【番外】初夏の尾瀬、奥日光紀行(その1)

最近色々あってハイドンの音楽のレビューもままならない中、こちらの気晴らしで恐縮ですが、久々の番外記事にお付き合いください。

実は4月初旬に母親の骨折が判明。左膝が痛いと言いつつ車椅子生活が続いており、整形外科に行ってみると膝に水が溜まっているとのこと。水を抜いたり痛み止めを処方されたりしても、一向に改善せず、一念発起で母親自身が入院治療を決意。いざ入院すべく普段かかりつけのパーキンソン病の主治医の紹介でちょっと離れた整形外科の評判の良い病院に入院することになりました。入院時に色々検査してみると、CTによる判定は骨折。しかも2箇所! なにやらレントゲンでは見えにくい骨折とのこと。どおりで痛みが引かないわけです。ということで、リハビリ治療計画書が骨折治療計画書に変わり、2ヶ月の入院と相成りました。そして先日ようやくギブスのような固定具が外れ、リハビリに入った次第。もちろんリバビリも入院での対応です。ただ80歳の母親が2ヶ月ほぼ寝たきりの入院生活を送ると、リハビリも大変。徐々に骨折した左足に体重をかけるリハビリが始まり、ようやく全体重をかけ、最近は歩行訓練に入りはじめました。

この間、ほぼ毎日嫁さんが見舞いに通い、私も仕事の合間に見舞いにいく生活。入院前は車椅子生活で一日中の世話で、夜中もトイレに起こされることも少なくなかったことを考えると、入院中の方がもちろんこちらは楽なんですが、色々と苦労が多いもの。そんな中、今週、私の仕事の年に2度の5連休取得義務の1回目のお休みが取れることになり、私の気晴らしと嫁さんの看護慰労を兼ねて、久々に温泉旅行にいくことにしました。

リハビリに入ったとはいえ入院中の母親がいますので、旅程は2泊と短めとしました。また、このところの旅行は母親と叔母づれということで、あまり歩いたりする工程は組まず、観光中心。温泉も宿だけという旅に加えて、脚の不自由な母親と叔母が一緒ということで、露天風呂付き客室はもちろん、豪華な宿をとるのが定番。少々身分より上の旅に慣れておりました。

今回は私と嫁さんの2人ということで、原点に戻り、日頃の運動不足を補い、入れる日帰り温泉は入り、宿も質素を旨とするという大方針に基づいて旅に出かけることにいたしました。

ということで、目的地は、過去に2度泊まったことのある、会津最深部の平家の落人部落、檜枝岐に決め、久々の夫婦2人での旅行が決行されることに相成りました次第。前置きはこの辺にして、いつものだらだらとした旅行記をお楽しみください(笑)



出かけたのは6月14日(水)。平日ゆえ通勤時間に重なると渋滞しますので、いつも通りちょっと早めに出発。家を出たのは朝の6時半くらい。すでに東京は梅雨入り後ということで天気はあんまり期待できないかもしれないので、旅程も緩めに考えておりました。自宅近くの高井戸インターから首都高に乗り、4号線から初台で中央環状線に入り、王子トンネルをくぐっていつものように東北自動車道に進みます。平日の通勤時間帯前に上りをクリアしたため、渋滞なく東北自動車道に入れました。ちょうど2時間走ったところで休憩に立ち寄ったのがこちら。

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東北自動車道 佐野SA

東北自動車道は、埼玉県を超え利根川を渡ると一瞬、群馬県館林市を通りますが、あっという間に栃木県になります。その栃木県最初の市町村が佐野市。佐野ラーメンが有名ですね。

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トイレを済ませて、ちょっと売店を覗こうかと思って見上げると、入り口の上に2羽のツバメがじっととまって下を眺めているではありませんか。サービスエリアの軒下にツバメの巣があるのは珍しくありませんが、これほど人の近くでじっとしているのは珍しいですね。しばらく見ていると、ツバメの方もキョロキョロと人の流れを見ています。人間観察でしょうか(笑) ツバメにとってはいつもの風景なんでしょうが、こちらは珍しいのでしばらく見入ってしまいました。

