アーノンクールの天地創造(サントリーホール10/30)

さきほどサントリーホールから帰ってきました。台風が早めに通り過ぎて何よりでした。

KAJIMOTO:コンサート情報:ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス

今日は半蔵門で用事をすませて、開演の1時間前の17時前くらいにはサントリーホールに着いていました。ホール正面のアンデルセンの屋外席でビールを飲んでのんびり開演を待つのがいつもの流れですが、あいにく今日は雨で屋外席もたたまれてました。
しかたなくお店の中の席にすわり、いつものようにビールとサンドウィッチで腹ごしらえ。

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今日はカールスバーグ。軽さがサンドウィッチにマッチしてますね。結構気に入ってます。

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アンデルセンの生ハムサンド。生ハムにモツァレラチーズにトマトにバジルとイタリアンな仕上がり。パンもおいしく、コンサート前の雰囲気を盛り上げますね。

そうこうしているうちに、雨のせいか予定の17:30よりだいぶ早めに開場したので、ホールに早速移動します。入口でいつものようにコンサートのチラシをドッサリもらって場内に。今日はサイン会があるらしく、ロビーのCD書籍の販売コーナーで買い物をした人のみサイン会に参加できますとのアナウンス。

今日の席は最前列。開場が早かったせいか、最初は閑散としてて心配しましたが、最終的には6~7割の入りだったでしょうか。とくに1階の高い席の売れ残りが目立ち、1階最前列以外の両サイドはかなり空いていましたね。最初はオケのメンバーがかわるがわる試奏にでてきて天地創造のフレーズを練習。幕が開く前のざわめく気配を楽しめますね。特にティンパニは入念にチューニング。深い中華鍋に皮を張ったような太鼓を2つ並べた、いかにも古楽器らしい楽器。音程が安定しないのか、試奏の時のみならず、本番中も常時チューニングに追われながらの演奏でした。また舞台両脇には字幕表示用の電光掲示板が設置されていましたが、オペラと違って歌詞がドラマを左右する訳ではないので、必要性についてはあまり感じませんでした。

コンサートは第一部、第二部のあと休憩をはさみ第三部という構成。天地創造の場合休憩をはさまないのかと思ってましたが、そうではないんですね。



開演時間となり、拍手に乗ってウィーン・コンツェントゥス・ムジクスのメンバーが入場、続いてアーノルド・シェーンベルグ合唱団のメンバー。そろったところでチューニング、最後までティンパニがきりきりとネジをまわして音程調整。しばらくの静寂の後に、ソロのメンバーとアーノンクールが入場。アーノンクールの登場で拍手と会場内のどよめき。期待の大きさが会場内に満ちてましたね。

ソロはブルーのドレスがまぶしいソプラノのドロテア・レシュマン(Dorothea Röschmann)、思ったより巨漢だったテノールのミヒャエル・シャーデ(Michael Schade)、アメフト選手のようなバリトンのフローリアン・ベッシュ(Floeian Boesch)の3名。バリトンのベッシュ以外は2003年のライヴ盤と同じ歌手ですので、アーノンクールのお気に入りの歌手なんでしょう。

冒頭の第1日は、まずはゆっくり精妙なオーケストラの音色で場内を魅了。最初にホールの聴衆を圧倒したのは、おそらくラファエル役のベッシュの一声目でしょう。度肝を抜くような素晴しい音量、素晴しくキレのいいメリハリとテンポ感、発声。はじめて聴く人ですが、調べてみると手持ちのハイドンのアルバムではアーノンクールの「騎士オルランド」で歌っています。このアルバムもあんまり聴き込んでいなかったので特別印象は残ってませんでした。この人は要注目ですね。声量、テクニック、表情付けまで完璧な歌を聴かせてくれました。
続いて歌うウリエルのシャーデは非常に良く通る美声でこちらもホールの隅々にまで響き渡る素晴しい声量。歌い方にちょっと癖があり、所々に明確にアクセントをつけたり、大きく溜めたりするのと、若干リズムが重いときがあります。アーノンクールのスタイルは合っているのでしょうね。

