近代美術館「生誕100年岡本太郎展」

昨日のお散歩記録のつづきです。

お腹もいっぱいになったところで、竹橋の近代美術館へ。今年は岡本太郎の生誕100年ということで、それを記念しての展覧会のようです。

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近代美術館:「生誕100年 岡本太郎展」

岡本太郎といえば、1970年の大阪万博の太陽の塔が有名ですが、最近ではJR渋谷駅と井の頭戦渋谷駅を結ぶコンコースに「明日の神話」が設置されるなどで話題にもなりました。かくゆう私も渋谷は良く通るので「明日の神話」はしょっちゅう目にしています。生前はテレビなどにもよく出て、「芸術は爆発だ!」というキャッチコピーが有名でした。アーティストというより変わった人と言う印象を持っていましたが、渋谷の「明日の神話」を見て印象が一変。学生のころマドリードのプラド美術館でピカソのゲルニカを見ましたが、それに勝るとも劣らないエネルギー。何よりその大きさからくる迫力はかなりのものです。というわけで、この機会に岡本太郎とはなんぞやとの興味で展覧会に足を運んだ次第。

近代美術館についたのが2時前くらい。10分くらいチケットを買うのに並んで入場。展示内容は7つのテーマに分けて構成され、非常にわかりやすい構成で企画がうまいですね。上のサイトにいろいろ情報がありますので是非見てみてください。展示構成に合わせて紹介と感想を。

プロローグ:ノン
岡本太郎の代名詞でもある光沢感のあるお化けのような、想像上の生き物と言うか光の航跡のような不思議な造形の彫刻が赤い部屋の中に林立し、正面に「ノン」題されたカネゴンのような彫刻が鎮座。まずは岡本太郎の世界への強烈なインパクトを感じてもらうような配置ですね。

ピカソのとの対決/パリ時代
岡本太郎は東京美術学校を出てヨーロッパにわたり哲学や社会学、民族学などを学んだとのこと。ピカソの絵を知り抽象絵画の制作に取り組むように。黒地にシンプルな図形が踊るような覚醒しきったかのような空間認識、鋭利な刃物の後ろ手に隠しているような不思議な迫力のある絵が印象的でした。抽象絵画というよりはシュルレアリスムの匂いが強い作風だったんですね。

「きれい」な芸術との対決/対極主義
最初は抽象絵画風だった作風が戦後、徐々に派手な色彩と、グロテスクだったりコミカルだったりするイメージが紛れ込むようになり、このあたりに岡本太郎の原点がありそう。抽象絵画ではやはりヨーロッパの最先端の芸術の模倣から入ったという印象が、ここにきて個性と言うか、抑えきれないエネルギーと言うか岡本太郎の個性そのものが開花したと言うことなんでしょう。

「わび・さび」との対決/日本再発見
国を代表する芸術家との地位を得た岡本太郎は当然のようにオリジンである日本とは何かを考えるように。縄文土器のインパクトのある造形に魅せられ、また日本の古いまつりを自身で映した8ミリの映像などを流すなど、当時岡本太郎が何を求めていたかがよくわかる展示。

「人類の進歩と調和」との対決/大阪万博
そして万博。今お祭り広場と太陽の塔の写真をみると、その巨大なスケール感に圧倒されますね。私は子供の頃のに万博には行きませんでしたので広場のスケール感を体感することはありませんでしたが、まさに新たな時代を切り開くかのような圧倒的なスケール感。丹下健三などとのコラボレーションというか対決もあったんでしょうが、芸術家、岡本太郎の創造のパースペクティブから眺める太陽の塔は、これまでの建築の一部、建築を飾る象徴としての彫刻という視点とは全く異なる存在感をもっていたことがひしひしと伝わりました。このブースで流れる岡本太郎のインタビューや縮小モデルを削る姿はまさに貴重なもの。今更ながらその構想力に触れられたという気になりましたね。

「戦争」との対決/明日の神話
そして、明日への神話。正直渋谷の超巨大絵画は、看板に近く、すこし間延びした印象がありますが、下絵は素晴らしい芸術的密度。下絵と言っても十分巨大ですが。それからベトナム戦争へ反対してワシントンポスト紙への意見広告のために書かれた「殺すな」の文字。他の誰にも書けない岡本太郎ならではの文字。不思議と浸透力のある素晴らしいもの。長野などに出かけると岡本太郎の書いた文字を観光用に使った看板やデザインに出会いますが、どれも一目で岡本太郎のものとわかります。