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旅行の朝は近所のコンビニでおにぎりを買って、車内で運転しながら朝食をすませるのがいつものこと。この日も首都高に乗った後におにぎりを食べたのですが、佐野サービスエリアにきて佐野ラーメンを食べないわけにはいかないとの嫁さんの判断に従い、2人で1杯頼んでみます。サービスエリアのフードコートなので蕎麦もうどんもカレーもあるんですが、周りを見渡すとほとんどの人がラーメンをすすってます。流石に佐野ラーメンはテレビで色々取り上げられるだけあって抜群の知名度。フードコートの佐野ラーメンということでさして期待もせず食べてみると、これがなかなか旨い。麺は青竹打ちかどうかわかりませんが、手打ち風の縮れ麺。スープもなかなかコクがあります。もちろんペロリと完食。

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車に戻る途中、腹ごなしにサービスエリアの中をプチ散歩。天気は薄曇りで、暑くもなく風は涼やか。とりあえず雨でなくてよかったですね。

再び車を走らせます。本日の目的地は檜枝岐。檜枝岐に行くには、西那須野塩原インターから塩原温泉経由で会津に入るのが最短の経路です。途中温泉にも入りたいので、このあたりの温泉を色々挙げて嫁さんに聞いてみると、何と甲子温泉の大黒屋に行って見たいとのこと。ということで、西那須野塩原インターも那須インターもやり過ごし、白河まで東北自動車道を進みます。那須から行く手もありますが、途中かなりグネグネ道になりますので、無理せず白河経由としました。

白河インターからはひたすら西に進みますが、こちらは真っ直ぐな道が中心なので快適なドライブ。だんだん高度が上がって景色も高原の景色に変わります。那須からの道と合流するキョロロン村のあたりまでくると、すっかりリゾート気分。新甲子温泉の宿をいくつかやり過ごすと、昔は通じていなかった甲子トンネルに入ります。はじめの短いトンネルをいくつか抜けたところを左折すると、もうすぐ甲子温泉大黒屋です。

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トンネルを抜けてすぐのところから甲子道路を下から仰ぎ見ます。この橋は甲子大橋とのこと。この道路がない頃は東北自動車道から会津に入るのはかなり大変でしたね。

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甲子温泉 旅館大黒屋

そこからちょっと下ると大黒屋さんです。以前大黒屋に泊まったのは調べてみたところ2006年の8月のことでした。もう10年以上経っているわけですね。その間に建物も建て替えたということで、旅館の方はだいぶ雰囲気が変わりました。

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お目当は、近くの旭岳が源流の阿武隈川の脇にある大岩風呂。有名な風呂なのでご存知の方も多いでしょう。宿の建物から川向こうにある大岩風呂まで行くには、まずは長い階段を降りる必要があります。これは昔と変わっていませんね。

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階段を下り切ると川を渡る橋があり、外に出ますが、そこにこんな張り紙が。今はいい季節ですが、冬は雪深いため川を渡って風呂に入るのも大変ということでしょう。2009年にトンネルが開通して改築された際、以前は冬季休業していたものが通年営業になり、冬もこの温泉を楽しめるようになったからこそのこの張り紙ですね。

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今は新緑の季節。ドアを開けて外に出ると川のせせらぎとカジカの鳴き声がうるさいほど。

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そして橋を渡るとお目当の大岩風呂です。この佇まいも変わらず。大岩風呂は混浴なので、嫁さんは右隣の女湯となっている櫻の湯に入ります。

