ショルティ/ロンドンフィルによる102番、103番「太鼓連打」

今日は大御所、ショルティをはじめて取り上げます。

Solti102.jpg

こちらはだいぶ前にボックスで買いましたが、6枚の単独のアルバムをボックスに入れただけの、所謂なんちゃってボックス。102番と103番を収めたこのアルバムを今手に入れようとすると下記のセットになりますでしょうか。

SoltiSet.jpg
HMV ONLINEicon

こちらがザロモンセットを4枚にまとめたボックスセットの現行盤。今日取り上げるのは手元に所有する上の写真の方のアルバムです。

サー・ゲオルク・ショルティ(Sir Georg Solti)指揮のロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏でハイドンの交響曲102番、103番「太鼓連打」の演奏。レコーディングは1981年12月にロンドンのキングスウェイ・ホールでのセッション録音です。

ショルティはもうおなじみでしょう。70~80年代にはDeutsche Grammophoneのカラヤン、バーンスタインなどと並んでDECCAのショルティという大手レーベルのイメージリーダー的存在として多くの録音をリリースしていました。中でもワーグナーのリングの録音などで知られていますが、私自身のショルティの演奏で最も印象に残っているのは、ドイテコムが夜の女王を歌ったウィーンフィルとのモーツァルトの「魔笛」のアルバム。その演奏を聞くまで私自身ショルティには豪腕というか音楽性よりもオケを豪快に鳴らすショーマン的印象を持っていました。当時通い詰めていた代々木のジュピター・レコードのおご主人からの勧めで手に入れたのがショルティの魔笛。ドイテコムの圧倒的な歌とともに、ショルティのそれまでの印象と全く違う、ウィーンフィルから引き出された自然な響きの驚きが今でも鮮烈に印象に残っています。

このアルバムは81年の録音で、オケはシカゴ響ではなくロンドンフィルということで、オケの機能美のショーピースのような印象となるというよりは、他の指揮者で聞くとかなりぼやけた音も多いロンドンフィルをどのようにコントロールしてハイドンの機知とオケの響きを表現するかがテーマになる演奏でしょうか。

1曲目は102番。先日もヴェーグの素晴しい演奏の息吹にに触れたばかりのハイドンの傑作交響曲。1楽章はショルティらしく、冒頭からいきなり軽々とオケをコントロールした抜けのいい響き。霧のロンドンや、ヨーロッパの伝統というより、純粋にオーケストラを抜けよく鳴らすと言う意図を感じる序奏。主題に入ると速めのスピードで痛快さに重点をおいたようなコントロールで、素晴しい推進力で曲を進めます。オケの音色はシカゴ響ほど鮮明ではありません。録音を通して聴くと厚みと言うか重量感がすこし欠ける印象の音。所々低音弦がインテンポで畳み掛ける部分があるものの、休符の間など意識的に短めにしているようで、スピーディな曲のまとまりを重視した演奏ですね。
続くアダージョは、練らないがゆったり感たっぷりのショルティの特徴が出た良い演奏。不思議にとてもリラックスできる演奏。このアルバムの聴き所の一つでしょう。おじさんの優しさという範疇でしょうか(笑)
3楽章のメヌエット。絹の布のようなデリケートな弦の響きが特徴的なうまく力の抜けたメヌエット。ショルティの豪腕のイメージが先行して鋼のようなメヌエットを予想しますが、完全に良い方に裏切られる演奏。賢明なコントロールですね。オケを自由に鳴らして、非常に自然な響きになってます。映像で見るショルティの指揮姿はくどいほどにアクセントを強調する軍隊のパレードのような印象があり、それもショルティの先入観に悪い影響を与えていますが、この楽章やウィーンフィルとの魔笛の演奏は非常に自然な曲のコントロール。先入観なしに聴けば、オケから自然なフレージングを引き出す名手の演奏ですね。こちらがショルティの真価かもしれません。
フィナーレは1楽章同様軽々とオケをコントロールして、ハイドンのフィナーレの面白さを純音楽的に表現。流麗なフィナーレ。最後は迫力を増してフィニッシュ。流石ショルティというところでしょう。

もちろんこの曲の評価は[+++++]です。若干惜しいのは1楽章の構築感がもうすこしあればというところです。

今日はなぜかここまで。ついさっきまで近くの韓国料理屋さんで一杯やってました(笑) ショルティの演奏とお酒に酔ったので、太鼓連打は明日に!
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チェリビダッケ批評 01 ハイドン 交響曲第103番「太鼓連打」

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