【番外】初夏の尾瀬、奥日光紀行(その3)

その1へ)

旅行2日目の朝は天気に恵まれ、抜けるような青空のもと、前夜に泊まった檜枝岐かぎや旅館を出て一路尾瀬を目指します。

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先ほど尾瀬国立公園の看板の写真を撮ったのは七入の手前。檜枝岐から七入りまでは檜枝岐川(伊南川)沿いのなだらかな道。白樺林の緑が朝の陽の光に映えて眩しいですね。七入をすぎると急な登りに入り、林の中をくねくねと登って行きます。途中モーカケの滝展望台などをやり過ごし、しばらく登ると再び林の中のなだらかな道になります。あとでわかったのですが、ここは尾瀬ブナ平というブナの林。しばらく走ると目的地の御池に到着。檜枝岐からは30分もかからず到着します。朝食が早かったの7時半すぎには着くことができました。

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早速、昨日宿で案内された通り御池駐車場に車を駐めます。この駐車場は2時間以上駐めると1000円と表示されているのですが、檜枝岐の宿に泊まるとコインをもらうことができ、精算時にそのコインで無料になる仕組み。この御池も檜枝岐村ですのでリーズナブルな仕組みです。びっくりしたのが駐車場のわきに残る雪。

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すでに6月中旬にも関わらずまだ3〜4mの雪が残っています。聞くところによると尾瀬はこの冬記録的な豪雪だったそうです。このところ雨が少なかったにもかかわらず、関東北部のダムの貯水量が落ちていないのはこの豪雪によるものでしょう。天気は快晴ですが、さすがに標高1,520メートルの御池の風は爽やかなこと。山歩きに合わせて靴を履き替え、日差しに備えて帽子をかぶり、そして念のためヤッケを羽織って出発の準備をします。

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ここから尾瀬に入るには、シャトルバスで沼山峠まで20分ほど。この季節はシャトルバスが2〜30分おきに走っています。次のバスは8時出発です。

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定刻前にバスに乗り込むと、運転手さんが左側の方が眺めが良いため左に座るように促してくれたので、初め右側に座った私たちは左の席に移ります。あとからバスに乗った中高年のおじさんたちにも同じく左に乗るよう告げると、「片側に乗るとバスが傾いちゃうんじゃない!」とおじさんたちが応報、それに「当社はそもそも経営が傾いてますから大丈夫」と笑いを誘う運転手。傑作だったのはそのあと。「左に傾けば右肩上がりになって持ち直すんじゃない」と上手いこと言います。これには気さくな運転手さんもゲラゲラ笑ってバスの中和みます。こうしているうちに、時間となりバスが出発。この御池から沼山峠までの道は一般車進入禁止ですが、それもそのはず。バスが走ると対向車とすれ違うことができない道幅のところ多数。バスは無線で対向車の有無を確認しながら進みます。御池から少し走って眺めの良いところ一旦停車。運転手さんから見下ろした平原が先ほど通ってきた尾瀬ブナ平だと教わります。その後も重兵衛池、長池などのスポットを案内してくれ、約20分で終着点の沼山峠休憩所に到着します。

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檜枝岐村営 山の休憩処

この沼山峠休憩所の標高は1,734m。バスで200m以上登ったことになります。さあ、ここからが登山です。歩き初めは8時半少し前。

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沼山峠から尾瀬に入るのは2度目です。以前に来たのは2007年の8月。夏の盛りだったので半袖でも汗だくでしたし、この登山道はアブが飛び交っていました。今回は6月ということでヤッケを羽織っていてちょうどいいくらいの気候です。登り始めは石段ですが、これが妙に歩きにくい。ゴロゴロとした丸石は足首が落ち着きませんね。少し登ると登山道も残雪というか雪渓というか雪の塊に覆われたところがまだ多数ありました。ただ、雪に段が刻まれ歩きやすくなっているのでむしろ石段より歩きやすいくらい。

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どんどん登って行くと今度は木道が多くなって来ます。これは一番歩きやすいですね。20分ほど登るとあとは下りです。ゆったりとした下り道をどんどん降って行くと徐々に沢の音が大きくなり、尾瀬の福島側の端に当たる大江湿原に出ます。

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沼山峠休憩所から歩き始めて40分ほど。登りも下りもさしてきついところはなく、40分で楽園に到達できます。

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大江湿原の端部である左手を見下ろすと中央の平地の部分に何やら白い点がポツポツ。よく見ると水芭蕉ですね! 尾瀬の水芭蕉は5月初旬から6月中旬が見頃とのこと。今年は豪雪の影響で開花が遅れていたそうですのでどうやら見事に間に合ったようです。