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大岩風呂の方は先客が数名。ここまで4時間ほどのドライブの疲れを癒すべく、ザバザバと掛け湯をして大岩風呂に入ります。ここは横から注がれる源泉と底の砂利の下から湧く源泉の2つの源泉があるとのこと。温度は40度弱くらいでしょうか、ぬる目のお湯に浸かってのんびりします。窓の外から涼風が吹き込み、先ほど同様川のせせらぎとカジカの鳴き声だけが響いており、音はうるさいのに不思議な静寂感が漂います。

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ぼおっとしながら湯屋の中を眺めてみると、背後に板に直接墨書きした温泉成分表があるではありませんか。良く見ると書かれた日付は昭和36年10月で、要約する次の通り。
古来この温泉は胃腹痛、頭痛に特効あるが、試験場の定量分析によれば、温度48度で無色透明で異臭、味無く微弱アルカリ性。温泉1キログラムあたりの固形物は1.1064グラムで、石膏性苦味泉となり、医治効果は関節リューマチ、神経痛、皮膚病などとのこと。
この誠に効能がありそうな看板を眺めながらしばし温泉を楽しみます。

また湯の中には子宝石という石があり触れると子宝に恵まれるとのこと。その効能を欲する境遇ではないため、温泉の中を眺めるだけにしておきました(笑)

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こちらは嫁さんが入った櫻の湯。宿のウェブサイトによると大岩風呂と同じ源泉とのこと。3〜40分の入浴ですが、ぬる湯に長時間つかった体がほのかに温まる感じが残るいいお湯でした。湯冷ましに大岩風呂の前でちょっと休憩して、再び階段を登って本館に戻ります。

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本館にはこの宿の周りに現れたテンの写真が飾られていました。そういえば、、、

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こちらは2006年6月に私たちが泊まった際に実際に撮ったテンの写真。この頃は宿の前で野生のテンやハクビシンなどの餌付けをしており、夕食後に泊まり客がいる前にテンが来て餌を食べるのが見られました。宿の人に聞くと、今はこのような餌付けは行っていないそうでした。トンネルができてアクセスは便利になりましたが、もともとかなりの山奥であることに気づかされますね。



さて、大黒屋に着いたのが10:30ごろで、お風呂から上がると11:30。朝食は朝6:30過ぎのおにぎりと予定外で佐野サービスエリアでの佐野ラーメンもいただいたということで、まだお腹も持ちそうです。大黒屋のウェブサイトには食事処が営業していて、蕎麦などが食べられるとあったので、場合によってはここで昼食をとることも考えていましたが、今日はお休みとのこと。まあ、平日のお客さんの人数を考えれば食事処を営業するのは難しいところでしょう。ということで、このまま会津に入り、会津のどこかで食事をとることとしました。

宿からすぐそばの甲子道路へ出て、一路西に向けて走ります。すぐに全長4,345mの甲子トンネルに入り、トンネルを抜けると会津に入ります。大黒屋までは西郷村、トンネルを抜けると下郷町となります。トンネルを抜けると天気も晴れてきて、なだらかな下りの道を軽快に走ります。ドライブ日和に変わってきました。

甲子道路から会津鉄道にぶつかると、今度は南下。北上すると塔のへつりや湯野上温泉があります。しばらく会津鉄道沿いに南下すると、南会津町に入り、この辺りで一番栄えている会津田島の街になります。昼食を取るならこの辺りでということで探しておいた店はこちら。

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食べログ:ラーメンまりちゃん

会津田島で1軒だけ食べログ評価が非常に高いお店です。なにやらソースカツ丼が名物ということで行ってみることにしました。お店に入ったのが12時半近く。流石に人気店らしく、入ってみると4つあるテーブルのうち3つは既にうまっていました。お客さんは地元の人らしき人と観光客と半々くらいでしょうか。なぜかメニューは無く、壁には名物ソースカツ丼の案内のみが貼られていました。ということで注文したのはソースカツ丼と「ラーメンまりちゃん」の店名に基づき、朝佐野サービスエリアで佐野ラーメンを頂いたにもかかわらずラーメン!