「消費社会」との対決/パブリックアート、デザイン、マスメディア
生前岡本太郎が手がけたデザインやプロダクツ、書籍などを紹介したコーナー。テレビなどにもたびたび出ていたので知名度は抜群でしたからいろいろな仕事が舞い込んだのでしょう。印象に残ったのは堅苦しさがなく、なんでも応じていろいろなものを書いたりデザインしていたこと。渋谷の明日の神話も公共の場所ゆえ汚れなどが気になるところですが、絵など汚れてもかまわないと思っていたから展示に踏み切ったとの背景を知り、その考え方の大きさに感服した次第。

「岡本太郎」との対決
テレビなどに出るのに忙しかった晩年も絵画制作をつづけていたとのことで、晩年の作の目をモチーフにした絵画をところ狭しと展示しまくった最後の部屋。画面からはち切れんばかりの造形と色彩。1996年に亡くなられたとのことですが、晩年に至るまで保ち続けていたエネルギーは流石です。

出口のところに福引きのようなものがあり、一人ひとつ持ち帰ってよいとのこと。引いてみると、「太郎のことば」とあります。私が引いたのはつぎの言葉。

「いのちを賭けて運命と対決するのだ。その時、切実にぶつかるのは己自身だ。己が最大の味方であり、また敵なのである。」(「自分の中に毒をもて」から)

御意でございます。

企画としては良く整理され、企画意図にそって展示をみることで岡本太郎の全容に迫ったように感じられる良い展示でした。5月8日までの開催ですから、興味のある方は是非ご覧になってください。

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おみやげは岡本太郎のぬいぐるみ(笑)と付箋紙。全長20cmの岡本太郎が我が家に降臨。このぬいぐるみはキレてます! こうゆう遊び心のあるお土産は良いですね。



展覧会を楽しんだあとは新宿に移動してジュンク堂でしばらくぶらぶらと本探し。あとはディスクユニオンでいつものハイドンの珍しいアルバムをいくつか手に入れました。こちらは良かったものはレビューで取り上げるつもりです。

さて、ランチがイタリアンフルコースだったので、夕食は軽めにというころで、行ったことがなかった北新宿の麺屋武蔵に行ってみました。

麺屋武蔵:本店

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まずはプレミアムモルツ。少々歩き疲れたのでビールが喉に心地いいです。一杯飲んだとこで店員さんが頼んだラーメンとつけ麺にそれぞれ2こずつついている角煮を、一つずつつまみで出しましょうかと気が利いた提案(笑)。
角煮をつまみにビールを飲みながらラーメンを待ちます。角煮はつまみにはいいですね。しっかり味がついて柔らかく煮えてます。

だいぶ前に話題になったお店故、もうすこしマニアックなお店だと想像していましたが、劇場型ラーメン屋さんでした。麺がゆであがって湯切りするたびに店員さん全員が大声でかけ声をかけるなどお店の中は明るくにぎやか。ただにぎやかなだけでなく、さきほどのように気配りもあり、なかなか良い感じです。

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頼んだ武蔵ラーメン。カツオの味と豚骨系の味がミックスしたようなしっかりとしたスープにかなり太めの麺、さきほどのしっかりとした味付けの角煮。頼む前にこってり系かあっさり系かどちらが好みか聞かれ、もちろんあっさり系と答えたんですが、それでもしっかりした濃いめの味のスープ。おそらくこってり系と答えると、もう少し油がういてくるようなスープになるんじゃないかと思います。味としては鰹節や煮干しなどのスープの味の引き出し方がうまく、カツオ臭が目立つこともなく程よいバランス。流石人気店という感じですね。麺も腰があって美味しかったです。

IMG_1472.jpg

こちらはつけ麺。スープはラーメンのスープに酸味が加わって、こちらも良い味でした。どちらかというとラーメンの方がお薦めでしょうか。

入った時はたまたま空席がありましたが、夕食にちょうど良い時間でもあり、出るときには長蛇の列になってました。他のお店とははっきり違う個性的な感じはあり、話題になってからずいぶんたっても人気がある理由がよくわかります。新宿大ガードの北側の小滝橋通り周辺はラーメン激戦地でもありますので、競争を勝ち抜くのは容易でないはず。いろいろ工夫を重ねているのがよくわかりました。

しばらくレビュー以外の記事が多かったので、再びレビュー中心の構成に戻したいと思います。
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ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 展覧会

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Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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