シャルル・ミュンシュの102番爆演

最近室内楽つづきでしたので、今日2組目のアルバムは濃いヒストリカル系の交響曲を。

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シャルル・ミュンシュ(Charles Munch)指揮のボストン交響楽団のライヴでハイドンの交響曲102番とモーツァルトの交響曲41番ジュピターを収めたCD-R盤。ハイドンの演奏は1956年9月、モーツァルトは1960年10月22日でどちらもラジオ放送をソースとしたもののようです。

シャルル・ミュンシュは小沢征爾の師として皆さんよくご存知の指揮者だと思います。日本ではベルリオーズの幻想交響曲やブラームスの交響曲1番はミュンシュで育った人も多いのではないでしょうか。フランスもののイメージがつきまとうミュンシュですが、ハイドンの録音はあまり記憶はありません。今回このアルバムを取り上げるにあたって調べてみるといろいろ新たなことがわかりました。ミュンシュの情報を少し取り上げてみましょう。

シャルル・ミュンシュは1891年、その当時はドイツ領だったストラスブールの生まれ。家はドイツ系だったとのことで、第一次世界大戦後にドイツ国籍を選択。後にナチスの台頭によりフランスに帰化したとのことです。1929年にパリで指揮者としてデビューし、その後パリ音楽院管弦楽団、ボストン交響楽団などの常任指揮者を歴任。このアルバムのオケであるボストン交響楽団には1949年から1962年まで在位。1967年にパリ管弦楽団が組織され、初代音楽監督に就任するも翌年のアメリカツアー中に東海岸バージニア州リッチモンドで急逝したとのこと。

ミュンシュと言えば畳み掛けるような迫真の演奏との印象が強いんですが、ウィキペディアの情報などによれば、練習をきらい、即興を好んだとのこと。ミュンシュ独特の迫力溢れる演奏は練習の賜物ではなく、閃きに合ったということなんでしょう。

このアルバムに含まれるハイドンの交響曲102番。ザロモンセットのなかでは大人しい曲調なんですが、ミュンシュがどうドライブするかが聴き所だと思います。

1楽章は厳かな序奏から入ります。ヴァイオリンの透明感溢れるクッキリとしたメロディーがいきなりの存在感。比較的遅めのテンポで入ります。音響的には会場の咳払いなどライヴの雰囲気をつたえる音で、古さはそれほど感じない良い録音です。高音域の鮮明さと比較すると厚みと言うか低音部のボリューム感は薄い感じ。1楽章はテンポは落ち着いているまま、一音一音の迫力はミュンシュの特徴がよくでた迫力ある演奏。とくに強奏部分のキレが演奏がすすむにつれ迫力を増し、1楽章の終盤にはキレも本格的になります。特にヴァイオリンのキレ方は尋常ではありません。
2楽章のアダージョは意外と平板なはじまり。あえて表情付けを抑え気味にしているようですね。徐々にメリハリの振幅が大きくなってきますが、抑えは効いて、それなりのレベルまででおさまります。後半のピークにミュンシュの牙がちらりと垣間見えます。終盤の盛り上がりは溜を効かせてそろそろエンジンがかかってきた模様。
3楽章のメヌエット。推進力が素晴らしいメヌエット。明らかにギアチェンジしてオケにムチが入っているよう。メリハリが非常に鮮明になり鋭角的なフォルティッシモの刻みの波が次々と襲ってきます。ミュンシュの真骨頂ですね。CD-R盤ゆえ、ちょっと音が途切れ気味に聴こえるキズがあります。
そしてフィナーレ。聴く方が既に身を乗り出してます(笑)。ほどなくすばらしいエネルギーが噴出。曲想は冷静なままなんですが音は高炉から流れ出すマグマのごとき溶けた鉄といった風情。最後はさっぱりとした迫力で終わり、拍手に迎えられます。

演奏自体はなかなかの迫力で、ミュンシュならでは畳み掛けるような迫力もあるんですが、ちょっと録音の傷が惜しいところ。評価は[++++]とします。

最近ミュンシュの古い録音のアルバムもいろいろ店頭で多く見かけるようになってきたところを見ると人気もそこそこでしょう。ハイドンの紹介もままならないほど仕事が忙しいので、最近あんまりハイドン以外に手を出せていません。肝心のハイドンも、未整理盤を入れた箱が溢れそうです(笑)
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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : 交響曲102番 ヒストリカル ライヴ録音

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No title

Daisyさん、こんばんは。
ミュンシュのハイドンはセッション録音や、正規盤では見たことも聴いたことも
なかったので意外です。ボストンSOとの運命、未完成は子供の頃に自宅に
あったレコード・ブックに含まれていてさんざん聴きました。ハイドンはすごく気
になります。

Re: No title

ライムンドさん、ご無沙汰しています。
ミュンシュのハイドンはコレクションの中でも他に1点あるだけです。Andanteからリリースされていたハイドンのヒストリカルな演奏をまとめたアルバムの中に1938年の協奏交響曲が含まれており、それが唯一のミュンシュのコレクションでした。この102番は待望のハイドンの爆演系ですね。
丹念に探すと他にもミュンシュのハイドンはあるのかもしれませんね。
プロフィール

Daisy


Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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