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ほどなくして最初に出てきたのはラーメン。見た目はごく普通の醤油ラーメン。まずはスープをすすってみると、これが実に旨味のある複雑な味。スープの出汁に色々な味が混ざっていて、しかも醤油ベースでまとまりの良いところが流石。これはこだわりのスープでしょう。ラーメンも実に美味く、旅の疲れを癒してくれます。

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いつも通り、ラーメンを2人で回して食べていると、名物ソースカツ丼がでてきました。ソースカツ丼には、ソースカツ丼本体(笑)の他、味噌汁、冷奴、おひたし、たくあん、辛子味噌などがついています。この辛子味噌がミソのようです。カツは厚手のロース肉に薄めの衣をつけて揚げてあり、それをソースにたっぷり浸したもの。カツの下にはキャベツが敷かれ、その下にはソースがしみたご飯。カツをいただいてみると、甘めのソースとカリッとした衣の食感と柔らかいロースが絶妙のハーモニー! この甘口のソースはこのお店自家製ということで、これも複雑な旨味がある逸品。お店の中に棚があり、ソースも売っていましたので、これも名物なんでしょう。そして、今度は辛子味噌をつけてカツをいただくと、これが甘めのソースと合ってさらに美味い。カツをいただきキャベツの乗ったソースのしみたご飯をいただき、冷奴やおひたしをつまみます。ソースの甘さがしつこくならないよう上手く工夫されています。流石に完成度が高いメニューと唸りました。やはりポイントはソースカツ丼もラーメンも非常に手間がかかっていると想像されるソースと出汁の複雑な旨味。これは簡単に真似のできるものではなく、このお店ならではのものでしょうね。満腹になって幸せなオーラに包まれつつ、お勘定をして店を出ようとすると、おばちゃんが「また寄ってね!」と人懐こい笑顔で送り出してくれました。恐らくこの方がまりちゃんなのでしょう。今度会津に来た時にはまた寄らねばなりませんね。

さて、無事昼食を済ませたところで、本日の目的地、会津最深部の檜枝岐まではまだしばらくあります。檜枝岐までの道は国道289号で行く北回りと、国道352号で行く南回りと2通りあります。この日はもう一つくらい温泉に入っていきたいということで、迷わず湯の花、木賊などの温泉がある南回りを選択。ということで会津田島を後にして、すぐに南に折れ、会津鉄道沿いを南下します。日光・宇都宮方面への分かれ道をやり過ごし、会津鉄道の会津高原尾瀬口駅を過ぎたあたりで会津鉄道と別れます。ここから登りがきつくなり、高度も上がります。しばらく行くと道の駅があり、嫁さんがソフトクリームの広告オブジェに反応します。まださして走っていませんが、降りてみることにします。

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道の駅番屋

ここは住所が福島県南会津郡南会津町番屋4番地とのことで、道の駅番屋は土地の名前だったんですね。嫁さんが中に入ってソフトクリームを買って来ますが、蕎麦ソフトにエゴマソフトがあり、最近の健康志向で注目されるエゴマの方を選んだそう。ソフトクリームは女性を笑顔にします。

まだ先がありますので、すぐに車に乗り込み先に進みます。このあたりで温泉に入りたいところ。出発前に南会津町のウェブサイトで色々調べておいた情報を元に、湯の花温泉4箇所、木賊温泉2箇所の共同浴場からどこに行こうかと嫁さんにたづねると選ばれたのがこちら。

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湯の花温泉弘法の湯

湯の花温泉に以前来たのは2006年6月で少し上流の湯端の湯に入りました。久しぶりの訪問です。温泉前の狭い駐車スペースに車を駐めると、雨が降って来ました。2007年にお隣木賊温泉に来た際にはバケツをひっくり返したような集中豪雨と雷に襲われた嫌な記憶が蘇ります。雨脚はどんどん強まり目の前の温泉に行くにも傘なしてはずぶぬれになりそうな勢い。仕方なく傘をさして温泉に入ろうとするとドアには近くの民宿で入浴券を買うようにとのこと。

