【番外】新橋演舞場で八月花形歌舞伎

今日は新橋演舞場に歌舞伎見物に。友人が海老蔵を見たいというので海老蔵メインの演目です。

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歌舞伎美人:八月花形歌舞伎

今日見たのは昼の部。演目は四代目鶴屋南北作の「桜姫東文章(さくらひめあずまぶんしょう)」という全4幕7場の大作通し狂言。文化14年(1817年)3月に江戸の河原崎座で初演された、江戸時代後期の作品。鶴屋南北といえば「東海道四谷怪談」などで知られる歌舞伎狂言作者。調べてみると生まれは1755年、亡くなったのが1829年ということで、1732年生まれのハイドンと近い世代、1756年生まれのモーツァルトと同世代の人という事ですね。世界中で歴史に残る文化がうまれていたのですね。

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今日は新橋演舞場には早めについたので、友人との待ち合わせに近くの喫茶店で涼みます。

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涼しそうでしょう(笑)

桜姫東文章の筋は奇想天外、複雑怪奇、歌舞伎が大衆娯楽の見せ物であるということのあかしのようなもの。今で言う劇場版トリックのようなものでしょう。

長谷寺の僧清玄(片岡愛之助)と相承院の稚児白菊丸(中村福助)は男性同士なのに恋に落ち、生まれ変わって夫婦になろうと江ノ島で駆け落ちする場面からはじまり、白菊丸が身を投げたあと躊躇した清玄が生き残り、奇想天外なストーリーの軸となるもの。
次の新清水の場では、主役の桜姫(中村福助)が出家して尼になろうとしているところへ、身投げを躊躇してから17年後の清玄が現れ、出家を思いとどまるように諭す。そこで、桜姫の父が何者かに殺されその際家宝の都鳥という書物の1巻が紛失しお家断絶の危機にある状態ということと、生まれながらに左手が開かなかった桜姫の手の中かから以前白菊丸と自害しようとした時に2人で分け持った、お互いの名前の書かれた香箱の片割れが出てくるというキー情報が提示されます。このキー情報が幕が進むにつれて複雑に絡み合い、芝居としてのかなり非現実的な状況設定と展開によって、めくるめくように筋が進んでいくと言うもの。歌舞伎では珍しいかなりリアルな濡れ場あり、切り合いあり、幽霊ありと何でもありの筋書き。このような筋に乗って、市川海老蔵があらくれものの釣り鐘権助役を地を出したような演技で好演しました。物語上の主役は桜姫の福助ですが、男を惑わす色香という意味では、どうしても玉三郎と比較されてしまいます。また元は高僧なのに僧の掟を破って色香に迷った清玄の愛之助も軽妙洒脱という域まではいかず、若手中心の誠実な舞台という印象。やはりこの手の芝居は、脇役のくだけた演技等の質が重要と改めて認識した次第です。

今日良かったのは精妙な鳴りものの効果と、清玄、桜姫の切り合いの場面で流れた歌。筋はやはり大衆受けを狙ったのもでしょうが、歌舞伎の楽しみは豪華な舞台、衣装、三味線、長唄など、日本文化のエッセンス。太鼓が雨や天気を表したり、長唄が非常に厳粛な雰囲気をつくったり、そして鐘や拍子木などのパーカッションの音色が実に効果的でした。



新橋演舞場を出たのが午後3時過ぎ。暑かったので、三原橋交差点のプロントでまずは生ビールで反省会。そして友人をもう一人待ち、5時から予約してあったナイルレストランに。

ナイルレストラン(オフィシャル)
食べログ:ナイルレストラン

警察グッズ収集家としても有名なG.M.ナイルさんのインド料理のお店。癖になる味のムルギランチが有名ですが、今日はおまかせコースです。

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最初はインドビールから。日本ののどごし重視のビールとはかなり異なる香り重視のビールで、すこし甘い香りが特徴。スパイシーな料理との相性はいいですね。

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トウモロコシなどを揚げた団子。この前に餃子の皮のようなものをやはり揚げたものが出てくるのですが、両方ともビールとの相性は十分。

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4人で行ったのですが、カレーはここまでてチキン、豆、チーズの3つ。どれも独特のスパイシーさがあって美味しいです。イケメンのインド人店員さんが、残しちゃだめよと、のこったカレーを取り皿に分けてくれます。ビールが切れたので、インド産の白ワインをボトルで頼みます。こちらもスパイシーな料理に合うよう、豊かな香りが特徴のワインでした。

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そして料理の最後が名物ムルギランチ。要は鶏のモモを煮込んだスパイシーなカレーとサフランライスの組み合わせなんですが、店員さんが目の前で鶏肉を骨からほぐして、完璧に混ぜこぜにしてくれます。一口目は穏やかな味なんですが、食べ進めるうちに独特の旨味を感じる、やはり名物メニューです。

おまかせコースの料理はここまでですが、このあとマサラティーをいただいてのんびり食事を楽しむ事ができました。

このコースだけでお腹いっぱい。独特のおいしさがあるいいお店です。土曜の夜だったのでお店は込み合っていて人気のほどが窺われますね。

ナイルレストランの前には工事中の歌舞伎座とその背後に高層のオフィスビルがそびえ立っています。あたらしい歌舞伎座は、のんびりお芝居を楽しめるようないい劇場となりますでしょうか。完成したらまずは偵察に行かなくてはなりませんね。

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テーマ : 歌舞伎
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 歌舞伎 新橋演舞場

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なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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