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iPhoneのデジタルズームでエイっと中央を拡大するとこんな感じ。まだまだ沢山咲いているようです。この先のハイキングに期待が高まります。

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もう少し降りて行くと木道のすぐ脇にも水芭蕉が沢山咲いていました。

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そして、もう少し降りて行くと、木道のすぐ脇にも。先ほど水芭蕉を見つけた時の驚きは消え、今度は無数の水芭蕉に囲まれるのが当然のように木道のハイキングを楽しみます。

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湿原の中央に木道がひかれ、尾瀬沼の方にどんどん進みます。まだ朝早いのですれ違う人もまばらで、湿原を貸し切ったよう。

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普段運動不足の嫁さんも沼山峠を超え、休憩なしでここまで歩いて来たにもかかわらず意外に元気。

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湿原だけあって木道の下はぬかるみ。木道の間にも水芭蕉が咲いて華やかな気分を盛り上げます。

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途中、小淵沢田代方面への分かれ道があり、ちょっと折れて、小川の方に行ってみます。水の流れは誠に清らか。尾瀬に降った豪雪が尾瀬の土地に漉されて真水のような透明感。その清らかな流れが水芭蕉を育てます。

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元の木道に戻り、さらに進むと、ついに遠くに尾瀬沼が見えて来ました。あと少しで尾瀬沼です。ここまで歩き始めから1時間ほど。

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進むにつれて、少し前まで残雪の下にいたのか、水芭蕉の花も若いものも混じって来ます。

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尾瀬沼の北岸を進む道との分かれ道に立つ尾瀬の看板。ここは国有林で水源かん養林ということですね。まさにここに降った雪が巡り巡って関東地方の飲料水となっているわけです。

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尾瀬沼に近づくにつれて北にそびえる燧ケ岳の姿が徐々に大きく見えるようになって来ます。旅館で入手したパンフレットによると燧ケ岳に登るには先ほど車を駐めた御池駐車場から4時間の登りでさせるようです。こちら側から眺める燧ケ岳の勇姿から山頂から眺める尾瀬沼もさぞかし絶景だろうとの想像が働きます。いつかはその絶景を見てみたいものですね。
                                                                                   
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長蔵小屋

そしてしばらく歩くと、尾瀬沼東端にある長蔵小屋に着きます。

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そのすぐ脇に長蔵小屋の売店があり、その前のデッキにベンチがあるのでようやく一休みすることとします。ベンチに座ってしばしのんびり。前回来た時はこの長蔵小屋まで来て折り返し帰ったのですが、嫁さんにこのあとどうすると聞いてみると尾瀬沼を一周するとどのくらいかかるのとの質問。手元の地図を見ながら歩程を計算すると3時間くらい。それじゃあやめようという返事かと思いきや、一周してもいいねとの返事。最近はスポーツクラブで週2〜3回泳いでますので嫁さんも体力が付いて来ている模様。それではということで隣のビジターセンターで様子を確認してみようということで尋ねてみました。

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尾瀬保護財団:ビジターセンター

ビジターセンターに入ると、尾瀬に咲く花の説明書きなどが掲示されている他、職員の人が高齢者の団体の質問に答えているなど、いろいろと忙しそう。ということで掲示を確認していると、尾瀬沼の周りのハイキングコースの地図に書き込みがあり、南岸コースが雪のため開通していないとの情報。せっかくやる気になりましたがコースが開通していないのでは仕方ありません。それではということで、南岸コースの手前の三平峠まで行くか、北岸コースで沼尻まで行くか地図を見ながら検討しますが、地図上のスポットのうち燧ケ岳の眺めの良いスポットは三平峠の方に多いということで、そちら方面に行ってみることにしました。ビジターセンターから三平峠までは1キロほどで大した距離ではありませんが、地図上にはぬかるみ注意との書き込みもあります。

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ということでビジターセンターを出て、三平峠方面に歩き出すと、木道の合間に注意書き通り、雪解けでぬかるんだ箇所が出て来ます。こういうところに来ると木道のありがたさがわかります。右手には尾瀬沼が見え、燧ケ岳も望めるコース。ちょっと視界がひらけたところでパチリ。青空に残雪が残る燧ケ岳の勇姿が映えます。

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再び木道を進んで行きます。

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今度はかなり広いところに出て、まさに燧ケ岳が湖面に映える絶好の撮影ポイントに。雲が流れて陽の当たる場所も刻々と変わって行く中、何枚か撮ったうちの一枚。この景色を見るとここまで歩いて来た甲斐があるというものです。流石にいい撮影スポットだけあって木道の横にベンチもあり、写真を撮りながらのんびりと風と陽の光を浴びてのんびりとします。おそらく三平峠への分かれ道はすぐそこです。

