分は多くはありませんが、こうして聴くと素晴らしいテクニックの持ち主であることがわかります。美音を轟かせながらも、どっしりと揺るぎない堅固な演奏。他の2人もキレ味抜群。何よりピアノトリオとしてのアンサンブルのまとまりは録音を含めて一流どころに劣るどころか、1、2を争うような素晴らしい出来。3人とも若手にモカ関わらず、鮮度抜群な上に非常に冷静に音楽を造っていく才能に溢れ、アンサンブルの絶妙な掛け合いの魅力も、繊細な表情の変化も聴かせる完璧な出来。今日初めて聴くピアノの田村さん、こちらもリズムの安定感とタッチのキレが素晴らしく、トリオの骨格を見事に支えていました。ステージにかなり近い席だったせいか、強音の後の余韻がホールに吸い込まれていく響きの美しさは惚れ惚れするほど。3人のアンサンブルが絶妙に美しく響き渡ります。これでこそピアノトリオ。
胸のすくような1楽章のアンサンブルから、ゆったりと宝石のように輝くポコ・アダージョに入ると。ピアノの田村さんの繰り出すまさに転がりながら光り輝くピアノの音にうっとり。ちょっと怖い人のような風体ですが、流れ出す音楽のピュアさはかなりのもの。ヴァイオリンとチェロが代わる代わる美しいメロディーを紡いでいきますが、メランコリックになることなく、透明感溢れる音楽を維持します。
そしてフィナーレのジプシーロンドは再び、ヴァイオリンとチェロの快刀のごとき弓使いに圧倒される楽章。速いパッセージのキレ味は火花が散るよう。そしてジプシー風のメロディーに入ると長原さんの弓が飛び回るように走ります。以前聴いたリッカルド・ミナーシの路上パフォーマンスのような砕け方はしないものの、手に汗握るようなパフォーマンスは流石なところ。最後の一音をかき消すように拍手が降り注ぎました。いやいや、若手実力者が揃ったとはいえ、ここまでの完成度だとは思いませんでした。実演の迫力も手伝って、この曲のベストの演奏を聴いた気分。

次はピアノなしの、コダーイのヴァイオリンとチェロのための二重奏曲。この曲は初めて聴きますが、技巧が凝らされた複雑な曲だけに演奏は極めてむずかしそう。演奏は神がかったような集中力を伴ったもの。2人のテクニックを存分に活かした素晴らしいもので、2人が織りなす素晴らしいア濃密なアンサンブルを堪能できました。これにはハイドンを上回る拍手が降り注ぎました。

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休憩を挟んで、後半は再びピアノトリオになりベートーヴェンの大公。もちろん素晴らしい演奏だったんですが、曲自体を苦手としているためか、あるいは前半の鮮烈なキレの良い演奏に対して、後半のプログラムの曲想がしなやかなものだったので、3人のアンサンブルの緻密な魅力が映えなかったからか、前半ほどのインパクトは感じられませんでした。ベートーヴェンの代表的なピアノトリオですが、ハイドンのシンプルな曲想に比べてどうも音符に無駄が多く、曲の緻密さの違いから楽しめなかったのかもしれません。まあ、ハイドンのブログということでお許しいただきたいと思います。もちろん会場からは割れんばかりの拍手がふりそそき、何度か拍手に促されて登壇したのちにアンコールということで、最初のジプシーロンドの3楽章を再度演奏。もちろんアクロバティックな弓さばきに拍手喝采でコンサートを終えました。

後半のベートーヴェンにちょっと難癖つけちゃいましたが、この日のコンサートは大満足。特に前半は今まで聴いた室内楽のコンサートではベストのものでした。何より若手3人の息の合った精緻なアンサンブルの素晴らしさは録音を含めても非常にレベルが高く、欧米の一流どころに引けをとるものではありませんね。いいコンサートでした。また所沢のミューズも素晴らしい響きということがわかりましたので、機会があればまた来てみたいところですね。

さて、もうクリスマスになっちゃいましたネ。いよいよ年の瀬です。

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tag : ピアノ三重奏曲

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このコンサート、とても行きたかったのですが、仕事で駄目でした。

ジプシー・トリオと大公が聴けるなんて、最高のプログラムじゃないですか!

今年のトリオ・ヴァンダラーのベートーヴェン全曲公演も、アンコールに確かジプシー・トリオをやったそうで、トリオの世界では、もしかしてハイドンはメジャーなのではと考えてしまいました(笑)

Re: タイトルなし

小鳥遊さん、コメントありがとうございます。

流石に目の付け所が違いますね。もちろんブログに書いた通りいいコンサートでした。流石に所沢は地元でない限り平日に行くのは難しいところでしがが、幸い祝日のコンサートなので都合がつけられました。私も以前、仕事でチケットを取ってあったスクロヴァチェフスキのブルックナーの7番という楽しみにしていたコンサートに行けず、やむなく友人に譲ったことを思い出しました。好きなコンサートはあれど、仕事の都合もあるのは致し方なしですね。

トリオ・ヴァンダラーも一度生で聴いてみたいのですが、ベートーヴェンだと今ひとつ食指が動かないのはハイドンマニアの性ということで(笑)
プロフィール

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Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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