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仕方なく向かいのいせやという民宿で入浴券を買います。玄関を開けると広間のこたつで新聞を読んでいたご主人が入浴券に日付を記入し、ゆっくりと立ち上がって玄関先まで持って来てくれました。入浴料は200円。この入浴券で4箇所の共同浴場全てに入れるとのこと。ご主人は向かいの「弘法の湯が一番ええ」とにっこり。我々の選択が正しかったとこちらもニンマリ。

入浴券を無事ゲットして外に出ると、雨脚はさらに強まり豪雨。小走りに温泉に向かいようやく温泉につかることができます。

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この雨のせいか下駄箱には誰の履き物もなく先客はゼロ。中は掃除が行き届いていて非常に綺麗。

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掲示されていた温泉分析書によればこの温泉は単純泉(弱アルカリ性低張性高温泉)とのこと。温度は44度くらいとやや熱めで、黒い湯の花が舞うトロッとした温泉。降りしきる雨音を聴きながらのんびりお湯に浸かってほっこりしていると、後から近所にお住まいと思しきおじさんが入って来ました。慣れた様子で掛け湯をして湯に浸かり、すぐに上がって髭を剃ったり頭を洗ったりと慣れた様子。こちらは先に上がって、雨の上がった駐車場で涼しい風を楽しんでいると、先ほどのおじさんも上がって来て、先ほど入浴券を買ったのとは反対隣の家に入って行くではありませんか。その家も民宿。要は隣の民宿のご主人が共同浴場でお風呂を使っているということ。やはりこのお湯がいいのでしょうね。男湯の方は温泉の中の大きな窓から街が一望。お湯といい雰囲気といい、入浴料の安さといい絶品のお湯でした。もう少し若ければ、残りの3つの共同浴場も制覇するところですが、すでに思考回路が落ち着いちゃってますので、この一湯で湯の花温泉は堪能したということに致しました(笑)

後から上がって来た嫁さんから「木賊も行く?」と聞かれましたが、温泉で思考が落ち着いていますので、「いや檜枝岐へまっすぐ行こう」と大人の裁き。ということで檜枝岐を目指すことにしますが、ここへ来る道すがら、気になる看板がちらついていました。以前このあたりに来た時にはあまり気づいていないスポット。ということでもう1箇所寄ってみることに。

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前沢曲家集落

湯の花温泉から国道352号に戻り、檜枝岐方面にちょっと進んだところにある前沢曲家集落。ここ前沢は舘岩川の前の沢で中世会津武士が開いた集落とのことですが明治40年に全戸消失する火事があり、その後各戸が同じ大工により一時期に建築したため整った景観が残っているということで平成23年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されたとのこと。

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駐車場に車を駐め、案内所で入場券を買う際、この集落は実際に人が住んでいるため、資料館のみ中に入れるとの説明を聞きます。舘岩川の橋を渡ると集落です。

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橋から下の舘岩川を眺めると実に綺麗な流れ。

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橋を渡ると曲家集落群が広がります。

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右手には水車小屋が見えます。水車は実際に滑らかに回り続けており、この水車小屋へは木をくりぬいた樋が水平に張られていて、上流からの水が絶え間無く注がれています。

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この樋の造りが実に見事。先人の知恵ですね。水が綺麗に流れる角度と木の継ぎ手の加工がしっかりしていないとこうはいきません。

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この流れを安定させるために樋の元には一度水を貯める池があり、ここに注がれることで水の水位を一定にし流れを安定させています。作られたものを見るとそれがわかるのですが、作る時には高さを調整したりと色々と苦労しているはずですね。昔の人の実用的な技術力を感じます。

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しばらく歩くと左側に案内所で説明された資料館がありました。ここは実際の曲家を展示用にしたもの。曲家とはL字型の平面持つ民家で、L字の突出部には厩と便所などが置かれるなどこちらも実用的なもの。曲家は東北などに多く点在し、やはり寒い地方で馬との生活をうまくこなすためのアイデアということでしょう。