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再び林の中を歩くこと5分くらいで三平峠と南岸ルートの分かれ道に着きます。南岸ルートが通行止めのため、尾瀬ヶ原方面から人が来られないこともあり、この辺りは人が少ないですね。

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尾瀬沼側を見ると、ボートがあり、岸に出られるようなので行ってみます。

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湖面のキワまで出ると尾瀬沼に燧ケ岳が映るよう。これで風がなければ鏡のように尾瀬沼に燧ケ岳が映るのでしょう。このあたりでは先ほどからカッコウが鳴き続けており、カッコウの鳴き声とうるさいほどのカジカの鳴き声、林を渡る風の音を楽しみながら景色を眺めて過ごします。もう少し先に行くこともできましたが、そろそろお腹も減って来たので、先ほど休憩した長蔵小屋の売店のところに戻ることにします。

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先ほど来た約1キロほどの道を戻ります。先ほどは尾瀬沼と燧ケ岳の方ばかりを見ていましたが、帰り道、ふと見上げて見ると山桜でしょうか。ダケカンバの新緑に淡いピンクの桜の花がなかなか良いコントラスト。同じ道ですが、行きと帰りでは視線をやる先が異なるものなんですね。いくつかのぬかるみをひょいとかわしながら、先ほど休憩したウッドデッキに戻ります。

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時計に目をやるとそろそろ11時くらい。朝食が6時半で結構な距離を歩いて来ましたのでお腹も良い具合に減って来ました。お昼は昨夜泊まったかぎや旅館でおにぎりを作ってもらっていましたので、ベンチに座って昼食です。朝いただいた紙包みをあけてみると、おにぎり2つとおかずの入ったパックにお茶とおしぼり。おにぎりは海苔と桜の葉の塩漬けを巻いたものが一つずつ。中は梅干しでした。これが美味い美味い。ご飯が美味しいのに加え、歩いた後の梅干しの塩気がたまりません! そしておかずは蕗を煮たものにたくあん、シャケ、トマト。いやいやこれはご馳走です。歩いた後だけに実に美味い。食べ終わった頃には昼時も近づいて来たため、行きに寄った時よりも人が増えこの辺りも賑やかになって来ました。お昼をいただき、少し休んだので、尾瀬沼巡りもこれで終了ということで、帰途につきます。長蔵小屋から朝歩いて来た大江湿原の木道を戻ります。

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なんとなく尾瀬の風景も見納めということで、最後に燧ケ岳をもう一枚。陽が高くなり山の表情も微妙に変わります。行きと違って帰りは勝手知ったる道ゆえ、スタスタと歩けます。水芭蕉がちりばめられた大江湿原をやり過ごし、沼山峠を超えてシャトルバス乗り場のある沼山峠休憩所を目指します。道は同じですが、帰りは交通量が違います。これから尾瀬に入る小学生の集団とのすれ違いが延々と続きます。やはり朝早く入ったのは正解でしたね。帰りは長蔵小屋から沼山峠休憩所まで50分くらいでしたでしょうか。合わせて正味3時間くらいのハイキングでしたが、嫁さんも疲れた様子はなく快適なハイキングでした。休憩所に戻るとシャトルバスが待っておりタイミングよく出発。あっという間に車を駐めた御池駐車場まで帰って来れました。

駐車場でヤッケを脱いで靴を履き替えます。もちろん歩いた疲れを温泉で洗い流そうということで、檜枝岐まで車で戻ります。

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向かったのは檜枝岐の村営の2つある温泉施設のうち、前日に入っていない方の駒の湯です。ここは実は初めての訪問。昨日散歩した六地蔵より少し北にあり、近くに会津駒ケ岳の登山口があるので、登山後のお客さんが多いそうです。ついてみると駐車場に車はなく、我々以外に客はいないよう。

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男湯に入ると予想通り私だけということで、湯船をパチリ。昨日入った燧の湯は単純硫黄泉だったんですが、こちらは弱アルカリ泉。泊まったかぎや旅館と同じ源泉だそうです。お湯は42度くらいと標準的な温度。外に露天風呂もあり、いつも通りしばらく温泉で温まったり風を楽しんだりを繰り返して登山の疲れを癒します。

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汗を流しきってスッキリして上がり、嫁さんが上がってくるのを待ちながら駐車場の脇の檜枝岐川の流れを眺めて過ごします。時刻は14時半くらい。この日の宿は奥日光の湯ノ湖畔。Google Mapsで檜枝岐からの所要時間を確認するとおよそ3時間。ん?3時間? 好天に恵まれのんびり尾瀬のハイキングを楽しんだので、ちょっと時間が押していることにようやく気づきました(笑) これはちょっと先を急がねばなりません。

旅はつづきます。

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Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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