アーノンクールのコントロールは基本的には先日レビューした2003年3月のウィーン・コンツェントゥス・ムジクス結成50周年のライヴを収録したアルバムと近い解釈ですが、おそらくテンポはこのアルバムよりも少しメリハリをつけ変化に富むようになり、間も多くとるようになっているような気がします。ちょっと引っかかるのがソプラノの登場する第4曲と第8曲のガブリエルのアリアで変速がきつく音楽の流れが淀む部分があったこと。

ガブリエル役のレシュマンも素晴しい音量。声も美しく、エッジというよりは歌い始めたあとのふくらみの音量で圧倒するタイプ。音程も正確ですが、リズムはほんの少しすこし重くなりがち。バリトンのベッシュのあまりのキレの良いリズムに他の二人がすこしおくれて聴こえるだけかもしれません。ガブリエルのアリアはソプラノの美しい声を堪能しました。アリアの最後の音はホールを突き破らんばかりの声量に圧倒されました。

第1部のクライマックスはライヴだけあって素晴しい盛り上がり。これまで触れていませんが、コーラスも見事の一言。素晴しいハーモニーでした。

間を置くことなく第二部。基本的に第一部と同様ですが、ほれぼれするようなベッシュのバリトンのの聴き所が多く非常に楽しめる演奏でした。第2部の終わりのハレルヤも盛大な迫力で終了。休憩前に拍手喝采でした。

圧巻は休憩後の第3部。2カ所のアダムとエヴァの掛け合いは美しさの限りを尽くしたもの。途中ウリエルのシャーデの出番が長時間ない間、ちょっと手持ち無沙汰そうな様子が微笑ましかったです。終曲では合唱から一人前に出て四重唱になります。おそらく合唱の仕事を讃える意味でハイドンが仕組んだ粋な演出なんでしょう。今日もソロを担当した団員は拍手喝采を受けてました。
録音で聴くと、第一部、第二部の集結部に対し、ちょっと迫力不足に聴こえることが多い第3部の集結部は、生では逆に威厳に満ちた最も神々しい雰囲気に満たされ、全曲の終曲にふさわしい、素晴しい迫力を堪能できました。

満員ではなかった観客からは満員以上の大拍手。すぐに立ち上がってスタンディング・オベイションとなり、ブラヴォーの嵐。特に合唱が紹介されたときには割れんばかりの大拍手でした。度重なるカーテンコール。オケが撤収した後も、2度にわたってアーノンクールとソロ、そして合唱指揮のエルヴィン・オルトナーが拍手に応えていました。

私自身も感動のコンサートでした。なにより80歳を超えたアーノンクールの迸る創意に脱帽ですね。ハイドンが人生の総決算として書き上げた大作を素晴しい精度のオケと合唱、鬼気迫る指揮者のコントロールで聴く悦びは何にも代え難い体験ですね。今日のお客さんは良い体験だったことと思います。
おそらく、この演奏がライヴでアルバムとしてリリースされたものを聴くと、前回取り上げたブログの記事と同じような感想になると思いますが、やはり生の体験は違いますね。善し悪しを客観的に聴くのではなく、その場の音楽を共有し体験するということですので、感想や評価はまた違ったものになるのだと思います。

いや、今日はいいコンサート、いい体験でした。



コンサートが終わってサントリーホールを出た頃には、雨はほとんど上がって、傘をささずに歩ける程度。台風を心配していましたが、荒れずに一安心。

一路府中に帰り、行きつけの駅の下の汁ベ屋で嫁さんと反省会。

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いつものようにハイボールを頼み、鰤刺、生ユバ刺でまずは喉を潤します。

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ハラミを炙ってオロシ醤油をあしらったもの。旨味の濃い和牛をさっぱりいただけます。

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カキフライにいつもの〆の肉汁うどん。いつもながら美味しいです。先日カキにはやられたばかりですが、頼まない訳にはいきませんね(懲りない性格)

さきほど帰宅してブログにまとめたという次第です。

さて、明日はもう1組レビューした上で今月の1枚を選定することに致しましょう。目星はいくつかついているんですが、まだ決めてません(笑) お楽しみに!
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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : 天地創造 サントリーホール

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なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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