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資料館には昔の農機具などが展示されていました。民家の保存時にはこうした展示はよくあるものですね。

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囲炉裏には火が灯され、職員の方がお茶を出してくれたので、囲炉裏端に座って少しのんびり。茅葺き屋根は虫がわかないよう、毎日囲炉裏に火を起こしているそう。茅葺は2〜30年おきに葺き替えが必要で、費用も1000万単位でかかるとのことで維持は大変なようですが、都会に住む私たちにとっては囲炉裏の火は癒しそのもの。薪が燃えて弾ける音を聞きながら煙に燻されながらお茶をいただくのも楽しみですね。

このあたりは雨がポツリとするくらいで道もあまり濡れていなかったので、先ほど湯の花温泉では豪雨だったことを伝えると、少々驚いた様子。職員の方は湯の花温泉から通っているとのことでした。距離はさして離れていませんが、これほど天気が違うものなのですね。

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外には薪が積まれています。この薪を少しづつ使いながら暮らしてため薪割りもしなくてはならない訳ですね。

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外に出るとマーガレットにルピナスの花が咲いています。花の手入れもあっての豊かな雰囲気でしょう。

のんびりしていると大きな雨粒が落ちて来たので、そそくさと駐車場に戻ることにしました。

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帰り際に先ほど通った水車小屋の前に葉が絡まった道祖神がすっくと立っているではありませんか。この先の天気が崩れないようちょっとお参りして、今度は本当に目的地の檜枝岐を目指すことにします。このとき時刻は15時過ぎ。そろそろいい時間ですね。

旅は続きます(笑)

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テーマ : 国内旅行
ジャンル : 旅行

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筆の走りが心地良いですね

Daisyさん、こんにちは。奥日光紀行、拝見させていただきました。

お母様の看病の合間(骨折が判明して良かったですね)をぬって、奥様の看護慰労を兼ねたお二人だけの楽しいご旅行とのこと、筆の走りが心地良いですね。

冬は長靴とジャンパーで風呂に行く、というのがすごくワイルドで驚きました(笑)

さて私の方は正月以来、今までバタバタしていましたが、最近はこれに輪をかけてバタバタバタバタという感じになっております(汗)。

心境の変化もあり、聴く音楽もバッハのカンタータが中心となりました。私の前半生はバッハが中心でしたので、まあ回帰したという感じでしょうか。

わが人生、バッハに始まりバッハに終わる可能性が高いです。でも時々、忘れずにハイドンも聴いていきたいと思います。

もちろん、このハイドン音盤倉庫は楽しみに拝見させていただきます。

Re: 筆の走りが心地良いですね

SkunJPさん、返信遅くなりスミマセン!

ようやく旅行の記事を書き終えました。お仕事が忙しいとのことで、あまり根つめ過ぎず適度に気晴らしをして健全な心を守られますように。

バッハのカンタータ集は私には高すぎるハードルかもしれません。手元には府中の山野楽器が輸入盤を扱っていた頃バーゲンの棚に並んでいたヘレヴェッヘ盤が10枚くらいありますが、音楽には浸れるものの、宗教的な真髄に至る聞き方をするほどの知識もなく、数度聞いただけになっています。

前に書いたことがありますが、リヒターのマタイも苦手盤の一つとなっており、バッハに没入するには修行不足の感が否めません。バッハといえば私はセゴヴィアの弾くギター版の無伴奏チェロソナタやグールドの平均律など器楽的なものに止まり、宗教曲も唯一ロ短調ミサが好みな程度です。もう10年くらしたら、バッハの大山脈に身を投じてみたくなりますでしょうか、、、

その前にハイドンの大山脈もまだまだ超えられていませんので、平常心で日々やっていこうと思います!
プロフィール

Daisy


Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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2017年7月のデータ(2017年7月31日)
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